JP2003530316A - スクランブルした一本鎖ポリペプチドの抽出的再生法 - Google Patents

スクランブルした一本鎖ポリペプチドの抽出的再生法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はスクランブルしたおよび/または重合した一本鎖ポリペプチドまたはタンパク質を、微生物培養ブロスから直接天然の構造に再生する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、スクランブルした(scrambled)および重合した(polymerized)一
本鎖ポリペプチドおよびタンパク質を、微生物発酵ブロスから直接生来の構造に
抽出的に再生する(refolding)方法に関する。
【0002】 発明の背景 多くのポリペプチドあるいはタンパク質では、一つまたはそれ以上の分子内ジ
スルフィド結合が3次構造を適所に固定するのに役立つ特徴がある。もしそのよ
うなポリペプチドあるいはタンパク質が、誤った位置にジスルフィド結合を持っ
て回収されると、正しいジスルフィド結合を有する対応する分子よりも、その生
物活性はしばしば低い。そのようなスクランブルしたあるいは重合した産物は、
組換え型微生物の発酵または哺乳動物の細胞培養の成長中に生成したポリペプチ
ドおよびタンパク質にしばしば見られ、かつ誤ったジスルフィド結合により安定
化されて蓄積するであろう。この誤ったジスルフィド結合は、誤って折り畳まれ
た単量体産物を生じる分子内結合であろうし、または2量体もしくは多量体を生
じる分子間結合であろう。
【0003】 望まれる産物、およびそれに随伴する、誤って生成された副産物は、細胞から
分泌され、そしてブロス中に溶解した形で発見されるであろう。これらはまた、
誤って折り畳まれ、および不溶な包含物に似た凝集した産物として、周辺細胞質
中に発見されるであろう。イーストが、組換え型産物の宿主生物として使用され
る場合には、これが典型的なケースであろう。 または、望まれる産物、およびそれに随伴する、誤って生成された副産物は、
不溶な包含物の形で、周辺細胞質中にまたは細胞内に、発見されるであろう。ヒ
トのプロインスリンのような多くのポリペプチドまたはタンパク質が大腸菌で発
現される場合が、このケースである。
【0004】 そのようなスクランブルしたまたは重合した副産物の生成は、多くの因子によ
り引き起こされるであろう。たとえば、pH、温度、酸化還元電位、濃度ならびに
シャペロンの型等のような生産宿主の条件が、元々の(天然の)生産場所の条件
とは異なるであろう。または、最低の自由エネルギーを有する状態であると通常
信じられている天然の構造に、分子が畳み込まれるに必要な時間に較べて、生産
速度が早すぎるのであろう。これらスクランブルしたおよび重合した副産物は、
商業生産においては重大な損失である。それゆえ、これら誤って折り畳まれたタ
ンパク質を抽出し再生するために大きな努力が払われてきた。
【0005】 かくして、Steiner とClarkは、Proc. Nat. Acad. Sci. 60, 622-629, 1968で
、還元したプロインスリンの単離および還元型から天然のプロインスリンへの酸
化の方法を開示し;欧州特許600372は大腸菌封入体由来の還元プロインスリンを
細胞均質化後、溶解および抽出する方法を開示し;欧州特許906918はこのプロセ
スの還元および抽出した産物の水中への希釈による改良を開示し;Frank, Pette
e, Zimmerman, ならびにBurckは、Peptides, Synthesis - Structure - Functio
n, Proceedings of the Seventh American Peptide Symposium, Eds.: Rich, Gr
oss, Pierce Chemical Company, Rockford, Illinois, pp 729-738, 1981で、ヒ
トのプロインスリンを精製ヘキサS―スルホン酸塩として大腸菌から回収するプ
ロセスを記述し;WO96/32407は分泌されたIGF-1の変性及び再生プロセスを開示
し;
【0006】 Markussenは、Proinsulin, Insulin, C-Peptide, Proceedings of the Sympos
ium on Proinsulin, Insulin and C-Peptide, Eds.: Baba, Kaneko, Yanaihara,
Excerpta Medica, Amsterdam-Oxford, pp 50-61, 1979で、単一鎖のdes(B30)イ
ンスリン前駆物質の還元を開示し;MarkusenはInt. J. Peptide Protein Res. 2
5, 431-434, 1985で、還元され単離された分子の空気酸化による、ミニープロイ
ンスリンB(1-29)-A(1-21)とブタのインスリンの再生を比較し;ならびに米国特
許6,003,875は、イースト細胞から分泌された時のIGF-1の収率を改善する方法を
開示している。既存技術の一般的特徴は、やや過酷な条件が変性/再生工程で使
