JP2003516169A - 誘導多孔性シリコン - Google Patents

誘導多孔性シリコン

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キヤナム,リー・トレバー
バレツト,クリストフアー・ポール
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Abstract

(57)【要約】 誘導多孔性シリコンを含んでなる生体材料を記載する。多孔性シリコンの誘導は、その安定性を増大させることがわかった。多孔性シリコンは、好ましくは、シリコンの酸化を含まない技術、例えば、ヒドロシリル化によって誘導する。誘導多孔性シリコンは、曝気水中で好ましくは少なくとも2時間の沸騰に対して安定である。誘導多孔性シリコンは、好ましくは、KOHの曝気塩基性水溶液(pH10)およびEtOH25%/KOH水溶液(pH10)75%の溶液中で1時間の沸騰に対して少なくとも実質的に安定である。擬似ヒト血漿中での誘導多孔性シリコンの腐食率は、非誘導多孔性シリコンより少なくとも2桁低い率である。誘導多孔性シリコンの多孔度は、好ましくは少なくとも5%である。誘導多孔性シリコンを含んでなる装置も記載する。これらには、免疫分離装置、生体電池装置、および光学装置が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、誘導多孔性シリコン、誘導多孔性シリコンを含んでなる生体材料、
およびこうした生体材料の用途に関する。
【0002】 本明細書では、生体材料は、ヒトまたは動物の生体内または表面で用いられる
非生物材料と定義する。それは、導入される生物学的環境と相互作用するもので
ある。こうした生体材料は、ヒトまたは動物の生体組織との相互作用によって、
生体不活性、生体活性または分解性であり得る。チタンなどの比較的生体不活性
な生体材料は、周囲の組織によって受ける腐食および繊維被膜化が最小である。
Bioglass(RTM)などの生体活性な生体材料は腐食を受け、その結果
、その表面での組織増殖が促進される。ポリアクチドなどの分解性生体材料は、
一定期間にわたって、体内で完全に溶解するために十分な継続的腐食を受ける。
【0003】 程度は異なるが、大部分の生体用装置および構造(すなわち、ヒトまたは動物
の生体内または表面で使用する装置および構造)の実際の存続能力は、それらを
構成する生体材料の安定性、および生体材料表面と装置が配置される体の生物学
的環境の間の相互作用などの問題点に依存する。一部の用途(例えば、再建的補
綴、創傷治癒、バイオチップの組込み、薬物送達)には、生体材料の腐食は、望
ましい。望ましい腐食の程度は、特定の用途に依存するが、多くの場合、生体材
料がその環境内で実質的に安定である、すなわち、腐食が長い期間にわたって起
こることが望ましい。その他の用途(例えば、バイオセンシング、生体濾過、神
経インタフェース接合)には、生体材料とその環境の間に安定な界面が必要であ
り、すなわち、生体材料の腐食がほとんどないか、好ましくは全くないことが望
ましい。特に、生体濾過用途については、生体材料が多孔性であることも求めら
れ、実際、多くの場合、非常に多孔性である。材料がより多孔性に造られると、
多くの場合、その安定性が低下し得るので、安定性と多孔性の要求は、多くの場
合、矛盾する。
【0004】 シリコンは、生体非適合性であることがわかっているため、実施可能な生体材
料とは長年考えられていなかった。異なるレベルの多孔度をシリコンに導入する
ことによって、その生体適合性を増大させることができることが、最近、証明さ
れた。とはいえ、一部の生物学的環境において生体適合性である多孔性シリコン
が、ヒトまたは動物の生体またはそれらの擬態において安定であることはわかっ
ていない。腐食が、数日、または数時間で発生することさえある。しかし、上述
したように、生体材料の安定性、または少なくとも実質的な安定性が望まれる多
くの用途が存在する。
【0005】 本発明の第一の側面に従って、生体材料として用いるための誘導多孔性シリコ
ンを提供する。
【0006】 本発明の第二の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる生体材料を提
供する。
【0007】 本発明の第三の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる生体用装置を
提供する。
【0008】 疑いなく、誘導多孔性シリコンは、表面の少なくとも一部に共有結合した実質
的単分子層を有する多孔性シリコンと考えることができる。多孔性シリコンの表
面は、孔の表面を含む。よく知られているように、多孔性シリコンの表面は、陽
極処理、ステインエッチング、またはHF系溶液中での光化学的エッチングによ
って多孔性化されてきた。このように加工された多孔性シリコンは、0.1%よ
り大きい、さらに典型的には1%より大きい多孔度を有する。
【0009】 多孔性シリコンの誘導は、その安定性を増大させることがわかった。
【0010】 本発明の第四の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる生体濾過装置
を提供する。
【0011】 生体濾過装置は、ヒトまたは動物の体内または表面上での操作に適合し得る。
生体濾過装置は、インビトロでの使用にも適合し得る。生体濾過装置は、一つ以
上の誘導多孔性シリコンフィルタを具備することができる。その、または各々の
、または一部のフィルタは、好ましくは、モレキュラーシーブとしての役割を果
たす。好ましくは、これらは、一部の分子、例えば、栄養分および廃棄物は通過
させるが、その他の分子、例えば、マクロファージおよび免疫グロブリン分子な
どの免疫系の成分の通過は防止する。好ましくは、その、または各々の、または
一部のフィルタの孔径が、それらを通過する分子を定める。その、または各々の
、または一部のフィルタの孔の直径は、15〜50nmの範囲内にあることがで
きる。その、または各々の、または一部のフィルタは、数μmの厚さを有するこ
とができる。その、または各々の、または一部のフィルタの多孔度は、好ましく
は少なくとも5%であり、10%または15%もしくはそれ以上であることも可
能である。
【0012】 生体濾過装置は、多要素装置の一部を形成することもできる。多要素装置は、
ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合し得る。多要素装置が、バイオ
センサであってもよい。バイオセンサは、ヒトまたは動物の体内または表面での
操作に適合し得る。バイオセンサは、体の一つ以上の生理機能をモニターするこ
とができる。バイオセンサは、一つ以上の体液の一つ以上の側面をモニターする
ことができる。バイオセンサは、体内のグルコースレベル、および/またはリチ
ウムイオンレベル、および/またはカリウムおよび/またはアルコールレベルを
モニターすることができる。
【0013】 本発明の第四の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる免疫分離装置
を提供する。免疫分離装置は、ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合
し得る。免疫分離装置は、インビトロでの使用にも適合し得る。免疫分離装置は
、好ましくは500μm以下の厚さのシリコンカプセルを包含することができる
。免疫分離装置、および好ましくはそのカプセルは、一つ以上の誘導多孔性シリ
コンフィルタを具備する。誘導多孔性シリコンが、誘導メソ細孔性シリコンであ
ってもよい。その、または各々の、または一部のフィルタは、好ましくは、少な
くとも一部の免疫系の分子を装置から排除する。こうした分子は、例えば、マク
ロファージおよび免疫グロブリン分子であろう。その、または各々の、または一
部のフィルタは、好ましくは、非免疫系分子を装置内、外に割当てる。こうした
分子は、例えば、栄養分および廃棄物であろう。好ましくは、その、または各々
の、または一部のフィルタの孔径が、それらを通過する分子を定める。好ましく
は、その、または各々の、または一部のフィルタの孔の直径は、15〜50nm
の範囲内にある。その、または各々の、または一部のフィルタは、カプセルの一
つ以上の部分を陽極処理することによって製造することができる。その、または
各々の、または一部のフィルタは、数μmの厚さを有することができる。その、
または各々の、または一部のフィルタの多孔度は、好ましくは少なくとも5%で
あり、10%または15%もしくはそれ以上であることも可能である。
【0014】 細胞を装置内に配置してそれらを免疫系の成分から分離することもできるし、
その、または各々の、または一部の誘導多孔性シリコンフィルタの内部表面上で
細胞を培養することもできる。こうした細胞は、インスリン分泌性細胞(ランゲ
ルハンス島)、筋萎縮性側索硬化症の治療のための毛様神経向性因子を放出する
ベビーハムスター肝臓細胞、難治性疼痛の治療のためのウシ副腎クロム親和性細
胞であってもよい。この場合、その、または各々の、または一部のフィルタの孔
径は、好ましくは、細胞のための栄養分を装置内に拡散させ、廃棄物およびイン
スリンを装置外に拡散させるために十分大きいが、すべての細胞および免疫系の
特定のタンパク質を装置から排除するようなサイズ分布を有する。
【0015】 本発明の第五の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる電池装置を提
供する。
