JP2003519927A - s波超伝導体とd波超伝導体との間のジョセフソン接合を用いた量子ビット - Google Patents

s波超伝導体とd波超伝導体との間のジョセフソン接合を用いた量子ビット

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Abstract

(57)【要約】 固体状態の量子コンピュータ構造がアイランドのセットを有し、ジョセフソン接合がアイランドと第1の超伝導体バンクとを隔離している。d波超伝導体はジョセフソン接合の一方の側に存在し(アイランド若しくはバンク側の何れか)、またs波超伝導体がジョセフソン接合の反対側を形成している。d波超伝導体は各々の接合部に於ける超伝導電流の基底状態を二重に縮重させ、2つの超伝導電流基底状態が明確な磁気モーメントを有する。接合部に於ける超伝導電流のこれらの量子状態が、量子計算機のためのキュービットを生成する。量子状態はバンクより一様に初期化され得り、バンクに対するアイランドの結晶軸方向は基底状態に於ける初期的な量子状態及びトンネル効果の確率に影響を与える。ジョセフソン接合によって第1のバンクと隔離される第2のバンクが、異なった量子状態の1つ若しくは複数の超伝導電流を選択的に初期化するために、単一電子トランジスタを介してアイランドへと接続され得る。単一の電子トランジスタは、量子状態が発展する間、エンタングルメントを制御する目的でアイランドの間にもまた存在してよい。計算を完了させるために量子状態が発展した後、例えば別の電子トランジスタセットを介してアイランドをアースすることが、限定された磁気モーメントを有する状態へと接合部を固定し、量子計算の結果を決定する場合に超伝導電流の測定を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願のクロスリファレンス) 本文書は米国特許出願番号09/452,749"Permanent Readout Superconducting Q
ubit."に関連し、ここに参照することでその全てを本願の一部とする。
【0002】 (発明の所属する分野) 本発明は量子計算に関し、量子計算に要求されるようなコヒーレントな量子状
態を生成し維持するために超伝導体材料を用いる固体状態素子に関する。
【0003】 (技術背景) 現在の、量子計算と呼ばれるものに関する研究は、Richard Feynman, [R. Fey
nman, Int. J. Theor. Phys., 21,467-488 (1982)]まで遡る。Feynmanは、量子
系は本来、従来方式のコンピュータをシミュレートすることが困難であるが、量
子系の発展を観察することで、コンピュータを利用する複数の問題を解決するた
めのさらに高速な方法を提供しうると言及した。とりわけ量子系の振る舞い(be
havior)のための理論を説くことは、通常は量子系のハミルトニアンに関する微
分方程式を解くことを必要とする。量子系の振る舞いを観察することが、方程式
に対する解法に関係する情報を提供する。
【0004】 初期的は、量子計算法に於ける更なる努力は、”ソフトウェア開発”又は量子
計算法の形式的理論の構築に注がれた。量子計算法のためのソフトウェアは、量
子系のハミルトニアンを、解を要求する問題に対応させようと試みる。それらの
試みに於ける一里塚は、Shorアルゴリズム及びGroverアルゴリズムの発見であっ
た。(P. Shor, SIAM J. of Comput., 26: 5,1484-1509 (1997)、L. Grover, Pr
oc. 28th STOC, 212-219 (1996)、及び A. Kitaev, LANL preprint quant-ph/95
11026 (1995)を参照して頂きたい。)とりわけShorアルゴリズムは、量子コンピ
ュータが自然数を因数分解することを可能とするものである。誤り許容量子計算
法(fault-tolerant quantum computation)が理論上可能であることを示すこと
は、量子コンピュータの実用的な実現に於ける試みに道を開くものである。( E
. Knill, R. Laflamme及びW. Zurek, Science, 279, p. 342 (1998)を参照して
頂きたい。) 提唱されている量子コンピュータの一適用例は、大きな自然数の因数分解であ
る。そのような適用例では、量子コンピュータは”公開鍵”方法を用いる旧式の
全ての現存する暗号スキームをレンダリングすることが可能である。別の適用例
では、量子コンピュータ(より小さな寸法の素子、量子リピーター)が、原則的
にメッセージがプロセス中で破壊されず、妨害されることのない、完全に安全な
通信チャネルを可能とし得る。(H. J. Briegelら LANL preprint quant-ph/980
3056 (1998)を参照して頂きたい。) 量子コンピュータは、一般的にはN個のキュービット(量子ビット)の状態を
初期化する過程と、N個のキュービットの間の制御されたエンタングルメントを
生成する過程と、キュービットの量子状態がエンタングルメントの影響下で発展
することを可能とする過程と、それらが発展した後にキュービットを読み出す過
程とを有する。従来、キュービットは、2つの縮重した量子状態を有する系であ
り、典型的にキュービットの初期状態は何れかの縮重状態の中で発見される0で
ない確率を有している。そのような訳で、N個のキュービットが2個の縮重状
態の組み合わせである初期状態を定める。エンタングルメントは識別可能な量子
状態の発展を制御し、量子状態の発展は実行する計算を定める。発展が完了した
後にキュービットを読み出すことがキュービットの状態を確定し、計算の結果を
確定する。
【0005】 複数の物理系が量子コンピュータに於けるキュービットのために提案されてき
た。或る系は縮重スピン状態を有する化学物質を用いる。核磁気共鳴法(NMR
)技術が、スピン状態を読み出し得る。それらのシステムは自然数(15)の因
数分解のためのShorのアルゴリズムを首尾良く実行してきた。しかし、商業的に
有用な数のキュービットにまでそのようなシステムを展開させる事は困難である
【0006】 キュービットを実行するための別の物理系は、超伝導体リザーバー、超伝導体
アイランド、及び前記リザーバーより前記アイランドへ向けてクーパー対(電子
)を透過させ得るダーティーなジョセフソン接合を有する。アイランドは、2つ
の縮重状態を有している。一方の状態は電気的に中性であるが、他方の状態はア
イランド上に余分のクーパー対を有する。このシステムに関する問題は、余分ク
ーパー対を有する状態のアイランドの電荷が、ロングレンジの電気的な相互作用
を生じさせ、前記相互作用がキュービットの状態のコヒーレンスに影響を与える
ということである。電子の相互作用が、余分のクーパー対を明確に有する状態又
は欠く状態へアイランドを強制させうる。従って、電気的な相互作用が、計算が
完了しまたキュービットが読み出される前に、状態の発展を終了させ得る。この
現象は、波動関数の崩壊、コヒーレンスの喪失、若しくはデコヒーレンスとして
通常参照される。
【0007】 研究は継続中であり、有用な計算を実行するために十分な数のキュービットを
有する量子コンピュータを実行する構造が追い求められている。
【0008】 (発明の開示) 本発明によれば、量子ビットは超伝導体アイランドを有し、ジョセフソン接合
が前記アイランドと超伝導体バンクとを隔離している。アイランド及びバンクの
一方は、d波超伝導体であり、アイランド及びバンクの他方はs波超伝導体である
。従って、基底状態の電流がジョセフソン接合中に流れる。ジョセフソン接合に
於ける基底状態の超伝導電流は、2つの状態を区別する超伝導電流によって生成
された磁気モーメントで二重に縮重されている。バンクに対するアイランドの結
晶方向は、接合部にかかる秩序パラメータに於ける平衡位相差を制御し、それに
よって基底状態間のトンネル効果の確率を制御する。
