JP2003525251A - シュワン細胞によるミエリンの産生を促進するための方法 - Google Patents

シュワン細胞によるミエリンの産生を促進するための方法

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Abstract

(57)【要約】 Zcyto7又はIL-17を用いるシュワン細胞におけるミエリン又はP0の発現を促進するための方法。Zcyto7又はIL-17は更に、末梢神経系の有髄化を促進するために使用される。これは、特に脱髄性疾患、例えば糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群、慢性脱髄性疾患、急性脱髄性多発神経根筋障害及びヒト免疫不全性ウイルス性脱髄性疾患又は外傷によって生じる脱髄の処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の背景 末梢神経系(PNS)は、周囲と中枢神経系(CNS)との間の橋渡しを務め
る。PNSは、情報を感覚受容器からCNSに送る一次救心性ニューロン、電気
的刺激をCNSから随意筋に伝達する体性運動ニューロン、心筋、平滑筋又は腺
に伝達する自律神経運動ニューロン、を含んで成る。ニューロンは一般的に細胞
体、及び軸索を有し、これは、細胞にシグナルを送り届けることが出来るように
、神経インパルスを長距離に及んで素速く伝導することが可能な、細胞体から伸
びる長い神経細胞の突起である。多くの脊椎ニューロンの軸索はミエリン鞘によ
って絶縁され、このことは、軸索が活動電位を伝導し得る速度を大いに増大する
。シュワン細胞は、末梢神経系の神経細胞を有髄化する(ミエリン形成する(mye
linating))ために重要である。シュワン細胞は、軸索の周囲を、それら自身の
原形質膜の層を重ねて何層にもきつい螺旋状に包み込み、それによって軸索膜を
絶縁し、その結果、ほとんど電流はそれを通過して漏れることがない。PNSの
有髄化されていない軸索はそれにも関わらずシュワン細胞に包埋されているが、
それらはミエリンによって鞘に覆われない。
【0002】 PNSの神経障害の多くが、PNSの軸索を鞘で適切に覆うシュワン細胞の脱
髄(demyelination)又は不全と関連している。それらは糖尿病性神経障害、ギラ
ン・バレー病(急性脱髄性多発神経障害)、慢性炎症性脱髄性多発神経根筋障害
(CIPD)、及びHIV炎症性脱髄性疾患である。物理的外傷による軸索の損
傷も、PNSの脱髄を招くことがある。このように、シュワン細胞によるミエリ
ンの産生を促進するために使用されうる物質を発見することの必要性が存在して
いる。
【0003】 本発明の説明 本発明は、シュワン細胞によるミエリン又はP0タンパク質の産生を促進する
ための方法であって、Zcyto7ポリペプチド又はIL-17をシュワン細胞と接触させ
ることを含んで成る方法を提供することによってこの必要性を満たす。Zcyto7ポ
リペプチドの例は、配列番号2、7、及び9〜28のポリペプチドである。
【0004】 好ましくは、処置される哺乳類はヒトであり、そしてZcyto7はヒトのアロタイ
プのものであろう。好ましくは、Zcyto7は体重1kgあたり約0.1〜100マイ
クログラム(μg)の量で投与され得る。
【0005】 本明細書で言及されている全ての引用文献の技術は、引用によってその全体が
本明細書に組み入れられる。
【0006】定義 用語「有効量」は、本発明に従い投与されるZcyto7の有効量に関して本明細書
で使用する場合、シュワン細胞によるミエリンの発現の増大を引き起こすZcyto7
の量を意味する。投与されうるZcyto7又はIL-17の有効量は、1日当たり体重1
kg当たり0.1μg〜1mgのZcyto7又はIL-17である。更に好ましくは、当
該有効量は体重1kg当たり1μg〜500μgのZcyto7又はIL-17である。Zcy
to7は、神経障害の症候がなくなるまで毎日投与されるべきである。
【0007】 用語「対立遺伝子変異体」は、同一の染色体の遺伝子座を占める遺伝子の2又
はそれ以上の別の型のいずれかを表す。対立遺伝子変異は、天然では突然変異を
介して生じ、そして個体群における表現的多型をもたらすことがある。遺伝子の
突然変異はサイレント(コードされたポリペプチドにおける無変化)であっても
よいし、又は変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしていてもよ
い。用語「対立遺伝子変異体」はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコー
