JP2003516122A - Dapキナーゼのショートセグメント - Google Patents

Dapキナーゼのショートセグメント

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JP2003516122A
JP2003516122A JP2001529739A JP2001529739A JP2003516122A JP 2003516122 A JP2003516122 A JP 2003516122A JP 2001529739 A JP2001529739 A JP 2001529739A JP 2001529739 A JP2001529739 A JP 2001529739A JP 2003516122 A JP2003516122 A JP 2003516122A
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JP2001529739A
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アディ・キムチ
ハンナ・ベリッシ
タル・ラベー
マティットヤフ・フリドキン
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イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 内因性DAPキナーゼの機能を中和することによってアポトーシスから細胞を保護するDAPキナーゼのショートセグメントを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の相互参照 本出願は、1999年10月13日出願の米国仮出願第60/159,107
号(この全開示内容は引用により本明細書中に包含される)の優先権を主張する
【0002】発明の属する分野 本発明は、DAPキナーゼの、アポトーシス仲介因子としての生物学的機能に
重要であり、異所性発現時にドミナントネガティブ様式で作用し得るDAPキナ
ーゼ断片に関する。
【0003】発明の背景 死関連タンパク質キナーゼ(DAPキナーゼ)はアポトーシスの正の仲介因子
である。これは、細胞内でのアンチセンスcDNAライブラリーの発現、次いで
、アポトーシス刺激の継続的存在下で生存するクローンの選択を含む、TKO選
択と称される、機能に基づく遺伝子クローニング方法論によって単離された(De
iss et al, 1991)。この系では、アンチセンスRNAによるDAPキナーゼタ
ンパク質発現の特異的阻害がHeLa細胞(ヒーラ細胞)を、IFN−γによっ
て誘導されるアポトーシスから保護した(Deiss et al, 1995)。さらに、DA
Pキナーゼは、Fas、TNF−αによって引き起こされた細胞死(Cohen et a
l, 1999)および細胞外マトリクスからの剥離(Inbal et al, 1997)を調節する
ことが示され、このことはアポトーシスに対する全般的関連を示すものである。
【0004】 DAPキナーゼは、細胞骨格に局在し、そこでアクチンマイクロフィラメント
系と関連しているCa+2/カルモジュリン調節性セリン/スレオニンキナーゼ
である(Cohen et al, 1997)。キナーゼドメインに加えて、タンパク質は8ア
ンキリンリピート、細胞骨格結合領域およびデスドメインを有する。DAPキナ
ーゼのマルチドメイン構造およびその幅広い範囲のアポトーシス系への関与は、
このタンパク質が種々の細胞内成分と相互作用してその機能を発揮することを示
唆する。したがって、タンパク質の種々の領域が、異所性発現時に、可能性とし
ては推定の相互作用タンパク質を隔離することを介して、アポトーシスから保護
し得ることが考えられる。この観点に沿うと、デスドメインモジュール自体をト
ランスフェクションすると、内因性DAPキナーゼの機能を特異的に中和するこ
とによって細胞が種々の死誘導シグナルから保護される(Cohen et al, 1999)
【0005】 本明細書中のすべての文献の引用は、このような文献が直接関係ある先行技術
であること、あるいはこの出願の任意の請求項の特許性にへの、考えられる材料
であることを認めることを意図しない。すべての文献の内容または日付のすべて
の記述は、出願時に出願人に入手可能であった情報に基づき、このような記述の
正確さに関する承認を構成しない。
【0006】発明の要旨 本発明の課題は、アポトーシスの仲介因子としてのその生物学的機能に関して
重要なDAPキナーゼタンパク質の断片を提供することである。
【0007】 本発明の別の課題は、異所性発現時にドミナントネガティブ様式で作用し得る
DAPキナーゼタンパク質の断片、またはそのような断片のアナログまたは誘導
体であるペプチドを提供することである。
【0008】 本発明はさらに、このペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびこのペプ
チドを含む医薬組成物を提供する。
【0009】 本発明はまた、本発明のペプチドをその処置を必要としている被験体に投与す
ることによってDAPキナーゼと関連するアポトーシスを阻害する方法および、
異所性発現時にドミナントネガティブ様式で作用し得る遺伝子産物の断片を、選
択可能な表現型を介してスクリーニングする方法を提供する。
【0010】発明の詳細な説明 本発明は、そのアポトーシスの仲介因子としての生物学的機能に関して重要で
あり、異所性発現時にドミナントネガティブ様式で作用し得るDAPキナーゼタ
ンパク質の最小断片を同定する遺伝的スクリーニングを含む。用いられるアプロ
ーチは前記遺伝的サプレッサー因子(GSE)方法論に基づき、ここでは単一ま
たは複数のcDNAクローンを用いて、ランダムショートcDNA断片のライブ
ラリーを作成し、レトロウイルスベクター内に両方向でクローニングした(Holz
mayer et al, 1992; Roninson et al, 1995; Gudkov et al, 1997)。次いで生
物学的に活性なcDNA断片を、特定の表現型に関するポジティブ機能選択によ
ってライブラリーを発現する細胞から単離した。この概念は以前に、以下を含む
いくつかの遺伝子の機能性領域を同定するのに用いられた: トポイソメラーゼII(Gudkov et al, 1993)、キネシン重鎖(Gudkov et al,
1994; Axenovich et al, 1998)、およびp53(Ossovskaya et al, 1996; Gal
lagher et al, 1997)。ここに、スクリーニングはTKO選択手法の条件および
原理に合わせて調節された(Deiss et al, 1991)。
【0011】 HeLa細胞で発現された、DAPキナーゼcDNA由来のランダム断片の発
現ライブラリーを作成し、IFN−γによって誘導されるアポトーシスに対する
耐性を細胞に与え得る、生物学的に活性なペプチドを選択した。この不偏の方法
を用いて、DAPキナーゼの種々の領域に対応する4つの生物学的に活性なペプ
チドを作成した。断片番号1はアンキリンリピートの部分をカバーし、断片番号
2は「リンカー」領域に位置する。断片番号3は、このドメインにおける機能的
意味を有するはっきり区別されるサブ構造を規定するデスドメインモジュールの
中心コアに位置し、断片番号4はこのタンパク質のC末端尾部(テイル)にわた
り、この領域によって発揮される負の自動調節の存在を示す。後者2つの断片は
このタンパク質に関する新規構造/機能情報を提供するために、より詳細に研究
された。
【0012】 DAPキナーゼの保護断片は図面の図2に示されるものである。断片番号1は
サイズが48アミノ酸であり、DAPキナーゼ中のアンキリンリピートを含む。
断片番号2はサイズが55アミノ酸であり、DAPキナーゼの「リンカー」領域
を含む。断片番号3はサイズが52アミノ酸であり、DAPキナーゼのデスドメ
インを含む。断片番号4はサイズが17アミノ酸であり、DAPキナーゼのC末
端尾部を含む。完全長DAPキナーゼタンパク質を阻害することによってアポト
ーシスから細胞を保護するすべてのタンパク質断片は血流中で十分安定であり、
慣用のデリバリー(運搬)方法、すなわち皮下注射などによって、ならびに遺伝
子操作された細胞を介してインビボで発現させることによって細胞内に導入可能
である。
【0013】 特に興味深いのは、このタンパク質のC末端のセリンに富む尾部にわたる断片
番号4が新規調節領域を規定することがわかったことである。この短い(ショー
ト)ペプチドの異所性発現はDAPキナーゼの機能を阻害し、一方、完全長タン
パク質の尾部を除去すると、その殺生活性が高められ、これはC末端尾部が通常
負の調節の役割を果たしていることを示す。
【0014】 本発明の一側面は、DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシ
スから保護できるペプチドに関する。このようなペプチドの好ましいが制限的で
ない例には、(A)DAPキナーゼのC末端尾部由来のアミノ酸配列番号:6を
含むペプチド断片、(B)DAPキナーゼ中のアンキリンリピートを含む、長さ
約48アミノ酸残基のDAPキナーゼペプチド断片、(C)DAPキナーゼのリ
ンカー領域を含む、長さ約55アミノ酸残基のDAPキナーゼペプチド断片、(
D)DAPキナーゼのデスドメインを含む、長さ約52アミノ酸残基のDAPキ
ナーゼペプチド断片が含まれる。本発明のこの側面はまた、DAPキナーゼペプ
チド断片のより短い断片、アナログおよび誘導体ならびに、このペプチドのNお
よびC末端のいずれかあるいは両者が1〜4残基延長され、好ましくはAspま
たはGluである延長されたペプチドが含まれる。AspまたはGlu残基での
ペプチド末端の延長は、このペプチドの水溶性を高める。
【0015】 本明細書中で用いられる本発明のペプチドの「断片」とは、より短いペプチド
である、分子の任意のサブセットを表す。目的の断片は、DAPキナーゼを阻害
することによって細胞をアポトーシスから保護できるものである。このような「
より短い」断片は、このペプチドからアミノ酸残基を系統的に連続欠失させるこ
とによって作成でき、可能であれば、阻害活性を妨げることなくペプチドのサイ
ズ/長さを最小にする。別法では、例えばBal31ヌクレアーゼを用いる入れ
子状態の欠失により、ペプチドをコードするDNAを系統的に欠失させることを
用いて、「より短い」断片を発現し、生産するDNAを作成できる。
【0016】 本発明のペプチドのアナログは、本質的に本発明のペプチドのアミノ酸配列に
対応するアミノ酸配列を有するものである。用語「本質的に対応する」とは、こ
のペプチドの配列に、その基本的性質、特にDAPキナーゼを阻害するその能力
に影響しないマイナーな変化を有するアナログを含むことを意図する。「本質的
に対応する」の言葉の範囲内に含まれると一般に考えられる変化のタイプは、少
しのマイナーな修飾を生じさせ、以下に記載の様式で所望の活性に関してスクリ
ーニングする、所望の本発明のペプチドをコードするDNAの慣用の突然変異誘
発技術から得られるであろうものである。
【0017】 好ましくは、アナログは、天然アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を持
つアミノ酸配列を有し、そのDAPキナーゼ阻害活性を維持しているDAPキナ
ーゼの天然ペプチド断片の変異体である。より好ましくは、このような配列は、
天然配列と少なくとも85%同一性、少なくとも95%の同一性、または最も好
ましくは少なくとも95%の同一性を有する。変異体ペプチドは、当技術分野に
周知の方法を用いるこの変異体ペプチドの直接化学合成によって都合よく作成す
ることができる。遺伝子レベルでは、これらの変異体は通常、このペプチド分子
をコードするDNA中のヌクレオチドのサイトダイレクト突然変異誘発(Adelma
n et al., 1983 により例証されている)によって作成でき、これにより変異体
をコードするDNAを生産し、その後組換え細胞培養中でこのDNAを発現させ
る。
【0018】 本明細書中で用いられる用語「配列同一性」とは、その配列が以下のように比
較されることを意味する。配列は Genetic Computing Group's GAP (グローバ
ルアラインメントプログラム)のバージョン9を用い、ギャップオープンペナル
ティー −12(ギャップの最初のヌルに関して)およびギャップ延長ペナルテ
ィー −4(ギャップ中のさらなる連続するヌルそれぞれ当たり)を伴うデフォ
ルト(BLOSUM62)マトリクス(値−4〜+11)を使用してアラインメントする
。アラインメント後、特許請求されている配列中のアミノ酸数のパーセンテージ
として適合数を記載することによって同一性パーセンテージを計算する。
【0019】 本発明のアナログは、以下の手順にしたがって測定してもよい。ストリンジェ
ンシーが高いまたは中程度の条件下で天然のDNAまたはRNAの相補物(comp
lement)とハイブリダイズする、DNAまたはRNAなどの任意の核酸によって
コードされるペプチドも、ペプチドがその天然の配列の生物学的活性を維持する
限り本発明の範囲内であると考えられる。
【0020】 ストリンジェンシー条件は、ハイブリダイゼーション実験で用いた温度、一価
カチオンのモル濃度およびハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパー
セントの関数である。ある設定された条件についてのストリンジェンシーの程度
を決定するためには、まず、DNA−DNAハイブリッドの融解温度Tmとして
表される、同一性100%のハイブリッドの安定性を求めるため、Meinkoth et.
