JP2003515681A - 親水性のバインダ繊維 - Google Patents

親水性のバインダ繊維

Info

Publication number
JP2003515681A
JP2003515681A JP2001542618A JP2001542618A JP2003515681A JP 2003515681 A JP2003515681 A JP 2003515681A JP 2001542618 A JP2001542618 A JP 2001542618A JP 2001542618 A JP2001542618 A JP 2001542618A JP 2003515681 A JP2003515681 A JP 2003515681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aliphatic polyester
binder fiber
acid
weight percent
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2001542618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003515681A5 (ja
Inventor
フ−ジャ ダニエル ツァイ
ブリジット シー ワートハイム
Original Assignee
キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド filed Critical キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
Publication of JP2003515681A publication Critical patent/JP2003515681A/ja
Publication of JP2003515681A5 publication Critical patent/JP2003515681A5/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F8/00Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof
    • D01F8/04Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers
    • D01F8/06Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers with at least one polyolefin as constituent
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F8/00Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof
    • D01F8/04Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers
    • D01F8/14Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers with at least one polyester as constituent
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2922Nonlinear [e.g., crimped, coiled, etc.]
    • Y10T428/2924Composite
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2929Bicomponent, conjugate, composite or collateral fibers or filaments [i.e., coextruded sheath-core or side-by-side type]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2929Bicomponent, conjugate, composite or collateral fibers or filaments [i.e., coextruded sheath-core or side-by-side type]
    • Y10T428/2931Fibers or filaments nonconcentric [e.g., side-by-side or eccentric, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 親水性のバインダ繊維。これらの繊維は、ポリオレフィンの芯材と高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の鞘材とを共紡糸することで製造できる。高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物又はこのようなポリマーの共重合体からなる群から選択された脂肪族ポリエステルポリマーと、多カルボン酸と、湿潤剤との未反応混合物からなる。親水性のバインダ繊維は、実質的に向上された生分解特性を呈し、さらに、容易に加工される。親水性のバインダ繊維は、体液のような液体を吸収するように意図された使い捨て吸収体製品に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、親水性のバインダ繊維に関する。これらの繊維は、ポリオレフィン
の芯材と高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の鞘材とを共紡糸することで製造
できる。高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、ポリブチレンサクシネート・
ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロ
ラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物又はこのようなポリマーの共
重合体からなる群から選択された脂肪族ポリエステルポリマーと、多カルボン酸
と、湿潤剤との未反応混合物からなる。親水性のバインダ繊維は、実質的に向上
された生分解特性を呈し、さらに、容易に加工される。親水性のバインダ繊維は
、体液のような液体を吸収するように意図された使い捨て吸収体製品に使用する
ことができる。
【0002】 (背景技術) 使い捨て吸収体製品は、現在多くの用途での普及した使用が見られる。例えば
、乳児及び幼児ケア分野では、おむつ及びトレーニングパンツは、再使用できる
布の吸収体物品にほぼ取って代わられつつある。他の典型的な使い捨て吸収体製