ドされるタンパク質を表すために本明細書で使用される。
【0008】 Zcyto7及びZcyto7ポリペプチドを生成するための方法は、国際特許出願番号PC
T/US98/08212、公報WO98/49310に開示されている。
【0009】 序論 本発明は、Zcyto7又はIL-17がシュワン細胞によるミエリンの産生を誘導しう
るという発見に基づいている。本発明はまた、Zcyto7がシュワン細胞によるP0
(protein zero)の産生を誘導し得るという発見に基づいている。P0は末梢ミエ
リンの主要な構造タンパク質であり、そして同種親和性の免疫グロブリンの細胞
接着分子であり、これはシュワン細胞が軸索を包み、そしてコンパクトなミエリ
ンを産生する際にそれらの接着を媒介する(Spiryda L. B. J. Neurosci, Res. 5
4:137-146(1998))。
【0010】 多くの脊椎ニューロンの軸索はミエリン鞘によって絶縁され、このことは、軸
索が活動電位を伝導する速度を大いに増大する。シュワン細胞は、支持細胞又は
グリア細胞であり、末梢神経においてミエリンを形成する。シュワン細胞は、軸
索の周囲を、それら自身の原形質膜の層を重ねて何層にもきつい螺旋状に包み込
み、それによって軸索膜を絶縁し、その結果、ほとんど電流はそれを通過して漏
れることがない。鞘は、「ランヴィエ絞輪」と称されるものにより一定の間隔で
断続的になり、ここには、軸索中のほぼ全てのNa+チャンネルが集中している。
軸索膜の鞘に覆われた部分が非常にしっかりと絶縁されるのは、ある絞輪に存在
する膜の脱分極が、ほとんど直ちに受動的に次の絞輪に広がるためである。この
様に、活動電位は絞輪間を飛び越えることによって有髄化した軸索に沿って広が
り、これは跳躍伝導と称される過程である。このタイプの伝導は、2つの利点を
有する:活動電位がより速く伝わり、そして代謝エネルギーが保存されるという
ことであり、これは活動的な興奮がランヴィエ絞輪にある軸索の原形質膜の小さ
な領域に限定されるためである。有髄化した軸索における伝導は、ランヴィエ絞
輪間でわずかに減衰する(長さ定数の増大のため)素速い電気的伝導(伝導に関
する時定数の減少のため)を特徴とする。絞輪でのみ活動電位が再生成する。軸
索の有髄化は電気的伝導速度を7倍に増大する。
【0011】 有髄化した軸索はまた、有髄化していない軸索よりも更に代謝的に有効である
。ナトリウム−カリウムポンプは進入するナトリウムを押し出し、そして活動電
位の間に細胞を去るカリウムを再蓄積する。有髄化した軸索において、イオン電
流はランヴィエ絞輪にある膜の表面の小さな画分に限定される。この理由により
、膜の単位面積を越えるNa+及びK+イオンが少ないほど、Na+とK+の勾配を維持す
るために必要とされるイオンポンプの働きは少ない。
【0012】 本発明は、シュワン細胞によるミエリン又はP0の発現を誘導するための方法
である。従って、Zcyto7は、多くの脱髄性PNSの神経障害を処置し、そして外
傷によって傷ついた再生している末梢神経細胞の周辺のミエリンの産生を誘導す
るために投与され得る。
【0013】 当業者は、配列番号1及び2に開示されている配列が、ヒトZcyto7の単一の対
立遺伝子を表すことを認識するだろう。当業者は、標準的な手順に従い異なる固
体に由来するcDNA又はゲノムライブラリーを探索することによってこれらの配列
の対立遺伝子変異体をクローニングし得る。
【0014】 急性脱髄性多発性神経障害 PNSの脱髄性疾患の一例として、急性脱髄性多発性神経障害がある。この急
性脱髄性多発性神経障害は、ギヤン−バレー症候群(GBS)としても知られて
おり、世界中で、そして一年を通して発生する。それは全ての年齢及び性別の子
供及び成人を冒す。穏やかな呼吸器又は胃腸の感染は、患者の約60%において
、神経炎の症状の1〜3週間前に起こる。他のもっと希な先行する事象は、外科
手術処置、ウイルス性発疹及び他のウイルス性疾患、例えばサイトメガロウイル
ス、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全性ウイルス(HIV)、細菌感染、
例えばマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、ライム病及び
、特にカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、並びにリンパ腫
、特にホジキン病を含む。
【0015】 症候学 GBSの主要な臨床的発現は衰弱であり、これは数日間、又は1,2週間多少
対称的に展開する。上神経幹、肋間、首、及び頭蓋筋が後に冒される前に、手足
の近位及び遠位、通常下肢が影響を受ける。当該衰弱は、数日以内に呼吸不全か
