JP2003530299A - 標的化薬物送達のための方法および組成物 - Google Patents

標的化薬物送達のための方法および組成物

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JP2003530299A JP2000603725A JP2000603725A JP2003530299A JP 2003530299 A JP2003530299 A JP 2003530299A JP 2000603725 A JP2000603725 A JP 2000603725A JP 2000603725 A JP2000603725 A JP 2000603725A JP 2003530299 A JP2003530299 A JP 2003530299A
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Abstract

(57)【要約】 薬物送達分子は、経路指示部分および生物活性分子に結合される、標的化部分を有する。この標的化部分は、アゴニスト効果を惹起することなく、そしてこの薬物送達分子の細胞への取り込みを生じて結合することなく、細胞レセプターに結合する。考慮される薬物送達分子は、処置および診断のために使用され得る。内皮細胞を選択的に標的化する方法は、内皮細胞上でのソマトスタチンII型レセプターの存在または非存在が、異常細胞に対して近位の内皮細胞の位置に関連することを認識する工程を、包含する。次いで、異常細胞に近位の内皮細胞は、ソマトスタチンII型レセプター特異的化合物を提供される。さらなる方法において、組織に対して近位の内皮細胞上でのソマトスタチンII型レセプターの存在は、その組織の疾患に関連する。引き続く工程において、ソマトスタチンII型レセプター特異的化合物は、内皮細胞に投与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明の分野は、標的化薬物送達である。
【0002】 (発明の背景) 広範な種々の薬物にもかかわらず、多くの疾患の処置は依然として、いくらか
の薬物の、標的化した所望の細胞への不十分な特異性に起因して、疑わしいまま
である。特異性に関する問題は、細胞膜を横切って所望の細胞内への薬物の制限
された移送により、さらに深刻化され得る。いくつかの場合において、薬物は、
特定の非細胞位置で活性化であるのみである。細胞内への薬物送達を改善するた
めのいくつかのアプローチが、当該分野において公知である。
【0003】 1つのアプローチにおいて、標的細胞は、エレクトロポレーションに供され得
、この間に、比較的小さな穿孔が、生物学的膜に、代表的には数ミリ秒間にわた
って作製され、これによって分子の細胞内への制限されない流入を可能にする。
エレクトロポレーションは、特定の化学的分類および/または分子サイズとは独
立して、薬物の細胞内への移入を有利に可能にする。しかし、エレクトロポレー
ションは、インビボ条件下では困難である傾向があり、そして特定の細胞型に対
して特異的ではない。さらに、エレクトロポレーションは、処置した細胞の組織
化された膜構造を破壊することにより、比較的高い「殺傷率」を固有に有する。
【0004】 別のアプローチにおいて、薬物とインポータータンパク質との間の融合構築物
が合成され、分子の標的細胞内への取り込みを増加させる。例えば、Proch
iantzは、生物学的膜を横切ってペプチドを移行させるためにDrosop
hila転写因子由来のホメオドメインまたはホメオペプチドに結合される、タ
ンパク質の構築物を記載し[Prochiantz A.Ann N Y Ac
ad Sci 1999;886:172−9.Homeodomain−de
rived peptides.In and out of the cel
ls]、そしてProchiantzはさらに、ホメオドメインおよびその融合
構築物の、細胞内へのインターナリゼーションが、反転ミセルの形成を介して達
成されることを示唆する。しかし、反転ミセルの形成は、一般に、特定の細胞型
に対して特異的ではない。さらに、Prochiantzの融合構築物は、免疫
原性であり得、従って潜在的に、インビトロ環境のみに制限し得る。別の例にお
いて、Loregianらは、特定の細胞区画を標的化し得る細胞内ペプチド送
達系を記載する[Loregian A、Papini E、Satin B、
Marsden HS、Hirst TR、Palu G.Proc Natl
Acad Sci U S A 1999年4月27日;96(9):522
1−6.Intranuclear delivery of an anti
viral peptide mediated by the B subu
nit of Escherichia coli heat−labile
enterotoxin]。Loregianのキメラタンパク質は、所望の非
細胞位置に移入されるが、この送達は一般に、特定の細胞型に対して特異的では
ない。さらに、Loregianは、キメラタンパク質がエンドソームの酸性区
画を通して入ったことを示唆する。これは、エンドソームの逸脱および移入され
た分子の分解の、公知の経路である。
【0005】 分解に関する問題の少なくともいくらかを回避するため、そして送達の特異性
を増加させるために、薬物は粒子に含まれ得る。例えば、Tahibanaら[
Tachibana R、Harashima H、Shono M、Azum
ano M、Niwa M、Futaki S、Kiwada H.Bioch
em Biophys Res Commun 1998年10月20日;25
1(2):538−44.Intracellular regulation
of macromolecules using pH−sensitiv
e liposomes and nuclear localization
signal:qualitative and quantitative
evaluation of intracellular traffic
king]は、高分子をエンドサイトーシス経路を介して核に標的化するための
ストラテジーを報告する。Tachibanaのアプローチにおいて、pH感受
性リポソームが、このリポソームを核に指向するための核移行シグナルを有する
。pH感受性リポソームを使用することは、特に望ましい。なぜなら、エンドサ
イトーシス経路に関する種々の問題(例えば、逸脱、または分解)が、代表的に
、回避されるからである。しかし、エンドサイトーシス移入は、一般に、特定の
細胞型に対して特異的ではなく、これによってTachibanaのアプローチ
を制限する。
【0006】 別のアプローチ[Takle GB、Thierry AR、Flynn S
M、Peng B、White L、Devonish W、Galbrait
h RA、Goldberg AR、George ST.Antisense
Nucleic Acid Drug Dev 1997年6月;7(3):
177−85.Delivery of oligoribonucleoti
des to human hepatoma cells using ca
tionic lipid particles conjugated to
ferric protoporphyrin IX(heme)]において
、Takleらは、アンチセンスRNAを鉄プロトポルフィリンIXで負荷した
カチオン性脂質粒子内にパッケージすることによって増加した、アンチセンスR
NA担持粒子の、肝細胞に対する標的化特異性を報告する。アンチセンスRNA
の、標的細胞の所望の集団への細胞特異的送達にもかかわらず、Takleらは
、アンチセンスRNAを核に特異的に送達せず、これによって、細胞質ヌクレア
ーゼ、および核におけるアンチセンスRNAの厳しく制限された正味の濃度に起
