JP2003525027A - Dsp−3二重特異性mapキナーゼホスファターゼ - Google Patents

Dsp−3二重特異性mapキナーゼホスファターゼ

Info

Publication number
JP2003525027A
JP2003525027A JP2001508354A JP2001508354A JP2003525027A JP 2003525027 A JP2003525027 A JP 2003525027A JP 2001508354 A JP2001508354 A JP 2001508354A JP 2001508354 A JP2001508354 A JP 2001508354A JP 2003525027 A JP2003525027 A JP 2003525027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dsp
polypeptide
polynucleotide
alternative form
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001508354A
Other languages
English (en)
Inventor
ラルフ エム. ルーヒェ,
ボ ウェイ,
Original Assignee
セプティア, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セプティア, インコーポレイテッド filed Critical セプティア, インコーポレイテッド
Publication of JP2003525027A publication Critical patent/JP2003525027A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • A61P21/04Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system for myasthenia gravis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 細胞増殖、細胞分化、および細胞の生存に関する状態の処置のための組成物および方法が、提供される。詳細には、二重特異性ホスファターゼDSP−3、およびDSP−3基質の脱リン酸化を刺激するDSP−3のポリペプチド改変体が、提供される。これらのポリペプチドを用いて、例えば、DSP−3活性を阻害する抗体および他の薬剤を同定し得る。これらのポリペプチドおよび薬剤を用いて、細胞増殖、細胞分化、および細胞の生存を調節し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的に、細胞増殖、細胞分化、および/または細胞生存における
欠損と関連する状態を処置するために有用な組成物および方法に関する。本発明
は、より詳細には、二重特異性プロテインホスファターゼおよびそのポリペプチ
ド改変体に関する。本発明はまた、増殖性応答、細胞分化、および/または細胞
生存をもたらすシグナル伝達を調節する抗体および他の薬剤(低分子を含む)の
同定のためのそのようなポリペプチドの使用に関する。
【0002】 (発明の背景) マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)は、種々の保存性
のメンバーを有する保存された細胞シグナル伝達経路の構成要素として存在する
。MAPキナーゼは、配列Thr−X−Tyrを有する二重リン酸化モチーフに
おけるリン酸化(MAPキナーゼキナーゼによる)によって活性化される。ここ
で、チロシン残基およびスレオニン残基でのリン酸化が活性に必要である。活性
化されたMAPキナーゼは、いくつかの伝達標的(transduction
target)(転写因子を含む)をリン酸化する。MAPキナーゼの不活化は
、MAPキナーゼホスファターゼといわれる二重特異性ホスファターゼによる、
この部位での脱リン酸化によって媒介される。高等真核生物において、MAPキ
ナーゼシグナル伝達の生理的役割は、増殖、腫瘍形成、発生、および分化のよう
な、細胞内事象と相関している。従って、これらの経路を介してシグナル伝達を
調節する能力は、MAPキナーゼシグナル伝達と関連するヒト疾患(例えば、癌
)についての処置および予防療法の開発をもたらし得る。
【0003】 二重特異性プロテインチロシンホスファターゼ(二重特異性ホスファターゼ)
は、ホスホチロシン残基とホスホスレオニン/セリン残基との両方を脱リン酸化
するホスファターゼである(Waltonら、Ann.Rev.Biochem
.62:101−120,1993)。MAPキナーゼを不活性化するいくつか
の二重特異性ホスファターゼが同定されており、これらには、MKP−1(WO
97/00315;KeyseおよびEmslie、Nature 59:64
4−647、1992)、MKP−4、MKP−5、MKP−7、Hb5(WO
97/06245)、PAC1(Wardら、Nature 367:651−
654、1994)、HVH2(GuanおよびButch、J.Biol.C
hem.270:7197−7203,1995)、およびPYST1(Gro
omら、EMBO J.15:3621−3632,1996)が含まれる。特
定の二重特異性ホスファターゼの発現は、ストレスまたはマイトジェンによって
誘導されるが、他の二重特異性ホスファターゼは、特定の細胞型において構成的
に発現されるようである。二重特異性ホスファターゼの発現および活性の調節は
、細胞増殖、細胞分化、および細胞生存を含む、MAPキナーゼ媒介性の細胞機
能の制御に重要である。例えば、二重特異的ホスファターゼは、細胞増殖のネガ
ティブレギュレーターとして機能し得る。細胞の型または活性化に関して種々の
特異性を有する、多くのこのような二重特異性ホスファターゼが存在する可能性
がある。しかし、二重特異性ホスファターゼの調節は、理解が乏しいままであり
、そして比較的少ない数の二重特異性ホスファターゼのみしか同定されていない
【0004】 従って、当該分野において、MAPキナーゼシグナル伝達カスケードにおける
、MAPシグナル伝達、および二重特異性ホスファターゼの調節の理解の改善に
ついての必要性が存在する。二重特異性ホスファターゼ調節の理解の増加は、M
APキナーゼカスケードに関与するタンパク質の活性を調節するための方法の開
発、およびこのようなカスケードと関連する状態を処置するための方法の開発を
容易にし得る。本発明は、これらの必要性を満たし、そしてさらに、他の関連す
る利点を提供する。
【0005】 (発明の要旨) 手短に述べれば、本発明は、細胞増殖応答を調節し得る薬剤を同定するための
組成物および方法を提供する。1つの局面において、本発明は、配列番号2に列
挙されるDSP−3の配列またはその改変体を有する単離されたDSP−3ポリ
ペプチドを提供し、この改変体は、配列番号2の残基の50%以下において、1
以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入、または置換にて異なり、そのポリペプチド
が活性化MAPキナーゼを脱リン酸化する能力を保持している。
【0006】 さらなる局面において、本発明は、配列番号2に対応する配列を有するポリペ
プチドの少なくとも10個連続するアミノ酸をコードする単離されたポリヌクレ
オチドを提供する。特定の実施形態において、本発明は、配列番号2に対応する
配列を有するポリペプチドの少なくとも15個連続するアミノ酸をコードする単
離されたポリヌクレオチドを提供する。特定のこのようなポリヌクレオチドは、
DSP−3ポリペプチドをコードする。なおさらに、ポリヌクレオチドは、DS
P−3ポリヌクレオチドの一部に相補的である少なくとも15個連続するヌクレ
オチドを含み、かつ/または0.1×SSCおよび0.1% SDS中で、50
℃で、15分間の洗浄を含む条件下で、配列番号1に列挙される配列の相補体に
検出可能にハイブリダイズする、アンチセンスポリヌクレオチドであり得る。前
述のポリヌクレオチドのいずれかを含む発現ベクター、およびそのような発現ベ
クターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞もまた、提供される。
【0007】 本発明はさらに、他の局面において、以下の工程:(a)DSP−3ポリペプ
チドの発現を可能にする条件下で、上記のような宿主細胞を培養する工程;およ
び(b)宿主細胞培養物からDSP−3ポリペプチドを単離する工程、を包含す
る、DSP−3ポリペプチドを産生するための方法を提供する。
【0008】 DSP−3ポリペプチド(例えば、配列番号2の配列を有するポリペプチド)
に特異的に結合する、単離された抗体およびその抗原結合フラグメントもまた、
本発明によって提供される。
【0009】 本発明はさらに、他の局面において、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体
またはそのフラグメントを、生理学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む
、薬学的組成物を提供する。
【0010】 さらなる局面において、本発明は、サンプル中のDSP−3発現を検出するた
めの方法を提供し、この方法は、(a)抗体/DSP−3複合体の形成を可能に
するのに十分な条件下かつ時間の間、サンプルを、抗体またはその抗原結合フラ
グメントと接触させる工程;および(b)抗体/DSP−3複合体のレベルを検
出する工程、を包含する。
【0011】 なお他の局面において、本発明は、サンプル中のDSP−3発現を検出するた
めの方法を提供し、この方法は、(a)サンプルを、上記のようなアンチセンス
ポリヌクレオチドと接触させる工程;および(b)そのアンチセンスポリヌクレ
オチドとハイブリダイズするDSP−3ポリヌクレオチドの量を、そのサンプル
中で検出する工程、を包含する。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応またはハイブリ
ダイゼーションアッセイを用いて、そのアンチセンスポリヌクレオチドとハイブ
リダイズするDSP−3ポリヌクレオチドの量が決定され得る。
【0012】 本発明はまた、酵素活性および/または基質結合のモジュレーターについての
スクリーニングアッセイにおいて有用なDSP−3ポリペプチドを提供する。他
の局面において、DSP−3活性を調節する薬剤についてスクリーニングするた
めの方法もまた提供され、この方法は以下の工程を包含する:(a)候補薬剤を
上記のようなDSP−3ポリペプチドと、そのポリペプチドと候補薬剤との間の
相互作用を可能にするのに十分な条件下かつ時間の間、接触させる工程;および
(b)続いて、候補薬剤の非存在下で、そのポリペプチドがDSP−3基質を脱
リン酸化する予め決定された能力と比較して、DSP−3基質を脱リン酸化する
そのポリペプチドの能力を評価する工程。このような方法は、インビトロまたは
細胞環境中(例えば、インタクトな細胞中)で実施され得る。
【0013】 さらなる局面において、DSP−3活性を調節する薬剤についてスクリーニン
グするための方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:(a)候補
薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作
動可能に連結されたDSP−3プロモーターを含む細胞と、そのプロモーターと
候補薬剤との間の相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で、接触させる工
程;ならびに(b)引き続いて候補薬剤の非存在下での予め決定されたレベルの
発現と比較して、そのポリヌクレオチドの発現を評価する工程。
【0014】 細胞における増殖性応答を調節するための方法もまた、提供され、その方法は
、DSP−3活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0015】 さらなる局面において、細胞の分化を調節するための方法が提供され、その方
法は、DSP−3活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0016】 本発明はさらに、細胞の生存を調節するための方法を提供し、その方法は、D
SP−3活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0017】 関連する局面において、本発明は、DSP−3活性と関連する(または、DS
P−3の投与により処置可能な)障害に罹患した患者を処置するための方法を提
供し、この方法は、DSP−3活性を調節する薬剤の治療上有効な量を患者に投
与する工程を包含する。このような障害としては、デュシェーヌ筋ジストロフィ
ーならびに癌、対宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレルギー、代謝疾患、異常
な細胞成長(growth)、異常な細胞増殖(proliferation)
および細胞周期異常が、挙げられる。
【0018】 さらなる局面において、DSP−3基質捕捉変異体ポリペプチドが提供される
。このようなポリペプチドは、配列番号2の残基の50%以下において、1以上
のアミノ酸の欠失、付加、挿入または置換にて、配列番号2に記載される配列と
異なり、そのポリペプチドは、DSP−3と比較して実質的には減少していない
親和性で基質に結合し、そして、そのポリペプチドが基質を脱リン酸化する能力
は、DSP−3と比較して減少している。特定の実施形態において、基質捕捉変
異体ポリペプチドは、配列番号2の57位または88位の置換を含む。
【0019】 本発明はさらに、他の局面において、DSP−3と相互作用する能力について
分子をスクリーニングするための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含
する:(a)候補分子を上記のポリペプチドと、その候補分子とポリペプチドと
が相互作用するのを可能にするに十分な条件かつ時間で、接触させる工程;なら
びに(b)そのポリペプチドへのその候補分子の結合の存在または非存在を検出
する工程。この検出工程は、例えば、アフィニティー精製工程、酵母ツーハイブ
リッドスクリーニング、またはファージディスプレイのスクリーニングを含み得
る。
【0020】 1つの局面において、本発明は、配列番号21に記載されるDSP−3代替形
態の配列またはその改変体を含む単離されたDSP−3ポリペプチドを提供し、
この改変体は、配列番号21の残基の50%以下において、1以上のアミノ酸欠
失、付加、挿入または置換にて異なり、その結果、このポリペプチドは、活性化
MAP−キナーゼを脱リン酸化する能力を保持する。
【0021】 さらなる局面において、本発明は、配列番号21に対応する配列を有するポリ
ペプチドの少なくとも10個の連続アミノ酸をコードする単離されたポリヌクレ
オチドを提供する。特定の実施形態において、本発明は、配列番号21に対応す
る配列を有するポリペプチドの少なくとも15個の連続したアミノ酸をコードす
る単離されたポリヌクレオチドを提供する。特定のこのようなポリヌクレオチド
は、DSP−3代替形態ポリペプチドをコードする。なおさらに、ポリヌクレオ
チドは、DSP−3代替形態のポリペプチドの一部に相補的な少なくとも15個
の連続したヌクレオチドを含み、そして/または60℃での15分間の0.1×
SSCおよび0.1% SDS中での洗浄を含む条件下で、配列番号20に記載
される配列の相補体に検出可能にハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオ
チドであり得る。前述のポリヌクレオチドのいずれかを含む発現ベクター、およ
びこのような発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞も
また、提供される。
【0022】 他の局面において、本発明はさらに、以下の工程:(a)DSP−3代替形態
ポリペプチドの発現を可能にする条件下で、上記の宿主細胞を培養する工程;お
よび(b)DSP−3代替形態ポリペプチドを宿主細胞培養物から単離する工程
、を包含するDSP−3代替形態ポリペプチドを産生するための方法をさらに提
供する。
【0023】 単離された抗体、およびその抗原結合フラグメント(これらは、配列番号21
の配列を有するポリペプチドのようなDSP−3代替形態のポリペプチドに特異
的に結合する)もまた、本発明により提供される。
【0024】 他の局面において、本発明は、さらに、生理学的に受容可能なキャリアと組み
合わせて、上記のようなポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体またはそのフラ
グメントを含む薬学的組成物を提供する。
【0025】 さらなる局面において、本発明は、以下の工程を含む、サンプル中のDSP−
3代替形態発現を検出するための方法を提供する:(a)抗体/DSP−3代替
形態複合体の形成を可能にするのに十分な条件でかつ時間で、上記のような抗体
またはその抗原結合フラグメントとサンプルを接触させる工程;および(b)抗
体/DSP−3代替形態複合体のレベルを検出する工程。
【0026】 なお他の局面において、本発明は、以下の工程を含む、サンプル中のDSP−
3代替形態発現を検出するための方法を提供する:(a)上記のようなアンチセ
ンスポリヌクレオチドとサンプルを接触させる工程;および(b)サンプル中の
アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズするDSP−3代替形態ポリヌ
クレオチドの量を検出する工程。アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイ
ズするDSP−3代替形態ポリヌクレオチドの量を、例えば、ポリメラーゼ連鎖
反応またはハイブリダイゼーションアッセイを用いて決定し得る。
【0027】 本発明はまた、酵素活性および/または基質結合のモジュレーターについての
スクリーニングアッセイに有用なDSP−3代替形態のポリペプチドを提供する
。他の局面において、以下の工程を含む、DSP−3代替形態活性を調節する薬
剤についてのスクリーニングのための方法がまた、提供される:(a)ポリペプ
チドと候補薬剤との間の相互作用を可能にするのに十分な条件下でかつ時間で、
上記のようなポリペプチドと候補薬剤を接触させる工程;および(b)候補薬剤
の非存在でDSP−3代替形態基質を脱リン酸化するポリペプチドの予め決定さ
れた能力と比較して、DSP−3代替形態基質を脱リン酸化するポリペプチドの
能力をその後に評価する工程。このような方法は、インビボまたは細胞環境(例
えば、インタクトな細胞内で)実施され得る。
【0028】 さらなる局面において、以下の工程を包含する、DSP−3代替形態活性を調
節する薬剤についてスクリーニングするための方法が、提供される:(a)プロ
モーターと候補薬剤との間の相互作用を可能にするのに十分な条件下でかつ時間
で、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドに操作可
能に連結されたDSP−3代替形態プロモーターを含む細胞と候補薬剤を接触さ
せる工程;および(b)候補薬剤の非存在下で予め決定された発現のレベルと比
較して、ポリヌクレオチドの発現をその後に評価する工程。
【0029】 DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する、
細胞における増殖応答を調節するための方法がまた、提供される。
【0030】 さらなる局面において、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触
させる工程を包含する、細胞の分化を調節する方法が、提供される。
【0031】 本発明は、さらに、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触させ
る工程を包含する、細胞生存を調節するための方法を提供する。
【0032】 関連した局面において、本発明は、DSP−3代替形態活性に関連する障害(
またはDSP−3代替形態の投与によって処置可能な障害)に罹患する患者を処
置する方法を提供する。この方法は、DSP−3代替形態活性を調節する治療有
効量の薬剤を患者に投与する工程を包含する。このような障害としては、癌、対
宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレルギー、代謝疾患、異常な細胞成長(gr
owth)、異常な細胞増殖(proliferation)および細胞周期異
常が、挙げられる。
【0033】 さらなる局面において、変異ポリペプチドを捕捉するDSP−3代替形態基質
が提供される。このようなポリペプチドは、配列番号21における残基の50%
以下において、1以上のアミノ酸欠失、付加、挿入または置換にて配列番号21
に記載される配列と異なり、その結果、このポリペプチドは、DSP−3代替形
態に比較して実質的に減少されない親和性で基質に結合し、かつ基質を脱リン酸
化するこのポリペプチドの能力は、DSP−3代替形態に比較して減少される。
特定の特異的実施形態において、基質捕捉変異ポリペプチドは、配列番号21の
57位または88位に置換を含む。
【0034】 他の局面において、本発明は、さらに、以下の工程を包含する、DSP−3代
替形態と相互作用する能力について分子をスクリーニングするための方法を提供
する:(a)候補分子およびポリペプチドに相互作用させるに十分な条件下かつ
時間で上記のようなDSP−3代替形態ポリペプチドまたはその改変体と候補分
子を接触させる工程;および(b)候補分子のポリペプチドへの結合の存在また
は非存在を検出する工程。検出する工程は、例えば、アフィニティー精製工程、
酵母ツーハイブリッドスクリーンまたはファージディスプレイライブラリーのス
クリーンを含み得る。
【0035】 本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面
を参照することによって、明らかになる。本明細書中に開示されるすべての参考
文献は、各々が個別に援用されたかのように、その全体が参考として本明細書中