ら死を伴う運動麻痺に進行する。患者の半分以上が、筋肉、主に臀部、大腿、及
び後背部のものにおける痛み及びうずく痛みを訴える。感覚異常(刺痛、灼熱感
(burning)、しびれ感)も、頻繁な、且つ初期の症状であるが、即時消退性の傾
向があり;希に、それらは当該病気を通じて現れない。最も重要な研究所での手
がかりは脳脊髄液(CSF)試験及び電気診断研究である。CSFタンパク質の
増大は、恐らく神経根の広範に広がった炎症性疾患に起因すると思われる。少数
の患者において(10%以下)、CSFタンパク質値は当該病気を通じて正常で
ある。
【0016】 電気診断研究は、当該病気の初期には正常であると思われる。これに続き、運
動ニューロンにおいて伝導速度又は伝導ブロックの低下が起こる。延長された遠
位潜時及び異常なF応答(神経の近位部の障害を有する)は、他の診断上での発
見である。
【0017】 処置 ほとんどの証拠は、この障害の臨床上での発現が、末梢神経に対する、細胞を
介した免疫学的反応であることを示唆している。通常、Zcyto7の投与は以下に列
記する投与量で、当該疾患の診断時に開始されるべきである。しかしながら、Zc
yto7を用いる処置は、潜在的な炎症症状が治まるまで遅延されてもよい。血漿交
換及びイムノグロブリンの静脈投与は、炎症症状を軽減するのに適用されうる。
最良の結果を出すためには、このことは症状の開始から2週間以内に行われるべ
きである。通常の血漿交換療法は、隔日に4〜6回の処置で200〜250mL
/kgを除去する。通常の交換のための液体は生理食塩水及び5%アルブミンで
ある。あるいは、イムノグロブリンは5日連続で0.4g/kg/日で投与され
うる。Zcyto7は、当該疾患の開始時に、炎症過程を弱めるための処置の間又は当
該処置の後、投与されうる。Zcyto7の投与は、当該患者による完全な神経学的回
復まで、定期的に、少なくとも1週間に1〜3回続けられるべきである。
【0018】 慢性炎症性脱髄性多発神経根筋障害において、他の免疫抑制剤及び血漿交換が
炎症症状を軽減するために使用されることがあり、そしてZcyto7は再有髄化を促
進するために投与されうる。
【0019】 糖尿病性神経障害 Zcyto7はまた、糖尿病性神経障害を処置するために、シュワン細胞における有
髄化の発現を促進するために使用され得る。真性糖尿病で起こる脱髄は、虚血に
よって生じると考えられている。当該患者は、以下に列記する投与量で、週に1
〜3回Zcyto7を投与されるべきである。
【0020】 外傷によって損傷した末梢神経の再有髄化を促進するためのZcyto7の使用 中枢神経系と異なり、PNSのニューロンは、外傷による損傷後に自身を再生
し、又は修復する能力を有する。PNSの軸索が外傷によって失われた後、損傷
した軸索の近位の断端は新芽を形成する。PNSにおいて、これらの新芽は伸長
し、そして、元の神経の経路が利用可能であるならば、その経路に沿って生育す
る。神経の遠位の断端におけるシュワン細胞はニューロンの変性を救うだけでな
く、それらは増殖し、そして軸索によってあらかじめ採用された経路に沿って列
を形成する。新芽を形成する軸索の成長円錐は、シュワン細胞の列に沿ったそれ
らの道を発見し、そして最終的には元の末梢標的構造に神経を分布する。次に、
シュワン細胞は軸索を再有髄化する。新規に形成した軸索の周囲にあるミエリン
鞘の形成を早めるために、Zcyto7は、神経が適当な神経学的試験によって再生し
たことが明らかとなるまで、好ましくは1〜3日おきに投与され得る。
【0021】投与形態 医薬としての使用のために、本発明のタンパク質は、常用の方法に従い非経口
、特に静脈内又は皮下のために調製される。静脈投与は、1〜7時間の典型的な
期間にわたってボーラス注射又は注入によって行われうる。通常、医薬製剤は、
医薬として許容される賦形剤、例えば塩溶液、緩衝化した塩溶液、5%デキスト
ロース/水等と組み合わせてZcyto7ポリペプチドを含むであろう。製剤は更に、
1又は複数の補形剤、保存剤、溶解剤、緩衝化物質、容器表面上でのタンパク質
の損失を防ぐためのアルブミン、等を含んでもよい。製剤化の方法は当業界で周
知であり、そして、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,
Gennaro, ed., (Mack Publishing Co, Easton, PA 19th ed., 1995)に開示され
ている。治療量は0.1〜100μg/kg患者の体重/日、好ましくは0.5
〜20μg/kg/日であり、これは当業者のレベルの範囲内である標準的な投
与量の決定に従い臨床医によって決定される正確な投与量である。当該タンパク
