JP2003530077A - Pcam−1マーカータンパク質、pcam−1をコードする核酸配列及びpcam−1の検出のための免疫アッセイ - Google Patents

Pcam−1マーカータンパク質、pcam−1をコードする核酸配列及びpcam−1の検出のための免疫アッセイ

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JP2003530077A JP2001525386A JP2001525386A JP2003530077A JP 2003530077 A JP2003530077 A JP 2003530077A JP 2001525386 A JP2001525386 A JP 2001525386A JP 2001525386 A JP2001525386 A JP 2001525386A JP 2003530077 A JP2003530077 A JP 2003530077A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、癌マーカータンパク質、PCAM−1、及びこのタンパク質を同定しコードするポリヌクレオチドを提供する。このマーカーの検出は、患者における癌を診断及び予測することにおいて有用である。また提供されるのは、PCAM−1の発現のための発現ベクター及び宿主細胞並びにPCAM−1タンパク質に対して作製される抗体である。さらに、組織、細胞もしくは他の生物学的流体の粗抽出物中のタンパク質に選択的に結合する特定の8mer配列の同定のためのモンテカルロ様スクリーニングアッセイが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、本明細書においてPCAM−1と称する、癌の新規に同定されたマ
ーカータンパク質に特異的に結合する、本明細書においてPCAM−1プローブ
1及びPCAM−1プローブ2と称する核酸プローブ(すなわち、DNA共通ド
メイン)に関する。本発明はさらに、PCAM−1の核酸配列及びアミノ酸配列
に関する。また提供されるのは、PCAM−1を特異的に認識するポリクローナ
ル及びモノクローナル抗体である。本発明はさらに、癌を包含する、無調節の細
胞増加及び増殖に関連する疾患の診断、予防及び処置においてPCAM−1タン
パク質を検出するように設計された免疫アッセイにおけるこれらの抗体の使用に
関する。発明の背景 リンパ系組織における染色体異常の存在は確立している。T細胞急性リンパ芽
球性白血病(T−ALL)と関連する染色体転座は、いくつかの可能性がある癌
遺伝子の同定につながっている(Rabbitts,T.H.Cell 199
1 67:641−644)。T−ALLと関連する染色体転座の多くは、T細
胞受容体(TCR)遺伝子に局在している。免疫グロブリン遺伝子の組換えは、
B−リンパ球分化の初期に起こる。部位特異的組換えにより2もしくは3個の生
殖系列セグメント(すなわち、可変−V;多様性−D;及び連結−Jセグメント
)をV遺伝子エキソンへと連結するV−(D)−J組換えは、V領域の多様性の
増幅に寄与する。V、D及びJセグメントの隣接する領域のヌクレオチド配列の
比較により、12もしくは23塩基のいずれかのスペーサー配列により隔てられ
ているヘプタマーCACTGTG及びTに富んだノナマーGGTTTTTGTを
包含するヌクレオチド配列の2つの共通ブロックが保存されていることが示され
ている(Early et al.Cell 1980 19:981−992
)。T細胞受容体及び免疫グロブリン遺伝子のヘプタマー−スペーサー−ヘプタ
マー−ノナマー配列間の相同性は、一般に切断点クラスター領域もしくはBPC
Rsと呼ばれるこれらの要素がV−(D)−J組換えにおいて重要な役割を有す
ることを示唆する。保存された組換えシグナル配列(RS)を認識するDNA結
合タンパク質(1つもしくは複数)は、シグナルとコーディング領域配列間の連
結箇所でDNAを切断しそして切断末端を連結する組換え機構に関与し得ると考
えられる。最も初期の報告は、RSタンパク質がリンパ系細胞に位置すると開示
した(Aguilera et al.Cell 1987 51:909−9
17;Halligan,B.D.and Disiderio,S.V.Pr
oc.Natl Acad.Sci.USA 1987 84:7019−70
23;Hamaguchi et al.Nucleic Acid Res.