品は、生理用ナプキンやタンポンなどのような婦人用ケア製品、成人失禁用製品
、及び外科用ドレープや創傷被覆材などのような医療用ケア製品を含む。典型的
な使い捨て吸収体製品は、通常は、表面シートと、裏面シートと、表面シートと
裏面シートとの間の吸収構造体を含んでいる複合構造体からなる。これらの製品
は、普通は、製品を着用者にフィットさせるための幾つかの形式の留めシステム
を有する。 使い捨て吸収体製品は通常、使用中に、水、尿、月経血、又は血液などのよう
な液体の放出に1回又はそれ以上曝される。したがって、使い捨て吸収体製品に
おける外側カバーの裏面シート材料は、通常は、ポリプロピレンフィルムのよう
な液体不溶性と液体不透過性を有する材料で出来ており、着用者による使用中に
使い捨て吸収体製品が一体性を維持し、該製品に放出された液体を漏らさないよ
うにするのに十分な強度と取扱適性を有する。
【0003】 現在の使い捨て乳児用おむつその他の使い捨て吸収体製品は、一般に、世間に
受け入れられてきたが、これらの製品は、特定の分野においてまだ改良の必要性
がある。例えば、多くの使い捨て吸収体製品は、処理するのが困難なことがある
。例えば、多くの使い捨て吸収体製品をトイレから下水道に流そうとすると、通
常は、トイレ又はトイレと下水道とをつなぐパイプが詰まることになる。特に、
使い捨て吸収体製品に典型的に使用される外側カバー材料は、通常は、トイレに
流した時に破解したり拡散したりせず、したがって、使い捨て吸収体製品はこの
方法では廃棄できない。外側カバー材料が、使い捨て吸収体製品の全体的な嵩を
減らし、これによりトイレ又は下水管の詰まる恐れが低減するようにするために
、非常に薄く出来ている場合には、外側カバー材料は通常、着用者による普通の
応力が該外側カバー材料に加わる時に破れたり裂けたりするのを防ぐに充分な強
度を呈さない。
【0004】 さらに、固形廃棄物の処理については、世界的に懸念が絶えず増大しつつある
。埋立地が一杯になり続けているので、材料資源の減少に対し、よりリサイクル
可能な及び/又は生分解可能な成分が取り入れられ、埋立地のような固形廃棄物
処理場に運び入れる以外の方法で処理できるように製品設計された使い捨て製品
の需要が増大している。 したがって、使用中は一体性と強度が概して保たれるが、使用後には材料をよ
り効果的に処分できる使い捨て吸収体製品に使用可能な新しい材料が必要とされ
る。例えば、使い捨て吸収体製品は、堆肥化することで容易に効果的に処分され
るようにすることができる。或いは、使い捨て吸収体製品は、液体下水道に容易
に効果的に処分されるように、使い捨て吸収体製品が分解されるようにすること
もできる。
【0005】 市販の生分解性ポリマーの多くは、脂肪族ポリエステル材料である。脂肪族ポ
リエステルから調製されたポリマーは公知であるが、使用に際して問題に直面す
る。特に、脂肪族ポリエステルポリマーは、例えばポリオレフィンポリマーに比
べて比較的遅い結晶化速度を有することが知られており、これにより、結果とし
て脂肪族ポリエステルポリマーの加工性が乏しくなることが多い。ほとんどの脂
肪族ポリエステルポリマーは、ポリオレフィンよりかなり低い溶融温度を有し、
熱加工の後に十分に冷却することは困難である。脂肪族ポリエステルポリマーは
、一般に、本質的に湿潤性の材料ではなく、個人用ケア用途に使用するには改質
する必要がある。さらに、加工添加物の使用は、原材料の生分解速度を遅くした
り、加工添加物自体が生分解性ではなかったりする。
【0006】 また、分解可能な一成分繊維は公知であるが、これらの使用に際して問題に直
面する。特に、公知の分解可能な繊維は、熱結合又はラミネーションのような下
流の熱処理プロセスの間のポリマー鎖の弛緩に起因する激しい熱収縮が普通は起
こるので、通常は良好な熱寸法安定性を有していない。 例えば、ポリ(乳酸)ポリマーから調製された繊維は公知であるが、それらの
使用に際して問題に直面する。特に、ポリ(乳酸)ポリマーは、例えばポリオレ
フィンポリマーと比較して相対的に遅い結晶化速度を有することが知られており
、これにより、結果として脂肪族ポリエステルポリマーの加工性が乏しくなる場
合が多い。さらに、ポリ(乳酸)ポリマーは、一般に、良好な熱寸法安定性を有
していない。ポリ(乳酸)ポリマーは普通、ヒートセットのような付加的なステ
ップが行われる場合を除いて、熱結合又はラミネーションのような下流の熱処理
プロセスの間のポリマー鎖の弛緩に起因する激しい熱収縮が起こる。しかしなが
ら、このようなヒートセット・ステップは、一般に、ヒートセットを行うことが
非常に困難な、スパンボンド及びメルトブローなどのような現場不織成形プロセ
スを繊維に使用することを制限する。
【0007】 さらに、個人用ケア用途のために不織材を製造する時に、最終ウェブの機能性
を高める幾つかの所望の物理的特性がある。空気堆積ウェブ又はカーデッド・ウ
ェブなどのようなカット・ファイバーからなるウェブを製造するには、繊維の成
分のうちの1つをバインダ繊維にする必要がある。効果的にバインダ繊維として
機能させるためには、通常は、該繊維を、より高い溶融温度の成分とより低い溶
融温度の成分との溶融温度差が大きい即ち少なくとも20℃である均質多成分繊
維とすることが望ましい。これらの繊維は、並列構造又は芯鞘構造などのような
多くの異なる形状に成形することができる。
【0008】 個人用ケア用途に使用されることが最も多い材料は、ポリオレフィンであり、
本質的には疎水性の材料である。これらの材料を機能的なものにするには、界面
活性剤処理のような付加的な紡糸後処理ステップが必要である。これらの付加的
なステップは、コストを増やし、最適な流体管理特性を達成するのに十分ではな
い溶液を生成することが多い。 個人用ケア用途において、不織ウェブとこれらの成分繊維に最も不可欠な特性
の1つは、湿潤特性である。高い疎水性と恒久的な湿潤性を呈する材料を形成す
ることが望ましい。現在のステープルファイバーに関連する問題の1つは、恒久
的な湿潤性に乏しいことである。ポリオレフィンは、疎水性の材料であり、湿潤
性を与えるために活性剤で処理する必要がある。この処理後に、ほんの僅かに親
水性になることに加えて、この湿潤性は、継続的な放出の間に界面活性剤が洗い
流される傾向があることから、恒久的なものではない。 したがって、優れた湿潤性と結合特性を与えるバインダ繊維についての必要性
がある。さらに、実質的に生分解性が向上されていながら、向上された湿潤性と
結合特性も与えるバインダ繊維についての必要性がある。
【0009】 (発明の開示) したがって、湿潤特性が向上されたバインダ繊維を提供することが望ましい。 また、結合特性が向上されたバインダ繊維を提供することも望ましい。 さらに、向上された湿潤特性と結合特性を兼ね備えていながら、実質的に生分
解性も向上されたバインダ繊維を提供することが望ましい。 また、向上された湿潤特性と結合特性を兼ね備えていながら、実質的に生分解
