JP2003525254A - 併用化学療法 - Google Patents

併用化学療法

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JP2003525254A JP2001563148A JP2001563148A JP2003525254A JP 2003525254 A JP2003525254 A JP 2003525254A JP 2001563148 A JP2001563148 A JP 2001563148A JP 2001563148 A JP2001563148 A JP 2001563148A JP 2003525254 A JP2003525254 A JP 2003525254A
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エス. ジョンソン、カンダス
エル. トランプ、ドナルド
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ユニヴァーシティ オヴ ピッツバーグ オヴ ザ コモンウェルス システム オヴ ハイアー エデュケーション
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    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

(57)【要約】 本発明は、併用化学療法、特にビタミンD又はその誘導体を含む併用化学療法に関する。1局面において、本発明は、細胞にビタミンD(又は誘導体)を最初に投与し、細胞に細胞毒性薬剤を次いで投与することによって、細胞を殺す方法を提供する。このストラテジーをインタクトな腫瘍に適用する場合、本発明は、腫瘍にビタミンD(又は誘導体)を最初に投与し、細胞毒性薬剤を次いで投与することによって、腫瘍の増殖を抑制する方法を提供する。本発明の更なる局面は、患者へのビタミンD(又は誘導体)とグルココルチコイドとの共投与による、患者内の前立腺ガンの治療方法に関する。なお更なる局面において、本発明は、ゾレドロネートの補助的投与を含む、ビタミンDを用いた患者の改良された治療方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】連邦政府によって支援された研究及び開発の下でなされた発明に対する権利に関 する陳述 本発明は、National Institute of HealthのNational Cancer Instituteによ
って与えられた助成番号RO1-CA67267の下、政府の支援によってなされた。アメ
リカ合衆国政府は、本発明にいくらかの権利を有しうる。
【0002】発明の背景 腫瘍細胞及び腫瘍の増殖との闘いは、生物学的及び医学的研究の主要な焦点で
ある。このような研究によって、腫瘍性疾患の治療に有用な可能性のある新規細
胞毒性薬剤の発見に至った。化学療法で通常使用される細胞毒性薬剤の例には、
微小管形成を妨害する代謝拮抗剤、アルキル化剤、白金ベースの薬剤、アントラ
サイクリン、抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤及び他の薬剤が挙げられる。
【0003】 可能性のある化学療法剤を単に同定するだけではなく、ガン研究は、これらの
薬剤が腫瘍細胞及び他の細胞に作用するメカニズムの理解の増大を導いた。例え
ば、コレカルシフェロール(ビタミンD)は、インビトロとインビボの両方で、
幾つかの細胞タイプの細胞の分化を生じさせ、増殖を減少させることができる。
ビタミンDの活性な代謝物(1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(以
後、“1,25D3”))及びアナログ(例えば、1,25−ジヒドロキシ−1
6−エン−23−イン−コレカルシフェロール(Ro23−7553)、1,2
5−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−1
9−ノル−コレカルシフェロール(Ro25−6760)など)は、樹立された
腫瘍の増殖を抑制し、腫瘍誘導を防止することによって、顕著なインビトロ及び
インビボの抗腫瘍活性をもたらす(Colstonら,Lancet, 1, 188 (1989);Bellel
iら,Carcinogenesis, 13, 2293 (1992);McElwainら,Mol. Cell. Diff., 3, 3
1-50 (1995); Clarkら,J. Cancer Res. Clin. Oncol., 118, 190 (1992); Zh
ouら,Blood, 74, 82-93 (1989))。腫瘍増殖を抑制することに加えて、1,2
5D3は、細胞周期のG0/G1−S期ブロックを誘導する(Godynら,Cell Proli
feration, 27, 37-46 (1994);Rigbyら,J. Immunol., 135, 2279-86 (1985);E
lstnerら,Cancer Res., 55, 2822-30 (1995);Wangら,Cancer Res., 56, 264-
67 (1996))。これらの性質により、新生物性腫瘍を治療するための1,25D3 の使用が成功するに至った(Cunninghamら,Br. J. Cancer, 63, 4673 (1991);
Mackieら,Lancet, 342, 172 (1993);Bowerら,Proc. Am. Assoc. Cancer. Res
., 32, 1257 (1991)を参照)。
【0004】 その抗腫瘍効果及び細胞周期ブロック効果に加えて、1,25D3治療は、高
カルシウム血症を導きうる。結果として、1,25D3は典型的には、比較的低
投与量(例えば、患者当たり約1μg/日〜約2μg/日)で長期間、治療的適
用(例えば、代謝性骨疾患)のために投与される。高カルシウム血症の影響を緩
和するために、高カルシウム血症を誘導すること無しに抗増殖活性を保持するア
ナログが開発された(例えば、Zhouら,Blood, 73, 75 (1991);Binderupら,Bi
ochem. Pharmacol., 42, 1569 (1991);Binderupら,Proceedings of the 8th W
orkshop on Vitamin Dの192頁,パリ,フランス(Norman,A.ら編, Walter de Gr
uyter, ベルリン,(1991))を参照)。これらの合成アナログの多くは、腫瘍増
殖を阻害することにおいて1,25D3よりも効力がある(多くのこのようなア
ナログの概説には、Antitumor Steroides (Blickenstaff,R.T.編,Academic Pre
ss, Orlando(1992)中のCalverleyら,“Vitamin D”を参照)。
【0005】 白金ベースの薬剤は、化学療法適用に広く用いられる。例えば、シスプラチン
は、共有、鎖間、又は鎖内DNA付加物の形成により腫瘍細胞を殺す(Sherman
ら,Chem. Rev., 87, 1153-81(1987);Chu,J. Biol. Chem., 269, 787-90 (199
4))。このような白金ベースの薬剤による治療はそれによって、DNA合成の阻
害を導く(Howleら,Biochem. Pharmacol., 19, 2757-62 (1970);Sallesら,Bi
ochem. Biophys. Res. Commun., 112, 555-63 (1983))。従って、活発にDNA
を合成する細胞は、シスプラチンに非常に感受性である(Robertsら,Prog. Nuc
l. Acid Res. Mol. Biol., 22, 71-133 (1979);Pintoら,Proc. Nat. Acad. Sc
i. (Wash.) 82, 4616-19 (1985))。このような細胞は一般的に、G2における成
長停止を経験し、最終的にアポトーシスを受ける。このアポトーシス効果は、D
NA合成を阻害するには不十分な薬剤濃度で観察され(Sorensonら,J. Natl. C
ancer Inst., 82, 749-55 (1990))、このことは、白金薬剤は、マルチプルなメ
カニズムにより腫瘍細胞に作用することを示唆する。細胞の中には、細胞周期の
1期のとき、白金感受性の増大を示すものもある(Krishnaswamyら,Mutation
Res., 293, 161-72 (1993);Donaldsonら,Int. J. Cancer, 57, 847-55 (1994)
)。G0/G1−Sブロックから解放されると、このような細胞は、細胞周期の残
りを通して、最大限に感受性にされたままである。
【0006】 他の化学療法剤は異なるメカニズムで作用する。例えば、微小管形成を妨害す
る薬剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキ
セルなど)は、紡錘体装置の適切な形成を妨害することによって腫瘍細胞に対し
作用する(例えば、Manfrediら,Pharmacol. Ther., 25, 83-125 (1984)を参照
)。それ故、微小管形成を妨害する薬剤は、細胞周期の分裂期の間に主に作用す