【0009】 アイランドに関連する超伝導電流を読み出すために、単一の電子トランジスタ
(SET)若しくはパリティキーがアイランドとアースとを接続し得る。SETが通電
するためにバイアスされると、SETを通る電流が超伝導電流状態を固定磁気モー
メントを有する状態へと崩壊させ、超伝導電流をそのような状態に固定する。そ
のような訳で、計算の終了に際し、制御回路は通電のためにSETをバイアスし、
またジョセフソン接合に於ける磁気モーメントが特定の状態で固定され、信頼性
をもって読み出し可能となる。
【0010】 量子レジスタを形成するために、複数のジョセフソン接合が各々の超伝導体ア
イランドと超伝導体バンクとを結合させ得り、バンクを通る電流が接合部に於け
る超伝導電流の量子状態を初期化し得る。単一の電子トランジスタ(SET)若し
くはパリティキーが、量子計算に要求されるように制御されたエンタングルメン
トを生成するため、アイランドに相互に接続される。計算の終了の後、別のSET
若しくはパリティキーがアイランドとアースとを接続し、ジョセフソン接合に於
ける超伝導電流を凍結させ一定の磁気モーメントを有する状態にする。この凍結
が、ローカルの磁気モーメント即ち磁束線を測定する、次の読み出し操作のため
の状態を維持する。
【0011】 本発明の一つの実施例は、量子コヒーラ若しくは量子レジスタのような量子計
算構造であって、それは超伝導体材料のバンク及びアイランドを有し、アイラン
ド及びバンクの1つがd波超伝導体であることを特徴とする。ジョセフソン接合
に於ける常伝導体はバンク及びアイランドの間に存在する。任意に、単一の電子
トランジスタ(SET)若しくはパリティキーがアイランド及びアースの間に存在
する。SETが導電状態である場合、接合部分を通る超伝導電流の方向が固定され
、SETが導電状態でない場合は発展する。別の選択肢として、構造はまた超伝導
体の第2のバンクを有し、第1のバンク及び第2のバンクの間にジョセフソン接
合が含まれる。第2のバンクとアイランドとの間のSETの動作は、第1若しくは
第2のバンクに於ける秩序パラメータの位相によって超伝導電流の量子状態を選
択的に初期化する。
【0012】 本発明の別の実施例は、超伝導体材料のバンクと、超伝導体材料の複数のアイ
ランドと、複数のジョセフソン接合とを有する量子レジスタである。各々のジョ
セフソン接合はアイランドの対応する1つとバンクとの間に存在する。アイラン
ド及びバンクの1つはd波超伝導体を含む。アイランド及びバンクの他方はs波超
伝導体を含む。量子レジスタは、任意に3つのセットのSETを含む。第1のセッ
トの各々のSETは、アースとアイランドの対応する1つとの間に存在する。第2
のセットの各々のSETは、アイランドの対応する対の間に存在する。第3のセッ
トに於ける各々のSETは、第2のバンクとアイランドの対応する1つとの間に存
在する。ジョセフソン接合は、第1及び第2のバンクの間に秩序パラメータの位
相差を生み出す。第2のバンク及び第3のSETのセットは、第2のバンクの位相
による接合部における超伝導電流の選択的な初期化のために用いられてもよい。
【0013】 本発明の別の実施例によれば、量子計算方法は、バンク及びアイランドを超伝
導状態にして、システムに於けるデコヒーレンスな過程を抑制する温度までバン
ク及びアイランドを有する構造を冷却する。構造は、アイランド及びバンクの間
にジョセフソン接合を有する。構造が適切な温度になった後、方法は量子状態に
於ける接合部での超伝導電流を確立させる。量子状態は第1の磁気モーメントを
有する第1の状態と第2の磁気モーメントを有する第2状態との混合状態である
。接合部に於ける超伝導電流は構造中でd波超伝導体の使用より発生する基底状
態の電流であり、バンクに電流を流すことでセットされてもよい。第1及び第2
の基底状態間のトンネル効果の確率に従って、量子状態が発展する。この発展が
量子計算を実行する。接合部での超伝導電流による測定磁気モーメント又は磁束
線を決定することが、量子計算の結果を決定する。
【0014】 本発明の別の側面によれば、測定された磁気モーメントの決定は、第1若しく
は第2の状態の超伝導電流を固定するためにアイランドをアースする過程と、ア
イランドがアースされる間に超伝導電流によって生成される磁束線を測定する過
程とを含む。
【0015】 典型的には、量子レジスタは更に複数のアイランド及び複数の接合部分を有し
、各々の接合部分はバンク及び対応するアイランドの間に存在するクリーンなジ
ョセフソン接合である。接合部に於ける超伝導電流の量子状態はアイランドを共
に結合させるトランジスタの電気伝導度により発展する。それらのトランジスタ
はアイランドの量子状態のエンタングルメントを生成する。量子レジスタの製造
が、アイランドのために所望とされる初期的な量子状態に従った結晶軸方向を各
々のアイランドのために選択し得る。
【0016】 (発明の詳細な説明) 本発明の一側面によれば、量子計算は、DD、DND、もしくはSNDジョセ
フソン接合における超伝導電流の縮重(degenerate)基底状態に基づく量子ビッ
ト(キュービット)を用いる。ジョセフソン接合は、ソリッドステート構造で有
効な数、製造されてもよい。ジョセフソン接合は、接合の少なくとも1つの側面
上にd波超伝導体を有して、接合の近辺に非−ゼロ基底状態超伝導電流を有する
。この基底状態超伝導電流は、d波超伝導体の選択(ab−)平面内では、時計
回り若しくは反時計回りの何れかである。各々のジョセフソン接合近辺における
基底状態超伝導電流は、それゆえ二重に縮重(degenerate)され、本発明の実施
例による量子計算機のための量子コヒーラ若しくは量子ビットの根本原理を提供
する。
【0017】 図1は、本発明の実施例による量子コヒーラ100の平面図である。量子コヒ
ーラ100は、量子ビット構成の基本ブロックを提供するが、またソリッドステ
ートシステム中の巨視的な量子トンネル効果及びインコヒーレントな量子ノイズ
を実証可能である独立素子であってもよい。以下に詳細に述べられるように、一
組の独立量子コヒーラにおける巨視的な量子トンネル効果は、零相関(Zero Cor
relation)を伴う任意の列(series)を生成する任意の数のジェネレータを構成
しうる。
【0018】 量子コヒーラ100は、大きな超伝導バンク110と絶縁された基板140上
に形成されている中間視的超伝導体アイランド120との間に、ジョセフソン接
合130を有する。バンク110及びアイランド120の少なくとも1つが、例
えばYBaCu7−x高−Tc銅塩、またはいかなる超伝導体でもよいd
波超伝導体であり、その内部のクーパー対は非ゼロの軌道角運動量を有する状態
である。本発明の第1実施例では、バンク110及びアイランド120の双方が
d波超伝導体よりなる。この実施例において、接合部130は、接合が通電する
部分(例えば常伝導層もしくは粒界)でクリーンであり、散乱部位を欠いている
。以下に更に詳しく述べられるように、d波超伝導体バンク110及びd波超伝
導体アイランド120との間の粒界が、ジョセフソン接合130を生成し得る。
【0019】 第2実施例においては、バンク110がニオビウム(Nb)のようなs波超伝
導体材料であり、アイランド120はd波超伝導体である。第3実施例において
は、バンク110がd波超伝導体材料であり、アイランド120がs波超伝導体
である。第2及び第3実施例では、接合130がバンク110とアイランド12
0との間に常伝導体を有する。常伝導体は、d波及びs波超伝導体の双方に有効
な接合を形成するようなどのような導電性材料であってもよく、大きな弾性散乱
長を有してもよく、また量子コヒーラ100の動作温度(典型的には、約10゜
Kから約1゜Kの間)で常伝導体として存在しうる。接合130の好適な常伝導
体には、とりわけ、金(Au)が適している。
【0020】 実施例中ではバンク110は、長さ及び幅が約1μm、若しくはそれより大き
い超伝導体材料チップである。バンク110の厚さは重要ではないが、普通は中