【0016】 電池装置は、ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合し得る。電池装
置は、インビトロでの使用にも適合し得る。電池装置は、電源を具備することが
できる。その電源は、光を発する発光生物を一つ以上含むことができる。その、
または各々の、または一部の生物は、緑色蛍光タンパク質(GFP)で遺伝子改
良された微生物であってもよい。これは、好ましくは、高収率(50%より高い
)、およびCMOSトランジスタを作動させるために十分高い電力を実現する。
その、または各々の、または一部の生物は、ATP、Mg2+、酸素およびルシ
フェリンの存在のもとで、560nm光を発生するルシフェラーゼ酵素を有する
ことができる。好ましくは、グルコースなどの栄養分を含有する体液は、生物に
対して継続的なエネルギーを提供する。電池装置は、p−n接合、またはp−i
−n接合などの光検出器を一つ以上具備することができる。これらは、その、ま
たは各々の、または一部の生物によって発生した光を電力に変換することができ
る。その、または各々の、または一部の光検出器を一つ以上の鏡と共に用いて、
光捕集率を向上させることができる。
【0017】 電源は、電気化学的電源であることができる。これは、少なくとも一対の電極
を具備する。電気は、電極への、および電極からの電子移動によって発生し得る
。その、または各々の対の電極は、異なる金属、例えば、アルミニウムおよび銀
を含んでなる。こうした電源は、好ましくは、少なくとも0.8V発電する。そ
の、または各々の対の電極に、一方の電極に結合した酵素を備え付けることがで
きる。この酵素は、グルコースオキシダーゼであってもよい。好ましくは、グル
コースオキシダーゼと反応して、過酸化水素を生成し、次に、もう一方の電極と
反応して、電極間の電子移動を生じる電池にグルコースを供給する。こうした電
源は、好ましくは少なくとも2V発電する。
【0018】 電池装置は、シリコン箱を包含することができる。電池装置、および好ましく
は箱に一つ以上の誘導多孔性シリコンフィルターを設けることができる。誘導多
孔性シリコンは、誘導メソ細孔性シリコンであってもよい。その、または各々の
、または一部のフィルタは、好ましくは、電源に有害な物質を電池装置から排除
する。こうした物質には、免疫系、タンパク質および酵素の分子が挙げられる。
その、または各々の、または一部のフィルタは、好ましくは、電源に有益な物質
を電池装置に入れる。こうした物質には、グルコースおよび水などの栄養分、お
よび廃棄物が挙げられる。その、または各々の、または一部のフィルタは、好ま
しくは、電源によって生成される物質を電池装置から排出することができる。こ
うした物質には、廃棄物が挙げれられる。好ましくは、その、または各々の、ま
たは一部のフィルタの孔径が、それらを通過する物質を定める。好ましくは、そ
の、または各々の、または一部のフィルタの孔の直径は、15〜50nmの範囲
内にある。その、または各々の、または一部のフィルタは、電池装置、好ましく
はシリコン箱の一つ以上の部分を陽極処理することによって製造することができ
る。その、または各々の、または一部のフィルタは、数μmの厚さを有すること
ができる。その、または各々の、または一部のフィルタの多孔度は、好ましくは
少なくとも5%であり、10%または15%もしくはそれ以上であることも可能
である。
【0019】 電池装置は、電力を一つ以上の装置に供給することができる。これらの装置は
、ヒトまたは動物の体内または表面、またはインビトロでの使用に適合し得る。
電池装置とそのまたは各々の装置との間に電気的接続を設けることができる。そ
の、または各々の、または一部の装置は、ミクロ液体薬物送達装置、バイオセン
サ、神経刺激装置、同定/標識付け装置であり得る。
【0020】 本発明の第六の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる光学装置を提
供する。
【0021】 レーザー、および一般に光学機器は、健康管理における非侵襲的/最小侵襲的
な診断上および治療上の処置のどちらにもますます利用されている。よく知られ
ている例には、血液酸素付加レベルをモニターするためのパルス酸素測定、癌検
出のための内視鏡蛍光撮像、光力学療法(PDT)、グルコースモニターのため
の非侵襲的分光学アプローチなどが挙げられる。すべての光学的診断技術に伴う
有意な問題点は、用いられる光源からの光がインビボで検出前に移動する路長の
定量/調節である。PDTなどの技術に伴う有意な問題点は、治療すべき癌部位
周囲の健康な組織に対する損傷を最小化することである。両方の問題が、組織の
非均質で非常にばらつきのある光学的特性から生じる。
【0022】 この装置は、ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合し得る。この装
置は、インビトロでの使用にも適合し得る。この装置は、光源と共に用いること
に適合し得る。この装置は、好ましくは、光源からの光の路長を調節する。これ
は、体内に装置を戦略的に配置することよって達成することができる。
【0023】 光学装置は、高い、好ましくは95%より高い反射率構造を具備することがで
きる。光学装置は、多層鏡を具備することができる。多層鏡は、第一多孔度およ
び第一屈折率を有する誘導多孔性シリコン材料、および第二多孔度および第一屈
折率より高い第二屈折率を有する誘導多孔性シリコン材料の交互層の積層体から
成ることができる。多孔度は、屈折率に反比例し得る。第一多孔度は、約40%
の値を有することができ、且つ、第二多孔度は、約90%の値を有することがで
きる。第一多孔度は、約50%の値を有することができ、且つ、第二多孔度は、
約71%の値を有することができる。シリコン材料の層は、好ましくは、それら
に入射する光の波長の約1/4倍の厚さを有する。層の厚さは、好ましくは50
〜1000nm領域にある。層に入射する光が青色領域の可視スペクトルである
、すなわち約400nmの波長を有する場合、層の厚さは、好ましくは約100
nmである。光が近赤外スペクトルである、すなわち約2μmの波長を有する場
合、層の厚さは、好ましくは約500nmである。鏡に入射する光が、可視また
は近赤外スペクトルである時、層の屈折率は、好ましくは1.3〜3.5領域に
ある。鏡の反射率は、好ましくは、それらに入射する光の一つまたは複数の波長
に対応する単一の波長または波長範囲において高い(例えば、95%を越える)
。これは、鏡の拒絶帯と呼ばれる。拒絶帯の波長の位置および幅は、好ましくは
、鏡積層体の設計によって、用いられるシリコン材料の多孔性、層の数および厚
さなどの特徴によって調節する。拒絶帯の中心波長(ブラッグ波長、λBrag として知られる)は、
【0024】
【化1】 (式中、mは、ブラッグ条件の位数であり、dは、層厚を指し、nは、屈折率を
指し、下付き数字1および2は、第一および第二屈折率を指す)によって与えら
れる。層の屈折率は、鏡の拒絶帯が700〜1000nm領域にあるように選択
することができる。これは、生体組織が「光ウインドウ」を有するスペクトル領
域である。非常に高い、好ましくは95%より高いレベルの反射率を好ましくは
達成する。こうした光学装置における誘導多孔性シリコンの使用は、既知装置と
比べてそれらの安定性を改善し、インビトロにおける、またはヒトまたは動物の
生体内または表面におけるそれらの寿命を延長させる手立てをもたらす。例えば
、非誘導多孔性シリコン多層鏡が、数日で擬似ヒト血漿(SHP)に溶解するの
に対して、誘導鏡は、数週間または数ヶ月の期間、SHP中で安定であることが
できる。体内で用いる時、光学装置は、好ましくは最終的に体内で分解し得る。
もう必要がなくなった時に外科的に除去する必要がなく、永久埋込み型装置に関
連する問題は回避される。
【0025】 光学装置は、好ましくは、少なくとも実質的に疎水性である。これは、水性液
、例えば、体液による装置の湿潤を制限し、さもなければ体液が装置に浸透して
、特に内部からの装置を腐食させることとなる。そういうわけで、疎水性装置の
一切の腐食に対して表面腐食が優位を占める。
【0026】 鏡の反射率は、その鏡における層の数に依存し得る。しかし、反射率は、一般
に、層の数に伴って直線的に増大するのではなく、例えば、飽和層と呼ばれる一
定数の層、例えば10層の後には飽和、すなわち最大値に達する。この数の上に
さらに層を追加しても、反射率は有意には増大しない。鏡は、反射率の飽和に求
められる層の数より多い多数層を含むことができる。鏡に入射する光は、飽和層
と相互作用するであろう。これらの下の層は、最初は「余分な」層であり、鏡の
反射に有意には寄与しないであろう。表面腐食が鏡の腐食に優位を占める時、そ
れらの層が腐食され、取り除かれるので、少なくとも最初は、鏡の反射率は、有
意には影響を受けないであろう。これは、層が腐食によって除去されると、以前
には余分であった層が飽和層の一つとなることによって、これらの層の数を維持
するためである。層の数が飽和に求められる数より少なくなるまで、これは続き
、その後、鏡の反射が低下しはじめる。飽和に求められる層の数と比べて多い数
の余分な層を造ることによって、鏡がほとんど腐食除去されるまで、最大反射率
を維持することができる。腐食率がわかっている場合、余分な層の数を選択して
、鏡が操作を求められる期間を通して、鏡の反射率を確実に最大に維持する。再
吸収前のインビトロ、またはヒトまたは動物の生体内または表面での鏡の存続時
間は、鏡における層の数によって変えることができる。