質は、急性処置のために、一週間以内にわたって、しばしば1〜3日間にわたっ
て投与されることがあり、あるいは慢性処置において、数ヶ月又は数年にわたっ
て投与されることがある。
【0022】核酸を基にした治療的処置 Zcyto7はまた、遺伝子治療によって投与されうる。1つの態様において、Zcyt
o7ポリペプチドをコードする遺伝子はin vivoでウイルスベクター内に導入され
る。その様なベクターは、弱毒又は欠陥DNAウイルス、例えば、限定しないが
単純ヘルペスウイルス(HSV)、パピローマウイルス、エプスタイン・バーウ
イルス(EBV)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、等を含む
。全体的に又はほぼ全体的にウイルス遺伝子を欠く欠陥ウイルスが好ましい。欠
陥ウイルスは、細胞に導入した後感染しない。欠陥ウイルスベクターの使用は、
ベクターが他の細胞に感染し得ることを心配せずに、特異的な局所化された領域
内での細胞への投与を可能にする。特定のベクターの例は、限定しないが、欠陥
ヘルペスウイルス1(HSV1)ベクター[Kaplitt et al., Molec. Cell. Neur
osci. 2:320-330(1991)]、弱毒アデノウイルスベクター、例えばStratford-Perr
icaudet et al., J. Clin. Invest. 90:626-630(1992)に記載のベクター、及び
欠陥アデノ随伴ウイルスベクター[Samulski et al., J. Virol., 61:3096-3101(
1987);Samulski et al. J. Virol., 63:3822-3828(1989)]を含む。
【0023】 別の態様において、当該遺伝子はレトロウイルスベクター、例えばAnderson等
の米国特許第5,399,346号;Mann等のCell, 33:153(1983);Temin等の米
国特許第4,650,764号; Temin等の米国特許第4,980,289号;
Markowitz等のJ. Virol., 62:1120(1988);Temin等の米国特許第5,124,2
63号;Dougherty等によって1995年3月16日に発行された国際特許出願
番号WO95/07358、及びBlood, 82:845(1993)に記載されているものに導入されう
る。
【0024】 あるいは、当該ベクターはin vivoでリポソームを用いるリポフェクションに
よって導入されうる。合成陽イオン性脂質は、マーカーをコードする遺伝子のin
vivoでのトランスフェクションのためにリポソームを調製するために使用され
得る[Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 84:7413-7417(1987); Mack
ey et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 8027-8031(1988)を参照のこと]
。in vivoで特異的な器官内に外来性遺伝子を導入するためのリポフェクション
の使用はいくつかの実施の利点を有する。特異的な細胞に対するリポソームの分
子ターゲッティングは、利点の一面を表している。はっきりしていることは、ト
ランスフェクションを特定の細胞に方向付けることが、利点の一面を表している
ことである。はっきりしていることは、トランスフェクションを特定の細胞の型
に方向付けることが、細胞の異種性を有する組織、例えば膵臓、肝臓、腎臓、及
び脳において特に有利であると考えられることである。脂質はターゲッティング
の目的のために他の分子に化学的にカップリングされ得る。ターゲッティングさ
れたペプチド、例えばホルモン又は神経伝達物質、及びタンパク質、例えば抗体
、又は非ペプチド分子が、リポソームと化学的にカップリングされうる。
【0025】 身体から細胞を摘出し、そして裸のDNAプラスミドとして当該ベクターを導
入し、そして次に形質転換した細胞を身体に再移植することは可能である。遺伝
子治療のための裸のDNAベクターは、当業者に既知の方法、例えばトランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、
細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、遺伝子銃の使用又は
DNAベクタートランスポーターの使用によって所望の細胞に導入され得る[例
えば、Wu et al., J. Biol. Chem., 267:963-967(1992); Wu et al., J. Biol.
