JP2003520302A - 高吸収性セルロース系繊維 - Google Patents

高吸収性セルロース系繊維

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JP2003520302A JP2001552958A JP2001552958A JP2003520302A JP 2003520302 A JP2003520302 A JP 2003520302A JP 2001552958 A JP2001552958 A JP 2001552958A JP 2001552958 A JP2001552958 A JP 2001552958A JP 2003520302 A JP2003520302 A JP 2003520302A
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ネオギ,アマー・エヌ
ヤング,リチャード・エイチ,シニアー
ピーターセン,ブレント・エイ
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Weyerhaeuser Co
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Abstract

(57)【要約】 高吸収性特性を有する変性セルロース系繊維を説明する。本発明の変性繊維は、自らが由来するセルロース系繊維と実質的に同一の繊維構造を有する。本変性繊維は、膨張し水膨潤した状態でその繊維構造を実質的に保持する水膨潤可能で非水溶性の繊維である。本変性繊維は、少なくとも約4g/gの液体吸収容量を有する硫酸化された架橋済みセルロース系繊維である。1実施例においては、本変性繊維は、個別の架橋済み硫酸化セルロース系繊維である。別の態様においては、本発明は、本変性繊維を含む巻取り品物、本変性繊維を含む吸収性複合体及び物品、並びに本変性セルロース系繊維を製造するための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、高吸収性特性を有する変性セルロース系繊維に関し、より詳細には
、自らが由来する繊維と実質的に同一の構造を有する架橋済みの硫酸化セルロー
ス系繊維に関する。
【0002】 発明の背景 乳幼児用おむつ、成人用失禁用パッド、及び女性用ケア製品等のパーソナルケ
ア吸収性製品は一般的に、高吸収体を繊維質マトリックス中に含む吸収性コアを
含む。高吸収体は水膨潤可能で一般に非水溶性の吸収性材料であり、水中で自ら
の重量の少なくとも10倍、好ましくは約20倍、しばしば約100倍までの液
体吸収容量を有する。コアの液体保持または貯留容量は、大部分は高吸収体によ
るものであるが、コアの繊維質マトリックスは、液体ウィッキング、パッドの強
度及び健全性(integrity)、並びに荷重下での若干量の吸収度という不可欠の
機能を提供する。こうした望ましい特性は、マトリックスが、セルロース系繊維
を、一般的に繊維形態の木材パルプフラッフを含むという事実に起因する。
【0003】 パーソナルケア吸収性製品の場合、ほぼ米国産サザンパインフラッフパルプ(
U.S. southern pine fluff pulp)のみが使用されており、これは、吸収性製品
のための好ましい繊維として世界的に認められている。こうした選択は、フラッ
フパルプの好都合な大きな繊維長(約2.8mm)とウェットレイドパルプシート
からエアレイドウェブまでの加工の相対的な容易さとに基づいている。しかしな
がら、こうしたフラッフパルプ繊維は、約2〜3g/gの液体(例えば、水または
体液)を繊維の細胞壁内部に吸収できるのみである。繊維の液体保持容量の大部
分は、繊維同士の間の隙間にある。こうした理由で、繊維質マトリックスは、圧
力を加えられると、捕捉した液体を容易に放出する。捕捉した液体を放出する傾
向は、セルロース系繊維のみから形成されたコアを含む吸収性製品の使用の最中
に、かなりの皮膚の湿潤を引き起こし得る。液体はこのような繊維質吸収性コア
中に有効に保持されないので、このような製品はまた、捕捉した液体を漏出させ
る傾向がある。
【0004】 吸収性材料を繊維質マトリックス中に含むこと及びパーソナルケア製品中に取
り入れることは周知である。高吸収性材料をこうした製品中に取り入れることは
、製品の全体的な嵩を低減するという効果を有し、同時に、その液体吸収容量を
増大させ、製品の着用者の皮膚の乾燥を向上させていた。
【0005】 様々な材料が、パーソナルケア製品中に吸収性材料として使用されるために説
明されてきた。こうした材料に含まれるのは、天然ベースの材料の例えば寒天、
ペクチン、ガム、カルボキシアルキルデンプン及びカルボキシアルキルセルロー
ス系繊維の例えばカルボキシメチルセルロース、並びに合成材料の例えばポリア
クリレート、ポリアクリルアミド、及び加水分解済みポリアクリロニトリルであ
る。天然ベースの吸収材料は周知であるが、こうした材料は、ポリアクリレート
等の合成吸収性材料と比較して比較的に劣った吸収特性が理由となって、パーソ
ナルケア製品中に広く使用されるに至ってはいない。こうした材料の比較的に高
いコストもまた、消費者用吸収性製品中へのその使用を妨げてきた。その上、多
くの天然ベースの材料は、液体によって膨潤した際に、柔らかいゼラチン状の塊
を形成する傾向がある。製品のコア中のこのようなゼラチン状の塊の存在は、コ
ア内部での液体輸送及び分配を制限する傾向があり、それに続く液体侵襲(liqu
id insult)が製品によって効果的にかつ有効に吸収されるのを妨げる。
【0006】 天然ベースの吸収体とは異なり、合成吸収性材料は一般に多量の液体を吸収で
き、同時に比較的に非ゼラチン状の形態を維持する。合成吸収性材料はしばしば
高吸収性ポリマー(SAP)と呼ばれ、吸収性物品中に取り入れられて、圧力下
でのより高い吸収度と1グラムの吸収性材料当りのより高い吸収度とを提供して
きた。高吸収性ポリマーは一般に、直径約20〜800ミクロンの範囲内を有す
る粒子として供給される。荷重下でのその高い吸収容量が理由となって、高吸収
性ポリマー粒子を含む吸収性製品は、皮膚の乾燥という利益を提供する。高吸収
性ポリマー粒子は、荷重下、液体中で自らの重量の約30倍を吸収するので、こ
うした粒子は、薄さと着用者の快適さというさらなる重要な利益を提供する。加
えて、高吸収性ポリマー粒子は、フラッフパルプ繊維と比較して、荷重下で吸収
される1グラムの液体当りのコストが約半分である。こうした理由で、消費者用
吸収性製品中での高吸収性粒子のより高いレベル及びフラッフパルプのレベルの
低下へと向かう傾向が高まりつつあるのは驚くべきことではない。実際に、幾種
類かの乳幼児用おむつは、その液体貯留コア中に60〜70重量%の高吸収性ポ
リマーを含む。コスト面からは、100%高吸収性粒子から製造された貯留コア
が望ましい。しかしながら、上記に言及したように、このようなコアは、何らか
の意味のある液体ウィッキングと捕捉した液体のコア全体にわたる分配との欠如
が理由となって、満足に機能できないと思われる。その上、このようなコアはま
た、その湿潤及び/または乾燥構造、形状、及び健全性を保持するための強度を
欠くと思われる。
【0007】 セルロース系繊維は、今までのところ粒子状高吸収性ポリマーによって再現さ
れていない重要な機能を吸収性製品に与える。高吸収性材料は、繊維及び高吸収
性ポリマー粒子の両方の機能を有する材料を提供しようと試みて、合成繊維形態
中に導入されてきた。しかしながら、こうした高吸収性繊維は、フラッフパルプ
繊維と比較して加工が困難であり、フラッフパルプ繊維とよくブレンドしない。
その上、合成高吸収性繊維は、高吸収性ポリマー粒子よりもかなり高価であり、
この結果、パーソナルケア吸収性製品中に大量に使用するという点で有効に競合
できたことがない。
【0008】 セルロース系繊維はまた、繊維に水膨潤可能性を与えるカルボン酸、スルホン
酸、及び第四級アンモニウム基等のイオン性基を含ませるための化学修飾によっ
て、高度に吸収性にされてきた。こうした変性セルロース系材料の幾種類かは水
中に可溶であるが、幾種類かは非水溶性である。しかしながら、こうした高度に
吸収性の変性セルロース系材料のいずれもパルプ繊維の構造を有せず、それどこ
ろか、こうした変性セルロース系材料は一般的に顆粒状であるかまたは再生フィ
ブリル形態を有する。
【0009】 パーソナルケア吸収性製品中に使用するのに適した高度に吸収性の材料であっ
て、合成の高度に吸収性の材料と同様の吸収特性を有し、同時に、フラッフパル
プ繊維に関連した液体ウィッキング及び分配という利益を提供するような吸収性
の材料が要望されている。従って、高吸収性ポリマーの好都合な液体貯留容量と