【0027】 光学装置は、インビトロ、またはヒトまたは動物の生体内または表面におい
て骨に結合することができる。これは、誘導多孔性シリコンの骨結合能力のため
であろう。生体内で用いられる時、光学装置は、骨上、好ましくは皮膚近くに配
置することができる。光学装置は、皮下部位に配置することもできる。光学装置
は、内視鏡と共に用いることができる。侵襲的診療用途には、光学装置は、より
大きな光学空洞装置またはミクロ光学台の一部を形成することができる。
【0028】 本発明の第七の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる心臓血管用装
置を提供する。
【0029】 心臓血管用装置は、ヒトまたは動物の生体内または表面、またはインビトロで
の操作に適合し得る。この装置は、血液と直接的、および可能的には持続的に結
合させることができる。このような場合、好ましくは、誘導多孔性シリコンは、
血液適合性であり、また好ましくは、それらの表面は、その上での凝固および/
またはカルシウム沈着を回避するように改造する。非誘導バルクシリコンは、血
液凝固時間の研究からトロンボゲン形成性であることが知られている。
【0030】 誘導多孔性シリコンは、好ましくは、その表面に結合した有機基を一つ以上有
する。有機基は、親水性ポリマー基、例えばポリエチレンオキシド、および/ま
たは疎水性ポリマー基、例えばポリウレタンを包含することができる。ポリマー
基は、極性リン脂質基を包含することができる。こうした有機基は、生理学的条
件で、酸化珪素、非誘導多孔性シリコンの通常の表面成分より良好な血液適合性
をもたらすことが知られている。ヘパリン、アルブミン、ホスホリルコリンまた
はその他の生物製剤などの物質に結合する能力のために有機基を選択することも
できる。宿主細胞の異常増殖、例えば、内皮細胞(血管の内部表面に沿って並ぶ
細胞)の異常増殖を促進する能力のために有機基を選択することもできる。誘導
多孔性シリコンは、好ましくは、抗カルシウム沈着剤を包埋することができる高
い比表面積のマトリックスを有する。誘導多孔性シリコンの使用は、カルシウム
沈着を促進する要因であることが知られている腐食を最小化する。
【0031】 本発明の第八の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる微小電極装置
を提供する。
【0032】 微小電極装置は、ヒトまたは動物の生体内または表面、またはインビトロでの
操作に適合し得る。市販の生体用微小電極装置は、多くの場合、多孔性コーティ
ングを用いて、組織の組込みを改善し、その結果、より低い界面インピーダンス
を改良する。しかし、こうした多孔性コーティングは、伝導性を残し、電気バイ
アス下にある時、卓越し耐侵食性を有さなければならない。非誘導多孔性シリコ
ン微小電極は、pH7より高い大部分の生理学的条件、例えば、軟組織、骨、筋
肉および血液中で有意な腐食を受ける。正の表面電荷に対応する電気バイアスを
電極に印可すると、この劣化は加速するだろう。インピーダンスは、時間と共に
上昇し、交流ドリフトも許容し難くなるだろう。微小電極装置の製造に誘導多孔
性シリコンを用いることによって、これらの問題を緩和しようと努める。
【0033】 本発明の第九の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる創傷治癒装置
を提供する。
【0034】 創傷治癒装置は、ヒトまたは動物の生体内または表面、またはインビトロでの
操作に適合し得る。創傷治癒装置は、誘導多孔性シリコン微小マジックテープ(
microvelcro)を包含し得る。こうした装置は、多孔性であり、さら
に、インビトロおよびヒトまたは動物の生体内または表面において、少なくとも
実質的に安定である。この装置は、例えば、抗生物質および/または銀などの生
体活性剤を一つ以上含浸させることができる。
【0035】 本発明の第十の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる放射線治療装
置を提供する。
【0036】 放射線治療は、癌の有効な治療法である。ガラスマイクロスフェアは、体内放
射線照射のために開発された。放射性物質を、体液中での腐食率が非常に低いに
違いないガラス内に包埋して、隣接器官への照射線照射量が確実に最小であるよ
うにする。放射線治療装置の製造に誘導多孔性シリコンを使用することによって
、インビトロ、またはヒトまたは動物の生体内または表面におけるそれらの良好
な安定性が確保される。誘導多孔性シリコンは、多様な形にミクロ機械加工する
ことができるので、この装置は、取り付ける予定の生理的部位、例えば骨の腫瘍
の形に合うように成形することができる。
【0037】 本発明の第十一の側面に従って、誘導多孔性シリコンを含んでなる薬物送達装
置を提供する。
【0038】 薬物送達装置は、ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合し得る。
誘導多孔性シリコンを用いることによって、実質的に、この装置の安定性は、存
在する装置全体にわたって改善され、好ましくは、薬物の有効搭載量が改善され
る。この装置は、非常に長期間(すなわち、長い月数〜年数)にわたる送達が可
能である。誘導は、好ましくは、一定範囲の治療成分および/または低分子量の
薬物分子を誘導多孔性シリコンの内部表面に共有結合する手段も提供する。好ま
しくは、安定性が改善された装置は、薬物送達の電気的調節に役立つ。誘導多孔
性シリコンは、その表面に結合した官能基を一つ以上含むことができる。これら
は、好ましくは、基礎をなすシリコンを腐食から保護する。これらは、最終的に
は、分解することができ、例えば、生理学的条件のもとで再吸収性である。これ
らは、好ましくは、非毒性生成物に分解する。これらは、長期にわたる加水分解
の後、COと水に分解することができる再吸収性ポリマーであり得る。
【0039】 誘導多孔性シリコンは、好ましくは、シリコンの酸化を含まない技術によって
誘導される。この技術によって、Si−R末端(この場合、Rは、Si−C結合
によってシリコンに結合した一つ以上の官能基である)を有する誘導多孔性シリ
コンを生じることができる。こうした技術の使用には、多くの利点がある。誘導
多孔性シリコンは、非誘導多孔性シリコンより安定である。Si−C結合によっ
てシリコンの末端は、シリコンの酸化、すなわち、その表面におけるSi−O 結合の形成を防止する。このことによって、材料、絶縁体である酸化珪素の半導
体特性が維持される。
【0040】 多孔性シリコンは、好ましくは、ヒドロシリル化、さらに好ましくはルイス酸
媒介ヒドロシリル化によって誘導される。ルイス酸は、EtAlClであり得
る。ヒドロシリル化には、好ましくは、多孔性シリコンの表面に結合するビニル
およびまたはアルキル基を生じるアルキンおよび/またはアルケンのヒドロシリ
ル化による多孔性シリコンの表面の共有結合修飾が好ましくは含まれる。
【0041】 好ましくは、誘導は、酸化条件のもとでの多孔性シリコンの安定性を改善する
。誘導多孔性シリコンは、曝気水中での好ましくは少なくとも2時間の沸騰に安
定である。非変性(すなわち、非誘導)多孔性シリコンは、沸騰水中で1時間後
には実質的な酸化および分解を被る。誘導多孔性シリコンは、好ましくは、KO
Hの曝気塩基性水溶液(pH10)およびEtOH25%/KOH水溶液(pH
10)75%の溶液中での1時間の沸騰に少なくとも実質的に安定である。非変
性多孔性シリコンは、これらの条件のもとで急速に溶解する。
【0042】 多孔性シリコンは、多孔性の性質に従ってさらに分けることができる。ミクロ
細孔性シリコンは、20Å未満の直径の孔を有し;メソ細孔性シリコンは、20
Å〜500Å範囲の直径の孔を有し;およびマクロ細孔性シリコンは、500Å
より大きい直径の孔を有する。誘導多孔性シリコンは、誘導メソ細孔性シリコン
であり得る。
【0043】 擬似ヒト血漿中における誘導メソ細孔性シリコン材料の腐食率は、好ましくは
、非誘導メソ細孔性シリコンより少なくとも2桁低い率である。
【0044】 誘導多孔性シリコンの多孔度は、好ましくは、少なくとも5%(すなわち、そ
の気孔率または空気の割合が5%であり得る)であるが、60%または70%、
80%または90%ほども高いことがある。こうした高多孔度材料の安定性によ
って、始めて、(a)重度に酸化されておらず、故に、自然界で半導性であり、
且つ、(b)生理学的環境に対して比較的安定である高多孔度構造を実現できる
ことが実証される。比較において、非誘導高多孔度(75%)メソ細孔性シリコ
ンは、pH7の生理学的環境のもとである程度の腐食を受け、インビトロおよび
インビボにおいて再吸収可能である。こうした非誘導メソ細孔性シリコンの薄膜
(厚さ5〜10μm)は、1日後には擬似ヒト血漿に溶解することが判明した。
【0045】 第十二の側面に従って、本発明は、 (a)電磁放射線源 (b)電磁放射線の検出器 (c)処理装置 を具備するシステムであって、使用する時、放射線源が、少なくとも一つの多層
多孔性シリコンまたは誘導多孔性シリコン鏡を照射することができるように配置
され、検出器が、前記の少なくとも一つの鏡によって反射される放射線を検出す
ることができるように配置され、処理装置が、前記検出器が発生する信号を処理
して、その、または各々の鏡の腐食に関連する情報をもたらすことができるよう
に改造されることを特徴とする腐食分析システムを提供する。
【0046】 例えば、放射線源および検出器は、一つまたは複数の鏡の反射または透過率を
