JP2003520410A - 空気再生電池 - Google Patents

空気再生電池

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Abstract

(57)【要約】 (a)カソード組立体を、少なくとも一つの空気出入り口を有する壁を備える缶に挿入する工程と、(b)アノード材料を前記缶に設置する工程と、(c)集電体を有するシール組立体を前記缶に挿入する工程と、(d)前記缶を密封する工程と、を具備することを特徴とする電池の組立方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、全般的に空気再生電気化学電池に関する。
【0002】 電池は、電気エネルギ源として通常使用されている。電池は、通常アノードと
呼ばれる負の電極と、通常カソードと呼ばれる正の電極を含んでいる。アノード
は酸化される活性材料を含み、カソードは還元される活性材料を含んでいる。ア
ノード活性材料は、カソード活性材料を還元することができる。アノード材料と
カソード材料の直接の反応を阻止するために、アノードとカソードはセパレータ
により互いに電気的に絶縁されている。
【0003】 電池が、デバイスの電気エネルギ源として使用されるとき、アノードとカソー
ドは電気的に接続され、デバイスを介して電子が流れ、それぞれ酸化と還元反応
を行なわせ電力を発生させる。アノードとカソードと接触する電解質は、放電中
電池全体の電荷バランスを維持するため電極間のセバレータを介して流れるイオ
ンを含んでいる。
【0004】 空気補助または空気修復電池として知られている空気再生電池は、僅かのまた
は無放電期間中、そのカソードを再充電するために、空気を使用する電池である
。空気再生電池の一つの型は、アノードとして亜鉛粉末を、カソードとして二酸
化マンガン(MnO)を、そして電解質として水酸化ナトリウムの水溶液を用
いている。アノードにおいて、亜鉛は亜鉛酸塩に酸化される。
【0005】 Zn+4OH→Zn(OH) 2−+2e カソードにおいて、MnOはオキシハイドレート・マンガンに還元される
【0006】 MnO+HO+e →MnOOH+OH 電池が不使用の時または放電速度がきわめて遅いとき、大気中の酸素が電池に
入り、カソードと反応する。オキシハイドレート・マンガンは酸化されMnO を形成する。
【0007】 1/2O+MnOOH→MnO +OH 高速度放電中、空気再生電池は、新鮮な(還元されてない)MnO を還元
することにより通常のアルカリ電池のように動作する。低速度放電や電流の流れ
ない休止の期間には、消費された(還元された)MnO は、大気中の酸素に
より新鮮な状態に修復または再充電される。酸素は再充電のためMnO に到
達しなければならないので、電池のカソードは電解質により完全に湿潤状態に置
かれなければならない。カソードが湿った電解質に浸漬されていれば、カソード
内の空気伝達特性は劣化し、MnO の再充電は妨害される。
【0008】 本発明は全般的に、カソードに良好な空気配分をし電解質の漏洩に対して保護
できる空気再生電池に関する。
【0009】 一つの観点においては、本発明は空気再生電池の組立方法に特徴がある。この
方法は、(a)カソード組立体を、少なくとも一つの空気出入り口を有する壁を
備える缶に挿入する工程と、(b)アノード材料を前記缶に設置する工程と、(
c)集電体を有するシール組立体を前記缶に挿入する工程と、(d)前記缶を密
封する工程と、を具備することを特徴とする。空気出入り口は、電池に入る空気
の拡散通路を縮め、それにより電池の再充電効率を改善できる。
【0010】 他の観点によれば、本発明は、(a)底部蓋をカソード組立体の端部の上に設
置する工程と、(b)カソード組立体と底部蓋を、缶に挿入する工程と、(c)
アノード材料を缶に挿入する工程と、(d)集電体を有するシール組立体を缶に
挿入する工程と、(e)缶を密封する工程と、を具備することを特徴とする空気
再生電池の組立方法に関する。この方法はまた、カソードに隣接してバリア層を
設置する工程と、缶の中に溝を形成する工程と、バリア層に隣接して空気拡散層
を設置する工程とを具備している。底部蓋は、カソードが缶と良好な電気接続が
できるようにし、全般的に電解質の漏洩を阻止する。溝と空気拡散層は、カソー
ド組立体が空気出入り口を妨害しないように制限されている。
【0011】 他の観点によれば、本発明は、壁を有する缶と、この缶の壁にある少なくとも
一つの空気出入り口と、該缶に配置されたアノード材料と、該缶の中のカソード