al.,(1984)の式: Tm=81.5℃+16.6(LogM)+0.41(%GC)-0.61(%form)-500/L [ここで、Mは1価カチオンのモル濃度であり、%GCはDNAにおけるGおよ
びCヌクレオチドのパーセントであり、%formはハイブリダイゼーション溶液中
のホルムアミドのパーセントであり、およびLはハイブリッドの塩基対の長さで
ある]を用いる。同一性100%のハイブリッドについて計算した温度からTm
が1℃下がるごとに、可能なミスマッチの量は約1%増大する。したがって、特
定の塩とホルムアミド濃度での、ある所定のハイブリダイゼーション実験につい
て用いたTmが、Meinkothの式にしたがい100%ハイブリッドについて計算し
たTmよりも10℃低い場合、約10%までのミスマッチが存在していたとして
もハイブリダイゼーションが起こるであろう。
【0021】 本明細書で用いられる、ストリンジェンシーが高い条件とは、約15%までの
配列の相違を許容する条件であり、ストリンジェンシーが中程度の条件とは、約
20%までの配列の相違を許容する条件である。限定されることなく、高いスト
リンジェンシー(ハイブリッドの計算されたTmよりも12〜15℃低い)およ
び中程度の(ハイブリッドの計算されたTmよりも15〜20℃低い)条件の例
では、2×SSC(標準クエン酸生理食塩水)および0.5%SDSの洗浄溶液
をそのハイブリッドの計算されたTmよりも低い適当な温度で用いる。その条件
の最終的なストリンジェンシーは、特に、用いたハイブリダイゼーション条件が
、不安定なハイブリッドが安定なハイブリッドとともに形成する条件ならば、主
に洗浄の条件に起因する。高いストリンジェンシーでの洗浄条件は、安定性の低
いハイブリッドを除去する。上記の、高いストリンジェンシーないし中程度のス
トリンジェンシーの洗浄条件で用いることができる一般的なハイブリダイゼーシ
ョン条件は、6×SSC(または6×SSPE)、5×Denhardt's試薬、0.5
%SDS、100μg/mL変性断片化サケ精子DNAの溶液中での、Tmより
も約20℃〜25℃低い温度でのハイブリダイゼーションである。混合プローブ
を使用する場合、SSCの代わりに塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)
を使用するのが好ましい(Ausbel, 1987, 1988)。
【0022】 本明細書に用いられる「機能的誘導体」または「誘導体」は、そのペプチドの
通常の部分でない更なる化学的部分を含み、その残基の側鎖として存在する官能
基またはN末端またはC末端の基から、当分野でよく知られた手段により生じ得
る化学的誘導体を包含し、それらが製薬的に許容し得る、即ちそれらが本明細書
に記載した対応するペプチドのDAPキナーゼ阻害活性を破壊せず、それを含有
する組成物に毒性の特性を与えない限り、本発明に包含される。
【0023】 適当な誘導体には、カルボキシル基のカルボキシルの脂肪族エステル、アンモ
ニアまたは第1級もしくは第2級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド
、アシル部分(例えば、アルカノイルまたは炭素環アロイル基)により形成した
アミノ酸残基の遊離のアミノ基のN−アシル誘導体、またはアシル部分により形
成した遊離のヒドロキシル基(例えば、セリルまたはトレオニル残基)のO−ア
シル誘導体が含まれ得る。そのような誘導体もまた、例えば、抗原部位をマスク
し、体液におけるその複合体またはその一部の居留を長引かせ得るポリエチレン
グリコール側鎖を含むことができる。
【0024】 そのような誘導体の非限定的な例を以下に記載する。
【0025】 システイニル残基は、最も一般的には、α−ハロア酢酸(および対応するアミ
ン)、例えばクロロ酢酸またはクロロアセトアミド、と反応させてカルボキシメ
チルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。システイニル残基はまた、ブ
ロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミダゾイル)プロピオン
酸、クロロアセチルホスフェート、Bアルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピ
リジルジスルフィド、メチル−2−ピリジルジスルフィド、p−クロロメルクリ
安息香酸、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニ
トロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によって誘導体化する。
【0026】 ヒスチジル残基は、ジエチルプロカーボネートがヒスチジル側鎖に対して比較
的特異的であるので、pH5.5〜7.0でのこの試薬との反応によって誘導体
化する。
【0027】 パラブロモフェナシルブロミドもまた有用である。反応は、pH6.0で、好
ましくは0.1Mのカコジル酸ナトリウム中で行う。
【0028】 リジニルおよびアミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反
応させる。これらの試薬による誘導体化は、リジニル残基の電荷を逆転させる効
果を有する。α−アミノを含有する残基を誘導体化するための他の適当な試薬に
は、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミダート、ピリドキサールホスフ
ェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホ
ン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジオン、およびグリコシレートと
のトランスアミナーゼによる触媒反応が含まれる。
【0029】 アルギニル残基は、1または数種の慣用の試薬、なかでもフェニルグリオキサ
ール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロデキサンジオン、およびニンヒドリ
ンとの反応によって修飾する。アルギニル残基の誘導体化は、グアニジン官能基
の高いpKのために、アルカリ条件下で反応で行うことが必要である。さらに
、これらの試薬を、リジンの基ならびにアルギニンε−アミノ基と反応させても
よい。
【0030】 チロシル残基の特異的な修飾自体は、詳細に研究されており、芳香族ジアゾニ
ウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によるチオシル残基へのスペクト
ル標識の導入に特に興味が持たれている。最も一般的には、N−アセチルイミダ
ゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、O−アセチルチロシル種および3−
ニトロ誘導体をそれぞれ形成する。
【0031】 カルボキシルの側鎖の基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘ
キシル−3−[2−モルホリニル−(4−エチル)]カルボジイミドまたは1−
エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドなど
のカルボジイミド(R’−N−C−N−R’)との反応によって選択的に修飾す
る。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反
応によってアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換する。
【0032】 グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、しばしば、対応するグルタミルお
よびアスパルチル残基に脱アミド化する。別法として、これらの残基を、温和な
酸性条件下で脱アミド化する。これら残基のいずれか一方形態も本発明の範囲に
含まれる。
【0033】 用語「誘導体」は、1つのアミノ酸を、一般的に存在する天然の20種のアミ
ノ酸の別のものに変えない誘導体のみを包含することを意図する。
【0034】 本明細書に記載の用語「塩」は、カルボキシ基の塩および本発明の複合体また
はそのアナログのアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は
当分野で知られた手段により形成することができ、例えばナトリウム、カルシウ
ム、アンモニウム、鉄または亜鉛の塩などの無機塩、および例えば、トリエタノ
ールアミン、アルギニンまたはリジン、ピペラジン、プロカインなどのアミンと
形成した有機塩基との塩が含まれる。酸付加塩には、例えば塩酸または硫酸など
の鉱酸との塩、および例えば酢酸またはシュウ酸などの有機酸との塩が含まれる
。もちろん、そのような塩は、本発明の複合体またはそのアナログと実質的に同
様の生物学的活性を有していなければならない。
【0035】 アナログに関して、以下の配列: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 Ser-Cys-Asn-Ser-Gly-Thr-Ser-Tyr-Asn-Ser-Ile-Ser-Ser-Val-Val-Ser-Arg (配列番号6)を有する17マーの断片#4は、アナログがペプチド断片の特徴
、即ち、疎水性アミノ酸と、荷電していないが強い水素結合を形成することが可
能なアミノ酸(Arg17を除く)との組合せ、をどの程度保持しているかの一例
としてここに用いる。以下のように、そのような特徴がそのアナログにおいて保
持され得る: ・1、4、7、10、12、13および16位のセリン(S)残基は、水素結合
の形成が可能なアミノ酸、即ちトレオニン、または非天然のアミノ酸ホモセリン
で置換してもよい。その他の可能な置換は、非荷電性で、弱いまたは中程度の疎
水性を有する残基、例えばGlyまたはAlaによるものである。 ・Cys(C)は、例えばGly、Ala、Val、Ser、Thrα-アミノ酪酸、およ
びα−アミノプロピオン酸などの、天然のまたは非天然の、非荷電性アミノ酸に
よって置換することができる。 ・AsnおよびAsn(N)は、GlnならびにAspまたはGluによって置換する
ことができる。これらの変更は、ペプチドのより高い溶解性につながり得る。 ・Gly(G)は、Ala、α−アミノプロピオン酸などの、種々の脂肪族の非荷
電性の、天然または非天然の残基で置換することができる。 ・Thr(T)は、Ser、Gly、Alaなどの、脂肪族の、非荷電性で、やや中程
度かまたは弱い疎水性を有するアミノ酸によって置換することができる。 ・Tyr(Y)は、Phe、Trp、p−アミノ−Phe、メチル化−Phe、Pheおよ
びTyrのハロゲン誘導体などの、芳香族の、天然のおよび非天然の残基によって
、ならびにLeu、Ile、Nleなどの脂肪族の疎水性残基によって置換することが
