JP2003516305A - インターロイキン−2レセプターに標的化された結合体 - Google Patents

インターロイキン−2レセプターに標的化された結合体

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JP2003516305A
JP2003516305A JP2000506921A JP2000506921A JP2003516305A JP 2003516305 A JP2003516305 A JP 2003516305A JP 2000506921 A JP2000506921 A JP 2000506921A JP 2000506921 A JP2000506921 A JP 2000506921A JP 2003516305 A JP2003516305 A JP 2003516305A
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ラメシュ ケイ. プラカシュ,
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ワトソン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 化学薬剤をインターロイキン−2−レセプター保有細胞(例えば、活性化T細胞)へ細胞内送達するための組成物は、化学薬剤、ならびに水溶性ポリマーにカップリングしたインターロイキン−2−レセプター結合およびエンドサイトーシス誘導リガンドの少なくとも2コピーを含む。リガンドは、インターロイキン−2−レセプター保有細胞上のレセプターに結合し、そして組成物のエンドサイトーシスを誘起する。組成物はまた、必要に応じて、化学薬剤およびリガンドをポリマーにカップリングするためのスペーサーを含む。化学薬剤としては、サイトトキシン、トランスフォーミング核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、薬物などが挙げられ得る。好ましい水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシド、ならびにその活性化誘導体である。組成物は、もう1つの水溶性ポリマー、リポソーム、または微粒子のようなキャリアをさらに含み得る。インビボまたはインビトロで化学薬剤を送達するためのこれらの組成物を使用する方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、化学薬剤の細胞への送達に関する。より詳細には、本発明は、特定
の細胞タイプ、すなわち、インターロイキン−2(IL−2)レセプターを有す
る細胞へ化学薬剤を細胞内送達するための組成物および方法に関する。
【0002】 腫瘍細胞上の細胞表面レセプターまたは抗原を標的化するトキシンは、ガンの
処置のためにかなりの注意を引いていた。例えば、I.PastanおよびD.
FitzGerald,Recombinant Toxins for Ca
ncer Treatment,254 Science 1173(1991
);Andersonら,米国特許第5,169,933号および第5,135
,736号;Thorpeら,米国特許第5,165,923号;Jansen
ら,米国特許第4,906,469号;Frankel,米国特許第4,962
,188号;Uhrら,米国特許第4,792,447号;Masuhoら,米
国特許第4,450,154号および第4,350,626号。これらの薬剤に
は、植物または細菌トキシンに連結した、増殖因子または抗原結合タンパク質の
ような細胞標的化部分が含まれる。これらは、従来の化学療法とは異なるメカニ
ズムによって細胞を殺傷し、したがって、従来の化学療法剤に対する交差耐性を
潜在的に減少または排除する。
【0003】 1994年9月13日に出願した同時係属中の米国特許出願第08/305,
770号は、CR2−レセプター保有細胞、例えば、Bリンパ球へ化学薬剤を特
異的に細胞内送達するための組成物および方法を記載する。組成物は、化学薬剤
にカップリングしたCR2−レセプター結合リガンドおよびエンドサイトーシス
誘導リガンド(CBEL)を含む。CBELは、組成物がリソソームに輸送され
るように、Bリンパ球の表面上のCR2レセプターに結合し、そして組成物のエ
ンドサイトーシスを誘起する。必要に応じて、組成物は、CBELを化学薬剤に
カップリングするための、生分解性(リソソームにおいて)または非生分解性の
いずれかであり得るスペーサーを含み得る。化学薬剤としては、サイトトキシン
、トランスフォーミング核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、薬物などが挙げら
れ得る。組成物は、他の水溶性ポリマー、リポソーム、または微粒子のようなキ
ャリアをさらに含み得る。
【0004】 1996年3月15日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/616
,693号および1997年5月15日に出願された同第08/857,009
号は、化学薬剤をTリンパ球へ特異的に細胞内送達するための組成物および方法
を記載する。組成物は、式[L−S]a−C−[S−A]bによって表され、ここ
で、Lは、Tリンパ球上のレセプターに結合し、そして組成物のレセプターによ
って媒介されるエンドサイトーシスを刺激するために配置されたリガンドであり
、Aは、化学薬剤であり、Sは、スペーサー部分であり、Cは、リガンド、化学
薬剤、およびスペーサーとの共有結合を形成することに適合可能な官能基を有す
る水溶性ポリマーであり、そしてaおよびbは、正の整数である。これらの組成
物はまた、リソソームに輸送されるように設計される。好ましい水溶性ポリマー
としては、ポリ(エチレングリコール)、およびN−(2−ヒドロキシプロピル
)メタクリルアミド(HPMA)のコポリマーが挙げられる。好ましい化学薬剤
としては、サイトトキシン、トランスフォーミング核酸、遺伝子調節因子、標識
、抗原、薬物などが挙げられる。組成物は、他の水溶性ポリマー、リポソーム、
または微粒子のようなキャリアをさらに含み得る。
【0005】 Tリンパ球上の他のレセプターに特異的に標的化される、さらなる組成物を開
発することもまた有利である。例えば、Tリンパ球の標的化は、T細胞関連疾患
および組織移植片拒絶についての治療適用を可能にする。このようなT細胞関連
疾患としては、関節炎、T細胞リンパ腫、皮膚ガン、乾癬、およびHIV感染か
ら生じる疾患が挙げられる。
【0006】 上記の観点から、化学薬剤をT細胞へ細胞内送達するための組成物およびその
使用方法が、当該技術分野において顕著な前進であることが認められる。
【0007】 (発明の目的および要旨) 本発明の目的は、選択された化学薬剤を、特定の細胞タイプ、すなわち、IL
−2−レセプター保有細胞へ細胞内送達するための組成物を提供することである
【0008】 本発明の目的はまた、選択された化学薬剤をIL−2−レセプター保有細胞へ
細胞内送達するための組成物を製造する方法およびそれを使用する方法を提供す
ることである。
【0009】 本発明のもう1つの目的は、高価でなく、FDA認可され、そして抗体応答の
発生に抵抗性である水溶性ポリマーを使用して、選択された化学薬剤をIL−2
−レセプター保有細胞へ送達するための組成物および方法を提供することである
【0010】 本発明のさらにもう1つの目的は、選択された化学薬剤を活性化T細胞へ細胞
内送達するための組成物およびその使用方法を提供することである。
【0011】 これらおよび他の目的は、化学薬剤をIL−2−レセプター保有細胞へ細胞内
送達するための組成物を提供することによって達成され、この組成物は、(a)
水溶性生体適合性ポリマー、(b)このポリマーに共有的に解離可能に結合した
化学薬剤、および(c)このポリマーに共有結合したIL−2−レセプター結合
ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピーを含む。
【0012】 本発明の好ましい実施態様では、組成物は、P−[Ta−L−Sb−A]cおよ
び[A−Sbd−P−[Ta−L]cからなる群より選択される式を有し、ここで
、Lは、リガンドであり;Aは、化学薬剤であり;SおよびTは、スペーサーで
あり、ここで、少なくともSは、生分解性であり;Pは、リガンドとの共有結合
を形成することに適合可能な官能基を有する水溶性ポリマーであり;aおよびb
は、0または1の整数であり;cは、少なくとも2の整数であり;そして、dは
、少なくとも1の整数である。
【0013】 好ましくは、Pは、ポリアルキレンオキシドである。好ましいポリアルキレン
オキシドは、α置換ポリアルキレンオキシド誘導体、ポリエチレングリココール
(PEG)ホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、アルキルキ
ャップしたポリエチレンオキシド、ビス−ポリエチレンオキシド、ポリ(アルキ
レンオキシド)のコポリマー、およびポリ(アルキレンオキシド)またはその活
性化誘導体のブロックコポリマーからなる群より選択される。好ましくは、ポリ
アルキレンオキシドは、約200〜約50,000の分子量を有する。より好ま
しくは、ポリアルキレンオキシドは、約2,000〜約20,000の分子量を
有する。最も好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、約5,000の分子量を
有する。特に好ましいポリアルキレンオキシドは、ポリエチレングリコールおよ
びポリエチレンオキシドである。
【0014】 IL−2−レセプター結合ペプチドは、好ましくは、配列番号1およびその生
物学的機能等価物からなる群より選択されるメンバーである。より好ましくは、
IL−2−レセプター結合ペプチドは、配列番号1〜配列番号11からなる群よ
り選択されるメンバーである。
【0015】 化学薬剤は、好ましくは、サイトトキシン、トランスフォーミング核酸、遺伝
子調節因子、標識、抗原、および薬物からなる群より選択される。
【0016】 好ましくは、スペーサーは、ペプチドを含む。好ましいペプチドスペーサーは
、Gly−Phe−Leu−Gly(配列番号21)を含む。