組立体とを具備することを特徴とする空気再生電池に関する。
【0012】 他の観点によれば、本発明は、缶と、該缶の中のカソード組立体と、該カソー
ド組立体の端部に配置された底部蓋と、前記缶の中に配置されたアノード材料と
を具備することを特徴とする空気再生電池に関する。該電池は、バリア層と缶の
中の溝と、拡散層を具備している。電池は、円筒形の電池で及び/または空気再
生電池である。
【0013】 本発明の他の特徴や利点は、好ましい実施の形態の記載、及び請求の範囲の記
載で明瞭にされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、円筒形空気再生電池10は、缶20の壁内に少なくとも一
つの空気出入り口25を持つ壁を有する缶20を備えている。缶20は、空洞を
確定するため缶20の内部に嵌合するように形成されたカソード組立体30を備
えている。カソード組立体30は、セパレータ40、カソード50、バリア層6
0と、空気拡散層70を備えている。更にカソード組立体30は、カソード50
に溶接されたタブ80と、カソード組立体30の端部に設置され且つタブ80に
溶接された底部蓋90を備える。カソード組立体30の空洞の内側にアノード1
00が挿入されている。カソード組立体30の他の端部に、集電体140を含む
シール組立体160が配置されている。缶20は、電池10を形成するため、例
えば機械的クリンブにより密封される。全般的には、電池10の組立方法は、缶
20の中にカソード組立体30とアノード100を設置する工程と、電池10を
形成するため缶20を密封する工程を含んでいる。
【0015】 電池の寸法は、電池の応用や用途に応じて決められる。缶20の全体の寸法は
、国際電気技術委員会(IEC)によって規定されている。例えば、円筒形AA
AA,AAA,AA,CまたはD電池が用意されている。缶は典型的には、ニッ
ケルメッキ鋼(ノースカロライナ州シャロッテのトーマススチール社製)(Th
omas Steel Co.,Charlotte,NC)で製造される。
【0016】 カソード50の再充電能力は、一部カソード50内の大気中の酸素の拡散速度
と、酸素とMnO 間の化学反応速度により決定される。空気出入り口25は
、空気をカソード40に到達させるので、MnO カソードが再充電できる。
缶20の出入り口25の数を最大化することは、電池10の性能を最適化できる
が、しかしながら製造コストを増加することになる。出入り口25は缶20の壁
にまたは缶20の端部に設置することができる。缶20の壁に設けられた出入り
口25は、缶20に入る空気の拡散通路を減少するので、電池10の再充電効率
を改善することになる。出入り口25は、全般的に0.3mmの直径をしており
、通常レーザ穿孔に形成される。一様な性能を得るため、出入り口25は、普通
缶20に一様に分布されている。図2を参照すると、AA缶のスチールシートの
出入り口の分布パターンの一例が示されている。
【0017】 カソード50に、カソード50の導電特性を改善するために集電体(図示せず
)が形成されている。集電体は、電気導電金属または合金、例えばニッケルメッ
キ鋼のエキスパンドメタルのグリッドである。グリッドは、カソード50の望ま
しい形状に容易に形成することができ、カソード50が、以下記載のタブ80と
底部蓋90に良好な電気的接続をするのに役立つ。
【0018】 カソード50は、MnO 、疎水性バインダ、及びカーボン粒子を含む材料
の混合物を含んでいる。カソード50は好ましくは、ニッケルメッキ鋼グリッド
上に形成される。グリッドはカソード50の集電体として役立ち、良好な電気接
続を得るためカソード缶20に通常溶接される。カソード50は、60−93%
、好ましくは80−93%のMnO 、2−25%のバインダそして残りはカ
ーボン粒子を含んでいる。カソード50の特定の寸法は、電池10の寸法や用途
例えば放電の深さの関数であるとはいえ、カソード50は、好ましくは0.4乃
至1.4mmの厚さである。カソード50のMnO は、電気的合成MnO (EMD)、化学的合成MnO (CMD)と、EMDとCMDの混合、ま
たは化学的に変性されたMnO (p−CMD)を含んでいる。好ましくはカ
ソード50はEMDを含んでいる。カソード50のMnO は、例えばノバダ
州ヘンダーソンのケル−マックギー化学会社(Kerr−McGee Chem
ical Corp.)(Henderson,NV)から購入することができ
る。
【0019】 バインダは、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、他のフルオロ