用されること、および追加的な精製工程が必要となるカオトロピック試薬が使用
されることである。
【0007】 発明の要約 本発明は、スクランブルしたおよび/または重合した一本鎖ポリペプチドもし
くはタンパク質を微生物発酵ブロスから直接天然の構造に抽出的に再生する簡単
な方法に関する。それらはブロス中に、天然の単分子型と共に、種々のスクラン
ブルした、誤って折り畳まれた、ならびに重合体の型で現れるであろう。 本発明に従うプロセスで硫黄化学は、発酵からのブロス中の粗生成物に直接、
またはスクランブルした産物が細胞内に留まっている場合には、細胞壁の破砕後
に実施される。
【0008】 かくして、本発明は、微生物培養ブロス中に含まれるスクランブルしたおよび
/または重合した一本鎖ポリペプチドを抽出的に再生する方法に関するものであ
って、前記方法は以下の工程を含むことを特徴とする: a) 培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合の再生用触
媒を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞と細胞破砕物を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 上澄み液を酸化する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
リペプチド物質を単離する。
【0009】 a)からf)への工程は、約4℃から約35℃、もしくは約20℃から約25℃の温度域
で行われ、および約30分から約180分間、もしくは約30分から約120分間で終了す
るであろう。a)からe)への1またはそれ以上の工程の順番は、変更または逆転さ
れてもよく、幾つかの工程は、たとえば工程c)は、省かれることすらあるであろ
う。かくして、1具体例では、細胞および細胞破砕物は工程b)の前で除去される
。ジスルフィド結合再生用触媒は、典型的にはシステイン塩酸塩のようなチオー
ル化合物である。
【0010】 本発明の1具体例は、以下の工程を含むプロセスに関するものである: a) 培養ブロスのpHを、希水酸化アルカリの添加により、約10〜11に調整する
; b) 培養ブロスにチオールを加える; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞と細胞破砕物を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 空気を吹き込みながら、上澄み液を攪拌する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
リペプチド物質を単離する。
【0011】 本発明のさらに別の具体例は、以下の工程を含むプロセスに関するものである
: a) 培養ブロスのpHを、0.1〜8 Mの水酸化ナトリウムの添加により、約10から
11に調整する; b) 培養ブロスに固体または液体システイン塩酸塩を添加して、0.5〜100 mM
にする; c) しばらくしてから、たとえば5分後、必要であれば、pHを約7.0〜11.0に調
整する; d) 細胞と細胞破砕物を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 約30から約180分間エアレーション下で、上澄み液を攪拌する;ならびに
、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
リペプチド物質を単離する。
【0012】 工程a)において、培養ブロスは、pHの調整前、同時、あるいは後に、水で有利
に希釈される。本発明の1具体例において、培養ブロスの希釈は、希水酸化アル
カリの添加を伴う。工程a)における培養ブロスの希釈は、約2から約500%、約2か
ら約300%、または約2から約200%;あるいは約5から約200%;あるいは約50から約
200%もしくは約50から約150%である。非常に高い収率が約50%の希釈時に得られ
る。
【0013】 かくして、さらなる具体例において、本発明は微生物培養ブロス中に含まれる
スクランブルしたおよび/または重合した一本鎖ポリペプチドまたはタンパク質
を抽出的に再生する方法に関するものであって、前記方法は以下の工程を含むこ
とを特徴とする: a) 培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; a1) 培養ブロスの希釈を、約2%から約500%にする; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合再生用触媒
を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞と細胞破砕物を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 上澄み液を酸化する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
リペプチド物質を単離する。