フラッフパルプ繊維の好都合な液体ウィッキングとを併せ持つ繊維質高吸収体が
要望されている。理想的には、繊維質高吸収体は、パーソナルケア吸収性製品中
に使用するために経済的に実行可能である。本発明は、こうした必要を満たそう
と試み、また、さらなる関連利益を提供する。
【0010】 発明の要約 1態様においては、本発明は、高吸収性特性を有する変性セルロース系繊維を
提供する。本発明に従って形成された変性繊維は、自らが由来するセルロース系
繊維と実質的に同一の繊維構造を有する。さらに重要なことには、本変性繊維は
、膨張し水膨潤した状態でその繊維構造を実質的に保持する水膨潤可能で非水溶
性の繊維である。本変性繊維は、少なくとも約4g/gの液体吸収容量を有する硫
酸化された架橋済みセルロース系繊維である。1実施例においては、本変性繊維
は、個別の架橋済み硫酸化セルロース系繊維である。別の実施例においては、本
発明は、本変性繊維を含む巻取り品物(rollgood)を提供する。1実施例におい
ては、本巻取り品物は、繊維質材料、バインダー材料、及び吸収性材料等の他の
材料を含む。別の実施例においては、本巻取り品物を吸収性コアとして吸収性物
品中に直接に挿入できる。
【0011】 本発明の別の態様においては、本変性セルロース系繊維を形成するための方法
を提供する。この方法の1実施例においては、硫酸化セルロース系繊維を、繊維
を水中で実質的に不溶性にするのに十分な程度にまで架橋する。別の実施例にお
いては、架橋済みセルロース系繊維を硫酸化して、本変性繊維を提供する。本硫
酸化セルロース系繊維は、繊維を有機溶媒中で硫酸と反応させることで製造でき
る。
【0012】 他の態様においては、本発明は、本変性繊維を使用するための方法を提供し、
並びに本変性繊維を取り入れた吸収性複合体及び物品もまた提供する。1実施例
においては、本発明は、少なくとも約22g/gの液体容量を有する吸収性コアを
提供する。本吸収性コアは、吸収性物品中に好都合に取り入れることができる。
【0013】 本発明の前述の態様と附随する利益の多くとは、添付図面と合わせて以下の詳
細な説明を参照することによってより良く理解されるにつれて、より容易に了解
されよう。
【0014】 好適な実施例の詳細な説明 1態様においては、本発明は、高吸収性特性を有する変性セルロース系繊維を
提供する。本発明に従って形成された変性繊維は、自らが由来するセルロース系
繊維と実質的に同一の繊維構造を有する。さらに重要なことには、本変性繊維は
、膨張し水膨潤した状態でその繊維構造を実質的に保持する水膨潤可能で非水溶
性の繊維である。本発明に従って形成されたセルロース系繊維は、硫酸化され、
架橋された変性セルロース系繊維である。セルロース系繊維を水中で実質的に不
溶性にする硫酸化及び繊維内架橋によって、水膨潤可能性をセルロース系繊維に
与える。本変性セルロース系繊維は、好都合な水膨潤可能性を提供するのに有効
な硫酸基置換度(degree of sulfate group substitution)を有する。本変性セ
ルロース系繊維を、繊維を非水溶性にするのに十分な程度にまで架橋する。本変
性セルロース系繊維は、未変性フラッフパルプ繊維と比較して増大した液体吸収
容量を有する。本変性繊維は、少なくとも約4g/gの液体吸収容量を有する。
【0015】 本発明の変性繊維の形成において使用するのに適したセルロース系繊維は、実
質的に非水溶性であり、高度に水膨潤可能ではない。本発明に従った硫酸化及び
架橋の後、得られた変性繊維は所望の吸収度特性を有し、水膨潤可能で非水溶性
であり、自らが由来するセルロース系繊維の繊維構造を実質的に保持する。
【0016】 本発明の変性繊維は、細胞壁構造を含むパルプ繊維の構造を有する。1実施例
においては、本変性繊維は木材パルプ繊維の構造を有する。本変性繊維は、4つ
の同軸の層を有する壁表面によって囲まれたルーメン(すなわち中央の空洞)を
含む。最外部の一次壁(一般にPで示される)に加えて、細胞壁は二次壁(一般
にS1〜S3で示される)を含む。二次壁は、一次壁に隣接する外部層(S1)
、ルーメンに隣接する内部層(S3)、外部と内部二次層との間に位置する中間
層(S2)を含む。本変性繊維の構造はまた、様々な直径を有するマクロフィブ
リル、フィブリル、ミクロフィブリル、及び要素フィブリル(elementary fibri
l)と呼ばれるセルロース系フィブリル構造の長い束を含む。フィブリル材料の
直径は、繊維加工の程度に依存する。
【0017】 セルロースは、脱リグニン済み細胞壁の主要成分である。例えば、二次細胞壁
は、重合度約17,000までを有する非枝分れセルロース鎖を含み得る。従っ
て、本発明の変性繊維は事実上主として、その主要化学成分としてセルロースを
有するセルロース系である。セルロースは、反復アンヒドログルコース単位を含
むポリマーとみなすことができる。“アンヒドログルコース”という用語は、ポ
リマーを形成するための縮合の際にグルコースからの水の損失によって形成され
たセルロース中の反復単位を指す。与えられたセルロース分子の重合度(DP)
は、分子中のアンヒドログルコース反復単位の数である。個々のセルロースのD
Pは、その源と加工の際のポリマーの分解の程度とに依存しよう。
【0018】 セルロースに加えて、本変性繊維はヘミセルロース及びリグニンを含み得る。
セルロースはグルコースから形成される線状多糖であるが、ヘミセルロースは、
グルコース以外の糖を含む非枝分れまたは枝分れ多糖とすることができる。反復
糖単位を有する炭水化物ポリマーであるセルロース及びヘミセルロースとは異な
り、リグニンは、芳香族単位で構成される高度に枝分れした三次元ポリマーであ
る。リグニンは構造がアモルファスであり、炭水化物ポリマーの繊維のフィブリ
ル系の構成部分ではない。
【0019】 天然木部繊維の場合、リグニン含有量は細胞壁の外部層で最大であり、ルーメ
ンに隣接する層まで急速に減少する。それに反して、セルロース含有量は一次壁
で最低であり、内部繊維領域に向かってかなり増大する。ヘミセルロース含有量
は、繊維の外部から内部領域まで徐々に増大する傾向がある。木部繊維の化学組
成及び構造の説明は、Pulp and Paper Manufacture, Volume I. The Pulping of
Wood, Second Edition, R. G. MacDonald Ed., MacGraw-Hill, 1969, pages 39
-45に与えられている。
【0020】 本発明の変性繊維の化学組成は、部分的には、本変性繊維が由来するセルロー
ス系繊維の加工の程度に依存する。一般に、本発明の変性繊維は、パルプ化加工
を受けた繊維(すなわちパルプ繊維)に由来する。パルプ繊維は、セルロースを
リグニン及びヘミセルロースから分離し、セルロースを繊維形態で残そうと試み
るパルプ化加工によって製造される。パルプ化後にパルプ繊維中に残存している
リグニン及びヘミセルロースの量は、パルプ化加工の性質及び程度に依存しよう
【0021】 従って、本発明の繊維は、パルプ繊維の基本的な化学的特性及び構造上の特性
を保持する変性パルプ繊維である。本変性繊維は、上記に説明したような多重壁
マクロ構造(multiwalled macrostructure)を有し、主としてセルロースで構成
され、若干のヘミセルロース及びリグニンを含み得る。
【0022】 本変性繊維は、水中で実質的に不溶性である。本明細書において使用する材料
は、過剰の水中に実質的に溶解して溶液を形成し、その繊維形態を失い、水溶液
全体にわたって事実上一様に分散するようになる場合に、水溶性であるとみなさ
れよう。実質的な架橋度を有しない十分に硫酸化されたセルロース系繊維は水溶
性であろうが、本発明の変性セルロース系繊維である硫酸化された架橋済み繊維
は非水溶性である。
【0023】 本変性繊維は水膨潤可能で非水溶性の繊維である。本明細書において使用する
“水膨潤可能で非水溶性”という用語は、過剰の水性媒質(例として、体液の例
えば尿若しくは血液、水、合成尿、または0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)
にさらした場合、平衡体積にまで膨潤するが、溶解して溶液にはならない材料を
指す。本発明の水膨潤可能で非水溶性の変性セルロース系繊維は、液体吸収の最
中にその元の繊維構造を保持するが高度に膨張した状態にあり、十分な構造健全
性(structural integrity)を有して、流れ及び隣接する材料との融合に抵抗す
る。本発明の変性繊維は、有効に架橋することで水中で実質的に不溶性であり、
同時に、約0.3ポンド毎平方インチで加えた荷重下で、自らの重量の少なくと