間視的なアイランド120の厚さを越えることはない。アイランド120は中間
視的(即ち、1つの過剰クーパー対が目立つ寸法)であり、典型的には幅Wが約
0.2μm若しくはそれよりも小さく、長さLが約0.5μm若しくはそれより
も小さく、厚さは約0.2μm若しくはそれよりも小さい。
【0021】 量子コヒーラ100は、集積回路製造分野で一般的なパターン技術を用いて形
成され得る。バンク110及びアイランド120の双方がd波超伝導体であるよ
うな第1の実施例では、基板140は、KagakuGijutsu-sha (Tokyo, Japan)より
入手可能なチタン酸ストロンチウム バイクリスタル基板のような、バイクリス
タル基板である。製造工程は、基板140上に、約0.2μmの厚さを有する高
−Tc銅塩のフィルムを成長させることで開始される。高−Tc銅塩フィルム領
域は、下部の基板140とは異なった結晶方向を引継ぎ、2つの異なった領域間
に粒界が形成される。そのようなフィルムは、基板140上に高−Tc銅塩をス
パッタリングするためのレーザビームを用いるパルスレーザ被膜で成長されても
よい。フォトリソプロセスは、次に、フィルムをマスキングまたエッチングし、
バンク110の近辺に(典型的には複数のアイランドの1つとして)アイランド
120を形成する。所望の小さなサイズのアイランド120のために、エッチン
グ若しくはパターンプロセスがd波超伝導体の一部を取り除き、所望の寸法でア
イランド120を残すために、電子ビームを用いてもよい。Il'ichevら (cond-m
at/9811017, p.2)が高−Tc銅塩を用いた既知の製造技術について記述しており
、ここに参照したことでそのすべてを本願の一部とする。
【0022】 第2及び第3の実施例においては、バンク110若しくはアイランド120の
1つがs波超伝導体であり、製造工程は基板140上にd波超伝導体のフィルム
を皮膜させることで開始される。フィルムは、(必要があれば)エッチングされ
、d波超伝導体の境界線を、バンク110又はアイランド120の所望とする境
界線まで限定する。代替例として、バンク110若しくはアイランド120がバ
ルクのd波フィルムからエッチングされてもよい。金のような常伝導体が被膜さ
れ、接合部130のために材料を残存させるべくパターン化される。最終的には
、s波超伝導体のフィルムが被膜され、バンク110又はアイランド120のた
めにs波超伝導体の境界線を限定するために(必要ならば)パターン化される。
【0023】 動作のために、量子コヒーラ100は約10゜Kより低い温度まで冷却され、
バンク110及びアイランド120は超伝導状態になり、ジョセフソン接合13
0が動作可能となる。量子コヒーラ100の動作温度は、デコヒーレンス(deco
herence)熱源を抑制する目的で、d波超伝導体の超伝導性のための限界温度よ
り遙かに低い。とりわけ、低い温度が非弾性散乱に基づくデコヒーレンスプロセ
スを抑制する。量子コヒーラ100がs波超伝導体を有する場合、動作温度は、
s波超伝導体の遷移(transition)温度よりも低く(例えば純粋なニオビウムに
対しては9.25゜Kよりも低く)なる。
【0024】 接合部130において、d波超伝導体は基底状態における非ゼロの超伝導電流
を引き起こし、外部電磁波が適用されない場合、超伝導電流の基底状態は2倍に
縮重している。基底状態エネルギー及び限定的磁気モーメントを有する2つの縮
重状態は、バンク110及び/またはアイランド120の結晶構造の選択平面上
でジョセフソン接合130を通って時計回りまた反時計回り方向に旋回する微細
な超伝導電流に対応している。交差接合部130が超伝導電流の状態または方向
を示す場合、例えば超伝導に関するビンツブルグ−ランダルの理論のような電流
の理論的記述に従って、秩序パラメータΨが超伝導体における超伝導電流を示し
、また秩序パラメータでΔφは位相差を示す。アイランド120における超伝導
電流に関する2つの状態が、以下に述べるような量子計算を可能とする。
【0025】 コヒーラ100が約10゜Kより低い温度で動作し、バンク110及びアイラ
ンド120が超伝導状態になり、熱励起がアイランド120における超伝導電流
の量子状態のコヒーレンスを妨げない。外部回路(図示せず)が、電流をバンク
110で通過させ、左若しくは右へと向ける電場を生成し得る。前記電流は、接
合部130における時計回りまたは反時計回りの超伝導電流の既知の重ね合わせ
に対応する量子状態へと、量子コヒーラを初期化する。代わりに、磁場の一時的
な適用が、2つの基底状態エネルギーにおける縮重を一時的に破壊することで、
アイランド120の状態を初期化してもよい。基底状態間の連続的量子トンネル
効果は、アイランド120の状態を発展(evolve)させる。
【0026】 第1の実施例において、アイランド120はバンク130のそれとは異なる結
晶軸方向を有するd波超伝導体である。ジョセフソン接合がクリーン接合である
ので、結晶軸方向における差異は、接合部の秩序パラメータΨ中の平衡位相差Δ
φの大きさを決定する第1の因子であり、位相差の大きさΔφが典型的なトンネ
ル効果接合のケースであるπ/2に制限されることはない。(接合の2つの縮重
状態は、おのおのプラス及びマイナス位相差Δφに対応している。)従って、バ
ンク110及びアイランド120の間の格子ミスマッチの選択が、位相差Δφを
選択する。このことは、格子ミスマッチを選択することが指数関数的な広いレン
ジを有する基底状態間のトンネル効果速度選択を可能とし、位相差Δφをより大
きく、又は小さくする。
【0027】 クリーン接合を有する別の利点は、結晶軸方向の差(即ちΔφ)が、アイラン
ド120上に余剰電荷を含む状態にある低い確率を有するように、基底状態を制
限し得ることである。そのようなわけでアイランド120の状態は、周囲との弱
い静電相互作用を有する。このことが、アイランド120の状態におけるデコヒ
ーレンスのソースを減少させまたは除去し、アイランド120の状態が、波動関
数の崩壊を伴うことなく比較的長い時間に渡って発展し続けてもよい。ジョセフ
ソン接合130における自発的な超伝導電流が自発的な磁化を生み出し、電流及
び磁化の向きが量子コヒーラ100の運動量子状態を識別する。しかし、周辺と
の磁気反応はデコヒーレンスを伴う重大な問題を回避するには弱すぎる。
【0028】 量子コヒーラ100におけるジョセフソン接合130の構造即ち構成は、超伝
導の秩序パラメータ中で位相差Δφの選択を容易にする様々な方法で変化しても
よい。図1Bは、本発明の別の実施例による量子コヒーラ100Bの平面図であ
る。量子コヒーラ110Bは、中間視的アイランド120とバンク110とを隔
離するジョセフソン接合130Bを含む。ジョセフソン接合130Bは、典型的
には、バンク110及びアイランド120の一方がs波超伝導体であり、他方が
d波超伝導体であるような本発明の実施例に適している。バンク110、アイラ
ンド120、及び接合部130Bは、各々図1Aのバンク110、アイランド1
20、及び接合130で上述されたのと同一規則で形成される。
【0029】 量子コヒーラ100Bは、接合部130Bにかかるバンク110に対するアイ
ランド120の結晶軸方向が、量子コヒーラ100とは異なる。d波超伝導体の
A−B平面が図1Bに示されている。コヒーラ100Bでは、接合部130Bが
3つの領域、S1、S2及びS3を有しており、領域S1にかかるバンク110
及びアイランド120の相対的な結晶軸方向は、領域S2及びS3にかかる相対
的結晶軸方向とは異なっている。領域S1、S2、及びS3の長さは、接合21
3にかかる超伝導秩序パラメータにおける平衡位相差、及び基底状態超伝導電流
の磁束線の大きさを調整するために変化しうる。
【0030】 図1Cは、別の水平量子コヒーラ100Cの平面図を表しており、そこではジ
ョセフソン接合130Cが、領域にかかる異なった結晶軸方向を有する領域S1
及びS2を含む。コヒーラ100Bと同様に、アイランド120の向きの変更と