る(Schiffら,Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A., 77, 1561-65 (1980);Fuchsら,
Cancer Treat. Rep., 62, 1219-22 (1978);Lopesら,Cancer Chemother. Phar
macol., 32, 235-42 (1993))。代謝拮抗剤は、増殖細胞の種々の酵素経路で作
用する。例えば、メトトレキサート(MTX)は、ジヒドロ葉酸レダクターゼを
阻害する葉酸アナログである。結果として、それは、DNA合成に必要なチミジ
レートとプリンの合成をブロックする。それ故、MTXの主要な影響は、細胞周
期のS期にあるが、それはまた、G1とG2のRNA合成に影響を与えうる(Olse
n, J. Am. Acad. Dermatol., 25, 306-18 (1991))。もちろん、他の細胞毒性薬
剤も使用できる(例えば、タクサチル(taxatyr)のようなタクサン)。
【0007】 種々の細胞毒性薬剤の生物学的メカニズムの差異の故、異なる細胞毒性薬剤の
併用を含むプロトコルが試みられた(例えば、Jekunenら,Br. J. Cancer, 69,
299-306 (1994);Yehら,Life Sciences, 54, 431-35 (1994))。併用治療プロ
トコルは、適合性のある細胞毒性薬剤を用いることによって、細胞変性プロトコ
ルの有効性を増大させることを目的とする。次に、十分な抗腫瘍活性が、細胞毒
性薬剤の所定の併用から達成できるという可能性は、有害な副作用を最小化する
ために、個々の細胞毒性薬剤の投薬量を減少させる可能性を提示する。部分的に
は、種々の細胞毒性薬剤は、細胞周期の異なる段階の間作用する故に、併用プロ
トコルの成功はしばしば、薬剤適用の順序に依存する(例えば、Jekunenら,上
記;Studzinskiら,Cancer Res., 51, 3451 (1991))。
【0008】 部分的には、ビタミンD及びその誘導体に基づく併用薬剤プロトコルを開発す
る試みがあった。例えば、腫瘍細胞の増殖に対する1,25D3と白金薬剤との
同時投与の阻害効果が研究され(Saundersら,Gynecol. Oncol., 51, 155-59 (1
993);Choら,Cancer Res., 51, 2848-53 (1991))、同様の研究が、1,25D 3 と他の細胞毒性薬剤との同時併用に焦点をあてた(Tanakaら,Clin. Orthopaed
. Rel. Res., 247, 290-96 (1989))。しかし、これらの研究の結果は満足のい
くものではなかった。特に、薬剤投与の最適の順序は達成されなかった。更に、
治療におけるこれらのアプローチの適用は、幾つかのプロトコルでは、1,25
3の高投与量の長期適用を必要としよう。それは、記載されるように、重大な
副作用を促しうる。それ故、化学療法剤の有効性を増大させる改良方法の必要性
、特に、改良された併用療法の必要性、とりわけ、ビタミンD及びその誘導体を
含む改良された併用療法の必要性が残っている。
【0009】発明の簡単な要旨 本発明は、併用化学療法、特にビタミンD又はその誘導体を含む併用化学療法
に関する。1局面では、本発明は、細胞にビタミンD(又は誘導体)を最初に投
与し、細胞に細胞毒性薬剤を次いで投与することによって、細胞を殺す方法を提
供する。このストラテジーをインタクトな腫瘍に適用する場合、本発明は、腫瘍
にビタミンD(又は誘導体)を最初に投与し、細胞毒性薬剤を次いで投与するこ
とによって、腫瘍の増殖を抑制する方法を提供する。本発明の更なる局面は、患
者へのビタミンD(又は誘導体)とグルココルチコイドの共投与による、患者内
の前立腺ガンの治療方法に関する。なお更なる局面では、本発明は、ゾレドロネ
ートの補助投与を含むビタミンDを用いた患者の治療の改良された方法を提供す
る。
【0010】 幾つかの適用において、本発明の方法は、有用な治療、特に腫瘍性疾患又はガ
ン性疾患の治療において有用な治療である。他の適用において、本発明は、腫瘍
細胞増殖、細胞周期の制御と調節、及び細胞毒性と化学療法の機構と有効性を含
む主題に関する更なる研究のための手段を提供する。この点において、本発明の
方法は、より改良された治療の開発のために有用である。本発明は、以下の詳細
な説明を参照して最も良く理解することができる。
【0011】好適な実施態様の説明 1実施態様において、本発明は、細胞にビタミンD(又は誘導体)を最初に投
与し、細胞に細胞毒性薬剤を次いで投与することによって、細胞(例えば、標的
細胞)を殺す方法を提供する。もちろん、本発明はまた、このような治療のため
の医薬を調製するための、ビタミンD(又は誘導体)と細胞毒性薬剤の使用にも
関する。本発明の方法では、任意の前治療期間を使用できる。前治療の正確な期
間は、本発明の方法の適用に依存して異なろう。例えば、治療適用において、こ
のような前治療は、少なければ約1日〜長ければ約5日以上の期間でありうる。
より好ましくは、前治療期間は約2日〜約4日(例えば、約3日)である。前治
療後、本発明の方法は、細胞毒性薬剤を投与することを含む。しかし、好適な実
施態様において、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール、デキサメタゾン
、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンな
ど)、ジフェンヒドラミン、ラニチジン(rantidine)、制吐オンダンセトロン(on
dasteron)、又はガニストロンを補助的に投与でき、このような薬剤はビタミン
D(又は誘導体)と共に投与できる。細胞毒性薬剤は、前治療後、単独で、又は
ビタミンD(又は誘導体)の継続投与と組み合わせてのいずれかで投与できる。
典型的には、治療は、細胞毒性薬剤の投与で終わるが、それは、所望の期間(例
えば、数日間にわたって周期的に)連続的に投与できる。
【0012】 細胞は、単生でありえ、他の同様の細胞から単離しうるし(例えば、培養にお
ける単一細胞、又はインビボにおける転移性もしくは播種性腫瘍細胞)、又は細
胞は、細胞の集団(例えば、腫瘍内)の一員でありうる。好ましくは、細胞は、
腫瘍細胞(例えば、ガン性もしくは形質転換された細胞などの、非制御増殖を示
す細胞のタイプ)である。腫瘍細胞は単離しうるし(例えば、培養における単一
細胞、又はインビボにおける転移性もしくは播種性腫瘍細胞)、あるいは同種で
、又は腫瘍もしくは細胞の他の集団中他の細胞タイプ(腫瘍性又はそうではない
)と異種な組み合わせのいずれかで集団中に存在しうる。細胞が腫瘍内に存在す
る場合、本発明は、腫瘍にビタミンD(又は誘導体)を最初に投与し、腫瘍に細
胞毒性薬剤を次いで投与することによって、腫瘍の増殖を抑制する方法を提供す
る。個々の細胞に対する細胞変性効果によって、本発明の方法は、時間をかけて
、腫瘍塊に加えられる細胞の数を減少又は実質的に除去できる。好ましくは、本
発明の方法は、腫瘍内の細胞数の減少を生じさせ、最も好ましくは、本方法は、
腫瘍の部分的又は完全な破壊(例えば、腫瘍内の細胞の一部又は実質的に全部を
殺すことによって)を導く。
【0013】 細胞が、患者(例えば、ヒト)内の腫瘍性疾患と関連する場合、本発明は、患
者にビタミンD(又は誘導体)を最初に投与し、患者に細胞毒性薬剤を次いで投
与することによって患者を治療する方法を提供する。このアプローチは、インタ
クトな又は播種性のガンを有する哺乳動物を治療するのに有効である。例えば、
細胞が播種性細胞(例えば、転移性新生物)である場合、本発明の方法の細胞変
性効果は、患者全身にわたる腫瘍細胞の更なる広がりの可能性を減少又は実質的
に除去でき、それによって、このような細胞が増殖し、患者内に新たな腫瘍を形
成する可能性も減少又は最小化できる。更に、腫瘍細胞を含む腫瘍の増殖を抑制
することによって、本発明の方法は、このような腫瘍由来の細胞が最終的に、転
移し、播種するであろう可能性を減少する。もちろん、本発明の方法が腫瘍サイ
ズの実際の減少(及び特に腫瘍の除去)を達成するとき、本方法は、患者内のこ
のような腫瘍の病原性効果を減少させる。別の適用は、腫瘍細胞が生き残り、又
はうまく再増殖する可能性を減少させるために、骨髄移植又は再構築を(例えば
、白血病性疾患を治療するために)必要とする高投与量化学療法にある。
【0014】 多くの場合に、細胞毒性薬剤による治療前のビタミンD(又は誘導体)による
細胞又は腫瘍の前治療は、相加的及びしばしば相乗的程度の細胞死を生じさせる
。この文脈において、インビトロで(所定の濃度で)一緒に投与される2つの化
合物の効果が、個々に(同一濃度で)投与される各化合物の効果の合計よりも大
ならば、2つの化合物は、相乗的に作用すると考えられる。このような相乗性は
、細胞周期のG0−G1期において細胞に作用できる細胞毒性薬剤を用いてしばし
ば達成され、このような細胞毒性薬剤は、本発明の方法における使用に好適であ
る。任意のこのような細胞毒性薬剤が、(本明細書に述べるように)使用できる
が、好適な細胞毒性薬剤は白金ベースの薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプ
ラチンなど)である。如何なる特定の理論にも縛られないが、本発明の方法は、