できる。 ・I11、V14、V15の高い疎水性を有する残基は、Leu、Nor−Leu(Nl
e)、Nor−Val(Nva)、Met、Phe、メチル化−Phe、Trp、Tic、ホモ−
Leuなどの、天然または非天然の、疎水性の脂肪族または芳香族の残基によって
置換することができる。 ・Arg17(R)は、Lys、Nε−アルキル化−Lys、Ornおよびそのアルキル
化誘導体、ArgのN−アルキル化およびジ−アルキル化誘導体などの、正に荷
電した、天然または非天然の残基によって置換することができる。
【0036】 当業者は、DAPキナーゼのその他の阻害ペプチド断片について、アミノ酸の
置換に関して同様の検討を行うことができるということを理解するであろう。タ
ンパク質加水分解に対するそのペプチドの安定化を目的とした、−C(=O)−
N(CH)−またはCH−N(H)−または−C(=S)−N(H)−等の
修飾されたペプチド結合の導入も可能であり、影響を受けやすい位置(例えばY −N)に関して特に有益である。
【0037】 特に、(NおよびC末端の両方の)天然の配列に関して、種々のアミノ酸によ
るペプチド鎖の伸張(1〜4残基)によって活性な誘導体が得ることができる。
負に荷電した残基(例えばGluまたはAspなど)の付加は、活性を保持しながら
溶解性を増大させることができる。N末端のサクシニル化またはグルタリル化も
そのペプチドの化学的誘導体として望ましい。
【0038】 化学的誘導体の更なる非限定的な例として、疎水性の脂肪族酸CH(CHCO−(n=1〜16)または、少なくとも1つのヘテロ原子(例えばS、
NまたはO)を含有する脂肪族酸、またはフェニル−(CHCO−(n=
1〜6)等の脂肪族−芳香族酸によるペプチドのN末端からの伸張は、そのペプ
チドの細胞への取り込みを増大し得る。これらの修飾は、水溶性(即ち、Aspま
たはGlu残基[1〜4]の付加による一方の末端で伸張されたペプチド)のペプ
チドに対して行うことができる。ポリエチレングリコール鎖(PEG)(分子量
=2000〜10000)の付加は、最も効果的な膜貫通誘導体につながり得る
。ペプチド鎖と伸張物との会合は、アミド(CO−NH)形成を介するかまたは
−CH−N(H)−等の結合を介するか、またはSH部分、例えば−CH
Cys−ペプチド(−CH−S)を介することができる。
【0039】 ペプチド、そのアナログおよび誘導体のDAPキナーゼ阻害活性の生物学的評
価は、グルタミン酸処理された海馬神経の十分に校正された系で極めて容易に行
う。ペプチドならびにそのアナログおよび誘導体の阻害活性もまた、成長因子の
欠乏、セラミドまたは致死サイトカイン(killing cytokines)を含む種々の傷
害に応答してアポトーシスを受ける神経細胞系によって分析することができる(
後者は恐らくより実用的なスクローニング系である)。
【0040】 試験動物における、2つの明確な傷害、即ちグルタミン酸の眼注射および視神
経の挫滅傷害に対する網膜の神経節細胞の応答は、アポトーシスからの神経細胞
の保護における、ペプチドならびにそのアナログおよび誘導体の有効性を試験す
るためのインビボモデルとして好ましく用いられる。その理由は以下の通りであ
る。
【0041】 a)網膜神経節細胞の死に対するDAP−キナーゼの関与が、DAP−キナー
ゼKOマウスにおいて最近立証された。本発明者の実験室は、DAP−キナーゼ
欠損マウスにおいて、グルタミン酸の硝子体内(intravitreal)注射または視神
経挫滅傷害後に生存した網膜神経節細胞の数は、統計的に有意な程度に高いこと
を見出した。このことは、DAP−キナーゼが網膜神経節細胞の死において中心
となって関与しており、したがって機能的なペプチドが有効であることを示して
いる。
【0042】 b)眼球は、化合物を硝子体内注射によって導入することができ、過剰な体液
によって希釈されることなく化合物が有効な、隔離された箱であると考えられる
。したがって、ペプチド注射が最も有効であり得る。
【0043】 C)本実験系は、緑内障などのヒトの種々の病気のモデルである。最良のペプ
チド誘導体を、視神経の挫滅傷害またはグルタミン酸投与の前および後の種々の
時点で野生型マウスの硝子体に注射する。網膜において生存した細胞の数を計数
により評価する。ペプチドの有効性を評価するために、効果を、KOマウスにお
けるDAP−キナーゼの欠損によって得られた保護効果と比較する。
【0044】 本発明のペプチドならびにそのアナログおよび誘導体は、製薬的に許容し得る
担体、および場合により他の治療および/または予防成分と組み合わせることが
できる。担体は、その製剤の他の成分と適合しその製剤の受容者に有害でないと
いう意味で「許容し得る」ものでなければならない。
【0045】 本ペプチドは、そのペプチドと製薬的に許容し得る担体とを組合せた形態で投
与することができる。したがって、本発明の組成物は、製薬的に許容し得る担体
とともに、少なくとも1つのペプチドならびにそのアナログまたは誘導体を含有
する。
【0046】 予め決められた量の活性成分をそれぞれ含有する、丸薬、カプセルなど、なら
びにサシェまたは錠剤などの担体が固体である経口投与に適当な医薬製剤が、単
位投与量製剤として最も好ましい。錠剤は、場合により1またはそれ以上の副成
分とともに、圧縮または成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、場合
により結合剤、滑沢剤、内部希釈剤(interdiluent)、潤滑剤、界面活性剤また
は分散剤と混合した、紛体または顆粒などの自由に流動する形態の活性なコンジ
ュゲートを適当な機械で圧縮することにより製造することができる。成形錠剤は
、活性なコンジュゲートを不活性な液体希釈剤とともに成形することによって製
造することができる。 錠剤は、場合によりコーティングを施してもよく、コー
ティングしない場合は場合により刻み目をつけてもよい。カプセルは、単独で、
または1もしくはそれ以上の副成分と混合して、活性なコンジュゲートをカプセ
ルケースに充填し、通常の方法でこれを密閉することによって製造することがで
きる。カシェは、活性なコンジュゲートが、場合により副剤とともに、ライスペ
ーパーエンベロープ内に密閉されているもので、カプセルと同様である。
【0047】 担体が液体である経口投与に適当な医薬製剤は、水性液体または非水性液体ノ
溶液として、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンとして便利に
提供され得る。
【0048】 非経口投与に適当な医薬製剤は、その製剤を入れた後に使用の必要があるまで
密閉されている、単位投与量または複数投与量の容器において提供される。
【0049】 上記の担体成分に加えて、上記の医薬製剤は、必要に応じて、希釈剤、緩衝剤
、香味剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(抗酸化剤を含む)な
どを、さらに製剤の等張性を意図する受容者の血液と同じにすることを目的とし
て含有させる物質を含有することができる。
【0050】 医薬製剤は、活性化合物を投与することができる任意の製剤であってよく、経
口または非経口投与(筋肉内および静脈内を含む)に適した製剤が含まれる。本
製剤は、必要に応じて、分割された投与量単位で便利に提供され、製薬分野でよ
く知られた任意の方法によって製造することができる。すべての方法には、活性
化合物と液状担体または微細な固形担体とを一体にする工程、そしてさらに、必
要ならば、その製造品を望ましい製剤に形づくる工程が含まれる。
【0051】 DAPキナーゼ活性に関連する細胞におけるアポトーシスを阻害するために、
その必要がある患者を、治療的に有効な量の本発明の少なくとも1つのペプチド
で処置する。本発明のペプチドは血中で比較的安定であるため、ペプチドを投与
するいずれかの慣用的な手段によって投与することができる。別法として、イン
ビボでペプチドの発現を引き起こすことによってそのペプチドを投与することが
できる。
【0052】 その活性な作用物質がペプチドまたはその断片、アナログまたは誘導体である
活性な物質に関して、用語「有効な量」は、DAPキナーゼ活性の阻害の結果と
してその活性な作用物質を受容する患者の生理学的状態において治療的な変化を
誘導することが可能な、活性な作用物質の量を意味する。
【0053】 さらに、本発明は、活性な作用物質を個体に投与することを含む治療方法を提
供す。医薬組成物と同様、その活性な作用物質の性質に依存して、本方法はDA
Pキナーゼ活性に関連する細胞アポトーシスの阻害に実用的である。したがって
、本発明は、罹患した個体の細胞内に治療的に有効な量の活性な作用物質を導入
し、それにより細胞のアポトーシスを阻止することを含む、アポトーシスに関連
する疾患または障害を処置するための方法を提供する。
【0054】 本発明の別の態様は、異所的に発現したときにドミナントネガティブ様式で作
用する可能性について、選択可能な表現型に関与する遺伝子産物の断片を一般的
にスクリーニングするための方法である。この発明の好ましい態様を遺伝子産物
としてDAPキナーゼに応用する。この方法は、以下を含む。 (A)選択可能な表現型に関与する遺伝子産物をコードするcDNAを断片化し
てランダムcDNA断片を得ること。 (B)そのランダムcDNA断片を、細菌および哺乳類細胞において増殖可能な
EBVベースのエピソームシャトルベクターに挿入して、ランダムcDNA断片の
ライブラリーを作製すること。ここで、ランダムcDNA断片はランダムcDN
A断片の発現のためのプロモーターに作動可能に連結しており、EBVベースのエ
ピソームシャトルベクターは、選択可能なマーカー、および作動可能なように連
結したプロモーターからのランダムcDNA断片の発現を刺激するインターフェ
ロン応答エンハンサーエレメントを有する。 (C)哺乳類宿主細胞を、EBVベースのエピソームシャトルベクターにおけるラ
ンダムcDNA断片のライブラリーで形質転換し、形質転換された宿主細胞を得
ること。 (D)遺伝子産物の選択可能な表現型にドミナントネガティブ様式で作用する形
質転換細胞を選択すること。 (E)遺伝子産物のペプチド断片をコードし、その遺伝子産物に対してドミナン
トネガティブ様式で作用するcDNA断片を単離すること。この方法の好ましい
態様では、DAPキナーゼに対してドミナントネガティブ様式で作用するDAP
キナーゼのペプチド断片を単離する。
【0055】 この方法の好ましい態様では、DAPキナーゼに対してドミナントネガティブ
様式で作用するDAPキナーゼのペプチド断片を単離する。
【0056】 用語「作動可能なように連結した」は、調節DNA配列(即ち、プロモーター
)と発現すると考えられるDNA配列とが、遺伝子発現を可能にするように連結
している「作動可能な連結」を意味することを意図する。遺伝子発現に必要な調
節配列の厳密な性質は生物ごとに異なり得るが、一般的にプロモーター領域、な
らびにRNAに翻訳されたときにタンパク質合成の開始のシグナルを伝達するで