領域S1及びS2の長さの変更とが、バンク110及びアイランド120の間の
超伝導体の秩序パラメータ中の位相差を調整し得る。
【0031】 接合130の断面図はまた、複数の代替構成を有する。図2Aは、バンク11
0及びアイランド120の双方がd波超伝導体であり、粒界面がジョセフソン接
合130形成するような水平量子コヒーラの断面図を示す。図2Bは、バンク1
10及びアイランド120の間の常伝導体がジョセフソン接合130を形成する
ような、水平量子コヒーラの断面図を示す。常伝導体は、バンク110及びアイ
ランド120の双方がd波超伝導体であるか、バンク110及びアイランド12
0の一方がs波超伝導体であるような場合に適している。
【0032】 図2Cは、ジョセフソン接合130の表面が、d波超伝導体に於ける超伝導電
流の選択平面(ab−平面)に対して垂直であることを要求されないことを示して
いる。図2Cに於いて、接合130はd波超伝導体のc方向に対して或る角度をな
して存在する。通常、高Tc超伝導体の成長または基板140上のd波超伝導体フ
ィルムの被膜のための電流技術は、基板140の表面に対しd波超伝導体のab−
平面を平行に保ち、c方向を表面に対して垂直にする。フィルムの従来方式での
パターン化は、c方向に平行なエッジ部分を生成する。しかし、ビームの方向に
対し基板140を或る角度にする電子ビームエッチングのような異方性エッチン
グプロセスは、d波フィルムのエッジとc方向との間に0度ではない角度を生成し
得る。この角度が、超伝導性秩序パラメータ中の所望とする位相差Δφを生成す
る構成を選択する点で自由度を提供する。
【0033】 図3A及び3Bは各々、本発明の実施例による垂直方向量子コヒーラ300の
平面図及び断面図を示すものである。ここで量子コヒーラに対して付け加えられ
ている用語”水平”及び”垂直”は、基底状態超伝導電流の主表面を示すもので
ある。量子コヒーラ300は、絶縁された基板340、超伝導バンク310、ジ
ョセフソン接合330、及び中間視的超伝導体アイランド320を有する。量子
コヒーラ300の生成過程は、基板340上で、約0.2μm〜約0.5μmの間
の厚さになるまでd波超伝導体フィルムを成長させる。d波超伝導体フィルム上、
金のような常伝導体被膜が、約0.1μmから約0.3μmの厚さで常伝導体フィ
ルムを形成する。常伝導体フィルム上では、ニオビウムのようなs波超伝導体の
被膜が、約0.2μmより薄いs波超伝導体のフィルムを形成する。最終的に、s
波超伝導体フィルム及び常伝導体フィルムのパターン化が中間視的な超伝導体ア
イランド320を生成し、ジョセフソン接合330が超伝導体バンク310から
アイランド320を隔離している。
【0034】 図4A及び4Bは、各々本発明の別の実施例による、垂直方向のアーキテクチ
ャを有する量子コヒーラ400の断面図及び平面図を示している。量子コヒーラ
400は超伝導体バンク410、中間視的超伝導体アイランド420、及び絶縁
された基板440上に形成されたジョセフソン接合430を有する。量子コヒー
ラ400の生成プロセスは、約0.2μmより薄い厚さまで基板440上にd波超
伝導体フィルムを成長させ、アイランド420を形成するためにフィルムをパタ
ーン化する。絶縁側壁スペーサ450が、次にアイランド420上に形成される
。そのようなスペーサは、絶縁層を被膜しパターン化することによって、または
基板440及びアイランド420上に形成されたコンフォーマル(conformal)
絶縁層を異方性エッチングする自己整列プロセスによって、従来通り形成されて
もよい。金のような常伝導層は、結果として生じる構造上に約0.1μmから約
0.3μmの厚さまで被膜され、パターン化されてジョセフソン接合430の通
常の導電領域を形成する。常伝導領域がアイランド420上に延在し、側壁スペ
ーサ440の少なくとも一部分上にも延在する。最終的に、s波超伝導体層が構
造上に被膜され、(必要ならば)パターン化されバンク410を形成する。バン
ク410の厚さは量子コヒーラ400の動作に関係しない。
【0035】 図5は本発明の別の実施例による、ハイブリッド型垂直/水平アーキテクチャ
を有する量子コヒーラ500の断面図を示すものである。量子コヒーラ500は
、絶縁基板540上に形成された、超伝導体バンク510、中間視的超伝導体ア
イランド520、及びジョセフソン接合530を有する。量子コヒーラ500の
製造プロセスは、約0.2μmより薄い厚さまで基板440上にd波超伝導体フィ
ルムを成長させ、アイランド520を形成するためにフィルムをパターン化する
。パターン化は、基板540の表面に対して垂直若しくは所望の角度で、アイラ
ンド520の側面を残す。金のような常伝導層が、約0.1μmから約0.3μm
の厚さで結果的に生じる構造上に被膜され、ジョセフソン接合530の常伝導層
を形成するべくパターン化される。この実施例においては、常伝導領域がアイラ
ンド520上に延在し、またアイランド520の少なくとも1つの側壁と接触し
ている。最終的に、s波超伝導体の層が構造上に被膜され、バンク510を形成
するために(必要であれば)パターン化される。バンク510よりアイランド5
20への超伝導性秩序パラメータ中の位相差は、アイランドの上面とその上のバ
ンク510の部分との間の相対的な結晶軸方向、及びアイランド120の側面及
びバンク510の近接する部分の相対的な結晶軸方向に依存する。
【0036】 上述したような量子コヒーラは、複数の理由で低エネルギー熱励起の破壊効果
を回避する。とりわけ、(クーパー対の基底状態エネルギーと、より高い電子エ
ネルギー状態との間の)超伝導ギャップと、超伝導アイランド及びバンクに於け
るd波秩序パラメータの節(node)において利用可能な小さな位相ボリューム(p
hase volume)とが、低エネルギー素励起を抑制する。更には、全フェルミ面上
の有限エネルギーギャップを復元するs波超伝導の特異的な混合(admixture)の
確率が、境界近辺に存在する。接合の通常層では、秩序パラメータが抑制され、
素励起がサイズの量子化(size quantization)によってギャップを生じる。
【0037】 量子コヒーラのある適用例は、乱数発生器である。この適用例では、量子コヒ
ーラのセットの量子状態が、各々の量子コヒーラが各々の電流方向の状態にある
のと等しい(または少なくとも既知の)確率を有する状態へと発展する。電流方
向の状態は、次に、例えば磁気力顕微鏡若しくは別の磁気プローブを用いて、各
々の量子コヒーラを観測することで決定される。各々の決定された状態(時計回
り若しくは半時計回り)はビットの値(0若しくは1)に対応しており、所定状
態の収集が、セット内の量子コヒーラ存在数と同数のビットを有する任意のバイ
ナリ値を提供する。量子論は、そのように生成された一連のビットが、相互関係
または反復を除いて任意であることを示している。
【0038】 図6は、量子コヒーラ100のアーキテクチャを基にした量子ビット600の
実施例を示すものである。量子ビット600は、本発明による量子ビットの図解
実施例であるに過ぎず、量子ビットの別の実施例が用いられてもよく、これに限
定するものではない。
【0039】 量子ビット600は、2つの縮重した超伝導電流基底状態間の量子トンネル効
果の凍結を可能とする外部回路と量子コヒーラ100とを結合する。超伝導電流
の量子状態の凍結を実行するため、パリティーキー若しくは単体電子トランジス
タ(SET)640が、アイランド120へと接続され、アース(通常又は超伝導
で)されている。アイランド120とアースとの間の自由な電子の移動は、一定
の磁気モーメントを有する(Δφ若しくは−Δφの何れかの位相差に相当する)
基底状態の1つへと、接合130中の超伝導電流の波動関数を崩壊させる。(特
定位相差Δφ若しくは−Δφに対する崩壊確率は、崩壊前の基底状態に於ける確
率の大きさに依存する。)アイランド120は、SET640がアイランド120
とアースとを接続させ続ける間、一定の磁気モーメント状態のままであり、凍結
