JP2003516171A - 外科器具用カッティング・ブレード - Google Patents

外科器具用カッティング・ブレード

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JP2003516171A
JP2003516171A JP2001505818A JP2001505818A JP2003516171A JP 2003516171 A JP2003516171 A JP 2003516171A JP 2001505818 A JP2001505818 A JP 2001505818A JP 2001505818 A JP2001505818 A JP 2001505818A JP 2003516171 A JP2003516171 A JP 2003516171A
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Abstract

(57)【要約】 外科器具用カッティング・ブレードであって、ダイヤモンドで形成された本体と、切れ刃（１６）と、カッティング・ブレードの本体に入るレーザ放射が焦点から離れるようにこのレーザ放射を屈折させる屈折手段（１２）とを含む、外科器具用カッティング・ブレード。カッティング・ブレードは、カッティング・ブレードに入るレーザ放射が屈折手段を通してブレードの切れ刃に向かって反射されるように位置決めされた、カッティング・ブレードの本体内に形成された略放物線形状を有する反射面（１４）も含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の背景） 本発明は、外科器具用カッティング・ブレードに関する。
【０００２】 眼科、耳鼻咽喉科、婦人科、皮膚科、および形成外科では、レーザの使用が十
分に確立されている。使用されるレーザのタイプは非常に多く、レーザと組織と
の所望の相互作用に応じた特定の外科手術手順に使用されるレーザのタイプによ
り様々である。
【０００３】 レーザ放射の適用を精密に制御し、かつ／または切開部に隣接する血液を凝固
させる手段を提供するために、可視、紫外、および近赤外レーザ光と外科用ブレ
ードとを組み合わせてきた。Ａｕｔｈ他の米国特許第４，１２６，１３６号は、
レーザ放射をブレードに移送する光ファイバ導波管に接続された、透明なメス用
ブレードについて述べている。この刃は合成サファイアで形成されることが好ま
しく、先細りになった切れ刃を通してレーザ放射を放出し、それによって血液を
光凝固する。Ｈｏｓｋｉｎｓの米国特許第４，６２７，４３５号は、光ファイバ
の束によってＮｄ：ＹＡＧ（ネオジム：イットリウム−アルミニウム−ガーネッ
ト）レーザに光学的に結合された、ダイヤモンド・ブレードで形成された外科用
メスについて開示している。ダイヤモンド・ブレードはレーザ放射により加熱さ
れて、切開を行うと同時に焼灼作用をもたらす。ダイヤモンド・ブレードは可視
レーザにも結合することができ、それによって、切開部位の視認性が高まるよう
に照明を行うことができる。
【０００４】 Ｄａｉｋｕｚｏｎｏの米国特許第４，６９３，２４４号は、Ｎｄ：ＹＡＧレー
ザからの放射を伝送するために石英光ファイバに結合された、人工サファイア・
ブレードについて述べている。このサファイア・ブレードは放射により加熱され
て、別の外科用ブレードで作られた切開部の血液を凝固する。Ｌｏｎｇ他の米国
特許第５，３２０，６２０号は、凝固用の鈍い光放出要素を備えたレーザ外科装
置について述べている。このブレードは、サファイア、シリカ、またはＹＡＧで
形成することができ、レーザのエネルギーを受け取るために光ファイバに結合さ
れる。ブレードは、放射を吸収してそのブレードを加熱するように、高融点材料
で被覆することができる。Ｊｏｎｅｓの米国特許第５，１９４，７１２号は、単
結晶ダイヤモンド刃具であって、その刃具の入射面および出射面に結合された反
射防止膜を備えたものについて述べており、それによって、レーザ光を効率的に
移送することができ、またはレーザ光を所望の切開部に伝達することができる。
【０００５】 ＣＯ2およびＮｄ：ＹＡＧを含めた種々のタイプの赤外レーザの中で、組織の
切除および切断という外科的な適用例に対してはＣＯ2レーザが最も広く使用さ
れている。電磁スペクトルの遠赤外領域におけるその位置により、ＣＯ2レーザ
は、石英、光ファイバあるいはシリカまたはサファイアのレンズを通して送出す
ることができないが、その理由は、これらの材料が１０ミクロンの波長の光を通
さずに赤外レーザ放射を吸収するからである。ＣＯ2レーザ光と共に、レンズと
してかつミラーとして一般的に使用される材料には、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、セレン化亜鉛、ゲルマニウムが含まれる。一般にＣＯ2レーザ光は、複雑
な関節システム内の一連のミラーを通るように送り出されるが、光はそのシステ
ム内部を通過して、ビームの焦点を非接触式の手法で標的位置に合わせることが
可能なレンズが入っているハンドピースへと送出される。
【０００６】 （発明の概要） 本発明によれば、 ダイヤモンドで形成された本体と、 切れ刃と、 切れ刃から離れた位置に設けられた屈折手段であって、それを通して、カッテ