に援用される。
【0036】 (発明の詳細な説明) 上記のように、本発明は、一般的に、インビトロおよびインビボでの細胞増殖
性応答を調節(すなわち、刺激または阻害)するための、組成物および方法に関
する。詳細には、本発明は、二重特異性ホスファターゼDSP−3またはDSP
−3代替形態(図1〜2、5〜6;配列番号1、2、20、21)、ならびにそ
の改変体、ならびにDSP−3またはDSP−3代替形態に特異的に結合する抗
体を提供する。また、本明細書中に提供されるのは、スクリーニング、検出アッ
セイ、および関連する治療用途のためにこのような化合物を使用するための、方
法である。
【0037】 (DSP−3ポリペプチドおよびDSP−3ポリヌクレオチド) 本明細書中で使用される場合、用語「DSP−3ポリペプチド」または「DS
P−3代替形態ポリペプチド」とは、本明細書中に提供されるようなDSP−3
配列またはそのような配列の改変体を含む、ポリペプチドをいう。このようなポ
リペプチドは、DSP−3基質中のチロシン残基およびスレオニン/セリン残基
の両方を脱リン酸化し得、ネイティブの全長DSP−3と比較して、実質的には
減少していない活性を有する。DSP−3基質は、活性化(すなわち、リン酸化
)MAP−キナーゼを含む。他の基質は、本明細書中で記載されるように、基質
捕捉変異体を使用して同定され得、そして1つ以上のリン酸化チロシン残基、ス
レオニン残基および/またはセリン残基を有する、ポリペプチドを含む。
【0038】 本発明の範囲内のDSP−3またはDSP−3代替形態ポリペプチド改変体は
、1つ以上の置換、欠失、付加および/または挿入を含み得る。特定のDSP−
3またはDSP−3代替形態改変体について、この改変体が、DSP−3基質内
のチロシンおよびスレオニン残基を脱リン酸化する能力は、実質的には減少しな
い。このようなDSP−3改変体が、DSP−3基質内のチロシンおよびスレオ
ニン残基を脱リン酸化する能力は、ネイティブのDSP−3またはDSP−3代
替形態と比較して、増強され得るか、または無変化であり得るか、あるいは、ネ
イティブのDSP−3またはDSP−3代替形態と比較して、50%未満減少さ
れ得、そして好ましくは、20%未満減少され得る。このような改変体は、本明
細書中で提供される代表的なアッセイを使用して、同定され得る。
【0039】 本発明によって、特定の機能が無能力にされているDSP−3またはDSP−
3代替形態の改変された形態もまた意図される。例えば、このようなタンパク質
は、構成的に活性または不活性であり得るか、あるいは、変更された結合性質ま
たは触媒性質を示し得る。このような変更されたタンパク質は、周知技術を使用
して生成され得、そして変更された機能は、本明細書中で提供されるようなスク
リーニングを使用して確認され得る。特定の改変されたDSP−3またはDSP
−3代替形態ポリペプチドは、「基質捕捉変異体」として公知である。このよう
なポリペプチドは、基質を結合する能力を保持する(すなわち、Kmが実質的に
は減少していない)が、基質を脱リン酸化する能力の減少(すなわち、kcat
、好ましくは、1分当たり1未満まで減少している)を示す。さらに、基質捕捉
変異体/基質複合体の安定性は、DSP−3/基質複合体(DSP−3代替形態
/基質複合体を含む)の安定性と比較して、実質的に減少していないはずである
。複合体安定性は、会合定数(Ka)に基づいて評価され得る。Km、kcatおよ
びKaの決定は、当該分野で公知の標準的な技術(例えば、WO 98/047
12;Lehninger,Biochemistry,1975 Worth
Publishers,NYを参照のこと)および本明細書中で提供されるア
ッセイを使用して、容易に達成され得る。基質捕捉変異体は、例えば、57位ま
たは88位でのアミノ酸置換によりDSP−3を改変することによって(例えば
、57位のアミノ酸アスパラギン酸をアラニン残基で置換することによって、ま
たは残基88のシステインをセリンで置換することによって)生成され得る。基
質捕捉変異体は、例えば、DSP−3基質を同定するために使用され得る。手短
に言えば、改変されたDSP−3またはDSP−3代替形態が、候補基質と接触
されて(単独、または細胞抽出物のようなタンパク質の混合物内で)、基質/D
SP−3複合体の形成が可能になり得る。次いで、この複合体は、従来技術によ
って単離され得、基質の単離および特徴付けが可能になり得る。基質捕捉変異体
の調製および使用は、例えば、PCT公開番号WO 98/04712に記載さ
れる。
【0040】 好ましくは、改変体は、保存的置換を含む。「保存的置換」は、1つのアミノ
酸が、類似の性質を有する別のアミノ酸と置換され、ペプチド化学の当業者が、
そのポリペプチドの二次構造および疎水性親水性性質(hydropatic
nature)が実質的に変化しないことを予期するような置換である。アミノ
酸置換は、一般的に、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/また
は両親媒性性質の類似性に基づいてなされ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸
としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる;正に荷電したアミ
ノ酸としては、リシンおよびアルギニンが挙げられる;ならびに類似の親水性価
を有する非荷電の極性ヘッド基(head group)を有するアミノ酸とし
ては、ロイシン、イソロイシンおよびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパ
ラギンおよびグルタミン;ならびにセリン、スレオニン、フェニルアラニンおよ
びチロシンが挙げられる。保存的変化を代表し得るアミノ酸の他のグループとし
ては以下が挙げられる:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gl
n、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)
val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、h
is;および(5)phe、tyr、trp、his。改変体はまた、あるいは
代わりに、非保存的変化を含み得る。
【0041】 一般的に、改変は、重要でない領域において、より容易になされ得、重要でな
い領域とは、DSP−3またはDSP−3代替形態の活性を実質的には変化しな
いネイティブ配列の領域である。重要でない領域は、本明細書中に記載されるよ
うな、特定の領域におけるDSP−3配列の改変、およびホスファターゼアッセ
イにおける得られた改変体の能力の評価によって同定され得る。好ましい配列改
変は、活性部位ドメイン(VHCLAGVSRS、配列番号3)を保持するよう
になされる。特定の好ましい実施形態において、このような改変は、DSP−3
(またはDSP−3代替形態)とDSP−3基質以外の細胞成分との間の相互作
用に影響を及ぼす。しかし、置換はまた、得られた改変体が、基質脱リン酸化を
刺激する能力を実質的に保持するならば、ネイティブタンパク質の重要な領域に
おいてなされ得る。特定の実施形態において、改変体は、50%以下、好ましく
は、25%以下のアミノ酸残基の、置換、欠失、付加および/または挿入を含む
【0042】 改変体はまた(あるいは、代わりに)、例えば、そのポリペプチドの活性に対
して最小の影響を有するアミノ酸の欠失または付加によって改変され得る。特に
、改変体は、アミノ末端および/またはカルボキシ末端で、さらなるアミノ酸配
列を含み得る。このような配列は、例えば、そのポリペプチドの精製または検出
を容易にするために使用され得る。
【0043】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドは、種々の周知技術の
うちのいずれかを使用して調製され得る。以下に記載されるようなDNA配列に
よってコードされる組換えポリペプチドは、当業者に公知の種々の発現ベクター
のうちのいずれかを使用して、それらのDNA配列から容易に調製され得る。発
現は、組換えポリペプチドをコードするDNA分子を含む発現ベクターで形質転
換されたかまたはトランスフェクトされた、任意の適切な宿主細胞において達成
され得る。適切な宿主細胞としては、原核生物、酵母および高等真核生物細胞(
哺乳動物細胞を含む)が挙げられ、そしてグリコシル化にて異なる形態が、宿主
細胞または単離後のプロセシングを変化させることによって生成され得る。培養
培地へ組換えタンパク質またはポリペプチドを分泌する適切な宿主/ベクター系
由来の上清は、市販のフィルターを使用して最初に濃縮され得る。濃縮後、その
濃縮物は、適切な精製マトリックス(例えば、アフィニティマトリックスまたは
イオン交換樹脂)に適用され得る。最終的に、1つ以上の逆相HPLC工程を利
用して、組換えポリペプチドがさらに精製され得る。
【0044】 約100個よりも少ないアミノ酸、そして一般的には約50個よりも少ないア
ミノ酸を有する、部分および他の改変体はまた、当業者に周知の技術を使用して
、合成手順によって生成され得る。例えば、このようなポリペプチドは、市販の
固相技術(例えば、Merrifield固相合成法)のうちのいずれかを使用
して、合成され得、ここで、アミノ酸は、連続して、伸長するアミノ酸鎖に付加
される。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149
−2146,1963を参照のこと。ポリペプチドの自動合成のための装置は、
Perkin−Elmer,Inc.,Applied BioSystems
Division(Foster City,CA)のような供給者から市販
されており、そして製造業者の使用説明書に従って、操作され得る。
【0045】 「DSP−3ポリヌクレオチド」は、DSP−3またはDSP−3代替形態ポ
リペプチドまたはその改変体の少なくとも一部分をコードする任意のポリヌクレ
オチドであるか、あるいはこのようなポリヌクレオチドに相補的である任意のポ
リヌクレオチドである。好ましいポリヌクレオチドは、DSP−3またはDSP
−3代替形態ポリペプチドをコードするかまたはこのような配列に相補的である
、少なくとも15個連続したヌクレオチド、好ましくは、少なくとも30個連続
したヌクレオチドを含む。特定のポリヌクレオチドは、DSP−3またはDSP
−3代替形態ポリペプチドをコードする;他のポリヌクレオチドは、以下に記載
されるようなプローブ、プライマーまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとし
ての使用を見出し得る。ポリヌクレオチドは、一本鎖(コード鎖またはアンチセ
ンス鎖)あるいは二本鎖であり得、そしてDNA(ゲノムDNA、cDNAまた
は合成DNA)分子あるいはRNA分子であり得る。さらなるコード配列または
非コード配列が、本発明のポリヌクレオチド内に存在し得るが、必ずしもその必
要はなく、そしてポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持物質に連結
され得るが、必ずしもその必要はない。
【0046】 DSP−3ポリヌクレオチドは、ネイティブ配列(すなわち、内因性DSP−
3またはDSP−3代替形態配列あるいはその一部分またはスプライス改変体)
を含み得るか、あるいはこのような配列の改変体を含み得る。ポリヌクレオチド
改変体は、上記のように、コードされたポリペプチドの活性が、実質的には減少
しないように、1つ以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得る。コ
ードされたポリペプチドの活性に対する効果は、一般的に、本明細書中に記載さ
れるように評価され得る。改変体は、好ましくは、ネイティブのDSP−3また
はDSP−3代替形態またはその一部分をコードするポリヌクレオチド配列に、
少なくとも約70%の同一性、より好ましくは、少なくとも約80%の同一性お
よび最も好ましくは、少なくとも約90%の同一性を示す。パーセント同一性は
、AlignまたはBLASTアルゴリズム(Altschul,J.Mol.
Biol.219:555−565,1991;HenikoffおよびHen
ikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1091
5−10919,1992)のような当業者に周知のコンピュータアルゴリズム
を使用して、配列を比較することによって容易に決定され得、このアルゴリズム
は、NCBIウェブサイト(http://www/ncbi.nlm.nih
.gov/cgi−bin/BLAST)で入手可能である。デフォルトパラメ
ータが使用され得る。特定の改変体は、ネイティブの遺伝子に実質的に相同性で
ある。このようなポリヌクレオチド改変体は、中程度にストリンジェントな条件
下で、ネイティブのDSP−3またはDSP−3代替形態(または、相補的配列
)をコードする天然に存在するDNA配列またはRNA配列とハイブリダイズし
得る。適切な中程度にストリンジェントな条件は、例えば、5×SSC、0.5
% SDS、1.0mM EDTA(pH 8.0)の溶液中で予め洗浄する工
程;50℃〜70℃、5×SSCで、1〜16時間(例えば、一晩)ハイブリダ
イズする工程;その後、22〜65℃にて20〜40分間で1回または2回、0
.05〜0.1% SDSを含む2×SSC、0.5×SSCおよび0.2×S
SCの各々の1つ以上で、洗浄する工程を包含する。さらなるストリンジェンシ
ーのために、条件は、50〜60℃で15〜40分間の0.1×SSCおよび0
.1% SDSでの洗浄を含み得る。当業者に公知のように、ハイブリダイゼー
ション条件のストリンジェンシーの変化は、プレハイブリダイゼーション工程、
ハイブリダイゼーション工程および洗浄工程のために使用される時間、温度およ
び/または溶液の濃度を変更することによって達成され得、そして適切な条件は
また、使用されるプローブの特定のヌクレオチド配列、およびブロットされた発
端(proband)の核酸サンプルの特定のヌクレオチド配列に部分的に依存
し得る。従って、適切にストリンジェントな条件は、プローブの所望の選択性が
、1つ以上の特定の発端配列にハイブリダイズするが他の特定の発端配列にはハ
イブリダイズしない能力に基づいて、同定される場合、過度の実験を伴わずに容
易に選択され得ることが認識される。
【0047】 遺伝コードの縮重の結果として、本明細書中に記載される通りのポリペプチド
をコードする多くのヌクレオチド配列が存在することもまた当業者によって認識
される。これらのポリヌクレオチドのうちのいくつかは、任意のネイティブな遺
伝子のヌクレオチド配列に対して最小の相同性を保有する。それにもかかわらず
、コドン使用法の相違に起因して変化するポリヌクレオチドが、本発明によって
特に意図される。
【0048】 ポリヌクレオチドは、任意の種々の技術を用いて調製され得る。例えば、ポリ
ヌクレオチドは、適切な細胞または組織型(例えば、ヒトの骨格筋細胞)から調
製されたcDNAから増幅され得る。このようなポリヌクレオチドは、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅され得る。このアプローチについては、配
列特異的プライマーが、本明細書中に提供される配列に基づいて設計され得、そ
して購入または合成され得る。
【0049】 増幅された部分を用い、周知の技術を用いて全長の遺伝子が適切なライブラリ
ー(例えば、ヒト骨格筋細胞のcDNA)から単離され得る。このような技術内
で、増幅に適切な1以上のポリヌクレオチドプローブまたはポリヌクレオチドプ
ライマーを用いてライブラリー(cDNAまたはゲノム)がスクリーニングされ
る。好ましくは、ライブラリーは、より大きな分子を含むように大きさが選択さ
れる。ランダムプライムライブラリーもまた、遺伝子の5’領域および上流領域
を同定するために好適であり得る。ゲノムライブラリーは、イントロンを得るた
めおよび5’配列を伸長させるために好適である。
【0050】 ハイブリダイゼーション技術について、部分配列が、周知の技術を用いて(例
えば、32Pを用いるニックトランスレーションまたは末端標識によって)標識さ
れ得る。次いで、細菌ライブラリーまたはバクテリオファージライブラリーが、
変性した細菌コロニーを含むフィルター(またはファージプラークを含むローン
(lawn))を、標識したプローブを用いてハイブリダイズすることによって
スクリーニングされ得る(例えば、Sambrookら,Molecular
Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor Laboratories,Cold Spring
Harbor,NY,1989を参照のこと)。ハイブリダイズするコロニーま
たはプラークが選択され、そして増殖され、そしてさらなる分析のためにDNA
が単離される。クローンを分析して、例えば、部分配列由来のプライマーおよび
ベクター由来のプライマーを用いるPCRによって、さらなる配列の量が決定さ
れ得る。制限地図および部分配列を生成して、オーバーラップする1以上のクロ
ーンを同定し得る。周知の技術を用いて適切なフラグメントを連結することによ
って、全長のcDNA分子を生成し得る。
【0051】 あるいは、部分的cDNA配列から全長のコード配列を得るための多数の増幅
技術が存在する。このような技術では、増幅は一般に、PCRを介して行われる
。このような技術の1つは、「cDNA末端の迅速増幅」、すなわち、RACE
として公知である。この技術は、内部プライマーと、ポリA領域またはベクター
配列にハイブリダイズする外部プライマーとを使用して、既知の配列の5’側
である配列および3’側である配列を同定することを含む。任意の種々の市販の
キットを用いて、増幅工程を行い得る。例えば、当該分野で周知のソフトウェア
を使用して、プライマーを設計し得る。プライマーは好ましくは、17〜32ヌ
クレオチド長であり、少なくとも40%のGC含量を有し、そして約54℃〜7
2℃の温度で標的配列にアニーリングする。増幅された領域は、上記の通りに配
列決定され得、そしてオーバーラップする配列は、連続した配列へと集合され得
る。
【0052】 DSP−3をコードするcDNA配列を図1(配列番号1)に提供し、そして
推定アミノ酸配列を図2(配列番号2)に提供する。DSP−3代替形態をコー
ドするcDNA配列は、図5(配列番号20)中に提供され、そして推定アミノ
酸配列が、図46(配列番号21)に提供される。DSP−3の活性部位VHC
LAGVSRS(配列番号3)は、配列番号1(図1:開始コドンはヌクレオチ
ド位置番号1で開始する)のヌクレオチド位置258〜285に位置するヌクレ
オチド塩基によってコードされる。この部位にすぐ隣接する配列情報を用い、ヒ
トの骨格筋細胞のcDNAを用いる5’RACE反応および3’RACE反応を
設計して、552塩基対によってコードされる184アミノ酸のタンパク質を同
定した。このタンパク質は、二重特異性ホスファターゼ−3、すなわち、DSP
−3と呼ばれる。DSP−3についてのmRNA(message)が、ヒト骨
格筋組織で他の組織よりも非常に豊富に観察された。図3に示す配列比較によっ
て示されるように、DSP−3は、他のMAPキナーゼホスファターゼに対して
有意な相同性を示す。
【0053】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリヌクレオチド改変体は一般に、
例えば、固相化学合成を含む当該分野で公知の任意の方法によって調製され得る
。ポリヌクレオチド配列の改変はまた、オリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発
(oligonucleotide−directed site−speci
fic mutagenesis)のような標準的な変異誘発技術を用いて導入
され得る。あるいは、RNA分子が、DSP−3をコードするDNA配列または
その一部分のインビトロまたはインビボでの転写によって生成され得、但し、こ
のDNAは、適切なRNAポリメラーゼプロモーター(例えば、T7またはSP
6)を有するベクターに組み込まれる。特定のポリヌクレオチドを用いて、本明
細書中に記載されるように、コードされるポリペプチドを調製し得る。さらに、
あるいは、ポリヌクレオチドは、コードされるポリペプチドがインビボで生成さ
れるように、患者に投与され得る。
【0054】 コード配列の少なくとも一部分に相補的であるポリヌクレオチド(例えば、ア
ンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイム)はまた、プローブまたはプライ
マーとして使用され得るか、または遺伝子発現を改変するために使用され得る。
アンチセンス薬剤としての使用のためのオリゴヌクレオチドおよびリボザイム、
ならびにそれらの標的化された送達のための遺伝子をコードするDNAの同定は
、当該分野で周知の方法を含む。例えば、このようなオリゴヌクレオチドの所望
の特性、長さおよび他の特徴は、周知である。アンチセンスオリゴヌクレオチド
は、代表的には、以下のような結合を使用することによって、内因性ヌクレオチ
ド分解酵素による分解に耐えるように設計される:ホスホロチオエート結合、メ
チルホスホネート結合、スルホン結合、サルフェート結合、ケチル(ketyl
)結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロアミダイト結合、リン酸エステル
結合、および他のこのような結合(例えば、Agrwalら,Tetrahed
ron Lett.28:3539−3542(1987);Millerら,
J.Am.Chem.Soc.93:6657−6665(1971);Ste
cら,Tetrahedron Lett.26:2191−2194(198
5);Moodyら,Nucl.Acids Res.12:4769−478
2(1989);Uznanskiら,Nucl.Acids Res.(19
89);Letsingerら,Tetrahedron 40:137−14
3(1984);Eckstein,Annu.Rev.Biochem.54
:367−402(1985);Eckstein,Trends Biol.