される間、その状態が計算結果を読み出しまた決定するために測定されうる。SE
T640のゲート電圧の変更が、アースへと向かう電子の流れ若しくはアースよ
りの電子の流れを遮断し得り、それによってアイランド120は基底状態間のト
ンネル効果速度に依って発展可能となる。
【0040】 単一電極トランジスタ(SET)は既知であり、例えばA. Zagoskinによる"Quant
um Theory of Many-Body Processes"に記載されており、ここで言及したことで
その全てを本願の一部とする。SETは、2つのデバイス(例えばアイランド12
0及びアース)に接続された容量性の微粒子(grain)を有する。微粒子がチャ
ージされていない場合、電子若しくはクーパー対は何れかの素子より微粒子へト
ンネルし得る。しかし微粒子は十分に小さいので、一度電子若しくはクーパー対
が微粒子上にトンネルすると、微粒子の荷電が電気的に反発し、更なる微粒子へ
のトンネル効果を妨げる。微粒子に関するゲートは微粒子電圧を変化させ得り、
トンネル効果を遮断し、さもなくばトンネル効果の速度を制御する。P. Joyezら
は、"Observation of Parity-Induced Suppression of Josephson Tunneling in
the Superconducting Single Electron Transistor"(Physical Review Letter
s, Vol. 72, No. 15,11 April 1994)に於いて、単一の電子トランジスタの動作
及び製造に関して記述しており、ここに言及したことでその全てを本願の一部と
する。
【0041】 量子ビット600は永久リードアウト超伝導体量子ビット(PRSQ)としてここ
に言及されている。何故なら、熱変動を除き、凍結(アースされ、また崩壊され
た)量子ビットの自発的磁束線が固定されて残留するからである。従って、リー
ドアウト素子のデコヒーレント効果が量子ビットの結果を崩壊させない場合、磁
力顕微鏡(MFM)チップ若しくは超伝導体量子干渉素子(SQUID)のループのよう
なリードアウト素子がシステムに接触してもよい。リードアウト素子は、自発的
な超伝導電流(時計回り若しくは反時計回り)がジョセフソン接合120の近辺
で起こるような、弱い限局的な磁場を読みとる。更に詳しくは、MFMは、表面に
渡るカンチレバーに取り付けられた微細な磁化チップをスキャンし、磁化された
先端部分上で働く機械的な力として、カンチレバーの変形を測定する。代替例と
しては、SQUIDループがジョセフソン接合130の近辺に存在する磁束を検出す
る。別の実行可能なリードアウトシステムでは、接合に於ける時計回り若しくは
反時計回りの電流に基づく環状の極性マイクロ波放射の吸収における差が用いら
れてもよい。
【0042】 図7は、バンク110に接触した複数のアイランド120−1〜120−Nを
有するPRSQレジスタ700を示す。実施例に於いて、アイランド120−1〜1
20−N及びバンク110は、上述したように温度約10Kのd波超伝導体よ
りなる。バンク110と各々のアイランド120−1〜120−Nとの間には粒
界が存在し、各々クリーンなジョセフソン接合130−1〜130−Nを形成す
る。代替例としては、バンク110がs波超伝導体であってもよく、常伝導体(
図示せず)がアイランド120−1〜120−Nより分離され、ジョセフソン接
合130−1〜130−Nを形成する。アイランド120−1〜120−Nの結
晶方向がバンク110の結晶方向とは異なっており、バンク110に於ける秩序
パラメータの位相とアイランド120−1〜120−Nに於ける秩序パラメータ
の位相との間の、平衡位相差Δφ〜Δφを制御する。位相Δφ〜Δφ
、各々が異なってもよく全てが同一でもよい。PRSQレジスタ700の製造は、レ
ジスタ700の適用例に従った位相Δφ〜Δφを選択し、d波超伝導体材料
が基板上に被膜され成長する場合は所望の粒界若しくは方向を生成し得る基板を
デザインする。
【0043】 PRSQレジスタ700よりのリードアウトを向上させるために、SET640−1
〜640−Nがアイランド120−1〜120−Nとアースとの間に存在する。
SET640−1〜640−Nのスイッチを入れることで、アースと各々のアイラ
ンド120−1〜120−Nとの間の自由電流が、各々の接合部分130−1〜
130−Nに於ける超伝導電流の量子状態を崩壊又は凍結させ得る。上述の技術
で、次に量子状態が読み取られ得る。
【0044】 レジスタ700はまた、近接するアイランド120−1〜120−Nを接続す
るSET750−2〜750−Nを有する。SET750−2〜750−Nのゲートに
印加される電圧が、電流若しくはアイランドの間のトンネル効果の可能性を制御
し、それによってレジスタ700に於ける超伝導電流量子状態における、制御可
能なエンタングルメント(entanglement)を生成する。
【0045】 図7に於いて、アイランド120−1〜120−Nは線形のアレイをなし、各
々のアイランド120−2〜120−Nは対応するSET750−2〜750−N
を有し、それらSETは線形のアレイ中で前にあるアイランド750−1〜750
−(N−1)へと接続されている。代替の構成が可能であり、例えば追加的なSE
Tがアイランド120−1〜120−Nを環状に接続してもよい。別の実施例で
は、各々のアイランドが例えば量子ビットの二次元のアレイで、別のアイランド
に対し複数のSETを介して接続される。アイランドの構成及び接続は、PRSQレジ
スタ700の機能又はプログラムに従って選択されてもよい。
【0046】 PRSQレジスタ700を有する量子計算機を実行するために、アイランド120
−1〜120−Nに対応する量子ビットの状態は、例えばバンク110を介して
電流を流すことで、上述されたのと同様の規則でまず初期化される。SET640
−1〜640−Nの全てがアースとの相互作用を妨げるべくオフにされ、SET7
50−2〜750−Nのゲート上の電圧は所望の計算に従って調整される。SET
750−2〜750−Nは、PRSQレジスタ700の基底状態間のトンネル効果を
可能とするエンタングルメントを生成する。PRSQレジスタ700の量子状態が所
望とする計算を完了するために発達した後、SET750−2〜750−Nは量子
ビットを切り離すためにスイッチで切られ、次にSET640−1〜640−Nの
スイッチが入れられる。このことが波動関数を崩壊させ、各々のジョセフソン接
合130−1〜130−Nに於ける超伝導体電流は一定の磁気モーメントを有す
る。1つ若しくは複数のリードアウト素子が、接合130−1〜130−Nに於
ける超伝導電流の磁気モーメントを感知し、量子計算の結果を決定する。
【0047】 計算及び結果の読み出し解釈で要求される時間は、実行される計算に基づく。
そのような論点が、量子計算における多くの論文テーマとなっている。ここに記
述された構造は、構造が十分な数の量子ビットと要求された計算時間よりも長い
デコヒーレンス時間を提供するのであれば、そのような計算を実行し得る。典型
的には、本構造は実行温度を下げることによって、より長いコヒーレンス時間に
到達し得る。
【0048】 図8は、ダブルバス構成を有する量子レジスタ800を示すものである。量子
レジスタ800は、第1の超伝導バンク110及び第2の超伝導バンク810を
有し、そのバンク間にはジョセフソン接合830が存在する。ジョセフソン接合
830は、バンク110に於ける秩序パラメータとバンク810に於ける秩序パ
ラメータとの間に位相差Δφを生成する。ジョセフソン接合830は望ましくは
クリーンなジョセフソン接合で、位相差Δφはバンク110及び120の相対的
な結晶軸方向に依存するが、変更例としては、接合830が絶縁性もしくはダー
ティーなジョセフソン接合である。超伝導アイランド120−1〜120−Nは
各々、クリーンなジョセフソン接合130−1〜130−Nを介してバンク11
0に接続されている。