【0017】 1つの好ましい実施態様では、組成物は、他の水溶性ポリマー、リポソーム、
および微粒子からなる群より選択されるキャリアをさらに含む。好ましくは、こ
のような水溶性ポリマーは、デキストラン、イヌリン、改変εアミノ基を有する
ポリ(L−リジン)、ポリ(L−グルタミン酸)、およびN−置換メタクリルア
ミド含有ポリマーからなる群より選択される。
【0018】 細胞の異種集団において化学薬剤をインビトロでIL−2−レセプター保有細
胞に送達する方法は、 (a)(i)水溶性生体適合性ポリマー、(ii)このポリマーに共有的に解
離可能に結合した化学薬剤、および(iii)このポリマーに共有結合したIL
−2−レセプター結合ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピー、を含む組
成物を提供する工程;および (b)リガンドがIL−2−レセプター保有細胞上のIL−2レセプターに結
合しそしてこの組成物のエンドサイトーシスを誘起する条件下で、細胞の集団を
組成物の有効量と接触させる工程、を包含する。
【0019】 温血動物において化学薬剤をIL−2−レセプター保有細胞に細胞内送達する
方法は、 (a)(i)水溶性生体適合性ポリマー、(ii)このポリマーに共有的に解
離可能に結合した化学薬剤、および(iii)このポリマーに共有結合したIL
−2−レセプター結合ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピー、を含む組
成物を提供する工程;および (b)リガンドがIL−2−レセプター保有細胞上のIL−2レセプターに接
触および結合し、そしてこの組成物のエンドサイトーシスを誘起する条件下で、
組成物の有効量を温血動物に全身投与する工程、を包含する。
【0020】 (発明の詳細な説明) IL−2−レセプター保有細胞への標的化された送達のための本発明の組成物
および方法を開示および記載する前に、本発明が、特定の実施態様、プロセス工
程、およびこのような実施態様、プロセス工程のような本明細書に開示された物
質に限定されず、そして物質が幾分変化し得ることが、理解されるべきである。
本明細書で使用される用語が、特定の実施態様のみを記載するために使用され、
そして本発明の範囲は、限定することを意図しないことも理解されるべきである
。なぜなら、本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびその等価物によってのみ
限定されるからである。
【0021】 本明細書および添付の請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、お
よび「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数の対象を含むことに
注意しなければならない。したがって、例えば、「リガンド(a ligand
)」を含む組成物への言及は、2つ以上のリガンドへの言及を含み、「化学薬剤
(a chemical agent)」への言及は、同じまたは異なる化学薬
剤であり得る1つ以上のこのような化学薬剤への言及を含み、そして「スペーサ
ー(a spacer)」への言及は、2つ以上のスペーサーへの言及を含む。
【0022】 本発明の説明および請求の範囲において、以下の用語は、以下の記載の定義に
従って使用される。
【0023】 本明細書で使用される「ペプチド」とは、任意の長さのペプチドを意味し、そ
してタンパク質を含む。用語「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」は、特
定のサイズが他に述べられなければ、任意の特定の意図されたサイズ限定なく、
本明細書で使用される。
【0024】 本明細書で使用される「IL−2−レセプター結合ペプチド」とは、IL−2
レセプターに結合し、そしてレセプターによって媒介されるエンドサイトーシス
によって、そのインターナリゼーションを刺激するために配置されたペプチドを
意味する。本発明によれば、このようなIL−2−レセプター結合ペプチドを含
むリガンドは、リガンドのエンドサイトーシスの際に、そこにカップリングした
種々の機能的分子も細胞によってインターナリゼーションされるように、種々の
機能的分子にカップリングされる。
【0025】 好ましいIL−2−レセプター結合ペプチドには、配列番号1として同定され
たアミノ酸配列を有するペプチドおよびその生物学的機能等価物が含まれる。こ
のような機能等価物は、IL−2レセプターを結合し、そしてレセプターによっ
て媒介されるエンドサイトーシスを誘起することにおいて機能性を保持するが、
これらは、配列番号1の短縮型、欠失改変体、または置換改変体であり得るか、
あるいはそれに付加されたさらなるアミノ酸残基を含み得る。また、好ましくは
、IL−2−レセプター結合ペプチドは、約6〜20アミノ酸残基、より好まし
くは約6〜12アミノ酸残基、および最も好ましくは約6〜8アミノ酸残基のサ
イズを有する。
【0026】 上記のように、所望のレセプター結合特徴を維持すると同時にIL−2−レセ
プター結合ペプチドの構造において、変化が行われ得る。例えば、あるアミノ酸
残基は、例えば、抗体の抗原結合領域またはIL−2レセプター結合ペプチドの
ようなリガンドの結合部位のような構造と相互作用する結合能力が明らかに消失
することなく、タンパク質構造中の他のアミノ酸残基に置換され得る。これは、
タンパク質の生物学的機能的活性を規定するそのタンパク質の相互作用能力およ
び性質であるので、あるアミノ酸配列置換は、タンパク質配列において行われ得
、そしてそれにもかかわらず類似の特性を有するタンパク質を得る。したがって
、生物学的有用性または活性が明らかに消失することなく、IL−2レセプター
結合ペプチドの配列において、種々の変化が行われ得る。
【0027】 分子の所定の部分内で行われ得、そして等価な生物学的活性の受容可能なレベ
ルを有する分子をさらに生じる変化の数への限定があるという概念は、生物学的
に機能的等価のタンパク質またはペプチドの定義において固有であることも、当
業者に十分に理解される。ある残基がタンパク質またはペプチドの生物学的また
は構造的特性、例えば、活性部位における残基に特に重要であることが示される
場合、このような残基は、一般的に交換されなくてもよいことも、十分理解され
る。
【0028】 アミノ酸置換は、一般的に、例えば、その疎水性、親水性、電荷、サイズなど
に対するアミノ酸側鎖の相対的類似性に基づく。アミノ酸側鎖のサイズ、形状、
およびタイプの分析は、例えば、アルギニン、リジン、およびヒスチジンがすべ
て正荷電残基であり;アラニン、グリシン、およびセリンがすべて類似のサイズ
であり;そしてフェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンがすべて一
般的に類似の形状を有することを表す。したがって、これらの考慮に基づいて、
以下の保存的置換基または生物学的に機能的な等価物は、(a)Cys;(b)
Phe、Trp、Tyr;(c)Gln、Glu、Asn、Asp;(d)Hi
s、Lys、Arg;(e)Ala、Gly、Pro、Ser、Thr;および
(f)Met、Ile、Leu、Valを規定している。M.Dayhoffら
,Atlas of Protein Sequence and Struc
ture(Nat’l Biomed.Res.Found.,Washing
ton,D.C.,1978)、参考として本明細書に援用される。
【0029】 より量的な変化をもたらすために、アミノ酸のハイドロパシーインデックスを
考慮し得る。各アミノ酸は、その疎水性および電荷特性に基づいてハイドロパシ
ーインデックスを割り当てられており、これらは以下のとおりである:イソロイ
シン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラ
ニン(+2.8);システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニ
ン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−
0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−
1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(
−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン
(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。
【0030】 タンパク質上の相互作用性の生物学的機能を与えることにおけるハイドロパシ
ーアミノ酸インデックスの重要性は、一般的に、当該技術分野で理解される。J
.KyteおよびR.Doolittle,A simple method
for displaying the hydropathic chara
cter of a protein,157 J.Mol.Biol.105
−132(1982)、参考として本明細書に援用される。あるアミノ酸が、類
似のハイドロパシーインデックスまたはスコアを有する他のアミノ酸に置換され
得、そしてなお同様の生物学的活性を保持し得ることは、公知である。ハイドロ
パシーインデックスに基づいて変化を作製することにおいて、ハイドロパシーイ
ンデックスが±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内が特に好まし
く、そして±0.5以内がなおより特に好ましい。
【0031】 アミノ酸が、同様のハイドロパシー値を有するもう1つのものに置換され得、
そしてなお生物学的に等価なタンパク質を得ることも、理解される。米国特許第
4,554,101号に詳述されるように、以下のハイドロパシー値が、アミノ
酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);
アスパラギン酸(+3.0);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.