あろうDNA配列を含む。
【0057】 ここに本発明を一般的に記載したが、説明として記載された、本発明の限定を
意図しない以下の実施例を参照することにより、本発明がよりたやすく理解され
るあろう。
【0058】 実施例 材料および方法 DAPキナーゼcDNAライブラリーの構築 5kbの断片である、全長DAPキナーゼcDNAをBluescriptプラスミドか
ら切り出し、精製した。このcDNA5pgを、記載されているように(Gudkov
et al, 1997)、部分的なDNaseI(Sigma)消化に付した。種々の時点で、E
DTAを最終濃度25mMになるまで加えることにより反応を止め、平均の長さ
が種々(50bp〜2kb)の断片調製物を得た。ライブラリーが構築されたベク
ターは、本発明者の実験室において以前に開発したpTK01をベースにした(D
eiss et al, 1991)。まず、図1Bに詳細に示されているように、フラッグエピ
トープ、平滑クローニング部位、および3個の終止コドンを含有する合成アダプ
ターを、SV−40プロモーター下にpTK01へ挿入した。cDNA断片をT
4DNAポリメラ-ゼおよびKlenow(NEB)で平滑化し、過剰のベクターと直接ライ
ゲーションした。カセットの両端に、独特な制限部位を連結して、挿入物の方向
性(directional)再サブクローニングを可能にした。ライゲーションに用いた
DNAの量は、100000個以上のクローンが得られ、多種多様なサイズで、
その分子の異なった領域に由来する断片の可能な発現量が最大なる複雑さになる
よう調整した。プラスミドDNAを、プールした細菌コロニーから直接調製して
増幅工程を回避し、得られたライブラリーのPCR解析により、挿入物のサイズ
の範囲が変わらずそのままであることが確認された。
【0059】 細胞培養およびトランスフェクション手順 10%ウシ胎児血清(FCS;Biolab)、2mMグルタミンおよび10
0U/mlペニシリンならびにストレプトマイシン(Gibco)を補足したダ
ルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Gibco)中で293、MCF7およ
びHeLa細胞を維持した。培養培地にヒトインターフェロンγ(Rephro
gen)を1000U/mlの濃度で加えた。標準CaPO沈殿法によってト
ランスフェクションを行った。アポトーシスアッセイのために、トランスフェク
ションの1日前に、293細胞をプレートに植えた(6×10細胞/9cmプ
レート)。各プレートのトランスフェクション混合物は、1μgのEGFPコー
ディングプラスミド(Clontech)、3μgの“キリング”プラスミド(
p55−TNF−受容体またはDAP−キナーゼΔCaMのいずれかを含むpc
DNA)および9μgの空ベクターまたはライブラリーフラグメントを含むプラ
スミドのいずれかを含むものであった。異なる形体のDAP−キナーゼのキリン
グ能力を比較するために、1μgのpEGFPおよび10μgのpcDNA3を
指示された形体のいずれかにおいて用いた。トランスフェクション後24時間、
蛍光顕微鏡下および形態学的特徴についてアポトーシスを評価した。
【0060】 細胞における機能的エレメントの選択 HeLa細胞(5×10細胞/9cmプレート)のプレート6枚をそれぞれ
、10μgのライブラリーDNAでトランスフェクトした。トランスフェクショ
ンの48時間後、細胞をトリプシン処理し、200μg/mlのハイグロマイシ
ンB(Calbiochem)および1000U/mlのインターフェロンγを
含む培地にて20枚のプレートに植えた(6×10細胞/15cmプレート)
。選択から3週間後、生存しているコロニーから細胞を集め、Hirt法(Deni
ssら、1991)によって、エピソームを抽出した。
【0061】 タンパク質分析 文献に記載されているように(Cohenら、1997)、細胞ペレットをPLB
緩衝液中で細胞溶解し、SDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜
にブロットした。PBS+0.1%Tween20および10%w/vスキムド
ライミルク中でフィルターをブロックし、次いで、1:1000に希釈した抗D
AP−キナーゼモノクローナル抗体(Sigma)とともにインキュベートした
。フィルターをPBS−Tweenで洗浄し、次いで、ホースラディッシュペル
オキシダーゼ複合ヤギ抗マウス抗体(Jackson)とともにインキュベート
した。使用説明書にしたがい、強化化学ルミネセンスによって抗体を視覚化した
(スーパーシグナル、Pierce)。
【0062】 分子モデリング 図4Aに示した配列アラインメントは、スミス−ウォーターマンアルゴリズム
(Smithら、1981)を用いて得たものであり、ヘリックス3の位置における
1つのアミノ酸シフトという相異以外は、本発明者ら(Feinsteinら、1995
)の先に公開されたアラインメントとほとんど同一である。インサイトII(M
SI/Biosym Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア)のホモロジー
・モジュールを用いて、3Dモデルを構築したが、これは、最近、プロテイン・
データ・バンクに寄託された(Bernsteinら、1977)緊密に関連したp75
ニューロトロフィン受容体のNMR構造(Liepinshら、1977)を基とした。
初期モデルは、エンキャド・プログラム(Lebittら、1983)によって最小化
されたエネルギーであった。この最小化において、C原子は、全構造が破壊され
ないように、それらの初期位置へ抑制された。エネルギー最小化構造は、3D−
1D適合性スコアを計算することによって、証明された(Luthyら、1992)
。これらは、ヘリックス3と4の間の12アミノ酸ループに制限された、単一の
潜在的にミスフォルドされた領域のみを同定し、厳密な構造は確実には構築され
えなかった。
【0063】 インビトロキナーゼアッセイ トランスフェクションの1日前に、293細胞をプレートに植え(6×10 細胞/9cmプレート)、CaPO手順によって、指示された形体のDAP−
キナーゼのそれぞれを含み、N末端において、すべてHAエピトープでタグ付け
された、1μgのpEGFPおよび10μgのpcDNA3でトランスフェクト
した。文献に記載されているように(Cohenら、1997)、細胞ペレットをP
LB緩衝液で細胞溶解し、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを補
足した500μLのPLB中の3μLの抗HAモノクローナル抗体で、総抽出物
1mgから組換えDAP−キナーゼタンパク質の免疫沈降を4℃で2時間行った
。免疫沈降物をPLBで3回洗浄し、反応緩衝液(50mMのHepes、pH
7.5、8mMnoMgClおよび0.1mg/mlのBSA)で1回洗浄し
た。ビーズに結合したタンパク質を、15μCi[α−32P]ATP(3ピコ
モル)、50μMのATP、2μgのMLC(Sigma)、CaCl(0.
1mM)およびウシカルモジュリン(1μM、Sigma)を含む反応緩衝液5
0μL中で30℃にて10分間インキュベートした。タンパク質サンプル緩衝液
を加えて反応を終結させ、沸騰後、タンパク質を12%SDS−PAGE上で分
析した。ゲルをニトロセルロース膜にブロットし、32P−標識タンパク質オー
トラジオグラフィーにて視覚化し、ホスファー−イメージャーを用いて、相対的
MLCリン酸化速度を測定した。モノクローナル抗DAP−キナーゼ抗体で免疫
ブロットすることによって、DAP−キナーゼレベルを決定した。
【0064】 結果 遺伝子スクリーンによるDAP−キナーゼの機能的分析 DAP−キナーゼの生物学的に活性なペプチドを単離するために、そのランダ
ムにフラグメント化したcDNAの発現ライブラリーを作成し、IFN−γで処
理したHeLa細胞におけるポジティブな機能的選択(図1A)を行った。これ
は、DAP−キナーゼが最初に単離されたシステムである(Denissら、1995
)。 ライブラリーは、選択中にライブラリーインサートの発現を刺激する、IFN
−応答エンハンサーエレメント(ISRE)を含む、EBVベースエピソームベ
クターであるpTKO1(Denissら、1991)において構築され、この手順に
おいて非常に有効であることが予めわかっていた(Denissら、1991)。この
ベクターに、フラッグエピトープ内の好都合な翻訳開始コンテキストにイニシエ
ーターメチオニンを提供する適当な発現カセットを最初に導入し、次いで、すべ
ての3つの読み取り枠に、クローニングサイトおよび終止コドンを導入した(図
2B)。不完全DNアーゼI消化によって、DAP−キナーゼCDNAフラグメ
ントを作成し、ベクターにライゲートした。フラグメント化およびサブクローニ
ング方向は、両方ともランダムであったので、フラグメントの半分が、センス方
向に挿入され、これらの1/3(すなわち、全挿入物の約16%)が、正確な読
み取り枠において発現することが仮定された。エピソームシャトルベクターの選
択は、3つの主要な利点を提供した:(1)染色体組込みを必要としない安定なト
ランスフェクションの相対的に高い効率;(2)挿入突然変異形成から得られる不
正確なポジティブクローンの出現の減少;および(3)選択から生き延びた細胞か
らのプラスミドの直接回収および細菌または哺乳動物細胞のいずれかにおけるこ
れらのプラスミドの迅速な増殖。
【0065】 トランスフェクションによって、DAP−キナーゼcDNAライブラリーをH
eLa細胞に導入し、次いで、ハイグロマイシンBおよびIFN−γで、3週間
細胞を二重選択に付した。この長期選択を生き延びた細胞コロニーを集め、Hi
rtの抽出によってエピソームを単離し、細菌の形質転換に用いた。70個のラ
ンダムに選択した細菌コロニーからのプラスミドのcDNAインサートをPCR
によって増幅し、配列決定した。13個のフラグメントが、センス方向に挿入さ
れるように整列し、センスフラグメントから、18個のクローンが、DAP−キ
ナーゼの確実な読み取り枠にペプチドをコードした。18個のクローンのうち、
4個のフラグメントが1回だけ出現し、残りは、9つの異なるフラグメントに対
応して複数回出現した。目的は、タンパク質の異なる構造モチーフの機能を実験
することであったので、正確な枠内のセンスフラグメントに特に注意を払った。
機能的に活性なペプチドと不正確なポジティブペプチドとを区別するために、以
下に詳述するように個々のフラグメントの生物学的機能をテストした。
【0066】 TNF−誘発アポトーシスにおいてDAP−キナーゼの機能を阻害する第2ス
クリーン同定機能ペプチド HeLa/IFN−γシステムにおいては、単一の遺伝子変化が、長期選択に
付した細胞の集団において、弱いが、なお選択可能な表現型の生存の増加を得る
のに十分であったので、DAP−キナーゼが単離されたHeLa/IFN−γシ
ステムは、機能的選択の第1ラウンドに適していた(Denissら、1991)。し