ィング・ブレードの本体に入るレーザ放射が焦点から離れるように屈折される手
段と を含む、外科器具用カッティング・ブレードが提供される。
【０００７】 カッティング・ブレードは、カッティング・ブレードの本体内に形成された反
射面であって、屈折手段を通して、カッティング・ブレードに入るレーザ放射を
ブレードの切れ刃に向かって反射するよう位置決めされた反射面を含むことがで
きる。
【０００８】 反射面は、全内反射によってレーザ放射を反射することが好ましい。
【０００９】 典型的な場合、反射面は、その断面が略放物線形状である。
【００１０】 反射面の放物線形状は、屈折手段の焦線とほぼ共通の焦線を有することが理想
的である。
【００１１】 略放物線形状の反射面は、曲線状の配列に互いに隣接して配置された一連の平
面セクションによって、形成することができる。
【００１２】 レーザ放射は一般に赤外レーザ放射であり、より具体的にはＣＯ2レーザから
放出された放射である。
【００１３】 屈折手段は光学レンズであることが都合良い。
【００１４】 本発明の好ましい実施形態では、光学レンズは、ブレード本体の面に形成され
た円筒状凹面を含むことができる。
【００１５】 カッティング・ブレードの切れ刃は、２つの面間の刃先角が約６０度かまたは
それ以下、好ましくは３６度である２つの面間のエッジに沿って形成することが
できる。
【００１６】 本発明によれば、上述のカッティング・ブレードを組み込んだ外科用ブレード
も提供される。
【００１７】 本発明の様々な実施形態について、添付図面を参照する本明細書の以下の節で
詳細に記述する。しかし、これらの図面は本発明をどのように実施することがで
きるかという単なる例示であり、したがって、図示される特徴の特定の形および
配置は本発明を限定しないものと理解される。
【００１８】 （様々な実施形態の説明） 上記本発明の背景で述べたように、外科的な適用例、特に焼灼に関わる適用例
では、ＣＯ2レーザが、他のタイプのレーザに比べて組織損傷および血液損失が
少ないというその利点により周知である。
【００１９】 本発明の目的は、外科器具用カッティング・ブレードを提供することである。
カッティング・ブレードは、ブレードの切れ刃に沿ってレーザ放射の一様な分布
が実現され、それによってその切れ刃の長さ全体にわたって焼灼作用が実現され
るように、光学的に設計されたダイヤモンドで形成される。特に、最も深い切開
部が形成された場所では、カッティング・ブレードの先端の焼灼作用を最大限に
することが重要である。
【００２０】 ダイヤモンドは透明で非吸湿性および無毒性であり、鋭利なエッジを実現する
ことが可能なその硬度および鋭さにより、カッティング・ブレード用材料として
適している。
【００２１】 本発明の２つの実施形態を添付図面に示す。
【００２２】 本発明の第１の実施形態（図１に示す）では、研磨された裏面１２を有する凹
面円柱レンズ１０を通り、外科用ブレードの中心からずれた位置に、レーザ・ビ
ームが入る。
【００２３】 レンズは、レーザ放射があたかも円柱レンズの焦線から出て来るように、レー
ザ放射を屈折させる。外科用ブレードの本体は、レーザ放射がその内部を自由に
通過することが可能なダイヤモンドで形成される。
【００２４】 図１を参照すると、断面において、外科用ブレードは、ブレードの切れ刃１６
の反対側に放物面１４を有する。放物面の焦線は、円柱レンズの焦線と一致する
。外科用ブレード本体内の放物面および円柱レンズの構成は、円柱レンズを通し
て本体に入るレーザ放射が、法線に対して２４度を超える角度で放物面に衝突す
るように構成されている。この角度であることが非常に重要であるが、その理由
は、所望の範囲内であると放射の全内反射が生じ、外科用ブレードの放物面から
放射が全く生じないからである。放物面の焦点が円柱レンズの焦点と一致する場
合、この円柱レンズを通して外科用ブレード本体に入るレーザ放射は、図２に示
すように、放射面で反射して外科用ブレードの切れ刃に向かう。
【００２５】 放物線状の形を有する面を製造する際の問題点を克服するため、いくつかの平
面セクションまたはファセットによってほぼ放物面の形状に近似させる。図２を
参照すると、本発明のこの実施形態では、４つの真っ直ぐなファセット１８、２
０、２２、２４を使用して放物線形状に近似させていることがわかる。このよう
に放物面に近似させると、外科用ブレードから切れ刃へと近付く放射密度にある
程度の不均一性が生じることが理解されよう。少なくとも３個またはそれ以上の
ファセットを使用して放物面に近似させると、放射密度のばらつきが許容される
限度内になることが見出された。
【００２６】 図１に示す本発明の実施形態の別の特徴は、ブレードの切れ刃の刃先角２６が
６０度かまたはそれ以下であることであり、２５〜３６度がブレードの切れ刃と
して好ましい角度である。この角度が３９度から５７度の間である場合、反射さ
れたレーザ放射は切れ刃の面またはファセットで内部に反射することになり、そ
の結果、放射は、そのほとんどが全内反射によってもとの外科用ブレード本体内
に反射されるので、たとえ放射があるとしてもごくわずかしかファセットを通し
て放出されない。
【００２７】 添付図面の図３に示す本発明の第２の実施形態では、円柱レンズ３２と外科用
ブレードの放物面３４との間の光路内に鏡面３０が置かれている。この鏡面また