因して、アンチセンス送達の効力を有意に減少させた。
【0007】 なお別のアプローチにおいて、抗体または抗体フラグメントは、薬物に結合さ
れる。抗体の使用は、一般に有利である。なぜなら、細胞の表面上の特定の抗原
に対して惹起される抗体は、インビトロおよびインビボで、高い特異性を示すか
らである。例えば、Chenらは、抗EGF抗体−ポリ−L−リジン結合体が遺
伝子送達ビヒクルを形成することを記載する[Chen J、Gamou S、
Takayanagi A、Ohtake Y、Ohtsubo M、Shim
izu N.Cancer Gene Ther 1998;5(6):357
−64 Receptor−mediated gene delivery
using the Fab fragments of anti−epid
ermal growth factor receptor antibod
ies;improved immunogene approach]。Ch
enの結合体は、遺伝子を標的細胞に、(EGFR)により媒介されるエンドサ
イトーシスを介して選択的に送達したが、その移入効率は、Fabフラグメント
についてはほんの2%であり、そして抗体全体を使用した場合には0.1%未満
であった。さらに、抗体は、これらのそれぞれの抗原に対する、高度に親和性の
結合パートナーであり、従って、細胞の抗原にほぼ不可逆的に結合する傾向があ
り、これによって、利用可能な数の抗原に移入する効力を制限する。
【0008】 分子を標的細胞に移入するための種々の組成物および方法が、当該分野におい
て公知であるが、これらの全てまたはほとんど全てが、1つ以上の欠点に悩まさ
れる。従って、薬物を標的細胞内の細胞区画へと特異的に送達するための、改良
された方法および組成物に対する必要性が、依然として存在する。
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、標的化部分、経路指示(routing)部分および生物活性分子
を有する、薬物送達分子に関し、ここで、この標的化部分は、細胞の表面上のレ
セプターに有意に結合する。この標的化部分の、レセプターへの結合は、(1)
有意なアゴニスト効果を惹起せず、そして(2)薬物送達分子の細胞内への取り
込みを生じる。この経路指示部分は、生物活性分子に結合されるが、標的化部分
は、経路指示部分または生物活性分子のいずれかに結合する。
【0010】 本発明の主題の1つの局面において、レセプターは、ポリペプチドホルモンレ
セプターであり、好ましくは、ソマトスタチンII型レセプターであり、これは
、細胞上に位置する。意図される細胞は、腫瘍の近位の内皮細胞であり、そして
好ましい腫瘍としては、リンパ腫、乳癌(mammacarcinoma)、腺
癌、膠芽腫、および神経芽細胞腫が挙げられる。
【0011】 本発明の主題の別の局面において、標的化部分は、レセプターの天然リガンド
のネイティブフラグメントもしくは合成フラグメントであるか、または天然リガ
ンドの一部に相同性の分子である。好ましい標的化部分は、環状ペプチドを含む
。意図される経路指示部分としては、細胞質保持シグナル、小胞体搬出シグナル
、ミトコンドリア移入シグナル、核移行シグナルが挙げられ、そして好ましくは
、標的化部分に結合される。一旦、薬物送達分子が細胞に入ると、この結合が可
逆的であることもまた、意図される。生物活性分子は、好ましくは、薬物または
プロドラッグを含み、ここで、意図される薬物は、核酸にハイブリダイズし得る
か、または細胞内で発現される核酸であり得、細胞の無毒化プロセス、複製と干
渉する(すなわち、阻害または活性化する)か、酵素もしくは代謝経路を阻害す
るか、あるいはアポトーシスを誘導する。
【0012】 本発明の主題のさらなる局面において、異常細胞の近位に位置する内皮細胞を
選択的に標的化する方法は、この異常細胞の近位に位置する内皮細胞が検出可能
な量のソマトスタチンII型レセプターを有すること、およびこの異常細胞の近
位に位置しない内皮細胞がこの検出可能な量のソマトスタチンII型レセプター
に欠けていることが認識される工程を有する。さらなる工程において、この異常
細胞の近位に位置する内皮細胞には、ソマトスタチンII型レセプターに特異的
に結合する化合物を提供される。
【0013】 意図される異常細胞としては、新生物性細胞が挙げられ、そして特に意図され
る異常細胞は、乳癌細胞、前立腺癌細胞、および肺癌細胞である。他の意図され
る細胞としては、乏血性ストレス細胞(ischemically stres
sed cell)が挙げられ、そして特に意図される乏血性ストレス細胞は、
網膜色素上皮細胞、筋細胞、血液脳関門の細胞、および移植された異種細胞であ
る。
【0014】 意図される化合物は、一重特異性(mono−specific)抗体または
二重特異性の抗体を含み、これはさらに、薬理学的物質(トロンビン、放射性核
種、または増殖因子、サイトカイン、および核酸が挙げられる)に結合され得る
。意図されるさらなる化合物は、ソマトスタチン、ソマトスタチンアナログ、蛍
光団、発色団、色素物質、核酸、および二次抗体のためのハプテンを含み得る。
【0015】 なお別の局面において、組織に近位の内非細胞における、検出可能な量のソマ
トスタチンII型レセプターの存在は、その組織の疾患に相関する。引き続く工
程において、化合物は、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する内
非細胞に投与される。
【0016】 本発明の種々の課題、特徴、局面および利点は、添付の図面とともに、以下の
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から、さらに明らかとなる。
【0017】 (詳細な説明) 本明細書中で使用される場合、用語「レセプター」とは、細胞の外側から少な
くとも部分的にアクセス可能である、この細胞の表面上の構造をいい、ここで、
この構造は、別の分子と高い特異性で結合し得、そしてここで、他の分子の結合
が、代謝の増加以外の機構によって、この細胞の生理学的機能を直接的にかまた
は間接的に、調節する。これによって、意図される構造は、単一の結合部位を有
する単一の分子(代表的にはポリペプチド)であり得るか、または複数の成分が
結合部位を形成するか、もしくは少なくとも1つの成分が単一の結合部位を有す
る(例えば、他の分子への結合機能を有さない調節的ポリペプチドを含むレセプ
ター)、多成分構造であり得る。意図されるレセプターは、代表的に、単一の分
子に対して高い結合特異性を有するが、他の意図されるレセプターが、1つより
多い分子に対して特異的であり得る。例えば、神経ホルモンのシグナル伝達経路
におけるレセプターは、少なくとも一部が、細胞外にホルモン結合ドメインを有
し、そして細胞内の別の部分が、第一の部分(例えば、G−タンパク質)に結合
され、第二シグナル(例えば、cGMP)を生成する、多成分レセプターであり
得る。細胞膜上のトランスポーター(例えば、グルコーストランスポーター)は
、この定義の範囲内ではレセプターとはみなされないことを、特に認識するべき
である。なぜなら、グルコーストランスポーターは、代謝の増加によって、生理
学的機能(例えば、解糖)を調節するからである。
【0018】 本明細書中でまた使用されるように、細胞のレセプターの生理学的(すなわち
、天然の)リガンドと同一ではない分子は、この分子のレセプターに対する結合
が、細胞に対して、同等の条件下の生理学的リガンドの測定可能な効果の少なく
とも25%の測定可能な効果を誘発する場合に、「有意なアゴニスト効果」を有
する。本明細書中でさらに使用されるように、用語「有意な結合」は、2つの分
子の互いに対する非共有結合(約1×10-4mol-1未満の解離定数KDを有す
る)を意味する。本明細書中でなおさらに使用されるように、用語「取り込み」