本明細書記載のように、細胞周期においてG0/G1−S期ブロックを誘導するこ
とによって、腫瘍細胞の細胞毒性を生じさせると考えられる。細胞は、このよう
なブロックされた期において細胞に作用できる細胞毒性薬剤に対して感受性が与
えられている。あるいは、ブロックからの細胞の解放の同期化が、細胞周期にお
いてより後に作用する薬剤の効果に集団で感受性にさせうる。
【0015】 ビタミンDの代替として、化学療法剤の細胞毒性効果を強めるのに適した任意
のその誘導体が、本発明の方法の状況では使用でき、その多くが当該分野で公知
である(例えば、Calverleyら,上記参照)。1つの好適な誘導体は、その天然
の代謝物(1,25D3)である。しかし、多くのビタミンDアナログは、該天
然代謝物よりも大きな抗腫瘍活性を有する。従って、ビタミンD誘導体は、1,
25D3のこのようなアナログでありうる。更に、本発明の方法が治療適用に使
用される場合、誘導体は、1,25D3の非高カルシウム血症性アナログであり
うる。なぜなら、このようなアナログは、ビタミンDベースの治療の高カルシウ
ム血症性副作用を減少又は実質的に除去するからである。例えば、アナログは、
Ro23−7553、Ro24−5531、又は別のアナログでありうる。幾つ
かの実施態様において、とりわけMAPKホスファターゼを誘導することによっ
て、MAPキナーゼを減衰させる(例えば、不活化する)他の薬剤が、ビタミン
D(又は誘導体)の等価物として使用できる。
【0016】 本発明の方法に従って、ビタミンD(又は誘導体)は、任意の適切な方法で細
胞又は腫瘍に提供することができる。それは、もちろん、本発明の方法を所望と
する適用に依存しよう。それ故、例えば、インビトロ適用の場合、ビタミンD(
又は誘導体)は、培養培地に加えることができる(例えば、初めから培地と混合
する、又は時間をかけて加える)。インビボ適用の場合、ビタミンD(又は誘導
体)は、細胞又は腫瘍への送達のための適切なビヒクル中に混合できる。従って
、全身的送達の場合、ビタミンD(又は誘導体)は、皮下注射、静脈内、経口、
又は他の適切な手段によって供給できる。もちろん、ビタミンD(又は誘導体)は
、より直接的に腫瘍に提供できる(例えば、腫瘍へのビタミンD(又は誘導体)を
含む軟膏又はクリームの適用によって、腫瘍内へのビタミンD(又は誘導体)を含
む溶液の注射によって、など)。
【0017】 細胞に提供されるビタミンD(又は誘導体)の投与量は、所望の適用により変わ
りうる。例えば、研究においては、用量応答解析が所定の研究ではパラメーター
でありうるから、投与量はかなり変わりうる。治療適用の場合、前治療期間は、
標準的なビタミンDベースの治療と比較してかなり短いものでありうるので、ビ
タミンD(又は誘導体)の(上記の)典型的投与量よりも高投与量が、高カルシウ
ム血症の実質的リスク無くして本発明の方法で使用できる。従って、例えば、ヒ
ト患者において、少なくはビタミンD(又は誘導体)1μg/日(上記のように、
それは、1,25D3の通常の投薬量内である)を治療を受けている患者に供給
でき、最大量は、約20μg/日(又はいくらかのより大きな患者では、それ以
上さえ)でありうる。好ましくは、ビタミンD(又は誘導体)約4μg/日〜約1
5μg/日(例えば、約7μg/日〜約12μg/日)を患者に送達する。典型
的には、供給されるビタミンD(又は誘導体)の量は、高カルシウム血症を誘導す
るか又は他の毒性副作用を引き起こす顕著なリスクをもたらすほどは大きくはな
いであろう。それ故、非高カルシウム血症性ビタミンD誘導体を用いる場合、よ
り大きな量がなお使用できる。従って、本発明の方法に従って、前治療の間に3
0μg/日又はそれ以上(例えば、約40μg/日、又は50μg/日以上さえ
も)の非高カルシウム血症性ビタミンD誘導体をヒト患者に送達できる。もちろ
ん、ビタミンD(又は誘導体)の所望の投与量は、患者のサイズ、及び送達の態様
とタイミングに依存するだろう。ビタミンD(又は誘導体)は、所望のように、1
日に1回、もしくは1日に数回送達できるし、又はそれは、不連続的に送達でき
る(例えば、2日毎に、又は3日毎に)。このような投与量とスケジュールの決
定は、当該分野の通常技術の範囲内に十分にある。
【0018】 任意の細胞毒性薬剤を、本発明の状況で使用できる。上記のように、化学療法
に適した多数の細胞毒性薬剤が当該分野で公知である。このような薬剤は、例え
ば、代謝又はDNA合成の阻害、細胞骨格構成の妨害、DNAの不安定化又は化
学修飾、アポトーシスなどを含むがそれらに限定されない任意のメカニズムによ
って細胞死を媒介する任意の化合物でありうる。例えば、細胞毒性薬剤は、代謝
拮抗剤(例えば、5−フロウロウラシル(5-fluorouricil)(5−FU)、メトト
レキサート(MTX)、フルダラビンなど)、抗微小管剤(例えば、ビンクリス
チン、ビンブラスチン、タクサン(パクリタキセルやドセタキセルなど)など)
、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド(cyclophasphamide)、メルファラ
ン、ビスクロロエチルニトロソウレア(bischloroethylnitrosurea)(BCNU)
など)、白金剤(例えば、シスプラチン(cDDPともいう)、カルボプラチン
、オキサリプラチン、JM−216、CI−973など)、アントラサイクリン
(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシンなど)、抗生物質(例えば、マイト
マイシンC)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトテシン
など)、又は他の細胞毒性薬剤(例えば、デキサメタゾン)でありうる。細胞毒
性薬剤の選択は、本発明の方法の適用に依存する。研究の場合、任意の可能性の
ある細胞毒性薬剤(新規の細胞毒性薬剤でさえ)が、ビタミンD(又は誘導体)で
前処理された細胞又は腫瘍に対する毒素の効果を研究するために用いることがで
きる。治療適用の場合、適切な細胞毒性薬剤の選択はしばしば、患者独自のパラ
メーターに依存しよう。しかし、所定の化学療法プロトコルのための細胞毒素の
レジメンの選択は、当該分野の技術範囲内である。
【0019】 インビボ適用の場合、所定の細胞毒性薬剤の適切な投与量は、その薬剤とその
処方に依存し、所定の患者のために投薬量と処方を最適化することは、当該分野
の通常の技術範囲内に十分にある。もちろん、本発明は、インビボ適用に適した
医薬を調製するためのこのような薬剤の使用に関する。従って、例えば、このよ
うな薬剤は、処方の標準的方法を用い、経口、皮下、非経口、粘膜下、静脈内、
又は他の適切な経路を介する投与のために処方できる。例えば、カルボプラチン
は、約4〜約15(約5〜約12など)又は約6〜約10でさえ、のAUC(“
曲線下面積”)を達成するように計算された1日投薬量で投与できる。典型的に
は、AUCは、クレアチンの糸球体濾過速度に基づき、Calvert式を用い計算さ
れる(例えば、血漿サンプルを解析することによって評価される)(例えば、Ma
rtinoら,Anticancer Res., 19(6C), 5587-91 (1999)参照)。パクリタキセルは
、約50mg/m2〜約100mg/m2の範囲の濃度(例えば、約80mg/m 2 )で使用できる。デキサメタゾンを用いる場合、それは、約1mg〜約10m
g(例えば、約2mg〜約8mg)、より詳細には、特に患者がヒトである場合
、約4mg〜約6mgの範囲の投与量で患者内に使用できる。
【0020】 本発明の別の実施態様は、ビタミンD(又は誘導体)とグルココルチコイドを
患者に補助的に投与することによる患者内の前立腺ガンの治療方法を提供する。
本発明は、このような治療レジメンに適した医薬を調製するための、このような
薬剤の使用にも関する。任意のビタミンD誘導体とグルココルチコイドが、本発
明のこの局面に従って使用でき、その多くは本明細書の別の個所で考察され、他
のものは当該分野で概して公知である。更に、ビタミンD(又は誘導体)とグル
ココルチコイドは、任意の適切な方法によって患者に送達され、その幾つかは本
明細書に記載されている。従って、それらは、適切な製剤に処方することができ
、適宜、皮下、静脈内、経口等で送達できる。また、例えば、グルココルチコイ
ドは、患者にビタミンD(又は誘導体)の投与と同時に、投与前に、又は投与後
に投与される。1つの有効な投薬スケジュールは、隔日に(例えば、月−水−金
又は火−木−土などの1週に2〜4日)1日当たりビタミンD(又は誘導体)を
約8μg〜約12μgをヒト患者に送達し、また隔日にヒト患者にデキサメタゾ
ンも約1mg〜10mg(例えば、約5mg)を送達することである。このよう
なレジメンにおいて、ビタミンD(又は誘導体)が投与される隔日と、グルココ
ルチコイドが投与される隔日は異なりうるが、好ましくは、それらは、同じで投
与される。更により好ましくは、グルココルチコイドは、同時処置の前にそれだ
けで1度投与される。もちろん、処置は、任意の所望の長さの時間続けることが
でき、それは、所望の最終結果を達成するために、適宜繰り返すことができる。
このような結果は、前立腺ガンの進行の減衰、そのような腫瘍の収縮、又は望ま