は反射面の作用によって、レーザ放射源を、外科用ブレードの切れ刃に対してあ
る角度に向けることが可能になる。図１および図２に示す本発明の第１の実施形
態では、レーザ放射源を、ブレードの切れ刃とほぼ直交する関係になるよう配置
した。本発明のこの第２の実施形態には、上述の第１の実施形態に勝る２つの利
点がある。その利点とは以下の通りである。 １．外科用ブレードの切れ刃は、上部に外科用ブレードが取り付けられる切断
器具の本体に対して、ある角度で配置される。この配置であると、外科医は、例
えば刃の柄を切開部および／または組織の側面に接触させることなく体腔内部を
切ることが可能になるので、人間工学的な利点を有するものである。 ２．より幅の狭いダイヤモンドの使用が可能になり、したがって外科用ブレー
ドの製造コストが削減される。この効果は、図４に最も良く記述されている。同
じ幅の切り刃４０では、光が放物線のより平らな部分４８で反射する場合のブレ
ードの幅４６よりも、狭いブレード４２を、光が放物線４４のより急な勾配の部
分で反射する場合に使用することができる。この効果を実現するために放物線を
より急な勾配に作製することができ、またはこの面に対する光の入射角を調整す
ることができる。この第２の選択肢は、図３からわかるように、鏡面を使用する
場合に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図１Ａ】 本発明による外科用ブレードの第１の実施形態を示す側面図である。
【図１Ｂ】 図１ａに示す外科用ブレードの上面図である。
【図１Ｃ】 図１ａに示す外科用ブレードの左端面図である。
【図１Ｄ】 図１ｂに示す外科用ブレードの右端面図である。
【図２】 図１ａ〜１ｄに示す外科用ブレードを通る光の通路を示す線図である。
【図３】 本発明の第２の実施形態を通る光の通路を示す線図である。
【図４】 本発明の第２の実施形態の利点の１つを示すグラフである。この利点について
は上記様々な実施形態の説明の中で詳細に述べた。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１３年８月２日（２００１．８．２）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 4C026 AA02 AA03 BB02 FF22 FF33 FF38 4C060 FF03 FF05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ダイヤモンドで形成された本体と、 切れ刃と、 切れ刃から離れた位置に設けられた屈折手段であって、それを通して、カッテ
    ィング・ブレードの本体に入るレーザ放射が焦点から離れるように屈折される屈
    折手段と を含む外科器具用カッティング・ブレード。
  2. 【請求項２】 カッティング・ブレードの本体内に形成された反射面であっ
    て、カッティング・ブレードに入るレーザ放射が屈折手段を通してブレードの切
    れ刃に向かって反射するように位置付けられた反射面を備えている請求項１に記
    載のカッティング・ブレード。
  3. 【請求項３】 反射面が、全内反射によってレーザ放射を反射する請求項２
    に記載のカッティング・ブレード。
  4. 【請求項４】 反射面の断面が略放物線形状である請求項２または請求項３
    に記載のカッティング・ブレード。
  5. 【請求項５】 反射面の放物線形状が、屈折手段の焦線と概して共通する焦
    線を有する請求項４に記載のカッティング・ブレード。
  6. 【請求項６】 略放物線形状の反射面が、曲線状の配列に互いに隣接して配
    置された一連の平面セクションによって形成される、請求項４または請求項５に
    記載のカッティング・ブレード。
  7. 【請求項７】 レーザ放射が赤外レーザ放射である前記請求項のいずれか一
    項に記載のカッティング・ブレード。
  8. 【請求項８】 赤外レーザ放射が、ＣＯ2レーザから放出される放射である
    請求項７に記載のカッティング・ブレード。
  9. 【請求項９】 屈折手段が光学レンズである前記請求項のいずれか一項に記
    載のカッティング・ブレード。
  10. 【請求項１０】 光学レンズが、ブレードの本体の面に形成された円筒状凹
    面を含む前記請求項のいずれか一項に記載のカッティング・ブレード。
  11. 【請求項１１】 カッティング・ブレードの切れ刃が、２つの面間の刃先角
    が６０度またはそれ以下である当該２つの面間のエッジに沿って形成されている
    前記請求項のいずれか一項に記載のカッティング・ブレード。
  12. 【請求項１２】 カッティング・ブレードの切れ刃が、２５から３６度の範
    囲内の刃先角を有する２つの面間のエッジに沿って形成されている請求項１１に
    記載のカッティング・ブレード。
  13. 【請求項１３】 前記請求項のいずれか一項に記載のカッティング・ブレー
    ドを組み込んだ外科用ブレード。
JP2001505818A 1999-06-29 2000-06-29 外科器具用カッティング・ブレード Withdrawn JP2003516171A (ja)

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