JP2003530351A - サイトカイン生成の阻害 - Google Patents

サイトカイン生成の阻害

Info

Publication number
JP2003530351A
JP2003530351A JP2001574117A JP2001574117A JP2003530351A JP 2003530351 A JP2003530351 A JP 2003530351A JP 2001574117 A JP2001574117 A JP 2001574117A JP 2001574117 A JP2001574117 A JP 2001574117A JP 2003530351 A JP2003530351 A JP 2003530351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
desloratadine
allergic
inhibition
production
medicament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001574117A
Other languages
English (en)
Inventor
ロバート ピー. シュライマー,
ジョン シュローダー,
ウィリアム クルートナー,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Sharp and Dohme Corp
Original Assignee
Schering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Schering Corp filed Critical Schering Corp
Publication of JP2003530351A publication Critical patent/JP2003530351A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/445Non condensed piperidines, e.g. piperocaine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/02Nasal agents, e.g. decongestants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents

Abstract

(57)【要約】 IL−4およびIL−13のような炎症惹起性サイトカインの生成の阻害を必要とするヒト患者におけるこのような阻害のための医薬の調製のためのデスロラタジンの使用が開示される。本発明は、IL−4およびIL−13の生成の阻害を必要とするヒト患者におけるこのような阻害の方法を提供し、この方法は、有効量のデスロラタジンをこのような患者に投与する工程を包含する。本発明はまた、アレルギー性状態および/または炎症性状態の症状を示す患者におけるヒト好塩基球からのIL−4およびIL−13の生成を阻害する方法を提供し、この方法は、IL−4およびIL−13の生成を阻害し、かつこのようなアレルギー性状態および/または炎症性状態の症状を同時に処置するために有効な量のデスロラタジンを、このような患者に投与する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、薬学的組成物、ならびに炎症惹起性サイトカイン(例えば、IL−
4およびIL−13)の生成を阻害するための医薬の調製のためのデスロラタジ
ン(desloratadine)の使用に関する。
【0002】 マスト細胞および好塩基球は、アレルギー性疾患および炎症性疾患において役
割を果たす。これらの細胞は、広範な種々の媒介因子(例えば、プロスタグラン
ジン(例えば、プロスタグランジンD2)、ロイコトリエン(例えば、ロイコト
リエンCサイトカイン)およびヒスタミン)を産生する。サイトカインは、細
胞により分泌されるポリペプチドであり、その他の細胞の機能に影響を及ぼす。
サイトカイン(インターロイキンを含む)は、影響される細胞の型、および示さ
れる生物学的活性において広く異なる。デスロラタジン(非鎮静抗ヒスタミン)
は、Lippert,U.ら,Experimental Dermatolo
gy,1995,Vol.4,272−276によりヒトマスト細胞株および好
塩基球細胞株からのサイトカインIL−6の放出を40%まで、およびサイトカ
インIL−8の放出を50%まで阻害する際にインビトロで活性であることが開
示される。ヒトFCεRI細胞は、ヒスタミン、トリプターゼ(trypta
se)およびカイメースの放出により炎症惹起性の重要な役割を果たす。しかし
、ヒトマスト細胞株および好塩基球細胞株は、抗親和性免疫グロブリン−E(I
gE)レセプター(FCεRI)を介するシグナル伝達において欠損しているの
で、IL−6およびIL−8のIgE媒介放出に対して、(存在する場合に)デ
スロラタジンがどのような効果を有するのかを推定することは困難である。S.
Moletら.,Clinical and Experimental Al
lergy,1997,Vol.27,1167−1174頁は、内皮細胞にお
けるインビトロ研究において、デスロラタジンが、IL−6およびIL−8のヒ
スタミン誘導放出を減少させることを開示する。Kleine−Tebbe,J
.ら,J.Allergy Clin.Immunol.1994,Vol.9
3,No.2,494−500頁は、ヒト好塩基球におけるインビトロ研究にお
いて、デスロラタジンが、IgE媒介および非IgE媒介のヒスタミン放出を阻
害することを開示する。
【0003】 ヒト好塩基球は、サイトカイン(IL−4およびIL−13)の主要な供給源
であり、これらのサイトカインは、混合白血球培養においてインビトロで生成さ
れる。好塩基球によるIL−4およびIL−13の生成は、アレルギー性炎症性
状態の病因に関与する種々の活性を調節する際に役割を果たし得る。例えば、I
L−4およびIL−13はそれぞれ、ヒトB細胞によりIgE−4およびIgG
−4の分泌を誘導する。(Schroeder,J.T.,「The role
of basophil−cytokine networks in as
thma.」Asthma and Allergic Diseases:P
hysiology,Immunopharmacology,and Tre
atment,Editors:G.Marone,K.F.Austen,S
T Holgate,A.B.Kay,L.M.Lichtenstein,A
cademic Press,San Diego,75−84,1998aを
参照のこと)。しかし、好塩基球または任意のその他の細胞型におけるIL−4
およびIL−13のようなサイトカインの生成に対するデスロラタジンの効果に
関する情報はない。Gibbsらによる1つの研究(Naunyn Schmi
edebegs Arch.Pharmacol,1998,Vol.357:
573−578)は、比較的高い濃度のテルフェナジン(非鎮静抗ヒスタミン)
を使用して、好塩基球におけるインビトロでのIL−4およびIL−13の分泌
の中程度(50%)の阻害を報告する。この研究は、使用されるテルフェナジン
濃度が毒性であるか否かを試験しなかった。FDAは、季節性アレルギー性鼻炎
の処置における使用に関して、心臓に関する理由のためにテルフェナジンがもは
や安全ではないことを見出したために、2つのテルフェナジンのNDAを中止し
た。(Federal Register,October 5,1998,V
ol.63,53444頁)。
【0004】 IL−4およびIL−13のような炎症惹起性サイトカインの分泌を阻害して
、疾患状態(例えば、アレルギー性状態および/または炎症性状態)を処置する
ための安全で効果的な治療法の必要性が存在する。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、IL−4およびIL−13の生成の阻害を必要とするヒト患者にお
けるこのような阻害の方法を提供し、この方法は、有効量のデスロラタジンをこ
のような患者に投与する工程を包含する。
【0006】 代表的には、IL−4およびIL−13は、ヒト好塩基球およびその他の細胞
(例えば、ヒトB細胞)から生成される。
【0007】 本発明はまた、アレルギー性状態および/または炎症性状態の症状を示す患者
におけるヒト好塩基球からのIL−4およびIL−13の生成を阻害する方法を
提供し、この方法は、IL−4およびIL−13の生成を阻害し、かつこのよう
なアレルギー性状態および/または炎症性状態の症状を同時に処置するために有
効な量のデスロラタジンを、このような患者に投与する工程を包含する。