も約4倍の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を吸収できる。
【0024】 セルロース系繊維は、本発明の高吸収性セルロース系繊維製品を製造するため
の出発物質である。他の源からも入手可能だが、適切なセルロース系繊維は主と
して木材パルプに由来する。本発明と共に使用するのに適した木材パルプ繊維は
、例えばクラフト法及び亜硫酸法等の周知の化学的方法から得ることができ、そ
れに続く漂白はあってもなくてもよい。パルプ繊維はまた、サーモメカニカル法
、ケミサーモメカニカル法、またはこれらの組合せによって加工できる。ウェヤ
ーハウザー・カンパニー(Weyerhaeuser Company)から市販されているトゥルー
セル(TRUCELL)等のカセイ抽出パルプ(caustic extractive pulp)も適切な木
材パルプ繊維である。好ましいパルプ繊維は、化学的方法によって製造される。
砕木繊維、リサイクルまたは二次木材パルプ繊維、並びに漂白済み及び未漂白の
木材パルプ繊維を使用できる。針葉樹材及び広葉樹材を使用できる。木材パルプ
繊維の選択に関する詳細は、当業者には周知である。こうした繊維は、本発明の
譲受人であるウェヤーハウザー・カンパニーを含む多数の会社から市販されてい
る。例えば、サザンパインから製造され、本発明と共に使用可能な適切なセルロ
ース系繊維は、CF416、NF405、PL416、FR516、及びNB4
16という名称でウェヤーハウザー・カンパニーから入手可能である。1実施例
においては、本発明の変性繊維の製造において有用なセルロース系繊維は、NB
416という名称でウェヤーハウザー・カンパニーから市販されているサザンパ
イン繊維である。他の実施例においては、本セルロース系繊維を、北部針葉樹材
繊維、ユーカリ類繊維、ライグラス繊維、及び綿繊維の中から選択できる。
【0025】 広範囲の重合度を有するセルロース系繊維は、本発明の変性セルロース系繊維
を形成するのに適している。1実施例においては、本セルロース系繊維は、約1
000を超える比較的に高い重合度を有し、別の実施例においては約1500を
有する。
【0026】 1実施例においては、本変性繊維は、約1.0mmを超える平均長を有する。従
って、本変性繊維を、約1.0mmを超える長さを有する繊維から適切に製造する
。本変性繊維を製造するのに適した長さを有する繊維としては、サザンパイン、
北部針葉樹材、及びユーカリ類繊維が挙げられ、これらの平均長はそれぞれ約2
.8mm、約2.0mm、及び約1.5mmである。平均長約1.0mm未満を有する繊
維は比較的に劣ったウィッキング特性を有し、パッド健全性が低減した複合体を
与える。
【0027】 本発明の変性セルロース系繊維は硫酸化セルロース系繊維である。本明細書に
おいて使用する“硫酸化セルロース系繊維”は、セルロース系繊維を硫酸化剤と
反応させることで硫酸化させたセルロース系繊維を指す。“硫酸化セルロース系
繊維”という用語は、本硫酸化繊維の遊離酸及び塩形態を含むことは了解されよ
う。適切な金属塩としては、ナトリウム、カリウム、及びリチウム塩がとりわけ
挙げられる。硫酸化セルロース系繊維を、硫酸化剤をセルロース系繊維のヒドロ
キシル基と反応させて、セルロース硫酸エステル(すなわち、炭素−酸素−硫酸
エステル)を与えることで製造できる。本発明に従って形成された硫酸化セルロ
ース系繊維は、例えばスルホン化セルロースの場合のような硫酸の硫黄原子(su
lfate sulfur atom)がセルロース鎖表面の炭素原子に直接に結合している他の
硫黄含有セルロース系化合物とは異なり、または例えばセルロースアルキルスル
ホネートの場合のような硫酸の硫黄原子がセルロース鎖表面の炭素原子に間接的
に結合している化合物とは異なる。
【0028】 本発明の変性セルロース系繊維は、平均硫酸基置換度約0.1〜約2.0を有
すると特徴付けることができる。1実施例においては、本変性セルロース系繊維
は、平均硫酸基置換度約0.2〜約1.0を有する。別の実施例においては、本
変性セルロース系繊維は、平均硫酸基置換度約0.3〜約0.5を有する。本明
細書において使用する“平均硫酸基置換度”は、本変性繊維中の1モルのグルコ
ース単位当りの硫酸基の平均モル数を指す。本発明に従って形成された繊維は、
上記に言及したような平均硫酸置換度を有する硫酸変性繊維の分布を含むことは
了解されよう。
【0029】 硫酸化繊維を製造するための代表的な方法を実施例1に説明する。 本発明の変性セルロース系繊維は、繊維内架橋済みセルロース系繊維である。
架橋済みセルロース系繊維及びその製造方法は、Graef et al.に発行された米国
特許第5,437,418号及び同第5,225,047号に開示されており、これらを特に本明細
書において、参考のために引用する。
【0030】 架橋済み繊維は、繊維を架橋剤を用いて処理することで製造できる。本変性セ
ルロース系繊維の製造において有用な適切な架橋剤は一般に、水及び/またはア
ルコールに可溶である。適切なセルロース系繊維架橋剤としては、アルデヒド、
ジアルデヒド、及び関連誘導体(例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、
グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド)並びに尿素に基づくホルムアルデヒ
ド付加生成物(例えば、N−メチロール化合物)が挙げられる。例えば、米国特
許第3,224,926号、同第3,241,533号、同第3,932,209号、同第4,035,147号、同第
3,756,913号、同第4,689,118号、同第4,822,453号、Chungに発行された米国特許
第3,440,135号、Lash et al.に発行された米国特許第4,935,022号、Herron et a
l.に発行された米国特許第4,889,595号、Shaw et al.に発行された米国特許第3,
819,470号、Steiger et al.に発行された米国特許第3,658,613号、及びGraef et
al.に発行された米国特許第4,853,086号を参照されたい。これらは全て、特に
本明細書において、参考のためにその全体を引用する。セルロース系繊維はまた
、ポリカルボン酸類を含むカルボン酸架橋剤によって架橋できる。米国特許第5,
137,537号、同第5,183,707号、及び同第5,190,563号は、少なくとも3つのカル
ボキシル基を含むC2〜C9ポリカルボン酸類(例えば、クエン酸及びオキシジ
コハク酸)を架橋剤として使用することを説明している。
【0031】 尿素に基づく適切な架橋剤としては、メチロール化尿素類、メチロール化環状
尿素類、メチロール化低級アルキル置換環状尿素類、メチロール化ジヒドロキシ
環状尿素類、ジヒドロキシ環状尿素類、及び低級アルキル置換環状尿素類が挙げ
られる。尿素に基づく具体的な好ましい架橋剤としては、ジメチロール尿素(D
MU、ビス[N−ヒドロキシメチル]尿素)、ジメチロールエチレン尿素(DM
EU、1,3−ジヒドロキシメチル−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールジ
ヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU、1,3−ジヒドロキシメチル−4,5
−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールプロピレン尿素(DM
PU)、ジメチロールヒダントイン(DMH)、ジメチルジヒドロキシ尿素(D
MDHU)、ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU、4,5−ジヒドロキシ−2
−イミダゾリジノン)、及びジメチルジヒドロキシエチレン尿素(DMeDHE
U、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)が挙げ
られる。
【0032】 適切なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク
酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、タートレートモノコハク酸、マレ
イン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸、全−シス−シクロペンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、及びベンゼン
ヘキサカルボン酸が挙げられる。他のポリカルボン酸架橋剤としては、高分子ポ