【0014】 工程e)からの、再生された一本鎖ポリペプチドまたはタンパク質は、適切な精
製工程にかけられるであろう。かくして工程f)は工程e)からの溶液を、直接クロ
マトグラフィーにかけたり、または等電沈殿、塩析、あるいは結晶による沈殿を
させたりするであろう。 再生ポリペプチドは望まれる最終産物であろうし、または望まれる最終産物の
ための中間体もしくは前駆物質であろう。本発明は、中間体もしくは前駆物質を
適切な方法により望まれる最終産物に変換する最終工程を含む。
【0015】 本発明に従うプロセスは、以下にさらに詳述する如く、酵母細胞から発現され
かつ分泌される、一本鎖ヒトインスリン前駆物質またはヒトインスリン類似体の
前駆物質に対して特に良く適している。変性/再生プロセスの終了後、一本鎖イ
ンスリン前駆物質または一本鎖インスリン類似体の前駆物質は、以下に更に詳細
に開示する如く、インビトロ変換のような適切な方法により、インスリンまたは
インスリン類似体に変換される。
【0016】 かくして、もう一つの具体例において、本発明は微生物培養ブロス中に含まれ
るスクランブルしたおよび/または重合した一本鎖のインスリン前駆物質または
インスリン前駆物質類似体を抽出的に再生する方法に関するものであって、前記
方法は以下の工程を含むことを特徴とする: a) 培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合の再生用触
媒を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞と細胞破砕物を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 上澄み液を酸化する; f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖イ
ンスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体を単離する;ならびに、 g) インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体を、適切な酵素変換
工程により、ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体に変換する。
【0017】 発明の詳細な説明 略語および名称 ここで用いられる如く、“チオール化合物”と言う術語は、システイン、メル
カプトエタノール、グルタチオン、ジチオスレイトール、あるいはそれらの塩も
しくはその混合物を含む。
【0018】 ここで用いられる如く、“一本鎖ポリペプチドおよびタンパク質” と言う術
語は、コード可能なアミノ酸残基からなる一本のペプチド糸状体を含むことを意
味する。一本鎖ポリペプチドは少なくとも2個のシステイン残基を含むだろう。
一本鎖ポリペプチドの例は、ヒトのプロインスリンまたはヒトのプロインスリン
類似体前駆物質である。望まれるポリペプチドもしくはタンパク質、またはそれ
らの前駆物質のためにコーディングした、挿入されたDNAを含む形質転換した微
生物の発酵により産出されたポリペプチドおよびタンパク質が、それゆえ主要な
目標である。
【0019】 ここで用いられる如く、“スクランブルした” と言う術語は、天然の細胞の
内外での天然の生合成中に作られた時に天然のポリペプチドまたはタンパク質に
見出される物以外の、ジスルフィド結合を含むポリペプチドを含むことを意味す
る。 “微生物培養ブロス“は、望まれる産物をコードするDNAを含む微生物の培養
後に得られ、依然として細胞および細胞破砕物を含む培養ブロスを意味する。 “抽出的再生”は、細胞壁に関連したかもしくは結合した、および/または周
辺細胞質空間に閉じ込められた、発現したポリペプチドまたはタンパク質が培養
ブロスに放出されるプロセスを意味する。
【0020】 “カオトロピック試薬”は、尿素およびグアニジニウム塩酸塩のような水溶液
中で水素結合を切断する能力のある化合物を意味する。 “連結ペプチド”または“C-ペプチド”は、一本鎖プレプロインスリン様分子
のB-C-Aポリペプチド配列の“C”連結部分を意味する。特に、天然のインスリン
鎖において、C-ペプチドは、B鎖の30の位置およびA鎖の1の位置に連結する。こ
こに記述されているような“ミニC-ペプチド” または“連結ペプチド”は、A1
にB29もしくはB30で連結し、天然のC-ペプチドのそれとは配列および長さが異な
る。
【0021】 “desB30”、“B’”、あるいは“B(1-29)”は、B30アミノ酸残基を欠く天然
インスリンのB鎖を意味し、“A(1-21)”もしくは“A”は、天然インスリンのA鎖
を意味する。“B(1-29) -A(1-21),B28 Asp”は、B鎖の28位にアスパラギン酸を
有するが、Cペプチドを持たない(B29はA1に連結している)一本鎖のインスリン
前駆物質を意味する。このインスリン類似体はまた“インスリンアスパルト”と
呼ばれる。“B’A”は、B(1-29)が直接インスリンのA鎖に結合している一本鎖の
インスリン前駆物質を意味する。 “インスリン前駆物質”は、一つ以上の引き続き行われる化学的および/また