性も向上されたバインダ繊維の製造方法を提供することが望ましい。 さらに、向上された湿潤特性と結合特性を兼ね備えていながら、実質的に生分
解性も向上されたバインダ繊維が含まれている不織材料を提供することが望まし
い。 さらに、体液のような流体を吸収するのに使用でき、環境中で容易に分解され
る成分から構成されている使い捨て吸収体製品のような吸収体製品を提供するこ
とが望ましい。 これらの要望は、向上された湿潤特性と結合特性を兼ね備えていながら、実質
的に生分解性も向上され、さらに、調製が容易で、迅速に所望の最終不織構造体
に加工できるバインダ繊維を提供する本発明によって適えられる。
【0010】 本発明の態様の1つは、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物で外装されたポ
リオレフィン・コアを含んでいる二成分バインダ繊維に関係するものである。 このような高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の一実施形態は、ポリブチレ
ンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリ
マー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物又は共重合
体から構成される群から選択された脂肪族ポリエステルポリマーと、炭素原子の
総数が約30未満である多カルボン酸と、熱可塑性組成物が所望の特性を呈する
親水性と親油性のバランス比が約10から約40までの間である湿潤剤との混合
物からなる。
【0011】 別の態様において、本発明は、ここで開示される二成分バインダ繊維を含んで
いる不織構造体に関係する。 このような不織構造体の一実施形態は、使い捨て吸収体製品において有用な層
である。 別の態様において、本発明は、ここで開示される二成分バインダ繊維を調製す
るプロセスに関係する。 別の態様において、本発明は、ここで開示される二成分バインダ繊維を含んで
いる使い捨て吸収体製品に関係する。
【0012】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物からなる鞘材で取り囲まれた
ポリオレフィンの芯材を含んでいるバインダ繊維に向けられる。高湿潤性の脂肪
族ポリエステル配合物は、熱可塑性組成である。ここで使用される「熱可塑性」
という用語は、高温に曝された時に軟化し、室温まで冷却された時には実質的に
元の状態に戻る材料のことを指す。 ここで説明される成分の未反応混合物を用いることで、実質的に生分解性を呈
し、さらに、効果的な繊維の機械的性質を呈する不織構造材に容易に加工される
バインダ繊維を調製することができる、ということが分かった。 バインダ繊維は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の鞘材とポリオレフィ
ンの芯材を含んでいる二成分繊維から構成されることが好ましい。高湿潤性の脂
肪族ポリエステル配合物は、第1成分、第2成分、及び第3成分を含んでいる熱
可塑性組成であることが好ましい。
【0013】 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物における第1成分は、ポリブチレンサク
シネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、
ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物又は共重合体から
構成される群から選択された脂肪族ポリエステルポリマーである。 ポリブチレンサクシネート・ポリマーは、通常は、グリコールとジカルボン酸
、又はグリコールとジカルボン酸の酸無水物との縮合重合により調製される。ポ
リブチレンサクシネート・ポリマーは、線状ポリマーか又は長鎖分枝ポリマーの
いずれかとすることができる。長鎖分枝ポリブチレンサクシネート・ポリマーは
、通常は、三官能価又は四官能価のポリオール、オキシカルボン酸、及び多塩基
性カルボン酸からなる群から選択された付加的な多官能価成分を用いることで調
製される。ポリブチレンサクシネート・ポリマーは、当該技術分野において公知
であり、例えば、日本の東京都所在の昭和高分子社のヨーロッパ特許出願第05
69153号、A2に記載されている。 ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーは、一般に、少なくと
も1つのアルキルグリコールと1つ以上の脂肪族多官能価酸との重合により調製
される。ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーも、当該技術分
野において公知である。
【0014】 本発明に用いるのに適したポリブチレンサクシネート・ポリマーとポリブチレ
ンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーの例は、BIONOLLE(登録商
標)1020ポリブチレンサクシネート・ポリマーか又はBIONOLLE(登
録商標)3020ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーという
表示に基づいて日本の東京都所在の昭和高分子社から入手可能な種々のポリブチ
レンサクシネート・ポリマーとポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポ
リマーを含み、これらは本質的に線状ポリマーである。これらの材料は、実質的
に生分解性であることが知られている。
【0015】 ポリカプロラクトン・ポリマーは、一般に、ε‐カプロラクトンの重合によっ
て調製される。本発明に用いるのに適したポリカプロラクトン・ポリマーの例は
、TONE(登録商標)ポリマーP767EとTONE(登録商標)ポリマーP
787ポリカプロラクトン・ポリマーの表示に基づいてニュージャージー州サマ
セット所在のユニオン・カーバイド社から入手可能な種々のポリカプロラクトン
・ポリマーを含む。これらの材料は、実質的に生分解性となることが知られてい
る。脂肪族ポリエステルポリマーは、ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポ
リブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポ
リマー、このようなポリマーの混合物、又はこのようなポリマーの共重合体、か
らなる群から選択され、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物中に、所望の特性
を有するバインダ繊維を結果として生じるのに効果的な量で含まれていることが
一般的には望ましい。脂肪族ポリエステルポリマーは、高湿潤性の脂肪族ポリエ