Sci.14:97−100(1989);Oligodeoxynucleo
tides.Antisense Inhibitors of Gene E
xpression,Cohen編,Macmillan Press,Lon
don,97−117頁(1989)中のStein;Jagerら,Bioc
hemistry 27:7237−7246(1988)を参照のこと)。
【0055】 アンチセンスポリヌクレオチドは、配列特異的な様式で、核酸(例えば、mR
NAまたはDNA)に結合するオリゴヌクレオチドである。相補的配列を有する
mRNAに結合した場合、アンチセンスは、そのmRNAの翻訳を妨げる(例え
ば、米国特許第5,168,053号、Altmanら;同第5,190,93
1号、Inouye,同第5,135,917号、Burch;同第5,087
,617号、SmithおよびCluselら(1993)Nucl.Acid
s Res.21:3405−3411(これは、ダンベル状(dumbbel
l)アンチセンスオリゴヌクレオチドを記載する)を参照のこと)。3重鎖分子
とは、2重鎖DNAを結合して同一順序の(colinear)3重鎖分子を形
成し、それによって転写を妨げる、単一のDNA鎖をいう(例えば、米国特許第
5,176,996号、Hoganら(これは、2重鎖DNA上の標的部位に結
合する合成オリゴヌクレオチドを作製するための方法を記載する)を参照のこと
)。
【0056】 特に有用なアンチセンスヌクレオチドおよび3重鎖分子は、DSP−3または
DSP−3代替形態ポリペプチドまたは内因性DSP−3(またはDSP−3代
替形態)の発現に関する任意の他のプロセスを媒介するタンパク質をコードする
DNAまたはmRNAのセンス鎖と、そのDSP−3(またはDSP−3代替形
態)ポリペプチドをコードするmRNAの翻訳の阻害がもたらされるように、相
補的であるかまたは結合する分子である。アンチセンスRNAへと転写され得る
cDNA構築物がまた、アンチセンスRNAの産生を容易にするために、細胞ま
たは組織中に導入され得る。アンチセンス技術は、ポリメラーゼ、転写因子また
は他の調節分子の結合の妨害を介して、遺伝子発現を調節するために使用され得
る(Huber and Carr,Molecular and Immun
ologic Approaches,Futura Publishing
Co.(Mt.Kisco,NY;1994)中のGeeらを参照のこと)。あ
るいは、アンチセンス分子は、DSP−3遺伝子の制御領域(例えば、プロモー
ター、エンハンサーまたは転写開始部位)とハイブリダイズしてこの遺伝子の転
写をブロックするようにか;またはリボソームへの転写物の結合を阻害すること
により翻訳をブロックするように設計され得る。
【0057】 本発明はまた、DSP−3(またはDSP−3代替形態)特異的リボザイムを
意図する。リボザイムは、RNA基質(例えば、mRNA)を特異的に切断する
RNA分子であり、細胞性遺伝子発現の特異的な阻害または妨害を生じる。RN
A鎖の切断および/または連結に関与する、少なくとも5つの公知のクラスのリ
ボザイムが存在する。リボザイムは、任意のRNA転写物に標的化され得、そし
てこのような転写物を触媒作用的に切断し得る(例えば、米国特許第5,272
,262号、同第5,144,019号;および同第5,168,053号、同
第5,180,818号、同第5,116,742号および同第5,093,2
46号(Cechら)を参照のこと)。任意のDSP−3(またはDSP−3代
替形態) mRNA特異的リボザイム、またはこのようなリボザイムをコードす
る核酸が、DSP−3遺伝子発現の阻害をもたらすために宿主細胞に送達され得
る。従って、リボザイムは、真核生物プロモーター(例えば、真核生物ウイルス
プロモーター)に連結されたリボザイムをコードするDNAによって宿主細胞に
送達され得、その結果、核中への導入の際に、そのリボザイムは直接転写され得
る。
【0058】 任意のポリヌクレオチドが、インビボでの安定性を増大するためにさらに改変
され得る。可能な改変としては、これらに限定されないが、5’末端および/ま
たは3’末端における隣接配列の付加;骨格におけるホスホジエステル結合以外
のホスホロチオエート結合または2’O−メチル結合の使用;ならびに/あるい
は非古典的(nontraditonal)塩基(例えば、イノシン、キューオ
シン(queosine)およびワイブトシン、ならびにアセチル形態、メチル
形態、チオ形態、および他の改変された形態の、アデニン、シチジン、グアニン
、チミンおよびウリジン)を含むことが挙げられる。
【0059】 本明細書中に記載されるようなヌクレオチド配列は、確立された組換えDNA
技術を使用して種々の他のヌクレオチド配列と結合され得る。例えば、ポリヌク
レオチドは、種々のクローニングベクターのいずれか(プラスミド、ファージミ
ド、λファージ誘導体およびコスミドを含む)中にクローン化され得る。特定の
目的のベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター
および配列決定ベクターが挙げられる。一般に、適切なベクターは、少なくとも
1つの生物にて機能的な複製起点、都合の良い制限エンドヌクレアーゼ部位およ
び1つ以上の選択可能マーカーを含む。他のエレメントは、所望される使用に依
存し、そして当業者に明らかである。
【0060】 特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、哺乳動物の細胞中への侵入、
およびそこでの発現を可能にするように処方され得る。このような処方は、以下
の記載のような治療目的のために特に有用である。標的細胞におけるポリヌクレ
オチドの発現を達成するための多く方法が存在し、そして任意の適切な方法が利
用され得ることを、当業者は理解する。例えば、ポリヌクレオチドは、周知の技
術を使用して、ウイルスベクター中に取り込まれ得る。ウイルスベクターは、さ
らに、選択マーカーに関する遺伝子(形質導入された細胞の同定または選択を補
助するため)および/または標的化部分に関する遺伝子(例えば、特定の標的細
胞におけるレセプターに対するリガンドをコードする遺伝子)を移すかまた組み
込んで、そのベクターを標的特異的にし得る。標的化はまた、当業者に公知の方
法により、抗体を用いて達成され得る。
【0061】 治療目的のための他の処方としては、コロイド分散系(例えば、高分子複合体
、ナノカプセル(nanocapsule)、ミクロスフェア、ビーズ)、なら
びに脂質に基づく系(水中油エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソ
ームを含む)が挙げられる。インビトロおよびインビボでの送達ビヒクルとして
の使用のための好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工膜小胞)で
ある。このような系の調製および使用は、当該分野で周知である。
【0062】 他の局面において、DSP−3プロモーターは、標準的技術を使用して単離さ
れ得る。本発明は、このようなプロモーター配列またはその1つ以上のシス作用
調節エレメントまたはトランス作用調節エレメントを含む、核酸分子を提供する
。このような調節エレメントは、DSP−3(またはDSP−3代替形態)の発
現を増強し得るかまたは抑制し得る。5’隣接領域は、本明細書中に提供される
ゲノム配列に基づいて、標準的技術を使用して生成され得る。必要な場合、さら
なる5’配列が、PCRに基づく方法または他の標準的方法を使用して生成され
得る。この5’領域は、標準的な方法を使用してサブクローン化され得、そして
配列決定され得る。プライマー伸長法および/またはRNaseプロテクション
分析が使用され、cDNAから推定される転写開始部位が確認され得る。
【0063】 プロモーター領域の境界を規定するために、種々の大きさの、推定上のプロモ
ーターインサートが、プロモーターもエンハンサーも含まない適切なレポーター
遺伝子を含む異種発現系にサブクローニングされ得る。適切なレポーター遺伝子
としては、ルシフェラーゼをコードする遺伝子、β−ガラクトシダーゼをコード
する遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺
伝子、分泌アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパ
ク質遺伝子が挙げられ得る。適切な発現系は周知であり、そして周知の技術を用
いて調製され得るか、または市販されている。内部欠失構築物が、唯一の内部制
限部位を用いるか、または唯一ではない制限部位の部分的な消化により、生成さ
れ得る。次いで、構築物は、高レベルのDSP−3代替形態)発現を示す細胞に
トランスフェクトされ得る。一般に、最小の5’隣接領域がレポーター遺伝子の
最も高い発現レベルを示す構築物は、プロモーターと定義される。このようなプ
ロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結され得、そして薬剤を、DSP−3
転写を調節する能力について評価するために使用され得る。
【0064】 一旦、機能的プロモーターが同定されると、シス作用エレメントおよびトラン
ス作用エレメントが位置決定され得る。シス作用配列は、一般に、先に特徴付け
された転写モチーフに対する相同性に基づいて、同定され得る。次いで、点変異
が、同定された配列内に生成されて、このような配列の調節の役割が評価され得
る。このような変異は、部位特異的変異誘発技術またはPCRに基づくストラテ
ジーを用いて、生成され得る。次いで、変更されたプロモーターが、上記のよう
に、レポーター遺伝子発現ベクターにクローニングされ、そしてレポーター遺伝
子発現に対するこの変異の影響が評価される。
【0065】 本発明はまた、DSP−3(またはDSP−3代替形態)の対立遺伝子改変体
ならびに他の生物由来のDSP−3配列の使用を意図する。このような配列は、
一般に、本明細書中に提供される配列に対する類似性(例えば、ハイブリダイゼ
ーション技術を用いて)に基づき、そして本明細書中に提供されるアッセイを用
いてDSP−3活性の存在に基づいて、同定され得る。
【0066】 一般に、本明細書中に記載されるようなポリペプチドおよびポリヌクレオチド
は、単離されている。「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは
、その元の環境から取り出された、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドである
。例えば、天然に存在するタンパク質は、天然の系において共存する物質のいく
らかまたは全てから分離されている場合に、単離されている。好ましくは、この
ようなポリペプチドは、少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なく
とも約95%純粋であり、そして最も好ましくは少なくとも約99%純粋である
。ポリヌクレオチドは、例えば、天然の環境の一部ではないベクターにクローニ
ングされている場合に、単離されているとみなされる。
【0067】 (DSP−3活性を検出するためのアッセイ) 本発明に従って、DSP−3(またはDSP−3代替形態)の基質は、全長チ
ロシンリン酸化タンパク質およびポリペプチドを含み得、ならびにチロシン残基
においてリン酸化され得、かつ特定の好ましい実施形態においては、セリン残基
またはスレオニン残基においてもリン酸化を受け得る、そのフラグメント(例え
ば、部分)、誘導体またはアナログを含み得る。このようなフラグメント、誘導
体およびアナログとしては、例えばDSP−3(またはDSP−3代替形態)と
複合体を形成することによって、本明細書中に提供されるようなDSP−3(ま
たはDSP−3代替形態)と相互作用する生物学的機能を少なくとも維持する、
任意の天然に存在するDSP−3基質ポリペプチドまたは人工的に操作されたD
SP−3基質ポリペプチドが挙げられる。DSP−3基質ポリペプチドのフラグ
メント、誘導体またはアナログ(融合タンパク質である基質を含む)は、以下の
いずれかであり得る:(i)1つ以上のアミノ酸残基が、保存アミノ酸残基もし
くは非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されており、そ
してこのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝コードによりコードされてもコ
ードされなくてもよいアミノ酸残基であるもの、または(ii)1つ以上のアミ
ノ酸残基が置換基を含むもの、または(iii)基質ポリペプチドが別の化合物
(例えば、そのポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレ
ングリコール)、またはレポーター分子のような検出可能部分)と融合されたも
の、または(iv)さらなるアミノ酸(基質のポリペプチドまたはプロタンパク
質配列の精製のために使用されるアミノ酸を含む)が基質のポリペプチドに融合
したもの。このようなフラグメント、誘導体およびアナログは、当業者の範囲内
であるとみなされる。好ましい実施形態において、MAPキナーゼポリペプチド
は、本明細書中に提供されるような使用のための基質である。
【0068】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチド改変体は、MAPキナ
ーゼホスファターゼ活性に適した任意のアッセイを用いて、DSP−3活性につ
いて試験され得る。このようなアッセイは、インビトロでか、または細胞に基づ
くアッセイにおいて、実施され得る。例えば、MAPキナーゼは、本明細書中に
提供されるようなDSP−3基質として使用するために、Upstate Bi
otechnology(Lake Placid、NY;カタログ番号14−
198)から不活化形態として得られ得る。MAPキナーゼのリン酸化は、周知
の技術(例えば、ZhengおよびGuan、J.Biol.Chem.268
:16116−16119、1993により記載されるもの)を使用して、MA
PキナーゼキナーゼMEK−1(Upstate Biotechnology
から入手可能;カタログ番号14−206)を用いて、実施され得る。
【0069】 例えば、[32P]で放射線標識した基質(例えば、MAPキナーゼ)を、放射
線標識された活性化MAPキナーゼを生じるキナーゼ反応のために、使用し得る
。次いで、DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドは、このDS
P−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドをMAPキナーゼと適切な条
件下(例えば、Tris(pH 7.5)、1mM EDTA、1mMジチオト
レイトール、1mg/mLウシ血清アルブミン、30℃で10分間;またはZh
engおよびGuan、J.Biol.Chem.268:16116−161
19、1993により記載されるような)で接触させることにより、活性化MA
Pキナーゼを脱リン酸する能力について試験され得る。MAPキナーゼの脱リン
酸は、種々のアッセイ(例えば、連結キナーゼアッセイ(当該分野において一般
的に公知の任意のアッセイを用いて、MAPキナーゼ基質のリン酸化を評価する
))のいずれかを用いるか、または直接的に((1)放射性リン酸基の損失(例
えば、ゲル電気泳動、続いてオートラジオグラフィーによる);(2)脱リン酸
の後の電気泳動移動度のシフト;(3)ホスホチロシンまたはホスホスレオニン
に対して特異的な抗体との反応性の損失;あるいは(4)MAPキナーゼのホス
ホアミノ酸分析、に基づく)、検出され得る。特定のアッセイは、一般に、Wa
rdら、Nature 367:651−654、1994、またはAless
iら、Oncogene 8:2015−2020、1993により記載される
ように実施され得る。一般に、500pg〜50ngのDSP−3ポリペプチド
と、100ng〜100μgの活性MAPキナーゼとの接触は、MAPキナーゼ
の検出可能な脱リン酸を、代表的には20〜30分以内に生じるべきである。特
定の実施形態においては、0.01〜10単位/mL(好ましくは約0.1単位
/mLであり、ここで単位とは、1分間あたり1nmolの基質を脱リン酸する
に十分な量である)のDSP−3ポリペプチドが、0.1〜10μM(好ましく
は約1μM)の活性MAPキナーゼと接触されて、MAPキナーゼの検出可能な
脱リン酸を生じ得る。好ましくは、DSP−3ポリペプチドは、MAPキナーゼ
の脱リン酸、または相当する量のネイティブなヒトDSP−3の存在下で観察さ
れる脱リン酸と少なくとも同程度のリン酸化基質(例えば、チロシンリン酸化ペ
プチドおよび/またはセリンリン酸化ペプチド)を生じる。本明細書中に記載の
ような変異をトラップする基質を使用して同定される他の基質が、このようなア
ッセイにおいてMAPキナーゼと置換され得ることが、明らかである。
【0070】 (抗体および抗原結合フラグメント) DSP−3(またはDSP−3代替形態)に特異的に結合する、ペプチド、ポ
リペプチドおよび他の非ペプチド分子もまた、本発明により意図される。本明細
書中で使用される場合、ある分子が検出可能なレベルでDSP−3(またはDS
P−3代替形態)と反応するが、関連しない配列または異なるホスファターゼの
配列を含むペプチドとは検出可能に反応しない場合に、この分子はDSP−3(
またはDSP−3代替形態)に「特異的に結合する」といわれる。好ましい結合
分子としては抗体が挙げられ、これは、例えば、ポリクローナル、モノクローナ
ル、単鎖、キメラ、抗イディオタイプ、CDR移植免疫グロブリン、またはその
フラグメント(例えば、タンパク分解的に産生されたか、または組換え的に作製
された免疫グロブリンF(ab’)2、Fab、Fv、およびFdフラグメント
)であり得る。特定の好ましい抗体は、本明細書中で記載されるようなインビト
ロアッセイにおいてDSP−3の活性を阻害またはブロックする抗体である。抗
体のDSP−3への結合特性は、一般に、免疫検出法(例えば、酵素結合免疫測
定法(ELISA)、免疫沈降、免疫ブロッティングなどを含む)を使用して評
価され得、これらは当業者により容易に実施され得る。
【0071】 当該分野において周知の方法を使用して、DSP−3(またはDSP−3代替
形態)に特異的な抗体、ポリクローナル抗血清、またはモノクローナル抗体が産
生され得る。抗体はまた、所望の特性を有するように設計された、遺伝的に操作
された免疫グロブリン(Ig)またはIgフラグメントとして産生され得る。例
えば、例示の目的であって限定ではないが、抗体は、第1の哺乳類種からの少な
くとも1つの可変(V)領域ドメインおよび第2の異なる哺乳類種からの少なく
とも1つの定常領域ドメインを有するキメラ融合タンパク質である組換えIgG
を含み得る。最も一般的には、キメラ抗体は、マウス可変領域配列およびヒト定
常領域配列を有する。このようなマウス/ヒトキメラ免疫グロブリンは、マウス
抗体由来の相補性決定領域(CDR)を移植することによって「ヒト化」され得
、これは抗原への、ヒト誘導V領域フレームワーク領域およびヒト誘導定常領域
への結合特異性を与える。これらの分子のフラグメントは、タンパク分解性消化
によって、または必要に応じて、タンパク分解性消化に続く穏やかなジスルフィ
ド結合の還元およびアルキル化によって産生され得る。あるいは、このようなフ
ラグメントはまた、組換え遺伝操作技術によって産生され得る。
【0072】 本明細書中で使用される場合、抗体が、DSP−3(またはDSP−3代替形
態)に検出可能なレベルで反応する場合、好ましくは親和性定数Kaが約104
M-1以上の場合、より好ましくは約105M-1以上の場合、より好ましくは約1
06M-1以上の場合、そしてさらにより好ましくは約107M-1以上の場合に、抗
体はDSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドに「免疫特異的」ま
たは「特異的に結合」といわれる。結合パートナーまたは抗体の親和性は、慣習
的な技術(例えば、Scatchardら(Ann.N.Y.Acad.Sci
.USA 51:660(1949))に記載される方法または表面プラスモン
レゾナンス(BIAcore,Biosensor,Piscataway,N
J)を使用して容易に決定され得る。例えば、Wolffら、Cancer R
es.53:2560−2565(1993)を参照のこと。
【0073】 抗体は、一般に、当業者に公知の種々の任意の技術によって調製され得る。例
えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory M
anual,Cold Spring Harbor Laboratory(
1988)を参照のこと。このような技術の1つにおいて、動物は、抗原として
DSP−3を用いて免疫化され、ポリクローナル抗血清を産生する。適切な動物
としては、例えば、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシが挙げられ、そしてより
小さな哺乳類種(例えば、マウス、ラット、およびハムスター)または他の種も
また挙げられ得る。
【0074】 免疫原は、DSP−3(またはDSP−3代替形態)、精製されたかまたは部
分的に精製されたDSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドまたは
その改変体もしくはフラグメント(例えば、ペプチド)、あるいはDSP−3ペ
プチドを発現する細胞から構成され得る。DSP−3ペプチドは、タンパク分解
性切断によって産生され得るか、または化学的に合成され得る。例えば、DSP
−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドをコードする核酸配列が本明細
書中で提供され、その結果当業者は、免疫原として使用するためのこれらのポリ
ペプチドを日常的に調製し得る。免疫化のための有用なポリペプチドまたはペプ
チドはまた、宿主動物において免疫原性応答をより作製しそうなアミノ酸配列を
決定するために、当業者に公知の方法に従って、DSP−3の1次、2次、およ
び3次構造を分析することによって選択され得る。例えば、Novotny、1