とは、レセプター媒介性の取り込み、レセプター−リガンド複合体のインターナ
リゼーションなどを含む、任意の形態の分子の細胞中へのインターナリゼーショ
ンをいう。
【0019】 構造1Aおよび1Bにおいて、意図される薬物送達分子の一般的構造が示され
、そして標的化部分TM、経路指示部分RM、および生物活性分子BAMを含む
【0020】
【化6】 意図される標的化部分は、細胞の表面上のレセプターに有意に結合し、ここで、
標的化部分のレセプターに対する結合は、有意なアゴニスト効果を誘発せず、そ
して標的化部分のレセプターに対する結合は、薬物送達分子の細胞中への取り込
みを生じる。経路指示部分は、生物活性分子に結合され、ここで、経路指示部分
および生物活性分子のうちの少なくとも1つが標的化部分に結合される。
【0021】 本発明の主題の好ましい局面において、標的化部分は、有意なアゴニスト効果
を全く有さないソマトスタチンのフラグメントである。さらに好ましい標的化部
分としては、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する合成の環状ペ
プチドまたは非環状ペプチドが挙げられ、そして有意なアゴニスト効果を全く有
さない好ましい標的化部分の例が構造2A−Dに示される。
【0022】
【化7】 好ましい標的化部分は、レセプター(例えば、ソマトスタチンII型レセプター
)の天然のリガンドのフラグメントまたは部分を含むが、代替の標的化部分は、
レセプターの天然のリガンドの部分に限定される必要はなく、そして適切な標的
化部分は広範な種々のペプチドを含み得る。例えば、代替の標的化部分は、天然
のリガンドの部分と相同なペプチドを含み得る。相同部分は、関連するレセプタ
ーとの公差結合が減少される必要がある場合、特に有利であり得る。さらに、意
図される標的化部分の溶解性および/または安定性が関心事である場合、非タン
パク新生のアミノ酸が標的化部分に導入され得る。抗体、抗体フラグメント、お
よび抗体様タンパク質は、この定義の範囲に基づいて標的化部分であると考えら
れる。
【0023】 代替の標的化部分が(1)レセプターに有意に結合し、(2)結合が有意なア
ゴニスト効果を誘発せず、そして(3)標的化部分のレセプターに対する結合が
標的化部分の取り込みを生じる限り、代替の標的化部分はまた、有機化合物およ
び/または有機金属化合物を含み得ることがさらに理解されるべきである。有機
化合物および/または有機金属化合物は、標的レセプターに対する親和力を保持
しつつ、潜在的な免疫原性または構造不安定性を減少させるために、特に望まし
くあり得る。
【0024】 意図される標的化部分の化学的組成にかかわらず、適切な標的化部分は、アゴ
ニスト効果を欠くことが知られているソマトスタチンおよび/またはソマトスタ
チンアナログのフラグメントを含むことが特に好ましい。アゴニスト効果を欠く
フラグメントおよびアナログは、当該分野において公知である(Barrie,
R.ら、J.Surg.Res.1993,55(4):446−450.In
hibition of Angiogenesis by Somatost
atin and Somatostatin−like compounds
is structurally dependent;Coyら、米国特許
第4,508,711号(これらの全ては、本明細書中で参考として援用される
))。適切な標的化部分が、アゴニスト効果およびアンタゴニスト効果を欠くこ
とが知られているソマトスタチンおよび/またはソマトスタチンアナログのフラ
グメントを含むことは、さらにより好ましい。
【0025】 本明細書中に示される発明の主題は、特定の型のレセプターに限定されず、そ
して意図されるレセプターは、ホルモンレセプター、増殖因子レセプター、神経
刺激伝達物質レセプターなどを含むことがさらに理解されるべきである。特に意
図されるレセプターは、ポリペプチドホルモンレセプターを含み、そしてより好
ましくはソマトスタチンII型レセプターを含む。さらに意図されるレセプター
は、特定の構造に限定される必要はない。従って、適切なレセプターは、1サブ
ユニットレセプターおよび多サブユニットレセプターを含み得、ここで、サブユ
ニットの少なくとも1つが結合部位を有するか、またはサブユニットの少なくと
も2つが結合部位を形成する。
【0026】 標的細胞は、腫瘍の近位に位置する微小血管内皮細胞を含み、そして特に意図
される腫瘍は、乳癌、腺癌、肉腫、リンパ腫、神経膠芽細胞腫、および神経芽細
胞腫を含むことが好ましい。用語(腫瘍、細胞、または組織の)「近位に位置す
る内皮細胞」とは、腫瘍、細胞、または組織を取り巻くか、浸透するか、または
それらの内部に存在する内皮細胞をいう。しかし、代替の局面において、腫瘍の
近位に位置する微小血管内皮細胞以外の多くの標的細胞もまた、細胞が、標的化
部分に特異的に結合する細胞の表面上にレセプターを有する限り、意図され、そ
して特に意図される細胞は、それらの細胞表面上にソマトスタチンII型レセプ
ターを有意に発現する細胞(例えば、腺癌実質および神経芽細胞腫実質細胞)を
含む。
【0027】 本発明の主題の別の好ましい局面において、経路指示部分は、細胞核の移行シ
グナル配列(例えば、KKLK)を含むが、細胞質(cytoplasmati
c)保持シグナル、小胞体(endoplasmatic reticulum
)搬出シグナル、およびミトコンドリア移行シグナルを含む、種々の代替の経路
指示配列もまた意図される。経路指示部分および標的化部分が一緒に結合される
場合、標的化部分のアミノ酸由来のカルボキシル基は、経路指示部分のアミノ酸
(例えば、Lys由来のε−アミノ基)由来のアミノ基とアミド結合を形成する
ことが特に意図される。しかし、共有結合および非共有結合を含む、多くの代替
の結合もまた意図されることが理解されるべきである。例えば、経路指示部分と
標的化部分との間の結合の制限された安定性が望ましい場合、1つ以上のジスル
フィド結合が意図される。ジスルフィド結合は、特に有利である。なぜならジス
ルフィド結合は、代表的に、細胞外の環境において安定であるが細胞内では容易
に切断されるからである。別の例において、結合は、細胞内プロテアーゼのため
の基質である短いペプチド配列を含む。このような基質配列は、特に、細胞内で
切断され、従って、経路指示部分が細胞内で標的化部分から除去される必要があ
る用途において特に有用である。他の非共有結合は、非ペプチド結合を含み得、
それらはポリマー(例えば、官能化されたポリエチレングリコール)または短い
二官能性架橋型分子(例えば、ビスマレイミド)であり得る。
【0028】 非共有結合は、結合の安定性が溶媒または他の微小環境の条件に依存する場合
、特に有利であり得る。例えば、非共有結合としては、電荷相補的な結合(例え
ば、ポリリジン/ポリグルタミン酸塩)、疎水性相互作用(例えば、ロイシンジ
ッパー)、水素結合(例えば、相補的な核酸)、またはイオン/配位相互作用(
Ni−His錯化)などが挙げられ得る。本発明の主題のさらに好ましい局面に
おいて、生物活性分子は薬物またはプロドラッグを含み得、そして用語「生物活
性分子」とは、本明細書中で使用される場合、一般に、その化学的組成の結果と
してそして/またはその同位体的組成の結果としてのいずれかで、細胞の機能に
対して実質的な効果を有する任意の化合物をいう。意図される生物活性分子は薬
物およびプロドラッグを含み、そして特に意図される薬物は、核酸とハイブリダ
イズするかまたは細胞中での無毒化プロセスを阻害する分子を含む。他の特に意
図される薬物は、酵素、細胞の複製を阻害するか、またはアポトーシスを誘導/
阻害する。例えば、核酸とハイブリダイズする分子は、センスおよびアンチセン
スのDNA、RNA、PNAおよびそれらのキメラアナログを含み得る。無毒化