Chem., 263:14621-14624(1988)]。
【0026】例1 Zcyto7のクローニング Zcyto7は、インターロイキン−17に対するその相同性によって、発現配列タ
グ(EST)582069(配列番号3)から同定された。当該EST5820
69のcDNAクローンは、Genome systems, IncのIMAGE(商標)consortium L
awrence Livermore National Laboratoryから得た。当該cDNAは、注目のc
DNAを有するプラスミドでトランスフェクションされたE.コリ(E. coli)を
含むアガースタブとして提供され、そして次にLBの100μg/mlアンピシ
リンと100μg/mlメチシリンのプレートにストリーキングされた。EST
582069のcDNAインサートが配列決定された。当該インサートは180
アミノ酸のオープンリーディングフレーム及び22アミノ酸のシグナルペプチド
を有する717塩基対の長さであることが決定された。
【0027】例2 Zcyto7発現ベクターの構築 473bpのZcyto7 PCR DNAフラグメントは、1μlの、例2のEST5820
69プラスミド調製物の希釈液並びに20ピコモル(pm)の配列番号4のプラ
イマー及び20pmの配列番号5のプライマーを用いて生成した。消化した反応
混合物を1%TBEゲル上で電気泳動にかけ;DNAのバンドをカミソリの刃を
用いて切り出し、そして当該DNAはQuiaquick<<Gel Extraction Kit(Quiagen)
を用いてゲルから抽出した。切り出したDNAをプラスミドnfpzp9にサブクロー
ニングし、これをBam及びXhoで切断した。Nfpzp9は、マウスのメタロチオネイン
−1プロモーター、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)リーダー、
続いて多重制限部位を含む発現カセットを含んで成る哺乳類細胞の発現ベクター
である。これらにヒト成長ホルモンのターミネーター、E.コリの複製起点及び
、SV40プロモーター、エンハンサー及び複製起点、ジヒドロ葉酸レダクター
ゼ遺伝子(DHFR)及びSV40ターミネーターを含む哺乳類の選択マーカー
発現単位が続く。
【0028】 Zcyto7は、抗Zcyto7を用いるアフィニティークロマトグラフィーによって精製
した。
【0029】例3 マウスZcyto7のクローニング マウスZcyto7は、ヒトZcyto7に対するその相同性によって、発現配列タグ(E
ST)660242(配列番号8)から同定された。当該EST660242の
cDNAクローンは、Genome systems, IncのIMAGE(商標)consortium Lawrenc
e Livermore National Laboratoryから得た。当該cDNAは、注目のcDNA
を有するプラスミドでトランスフェクションされたE.コリを含むアガースタブ
として提供され、そして次にLBの100μg/mlアンピシリンと25μg/
mlメチシリンのプレートにストリーキングされた。EST660242のcD
NAインサートが配列決定された。当該インサートは180アミノ酸のオープン
リーディングフレーム及び推定される20アミノ酸のシグナルペプチドを有する
785塩基対であることが決定された。当該配列は配列番号7及び配列番号6に
よって限定した。
【0030】例4 Zcyto7によるミエリンの発現の誘導 目的 本実験の目的は、Zcyto7がシュワン細胞によるミエリンの発現を誘導するか否
かを決定することである。
【0031】 試験系 初代シュワン細胞培養物及び後根神経節(DRG)−シュワン細胞の同時培養
物を樹立した。ラットの初代シュワン細胞を、Einheber et al., J. Cell Biol.
123:1223-1236(1994)に記載の様に単離した。シュワン細胞は、100mmポリ
−L−リジンでコーティングしたプレートにおいて、10%ウシ胎児血清(FB
S)、下垂体抽出物(1mg/ml)及び10μMフォルスコリンを添加したダ
ルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、最大80〜90%コンフルエント
になるまで生育した。
【0032】 正常なラットから分離したニューロンの培養物は、Kleitman et al., Tissue
culture methods for the study of myelination, Cultuing Nerve Cells, Bank
er and Goslin, Eds, pp. 338-378(MIT Press, Cambridge, MA, 1992)に記載さ
れている様に樹立した。要約すると、DRGをラットから解体し、0.25%ト