991 Mol.Immunol.28:201−207:Berzofsky
、1985 Science 229:932−40を参照のこと。
【0075】 動物への注射のための免疫原の調製は、DSP−3(またはDSP−3代替形
態)ポリペプチド(またはその改変体もしくはフラグメント)の、別の免疫原性
タンパク質(例えば、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)またはウシ
血清アルブミン(BSA)のようなキャリアタンパク質)への共有結合を含み得
る。さらに、免疫原として使用されるDSP−3ペプチド、ポリペプチド、また
はDSP−3発現細胞は、アジュバント中で乳濁化され得る。例えば、Harl
owら、Antibodies:A Laboratory Manual、C
old Spring Harbor Laboratory(1988)を参
照のこと。一般に、最初の注射の後に、動物は、特に抗原、アジュバント(存在
する場合)、および/または特定の動物種に従って変化し得る好ましいスケジュ
ールに従って、1つ以上のブースタ免疫化を受ける。免疫応答は、特異的抗体力
価を決定するために、動物を定期的に出血させ、集めた血液から血清を分離し、
そしてこの血清を免疫アッセイ(例えばELISAまたはオクタロニー拡散アッ
セイなど)において分析することによってモニターされ得る。一旦、抗体力価が
確立されると、動物は、ポリクローナル抗血清を集めるために、定期的に出血さ
れ得る。次いで、DSP−3ポリペプチドまたはペプチドに特異的に結合するポ
リクローナル抗体は、このような抗血清から精製(例えば、プロテインAまたは
適切な固体支持体に固定されたDSP−3ポリペプチドを用いるアフィニティー
クロマトグラフィーによって)され得る。
【0076】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペプチドまたはそのフラグメン
トもしくは改変体に特異的に結合するモノクローナル抗体、および所望の結合特
異性を有するモノクローナル抗体を産生する不死の真核生物細胞株のハイブリド
ーマもまた、例えば、KohlerおよびMilstein(Nature、2
56:495−497;1976 Eur.J.Immunol.6:511−
519(1976))の技術およびその改善方法を使用して調製され得る。動物
(例えば、ラット、ハムスター、または好ましくはマウス)は、上記のように調
製されたDSP−3免疫原で免疫化される。抗体形成細胞、代表的には脾臓細胞
を含むリンパ細胞は、免疫化動物から得られ、そして薬物感作骨髄腫(例えば、
プラズマ細胞腫)細胞融合パートナー(好ましくは、免疫化動物と同系、そして
必要に応じて他の所望の性質(例えば、内因性Ig遺伝子産物の発現能力を有さ
ない)を有するパートナー)との融合によって不死化され得る。リンパ(例えば
、脾臓)細胞および骨髄腫細胞は、膜融合促進剤(例えば、ポリエチレングリコ
ールまたは非イオン性界面活性剤)と数分間結合され得、次いでハイブリド−マ
細胞の増殖を支持するが、骨髄腫細胞を融合しない選択培地上で低密度でプレー
トされ得る。好ましい選択培地は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、
チミジン)である。十分な時間(普通約1〜2週間)の後に、細胞のコロニーの
が観測される。1つのコロニーを単離し、この細胞によって産生される抗体が、
DSP−3ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントに対する結合活
性について試験され得る。高い親和性およびDSP−3抗原に対して特異的であ
るモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが好ましい。従って、DSP−
3ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントに特異的に結合するモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマは、本発明によって意図される。
【0077】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養物の上清から単離され得る。マウ
スモノクローナル抗体の産生の代替方法は、同系マウス(例えば、このモノクロ
ーナル抗体を含む腹水の形成を促進するために処置された(例えば、プリスタン
刺激された)マウス)の腹腔にこのハイブリドーマ細胞を注射することである。
従来技術(例えば、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈澱、抽出など)によって
、引き続き(通常は1〜3週間以内)得られた腹水から、汚染物質が除去され得
る。例えば、抗体は、このモノクローナル抗体の特定の性質(例えば、重鎖また
は軽鎖イソタイプ、結合特異性など)に基づいて選択された適切なリガンドを使
用するアフィニティークロマトグラフィーによって精製され得る。固体支持体に
固定される適切なリガンドの例としては、プロテインA、プロテインG、抗定常
領域(軽鎖または重鎖)抗体、抗イディオタイプ抗体およびDSP−3ポリペプ
チドまたはそのフラグメントもしくは改変体が挙げられる。
【0078】 ヒトモノクローナル抗体は、当業者が精通した多数の技術によって産生され得
る。このような方法としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ヒト
抹消血球(例えば、Bリンパ球を含む)のエプステイン−バーウイルス(EBV
)形質転換、ヒトB細胞のインビトロ免疫化、酵母人工クロモソーム(YAC)
によって挿入されたヒト免疫グロブリン遺伝子を保有する免疫化トランスジェニ
ックマウスからの脾臓細胞の融合、ヒト免疫グロブリンV領域ファージライブラ
リーからの単離、または本明細書中の開示に基づく当該分野で公知の他の手順。
【0079】 例えば、ヒトモノクローナル抗体を産生するための1つの方法としては、EB
V形質転換によるヒト抹消血球の不死化が挙げられる。例えば、米国特許第4,
464,456号を参照のこと。DSP−3ポリペプチド(またはその改変体も
しくはフラグメント)に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する不死化
細胞株は、本明細書中で提供されるような免疫検出法(例えば、ELISA)に
よって同定され、次いで標準的クローニング技術によって単離され得る。ヒトモ
ノクローナル抗体を産生するための別の方法は、ヒト脾臓B細胞を抗原で刺激し
、続いて刺激されたB細胞の異種ハイブリッド融合パートナーとの融合を含む、
インビトロ免疫化である。例えば、Boernerら、1991 J.Immu
nol.147:86−95を参照のこと。
【0080】 本発明における使用のためのヒトDSP−3特異的モノクローナル抗体および
ポリクローナル抗血清の産生のためのさらに別の方法は、トランスジェニックマ
ウスに関連する。例えば、米国特許第5,877,397号;Bruggema
nnら、1997 Curr.Opin.Biotechnol.8:455−
58;Jakobovitsら、1995 Ann.N.Y.Acad.Sci
.764:525−35を参照のこと。これらのマウスにおいて、ヒト免疫グロ
ブリン重鎖および軽鎖遺伝子は、遺伝操作によって生殖系列配列に人工的に導入
され、そして内因性マウス免疫グロブリン遺伝子は不活性化される。例えば、B
ruggemannら、1997 Curr.Opin.Biotechnol
.8:455−58を参照のこと。例えば、ヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、
ミニ遺伝子構築物であり得るか、または酵母人工クロモソームのトランス遺伝子
座であり得、これはマウスリンパ組織におけるB細胞特異的DNA転位および過
剰変異を起こす。例えば、Bruggemannら、1997 Curr.Op
in.Biotechnol.8:455−58を参照のこと。DSP−3に特
異的に結合するヒトモノクローナル抗体は、トランスジェニック動物の免疫化、
脾臓細胞の骨髄腫での融合、上記のような抗体を産生する細胞の選択およびクロ
ーニングによって得られ得る。ヒト抗体を含むポリクローナル血清はまた、免疫
化動物の血液から得られる。
【0081】 DSP−3(ヒト化抗体を含む)に特異的なキメラ抗体はまた、本発明に従っ
て産生され得る。キメラ抗体は、第1の哺乳類種由来の少なくとも1つの定常領
域ドメインおよび第2の異なる哺乳類種由来の少なくとも1つの可変領域ドメイ
ンを有する。例えば、Morrisonら、1984、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、81:6851−55を参照のこと。好ましい実施形
態において、キメラ抗体は、マウス、ラット、またはハムスターのモノクローナ
ル抗体由来の可変領域のような非ヒトモノクローナル抗体由来の少なくとも1つ
の可変領域ドメインをコードするポリヌクレオチド配列を、少なくとも1つのヒ
ト定常領域をコードする核酸配列を含むベクターにクローニングすることによっ
て構築され得る。例えば、Shinら、1989 Methods Enzym
ol.178:459−76;Wallsら、1993 Nucleic Ac
ids Res.21:2921−29を参照のこと。例示目的として、マウス
モノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列は、ヒト
κ軽鎖定常領域配列をコードする核酸配列を含むベクターに挿入され得る。別個
のベクターにおいて、モノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするポリヌク
レオチド配列は、ヒトIgG1定常領域をコードする配列を有するフレームにク
ローンされ得る。選択された特定のヒト定常領域は、特定の抗体に対して所望さ
れるエフェクター機能に依存し得る(例えば、相補的固定、特定のFcレセプタ
ーへの結合など)。キメラ抗体を産生するための、当該分野で公知の別の方法は
、相同組換え(例えば、米国特許第5,482,856号)である。好ましくは
、ベクターは、キメラ抗体の安定した発現のために、真核生物細胞にトランスフ
ェクトされる。
【0082】 非ヒト/ヒトキメラ抗体は、「ヒト化」抗体を作製するために、さらに遺伝操
作され得る。このようなヒト化抗体は、非ヒト哺乳類種の免疫グロブリン由来の
複数のCDR、少なくとも1つのヒト可変フレームワーク領域、および少なくと
も1つのヒト免疫グロブリン定常領域を含み得る。特定の実施形態におけるヒト
化は、例えば、DSP−3結合可変領域が得られる非ヒトモノクローナル抗体、
またはこのようなV領域および上記のような少なくとも1つのヒトC領域を有す
るキメラ抗体のいずれかと比較した場合に、DSP−3に対する減少した結合親
和性を有する抗体を提供し得る。従って、ヒト化抗体の設計について有用な計略
は、例えば、例示目的であって限定ではないが、キメラ抗体の非ヒトフレームワ
ーク領域に最も相同的なヒト可変フレームワーク領域の同定が挙げられ得る。理
論に束縛されることは望まないが、このような計略は、ヒト化抗体がDSP−3
に対する特異的結合親和性を保持している可能性を増加し得、いくつかの好まし
い実施形態において、これはDSP−3ポリペプチドまたはその改変体もしくは
フラグメントに対して実質的に同じ親和性であり得、そして他の特定の好ましい
実施形態において、これはDSP−3に対してより大きな親和性であり得る。例
えば、Jonesら、1986 Nature 321:522−25;Rie
chmannら、1988 Nature 332:323−27を参照のこと
。従って、このようなヒト化抗体の設計は、非ヒト可変領域のCDRループ構造
および構造決定因子の決定(例えば、コンピュータモデリングによる)、次いで
このCDRループおよび決定因子の、公知のヒトCDRループ構造および決定因
子との比較を含み得る。例えば、Padlanら、1995 FASEB 9:
133−39;Chothiaら、1989 Nature、342:377−
383を参照のこと。コンピュータモデリングはまた、非ヒト可変領域での配列
相同性によって選択されたヒト構造テンプレートを比較するために使用され得る
。例えば、Bajorathら、1995 Ther.Immunol.2:9
5−103;EP−0578515−A3を参照のこと。非ヒトCDRのヒト化
が結合親和性の減少を生じる場合、コンピュータモデリングは、親和性を部分的
に、完全に、または超えて最適に(すなわち、非ヒト化抗体よりも高いレベルま
で増加)回復させるために、部位指向的または他の突然変異誘発技術によって変
化され得る特異的アミノ酸残基の同定を援助し得る。当業者はこれらの技術に精
通しており、そしてこのような設計計略についての多くの変化および改変を容易
に理解する。
【0083】 特定の実施形態において、抗体の抗原結合フラグメントの使用が好ましくあり
得る。このようなフラグメントには、FabフラグメントまたはF(ab’)2
フラグメントが含まれ、これは、それぞれパパインまたはペプシンでのタンパク
分解性消化によって調製され得る。抗原結合フラグメントは、例えば、固定化プ
ロテインAまたはプロテインG、あるいは固定化DSP−3ポリペプチド、ある
いはその適切な改変体またはフラグメントを使用するアフィニティークロマトグ
ラフィーによってFcフラグメントから分離され得る。当業者は、日常的にかつ
過度の実験なしで、例えば、本明細書中で提供される免疫検出法を使用して、得
られた親和性精製抗体の特徴に基づく適切な改変体またはフラグメントを決定し
得る。Fabフラグメントを産生するための代替方法としては、F(ab’)2
フラグメントの穏やかな還元に続くアルキル化が挙げられる。例えば、Wier
、Handbook of Experimental Immunology
、1986、Blackwell Scientific、Bostonを参照
のこと。
【0084】 特定の実施形態に従って、上記のIg分子の任意の非ヒト、ヒト、またはヒト
化重鎖および軽鎖の可変領域は、単鎖Fv(sFv)ポリペプチドフラグメント
(単鎖抗体)として構築され得る。例えば、Birdら、1988 Scien
ce 242:423−426;Hustonら、1988 Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照のこと。多機
能性sFv融合タンパク質は、sFvポリペプチドインフレームをコードするポ
リヌクレオチド配列の、種々の任意の公知のエフェクタータンパク質をコードす
る少なくとも1つのポリヌクレオチド配列への結合によって産生され得る。これ
らの方法は、当該分野で公知であり、そして例えばEP−B1−0318554
、米国特許第5,132,405号、米国特許第5,091,513号、および
米国特許第5,476,786号に開示される。例示の目的として、エフェクタ
ータンパク質は、免疫グロブリン定常領域配列を含み得る。例えば、Holle
nbaughら、1995 J.Immunol.Methods 188:1
−7を参照のこと。エフェクタータンパク質の他の例は酵素である。非限定的な
例として、このような酵素は、治療目的のための生物学的活性を提供し得る(例
えば、Simersら、1977 Bioconjug.Chem.8:510
−19を参照のこと)か、または多くの任意の周知の基質から検出可能な産物へ
の、診断的使用のためのホースラディッシュペルオキシダーゼ触媒変換のような
、検出可能な活性を提供し得る。sFv融合タンパク質のさらに他の例としては
、Ig−毒素融合、または免疫毒素が挙げられ、ここで、sFvポリペプチドは
毒素に結合される。適切な条件下で、細胞に対して毒性であることが同定された
広範な種々のポリペプチド配列を、当業者は理解する。本明細書中で使用される
場合、免疫グロブリン−毒素融合タンパク質に包含される毒性ポリペプチドは、
例えば、生活機能での直接干渉によってかまたはアポトーシス誘導によって、細
胞の生存を損なう様式で細胞内に導入され得る任意のポリペプチドであり得る。
従って、毒素は、例えば、Pseudomonas aeruginosa外毒
素A、植物ゲロニン(gelonin)、Bryonia dioicaからの
ブリオジン(bryodin)などのようなリボソーム不活性化タンパク質が挙
げられ得る。例えば、Thrushら、1996 Annu.Rev.Immu
nol.14:49−71;Frankelら、1996 Cancer Re
s.56:926−32を参照のこと。化学治療剤、抗有糸分裂剤、抗体、アポ
トーシス誘導因子(または「アポトーゲン(apoptogen)」、例えばG
reenおよびReed、1998、Science 281:1309−13
21を参照のこと)などを含む多数の他の毒素は、当業者に公知であり、そして
本明細書中に提供される例は、本発明の範囲および精神を限定することのない例
示として意図される。
【0085】 特定の実施形態において、sFvは、融合タンパク質と抗原(例えば、DSP
−3)との間の特異的結合の検出を可能にするペプチドまたはポリペプチドドメ
インに融合され得る。例えば、この融合ポリペプチドドメインは、親和性タグポ
リペプチドであり得る。従って、結合パートナー(例えば、DSP−3)へのs
Fv融合タンパク質の結合は、当業者が精通する任意の種々の技術によって、ア
ビジン、ストレプトアビジンまたはHis(例えば、ポリヒスチジン)タグのよ
うな親和性ポリペプチドまたはペプチドタグを使用して検出され得る。検出技術
はまた、例えば、アビジンまたはストレプトアビジン融合タンパク質の、ビオチ
ンまたはビオチン模倣配列への結合(例えば、Luoら、1998 J.Bio
technol.65:225およびそこに列挙される参考文献を参照のこと)
、検出可能な部分(例えば、標識部分)を有する融合タンパク質の直接共有結合
的改変、特異的標識化レポーター分子への融合タンパク質の非共有結合、酵素活
性を有する部分を含む融合タンパク質による検出可能な基質の酵素的改変、また
は融合タンパク質の固相支持体への固定(共有結合または非共有結合)を含み得
る。
【0086】 従って、所望の親和性特性を有するエフェクターペプチドのような別のポリペ
プチドに融合した、DSP−3特異的免疫グロブリン誘導ポリペプチドを含む本
発明のsFvタンパク質は、例えば、エフェクターペプチドがグルタチオン−S
−トランスフェラーゼのような酵素である融合タンパク質を含み得る。別の例と
して、sFv融合タンパク質はまた、Staphylococcus aure
usプロテインAポリペプチドに融合されたDSP−3特異的Igポリペプチド
を含み得;核酸をコードするプロテインAおよび免疫グロブリン定常領域に対し
て親和性を有する融合タンパク質の構築におけるその用途は、一般に、例えば米
国特許第5,100,788号に開示される。sFv融合タンパク質の構築に有
用な他の親和性ポリペプチドは、例えばWO89/03422;米国特許第5,
489,528号;米国特許第5、672、691号;WO93/24631;
米国特許第5,168,049号;米国特許第5,272,254号およびその
他の個所に開示されるストレプトアビジン融合タンパク質、ならびにアビジン融
合タンパク質(例えば、EP 511,747を参照のこと)を含み得る。本明
細書中で提供されるように、sFvポリペプチド配列は、全長融合ポリペプチド
を含み得そして代替的にその改変体またはフラグメントを含み得るエフェクター
タンパク質配列を含む、融合ポリペプチド配列に融合され得る。
【0087】 DSP−3ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントに特異的に結
合する抗体を選択するためのさらなる方法は、ファージディスプレイである。例
えば、Winterら、1994 Annul.Rev.Immunol.12
:433−55;Burtonら、1994 Adv.Immunol.57:
191−280を参照のこと。ヒトまたはマウスの免疫グロブリン可変領域遺伝
子コンビナトリアルライブラリーは、DSP−3ポリペプチドまたはその改変体
もしくはフラグメントに特異的に結合するIgフラグメント(Fab、Fv、s
Fvまたはこれらのマルチマー)を選択するためにスクリーニングされ得るファ
ージベクターにおいて作製され得る。例えば、米国特許第5,223,409号
;Huseら、1989 Science 246:1275−81;Kang
ら、1991 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:436
3−66;Hoogenboomら、1992 J.Molec.Biol.2
27:381−388;Schlebuschら、1997 Hybridom
a 16:47−52およびこれらに列挙される参考文献を参照のこと。例えば
、Ig可変領域フラグメントをコードする複数のポリヌクレオチド配列を含むラ
イブラリーは、M13またはその改変体のような糸状のバクテリオファージの遺
伝子に、M13融合タンパク質を作製するために、例えばM13の遺伝子III
または遺伝子VIIIのようなファージコートタンパク質をコードする配列を用
いて、インフレームで挿入され得る。融合タンパク質は、コートタンパク質と軽
鎖可変領域ドメインおよび/または重鎖可変領域ドメインとの融合物であり得る
【0088】 特定の実施形態に従って、免疫グロブリンFabフラグメントはまた、以下の
ようにファージ粒子上に提示され得る。Ig定常領域ドメインをコードするポリ
ヌクレオチド配列は、コートタンパク質を用いてインフレームでファージゲノム
に挿入され得る。従って、このファージコート融合タンパク質は、Ig軽鎖また
は重鎖フラグメント(Fd)と融合され得る。例えば,ヒトIgライブラリーか
ら、ヒトκ定常領域をコードするポリヌクレオチド配列は、少なくとも1つのフ
ァージコートタンパク質をコードする配列を用いて、インフレームでベクターに
挿入され得る。さらに、または代替的に、ヒトIgG1 CH1ドメインをコー
ドするポリヌクレオチド配列は、少なくとも1つの他のファージコートタンパク
質をコードする配列を用いて、インフレームで挿入され得る。次いで、可変領域