プロセスを阻害する分子は、多種薬物耐性に関与するトランスポーターのインヒ
ビターを含み得る。酵素インヒビターとしては、加水分解酵素、リガーゼ、リア
ーゼなどの、自殺インヒビター、競合的インヒビター、非競合的インヒビター、
およびアロステリックインヒビターが挙げられ得る。さらに、多くの薬物が、細
胞の複製を阻害する(例えば、α−アマニチン)かまたはアポトーシスを誘導す
る(例えば、Fasリガンド)ことが知られている(これらの全ては、本明細書
中で参考として援用される)。
【0029】 さらに代替の局面において、生物活性分子はまた、診断目的のために使用され
得る非薬物非プロドラッグレポーター基であり得、そして意図されるレポーター
基としては、蛍光団、放射性核種、発色団、および色素形成基質が挙げられる。
【0030】 生物活性分子の標的化部分に対する結合に関して、標的化部分と経路指示部分
との間の結合についてと同じ考察が当てはまることが理解されるべきである。さ
らに、結合は標的化部分と経路指示部分との間または標的化部分と生物活性分子
との間のいずれかであることが好ましい一方で、標的分子の経路指示部分および
生物活性分子に対する二重結合もまた意図される。
【0031】 本発明の主題に沿った薬物送達分子が、高い細胞特異性および細胞画分特異性
を有する特定の薬物を送達するために使用され得ることは、特に理解されるべき
である。さらに、意図される分子は、疾患が標的化部分によって標的化されるレ
セプターの存在または過剰発現と結び付けられる場合に、特定の薬物を、特に疾
患に関連する細胞に送達するために、使用され得る。例えば、本発明の主題に従
った薬物送達分子は、生命遺伝子の発現を阻害するアンチセンス核酸に結合した
核標的化配列を有する薬物送達分子中のソマトスタチンII型レセプターを標的
化することによって、新脈管形成を阻害するために、使用され得る。図1A〜D
は、本発明の主題に沿った薬物送達分子の例示的構造を示す。ここで、BAMは
生物活性分子である。
【0032】 本発明の主題に沿った薬物送達分子の意図される投与は、薬物送達分子の標的
細胞へのインビボ用途およびインビトロ用途を含む。例えば、細胞の特定の集団
がエキソビボで培養される場合、培養培地には薬物送達分子が補充され得る。あ
るいは、細胞は、一時的にかまたは永久的に組換え核酸を用いてトランスフェク
トされて、標的レセプターを発現し得る。次いで、このような組み換え細胞は、
薬物送達分子とのインキュベーションに供され得る。インビボ用途としては、静
脈内注射、経口投与、経皮用途などが挙げられ得る。
【0033】 好ましい薬物送達分子は有意なアゴニスト効果を有せず、そして特に好ましい
局面において薬物送達分子は、標的化部分の特定の構造に起因して、有意なアゴ
ニストおよびアンタゴニストの効果を有さないことはさらに理解されるべきであ
る。
【0034】 ソマトスタチンII型レセプターを標的化することが特に有利であることは、
特に理解されるべきである。なぜなら、本発明者らは、異常細胞の近位に位置し
ない内皮細胞は検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを有さないが、
異常細胞の近位に位置する内皮細胞は検出可能な量のソマトスタチンII型レセ
プターを有することを発見したからである。本明細書中で使用される場合、用語
「検出可能な量」とは、免疫蛍光または免疫電子顕微鏡についての最新のプロト
コルによって検出され得るレセプターの量をいう。
【0035】 この発見の例は図4A−Dに示され、これらの図は、活性化された微小血管内
皮中のソマトスタチンII型レセプターの、レーザー誘導性黄斑変性についての
ラットモデルにおける銀増強免疫金反応性による検出を示す。内皮細胞は、黄斑
変性病巣中の異常細胞の集団内で近位に位置する。図4Aは、新生血管形成の領
域における脈絡膜内皮の特異的な抗体染色を示す(異常細胞はレーザー処置され
た実験組織中に位置する)。大きな融合銀粒子は、内皮細胞の腹表面上ではなく
内皮細胞の管腔表面上に、高密度でクラスター化した金粒子を示す。図4Bは、
特定の認識ペプチド(レーザー処置された実験組織)によって阻害される特定の
抗体を示す。脈絡膜(coroida)の後部にある脈管組織または筋組織のい
ずれにおいても免疫反応性はない(後者が示される)。図4Cは、脈絡膜の後部
にある筋組織(レーザー処置なしのコントロール組織)の特異的な抗体染色を示
す。内皮領域における免疫反応性はないが、小さな銀粒子は、低密度で、筋組織
におけるソマトスタチン作動性ニューロンの免疫染色を示す。図4Dは、新生血
管形成の領域(Aに示す領域と同じ)における微小血管の切断面の拡大図を示す
。大きな融合銀粒子が内皮細胞の管腔表面(核、右下の領域)に接している。
【0036】 従って、異常細胞の近位に位置する内皮細胞は、選択的に標的化され得ること
が意図され、そして異常細胞の近位に位置する内皮細胞の選択的標的化の意図さ
れる方法は、以下の工程を有する:1つの工程において、異常細胞に近位して位
置する内皮細胞は、検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを有し、そ
して異常細胞の近位に位置しない内皮細胞は、検出可能な量のソマトスタチンI
I型レセプターがない。別の工程において、異常細胞の近位に位置する内皮細胞
は、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する化合物を有して存在す
る。
【0037】 本発明の好ましい局面において、この異常細胞は新生物細胞であり、そして特
に、乳房腫瘍細胞、前立腺腫瘍細胞、および肺腫瘍細胞を含む新生細胞が意図さ
れる。他の意図される異常細胞として、乏血性ストレス細胞(例えば、乏血性ス
トレス筋細胞)、脳脊髄関門の細胞、または移植異種細胞が挙げられる。しかし
、「異常細胞」は、細胞内の条件または細胞の環境内の条件に起因して検出可能
な量のソマトスタチンII型レセプターが発現する細胞であり、従って、この細
胞は検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを正常には発現しない(例
えば、腫瘍実質)。
【0038】 本発明のさらなる局面において、内皮細胞を特異的に標的化する化合物は、ソ
マトスタチンII型レセプターに特異的に結合する抗体を含むことを意図する。
ここで、この抗体は一重特異性でも二重特異性でもよい。ソマトスタチンII型
レセプターに対する特異性を有する一重特異性または二重特異性の抗体は、種々
のプロトコールによって産生され得、そして入手可能な全てのプロトコールは、
意図される抗体の産生に有用であることがさらに意図される。抗体の構造を考慮
せずに、適切な抗体が薬理学的に活性な物質と結合され得ることが意図される。
例えば、腫瘍の新生血管形成の防御が好ましい場合、この薬理学的物質は、沈澱
して微小脈管を目詰まりさせ得るトロンビンであり得る。あるいは、この薬理学
的物質は、放射性核種であり、この放射性核種の放射活性崩壊のエネルギーを所
望の部位(例えば、腫瘍)に特異的に指向し得る。適切な化合物はまた、微小血
管内皮細胞の成長または増殖を刺激することが、なおさらに意図される。従って
、この化合物は増殖因子、サイトカイン、または微小血管内皮細胞内に発現し得
る核酸を含み得ることが意図される。物質を抗体に結合させるための当該分野に
おいて公知である多くの方法が存在し、そして、このような方法は、本明細書中
における使用のために適切であることが意図される。
【0039】 内皮細胞を選択的に標的化する方法が診断的環境において使用され得ることが
、さらに認識されるべきである。例えば、この方法は、標本内の異常細胞の存在
を決定するために使用され得る。あるいは、選択的標的化の方法は、異常な細胞
または細胞集団のスクリーニングに使用され得る。従って、化合物は、レポータ