測定するための分光計の一部を成すことができる。腐食は、動物またはヒトの体
内に鏡を移植することによってもたらされる。
【0047】 処理装置は、前記検出器が発生する信号を処理して、その、または各々の鏡に
存在する層の数をもたらすことができるように改造することができる。
【0048】 腐食によって、鏡を形成する層の数が結果的に失われる。処理装置は、損失し
た層の数または残存する層の数に関連する情報を提供するように改造することが
できる。
【0049】 あるいは、処理装置は、前記検出器が発生する信号を処理して、その、または
各々の鏡から腐食された一切の物質の量をもたらすことができるように改造する
ことができる。
【0050】 鏡は、薬物または無機質などの物質を含んでなることができる。鏡が腐食され
ると、その物質は、動物またはヒトの体内へと放出され得る。処理装置は、腐食
によって損失した物質の量に関連する情報、または鏡の非腐食部分に残存する物
質の量に関連する情報をもたらすことができるように改造することができる。
【0051】 腐食分析システムは、前記鏡を少なくとも一つ、さらに具備することができる
【0052】 添付の図面を参照しながら、例として、本発明の実施形態を説明する。
【0053】 (図面の簡単な説明) 図1は、1ドデシンのルイス酸媒介ヒドロシリル化反応による水素化物を末端
に有する多孔性シリコンに関する誘導の略図である。
【0054】 図2(a)、(b)、(c)および(d)は、SHP暴露前の非誘導多孔性シ
リコン(a、b)、およびSHPに浸漬してから4週間後の誘導多孔性シリコン
(c、d)の関する平面および断面走査顕微鏡(SEM)画像を示す。
【0055】 図3(a)、(b)および(c)は、SHP中における異なる時間、(a)1
時間、(b)5時間、(c)70時間後の非誘導多孔性シリコンに関する平面図
SEM画像を示す。
【0056】 図4は(a)、(b)および(c)は、(a)SHP暴露前であるが、6週間
のエージング、すなわち、空気中での保管後の誘導多孔性シリコン、(b)SH
P暴露から5時間後の非誘導多孔性シリコン、および(c)SHP暴露から4週
間後の誘導多孔性シリコンの酸素含有率に対する二次イオン質量分析(SIMS
)深度プロフィールを示す。
【0057】 図5(a)、(b)および(c)は、(a)誘導したての多孔性シリコン、(
b)SHP中で4週間後の誘導多孔性シリコン、および周囲空気中で2週間後の
誘導多孔性シリコンに関するフーリエ変換赤外線分光法(FTIR)スペクトル
を示す。
【0058】 図6(a)および(b)は、免疫分離装置に関する断面および平面図を示す。
【0059】 図7は、電池装置の第一実施形態に関する略断面図である。
【0060】 図8は、電池装置の第二実施形態に関する略断面図である。
【0061】 図9は、多層鏡の略図である。
【0062】 図10(a)および(b)は、誘導多孔性シリコン鏡に関するEDAXの結果
を示す。
【0063】 図11は、ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを含んでなる80層鏡
に対するSHP中でのインキュベーションの影響を示す。
【0064】 図12は、ドデシル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを含んでなる40層
鏡に対するSHP中でのインキュベーションの影響を示す。
【0065】 図13(a)および(b)は、SHPに含浸前および後のドデセニル基を末端
に有する酸化多孔性シリコンを含んでなる80層鏡についての反射率スペクトル
を示す。
【0066】 図14は、誘導多孔性シリコンの層の数に伴う反射率の変化に関する理論的予
測を示す。
【0067】 図15は、本発明による生体濾過装置の略図を示す。
【0068】 図16は、本発明による心臓血管用装置を示す。
【0069】 図17(a)は、本発明による創傷治癒装置の部分略図である。
【0070】 図17(b)は、本発明による微小電極装置の略図である。
【0071】 図18(a)は、本発明による放射線治療装置の略図である。
【0072】 図18(b)は、本発明による薬物送達装置の一部分を示す。
【0073】 図19は、本発明による腐食分析システムを示す。
【0074】 図1は、シリコンウエハに関する誘導プロセスの略図を示す。これらは、固有
抵抗7.5〜8.5Ωcmの(100)p型ホウ素ドープ型ウエハである。これ
らを1.7mAcm−2で、体積で1:1の48%HF:COHの混合物
中、5分間、暗所においてガルバノスタットによって前もって陽極処理して、多
孔性シリコンの単一層を生じた。この多孔性シリコンの単一層は、その厚さ全体
にわたって実質的に均一な多孔度を有する。その後、ウエハを中間乾燥させるこ
となくエタノールおよび過剰の乾燥ヘキサンを用いて後洗浄を行った。その後、
ルイス酸(EtAlCl)媒介ヒドロシリル化を利用する誘導を実施して、ウ
エハの水素化珪素末端を置換した。ヒドロシリル化は、1ドデシンを用いて行い
、ドデセニル基を末端に有する表面を生じた。ルイス酸媒介ヒドロシリル化は、
以下の方法で行った。
【0075】 ルイス酸(EtAlCl)のヘキサン溶液を多孔性シリコン(均一多孔度の
単一層を含む)の陽極酸化したてのサンプルの表面と接触させる。その後、1ド
デシンも多孔性シリコンの表面に配置し、20℃の周囲温度で、1時間の間、二
次反応を進行させる。その後、サンプルは、THF、続いてCHClを用い
て反応停止させる。全プロセス、ルイス酸の適用からCHClでの反応停止
までは、不活性雰囲気のもとで行う。その後、誘導サンプルをエタノール中で洗
浄して、N流のもとで乾燥する。
【0076】 得られた表面は、ドデセニル基の単一層でキャップされる。こうした誘導材料
は、KHOの沸騰塩基性水溶液(pH10)中、1時間後でさえ、低レベルの酸
化しか受けない。これをこの状況に組み入れ、多くの場合、強塩基性溶液は、数
秒から数分以内に室温でウエハからの多μmの多孔性シリコンを選択的に溶解す
るために用いられる。
【0077】 こうしたウエハの生理学的環境(pH7.3)への対応を評価した。誘導材料
をSHPに暴露し、その腐食、酸化およびカルシウム沈着の程度を走査電子顕微
鏡(SEM)、フーリエ変換赤外線分光法(FTIR)および二次イオン質量分
析(SIMS)によってモニターした。これらを、誘導されておらず、従って、
水素化物末端を有する同じミクロ構造の対照ウエハと比較した。
【0078】 誘導ウエハおよび対照ウエハを、37℃で数時間から数週間、無細胞SHP中
でインキュベートした。SHPのイオン濃度は、以下のとおりである。
【0079】
【表1】
【0080】 図2(a)および2(b)は、SHP暴露前の対照ウエハの表面トポグラフィ
ーを示す。ウエハの多孔性シリコン層は、比較的薄く(155mmの陽極処理
領域の中央で275±15nm。これが徐々に上昇して、周縁で350±15n
m)、また矢印で示す数ナノメートルの表面粒状不純物を有する。図3(a)は
、この擬似生理学的環境への暴露から1時間以内に発生する対照材料の表面粗さ
に関する急速な増大を示す。5時間後(図3(b))、溶解−付着複合プロセス
発生についての証拠があり、70時間(図3(c))には、非常に粗い外観を有
する表面を残して、対照ウエハの広い面積が完全に除去されてしまった。
【0081】 図2(c)および2(d)は、SHPに浸漬してから4週間後の誘導ウエハの
表面トポグラフィーを示す。厳密な対比では、誘導多孔性シリコン層の厚さは、
本質的に変化しない。図2(a)と比較した図2(c)の表面トポグラフィーに
おける多くの変化は、非常に薄くSHPが付着することによって発生する可能性
がある。矢印で示すナノメートルスケールの点蝕は、陽極処理後であるが誘導前
に存在する表面粒子と相関すると思われる。それらが小面積をドデセニル末端か
ら局所的に遮断し、これが後にくりぬいた部分になると仮定すると、腐食による
この形成は、誘導プロセスに本来備わっているものではなく、誘導材料に本来備
わっているものでもない。
【0082】 70時間後には、275nmの厚さの非誘導多孔性シリコン層の大部分が完全
に除去されてしまったことをさらに観察しながら、図2および3の比較すると、
誘導プロセスによってもたらされる安定性の劇的な変化が示されている。図2(
a)および2(d)および図4から、約4週間(700時間)かけての層の薄化
のいずれもが、誘導材料については25nm以下であるが、非誘導対照材料につ
いては、70時間かけての薄化が平均で約250nmであることを概算すること
ができる。結果的に、これらの時間をかける、これらの生理学的条件のもとでの
腐食率は、少なくとも100分の1に低下した。
【0083】 誘導多孔性シリコンにSHPが浸透し、酸化を受ける程度を調査した。SIM
Sプロファイルは、ウエハの深さ全体にわたるNa、K、Cl、MgおよびCa
の実質的なレベルを示した。これらの元素は、SHP中に存在するものであるが
、エッチングしたての多孔性シリコンおよびエージングした(周囲空気中で)多
孔性シリコンの両方においても非常に低レベルで存在するため、SHP溶液があ
る程度シリコンの孔に浸透していることはほぼ間違いない。図4(a)、(b)
および(c)は、エージングした誘導多孔性シリコンの酸素レベルをSHP処理
非誘導および誘導多孔性シリコンの酸素レベルと比較するものである。SIMS
分析は、断面SEM画像が315±15nmの初期ウエハ厚を示した前記三材料
各々に関する周縁陽極処理領域に対して行った。非誘導多孔性シリコンは、SH