1989 17:9015−9026;及びMak,C.H.Nucleic
Acid Res.1994 22:383−390)。より最近では、異なる
RSタンパク質が同定されている。例えば、V(D)J組換えシグナル配列のカ
ッパB結合及び認識成分のDNA結合タンパク質が同定されている。このファミ
リーの転写因子の活性化は、腫瘍形成チロシンキナーゼが、カッパBにより制御
される遺伝子調節要素を有する遺伝子を調節する機構をもたらすと考えられる。
【0002】 T細胞異常に関する研究は、組換え酵素の関与に関して、特に染色体バンド1
1p13内の切断点に関して特に情報を提供している。たいてい両方の相互転座
染色体は、組換え酵素活性の特徴であるN領域ヌクレオチド付加を有するので、
組換え酵素は異常な染色体連結を招くようである(Alt,F.W.and B
altimore,D.Proc.Natl Acad.Sci.USA 19
82 79:4118−4223)。これらの転座は、正常な染色体連結過程の
突然変異とみなされる。
【0003】 リボソームタンパク質をコードする遺伝子の過剰発現と癌の間の関連性を示す
多数の報告がある(Chiao et al.Mol.Carcinog.19
92 5:219−231;Fernandez−Pol et al.J.B
iol.Chem.1993 268:21198−211204;Ferna
ndez−Pol et al.Cell Growth & Differe
ntiation 1994 5:821−825;Fernandez−Po
l,J.A.Anticancer Res.1996 16:2177−21
86;Chan et al.Biochem.and Biophys.Re
s.Comm.1996 228:141−147;Chan et al.B
iochem.and Biophys.Res.Comm.1996 225
:952−956;Wool,I.G.Trends in Biochemi
cal Sciences 1996 21:164−165;Wool et
al.Biochemistry and Cell Biology 19
95 73:933−947;及びVaarala et al.Int.J.
Cancer 1998 78:27−32)。例えば、Chiao et a
l.(Mol.Carcinog.1992 5:219−231)は、S2−
リボソームタンパク質が頭部及び頸部の癌では高められているが、正常な組織で
はほとんど検出できないことを見出した。これらの研究に基づき、リボソームタ
ンパク質は、癌においてタンパク質合成を高めることにおいて役割を有すると一
般に考えられる。
【0004】 あるいはまた、特定のロイシンジッパー配列モチーフもしくは多数のリボソー
ムタンパク質に特有の他のモチーフが突然変異している可能性があること及び突
然変異体が次に核酸に結合することができ(Fernandez−Pol et
al.Anticancer Res.1996 16:2177−2186
;Wool,I.G.Trends in Biochemical Scie
nces 1996 21:164−165;Wool,I.G.(1997)
The ribosomal RNA and Group I intron
s(R.Green and R.Schroeder,Eds.)R.G.L
andes Co.,Austin TX USA pp.153−178)、
そして癌細胞においてヌクレアーゼの機能を果たすか、連結を制御するか、また
は遺伝子転写もしくは翻訳を調節するいずれかをできることが提示されている。
例えば、ラットリボソームタンパク質S3aは、ラットv−fosトランスフォ
ーメーションエフェクター遺伝子の産物と同一である(Chan et al.
Biochem.and Biophys.Res.Comm.1996 22
8:141−147)。S3aはタンパク質合成の開始に関与し、そしてまた増
殖の調節及び細胞周期に関与するタンパク質にも関連している(Chan et
al.Biochem.and Biophys.Res.Comm.199
6 228:141−147)。同様に、ラットリボソームタンパク質L10は
、推定のウィルムス腫瘍サプレッサー遺伝子に対するDNA結合タンパク質に相
同である(Chan et al.Biochem.and Biophys.