は酵素的プロセスによりヒトインスリンに変換できる一本鎖ポリペプチドを意味
する。
【0022】 “インスリン前駆物質類似体”は、ヒトのインスリン分子に関連してAおよび/
またはBアミノ酸鎖の、一つ以上の突然変異、置換、削除および/または付加を有
するインスリン前駆物質分子を意味する。インスリン類似体は好ましくは、一つ
以上の天然由来のアミノ酸残基、好ましくはそれらの1、2、あるいは3個が、他
のコード可能なアミノ酸残基により置換されている様な物である。1具体例にお
いて、本発明は、B鎖の28の位置を天然のヒトインスリン分子に関して変更した
類似体分子を含む。この具体例において、28の位置は、天然のPro残基からAsp、
Glu、Lys、あるいはIleに変更される。好ましい具体例において、B28の位置の天
然Pro残基はAsp残基に変更される。
【0023】 他の具体例においては、B29の位置のLysはProに変更される; またA21位のAs
nは、Ala、Gln、Gly、His、Ile、Leu、Met、Ser、Thr、Trp、Tyr、Trp、あるい
はValに、ことにGly、Ala、Ser、あるいはThrに、および好ましくはGlyに変更さ
れる。さらに、B3の位置のAsnはLysに変更される。さらなるインスリン前駆物質
類似体の例は、des(B30)ヒトインスリン、RheB1が除去されたインスリン類似体
;A鎖および/またはB鎖がN末端伸長を有しているインスリン類似体ならびにA鎖
および/またはB鎖がC末端伸長を有しているインスリン類似体である。かくして
、1または2個のArgがB1の位置に加えられるであろう。またB鎖の8の位置は、Asp
あるいはTrpに変更されるであろう、およびB鎖の11位は、Valに変更されるであ
ろう。
【0024】 一本鎖インスリン前駆物質およびインスリン前駆物質類似体は、米国特許5,39
5,922および欧州特許765,395Aに記載されている如く、N末端アミノ酸残基の伸長
で発現されるであろう。塩基性アミノ酸(たとえばLys)に特定的であるため、
末端伸長をLys残基の所で切断するタンパク質分解酵素を用いて、N末端の伸長を
、回収された再生一本鎖インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体か
ら、取り除くであろう。そのようなタンパク質分解酵素の例は、トリプシンまた
はAchromobacter lyticus プロテアーゼIである。
【0025】 一本鎖インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体にa)からf)の変性
/再生工程を施した後、インスリンまたは望まれるインスリン類似体を得るため
に、可能なN末端伸長配列を除くためおよび可能な連結ペプチドまたはCペプチド
を除くために、種々のインビトロの処置を施す。そのような方法は、米国特許明
細書4,343,898または4,916,212に記載されている如く、L-スレオニンエステルの
存在下トリプシンまたはAchromobacter lyticusプロテアーゼによる酵素変換と
、それに続くインスリンまたはインスリン類似体のスレオニンエステルの、塩基
または酸加水分解による、インスリンまたはインスリン類似体への変換を含む。
【0026】 一本鎖インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体は、Lys B29残基
をGly A1に結ぶペプチド架橋を特徴とするであろうし、または1ないし36個のア
ミノ酸残基をもつ架橋または連結ペプチドを特徴とするであろう。インスリン前
駆物質またはインスリン前駆物質類似体は、典型的に1ないし5個のまたは1ない
し3個のアミノ酸残基の連結ペプチドを有するであろう。 他の具体例において、一本鎖タンパク質またはポリペプチドは、IGF-1、hGH、
あるいはファクターVIIであろう。
【0027】 工程a)のpH値は、約10.5に調整されてもよく、さらに、工程b)に加えるチオー
ルは、β―メルカプトエタノール、グルタチオン、ジチオスレイトール、あるい
はそれらの塩もしくは混合物であろう。チオールは、培養ブロス中に、0.2から1
00 mM;1から100 mM;2から100 mM;2から50 mM;2から25 mM;2から15 mM;あ
るいは2から5 mMになる量で加えられるであろう。チオールは典型的に、培養ブ
ロスに直接加えられが、また細胞及び細胞破砕物をたとえば遠心分離によって除
去後、加えられるであろう。他の具体例においては、たとえば発現された一本鎖
ポリペプチドが細胞から分泌されない時には、チオールは細胞の破砕後に加えら
れる。
【0028】 さらに他の具体例において、本発明は、工程a)の温度を約10から30℃に調節し
、さらに他の具体例においては、工程a)の温度を約15から約25℃に調節する方法
に関する。 さらに他の具体例において、本発明は、工程a)が約1から約20分間、または約2
から約15分間の時間域で終了する方法に関する。さらなる具体例において、工程
a)は約10分間で終了する。 工程b)でチオールの添加後、pHを調整する必要があろう。かくして、pHは約8.