P中、5時間(および、顕著に薄くなった)後には、浸漬してから4週間後の誘
導多孔性シリコンより高い酸化度を有する。それにもかかわらず、空気中で6週
間保管した誘導多孔性シリコンと比較すると、誘導多孔性シリコンに対する一部
の追加的酸化がSHP中で発生したことは明らかである。
【0084】 上記のことは、FTIR分析によって証明される(図5)。酸素に背面結合し
たシリコンの相対量は、周囲空気中でエージングした対照材料のものと類似して
いるように見えるが、SHP浸漬材料における1100cm−1周辺のSi−O
伸縮モードは、有意に大きい。これは、多孔性シリコンの主鎖が加水分解を受け
ることと一致する一方で、その表面の親水性基が表面を保護し、それを無傷に保
つ。図5(a)と5(b)を比較すると観察することができるように、ν(c=
c)伸縮は、SHPに浸漬してから4週間後には強度が低減するが、これは、可
能的には、主にシス型の二重結合が、これらの条件のもとでより熱力学的に安定
なトランス配座へ異性化するためである。空気中で6週間保管した多孔性シリコ
ン材料の場合、それぞれ2690cm−1および2925cm−1におけるν(
CH)およびν(CH)の比率の変化、および1460cm−1におけるδ
(CH)の強度の増加が示すように、炭化水素不純物の吸収が発生する。
【0085】 図6(a)および(b)は、インスリン分泌性細胞を収容するための免疫分離
装置の断面図および平面図である。これは、インスリン分泌性細胞を収容するレ
ザバー2を有する単結晶シリコンウエハ1のカプセル、誘導メソ細孔性シリコン
フィルタ3、およびメソ細孔性シリコンフィルタ5を設けた蓋4を具備する。こ
のカプセルは、ヒトまたは動物の生体内で用いられ、細胞は、フィルタを介して
体と連結する。
【0086】 レザバーは、KOHなどの異方性エッチング液を用いることによって、写真平
板を用いて規定される。カプセル蓋は、市販のシリコン膜を含んでなり、加水分
解に耐性であることが知られているシアノアクリレートなどの医用接着剤または
歯科用接着剤またはシリコンエラストマーの非常に薄い層、例えば1μ、未満の
層を用いてカプセルに結合される。あるいは、シリコン−シリコン直接結合また
はシリコン−SiOx−シリコン結合を用いることができ、これは、細胞を損傷
しないように、カプセルの温度が30℃を越えて上昇しない方法によって形成さ
れる。フィルタ3からフィルタ5までのカプセルの寸法は、500μm以下であ
る。この寸法によって、血管またはその他の栄養源からのインスリン分泌性細胞
が、それらの作用を悪くすかまたは死なすことさえある500μmより多くはな
らないことが保証される。より厚いカプセルが実現可能であり、より多数の細胞
を保持することができるという利点を有する。しかし、こうしたカプセルの内部
表面には、内皮細胞などの細胞を接種して、カプセル内に配置される細胞の支持
を助けなければならない。誘導多孔性シリコンフィルタ3および5は、カプセル
および蓋の部分を陽極処理することによってもたらされる。それらは、数μmの
厚さを有し、直径50nmの孔については5%を超える多孔度、および直径15
〜30nmの孔については15%を超える多孔性を有する。これは、十分な栄養
レベルをインスリン分泌性細胞に到達させ、また体内のグルコースレベルの変化
に応答して迅速にインスリンを放出させるために十分な拡散処理能力を有する。
【0087】 図7は、電池の第一実施形態の略断面図を示す。これは、第一および第二誘導
メソ細孔性シリコンフィルタ2、3、および第一および第二光検出器4、5を有
する実質的に中空のシリコン箱1を具備する。光検出器はシリコンから製造され
、p−n接合を具備する。緑色蛍光タンパク質を含有する発光生物を箱の空洞6
内に収容する。生物によって生じる光を光検出器4、5が受け止め、電力に変換
する。フィルタ2、3は、グルコースなどの栄養分を箱内に通し、廃棄物を箱か
ら出すが、生物を破壊する可能性がある免疫系の成分が箱に侵入することを防止
することができる。
【0088】 図8は、電池の第二実施形態の略断面図を示す。これは、バルク無孔性シリコ
ンの第一および第二層1、2、および第一および第二誘導多孔性シリコンフィル
タ3、4を具備する。第一および第二電極5、6は、バルクシリコンの層間に保
持される。バルクシリコンと多孔性シリコンの間に形成された空洞7は、流体、
例えば体液を収容する。第一電極5は、アルミニウムを含んでなり、第二電極は
、銀を含んでなる。流体を通して電極間に電子移動が発生すると、電力が発生す
る。この電極システムは、約0.8Vを発電し、電極面積によって決まる短絡電
流を有する。電極には、電気接続(図示なし)を設けて、電力を電池の外に向け
る。フィルタ2、3は、電極に有害な物質が電極と接触することを防止する。さ
らに進んだ実施形態において、第一電極5は、電極に固定されたグルコースオキ
シダーゼ酵素を有する。フィルタを介して電池に進入するグルコースは、酵素に
よる触媒作用を受け、過酸化水素を生じる。これは、第二電極6では以下の反応
【0089】
【化2】 で発生する。これによって、電力を発生する電極間の電子移動が生じる。この電
極システムは、約2V発電する。フィルターは、電極に有益な物質、例えばグル
コースを電池に入れるが、電極に有害な物質が電池に侵入することを防止するこ
とができる。
【0090】 図9は、多層鏡の略図である。40層鏡および80層鏡、2タイプの多層鏡を
製造した。鏡は、20%エタノール性HF酸を用いて、固有抵抗0.01Ωのp
型シリコンウエハを陽極処理することによって製造した。電流は、4.5秒間隔
0.75Aと2.55秒間隔4.55Aの間で変調する。変調を40サイクル繰
返して80層鏡を製造するか、または20サイクル繰り返して40層鏡を製造す
る。このような電流の変調によって、高多孔度1および低多孔度2の多孔性シリ
コンの交互層を形成させる。高多孔度多孔性シリコン層1は、71%の多孔度と
180nmの厚さを有し、低多孔度多孔性シリコン層2は、50%の多孔度と9
0nmの厚さを有する。層の厚さは、高い電流の間隔および低い電流の間隔につ
いての継続時間を変えることによって変化させることができる。陽極処理ウエハ
は、周囲空気中で2年間保管することによって不動態化した自然酸化物であった
【0091】 40および80層鏡は、二つの異なる方法によって誘導した。第一の方法は、
多孔性シリコン単一層の誘導に関して前で説明した方法、すなわち、ルイス酸/
ドデシンヒドロシリル化に類似している。前の方法で図1に関連して説明したよ
うに、ルイス酸(EtAlCl)を鏡の多孔性シリコン表面に塗付する。その
後、1−ドデシンもその表面に塗付して、ヒドロシリル化を達成する。この誘導
方法によって、ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを生じる。しかし、
前の方法とは対照的に、多孔性シリコンは、HFで前処理して、2年の不動態化
プロセスの結果として存在する酸化層を除去する。
【0092】 第二の誘導方法には、鏡をトリクロロドデシルシランに24時間室温で浸漬し
て、ドデシル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを生じることが含まれる。第
一の方法とは対照的に、鏡をHFで前処理して、不動態化プロセスによって得た
酸化層を除去しない。このサンプルをエタノール中で洗浄し、減圧下で乾燥する
【0093】 誘導および非誘導の40および80層鏡をいずれも37℃、pH7.3の擬似
ヒト血漿(SHP)中でインキュベートした。数時間から長い月数に及ぶ期間の
後に鏡を除去し、その組成をJEOL 6400F走査電子顕微鏡を用いて分析
した。非誘導鏡についての電子顕微鏡の結果は、数時間のインキュベーションの
うちに腐食の証拠を示し、1日のインキュベーションは、空気乾燥によって鏡を
崩壊させるのに十分であった。
【0094】 第一または第二のいずれかの方法による鏡の誘導は、クラッキングまたは有意
な多孔度勾配を誘導する乾燥を導かないことがわかった。図10に示すEDAX
の結果は、鏡の全深度を通した含浸を説明しており、鏡の孔が誘導プロセスの間
にブロックされるようにならないことを示している。図10aは、第二の方法に
よって誘導された多孔性シリコン鏡についてのEDAXの結果を示す。図10b
は、、第一の方法によって誘導された多孔性シリコン鏡についてのEDAXの結
果を示す。
【0095】 図11は、ドデセニル誘導多孔性シリコンを含んでなる80層鏡に対するSH
P中でのインキュベーションの影響を示す。図11aは、インキュベーション前
の鏡を示し、図11bは、インキュベーションから425時間後の鏡を示し、図
11cは、インキュベーションから2125時間後の鏡を示す。ヒドロキシアパ
タイトの付着のもとで425時間後にはもともとの80層のうち70層が無傷で
残り、2125時間後には、約50層が無傷で残る。この偶発的なカルシウム沈
着が溶解速度を低下させたので、誘導多孔性シリコン層が完全に溶解するには6
ヶ月より長くかかるであろう。
【0096】 図12は、ドデシル誘導多孔性シリコンを含んでなる40層鏡に対するSHP
中でのインキュベーションの影響を示す。図12aは、インキュベーション前の
40層鏡を示し、図12bは、インキュベーションから425時間後の40層鏡
を示し、図12cは、インキュベーションから2125時間後の鏡を示す。21
25時間後、最上層は重度に酸化されるものの、溶解はしなかった。直線的な腐
食率を仮定すると、完全に溶解するのに約10年はかかる。