かし、システムのこの特徴は、有意なレベルの非特異的バックグラウンドも誘発
しうるので、この選択によって得られたフラグメントを第2スクリーンによって
、個々にテストした。 第2アッセイのために、高レベルのp55 TNF受容体によって誘発された
アポトーシスを用いた。これは、DAP−キナーゼにとっての本質的な役割が予
め確立されているシステムである(Cohenら、1999)。このアッセイシステ
ムにおいては、単離されたフラグメントのDAP−キナーゼ機能を阻害する能力
を迅速に試験することができ、したがって、アポトーシスから細胞を保護するこ
とができる。この目的のために、p55 TNF−受容体をヒト腎臓上皮293
細胞に、空pTKO1ベクターまたは第1選択からの個々のフラグメントを含む
ベクターのいずれかとともにトランスフェクトし、24時間後に、アポトーシス
のレベルを評価した。トランスフェクトされた細胞をGEP発現によって同定し
、典型的な形態学的特徴にしたがってアポトーシスの割合を顕微鏡的に評点付け
した。ペプチドの細胞への共導入がTNF−受容体誘発アポトーシスの程度を5
0%以上まで減少させるならば、ペプチドがポジティブであると定義した。
【0067】 この基準を用いて、9個の異なるDAP−キナーゼ誘導ペプチドからの4個の
ペプチドのアポトーシスに対する耐性を付与する能力を立証した(図2)。それ
らのうちの1つ(フラグメント#3)は、6回出現し、他の3つはそれぞれ2回
出現した。残りのフラグメントは、これらのアッセイにおいて不確実ポジティブ
として評点付けした。ポジティブクローンによる保護の程度は、60〜70%で
あった(図3A)。それは、予め立証されたDAP−キナーゼの阻害フラグメン
トである、デスドメインの99アミノ酸によって得られた保護の程度に似ていた
(図3A);Cohenら、1999も参照。先に論じたように、この部分的である
がなお有意な保護の程度は、アポトーシス性経路の下流位置で機能する標的の特
徴である。対照的に、そして予期されるように、システムにおいてより早く、す
なわち、受容体近位レベルにおいて機能するFADDの優性ネガティブ突然変異
は、p55 TNF受容体誘発アポトーシスを完全に妨げた(図3A)。もとの
pTKO1ベクターにおいて救われたフラグメントについて、このスクリーンを
最初に行い(図3A)、次いで、該フラグメントをpcDNA3ベクターへサブ
クローニングした後、繰り返して、同様の結果をえた(示さず)。
【0068】 タンパク質内の幾つかの領域に対して機能的に活性なフラグメントの詳細なマ
ッピングを図2に示す。それらのうち3つは、短い領域に広がり(48〜55ア
ミノ酸の大きさ)、アンキリンリピート、“リンカー領域”(どのような公知の
タンパク質モチーブも含まない)およびデスドメインに位置する。第4番目は、
タンパク質のまさにC末端に位置する17アミノ酸のストレッチである。デスド
メイン内に存在するエレメントの単離によって、選択方策の信頼性が確実になる
ので、そのことは注目に値した。
【0069】 これらのフラグメントの効果がDAP−キナーゼ機能の特異的阻害から得られ
たことを証明するために、2つの線に沿った実験を行った。最初に、異なるフラ
グメントが、DAP−キナーゼそれ自体の過剰発現によって誘発された死から2
93細胞を保護しうることを示した。このアッセイにおいて、本発明者らは、カ
ルモジュリン結合および調節領域の欠失が、キナーゼドメインを構成的に活性化
し、それによって強力な死誘発タンパク質を生産する、DAP−キナーゼの活性
化変異体を利用した(Cohenら、1997)。活性化DAP−キナーゼ(ΔCa
Mと称する)を、空ベクターまたは異なる選択されたcDNAフラグメントを含
む同じベクターのいずれかとともに、293細胞にトランスフェクトした。図3
Bに示すように、種々のペプチドの発現によって、そのタンパク質発現レベルに
影響を及ぼすことなく、活性化DAP−キナーゼによって誘発されたアポトーシ
スの程度が減少した。異所的に発現した活性化DAP−キナーゼのレベルが、内
在性キナーゼのレベルよりもはるかに大きいので、この実験的設定における保護
の程度が、TNF−ベースシステムにおけるものよりも低いことは、驚くべきこ
とではない。換言すれば、高レベルのトランスフェクトされたDAP−キナーゼ
は、内在性DAP−キナーゼのみが存在する先の実験における程度(図3A)と
同程度に効率的には、ペプチドによって中和することができない。
【0070】 これらのフラグメントの特異性をさらに審査するために、DAP−キナーゼを
含まないMCF7乳がん細胞において、それらの機能を試験した。本発明者らは
、これまでに、これらの細胞において、TNF−αによるキリングが、DAP−
キナーゼを必要としないことを明らかにしている(Cohenら、1999)。この
システムにおいて、DAP−キナーゼ誘導フラグメントの共トランスフェクショ
ンは、p55 TNF受容体でのトランスフェクションによって誘発されたアポ
トーシスから細胞を保護することができなかった(図3C)。これらの結果は、
DAP−キナーゼ不在において、これらのエレメントがいずれの抗アポトーシス
性活性も欠いていることから、アポトーシスから細胞を保護することにおけるこ
れらのフラグメントの機能が、DAP−キナーゼ依存性であることを示す。 本明細書に記載した研究により4種の保護フラグメントが得られた。明らかに
、このスクリーンの程度は徹底的なものではなく、より多くのペプチドが単離さ
れることを予期され、より包括的なスクリーンが行われるべきである。さらに、
これまでに単離されたフラグメントのうち、デスドメインに位置し、そのテール
が特に興味深く思われる2種のフラグメントにおいてさらなる分析を行った。
【0071】 デスドメインの分子モデリングは、フラグメント#3に対する別個の3Dサブ
構造を示す フラグメント(#3)は、デスドメインから誘導されたものであり、DAP−
キナーゼ媒介アポトーシスにおけるその重大な役割が立証されている保存された
モジュールである(Cohenら、1999)。救出されたフラグメントに対する構
造的基盤を解明するために、デスドメインの三次元(3D)モデル構造を構築し
た。分子モデリングは、DAP−キナーゼデスドメインとp75ニューロトロフ
ィン受容体の非常に関連した細胞内ドメインとの間の配列類似性を基礎とした。
該受容体のNMR構造は近年公開された(Liepinshら、1997)。 DAP−キナーゼデスドメインの予測された構造は、折り畳まれて6つのαへ
リックスを形成する99アミノ酸残基からなる(図4B)。p75におけるよう
に、ヘリックスα1、α5およびα6は、互いに平行になっており、α2、α3
およびα4に対して垂直である。2つのデスドメイン間の1つの注目に値する相
異は、DAP−キナーゼデスドメインのヘリックスα1とα2の間およびヘリッ
クスα3とα4の間に広がる、より長いループの存在である。これらのループは
、DAP−キナーゼに独特なので、他のタンパク質との相互作用の特異性に寄与
することができる。明灰色の領域(図4A、4Bおよび4C)は、DAP−キナ
ーゼの有効なインヒビターとして単離されたフラグメント#3を表す。正確な組
成が配列アラインメント(図4A)に示される、この領域は、分子モデルによっ
て示され、図4Cにおいて強調されるように、密集して構造的に別個のエレメン
トを形成するヘリックスα2、α3およびα4に完全に広がる。このサブ構造は
、別々に発現した場合でもペプチドの正確な折り畳みに関連し、それゆえに、こ
の別個のモジュールをその推定の標的タンパク質に結合させる疎水性相互作用、
特に、ヘリックスα2とα4との間の作用によって安定化している。N末端フラ
ッグエピトープ(図1参照)の付加は、ペプチドの折り畳みを妨害することを予
期されない。第1の理由は、フラッグタグが、ほとんど疎水性残基からなること
であり、第2は、フラッグタグが、タグを物理的にモジュールのコアから分離す
る、ヘリックスα1とα2の間のループの9アミノ酸ロングストレッチに連結さ
れていることである。 したがって、このモデル構造にしたがって、フラグメント#3は、デスドメイ
ンにおいてはっきりとした構造を構成し、強調しうる特徴は、その有効な生物学
的機能である。
【0072】 DAP−キナーゼC末端テールの自己阻害機能 フラグメント#4は、特に興味深かった。それは、デスドメインにすぐに続く
、短いC末端領域のまさに最後の17アミノ酸に位置する。このペプチドのアミ
ノ酸配列(SCNSGTSYNSISSVVSR)は、セリンが多く、これは、
多くのデスドメイン含有タンパク質に典型的な特徴である(Feinsteinら、19
95)。Fas受容体の場合、C末端テールがシグナルトランスダクションをネ
ガティブに調節することがわかっている(Itohら、1993)。C末端テールの
異所性発現が、DAP−キナーゼ機能を阻害することができるという事実は、完
全分子の状況においてテールも明確な役割をもちうることを示した。しかし、D
AP−キナーゼの活性化、その機能の発揮、またはネガティブ自己調節にとって
、テールが正常に本質的であるのかどうかを演繹的に決定するのは容易ではなか
った。
【0073】 C末端テールによって媒介される調節の性質をさらに探究するために、このフ
ラグメントを全長タンパク質から欠失させ、WT DAP−キナーゼ(DAPk
−WT)およびトランケート形のDAP−キナーゼ(DAPk−テール)によっ
て誘発されたアポトーシスの割合を比較した。テールによるポジティブ調節の場
合、あるいはタンパク質の機能の発揮における直接的役割の場合、欠失は、アポ
トーシス機能において低減化を引き起こすことが予測される。逆に、もし、テー
ルがDAP−キナーゼのネガティブ調節に関与するならば、欠失の結果として、
タンパク質の細胞死促進機能の増進を引き起こすべきである。1415位置に終
止コドンを導入すること、すなわち、タンパク質の最後の17アミノ酸を除去す
ることによってテールトランケート形バージョンのタンパク質を作成した(テー
ル突然変異体)。次いで、定量アポトーシスアッセイを用いて、この欠失突然変
異体の能力と野生型タンパク質の能力を比較した。このアッセイでは、機能増進
の対照として、構成的に活性なキナーゼ突然変異体(ΔCaM)を用いた。最後
の17アミノ酸のトランケーションによって293細胞におけるDAP−キナー
ゼのアポトーシス誘発能力が増進されることがわかった(図5A)。トランケー
ト(切断)形突然変異体によって誘発されたアポトーシスの程度は、WTタンパ
ク質によって誘発された程度よりも有意に高く(58%対25%)、ΔCaM突
然変異体(63%)に匹敵したが、発現レベルは、すべての形体において等しか
った(図5B)。このキリング(killing、殺生、死滅)能力の増進が、タンパ
ク質の触媒活性の増加によるものかどうかをテストするために、インビトロキナ
ーゼアッセイを行い、トランケート形細胞からの組換えタンパク質を免疫沈降さ
せ、次いで、外部基質として、ミオシン軽鎖(MLC)とともにインキュベート