3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);
トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);
ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);
バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロ
シン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4
)。
【0032】 類似のハイドロパシー値に基づいて変化を作製することにおいて、ハイドロパ
シー値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内が特に好ましく、
そして±0.5以内がなおより特に好ましい。
【0033】 IL−2レセプターに結合するIL−2の一部であると考えられるヘキサペプ
チドが同定されている(配列番号1)、D.A.Weigentら,139 B
iochem.Biophys.Res.Commun.367−74(198
6)。さらに、このIL−2ヘキサペプチドと免疫抑制性レトロウイルスのen
vタンパク質との間の相同性の領域が発見されている。D.A.Weigent
ら,前出;W.E.Reiher IIIら,83 Proc.Nat’l A
cad.Sci.USA 9188−92(1986)。したがって、IL−2
ヘキサペプチドと比較した相同性のこれらの領域におけるアミノ酸置換はまた、
生物学的機能等価物であると考えられる。したがって、配列番号1の例示的な生
物学的機能等価物には、以下が挙げられる:配列番号2;配列番号3;配列番号
4;配列番号5;および配列番号6。他の例示的な生物学的機能等価物もまた発
見されており、以下が挙げられる:配列番号7;配列番号8;配列番号9;配列
番号10;および配列番号11。さらなる生物学的機能等価物は、過度の実験を
行うことなく、本明細書に開示されたガイダンスおよび原理に従って当業者に発
見され得る。
【0034】 本明細書で使用される「巨大分子」とは、リガンドおよびそれに結合した化学
薬剤を有する水溶性ポリマーを含む組成物を意味する。好ましくは、このポリマ
ーは、ポリアルキレンオキシドであり、そしてリガンドは、オリゴペプチドであ
る。化学薬剤は、本明細書でより詳細に説明されるように、分子の多くの異なる
クラスに由来し得る。
【0035】 本明細書で使用される「プロドラッグ」とは、生物学的バリアを克服するよう
に化学的に改変される化学薬剤を意味する。化学薬剤がそのプロドラッグ形態に
変換される場合、その生物学的活性は排除されるか、または実質的に減少するが
、その効果を阻害した生物学的バリアはもはや問題ではない。プロドラッグを形
成するために化学薬剤に結合される化学基、すなわち、「プロ部分」は、化学薬
剤の活性形態を放出するために酵素的または非酵素的手段によって、プロドラッ
グから除去される。A.Albert,Chemical Aspects o
f Selective Toxicity,182 Nature 421(
1958)を参照のこと。IL−2−レセプター保有細胞にインターナリゼーシ
ョンされた場合に、選択された効果を有する化学薬剤が、リガンド、水溶性ポリ
マー、および必要に応じて、組成物がIL−2−レセプター保有細胞に送達され
るようなスペーサーを用いて改変されるので、本発明の組成物はプロドラッグで
ある。そのためIL−2−レセプター保有細胞の細胞膜を浸透する化学薬剤の生
物学的効果は、組成物が細胞内送達され、そして化学薬剤がスペーサーの生分解
によって組成物の残りの部分から放出されるまで、非常に減少または排除される
【0036】 本明細書で使用される「化学薬剤」とは、IL−2−レセプター保有細胞にイ
ンターナリゼーションされる場合、選択された効果を有する何らかの物質を意味
し、そしてそれらを包含する。ある化学薬剤は、細胞にインターナリゼーション
される場合、細胞傷害性効果または遺伝子調節における効果のような、生理学的
効果を有する。「トランスフォーミング核酸」(RNAまたはDNA)は、細胞
にインターナリゼーションされる場合、細胞内で複製および/または発現され得
る。他の核酸は、選択された様式で、細胞内での遺伝子発現に影響を及ぼすため
に、細胞内で調節配列または調節因子と相互作用し得る。細胞内送達された検出
可能な標識は、標識の検出によって、本発明の組成物をインターナリゼーション
した細胞の同定を可能にし得る。薬物または薬理学的に活性な化合物は、病原性
効果または他のタイプの障害を寛解させるために使用され得る。特に有用な化学
薬剤としては、ポリペプチドが挙げられ、そしていくつかのこのような化学薬剤
は、生物学的に活性なタンパク質の活性フラグメントであるか、または抗原性タ
ンパク質の特異的抗原性フラグメント(例えば、エピトープ)である。したがっ
て、化学薬剤としては、サイトトキシン、遺伝子調節因子、トランスフォーミン
グ核酸、標識、抗原、薬物などが挙げられる。
【0037】 本明細書で使用される「薬物」または「薬理学的に活性な薬剤」とは、IL−
2−レセプター保有細胞における所望の生物学的効果または薬理学的効果を刺激
する、このような細胞(例えば、活性化Tリンパ球)における細胞内投与に適切
な任意の化学物質または化合物を意味する。
【0038】 本明細書で使用される、「キャリア」とは、本発明に従う組成物がカップリン
グされ得る、水溶性ポリマー、微粒子、またはリポソームを意味する。このよう
なキャリアは、組成物の分子サイズを増加させ、そして付加された選択性および
/または安定性を提供し得る。キャリア含有組成物が大きすぎて、受動拡散によ
って細胞内侵入できず、そのためにレセプターによって媒介されるエンドサイト
ーシスを介して細胞に侵入することに限定されるので、このような選択性が生じ
る。標的化された薬物送達のためのこのようなキャリアの使用のための可能性が
確立されている。例えば、J.Kopecek,5 Biomaterials
19(1984);E.Schachtら,Polysaccharides
as Drug Carriers,Controlled−Release
Technology 188(P.I.LeeおよびW.R.Good編,
1987);F.Hudeczら,Carrier design:Cytot
oxicity and Immunogenicity of Synthe
tic Branched Polypeptides with Poly(
L−lysine) Backbone,19 J.Controlled R
elease 231(1992);Z.Brichら,Preparatio
n and Characterization of a Water So
luble Dextran Immunoconjugate of Dox
orubicin and the Monoclonal Antibody
(ABL364),19 J.Controlled Release 24
5(1992)。を参照のこと。したがって、例示的な水溶性ポリマーとしては
、デキストラン、イヌリン、改変されたεアミノ基を有するポリ(L−リジン)
、ポリ(L−グルタミン酸)、N−置換したメタクリルアミド含有合成ポリマー
およびコポリマーなどが挙げられる。
【0039】 本明細書で使用される、「有効量」は、選択された効果を生じるために十分な
量である。例えば、化学薬剤としてサイトトキシンを含む組成物の選択された効
果は、選択された期間内に、IL−2−レセプター保有細胞、例えば、活性化T
細胞の選択された割合を殺傷することであり得る。有効量の組成物は、この選択
された結果を達成する量であり、そしてこのような量は、当業者によって定常的
な問題として決定され得る。
【0040】 本発明の組成物は、IL−2−レセプター保有細胞に細胞内送達される場合、
選択された効果を誘起し得る化学薬剤の細胞内送達を提供する。組成物の例示的
実施態様は、P−[Ta−L−Sb−A]cおよび[A−Sbd−P−[Ta−L] c からなる群より選択される式を有し、ここで、Lは、IL−2−レセプター保
有細胞上のIL−2レセプターに結合しそして組成物のレセプターによって媒介
されるエンドサイトーシスを刺激するために配置されたリガンドであり;Aは、
化学薬剤であり;SおよびTは、スペーサーであり、ここで、少なくともSは、
生分解性であり;Pは、リガンドとの共有結合を形成することに適合可能な官能
基を有する水溶性ポリマーであり;aおよびbは、0または1の整数であり;c
は、少なくとも2の整数であり;そして、dは、少なくとも1の整数である。好
ましくは、cは、2〜約1000の整数である。スペーサーは、好ましくは、化
学薬剤がIL−2−レセプター保有細胞(例えば、T細胞)の内部、特にリソソ
ームにおいて、加水分解および/または酵素的切断によって組成物から分離され
るように、生分解性である。一旦分離されると、化学薬剤は、細胞においてその
機能的効果を発揮し得る。このようなスペーサーの例は、ペプチドGly−Ph
e−Leu−Gly(配列番号21)である。等価なペプチドスペーサーは、当
該技術分野で周知である。化学薬剤は、サイトトキシン、トランスフォーミング