しくは全ての症状の寛解を含みうる。しかし、どんな程度の効果も、本方法の成
功的適用と考えられる。本方法の効能を評価する簡便な方法は、患者内の前立腺
特異抗原(PSA)の濃度の変化に着目することである。典型的には、このよう
な反応は、約6週間の期間にわたってPSAレベルを測定することによって評価
する。望ましくは、本方法は、6週間の適用後、PSAレベルでの少なくとも約
50%の減少であり、より望ましくは、PSAでの少なくとも約80%の減少を
もたらす。もちろん、最も望ましい結果は、PSAレベルが殆ど正常のレベルま
で減少することである(例えば、非前立腺切除個体において、少なくとも3回の
連続測定で約4ng/ml未満、又は前立腺切除個体で約0.2ng/ml未満
)。
【0021】 インビボ適用を含む本発明の全ての局面において、好ましくは、本方法は、ビ
タミンDの高カルシウム血症性を最小化するように用いられる。これを成就する
1つの方法は、上記のもののような、非高カルシウム血症性ビタミンDアナログ
を用いることである。あるいは、又はこのようなアナログの使用と一緒に、高カ
ルシウム血症を軽減する薬剤を患者に補助的に送達することができる。任意のこ
のような薬剤が使用できるが、ビスホスホネート(例えば、アレンドロネート、
クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセド
ロネート、チルドロネート、ゾレドロネートなど)が補助的投与のための好適な
薬剤である。このような薬剤は、高カルシウム血症を軽減するために、任意の適
切な方法で投与できる。従って、それらは、適切な製剤に処方でき、適宜、皮下
、静脈内、経口等で送達できる。また、このような薬剤は、ビタミンD(又は誘
導体)と同時に、その前に、又はその後に投与できる。もちろん、このような薬
剤の投薬量は、化合物の効力また非所望の副作用を軽減する化合物の効力により
変わろう。従って、例えば、ヒト患者に投与する場合、ビスホスホネートの投薬
量は、ビスホスホネートの効力により、約1mg/日〜500mg/日(例えば
、約5mg/日〜100mg/日)、例えば約10mg/日〜約50mg/日、
又は約30mg/日〜約40mg/日さえで変わりうる。抗高カルシウム血症性
効果を達成するために、より少ない量の薬剤が使用される必要があるので、一般
的に、より強力なビスホスホネートを使用することが好ましい。従って、最も好
適なビスホスホネートはゾレドロネートである。なぜならそれは、非常に低投与
量でさえ(例えば、ヒト患者において、約0.5mg日〜約2mg/日、又は約
5μg/kg〜約25μg/kg体重)有効であるからである。
【0022】 事実、別の局面において、本発明は、ゾレドロネートを補助的に投与すること
による、ビタミンD(又は誘導体)を治療的に用いる改良された方法を提供する
。即ち、本発明は、ビタミンD又はその誘導体とゾレドロネートが患者に補助的
に投与される、医薬におけるビタミンD(又は誘導体)とゾレドロネートの使用
に関する。ゾレドロネートは、ビタミンD(又は誘導体)が使用される任意のプ
ロトコル(例えば、本明細書で考察のもの、又は違うように使用されるもの)と
併せて、補助剤として送達できる。補助剤として、ゾレドロネートは、所望のよ
うに、任意の所望のレジメン(1日数回、1日1回、1週1回など)で送達でき
る。好ましくは、ゾレドロネートは前治療(例えば、ビタミンD(又は誘導体)
による治療が始まる数時間前〜数日前)として送達される。より好ましくは、ゾ
レンドロネートは、ビタミンD(又は誘導体)の抗高カルシウム血症性効果を軽
減するのに十分な量で補助的に投与される。
【0023】実施例 当業者は、上記の詳細な説明を読むと、本発明を十分に実施できるが、以下の
実施例は、その特徴の幾分かを解明する助けとなろう。もちろん、これらの実施
例は、純粋に例示の目的のために提示されるので、これらは、本発明の範囲を限
定的に解釈するために使用されるべきではなく、全体として、本発明の上記の説
明を詳述するものと見なされるべきである。
【0024】 実施例1 本実施例は、後の実施例で使用する材料と一般的方法を説明する。 近交系の雌性C3H/HeJマウス6〜10週齢を、Jackson Laboratoriesか
ら得た。マウスは、実験用途のために、ウイルス抗体無しで齢と体重が揃ったも
ので、げっ歯類平衡食(balanced rodent diet)を与えた。
【0025】 SCCVII/SF細胞(マウスの、急速に増殖する、非転移性の、扁平上皮
の腫瘍株)を、動物の右側腹部に、5×105対数期組織培養細胞を皮下接種に
よって、以前に記載されたように(McElwainら,Mol. Cell. Diff., 3, 31-50 (
1995))、C3H/HeJマウス中インビボで維持した。SCCVII/SF細
胞株を、12.5%不活化ウシ胎仔血清(FCS)と1%ペニシリン−硫酸スト
レプトマシンを補充したRPMI−1640中インビトロで維持した。
【0026】 1,25D3とその非高カルシウム血症性アナログRo23−7553を、4
℃で密封した光保護容器中純粋粉末形態で最初は保存した。使用の場合、各薬剤
を100%エチルアルコール中で再構築し、記載されたように維持した(McElwa
inら,Mol. Cell. Diff., 3, 31-50 (1995))。細胞毒性薬剤(カルボプラチン
、シスプラチン、及びパクリタキセル)を、実験プロトコル中、0.9%生理食
塩水中に希釈し、合計容量0.2mlで種々の投与量で腹腔内注射した。
【0027】 腫瘍細胞に対する薬剤のインビトロ細胞毒性を、本明細書に記載したような僅
かの修飾を伴ったインビトロクローン原性アッセイ(McElwainら,Mol. Cell. D
iff., 3, 31-50 (1995))により測定した。手短に言うと、マウスSCCVII
/SF細胞を、2nM又は4nMの1,25D3又はRo23−7553のいず
れかで前処理した。1,25D3又はRo23−7553は組織培養培地中で長
期間安定ではないが、抗増殖効果が、24時間、48時間、及び7日のインキュ
ベーション時間で観察される(McElwainら,上記)。1,25D3又はRo23
−7553を用いた48時間のインキュベーション後、細胞を種々の濃度の細胞
毒性薬剤によって2時間処理し、RPMI1640+FCSで洗浄し、種々の希
釈で、6ウェル組織培養プレートにプレーティングした。5%CO2中37℃で
の7日間のインキュベーション後、単層を生理食塩水で洗浄し、100%メタノ
ールで固定し、10%ギムザで染色した。光学顕微鏡の下で、コロニーを計数し
た。処理細胞のクローニング効率を、非処理対照のクローニング効率で割ること
によって、生存率を計算した。
【0028】 インビボの腫瘍細胞に対する1,25D3又はRo23−7553単独の及び
/又は種々の細胞毒性薬剤と組み合わせての効果を、インビボ切除クローン原性
腫瘍細胞生存アッセイの変形によって測定した(Johnsonら,Cancer Chemother.
Pharmacol., 32, 339-46 (1993))。手短に言うと、移植後14日で、SCCV
II/SF腫瘍担持動物を、0.5mg/kg体重/日で又は0.03125〜
0.5mg/kg体重/日の種々の投与量で、1,25D3又はRo23−75
53によって3日間腹腔内に処置した。3日目に、動物はまた、細胞毒性薬剤の
腹腔内投与量の6mg/kg体重、又は1〜6mg/kg体重の種々の投与量を
受けた。24時間後、切り刻まれた腫瘍のアリコートを、I型コラゲナーゼ(3
7.5mg/ml)、DNAse(55mg/ml)及びEDTA(1%)の混
合物によって、室温で60分間、酵素的に解離させた。次いで、生きている腫瘍
細胞(トリパンブルー染色で決定)を種々の希釈でプレーティングした。7日イ
ンキュベーション後、コロニーを計数し、腫瘍1g当たりのクローン原性細胞の
数を計数した。平均±標準偏差(SD)細胞収率、クローニング効率、及び対照
(未処置)腫瘍のためのクローン原性細胞の数(n=40)は、それぞれ平均1
39.4±38.2×106生存腫瘍細胞/g腫瘍、27.0±0.56%、及
び37.5±13.3×106クローン原性腫瘍細胞/g腫瘍であった。腫瘍1
g当たりの生存率を、対照(未処置)腫瘍1g当たりのクローン原性腫瘍細胞の
数で割った、処置腫瘍1g当たりのクローン原性腫瘍細胞の数として定義する。
このアッセイは、インビボ抗腫瘍活性の正確な測定である。0.1未満の生存率
は、腫瘍体積の実際の減少及び腫瘍再増殖遅延の増大と相関する(Braunschweig
erら,Cancer Res., 48, 6011-16(1988);Braunschweigerら,Cancer Res., 5
1, 5454-60 (1991))。
【0029】 インビボの腫瘍細胞に対する1,25D3又はRo23−7553単独の及び
/又は種々の細胞毒性薬剤と組み合わせての効果を、腫瘍増殖の遅延(腫瘍再増
殖アッセイ)を測定することによって更にアッセイした。SCCVII/SF腫
瘍細胞(5×105)を、C3H/HeJマウスの脚の側面に皮下接種した。移
植後9日目に、腫瘍が触知可能であったので(約5×5mm)、動物を無作為に
選び、7日にわたる連続的送達のためのマイクロオスモティックポンプを用い、
Ro23−7553(0.214μg/kg体重/日)又は1,25D3(0.