【0008】 本発明はまた、炎症惹起性サイトカインの生成をブロックすることを必要とす
る患者において炎症惹起性サイトカインの生成をブロックする方法を提供し、こ
の方法は、このような患者に有効量のデスロラタジンを投与する工程を包含する
【0009】 本発明はまた、ヒト好塩基球からの炎症惹起性サイトカインの分泌を阻害する
必要のある患者において、ヒト好塩基球からの炎症惹起性サイトカインの分泌を
阻害する方法を提供し、この方法は、このような患者に有効量のデスロラタジン
を投与する工程を包含する。
【0010】 好ましい炎症惹起性サイトカインは、IL−4およびIL−13である。
【0011】 このような阻害を必要とする患者は、気道、皮膚、眼および腸管のアレルギー
性/炎症性状態の症状を有する患者である。
【0012】 本発明はまた、皮膚、眼、腸管、ならびに/または上気道および下気道のアレ
ルギー性/炎症性状態の症状を示す患者を処置する方法を提供し、この方法は、
このような患者に有効量のデスロラタジンを投与する工程を包含する。
【0013】 このような阻害を必要とする患者は、皮膚、眼、腸管、および/または上気道
および下気道のアレルギー性/炎症性状態の症状を有する患者である。
【0014】 本発明はまた、アレルギー性の要素(component)および炎症性の要
素を有する疾患状態を処置する方法を提供し、この方法は、このような処置を必
要とする患者に、抗炎症性効果を生じるのに有効な量のデスロラタジンを投与す
る工程を包含する。
【0015】 本発明はまた、アレルギー性ぜん息を処置および/または予防し、かつこのよ
うな処置を必要とする患者においてIL−4およびIL−13の分泌を阻害する
方法を提供し、この方法は、このような患者に有効量のデスロラタジンを投与す
る工程を包含する。
【0016】 本発明はまた、アレルギー性鼻炎を処置および/または予防し、かつこのよう
な処置を必要とする患者においてIL−4およびIL−13の分泌を阻害する方
法を提供し、この方法は、このような患者に、有効量のデスロラタジンを投与す
る工程を包含する。
【0017】 本発明はまた、アトピー性皮膚炎を処置および/または予防し、かつこのよう
な処置を必要とする患者においてIL−4およびIL−13の分泌を阻害する方
法を提供し、この方法は、このような患者に有効量のデスロラタジンを投与する
工程を包含する。
【0018】 本発明はまた、じんま疹を処置および/または予防し、かつこのような処置を
必要とする患者においてIL−4およびIL−13の分泌を阻害する方法を提供
し、この方法は、このような患者に有効量のデスロラタジンを投与する工程を包
含する。
【0019】 本発明はまた、IL−4およびIL−13が媒介する疾患状態を処置する必要
のある患者においてこのような処置をする方法を提供し、この方法は、IL−4
およびIL−13の生成を阻害するのに有効な量のデスロラタジンをこのような
患者に投与する工程を包含する。
【0020】 有効量のデスロラタジンは、ヒト細胞からのIL−4およびIL−13の生成
を阻害しかつ好ましくはブロックするのに十分な量である。
【0021】 本発明はまた、皮膚、眼、腸管ならびに/または上気道および下気道のアレル
ギー性状態および/または炎症性状態の症状を示す患者において、ヒト好塩基球
からのIL−4およびIl−13の生成を阻害する方法を提供し、この方法は、
このような患者に、IL−4およびIL−13の生成を阻害するのに有効でかつ
このようなアレルギー性および/または炎症性の状態の症状を同時に処置するの
に有効な量のデスロラタジンを投与する工程を包含する。
【0022】 (発明の詳細な説明) 本発明の方法に従って、本発明者らは、ヒト好塩基球からのIL−4およびI
L−13の生成を阻害するデスロラタジンの能力を実証し、同時に、種々の刺激
を使用するこれらの細胞からの媒介因子の放出を防止する際のその効率を比較す
る。デスロラタジンは、抗IgEによって誘導されるヒト好塩基球からのヒトI
L−4およびIL−13の分泌を減少する際に、それが同じ培養物の上清におい
て放出される媒介因子(ヒスタミンおよびLTC)を阻害する際よりも、顕著
に(ほぼ6〜7倍)より強力であることが見出された。サイトカイン(IL−4
およびIL−13)は、イオノマイシンで誘導されたヒスタミン放出に対する効
果の欠如にも関わらず、イオノマイシンでの活性化後にデスロラタジンによって
等しく阻害された。デスロラタジンは、IL−3およびPMAに対して応答して
分泌されるIL−13を阻害する際に、より少ない効果を有し、このことは、抗
ヒスタミンが、サイトカイン生成の個々の経路を差示的に標的化することを示唆
する。最終的に、デスロラタジンが細胞毒性であるという証拠は、存在しない(
すなわち、それは、減少した細胞生存度を引き起こすことによってその阻害効果
を媒介した)。本発明に従って、IL−4 mRNA蓄積はまた、デスロラタジ
ンでの前処理後に、80%ほど多くまで、顕著に阻害された。このことは、デス
ロラタジンが、これらが媒介因子放出を制御することに加えて、サイトカイン遺
伝子転写を調節するシグナルを標的化することを示唆する。
【0023】 成句「アレルギー性および/または炎症性状態」は、皮膚、眼、腸管および/
または鼻から肺の上気道および下気道において見出されるアレルギー性および炎
症性の状態および症状を意味する。皮膚または上気道および下気道の代表的なア
レルギー性および/または炎症性状態としては、季節性および多年性アレルギー
性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、アレルギー性および非アレルギー性喘息を含む喘
息、副鼻腔炎、かぜ、皮膚炎(特に、アレルギー性およびアトピー性皮膚炎)、
ならびにじんま疹および症候性および皮膚描記症が挙げられる。眼の代表的なア
レルギー性および/または炎症性状態としては、アレルギー性結膜炎が挙げられ
るが、これに限定されない。胃腸管の代表的なアレルギー性および/または炎症
性状態としては、食物アレルギーが挙げられるが、これに限定されない。
【0024】 本明細書中で使用される場合、用語「ヒト」は、12歳未満18歳未満の男性
または女性の小児被験体、12歳を超えて18歳未満の男性または女性の小児被
験体、そして18歳以上の男性または女性成人を含む。
【0025】 本明細書中で使用される場合、用語「炎症惹起性サイトカイン」は、アレルゲ
ンに曝露されたヒトの皮膚、眼、腸管、および気道のアレルギー性反応および炎
症性反応に関連するこれらのサイトカインを意味する。代表的に、適切な炎症惹
起性サイトカインは、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、I
L−9およびIL−13を含む。
【0026】 皮膚または気道のアレルギー性および炎症性状態を処置または予防するための
デスロラタジンの有効量は、患者の年齢、性別、体重ならびにアレルギー性およ
び炎症性状態の重篤度で変化する。代表的には、12歳を超える成人ヒトにおけ
るこのようなアレルギー性および炎症性状態を処置または予防するために効果的
なデスロラタジンの量は、約2.5mg/日〜約45mg/日、好ましくは約2
.5mg/日〜約20mg/日、または約5.0mg/日〜約15mg/日、ま
たは約5.0mg/日〜約10mg/日、より好ましくは約5.0mg/日〜約
7.5mg/日の範囲であり、そして最も好ましくは単回用量もしくは分割用量
で約5.0mg/日(例えば、2×2.5mg/日または単回用量の5.0mg
/日)である。
【0027】 デスロラタジンは、強力かつ選択的な末梢H1レセプターアンタゴニスト活性
を有する非鎮静長期作用ヒスタミンアゴニストである。インビトロおよびインビ
ボの動物薬理学研究は、デスロラタジンおよびロラタジンの種々の薬力学的な効
果を評価するために行なわれてきた。マウスにおいて中枢神経(「CNS」)活
性を評価する際に、デスロラタジンは、行動、神経性または自律神経性機能にお
ける変更を比較的生じなかった。デスロラタジンが脳H1レセプターを占める可
能性は、腹腔内投与後にモルモットにおいて評価され、そして結果は、デスロラ
タジンについての中央ヒスタミンレセプターへの乏しいアクセスを示唆する。
【0028】 デスロラタジンの臨床的効率および臨床的安全は、4つの二重盲目検の無作為
臨床試験における3,200を超える季節的アレルギー性鼻炎において実証され
ている。これらの臨床的研究の結果は、季節的鼻炎を有する成人および青年患者
の処置におけるデスロラタジンの効果を実証した。
【0029】 全ての研究における効力指標は、有効性の臨床試験における総症状スコア(T
otal Symptom Score)、総鼻症状スコア(Total Na
sal Symptom Score)、総非鼻症状スコア(Total No