Res.Comm.1996 225:952−956)。これらの研究は、突
然変異体リボソーム様タンパク質が癌の予測もしくは診断に役立つ可能性があり
、そして癌細胞の性質を調節することにおいて重要な役割を果たすことを示唆す
る。
【0005】 要するに、再編成する遺伝子と関連する染色体異常を引き起こす機構(1つも
しくは複数)及び正常な抗原受容体遺伝子に関与する酵素(すなわち、組換え酵
素)(Croce,C.M.Cell 49:1987 155−169)の役
割は、十分に研究されてはいるが、それでもなおあまり理解されていない。従っ
て、新規なBPCRs及び新規な組換え酵素の同定は、特に非リンパ系タイプ疾
患及び固形癌発生を理解するために必要とされる。発明の要約 本発明の一つの目的は、無作為の8merDNA配列の製造及び選択した組織
により生産される一つのタンパク質もしくは複数のタンパク質に結合する8me
r配列を同定するタンパク質結合アッセイにおけるそれらの使用を含んでなる新
規な転写因子の同定のためのモンテカルロ様スクリーニングアッセイを提供する
ことである。
【0006】 本発明の別の目的は、PCAM−1タンパク質に結合するモンテカルロ様スク
リーニングアッセイにより同定される8mer共通配列を提供することである。
これらの精製された核酸配列は、本明細書においてPCAM−1プローブ1及び
PCAM−2プローブ2と称する。
【0007】 本発明の別の目的は、PCAM−1ポリペプチドをコードするかもしくはPC
AM−1ポリペプチドをコードする遺伝子とハイブリダイズする単離され、精製
された核酸配列を提供することである。
【0008】 本発明の別の目的は、PCAM−1ポリペプチドのアミノ酸配列を提供するこ
とである。
【0009】 本発明の別の目的は、細胞及び組織における組換え及び天然のPCAM−1タ
ンパク質を特異的に認識するPCAM−1ポリペプチドに対して作製されるポリ
クローナル及びモノクローナル抗体を提供することである。
【0010】 本発明の別の目的は、PCAM−1ポリペプチドをコードするかもしくはPC
MA−1ポリペプチドをコードする遺伝子とハイブリダイズするいずれかの核酸
配列を含有する発現ベクター及び発現ベクターを含んでなる宿主細胞を提供する
ことである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、患者から得られる生物学的サンプル中のPCAM
−1タンパク質レベルの検出及び/もしくはモニタリングにより患者における癌
を診断及び/もしくは予測するための方法及びキットを提供することである。好
ましい態様として、PCAM−1は、PCAM−1タンパク質に対して作製され
る抗体を用いて免疫アッセイにより尿サンプルにおいて検出される。発明の詳細な記述 前立腺癌のような癌の早期検出のためのマーカーの開発は、癌の改善された処
置にとって必須である。前立腺癌に関して、一般に、血清前立腺特異的抗原(P
SA)レベルは、前立腺癌にかかっている患者の同定のために高感度ではなくま
た特異的でもないと考えられる(Garnick,M.B.and Fair,
W.R.Prostate Cancer.Scientific Ameri
can,December 1998 75−83)。前立腺癌にかかっている
男性の25%程度は正常なPSAレベルを有すると概算されている。従って、前
立腺癌を包含する癌のより高感度で且つより特異的なアッセイの開発が明らかに
必要とされる。集団地域検査プログラムによるかもしくは日常的な臨床検査にお
ける実施を可能にする、非侵襲性で且つ安価な尿に基づくスクリーニングアッセ
イは、特に有用である。
【0012】 本発明は、ヒト組織から得られる核抽出物中の新規なDNA結合タンパク質を
同定するためにスクリーニングアッセイにおいて用いることができる二本鎖核酸
配列に関する。本発明はまた、無作為の8mer DNA配列を製造し、そして
選択した組織、すなわち、腫瘍組織において生産されるタンパク質に結合する8
mer配列を同定するためにタンパク質結合アッセイを用いる、本明細書におい
て「モンテカルロ」タイプスクリーニングアッセイと称する、新規なスクリーニ
ングアッセイにも関する。モンテカルロタイプスクリーニングアッセイを、腫瘍
組織の核タンパク質抽出物において過剰に発現される新規な転写因子を同定する
ために用いた。このアッセイのために、8merの二本鎖DNAプローブ(n=
4096の組み合わせ)を設計した。次にDNAプローブは、同じ患者(n=1
1)からの匹敵する標本における癌、良性、高い悪性度分類の前立腺上皮内腫瘍
及び精嚢組織からの匹敵するタンパク質抽出物間でタンパク質−DNA結合親和
性の違いについてスクリーニングするために用いた。タンパク質の結合は、ニト
ロセルロースフィルターによりそして電気泳動移動度ゲルシフトアッセイ(EM