リカルボン酸類、例えばポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マ
レイン酸)、ポリ(メチルビニルエーテル−co−マレエート)コポリマー、ポ
リ(メチルビニルエーテル−co−イタコネート)コポリマー、アクリル酸のコ
ポリマー類、及びマレイン酸のコポリマー類が挙げられる。例えばポリアクリル
酸ポリマー類、ポリマレイン酸ポリマー類、アクリル酸のコポリマー類、及びマ
レイン酸のコポリマー類等の高分子ポリカルボン酸架橋剤の使用は、ウェヤーハ
ウザー・カンパニーに譲渡済みであり、特に本明細書において、参考のためにそ
の全体を引用する米国特許第5,998,511号に説明されている。
【0033】 他の適切な架橋剤としては、ジエポキシドの例えばビニルシクロヘキセンジオ
キシド、ブタジエンジオキシド、及びジグリシジルエーテル;スルホン類の例え
ばジビニルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、ビス(2−クロ
ロエチル)スルホン、及びジナトリウムトリス(β−スルファトエチル)スルホ
ニウム内部塩;並びにジイソシアナートが挙げられる。
【0034】 架橋剤の混合物及び/またはブレンドも使用できる。 架橋剤は、架橋剤とセルロース系繊維との間の結合反応を加速するための触媒
を含むことができる。適切な触媒としては、酸性塩類の例えば塩化アンモニウム
、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、及びリン含有酸類
(phosphorous-containing acids)のアルカリ金属塩類が挙げられる。
【0035】 本発明の変性セルロース系繊維は、架橋済みセルロース系繊維である。繊維に
施す架橋剤の量は適切に、本変性繊維を水中で実質的に不溶性にするのに必要な
量である。本セルロース系繊維に施す架橋剤の量は個々の架橋剤に依存しようし
、適切に、セルロース系繊維の総重量を基準として約0.01〜約8.0重量%
の範囲内である。1実施例においては、繊維に施す架橋剤の量は、繊維の総重量
を基準として約0.20〜約5.0重量%の範囲内である。
【0036】 1実施例においては、架橋剤を水性アルコール性溶液として本セルロース系繊
維に施すことができる。水は、繊維の細胞壁内部での架橋に対処する程度にまで
繊維を膨潤させるのに十分な量で溶液中に存在する。しかしながら、溶液は、繊
維を溶解させるのに十分な水は含まない。適切なアルコールとしては、架橋剤は
可溶であり、架橋すべき繊維(すなわち、未変性または硫酸化セルロース系繊維
)は可溶ではないアルコールが挙げられる。代表的なアルコールとしては、1〜
5個の炭素原子を含むアルコールの例えば、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノー
ル、及びペンタノールが挙げられる。別の実施例においては、架橋剤をエーテル
溶液(例えば、ジエチルエーテル)として繊維に施すことができる。
【0037】 その繊維構造が理由となって、本発明の変性繊維は、繊維の長手方向に及び繊
維の細胞壁を通る硫酸基及び/または架橋基の分布を有し得ることは了解されよ
う。一般に、繊維コアにおいてかまたはコア近くよりも、繊維表面かまたは表面
近くに、より多くの硫酸化及び/または架橋が存在し得る。表面架橋は、変性繊
維の乾燥を改良し、総吸収容量と表面乾燥とのより良好なバランスを与えるため
に好都合かもしれない。繊維膨潤及び浸漬時間はまた、硫酸化勾配及び架橋勾配
をもたらし得る。このような勾配は繊維構造が原因であることがあり、硫酸化及
び/または架橋反応条件を制御することで調節し、最適化できる。
【0038】 硫酸化繊維を架橋するための代表的な方法を実施例2に説明する。 漂白クラフトサザンパイン繊維(NB416)の100×、300×、及び1
000×倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、それぞれ図1A〜Cに示す
。本発明に従ってNB416繊維から形成された代表的な変性繊維の100×、
300×、及び1000×倍率のSEM写真を、それぞれ図2A〜Cに示す。図
1A〜C及び2A〜Cを参照すると、本変性繊維はリボン状であり、撚られ、カ
ールしており、自らが由来する繊維と実質的に同一の構造を有する。
【0039】 本発明の変性繊維は、実施例3に説明する遠心容量試験で測定して、少なくと
も約4g/gの液体吸収容量を有する。1実施例においては、本変性繊維は少なく
とも約10g/gの容量を有する。別の実施例においては、本繊維は少なくとも約
15g/gの容量を有し、さらなる実施例においては、本繊維は少なくとも約20g
/gの容量を有する。本発明に従って形成された代表的な変性繊維の吸収容量を実
施例3に説明する。
【0040】 上記に言及したように、本変性繊維は繊維の構造を保持する。図3A及び3B
は、本発明に従って形成された代表的な変性繊維の、水と接触する前及び接触し
た後の光学顕微鏡写真である。図3Aは、まだ水と接触していない代表的な変性
繊維を示す。図3Aを参照すると、こうした繊維はリボン状であり、撚られ、カ
ールしている。図3Bは、水と接触した代表的な変性繊維を示す。図3Bを参照
すると、こうした膨潤した繊維はその繊維構造を保持しており、その元の直径の
約3〜約6倍に膨張した直径を有する。
【0041】 本発明の別の態様においては、高吸収性特性を有するセルロース系繊維を製造
するための方法を提供する。この方法においては、セルロース系繊維を硫酸化し
、架橋して、高吸収性繊維を提供する。1実施例においては、セルロース系繊維
を硫酸化し、次に架橋する。この方法においては、硫酸化セルロース系繊維を、
得られた変性セルロース系繊維を水中で実質的に不溶性にするのに十分な量の架
橋剤を用いて処理する。別の実施例においては、セルロース系繊維を架橋し、次
に硫酸化する。この方法においては、架橋済みセルロース系繊維を硫酸化して、
得られた変性セルロース系繊維を高度に水吸収性にする。いずれの方法によって
形成された変性セルロース系繊維も、高度に水吸収性、水膨潤可能、非水溶性で
あり、自らが由来する繊維の繊維構造を保持する。
【0042】 本発明の変性繊維は硫酸化セルロース系繊維である。硫酸化セルロース系繊維
は、セルロース系繊維(例えば、架橋済みまたは非架橋のセルロース系繊維)を
硫酸化剤と反応させることで製造できる。適切な硫酸化剤としては、濃硫酸(9
5〜98%)、発煙硫酸、三酸化硫黄及び関連錯体の例えば三酸化硫黄/ジメチ
ルホルムアミド及び三酸化硫黄/ピリジン錯体、並びにクロロスルホン酸がとり
わけ挙げられる。1実施例においては、硫酸化剤は濃硫酸である。
【0043】 硫酸化剤を好ましくは、有機溶媒中の溶液として繊維に施す。適切な有機溶媒
としては、アルコール、ピリジン、ジメチルホルムアミド、氷酢酸を含む酢酸、
及びジオキサンが挙げられる。1実施例においては、有機溶媒は、約6個までの
炭素原子を有するアルコールである。適切なアルコールとしては、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタ
ノール、s−ブタノール、ペンタノール、及びヘキサノールが挙げられる。1実
施例においては、アルコールは、イソプロパノール及びイソブタノールの中から
選択される。
【0044】 溶液中の硫酸対アルコールのモル比は、約1:1〜約4:1で変化し得る。1
実施例においては、硫酸対アルコールのモル比は約2.4:1であり、例えば、
硫酸はイソプロパノール中で80:20(重量/重量)の溶液である。硫酸化反
応における硫酸対セルロース系繊維の重量比は、約5:1〜約30:1で変化し
得る。低い硫酸比では反応は遅く、不完全であり、高い硫酸比ではかなりのセル
ロースポリマーの分解が起こり得る。1実施例においては、硫酸対パルプ繊維の
重量比は約10:1〜約25:1である。別の実施例においては、硫酸対パルプ
繊維の重量比は約24:1である。
【0045】 高度に酸性の水性環境は、セルロース繊維を容易に分解する。セルロースを硫
酸を用いて処理すると、硫酸によるセルロース主鎖の酸加水分解から形成される
可溶の生成物を生じるので、濃硫酸を使用して硫酸化セルロースを製造すること
はできないと報告されている。WO 96/15137を参照されたい。しかしながら、水
性硫酸または揮発性有機溶媒の例えばトルエン、四塩化炭素、若しくは低級アル
カノール中に溶解させた硫酸の直接作用によって、活性化されたセルロース(2
0〜30%の水)から水溶性セルロース硫酸エステルが製造されたと報告されて
いる。"Cellulose Chemistry and Its Applications", Ed. T.P. Nevell and S.