【0097】 図13aおよび13bは、ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを含ん
でなる40層鏡についてのSHPに浸漬前と後の反射率スペクトルを示す。図1
3aは、浸漬前の反射率を示し、図13bは、2125時間浸漬した後の反射率
を示す。これらの結果は、腐食構造が鏡として機能し続けることを示している。
【0098】 図14は、誘導多孔性シリコンの層の数に伴う反射率の変化についての理論的
予測を示す。この予測は、たとえ比較的小数の層しか残らなくても、反射率は高
いままであることを示している。
【0099】 図15は、151によって一般に示される本発明よる生体濾過装置の略図を示
す。装置151は、ハウジング152、グルコースセンサ153、空洞154、
誘導多孔性シリコンフィルタ155、および空洞クロージャー壁156を具備す
る。生体濾過装置151は、シリコンウエハをエッチングして、空洞154を形
成し、その後、空洞の反対側の表面を多孔化することによって製造する。その後
、多孔性シリコンを誘導し、センサ153をクロージャー壁156に結合し、次
に、これをハウジング152に結合して、センサを空洞154内に配置する。医
用接着剤を用いて、センサ153をクロージャー壁156に結合し、クロージャ
ー壁156をハウジング152に結合する。
【0100】 装置151は、患者の血流中または組織内に配置することができる。フィルタ
155は、グルコース分子を通過させるが、血球およびその他の材料がグルコー
スセンサ153に到達することを防止することができる。誘導多孔性シリコンの
使用は、フィルタ155上の材料の付着を低減させるため、有利である。このよ
うにして、センサ153およびフィルタ155、両方の上の付着を最小化する。
【0101】 図16は、本発明による心臓血管用装置の略図を示す。示す心臓血管用装置は
、161によって一般に示される支持骨組162および血流センサ163を具備
するステントである。このステントを用いて、動脈壁164を支持し、それによ
ってその直径を維持することができ、また血流センサ163は、血流量を検出す
ることができる。センサ163は、誘導多孔性シリコンを含んでなる外面を有す
る。凝固および/またはカルシウム沈着を最小化するように誘導を選択すること
ができる。
【0102】 センサ163によって、血流をモニターすることができるので、不適切な血流
を検出した場合には、薬物を投与するか、患者を手術して、症状を癒す。誘導多
孔性シリコンを含んでなる、血流または血圧をモニターするためのセンサは、カ
テーテルなどのその他の心臓血管用装置と共に用いることもできる。
【0103】 図17aは、本発明による創傷治癒装置の部分略図を示す。この治癒装置は、
多数のソケット172およびプラグ173を有する、171によってその一部を
示す微小マジックテープを包含する。プラグ173は、第一シリコンウエハから
形成され、ソケットは、第二シリコンウエハから形成される。プラグ173また
はソケット172のある側面とは反対側の各シリコンウエハの側面を治癒される
べき組織に貼り付ける。その後、二つのウエハを、プラグ173がソケット17
2に固定されるように延伸する。このようにして多孔性シリコンを誘導すること
によって、多孔性シリコンの腐食率を調節し、カルシウム沈着を低減することが
できる。多孔性材料の使用によって、組織が孔中へ成長することができ、その結
果、創傷治癒が助長される。
【0104】 図17bは、171によって一般に示される本発明の微小電極装置の略図であ
る。この装置は、誘導多孔性シリコンを含んでなる微小電極174、および電気
接続175を具備し、この装置を用いて、体の部位を電気的に刺激することがで
き、または患者の体内の電気的活性をモニターすることができる。調節システム
(図示なし)は、比較的バルクであるため、電気刺激点から離れて配置してもよ
いし、電気接続175によって微小電極174に接続してもよい。微小電極装置
174の多孔性特性によって、組織の組込みが助長され、結果的に、界面インピ
ーダンスを低下させる。誘導が多孔性シリコンの腐食を低減するため、電極17
4の電気的特性は、比較的一定を保つ。
【0105】 図18aは、181によって一般に示される本発明の放射線治療装置の略図を
示す。放射線治療装置181は、90Yなどの放射性同位元素182と化合した
誘導多孔性シリコンを含んでなる。この装置は、腫瘍部位にある器官に移植する
ことができるペレットの形態である。
【0106】 ペレットは、多段法によって酸化物ウエハに基づくシリコンから製造すること
ができる。第一段階は、バルクシリコン層を石版印刷でエッチングすることによ
って、基礎をなす酸化珪素に結合した多数のシリコン粒子を形成する。その後、
シリコン粒子をHF溶液中で多孔化し、多孔化中に酸化珪素層がマスクで保護さ
れる。放射性同位元素182のドーピングは、同位元素182の水溶液に多孔化
した粒子を浸漬し、その後、蒸発させることによって達成される。その時すでに
孔183内に配置された同位元素182を有する多孔性シリコンをアニールして
、放射性同位元素182をスケルトン184に追い込む。アニール温度は、30
秒〜5時間、300℃〜1150℃の間である。ドーピングされた多孔性シリコ
ンを誘導した後、酸化物基板から除去する。
【0107】 多孔性シリコン使用することによって、その容積全体にわたってペレットをド
ーピングすることができる。放射性同位元素182がペレットのスケルトン18
4内に存在することによって、治療すべき部位以外の体の部位への同位元素18
2の漏れが低減される。ペレットをバルク結晶性シリコンから形成する場合には
、ドーピングの深さを制限する比較的高価な技術であるイオン注入法によるドー
ピングが必要となろう。その結果、バルクシリコンから形成されるペレットは、
こうした漏れの危険を増大させるであろう。誘導多孔性シリコンの使用は、腐食
率を低下させるので、放射性同位元素182の損失を低減することを意味する。
【0108】 図18bは、185によって一般に示される本発明の薬物送達装置の部分略図
を示す。装置185は、医薬品化合物の分子186が孔187に分配される誘導
多孔性シリコンのサンプルを包含する。多孔性シリコンは、医薬品化合物の分子
をシリコンスケルトン188に結合するようにして誘導する。このような誘導に
よって、医薬品分子186の一定速度での放出を達成することができる。
【0109】 図19は、191によって一般に示される本発明による腐食分析システムを示
す。システム191は、電磁放射線源192、放射線検出器193、および誘導
多孔性シリコンを含んでなる光学装置195を具備する。装置191は、鏡19
5を照射することによって作動する。その後、放射線は、鏡195によって反射
され、検出器193によって検出される。鏡は、人または動物の患者の体195
の内部に配置される。鏡が体194の中で腐食すると、その光学特性が変化し、
この変化を検出器193によって検出することができる。このようにして、鏡1
95の腐食を体194の中でモニターすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1ドデシンのルイス酸媒介ヒドロシリル化反応による水素化物を末端に有する
多孔性シリコンに関する誘導の略図である。
【図2a】 SHP暴露前の非誘導多孔性シリコン(a、b)、およびSHPに浸漬してか
ら4週間後の誘導多孔性シリコン(c、d)の関する平面および断面走査顕微鏡
(SEM)画像を示す。
【図2b】 SHP暴露前の非誘導多孔性シリコン(a、b)、およびSHPに浸漬してか
ら4週間後の誘導多孔性シリコン(c、d)の関する平面および断面走査顕微鏡
(SEM)画像を示す。
【図2c】 SHP暴露前の非誘導多孔性シリコン(a、b)、およびSHPに浸漬してか
ら4週間後の誘導多孔性シリコン(c、d)の関する平面および断面走査顕微鏡
(SEM)画像を示す。
【図2d】 SHP暴露前の非誘導多孔性シリコン(a、b)、およびSHPに浸漬してか
ら4週間後の誘導多孔性シリコン(c、d)の関する平面および断面走査顕微鏡
(SEM)画像を示す。
【図3a】 SHP中における異なる時間、(a)1時間、(b)5時間、(c)70時間
後の非誘導多孔性シリコンに関する平面図SEM画像を示す。
【図3b】 SHP中における異なる時間、(a)1時間、(b)5時間、(c)70時間
後の非誘導多孔性シリコンに関する平面図SEM画像を示す。
【図3c】 SHP中における異なる時間、(a)1時間、(b)5時間、(c)70時間
後の非誘導多孔性シリコンに関する平面図SEM画像を示す。
【図4】 (a)SHP暴露前であるが、6週間のエージング、すなわち、空気中での保
管後の誘導多孔性シリコン、(b)SHP暴露から5時間後の非誘導多孔性シリ
コン、および(c)SHP暴露から4週間後の誘導多孔性シリコンの酸素含有率
に対する二次イオン質量分析(SIMS)深度プロフィールを示す。
【図5a】 (a)誘導したての多孔性シリコン、(b)SHP中で4週間後の誘導多孔性
シリコン、および周囲空気中で2週間後の誘導多孔性シリコンに関するフーリエ
変換赤外線分光法(FTIR)スペクトルを示す。
【図5b】 (a)誘導したての多孔性シリコン、(b)SHP中で4週間後の誘導多孔性
シリコン、および周囲空気中で2週間後の誘導多孔性シリコンに関するフーリエ
変換赤外線分光法(FTIR)スペクトルを示す。
【図5c】 (a)誘導したての多孔性シリコン、(b)SHP中で4週間後の誘導多孔性
シリコン、および周囲空気中で2週間後の誘導多孔性シリコンに関するフーリエ