SAs)において決定した。シンチレーション計数及びホスホイメージング(p
hosphoimaging)により、進行したヒト前立腺癌組織の核抽出物か
ら単離されたタンパク質は、PCAM−1プローブ1(CACGGATG)及び
PCAM−1プローブ2(CACAATGA)を含んでなる2つの異なる二本鎖
核酸配列に特異的に結合することが示された。調べた他の組織から抽出したタン
パク質は、これら2つの核酸配列に結合せず、これらが腫瘍特異的タンパク質に
結合したことを示す。これらの配列の一つ、「PCAM−1プローブ2」は、T
細胞白血病細胞において以前に同定されている、いわゆる、「切断点クラスター
領域」もしくはBPCR(Rabbitts,T.H.and Boehm,T
.Advances in Immunology 1991 50:119−
146)と同一であった。BPCR配列は、以前に、T細胞及びB細胞における
染色体切断と関連付けられており、そしてこれらのBPCRsと関連する機構も
しくはタンパク質の機能不全は、白血病並びに前立腺癌における癌性細胞の発生
をある程度説明することができる。「PCAM−1プローブ1」及び「PCAM
−1プローブ2」の配列を以下に示す: 「PCAM−1プローブ1」: 5’−CACGGATG−3’ 3’−GTGCCTAC−5’ 「PCAM−1プローブ2」: 5’−CACAATGA−3’ 3’−GTGTTACT−5’ 同定された特定のDNA配列(すなわち、二本鎖の)CACGGATG及びC
ACAATGAを、PC−3ML前立腺細胞(Wang et al.Onco
logy Research 1998 10:219−233)から開発され
たcDNAライブラリーをスクリーニングするために用いた。このスクリーニン
グは、PCAM−1リボソームタンパク質を発現するファージミドクローンの同
定をもたらした。「PCAM−1」は、本明細書において用いる場合、精製され
た組換えもしくは天然のPCAM−1タンパク質のアミノ酸配列をさす。PCA
M−1遺伝子のサブクローニング及び遺伝子バンクの検索により、この遺伝子が
ヒトリボソームタンパク質S2及びマウス染色体タンパク質LLRep3と約9
0〜95%の相同性を示すことが示された。このPCAM−1リボソームタンパ
ク質を発現する核酸配列は配列番号:1を含んでなり、そしてこのポリペプチド
の推定アミノ酸配列は配列番号:2を含んでなる。
【0013】 組換えPCAM−1タンパク質は、EMSAsにおいて「PCAM−1プロー
ブ1」及び「PCAM−1プローブ2」に特異的に結合する(そして無作為に作
製した8mer配列にはそうしない)ことが示された。また、生物学的サンプル
中のPCAM−1を同定するためにDNAタンパク質結合アッセイも開発した。
EMSAsを用いて、PCAM−1は、前立腺癌組織からの組織抽出物において
そしてヒト患者からの尿及び血清において検出された。これらのアッセイにおい
て、PCAM−1は、良性もしくは正常な前立腺組織または精嚢組織では検出さ
れなかった。PCAM−1はまた、前立腺癌の臨床証拠のない正常な個体の尿も
しくは血清においても検出されなった。
【0014】 PCAM−1タンパク質を特異的に認識する抗体の開発後に、酵素結合免疫サ
ンドイッチアッセイもしくはELISA研究をヒト組織及び流体からのタンパク
質抽出物に対して実施した。ELISAsにより、PCAM−1は、組織からの
粗タンパク質抽出物の研究における前立腺癌の非常に高感度のマーカーであるこ
とが示された(表1)。これらの実験において、前立腺の顕微解剖領域(調べた
n=40の根治的前立腺切除)からの核タンパク質抽出物は、匹敵する精嚢(S
V)、前立腺肥大症(BPH)もしくは高い悪性度分類の前立腺上皮内腫瘍(H
GPIN)病巣において検出される非常に低いレベルと比較して有意に高いレベ
ルのPCAM−1を発現した。PCAM−1の量(μg/mg DNA)は、グ
リーソンスコア(GS)の関数として増加するようであり、このタンパク質が癌
の病期特異的マーカーであり得ることを示す。
【0015】
【表1】
【0016】 癌性組織を含有する前立腺を除くための根治的前立腺切除(合計n=40)後に
、異なる腺病巣及び組織を前立腺の矢状切片から切断した。全てのBPH及びH
GPIN標本は、癌を示す同じ前立腺から得た。サンプルは少なくとも3回アッ
セイし、そしてデータは、調べたコホートにおける全ての患者について平均した
【0017】 診断試験は、患者における尿PCAM−1レベルを比較するために行った。こ
れらの試験からのデータを表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】 検出限界カットオフは:PCAM−1陽性(>5ng/ml);PCAM−1陰
性(<4ng/ml)であった。PCAM−1レベルは、PCAM−1陽性患者
において5−93ng/l、そしてPCAM−1陰性患者において0.1−4.