リプシンで処理し、機械的に分離し、洗浄し、そして10%ウシ胎児血清を含む
L15培地中で再懸濁した。ニューロンは、顕微鏡での鑑定のために、アンモニ
ア処理したラットの尾のコラーゲン(Biochemical Technologies, Inc.)でコーテ
ィングした12mmのカバーグラス上にプレーティングした。解剖1日後に開始
した培養物は、純粋なニューロンの集団を保証するために、標準的な培地中で、
3周期の5−フルオロデオキシウリジン及びウリジン(それぞれ10μM)を用
いて2週間以上処理した。標準的な培地は、10%FBS、2mMグルタミン、
0.4%グルコース、及び50ng/mlβ−神経成長因子(β−NGF)を添
加した最小必須培地(MEM)から構成した。
【0033】 有髄化する同時培養物は、前述のEinheber et al.,に記載の様にラットの下垂
体のシュワン細胞に精製したニューロンを蒔くことによって樹立した。
【0034】 被験物質及び調製方法 乳児のハムスターの腎臓(BHK)細胞で発現した、合計で4つのZcyto7の溶
液、A258F、A258G、A275F及びA311Fを解析した。溶液A258Fは、pH6.0のリン酸緩
衝液(PBS)1ml当たり0.603mgの濃度でZcyto7を含んでいた。溶液
A258Gは、pH6.0のPBS+0.1%BSA1ml当たり0.089mgの濃度でヒ
トZcyto7を含んでいた。溶液A311は、イムノグロブリン(Ig)のFc部分を当該ポ
リペプチドのカルボキシ末端と融合することによって二量体化されたZcyto7を含
み;Zcyto7融合タンパク質の濃度は、pH6.0のPBS1ml当たり0.45mg
の濃度であった。溶液A275Fは、pH6.0のPBS1ml当たり1mgの濃度でマウ
スZcyto7を含んでいた。コントロールのPBSも試験した。pH7.0のPBS1m
l当たり50μgの濃度のIL-17の溶液も試験した。
【0035】 エタノール1ml当たり1mgの濃度のプロゲステロン(Sigma)溶液も調製し
た。
【0036】 方法 実験1 純粋なシュワン細胞におけるZcyto7の効果 Zcyto7の効果は、純粋なシュワン細胞培養物及びDRGとシュワン細胞の同時
培養物において試験された。初代シュワン細胞を、上述のように100mmのプ
レートにおいて80〜90%コンフルエントになるまで生育した。処理の12時
間前に、1μMのプロゲステロンを含む又は含まない、10mlのN2(限定培
地)に培地を交換した。Zcyto7溶液を1.1mlの10倍溶液としてN2培地に
加え、そして細胞を48時間(h)インキュベートした。細胞をハンクス液(HB
SS)で一回洗浄した。細胞験濁液をドライアイスで凍結し、融解し、ペレット
化し、そして100μlの溶解バッファー、pH7.0の125mMトリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン−HCl(Tris-HCl)、15%スクロース、4%ドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)、10mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
において再懸濁した。溶解物をウォーターバスで5分(min)間煮沸し、そして氷
上で冷却した。タンパク質濃度はBioRad BCAアッセイにおいて4μl用いて決定
した。各試料は、続いてジチオスレイトール(DTT)を終濃度10mMに、フ
ェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を2mMに、ペプスタチン及び
ロイペプチンを10μg/mlになるよう添加された。
【0037】 各試料に由来する60μgのタンパク質を4〜12%トリス−グリシンNOVEX
ゲル上で、125Vの定電圧で1.5時間分離した。各ゲルは、媒体コントロー
ル、プロゲステロンコントロールを添加された媒体、及び処理群から無作為に選
択された試料、を含む。ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜へのトラン
スファーは、NOVEXのエレクトロトランスファープロトコールに従い、25Vで
、40分間で実施された。膜をトリス緩衝液(TBS)で3分間すすぎ、そして
TBS/0.1%TWEEN−20/2%BSAで1時間ブロッキングした。膜
を次にTBS/0.1%TWEEN−20、0.5%BSA中で1:1000に
希釈した抗MBPマウスモノクローナルIgG(Boehringer Mannheim)と一緒に4℃
でインキュベートした。TBS/0.1%TWEEN−20で30分間、4回洗
浄した後、膜を抗マウスセイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体(TBS/0.