ステル配合物中に、0重量パーセントより多く100重量パーセントより少なく
、有益には約50重量パーセントから100重量パーセントより少ない間、より
有益には約50重量パーセントから約95重量パーセントまでの間、好適には約
60重量パーセントから約90重量パーセントまでの間、より好適には約60重
量パーセントから約80重量パーセントまでの間、最も好適には約70重量パー
セントから約75重量パーセントまでの間の重量で存在するようにし、全ての重
量パーセントは、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物中に存在している脂肪族
ポリエステルポリマーと、多カルボン酸と、湿潤剤との総重量に基づいている。
【0016】 脂肪族ポリエステルポリマーは、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が望ま
しい溶融強度と、繊維の機械的強度と、繊維の紡糸特性を呈するようにするのに
効果的な重量平均分子量を有していることが一般的には望ましい。一般に、脂肪
族ポリエステルポリマーの重量平均分子量が高すぎる場合、これは重合体鎖が濃
密に交絡しているということを表しており、結果として、加工が困難な脂肪族ポ
リエステルポリマーを含んでいる熱可塑性の組成物が生成することになる。逆に
、脂肪族ポリエステルポリマーの重量平均分子量が低すぎる場合、これは重合体
鎖があまり交絡していないことを表し、結果として、比較的弱い溶融強度を示し
高速加工を非常に困難なものにする脂肪族ポリエステルポリマーを含んでいる高
湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が生成することになる。したがって、本発明
に用いるのに適した脂肪族ポリエステルポリマーは、有益には約10,000か
ら約2,000,000までの間、より有益には約50,000から約400,
000までの間、好適には約100,000から約300,000までの間の重
量平均分子量を有する。ポリマー又はポリマー配合物における重量平均分子量は
、当業者には公知の方法により求めることができる。
【0017】 脂肪族ポリエステルポリマーは、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が所望
の溶融強度と、繊維の機械的強度と、繊維の紡糸特性を呈するようにするのに効
果的な多分散性指数の値を有する。ここで使用される「多分散性指数」とは、ポ
リマーの重量平均分子量を、該ポリマーの数平均分子量で割ることにより得られ
た値を表すように意図されている。ポリマー又はポリマー配合物における数平均
分子量は、当業者には公知の方法により求めることができる。一般に、脂肪族ポ
リエステルポリマーの多分散性指数の値が高すぎると、この脂肪族ポリエステル
ポリマーを含んでいる高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、紡糸中に低い溶
融強度特性を有する低分子量ポリマーからなるポリマー・セグメントに起因する
不均一な加工特性により、加工が困難になる。したがって、脂肪族ポリエステル
ポリマーは、その多分散性指数の値が、有益には約1から約15までの間、より
有益には約1から約4までの間、好適には約1から約3までの間であることが望
ましい。
【0018】 脂肪族ポリエステルポリマーは、溶融加工できることが一般的に望ましい。し
たがって、脂肪族ポリエステルポリマーは、メルト・フロー速度が、有益には1
0分間当たり約1グラムから10分間当たり約200グラムまでの間、好適には
10分間当たり約10グラムから10分間当たり約100グラムまでの間、より
好適には10分間当たり約20グラムから10分間当たり約40グラムまでの間
であることが望ましい。材料のメルト・フロー速度は、例えばその全体を引用に
よりここに組み入れるASTM試験法D1238‐Eに従って測定することがで
きる。
【0019】 本発明において、脂肪族ポリエステルポリマーは、実質的に生分解性となるこ
とが望ましい。これにより、バインダ繊維からなる不織材料は、環境中に廃棄さ
れて空気及び/又は水に曝された時に、実質的に生分解性となる。ここで使用さ
れる「生分解性」とは、バクテリア、菌類、及び藻類などのような自然発生する
微生物の作用により、材料が分解されることを表すように意図されている。材料
の生分解性は、ASTM試験法5338.92か又はISO・CD試験法148
55を用いて測定することができ、この各々は、その全体を引用することでここ
に組み入れられている。特定の一実施形態において、材料の生分解性は、増分温
度分布を用いるのではなく、試験の間は試験室を約58℃の一定温度に維持する
という変更を加えたASTM試験法5338.92を用いて測定することができ
る。
【0020】 本発明において、脂肪族ポリエステルポリマーはまた、実質的に堆肥化される
ことが望ましい。これにより、脂肪族ポリエステルポリマーを含んでいるバイン
ダ繊維からなる不織材料は、環境中に廃棄されて空気及び/又は水に曝された時
に、実質的に堆肥化されるようになる。ここで使用される「堆肥化される」とは
、材料が、堆肥所で生物分解され、判別できない程になって、既知の堆肥化され
る材料と一致する速度で二酸化炭素と水と無機化合物とバイオマスに分解される
、ということを表すように意図されている。
【0021】 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物における第2成分は、多カルボン酸であ
る。多カルボン酸は、2つ又はそれ以上のカルボン酸基を含んでいる酸のいずれ
かである。本発明の一実施形態において、多カルボン酸は、線状であることが好
ましい。本発明に用いるのに適しているのは、2つのカルボン酸基を含んでいる
ジカルボン酸である。多カルボン酸は、全炭素数が多すぎると、高湿潤性の脂肪
族ポリエステル配合物から調製された繊維又は不織構造体の結晶化が起こる時の
速さが所望の速さより遅くなる、という結晶化速度論により、全炭素数が多すぎ
ないことが一般的には望ましい。したがって、多カルボン酸は、炭素原子の総数
が、有益には約30より少なく、より有益には約4から約30までの間、好適に
は約5から約20までの間、より好適には約6から約10までの間であることが
望ましい。好適な多カルボン酸は、限定する意味ではないが、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及び
このような酸の混合物を含む。
【0022】 多カルボン酸は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物中に、結果として生じ
る熱可塑性の組成物が所望の特性を呈するようにするのに効果的な量で存在して
いることが一般的に望ましい。多カルボン酸は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル
配合物中に、0重量パーセントより多く、有益には0より多い重量パーセントか
ら約40重量パーセントまでの間、より有益には約1重量パーセントから約30
重量パーセントまでの間、好適には約5重量パーセントから約25重量パーセン
トまでの間、より好適には約5重量パーセントから約20重量パーセントまでの
間、最も好適には約5重量パーセントから約15重量パーセントまでの間の量で
存在するようにし、全ての重量パーセントは、熱可塑性の組成物中に存在してい
る脂肪族ポリエステルポリマーと、多カルボン酸と、湿潤剤との総重量に基づい
ている。
【0023】 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が、本発明に用いられ、不織材料に加工
され、本発明における所望の特性を呈するようにするには、多カルボン酸は、高
湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の熱加工中に、液体状態で存在することが有
益であるが、加工された高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の冷却中は、脂肪
族ポリエステルポリマーが固体状態に変化する即ち結晶化する前に、該多カルボ
ン酸が固体状態に変化する即ち結晶化することが望ましい、ということが発見さ
れている。
【0024】 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物において、多カルボン酸は、異なる2つ
の重要な機能を果たすと考えられる。第1に、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配
合物が溶融状態の時に、多カルボン酸は、脂肪族ポリエステルポリマーの内部改
質により不織材料の柔軟性と靭性を向上させる一方で、高湿潤性の脂肪族ポリエ
ステル配合物の加工を容易にする加工滑剤又は可塑剤として機能すると考えられ
る。これにより結合されるという意味ではないが、多カルボン酸は、脂肪族ポリ
エステルポリマー鎖同士を結合する副原子価結合を、多カルボン酸と脂肪族ポリ
エステルポリマーとの原子価結合に置き換え、これにより、ポリマー鎖セグメン
トを動き易くする。この効果から、脂肪族ポリエステルポリマー単独での加工に
比べて、押出機を回転させるのに必要なトルクは、通常は劇的に減少する。さら
に、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物を不織材料に紡糸するのに必要とされ
る加工温度は、通常は劇的に減少し、これにより、脂肪族ポリエステルポリマー
が熱崩壊するリスクが低減し、不織材料を調製するのに必要とされる冷却量と冷
却速度も減少することになる。第2に、不織材料が冷却されて液体すなわち溶融
状態から凝固する時に、多カルボン酸は核剤として機能する。脂肪族ポリエステ
ルポリマーは、非常に遅い結晶化速度を有するということが知られている。従来
より、この問題を解決する2つの主要な方法がある。1つは、結晶化速度を最大
限にするために、冷却温度分布を変化させることであり、もう1つは、結晶化サ
イトを増やし、結晶化度を高めるために核剤を添加することである。
【0025】 押出されたポリマーを周囲温度まで冷却するプロセスは、普通は、吹込み周囲
又は周囲以下の温度の、押出されたポリマーを横切る空気により行われる。この
ようなプロセスは、比較的短い時間枠(秒)における温度変化が、普通は100
℃より大きく、ほとんどの場合150℃より大きいことから、急冷又は過冷却と
呼ぶことができる。ポリマーの溶融粘度が低下すると、該ポリマーは通常、低温
で正常に押出すことができるようになる。このことは、冷却に必要とされる温度
変化を、好ましくは150℃より小さく、場合によっては100℃より小さく概
して減少させる。この通常のプロセスをさらに、実際の製造プロセスにおける脂
肪族ポリエステルの結晶化速度を最大限にする1つの方法とするのに必要とされ
る理想の冷却温度分布に特化することは、非常に短い時間内での極度の冷却が必
要とされることから、非常に困難である。しかし、標準的な冷却方法は、変更を
加えた第2方法と組み合わせて使用することができる。従来の第2方法とは、固
体粒子のような核剤を熱可塑性の組成物に混合し、急冷の間に結晶化を開始させ
るためのサイトを与えることである。しかしながら、このような固体核剤は通常
、熱可塑性の組成物中で非常に容易に凝集するので、この結果、フィルタの目詰
まりと、紡糸口金の孔の閉塞が起こることがある。さらに、この固体核剤の核作
用は、普通は、約1パーセントの固体核剤添加量において最大になる。これらの
因子の両方は、熱可塑性の組成物の中に固体核剤を高い重量百分率で添加すると
いう可能性又は要望を、概して低減させる。しかしながら、高湿潤性の脂肪族ポ
リエステル配合物の加工において、多カルボン酸は、押出プロセスの間に通常は
液体状態で存在して可塑剤として機能し、さらにその一方で、冷却の間は脂肪族
ポリエステルより先に凝固すなわち結晶化して核剤として機能することができる
ということが見出されている。均質な溶融状態からの冷却において、多カルボン
酸は、比較的小さい分子であることから、その融点丁度よりも低く降下する時に
、比較的より早く完全に凝固すなわち結晶化すると考えられる。例えば、アジピ
ン酸は、約162℃の溶融温度と、約145℃の結晶化温度を有する。 高分子である脂肪族ポリエステルポリマーは、比較的非常に遅い結晶化速度を
有し、これは、冷却した時に、その溶融温度より低い温度で、より遅く凝固すな
わち結晶化するということを意味する。このような冷却の間に、多カルボン酸は
、脂肪族ポリエステルポリマーより先に結晶化し始め、冷却している高湿潤性の
脂肪族ポリエステル配合物の中で、通常は固体核サイトとして働く。
【0026】 脂肪族ポリエステルポリマーをバインダ繊維に熱加工するときに直面する別の
主要な問題は、これらのポリマーの粘着する性質である。機械的に又は空気延伸
プロセスにより繊維の延伸を試みると、繊維が凝集して固体の塊が生じることが
多い。固体充填剤の添加は、ほとんどの場合、溶融ポリマーの粘着性を低くする
ように働くということが一般的に知られている。しかしながら、固体充填剤の使
用は、ポリマーが非常に小直径の孔から押出される不織用途において問題がある
。これは、充填剤粒子が、紡糸口金の孔とフィルタのスクリーンに詰まりがちで
あり、これにより、繊維紡糸プロセスが妨げられるためである。対照的に、本発
明において、多カルボン酸は、押出プロセスの間は依然として液体のままである
が、急冷プロセスの間にほとんど直ちに凝固する。したがって、多カルボン酸は
、固体充填剤として効果的に働き、系の全体的な結晶化度を向上させ、繊維の粘
着性を減少させ、延伸中における繊維の凝集のような問題をなくす。