ドメインをコードする複数のポリヌクレオチド配列(例えば、DNAライブラリ
ー由来の)は、バクテリオファージコートタンパク質に融合するFabフラグメ
ントを発現するために、定常領域コートタンパク質融合物を用いて、インフレー
ムでベクターに挿入され得る。
【0089】 DSP−3ポリペプチドに結合するIgフラグメント(例えば、Ig V領域
またはFab)を表示するファージは、このファージライブラリーをDSP−3
またはその改変体もしくはフラグメントと混合することによって、あるいはこの
ファージライブラリーを、結合するのに十分な条件下および時間で固体マトリッ
クス上に固定されたDSP−3ポリペプチドに接触させることによって、選択さ
れ得る。非結合ファージは、洗浄液によって除去され、この洗浄液は代表的には
低濃度の塩(例えば、NaCl)、好ましくは100mM未満のNaCl、より
好ましくは50mM未満のNaCl、最も好ましくは10mM未満のNaClを
含む緩衝液であり得るか、または塩を含まない緩衝液であり得る。次いで、特異
的に結合したファージは、NaCl含有緩衝液で溶出される(例えば、段階的様
式で塩濃度を増加させることによって)。代表的には、高親和性でDSP−3に
結合するファージは、開放するのにより高い塩濃度を必要とする。溶出されたフ
ァージは、適切な細菌性宿主に伝播され得、そして一般に、DSP−3特異的免
疫グロブリンを発現するファージの収量を増加させるために、DSP−3結合お
よび溶出の連続的ラウンドが繰り返され得る。コンビナトリアルファージライブ
ラリーはまた、非ヒト可変領域のヒト化のために使用され得る。例えば、Ros
okら、1996 J.Biol.Chem.271:22611−18;Ra
derら、1998 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:
8910−15を参照のこと。このようにして選択されたファージ中に挿入され
た免疫グロブリン遺伝子のDNA配列は、標準的技術によって決定され得る。S
ambrookら、1989 Molecular Cloning:A La
boratory Manual、Cold Spring Harbor P
ressを参照のこと。次いで、親和性選択されたIgコード配列は、Igフラ
グメントの発現のために別の適切なベクター内にクローニングされ得るか、また
は必要に応じて、免疫グロブリン全体の鎖の発現のために、Ig定常領域を含む
ベクターにクローニングされ得る。
【0090】 ファージディスプレイ技術はまた、DSP−3に結合するポリペプチド、ペプ
チドまたは単鎖抗体を選択するために使用され得る。このようなペプチドまたは
抗体をコードする候補核酸分子(例えば、DNA)が挿入され得るマルチクロー
ニング部位を有する適切なベクターの例として、McLaffertyrら、G
ene 128:29−36、1993;Scottら、1990 Scien
ce 249:386−390;Smithら、1993 Methods E
nzymol.217:228−257;Fischら、1996、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 93:7761−66を参照のこと。挿
入されたDNA分子は、ランダムに産生された配列を含み得るか、または本明細
書中で提供されるようなDSP−3ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラ
グメントに特異的に結合する公知のペプチドまたはポリペプチドドメインの改変
体をコードし得る。一般に、核酸挿入物は、60アミノ酸までのペプチド、より
好ましくは3〜35アミノ酸のペプチド、そしてさらにより好ましくは6〜20
アミノ酸のペプチドをコードする。挿入された配列によってコードされるペプチ
ドは、バクテリオファージの表面に表示される。DSP−3ポリペプチドに対す
る結合ドメインを発現するファージは、上記のような固定されたDSP−3ポリ
ペプチドへの特異的結合に基づいて選択され得る。本明細書中で提供される場合
、周知の組換え遺伝技術は、そのフラグメントを含む融合タンパク質を構築する
ために使用され得る。例えば、産生され得るポリペプチドは、得られた産物のD
SP−3に対する結合親和性を最大にするために、2つ以上の同様な、または異
なる親和性選択されたDSP−3結合ペプチドドメインのタンデムアレイを含む
【0091】 他の特定の実施形態において、本発明は、マルチマー抗体フラグメントである
DSP−3特異的抗体を意図する。有用な方法論は、一般に、例えばHayde
nら、1997、Curr Opin.Immunol.9:201−12;C
olomaら、1997 Nat.Biotechnol.15:159−63
に記載される。例えば、マルチマー抗体フラグメントは、ミニ抗体(minia
ntibodies)(米国特許第5,910,573号)またはディアボディ
(diabodies)(Holligerら、1997、Cancer Im
munol.Immunother.45:128−130)を形成するための
ファージ技術によって作製され得る。DSP−3特異的Fvのマルチマーまたは
異なる高原特異性を有する第2のFvに非共有結合的に会合したDSP−3特異
的Fvを含む二特異的抗体であるマルチマーフラグメントが、産生され得る。例
えば、Koelemijら、1999 J.Immunother.22:51
4−24を参照のこと。別の例として、マルチマー抗体は、2つの単鎖抗体また
はFabフラグメントを有する二特異的抗体を含み得る。特定の関連した実施形
態に従って、第1のIgフラグメントは、DSP−3ポリペプチド(またはその
改変体もしくはフラグメント)上の第1抗原性決定因子に特異的であり得、一方
第2Igフラグメントは、DSP−3ポリペプチドの第2抗原性決定因子に特異
的であり得る。あるいは、他の特定の関連した実施形態において、第1免疫グロ
ブリンフラグメントは、DSP−3ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラ
グメント上の抗原性決定因子について特異的であり得、そして第2の免疫グロブ
リンフラグメントは、第2の異なる(すなわち、非DSP−3)分子上の抗原性
決定因子について特異的であり得る。DSP−3に特異的に結合する二特異的抗
体もまた意図され、ここで少なくとも1つの抗原結合ドメインは、融合タンパク
質として存在する。
【0092】 DSP−3結合免疫グロブリン分子へのアミノ酸変異の導入は、DSP−3に
対する特異性または親和性を増加するために、あるいはエフェクター機能を変え
るために有用であり得る。DSP−3に対する高い親和性を有する免疫グロブリ
ンは、特定の残基の部位指向突然変異によって産生され得る。コンピュータに補
助される3次元分子モデリングは、DSP−3ポリペプチドに対する親和性を改
善するために、変化されるべきアミノ酸残基を同定するために使用され得る。例
えば、Mountainら、1992、Biotechnol.Genet.E
ng.10:1−142を参照のこと。あるいは、CDRのコンビナトリアルラ
イブラリーは、M13ファージにおいて産生され得、そして改善された親和性を
有する免疫グロブリンフラグメントについてスクリーニングされる。例えば、G
laserら、1992、J.Immunol.149:3903−3913;
Bardasら、1994 Proc.Natl.Acad.Sci.USA
91:3809−13;米国特許第5,792,456号を参照のこと。
【0093】 エフェクター機能はまた、部位指向突然変異によって変化され得る。例えば、
Duncanら、1988 Nature 332:563−64;Morga
nら、1995 Immunology 86:319−24;Eghteda
rzedeh−Kondriら、1997 Biotechniques 23
:830−34を参照のこと。例えば、免疫グロブリンのFcタンパク質上のグ
リコシル化部位の突然変異は、免疫グロブリンが相補鎖に固定する能力を変化し
得る。例えば、Wrightら、1997 Trends Biotechno
l.15:26−32を参照のこと。定常領域ドメインにおける他の突然変異は
、免疫グロブリンが相補鎖に固定する能力を変化し得るか、または抗体依存性細
胞傷害性の効果を変化し得る。例えば、Duncanら、1988 Natur
e 332:563−64;Morganら、1995 Immunology
86:319−24;Senselら、1997 Mol.Immunol.
34:1019−29を参照のこと。
【0094】 本明細書中に記載されるDSP−3に特異的に結合する抗体またはそのフラグ
メントをコードする核酸分子は、核酸切除、連結、形質転換およびトランスフェ
クションのための任意の種々の周知の手順に従って、伝播されそして発現され得
る。従って、特定の実施形態において、抗体フラグメントの発現は、Esche
richia coliのような原核生物宿主において好ましくあり得る(例え
ば、Pluckthunら、1989 Methods Enzymol.17
8:497−515を参照のこと)。他の特定の実施形態において、抗体または
そのフラグメントの発現は、酵母(例えば、Saccharomyces ce
revisiae、Schizosaccharomyces pombeおよ
びPichia pastoris)、動物細胞(哺乳動物細胞を含む)または
植物細胞を含む真核生物宿主細胞において好ましくあり得る。適切な動物細胞の
例としては、限定ではないが、骨髄腫、COS,CHO、またはハイブリドーマ
細胞が挙げられる。植物細胞の例としては、タバコ、トウモロコシ、ダイズ、お
よびイネの細胞が挙げられる。当業者に公知の手法に従って、そして本開示に基
づいて、核酸ベクターは、特定の宿主系において外来配列を発現するために設計
され得、次いでDSP−3結合抗体(またはそのフラグメント)をコードするポ
リヌクレオチド配列が挿入され得る。調節エレメントは、特定の宿主に従って変
化する。
【0095】 本明細書中に記載されるDSP−3結合免疫グロブリン(またはそのフラグメ
ント)は、酵素、細胞傷害剤、または他のレポーター分子(色素、放射性核種、
発光基、蛍光基、またはビオチンなどを含む)のような検出可能な部位または標
識を含み得る。DSP−3特異的免疫グロブリンまたはそのフラグメントは、診
断または治療の適用のために、放射標識され得る。抗体の放射標識のための技術
は、当該分野で公知である。例えば、Adams 1998 In Vivo
12:11−21;Hiltunen 1993 Acta Oncol.32
:831−9を参照のこと。治療適用は、以下に詳細に記載され、そして他の治
療剤と組合わせてDSP−3結合抗体(またはそのフラグメント)の使用を含み
得る。抗体またはフラグメントはまた、当該分野で公知のそして本明細書中で提
供される細胞傷害剤(例えば、リボソーム不活性化タンパク質のような毒素、化
学治療剤、抗縮瞳剤、抗生物質など)と組合わされ得る。
【0096】 本発明はまた、本明細書中で提供されるDSP−3またはその改変体もしくは
フラグメントに特異的に結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)を認
識する抗イディオタイプ抗体の産生を意図する。抗イディオタイプ抗体は、免疫
原として抗DSP−3抗体(またはその抗原結合フラグメント)を使用し本明細
書中に記載される方法によって、ポリクローナル抗体として、またはモノクロー
ナル抗体として産生され得る。抗イディオタイプ抗体またはそのフラグメントは
また、上記の任意の組換え遺伝操作法によってか、またはファージディスプレイ
選択によって産生され得る。抗イディオタイプ抗体は、抗DSP−3抗体のDS
P−3ポリペプチドへの結合が競合的に阻害されるように、抗DSP−3抗体の
抗原結合部位と反応し得る。あるいは、本明細書中で提供される抗イディオタイ
プ抗体は、抗DSP−3抗体のDSP−3ポリペプチドへの結合を競合的に阻害
しなくてもよい。
【0097】 本明細書中で提供され、そして当該分野で周知の方法論に従って、ポリクロー
ナルおよびモノクローナル抗体は、DSP−3ポリペプチドの親和性単離のため
に使用され得る。例えば、Hermansonら、Immobilized A
ffinity Ligand Techniques、Acadedmic
Press、Inc.New York、1992を参照のこと。手短に言うと
、抗体(またはその抗原結合フラグメント)は、固体支持体材料上に固定化され
得、次いで、この支持体材料は目的のポリペプチド(例えば、DSP−3)を含
むサンプルと接触される。サンプルの残りからの分離に続いて、次いでこのポリ
ペプチドは、固定化された抗体から放出される。
【0098】 (DSP−3発現を検出するための方法) 本発明の特定の局面は、診断およびアッセイの目的のために、DSP−3(ま
たはDSP−3代替形態)に対して惹起された抗体またはハイブリダイズするポ
リヌクレオチドを使用する方法を提供する。特定のアッセイは、DSP−3(ま
たはDSP−3代替形態)、またはそのタンパク質分解フラグメントの存在また
は非存在を検出するために抗体または他の薬剤を使用することを含む。あるいは
、DSP−3(またはDSP−3代替形態)をコードする核酸は、標準的なハイ
ブリダイゼーションおよび/またはPCR技術を使用して検出され得る。適切な
プローブおよびプライマーは、本明細書に提供されるDSP−3(またはDSP
−3代替形態)cDNA配列に基づいて、当業者によって設計され得る。アッセ
イは、一般的に、真核生物細胞、細菌、ウイルス、このような生物から調製され
た抽出物および生きている生物において見出される流体のような生物学的供給源
から得られる種々のサンプルのいずれかを使用して行われ得る。患者から得られ
得る生物学的サンプルには、血液サンプル、生検検体、組織外植片、器官培養物
および他の組織または細胞調製物が挙げられる。患者または生物学的供給源は、
ヒトまたは非ヒト動物、初代細胞培養物または培養適合細胞株であり得、これに
は、遺伝的に操作された細胞株(染色体的に組み込まれた組換え核酸配列または
エピソーム組換え核酸配列を含み得る)、不死化または不死化可能細胞株、体細
胞ハイブリッド細胞株、分化した細胞株または分化可能な細胞株、形質転換され
た細胞株などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態
において、患者または生物学的供給源は、ヒトであり、特に好ましい実施形態に
おいて、生物学的供給源は、哺乳動物である非ヒト動物(例えば、ゲッ歯動物(
例えば、マウス、ラット、ハムスターなど)、有蹄動物(例えば、ウシ)または
非ヒト霊長類)である。本発明の特定の他の好ましい実施形態において、患者は
、変化した細胞シグナル伝達と関連した疾患を有すると疑われ得るかまたはその
危険があると疑われ得るか、あるいは、疾患のような危険がないかまたはその存
在がないことが既知であり得る。
【0099】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)タンパク質を検出するために、試薬
は代表的には抗体であり、この抗体は、本明細書中に記載されるように調製され
得る。サンプル中のポリぺプチドを検出するための抗体を使用するための、当業
者に公知の種々のアッセイ形式がある。例えば、HarlowおよびLane,
Antibodies:A Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor Laboratory,1988を参照のこと。
例えば、このアッセイは、ウェスタンブロット形式で実行され得、この形式にお
いて、生物学的サンプルからのタンパク質調製物を、ゲル電気泳動により分離し
、適切な膜にトランスファーし、そして抗体と反応させる。次いで、膜上の抗体
の存在は、以下に記載されるような適切な検出試薬を用いて検出され得る。
【0100】 別の実施形態において、アッセイは、固体支持体上に固定された抗体を使用し
、標的DSP−3(またはDSP−3代替形態)に結合させ、そしてサンプルの
残りから取り除くことを包含する。次いで結合されたDSP−3は、レポーター
基を含む第2の抗体または試薬を用いて検出され得る。あるいは、競合アッセイ
が利用され得る。この競合アッセイにおいて、DSP−3ポリぺプチド(または
DSP−3代替形態ポリペプチド)を、レポーター基で標識し、そしてサンプル
と共に抗体をインキュベートした後に固定化抗体に結合させる。このサンプルの
成分が標識化ポリぺプチドの抗体ヘの結合を阻害する程度は、このサンプルの固
定化抗体との反応性を示し、そして結果として、サンプル中のDSP−3(また
はDSP−3代替形態)のレベルを示す。
【0101】 固体支持体は、抗体が結合され得る、当業者に公知の任意の材料(例えば、マ
イクロタイタープレートにおける試験ウェル、ニトロセルロースフィルターまた
は別の適切な膜)であり得る。あるいは、支持体は、ビーズまたは円板(例えば
、ガラス)、ファイバーガラス、ラテックスまたはプラスチック(例えば、ポリ
スチレンまたはポリビニルクロリド)であり得る。当業者に公知の種々の技術(
特許および科学文献に豊富に記載される)を使用して、抗体は、固体支持体上に
固定化され得る。
【0102】 特定の実施形態において、サンプル中のDSP−3(またはDSP−3代替形
態)の検出のためのアッセイは、2つの抗体のサンドイッチアッセイである。こ
のアッセイは、第1に固体支持体(一般的にはマイクロタイタープレートのウェ
ル)上に固定化された抗体を生物学的サンプルと接触させる工程により実行され
得、その結果、サンプル内のDSP−3(またはDSP−3代替形態)は、固定
化抗体に結合することが可能になる(室温での30分間のインキュベーション時
間が、一般的に充分である)。次いで、結合されないサンプルを、固定化DSP
−3/抗体複合体から除去し、そしてDSP−3上の異なる部位に結合し得る第
2の抗体(酵素、色素、放射性核種、発光基、蛍光基、またはビオチンのような
レポーター基を含む)を添加する。次いで、固体支持体に結合したままの第2の
抗体の量を、特異的レポーター基に適切な方法を用いて決定する。放射性基につ
いては、シンチレーション計数またはオートラジオグラフィー法が、一般的に適
切である。分光法を使用して、色素、発光基、および蛍光基を検出し得る。ビオ
チンを、異なるレポーター基(一般的に放射性基もしくは蛍光基または酵素)に
結合された、アビジンを使用して検出し得る。酵素レポーター基を、一般的には
基質を(一般的に特定の期間)添加し、次いで、反応産物の分光分析または他の
分析することにより検出し得る。周知の技術を使用して、サンプル中のDSP−
3のレベルを決定するために、標準および標準添加物を使用し得る。
【0103】 本発明の関連する局面において、DSP−3およびDSP−3ホスファターゼ
活性を検出するためのキットが提供される。このようなキットは、DSP−3ま
たはDSP−3をコードする核酸のレベルを検出するために設計され得るか、ま
たは直接ホスファターゼアッセイもしくは結合ホスファターゼアッセイにおいて
、DSP−3のホスファターゼ活性を検出し得る。一般的には、本発明のキット
は、アッセイにおいて使用される要素(例えば、試薬または緩衝液)を封入した
1つ以上の容器を含む。
【0104】 DSP−3(またはDSP−3代替形態)、またはDSP−3(またはDSP
−3代替形態)をコードする核酸のレベルを検出するためのキットは、代表的に
はDSP−3タンパク質、DSP−3DNAあるいはDSP−3RNAに結合す
る試薬を含む。DSP−3をコードする核酸を検出するために、試薬は、核酸プ
ローブまたはPCRプライマーであり得る。DSP−3タンパク質を検出するた
めに、試薬は、代表的には抗体である。このようなキットはまた、試薬の直接的
または間接的検出に適したレポーター基を含む(すなわち、レポーター基は、こ
の試薬に共有結合で結合され得るか、または第2の分子(例えば、プロテインA
、プロテインG、免疫グロブリンまたはレクチン)に結合し得、この第2の分子
自身が、試薬に結合し得る)。適切なレポーター基としては、酵素(例えば、セ
イヨウワサビペルオキシダーゼ)、基質、補因子、インヒビター、色素、放射性
核種、発光基、蛍光基およびビオチンが挙げられるが、これらに限定されない。
このようなレポーター基は、当業者に公知の標準的な方法を使用して、サンプル
成分に対する試薬の結合を直接的または間接的に検出するために使用され得る。
【0105】 DSP−3活性を検出するためのキットは、代表的には適切な緩衝液と組合せ
たDSP−3基質を含む。DSP−3活性は、上記のようなホスファターゼアッ
セイを行う前に、DSP−3特異的抗体を用いて免疫沈降工程を実施することに
より特異的に検出され得る。基質の脱リン酸化を検出する際の使用のための他の
試薬もまた提供され得る。
【0106】 特定の診断アッセイにおいて、変化したDSP−3(またはDSP−3代替形
態)の存在または変化したレベルのDSP−3(またはDSP−3代替形態)発
現に基づいて、増殖障害は、患者または本明細書中に提供されるような任意の別
の生物学的供給源生物において、検出され得る。例えば、抗体は、野生型DSP
−3とアミノ酸配列におけるバリエーションを有する変化したDSP−3とを識
別し得る。このようなバリエーションは、増殖障害の存在、またはこのような障
害の感受性を示し得る。ハイブリダイゼーションおよび増幅技術は、同様に改変
DSP−3配列を検出するために使用され得る。
【0107】 (DSP−3活性のモジュレーターを同定するための方法) 本発明の1つの局面において、DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリ
ペプチドは、DSP−3活性を調節する薬剤を同定するために使用され得る。こ
のような薬剤は、MAP−キナーゼカスケードを介するシグナル変換を阻害また
は増強し、細胞増殖を引き起こし得る。DSP−3活性を調節する薬剤は、DS
P−3の発現および/もしくは安定性、DSP−3タンパク質活性ならびに/ま
たは基質を脱リン酸化するDSP−3の能力を変化(例えば、実質的に有意な様
式において上昇または減少)させ得る。このようなアッセイにおいてスクリーニ
ングされ得る薬剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体