2μg/マウス)の低投与量腹腔内による処置を行った。7日後、6mg/kg
体重の細胞毒性薬剤を腹腔内注射した。対照動物は、どちらかの処置だけを受け
たか、又は全く処置を受けなかった。対照(未処置)動物は、ビヒクル(PBS
)だけの注射を受けたか、又は擬似ポンプを移植した。腫瘍増殖は、1週間に3
回キャリパーによって腫瘍直径を測定することによって評価した。腫瘍体積は、
式:体積=長さ×(幅2)/2によって計算した。処置後体積は、最初の処置の
時点での前処置体積の割合として表した。腫瘍再増殖遅延は、処置腫瘍体積と対
照腫瘍体積が前処置体積の4倍に達するための時間の差の平均±標準偏差として
計算した。
【0030】 実施例2 本実施例は、ビタミンD誘導体による前処置によって、通常の細胞毒性シスプ
ラチン治療の効果に腫瘍細胞を感受性にさせる可能性を示す。 上記のように、SCCVII/SF腫瘍細胞株のためのインビトロクローン原
性アッセイを用い、0.2μg/ml〜0.8μg/mlのシスプラチンとRo
23−7553を単独で、そして組み合わせて試験した。2nMと4nMの両方
のRo23−7553による細胞の前処置は、シスプラチン単独、又はRo23
−7553と組み合わせてのシスプラチンの同時投与(即ち、前処置無し)と比
べたとき、クローン原性細胞殺を有意に増大させた(p<0.001 ANOV
A)。シスプラチン媒介細胞毒性の有意な増大は、低用量のシスプラチンでさえ
観察された。
【0031】 実施例3 本実施例は、ビタミンD誘導体による前処置による、インビボシスプラチン媒
介抗腫瘍活性の増大を示す。 移植後14日のSCCVII/SF腫瘍担持動物を、0.5mg/kg体重/
日のRo23−7553によって3日間腹腔内処置する切除クローン原性殺アッ
セイを用いた。3日目に動物は種々の投与量のシスプラチンを受けた。24時間
後、腫瘍をとり、解離させ、7日間のインキュベーションのためにプレーティン
グした。シスプラチンの前にRo23−7553による3日間の前処置によって
、シスプラチン又はRo23−7553単独によって処置した動物と比べたとき
、クローン原性細胞殺の有意な増大が起こることが観察された(p<0.001
ANOVA)。クローン原性腫瘍細胞殺の有意な増大が、シスプラチン単独と
比べて、試験した各シスプラチン投与量で観察された。
【0032】 このアッセイにおいてRo23−7553投与量を変えることの効果を測定す
るために、SCC腫瘍担持マウスを、0.03125mg/kg体重/日〜0.
5mg/kg体重/日のRo23−7553によって1日1回、3日間処置した
。3日目に、シスプラチンを、6mg/kg体重で投与した。シスプラチン又は
Ro23−7553単独と比較して、Ro23−7553は、試験した最小投与
量でさえ、シスプラチン媒介腫瘍細胞殺を有意に増大できることが観察された(
p<0.01 ANOVA)。どの実験アプローチの動物も、いずれのRo23
−7553投与量でも高カルシウム血症にならなかった。
【0033】 実施例4 本実施例は、ビタミンD誘導体での前処置による、インビボシスプラチン媒介
抗腫瘍活性の増大を示す。 (移植後9日の)SCCVII/SF腫瘍担持マウスを、連続的に投与される
Ro23−7553によって処置する腫瘍再増殖アッセイを用いた。Ro23−
7553投与の最後に、シスプラチンを6mg/kg体重で腹腔内注射した。対
照(未処置)又は単一処置動物は、処置群により、ビヒクル(PBS)を注射す
るか又は擬似ポンプを移植した。どちらかの薬剤単独での処置と比べて、シスプ
ラチン前にRo23−7553で前処置したとき、部分腫瘍体積(fractional tu
mor volume)の有意な減少を全ての動物は経験した(p<0.001 ANOV
A)。腫瘍再増殖遅延(処置腫瘍と対照腫瘍が前処置サイズの4倍に達する時間
の差の平均±SD)を試験したとき、シスプラチン又はRo23−7553単独
と比較して、Ro23−7553+シスプラチンで処置した動物で有意の増大が
観察された(表1参照)。
【0034】
【表1】
【0035】 実施例5 本実施例は、ビタミンD誘導体とデキサメタゾンでの前処置による、シスプラ
チン治療の効果への腫瘍細胞の感受性化の可能性を示す。 SCC細胞を、デキサメタゾン、1,25D3、及び/又はシスプラチンと共
にインキュベートし、細胞生存数をトリパンブルー排除により測定した。デキサ
メタゾンと1,25D3による前処置、続いてシスプラチンにより、いずれの薬
剤単独による処置、又は1,25D3による前処置、続いてシスプラチンよりも
、さらに大きな増殖阻害が生じた。これらの結果は、ビタミンD誘導体とデキサ
メタゾンによる前処置は、シスプラチンの抗腫瘍効果を増大させることを示す。
【0036】 実施例6 本実施例は、インビボでのビタミンD誘導体とデキサメタゾンでの前処置によ
る、シスプラチン治療の効果への腫瘍細胞の感受性化の可能性を示す。 SC腫瘍担持マウスを、0〜3日目にデキサメタゾンで処置し、1〜3日目に
1,25D3で処置し、及び/又は3日目にシスプラチンで処置した。デキサメ
タゾン、続いてシスプラチンで処置した動物(Mann-Whitleyテストを用い、p<
0.003)、または1,25D3、続いてシスプラチンで処置した動物(Mann-
Whitleyテストを用い、p<0.05)よりも、三重処置動物でより大きな抗増
殖活性が観察された。これらの結果は、ビタミンD誘導体とデキサメタゾンによ
る前処置が、シスプラチンの抗腫瘍効果を増大させることを示す。
【0037】 実施例7 本実施例は、ビタミンD誘導体が、MAPKホスファターゼをアップレギュレ
ートできることを示す。 SCC細胞をインビトロで10nMの1,25D3で処理し、未処理細胞は対
照として使った。リン酸化MAPKのレベルを、処理後24時間と48時間で評
価した。ウエスタンブロット解析を用い、MAPK、MEK(MAPKのリン酸
化を担うキナーゼ)、MKP−1(MAPK特異的ホスファターゼ)および増殖
因子レセプター(EGF、PDGF、及びIGF1増殖因子レセプター)の量を
同様に評価した。更に、MEKの活性レベルを定量的インビトロキナーゼアッセ
イで評価した。 1,25D3で処理した細胞は、未処理細胞よりもより少ないリン酸化MAP
Kを有したが、MAPKタンパク質の量は影響されなかった。処理細胞は存在す
る僅かに少ないMEKタンパク質を有したが、MEK活性プロフィールは、未処
理細胞とは有意には違わなかった。更に、処理細胞は、未処理細胞よりも、有意
に高い量のEGF、PDGF、及びIGF1増殖因子レセプター並びに高い量の
MKP−1を有した。 結果は、1,25D3は、上流の増殖因子レセプターからの分裂促進シグナル
を阻害することによってMAPKを阻害するのではなく、MKP−1をアップレ
ギュレートすることによってこのタンパク質を阻害しうることを示す。
【0038】 実施例8 本実施例は、ビタミンD誘導体による前処理によって、通常の細胞毒性カルボ
プラチン治療の効果に腫瘍細胞を感受性化させる可能性を示す。 インビトロクローン原性アッセイを用い、カルボプラチンと1,25D3を単
独で、及び組み合わせて試験した。2nM1,25D3による48時間の細胞の
前処理は、カルボプラチン単独、又は1,25D3と組み合わせたカルボプラチ
ンの同時投与(即ち、前処理無し)と比較したとき、クローン原性細胞殺を有意
に増大させることが観察された(p<0.001 ANOVA)。
【0039】 実施例9 本実施例は、ビタミンD誘導体での前処置による、インビボカルボプラチン媒
介抗腫瘍活性の増大を示す。 移植後14日のSCCVII/SF腫瘍担持動物を、0.5mg/kg体重/
日の1,25D3によって3日間腹腔内処置する切除クローン原性殺アッセイを
用いた。3日目に動物は種々の投与量のカルボプラチンを受けた(25mg/k
g体重〜100mg/kg体重)。24時間後、腫瘍をとり、解離させ、7日間
のインキュベーションのためにプレーティングした。カルボプラチンの前の1,
25D3による3日間の前処置によって、カルボプラチン又は1,25D3単独に
よって処置した動物と比べたとき、クローン原性細胞殺の有意な増大が起こるこ
とが観察された(p<0.001 ANOVA)。クローン原性腫瘍細胞殺の有
意な増大が、試験した各カルボプラチン投与量で観察された。