5〜10.2に調整されるであろう。他の具体例において、pHは約9.7に調整されるで
あろう。
【0029】 工程e)の酸化は、前工程からの上澄み液に空気または酸素を加えて達成される
であろう。充分な酸化はまた、如何なる特別な測定もせずに達成されるであろう
。後者の場合には、酸化は、攪拌をしながら上澄み液に空気を吹き込んで達成さ
れる。 本発明に従う方法は、約10m3から約1000 m3の規模で行われるであろう。本方
法は、バッチ操作に対して上述したような、平均滞留時間を有する連続法である
であろう。 本発明を以下の例により更に詳細に記述するが、これらは請求している如く、
発明の範囲を決して制限する事を意図するものではない。
【0030】 例 一般的手法 測定: pRhedox: 酸化還元電位は、カロメル/Pt電極によりRadiometer PHM61メータ
ーで測定し、かつ11 mVの偏差を与えるAg/AgCl電極に対し、25℃、pH 7で統一規
格220 mVを用いて、市販標準緩衝液#209881250に対して毎日較正した。我々の測
定値(E)と標準酸化還元電位EHとの差は、EH = E + 211 mVである。 pH: pH 4.00および7.01の緩衝液(Radiometer)で毎日較正し、かつ相当するp
H 11.00の緩衝液で頻繁に点検した、Radiometer PHM 83 Autocal pHメーターで
測定した。
【0031】 HPLC: 分析方法は、逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用し
て、発酵ブロス内および精製工程を通じて存在する関係の無い産物からインスリ
ンアスパルト前駆物質を分離する事に基づいている。RP-HPLCにおいて、分離は
各成分の疎水性の差に基づく。 前駆物質の含量は、既知含量のヒトインスリン標準の面積に比較して、214 nm
で記録された面積から計算される。214 nmでの吸収はペプチド結合の尺度なので
、定量は重量による含量(リッター当たりのmg、mg/l)に基づいている。
【0032】 装置 傾斜溶離法用のHPLC装置は以下の単位設備からなる: 溶離剤混合用の1また
は2基のポンプ;溶離剤用の脱気設備、たとえばヘリウム;自動サンプラー;カ
ラム用加熱器、214 nmでの登録用検出器、ならびにデータ処理設備(ピーク面積
の積分)。HPLCカラム: YMC C18、120 A、5μm、125 x 4.0 mm I.D. (Novo Nor
disk)または他の適切なC18カラムが使用されるであろう。 試薬: 溶離剤A:0.2 M Na2SO4 (2.8% w/w)、 0.04 M H3PO4 (0.4% w/w)、 10.0% v/v
(7.7% w/w)アセトニトリル、 pH 2.3:
【0033】 5000 mlの溶離剤の調製は以下の様に行える:142.0 gのNa2SO4を秤量し、5000
mlの容量フラスコに入れた約4000 mlのMillipore Milli-Q精製水に溶解する。1
3.5 ml のH3PO4を加え、エタノールアミンでpHを2.30に調整する。390.0 gのア
セトニトリルを加え、Millipore Milli-Q精製水を5000 ml迄満たし、注意深く混
合する。溶離剤をろ過し(0.45 μm)、脱気する。 溶離剤B:42.8% (w/w)のアセトニトリル水溶液:4000 gの溶離剤の調製は下記
のように行える: 1712.0 gのアセトニトリルを秤量し、Millipore Milli-Q精
製水を4000 g迄加え、混合する。溶離剤を使用前に脱気する。
【0034】 サンプル調製 例1に記述した如く行う。 RP-HPLC条件 流速: 1 ml/min 温度: 40℃ 検知: 214 nm 溶離: 傾斜 初期条件: 溶離剤Bの濃度(%)を、ヒトインスリンの保持時間(Rf)が約20
分になるように調整する。 傾斜: 20分間で13% Bの直線的増加。
【0035】 例: 初期: 37% B 0〜20分: 50% B迄直線的増加 20〜20.1分: 37% B迄直線的減少 20.1〜25分: 37% Bで平衡 運転時間は25分。
【0036】 OD600: ODが0.1と0.5の間になるように希釈後、単一ビームPye-Unclam SP6- 550スペ
クトロフォトメーターで測定。肉眼的不純物および色の測定。 OD290: ODが0.1と0.5の間になるように希釈後、単一ビームPye-Unclam SP6- 550スペ
クトロフォトメーターで測定。タンパク質および核酸の如き近紫外域の低分子量
不純物の測定。
【0037】 例1. Marukussenら(米国特許4,916,212)およびKjeldsenら(Gene 170, 107-112, 1