0ng/mlの範囲であった。
【0020】 表2に示すように、尿PCAM−1アッセイの感度は73%(すなわち、24
/33)であった。3〜4年前(すなわち、GS8−10、T3期癌)に前立腺
を取り除いた2人の患者では、おそらく、再発する癌のために、尿PCAM−1
レベルは高かった。これらの患者は、再発する癌があるかどうかを決定するため
に現在観察中である。逆に、これらの患者のうち12人(すなわち、GS5−6
、T2期癌)は、尿PCAM−1について陰性であった。BPHにかかっている
(そして癌の指標がない)と診断される患者では、約16%(n=15/96)
が高いPCAM−1尿レベルを示した。患者のこのコホートにおいて、BPH患
者の84%(n=81/96)は、PCAM−1について陰性であった。40人
の志願者男性のうち、全てがPCAM−1について陰性であった。直腸癌にかか
っている一人の患者及び感染症もしくは炎症にかかっている5人の患者(n=5
/9)は、PCAM−1について陽性であり、従って、感染症もしくは炎症から
偽陽性が生じる可能性があることを示す。
【0021】 従って、これらの結果は、PCAM−1尿アッセイの感度が前立腺癌について
73%であることを示す。総合的な特異性(すなわち、疾患にかかっていない患
者の総数で割った陰性患者の総数)は約92%(167/180)であった。従
って、PCAM−1タンパク質は、癌、特に前立腺癌の有用な独立した診断マー
カーであると考えられる。
【0022】 本発明の一つの態様として、PCAM−1タンパク質をコードする核酸配列及
びこれらの核酸配列によりコードされるPCAM−1タンパク質の推定アミノ酸
配列が提供される。PCAM−1タンパク質をコードする代表的核酸配列及び代
表的推定アミノ酸配列をそれぞれ配列番号:1及び配列番号:2に示す。「核酸
配列」は、本明細書において用いる場合、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドも
しくはポリヌクレオチド及びそのフラグメントもしくは一部、並びに一本もしく
は二本鎖であることができそしてセンスもしくはアンチセンス鎖を表すことがで
きるゲノムもしくは合成起源のDNAもしくはRNAをさす。「アミノ酸配列」
、「ポリペプチド」もしくは「タンパク質」という用語は、本明細書において用
いる場合、単離及び精製されておりそしてPCAM−1タンパク質と関連する天
然に存在するタンパク質分子のアミノ酸配列をさす。
【0023】 本発明はまた、これらの核酸配列を含んでなる発現ベクター及び発現ベクター
を含有する宿主細胞にも関する。発現ベクター及び発現ベクターでトランスフェ
クションすることができる宿主細胞は、当該技術分野において周知である。本発
明のもののような選択した核酸配列をベクターにそして最終的に宿主細胞に導入
する方法もまた周知である。
【0024】 本発明の核酸及びアミノ酸配列は、生物学的サンプル中のPCAM−1タンパ
ク質の検出のためのスクリーニングアッセイを開発することにおいて有用である
。本明細書において示すように、一つの態様として、抗体をPCAM−1タンパ
ク質に対して作製し、そして組織、痰、尿もしくは血清のような生物学的サンプ
ル中のPCAM−1タンパク質を検出するためにELISAのような免疫アッセ
イにおいて用いることができる。周知の方法に従ってモノクローナルもしくはポ
リクローナル抗体をこのタンパク質に対して作製することができる。あるいはま
た、標識した核酸プローブを本発明の核酸配列から製造し、そして組織生検サン
プルの核抽出物中のPCAM−1を検出するためにEMSAsにおいて用いるこ
とができる。
【0025】 従って、本発明の別の態様は、生物学的サンプル中のPCAM−1の検出のた
めの方法及びキットに関する。本明細書において示すように、患者の生物学的サ
ンプル中のPCAM−1レベルの検出は、患者における癌、特に前立腺癌を診断
及び予測することにおいて有用である。本発明の方法では、生物学的サンプルを
患者から得、そして次に生物学的サンプル中のPCAM−1を検出するための手
段と接触させる。一つの態様として、この手段は、組織、痰、血清及び尿のよう
な生物学的サンプル中のPCAM−1タンパク質を検出することができる、PC
AM−1タンパク質に対して作製される抗体を含んでなることができる。別の態
様として、この手段は、組織生検のような生物学的サンプル中のPCAM−1タ
ンパク質を検出することができるCACGGATGのような標識した核酸プロー
ブを含んでなることができる。従って、本発明のキットでは、サンプル中のPC
AM−1タンパク質及びPCAM−1タンパク質基準を検出するための手段が提
供される。PCAM−1タンパク質を検出するための手段は、PCAM−1タン