H. Zeronian, Halstead Press, John Wiley and Sons, 1985, page 350。
【0046】 水性酸性溶液中でのセルロースの周知の分解にもかかわらず、本発明は、著し
いセルロースの加水分解無しに硫酸化セルロース繊維を製造するための方法を提
供する。本発明の方法においては、セルロース繊維を、非水性環境中で及び/ま
たは低温で(例えば、約4℃でまたは4℃未満で)硫酸化剤を用いて処理するこ
とで、セルロース繊維の分解(すなわち、重合度の低下)が実質的に避けられる
。繊維の分解(例えば、加水分解)からさらに保護するために、硫酸化反応の最
中に形成される水を含めて水を吸収するための脱水剤を、硫酸化反応混合物に加
えることができる。適切な脱水剤としては、例えば三酸化硫黄、硫酸マグネシウ
ム、無水酢酸、及びモレキュラーシーブが挙げられる。1実施例においては、セ
ルロース系繊維を約4℃の温度で硫酸化剤と反応させ、セルロース系繊維及び硫
酸化剤の両方は反応の前に約4℃に冷却する。別の実施例においては、冷却した
繊維を含むセルロース系繊維を、脱水剤の存在下で硫酸化剤と反応させる。
【0047】 所望の硫酸化の程度に依存して、繊維及び硫酸化剤を約10〜約60分間反応
させる。この反応期間の後でかつ得られた硫酸化繊維を中和する前に、硫酸化繊
維を過剰の硫酸化剤から分離する。1実施例においては、硫酸化繊維を、中和の
前にアルコールを用いて洗浄する。
【0048】 硫酸化セルロース系繊維を架橋して本発明の変性繊維を提供する前に、繊維を
、中和剤を用いて少なくとも部分的に中和できる。中和剤は適切に、硫酸化溶媒
中に可溶である。1実施例においては、中和剤は、塩基の例えばアルカリ性塩基
(例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
ルシウム;酢酸リチウム、酢酸カリウム、または酢酸ナトリウム)である。他に
、中和剤は多価金属塩を含むことができる。適切な金属塩としては、セリウム、
マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、及びアルミニウム塩の例えば硝酸ア
ンモニウムセリウム(ammonium cerium nitrate)、硫酸マグネシウム、塩化マ
グネシウム、塩化カルシウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、及び硫酸
アルミニウムがとりわけ挙げられる。多価金属塩を中和剤として使用することは
また、繊維内架橋という利益を提供する。従って、多価金属塩の使用によって、
硫酸化セルロース系繊維を部分的に中和でき、部分的に架橋できる。このように
処理した繊維を、上記に説明したものを含む他の架橋剤を用いてさらに架橋でき
る。
【0049】 繊維の硫酸化の程度は、反応時間を含む多数の反応条件に依存する。例えば、
一連の代表的な硫酸化反応において、25分の反応時間は約3.8重量%の硫黄
を含む繊維を与え;35分の反応時間は約4.9重量%の硫黄を含む繊維を与え
;45分の反応時間は約6.4重量%の硫黄を含む繊維を与えた。しかしながら
、こうした実験においては、長い硫酸化反応時間は繊維長に悪影響を及ぼした(
すなわち、長時間の反応条件下でセルロースの加水分解が起きた)。粘度実験に
おいては、25分及び35分の反応条件で製造された硫酸化繊維は、ガードナー
−ホルト気泡管(Gardner-Holt bubble tube)のH粘度(すなわち、約200セ
ンチストーク)を有すると分類されるセルロース溶液を与え、一方、45分の反
応で製造された硫酸化繊維は、C粘度(すなわち、約85センチストーク)を有
すると分類されるセルロース溶液を与えた。こうした結果は、長い反応時間では
、かなりの繊維の分解が起こり得ることを示す。こうした硫酸化繊維から製造さ
れた変性繊維の吸収容量を実施例3に説明する。
【0050】 硫酸化繊維を製造するための代表的な方法を実施例1に説明する。 少なくとも部分的に中和済みの硫酸化セルロース系繊維は次に、架橋剤をこの
繊維に施すことで架橋できる。1実施例においては、架橋剤を水性アルコール性
溶液として繊維に施す。一般に、架橋剤溶液は、繊維を膨潤させるのに十分では
あるが溶解はさせない水を含む。約95重量%を超えるアルコールでは、架橋剤
は繊維の細胞壁に十分に浸透せず、結果は、不均一な架橋及び低い吸収容量を有
する架橋済み繊維である。適切に、水性アルコール性溶液は、約10〜約50重
量%の水及び50〜約90重量%のアルコールを含む。1実施例においては、架
橋剤溶液は、水性エタノール溶液(88重量%のエタノール)である。
【0051】 繊維を、架橋剤を用いて処理した後、例えば、処理済み繊維を加熱することで
架橋剤を硬化して、繊維内架橋済み繊維を与える。 硫酸化繊維を架橋するための代表的な方法を実施例2に説明する。実施例2の
方法は、単離し乾燥した硫酸化繊維を架橋することを説明する。他に、上記及び
実施例1に説明するように形成された硫酸化繊維を、中和後に繊維を乾燥せずに
直接に架橋してよい。
【0052】 従って、1実施例においては、本発明は、高吸収性特性を有するセルロース系
繊維を製造するための方法であって、セルロース系繊維を硫酸化剤と反応させる
工程と;硫酸化繊維を少なくとも部分的に中和して、架橋に適した繊維を与える
工程と;架橋剤を硫酸化繊維に施す工程と;次に架橋剤を硬化して、本変性繊維
を与える工程とを含む方法を提供する。
【0053】 本発明の変性繊維の性質を変化させることができ、これは、架橋反応において
存在する水の量によって制御できることが発見された。例えば、本変性繊維を個
別の繊維形態で製造することが望ましい場合、比較的に少量の水を架橋反応にお
いて使用する。逆に、本変性繊維をシートまたはウェブ(例えば、巻取り品物)
として製造することが望ましい場合、架橋反応は比較的に多量の水を含む。架橋
反応の最中に存在する水は、個別の変性繊維同士の間の結合をもたらすことが見
い出された。架橋反応において水分が十分に高い場合、繊維間結合が起きて、十
分な強度及び健全性を有する構造を与え、巻取り品物の形成に適した本変性繊維
の繊維質ウェブまたはシートを提供することができる。本変性繊維を個別の形態
で形成することが望ましい場合、本変性繊維を、出荷及びそれに続く加工のため
に梱包(baled)できる。
【0054】 架橋反応において約50重量%を超える水が存在する場合、若干の繊維間結合
及び個別の繊維構造の損失が起きる。約50〜90重量%のアルコールでは、個
別の繊維構造の損失無しに繊維間結合が起きる。
【0055】 上記に説明した方法は、本発明の変性繊維の製造を最適化するための他の工程
をさらに含むことができる。硫酸化の最中の繊維の加水分解を防ぐさらなる助け
として、セルロース系繊維を硫酸化反応の前に乾燥できる。繊維は、加熱及び化
学的方法を含む多数の乾燥方法のうちの任意の1つによって乾燥できる。例えば
、繊維は、乾燥器中での加熱;適切な溶媒を用いた溶媒交換;適切な溶媒を用い
た溶媒交換に続く加熱;または三酸化硫黄若しくは無水酢酸等の脱水剤を用いた
処理によって乾燥できる。他に、未乾燥繊維を、適切な溶媒を使用した溶媒交換
によって乾燥できる。
【0056】 有効な硫酸化のために、乾燥した繊維を含むセルロース系繊維を、硫酸化の前
に膨潤剤を使用して膨潤させることができる。適切な膨潤剤としては、例えば、
水、氷酢酸、無水酢酸、塩化亜鉛、硫酸、三酸化硫黄、及びアンモニアが挙げら
れる。繊維は、繊維を膨潤剤と混合することで膨潤でき、続いて過剰の膨潤剤を
除去し、その後繊維を硫酸化剤と反応させる。
【0057】 従って、別の実施例においては、本発明は、高吸収性特性を有するセルロース
系繊維を製造するための方法であって、乾燥繊維を含むセルロース系繊維を、膨
潤剤を用いて膨潤させる工程と;過剰の膨潤剤を膨潤済み繊維から分離する工程
と;膨潤済み繊維を硫酸化剤と反応させる工程と;過剰の硫酸化剤を繊維から分
離する工程と;硫酸化繊維を少なくとも部分的に中和して、架橋に適した繊維を
与える工程と;架橋剤を硫酸化繊維に施す工程と;次に架橋剤を硬化して、繊維
内架橋済み硫酸化セルロース系繊維を与える工程とを含む方法を提供する。
【0058】 別の実施例においては、本発明の変性セルロース系繊維は、セルロース系繊維
を架橋し、次に硫酸化することで形成できる。この方法においては、本変性繊維
は、架橋剤をセルロース系繊維に施し;架橋剤を硬化して、架橋済み繊維を与え
;架橋済みセルロース系繊維を硫酸化剤と反応させ;硫酸化セルロース系繊維を
少なくとも部分的に中和し;次に、硫酸化された架橋済みセルロース系繊維を乾
燥させることで製造できる。
【0059】 本発明の変性繊維は、繊維を溶液中に溶解させることを含まない方法で形成す
る。このようにして、本変性繊維は、自らが由来する繊維の構造を保持する。繊
維構造を欠き、溶液からの再生(すなわち、例えば、溶解したセルロース系材料
を含む溶液からの沈殿によって形成する)によって製造される他の繊維質材料と
は、本発明の変性繊維の構造は異なる。
【0060】 本発明に従って形成された変性繊維は高吸収性特性を有し、同時に、自らが由
来するセルロース系パルプ繊維の構造を有する。上記に言及したように、本発明
の変性繊維を、個別の繊維としてまたは繊維のシート若しくはウェブ(例えば、
巻取り品物)として製造できる。製造された本変性繊維の性質は、本繊維の最終
用途によって決まる。
【0061】 本変性繊維をパーソナルケア吸収性製品中に取り入れることができる。本変性
繊維を、パーソナルケア吸収性製品中に取り入れるための複合体へと形成できる
。複合体は、本変性繊維単独で形成でき、または、繊維質材料、バインダー材料
、他の吸収性材料、及びパーソナルケア吸収性製品中に一般に用いられる他の材
料を含む他の材料と本変性繊維を組合わせることで形成できる。適切な繊維質材
料としては、合成繊維の例えばポリエステル、ポリプロピレン、及び二成分結合
繊維;並びにセルロース系繊維の例えばフラッフパルプ繊維、架橋済みセルロー