1%TWEEN−20中で1:20,000に希釈)と一緒にインキュベートし
、SUPERSIGNAL化学発光HRP基質(Pierce Chemical Co., Rockford, ILL)と一
緒にインキュベートし、そしてKodak X-Rayフィルムに15〜20分間曝露した
【0038】 ミエリン塩基性タンパク質(MBP)バンドの濃度はILLUMAシステムを有する
LYNX Densitometer(Applied Imaging)上で測定し、そしてパーセントでプロゲス
テロン誘導型のコントロールMBPを表した。
【0039】 実験2 DRG−シュワン細胞(DRG−SC)同時培養物中でのミエリンの産生 有髄化する同時培養物の樹立後、シュワン細胞を1週間増殖させてニューロン
と接着させた。培地を続いて15%に交換し、そして50μg/mlのアスコル
ビン酸塩が、基底層の形成を促進し、そして有髄化を開始するために添加された
。Zcyto7の効果は、2日毎に培地を交換しながら、アスコルビン酸塩の存在下で
3.5週間評価された。培養物は、続いて3.7%ホルムアルデヒド中で10分
間固定され、そして100%メタノール中で、−20℃で15分間透過性にされ
た。3%BSAを有するPBSに続き、試料をマウス抗MBP抗体(Boehringer-
Mannheim)と一緒に一晩インキュベートし、洗浄し、そしてCy3標識した抗マ
ウスIgGとインキュベートした。試料を洗浄し、VECTASHIELDに載せ、そしてZeis
s AXIOSKOP顕微鏡を用いてエピフルオレッセンスによって試験した。
【0040】 ミエリンの産生は定量的且つ定性的に評価され、そしてミエリン密度は条件当
たり5回行ったうちのそれぞれについて決定した。各試料中の6つの代表的な領
域を低レベル光のCOHUEデジタルカメラを用いて記録し、そして蛍光シグナルの
密度を、National Institute of Health(NIH)Scion Imageを用いて決定した。ミ
エリン密度の平均及び標準偏差を各群につき決定し、そして適当なコントロール
培養中に見られた密度で割ることによってパーセンテージに変換した。形態計測
の測定は二重盲検解析を用いて実施した。
【0041】 実験の設計 実験1において、4つの異なるZcyto7の溶液の、MBPの蓄積に対する効果は
、プロゲステロンで前処理し、そして前処理していない、純粋なシュワン細胞培
養物中で評価した。溶液A275Fは、実験1において、1ng/ml、10ng/
ml、100ng/ml及び1μg/mlで評価した。
【0042】 4つのコントロールを各実験に含めた:試験媒体のみ、プロゲステロンを添加
した媒体、IL-17を添加した媒体、及びプロゲステロン及びIL-17を添加した媒体
[J. Immunol, 150:5445-5456(1993)を参照のこと]。各条件につき三回一組で行
った。
【0043】 溶液A258Fは実験1の結果に基づいて選択され、実験2においてDRG−シュ
ワン細胞同時培養物中でのミエリンの形成について評価された。
【0044】 1ng/ml、10ng/ml、及び100ng/mlのA258Fの濃度が、プ
ロゲステロンを添加せずに試験され、そしてプロゲステロンを添加した100n
g/mlの濃度を有する試料が試験された。5つのコントロールを含めた:試験
媒体のみ、アスコルビン酸塩を添加した媒体、アスコルビン酸塩とプロゲステロ
ンを添加した媒体及びアスコルビン酸塩とIL17を添加した媒体、濃度10ng/
ml及び100ng/ml。
【0045】 結果 表1は、Zcyto7の各溶液についての平均誘導±標準偏差(SD)を示す。Zcyt
o7による純粋なシュワン細胞培養物の処理は、溶液からMBP誘導の様々な値が
生じても構わない。最良の結果は溶液A258Fより得られた。他の化合物と対比し
て、培養物間の変動性は最小であった。
【0046】 プロゲステロンによるシュワン細胞培養物の前処理は、全ての場合においてM
BPの誘導を媒介しているように思われる。しかしながら、プロゲステロンによ
る前処理がなくても、溶液A258F、A258G及びA275Fは、100ng/mlで有意
にMBPの蓄積を誘導した。
【表1】
【表2】
【表3】
【0047】例5 Zcyto7によるP0の発現の誘導 この例は、Zcyto7がP0を産生するようにシュワン細胞を誘導することを示す
【0048】材料と方法 初代シュワン細胞は、1日齢のCDラット新生児を用いて上述のように調製し
た。シュワン細胞は、DMEM、10%ウシ胎児血清(FBS)、20μg/m
lのウシ下垂体抽出物(PEX)及び2μMのフォルスコリン中で生育した。当
該細胞を低血清培地(1%FBSを加えた「Li」培地)に移した。Li培地はDM
EM/F12、10μg/mlトランフェリン、5μg/mlインスリン、2n
Mプロゲステロン、2μMフォルスコリン、20μg/mlPEX、及び20n
g/mlヘレグリン−ベータ−1(R&D Systems)を含んで成る。
【0049】 シュワン細胞は、ポリ−L−リジンコーティングした10cmの組織培養ディ
ッシュ上の低血清生育培地中でコンフルエントになるまで生育された。細胞培地
は、フォルスコリン(Calbiochem)(10μM及び25μM)又は100ng/mlのヒト
Zcyto7を含むN2培地+1μMのプロゲステロンに交換した。コントロール培地
は、全ての時間につきN2+1μMプロゲステロン中のシュワン細胞とした。細
胞を採集し、そして溶解バッファー(125mMTris-HCl、pH7.0、15%スク