n−nasal Symptom Score)、および生活の健康の質(He
alth Quality of Life)分析であった。デスロラタジン(
1日1回5mg)は、総症状スコア(鼻漏、くしゃみ、うっ血/鼻詰まり(st
uffiness)、鼻のかゆみ、痒い/ヒリヒリする眼、流涙、眼の赤み、お
よび痒い耳/口蓋の個々のスコアの合計)を有意に減少させた。デスロラタジン
(5mg)は、鼻の症状を減少する際にプラセボよりも有意に(p<0.01)
より効果的であった。デスロラタジン研究において分析された重要な効力指標は
、AM NOW総症状スコアである。このパラメーターは、翌日の用量を摂取す
る前に、24時間後の患者による総症状の軽減を測定する。統計学的に有意な(
p<0.05)減少が、全体の5mg〜20mgの投薬範囲にわたって、完全な
24時間の投薬間隔の間、維持された。
【0030】 性別、年齢、または人種によって定義される患者のサブグループ中に(全体の
5mg〜20mgの投薬範囲にわたって)、デスロラタジンの効果における有意
な差異は存在しなかった。デスロラタジンは、このような処置および/または予
防が必要な患者において、鼻のうっ血を含む、季節性アレルギー性鼻炎の鼻の症
状(鼻詰まり/うっ血、鼻漏、鼻のかゆみ、くしゃみ)および鼻以外の症状(痒
い/ヒリヒリする眼、流涙眼/涙眼、眼の赤み、耳/口蓋のかゆみ)の処置およ
び予防のために特に有用である。
【0031】 米国特許第4,659,716号は、デスロラタジンを作製する方法、これを
含む薬学的組成物、ならびに哺乳動物においてアレルギー性反応を処置するため
にデスロラタジンおよびそれを含む薬学的組成物を使用する方法を開示する。
【0032】 米国特許第5,595,997号は、デスロラタジンを含む薬学的組成物なら
びに種々の疾患状態(例えば、アレルギー性鼻炎)を処置および予防するための
デスロラタジンを使用する方法を開示する。
【0033】 米国特許第6,100,274号は、アレルギー反応(例えば、アレルギー性
鼻炎)を処置するための経口投与に適したデスロラタジンを含む安定した薬学的
組成物を開示する。
【0034】 デスロラタジンの薬学的組成物は、投与の任意の様式(例えば、経口投与、非
経口投与(例えば、皮下(「SC])投与、筋肉内(「IM])投与、および腹
腔内(「IP])投与)、局所的投与または膣投与または吸引による投与(経口
投与または鼻腔内投与))に適合され得る。好ましくは、デスロラタジンは、経
口投与される。
【0035】 このような薬学的組成物は、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩
の等量を、適切な不活性の薬学的に受容可能なキャリアまたは固体または液体の
いずれかであり得る希釈剤と組み合わせることによって、処方され得る。デスロ
ラタジンは、等量の薬学的に受容可能な酸とそれとを混合することによって、薬
学的に受容可能な酸性付加塩に変換され得る。代表的には、適切な薬学的に受容
可能な酸としては、無機酸(例えば、HNO、HSO、HPO、HC
l、HBr)、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイ
ン酸、コハク酸、酒石酸、グルクロン酸およびクエン酸ならびにアルキル酸また
はアリールスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスル
ホン酸、またはメタンスルホン酸)が挙げられるが、これらに限定されない)が
挙げられる。好ましい薬学的に受容可能な塩は、トリフルオロアセテート、トシ
レート、メシレート、およびクロライドである。デスロラタジンは、酸付加塩よ
りも遊離塩基としてより安定であり、そして本発明の薬学的組成物におけるデス
ロラタジン遊離塩基がより好ましい。米国特許第6,100,274号を参照の
こと。
【0036】 固体形態の調製物としては、粉末、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル、カシ
ェ剤および坐剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約2.5〜約95%、好まし
くは約2.5〜約20%、より好ましくは約2.5〜約10%、または約2.5
〜約5%の活性成分から構成され得、そして最も好ましくは5%の活性成分から
構成され得る。適切な固体キャリア(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、糖またはラクトース)が、当該分野で公知である。錠剤
、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適切な固体投薬形態として使用
され得る。薬学的に重要可能なキャリアおよび種々の組成物のための製造方法の
例は、A.Gennaro(編)、Remington’s Pharmace
utical Sciences、第18版、(1990)、Mack Pub
lishing Co.,Easton,Pennsylvaniaにおいて見
出され得る。
【0037】 液体形態調製物としては、溶液、懸濁物およびエマルジョンが挙げられる。例
としては、非経口注射のための水または水−ポリプロピレングリコール溶液が言
及され得る。固体形態処方物は、非経口または投与のいずれかの使用の直前に、
液体調製物に変換され得る。静脈内、筋肉内または皮下注射される非経口形態は
、通常、滅菌溶液の形態であり、そして緊張剤(糖またはグルコース)および緩
衝液を含み得る。乳白剤は、経口溶液、懸濁液およびエマルジョンに含まれ得る
。液体形態調製物は、鼻腔内投与のための溶液を含み得る。この液体調製物は、
固体形態調製物において使用されるのと、同じ範囲の活性成分を含み得る。
【0038】 吸引に適切なエアロゾル調製物は、溶液および粉末形態の固体(これは、薬学
的に受容可能なキャリア(例えば、不活性な圧縮気体(例えば、窒素))と組み
合わせられ得る)を含み得る。
【0039】 経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に、使用の直前
に変換されることが意図される固体形態調製物もまた含まれる。このような液体
形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0040】 本発明の化合物はまた、経皮送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、
ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態を取り得、そしてこ
の目的のために当該分野で慣用的であるように、マトリクスまたはリザーバ型の
経皮パッチに含まれ得る。
【0041】 好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態において
、調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するための効果的
な量)を含む適切なサイズの単位用量に分割される。
【0042】 さらに、デスロラタジンは、当業者に公知のそしてPhysicians’
Desk Referenceにおいて記載されるような投薬レベルに従って、
治療学的に効果的な量のステロイド(例えば、モメタゾンフロエート、ジプロピ
オン酸ベクロメタゾンもしくはプロピオン酸フルチカゾン(fluticaso
ne))、ロイコトリエンインヒビター(例えば、モンテルカスト(monte
lukast)ナトリウムもしくはザフィルルカスト(zafirlukast
))および/または上気道うっ血除去薬(フェニルエフェドリン、偽エフェドリ
ンおよびフェニルプロパノールアミンを含むがこれらに限定されない)あるいは
それらの薬学的に受容可能な塩と組み合わせて投与され得る。上気道うっ血除去
薬(偽エフェドリンHCl)の使用は好ましい。
【0043】 (実施例) (材料および方法) (特殊な試薬) 全ての試薬を、他に記載しない限り購入した。Sigma Chemical
Co.(St.Louis,MO)からのピペラジン−N,N’−ビス−2−
エタンスルホン酸(PIPE)、イオノマイシン、FMLP、PMA、および胎
児ウシ血清(FBS);Life Technologies,Inc.,Gr
and Island,NYからのL−グルタミンを含みかつ25mM N−2
−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、
ゲンタマイシン、非必須アミノ酸(100×)を含むRPMI−1640および
Iscoveの改変ダルベッコ培地(IMDM);およびPharmacia(
Piscataway,NJ)からのパーコール。これらの実験において使用し