【0027】 多カルボン酸は、該多カルボン酸と共に混合される脂肪族ポリエステルポリマ
ーとの化学的相溶性が高いことが望ましい。従来技術では通常、ポリラクチドと
アジピン酸との混合物の可能性を実証するが、本発明において、独特の特徴が発
見された。ポリラクチドとアジピン酸との混合物は、通常は、約2重量パーセン
トより少ない湿潤剤のような比較的少量の湿潤剤とのみブレンドすることができ
、その場合でさえ非常に困難である。ポリブチレンサクシネートと、ポリブチレ
ンサクシネート・コ・アジペートと、ポリカプロラクトンは、大量の多カルボン
酸及び湿潤剤の両方と非常に相溶性があるということが見出されている。この理
由は、脂肪族ポリエステルポリマーの化学構造によるものと考えられる。ポリラ
クチドポリマーは、CH2より長い線状部分が無い、比較的嵩高い化学構造を有
する。言い換えれば、各CH2セグメントは、酸素か又は他の側鎖のいずれかを
支持する炭素と結合している。したがって、アジピン酸のような多カルボン酸は
、ポリラクチドポリマーの主鎖のように一列に配列されていない。ポリブチレン
サクシネートとポリブチレンサクシネート・コ・アジペートの場合には、ポリマ
ー主鎖は、構造内に(CH22と(CH24の反復単位を有する。ポリカプロラ
クトンは、(CH25の反復単位を有する。これらの比較的長い開いた線状部分
は、酸素原子と嵩高い側鎖により干渉されずに、同じく(CH24単位を有する
アジピン酸のような適当な多カルボン酸と良好に整列し、これにより、多カルボ
ン酸分子と適当な脂肪族ポリエステルポリマー分子との間を非常に近接させるこ
とができる。これらの特定の場合における多カルボン酸と脂肪族ポリエステルポ
リマーとのこの優れた相溶性は、本発明における第3成分である湿潤剤の組み入
れを比較的容易にすることが見出されている。このような好適な相溶性は、適当
な多カルボン酸と湿潤剤と共に、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサク
シネート・コ・アジペート、ポリカプロラクトン、又はこれらのポリマーの配合
物或いは共重合体を含んでいる混合物の、配合と繊維又は不織材の製造との容易
さにより明白になる。これらの混合物の加工性は優れており、一方で、ポリラク
チド−多カルボン酸系の場合には、通常は、混合物中に湿潤剤を容易に取り入れ
ることはできない。
【0028】 ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジ
ペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合
物、又はこのようなポリマーの共重合体は通常、単独では又は一緒に混合した時
には、疎水性である。高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物から調製されたバイ
ンダ繊維は、通常は親水性であることが望ましいので、所望の特性を達成するた
めに、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物に別の成分を使用する必要があると
いうことが分かっている。したがって、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は
、湿潤剤を含んでいることが好ましい。
【0029】 したがって、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物における第3成分は、ポリ
ブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート
・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物、及
び/又はこのようなポリマーの共重合体のための湿潤剤である。本発明に用いる
のに適した湿潤剤は、通常は、ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチ
レンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー
、このようなポリマーの混合物、又はこのようなポリマーの共重合体における親
水部とほぼ相溶性である親水部と、ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリ
ブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリ
マー、このようなポリマーの混合物、又はこのようなポリマーの共重合体におけ
る疎水部とほぼ相溶性である疎水部と、を含んでいる。湿潤剤におけるこれらの
親水部と疎水部は、通常は別のブロックに存在しており、したがって、湿潤剤の
全体構造は、ジ・ブロックか又はランダム・ブロックとなる。湿潤剤は、急冷プ
ロセスの間において、脂肪族ポリエステルポリマーが結晶化した後に該湿潤剤が
液体のまま維持されるように、脂肪族ポリエステルポリマーの溶融温度より低い
か又は僅かに高い溶融温度を有することが好ましい。このことは、形成された繊
維構造体の表面に湿潤剤を移動させるので、これにより湿潤特性が向上し、繊維
構造体の加工が向上することになる。このとき湿潤剤は、加工された繊維の空気
中における水の接触角を変更することにより、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配
合物から加工されたバインダ繊維内で界面活性剤として働くことが一般的に望ま
しい。湿潤剤の疎水部は、限定する意味ではないが、ポリエチレン又はポリプロ
ピレンのようなポリオレフィンとすることができる。湿潤剤の親水部は、エチレ
ンオキシド、エトキシレート、グリコール、アルコール、又はこれらの組み合わ
せのいずれかを含むことができる。好適な湿潤剤の例は、UNITHOX(登録
商標)480及びUNITHOX(登録商標)750エトキシル化アルコールか
又はUNICID(登録商標)酸アミドエトキシレートを含み、これらは全て、
オクラホマ州タルサ所在のペトロライト社から入手可能である。
【0030】 他の好適な界面活性剤は、次のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。 a.ミシガン州ミッドランド所在のダウ・コーニング社から入手可能なD19
3及びD1315シリコン・グリコール共重合体のようなシリコン・グリコール
共重合体からなる界面活性剤。 b.ノースカロライナ州シャーロット所在のヘキスト・セラニーズ社から入手
可能なGENAPOL(登録商標)24‐L‐60、GENAPOL(登録商標
)24‐L‐92、又はGENAPOL(登録商標)24‐L‐98Nエトキシ
ル化アルコールのようなエトキシル化アルコール。 c.イリノイ州ガーニー所在のPPGインダストリーズ社から入手可能なMA
ZOL(登録商標)80MKGエトキシル化ジグリセリドのようなエトキシル化