核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、薬物などからなる群より選択される。水溶
性ポリマー(上記の式でPとして表される)は、好ましくは、ポリ(アルキレン
オキシド)である。メトキシポリエチレングリコールのようなα置換ポリアルキ
レンオキシド誘導体、またはC1−C4アルキル基を含むもののような他の適切な
アルキル置換誘導体は、このグループの物質の範囲内である。ポリマーは、モノ
メチル置換PEGホモポリマーであることが好ましい。他のポリ(アルキレンオ
キシド)もまた有用であり、これらには、他のポリエチレングリコール(PEG
)ホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、他のアルキルキャッ
プしたポリエチレンオキシド、ビス−ポリエチレンオキシド、ポリ(アルキレン
オキシド)のコポリマー、およびポリ(アルキレンオキシド)またはその活性化
誘導体のブロックコポリマーが挙げられる。PEGベースのポリマーが使用され
る本発明のそれらの局面では、PEGベースのポリマーは、約200〜約50,
000の分子量を有することが好ましい。約2,000〜約20,000の分子
量の分子量が好ましく、そして、約5,000の分子量が特に好ましい。PEG
は、高価でなく、ヒトへの投与についてFDAに認可され、そして抗体応答の誘
起に抵抗性であるので、好ましい。ポリ(エチレンオキシド)(PEO)は、P
によって表されるもう1つの好ましい水溶性ポリマーである。リガンドの化学薬
剤へのカップリングは、共有結合、静電的相互作用、疎水性相互作用、物理的カ
プセル化などによってであり得るが、これらに限定されない。本発明の組成物は
、他の水溶性ポリマー、リポソーム、および微粒子からなる群より選択されるキ
ャリアをさらに含み得る。キャリアとしての使用のためのこのような水溶性ポリ
マーは、デキストラン、イヌリン、改変εアミノ基を有するポリ(L−リジン)
(PLL)、ポリ(L−グルタミン酸)(PGA)、N−置換メタクリルアミド
含有ポリマーおよびコポリマーなどからなる群より選択される。好ましい水溶性
ポリマーは、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)の
コポリマーである。
【0041】 したがって、本発明によれば、組成物は、例えば、活性化T細胞における、I
L−2レセプターへの優先的結合のための手段を提供し、そのためエンドサイト
ーシスによる組成物のインターナリゼーションを引き起こす。化学薬剤は、IL
−2−レセプター保有細胞において選択された効果を達成するための手段を提供
する。したがって、例えば、化学薬剤は、細胞の選択的殺傷または無力化のため
の、放射性核種を含むサイトトキシン;細胞において遺伝的に形質転換するか、
または遺伝子発現を調節するための核酸;選択された治療効果を達成するための
薬物または他の薬理学的に活性な薬剤;蛍光、放射活性、および磁性標識を含む
、組成物を取り込んだ細胞の検出を可能にするための標識などを含む。
【0042】 IL−2は、正常な免疫応答に必須であるT細胞によって産生されるリンパ球
増殖因子である。IL−2レセプターへのIL−2の結合は、レセプターによっ
て媒介されるエンドサイトーシスによるインターナリゼーションに先立つ。ヒト
IL−2遺伝子は配列決定され(T.Taniguchiら,302 Natu
re 305−10(1983)、参考として本明細書に援用される)、同様に
、ヒトIL−2レセプターについての遺伝子も配列決定された(W.J.Leo
nardら,311 Nature 626−31(1984);T.Nika
idoら、311 Nature 631−35(1984);D.Cosma
nら,312 Nature 768−71(1984))。IL−2レセプタ
ーは、55kDa αサブユニット、75kDa βサブユニット、および64
kDa γサブユニットを有する、細胞膜上のヘテロトリマー糖タンパク質複合
体である。αおよびβサブユニットを発現する単に正常なヒト組織は、活性化T
細胞、B細胞、LGL細胞、および単球およびいくらかの肝臓クッパー細胞、マ
クロファージ、および皮膚ランゲルハンス細胞である。A.E.Frankel
ら,11 Leukemia 22−30(1997)。毛様細胞性白血病、成
人T細胞白血病、ならびに皮膚型T細胞リンパ腫およびB細胞慢性リンパ球白血
病の一部を含む、種々の血液学的新生物は、高親和性IL−2レセプター発現を
示し得る。IL−2レセプターに標的化された組換えトキシンが記載されており
、ここでリガンドはIL−2である。A.E.Frankelら,前出;米国特
許第4,675,382号;J.vanderSpekら,268 J.Bio
l.Chem.12077−82(1993);I.PastanおよびD.F
itzGerald,前出。
【0043】 本発明のいくつかの実施態様では、組成物は、リガンドおよび化学薬剤を水溶
性ポリマーに化学的に結合体化することによって構築される。この用語が本明細
書で使用される、リガンドおよび化学薬剤を水溶性ポリマーに「化学的に結合体
化する」とは、互いにリガンドおよび化学薬剤を共有結合すること、好ましくは
スペーサー部分によって、および得られるリガンド/薬剤結合体を水溶性ポリマ
ーに結合体化することを意味する。特定の実施態様では、スペーサー部分は、リ
ガンドと化学薬剤との間の連結を形成するために使用される。
【0044】 本発明の組成物のペプチド部分は、「融合タンパク質」として、E.coli
のような遺伝子操作された生物中で産生され得る。すなわち、リガンド、スペー
サー、またはペプチド化学薬剤をコードするヌクレオチドの配列を含むハイブリ
ッド遺伝子は、組換えDNA技術によって構築され得る。このハイブリッド遺伝
子は、ハイブリッド遺伝子によってコードされる「融合タンパク質」が発現され
るように、生物中に挿入され得る。次いで、融合タンパク質は、アフィニティー
クロマトグラフィーを含む標準的方法によって精製され得る。リガンド、スペー
サー、またはペプチド化学薬剤を含むペプチドはまた、化学合成によって構築さ
れ得る。短いペプチドはより容易に操作され得ること、ならびにさらなるアミノ
酸残基、および特に実質的に多くのアミノ酸残基の存在は、エンドサイトーシス
による化学薬剤のインターナリゼーションを刺激することにおいてペプチドリガ
ンドの機能を妨害し得ることの両方のため、短いペプチドリガンドが、一般的に
好ましい。
【0045】 本発明に従う組成物はまた、一旦組成物が細胞内(例えば、リソソーム)に存
在すると、化学薬剤が切断部位のタンパク質分解によって組成物の残りの部分か
ら分離され得るように配置されたプロテアーゼ切断部位を(好ましくはスペーサ
ー部分に)さらに含む。このようなプロテアーゼ感受性スペーサーは、組成物の
ペプチド部分が化学合成されるか、または遺伝子操作された生物において発現ペ
プチドとして存在するかどうかにかかわりなく、付加され得る。後者の場合には
、プロテアーゼ感受性スペーサーをコードするヌクレオチドは、当該技術分野で
周知の技術によって、リガンドおよび/またはペプチド化学薬剤をコードするハ
イブリッド遺伝子に挿入され得る。1つの例示的実施態様では、プロテアーゼ感
受性スペーサーは、標的細胞のリソソームにおけるタンパク質分解によって切断
されるように設計される。エンドサイトーシスによってインターナリゼーション
される組成物は、エンドサイトーシス小胞にパッケージされ、このエンドサイト
ーシス小胞は、リソソームに輸送される。一旦リソソームにおいてプロテアーゼ
感受性スペーサーが切断されると、化学薬剤は、細胞質に輸送されるために利用
可能である。
【0046】 本発明の別の局面は、細胞の異種集団に含まれるIL−2−レセプター保有細
胞(例えば、活性化Tリンパ球)において所望の活性を特異的にもたらすための
方法が特徴であり、これはこのような活性を細胞内に指示する、本発明に従って
調製された組成物と、細胞の集団とを接触させる工程による。本発明の組成物は
、混合した集団においてIL−2−レセプター保有T細胞に選択的に結合され、
その際、このような活性化T細胞への組成物のエンドサイトーシスが刺激され、
そして化学薬剤はこのようなT細胞内にその活性をもたらす。
【0047】 本出願は、他に示されなければ、ペプチドの操作についておよびペプチドを発
現させるための核酸の操作について、標準的技術を用いる。オリゴペプチドおよ
びオリゴヌクレオチドの結合体化のための技術は、当該技術分野で公知であり、
そして例えば、T.Zhuら,3 Antisense Res.Dev.26
5(1993);T.Zhuら,89 Proc.Nat’l Acad.Sc
i.USA 7934(1992);P.Rigaudyら,49 Cance
r Res.1836(1989)に記載され、これらは参考として本明細書に
援用される。
【0048】 上記のように、本発明は、リガンド、スペーサー、および/または化学薬剤と
して用いられるペプチドが特徴である。本発明に従うペプチドは、有機合成およ
び組換えDNA方法を含む、種々の技術のいずれかによって作製され得る。ペプ
チドの化学合成のための技術は、例えば、B.Merrifieldら,21
Biochemistry 5020(1982);Houghten,82
Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 5131(1985);M
.BodanszkyおよびA.Bodanszky,The Practic
e of Peptide Synthesis(Springer−Verl
ag 第2版,1994)に記載され、これらは、参考として本明細書に援用さ
れる。ペプチドの他の分子との化学的結合体化についての技術は、当該技術分野
で公知である。
【0049】 本発明に従う融合タンパク質は、リガンドおよび/またはスペーサーおよび/
または化学薬剤をコードするオリゴヌクレオチドを含む核酸の、適切な宿主細胞
における発現によって作製され得る。組換え融合タンパク質を産生するためのこ
のような技術は当該技術分野で周知であり、そして例えば、J.Sambroo
kら,Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nual(第2版,1989)に一般的に記載され、その適切な部分は参考とし
て本明細書に援用される。制限エンドヌクレアーゼなどのような、このような技
術を適用することに有用な試薬は、当該技術分野で周知であり、そしていくつか
の供給業者のいずれかから市販で入手可能である。
【0050】 本発明に従う組成物の構築は、現在、生分解性スペーサー(配列番号21)お
よび細胞傷害性化学薬剤のアドリアマイシンにカップリングしたペプチドリガン
ドが、PEGにカップリングされる実施例を特に参照して、記載される。
【0051】
【実施例】
(実施例1) NH2−Gly−Leu−OH(Sigma Chemical Co.St
.Louis,MO;2.74g,14.6mmol)を、0.5M NaCl
を含む30mlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に溶解した。反応混合物を
撹拌し、そして5gの固体活性化PEG(5ペンダント(pendent)ポリ
エチレングリコールプロピオン酸のスクシンイミジルエステル;p−5−SPA
−5000;Shearwater Polymers,Inc.,Hunts
ville,AL)を、溶液に添加した。反応を、pH 7〜8で4.5時間続
けた。次いで、反応混合物を、それぞれ500mlのジクロロメタン(A.C.
S.,HPLCグレードSigmaまたはAldrich,Milwaukee
,WI)で4回抽出した。乳濁液が抽出の間に形成され、そして乳濁液へNaC
lを添加することによって部分的に壊した。有機層をプールし、そしてMgSO 4 上で一晩乾燥させた。次いで、溶液を濾過し、そして濾液を、約35℃にて水
ポンプを使用してロータリーエバポレーターでジクロロメタンをエバポレートす
ることによって濃縮した。溶液の最終容量を、約15mlに減少した。溶液をエ
ーテル(750ml;無水、Fisher Scientific)に添加し、
そして産物(PEG−Gly−Leu−OH)を沈殿させた。沈殿物を濾過し、
エーテルで洗浄し、そして空気乾燥させた。
【0052】 PEG−Gly−Leu−OH(3.5g,3.4mmol)およびp−ニト
ロフェノールを、50mlのテトラヒドロフラン(無水、Aldrich)およ
び10mlの酢酸エチル(Aldrich)に溶解した。溶液を、氷浴中で冷却
し、そしてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC,Sigma;2.4g,
11.5mmol)を、4つのアリコートで反応混合物に添加した。反応溶液を
、氷浴中で30分間撹拌した。次いで、反応溶液の温度を、室温まで上昇させ、
次いで反応を、さらに91時間続けた。次いで、反応溶液を、濾紙を通して濾過
し、そして濾液を、水ポンプを使用してロータリーエバポレーターで溶媒をエバ
ポレートすることによって濃縮した。清澄な濃縮した溶液(30ml)を、エー
テル(750ml)に添加した。沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして空
気乾燥させた。産物のアリコートを、0.1N NaOHに溶解し、遊離したp
−ニトロフェノールの濃度を、ε=1.8×104l/mol−cmのモル吸光
係数を使用して、400nmでの分光光度法によって評価した。産物(PEG−
Gly−Leu−ONp)が、375μmol/gのONp含量を有することを
決定した。
【0053】 産物(PEG−Gly−Leu−ONp;430.88mg,Onp含量16
1.2μmol)を、5ml無水ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そ
してペプチド(Gln−His−Leu−Phe−Leu−Gly、配列番号1
2)を、溶液に添加した。DMFで1:2希釈した約150μlのトリエチルア
ミンを、15分間隔で4回反応混合物に添加し、そして溶液を室温にて17時間
撹拌した。反応溶液を、冷エーテル(400ml)に添加し、そして結合体沈殿
物(PEG−TT13−OH;配列番号13)を濾過し、400mlエーテルで
洗浄し、そして乾燥させた。
【0054】 アドリアマイシン(63.97mg,111.5μmol,Sigma)およ
びPEG−TT13−OH(450.26mg,111.5μmol)を、5m
lのDMFに溶解し、そしてDCC固体(59.3mg)を、この溶液に添加し
た。反応を22時間行い、次いで、Whatman No.4ペーパーを通して
濾過した。濾紙上の沈殿物を、減圧下で乾燥させ、次いでPBS緩衝液に溶解し
、そしてPBSに対して一晩透析した。緩衝液の交換後、溶液を、さらに2時間
透析した。アドリアマイシン含量を、490nmでの分光光度法によって決定し
た。得られた結合体は、構造PEG−Gly−Leu−Gln−His−Leu
−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(以下、「PEG−TT13−A
DR」、配列番号13)を有した。
【0055】 (実施例2) この実施例では、構造PEG−Gly−Phe−Leu−Gly−ADR(以
下、「PEG−GFLG−ADR」、配列番号21)を有するコントロール組成
物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0056】 (実施例3) この実施例では、構造PEG−Gly−Leu−Glu−Arg−Ile−L
eu−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(以下、「
PEG−TT7−ADR」、配列番号14)を有する組成物を、実施例1の手順
に従って調製した。
【0057】 (実施例4) この実施例では、構造PEG−Gly−Leu−GlutBt−His−Ile
−Leu−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(配列
番号15)(ここでtBtはグルタミン酸残基のCOOH側鎖にカップリングし
たtert−ブチル基である)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製
した。グルタミン酸のtert−ブチル誘導体を、市販で購入し(Bachem
,King of Prussia,PA)、そしてペプチド合成中にオリゴヌ
クレオチドに組み込んだ。tert−ブチル基は、グルタミン酸残基のCOOH
側鎖の、アドリアマイシンのNH2基との反応を妨げるためにCOOH基をブロ
ックする。
【0058】 (実施例5) この実施例では、構造PEG−Gly−Leu−Gln−His−Ile−L
eu−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(配列番号
16)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0059】 (実施例6) この実施例では、構造PEG−Gly−Leu−Asp−His−Ile−P
he−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(配列番号
17)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0060】 (実施例7) この実施例では、構造PEG−Gly−Leu−Asn−His−Ile−P
he−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(配列番号
18)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0061】 (実施例8) この実施例では、構造PEG−Thr−Gly−Leu−Gln−His−I
le−Leu−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(
配列番号19)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0062】 (実施例9) この実施例では、構造PEG−Ser−Leu−Gln−His−Ile−L
eu−Leu−Gly−Phe−Leu−Gly−アドリアマイシン(配列番号
20)を有する組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0063】 (実施例10) 実施例1の手順に従って調製したPEG−TT13−ADR、実施例2の手順