たデスロラタジンは、Schering−Plough Research I
nstituteによって提供された。0.1Mストック溶液を、DMSO中で
作製し、アリコートし、そして−20℃で凍結した。全てのpipes含有緩衝
液を、ストック10×PIPES(250mM PIPES、1.20M Na
Cl、および50mM KCl,pH7.3(4℃で貯蔵))から作製した。等
張性パーコール(100%パーコールといわれる)を、9部のパーコールと1部
の10×PIPESとを混合することによって作製した。PAGは、10分の1
の10×PIPES、0.003%HAS、および0.1%D−グルコースを含
んだ。PAG−EDTAは、さらに4mM EDTAを含んだ。細胞単離に使用
されたパーコール溶液を、1×PIPESを含む100%パーコールの適切な量
と混合することによって全て作製した。
【0044】 (細胞の調製および培養) 好塩基球を含む混合白血球懸濁物を、記載のように(Schroederら、
J.Immunol.1994,第153巻:1808)二重Percoll密
度遠心分離を用いるか、または向流エルトリエーションおよびPercoll密
度遠心分離プロトコールの組み合わせ(MacGlashanら、J.Immu
nol.,1994、第153巻:3006〜3016)のいずれかによって、
調製した。これらのプロトコールを用いて得た好塩基球のパーセンテージは、そ
れぞれ、代表的に、5〜50%、および10〜30%の間にわたり、そしてSp
iers−Levyチャンバ上でAlcianブルー陽性染色および陰性染色さ
れた細胞を計数することによって決定された(GillbertおよびOrns
tein,1975)。いくつかの実験について、この好塩基球を、陰性選択プ
ロトコール(Miltenyi Corp.,Auburn,CA)を用いて>
99.9%までさらに精製した。これらのIL−4 mRNA発現を評価する以
外の全ての実験について、5%熱非働化(56℃、30分)FBS、1×非必須
アミノ酸、および5μg/mlゲンタマイシン(C−IMDM)を補充したIM
DMを用いて96ウェル平底マイクロタイタープレート中で(二連で)細胞を、
培養した。IL−4 mRNA発現の分析のために、C−IMDM中の細胞を、
オートクレーブした(RNaseフリー)の1.5ml微小遠心分離管(下記参
照)中で培養した。これによって、抽出の前に培養ウェルから細胞を移す必要な
くmRNAを定量的に単離するための、さらに正確な方法が可能になった。各条
件について、100μlのC−IMDM中に約100,000〜500,000
の好塩基球を含む白血球懸濁物を、37℃に予熱し、その後、C−IMDM中に
100μlのデスロラタジン濃度を添加し、また37℃に予熱した。プレインキ
ュベーションの15分後、次いで50μlの5×(最終濃度の5倍)の刺激因子
を添加することによって、この細胞を活性化した。用いた刺激因子の濃度は、媒
介因子の放出ではなく、IL−4生成に至適であったことがここで注目される重
要な点である。このことは、特に抗IgE抗体に関して正しい。抗IgE抗体は
、至適のヒスタミン放出を起こす濃度の10分の1の濃度でIL−4を誘導する
ことが示されている(Schroederら、同書)。収集については、上記の
ように(Schroederら、同書)培養物を遠心分離し、そして媒介因子放
出およびサイトカイン分析のために、無細胞上清を収集した。4時間で得た培養
上清のアリコートにおいて、ヒスタミン、LTCおよびIL−4を全て、測定
した。ヒスタミンに関しては、これは、20〜50μlの上清をとること、およ
びそれを1.6%HClOを含有する1mlのPAG緩衝液中に希釈すること
を意味した。4℃での一晩の沈殿後、自動蛍光測定(Siraganian,R
.P.、Anal.Biochem.,1974,第57巻:383〜394)
によってサンプルをアッセイした。インハウスRIAによって(MacGlas
hanら、J.Immunol.1986、第136巻:2231〜2239)
LTCを測定した。市販のELISA(Biosource Interna
tional)によってIL−4タンパク質を測定した。IL−13分泌でのデ
スロラタジンの効果を検討する全ての実験についてインキュベーションの20時
間後、培養上清を回収した。ある場合には、IL−4をまた、この時点で、特に
イオノマイシンを用いたとき、測定した。なぜなら、このサイトカインの分泌の
ための動態は、この刺激因子で4時間を越えてのびたからである(Schroe
der、ら、J.Leuk.Biol.1998、第63巻:692〜698)
。IL−13タンパク質測定をまた市販のELISA(Immunotech)
を用いて行った。
【0045】 (RNA単離およびIL−4 mRNA発現の半定量的分析) IL−4 mRNAの分析のための培養を、上記のように1.5mlのポリプ
リピレン微小遠心分離管中で実施した。細胞をデスロラタジン(10μM)で1
5分間前処理し、その後、抗IgE抗体(10〜20ng/ml)で活性化した
。RNAzolプロトコール(Tel−test Inc., Friends
wood,TX)を用いて、2時間のインキュベーション後に、総RNAを単離
した。この2時間のインキュベーションとは、IgE依存性活性化合物を用いて
IL−4メッセンジャー発現がピークである時間である。(Schroeder
ら、J.Immunol.1997,第158巻:5448〜5454)。イソ
プロパノール沈殿後、70%エタノールを用いてRNAを洗浄し、真空下で乾燥
した。続いて、RNAを25μlのジエチルピロカーボネート(DEPC)処理
水中に再懸濁し、そして−80℃で保管した。GeneAmp RNA PCR
キット(Perkin−Elmer Cetus,Norwalk,CT)を用
いて、以前に詳細を説明した(MacGlashanら、J.Immunol.
,1994;第152巻:3006〜3016;Schroederら、J.I
mmunol.1997、第158巻:5448〜5454)ように、階段希釈
したRNAを用いて、逆転写(RT)およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を
実施した。エチジウムブロミド染色を用いて、3%アガロースゲル中で、PCR
産物を可視化した。他のいずれかの場所で注記したように、IL−4に対して2
つの異なるバンドが観察された。優勢なバンドは、約460bpのサイズで見ら
れた。供給源が小さくなるほど、わずかなバンドは不確かになるが、IL−4の
選択的スプライシングされた形態であると考えられる(Atamasら、J.I
mmunol.1996、第156号:435〜441)。2つのバンドが、好
塩基球の純粋な懸濁物かまたは富化された懸濁物のいずれかを用いて慣用的に観
察される。
【0046】 図1aおよび1bは、ヒト好塩基球による、ヒスタミン、LTCおよびIL
−4の分泌に対するデスロラタジンの効果を図示する。図1aについて、3〜5
5%の好塩基球を含む混合リンパ球懸濁物を、Percoll密度遠心分離を用
いて全血から調製した。示した濃度のデスロラタジンを用いて、細胞を15分前
処理し、その後、抗IgE抗体(10〜20ng/ml)で活性化した。4時間
のインキュベーション後に回収した同じ培養上清を用いて、3つの産物全てを測
定した。値は、平均±SEM(n=5)である。各産物についての徐放性:全体
40±6%、IL−4:403±207pg/10好塩基球、およびLTC :860±127pg/10好塩基球。図1bは、ヒト好塩基球(純度99%
)からの、ヒスタミン、LTCおよびIL−4の分泌に対するデスロラタジン
の効果を示す。ヒスタミンについての徐放性:LTC、およびIL−4は、総
量の60%で、それぞれ903pg/10好塩基球、および854pg/10 好塩基球。
【0047】 図2は、イオノマイシンに対する応答における、ヒスタミン放出(HR)およ
びIL−4の分泌に対するデスロラタジンの効果を例示する。42%、99%お
よび98%純度の好塩基球懸濁物を、0.1μM、1.0μM、および10μM
のデスロラタジンを用いて15分間前処理した。次いで、細胞をイオノマイシン
(500ng/ml)で4時間活性化した。培養上清を回収し、そしてヒスタミ
ンおよびIL−4タンパク質についてアッセイした。値は、平均±SEM、n=
3を示す。IL−4のコントロールレベルは、3398、253、および348
pg10の好塩基球(n=3)であった。同じ培養物中のヒスタミン放出のパ
ーセンテージは、それぞれ、91%、25%および10%であった。
【0048】 図3は、抗IgEまたはイオノマイシンによって活性化されたヒト好塩基球に
よるIL−13分泌に対するデスロラタジンの効果を例示する。純度6〜99%