およびその抗原結合フラグメント、例えば、触媒部位または二重リン酸化モチー
フを提示する競合基質またはペプチド、DSP−3の転写および/または翻訳を
妨害するアンチセンスポリヌクレオチドおよびリボザイム、ならびにDSP−3
に結合し、そしてDSP−3を不活化する他の天然分子および合成分子(例えば
、低分子インヒビター)。
【0108】 本発明に従うDSP−3のモジュレーターをスクリーニングする方法における
使用のための候補薬剤は、「ライブラリー」または化合物、組成物もしくは分子
のコレクションとして提供され得る。このような分子は、代表的には、当該分野
において「低分子」として知られ、そして105ダルトン未満、好ましくは10
4ダルトン未満、そしてなおより好ましくは、103ダルトン未満の分子量を有
する化合物を含む。例えば、試験化合物のライブラリーのメンバーは、本明細書
中に提供されるような少なくとも1つのDSP−3ポリペプチド(またはDSP
−3代替形態ポリペプチド)を各々含む、複数のサンプルに投与され得、次いで
基質のDSP−3媒介脱リン酸化または基質へのDSP−3媒介結合を増強また
は阻害するそれらの能力についてアッセイされる。DSP−3機能(例えば、ホ
スホチロシンおよび/またはホスホセリン/スレオニン脱リン酸化)に影響を与
え得るとしてこのように同定された化合物は、治療目的および/または診断目的
のために役立つ。なぜなら、これらは、DSP−3活性に関連する疾患の処置お
よび/または検出を可能にするからである。このような化合物はまた、DSP−
3に関与する分子シグナル伝達機構に関する研究、およびさらなる特異性を示す
将来のDSP−3化合物の発見および開発における改良に関する研究において役
立つ。
【0109】 候補薬剤はさらに、コンビナトリアルライブラリーのメンバーとして提供され
得、これは、好ましくは、複数の反応容器中で行われる所定の複数の化学反応に
従って調製された合成薬剤を含む。例えば、種々の出発化合物は、1以上の固相
合成、記録されたランダム混合手順および記録された反応分割手段を利用して調
製され得、これらは、所定の構成が、複数の順列および/または組み合わせの反
応条件を帰属可能に受けることを可能にする。得られる生成物は、スクリーニン
グされ得、次いで反復の選択および合成手順をされ得るライブラリー(例えば、
ペプチド(例えば、PCT/US91/08694、PCT/US91/046
66(これらは、本明細書中でその全体を参考として援用される)を参照のこと
)または本明細書中で提供されるような低分子を含み得る他の組成物(例えば、
PCT/US94/08542、EP 0774464、米国特許第5,798
,035号、米国特許第5,789,172号、米国特許第5,751,629
号(これらは、本明細書中でその全体を参考として援用される)を参照のこと)
の合成コンビナトリアルライブラリー)を構成する。このようなライブラリーの
多様な分類は、確立された手順に従って調製され得、そして本開示に従うDSP
−3を用いて試験され得ることを、当業者は理解する。
【0110】 特定の実施形態においては、調節薬剤は、候補薬剤を、DSP−3(またはD
SP−3代替形態)ポリペプチドまたはこのようなポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドと、インビトロまたはインビボで組み合わせ、そして候補薬剤の
DSP−3ホスファターゼ活性に対する効果を、例えば、本明細書中に記載され
る代表的なアッセイを用いて評価することによって同定され得る。ホスファター
ゼ活性における増加または減少は、候補薬剤の存在下および非存在下で、本明細
書中に提供される代表的なアッセイを行うことによって測定され得る。手短には
、候補薬剤は、活性DSP−3ポリペプチドと基質(例えば、リン酸化MAP−
キナーゼ)の混合物中に、この混合物の1以上の成分とのプレインキュベーショ
ンありまたはなしで含まれ得る。一般的に、抗体またはこのようなアッセイにお
ける使用のための他の薬剤の適切な量は、約0.01μM〜約100μMの範囲
である。次いで、薬剤のDSP−3活性への効果は、基質からのホスフェートの
損失を定量化し、そしてその損失を、候補薬剤の添加なしでDSP−3を用いて
達成された損失と比較することによって評価され得る。あるいは、結合キナーゼ
アッセイが使用され得、このアッセイにおいてDSP−3活性は、MAP−キナ
ーゼ活性に基づいて間接的に測定される。
【0111】 あるいは、DSP−3コード領域またはレポーター遺伝子と作動可能に連結さ
れたDSP−3プロモータを含むポリヌクレオチドは、試験化合物のDSP−3
転写への影響を評価するために使用され得る。このようなアッセイは、DSP−
3を内因的に発現する細胞(例えば、ヒトもしくは他の哺乳動物の骨格筋、心臓
、脳、肝臓または膵臓の細胞)またはレポーター遺伝子と連結したDSP−3プ
ロモーターを含む発現ベクターでトランスフェクトされた細胞において行われ得
る。次いで、試験化合物の効果は、DSP−3またはレポーターの転写に対する
効果を、例えば、ノーザンブロット分析または適切なレポーター活性アッセイを
用いてアッセイすることによって評価され得る。
【0112】 DSP−3活性はまた、その発現が適切な基質の活性化に依存するレポーター
遺伝子でトランスフェクトした全細胞において測定され得る。例えば、適切な細
胞(すなわち、DSP−3を発現する細胞)は、レポーター遺伝子と連結された
基質依存性プロモーターでトランスフェクトされ得る。このような系において、
レポーター遺伝子の発現(これは、当業者に周知の方法を用いて容易に検出され
得る)は、基質の活性化に依存する。基質の脱リン酸化は、レポーター活性にお
ける減少に基づいて検出され得る。候補調節薬剤は、上記のようにこのような系
に添加され得、DSP−3活性に対するそれらの効果を評価する。
【0113】 本発明はさらに、DSP−3(またはDSP−3代替形態)と相互作用するか
、またはDSP−3(またはDSP−3代替形態)に結合する分子を同定するた
めの方法を提供する。このような分子は、一般的に、少なくとも104、好まし
くは、少なくとも105、より好ましくは、少なくとも106、なおより好まし
くは、少なくとも107、そして最も好ましくは、少なくとも108の親和力定
数(Ka)を有してDSP−3と会合する。親和力定数は、周知の技術を用いて
決定され得る。相互作用分子を同定するための方法は、例えば、調節薬剤につい
ての最初のスクリーニングとして、またはインビボでのDSP−3活性に関与す
る因子を同定するために使用され得る。基質捕捉のための技術(例えば、上記の
ようなDSP−3改変体またはDSP−3基質捕捉変異体を用いる)はまた、本
明細書中で提供される特定の実施形態に従って意図される。標準的な結合アッセ
イに加えて、相互作用分子を同定するために周知である多くの他の技術(酵母ツ
ーハイブリッドスクリーニング、ファージディスプレイおよび親和力技術を含む
)が存在する。このような技術は、慣用的なプロトコルを用いて行われ得、これ
らのプロトコルは当業者に周知である(例えば、Bartelら、Cellul
ar Interactions in Development:A Pra
ctical Approach、D.A.Harley(編)、Oxford
University Press(Oxford,UK)、153〜179
頁、1993を参照のこと)。これらおよび他の技術においては、候補相互作用
タンパク質(例えば、推定DSP−3基質)は、DSP−3結合タンパク質また
はDSP−3相互作用タンパク質の存在についてアッセイする前に、リン酸化さ
れ得る。
【0114】 他の局面においては、本発明は、動物が機能的なDSP−3(またはDSP−
3代替形態)の発現も、変化したDSP−3の発現もしない、動物モデルを提供
する。このような動物は、標準的な相同組換え戦略を用いて産生され得る。この
様式で産生された動物モデルは、DSP−3ポリペプチドの活性およびインビボ
での調節薬剤を研究するために使用され得る。
【0115】 (基質を脱リン酸化する方法) 本発明の別の局面において、DSP−3(またはDSP−3代替形態)ポリペ
プチドは、本明細書中で提供されるDSP−3の基質を脱リン酸化するために使
用され得る。1つの実施形態において、基質は、30℃で10分間、適切な緩衝
液(例えば、Tris、pH7.5、1mM EDTA、1mM ジチオスレイ
トール、1mg/mL ウシ血清アルブミン)中で基質とともにDSP−3ポリ
ペプチドをインキュベートすることで、インビボで脱リン酸化され得る。MAP
キナーゼのような、DSP−3によって脱リン酸化され得る任意の化合物が、基
質として使用され得る。一般に、反応成分の量は、約50pg〜約50ngのD
SP−3ポリペプチドにわたり、そして約10ng〜約10μgの基質にわたり
得る。次いで、脱リン酸化された基質は、例えば、親和性技術および/またはゲ
ル電気泳動によって精製され得る。基質の脱リン酸化の程度は、[γ−32P]
標識化基質を試験アリコートに添加し、そして本明細書中に記載されるように基
質の脱リン酸化のレベルを評価することによって、一般にモニターされ得る。
【0116】 (細胞応答を調節する方法) 調節薬剤は、インビボおよびインビトロの両方の種々の状況における、細胞の
増殖、分化および生存のような細胞応答を、調節、改変またはさもなくば変化(
例えば、増加または減少)するために使用され得る。一般に、このような応答を
調節(例えば、統計的に有意な様式で増加または減少)するために、細胞は、D
SP−3活性の調節を可能にするのに十分な時間および条件下で、DSP−3活
性を調節する薬剤に接触される。細胞応答を調節する薬剤は、種々の方法の任意
において機能し得る。例えば、薬剤は、遺伝子発現のパターンを調節し得る(す
なわち、協調的様式で発現される遺伝子ファミリーまたは遺伝子の発現を増大ま
たは阻害し得る)。種々のハイブリダイゼーションおよび増幅の技術は、遺伝子
発現のパターンを評価するために利用可能である。あるいは、またはさらに、薬
剤は細胞のアポトーシスまたは壊死をもたらし得、そして/または細胞内の細胞
サイクルの機能を調節し得る。(例えば、Ashkenaziら、1998 S
cience、281:1305;Thornberryら、1998 Sci
ence 281:1312;Evanら、1998 Science 281
:1317;Adamsら、1998 Science 281:1322;お
よびそれらに列挙される参考文献を参照のこと。) 上記のように処置された細胞は、変化した増殖、分化または生存特性を有する
細胞の標準的特徴を示し得る。さらに、このような細胞は、細胞増殖の接触阻害
、足場非依存性増殖または改変された細胞間接着のような、他の検出可能な特性
における変化を示し得る(しかし、必要とはされない)。このような特性は、当
業者が精通した技術を使用して容易に検出され得る。
【0117】 (治療方法) 1つ以上のDSP−3ポリペプチド(もしくはDSP−3代替形態ポリペプチ
ド)、調節薬剤および/またはこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドおよび/または調節薬剤はまた、患者においてDSP−3活性を調節する
ためにも使用され得る。本明細書中で使用される場合、「患者」は、任意の哺乳
動物(ヒトを含む)であり得、そしてDSP−3活性に関連した状態に冒され得
るか、または検出可能な疾患を有さないものであり得る。従って、処置は、存在
する疾患の処置であり得るか、または予防的であり得る。DSP−3活性に関連
する状態としては、細胞増殖(癌、対宿主性移植片病(GVHD)、自己免疫疾
患、アレルギーまたは免疫抑制が関与し得る他の状態を含む)、代謝疾患、異常
な細胞増殖または異常な細胞分化、および細胞周期異常に関連する任意の障害が
挙げられる。このような特定の障害は、正常なMAPキナーゼのホスファターゼ
活性の欠損に関連し、制御されていない細胞増殖を導く。DSP−3ポリペプチ
ドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、このような
障害を回復させるために使用され得る。DSP−3のアクチベーターをまた使用
し、デュシェーヌ筋ジストロフィーを含む特定の障害を処置し得る。
【0118】 患者への投与のために、1つ以上のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび/
または調節薬剤が、薬学的組成物として一般に処方される。薬学的組成物は、滅
菌した水溶液または非水溶液、懸濁液または乳濁液であり得、これはさらに生理
学的に受容可能なキャリア(すなわち、活性成分の活性に干渉しない非毒性物質
)を含む。このような組成物は、固体、液体または気体(エアロゾル)の形態で
あり得る。あるいは、本発明の組成物は、凍結乾燥物として処方され得るか、ま
たは化合物は、周知の技術を使用してリポソーム内にカプセル化され得る。本発
明の範囲内の薬学的組成物はまた、他の成分を含み得、これらは生物学的に活性
であるか、または不活性であり得る。このような成分としては、以下が挙げられ
るがこれらに限定されない:緩衝液(例えば、中性緩衝生理食塩水またはリン酸
緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えば、ブドウ糖、マンノース、ショ糖またはデ
キストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド、またはグリシンのよ
うなアミノ酸、抗酸化剤、EDTAまたはグルタチオンのようなキレート化剤、
安定剤、色素、矯味矯臭剤、および懸濁剤および/または保存剤。
【0119】 当業者に公知の任意の適切なキャリアは、本発明の薬学的組成物において使用
され得る。治療的使用のためのキャリアは周知であり、そして例えば、Remi
ngtons Pharmaceutical Sciences,Mack
Publishing Co.(A.R.Gennaro編 1985)に記載
される。一般に、キャリアの型は、投与の形態に基づいて選択される。薬学的組
成物は、投与(例えば、局所的、経口、経鼻、クモ膜下内、直腸、膣、舌下、ま
たは非経口(皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternal)、空
洞内、道内(intrameatal)、または尿道内の注射あるいは注入が挙
げられる)投与が挙げられる)の任意の適切な様式のために処方され得る。非経
口投与について、このキャリアは、好ましくは水、生理食塩水、アルコール、脂
肪、ワックスまたは緩衝液を含む。経口投与について、上記の任意のキャリアま
たは固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン
酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石粉、セルロース、カオリン、グリ
セリン、デンプンデキストリン、アルギニン酸ナトリウム、カルボキシメチルセ
ルロース、エチルセルロース、ブドウ糖、ショ糖、および/または炭酸マグネシ
ウム)が使用され得る。
【0120】 薬学的組成物(例えば、経口投与または注射による送達のための)は、液体形
態(例えば、エリキシル、シロップ、溶液、乳濁液または懸濁液)であり得る。
液体の薬学的組成物としては、例えば以下の1つ以上が挙げられ得る:注射のた
めの水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム、
溶媒または懸濁媒体として役立ち得る合成のモノグリセリドまたはジグリセリド
のような不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコ
ールまたは他の溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラ
ベン(paraben)のような抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナト
リウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤;アセ
テート、シトレートまたはホスフェートのような緩衝液および塩化ナトリウムま
たはブドウ糖のような張度の調節のための薬剤。非経口調製物は、ガラスまたは
プラスチックで作製されたアンプル、使い捨てシリンジまたは複数の用量バイア
ルに同封され得る。生理食塩水の使用が好ましく、そして注射可能な薬学的組成
物は、好ましくは滅菌されている。
【0121】 本明細書中に記載された組成物は、持続放出のために処方され得る(すなわち
、投与に続く化合物の緩やかな放出をもたらすカプセルまたはスポンジのような
処方物)。このような組成物は、一般的には周知の技術を用いて調製され得、そ
して例えば、経口、直腸または皮下埋め込み術によってか、または所望の標的部
位への移植によって投与され得る。持続放出処方物は、キャリアマトリックスに
おいて分散され、そして/または速度制御膜によって囲まれたリザーバ内に含ま
れる薬剤を含み得る。このような処方物内での使用のためのキャリアは、生体適
合性であり、そしてまたは生分解性であり得る;好ましくは、この処方物は、活
性成分の放出の比較的一定のレベルを提供する。持続放出処方物に含まれる活性
成分の量は、移植の部位、放出の速度および予期される持続期間ならびに処置ま
たは予防される状態の性質に依存する。
【0122】 DSP−3ポリペプチドおよび/または調節薬剤をコードするポリヌクレオチ
ドを(ポリペプチドおよび/または調節薬剤が、インサイチュで生成されるよう
に)含有する薬学的組成物に関して、このポリヌクレオチドは、核酸ならびに、
細菌発現系、ウイルス発現系および哺乳動物発現系を含む、当業者に公知の種々
の送達系のいずれかに存在され得る。このような発現系にDNAを取り込むため
の技術は、当業者に周知である。このDNAはまた、例えば、Ulmerら、S
cience 259:1745−1749,1993に記載およびCohen
,Science 259:1691−1692,1993によって概説される
ように「裸」であり得る。裸のDNAの取り込みは、細胞に効果的に輸送される
生分解性ビーズ上にDNAを被覆することによって上昇され得る。
【0123】 薬学的組成物内の、DSP−3ポリペプチド(または、DSP−3の代替形態
)、ポリヌクレオチドまたは調節薬剤は、種々の化合物のいずれかに連結され得
る。例えば、このような因子は、その薬剤の標的部位への送達を容易にする標的
化部分(例えば、モノクロナール抗体またはポリクロナール抗体、タンパク質ま
たはリポソーム)に連結され得る。本明細書中で使用される場合「標的化部分」
は、任意の物質(例えば、化合物または細胞)であり得、その薬剤の標的細胞ま
たは組織への輸送を増大する薬剤と連結された場合、それによってその薬剤の局
所的な濃度を上昇する。標的化部分としては、抗体またはそのフラグメント、レ
セプター、リガンドならびに標的組織の細胞に結合する他の分子、または標的組
織の近位の細胞に結合する他の分子が挙げられる。抗体標的化因子は、インタク
ト(全て)な分子、そのフラグメント、またはその機能的な等価物であり得る。
抗体フラグメントの例としては、F(ab’)2、−Fab’、FabおよびF
[v]フラグメントであり、これらは、従来の方法によってか、または遺伝子工
学もしくはタンパク質工学によって産生され得る。結合は、一般的には、共有結
合であり、そして例えば、直接縮合または他の反応によってか、二機能性リンカ
ーまたは多機能性リンカーを手段として達成され得る。標的化部分は、薬剤が治
療的利点を発揮すると予期される、細胞または組織に基づいて選択され得る。
【0124】 薬学的組成物は、処置(または予防)される疾患に適切な様式で投与され得る
。適切な投薬量ならびに投与の適切な持続期間および頻度は、患者の状態、患者
の疾患の型および重篤性、活性成分の特定の形態および投与の方法のような因子
によって決定される。一般的には、適切な投薬量および処置レジメンは、治療的
利点および/または予防的利点(例えば、より多くの完全な寛解または部分的な
寛解、または長期の無疾患および/または全体的な生存のような臨床的な成果を
向上させる)を提供するのに十分な量で薬剤を提供する。予防的な使用に関して
、用量は、細胞増殖に関連する疾患の発症を予防、遅延、またはこれの重篤性を
減少するのに十分でなければならない。
【0125】 最適な投薬量は、一般的には、実験的なモデルおよび/または臨床的な試みを
用いて決定され得る。一般的には、用量において存在するポリペプチドの量また
は用量において存在するDNAによってインサイチュで産生されるポリペプチド
の量は、約0.01μg/kg宿主〜約100μg/kg宿主、代表的には約0
.1μg〜約10μgの範囲である。効果的な治療を提供するのに十分な最小投
薬量の使用は、通常好ましい。患者は、一般的には、当業者に公知である処置ま
たは予防される状態について適切なアッセイを用いて治療有効性または予防有効
性についてモニターされ得る。適切な用量サイズは、患者の大きさに伴なって変
化するが、代表的には、10〜60kgの動物に対して約10mL〜約500m
Lの範囲である。
【0126】 以下の実施例は、例示の目的で提示するが、限定の目的ではない。
【0127】 (実施例) (実施例1) (DSP−3をコードするcDNAのクローニングおよび配列決定) 本実施例は、ヒトDSP−3をコードするcDNA分子のクローニングを示す
【0128】 二重特異性(dual−specificity)ホスファターゼの活性部位
ドメインの周囲の保存された配列モチーフを以下のように同定した:二重特異性
ホスファターゼは、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)のより大きな
ファミリーに属する。このファミリーのホスファターゼは、5つの可変アミノ酸
ストレッチのN末端に位置するシステイン残基、それに続くアルギニン残基を含
む保存された触媒性ドメインを共有する(Faumanら、Trends In
Bioch.Sci.21:413〜417、1996)。DSPは、代表的
に、PTP活性部位モチーフを含むが、他の領域においてはPTPに対する配列
相同性を欠いている(Jia,Biochem.and Cell Biol.