ー群を含み得ることが意図される。多くのレポーター群は、当該分野において公
知であり、そして公知のレポーター群全てが本明細書中に存在する教示と共役し
て使用され得ることが、意図される。例えば、内皮細胞への直接的接近が可能で
ある場合、レポーター群は、蛍光団、発色団、二次抗体のためのハプテンまたは
色素性物質であり得る。高いシグナル増幅が所望される場合、核酸は、レポータ
ー群として使用され得る。内皮細胞への直接接近が不可能である場合、レポータ
ー群は、放射性核種でもスクリーニングにおいて検出可能な金属でもよい。
【0040】 本発明の特に意図される局面において、化合物は、ソマトスタチンII型レセ
プターに顕著に結合する標的化部分を有する薬剤送達分子を含み得る。ここで、
レセプターへの標的化部分の結合は、顕著なアゴニスト効果を誘発せず、ここで
、レセプターへの標的化部分の結合は、薬剤送達分子の細胞内への取り込みを生
じ、そして、薬剤送達分子はさらに、経路指示部分および経路指示部分に結合し
た生物活性分子を有する。ここで、少なくとも1つの経路指示部分および生物活
性分子が、標的部分に結合される。あるいは、意図される化合物はまた、ソマト
スタチン、またはソマトスタチンアナログを含み得る。
【0041】 異常細胞の近位に位置する内皮細胞に化合物を提示させる工程に関して、直接
的方法及び間接的方法を含む種々の方法が、意図される。直接的方法は、化合物
を含む溶液中での内皮細胞のインキュベートを包含し、一方、間接的方法は異常
細胞の近位に位置する内皮細胞を有する組織への化合物の注入を包含する。
【0042】 異常細胞は、種々の環境において見出され得る。例えば、いくつかの治療条件
において、末梢血液循環は、種々の原因に起因していくつかの組織に制限される
ことが公知である。従って、灌流が悪い組織は異常細胞を含み、その異常細胞の
近位に位置する内皮細胞は、検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを
有する。従って、循環を改善する方法は、減少した循環を有する組織が、その近
位に位置する内皮細胞上のソマトスタチンII型レセプターの検出可能な量と相
関するという1工程を有し得る。別の工程において、化合物は内皮細胞に投与さ
れ、ここで、この化合物はソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合し、
ここで、この化合物は、内皮細胞の細胞増殖を刺激する。減少した循環が血管の
狭窄によって生じ得ることが意図され、そしてこの狭窄が脳または心臓に位置す
る血管に生じることが特に意図される。
【0043】 内皮細胞の細胞増殖を刺激する化合物に関して、上記のような種々の薬剤送達
分子は、このような薬剤送達分子がソマトスタチンII型レセプターに特異的に
結合する標的化部分を有する限りは適切であり、そして生物活性分子が内皮細胞
の増殖を刺激する限りは適切である。例えば、適切な生物活性分子は、サイトカ
インおよび増殖因子を含むことが意図される。
【0044】 さらに、いくつかの視力障害において、網膜組織(特に黄斑(macular
)領域)を支持する循環は、種々の原因に起因して制限される。従って、灌流の
悪い組織は、異常細胞を含み、そして異常細胞の近位に位置する内皮細胞は、検
出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを有する。従って、視力を改善す
る方法は、黄斑変性の病巣を有する組織が、灌流の悪い組織の近位に位置する内
皮細胞上のソマトスタチンII型レセプターの検出可能な量と相関するという1
工程を有し得る。別の工程において、化合物は内皮細胞に投与され、ここで、こ
の化合物はソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合し、ここで、この化
合物は、内皮細胞の細胞増殖を阻害する。内皮細胞の細胞増殖を阻害する化合物
に関して、上記と同様の考察を適用する。
【0045】 なおさらに、いくつかの健康状態において(特に、新生物において)、腫瘍は
、新生物組織への限定された栄養素の拡散に起因して灌流が悪い。従って、新生
物組織は異常細胞を含み、そして異常細胞の近位に位置する内皮細胞は、検出可
能な量のソマトスタチンII型レセプターを有する。従って、健康状態を改善す
る方法は、新生物を有する組織が、その近位に位置する内皮細胞上の検出可能な
量のソマトスタチンII型レセプターと相関するという1工程を有し得る。別の
工程において、化合物は内皮細胞に投与され、ここで、この化合物はソマトスタ
チンII型レセプターに特異的に結合し、ここで、この化合物は、内皮細胞の細
胞増殖を阻害する。
【0046】 新生物の型が本発明に限定されないことが意図され、そして適切な新生物とし
て、リンパ腫、肉腫、腺癌、および奇形癌が挙げられ得る。内皮細胞の細胞増殖
を阻害する化合物に関して、上記のような種々の薬剤送達分子がソマトスタチン
II型レセプターに特異的に結合する標的化部分を有する限り、そして、生物活
性な分子が分子が内皮細胞の増殖を阻害する限り、このような薬剤送達分子が適
切であるということが意図される。例えば、適切な生物活性分子としては、酵素
、複製、DNA合成およびRNA合成などを阻害し得る薬物およびプロドラッグ
が挙げられ得る。
【0047】 (実施例) 以下の実施例は、本発明に従う薬剤送達分子の合成及び模範的な適用を記載す
る。
【0048】 (実施例1) 化合物I、化合物II、化合物III、および化合物IVを、Fmoc固相法
による段階的様式において合成した。Fmocアミノ酸、2−(1H−ベンゾト
リアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフル
オロホウ酸塩(TBTU)、9−フルオレニルメトキシカルボニル−N−ヒドロ
キシスクシニミド(Fmoc−OSu)、Fmoc−Val−Wang樹脂、お
よびH−O−テルト−ブチル−L−スレオニン−2−クロロトリチル樹脂を、A
naSpec(San Jose,CA)から入手し、そしてペプチド合成の他
の試薬を、Protein Technologies,Inc.から入手した
。この合成を、2−(1H−ベンゾトリチアゾル−1−イル)−1,1,3,3
−3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩(TBTU)/n−メチ
ルモルホリン活性化ストラテジーを用いて、Rainin Symphony多
重ペプチド合成機で0.025mmolスケールで行った。合成の終了に際し、
ペプチドを樹脂から切断し、そして2.5% 1,2−エタンジチオール(ED
T)および2.5% H2Oを含むTFAで(側鎖を)脱保護した。樹脂を反応
混合物から濾過して取り出し、そしてペプチドをエーテルで沈澱した。
【0049】 経路指示ペプチド:KRKLIEENPKKKRKV、をまず合成し、次いで
脱保護した。リジン(H2O中80%のDMFに溶解した)を手動で添加した。
Texas Red−X スクシンイミジルエステルと非保護リジンとの間の反
応を、一晩続行させた。残りのペプチド(KKL)を、Fmoc固相法によって
合成した。
【0050】 化合物I:7−アミノ−1−カルボキシヘプタン酸(Fmoc−Asu−OH
、Fmoc−L−α−アミノスベリン酸)FKdWFを合成し、切断し、次いで
、4当量のTBTUおよび8当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を
添加して4時間で環化した。環化ペプチドおよび経路指示ペプチドを、4当量の
TBTUおよび8当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を添加して4
時間で連結した。