にわたる好塩基球懸濁物を、示した濃度のデスロラタジンを用いて15分前処理
した。細胞を抗IgE(10〜20ng/ml)またはイオノマイシン(500
ng/ml)のいずれかで活性化した。培養上清を18時間のインキュベーショ
ン後に回収し、そしてELISAによってIL−13タンパク質についてアッセ
イした。値には誤差バーを伴い、この値は平均±SEM(n=3)を示す。コン
トロール培地中のIL−3タンパク質は、抗IgEおよびイオノマイシンについ
て、それぞれ、平均して、169±35および334±144pg/10好塩
基球であった。白丸で示した値は、2つの実験の平均である(IL−13のコン
トロールレベルは、260および230pg/10好塩基球であった)。
【0049】 図4は、デスロラタジンが、IL−3およびPMAで活性化された好塩基球か
らのIL−13分泌を阻害することをグラフ表示する。好塩基球(94%純度ま
で)を、二重Percoll密度遠心分離および陰性選択プロトコールを用いて
、全血から調製した。示した濃度のデスロラタジンを用いて、細胞を前処理し、
その後IL−3(100ng/ml)またはPMA(2ng/ml)を加えた。
培養上清を18時間のインキュベーション後に回収し、そしてELISAによっ
てIL−13タンパク質についてアッセイした。値は平均±SEM(n=3)を
示す。デスロラタジン非存在下におけるIL−13分泌の量は、IL−3活性化
合物について570±142pg/10好塩基球、そしてPMA誘導について
は、216±120pg/10の好塩基球であった)。
【0050】 図5a〜dは、デスロラタジンで前処理した好塩基球におけるIL−4 mR
NA発現の阻害をグラフ表示する。デスロラタジン(10μM)またはDMSO
(1:10,000)を用いて、細胞を15分インキュベートし、その後、抗I
gE抗体(10ng/ml)または培地のみを投与した。2時間後に、総RNA
を単離し、そして希釈RT−PCR分析に用いて、IL−4およびハウスキーピ
ング遺伝子(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT))
についてのメッセンジャーの発現を比較した(パネルa)。希釈していないRN
A発現について濃度測定分析が示されている(パネルb)。2b後の、上清中の
ヒルタミンおよびIL−4の分泌を、比較のために示す(それぞれ、パネルcお
よびd)。値は、平均±SEM(n=3)を示す。
【0051】 (考察) 最初の一連の実験(図1aおよび1bを参照のこと)において、本発明者らは
、デスロラタジンが、抗IgEによって誘発された好塩基球からのIL−4分泌
をブロックする能力を実証し、そしてこの阻害を、同じ4時間の培養情勢におけ
るヒスタミンおよびLTC放出に関してみられた阻害と比較した。図1aに示
されるように、デスロラタジンは、1μM(10−6M)と10μM(10−5 M)との間の濃度で、用量依存性に、ヒスタミンおよびLTCの放出を阻害し
た。比較のために、デスロラタジンは、前に形成された媒介因子の放出について
よりも、IL−4分泌に対して著しく、さらに強力であった。1μM〜10μM
のデスロラタジンで前に処理された細胞は、薬物に曝露されていない細胞よりも
40%〜80%少ないIL−4を分泌した。これらの細胞によるヒスタミンおよ
びLTCの放出において、匹敵する阻害を生じるには、ほぼ7倍大きい濃度の
デスロラタジンが、必要であった。IL−4の阻害は、ヒスタミンについてみら
れる阻害と異なり、デスロラタジンのマイクロモル範囲内でプラトーになり、次
いで1μM〜10μMの間のデスロラタジン濃度で徐々に高い値に達した。図1
bに示すように、この効果はまた、99%より高度に精製された好塩基球を用い
て照明された。このことは、デスロラタジンが、IL−4の阻害について好塩基
球に直接影響していたことを示した。デスロラタジンはまた、不純な懸濁物に対
して阻害するのとほぼ同様に、純粋な好塩基球からのヒスタミンを阻害した。
【0052】 本発明者らは、デスロラタジンが、他の刺激によって活性化された好塩基球か
らの、IL−4、ヒスタミン、およびLTC放出に影響したか否かを試験した
。図2は、カルシウムイオノフォアであるイオノマイシンによって誘導されたヒ
スタミンの分泌が、0.1μM、1.0μM、および10μMの濃度でデスロラ
タジンによって影響されなかったことを示す。しかし、イオノマイシン刺激に応
答して分泌された高レベルのIL−4は、同じ濃度(すなわち、0.1μM、1
.0μM、および10μM)のデスロラタジンによって顕著に阻害された。FM
LP刺激に応答して生じたヒスタミンおよびLTCはまた、デスロラタジンに
よって阻害されなかった(データ示さず)。
【0053】 Redrupら、J.Immunol.1998、第160巻:1957−1
964は、以下を報告した:(1)複数の刺激が、ヒト好塩基球におけるIL−
13の生成について薬理学的に異なる経路を誘導すること、および(2)抗Ig
Eおよびイオノマイシンの両方が、免疫抑制的な薬物であるFK506に対して
感受性であるIL−13分泌を誘導し、このことは、これらの刺激がカルシウム
依存性経路を利用してこのサイトカインを生成することを示唆すること。Red
rupらの研究において、IL−3またはPMA活性化に応答して生成されたI
L−13は、FL−506によって影響されなかった。そしてホルボールエステ
ルに応答して生成されたタンパク質のみがPKCインヒビターによって阻害され
た。従って、本発明者らは、これらの刺激によって誘導されたIL−13がまた
、デスロラタジン前処理で示差的に影響されないか否かに取り組んだ。図3は、
抗IgEまたはイオノマイシンのいずれかに応答して生成されたIL−13を示
す。実際、いずれかの刺激によって誘導されたIL−13の阻害についてのデス
ロラタジンの濃度応答曲線の形状はかなり類似していた。図3におけるこれらの
曲線は、図1または2に示されるようなデスロラタジンによるIL−4の阻害に
ついて見られた曲線とほぼ同一であった。特に、最初のプラトーは、50〜70
%阻害のレベルで1μMで見られた。デスロラタジン濃度とともに続けられたI
L−13の用量依存性阻害は、10μMまで増大した。興味深いことに、デスロ
ラタジン前処理に対する応答は、不純な(6〜11%)好塩基球懸濁物を用いた
、2つの実験ではかなり異なっていた。これらの細胞調製物を用いた場合、抗I
gEに応答して分泌されたIL−13を防止することにおいて、デスロラタジン
は、かなり有効性が低く、これによって、さらに純粋な好塩基球懸濁物を用いて
みられたのと同じIC50を生成するには、ほぼ10倍高い濃度が必要である。
図4は、デスロラタジンがまた、IL−3またはPMAに応答して生じたIL−
13を、たとえさらに低い程度で、かつさらに対数線形で生じた阻害曲線でも、
阻害したことを示す。実際、この薬物は、IL−3が媒介したIL−13生成を
、約2μMのIC50で阻害した。この濃度は、抗IgEまたはイオノマイシン
活性化で分泌されたIL−13を阻害するために必要な濃度のほぼ5倍であった
。デスロラタジンは、同様の様式でPMAによって誘導されたIL−13を阻害
した。この阻害は、1μM〜10μMの濃度の薬物でみられた。
【0054】 ヒスタミンおよびLTC(これらの両方とも活性化後数分以内に好塩基球か
ら放出される)と異なり、IL−4タンパク質は、最初に1〜2時間後に検出さ
れ、そしてIL−13は、活性化後48時間で検出される。従って、媒介因子放
出対サイトカイン産生の動態が、デスロラタジンに対する感度の差異の原因であ
り得る(特に細胞溶解が因子であった場合)という可能性がある。しかし、本発
明者らは、10μMのデスロラタジンが、たとえ18時間刺激因子と合わされた
場合でも、細胞傷害性であった(すなわち、純粋な好塩基球培養物中でトリパン
ブルー排除によって評価したような細胞死を生じた)という証拠は見出さなかっ
た(データ示さず)。100μMのデスロラタジンとのみ培養した場合、細胞は
、トリパンブルーで染色した。さらに、ヒスタミンが、これらの培養物中で検出
された。このことは、この濃度のデスロラタジンが細胞溶解を生じたことを示す
【0055】 結局、デスロラタジンが、mRNAの蓄積に影響することによって、好塩基球
からのサイトカイン分泌を阻害する可能性を検討するため、本発明者らは、IL
−4のメッセンジャーの発現に対する、デスロラタジン(10μM)前処理の効
果を試験した。これらの実験について、本発明者らは、希釈RT−PCRのプロ
トコールを用いて、半定量的分析を行った。図5のパネルは、IL−4のmRN
A発現が、刺激を受けていない細胞(レーン2〜4)に対して、抗IgEで活性
化された細胞(レーン8〜10)で誘導されたことを明確に示す。デスロラタジ
ンでの前処理は、誘導されたサイトカインのメッセンジャーの実質的な減少をも