75:17〜26,1997)。しかし、DSPの間で保存されているコンセン
サス配列は、報告されておらず、かつ上記に言及されたような公知のDSP配列
の試験から明白なコンセンサス領域も報告されていない。新しいDSPファミリ
ーメンバーの同定に有用な、より長いコンセンサスDSPアミノ酸配列モチーフ
を誘導するために、複数の公知のヒト二重特異性ホスファターゼ配列を整列させ
、比較した。MAP−キナーゼホスファターゼ活性を有する8つのヒトDSP由
来の8つのアミノ酸配列の整列により、PTP活性部位サインモチーフを含む2
3アミノ酸のペプチド配列から構成される保存された相同性領域を得た。従って
、以下の配列: GRVLVHCQAGISRSGTNILAYLM(配列番号4) を有する候補ペプチドを用いて、発現配列タグ(Exprssed Seque
nce Tag)データベース(Nat.Center for Biol.I
nformation.www.ncbi.nlm.nih.gov/dbES
T)を検索した。この検索では、デフォールトパラメータ中の遺伝子コード縮重
性を可能にする繰り返し(iteration)により、候補ペプチドの逆翻訳
を可能にするアルゴリズム(tblastn)を使用した。この検索結果は、E
ST AA374753、ならびにAA411671およびH82446を、候
補MAP−キナーゼホスファターゼ配列として同定した。このESTは、MAP
−キナーゼホスファターゼ活性を有するDSP−3をコードする遺伝子のような
、発現される遺伝子の完全なコード領域を含まなかった。また、センス鎖および
オープンリーディングフレームも同定されなかった。
【0129】 全長コード配列を得るために、ヒト骨格筋cDNAを、5’/3’RACEキ
ット(Boehringer Mannheim ,Indianapolis
,IN;Clontech,Palo Alto,CA;Life Techn
ologies,Gaithersburg,MD)を供給業者の指示に従って
用いて、記載のように(Frohmanら、Proc.Nat.Acad.Sc
i.USA 85:8998、1988;Oharaら、Proc.Nat.A
cad.Sci.USA 86:5673、1989;Lohら、Scienc
e 243:217、1989)、5’および3’RACE(rapid am
plification of cDNA end:cDNA末端の迅速増幅)
反応においてスクリーニングした。保存された配列モチーフにすぐ隣接する配列
情報を、ヒト骨格筋cDNAでのこの5’および3’RACE反応において用い
た。これには、以下のプライマー(配列番号5〜8)を用いた。
【0130】
【化1】 開始コドンおよび終止コドンのみを欠失する全長cDNAを、以下のプライマ
ー(配列番号9〜10)を使用して得た。
【0131】
【化2】 184アミノ酸(図2:配列番号2)のタンパク質をコードするcDNA(図
1:配列番号1)を、DSP−3として同定した。この配列は、他のMAP−キ
ナーゼホスファターゼに対して有意な相同性を有する(図3)。この同定された
cDNAは、552塩基対のコード領域、ならびに関連する5’および3’非翻
訳配列を含む。DSP−3についての活性部位ドメインは、配列番号1の258
位で始まるヌクレオチドによってコードされる領域に局在化された。
【0132】 半定量的RT−PCR分析を実行した。これらの分析は、骨格筋組織における
、高いレベルのDSP−3 mRNAを示した。
【0133】 (実施例2) (ヒト組織におけるDSP−3発現) 本実施例において、DSP−3コード核酸配列は、種々の組織供給源由来のヒ
トポリA+RNAにハイブリダイズすることが示される。核酸ハイブリダイゼー
ションプローブとしての使用のため、全長DSP−3コードcDNA(配列番号
1)を、Ausubelら(1998 Current Protocols
in Molecular Biology,Greene Publ.Ass
oc.Inc.& John Wiley & Sons,Inc.,Bost
on,MA)に記載のランダムプライマー方法により32P標識した。このプロー
ブを、検出可能なβアクチンmRNAの量について正規化した、複数のヒト組織
に由来するヒトポリA+RNAを含むブロット(図4、カタログ番号7759−
1;Clontech,Inc.,Palo Alto,CA)にハイブリダイ
ズさせた。Express HybTM溶液(Clontech)中で68℃で3
0分間、ブロットをプレハイブリダイゼーションし、次いで、標識したプローブ
を、Express HybTM溶液中で68℃で1時間ハイブリダイズさせた。
次に、このブロットを、2×SSC、0.5% SDS中で、室温にて40分間
洗浄し、次いで、0.1×SSC、0.1%SDS中で50℃で40分間、2回
目の洗浄をした。ブロットを、Hyperfilm MPTMオートラジオグラフ
フィルム(Amersham Life Sciences,Arlingto
n Hts,IL)に一晩露光させた。結果を図4に示す。ここでは、RNAの
ヒト組織供給源は以下のとおりであった:レーン1、心臓;レーン2、脳;レー
ン3、胎盤;レーン4、肺;レーン5、肝臓;レーン6、骨格筋;レーン7、腎
臓;レーン8、脾臓。特に明確なDSP−3発現が、ヒト心臓、肝臓、骨格筋お
よび膵臓で検出され、他の組織においても発現が検出された。
【0134】 (実施例3) (マウスDSP−3改変体の同定) 本実施例は、実施例1で同定されたDSP−3配列に基づく、マウスDSP−
3改変体の同定を記載する。全長DSP−3コードポリヌクレオチド配列(配列
番号1)を、上記のようなBLASTアルゴリズムを使用して、検索配列として
マウスESTデータベースに入力し、以下の2つのESTを得た:AA1035
95およびAW413206。これら2つのEST配列のアライメントは、94
の同一ヌクレオチドの重複を示し、図5に示されるマウスDSP−3改変体コー
ド配列(配列番号20)を生じ、そして図6に示されるような205アミノ酸の
マウスDSP−3改変体ポリペプチド(配列番号21)をコードするオープンリ
ーディングフレームを決定した。活性部位配列VHCLAGVSRS(配列番号
3)は、配列番号21のアミノ酸第86〜95位に存在する。
【0135】 このマウスDSP−3改変体を分子クローニングするために、この全長コード
配列を含むポリヌクレオチドを、標準的なPCR条件および以下のプライマーを
使用して、マウスcDNAライブラリーから増幅する:
【0136】
【化3】 (実施例4) (ヒトDSP−3代替形態スプライシング改変体の同定) 全長マウスDSP−3改変体コードポリヌクレオチド配列(配列番号20)を
、上記のようにBLASTアルゴリズムを使用して、検索配列としてヒトEST
データベースに入力し、そしてEST AK000383を得た。このESTの
3つ全ての可能な読み枠での翻訳により、その第2の読み枠において、実施例3
に記載のマウスDSP−3改変体(配列番号21)のアミノ酸第65〜205位
と同一であるアミノ酸配列フラグメントを生じた。この翻訳されたEST AK
000383アミノ酸配列フラグメントの、配列番号2のヒトDSP−3アミノ
酸配列とのアライメントは、この翻訳されたESTオープンリーディングフレー
ムのアミノ末端(配列番号2のアミノ酸第65位に対応する)から配列番号2の
第169位に対応するロイシン残基までの配列同一性を明らかにした。しかし、
配列番号2のC末端15アミノ酸は、この翻訳されたEST AK000383
フラグメントに存在せず、このフラグメントは、代わりに、上記マウスDSP−
3改変体(配列番号21)のC末端に同一な36アミノ酸配列を含んだ。従って
、配列番号21の170〜205位のアミノ酸は、36アミノ酸の代替的なDS
P−3カルボキシル末端を表し、これが、配列番号2のC末端15アミノ酸に代
って、配列番号21のアミノ酸65〜205位を含みそして配列番号20または
その改変体のヌクレオチド配列の全てまたは一部を含む核酸配列によってコード
される、DSP−3の代替形態で存在しているのかもしれない。非限定的な理論
に従い、このDSP−3の代替形態は、選択的mRNAスプライシング事象の産
物であるようである。
【0137】 このDSP−3の代替形態(配列番号20)を分子クローニングするために、
全長コード配列を含むポリヌクレオチドを、標準的なPCR条件および以下のプ
ライマーを使用して、ヒトcDNAライブラリーから増幅する:
【0138】
【化4】 (実施例5) (DSP−3ホスファターゼ活性) チロシンリン酸化された32P標識したEGFレセプター自己リン酸化部位ペプ
チドを基質として使用するDSP活性のアッセイを、本質的に(Flintら、
1993 EMBO J.12:1937−1946;Zhangら、1994
Biochem.33:2285−2290)に記載されるように行った。配
列番号25のDSP−3コード配列を含むポリヌクレオチドを、製造業者の説明
に従って、pGEX発現ベクター(Pharmacia,Piscataway
,NJ)にクローニングし、そしてDSP−3−グルタチオン−S−トランスフ
ェラーゼ(GST)融合タンパク質としてE.coli中で発現させた。抽出後
の固定グルタチオン(Pharmacia)上でのこのDSP−3−GST融合
タンパク質のアフィニティー単離もまた、製造業者に推奨されるように行った。
他に示されない限り、全ての試薬は、Sigma Chemical Co.(
St.Louis,MO)製であった。氷冷アッセイ緩衝液(25mM イミダ
ゾール(EM Science,Gibbstown,NJ)−pH 7.2、
1mM EDTA、2mM ジチオトレイトール(DTT,Roche Mol
ecular Biochemicals,Indianapolis,IN)
、0.25mg/ml オボアルブミン(Calbiochem−Novabi
ochem,La Jolla,CA))のアリコート(20μl)を、酵素ネ
ガティブコントロールとして示したウェルに添加した。この酵素量が、このアッ
セイ中の20%未満の基質を利用するように50%グリセロールストックから氷
冷アッセイ緩衝液に希釈したDSP−3(配列番号2)を、酵素ネガティブコン
トロールを除く全てのウェルに、20μl/ウェルで添加した。プレートを20
秒間攪拌し、各ウェルの内容物を混合し、13分間室温でインキュベートした。
基質として、アミノ酸配列DADEpYL−NH2[配列番号26]を有するE
GFレセプター由来の自己リン酸化部位を、本質的に(Zhangら、1994
Biochem.33:2285:比活性11μCi/nMol)に記載され
るような32P標識した基質ペプチドとして調製し、アッセイ緩衝液中0.6μM
に希釈し、そして全てのウェルに20μlアリコートで添加した。プレートを再
度攪拌し、次いで、さらに13分間インキュベートし、この時点で、140μl
の活性炭懸濁液(0.1M NaH2PO4(pH5以下)中、25mg/ml)
を各ウェルに添加し、内容物をボルテックスによって混合し、次いで、プレート
を、卓上遠心分離機(Beckman Instruments,Inc.Fu
llerton,CA)で、室温にて3分間、2400rpmで遠心分離した。
各ウェル中の上清液のアリコート(100μl)を、βシンチレーション計数プ
レート(Wallae,Inc.Gaithersburg,MD)に移し、そ
してWallac MicrobetaTMプレートカウンターを製造業者の推奨
に従って使用して、32Pβ放射を定量した。バックグラウンド計数を差し引き、
酵素ネガティブコントロールの値に対して補正し、そしてコントロールウェルに
正規化した後、EGFレセプターペプチド基質に対するDSP−3比活性は、8
8.4nモル/分/mgであると算出され、Km=1.2μMであった。
【0139】 前述により、本発明の特定の実施形態が例示の目的で本明細書において記載さ
れているが、種々の改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ
得ることが理解される。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってしか限
定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DSP−3についてのcDNA配列(配列番号1)を示し、開始コド
ンおよび終止コドンが、太字で示される。
【図2】 図2は、DSP−3の推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】 図3は、DSP−3と他のMAP−キナーゼホスファターゼとの間の配列類似
性を示す、配列アラインメントである。
【図4】 図4は、32P標識した全長DSP−3コード核酸配列をプローブとして使用す
る、ノーザンブロットハイブリダイゼーションを示す。ブロットは、以下のよう
な種々の組織型由来のヒトポリA+RNAを含んだ:レーン1、心臓;レーン2
、脳;レーン3、胎盤;レーン4、肺;レーン5、肝臓;レーン6、骨格筋;レ
ーン7、腎臓;レーン8、膵臓。
【図5】 図5は、マウスDSP−3改変体についてのcDNA配列(配列番号20)を
示し、開始コドンおよび終止コドンが、太字で示される。
【図6】 図6は、配列番号20のタンパク質コード領域によってコードされるマウスD
SP−3改変体の推定アミノ酸配列(配列番号21)を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 21/04 A61P 35/00 4B065 35/00 37/02 4C084 37/02 43/00 105 4C085 43/00 105 C07K 16/40 4H045 C07K 16/40 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 9/16 B 5/06 C12Q 1/02 5/10 1/42 9/16 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/42 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 33/577 B 33/58 Z 33/566 C12P 21/08 33/577 C12N 15/00 ZNAA 33/58 5/00 A // C12P 21/08 E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 DA12 DA13 DA14 DA36 FB01 FB02 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 AA12 BA11 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B050 CC04 DD11 LL01 LL03 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ20 QQ33 QQ53 QR06 QR55 QR59 QR69 QR80 QS24 QS25 QS28 QS33 QS34 4B064 AG27 AG31 CA02 CA10 CA19 CA20 CC24 CE12 DA13 4B065 AA26X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA31 CA44 CA46 4C084 AA02 AA03 AA07 AA13 AA17 BA44 MA13 MA17 MA22 MA23 MA24 MA31 MA34 MA37 MA44 MA52 MA56 MA57 MA59 MA60 MA66 MA67 NA14 ZA942 ZB072 ZB132 ZB212 ZB262 ZC212 4C085 AA14 AA15 AA16 AA25 AA26 AA27 BB22 BB36 BB41 BB43 BB44 CC02 CC04 CC05 CC13 CC17 CC29 CC32 DD23 DD24 DD33 DD35 DD37 DD62 DD63 DD86 DD88 EE01 EE06 FF24 GG02 GG03 GG04 GG05 GG06 GG08 GG10 4H045 AA11 AA30 CA40 DA76 DA89 EA27 EA28 EA50 FA72 FA74 GA26

Claims (98)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2に記載されるDSP−3の配列あるいはその改変
    体を有する単離されたポリペプチドであって、該改変体は、該ポリペプチドが活
    性化MAPキナーゼを脱リン酸化する能力を保持するように、配列番号2におけ
    る残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入、または置換に
    て異なる、単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2に対応する配列を有するポリペプチドの少なくと
    も10個連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2に対応する配列を有するポリペプチドの少なくと
    も15個連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む、
    発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発現ベクターを用いて形質転換されたかま
    たはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離されたポ
    リヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1に記載された配列を含む、請求項6に記載のポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の発現ベクターを用いて形質転換されたかま
    たはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のポリヌクレオチドに相補的な少なくとも
    15個連続するヌクレオチドを含む、アンチセンスポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 配列番号1に記載される配列の相補体に、50℃にて15
    分間の0.1×SSCおよび0.1%SDS中での洗浄を含む条件下で、検出可
    能にハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  14. 【請求項14】 DSP−3ポリペプチドを産生する方法であって、以下の
    工程: (a)請求項9に記載の宿主細胞を、DSP−3ポリペプチドの発現を可能にす
    る条件下で培養する工程;および (b)該宿主細胞培養物から該DSP−3ポリペプチドを単離する工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 配列番号2の配列を有するDSP−3ポリペプチドに特異
    的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  16. 【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載
    の抗体またはそのフラグメント。
  17. 【請求項17】 薬学的組成物であって、生理学的に受容可能なキャリアと
    組み合わせて請求項15に記載の抗体またはそのフラグメントを含む、薬学的組
    成物。
  18. 【請求項18】 サンプル中のDSP−3発現を検出するための方法であっ
    て、以下: (a)サンプルを、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと
    、抗体/DSP−3複合体を形成させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程
    ;および (b)抗体/DSP−3複合体のレベルを検出し、そしてそこからサンプル中の
    DSP−3の存在を検出する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 前記抗体が支持物質に連結される、請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記抗体が検出可能なマーカーに連結される、請求項18
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記サンプルが患者から得られた生物学的サンプルである
    、請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 サンプル中のDSP−3発現を検出するための方法であっ
    て、以下: (a)サンプルを、請求項10または請求項11に記載のアンチセンスポリヌク
    レオチドと接触させる工程;および (b)該サンプルにおいて該アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズす
    るDSP−3ポリヌクレオチドの量を検出し、そしてそこから該サンプル中のD
    SP−3発現を検出する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−3ポリヌクレオチドの量がポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定される、
    請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−3ポリヌクレオチドの量がハイブリダイゼーションアッセイを用いて決
    定される、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記サンプルがRNA調製物またはcDNA調製物を含む
    、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 DSP−3活性を調節する薬剤についてスクリーニングす
    るための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、請求項1に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドと候補薬
    剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触させる工程;な
    らびに (b)引き続いて、該ポリペプチドがDSP−3基質を脱リン化する能力を、候
    補薬剤の非存在下で該ポリペプチドが該DSP−3基質を脱リン酸化する予め決
    定された能力と比較して評価し;そしてそれからDSP−3活性を調節する薬剤
    を同定する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 前記DSP−3基質がMAPキナーゼである、請求項26
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記候補薬剤が低分子である、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記低分子がコンビナトリアルライブラリー内に存在する
    、請求項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 DSP−3活性を調節する薬剤についてスクリーニングす
    るための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレ
    オチドに作動可能に連結されたDSP−3プロモーターを含む細胞と、該プロモ
    ーターと候補薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触
    させる工程;ならびに (b)引き続いて、該ポリヌクレオチドの発現を、候補薬剤の非存在下での発現