エチレン、またはポリエチレンのような重合体であり、MnO の放電に含ま
れる電気化学反応を妨害することなしに、耐湿潤性(即ちカソードが電解質で浸
漬されることを制限すること)を得るのにに充分な量存在する。
【0020】 有効なガス拡散電極については、電子的導電度、イオン導電度及びガス拡散特
性間のバランスが最適化されなければならない。このバランスは、カソードにお
けるバインダ、MnO 、及びカーボンの有効量で達成できる。カソードがあ
まりにも電解質をはじく性質が大きければ、電解質の浸透に対して有効で且つガ
ス伝達特性に対して有効であるが、イオン導電度は貧弱で、MnO の放電効
率は悪い。カソード50の再充電特性は、大気中の酸素のカソード50に対する
拡散速度や、酸素とMnO 間の化学反応速度により決定される。
【0021】 図3を参照すると、耐湿潤性の利点が開示されている。カソード混合物の中で
単に1%のPTFEを含むものに関しては、1%のPTFEで製造されたカソー
ドの放電効率は、開放型でも閉鎖型の電池でも実質的に異ならない。カソードは
電解質で浸漬され、そして空気はMnO を再充電するために入り込めない。
【0022】 図4を参照すると、カソードのPTFEの量が7%の時、開放型の電池のMn
の放電効率は、閉鎖型電池よりも7倍以上高い。この結果空気が電池に入
り込みそしてMnO を再充電できることを開示している。好ましくは、カソ
ード50は、2−25%の間、より好ましくは2−7%の間のPTFEを含んで
いる。
【0023】 更に、不適切な電解質のはじき出しをするカソード50は、良好なイオン導電
度を備えているが、イオン集中勾配によって、湿潤や水浸しになり、ガス拡散特
性やMnO の再充電に対して有害になる。5−15%間のカーボン量を添加
することは、効果的な電子やイオン導電度を得ることができる。カーボン粒子は
、MnO の再充電を可能にする効果的な量のカーボンが存在する大きな表面
積をしている。それのみに限定されないが、使用されるカーボンの異なる型は、
マサチューセッツ州ビレリカのカボット社の商品名ブラックパール2000(B
lack Pearls Cabot,Bilerica,MA)、カボット社
のバルカンXC−72(Vulcan XC−72)、モナーチ1300(Mo
narch),シャビニガンブラック(Shawinnigan Black)
、プリンテックス(Printex)、ケッチェンブラック(Ketjen B
lack)及びPWAである。
【0024】 カソード50は、導電性タブ80に、例えば溶接により取り付けれられる。タ
ブ80は、前述したようにカソード50と底部蓋90の間に良好な電気接続を提
供する。約0.1×3×15mmのタブ80は、純粋なニッケルの平坦な平面で
ある。タブ80が取り付けられたカソード50は、缶20内に嵌合するように形
成されている。例えば電池が円筒形であれば、カソード50は、適切な寸法のマ
ンドレルに巻かれ円筒カソード組立体30が形成される。
【0025】 カソード組立体30は、バリア層60に巻き取られる。電池10が古くなると
、アノード材料40の電解質はカソード50を介して、例えばカソード50を通
してウィッキング動作(wicking)により移動し、電池10から漏洩する
。通常0.1乃至0.2mm厚の、例えばPTFEのような空気透過性材料であ
るバリア層60は、電池10から電解質の漏洩を制限する。
【0026】 バリア層60は、空気拡散層70で包まれる。電池10の放電中、アノード1
00からの亜鉛(Zn)は酸化亜鉛(ZnO)に酸化され、アノード100の体
積が増加し、カソード50を缶20の側に向け押圧する。空気拡散層70は、カ
ソード50が缶20の空気出入り口25を遮断したり孔を塞ぐことを制限するこ
とにより、カソード50と缶20間の空気拡散スペースを維持する働きをするの
で、電池10の再充電を可能にする。空気拡散層70は、通常0.1乃至0.2
mm厚の、例えばフィルタ材料[例えばニュージャージー州のクリフトンのファ
ットマン社から商品名グレード54{Whatman(Clifton,NJ)
Grades54},F490−08やF490−02]のような多孔質または
繊維性材料である。
【0027】 更に、図5A及びBに示すように、カソード50が空気出入り口25を遮断す
るのを制限するために、空気拡散層70の使用に加えて、溝200が缶20に形
成される。溝200は、通常、空気拡散層70の厚さに近似する約0.1乃至0
.2mmの幅、缶20内に延在する。図5Aを参照すると、膨張するアノード材