たらした(レーン11〜13)が、ハウスキーピング遺伝子であるHPRTの発
現には影響を有さなかった。図5のパネルbは、3つの実験の平均の濃度測定分
析を示す。これは、デスロラタジン前処理が、抗IgE活性化で刺激されたIL
−4メッセンジャーの約80%の減少をもたらしたことを示す。比較のために、
デスロラタジン(10μM)はまた、それぞれ、図5のパネルcおよびdに示す
ように、これらの培養物の上清中に分泌されたヒスタミンおよびIL−4タンパ
ク質を阻害した。
【0056】 本発明者らの発見は、デスロラタジンがヒト好塩基球からのIL−4およびI
L−13の生成に対する阻害活性を有することを示すことによってアレルギー性
鼻炎の処置におけるH1アンタゴニストの効力の根底にあるメカニズムが、ヒス
タミンがH1レセプターに結合することを防ぐH1アンタゴニストの能力を超え
て拡張するという考えを支持する。他者らは、デスロラタジンがIgE媒介性の
ヒスタミン放出およびヒト好塩基球によるLTC生成を防ぐということを示し
、そして本発明者らの結果により、これらの発見が確認された(Kleine−
Tebbeら、1994年;およびGenoveseら、Clin.Exp.A
llergy、1996年、Vol.27:559〜567を参照)。しかし、
本発明により、本発明者らは、これらの培地における、ヒスタミンおよびLTC の放出の阻害よりも、抗IgEによって誘導されるIL−4およびIL−13
を阻害する点において、デスロラタジンが顕著に効果的(6〜7倍)であること
を示した。 興味深いことに、本発明により、デスロラタジンは、1μMおよび
10μMの濃度でプラトーになる用量反応曲線を伴いIL−4およびIL−13
を阻害する(図1bを参照)。この効果は、媒介因子の放出に対しては見られず
、抗IgEまたはイオノマイシンに応答して産生されるサイトカイン(IL−4
およびIL−13)に対してのみ生じる。この阻害の性質は、現在明らかでない
が、本発明者らは、デスロラタジンが両方の刺激によって引き起こされる共通の
経路と共に少なくとも2つのシグナルを標的とすることを予想した。従って、1
μM未満のデスロラタジンの濃度において、この阻害は、サイトカインに産生の
み関与するシグナルの妨害に起因し得るが、1μM以上の濃度では、第2のシグ
ナルもまた影響され得、ほとんどの刺激に対する予め形成された媒介因子の放出
の阻害を生じる。
【0057】 本発明者らは、IgE非依存性刺激(例えば、イオノマイシン、fmlp、お
よびホルボールエステル)によって誘導される媒介因子放出の防止において、デ
スロラタジンはあまり有効でないことを見出した。実際、これらの刺激により放
出されるヒスタミンおよび/またはLTCが、試験されたデスロラタジン濃度
のいずれかによって阻害されるという証拠は全くなかった(データを、示してい
ない)。対照的に、デスロラタジンは、イオノマイシンによって誘導されるIL
−4の産生、およびイオノマイシン、PMA、またはIL−3のいずれかに応答
して産生されるIL−13の産生をブロックすることにおいて極めて効果的であ
った。上記のように、デスロラタジンは、イオノマイシンまたは抗IgEによっ
て誘導されるIL−4およびIL−13を等しく阻害し、阻害曲線は、1μMお
よび10μMの薬物濃度においてプラトーになった。しかし、IL−3またはP
MAによって誘導されるIL−13の阻害に対しては、同様のパターンおよび阻
害効力は観察されなかった。サイトカイン産生に関して、抗IgEおよびイオノ
フォアの両方に誘導されるIL−4およびIL−13は、免疫抑制剤(FK50
6)によって阻害され、このことは、これらの刺激がカルシウム依存性カルシニ
ュリン経路をこれらのサイトカインの産生のために利用するということを示唆す
る。しかし、デスロラタジンは、IL−3またはPMA(これらは両方とも別々
の経路を活性化すると考えられる)に応答して作られるIL−13をブロックし
ない。従って、デスロラタジンは、細胞質ゾルカルシウムの変化を単に防ぐこと
によって、IgE依存性サイトカイン分泌および媒介因子の放出を阻害し得る。
しかし、この効果は、なぜデスロラタジンがイオノマイシンによって誘導される
サイトカインを阻害するが、媒介因子放出には影響しないのかについて十分に説
明しない。IgE架橋およびCa2+イオノフォアは好塩基球中のカルシニュリ
ンを活性化するようなので、デスロラタジンは、このホスファターゼによって開
始される経路における因子を標的にすることが可能である。
【0058】 純粋な好塩基球懸濁液を用いることによって、本発明者らは、デスロラタジン
が、好塩基球の媒介因子放出およびサイトカイン産生に対するその阻害効果を直
接媒介するか否かを初めて結論づけることができた。本発明者らは、トリパンブ
ルー排除によって評価した場合に、減少したIL−4およびIL−13分泌を、
4〜20時間のインキュベーションの間に細胞死が増加することに付随するとい
う証拠を検出することはできなかった。これは、サイトカイン分泌のほぼ完全な
(>95%)阻害を引き起す10μMデスロラタジンでの全く同じであった。細
胞溶解を100μMの濃度で観察した。
【0059】 本発明の方法により、本発明者らは、デスロラタジンがIL−4のmRNAの
集積を阻害することを実証し、このことは、デスロラタジンがサイトカイン遺伝
子転写に重要な因子をネガティブに調節し得るという概念を支持する。興味深い
ことに、デスロラタジンの前処理は、IL−4mRNAのIgE媒介性の増加の
ほぼ80%を阻害した。しかし、同じ培養物におけるこのサイトカイン(IL−
4)に対するタンパク質分泌は、検出値より低く、したがって、>95%を阻害
された。またしても、このことは、デスロラタジンがサイトカイン産生の複数の
経路を標的にし、遺伝子転写に重要なシグナルのみならず影響することを意味す
る。実際に、転写が全く影響されないが、IL−4およびIL−13のmRNA
がいくつかの経路において不安定にされ、そしてこれがデスロラタジンの阻害作
用の原因となるという可能性は残っている。この場合、不安定性は、サイトカイ
ンmRNAに対して特異的であるはずである。なぜなら、本発明者らの結果は、
ハウスキーピング遺伝子(HPRT)の発現がデスロラタジンによって影響され
ないことを実証したからである。
【0060】 本発明者らは、これらのインビトロ研究においてみられるサイトカイン産生お
よび媒介因子の放出に対するデスロラタジンの阻害効果が、皮膚のアレルギーお
よび炎症状態(例えば、アトピー性皮膚炎およびじんま疹)、ならびに眼におけ
るアレルギーおよび炎症状態(例えば、アレルギー性結膜炎)、ならびに腸管に
おけるアレルギーおよび炎症状態(例えば、食物アレルギー)、ならびに上気道
ならびに下気道におけるアレルギーおよび炎症状態(例えば、アレルギー性鼻炎
、特に季節性アレルギー性鼻炎)に対するデスロラタジンの臨床的効果に転用で
きるはずであることを予測する。IL−4およびIL−13がIgEの合成の調
節、VCAM−1媒介性の好酸球遊出に対する内皮の活性化を支援し、およびI
L−4がTヘルパー2フェノタイプの発生を促進するという事実を考慮して、本
発明者らは、媒介因子の放出を阻害するのみによってでなく、炎症惹起性サイト
カインIL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−9、および
IL−13の産生をブロックすることによっても、デスロラタジンが抗アレルギ
ー活性を媒介することを予想する。
【0061】 (臨床研究) 以下の臨床研究は、アレルゲンに曝されるか、または皮膚、眼、腸管、ならび
に気道のアレルギー性および/または炎症性の疾患の徴候ならびに症状を呈する
ヒト被験体に対して、デスロラタジンが抗ヒスタミン効果と抗アレルギー性炎症
効果との組み合せて提供して、初期ならびに後期段階のアレルギー反応の両方お
よび臨床的症状を調節することを示すように設計される。
【0062】 (研究1) (目的) アトピー性ヒト被験体の鼻アレルギー誘発が、全身性のアレルギー性/免疫影
学定効果(例えば、好塩基球およびリンパ球によるサイトカイン産生の増大)を
誘導すること、ならびにこのことが、インビトロ(サイトカイン放出の増加)お
よびインビボ(アレルゲンで誘導された皮膚の反応の後期段階の反応の増大)で
明らかにされることを実証することである。
【0063】 (研究設計) この研究は、内容を公開した(open−label)非治療的な、試験的研
究であり、季節性のアレルギー性鼻炎(および恐らくは、アレルギー性ぜん息)
の病歴を提出した6〜10人の無症候性のアトピー被験者を含み、この被験者は
、3日間連続して鼻にアレルゲンを負荷する。
【0064】 鼻に負荷開始する3日前、各負荷の毎前日、および最初の負荷の1週間後に血