パク質に対して作製される抗体もしくは該タンパク質に結合することができる標
識した核酸プローブを含んでなることができる。生物学的サンプル中のPCAM
−1の存在は、患者が癌、特に前立腺癌にかかっていることを示す。本発明の方
法及びキットはまた、前立腺癌にかかっている患者において患者におけるPCA
M−1のレベルの変化を継時的にモニターすることにより彼らの予後を評価しそ
して処置を評価するために用いることもできる。継時的なPCAM−1のレベル
の増加は、癌が進行していることを示し、一方、継時的なPCAM−1のレベル
の減少は、癌の退行を示す。
【0026】 さらに、PCAM−1タンパク質レベルを検出するためのこれらの方法及びキ
ットはまた、他のタイプの癌、炎症症状、感染症及び遺伝的突然変異を診断及び
予測することにおいても有用であり得ると考えられる。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 D C12Q 1/68 33/574 B G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/574 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA12 CA01 CA04 CA12 GA11 HA12 4B063 QA19 QQ03 QQ79 QQ96 QR32 QR48 QR55 QS32 QS33 QX01 4B065 AA90Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA46 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA76 EA51 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無作為の8mer二本鎖DNA配列を製造すること及び選択
    した組織において生産されるタンパク質に結合する8mer配列を同定するため
    にタンパク質結合アッセイを用いることを含んでなる選択した組織におけるタン
    パク質の同定のためのモンテカルロ様スクリーニングアッセイ。
  2. 【請求項2】 PCAM−1タンパク質に結合する単離され、精製された核
    酸配列。
  3. 【請求項3】 配列CACGGATGを含んでなる請求項2の単離され、精
    製された核酸配列。
  4. 【請求項4】 配列CACAATGAを含んでなる請求項2の単離され、精
    製された核酸配列。
  5. 【請求項5】 PCAM−1ポリペプチドをコードするかもしくはPCAM
    −1ポリペプチドをコードする遺伝子とハイブリダイズする単離され、精製され
    た核酸配列。
  6. 【請求項6】 配列番号:1を含んでなる請求項5の単離され、精製された
    核酸配列。
  7. 【請求項7】 コードするPCAM−1ポリペプチドが配列番号:2を含ん
    でなる請求項5の単離され、精製された核酸配列。
  8. 【請求項8】 単離され、精製されたPCAM−1ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 配列番号:2を含んでなる請求項8の単離され、精製された
    PCAM−1ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項8のPCAM−1ポリペプチドに対して作製される
    抗体。
  11. 【請求項11】 PCAM−1ポリペプチドをコードするかもしくはPCM
    A−1ポリペプチドをコードする遺伝子とハイブリダイズする核酸配列を含んで
    なる発現ベクター。
  12. 【請求項12】 請求項11の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
  13. 【請求項13】 患者から生物学的サンプルを得ること及び生物学的サンプ
    ル中のPCAM−1タンパク質レベルを検出するかもしくはモニターすることを
    含んでなり、ここで、生物学的サンプル中のPCAM−1タンパク質の存在は、
    患者における癌の存在もしくは進行を示す、患者における癌を診断及び予測する
    方法。
  14. 【請求項14】 癌が前立腺癌である請求項13の方法。
  15. 【請求項15】 (a)PCAM−1基準;及び (b)生物学的サンプル中のPCAM−1タンパク質を検出するための手段、 を含んでなる患者における癌を診断及び予測するためのキット。
  16. 【請求項16】 癌が前立腺癌である請求項15のキット。
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