【0049】 量子レジスタ800は3つのSETセットを有する。SET640−1〜640−N
は、各々アイランド120−1〜120−Nとアース接続されている。SET75
0−2〜750−Nは、制御エンタングルメントのために近接するアイランドを
接続する。SET840−1〜840−Nは、各々のアイランド120−1〜12
0−Nとバンク810との間に存在する。量子レジスタ800の利点は初期化及
び基底状態のトンネル効果確率を変化させる能力であり、SET840−1〜84
0−Nのそれを選択することでバンク810と対応するアイランド120−1〜
120−Nとを接続する。
【0050】 ダブルパス量子レジスタ800を用いた初期化プロセスを示すため、バス11
0に於ける超伝導秩序パラメータの位相がゼロにされる。バス810の相対的な
位相χが、図8の左側でバス110と810とを接続させ、結果として生じるル
ープの左の大部分を通る外部の磁場を通すことで生成され得る。選択されたキー
840−1〜840−N(一方でキー640−1〜640−Nは閉じられたまま
である)を開放すると、対応するアイランド120−1〜120−N中の2つの
先の縮重基底状態の間でエネルギーの格差が生成される。とりわけバス810に
接続される場合の位相+Δφ及び−Δφを有する状態は、[cos(Δφ+χ)-cos(Δ
φ-χ)]に比例するエネルギー差を有する点で異なる。接続されたアイランド1
20−1〜120−Nは、最終的にはバス810の位相χに基づく最も低エネル
ギー状態、+Δφ若しくは−Δφで安定する。
【0051】 本発明は特定の実施例を参照して記述されてきたが、前述の実施例はあらゆる
点で単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。特許請求の範囲に属
する変形及び変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図は本発明の実施例による水平方向のアーキテクチャを有する量子コヒーラの
平面図である。
【図1B】 図は本発明の実施例による水平方向のアーキテクチャを有する量子コヒーラの
平面図である。
【図1C】 図は本発明の実施例による水平方向のアーキテクチャを有する量子コヒーラの
平面図である。
【図2A】 図は本発明の実施例による水平方向の量子コヒーラの断面図である。
【図2B】 図は本発明の実施例による水平方向の量子コヒーラの断面図である。
【図2C】 図は本発明の実施例による水平方向の量子コヒーラの断面図である。
【図3A】 図は本発明の実施例による垂直方向の量子コヒーラの平面図である。
【図3B】 図は本発明の実施例による垂直方向の量子コヒーラの断面図である。
【図4A】 図は本発明の別の実施例による垂直方向の量子コヒーラの平面図である。
【図4B】 図は本発明の別の実施例による垂直方向の量子コヒーラの断面図である。
【図5】 図は本発明の実施例によるハイブリッド型垂直/水平方向量子コヒーラの断面
図である。
【図6】 図は量子ビットの状態を凍結させる単一電子トランジスタを有する量子ビット
である。
【図7】 図は、量子ビット間のエンタングルメントを生成し、量子ビットの読み出しを
容易にする単一電子トランジスタを有する量子ビットの集まりを含む構造である
【図8】 図は、バスより量子ビットへと、異なる位相の秩序パラメータを適用すること
が可能なダブルバス構造を有するシステム図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年3月22日(2002.3.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】 (技術背景) 現在の量子計算と呼称されるものに関する研究は、Richard Feynman, [R. Fey
nman, Int. J. Theor. Phys., 21,467-488 (1982)]まで遡る。Feynmanは、量子
系は本来、従来方式のコンピュータをシミュレートすることが困難であるが、量
子系の発展を観察することで、同様のコンピュータを利用する問題を解決するた
めのさらに高速な方法を提供しうると言及した。とりわけ量子系の振る舞い(be
havior)のための理論を説くことは、通常は量子系のハミルトニアンに関する微
分方程式を解くことを必要とする。量子系の振る舞いを観察することが、方程式
に対する解法に関係する情報を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】 典型的には、量子レジスタは更に複数のアイランド及び複数の接合部分を有し
、各々の接合部分はバンク及び対応するアイランドの間に存在するクリーンなジ
ョセフソン接合である。接合部に於ける超伝導電流の量子状態はアイランドを共
に結合させるトランジスタの電気伝導度により発展する。それらのトランジスタ
はアイランドの量子状態のエンタングルメントを生成する。量子レジスタの製造
は、アイランドのために所望とされる初期的な量子状態に従った結晶軸方向を、
各々のアイランドの毎に選択し得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 量子コヒーラ100は、大きな超伝導バンク110と絶縁された基板140上
に形成されている中間視的超伝導体アイランド120との間に、ジョセフソン接
合130を有する。バンク110及びアイランド120の少なくとも1つが、例
えばYBaCu7−x高−Tc銅塩、またはいかなる超伝導体でもよいd
波超伝導体であり、その内部のクーパー対は非ゼロの軌道角運動量を有する状態
である。本発明の複数の実施例では、バンク110及びアイランド120の一つ
は、s波超伝導体である。この実施例において、接合部130は、接合が通電す
る部分(例えば常伝導層もしくは粒界)でクリーンであり、散乱部位を欠いてい
る。以下に更に詳しく述べられるように、d波超伝導体バンク110及びd波超
伝導体アイランド120との間の粒界が、ジョセフソン接合130を生成し得る
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 複数の実施例においては、バンク110がニオビウム(Nb)のようなs波超
伝導体材料であり、アイランド120はd波超伝導体である。複数の実施例にお
いては、バンク110がd波超伝導体材料であり、アイランド120がs波超伝
導体である。接合130は、バンク110とアイランド120との間に常伝導体
を有する。常伝導体は、d波及びs波超伝導体の双方に有効な接合を形成するよ
うなどのような導電性材料であってもよく、大きな弾性散乱長を有してもよく、
また量子コヒーラ100の動作温度(典型的には、約10゜Kから約1゜Kの間
)で常伝導体として存在しうる。接合130の好適な常伝導体には、とりわけ、
金(Au)が適している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】 量子コヒーラ100は、集積回路製造分野で一般的なパターン技術を用いて形
成され得る。バンク110及びアイランド120の双方がd波超伝導体であるよ
うなシステムでは、基板140は、KagakuGijutsu-sha (Tokyo, Japan)より入手
可能なチタン酸ストロンチウム バイクリスタル基板のような、バイクリスタル
基板である。製造工程は、基板140上に、約0.2μmの厚さを有する高−T
c銅塩のフィルムを成長させることで開始される。高−Tc銅塩フィルム領域は
、下部の基板140とは異なった結晶方向を引継ぎ、2つの異なった領域間に粒
界が形成される。そのようなフィルムは、基板140上に高−Tc銅塩をスパッ
タリングするためのレーザビームを用いるパルスレーザ被膜で成長されてもよい
。フォトリソプロセスは、次に、フィルムをマスキングまたエッチングし、バン
ク110の近辺に(典型的には複数のアイランドの1つとして)アイランド12
0を形成する。所望の小さなサイズのアイランド120のために、エッチング若