した(Cohenら、1997)。このアッセイにおいて、トランケート形テール突
然変異体は、WTタンパク質の活性とは区別がつかないキナーゼ活性を示したが
、一方、活性化キナーゼドメインを含むΔCaM突然変異体は、増加したキナー
ゼ活性を明らかに示した(図5C)。したがって、キリング能力の増進は、キナ
ーゼ活性が高いことに起因すると考えることはできなかった。これらの結果は、
テールがキナーゼドメインに直接影響を及ぼすことはなく、むしろ、重大な標的
をもつタンパク質における他のドメインの相互作用を調節することを介した、D
AP−キナーゼのプロアポトーシス性活性の制御の他のレベルにおいて作用する
ということを意味する。
【0074】 DAP−キナーゼの優性(ドミナント)ネガティブ突然変異体は、アポトーシ
スから神経細胞を保護する a.神経変性病理におけるDAP−キナーゼペプチドを用いるための第1確認
テスト 神経細胞死におけるDAP−キナーゼの関与を評価するために、DAP−キナ
ーゼ“デスドメイン”およびC末端ペプチドを用いた。これらの特異的阻害タン
パク質ドメインを、最初、セラミドによるアポトーシスを受けさせた神経細胞系
においてテストし、次いで、一次(プライマリー)海馬ニューロンへのデリバリ
ーができるだけ単純であるような状況を作り上げることを目的としている一次ニ
ューロンにおいてテストした。 最初の予備ステップにおいて、デスドメイン(CAPk−DD)、デスドメイ
ンの非機能的変異化体(CAPk−mDD――、突然変異の詳細についてはCohe
nら、1999を参照)のいずれかを含むpcDNA3発現ベクターまたは空ベ
クターで、固定したヒト神経芽細胞系(BE6C)をトランスフェクトした。ベ
クターをGFPとともに共トランスフェクトして、トランスフェクト体を視覚化
した。トランスフェクション効率が高く、細胞毒性が低い、FuGENEを用い
た。選択されたアポトーシス性トリガーは、アポトーシス性シグナルの大きなス
ペクトルを媒介するスフィンゴミエリン加水分解によって生成された第2メッセ
ンジャーであるセラミドであった。C6セラミド誘導体を用いた;この誘導体は
、培養細胞内へ貫通し、アポトーシス性経路を開始させる。非機能的類縁体であ
るジヒドロセラミドをネガティブコントロールとして用いた。滴定曲線によって
、神経芽細胞において、30mMのC6セラミドが、同時型のアポローシス性細
胞死を起こし、7〜10時間で約60%の細胞死に到達したことが示された。効
果は細胞密度依存性であった。PARP切断といったようなアポトーシスの古典
的証明が示された。細胞をトランスフェクションした後、C6セラミドに48時
間さらした。緑色の細胞中のアポトーシス細胞のパーセントを蛍光顕微鏡で評価
した。図6に示すように、デスドメインの発現が、約45〜65%まで、セラミ
ド誘発細胞死から細胞を保護することがわかった。図6に示すように、DAP−
キナーゼの突然変異デスドメインは、細胞死保護効果をもたず、空ベクターと区
別がつかない。
【0075】 b.付加的操作をすることなくニューロン細胞内へ貫通しうる細胞死保護ペプ
チドの合成 この予備的結果から、主たる到達点、すなわち、一次海馬ニューロンのアポト
ーシスにおけるDAP−キナーゼの重要性をチェックすることおよびこの目的の
ために容易にニューロン内に貫通するDAP−キナーゼ合成ペプチドを開発する
ことを企てるに至った。テール(尾部)の最後の17アミノ酸(フラグメント(
断片)#4)に対応するペプチドを化学的に合成し、細胞内に進入することがで
き、かつ比較的安定でありうる誘導体を得るために数種のアプローチを用いた。
表1に示すように、アミノ酸配列を検討したところ、ペプチドへの疎水性残基の
結合が細胞進入を促進しうることが示唆された。
【0076】 表1 化学合成ペプチドのアミノ酸配列
【数1】 イソチオシアン酸テトラメチルローダミンを、このペプチドのN末端に共有結
合的に結合させた。この技術は該ペプチドの疎水性を増加させ、蛍光顕微鏡法に
よる該ペプチドの細胞内移行の追跡を可能にする。ヒーラ細胞およびプライマリ
ー海馬ニューロンの培養培地中にマイクロモル濃度にて用いた場合、細胞はすぐ
に、即ち1時間以内に標識化され、そして最初の1時間後に洗浄して除去した場
合は、その標識は細胞内にさらに数時間保持され、徐々に減少した。このローダ
ミンカップリングペプチドを図7〜9に示される実験に用い、そこで、該ペプチ
ドはセラミド誘導性の細胞死から海馬ニューロンを効率的に保護した。
【0077】 スクランブルペプチドと称される、無作為順序の同じアミノ酸組成を含み、表
1に示すような、もう1つのローダミン標識化ペプチドを同様に合成した。この
スクランブルペプチドは野生型ペプチドと同じ効率でプライマリーニューロン中
に透過したので、特異性を評価するための内部評価として用いた。
【0078】 化学的に合成したC末端ペプチドテイルのローダミン標識化誘導体を、3日間
培養した海馬ニューロンに用いた場合、細胞内の運搬効率は、ほぼ100%であ
った。培地中にペプチドを投与した1時間以内に、全てのニューロンは、図7A
および7Bに示すように、細胞本体、並びに軸索および樹状突起に均等に分配さ
れた強いローダミン染色を示した。テイルペプチドは、非常に効率良くセラミド
誘導性の死から海馬ニューロンを保護した。このペプチドの投与量応答曲線を図
8に示す。
【0079】 15μM C6−セラミドの後14時間の時点で測定したところ、30μMペ
プチドにより示される保護平均は58%であった(Pは8.7×10−5未満)
。これを図9に示す。このスクランブルペプチドがセラミドによる死に影響しな
かったことは、DAP−キナーゼテイルのアミノ酸配列に対する特異性を示唆し
ている(図9を参照)。
【0080】 また、このペプチドがグルタミン酸誘導性の細胞死からもプライマリーニュー
ロンを保護したことは興味深く、このことは種々の発作がDAP−キナーゼを通
じて海馬ニューロンを殺すことを示している。
【0081】 上述のことは、DAP−キナーゼの中和がアポトーシスに対して効果的である
とうい最初の直接的証拠を提供する。
【0082】考察 複合タンパク質の機能領域を同定することは、これらの作用機構を理解する鍵
であり、保存性の構造モチーフにより共通して導かれる。ここで、無作為、非偏
向アプローチを用いて、アポトーシスの過程に関与するDAP−キナーゼの能力
に重要な領域を同定した。DAP−キナーゼ活性を阻害することで、アポトーシ
スから細胞を予防するドミナントネガティブペプチドを発現させ、選択すること
によって、DAP−キナーゼの機能ドメインを同定した。全部で4つの機能性断
片を同定し、本明細書中ではその内の2つ(断片#3および#4)をより詳細に
研究した。これらの生物学的に活性な断片による単なる救済は、DAP−キナー
ゼの重要な機能ドメインを強調し、人工的に細胞内発現させた場合は、DAP−
キナーゼの死誘導性活性を妨害できる最小の分子部分を明らかにした。内因性の
DAP−キナーゼを欠くMCF7細胞について試験した場合、これらの断片はア
ポトーシスを抑制しなかった、このことは、これらの機能がDAP−キナーゼ依
存性であることを示す。これらそれぞれの要素の異所発現が、およそ同じ程度に
TNF受容体誘導性アポトーシスから細胞を保護することができたことは、これ
らのドメインがそれぞれ、アポトーシス効果を媒介するのに必要であることを示
している。これらのデータは、幾つかの独立した領域が同時に関与してDAP−
キナーゼのアポトーシス前機能を果たすモデルと一致する。
【0083】 選択において、多くの独立したコピーが現れる断片#3が、デスドメインモジ
ュールのコアに存在することは興味深い。全長のタンパク質からこの全ドメイン
を除去するとキナーゼ活性に影響を及ぼすことなく、細胞を殺す能力が減少する
ので、このデスドメインがDAP−キナーゼ機能を果たすのに重要であることは
以前から示されている(Cohen等, 1999)。デスドメインは一般に、他のデスドメ
インを含むタンパク質とホモ二量体またはへテロ二量体のいずれかを形成する。
DAP−キナーゼのデスドメインはホモ二量体を形成せず、幾つかの既知デスド
メインとも相互作用せず、このことは未だ同定されていないタンパク質と相互作
用することを意味する(Cohen等, 1999)。このスクリーニングにおいて断片#3
が分離されたことにより初めて、このドメインの正確な下部構造に対して機能的
な役割が見出された。本明細書中に示したDAP−キナーゼのデスドメインの分
子モデルは、このキナーゼが6つのα−ヘリックス構造を含み、断片#3がタン
パク質−タンパク質相互作用を媒介するのに重要な役割を果たすことを暗示する
中心的な3つのへリックスを含むことを示した。モデル構造に基づけば、ヘリッ
クスα2、α3およびα4の位置はそれぞれ、それらの間の疎水性相互作用によ
り安定化されている。この観察は、これら3つのヘリックスが分離した断片とし
て発現した場合にもこの3次元構造が形成され、通常、DAP−キナーゼデスド
メインと結合するタンパク質を認識し、物理的に会合することを可能にする可能
性、この断片の特異的な生物学的活性により補強される仮説に対する支持を導く
【0084】 本明細書中で得られたデータは、デスドメイン内の中心的なコアが重要な相互
作用に十分条件であることを示す。これは突然変異分析、並びにFasおよびF
ADDの2つのタンパク質由来のヘリックスα2およびα3が、それらの間の接
触を形成するのに直接関与することを主張する、最近のFasとFADDのデス
ドメインの分子モデルと一致する(Huang等, 1996; Jeong等, 1999)。
【0085】 このデスドメインに加え、細胞死を誘導するのに以前は必要であるとされてい
なかったDAP−キナーゼの領域に対して、このスクリーニングにより分離され
たその他の3つの要素をマッピングした。本研究ではこれらのうち、C末端テイ
ルの役割に主要な重点が置かれた。アンキリンリピートと「リンカー」を含む領
域から選択された断片(セグメント)の可能な独特の機能は、将来において更に
研究されるべきである。
【0086】 増殖する細胞においてDAP−キナーゼが発現されるために、DAP−キナー
ゼの細胞死を誘導する能力は厳密に制御され、アポトーシスを引き起こすときの
み活性化されるはずである。調節レベルの1つは、Ca2+/カルモジュリンの
結合によって高められる触媒活性に関係する(Cohen等, 1997)。第2の調節機構
は、本研究において明らかにされ、デスドメインのすぐ後ろにあるC末端アミノ
酸テイルに従う。DAP−キナーゼの最後の17アミノ酸から成る断片#4は、
完全なタンパク質の機能をトランスに阻害することができる。このテイルの生物
学的活性は以下の2つの様式: (1)このテイルは、もう1つのタンパク質との相互作用により、DAP−キナ
ーゼが機能を果たすのに通常必要とされ、この過剰量のペプチドは細胞内の下流
作動因子を隔離する;または(2)このテイルは、おそらくDAP−キナーゼ中