変換赤外線分光法(FTIR)スペクトルを示す。
【図6a】 免疫分離装置に関する断面および平面図を示す。
【図6b】 免疫分離装置に関する断面および平面図を示す。
【図7】 電池装置の第一実施形態に関する略断面図である。
【図8】 電池装置の第二実施形態に関する略断面図である。
【図9】 多層鏡の略図である。
【図10a】 誘導多孔性シリコン鏡に関するEDAXの結果を示す。
【図10b】 誘導多孔性シリコン鏡に関するEDAXの結果を示す。
【図11a】 ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを含んでなる80層鏡に対するS
HP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図11b】 ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを含んでなる80層鏡に対するS
HP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図11c】 ドデセニル基を末端に有する多孔性シリコンを含んでなる80層鏡に対するS
HP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図12a】 ドデシル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを含んでなる40層鏡に対する
SHP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図12b】 ドデシル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを含んでなる40層鏡に対する
SHP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図12c】 ドデシル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを含んでなる40層鏡に対する
SHP中でのインキュベーションの影響を示す。
【図13a】 SHPに含浸前および後のドデセニル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを
含んでなる80層鏡についての反射率スペクトルを示す。
【図13b】 SHPに含浸前および後のドデセニル基を末端に有する酸化多孔性シリコンを
含んでなる80層鏡についての反射率スペクトルを示す。
【図14】 誘導多孔性シリコンの層の数に伴う反射率の変化に関する理論的予測を示す。
【図15】 本発明による生体濾過装置の略図を示す。
【図16】 本発明による心臓血管用装置を示す。
【図17a】 本発明による創傷治癒装置の部分略図である。
【図17b】 本発明による微小電極装置の略図である。
【図18a】 本発明による放射線治療装置の略図である。
【図18b】 本発明による薬物送達装置の一部分を示す。
【図19】 本発明による腐食分析システムを示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 バレツト,クリストフアー・ポール イギリス国、ウスターシヤー・ダブリユ・ アール・14・3・ピー・エス、モールバー ン、セント・アンドリユーズ・ロード、デ イ・イー・アール・エイ・モールバーン Fターム(参考) 4C060 MM24 MM25 4C081 AC11 BB02 BB06 BB08 CA27 DA11 DB03 DB07 4C082 AA01 AA03 AC01 AE05 5H032 AA06 CC01 CC11 EE01 EE08 EE15 HH00 HH04

Claims (90)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体材料として用いるための誘導多孔性シリコン。
  2. 【請求項2】 誘導多孔性シリコンを含んでなる生体材料。
  3. 【請求項3】 誘導多孔性シリコンを含んでなる生体用装置。
  4. 【請求項4】 誘導多孔性シリコンを含んでなる生体濾過装置。
  5. 【請求項5】 ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合する、請求
    項4に記載の生体濾過装置。
  6. 【請求項6】 一つ以上の誘導多孔性シリコンフィルタを具備する、請求項
    4または請求項5に記載の生体濾過装置。
  7. 【請求項7】 その、または各々の、または一部のフィルタが、モレキュラ
    ーシーブとして役割を果たす、請求項6に記載の生体濾過装置。
  8. 【請求項8】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔径が、それ
    らを通過する分子を定める、請求項6に記載の生体濾過装置。
  9. 【請求項9】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔の直径が、
    15〜50nmの範囲内にある、請求項8に記載の生体濾過装置。
  10. 【請求項10】 誘導多孔性シリコンを含んでなる免疫分離装置。
  11. 【請求項11】 ヒトまたは動物の体内または表面での操作に適合する、請
    求項10に記載の免疫分離装置。
  12. 【請求項12】 シリコンカプセルを含んでなる、請求項10または11に
    記載の免疫分離装置。
  13. 【請求項13】 カプセルの厚さが500μm以下である、請求項12に記
    載の免疫分離装置。
  14. 【請求項14】 一つ以上の誘導多孔性シリコンフィルタが設けられる、請
    求項10から13のいずれかに記載の免疫分離装置。
  15. 【請求項15】 誘導多孔性シリコンが誘導メソ細孔性シリコンである、請
    求項14に記載の免疫分離装置。
  16. 【請求項16】 その、または各々の、または一部のフィルタが、少なくと
    も一部の免疫系の分子を装置から排除する、請求項14または15に記載の免疫
    分離装置。
  17. 【請求項17】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔径が、そ
    れらを通過する分子を定める、請求項16に記載の免疫分離装置。
  18. 【請求項18】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔の直径が
    、15〜50nmの範囲内にある、請求項17に記載の免疫分離装置。
  19. 【請求項19】 その、または各々の、または一部のフィルタが、カプセル
    の一つ以上の部分を陽極処理することによって製造される、請求項14から18
    のいずれかに記載の免疫分離装置。
  20. 【請求項20】 その、または各々の、または一部のフィルタが、数μmの
    厚さを有する、請求項14から19のいずれかに記載の免疫分離装置。
  21. 【請求項21】 その、または各々の、または一部のフィルタの多孔度が、
    少なくとも5%である、請求項14から20のいずれかに記載の免疫分離装置。
  22. 【請求項22】 細胞がカプセル内に配置される、請求項14から21のい
    ずれかに記載の免疫分離装置。
  23. 【請求項23】 細胞がインスリン分泌性細胞である、請求項22に記載の
    免疫分離装置。
  24. 【請求項24】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔が、細胞
    のための栄養分を装置内に拡散させ、廃棄物およびインスリンを装置外に拡散さ
    せるために十分大きいが、すべての細胞および免疫系の特定のタンパク質を装置
    から排除するようなサイズ分布を有する、請求項14から22のいずれかに依存
    する請求項23に記載の免疫分離装置。
  25. 【請求項25】 誘導多孔性シリコンを含んでなる電池装置。
  26. 【請求項26】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項25に記載の電池装置。
  27. 【請求項27】 電源を具備する、請求項25または26に記載の電池装置
  28. 【請求項28】 電源が、光を発する発光生物を一つ以上含む、請求項27
    に記載の電池装置。
  29. 【請求項29】 その、または各々の、または一部の生物が発生する光を電
    力に変換する光検出器を一つ以上具備する、請求項28に記載の電池装置。
  30. 【請求項30】 電源が電気化学的電源である、請求項27に記載の電池装
    置。
  31. 【請求項31】 電源が、少なくとも一対の電極を具備する、請求項30に
    記載の電池装置。
  32. 【請求項32】 その、または各々の対の電極が異なる金属を含んでなる、
    請求項31に記載の電池装置。
  33. 【請求項33】 その、または各々の対の電極に、一方の電極に結合した酵
    素を備え付けることができる、請求項31に記載の電池装置。
  34. 【請求項34】 シリコン箱を包含する、請求項25から33のいずれかに
    記載の電池装置。
  35. 【請求項35】 一つ以上の誘導多孔性シリコンフィルタが設けられる、請
    求項25から34のいずれかに記載の電池装置。
  36. 【請求項36】 その、または各々の、または一部のフィルタが、電源に有
    害な物質を電池装置から排除する、請求項35に記載の電池装置。