しくはパターンプロセスがd波超伝導体の一部を取り除き、所望の寸法でアイラ
ンド120を残すために、電子ビームを用いてもよい。Il'ichevら (LANL,cond-
mat/9811017, p.2)が高−Tc銅塩を用いた既知の製造技術について記述してお
り、ここに参照したことでそのすべてを本願の一部とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】 バンク110若しくはアイランド120の1つがs波超伝導体である実施例に
おいて、製造工程は基板140上にd波超伝導体のフィルムを皮膜させることで
開始される。フィルムは、(必要があれば)エッチングされ、d波超伝導体の境
界線を、バンク110又はアイランド120の所望とする境界線まで限定する。
代替例として、バンク110若しくはアイランド120がバルクのd波フィルム
からエッチングされてもよい。金のような常伝導体が被膜され、接合部130の
ために材料を残存させるべくパターン化される。最終的には、s波超伝導体のフ
ィルムが被膜され、バンク110又はアイランド120のためにs波超伝導体の
境界線を限定するために(必要ならば)パターン化される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】 結晶軸方向の機能は、バンク110及びアイランド120の双方がd波超伝導
体であるような接合の従来技術中に詳細が明らかにされており、A.M.Zagoskinの
"A scalable, tunable qubit, based on a clean DND or grain boundary D-D j
unction"(LANL preprint cond-mat/9903170)を参照して頂きたい。この実施例で
は、アイランド120がバンク130のそれとは異なる結晶軸方向を有している
。ジョセフソン接合がクリーン接合であるので、結晶軸方向における差異は、接
合部の秩序パラメータΨ中の平衡位相差Δφの大きさを決定する第1の因子であ
り、位相差の大きさΔφが典型的なトンネル効果接合のケースであるπ/2に制
限されることはない。(接合の2つの縮重状態は、各々プラス及びマイナス位相
差Δφに対応している。)従って、バンク110及びアイランド120の間の格
子ミスマッチの選択が、位相差Δφを選択する。このことは、格子ミスマッチを
選択することが指数関数的な広いレンジを有する基底状態間のトンネル効果速度
選択を可能とし、位相差Δφをより大きく、又は小さくする。本発明の実施例で
は、バンク110若しくはアイランド120の一方がd波超伝導体であり、他方
がs波超伝導体であるような構造に同様の効果がある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】 クリーン接合を有する別の利点は、アイランド120上に余剰電荷を含む状態
にある低い確率を有するように基底状態を制限し得る、結晶軸方向の差(即ちΔ
φ)ある。そのようなわけでアイランド120の状態は、周囲との弱い静電相互
作用を有する。このことが、アイランド120の状態におけるデコヒーレンスの
ソースを減少させまたは除去し、アイランド120の状態が、波動関数の崩壊を
伴うことなく比較的長い時間に渡って発展し続けてもよい。ジョセフソン接合1
30における自発的な超伝導電流が自発的な磁化を生み出し、電流及び磁化の向
きが量子コヒーラ100の運動量子状態を識別する。しかし、周辺との磁気反応
はデコヒーレンスを伴う重大な問題を回避するには弱すぎる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】 単一電極トランジスタ(SET)は既知であり、例えばA. Zagoskinによる"Quant
um Theory of Many-Body Processes"(Springer,1998)に記載されており、ここ
で言及したことでその全てを本願の一部とする。SETは、2つのデバイス(例え
ばアイランド120及びアース)に接続された容量性の微粒子(grain)を有す
る。微粒子がチャージされていない場合、電子若しくはクーパー対は何れかの素
子より微粒子へトンネルし得る。しかし微粒子は十分に小さいので、一度電子若
しくはクーパー対が微粒子上にトンネルすると、微粒子の荷電が電気的に反発し
、更なる微粒子へのトンネル効果を妨げる。微粒子に関するゲートは微粒子電圧
を変化させ得り、トンネル効果を遮断し、さもなくばトンネル効果の速度を制御
する。P. Joyezらは、"Observation of Parity-Induced Suppression of Joseph
son Tunneling in the Superconducting Single Electron Transistor"(Physic
al Review Letters, Vol. 72, p2458,11 April 1994)に於いて、単一の電子ト
ランジスタの動作及び製造に関して記述しており、ここに言及したことでその全
てを本願の一部とする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】 図8は、ダブルバス構成を有する量子レジスタ800を示すものである。量子
レジスタ800は、第1の超伝導バンク110及び第2の超伝導バンク810を
有し、そのバンク間にはジョセフソン接合830が存在する。ジョセフソン接合
830は、バンク110に於ける秩序パラメータとバンク810に於ける秩序パ
ラメータとの間に位相差Δφを生成する。ジョセフソン接合830は望ましくは
クリーンなジョセフソン接合で、位相差Δφはバンク110及び810の相対的
な結晶軸方向に依存するが、変更例としては、接合830が絶縁性もしくはダー
ティーなジョセフソン接合である。超伝導アイランド120−1〜120−Nは
各々、クリーンなジョセフソン接合130−1〜130−Nを介してバンク11
0に接続されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4M113 AA06 AA14 AA18 AA37 AA55 AB11 AB15 AD36 CA13 CA34 【要約の続き】 い。計算を完了させるために量子状態が発展した後、例 えば別の電子トランジスタセットを介してアイランドを アースすることが、限定された磁気モーメントを有する 状態へと接合部を固定し、量子計算の結果を決定する場 合に超伝導電流の測定を容易にする。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子コンピュータ構造であって、 超伝導体材料のバンクと、 超伝導体材料のアイランドと、 前記アイランドと前記バンクとの間のジョセフソン接合とを含み、 前記アイランド及び前記バンクの一方がd波超伝導体材料を有し、前記バンク
    及び前記アイランドの他方がs波超伝導体材料を有することを特徴とする量子コ
    ンピュータ構造。
  2. 【請求項2】 更に前記アイランドとアースとの間に接続された単一電子
    トランジスタを有することを特徴とする請求項1に記載の構造。
  3. 【請求項3】 前記アイランドが前記d波超伝導体材料を有し、前記バン
    クが前記s波超伝導体材料を有することを特徴とする請求項1に記載の構造。
  4. 【請求項4】 前記バンクがd波超伝導体材料を有し、また前記アイラン
    ドが前記s波超伝導体材料を有することを特徴とする請求項1に記載の構造。
  5. 【請求項5】 更に、 第3の結晶軸方向を有する超伝導体材料の第2のバンクと、 前記第1のバンクと第2のバンクとの間のジョセフソン接合を有することを特
    徴とする請求項1に記載の構造。
  6. 【請求項6】 更に単一電気トランジスタが前記第2のバンクと前記アイ
    ランドとの間に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の構造。