の他の領域と下流作動因子との相互作用を阻害する分子内フォールディングを通
じて、DAP−キナーゼのネガティブ制御に関与し、それにより、過剰量のペプ
チドがそのターゲットにおけるDAP−キナーゼの効果を阻害し得る、 のいずれかの仮説としてモデル化できた。その実際の機構はこのタンパク質の最
後の17アミノ酸を削った場合に明らかとされ、そして細胞内に過剰発現された
場合、この切断がDAP−キナーゼの死誘導性の潜在的な能力を触媒活性に影響
することなく、非常に増大させることが明らかされた。これらの結果は、テイル
が自己抑制機能を正常に果たす2番目に示したモデルと一致する。
【0087】 セリンの豊富なテイル(その厳密な配列ではないが)が他のデスドメインを含
むタンパク質間に保存されていることは、際立っている(Feinstein等, 1995)。
FasのC末端から15アミノ酸を削ることで受容体の死滅活性が増大された類
似の調節機能が、Fasについて以前に記載された(Itoh等, 1993)。より最近の
研究では、FasのC末端テイルがそのシグナル形質導入を調節できるという少
なくとも2つの機構を提唱した。テイルの欠失がFasとFADDのデスドメイ
ン間の相互作用を増大させることが観察された(Chinnaiyan等, 1995)。これに加
えて、FasのC末端と結合できるタンパク質ホスファターゼが分離されている
(Sato等, 1995)。Fas会合ホスファターゼ(FAP−1)がシグナル形質導入
について果たす正確な役割は不明確ではあるが(Cuppen等, 1997 ; Yanagisawa等
, 1997)、そのFasとの会合が特定の細胞系における死の誘導を阻害した。後
者の場合、阻害因子を滴定した過剰なペプチドはアポトーシスを阻害するという
よりはむしろ刺激した。このシナリオはDAP−キナーゼテイルに当てはまらな
い。とりわけ、WTとテイル欠失タンパク質間の電気泳動度における明白な違い
は、大きさの違いのみから予測されるものより大きく、このことは、テイルがそ
の活性を調節するために翻訳後修飾、おそらくリン酸化を受けているのかもしれ
ないことを示す。
【0088】 本明細書中に記載の研究により、DAP−キナーゼの機能領域が同定され、よ
り包括的なスクリーニングを行なう手段が確立された。DAP−キナーゼの鍵と
なる領域の同定に加えて、既に同定されているペプチドをDAP−キナーゼのそ
れらの領域と相互作用するタンパク質を分離する基底として用いることができ、
そしてアポトーシス機構を調節するのに用いることができる、このタンパク質に
対して特異的な低分子量の阻害因子を作り出す基底として用いることができる。
【0089】 ここに本発明の全てを記載し、本発明の意図および範囲から逸脱することなく
、そして過度の実験を行なうことなく、広範囲の同等のパラメーター、濃度およ
び条件内で、本発明を実施できることは、当業者には理解されよう。
【0090】 本発明をその特定の態様と関連して記載するが、さらに改変可能であることは
理解されよう。本出願は、一般に本発明の原理に従い、本発明のに属する分野の
知識または通常の慣行内である、そして以下のような請求の範囲に記載の上述の
重要な特徴に当てはめ得るこの開示内容から逸脱する範囲を含む、本発明の変形
、使用または適用のいずれをも網羅するものである。
【0091】 論文または抄録、公開され、またはそれに相当する米国若しくは外国の特許出
願、米国若しくは外国の発行された特許、または、その他のいずれかの文献を含
む、本明細書において引用する引例の全て(それに記載されているデータ、表、
図およびテキストの全てを含む)は、引用により本明細書中に完全に包含される
。さらに、本明細書中にて引用する引例に記載の引例中の全内容もまた、引用に
より完全に包含される。
【0092】 既知の方法過程、従来の方法過程、既知の方法または従来の方法への言及は、
本発明の任意の側面、概要または態様が、関連する分野において開示、教示また
は提案されていることをいかようにも認めるものではない。
【0093】 以上に記載の特定の態様は、当業者の知識(本明細書中に引用される引例の内
容を含む)を適用することにより、本発明の一般的な概要から逸脱することなく
、過度の実験を行なうことなく、特定の態様などの種々の応用に、すぐに改変お
よび/または適用できる本発明の一般的な性質を完全に明らかにするだろう。従
って、そのような適用および改変は、本明細書中に記載の教示および指導に基づ
き、開示した態様の意図および範囲と同等のものである。本明細書中の専門用語
および術語は記載の目的に応じ、非制限的に解すべきであり、本明細書中の専門
用語および術語は、本明細書中に記載の教示および指導の観点と当業者の知識を
組み合わせにより、当業者によって解釈されよう。
【0094】 参考文献
【表1】
【表2】
【表3】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、IFN−γ−誘導性細胞殺生に耐性を与えるDAP
キナーゼの断片を単離するスクリーニング方法を示す。精製されたヒトDAPキ
ナーゼcDNAを部分的DNアーゼI消化に付し、断片をEBV由来発現ベクタ
ー中にサブクローニングし、ランダム断片のcDNA発現ライブラリーを作成す
る。このcDNAライブラリーをHeLa細胞に導入し、アポトーシスに対する
耐性を与える因子を単離し、さらに分析する。
【図1B】 図1Bは、DAPキナーゼ断片化cDNAライブラリー作成用
のベクターを示す。pTKO1、EBV由来ベクターを修飾して、指定のアダプ
ターを挿入することによりcDNAライブラリーを適応させる(詳細に関しては
、材料と方法の段落を参照)。このアダプターによってコードされるFlagエ
ピトープのアミノ酸配列(配列番号:3)はこのアダプターのヌクレオチド配列
上(配列番号:1および2)に存在する。
【図2】 図2は、遺伝子のスクリーニングによって(2回の連続スクリー
ニングを経て)単離されたDAPキナーゼの細胞死保護断片を列記し、記載のラ
イブラリー由来保護断片の位置を伴うDAPキナーゼ完全長タンパク質の模式図
をすぐ下に示す。
【図3A】 図3A〜3Cは、DAPキナーゼ由来断片が細胞をアポトーシ
スから保護することを示すこの棒グラフおよび免疫ブロットを示す。 図3Aでは、アポトーシスは、p55/TNF受容体の一時的な過剰発現によ
って293細胞において誘導された。この受容体を空のベクター、記載のFAD
DまたはDAPキナーゼ断片のドミナントネガティブ変異体とともに発現させた
。トランスフェクトされた細胞をGFP発現によって同定し、細胞死の割合を典
型的形態学的特徴によってスコアした。グラフは3独立実験の平均値を示し、各
実験は少なくとも300細胞が含まれる。
【図3B】 図3A〜3Cは、DAPキナーゼ由来断片が細胞をアポトーシ
スから保護することを示すこの棒グラフおよび免疫ブロットを示す。 図3Bでは、293細胞は、DAPキナーゼの活性化変異体(ΔCaM)の一
時的な過剰発現時に、誘導されアポトーシスを受けた。細胞は、空のベクターま
たは記載の種々の断片とともにこの変異体によってトランスフェクトされた。形
質転換体はGFP発現によって同定され、アポトーシスは図3Aのような形態学
によってスコアした。図3Bの棒グラフ直下は、抗DAPキナーゼ抗体と反応す
る等量のトータル細胞抽出物を含む免疫ブロットであり、種々のトランスフェク
ションにおける外因性DAPキナーゼのレベルを比較する(内因性レベルはこれ
らの暴露条件下で検出レベル以下である)。
【図3C】 図3A〜3Cは、DAPキナーゼ由来断片が細胞をアポトーシ
スから保護することを示すこの棒グラフおよび免疫ブロットを示す。 図3Cでは、MCF4細胞を、空のベクター、あるいはFADDデスドメイン
または記載の種々のDAPキナーゼ由来断片を含む同ベクターとともに、p55
/TNF受容体でトランスフェクトした。アポトーシスは図3Aのようにスコア
した。
【図4A】 図4Aは、DAPキナーゼのデスドメイン(アミノ酸1300
〜1398;配列番号:4)およびp75ニューロトロフィン受容体(アミノ酸
334〜420;配列番号:5)の配列アラインメントを示す。保護性断片(1
320〜1371)に含まれるアミノ酸はライトグレーの文字でマークする。6
α−へリックス構造を形成するアミノ酸は太字および括弧で強調する。
【図4B】 図4Bは、DAPキナーゼのデスドメインのモデル構造(ライ
トグレーおよびダークグレーリボン)であり、比較モデリングによって構築され
、p75ニューロトロフィン受容体のNMRに基づく構造(薄く影をつけたリボ
ン)に重ねられたものである。6ヘリックス(α1〜α6)は柱体によって強調
する。DAPキナーゼデスドメインモデルでは、保護性断片の内側および外側の
領域は、それぞれライトグレーおよびダークグレーでマークされる。DAPキナ
ーゼでは、ヘリックスα1とα2、およびα3とα4間の、p75と比較して延
長されたループが観察される。モデルは以下の材料と方法のセクションに記載さ
れるように作成した。
【図4C】 図4Cは、静電電位表面として示されたDAPキナーゼのデス
ドメインのモデル構造である。図4Bのように、保護性断片はライトグレーで示
される。
【図5A】 図5A〜Cは、棒グラフおよび免疫ブロットを表し、これはD
APキナーゼの最後の17アミノ酸の欠失がその活性を増強することを示す。 図5Aでは、293細胞を空のベクターまたは、指定のバージョンのDAPキ
ナーゼを含む同ベクターを用いてトランスフェクトした。WT、野生型タンパク
質;Δ−尾部、17C末端アミノ酸を欠いているトランケートされた変異体;Δ
CaM、カルモジュリン調節領域を欠いている欠失変異体。トランスフェクトさ
れた細胞はGFP発現によって同定し、細胞死の割合は、典型的アポトーシス形
態学にしたがってトランスフェクション後24時間評価した。このグラフは3回
の独立した実験から得られた値を示し、それぞれは少なくとも300GFPポジ
ティブ細胞を含んでいる。
【図5B】 図5A〜Cは、棒グラフおよび免疫ブロットを表し、これはD
APキナーゼの最後の17アミノ酸の欠失がその活性を増強することを示す。 図5Bでは、タンパク質抽出物は、トランスフェクトされた293細胞から製
造され(図5Aを参照)、DAPキナーゼタンパク質レベルは抗DAPキナーゼ
特異的抗体を用いるウエスタンブロッティングによって分析された。内因性DA
Pキナーゼはこれらの暴露条件下で検出レベル以下である。
【図5C】 図5A〜Cは、棒グラフおよび免疫ブロットを表し、これはD
APキナーゼの最後の17アミノ酸の欠失がその活性を増強することを示す。 図5Cでは、以下の材料と方法のセクションに記載されるように、指定のプラ
スミドによってトランスフェクトされた293細胞から免疫沈降させたタンパク
質を用いてインビトロキナーゼアッセイを行った。このアッセイは外因性基質、
MLCを含み、ホスホルイメージャーを用いて定量されるMLCリン酸化の割合
にしたがって比活性が測定された。
【図6】 図6は、DAPキナーゼのデスドメインタンパク質断片が神経芽