料100が、普通カソード組立体30の中央で最も膨らむので、溝200は、電
池10の中央の周りに延在する。図5Bに示す他の実施の形態では、電池10は
、電池10の高さ方向に沿って離間した複数個の溝200を備えている。溝20
0は、通常カソード組立体30が缶20に挿入されるという電池10の組立て後
、形成される。缶20は押し込み車の周りに電池10を回転することにより変型
される。
【0028】 底部蓋90がカソード組立体30の一端に設置される。底部蓋90は、電解質
の漏洩を減少し、且つカソード50と缶20との間に良好な電気接続を成すため
にカソード組立体30を含んでいる。底部蓋90は、カソード組立体30の端部
上にそして缶20内に嵌合するように構成される。例えば円筒形電池10につい
ては、底部蓋90は、図1に示されているように、缶20と接触する底部面を有
する缶として形成されている。更に底部蓋90は、カソード組立体30が設置さ
れる溝150を確定している。底部蓋90をカソード組立体30に設置する前に
、シーラント(図示せず)が電解質がカソード組立体30を介して且つ電池10
の外へ漏洩するのを制限するためのバリアとして、溝150に設置される。シー
ラントは普通例えばビワックス(BiWax Corp.)社から市販されてい
る商品名アスファルト(Asphalt)B1128のようなアスファルトシー
ラントである。底部蓋90は、通常例えば溶接によりタブ80に結合される。溶
接は底部蓋90をカソード組立体30に固着し、缶20と底部蓋90とカソード
50間に良好な電気接続を提供する。
【0029】 セパレータ40がカソード組立体30に設置される。セパレータ40はアノー
ド100を包み、カソード50とアノード100の直接反応により電池10を短
絡しないようにアノード100をカソード50から電気的に絶縁するように用い
られる。全般的に0.05乃至0.08mm厚のセパレータ40は、多孔質で電
気絶縁高分子、例えばポリプロピレン[(セルガード(Celgard)555
0)、ニュージャージ州サミットのセラネーゼ(Celanese(Summi
t,New Jersey)]またはポリビニールアクリレート(PVA)であ
り、アノード材料100の電解質がカソード50と接触させる。図1を参照する
と、セバレータ40は開放端と閉鎖端を有するチューブである。セパレータ40
は、カソード組立体30の内部に嵌合するように、適切な寸法のマンドレル上に
形成される。
【0030】 頂部蓋130は、カソード組立体30の開放端に設置される。図1を参照する
と、例えば、通常ナイロンのような非導電材料からなる頂部蓋130は、セパレ
ータ40とカソード組立体30の開放端に嵌合し、以下記載のようにシール12
0と合致する寸法をしている。底部蓋90に関するように、頂部蓋130も溝1
70を確定する。カソード組立体30を頂部蓋130内に設置する前に、アスフ
ァルトシーラント(図示せず)が電解質の漏洩に対するバリアとして働くために
溝170に設置される。
【0031】 カソード組立体30が、缶20内に設置されるので、カソード50は缶20と
電気的に接続される。カソード30は、タブ80と底部蓋90を介して缶20と
電気的に接続される。タブ80と底部蓋90が使用されないときは、カソード3
0は缶と直接接続される。カソード30を缶20と直接接続するために、カソー
ド材料は、まず集電体を取り除かなければならない。次いで集電体は缶20に溶
接される。
【0032】 アノード材料100は、通常亜鉛、電解質やゲル剤を含む混合物を含んでいる
ゲルである。亜鉛の内容物は、重量比で約60と80%の間、好ましくは重量比
で約70%である。電解質は、水酸化カリウム(9N)の水性溶液である。電解
質は、重量比で約25と35%、好ましくは約30%の水酸化ナトリウムを含ん
でいる。また電解質は、約1と2%の間の酸化亜鉛を含んでいる。
【0033】 以下詳細に記載するゲル化剤は、電池から電解質の漏洩を阻止する働きをし、
亜鉛の粒子を懸濁するのに役立つ。
【0034】 亜鉛材料は、鉛、インジウム、アルミニウムまたはビスマスで合金化される亜
鉛粉末である。例えば亜鉛は、約400と600ppmの間(例えば500pp
m)の鉛と、400と600ppmの間(例えば500ppm)のインジウムと
、又は50と90ppmの間(例えば70ppm)のアルミニウムと合金化され
る。亜鉛材料は、エアーブローン(air blown)又はスパン(spun
)亜鉛である。適切な亜鉛粒子は、本明細書にそのすべてが参考例として組み込