液検体を採取する。好塩基球およびリンパ球を標準的なPercoll密度勾配
技術を用いて単離し、これらのRNAを抽出し、IL−3、IL−4、IL−5
、IL−6、IL−9、IL−13、IL−5、およびRANTESに対するプ
ライマーを用いたリアルタイムPCRアッセイを使用して試験した。
【0065】 これらの細胞産物に対するmRNAは、ハウスキーピング遺伝子(GAPDH
)のPCR産物と比較することによって定量する。白血球の分化、および総好酸
球ならびに好塩基球の数を用いて、サイトカイン/ケモカインmRNAのアレル
ゲン誘導性の変化に対する細胞数の変化の潜在的影響を評価する。
【0066】 用量滴定されるアレルゲン誘導性の皮膚じんま疹反応試験は、上記の最初の血
液採取の時点(すなわち、最初にアレルゲン鼻に負荷をする3日前)および最後
に鼻にアレルゲン負荷した後の1週間でなされる。
【0067】 鼻の症状の重篤度のスコアを、鼻へのアレルゲン誘発の間毎日モニターする。
サイトカイン転写の誘導は、悪化する鼻の症候学に関連する。
【0068】 (一次終点) インビトロデータに基づいて、予期される一次的な結果は、炎症細胞における
アレルゲン誘導性の皮膚生検組織におけるIL−4およびIL−13の転写の増
大、ならびに皮膚の生検組織におけるIL−4およびIL−13の転写が上方制
御である。
【0069】 (二次終点) 好酸球、好塩基球、およびリンパ球を含む末梢白血球における基準からの変化
【0070】 白血球によるサイトカイン産生における基準からの変化。
【0071】 アレルゲン誘導性皮膚じんま疹の後期反応の大きさにおける基準からの変化。
【0072】 上記の変化の臨床的症候学との関連。
【0073】 (研究2) (目的) デスロラタジンの抗アレルギー特性および抗炎症特性の生化学的および臨床的
影響の同定。
【0074】 アトピー被験者における鼻へのアレルゲン誘発による末梢血白血球サイトカイ
ンの誘導に対するデスロラタジンの影響の研究:デスロラタジンが抗ヒスタミン
効果と抗アレルギー性炎症効果を組み合せて提供して、鼻へのアレルゲン誘発に
曝された被検者における初期ならびに後期段階のアレルギー反応および臨床的症
状を調節することを実証する予備的な臨床研究。研究2における被検体の数は、
試験的なインビトロおよび臨床研究においての知見に基づいて決定される。
【0075】 (仮説) アトピー個体の鼻へのアレルゲン誘発が、全身的影響(例えば、末梢血の好酸
球の数がこの手順後の6〜24時間の間で増大し、アレルギー性鼻炎およびアレ
ルギー性ぜん息を有する患者における、下気道の応答性の一貫した増加が鼻への
アレルゲン誘発に続く)を誘導するという証拠が存在する。アレルギー性鼻炎の
全身的影響は、末梢白血球の増殖の増大およびこれらの細胞にサイトカイン産生
の増大を介して媒介される。これらの仮説について根底にある合理性は、これら
の現象が好塩基球およびリンパ球を含む免疫細胞における活性化状態に依存する
【0076】 (研究設計) 臨床的効力は、研究(Study No.)での鼻へのアレルゲン負荷の設計
、血液検体採取およびアレルゲン誘導性の皮膚じんま疹反応試験と本質的に同じ
である(以下を参照)。しかし、研究2は、二重盲検(プラセボで対照される)
、交差試験設計であり、その間、最初の血液採取の前および試験期間の残りを通
して、デスロラタジン(5mgを1日1回)およびプラセボを5〜7日間、毎日
摂取する:アレルゲン誘導性の皮膚じんま疹反応試験を、最後の鼻へのアレルゲ
ン負荷後の1週間で繰り返す。この研究の被験者の数は、予備的研究の結果に依
存して検出力分析(power analysis)によって決定される。二週
間の洗い流し期間を、2つの処置期間の間に介在させる。
【0077】
【表1】 ・白血球分化、総好酸球および好塩基球の数。
【0078】 ・好塩基球およびリンパ球の単離、ならびにPCRアッセイのためのこれらの
RNAの抽出(IL−4、IL−3、IL−13、IL−5、IL−6、および
RANTES)。** 臨床的症状および重篤度のスコア化。
【0079】 (臨床的効力の終点) 処置群間および処置群内で、以下について結果の比較をする: 好酸球、好塩基球、およびリンパ球を含む末梢白血球においての基準からの変
化。
【0080】 サイトカイン産生における基準からの変化。
【0081】 アレルゲン誘導性皮膚じんま疹の後期反応の大きさにおいての基準からの変化
【0082】 上記の変化の、臨床的症候学との関連。
【0083】 デスロラタジンは、抗ヒスタミン効果と抗アレルギー性炎症効果を組み合せて
提供して、ヒトにおける初期および後期段階のアレルギー反応の両方ならびに臨
床的症状を調節すると予測される。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 図1aは、ヒスタミン、ロイコトリエンC(「LTC」)およびIL−4
のヒト好塩基球による分泌に対するデスロラタジンの効果を図示する。
【図1b】 図1bは、ヒスタミン、ロイコトリエンC(「LTC」)およびIL−4
のヒト好塩基球による分泌に対するデスロラタジンの効果を図示する。
【図2】 図2は、イオノマイシンによる活性化に応じた、ヒスタミン放出およびIL−
4分泌に対するデスロラタジンの効果をグラフで図示する。
【図3】 図3は、抗IgEおよびイオノマイシンにより活性化されたヒト好塩基球によ
るIL−13分泌に対するデスロラタジンの効果をグラフで図示する。
【図4】 図4は、デスロラタジンが、IL−13およびPMAを用いて活性化された好
塩基球からのIL−13の分泌を阻害するということをグラフで図示する。
【図5a】 図5aは、デスロラタジンで前処理された好塩基球におけるIL−4 mRN
A発現の阻害をグラフで図示する。
【図5b】 図5bは、デスロラタジンで前処理された好塩基球におけるIL−4 mRN
A発現の阻害をグラフで図示する。
【図5c】 図5cは、デスロラタジンで前処理された好塩基球におけるIL−4 mRN
A発現の阻害をグラフで図示する。
【図5d】 図5dは、デスロラタジンで前処理された好塩基球におけるIL−4 mRN
A発現の阻害をグラフで図示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 401/04 C07D 401/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KG,K R,KZ,LC,LK,LR,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MX,MZ,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,US,UZ ,VN,YU,ZA (72)発明者 シュライマー, ロバート ピー. アメリカ合衆国 メリーランド 21286, ボルチモア, スタッグス ヘッド ロ ード 704 (72)発明者 シュローダー, ジョン アメリカ合衆国 メリーランド 21228, ボルチモア, ダンモア ロード 47 (72)発明者 クルートナー, ウィリアム アメリカ合衆国 ニュージャージー 07424, ウエスト パターソン, ウッ ドランド ドライブ 18 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB01 CC17 DD10 EE01 4C086 AA01 AA02 BC27 GA07 MA04 MA52 MA55 NA14 ZA33 ZA34 ZA59 ZA89 ZB11 ZB13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者における炎症惹起性サイトカインの生成の阻害のための
    医薬の調製のためのデスロラタジンの使用であって、該医薬が有効量のデスロラ
    タジンを含む、使用。
  2. 【請求項2】 ヒト好塩基球からの炎症惹起性サイトカインの分泌の阻害の
    ための医薬の調製のためのデスロラタジンの使用であって、該医薬が有効量のデ
    スロラタジンを含む、使用。
  3. 【請求項3】 IL−4およびIL−13の生成の阻害のための医薬の調製
    のためのデスロラタジンの使用であって、該医薬が、有効量のデスロラタジンを
    含む、使用。
  4. 【請求項4】 ヒト好塩基球からのIL−4およびIL−13の生成の阻害
    のため、ならびに皮膚、眼、腸管、および/または上気道および下気道のアレル
    ギー性状態および/または炎症状態の症状の同時処置のための医薬の調製のため
    のデスロラタジンの使用であって、該医薬は、IL−4およびIL−13の生成
    を阻害するために有効でかつ該症状の同時処置のために有効な量のデスロラタジ
    ンを含む、使用。