996)が既述している如く、サッカロミセス・セレビシュー(Saccharomyces cerev
isiae)株MT663を、一本鎖ミニプロインスリンを産出するための宿主として用い
た。ミニプロインスリンをコードするDNAを、適切に設計されたオリゴマーを用
いて重複伸長ポリメラーゼ反応(PCR)により合成し、かつKjeldsenらが記述した
ベクターの発現カセットにクローンした。プラズミッドDNAを、MT663に形質転換
し、形質転換体をYPDプレート上で選んだ。B(1-29)-A(1-21), B28Aspを産出する
ために設計されたMT663形質転換体を、YJB155と指定した。
【0038】 培養ブロスを、pH5.5、30℃、D = 0.08 h-1で、必須塩およびビタミン、イー
スト抽出物、炭素源としてのグルコース、ならびに窒素源としてのアンモニアか
らなる培地を入れた2リッターの発酵器で、YBJ155の連続培養により調製した。
オーバーフローするブロスを、氷上においた10リッターの容器に集め、抽出前は
冷蔵庫(4℃)に貯蔵した。抽出前に、サンプルを辺長25 mmの三角形(側面14 mm
)のテフロン(登録商標)製インペラーを用いるマグネチックスタラーlka-comb
imag Reo上で高速攪拌(500rpm)により均質化した。100 mlのブロスをサンプル
採取し、温度をゆっくりと室温、22℃、に調節した。3 mlの4 M NaOHを水で希釈
し最終容積を50 mlとしたものを、高速(700 rpm)で攪拌しながらブロスと急速混
合し、pH を10.5とした。
【0039】 ついで0.3 gのシステイン塩酸塩を加え、1〜2分後システインを溶液に入れ、
さらに0.44 ml の4 M HClを加えてpHを10.8から10.5に調整した。次にスタラー
速度を300 rpmに減速し、さらに10分間一定に保った。次に0.53 ml の4 N HClを
加えてpHを9.7に下げ、培養物を4000 rpm で5分間遠心分離した。上澄み液を除
去し、前工程の如く攪拌した。さらなるpH調整は不要であった(pHは9.7)。空
気酸化は、再生実験開始後51分で終了した。サンプルを、(希釈後)0分(サン
プル2);11.5分でのpH 9.7への酸性化前(サンプル3);遠心分離後(21分で)(
サンプル4); ならびに最後に(51分で)(サンプル5)採取し、全てのサンプル
を直ちにHClでpH 3に酸性化し、インスリン前駆物質の収率を定量化するためにH
PLCにかけた。
【0040】 pH 5.5での培養ブロス(サンプル1)の直接測定値と対比した結果を表1に示す
【表1】
【0041】 例2. 希釈効果: 例1と同じ培養ブロスを用いた5つの実験で、初期希釈を8 M NaOH
を用いる2.5%から、希釈NaOHに対応する量の水を添加することにより、50%、100
%、150%、ならびに200%へと変化させた。反応混合液中のシステインの濃度を一
定の5 mMに保つために、種々の量のシステイン塩酸塩を添加した。湯浴中で25℃
に保った温度以外の他の条件は全て、例1に記述した通りであった。結果を表2に
示す。
【0042】
【表2】
【0043】 例3. 一定システイン量での希釈効果: 300 mlの培養ブロスを75 mlのNaOH水溶液
で25%希釈してpHを~10.5とし、ついで0.4 gのシステイン塩酸塩を添加してシス
テインを直ちに5 mMとした。培養物を3部に分け、そのうちの2部を純水でさらに
50および100%に希釈した。温度は一定に保たれず、実験中に19℃から22℃に上昇
した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】 例4. 温度の効果: 実験を湯浴中で行い、温度をサーモスタットで15℃、20℃、な
らびに25℃に維持した。全ての他の条件を例1と同じにした。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】 例5. pHの効果: a. 試験条件は次の通りであった: 1次希釈およびシステイン塩酸塩の添加
後、pHを10.0 + 0.1に調整した。温度を室温(測定した)に保ち、希釈を50%と
した。システイン塩酸塩を粉末で(5 mM迄)加えた。サンプルを表5に示した如
く採取し、細胞を遠心分離で直ちに除去した。上澄み液を、HPLCによる収率、お
よび可溶タンパク質の測定による、細胞から放出された不純物、OD290でのRNA/D
NA, ならびにOD600での凝集物/粒子の測定のために用いた。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】 収率は実験中に著しく増加したが、不純物も増加した。ただその多くは、pH3
に調整した上澄み液の最終遠心分離により除去された。表5の全ての数字は、こ