まれる例えば1998年9月18日に出願されたU.S.S.N.09/156
,915号、1997年8月1日に出願されたU.S.S.N.08/905,
254号、1998年7月15日に出願されたU.S.S.N.09/115,
867号に記載されている。亜鉛は粉末である。亜鉛の粒子は、球面か非球面で
ある。例えば亜鉛粒子は、針状形である(アスペクト比が少なくとも2である)
【0035】 亜鉛材料は、60メッシュと325メッシュの間の寸法の主たる粒子を含む。
例えば亜鉛材料は次の粒子寸法分布をしている。; 60メッシュスクリーン上に0−3wt% 100メッシュスクリーン上に40−60wt% 200メッシュスクリーン上に30−50wt% 325メッシュスクリーン上に0−3wt% パン上に0−0.5wt% 適切な亜鉛材料は、ベルギーのオバーペルト(Overpelt,Belgi
um)社の商品名ユニオンミニエール(Union Miniere)、米国の
ジュラセル(Duracell)社、米国のノランダ(Noranda)社、ド
イツのグリロ(Grillo)社、日本の東邦亜鉛社から市販されている。
【0036】 ゲル化剤は吸収性ポリアクリレートである。吸収性ポリアクリレートは、本明
細書で参考例として組み入れる米国特許第4,541,871号に記載されてい
る測定方法で、ゲル化剤のグラム当たり約30グラム以下の塩分の吸収性外皮を
含んでいる。アノードゲルは、アノード混合物の中で亜鉛の乾燥重量比で1%以
下のゲル化剤を含む。好ましくはゲル化剤の内容は、重量比で約0.2と0.8
%の間、より好ましくは重量比で約0.3と0.6%の間、最も好ましくは重量
比で約0.33%である。吸収性ポリアクリレートは、懸濁重合により形成され
たポリアクリレートナトリウムである。適切なポリアクリレートナトリウムは、
平均粒子寸法が約105と180ミクロンの間で、pHは約7.5である。適切
なゲル化剤は、例えば、米国特許第4,541,871号、米国特許第4,59
0,227号、米国特許第4,507,438号に記載されている。
【0037】 ある実施の形態では、アノードゲルは、非イオン表面活性剤と、例えば水酸化
インジウムまたは酢酸鉛のようなインジウム又は鉛の化合物を含んでいる。アノ
ードゲルは、約50と500ppmの間、好ましくは50と200ppmの間の
インジウム又は鉛の化合物を含んでいる。表面活性剤は、亜鉛面に被覆された、
例えば非イオンアルキル燐酸塩又は非イオンアリル燐酸塩(例えば、ローム・ア
ンド・ハース(Rohm&Haas)社から商品名RA600又はRM510で
市販されている)ような非イオン燐酸塩表面活性剤である。アノードゲルは、亜
鉛材料の表面に被覆された約20と100ppmの間の表面活性剤を含む。表面
活性剤はガス発生阻止剤としても役立つ。
【0038】 アノード材料100が缶20の中に設置された後、支持板110、シール12
0、及び集電体140を含む密封組立体160が、缶20内に設置される。密封
組立体160は、アノード材料100が漏洩することを阻止するのに役立ち、且
つ電池10がデバイスに使用されたとき、アノード100を外部回路に電気的に
接続するために設けられる。シール120に嵌合する大きさの導電体から成る支
持板110は、集電体140と電気的に接続されている。通常棒または釘から成
る集電体140は、アノード材料100の腐食作用に耐える真鍮のような導電材
料から成る。また集電体140は、例えば通常ナイロンのような非導電材料から
成るシール120と合致するように製造されている。図1を参照すると、シール
120は、集電体140を受け入れ、且つ頂部蓋130と合致するように作られ
ているので、アノード材料100は電池10から漏洩しない。
【0039】 電池10は、支持板110の上で缶20を機械的にかしめることにより密封さ
れる。組み立てられた電池10は,適切な寸法のダイに設置され、缶20のリム
即ち縁は、支持板110とシール120の上で機械的にかしめられ、電池10は
密封される。更に、貯蔵中、例えば電池10の膨張、収縮に基づいて電池10が
漏洩することを防ぐために、缶20の密封は、例えばアスファルトシーラント(
ビワックス社)のようなシーラントを、かしめに沿って設けることも含まれてい
る。
【0040】 仕上がった電池は、全体的な形状や大きさが、対応するアルカリ電池と同じな
ので、アルカリ電池と同じ用途に使用できる。
【0041】 実験例 円筒形空気再生電池(AA)が次のように用意された。カソードプラーク(p
laque)が電池の寸法に応じて望ましい大きさに切断された。カソードの下