に従って調製したPEG−GFLG−ADR、実施例3の手順に従って調製した
PEG−TT7−ADR、および結合体化されていないアドリアマイシンのイン
ビトロ効果を、以下のようにヒトHSB−2 T細胞(ATCC No.CCL
120.1)に対してテストした。1×105細胞の3連の試料のそれぞれを、
96ウェルマイクロタイタープレート(Falcon Microtest 1
11)のウェルにおいて、0.1mlの培養培地(RPMI 1640、10%
ウシ胎仔血清)中に種々の濃度の精製した組成物と混合し、そして加湿した5%
CO2雰囲気下で37℃にて48時間インキュベートした。その後、細胞生存率
を、テトラゾリウム化合物MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イ
ル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)
−2H−テトラゾリウム、分子内塩)および電子カップリング試薬PMS(フェ
ナジンメトスルフェート)を使用して比色方法によって評価した。A.J.Co
ryら,3 Cancer Commun.207(1991);T.L.Ri
ssおよびR.A.Moravec,3 Mol.Biol.Cell.184
a(増補;1992);T.M.Buttkeら,157 J.Immunol
.Methods 233(1993)、これらは参考として本明細書に援用さ
れる。MTSは、生存細胞によって可溶性ホルマザン産物に生物還元される。4
90nmでのホルマザンの吸光度は、さらなるプロセシングなく96ウェルアッ
セイプレートから直接的に測定され得る。490nmでの吸光度によって測定さ
れるようなホルマザン産物の量は、培養物中の生存細胞の数に直接比例する。M
TSアッセイのための試薬を、Promega Corp.(Madison,
Wisconsin)から得た。この方法に従って、20μlのMTS/PMS
溶液(Promega No.G5421)を、アッセイプレートの各ウェルに
添加した。次いで、プレートを、加湿した5%CO2雰囲気下で37℃にて4時
間さらにインキュベートした。次いで、各ウェルの吸光度を、EL311 Mi
croplate Autoreader(Bio−Tek Instrume
nts)で490nmにて測定した。次いで、各処理についての平均吸光度を算
出し、そして細胞傷害性のパーセントを、以下の式を使用して決定した:
【0064】
【化1】
【0065】 ここで、ASは、各処理についての平均吸光度を表し、そしてACは、コントロー
ル処理、すなわち、結合体に曝露されていない細胞、の平均吸光度を表す。
【0066】 図1は、PEG−TT7−AR(白菱形)およびPEG−TT13−AR(白
三角)が、細胞傷害性の類似のレベルをもたらすためにPEG−GFLG−AR
(白四角)について必要とされるよりも約100倍低い濃度で、このようなHS
B−2 T細胞を殺傷することを示す。PEG−TT7−ADRおよびPEG−
TT23−ADRの細胞傷害性は、実質的に同一であった。これらの結果は、I
L−2レセプターに結合することおよびレセプターによって媒介されるエンドサ
イトーシスを誘導することに特異的なリガンドの存在が、このようなリガンドを
含まないPEG−およびアドリアマイシン含有結合体が非常に大きな細胞傷害性
を生じることを示す。したがって、IL−2−レセプター特異的リガンドを有す
る結合体は、このようなリガンドを含まない類似の結合体より非常に大きな効率
でインターナリゼーションされる。結合していないアドリアマイシンコントロー
ルは、細胞中に迅速に拡散し、そして細胞を殺傷する。予測したとおり、PEG
−TT7−ADRおよびPEG−TT13−ADRからの細胞傷害性は、PEG
−TT7−ADRおよびPEG−TT13−ADRがエンドサイトーシスによっ
てインターナリゼーションされる必要性があることに起因して、結合体化してい
ないアドリアマイシンよりも高い濃度のアドリアマイシンを必要とする。
【0067】 本発明に従う組成物は、一般的に、レセプターへのリガンドの結合が細胞への
組成物へのエンドサイトーシスを刺激する条件下で、組成物と細胞とを接触させ
ることによって、IL−2−レセプター保有細胞(例えば、活性化T細胞)への
化学薬剤の標的化された送達のために用いられ得る。次いで、化学薬剤は、組成
物がインターナリゼーションされる、標的化された細胞でまたは細胞内で作用し
、そして活性薬剤の所望の効果は、レセプターを有する細胞に限定され得る。
【0068】 例えば、本発明に従う組成物は、活性化T細胞を殺傷するためにインビボで効
果的な抗腫瘍薬剤として用いられ得る。好ましくは、組成物は、全身投与によっ
て、代表的には、皮下、筋肉内、または静脈内注射、あるいは腹腔内投与によっ
て、被験体に投与され、これは当該技術分野で周知の方法である。このような使
用のための注射可能物は、液体溶液もしくは懸濁液として、または注射前の液体
において溶液もしくは懸濁液調製のための固体形態で、または乳濁液としてのい
ずれかの従来の形態で調製され得る。適切な賦形剤としては、例えば、水、生理
食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどが挙げられ;そして所
望であれば、湿潤剤または乳化剤、緩衝剤などのような少量の補助物質が添加さ
れ得る。このような組成物の有効量は、本明細書で提供されるガイドラインに従
って、過度の実験なしに当業者によって決定され得る。
【0069】 組成物は、インビトロまたはインビボで細胞と接触され得る。T細胞は、細胞
タイプが混在した集団の亜集団を構成し;本発明に従うリガンドは、T細胞への
、およびおそらく密接に関連したレセプターを有する他の細胞の小さい割合への
、結合体のエンドサイトーシスのために提供される。
【0070】 化学薬剤は、標的化された細胞における種々の所望の効果のいずれかを有し得
る。上記のように、いくつかの特定の有用な実施態様では、化学薬剤は、薬剤が
細胞にインターナリゼーションされる場合のみまたは主としてその場合に、細胞
において効果的である。
【0071】 (実施例11) (T細胞へのインビボでの標的化された送達) 本発明に従う組成物は、IL−2−レセプター保有細胞(例えば、活性化T細
胞)への標的化された送達のために、温血動物に投与され得る。特に、組成物は
、標的化された細胞へ組成物を、レセプターによって媒介されるインターナライ
ゼーションするために提供する。
【0072】 500μlのPBS中の約1×106CCRF−CEMヒトT細胞白血病細胞
を、雄CB 17 SCID(HSD)マウスに腹腔内注射し、そして細胞を2
4時間、マウスにコロニー形成させた。ヒトT細胞白血病細胞が、脾臓および肝
臓に優先的にコロニー形成することを見いだした。マウスを、各6匹の動物の6
群に分けた:A群を、100μgの結合体で処置し;B群を、75μgの結合体
で処置し;C群を、50μgの結合体で処置し;D群を、25μgの結合体で処
置し;E群を、10μgの結合体で処置し;そしてF群を、結合体で処置しなか
った。24時間後、マウスに10〜100μgのPEG−TT13−ADR(結
合体中のADRの質量を算出した)を腹腔内注射するか、または、F群の場合に
は、処置しなかった。さらに24および48時間後、B、C、D、およびE群に
、再度注射した。
【0073】 これまでの実験に基づいて、注射の60日後までに、F群の動物のすべてが、
T細胞白血病細胞の制御されない増殖により死亡するが、その一方、A〜E群の
、すなわち、PEG−TT13−ARを注射した動物のすべては、生存している
。これらの結果は、化学薬剤がサイトトキシンである場合、本発明に従う組成物
が、IL−2−レセプター保有細胞、すなわち、T細胞によって優先的にインタ
ーナリゼーションされ、そしてこのようなT細胞がサイトトキシンによって殺傷
されることを示す。
【0074】 (実施例12) この実施例では、マウスに、実施例11の手順に従って、CCRF−CEMヒ
トT細胞白血病細胞およびPEG−TT13−ADRまたはPEG−GFLG−
ADRのいずれかを注射して、このような動物の肝臓および脾臓がヒト細胞を含
むかどうかを決定する。脾臓および肝臓を、動物の死亡時に、または接種後12
0日目に、どちらか早く発生した際に採取する。これらの器官から調製したゲノ
ムDNAのPCRアッセイを使用して、そこでのヒト細胞の存在または不在を決
定する。
【0075】 ゲノムDNAを、当該技術分野で一般に周知である方法に従ってマウス脾臓お
よび肝臓から調製する。例えば、J.Sambrookら,Molecular
Cloning:A Laboratory Manual(第2版,198
9);T.Maniatisら,Molecular Cloning:A L
aboratory Manual(1982);F.Ausubelら,Cu
rrent Protocols in Molecular Biology
(1987)を参照のこと。ゲノムDNAの調製のための例示的方法は、ここで
、簡単に記載される。切除した脾臓および肝臓を破砕し、そして得られる細胞を
PBSで洗浄する。次いで、細胞を、100mM NaCl、10mM Tri
s−HCl、pH 8.0、25mM EDTA、0.5%SDS、および0.