  37. 【請求項37】 その、または各々の、または一部のフィルタが、電源に有
    益な物質が電池装置に入るのを許容する、請求項35または請求項36に記載の
    電池装置。
  38. 【請求項38】 その、または各々の、または一部のフィルタが、電源によ
    って生成された物質を電池装置から排出させることができる、請求項35から3
    7のいずれかに記載の電池装置。
  39. 【請求項39】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔径が、そ
    れらを通過する物質を定める、請求項35から38のいずれかに記載の電池装置
  40. 【請求項40】 その、または各々の、または一部のフィルタの孔の直径が
    、15〜50nmの範囲内にある、請求項39に記載の電池装置。
  41. 【請求項41】 その、または各々の、または一部のフィルタが、電池の一
    つ以上の部分を陽極処理することによって製造される、請求項35から40のい
    ずれかに記載の電池装置。
  42. 【請求項42】 その、または各々の、または一部のフィルタが、数μmの
    厚さを有する、請求項35から41のいずれかに記載の電池装置。
  43. 【請求項43】 その、または各々の、または一部のフィルタの多孔度が、
    少なくとも5%であり、10%または15%もしくはそれ以上であることも可能
    である、請求孔35から42のいずれかに記載の電池装置。
  44. 【請求項44】 誘導多孔性シリコンを含んでなる光学装置。
  45. 【請求項45】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求孔44に記載の光学装置。
  46. 【請求項46】 光源と共に用いることに適合し、光源からの光の路長を調
    節する、請求項44または請求項45に記載の光学装置。
  47. 【請求項47】 多層鏡を具備する、請求項44から46のいずれか一項に
    記載の光学装置。
  48. 【請求項48】 多層鏡が、第一多孔度および第一屈折率を有する誘導多孔
    性シリコン材料と、第二多孔度および第一屈折率より高い第二屈折率を有する誘
    導多孔性シリコン材料の交互層の積層体から成る、請求項47に記載の光学装置
  49. 【請求項49】 第一多孔度が約50%の値を有し、第二多孔度が、約71
    %の値を有する、請求項48に記載の光学装置。
  50. 【請求項50】 シリコン材料の層が、それらに入射する光の波長の1/4
    の厚さを有する、請求項48または請求項49に記載の光学装置。
  51. 【請求項51】 層の厚さが50〜1000nm領域にある、請求項50に
    記載の光学装置。
  52. 【請求項52】 鏡の反射率が、それらに入射する光の一つまたは複数の波
    長に対応する単一の波長または波長範囲上で95%よりも大きい、請求項46か
    ら51のいずれかに記載の光学装置。
  53. 【請求項53】 鏡が、SHP中で数週間または数ヶ月間安定である、請求
    項46から52のいずれかに記載の光学装置。
  54. 【請求項54】 少なくとも実質的に疎水性である、請求項44から53の
    いずれかに記載の光学装置。
  55. 【請求項55】 骨に結合することができる、請求項44から54のいずれ
    かに記載の光学装置。
  56. 【請求項56】 誘導多孔性シリコンを含んでなる心臓血管用装置。
  57. 【請求項57】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項56に記載の心臓血管用装置。
  58. 【請求項58】 誘導多孔性シリコンが血液適合性である、請求項56また
    は請求項57に記載の心臓血管用装置。
  59. 【請求項59】 誘導多孔性シリコンの表面を、その上での凝固および/ま
    たはカルシウム沈着を回避するように改造する、請求項56〜58のいずれかに
    記載の心臓血管用装置。
  60. 【請求項60】 誘導多孔性シリコンが、その表面に結合した有機基を一つ
    以上有する、請求項56〜59のいずれかに記載の心臓血管用装置。
  61. 【請求項61】 有機基が、親水性ポリマー基、例えばポリエチレンオキシ
    ド、および/または疎水性ポリマー基、例えばポリウレタンを包含する、請求項
    60に記載の心臓血管用装置。
  62. 【請求項62】 誘導多孔性シリコンが、抗カルシウム沈着剤を包埋する高
    い比表面積のマトリックスを有する、請求項56から61のいずれかに記載の心
    臓血管用装置。
  63. 【請求項63】 誘導多孔性シリコンを含んでなる微小電極装置。
  64. 【請求項64】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項63に記載の微小電極装置。
  65. 【請求項65】 誘導多孔性シリコンを含んでなる創傷治癒装置。
  66. 【請求項66】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項65に記載の創傷治癒装置。
  67. 【請求項67】 誘導多孔性シリコン微小マジックテープ(登録商標)を包
    含する、請求項65または請求項66に記載の創傷治癒装置。
  68. 【請求項68】 抗生物質および/または銀などの生体活性剤一つ以上を含
    浸させる、請求項63から67のいずれかに記載の創傷治癒装置。
  69. 【請求項69】 誘導多孔性シリコンを含んでなる放射線治療装置。
  70. 【請求項70】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項69に記載の放射線治療装置。
  71. 【請求項71】 それらを取りつける予定の生理的部位の形に合うように成
    形される、請求項69または請求項70に記載の放射線治療装置。
  72. 【請求項72】 誘導多孔性シリコンを含んでなる薬物送達装置。
  73. 【請求項73】 ヒトまたは動物の生体内または表面での操作に適合する、
    請求項72に記載の薬物送達装置。
  74. 【請求項74】 数ヶ月または数年にわたって薬物送達することができる、
    請求項72または請求項73に記載の薬物送達装置。
  75. 【請求項75】 誘導多孔性シリコンが、その表面に結合した一つ以上の官
    能基を含んでなる、請求項72から74のいずれかに記載の薬物送達装置。
  76. 【請求項76】 誘導多孔性シリコンが、シリコンの酸化を含まない技術に
    よって誘導される、前記請求項のいずれかに記載の生体材料または装置。
  77. 【請求項77】 誘導多孔性シリコンが、Si−R末端(式中、Rは、Si
    −C結合によってシリコンに結合した一つ以上の官能基である)を有する、請求
    項76に記載の生体材料または装置。
  78. 【請求項78】 多孔性シリコンが、ヒドロシリル化によって誘導される、
    請求項76または請求項77に記載の生体材料または装置。
  79. 【請求項79】 多孔性シリコンが、ルイス酸媒介ヒドロシリル化によって
    誘導される、請求項78に記載の生体材料または装置。
  80. 【請求項80】 ルイス酸がEtAlClである、請求項79に記載の生
    体材料または装置。
  81. 【請求項81】 ヒドロシリル化が、多孔性シリコンの表面の共有結合修飾
    を含む、請求項78から請求項80のいずれかに記載の生体材料または装置。
  82. 【請求項82】 誘導多孔性シリコンが、曝気水中での少なくとも2時間の
    沸騰に対して安定である、請求項76から81のいずれかに記載の生体材料また
    は装置。
  83. 【請求項83】 誘導多孔性シリコンが、KOHの曝気塩基性水溶液(pH
    10)およびEtOH25%/KOH水溶液(pH10)75%の溶液中での1
    時間の沸騰に対して少なくとも実質的に安定である、請求項76から82のいず
    れかに記載の生体材料または装置。
  84. 【請求項84】 誘導多孔性シリコンが、誘導メソ細孔性シリコンである、
    請求項76から83のいずれかに記載の生体材料または装置。
  85. 【請求項85】 (SHP)中での誘導メソ細孔性シリコン材料の腐食率が
    、非誘導メソ細孔性シリコンより少なくとも2桁低い率である、請求項84に記
    載の生体材料または装置。
  86. 【請求項86】 誘導多孔性シリコンの多孔度が、少なくとも5%である、
    請求項76から85のいずれかに記載の生体材料または装置。
  87. 【請求項87】 実質的には、添付図面の図1から5を参照して本明細書中
    に記載したような生体材料。
  88. 【請求項88】 実質的には、添付図面の図6を参照して本明細書中に記載
    したような免疫分離装置。
  89. 【請求項89】 実質的には、添付図面の図7および8を参照して本明細書
    中に記載したような電池装置。
  90. 【請求項90】 実質的には、添付図面の図9を参照して本明細書中に記載
    したような多層鏡。
JP2000615073A 1999-05-01 2000-04-27 誘導多孔性シリコン Pending JP2003516169A (ja)

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