【0051】 化合物II:ENPKKKRKVをまず合成して、次いで、脱保護した。Gl
uを手動で添加した。dFCFdW−Orn−Abu−CThr(オール) C
lEt−2樹脂を使用して、完全な保護フラグメントを調製した。EENPKK
KRKV−Wang樹脂および完全な保護フラグメントを、4当量のTBTUお
よび8当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を添加して4時間で連結
した。次に、KRKLI配列をペプチドに添加して、次いで、脱保護した。リジ
ン(H2O中80%のDMF)を手動で添加した。Texas Red−X ス
クシンイミジルエステルと非保護リジンとの間の反応を、一晩続行させた。残り
のペプチドKKLを、Fmoc固相法によって合成した。
【0052】 化合物III:Fmoc 6−アミノ−1−カルボキシ−ヘプタン酸(Fmo
c−DL−2−アミノヘプタン二酸)を、H2N−CH(登録商標)−COOH
+Fmoc−OSu−−−−−−>Fmoc−NH−CH(登録商標)−COO
H+O−Su反応によって調製した。6−アミノ−1−カルボキシ−ヘプタン酸
(DL−2−アミノヘプタン二酸)F−Abu−KdWFを合成し、切断し、次
いで4当量のTBTUおよび8当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)
を添加して4時間で環化した。環化ペプチドおよび経路指示ペプチドを、4当量
のTBTUおよび8当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を添加して
4時間で連結した。
【0053】 化合物IV:KRKLIEENPKKKRKVをまず合成し、次いで脱保護し
た。リジン(H2O中80%のDMFに溶解した)を手動で添加した。Texa
s Red−X スクシンイミジルエステルと非保護リジンとの間の反応を、一
晩続行させた。残りのペプチドdFCFdWKT−アミノペンタン酸−CTKK
Lを、Fmoc固相法によって合成した。ジスフィルド結合シクロペプチドの合
成を、ジメチルスルホキシド媒介酸化反応を用いるCys−酸化によって実行し
た。
【0054】 (実施例2) (核経路指示ペプチドに連結したソマトスタチン誘導体の細胞性取り込みの測
定) ヒト神経芽腫細胞(SK−N;SSR2A陽性;(SSR2A=ソマトスタチ
ンII型レセプター))を、1mM ピルビン酸Na、5mM 非必須アミノ酸
、および10% FCSを補充したDMEM培地を用いて、25cm2フラスコ
中で50〜70%コンフルエントになるまで増殖した。ハムスターCHO細胞(
SSR2A陰性)を、同一の条件下で増殖した。代表的な実験について、1つの
フラスコの細胞をトリプシン処理し、血球計算器で計測し、チャンバースライド
(LabTek single chamber slide#177372、
またはdouble chamber slide、またはquadruple chamber slide)上に1mlあたり1×105細胞の懸濁液とし
て播いた。播種24時間後、細胞を2〜3回DMEで洗浄し、そして1μMのソ
マトスタチン(Sigma、組織培養用)を含むDME(取り込みコントロール
条件)またはDME(実験条件)のいずれかで、30分間プレインキュベートし
た。プレインキュベート溶液の除去後、細胞を1μMのソマトスタチンおよび1
μMの実験用ペプチドを含むDME取り込みコントロール条件)、または1μM
の実験用ペプチドのみを含むDME(実験条件)のいずれか中で2時間インキュ
ベートした。使用した実験用ペプチドは、化合物I、化合物II、化合物III
、化合物IVおよび経路指示ペプチドであった。
【0055】
【化8】 インキュベート溶液の除去後、細胞をDMEでリンスして、そして完全培地中
でさらに30分間、2時間、24時間、48時間または72時間増殖した。核へ
の取り込みの最も有益な時間点を、最初の実験で決定した。処理の48時間後に
、実験用ペプチドあたり4つの条件を調査した:神経芽腫における実験用化合物
(ソマトスタチンを伴うかまたは伴わない)、およびCHO細胞における実験用
化合物(ソマトスタチンを伴うかまたは伴わない)。
【0056】 示されたような時間点において、細胞をPBSで3回リンスし、4%のパラホ
ルムアルデヒド/PBS中で一晩4〜7℃において固定し、PBSで3回リンス
し、そしてSlowFade(Molecular Probes)にマウント
した。
【0057】 Zeiss LSM−300顕微鏡を使用して、共焦点分析を実施した。各々
の処理条件について、対の画像(DICおよび赤チャンネル蛍光)を、100%
油浸において、定常に維持した蛍光シグナル記録の設定で得た。Z軸切片化は、
共焦点平面での任意の選択をした。Adobe Photoshopソフトウェ
アによるグレイスケール様式における同一の倍率因子で、画像を表示した。画素
強度の測定の前に、シグナル増強または手順の改変を用いなかった。
【0058】 実施例のように、化合物IVまたは経路指示ペプチドで処置し、さらに48時
間増殖した細胞から記録した対の画像を、図2A〜2Eに示す。ペプチドの核へ
の取り込みを正確に評価するために、核をDIC画像に同定し、そして蛍光画像
において一致する領域をスキャンした。100%未満の黒飽和(black s
aturation)を示す画素を核のいたるところに同定し、それらの値を記
録かつ平均した。少なくとも3つの核の画素強度平均を使用して、各々の実験条
件における核染色の蛍光強度を決定した。黒飽和における減少の各々のパーセン
トを、1相対光単位(relative light unit)として表す(
すなわち、75%黒飽和の減少は、25%の相対光単位に対応する)。
【0059】 図2Aは、ハムスターCHO細胞への化合物IVの取り込みの非存在を示す。
図2Bは、ヒト神経芽腫細胞への経路指示ペプチド−Texas red結合物
の取り込みの非存在を示す一方、図2Cは、ソマトスタチン存在下でのヒト神経
芽腫細胞への経路指示ペプチド−Texas red結合物の取り込みの非存在
を示す。図2Dは、ヒト神経芽腫細胞の細胞及び核への化合物IVの取り込みを
示し、そして図2Eは、ソマトスタチン存在下でのヒト神経芽腫細胞の細胞及び
核への化合物IVの取り込みを示す。図2A〜Eの全てにおいて、左の画像は、
DIC顕微鏡写真を示し、そして右の画像は、同一サンプルの対応する赤チャン
ネル共焦点顕微鏡写真を示す。
【0060】 (処理48時間後のヒト神経芽腫細胞 対 ハムスターCHO細胞における相
対核蛍光強度) 処理48時間後のヒト神経芽腫細胞 対 ハムスターCHO細胞における相対
核蛍光強度を、図3に示す。(神経芽腫細胞における経路指示ペプチド(1μM
)(バー1)、神経芽腫細胞における経路指示ペプチド(1μM)およびソマト
スタチン(1μM)(バー2)、神経芽腫細胞における化合物IV(1μM)お
よびソマトスタチン(1μM)(バー3)、神経芽腫細胞における化合物IV(
1μM)(バー4)、神経芽腫細胞における紡錐体に共局在する化合物IV(1
μM)(バー5)、CHO細胞における化合物IV(1μM)(バー6)。バー
の高さは、画素の強度の平均を示す。対称的な誤差バーは、偏差の範囲を反映す
る。1相対蛍光光単位は、標準グレースケールの黒飽和における1%の減少に対
応する)。
【0061】 (結果) 非常に低いレベル(境界線)の核蛍光を、インキュベート30分間後に見出し
た。特異的な核蛍光は、インキュベート2時間後に顕著なレベルに上昇した。強
いレベルを48時間通して検出可能であった。インキュベート72時間後には、
顕著な核蛍光は、検出可能ではなかった。
【0062】 処理期間の間の等モルのソマトスタチン濃度の存在において、2時間後の核蛍
光は検出可能ではなかった。もし必要ならば、最小限の蛍光が48時間後に検出