ジグリセリドとエトキシル化モノグリセリドからなる界面活性剤。 d.サンド・ケミカル社から入手可能なSANDOPAN(登録商標)DTC
、SANDOPAN(登録商標)KST、又はSANDOPAN(登録商標)D
TC‐100カルボキシル化アルコールエトキシレートのようなカルボキシル化
アルコールエトキシレートからなる界面活性剤。 e.オハイオ州シンシナティ所在のヘンケル社/エメリーGrp.から入手可
能なTRYLON(登録商標)5906及びTRYLON(登録商標)5909
エトキシル化脂肪酸エステルのようなエトキシル化脂肪酸エステル。
【0031】 湿潤剤は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が、望ましい溶融強度と、繊
維の機械的強度と、繊維の紡糸特性を呈するようにするのに効果的な重量平均分
子量を有することが一般的に望ましい。一般に、湿潤剤の重量平均分子量が高す
ぎると、湿潤剤は、該湿潤剤の粘度が高すぎてブレンドするのに必要とされる流
動性が不足することから、脂肪族ポリエステル配合物中の他の成分と良くブレン
ドされない。逆に、湿潤剤の重量平均分子量が低すぎると、これは通常、湿潤剤
が他の成分と良くブレンドされず、加工上の問題が生じるような低い粘度を有す
るということを表す。したがって、本発明に用いるのに適した湿潤剤は、有益に
は約1,000から約100,000までの間、好適には約1,000から約5
0,000までの間、より好適には約1,000から約10,000までの間の
重量平均分子量を有する。湿潤剤の重量平均分子量は、当業者には公知の方法を
用いて求めることができる。
【0032】 湿潤剤は一般に、効果的な親水性と親油性とのバランス比(HLB比)を有す
ることが望ましい。材料のHLB比は、材料の親水性の相対的な比率を示す。H
LB比は、親水性部の重量平均分子量を、材料の全重量平均分子量で割り、次い
で20を掛けることで計算される。HLB比の値が低すぎると、湿潤剤は、所望
の親水性向上をほとんど達成しない。逆に、HLB比の値が高すぎると、湿潤剤
は、他の成分との化学的不相溶性及び粘度差により、高湿潤性の脂肪族ポリエス
テル配合物にほとんど混合されない。したがって、HLB比の値が、有益には約
10から約40までの間、好適には約10から約20までの間、より好適には約
12から約16までの間である湿潤剤が、本発明において有用である。特定の湿
潤剤についてのHLB比の値は、一般に良く知られており及び/又は様々な公知
の技術の参考文献から得ることができる。
【0033】 湿潤剤の疎水性部が、(CH2nを含んでいる線状炭化水素鎖であることも一
般的に望ましく、nは、好ましくは4又はそれ以上となる。この線状炭化水素の
疎水性部は通常、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・コ・
アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマーだけでなく、アジピン酸
のような多様な多カルボン酸における同様の部分とも相溶性が高い。これらの構
造的な類似性を有利に利用することで、湿潤剤の疎水性部は、脂肪族ポリエステ
ルポリマーに密接に結合し、その一方で、親水性部は、調製されたバインダ繊維
の表面の外まで延びることができるようになる。この現象により、通常は、調製
された不織材料によって示される前接触角が、比較的大きく減少することになる
。好適な湿潤剤の例は、オクラホマ州タルサ所在のペトロライト社から入手可能
なUNITHOX(登録商標)480及びUNITHOX(登録商標)750エ
トキシル化アルコールを含む。これらの湿潤剤は、炭素数が26から50までの
間の線状炭化水素鎖における平均的な長さを有する。湿潤剤の疎水性部が、フェ
ニル環か又は嵩高い側鎖のようなもので、嵩高過ぎる場合には、該湿潤剤を高湿
潤性の脂肪族ポリエステル配合物に上手く取り入れることが殆どできない。湿潤
剤の親水性部が漂っている状態で、脂肪族ポリエステルポリマー分子に湿潤剤の
疎水性部が結合しているのではなく、1つ以上の湿潤剤分子における該分子の全
ては、混合物中に浮遊しており、配合物中に取込まれるようになっている。これ
は、親水性鎖が表面上に無いということを示す高い前接触角と比較的低い後接触
角により明白になる。液体放出後に、湿潤剤は、表面に移動することができ、そ
の結果として低い接触角となる。これは、ニュージャージ州クランベリー所在の
ローヌ・プーラン社から入手したIGEPAL(登録商標)RC‐630エトキ
シル化アルキルフェノール表面活性剤の使用により、明瞭に示される。IGEP
AL(登録商標)RC‐630エトキシル化アルキルフェノールは、脂肪族ポリ
エステルポリマーとの相溶性を制限する嵩高いフェニル基を有し、これは、脂肪
族ポリエステルポリマーとIGEPAL(登録商標)RC‐630エトキシル化
アルキルフェノールとの混合物における高い前接触角と低い後接触角により明白
になる。
【0034】 湿潤剤は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物中に、結果として生じる高湿
潤性の脂肪族ポリエステル配合物が望ましい接触角値のような所望の特性を呈す
るようにするのに効果的な量で存在することが一般に望ましい。一般に、多すぎ
る湿潤剤は、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物における加工上の問題を招い
たり、最終的な高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物が、所望の前及び後接触角
値のような所望の特性を呈さないようにしたりする。湿潤剤は、高湿潤性の脂肪
族ポリエステル配合物中に、0重量パーセントより多く約25重量パーセントま
で、より有益には約0.5重量パーセントから約20重量パーセントまでの間、
好適には約1重量パーセントから約20重量パーセントまでの間、より好適には
約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの間の重量で存在しているこ
とが有益であり、全ての重量パーセントは、熱可塑性の組成物中に存在している
ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペ
ート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの混合物
、又はこのようなポリマーの共重合体、多カルボン酸、及び湿潤剤の総重量に基
づいている。本発明に使用される高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の主な成
分について、これまで説明してきたが、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は