の2回の遠心分離サンプルから得られた。抽出されたブロスのPAGE-Western分析
により、塩基性還元条件にした後、インスリンは非常に速く効果的に細胞から取
り出されること、および本実験で示されているように、早期の遠心分離は後期の
ものと同様効果的であり、それ故不純物の量が減少して後刻の回収工程を容易に
することが示された。
【0050】 b. 以下の修正を伴って、実験a.におけるように実験を行った: 温度22.5℃
、pHを15分後に10.5から9.5に調整、および全ての細胞を遠心分離で除去した。
最後の酸化工程の攪拌速度を、中および弱とした。結果を表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】 c. 本実験は、酸化中のpHの役割を明確にするために行った。温度は前の実験
よりやや低い21℃であった。還元および希釈された混合物は上述のように取り扱
われたが、16分後に3部に分けられ、夫々pHが調整された(8.9; 9.3; 9.7)。遠
心分離後、弱い攪拌を行った。結果を表7に示す。
【0053】
【表7】
【0054】 細胞は抽出され,かつインスリン前駆物質は、スクランブルを解かれ、変性さ
れ、再生され、ならびにさらに不純物を増やすことなしに酸化されうる。pH 9.7
は、9.3および8.9より良いようである。
【0055】 例6. 攪拌およびエアレーションの影響: 培養ブロスを、激しいもしくは緩やかな
攪拌、または攪拌なしで、空気を吹き込んで酸化した。レドックス条件に注意深
く従った。酸化プロセスが遠心分離で(攪拌なしで)早くも起る事、および酸化
還元電位がこの状態で -400 mVで安定している事(前の実験からのデータ)が明
白であった。もし空気が混合物を通して活発に動いていれば、酸化還元電位は直
ちに上昇し、インスリン前駆物質のそれ以上の酸化は生じない。同様に、非常に
激しい攪拌により、酸化還元電位は上昇し、産物の酸化は終了する。攪拌により
適用される緩やかな酸化条件が、例5bに例証されるように好ましい。
【0056】 例7. 100 mlから3.5リッターへのスケールアップの効果: 実験は、25℃、5 mMシ
ステイン、ならびに pH 10.5への50%希釈下で行った。最初の実験(参考)は、
湯浴中でサーモスタットにより25℃に保った温度、および装置の規模を除いて、
例1で述べたように行った。同じ攪拌器を用い、辺長42 mmの三角インペラーを用
いた。結果を表8に示す。
【0057】
【表8】
【0058】 次の実験では、3.5リッターのブロスを用い、全ての添加物量を35倍とした。
表面積は相対的に小さくなったので、実験は、前回の50分に対して、3時間継続
した。結果を表9に示す。
【0059】
【表9】
【0060】 実験を3.0リッターの新鮮な培養ブロスを用いて繰り返した。今回はレドック
ス電極を装着した。電位が決して下がらなかったので、実験を夜通し行った。結
果を表10に示す。
【0061】
【表10】
【0062】 例8. 他のインスリン類似体: 適切なオリゴマーの使用により、多数の他のミニプ
ロインスリン類似体をコードするDNAが組み立てられ、既述のS. cerevisiae宿主
系で発現された。下記のインスリン前駆物質類似体を試験した:Glu(GluAla)3Gl
uProLys(SEQ ID NO: 1)-B’A,B8Trp; Glu(GluAla)3Glu ProLys (SEQ ID NO:1)-
B’A,B8Asp; Glu3ProLys(SEQ ID NO: 2)-B’A,B11Val; およびGlu(GluAla)3-Pro
Lys(SEQ ID NO: 3)-B’-AlaAlaLys-A(1-21),B21Trp。発酵および抽出的再生は、
例7に記述した如く行った。結果を表11に示す。
【0063】
【表11】
【0064】 例9. ICPの再生 ICP(ヒトIGF-1からのC- ペプチドに結合した、ヒトインスリンA- およびB-
鎖)の組み立てが、Kristensen らによりBiochem J 305, 981- 986 (1995)に記
述された。培養ブロスを、例7に記述された如く、調整し、取り扱った。16.3 mg
/l のICPを含むpH 4.8の5833 g の培養ブロスを、2916 gの弱NaOHでpH10.5に調
整した。それから4.21 gのシステイン塩酸塩を添加し、培養ブロスを数分間激し
く攪拌した。10分後、pHを1N HClで9.7に調整し、Beckman g 冷却遠心分離機を
用い、10℃で15分間、4000 rpmで、細胞を分離した。ゆっくり攪拌しながら,上
澄み液(7122 g)に、それから室温で30分間空気を吹き込んだ。ICPの収率は71.