【0040】 第2の実験において、移植後14日のSCCVII/SF腫瘍担持動物を、種
々の投与量の1,25D3によって3日間腹腔内処置する切除クローン原性殺ア
ッセイを用いた。3日目に動物は50mg/kg体重/日のカルボプラチンを受
けた。24時間後、腫瘍をとり、解離させ、7日間のインキュベーションのため
にプレーティングした。カルボプラチンの前の1,25D3による前処置によっ
て、1,25D3の最小投与量でさえ、クローン原性細胞の有意な増大が生じる
ことが観察された。カルボプラチン単独と比較して、試験した各カルボプラチン
投与量で、クローン原性腫瘍細胞殺の有意な増大が観察された(p<0.001
ANOVA)。試験した1,25D3投与量のいずれでも、高カルシウム血症
になった動物はいなかった。
【0041】 実施例10 本実施例は、ビタミンDアナログでの前処理による、通常の細胞毒性パクリタ
キセルの効果への腫瘍細胞の感受性化の可能性を示す。 上記のようにインビトロクローン原性アッセイを用い、パクリタキセルと1,
25D3を単独で、及び組み合わせて試験した。1,25D3による細胞の前処理
は、1,25D3と比較したとき、クローン原性細胞殺を有意に増大することが
観察された(p<0.001 ANOVA)。1,25D3とパクリタキセルの
同時投与では、パクリタキセル単独を超えるクローン原性細胞殺の増大を生じな
いことも観察された。
【0042】 実施例11 本実施例は、1,25D3での前処置による、パクリタキセル媒介インビボ抗
腫瘍活性の増大を示す。 移植後11日のSCCVII/SF腫瘍担持動物を、0.2μg/日の1,2
5D3によって3日間腹腔内処置する切除クローン原性殺アッセイを用いた。3
日目に動物は種々の投与量のパクリタキセルを受けた。24時間後、腫瘍をとり
、解離させ、7日間のインキュベーションのためにプレーティングした。パクリ
タキセルの前に1,25D3による3日間の前処置によって、すべての投与量で
、パクリタキセル単独によって処置した動物と比べたとき、クローン原性細胞殺
の有意な増大が起こることが観察された(p<0.001 ANOVA)。クロ
ーン原性腫瘍細胞殺の有意な増大はまた、パクリタキセル単独と比較して、試験
した各パクリタキセル投与量で観察された。これらの処置中、高カルシウム血症
になった動物はいなかった。
【0043】 実施例12 本実施例は、1,25D3での前処置による、インビボパクリタキセル媒介抗
腫瘍活性の増大を示す。 2〜8日間連続的に投与される0.2μg/マウスの1,25D3で、SCC
VII/SF腫瘍担持マウス(移植後7日)を処置する腫瘍再増殖アッセイを用
いた。1,25D3投与の最後に、パクリタキセルを、40mg/kg体重で腹
腔内注射した。対照(未処置)又は単一処置動物に、処置群により、ビヒクル(
PBS)を注射するか、又は擬似ポンプを移植した。どちらかの薬剤単独での処
置と比べて、パクリタキセルの前に1,25D3で前処置したとき、全ての動物
は、部分腫瘍体積の有意な減少を経験した(p<0.001 ANOVA)。
【0044】 実施例13 これは、本発明の方法に従うカルボプラチンと1,25D3による治療のため
の臨床投薬スケジュールの例である。 悪性腫瘍の患者が、カルボプラチンと1,25D3を含む治療レジメンを受け
たが、治療48時間前に、各患者は低カルシウム食(250〜300mg/48
時間)に置き、少なくとも7日間その食事を維持した。患者のための治療スケジ
ュールは、表2に示すとおりである。
【0045】
【表2】
【0046】 このレジメンによると、各サイクルは4週間続く。連続的サイクルの場合、1
,25D3の投薬量は、30%だけ増加する。最初の2サイクルの場合、患者を
次のように2群に分けた。 群1。1日目、患者のこの群は、AUC=5を達成するように計算された投与
量で、カルボプラチンを与えられた(担体100ml中30分点滴として静脈内
に)。24時間後、血漿サンプルをとり、カルボプラチンAUCを決定し、患者
は、表2に示すスケジュールのように、皮下1,25D3の3日レジメンに置か
れた。 群2。1日目、患者のこの群は、皮下1,25D3の3日レジメンに置かれた
。3日目、患者は、AUC=5を達成するように計算された投与量で、カルボプ
ラチンを与えられた。24時間後、血漿サンプルをとり、カルボプラチンAUC
を決定した。 第1サイクル後、群は、前処置と後処置の間で交換した。この治療における第
3のサイクルと次のサイクルの場合、患者を、皮下1,25D3の3日レジメン
に置いた。3日目、患者は、AUC=5を達成するように計算された投与量で、
カルボプラチンを与えられた。24時間後、血漿サンプルをとり、カルボプラチ
ンAUCを決定した。 最初の2サイクル後、1,25D3での前処置対後処理によるカルボプラチン
AUCに対する効果を決定するために患者を評価した。カルボプラチンが最初に
与えられたときよりも、1,25D3で前治療されたとき、各患者において、カ
ルボプラチンのAUCは高かった(平均AUC=7.8μg/ml・時間±1.
3,カルボプラチンD1;6.7μg/ml・時間±1.3,カルボプラチンD
3)。AUCにおける変化と一致して、カルボプラチンの次に補助的1,25D 3 が続くとき、各患者において、骨髄抑制(myleosuppression)は一貫してより
小さかった。
【0047】 実施例14 本実施例は、ビタミンD誘導体とデキサメタゾンを患者に補助的に投与するこ
とによる、患者内の前立腺ガンの治療方法を示す。 アンドロゲン非依存性前立腺ガンの32人の患者を、抗アンドロゲン除去治療
とはかかわらず、ガンの進行に基づいて選択した。各人の血清前立腺特異抗原(
PSA)濃度を測定し、彼らを、表3に示すレジメンで1,25D3とデキサメ
タゾンで治療した。
【0048】
【表3】
【0049】 このレジメンを完了したかどうか患者を評価し、最初の36人のうち、24人
を血清PSAレベルの変化に基づいて評価した。患者のうち5人が、この治療後
PSAレベルでの少なくとも50%減少を示し、残りの19人で疾患進行速度が
顕著に減少した。これらの患者のどの患者にも毒性は観察されなかった。これら
の結果は、ビタミンD(又は誘導体)とデキサメタゾンの共投与は、前立腺ガンの
治療に成功することができることを示す。
【0050】 実施例15 本実施例は、ゾレドロネートの補助的投与が、ビタミンD誘導体によって媒介
される高カルシウム血症を有意に減少させることを示す。 正常C3H/HeJマウスを、10μg/kg体重ゾレドロネートで前処置し
、次いで3日間1日1度、0.25μgの1,25D3で処置した。対照動物は
、1,25D3のみを受け、動物の1群はゾレドロネートのみを受けた。最後の
1,25D3処置後、各マウスから0、24、及び48時間で血液を集め、血清
カルシウムレベルを測定した。
【0051】 対照動物と比較して、実験動物で最初のカルシウムレベルは有意に減少した(
p=0.00002)。24時間と48時間後、対照動物で血清カルシウムレベ
ルは高いままであったが(それぞれ、17.2±1.1mg/dlと16.5±
1.1mg/dl)、実験動物の血清カルシウムレベルは減少したままであった
(それぞれ、14.7±0.9mg/dlと13.4±0.9mg/dl)。更
に、実験動物及びゾレドロネートのみで処置したものは、対照動物よりも少ない
、高カルシウム血症に起因する脱水症状、立毛及び悪液質を示した。これらの結
果は、ゾレドロネートが、ビタミンD(又は誘導体)によって媒介される高カルシ
ウム血症を有意に減少させることを示す。
【0052】 実施例16 これは、本発明の方法に従うパクリタキセルと1,25D3による治療の臨床
投薬スケジュールの例である。 悪性腫瘍の患者は、パクリタキセルと1,25D3を含む治療レジメンを受け
た。パクリタキセルは、ポリエトキシル化ヒマシ油50%と脱水エタノールUS
P50%中の滅菌溶液濃縮物(6mg/ml)として供給された。使用直前に、
この濃縮物を、0.9%NaCl注射液USP又は5%デキストロース注射液U
SP(DW5)のいずれかの容量で、適切な投与量を達成するように希釈した。
ジエチルヘキシルフタレート可塑剤の浸出を避けるために、調製はガラス中で行
った。1,25D3は、Hoffman-LaRoche Pharamaceutical Corporationから0.