ス系繊維、綿繊維、及びCTMP繊維が挙げられる。適切な吸収性材料としては
、天然吸収体の例えばミズゴケ及び合成高吸収体の例えばポリアクリレート(例
えば、SAP)が挙げられる。
【0062】 1実施例においては、本変性繊維を、適合する材料を用いてさらに処理して、
コーティングされた変性繊維を与える。本変性繊維を、様々な材料でコーティン
グでき、こうした材料としては、上記に言及したもの並びにバインダー、pH制御
剤、及び臭気低減剤がとりわけ挙げられる。
【0063】 本変性繊維を含むウェブは、ウェブ形成技術において周知の様々な方法のうち
の任意の1つで製造できる。こうした方法としては、エアレイド及び湿式形成法
(wet forming method)が挙げられる。上記に言及したように、本変性繊維を含
み湿式形成されたウェブは、例えば、ウェブに構造健全性を与えるのに十分な程
度にまで架橋済み硫酸化繊維同士を結合するのに十分な量の水を加えることで形
成できる。繊維質材料及び吸収性材料等の他の材料もまた、こうしたウェブ中に
含ませることができる。
【0064】 パーソナルケア吸収性製品中での使用を意図している幾つかの場合には、本変
性繊維の巻取り品物形態が望ましい。巻取り品物形態の本変性繊維の1つの利益
は、巻取り品物を所望の形状及びサイズに切断し、成形し、所定のサイズにした
ウェブを吸収性物品中に挿入することで、到着したままでおむつ製造業者が直接
に取り入れることができるという点である。このようにして、巻取り品物形態の
本変性繊維をおむつ製造ラインで直接に利用できる。本変性繊維を含む巻取り品
物はまた、上記に特定したもの等の様々な他の有用な材料のうちの任意の1つ以
上を含むことができる。
【0065】 本発明の変性繊維に由来するかまたはこれを含む吸収性複合体は、様々な吸収
性物品中に好都合に取り入れることができ、この物品は例えば使い捨ておむつ及
び幼児トイレ訓練用パンツを含むおむつ;生理用ナプキン、及びパンツライナを
含む女性用ケア製品;成人用失禁用製品;紙タオル;外科用及び歯科用スポンジ
;包帯;食品トレイパッド;並びにその他同様なものである。従って、別の態様
においては、本発明は、本変性繊維を含む吸収性複合体及び吸収性物品を提供す
る。
【0066】 上記に言及したように、本発明の変性繊維は、他のパルプ繊維と同様、液体ウ
ィッキングに対処した繊維構造を有する。高吸収性材料と同様、本変性繊維は高
い液体吸収容量を有する。従って、本変性繊維は、液体ウィッキング及び液体貯
留を必要とする乳幼児用おむつ等の吸収性製品において有用となり得る。類のな
い液体ウィッキング及び容量特性が理由となって、本変性繊維を複合体へと形成
でき、おむつの貯留コアとして利用できる。このようなコアは本変性繊維のみを
含んでよい。少なくとも約22g/gの吸収容量を有する変性繊維の場合、得られ
たコアは少なくとも約22g/gの吸収容量を有する。従来の市販のおむつの貯留
コアは一般的に、以下の2つの成分を含む:(1)液体をウィッキングするため
のフラッフパルプ繊維、及び(2)捕捉した液体を貯留するための高吸収性材料
。コアは一般的に、最小約25重量%のフラッフパルプ繊維及び最大約75重量
%の高吸収性材料からなる。高吸収性材料は一般に約28g/gの吸収容量を有し
、フラッフパルプ繊維は一般に約2g/gの吸収容量を有する。従って、このよう
なコアは約22g/gの容量を有する。少なくとも約22g/gの容量を有する変性繊
維から製造されたコアは、従来の吸収性複合体の性能特性を超えることができる
。従って、本発明の変性繊維は、吸収性コアの製造に関連した利益を提供する。
【0067】 以下の実施例は、本発明を説明するために提供するものであって、限定するた
めではない。
【0068】 実施例実施例硫酸化セルロース系繊維の製造 この実施例では、硫酸化セルロース系繊維を形成するための代表的な方法を説
明する。
【0069】 硫酸化の前に、パルプを、酢酸を用いて活性化した。105℃でオーブン乾燥
した10グラムの繊維化済み漂白クラフトサザンイエローパインフラッフパルプ
(NB416、ウェヤーハウザー・カンパニー、フェデラル・ウェイ、WA(We
yerhaeuser Company, Federal Way, WA))を、600mLの氷酢酸中に分散させ
た。パルプ/酸スラリーを次に真空チャンバに入れ、空気を排出した。スラリー
を真空下で30分間放置し、その後チャンバを再与圧して大気圧にした。スラリ
ーを次に雰囲気条件で45分間放置し、その後さらに30分間真空に再度さらし
た。2度目に真空にさらした後、スラリーを大気圧で45分間再度放置した。ス
ラリーを次にブフナー漏斗中に注ぎ、漏斗中でパルプを集め、残留酢酸の重量が
オーブン乾燥したパルプの重量の2倍に等しくなるまで圧縮した(すなわち、集
めたパルプの総重量は30gだった)。集めたパルプをビニール袋に入れ、冷凍
庫中で−10℃に冷却した。
【0070】 硫酸化液を作製するために、240gの濃硫酸を60gのイソプロパノール及び
0.226gの硫酸マグネシウムと混合した。液を作製するために、イソプロパ
ノールをビーカー中に注ぎ、氷浴中、4℃で維持した。硫酸マグネシウムを次に
イソプロパノールに加え、混合物に4℃に冷却した。硫酸を秤量してビーカー中
に入れ、別個に9℃に冷却し、その後、イソプロパノールと硫酸マグネシウムと
の混合物中に徐々に加えて混合した。得られた硫酸化液を次に4℃に冷却した。
【0071】 冷却した、酢酸で活性化されたパルプ(−10℃)を、冷却した硫酸化液(4
℃)中に撹拌しながら加えた。パルプと硫酸化液との得られたスラリーを、絶え
ず撹拌しながら35分間反応させた。35分後、パルプ/硫酸化液スラリーをブ
フナー漏斗中に注ぎ、硫酸化パルプを集め、冷却したイソプロパノール(−10
℃)を用いて真空上で洗浄した。集めたパルプを次に、冷却したイソプロパノー
ル(−10℃)と共にワーリングブレンダー中でスラリーにし、ブフナー漏斗中
に注ぎ戻し、漏斗中で、パルプを、冷却したイソプロパノール(−10℃)を用
いて再度洗浄した。
【0072】 本発明に従って形成された変性繊維の性質及び品質は、洗浄工程によって決ま
る。第1に、酸を好ましくはできる限り迅速にパルプから洗浄除去して、セルロ
ースの分解の継続及び/または加速を防ぐ。第2に、パルプの冷却温度を好まし
くは維持して、セルロースの分解を防ぐ。第3に、中和前に酸を好ましくはでき
る限り完全にパルプから洗浄除去して、除去するのが困難な無機塩の中和工程の
最中での形成を防ぐ。こうした塩は、変性繊維の吸収度に悪影響を及ぼし得る。
【0073】 洗浄した硫酸化パルプを次に、冷却したイソプロパノール(−10℃)中でス
ラリーにし、エタノール性水酸化ナトリウム溶液をスラリーが中和するまで滴下
した。スラリーを次にブフナー漏斗中に注ぎ、漏斗中で、中和済み硫酸化パルプ
を、室温のイソプロパノールを用いて洗浄した。中和済み硫酸化パルプを次に撹
拌して、繊維表面を外皮状に覆っていたかもしれないいかなる無機塩も除去し、
その後ブフナー漏斗中で、中和済み硫酸化パルプを、イソプロパノールを用いて
再度洗浄した。最後に、集めた硫酸化パルプを空気乾燥した。
【0074】実施例2 代表的な架橋済み硫酸化セルロース系繊維の製造 この実施例では、架橋済み硫酸化セルロース系繊維を形成するための代表的な
方法を説明する。実施例1に説明するように製造した硫酸化セルロース系繊維を
、代表的な架橋剤を用いて架橋した。
【0075】 触媒作用を利用した尿素−ホルムアルデヒド系を使用して、硫酸化セルロース
系繊維を架橋した。触媒は、88%エタノール/水中に溶解させた塩化マグネシ
ウム及びドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を含んだ。主要な機能に加
えて、触媒溶液は、架橋剤のための希釈剤として役立つ。架橋剤を得るために、
尿素を37%(w/w)水性ホルムアルデヒド中に溶解させた。架橋剤を触媒溶液
と合わせ、硫酸化繊維に施した。処理済み繊維を次に硬化するために、105℃
のオーブンに60分間入れた。
【0076】 この実験においては、様々な量の架橋剤を繊維に施した。使用した架橋剤の量
は、硫酸化繊維の重量の1〜11%の範囲にわたり、使用した触媒希釈剤の量は
、硫酸化繊維の重量の250%だった。触媒希釈剤及び架橋剤溶液の作製におい
て使用した材料及び量を、下記の表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】実施例3 代表的な架橋済み硫酸化セルロース系繊維の性能特性 この実施例では、本発明に従って形成された代表的な架橋済み硫酸化セルロー
ス系繊維の性能特性を説明する。様々なレベルの架橋剤を繊維に施して上記の実
施例1及び2に説明するように製造した代表的な変性繊維を、下記に説明する総
吸収性容量/ティーバッグゲル体積試験によって、吸収容量に関して評価した。
繊維に施した架橋剤の関数としての変性繊維の吸収容量を、下記の表2に要約す
る。 吸収容量を決定するための材料の作製、試験手順、及び計算は次の通り。
【0079】材料の作製: 1)ティーバッグの作製:ティーバッグ材料(Dexter #1234T:ヒ
ートシール可能なティーバッグ材料)を広げ、横方向に切断して6cmの部片にす
る。縦方向に外側から外側まで(outside-to-outside)折る。縁部1/8インチ
をこて(高温設定)でヒートシールし、上端は開口したままにする。過剰の部分
を上端から切り取って、6cm×6cmのバッグを形成する。3個のティーバッグを
作製する。 2)縁部に試料識別のラベルを付ける。 3)ティーバッグを前秤量し、重量を記録する(最も近くて0.001gまで)
。 4)風袋消去済みグラシン紙上で0.200gの試料(最も近くて0.001g)
を秤量し、重量を記録する。 5)ティーバッグに変性繊維試料を充填する。 6)ティーバッグの上端1/8インチをこてで密封する。 7)変性繊維試料を充填したティーバッグの総重量を秤量し、記録する。試験の
準備ができるまで、密閉したビニール袋中に保管する。