2 mg であった。
【0065】 例10. IGF-1の再生 Kristensen らによりBiochem J. , 305, 981- 986 (1995) に記述された如く
、ヒトIGF-1を産出するS. cerevisiae株を作った。例1に記述したように、培養
ブロスを調整し、取り扱った。結果を表12に示す。
【0066】
【表12】
【0067】 ここに引用した全ての特許、特許出願、ならびに参照文献は、その全内容が参
照によりここに含まれている。 本発明の多くの変更は、以上の詳細な記述に鑑みて、当業界の者にとって自明
である。そのような明白な変更は、本出願請求の完全に意図した範囲内にある。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B064 AG16 CA06 CA19 CC01 CC24 CC30 CD01 CD02 CD09 CD21 CE03 CE08 CE20 DA01 4H045 AA10 AA20 BA10 CA40 DA37 EA30 FA74 GA45

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物培養ブロス中に含まれるスクランブルしたおよび/ま
    たは重合した一本鎖のポリペプチドを抽出的に再生する方法であって、下記工程 a) 該培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合の再生用触
    媒を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞を分離するために、培養ブロスを遠心分離する; e) 上澄み液を酸化する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
    リペプチド物質を単離する; 工程を含む事を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 工程a)におけるpHが、希水酸化アルカリの添加により調整さ
    れる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該培養ブロスが、工程a)において約2%から約500%に希釈され
    る請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程b)におけるジスルフィド結合再生用の該触媒が、チオー
    ル化合物である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該チオール化合物が、システイン、メルカプトエタノール、
    グルタチオン、ならびにジチオスレイトール、ならびにその混合物を含む群から
    選ばれる請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該チオール化合物が、約0.2から約100 mMの濃度で添加され
    る請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該チオール化合物が、約1から約50 mMの濃度で添加される請
    求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該チオール化合物が、約2から約5 mMの濃度で添加される請
    求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該チオール化合物が、システイン塩酸塩である請求項5に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 工程a)が、約4℃から約35℃の温度で行われる請求項1に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 工程a)が、約10℃から約30℃の温度で行われる請求項1に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 工程a)が、約15℃から約25℃の温度で行われる請求項1に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程a)の該反応時間が、約1から約20分である請求項1に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 工程a)の該反応時間が、約5から約15分である請求項1に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 工程a)の該反応時間が、約10分である請求項1に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 工程c)におけるpHが、約8.5〜10.2に調整される請求項1に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程c)におけるpHが、約9.7に調整される請求項1に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 工程e)における該上澄み液が、エアレーションされる請求
    項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程a)からe)が、約120分未満で終了する請求項1に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 該一本鎖ポリペプチドが、ヒトインスリン前駆物質である
    請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 該一本鎖ポリペプチドが、ヒトインスリン前駆物質類似体
    である請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体が
    、A鎖のA1位のアミノ酸残基にB鎖のB29位のアミノ酸残基を連結する、長さにお
    いてアミノ酸残基15個迄のペプチド架橋を含む請求項19または20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 A鎖のA1位のアミノ酸残基にB鎖のB29位のアミノ酸残基を
    連結する該ペプチド架橋が、長さにおいてアミノ酸残基5個迄である請求項22に
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 A鎖のA1位のアミノ酸残基にB鎖のB29位のアミノ酸残基を
    連結する該ペプチド架橋が、長さにおいてアミノ酸残基3個迄である請求項23に
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 該インスリン前駆物質類似体が、B28位にAspを有する請求
    項21に記載の方法。
  26. 【請求項26】 該インスリン前駆物質類似体が、B28位にLysをおよびB29
    位にProを有する請求項21に記載の方法。
  27. 【請求項27】 該インスリン前駆物質類似体が、A21位にGlyを有する請求
    項21に記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項1に記載の方法であって、下記工程、 a) 該培養ブロスのpHを希水酸化アルカリの添加により約10〜11に調整する; b) 該培養ブロスにチオール化合物を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞および細胞破砕物を分離するために、該培養ブロスを遠心分離する; e) 該上澄み液をエアレーション下で攪拌する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
    リペプチド物質を単離する; 工程を含むことを特徴とする方法。
  29. 【請求項29】 請求項1に記載の方法であって、前記方法が下記工程、 a) 該培養ブロスのpHを0.1から1 Mの水酸化ナトリウムの添加により約10〜11
    に調整する; b) 該培養ブロスに、固体または液体システイン塩酸塩を添加して、1〜20 mM
    にする; c) 暫くしてから、たとえば5分後、必要であれば、pHを約7.0〜11.0に調整す
    る; d) 細胞および細胞破砕物を分離するために、該培養ブロスを遠心分離する; e) 該上澄み液を、約60から約180分間エアレーション下で攪拌する;ならび
    に、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
    リペプチド物質を単離する; 工程を含むことを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】 請求項1に記載の方法であって、前記方法が下記工程、 a) 該培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; a1) 該培養ブロスを約2%から500%に希釈する; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合の再生用触
    媒を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞および細胞破砕物を分離するために、該培養ブロスを遠心分離する; e) 該上澄み液を酸化する;ならびに、 f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖ポ
    リペプチド物質を単離する; 工程を含むことを特徴とする方法。
  31. 【請求項31】 請求項1に記載の方法であって、該ポリペプチドがインス
    リン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体であり、下記工程、 a) 該培養ブロスのpHを約10〜11に調整する; b) カオトロピック試薬を添加することなしに、ジスルフィド結合の再生用触
    媒を添加する; c) 必要であれば、pHを調整する; d) 細胞および細胞破砕物を分離するために、該培養ブロスを遠心分離する; e) 該上澄み液を酸化する; f) 適切な精製工程により、正しい位置にジスルフィド結合を有する一本鎖イ
    ンスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体を単離する;ならびに、 g) 該インスリン前駆物質またはインスリン前駆物質類似体を、適切な酵素変
    換工程によりヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体に変換する; 工程を含むことを特徴とする方法。
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