5μg錠剤として供給された。患者の治療スケジュールは、表4に示す通りであ
った。
【0053】
【表4】
【0054】 このレジメンによれば、各サイクルは8週間続いた。連続的サイクルの場合、
1,25D3の投薬量を30%増加した。各サイクル内で、1,25D3は、最初
の3日間1日1度(午前8時と午前12時の間)投与した。3日目に、1,25
3投与90分後、20mgデキサメタゾン、50mgジフェニルヒドラミン、
50mgラニチジン(rantidine)、及び制吐オンダンセトロン(ondasteron)(1
0mg)又はガニステロン(1mg)を静脈内に投与した。1,25D3投与2
時間後、パクリタキセルを、1時間かけて、250ml中性生理食塩水中で静脈
内に投与した。4日間の休止(4〜7日目)後、パクリタキセル投与の最後の日
(45日目)まで、3日間治療、4日間休止ルーチンを繰り返した。次いで、患
者は、サイクルの残り(46〜63日目)の間休止し、その後、次のサイクルを
始めた。
【0055】言及による包含 本明細書のどこかで言及し、又は引用した全ての出典(例えば、特許出願、特
許、印刷刊行物など)は、それらに対するそのような言及によって本明細書に包
含され、本明細書の一部をなすものである。
【0056】解釈の指針 上記は、単に本発明の面のいずれの特定の要素の記載でもなく、全体としての
本発明の総合的な説明である。説明は、本発明を実施するために発明者の知る最
良の態様を含む、本発明の“好適な実施態様”を記載する。もちろん、上記説明
を読むと、それらの好適な実施態様の変形物は、当業者に明白となろう。本発明
者らは、当業者が適宜、そのような変形物を用いることを予期し、本発明者らは
、本発明が、本明細書に具体的に記載された以外のように実施されることを意図
するものである。それ故、本発明は、適用法によって許されるように、本明細書
に付随する特許請求の範囲に挙げた主題の全ての改変と等価物を含むものである
【0057】 上記説明と引き続く特許請求の範囲で使用されるとき、単数指示語(例えば、
“a”又は“one”)は、違うように記載されていなければ、複数を含むもの
である。不連続値の範囲の列挙は、その範囲内の各々別個の値に個々に言及する
ことの略記法となると意図され、各々別個の値は、それが個々に列挙されている
かのように本明細書中に包含されるものである。
【0058】 特に特許請求の範囲に関し、“から本質的になる”という用語は、本発明の基
本的かつ新規な性質に実質的に影響を与えない非列挙の成分又は工程が、具体的
に列挙された成分又は工程に加えて使用することができることを示す。対照的に
、“含む”又は“有する”は、列挙されたものに加えて何らかの成分又は工程が
存在しうることを示す。“からなる”という用語は、列挙された成分又は工程の
みが存在することを示すが、該成分又は工程の等価物が、具体的に列挙されたも
のに置き換わりうる可能性を排除しない。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年5月24日(2002.5.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 33/24 A61K 33/24 45/00 45/00 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 121 43/00 121 (31)優先権主張番号 09/544,724 (32)優先日 平成12年4月6日(2000.4.6) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 トランプ、ドナルド エル. アメリカ合衆国、ペンシルヴェニア州 15215、ピッツバーグ、ヴァージニア マ ナー ドライヴ 211 Fターム(参考) 4C084 AA19 NA06 ZB26 ZC75 4C086 AA01 BA02 DA10 DA14 DA32 DA34 MA02 MA03 MA04 NA06 ZB26 ZC75 4C206 AA01 JB17 MA02 MA04 MA13 MA21 NA06 ZB26 ZC75

Claims (98)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)患者内の細胞又は腫瘍に、ビタミンD又はその誘導体
    を含む医薬とグルココルチコイドを含む医薬とを最初に投与することと(b)該
    細胞又は腫瘍に少なくとも1つの細胞毒性薬剤を含む医薬を次いで投与すること
    を含む治療レジメンに従って患者内の該細胞を殺す又は患者内の該腫瘍の増殖を
    抑制する医薬を調製するための、ビタミンD又はその誘導体、グルココルチコイ
    ド、及び少なくとも1つの細胞毒性薬剤の使用。
  2. 【請求項2】 ビタミンD又は誘導体を細胞毒性薬剤の1〜3日前に投与す
    る、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1日
    につき少なくとも1回投与する、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも1
    回投与する、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 【請求項5】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロ
    ネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート
    、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくとも
    1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の使用。
  6. 【請求項6】 (a)患者内の細胞又は腫瘍へのビタミンD又はその誘導体
    を含む医薬の最初の投与、及び(b)該細胞又は腫瘍への少なくとも1つの細胞
    毒性薬剤を含む医薬の次なる投与という治療レジメンに従って患者内の該細胞を
    殺す又は患者内の該腫瘍の増殖を抑制する医薬を調製するための、ビタミンD又
    はその誘導体及び少なくとも1つの細胞毒性薬剤の使用であって、 ビタミンD又は誘導体を細胞毒性薬剤の1〜3日前に投与する、使用。
  7. 【請求項7】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも1
    回投与する、請求項6に記載の使用。
  8. 【請求項8】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1日
    につき少なくとも1回投与する、請求項6又は7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロ
    ネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート
    、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくとも
    1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項6〜8のい
    ずれかに記載の使用。
  10. 【請求項10】 (a)患者内の細胞又は腫瘍へのビタミンD又はその誘導
    体を含む医薬の最初の投与、及び(b)該細胞又は腫瘍への少なくとも1つの細
    胞毒性薬剤を含む医薬の次なる投与という治療レジメンに従って患者内の該細胞
    を殺す又は患者内の該腫瘍の増殖を抑制する医薬を調製するための、ビタミンD
    又はその誘導体及び少なくとも1つの細胞毒性薬剤の使用であって、 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも1回投与する、使用。
  11. 【請求項11】 ビタミンD又は誘導体を、細胞毒性薬剤の1〜3日前に投
    与する、請求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項10又は11に記載の使用。
  13. 【請求項13】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項10〜1
    2のいずれかに記載の使用。
  14. 【請求項14】 (a)患者内の細胞又は腫瘍へのビタミンD又はその誘導
    体を含む医薬の最初の投与、及び(b)該細胞又は腫瘍への少なくとも1つの細
    胞毒性薬剤を含む医薬の次なる投与という治療レジメンに従って患者内の該細胞
    を殺す又は患者内の該腫瘍の増殖を抑制する医薬を調製するための、ビタミンD
    又はその誘導体及び少なくとも1つの細胞毒性薬剤の使用であって、 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1日につき少なくとも1
    回投与する、使用。
  15. 【請求項15】 ビタミンD又は誘導体を、細胞毒性薬剤の1〜3日前に投
    与する、請求項14に記載の使用。
  16. 【請求項16】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項14又は15に記載の使用。
  17. 【請求項17】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項14〜1
    6のいずれかに記載の使用。
  18. 【請求項18】 (a)患者内の細胞又は腫瘍へのビタミンD又はその誘導
    体を含む医薬の最初の投与、(b)該細胞又は腫瘍への少なくとも1つの細胞毒
    性薬剤を含む医薬の次なる投与、及び(c)ビスホスホネートを含む医薬の補助
    的投与という治療レジメンに従って、患者内の該細胞を殺す又は患者内の該腫瘍
    の増殖を抑制する医薬を調製するための、ビタミンD又はその誘導体と、アレン
    ドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、パミドロネ
    ート、リセドロネート、チルドロネート、及びゾレドロネートからなるビスホス
    フェートの群から選択されるビスホスホネートと、少なくとも1つの細胞毒性薬
    剤の使用。
  19. 【請求項19】 ビタミンD又は誘導体を、細胞毒性薬剤の1〜3日前に投
    与する、請求項18に記載の使用。
  20. 【請求項20】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項18又は19に記載の使用。
  21. 【請求項21】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項18〜20のいずれかに記載の使用。
  22. 【請求項22】 工程(a)が、ビタミンD又は誘導体と同時のグルココル
    チコイドの投与を更に含む、請求項6〜20のいずれかに記載の使用。
  23. 【請求項23】 ビタミンD誘導体が、1,25D3の非高カルシウム血症
    性アナログである、請求項1〜22のいずれかに記載の使用。
  24. 【請求項24】 アナログが、Ro23−7553又はRo24−5531
    である、請求項23に記載の使用。
  25. 【請求項25】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項1〜24
    のいずれかに記載の使用。
  26. 【請求項26】 患者がヒトであり、ビタミンD又は誘導体の1日投与量が
    約4μg〜約15μgである、請求項1〜25のいずれかに記載の使用。
  27. 【請求項27】 ビタミンD又は誘導体の1日投与量が約8μg〜約12μ
    gである、請求項26に記載の使用。
  28. 【請求項28】 細胞毒性薬剤が、細胞周期のG0−G1期の細胞に選択的に
    作用する、請求項1〜27のいずれかに記載の使用。
  29. 【請求項29】 細胞毒性薬剤が白金ベースの細胞毒性薬剤である、請求項
    1〜28のいずれかに記載の使用。
  30. 【請求項30】 細胞毒性薬剤がグルココルチコイドである、請求項1〜2
    8のいずれかに記載の使用。
  31. 【請求項31】 細胞毒性薬剤が、カルボプラチン、シスプラチン、デキサ
    メタゾン、パクリタキセル、又はタクサチルである、請求項1〜28のいずれか
    に記載の使用。
  32. 【請求項32】 細胞毒性薬剤がカルボプラチンであり、AUC約5を達成
    するように計算された投与量で投与される、請求項31に記載の使用。
  33. 【請求項33】 患者がヒトであり、細胞毒性薬剤がデキサメタゾンであり
    、隔日に約1mg〜10mgの投薬スケジュールで投与される、請求項31に記
    載の使用。
  34. 【請求項34】 細胞毒性薬剤がパクリタキセルであり、投与量約80mg
    /m2で投与される、請求項31に記載の使用。
  35. 【請求項35】 グルココルチコイドを含む医薬と、ビタミンD誘導体を含
    む医薬とを、患者に補助的に送達する治療レジメンに従って、前立腺ガンの治療
    の必要のある患者内の前立腺ガンを治療する医薬を調製するための、ビタミンD
    又はその誘導体及びグルココルチコイドの使用。
  36. 【請求項36】 治療を繰り返す、請求項35に記載の使用。
  37. 【請求項37】 ビタミンD又は誘導体及びグルココルチコイドを、1週間