可能であった。しかし、2時間後の細胞外膜に関連する実質的な蛍光および48
時間後の検出可能な細胞質蛍光は、存在しなかった。長時間にわたる取り込みの
増加は、SSR2Aに結合するソマトスタチンのたいがい非常に短い半減期が、
化合物IVの侵入を完全にブロックするのに十分ではないこと;細胞外原形質膜
に結合する余剰の化合物IVは、ソマトスタチンの分解が完全に起こった後にS
SR2A取り込み経路を通って細胞に侵入し得たこと、を示唆する。
【0063】 経路指示ペプチドは、ソマトスタチン非存在下での細胞表面の顕著な染色を示
さない;蛍光強度は、ソマトスタチン存在下での減少しない。これらの2つの観
察は、経路指示ペプチド自身がSSR2Aに顕著な親和性を有さず、そして代替
の経路によって神経芽腫細胞に侵入しないという予想された結果を確証する。
【0064】 SSR2Aを発現しないCHO細胞において、処理48時間後に、核または原
形質膜のいずれかでの顕著な蛍光は見出せなかった。インキュベーション培地に
おけるソマトスタチンの存在または非存在は、CHO細胞における蛍光強度に影
響しなかった。
【0065】 したがって、特定の実施形態ならびに標的化薬剤送達の方法および組成物の適
用が開示された。しかし、すでに記載されるものに加えてより多くの改変が本明
細書中の発明の概念から離れることなく可能であることが、当業者には明白であ
る。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神を除いて限定されない。さ
らに、明細書および特許請求の範囲の両方の解釈において、全ての用語が、文脈
に一貫した最も広い可能な様式で解釈されるべきである。特に、用語「含む(c
omprise)」および「含む(comprising)」は、要素、成分、
または矛盾しない様式における工程を言及として解釈されるべきであり、参照の
要素、成分、もしくは工程は、提示されるか、または利用されるか、または明確
に参照されなかった他の要素、成分、もしくは工程と結合され得ることが示され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜Dは、本発明の主題による薬物送達分子の例示的な構造である。
【図2A】 図2Aは、本発明の主題による例示的な薬物送達分子とともにインキュベート
した細胞の、顕微鏡写真である。
【図2B】 図2Bは、本発明の主題による例示的な薬物送達分子とともにインキュベート
した細胞の、顕微鏡写真である。
【図2C】 図2Cは、本発明の主題による例示的な薬物送達分子とともにインキュベート
した細胞の、顕微鏡写真である。
【図2D】 図2Dは、本発明の主題による例示的な薬物送達分子とともにインキュベート
した細胞の、顕微鏡写真である。
【図2E】 図2Eは、本発明の主題による例示的な薬物送達分子とともにインキュベート
した細胞の、顕微鏡写真である。
【図3】 図3は、本発明の主題による薬物送達分子とともにインキュベートした、標的
細胞およびコントロール細胞における、蛍光強度を示すグラフである。
【図4】 図4は、検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターを有する、コントロ
ールおよび脈絡膜内皮細胞の、免疫電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 51/00 A61K 37/24 A61P 27/02 37/02 35/00 A61F 9/00 550 43/00 105 A61K 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA22 BB11 CC27 CC30 EE41 EE59 FF16 FF68 4C084 AA02 AA03 BA01 BA08 BA18 BA23 BA44 DB11 MA01 MA23 NA13 ZB212 ZB352

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物送達分子であって、以下: 細胞の表面のレセプターに有意に結合する標的化部分であって、ここで、該標
    的化部分の該レセプターへの結合が、有意なアゴニスト効果を惹起せず、そして
    ここで、該標的化部分の該レセプターへの結合が、該薬物送達分子の細胞内への
    取り込みを生じる、標的化部分; 経路指示部分;および 生物活性分子であって、該経路指示部分に結合され、ここで、該経路指示部分
    および該生物活性分子の少なくとも1つが、該標的化部分に結合される、生物活
    性分子、 を含む、薬物送達分子。
  2. 【請求項2】 前記レセプターが、ポリペプチドホルモンレセプターである
    、請求項1に記載の薬物送達分子。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドホルモンレセプターが、ソマトスタチンI
    I型レセプターである、請求項1に記載の薬物送達分子。
  4. 【請求項4】 前記レセプターが、天然リガンドを有し、そして前記標的化
    部分が、該天然リガンドのフラグメントである、請求項1に記載の薬物送達分子
  5. 【請求項5】 前記天然リガンドのフラグメントが、合成フラグメントであ
    る、請求項4に記載の薬物送達分子。
  6. 【請求項6】 前記レセプターが、天然リガンドを有し、そして前記標的化
    部分が、該天然リガンドの一部に相同性の分子である、請求項1に記載の薬物送
    達分子。
  7. 【請求項7】 前記標的化部分が、環状ペプチドを含む、請求項1に記載の
    薬物送達分子。
  8. 【請求項8】 前記標的化部分が、以下: 【化1】 からなる群から選択される分子を含む、請求項1に記載の薬物送達分子。
  9. 【請求項9】 前記細胞が、腫瘍の近位に位置する微小血管内皮細胞である
    、請求項1に記載の薬物送達分子。
  10. 【請求項10】 前記腫瘍が、乳癌、腺癌、膠芽腫、リンパ腫、および神経
    芽細胞腫からなる群から選択される、請求項9に記載の薬物送達分子。
  11. 【請求項11】 前記経路指示部分が、細胞質保持シグナル、小胞体搬出シ
    グナル、ミトコンドリア移入シグナル、および核移行シグナルからなる群から選
    択される部分を含む、請求項1に記載の薬物送達分子。
  12. 【請求項12】 前記生物活性分子が薬物を含む、請求項1に記載の薬物送
    達分子。
  13. 【請求項13】 前記生物活性分子がプロドラッグを含む、請求項1に記載
    の薬物送達分子。
  14. 【請求項14】 前記薬物が、核酸とハイブリダイズする分子、および細胞
    内で発現される核酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の薬物送
    達分子。
  15. 【請求項15】 前記薬物が、細胞内での無毒化プロセスと干渉する分子を
    含む、請求項12に記載の薬物送達分子。
  16. 【請求項16】 前記薬物が、細胞の複製を阻害する分子を含む、請求項1
    2に記載の薬物送達分子。
  17. 【請求項17】 前記薬物が、酵素を阻害する分子を含む、請求項12に記
    載の薬物送達分子。
  18. 【請求項18】 前記薬物が、アポトーシスを誘導する分子を含む、請求項
    12に記載の薬物送達分子。
  19. 【請求項19】 前記薬物が、アポトーシスを阻害する分子を含む、請求項
    12に記載の薬物送達分子。
  20. 【請求項20】 前記経路指示部分が、前記標的化部分と結合される、請求
    項1に記載の薬物送達分子。
  21. 【請求項21】 前記標的化部分と、前記経路指示部分および生物活性分子
    の少なくとも1つとの間の前記結合が、前記薬物送達分子が細胞内にある場合に