【0080】試験手順: 1)容器に少なくとも2インチの深さまで1重量%の塩類溶液(saline solutio
n)を充填する。 2)ティーバッグを水平に保持し、変性繊維試料をティーバッグ全体にわたって
一様に分布させる。 3)ティーバッグを塩類溶液の液体表面に横たえ(計時を開始する)、ティーバ
ッグを浸し(wet-out)、その後ティーバッグを液体表面下に沈める(約10秒
)。 4)ティーバッグを30分間浸漬する。 5)ティーバッグを塩類溶液からピンセットで取り出し、ドリップラックに留め
る。 6)ティーバッグを3分間掛けておく。 7)ティーバッグをクリップから注意深く除去し、吸い取り紙上で、ティーバッ
グの飽和した隅に軽く触れて、過剰の流体を除去する。ティーバッグを秤量し、
重量(すなわち、ドリップ重量(drip weight))を記録する。 8)ティーバッグの上端を遠心分離機の壁に押し付けて、ティーバッグを壁に配
置する。遠心分離機のバランスを保つために、ティーバッグを遠心分離機の円周
上に置く。 9)2800rpmで75秒間遠心分離する。 10)ティーバッグを遠心分離機から取り出し、秤量し、ティーバッグの遠心分
離済み重量を記録する。
【0081】吸収体の遠心容量の計算: (正味の湿潤重量試料−正味の乾燥重量試料)/正味の乾燥重量試料=g/g容量 正味の湿潤重量は、遠心分離重量−(ティーバッグ及び繊維試料の乾燥重量) である。正味の乾燥重量は、繊維試料の乾燥重量である。
【0082】 代表的な変性繊維に関して、硫酸化反応時間及び繊維に施した架橋剤の関数と
して上記に説明したように決定した吸収容量(g/g)を、下記の表2に要約し、
図4にグラフで示す。
【0083】
【表2】
【0084】 表2及び図4に示すように、ある程度までは、吸収容量は、硫酸化の増大と共
に増大する。しかしながら、硫酸化が繊維の分解をもたらした時点で、吸収容量
は減少する、結果はまた、吸収容量はまた架橋の増大と共にある程度までは増大
することを証明する。より高いレベルの架橋では、吸収容量は減少する。
【0085】 本発明の好適な実施例を示し、説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、本発明に様々な変更を行い得ることは了解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、代表的なフラッフパルプ繊維(NB416という名称でウェヤーハ
ウザー・カンパニーから市販されている漂白クラフトサザンパイン繊維)の10
0×倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図1Bは、代表的なフラッフパルプ繊維(NB416という名称でウェヤーハ
ウザー・カンパニーから市販されている漂白クラフトサザンパイン繊維)の30
0×倍率のSEM写真である。 図1Cは、代表的なフラッフパルプ繊維(NB416という名称でウェヤーハ
ウザー・カンパニーから市販されている漂白クラフトサザンパイン繊維)の10
00×倍率のSEM写真である。
【図2】 図2Aは、漂白クラフトサザンパイン繊維(NB416)から本発明に従って
形成された代表的な変性繊維の100×倍率のSEM写真である。 図2Bは、漂白クラフトサザンパイン繊維(NB416)から本発明に従って
形成された代表的な変性繊維の300×倍率のSEM写真である。 図2Cは、漂白クラフトサザンパイン繊維(NB416)から本発明に従って
形成された代表的な変性繊維の1000×倍率のSEM写真である。
【図3】 図3Aは、本発明に従って形成された代表的な変性繊維の光学顕微鏡写真であ
り、水と接触する前の変性繊維を示す。 図3Bは、本発明に従って形成された代表的な変性繊維の光学顕微鏡写真であ
り、水と接触した後の変性繊維を示す。
【図4】 本発明に従って形成された代表的な変性繊維の吸収容量を、繊維に施した重量
%架橋及び硫酸化反応時間(25分、+;35分、黒四角;45分、△)の関数
として示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月22日(2002.7.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/55 A41B 13/02 B 4L033 // A61F 5/44 D06M 11/02 D06M 101:06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ヤング,リチャード・エイチ,シニアー アメリカ合衆国ワシントン州98038,メイ プル・ヴァリー,サウスイースト・トゥー ハンドレッドフォーティナインス・コート 23115 (72)発明者 ピーターセン,ブレント・エイ アメリカ合衆国ワシントン州98116,シア トル,サウスウエスト・スティーヴンズ 6123,アパートメント 104 Fターム(参考) 3B029 HA00 HB02 4C003 AA23 AA24 4C081 AA03 AA12 BB01 CC05 CD021 DB01 EA01 4C098 AA09 CC02 DD05 DD06 DD14 DD16 DD21 DD30 4L031 AA02 AB01 BA12 DA08 DA21 4L033 AA02 AB01 AC07 AC10 AC15 BA10 BA18 CA36

Claims (78)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸化セルロース系繊維を水中で実質的に不溶性にする程度
    にまで架橋した前記繊維を含む変性セルロース系繊維。
  2. 【請求項2】 少なくとも約4g/gの液体吸収容量を有する、請求項1に記
    載の繊維。
  3. 【請求項3】 平均硫酸置換度は約0.1〜約2.0である、請求項1に記
    載の繊維。
  4. 【請求項4】 平均硫酸置換度は約0.2〜約1.0である、請求項1に記
    載の繊維。
  5. 【請求項5】 平均硫酸置換度は約0.3〜約0.5である、請求項1に記
    載の繊維。
  6. 【請求項6】 前記セルロース系繊維は木材パルプ繊維である、請求項1に
    記載の繊維。
  7. 【請求項7】 個別であり、水膨潤可能で非水溶性である、繊維内架橋済み
    硫酸化セルロース系繊維。
  8. 【請求項8】 少なくとも約4g/gの液体吸収容量を有する、請求項7に記
    載の繊維。
  9. 【請求項9】 平均硫酸置換度は約0.1〜約2.0である、請求項7に記
    載の繊維。
  10. 【請求項10】 平均硫酸置換度は約0.2〜約1.0である、請求項7に
    記載の繊維。
  11. 【請求項11】 平均硫酸置換度は約0.3〜約0.5である、請求項7に
    記載の繊維。
  12. 【請求項12】 前記セルロース系繊維は木材パルプ繊維である、請求項7
    に記載の繊維。
  13. 【請求項13】 前記繊維は、尿素に基づく架橋剤、ポリカルボン酸架橋剤
    、アルデヒド架橋剤、ジアルデヒド架橋剤、及びこれらの混合物からなる群から
    選択される架橋剤を用いて架橋される、請求項7に記載の繊維。
  14. 【請求項14】 前記架橋剤は、繊維の総重量を基準として約0.01〜約
    8.0重量%の量で前記繊維に施される、請求項13に記載の繊維。
  15. 【請求項15】 前記架橋剤は、繊維の総重量を基準として約0.02〜約
    5.0重量%の量で前記繊維に施される、請求項13に記載の繊維。
  16. 【請求項16】 請求項1または7に記載の繊維を含む巻取り品物。
  17. 【請求項17】 別の繊維をさらに含む、請求項16に記載の巻取り品物。
  18. 【請求項18】 前記他の繊維は、フラッフパルプ繊維、架橋済みセルロー
    ス系繊維、綿繊維、CTMP繊維、及び合成繊維のうちの少なくとも1つである
    、請求項17に記載の巻取り品物。
  19. 【請求項19】 吸収性材料をさらに含む、請求項16に記載の巻取り品物
  20. 【請求項20】 バインダー材料をさらに含む、請求項16に記載の巻取り
    品物。
  21. 【請求項21】 請求項16に記載の巻取り品物を含む吸収性物品。
  22. 【請求項22】 請求項1または7に記載の繊維を含む吸収性複合体。
  23. 【請求項23】 別の繊維をさらに含む、請求項22に記載の複合体。
  24. 【請求項24】 前記他の繊維は、フラッフパルプ繊維、架橋済みセルロー
    ス系繊維、綿繊維、CTMP繊維、及び合成繊維のうちの少なくとも1つである
    、請求項23に記載の複合体。
  25. 【請求項25】 請求項1または7に記載の繊維を含む吸収性物品。
  26. 【請求項26】 前記物品は、乳幼児用おむつ、成人用失禁用製品、及び女
    性用ケア製品のうちの少なくとも1つである、請求項25に記載の物品。
  27. 【請求項27】 液体透過性最上部シートと、該最上部シートに取り付けた
    液体非透過性背面シートと、前記最上部シートと前記背面シートとの間に位置す
    る吸収性部材とを備える吸収性物品において、前記吸収性部材は請求項1または
    7に記載の繊維を含む、吸収性物品。
  28. 【請求項28】 液体透過性最上部シートと、該最上部シートに取り付けた
    液体非透過性背面シートと、前記最上部シートと前記背面シートとの間に位置す
    る吸収性部材とを備える吸収性物品において、前記吸収性部材は請求項16に記
    載の巻取り品物を含む、吸収性物品。
  29. 【請求項29】 硫酸化セルロース系繊維を架橋して、該繊維を実質的に非
    水溶性にすることを含む、セルロース系繊維を製造するための方法。
  30. 【請求項30】 前記硫酸化セルロース系繊維を架橋することは、前記硫酸
    化セルロース系繊維を、架橋済み繊維を実質的に非水溶性にするのに十分な量の
    架橋剤を用いて処理することを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記架橋剤の量は、繊維の総重量を基準として約0.01