    の予め決定されたレベルと比較して評価し;そしてそれからDSP−3活性を調
    節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 前記ポリヌクレオチドがDSP−3ポリペプチドをコード
    する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードす
    る、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 細胞における増殖応答を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 細胞の分化を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 細胞の生存を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 前記薬剤が遺伝子発現のパターンを調節する、請求項33
    〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記細胞が細胞成長の接触阻害を示す、請求項33〜35
    のいずれか1項に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記細胞が足場非依存性増殖を示す、請求項33〜35の
    いずれか1項に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記細胞が変化した細胞間接着特性を示す、請求項33〜
    35のいずれか1項に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記薬剤がアポトーシスを調節する、請求項35に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 前記薬剤が細胞周期を調節する、請求項35に記載の方法
  42. 【請求項42】 前記細胞が患者の中に存在する、請求項32に記載の方法
  43. 【請求項43】 DSP−3活性に関連する障害に罹患した患者を処置する
    ための方法であって、 患者に、DSP−3活性を調節する薬剤の治療有効量を投与する工程 を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 前記障害が、デュシェーヌ筋ジストロフィー、癌、対宿主
    性移植片病、自己免疫疾患、アレルギー、代謝疾患、異常な細胞成長、異常な細
    胞増殖、および細胞周期の異常からなる群から選択される、請求項43に記載の
    方法。
  45. 【請求項45】 DSP−3基質捕捉変異体ポリペプチドであって、該ポリ
    ペプチドが、DSP−3と比較して実質的には減少していない親和性で基質に結
    合するように、かつ該ポリペプチドが、基質を脱リン酸化する能力がDSP−3
    と比較して低下しているように、配列番号2に記載される配列と、配列番号2に
    おける残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入または置換
    にて異なっている、DSP−3基質捕捉変異体ポリペプチド。
  46. 【請求項46】 前記ポリペプチドが、配列番号2の57位または88位で
    の置換を含む、請求項45に記載の基質捕捉変異体ポリペプチド。
  47. 【請求項47】 DSP−3と相互作用する能力について分子をスクリーニ
    ングする方法であって、以下の工程: (a)候補分子を請求項1に記載のポリペプチドと、該候補分子とポリペプチド
    とを相互作用させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程;および (b)該ポリペプチドへの該候補分子の結合の存在または非存在を検出し、そし
    てそこから該候補分子がDSP−3と相互作用するか否かを決定する工程、 を包含する、方法。
  48. 【請求項48】 前記検出する工程が、アフィニティー精製工程を包含する
    、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記検出する工程が、酵母ツーハイブリットスクリーニン
    グまたはファージディスプレーライブラリーのスクリーニングを包含する、請求
    項47に記載の方法。
  50. 【請求項50】 配列番号21に記載されるDSP−3代替形態の配列ある
    いはその改変体を含む単離されたポリペプチドであって、該改変体は、該ポリペ
    プチドが活性化MAPキナーゼを脱リン酸化する能力を保持するように、配列番
    号21における残基の50%以下での1以上のアミノ酸欠失、付加、挿入または
    置換にて異なる、単離されたポリペプチド。
  51. 【請求項51】 配列番号21に対応する配列を有するポリペプチドの少な
    くとも10個の連続アミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  52. 【請求項52】 配列番号21に対応する配列を有するポリペプチドの少な
    くとも15個の連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  53. 【請求項53】 請求項51または請求項52に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  55. 【請求項55】 請求項50に記載のポリペプチドをコードする、単離され
    たポリヌクレオチド。
  56. 【請求項56】 配列番号20に記載された配列を含む、請求項55に記載
    のポリヌクレオチド。
  57. 【請求項57】 請求項55に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクタ
    ー。
  58. 【請求項58】 請求項57に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  59. 【請求項59】 請求項55に記載のポリヌクレオチドに相補的な少なくと
    も15個連続するヌクレオチドを含む、アンチセンスポリヌクレオチド。
  60. 【請求項60】 配列番号20に記載される配列の相補体に、60℃にて1
    5分間の0.1×SSCおよび0.1%SDS中での洗浄を含む条件下で、検出
    可能にハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチド。
  61. 【請求項61】 請求項59または請求項60に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  62. 【請求項62】 請求項61に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  63. 【請求項63】 DSP−3代替形態ポリペプチドを産生する方法であって
    、以下の工程: (a)請求項58に記載の宿主細胞を、DSP−3代替形態ポリペプチドの発現
    を可能にする条件下で培養する工程;および (b)該宿主細胞培養物から該DSP−3代替形態ポリペプチドを単離する工程
    、 を包含する、方法。
  64. 【請求項64】 配列番号21の配列を有するDSP−3代替形態ポリペプ
    チドに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  65. 【請求項65】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項64に記載
    の抗体またはそのフラグメント。
  66. 【請求項66】 薬学的組成物であって、生理学的に受容可能なキャリアと
    組み合わせて請求項64に記載の抗体またはそのフラグメントを含む、薬学的組
    成物。
  67. 【請求項67】 サンプル中のDSP−3代替形態発現を検出するための方
    法であって、以下: (a)サンプルを、請求項64に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと
    、抗体/DSP−3代替形態複合体を形成させるに十分な条件かつ時間で接触さ
    せる工程;および (b)抗体/DSP−3代替形態複合体のレベルを検出し、そしてそこからサン
    プル中のDSP−3代替形態の存在を検出する工程、 を包含する、方法。
  68. 【請求項68】 前記抗体が支持物質に連結される、請求項67に記載の方
    法。
  69. 【請求項69】 前記抗体が検出可能なマーカーに連結される、請求項67
    に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記サンプルが患者から得られた生物学的サンプルである
    、請求項67に記載の方法。
  71. 【請求項71】 サンプル中のDSP−3代替形態発現を検出するための方
    法であって、以下: (a)サンプルを、請求項59または請求項60に記載のアンチセンスポリヌク
    レオチドと接触させる工程;および (b)該サンプルにおいて該アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズす
    るDSP−3代替形態ポリヌクレオチドの量を検出し、そしてそこから該サンプ
    ル中のDSP−3代替形態発現を検出する工程、 を包含する、方法。
  72. 【請求項72】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−3代替形態ポリヌクレオチドの量がポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定
    される、請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−3代替形態ポリヌクレオチドの量がハイブリダイゼーションアッセイを
    用いて決定される、請求項71に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記サンプルがRNA調製物またはcDNA調製物を含む
    、請求項71に記載の方法。
  75. 【請求項75】 DSP−3代替形態活性を調節する薬剤についてスクリー
    ニングするための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、請求項50に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドと候補
    薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触させる工程;
    ならびに (b)引き続いて、該ポリペプチドがDSP−3代替形態基質を脱リン化する能
    力を、候補薬剤の非存在下で該ポリペプチドが該DSP−3代替形態基質を脱リ
    ン酸化する予め決定された能力と比較して評価し;そしてそれからDSP−3代
    替形態活性を調節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  76. 【請求項76】 前記DSP−3代替形態基質がMAPキナーゼである、請
    求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記候補薬剤が低分子である、請求項75に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記低分子がコンビナトリアルライブラリー内に存在する
    、請求項75に記載の方法。
  79. 【請求項79】 DSP−3代替形態活性を調節する薬剤についてスクリー
    ニングするための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレ
    オチドに作動可能に連結されたDSP−3代替形態プロモーターを含む細胞と、
    該プロモーターと候補薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時
    間で接触させる工程;ならびに (b)引き続いて、該ポリヌクレオチドの発現を、候補薬剤の非存在下での発現
    の予め決定されたレベルと比較して評価し;そしてそれからDSP−3代替形態
    活性を調節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  80. 【請求項80】 前記ポリヌクレオチドがDSP−3代替形態ポリペプチド
    をコードする、請求項79に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記ポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードす
    る、請求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 細胞における増殖応答を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  83. 【請求項83】 細胞の分化を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  84. 【請求項84】 細胞の生存を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  85. 【請求項85】 前記薬剤が遺伝子発現のパターンを調節する、請求項82
    〜84のいずれか1項に記載の方法。
  86. 【請求項86】 前記細胞が細胞成長の接触阻害を示す、請求項82〜84
    のいずれか1項に記載の方法。
  87. 【請求項87】 前記細胞が足場非依存性増殖を示す、請求項82〜84の
    いずれか1項に記載の方法。
  88. 【請求項88】 前記細胞が変化した細胞間接着特性を示す、請求項82〜
    84のいずれか1項に記載の方法。
  89. 【請求項89】 前記薬剤がアポトーシスを調節する、請求項84に記載の
    方法。
  90. 【請求項90】 前記薬剤が細胞周期を調節する、請求項84に記載の方法
  91. 【請求項91】 前記細胞が患者の中に存在する、請求項81に記載の方法
  92. 【請求項92】 DSP−3代替形態活性に関連する障害に罹患した患者を
    処置するための方法であって、 患者に、DSP−3代替形態活性を調節する薬剤の治療有効量を投与する工程
    を包含する、方法。
  93. 【請求項93】 前記障害が、癌、対宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレ
    ルギー、代謝疾患、異常な細胞成長、異常な細胞増殖、および細胞周期の異常か
    らなる群から選択される、請求項92に記載の方法。
  94. 【請求項94】 DSP−3代替形態基質捕捉変異体ポリペプチドであって
    、該ポリペプチドが、DSP−3代替形態と比較して実質的には減少していない
    親和性で基質に結合するように、かつ該ポリペプチドが、基質を脱リン酸化する
    能力がDSP−3代替形態と比較して低下しているように、配列番号21に記載
    される配列と、配列番号21における残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸
    の欠失、付加、挿入または置換にて異なっている、DSP−3代替形態基質捕捉
    変異体ポリペプチド。
  95. 【請求項95】 前記ポリペプチドが、配列番号21の57位または88位
    での置換を含む、請求項94に記載の基質捕捉変異体ポリペプチド。
  96. 【請求項96】 DSP−3代替形態と相互作用する能力について分子をス
    クリーニングする方法であって、以下の工程: (a)候補分子を請求項50に記載のポリペプチドと、該候補分子とポリペプチ
    ドとを相互作用させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程;および (b)該ポリペプチドへの該候補分子の結合の存在または非存在を検出し、そし
    てそこから該候補分子がDSP−3代替形態と相互作用するか否かを決定する工
    程、 を包含する、方法。
  97. 【請求項97】 前記検出する工程が、アフィニティー精製工程を包含する
    、請求項96に記載の方法。
  98. 【請求項98】 前記検出する工程が、酵母ツーハイブリットスクリーニン
    グまたはファージディスプレーライブラリーのスクリーニングを包含する、請求
    項96に記載の方法。
JP2001508354A 1999-07-02 2000-06-29 Dsp−3二重特異性mapキナーゼホスファターゼ Withdrawn JP2003525027A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14233899P 1999-07-02 1999-07-02
US60/142,338 1999-07-02
PCT/US2000/010868 WO2001002581A1 (en) 1999-07-02 2000-04-20 Dsp-3 dual-specificity phosphatase
US0010868 2000-04-20
PCT/US2000/018207 WO2001002582A1 (en) 1999-07-02 2000-06-29 Dsp-3 dual-specificity phosphatase

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003525027A true JP2003525027A (ja) 2003-08-26

Family

ID=37517972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001508354A Withdrawn JP2003525027A (ja) 1999-07-02 2000-06-29 Dsp−3二重特異性mapキナーゼホスファターゼ

Country Status (9)

Country Link
EP (2) EP1772517A3 (ja)
JP (1) JP2003525027A (ja)
AT (1) ATE346939T1 (ja)
AU (2) AU4367600A (ja)
CA (1) CA2377670A1 (ja)
DE (1) DE60032145T2 (ja)
DK (1) DK1196598T3 (ja)
ES (1) ES2277843T3 (ja)
WO (2) WO2001002581A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003507016A (ja) * 1999-08-13 2003-02-25 スージェン・インコーポレーテッド 新規な蛋白質ホスファターゼおよびホスファターゼ関連疾患の診断および治療
US6900043B1 (en) * 1999-09-21 2005-05-31 Amgen Inc. Phosphatases which activate map kinase pathways
CA2447583A1 (en) * 2001-05-16 2003-03-27 Ceptyr, Inc. Dsp-18 dual-specificity phosphatase
CA2480664A1 (en) * 2002-03-28 2003-10-09 Qlt Inc. Cancer associated protein phosphatases and their uses
CN113801156B (zh) * 2021-10-13 2022-11-15 北京大学 一种蛋白酪氨酸磷酸酶选择性抑制剂、用途、制备方法以及药物组合物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU8479498A (en) * 1997-07-08 1999-02-08 Cold Spring Harbor Laboratory Dual specificity phosphatase and methods of use
WO2000006728A2 (en) * 1998-07-28 2000-02-10 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Phosphorylation effectors
AU4206700A (en) * 1999-04-07 2000-10-23 Ceptyr, Inc. Dsp-3 dual-specificity phosphatase
JP2003507016A (ja) * 1999-08-13 2003-02-25 スージェン・インコーポレーテッド 新規な蛋白質ホスファターゼおよびホスファターゼ関連疾患の診断および治療
US6900043B1 (en) * 1999-09-21 2005-05-31 Amgen Inc. Phosphatases which activate map kinase pathways

Also Published As

Publication number Publication date
ES2277843T3 (es) 2007-08-01
DE60032145T2 (de) 2007-10-25
DE60032145D1 (de) 2007-01-11
EP1772517A3 (en) 2007-04-18
EP1196598B1 (en) 2006-11-29
ATE346939T1 (de) 2006-12-15
WO2001002582A1 (en) 2001-01-11
EP1772517A2 (en) 2007-04-11
DK1196598T3 (da) 2007-04-02
CA2377670A1 (en) 2001-01-11
AU5783800A (en) 2001-01-22
EP1196598A1 (en) 2002-04-17
AU4367600A (en) 2001-01-22
WO2001002581A1 (en) 2001-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7279299B2 (en) DSP-10 dual-specificity phosphatase
US7029898B2 (en) DSP-11 dual-specificity phosphatase
JP2003525027A (ja) Dsp−3二重特異性mapキナーゼホスファターゼ
US6645753B1 (en) DSP-5 dual-specificity phosphatase
US6825021B2 (en) DSP-15 dual-specificity phosphatase
US6492157B1 (en) DSP-9 dual-specificity phosphatase
US6841369B1 (en) DSP-4 dual specificity phosphatase
JP2002540795A (ja) Dsp−4二重特異性mapキナーゼホスファターゼ
US7078210B2 (en) DSP-3 dual-specificity phosphatase
JP2002541852A (ja) Dsp−8二重特異性mapキナーゼホスファターゼ
WO2000060092A9 (en) Dsp-3 dual-specificity phosphatase
JP2002540794A (ja) Dsp−7二重特異性mapキナーゼホスファターゼ
US20020102693A1 (en) DSP-14 dual-specificity phosphatase
US20020137170A1 (en) DSP-16 dual-specificity phosphatase

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904