  7. 【請求項7】 更に、基盤を有し、 前記バンクの少なくとも一部分が前記基板上に形成され、前記アイランドが前
    記基板上に存在し、前記基板上の前記バンクの前記一部分に横方向に近接してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の構造。
  8. 【請求項8】 前記アイランドが、前記基板に対して垂直な前記バンクに
    対して近接する側面を有することを特徴とする請求項7に記載の構造。
  9. 【請求項9】 更に、 前記アイランドの前記上面と前記バンクとの間の常伝導体と、 前記バンクと前記アイランドの前記側面との間に存在する、前記基板上の絶縁
    体とを含む請求項8に記載の構造。
  10. 【請求項10】 前記アイランドが、前記基板の法線に対して通常0度で
    ない角度をなす、前記バンクに近接する側面を有することを特徴とする請求項7
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記バンクの第2の部分が、前記アイランドの上面を覆
    って延在することを特徴とする請求項10に記載の構造。
  12. 【請求項12】 更に、前記アイランドの前記上面と前記バンクとの間、
    及び前記アイランドの前記側面と前記バンクとの間に常伝導体を有することを特
    徴とする請求項11に記載の構造。
  13. 【請求項13】 前記ジョセフソン接合が前記バンクと前記アイランドと
    の間に常伝導体材料の層を有することを特徴とする請求項1に記載の構造。
  14. 【請求項14】 更に基板を有し、 前記バンクが前記基板の上部表面上に形成され、 前記常伝導体材料が前記バンク上の層であり、 前記アイランドが前記層上に存在することを特徴とする請求項13に記載の構
    造。
  15. 【請求項15】 量子レジスタであって、 第1の超伝導体材料のバンクと、 複数の第2の超伝導体材料のアイランドと、 各々前記バンクと対応する前記アイランドの1つとの間に存在する複数のジョ
    セフソン接合とを有し、 前記第1及び第2の超伝導体材料の一方がd波超伝導体であり、前記第1及び
    第2の超伝導体材料の他方がs波超伝導体であることを特徴とする量子レジスタ
  16. 【請求項16】 前記第1の超伝導体材料が前記d波超伝導体であること
    を特徴とする請求項15に記載の量子レジスタ。
  17. 【請求項17】 前記第2の超伝導体材料が前記d波超伝導体であること
    を特徴とする請求項15に記載の量子レジスタ。
  18. 【請求項18】 更に複数の単一電子トランジスタを有し、 各々の単一電子トランジスタが、アースと前記アイランドの対応する1つとの
    間に存在することを特徴とする請求項15に記載の量子レジスタ。
  19. 【請求項19】 更に第1の複数の単一電子トランジスタを有し、 前記第1の複数の単一電子トランジスタの各々が、前記アイランドの対応する
    対の間に存在することを特徴とする請求項15に記載の量子レジスタ。
  20. 【請求項20】 更に、第2の複数の単一電子トランジスタを有し、 前記第2の複数の単一電子トランジスタの各々が、アースと前記複数のアイラ
    ンドの対応する1つとの間に存在することを特徴とする請求項19に記載の量子
    レジスタ。
  21. 【請求項21】 更に、 超伝導体材料の第2のバンクと、 前記第1及び第2のバンク間のジョセフソン接合とを有する請求項15に記載
    の量子レジスタ。
  22. 【請求項22】 更に、第1の複数の単一電子トランジスタを有し、 各々の単一電子トランジスタが、前記第2のバンクと前記アイランドの対応す
    る1つとの間で接続されることを特徴とする請求項21に記載の量子レジスタ。
  23. 【請求項23】 更に、第2の複数の単一電子トランジスタを有し、 各々の前記第2の複数の単一電子トランジスタが、アースと前記アイランドの
    対応する1つとの間に存在することを特徴とする請求項22に記載の量子レジス
    タ。
  24. 【請求項24】 更に、第2の複数の単一電子トランジスタを有し、 各々の前記第2の複数の単一電子トランジスタが、前記アイランドの対応する
    対の間に存在することを特徴とする請求項22に記載の量子レジスタ。
  25. 【請求項25】 更に第3の複数の単一電子トランジスタを有し、 各々の前記第3の複数の単一電子トランジスタが、前記複数のアイランドの対
    応する1つとアースとの間に存在することを特徴とする請求項24に記載の量子
    レジスタ。
  26. 【請求項26】 量子計算の方法であって、 バンク及びアイランドを超伝導状態にして、計算のためコヒーレンス性を維持
    するべく十分に熱励起を抑制する温度まで、前記バンク及び前記アイランドを含
    む構造を冷却する過程と、 第1の磁気モーメントを有する第1の状態と、第2の磁気モーメントを有する
    第2の状態の混合状態であることを特徴とする、ジョセフソン接合に於ける超伝
    導電流の量子状態を確立する過程と、 前記第1の状態及び第2の状態間のトンネル効果の可能性に依って、前記量子
    状態を発展させることを可能とする過程と、 結果の測定のために前記接合部中の磁束線を測定する過程とを有し、 前記構造が、前記アイランド及び前記バンク間のジョセフソン接合を有し、 ここで前記ジョセフソン接合の一方の側面がs波超伝導体であり、前記ジョセ
    フソン接合の他方の側面がd波超伝導体であることを特徴とする量子計算方法。
  27. 【請求項27】 前記ジョセフソン接合に於ける前記超伝導電流が、構造
    中のd波超伝導体より生じる基底状態電流であることを特徴とする請求項26に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 磁束の測定が、 前記第1若しくは第2の状態に前記超伝導電流を固定するために、前記アイラ
    ンドを接地する過程と、 前記アイランドが接地されている間、前記磁束を測定する過程とを有すること
    を特徴とする請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記量子状態が前記バンクに電流を流す過程を含むこと
    を確立させる特徴とする請求項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記構造が、更に、 複数のアイランドと、 前記バンクと各々のアイランドとの間の複数のジョセフソン接合とを有するこ
    とを特徴とする請求項26に記載の方法。
  31. 【請求項31】 さらに、 前記構造中の前記ジョセフソン接合の各々に於ける超伝導電流の量子状態を確
    立させる過程を有し、 前記量子状態の各々が、前記対応するジョセフソン接合に於ける第1の磁気モ
    ーメントを有する第1状態と、前記対応するジョセフソン接合に於ける第2の磁
    気モーメントを有する第2の状態との混合状態であることを特徴とする請求項3
    0に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記量子状態を発展させる過程が、アイランドを共に接
    続させるトランジスタの伝導性を制御する過程を含み、前記アイランドの前記量
    子状態のエンタングルメントを生成することを特徴とする請求項30に記載の方
    法。
  33. 【請求項33】 前記量子状態が前記バンクに電流を流す過程を含むこと
    を確立させる特徴とする請求項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 更に、前記アイランドに必要とされる前記量子状態に基
    づいた結晶軸方向を、各アイランド毎に選択する過程を含むことを特徴とする請
    求項33に記載の方法。
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