細胞腫セルラインをセラミド誘導性の死から保護することを示す棒グラフである
。BE6C細胞は、低細胞密度において、以下のプラスミドを用いるトランスフ
ェクション後48時間30μM C6セラミドで処理した:DAPキナーゼデス
ドメインまたは非機能性変異型デスドメイン(変異体DD)を含むpcDNA3
。空のベクターをコントロールとして用い、各トランスフェクションはGFPプ
ラスミドを含み、形質転換体を可視化した。アポトーシス細胞の数をそれぞれ7
時間後(ブラックバー)および10時間後(グレーバー)にスコアした。
【図7】 図7A〜図7Dは、ニューロン細胞による、C末端ペプチド尾部
のローダミンラベルされた誘導体の取り込みを示す。Banker の方法論によって
プライマリーニューロン培養を調製した。ここでは、18日齢ラット胎児由来の
海馬ニューロンを、カバーグラス上で低密度培養し、グリア細胞の支持層上で生
育させた。図7Aおよび図7Cの海馬ニューロンは、30μM野生型ペプチド(
+ペプチド;図7A)またはDMSO単独(−ペプチド;図7C)を培養培地に
加えた1時間後に蛍光顕微鏡下に置いた。図7B(+ペプチド)および7D(−
ペプチド)は光学顕微鏡下に採った。ラベルされたスクランブルペプチドとイン
キュベートした後に同様の結果が得られた。
【図8】 C6セラミドによる殺生からの海馬ニューロンの保護における、
野生型ペプチドの死保護作用を測定する用量(投与量)応答曲線を示す。化学合
成された、C末端ペプチド尾部のローダミンラベル化誘導体をマイクロモル濃度
で、図7Aおよび図7Bに記載のように調製されたプライマリーニューロンの培
養培地に適用した。このペプチドを投与し、1時間後に15μM C6セラミド
を加えた。14時間後に生存/死 生存性/細胞毒性市販キットによってスコア
を行った。
【図9】 図9は、スクランブルペプチドでない野生型DAPキナーゼ尾部
ペプチドが海馬ニューロンをアポトーシスから保護することを示す棒グラフであ
る。2つの化学合成された、ローダミンラベル化ペプチドを、プライマリーニュ
ーロンの培養培地に30μM濃度で適用し、1時間後にC6セラミドを加えた。
コントロールとして、DMSOおよびエタノール、それぞれペプチドの溶媒およ
び、を培養培地に加えた。16時間でアポトーシスをスコアした。実験を4通り
で6回繰り返した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C12N 9/99 4C084 C12N 5/10 C12Q 1/68 Z 9/12 G01N 33/15 Z 9/99 33/50 Z C12Q 1/68 33/566 G01N 33/15 C12R 1:91 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 B //(C12N 5/10 A61K 37/02 C12R 1:91) (C12Q 1/68 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 タル・ラベー イスラエル76310レホボト、ハグラ・スト リート7番 (72)発明者 マティットヤフ・フリドキン イスラエル76284レホボト、ミラー・スト リート23番 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 FB01 FB04 4B024 AA01 AA11 BA10 CA04 DA02 DA03 EA02 EA04 FA02 FA15 GA11 HA11 4B050 CC03 DD07 LL01 4B063 QA20 QQ08 QQ43 QX02 4B065 AA93X AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA17 BA01 BA08 BA18 BA19 BA20 BA23 MA01 NA14 ZA332 ZC202

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシス
    から保護することができる、以下からなる群から選択される、単離されたペプチ
    ド: (A)DAPキナーゼのC末端尾部由来の配列番号:6のアミノ酸配列からなる
    ペプチド; (B)DAPキナーゼ中のアンキリンリピートを含む、長さ約48アミノ酸残基
    のDAPキナーゼペプチド断片; (C)DAPキナーゼのリンカー領域を含む、長さ約55アミノ酸残基のDAP
    キナーゼペプチド断片; (D)DAPキナーゼのデスドメインを含む、長さ約52アミノ酸残基のDAP
    キナーゼペプチド断片; (E)DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシスから保護する
    ことができる、(A)、(B)、(C)または(D)の断片; (F)DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシスから保護する
    ことができる、(A)、(B)、(C)、(D)または(E)のアナログ; (G)末端の一方あるいは両方が1〜4アミノ酸残基によって延長されている、
    (A)、(B)、(C)、(D)、(E)または(F)のペプチド; (H)末端の一方あるいは両方がAspまたはGlu残基で延長されている、(
    A)、(B)、(C)、(D)、(E)または(F)のペプチド; (I)細胞をアポトーシスから保護することができる、(A)、(B)、(C)
    、(D)、(E)、(F)、(G)または(H)の誘導体。
  2. 【請求項2】 配列番号:6のアミノ酸配列からなるペプチドである、請求
    項1に記載の単離されたペプチド。
  3. 【請求項3】 DAPキナーゼ中のアンキリンリピートを含む、長さ約48
    アミノ酸残基のDAPキナーゼペプチド断片である、請求項1に記載の単離され
    たペプチド。
  4. 【請求項4】 DAPキナーゼのリンカー領域を含む、長さ約55アミノ酸
    残基のDAPキナーゼペプチド断片である、請求項1に記載の単離されたペプチ
    ド。
  5. 【請求項5】 DAPキナーゼのデスドメインを含む、長さ約52アミノ酸
    残基のDAPキナーゼペプチド断片である、請求項1に記載の単離されたペプチ
    ド。
  6. 【請求項6】 DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシス
    から保護することができる、(A)、(B)、(C)または(D)の断片である
    、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  7. 【請求項7】 DAPキナーゼを阻害することによって細胞をアポトーシス
    から保護することができる、(A)、(B)、(C)、(D)または(E)のア
    ナログである、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  8. 【請求項8】 末端の一方あるいは両方が1〜4アミノ酸残基によって延長
    されている、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)または(F)のペプチド
    である、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  9. 【請求項9】 末端の一方あるいは両方がAspまたはGlu残基によって
    延長されている、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)または(F)のペプ
    チドである、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  10. 【請求項10】 細胞をアポトーシスから保護することができる、(A)、
    (B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)または(H)の誘導体である
    、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のペプチドの有効量およ
    び製薬的に許容される担体を含む、DAPキナーゼのアポトーシス活性から細胞
    を保護するための医薬組成物。
  12. 【請求項12】 DAPキナーゼのアポトーシス活性を阻害するための薬物
    の製造における、請求項1〜10のいずれかに記載のペプチドの使用。
  13. 【請求項13】 DAPキナーゼの活性に関連するアポトーシスを阻害する
    方法であって、それを必要としている被験体に、請求項1〜10のいずれかに記
    載のペプチドの有効量を投与して、DAPキナーゼの作用を中和し、DAPキナ
    ーゼに関連するアポトーシスを阻害することを含む方法。
  14. 【請求項14】 請求項2〜9のいずれかに記載のペプチドをコードするポ
    リヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  17. 【請求項17】 以下の工程を含む、異所性発現された時にドミナントネガ
    ティブ様式で作用する能力に関して、選択可能な表現型を介して遺伝子産物の断
    片をスクリーニングする方法: 選択可能な表現型を仲介する遺伝子産物をコードするcDNAを断片化して、
    ランダムcDNA断片を得; ランダムcDNA断片を、細菌および哺乳類細胞内で増殖可能なEBVに基づ
    くエピソーム性シャトルベクターに挿入し、ランダムcDNA断片のライブラリ
    ーを作成し、ここにランダムcDNA断片はランダムcDNA断片発現用のプロ
    モーターに作動可能に連結されており、EBVに基づくエピソーム性シャトルベ
    クターは選択可能なマーカーおよび、作動可能に連結されたプロモーターからの
    ランダムcDNA断片の発現を刺激するインターフェロン応答エンハンサー因子
    を含み; EBVに基づくエピソーム性シャトルベクター中のランダムcDNA断片のラ
    イブラリーを用いて哺乳類宿主細胞を形質転換して、形質転換宿主細胞を得; 遺伝子産物の選択可能な表現型に対してドミナントネガティブ様式で作用する
    形質転換宿主細胞に関して選択し; 遺伝子産物に対してドミナントネガティブ様式で作用する遺伝子産物のペプチ
    ド断片をコードするcDNA断片を単離する。
  18. 【請求項18】 哺乳類宿主細胞がヒト細胞である、請求項17に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の方法にしたがって単離されたcDNA
    断片によってコードされるペプチド断片。
  20. 【請求項20】 図面および開示内容中に示され、記載された発明。
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