1mg/mlプロテイナーゼKを含む緩衝液に再懸濁し、そして37℃にて一晩
インキュベートする。次いで、得られるライセートを、フェノール/クロロホル
ム/イソアミルアルコールで2回抽出する。次いで、水相中のDNAを、エタノ
ールで沈殿させ、洗浄し、乾燥させ、そして10mM Tris−HCl、pH
8.0、1mM EDTAを含む緩衝液に再懸濁する。
【0076】 PCRは、ゲノムDNA試料中の選択された配列の存在を決定するために、当
該技術分野で周知である。以下の参考文献は、PCR methodology
:PCR Technology:Principles and Appli
cations for DNA Amplifications(H.Erl
ich編,Stockton Press,New York,1989);P
CR Protocols:A Guide to Methods and
Applications(Innisら編,Academic Press,
San Diego, Calif.,1990);米国特許第4,683,1
95号;同第4,683,202号;同第4,800,159号;同第4,96
5,188号を示す。簡単にいえば、PCR反応を、1.25mMのそれぞれの
4つのデオキシヌクレオチド三リン酸、0.72ユニットのThermus a
guaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、35〜70pmolの各プラ
イマー(20〜23ヌクレオチド長)、2μgゲノムDNA、および反応緩衝液
(50mM Tris−HCl、pH 8.3、3mM MgCl2、20mM
KCl、および0.5mg/mlのウシ血清アルブミンを含む)を含む10μ
l容量でガラスキャピラリーチューブ中で行う。増幅を、60サイクルのPCR
によってルーチンで行う。DNAの量および増幅のサイクル数のようなこれらの
パラメータの変更は、過度に実験を行うことなく当業者によって経験的に決定さ
れ得る。
【0077】 反応混合物を、キャピラリーチューブ中に封入し、次いでキャピラリーを、M
odel 1605 Air Thermocycler(Idaho Tec
hnology,Idaho Falls,Idaho)中に置く。アニーリン
グ温度、伸長時間、およびサイクル数のパラメータを選択する。アニーリング温
度を上昇させることは、PCR増幅反応の特異性を増加させ、そして非特異的産
物の量を減少させる。アニーリング温度を、式:Tm=4℃(プライマー中のG
残基およびC残基の数)+2℃(プライマー中のA残基およびT残基の数)に従
って熱融解温度から予測し得る。当業者は、公知の原理に従ってアニーリング温
度を最適化し得る。伸長時間は、増幅される産物のサイズに依存する。大ざっぱ
なやり方として、約4秒は、約100〜150bpの産物に十分であり、約8秒
は、約200〜300bpの産物に十分であり、そして約20秒は、約500b
pより大きい産物に十分である。伸長時間を増加させることは、非特異的産物の
増幅を生じ得る。
【0078】 増幅後、反応混合物を、キャピラリーから取り出し、等容量の停止溶液(95
%ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0
.05%キシレンシアノールFF)と混合し、そして凍結するかまたは95℃に
て5分間すぐに加熱するかのいずれかで貯蔵し、そしてアガロースゲル電気泳動
にかける。次いで、分画した産物を、エチジウムブロミド染色によって検出する
【0079】 脾臓および肝臓組織においてヒトおよびマウス細胞の相対量を決定する例示的
方法は、マウスβ−アクチンおよびヒトβ−アクチン特異的プライマーとの反応
からの増幅された産物の比較を包含する。例示的なマウスβ−アクチンプライマ
ーは、以下のとおりである: GTAACAATGC CATGTTCAAT (配列番号22) CTCCATCGTG GGCCGCTCTA G (配列番号23)
。 例示的なヒトβ−アクチンプライマーは、以下のとおりである: CTTAGTTGCG TTACACCCTT TC (配列番号24) GGGCCATTCT CCTTAGAGAG AAG (配列番号25)
【0080】 これまでの実験に基づいて、この実験の結果は、コントロールPEG−GFL
G−ADR組成物で処置したマウスのすべてが、特異的β−アクチンプライマー
でのPCR分析によってヒトおよびマウスの両方のDNAの存在を提示すること
を示すと予測される。さらに、ヒトT細胞白血病細胞の投与の120日以内に死
亡するPEG−TT13−ADR組成物で処置したマウスもまた、ヒトDNAの
存在を示す。しかし、ヒトT細胞白血病細胞の投与後120日間生存するPEG
−TT13−ADR組成物で処置したマウスは、ヒトDNAの存在を示さない。
これらの結果は、本発明に従うリガンドおよびサイトトキシン含有組成物が、投
与される動物においてT細胞を選択的に殺傷することを証明する。
【0081】 (実施例13) ヒトにおいてT細胞リンパ腫を処置する方法は、(a)リガンド(配列番号1
)またはその生物学的機能等価物のようなリガンド、ならびにアドリアマイシン
のようなサイトトキシンを含む、本発明に従う組成物を提供する工程であって、
その両方が、スペーサー(Gly−Phe−Leu−Gly;配列番号21)に
よってPEGのような水溶性ポリマーにカップリングされる、工程、および(b
)個体に有効量の組成物を全身投与する工程、を包含する。このような組成物は
、例えば、実施例1で上記のように、作製され得る。有効量の組成物は、組成物
が血流にはいり、そしてT細胞と接触するように個体に全身投与される。組成物
は、T細胞上のIL−2レセプターに結合し、そしてエンドサイトーシスによる
組成物のインターナライゼーションを刺激する。生分解性スペーサーは、細胞内
プロテアーゼによって切断され、アドリアマイシンを放出する。次いで、アドリ
アマイシンは、細胞においてDNAに介入することによって細胞を殺傷する。こ
の手順は、個体の身体において悪性T細胞の数を減少させ、それによって疾患の
処置においてポジティブな効果を有する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトH5B−2 T細胞に対する、本発明に従う組成物およびコ
ントロール組成物のインビトロ細胞傷害性活性を示す:(白四角)PEG−GF
LG−ADR(配列番号21);(白三角)PEG−TT13−ADR(配列番
号13);(白菱形)PEG−TT7−ADR(配列番号14);および結合し
ていないアドリアマイシン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C076 AA12 AA17 AA22 AA95 BB13 BB15 BB16 CC27 CC29 CC41 EE13A EE24A EE30A EE41A 4C084 AA03 AA19 BA44 DA14 NA13 ZB212 ZB262

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IL−2−レセプター保有細胞へ化学薬剤を細胞内送達する
    ための組成物であって、(a)水溶性生体適合性ポリマー、(b)該ポリマーに
    共有的に解離可能に結合した該化学薬剤、および(c)該ポリマーに共有結合し
    たIL−2−レセプター結合ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピーを包
    含する、組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物であって、該組成物が、P−[Ta
    −L−Sb−A]cおよび[A−Sbd−P−[Ta−L]cからなる群より選択さ
    れる式を有し、ここで、Lは、前記リガンドであり;Aは、前記化学薬剤であり
    ;SおよびTは、スペーサーであり、ここで、少なくともSは、生分解性であり
    ;Pは、該リガンドとの共有結合を形成することに適合可能な官能基を有する水
    溶性ポリマーであり;aおよびbは、0または1の整数であり;cは、少なくと
    も2の整数であり;そして、dは、少なくとも1の整数である、組成物。
  3. 【請求項3】 Pが、ポリアルキレンオキシドである、請求項2に記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の組成物であって、前記ポリアルキレンオキ
    シドが、α置換ポリアルキレンオキシド誘導体、ポリエチレングリココール(P
    EG)ホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、アルキルキャッ
    プしたポリエチレンオキシド、ビス−ポリエチレンオキシド、ポリ(アルキレン
    オキシド)のコポリマー、およびポリ(アルキレンオキシド)またはその活性化
    誘導体のブロックコポリマーからなる群より選択されるメンバーである、組成物
  5. 【請求項5】 前記ポリアルキレンオキシドが、約200〜約50,000
    の分子量を有する、請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリアルキレンオキシドが、約2,000〜約20,0
    00の分子量を有する、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ポリアルキレンオキシドが、約5,000の分子量を有
    する、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ポリアルキレンオキシドが、活性化ポリエチレングリコ
    ールである、請求項5に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ポリアルキレンオキシドが、ポリエチレンオキシドであ
    る、請求項5に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1お
    よびその生物学的機能等価物からなる群より選択されるメンバーである、請求項
    3に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1〜
    配列番号11からなる群より選択されるメンバーである、請求項10に記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】 前記化学薬剤が、サイトトキシン、トランスフォーミング
    核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、および薬物からなる群より選択される、請
    求項10に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記スペーサーが、ペプチドを含む、請求項12に記載の
    組成物。
  14. 【請求項14】 前記スペーサーが、Gly−Phe−Leu−Gly(配
    列番号21)を含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記化学薬剤が、アドリアマイシンである、請求項14に
    記載の組成物。