  5. 【請求項5】 前記炎症惹起性サイトカインがIL−4およびIL−13で
    ある、請求項1または2に記載の使用。
  6. 【請求項6】 ヒト好塩基球からのIL−4およびIL−13の生成に関連
    しアレルギー性の要素および炎症性の要素を有する疾患状態の処置のための医薬
    の調製のためのデスロラタジンの使用であって、該医薬が、抗炎症性効果を生じ
    るために有効な量のデスロラタジンを含む、使用。
  7. 【請求項7】 前記疾患状態が、皮膚、眼、腸管、ならびに/または上気道
    および下気道の、アレルギー性状態および/または炎症性状態である、請求項6
    に記載の使用。
  8. 【請求項8】 前記疾患状態が、季節性もしくは永続性のアレルギー性鼻炎
    、非アレルギー性鼻炎、アレルギー性および非アレルギー性のぜん息、静脈洞炎
    、感冒、アレルギー性またはアトピー性の皮膚炎、およびじんま疹、アレルギー
    性結膜炎、腸性食物アレルギーまたは症候性皮膚描記症である、請求項6に記載
    の使用。
  9. 【請求項9】 前記疾患状態が、季節性もしくはアレルギー性の鼻炎、アレ
    ルギー性ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、腸性食物アレルギー
    、またはじんま疹である、請求項6に記載の使用。
JP2001574117A 2000-04-07 2001-04-05 サイトカイン生成の阻害 Withdrawn JP2003530351A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US19601600P 2000-04-07 2000-04-07
US60/196,016 2000-04-07
PCT/US2001/011474 WO2001076600A2 (en) 2000-04-07 2001-04-05 Inhibition of cytokine generation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003530351A true JP2003530351A (ja) 2003-10-14

Family

ID=22723784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001574117A Withdrawn JP2003530351A (ja) 2000-04-07 2001-04-05 サイトカイン生成の阻害

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1267870A2 (ja)
JP (1) JP2003530351A (ja)
AU (1) AU2001255268A1 (ja)
CA (1) CA2405413A1 (ja)
MX (1) MXPA02009821A (ja)
WO (1) WO2001076600A2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050192261A1 (en) * 2003-09-15 2005-09-01 Jost-Price Edward R. Methods and reagents for the treatment of immunoinflammatory disorders

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5595997A (en) * 1994-12-30 1997-01-21 Sepracor Inc. Methods and compositions for treating allergic rhinitis and other disorders using descarboethoxyloratadine

Also Published As

Publication number Publication date
MXPA02009821A (es) 2003-03-27
EP1267870A2 (en) 2003-01-02
AU2001255268A1 (en) 2001-10-23
CA2405413A1 (en) 2001-10-18
WO2001076600A3 (en) 2002-06-27
WO2001076600A2 (en) 2001-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Milewski et al. Nasal provocation test with lysine-aspirin for diagnosis of aspirin-sensitive asthma
US20030229030A1 (en) Method of treating interleukin-6-mediated inflammatory diseases
Greaves Antihistamines in dermatology
JP7347743B2 (ja) トラジピタントによるアトピー性皮膚炎の改善された治療
Costa et al. Tiotropium sustains the anti-inflammatory action of olodaterol via the cyclic AMP pathway
JP2009102343A (ja) ダウン症候群を有する成人において認知低下を阻害する方法
US20220162610A1 (en) Novel rna transcript
CN107635564B (zh) 人参皂苷m1用于预防或治疗硅肺病的用途
Mahmoud et al. Levocetirizine modulates lymphocyte activation in patients with allergic rhinitis
JP2003527342A (ja) 軽度認知障害を処置する方法
Day Pros and cons of the use of antihistamines in managing allergic rhinitis
US6599914B2 (en) Inhibition of cytokine generation
US20020019409A1 (en) Treating allergic and inflammatory conditions
US20080221104A1 (en) Soluble epoxide hydrolase inhibitors for the treatment of rheumatoid arthritis
JP2003530351A (ja) サイトカイン生成の阻害
US20110281852A1 (en) Pharmaceutical compositions containing berberine for treatment or prevention of weight gain and obesity associated with anti-psychotic drugs
WO2020106191A1 (ru) Производное глутаримида для преодоления резистентности к стероидам
Borade et al. Modern H1-antihistamines in asthma
JP3895490B2 (ja) Ap−1のdna結合及び気道平滑筋増殖を阻害するアンドステロン誘導体
EP3131545A2 (en) Use of enoximone in the treatment of atopic immune-related disorders, in pharmaceutical composition as well as in pharmaceutical preparation
Saleh et al. Correlated level of interleukin (IL_10) with Allergic Rhinitis and Effect Study of Steroid in its Levels.
WO2023202439A1 (zh) 二萜化合物衍生物或其盐在制备防治特应性皮炎的药物中的应用
JP2003518045A (ja) 小児患者におけるアレルギー性状態および炎症性状態の処置のためのデスロラタジンの使用
JP2003509458A (ja) アレルギー状態および炎症状態の処置
AU2002335678B2 (en) Methods for inhibiting cognitive deterioration in adults with down's syndrome

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080701