部左側のコーナにある4乃至5mmの区域が、集電体(grid)を露出するた
め切り捨てられた。約10mmの長さのタブが、露出した集電体に溶接された。
カソードマンドレル上で緊締した巻回を得るため、カソードはカソードマンドレ
ルの直径より小さい直径の第一のマンドレルの周囲に予備巻回された。底部蓋は
タブに溶接された。カソードはカソードマンドレルにできるだけ緊締して設置さ
れた。
【0042】 予備切断されたテフロン(登録商標)(Teflon)層が、切断長より約5
%長めに伸長された。きちんと合わせるために、層を引っ張りながら、テフロン
(登録商標)層がカソードの周りに巻回された。フィルタ紙からなる空気拡散層
が、テフロン(登録商標)層に隣接してカソードの周りに巻回された。注射器を
用いてシーラントが底部蓋に押し拡げられた。カソードはカソードマンドレルか
ら摺動(約2−3mm)し、カソードの端部は底部蓋にカソードの嵌合を容易に
するため、僅かに折り曲げられた。底部蓋は、カソード、テフロン(登録商標)
層、フイルタ紙が底部蓋の中に確実に保持されるように、カソードの端部に設置
された。
【0043】 カソードの形状を保護するため、Oリングがカソードの周りに設置され、そし
てカソードはマンドレルから取り外された。予備切断されたセパレータがカソー
ドに挿入された。注射器を用いてシーラントが頂部蓋に押し拡げられた。頂部蓋
は、カソード、テフロン(登録商標)層、且つフィルタ紙が頂部蓋の内側に確実
に保持されるように、カソードの他端に設置された。カソードは電池の缶に挿入
された。
【0044】 他の材料が、カソード組立体に設置された。集電体は、補助組立体を形成する
ため、支持板に溶接された。集電体が、シールを介して挿入された。シーラント
が、電解質の漏洩を追加的に保護するため、シールの上に設置された。補助組立
体とシールが頂部蓋上に設置された。電池は適切な寸法のダイに置かれ、且つ電
池は、シールや支持板の上で電池缶の縁を機械的にかしめられることにより密封
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の円筒形空気再生電池の断面図である。
【図2】 空気出入り口を有する包まれていない電池缶の展開図である。
【図3】 1%PTFEを含むカソードを有する開放型及び閉鎖型電池について、電圧(
V)対電流(mA/gMnO)の関係を示すグラフである。
【図4】 7%PTFEを含むカソードを有する開放型及び閉鎖型電池について、電圧(
V)対電流(mA/gMnO)の関係を示すグラフである。
【図5A】 溝を有する電池缶の断面図である。
【図5B】 溝を有する電池缶の断面図である。
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Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも一つの空気出入り口を有する壁を備える缶にカソード組立体
    を挿入する工程と、 (b)アノード材料を前記缶に設置する工程と、 (c)集電体を有するシール組立体を前記缶に挿入する工程と、 (d)前記缶を密封する工程と、 を具備することを特徴とする空気再生電池の組立方法。
  2. 【請求項2】 前記カソード組立体に、タブを結合する工程を更に備えることを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記カソード組立体に隣接して、バリアを設置する工程を更に備えることを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記缶の壁に、溝を形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記カソード組立体に隣接して、空気拡散層を設置する工程を更に備えること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記カソード組立体の端部に、底部蓋を設置する工程を更に備えることを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(d)は、機械的かしめ工程を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 