  16. 【請求項16】 他の水溶性ポリマー、リポソーム、および微粒子からなる
    群より選択されるキャリアをさらに含む、請求項12に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記キャリアが、デキストラン、イヌリン、改変εアミノ
    基を有するポリ(L−リジン)、ポリ(L−グルタミン酸)、およびN−置換メ
    タクリルアミド含有ポリマーからなる群より選択される水溶性ポリマーである、
    請求項16に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記IL−2−レセプター保有細胞が、活性化T細胞であ
    る、請求項1に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 細胞の異種集団において化学薬剤をインビトロでIL−2
    −レセプター保有細胞に送達する方法であって、 (a)(i)水溶性生体適合性ポリマー、(ii)該ポリマーに共有的に解離
    可能に結合した該化学薬剤、および(iii)該ポリマーに共有結合したIL−
    2−レセプター結合ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピー、を含む組成
    物を提供する工程;および (b)該リガンドが該IL−2−レセプター保有細胞上のIL−2レセプター
    に結合し、そして該組成物のエンドサイトーシスを誘起する条件下で、該細胞の
    集団を該組成物の有効量と接触させる工程、 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、前記組成物が、P−[
    a−L−Sb−A]cおよび[A−Sbd−P−[Ta−L]cからなる群より選
    択される式を有し、ここで、Lは、前記リガンドであり;Aは、前記化学薬剤で
    あり;SおよびTは、スペーサーであり、ここで、少なくともSは、生分解性で
    あり;Pは、該リガンドとの共有結合を形成することに適合可能な官能基を有す
    る水溶性ポリマーであり;aおよびbは、0または1の整数であり;cは、少な
    くとも2の整数であり;そして、dは、少なくとも1の整数である、方法。
  21. 【請求項21】 Pが、ポリアルキレンオキシドである、請求項20に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、前記ポリアルキレンオ
    キシドが、α置換ポリアルキレンオキシド誘導体、ポリエチレングリココール(
    PEG)ホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、アルキルキャ
    ップしたポリエチレンオキシド、ビス−ポリエチレンオキシド、ポリ(アルキレ
    ンオキシド)のコポリマー、およびポリ(アルキレンオキシド)またはその活性
    化誘導体のブロックコポリマーからなる群より選択されるメンバーである、方法
  23. 【請求項23】 前記ポリアルキレンオキシドが、約200〜約50,00
    0の分子量を有する、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ポリアルキレンオキシドが、約2,000〜約20,
    000の分子量を有する、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記ポリアルキレンオキシドが、約5,000の分子量を
    有する、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ポリアルキレンオキシドが、活性化ポリエチレングリ
    コールである、請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記ポリアルキレンオキシドが、ポリエチレンオキシドで
    ある、請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1お
    よびその生物学的機能等価物からなる群より選択されるメンバーである、請求項
    21に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1〜
    配列番号11からなる群より選択されるメンバーである、請求項28に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 前記化学薬剤が、サイトトキシン、トランスフォーミング
    核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、および薬物からなる群より選択される、請
    求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記スペーサーが、ペプチドを含む、請求項30に記載の
    方法。
  32. 【請求項32】 前記スペーサーが、Gly−Phe−Leu−Gly(配
    列番号21)を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記化学薬剤が、アドリアマイシンである、請求項32に
    記載の方法。
  34. 【請求項34】 他の水溶性ポリマー、リポソーム、および微粒子からなる
    群より選択されるキャリアをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記キャリアが、デキストラン、イヌリン、改変εアミノ
    基を有するポリ(L−リジン)、ポリ(L−グルタミン酸)、およびN−置換メ
    タクリルアミド含有ポリマーからなる群より選択される水溶性ポリマーである、
    請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記IL−2−レセプター保有細胞が、活性化T細胞であ
    る、請求項19に記載の方法。
  37. 【請求項37】 温血動物において化学薬剤をIL−2−レセプター保有細
    胞に細胞内送達する方法であって、 (a)(i)水溶性生体適合性ポリマー、(ii)該ポリマーに共有的に解離
    可能に結合した該化学薬剤、および(iii)該ポリマーに共有結合したIL−
    2−レセプター結合ペプチドを含むリガンドの少なくとも2コピー、を含む組成
    物を提供する工程;および (b)前記リガンドが該IL−2−レセプター保有細胞上のIL−2レセプタ
    ーに接触および結合し、そして該組成物のエンドサイトーシスを誘起する条件下
    で、該組成物の有効量を該温血動物に全身投与する工程、 を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の方法であって、前記組成物が、P−[
    a−L−Sb−A]cおよび[A−Sbd−P−[Ta−L]cからなる群より選
    択される式を有し、ここで、Lは、前記リガンドであり;Aは、前記化学薬剤で
    あり;SおよびTは、スペーサーであり、ここで、少なくともSは、生分解性で
    あり;Pは、該リガンドとの共有結合を形成することに適合可能な官能基を有す
    る水溶性ポリマーであり;aおよびbは、0または1の整数であり;cは、少な
    くとも2の整数であり;そして、dは、少なくとも1の整数である、方法。
  39. 【請求項39】 Pが、ポリアルキレンオキシドである、請求項38に記載
    の方法。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載の方法であって、前記ポリアルキレンオ
    キシドが、α置換ポリアルキレンオキシド誘導体、ポリエチレングリココール(
    PEG)ホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、アルキルキャ
    ップしたポリエチレンオキシド、ビス−ポリエチレンオキシド、ポリ(アルキレ
    ンオキシド)のコポリマー、およびポリ(アルキレンオキシド)またはその活性
    化誘導体のブロックコポリマーからなる群より選択されるメンバーである、方法
  41. 【請求項41】 前記ポリアルキレンオキシドが、約200〜約50,00
    0の分子量を有する、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記ポリアルキレンオキシドが、約2,000〜約20,
    000の分子量を有する、請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記ポリアルキレンオキシドが、約5,000の分子量を
    有する、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記ポリアルキレンオキシドが、活性化ポリエチレングリ
    コールである、請求項41に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記ポリアルキレンオキシドが、ポリエチレンオキシドで
    ある、請求項41に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1お
    よびその生物学的機能等価物からなる群より選択されるメンバーである、請求項
    39に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記IL−2−レセプター結合ペプチドが、配列番号1〜
    配列番号11からなる群より選択されるメンバーである、請求項46に記載の方
    法。
  48. 【請求項48】 前記化学薬剤が、サイトトキシン、トランスフォーミング
    核酸、遺伝子調節因子、標識、抗原、および薬物からなる群より選択される、請
    求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記スペーサーが、ペプチドを含む、請求項48に記載の
    方法。
  50. 【請求項50】 前記スペーサーが、Gly−Phe−Leu−Gly(配
    列番号21)を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記化学薬剤が、アドリアマイシンである、請求項50に
    記載の方法。
  52. 【請求項52】 他の水溶性ポリマー、リポソーム、および微粒子からなる
    群より選択されるキャリアをさらに含む、請求項48に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記キャリアが、デキストラン、イヌリン、改変εアミノ
    基を有するポリ(L−リジン)、ポリ(L−グルタミン酸)、およびN−置換メ
    タクリルアミド含有ポリマーからなる群より選択される水溶性ポリマーである、
    請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記IL−2−レセプター保有細胞が、活性化T細胞であ
    る、請求項37に記載の方法。
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