    に2〜4回、隔日に患者に投与する、請求項35又は36に記載の使用。
  38. 【請求項38】 グルココルチコイドを、ビタミンD又は誘導体の投与前に
    患者に投与する、請求項35〜37のいずれかに記載の使用。
  39. 【請求項39】 グルココルチコイドを、ビタミンD又は誘導体の投与後に
    患者に投与する、請求項35〜38のいずれかに記載の使用。
  40. 【請求項40】 ビタミンD誘導体が、非高カルシウム血症性アナログであ
    る、請求項35〜39のいずれかに記載の使用。
  41. 【請求項41】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項35〜4
    0のいずれかに記載の使用。
  42. 【請求項42】 グルココルチコイドが、コルチゾール、デキサメタゾン、
    ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、又はプレドニゾン
    からなるグルココルチコイドの群から選択される、請求項35〜41のいずれか
    に記載の使用。
  43. 【請求項43】 グルココルチコイドがデキサメタゾンである、請求項35
    〜42のいずれかに記載の使用。
  44. 【請求項44】 アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イ
    バンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、及びゾレ
    ドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される細胞への少なくとも1
    つのビスホスホネートの投与を更に含む、請求項35〜43のいずれかに記載の
    使用。
  45. 【請求項45】 医薬におけるビタミンD又はその誘導体及びゾレドロネー
    トの使用であって、 ビタミンD又はその誘導体及びゾレドロネートを患者に補助的に投与する、使用
  46. 【請求項46】 ビタミンD又は誘導体の投与前に、ゾレドロネートを投与
    する、請求項45に記載の使用。
  47. 【請求項47】 ゾレドロネートを、約5μm/kg患者体重〜約25μg
    /kg患者体重の投薬量で投与する、請求項45又は46に記載の使用。
  48. 【請求項48】 ビタミンD誘導体が非高カルシウム血症性アナログである
    、請求項45〜47のいずれかに記載の使用。
  49. 【請求項49】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項45〜4
    8のいずれかに記載の使用。
  50. 【請求項50】 (a)患者内の細胞又は腫瘍にビタミンD又はその誘導体
    及びグルココルチコイドを最初に投与する工程と、(b)該細胞又は腫瘍に少な
    くとも1つの細胞毒性薬剤を次いで投与する工程とを含む、患者内の該細胞を殺
    す又は患者内の該腫瘍の増殖を抑制する方法。
  51. 【請求項51】 ビタミンD又は誘導体を、細胞毒性薬剤の1〜3日前に投
    与する、請求項49に記載の方法。
  52. 【請求項52】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項49又は50に記載の方法。
  53. 【請求項53】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項49〜51のいずれかに記載の方法。
  54. 【請求項54】 アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イ
    バンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、及びゾレ
    ドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくとも1つのビス
    ホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項49〜52のいずれか
    に記載の方法。
  55. 【請求項55】 (a)患者内の細胞又は腫瘍にビタミンD又はその誘導体
    を最初に投与する工程と、(b)該細胞又は腫瘍に少なくとも1つの細胞毒性薬
    剤を次いで投与する工程とを含む、患者内の該細胞を殺す又は患者内の該腫瘍の
    増殖を抑制する方法であって、 ビタミンD又は誘導体を細胞毒性薬剤の1〜3日前に投与する、方法。
  56. 【請求項56】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項55〜56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項55〜5
    7のいずれかに記載の方法。
  59. 【請求項59】 (a)患者内の細胞又は腫瘍にビタミンD又はその誘導体
    を最初に投与する工程と、(b)該細胞又は腫瘍に少なくとも1つの細胞毒性薬
    剤を次いで投与する工程とを含む、患者内の該細胞を殺す又は患者内の該腫瘍の
    増殖を抑制する方法であって、 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも1回投与する、方法。
  60. 【請求項60】 ビタミンD又は誘導体を、細胞毒性薬剤の1〜3日前に投
    与する、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項59又は60に記載の方法。
  62. 【請求項62】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項59〜6
    1のいずれかに記載の方法。
  63. 【請求項63】 (a)患者内の細胞又は腫瘍にビタミンD又はその誘導体
    を最初に投与する工程と、(b)該細胞又は腫瘍に少なくとも1つの細胞毒性薬
    剤を次いで投与する工程とを含む、患者内の該細胞を殺す又は患者内の該腫瘍の
    増殖を抑制する方法であって、 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1日につき少なくとも1
    回投与する、方法。
  64. 【請求項64】 ビタミンD又は誘導体を細胞毒性薬剤の1〜3日前に投与
    する、請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項63又は64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 レジメンが、アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与することを更に含む、請求項63〜6
    5のいずれかに記載の方法。
  67. 【請求項67】 (a)患者内の細胞又は腫瘍にビタミンD又はその誘導体
    を最初に投与する工程と、(b)該細胞又は腫瘍に少なくとも1つの細胞毒性薬
    剤を次いで投与する工程と、(c)アレンドロネート、クロドロネート、エチド
    ロネート、イバンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネー
    ト、及びゾレドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される少なくと
    も1つのビスホスホネートを補助的に投与する工程とを含む、患者内の該細胞を
    殺す又は患者内の該腫瘍の増殖を抑制する方法。
  68. 【請求項68】 ビタミンD又は誘導体を細胞毒性薬剤の1〜3日前に投与
    する、請求項67に記載の方法。
  69. 【請求項69】 ビタミンD又は誘導体を、連続する少なくとも2日間、1
    日につき少なくとも1回投与する、請求項67又は68に記載の方法。
  70. 【請求項70】 ビタミンD又は誘導体を、隔日に、1日につき少なくとも
    1回投与する、請求項67〜69のいずれかに記載の方法。
  71. 【請求項71】 工程(a)が、ビタミンD又は誘導体と同時のグルココル
    チコイドの投与を更に含む、請求項55〜70のいずれかに記載の方法。
  72. 【請求項72】 ビタミンD誘導体が、1,25D3の非高カルシウム血症
    性アナログである、請求項50〜71のいずれかに記載の方法。
  73. 【請求項73】 アナログが、Ro23−7553又はRo24−5531
    である、請求項72に記載の方法。
  74. 【請求項74】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項50〜7
    3のいずれかに記載の方法。
  75. 【請求項75】 患者がヒトであり、ビタミンD又は誘導体の1日投与量が
    約4μg〜約15μgである、請求項50〜74のいずれかに記載の方法。
  76. 【請求項76】 ビタミンD又は誘導体の1日投与量が約8μg〜約12μ
    gである、請求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 細胞毒性薬剤が、細胞周期のG0−G1期の細胞に選択的に
    作用する、請求項50〜76のいずれかに記載の方法。
  78. 【請求項78】 細胞毒性薬剤が白金ベースの細胞毒性薬剤である、請求項
    50〜76のいずれかに記載の方法。
  79. 【請求項79】 細胞毒性薬剤がグルココルチコイドである、請求項50〜
    76のいずれかに記載の方法。
  80. 【請求項80】 細胞毒性薬剤が、カルボプラチン、シスプラチン、デキサ
    メタゾン、パクリタキセル、又はタクサチルである、請求項50〜76のいずれ
    かに記載の方法。
  81. 【請求項81】 細胞毒性薬剤がカルボプラチンであり、AUC約5を達成
    するように計算された投与量で投与される、請求項80に記載の方法。
  82. 【請求項82】 患者がヒトであり、細胞毒性薬剤がデキサメタゾンであり
    、隔日に約1mg〜10mgの投薬スケジュールで投与される、請求項80に記
    載の方法。
  83. 【請求項83】 細胞毒性薬剤がパクリタキセルであり、投与量約80mg
    /m2で投与される、請求項80に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前立腺ガンの治療の必要のある患者に、ビタミンD又はそ
    の誘導体及びグルココルチコイドを補助的に投与することを含む、該患者内の前
    立腺ガンの治療方法。
  85. 【請求項85】 治療を繰り返す、請求項84に記載の方法。
  86. 【請求項86】 ビタミンD又は誘導体及びグルココルチコイドを、1週間
    に2〜4回、隔日に患者に投与する、請求項84又は85に記載の方法。
  87. 【請求項87】 グルココルチコイドを、ビタミンD又は誘導体の投与前に
    患者に投与する、請求項84〜86のいずれかに記載の方法。
  88. 【請求項88】 グルココルチコイドを、ビタミンD又は誘導体の投与後に
    患者に投与する、請求項84〜87のいずれかに記載の方法。
  89. 【請求項89】 ビタミンD誘導体が、非高カルシウム血症性アナログであ
    る、請求項84〜88のいずれかに記載の方法。
  90. 【請求項90】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項84〜8
    9のいずれかに記載の方法。
  91. 【請求項91】 グルココルチコイドが、コルチゾール、デキサメタゾン、
    ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、又はプレドニゾン
    からなるグルココルチコイドの群から選択される、請求項84〜90のいずれか
    に記載の方法。
  92. 【請求項92】 グルココルチコイドがデキサメタゾンである、請求項84
    〜91のいずれかに記載の方法。
  93. 【請求項93】 アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イ
    バンドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、及びゾレ
    ドロネートからなるビスホスフェートの群から選択される、細胞への少なくとも
    1つのビスホスホネートの投与を更に含む、請求項84〜92のいずれかに記載
    の方法。
  94. 【請求項94】 患者にビタミンD又はその誘導体を投与することによる患
    者を治療するための改良された方法における、患者にゾレドロネートを補助的に
    投与することを含む改良。
  95. 【請求項95】 ゾレドロネートを、ビタミンD又は誘導体の投与前に投与
    する、請求項94に記載の方法。
  96. 【請求項96】 ゾレドロネートを、約5μm/kg患者体重〜約25μg
    /kg患者体重の投薬量で投与する、請求項94又は95に記載の方法。
  97. 【請求項97】 ビタミンD誘導体が非高カルシウム血症性アナログである
    、請求項94〜96のいずれかに記載の方法。
  98. 【請求項98】 ビタミンD誘導体が1,25D3である、請求項94〜9
    7のいずれかに記載の方法。
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