    結合しない、請求項1に記載の薬物送達分子。
  22. 【請求項22】 以下の構造: 【化2】 を有する薬物送達分子であって、ここで、BAMは、生物活性分子である、薬物
    送達分子。
  23. 【請求項23】 以下の構造: 【化3】 を有する薬物送達分子であって、ここで、BAMは、生物活性分子である、薬物
    送達分子。
  24. 【請求項24】 以下の構造: 【化4】 を有する薬物送達分子であって、ここで、BAMは、生物活性分子である、薬物
    送達分子。
  25. 【請求項25】 以下の構造: 【化5】 を有する薬物送達分子であって、ここで、BAMは、生物活性分子である、薬物
    送達分子。
  26. 【請求項26】 異常細胞の近位に位置する内皮細胞を選択的に標的化する
    方法であって、以下: 該異常細胞の近位に位置する内皮細胞が検出可能な量のソマトスタチンII型
    レセプターを有すること、および該異常細胞の近位にない内皮細胞が該検出可能
    な量のソマトスタチンII型レセプターに欠けていることを、認識する工程;な
    らびに 該異常細胞の近位に位置する内非細胞に、該ソマトスタチンII型レセプター
    に特異的に結合する化合物を提供する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 前記異常細胞が、新生物性細胞である、請求項26に記載
    の方法。
  28. 【請求項28】 前記新生物性細胞が、乳癌細胞である、請求項27に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 前記新生物性細胞が、前立腺癌細胞である、請求項27に
    記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記新生物性細胞が、肺癌細胞である、請求項27に記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 前記異常細胞が、乏血性ストレス細胞である、請求項26
    に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記乏血性ストレス細胞が、網膜色素上皮の層内の細胞で
    ある、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記乏血性ストレス細胞が、筋細胞である、請求項31に
    記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記乏血性ストレス細胞が、血液脳関門を形成する複数の
    細胞のメンバーである、請求項31に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記乏血性ストレス細胞が、ニューロンである、請求項3
    1に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記乏血性ストレス細胞が、移植された異種細胞である、
    請求項31に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記化合物が抗体を含む、請求項26に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記抗体が、薬理学的に活性な物質と結合体化している、
    請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記薬理学的に活性な物質がトロンビンを含む、請求項3
    8に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記薬理学的に活性な物質が、放射性核種を含む、請求項
    38に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記抗体が、二重特異的抗体である、請求項37に記載の
    方法。
  42. 【請求項42】 前記化合物が増殖因子を含む、請求項26に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記化合物がサイトカインを含む、請求項26に記載の方
    法。
  44. 【請求項44】 前記化合物が核酸を含む、請求項26に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記化合物が、蛍光団、発色団、色素物質、核酸、および
    二次抗体のためのハプテンからなる群から選択される部分を含む、請求項26に
    記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記化合物が、請求項3に記載の薬物送達分子を含む、請
    求項26に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記化合物がソマトスタチンを含む、請求項26に記載の
    方法。
  48. 【請求項48】 前記化合物がソマトスタチンアナログを含む、請求項26
    に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記提供する工程が、前記化合物の、前記異常細胞を保有
    する生物内への注射を包含する、請求項26に記載の方法。
  50. 【請求項50】 循環を改善する方法であって、以下: 減少した循環を有する組織を、該減少した循環を有する組織の近位に位置する
    内皮細胞上の、ソマトスタチンII型レセプターの検出可能な量と相関付ける工
    程;および 該内皮細胞に、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する化合物を
    投与する工程であって、ここで、該化合物が、該内皮細胞の細胞増殖を刺激する
    、工程、 を包含する、方法。
  51. 【請求項51】 前記減少した循環が、血管の狭窄により引き起こされる、
    請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記狭窄が、脳および心臓からなる群から選択される位置
    に存在する、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 視力を改善する方法であって、以下: 黄斑変性の病巣を有する組織を、該黄斑変性の病巣を有する組織の近位に位置
    する内皮細胞上の、検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターと相関付け
    る工程;および 該内皮細胞に、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する化合物を
    投与する工程であって、ここで、該化合物が、該内皮細胞の細胞増殖を阻害する
    、工程、 を包含する、方法。
  54. 【請求項54】 健康状態を改善する方法であって、以下: 新生物を有する組織を、該新生物を有する組織の近位に位置する内皮細胞上の
    、検出可能な量のソマトスタチンII型レセプターと相関付ける工程;および 該内皮細胞に、ソマトスタチンII型レセプターに特異的に結合する化合物を
    投与する工程であって、ここで、該化合物が、該内皮細胞の細胞増殖を阻害する
    、工程、 を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 前記新生物が、リンパ腫、肉腫、腺癌、および奇形癌から
    なる群から選択される、請求項54に記載の方法。
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