    〜約8.0重量%の架橋剤の範囲にわたる、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記架橋剤は、尿素に基づく架橋剤、ポリカルボン酸架橋
    剤、アルデヒド架橋剤、ジアルデヒド架橋剤、及びこれらの混合物からなる群か
    ら選択される、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記架橋剤は、水性アルコール性溶液として前記繊維に施
    される、請求項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記硫酸化セルロース系繊維は、平均硫酸置換度約0.1
    〜約2.0を有する、請求項29に記載の方法。
  35. 【請求項35】 架橋済み硫酸化繊維を梱包することをさらに含む、請求項
    29に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記架橋済み硫酸化繊維を巻取り品物へと形成することを
    さらに含む、請求項29に記載の方法。
  37. 【請求項37】 セルロース系繊維を製造するための方法であって: セルロース系繊維を硫酸化剤と反応させて、硫酸化繊維を与える工程と; 架橋剤を前記硫酸化繊維に施す工程と; 前記架橋剤を硬化して、架橋済み硫酸化セルロース系繊維を与える工程と; を含む方法。
  38. 【請求項38】 前記硫酸化剤は硫酸を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記硫酸化剤は、有機溶媒中の硫酸の溶液を含む、請求項
    37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記有機溶媒は、イソプロパノール、プロパノール、及び
    ブタノールからなる群から選択されるアルコールである、請求項37に記載の方
    法。
  41. 【請求項41】 硫酸対アルコールの比はモルで約2.4:1である、請求
    項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記硫酸化繊維を、架橋の前に中和剤を用いて処理するこ
    とをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記中和剤は塩基を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記中和剤は多価金属塩を含む、請求項42に記載の方法
  45. 【請求項45】 前記金属塩は、硝酸セリウム、硫酸マグネシウム、及び硫
    酸アルミニウムからなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記架橋剤は、尿素に基づく架橋剤、ポリカルボン酸架橋
    剤、アルデヒド架橋剤、ジアルデヒド架橋剤、及びこれらの混合物からなる群か
    ら選択される、請求項37に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記架橋剤は、水性アルコール性溶液として前記繊維に施
    される、請求項37に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記セルロース系繊維は、約4℃の温度で前記硫酸化剤と
    反応する、請求項37に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記繊維を前記硫酸化剤と反応させる前に、前記繊維を膨
    潤させることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記繊維を膨潤させることは、前記繊維を、酢酸、無水酢
    酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される膨潤剤を用いて処理すること
    を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記繊維を前記硫酸化剤と反応させる前に、過剰の膨潤剤
    を除去することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記繊維を硫酸化剤と反応させることは、前記繊維を前記
    硫酸化剤のアルコール性溶液に加えることを含む、請求項37に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記繊維は、前記繊維を前記硫酸化剤のアルコール性溶液
    に加える前に、約4℃に冷却される、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記硫酸化剤のアルコール性溶液は、加える前に約4℃に
    冷却される、請求項52に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記硫酸化剤は、約4℃の温度で前記繊維と反応する、請
    求項37に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記硫酸化繊維を前記中和剤を用いて処理する前に、前記
    硫酸化繊維を過剰の硫酸化剤から分離することをさらに含む、請求項42に記載
    の方法。
  57. 【請求項57】 前記硫酸化繊維を前記中和剤を用いて処理する前に、前記
    硫酸化繊維をアルコール溶液を用いて洗浄することをさらに含む、請求項42に
    記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記セルロース系繊維は硫酸マグネシウムをさらに含む、
    請求項37に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記硫酸化剤は硫酸マグネシウムをさらに含む、請求項3
    7に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記硫酸化剤のアルコール性溶液は硫酸マグネシウムをさ
    らに含む、請求項40に記載の方法。
  61. 【請求項61】 セルロース系繊維を製造するための方法であって: 乾燥セルロース系繊維を、膨潤剤を用いて膨潤させて、膨潤済み繊維を与える工
    程と; 過剰の膨潤剤を前記膨潤済み繊維から分離する工程と; 膨潤済みセルロース系繊維を硫酸化剤と反応させて、硫酸化繊維を与える工程と
    ; 過剰の硫酸化剤を前記硫酸化繊維から分離する工程と; 前記硫酸化繊維を、中和剤を用いて処理して、架橋に適した繊維を与える工程と
    ; 架橋剤を前記硫酸化繊維に施す工程と; 前記架橋剤を硬化して、架橋済み硫酸化セルロース系繊維を与える工程と; を含む方法。
  62. 【請求項62】 前記乾燥セルロース系繊維は、アルコールを用いて溶媒交
    換した未乾燥セルロース系繊維を含む、請求項61に記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記膨潤剤は、酢酸、無水酢酸、及びこれらの混合物から
    なる群から選択される、請求項61に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記硫酸化剤は硫酸を含む、請求項61に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記硫酸化剤は、アルコール中の硫酸の溶液を含む、請求
    項61に記載の方法。
  66. 【請求項66】 硫酸対アルコールの比は約2.4:1である、請求項65
    に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記アルコールはイソプロパノールを含む、請求項65に
    記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記中和剤は水酸化ナトリウムを含む、請求項61に記載
    の方法。
  69. 【請求項69】 前記架橋剤は、水性アルコール性溶液として前記繊維に施
    される、請求項61に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記セルロース系繊維は、約4℃の温度で前記硫酸化剤と
    反応する、請求項61に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記セルロース系繊維は前記硫酸化剤と約10〜約60分
    間反応する、請求項61に記載の方法。
  72. 【請求項72】 前記硫酸化繊維を前記中和剤を用いて処理する前に、前記
    硫酸化繊維をアルコール溶液を用いて洗浄することをさらに含む、請求項61に
    記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記硫酸化剤は硫酸マグネシウムをさらに含む、請求項6
    1に記載の方法。
  74. 【請求項74】 請求項29に記載の方法によって得ることができる製品。
  75. 【請求項75】 請求項37に記載の方法によって得ることができる製品。
  76. 【請求項76】 請求項61に記載の方法によって得ることができる製品。
  77. 【請求項77】 硫酸化セルロース系繊維を水中で実質的に不溶性にする程
    度にまで架橋した前記繊維を含む、吸収性物品のための吸収性コアにおいて、該
    コアは少なくとも約22g/gの液体吸収容量を有する、吸収性コア。
  78. 【請求項78】 個別であり、水膨潤可能で非水溶性である、繊維内架橋済
    み硫酸化セルロース系繊維を含む、吸収性物品のための吸収性コアにおいて、該
    コアは少なくとも約22g/gの液体吸収容量を有する、吸収性コア。
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