ロース、4%SDS、10mMEDTA、更にRoche Complete-EDTA-freeプロテ
アーゼ阻害剤カクテルを添加したもの)中に据えた。
【0050】ウェスタンブロット解析 : 細胞溶解物のタンパク質濃度はPierce BCAタンパク質アッセイ(Pierce Chemic
al Co., Rockford, Ilinois)によって決定した。40μgの各細胞溶解物試料を
4〜12%トリス−グリシンゲル(Novex)上で、125Vで1時間30分流し、
そして1時間、550mAのHoefferユニット内でPVDF膜にトランスファー
した。P0に対するマウスモノクローナル抗体は、当該ブロットをプローブする
ために1:1000希釈(1μg/mlの終濃度)で使用した。ベクタステイン
ビオチン/ストレプトアビジン−HRPー2次抗体系が増幅に使用された。当
該ブロットはPierce Supersignal West Pico化学発光基質で展開し、そしてBoeh
ringer-Mannheim Lumi-Imager上でスキャニングした。
【0051】結果 : 当該結果は、100ng/mlのヒトZcyto7が初代ラットシュワン細胞による
P0の発現を誘導することを示す。LumiAnalystプログラムによって計算された
値は、Zcyto7によるP0の誘導がコントロール細胞培養液以上に増大したことを
示した。培地のコントロールのためにバンド中のP0タンパク質の量を100%
として表すことによって、ヒトZcyto7で処理したシュワン細胞についての相対的
パーセンテージは173%であった。フォルスコリンのポジティブコントロール
も、細胞培養コントロール培地と比較して、10μMで199%、そして25μ
Mで30%の相対パーセンテージのP0タンパク質を有するP0タンパク質の誘
導を示した。
【0052】例6 ハイブリダイゼーション研究 ミエリン塩基性タンパク質及びP0の発現も、ミエリン塩基性タンパク質及び
P0をコードするmRNAレベルを測定することによって決定した。当該結果は
、ミエリン塩基性タンパク質をコードするmRNA及びP0をコードするmNA
がZcyto7によってアップレギュレートされたことを示した。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61K 37/02 ZNA C07K 14/47 C12N 5/00 E C12N 15/09 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ノバク,ジュリア イー. アメリカ合衆国,ワシントン 98110,ベ インブリッジ アイランド,バトル ポイ ント ドライブ ノースイースト 10699 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA02 EA04 HA17 4B065 AA90 BD42 CA44 4C084 AA02 AA13 BA01 CA01 DA12 MA17 MA22 MA23 MA24 MA66 NA14 ZA202 ZA222 ZB212 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 MA17 MA22 MA23 MA24 MA66 NA14 ZA20 ZA22 ZB21 4H045 AA10 AA30 BA09 CA40 EA21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミエリンの発現を促進するための方法であって、Zcyto7ポリ
    ペプチドをシュワン細胞と接触させることを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 Zcyto7ポリペプチドが配列番号2,7,及び9〜28から成
    る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 末梢神経系(PNS)の脱髄性疾患を処置するための方法で
    あって、PNSの脱髄性疾患を有する個体に治療上有効な量のZcyto7を投与する
    ことを含んで成る方法。
  4. 【請求項4】 脱髄性疾患が、糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群、
    慢性脱髄性疾患、急性脱髄性多発神経根筋障害及びヒト免疫不全性ウイルス性脱
    髄性神経障害から成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ミエリンの発現を促進するための方法であって、インターロ
    イキン−17(IL-17)ポリペプチドをシュワン細胞と接触させることを含んで成
    る方法。
  6. 【請求項6】 末梢神経系(PNS)の脱髄性疾患を処置するための方法で
    あって、PNSの脱髄性疾患を有する個体に治療上有効な量のIL-17を投与する
    ことを含んで成る方法。
  7. 【請求項7】 シュワン細胞によるP0タンパク質の発現を促進するための
    方法であって、Zcyto7ポリペプチド又はIL-17をシュワン細胞と接触させること
    を含んで成る方法。
  8. 【請求項8】 シュワン細胞によるミエリン塩基性タンパク質の発現を促進
    するための方法であって、Zcyto7ポリペプチド又はIL-17をシュワン細胞と接触
    させることを含んで成る方法。
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