前記電池は、円筒形電池であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記電池は、AAA電池であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記電池は、AA電池であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記電池は、C電池であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記電池は、D電池であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 (a)カソード組立体の端部に底部蓋を設置する工程と、 (b)前記カソード組立体と前記底部蓋を、前記缶に挿入する工程と、 (c)アノード材料を前記缶に設置する工程と、 (d)集電体を有するシール組立体を前記缶に挿入する工程と、 (e)前記缶を密封する工程と、 を具備することを特徴とする空気再生電池の組立方法。
  14. 【請求項14】 前記カソード組立体に、タブを結合する工程を更に備えることを特徴とする請
    求項13に記載のカソード。
  15. 【請求項15】 前記カソード組立体に隣接して、バリア層を更に設置することを特徴とする請
    求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記缶に、溝を形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項13に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記カソード組立体に隣接して、空気拡散層を設置する工程を更に備えること
    を特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記工程(e)は、機械的かしめ工程を含むことを特徴とする請求項13に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 前記電池は、円筒形電池であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  20. 【請求項20】 壁を有する缶と、 前記缶の壁内の少なくとも一つの空気出入り口と、 前記缶内に配置されたアノード材料と、 前記缶内に配置されたカソードを有するカソード組立体と、 を具備することを特徴とする空気再生電池。
  21. 【請求項21】 前記カソード組立体は、バリア層を含むことを特徴とする請求項20に記載の
    電池。
  22. 【請求項22】 前記缶は、溝を含むことを特徴とする請求項20に記載の電池。
  23. 【請求項23】 前記カソード組立体は、空気拡散層を含むことを特徴とする請求項20に記載
    の電池。
  24. 【請求項24】 前記カソード組立体は、タブに結合されていることを特徴とする請求項20に
    記載の電池。
  25. 【請求項25】 前記カソード組立体は、底部蓋に接続されていることを特徴とする請求項20
    に記載の電池。
  26. 【請求項26】 前記カソード組立体は、二酸化マンガンを含んでいることを特徴とする請求項
    20に記載の電池。
  27. 【請求項27】 前記アノード材料は、亜鉛を含んでいることを特徴とする請求項20に記載の
    電池。
  28. 【請求項28】 前記電池は、円筒形電池であることを特徴とする請求項20に記載の電池。
  29. 【請求項29】 缶と、 前記缶内に配置されたカソード組立体と、 前記カソード組立体の端部に配置された底部蓋と、 前記缶内に配置されたアノード材料と、 を具備することを特徴とする空気再生電池。
  30. 【請求項30】 前記カソード組立体は、バリア層を含むことを特徴とする請求項29に記載の
    電池。
  31. 【請求項31】 前記缶の壁は、溝を含むことを特徴とする請求項29に記載の電池。
  32. 【請求項32】 前記カソード組立体は、空気拡散層を含むことを特徴とする請求項29に記載
    の電池。
  33. 【請求項33】 前記カソード組立体は、タブに結合されていることを特徴とする請求項29に
    記載の電池。
  34. 【請求項34】 前記カソード組立体は、二酸化マンガンを含んでいることを特徴とする請求項
    29に記載の電池。
  35. 【請求項35】 前記アノード材料は、亜鉛を含んでいることを特徴とする請求項29に記載の
    電池。
  36. 【請求項36】 前記電池は、円筒形電池であることを特徴とする請求項29に記載の電池。
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