、それらに限定されずに、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物における所望の
特性に悪影響を及ぼさない他の成分を含むこともできる。添加成分として用いる
ことができる例示的な材料は、限定する意味ではないが、顔料、酸化防止剤、安
定剤、界面活性剤、ワックス、流れ促進剤、固体溶剤、可塑剤、核剤、粒子、及
び熱可塑性の組成物の加工性を高めるために添加される他の材料を含む。高湿潤
性の脂肪族ポリエステル配合物に、このような添加成分が含まれている場合には
、該添加成分が、有益には約10重量パーセントより少なく、より有益には約5
重量パーセントより少なく、好適には約1重量パーセントより少ない量で使用さ
れることが一般に望ましく、全ての重量パーセントは、熱可塑性の組成物中に存
在しているポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・
コ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマ
ーの混合物、又はこのようなポリマーの共重合体からなる群から選択された脂肪
族ポリエステルポリマー、多カルボン酸、及び湿潤剤の総重量に基づいている。
【0035】 本発明に使用される高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は通常、結果として
、脂肪族ポリエステルポリマー、多カルボン酸、湿潤剤、及び必要であれば添加
成分のいずれかとの混合物の形態となる。本発明に使用される高湿潤性の脂肪族
ポリエステル配合物における所望の特性を得るには、脂肪族ポリエステルポリマ
ーと多カルボン酸と湿潤剤は、脂肪族ポリエステルポリマー、多カルボン酸、及
び/又は湿潤剤の各々からなる共重合体が生成しないように、実質的に相互に反
応しないまま残ることが重要である、ということが発見されている。したがって
、脂肪族ポリエステルポリマーと多カルボン酸と湿潤剤の各々は、高湿潤性の脂
肪族ポリエステル配合物における別個の成分として残る。
【0036】 脂肪族ポリエステルポリマーと多カルボン酸と湿潤剤の各々は、通常は、高湿
潤性の脂肪族ポリエステル配合物を生成している調製された混合物中で、別個の
領域又はドメインを形成する。しかしながら、脂肪族ポリエステルポリマーと多
カルボン酸と湿潤剤の各々の相対的な使用量によって、高湿潤性の脂肪族ポリエ
ステル配合物中に相対的に多い量で存在しているポリマーから、本質的に連続し
ている相を形成することができる。逆に、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物
中に相対的に少ない量で存在しているポリマーは、より多く分布しているポリマ
ーの連続相内に別個の領域又はドメインを形成する本質的に不連続な相を形成す
ることができ、より多く分布しているポリマーの連続相は、より少なく分布して
いるポリマーを、実質的に該構造内に取り込むことができる。ここで使用される
「取り込む」という用語と、これに関連する用語は、より多く分布しているポリ
マーの連続相は、より少なく分布しているポリマーの別個の領域又はドメインを
、実質的に取り込む、すなわち取り囲むことができる、ということを意味するよ
うに意図されている。
【0037】 本発明における二成分バインダ繊維の第2部分は、ポリオレフィンの芯材から
なる。ポリオレフィンの芯材を使用することで、バインダ繊維の製造において幾
つかの利点が与えられる。第1に、ほとんどのポリオレフィンにおける比較的高
い溶融温度は、鞘成分と芯成分との間に充分な溶融温度差を生じさせる。第2に
、ポリオレフィンの芯材を使用することで、優れた加工性が与えられる。多数の
不織グレードのポリプロピレン及びポリエチレンは、与えられた芯材に適するよ
うに流動分布を選択する融通性を与える。利用可能な溶融温度範囲は、鞘の溶融
温度と芯の溶融温度との間に充分な差異が与えられることを確実にするために、
材料の幅広い選択を可能にする。本発明において有用な芯材は、限定する意味で
はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンの共重合体及びポリプ
ロピレンの共重合体を含む。 本発明において、芯材の溶融温度は、前述の高湿潤性の脂肪族ポリエステル配
合物からなる鞘材より少なくとも20℃高くなることが望ましい。芯材は、少な
くとも125℃の溶融温度を有するべきである。PLAの利用可能な溶融温度範
囲は、官能価と生分解性の条件を満たしていながら鞘の溶融温度と芯の溶融温度
との間に充分な差異が与えられることを確実にするために、材料の幅広い選択を
可能にする。
【0038】 空気堆積ウェブ又はカーデッド・ウェブなどのようなカット・ファイバーから
なるウェブを製造するには、繊維成分の1つが、バインダ繊維であることが必要
とされる。これらの繊維は、並列構成や芯鞘構成などのような多くの異なる構成
に成形することができる。 本発明に使用される二成分バインダ繊維の一実施形態において、脂肪族ポリエ
ステルポリマーと多カルボン酸と湿潤剤とを一緒に乾式混合して高湿潤性の脂肪
族ポリエステルポリマー配合物の乾性混合物を生成した後に、この高湿潤性の脂
肪族ポリエステルポリマー配合物の乾性混合物は、本質的に均質な乾性混合物が
生成するように、有益にかき回されたり、攪拌されたり、又は脂肪族ポリエステ
ルポリマーと多カルボン酸と湿潤剤とを効果的に均一混合する他の手法でブレン
ドされたりする。次いで、乾性混合物は、例えば押出機の中で溶融ブレンドして
、本質的に均質な溶融混合物が生じるように、脂肪族ポリエステルポリマーと多
カルボン酸と湿潤剤とを効果的に均一混合することができる。次いで、本質的に
均質な溶融混合物を冷却して、ペレットにすることができる。或いは、本質的に
均質な溶融混合物を、紡糸パックか又はバインダ繊維を形成するための他の装置
に直接、送ることもできる。
【0039】 1つ以上の成分を一緒に混合する別の方法は、例えば1つ以上の成分を一緒に
混合するのに使用される押出機の中で、脂肪族ポリエステルポリマーに多カルボ
ン酸と湿潤剤を加えることを含む。さらに、同時に全ての成分を最初に一緒に溶
融混合することも可能である。1つ以上の成分を一緒に混合する他の方法も使用
可能であり、当業者であれば容易に分かるであろう。 脂肪族ポリエステルポリマーと多カルボン酸と湿潤剤が、本質的に未反応のま
まであるかどうかを判断するために、核磁気共鳴と赤外分析法などのような技術
を使用して、最終的な熱可塑性組成物の化学的特性を評価することができる。
【0040】 種々の成分を熱加工する典型的条件は、有益には約100s-1から約5000
0s-1までの間、より有益には約500s-1から約5000s-1までの間、好適
には約1000s-1から約3000s-1までの間、最も好適には約1000s-1 の剪断速度の使用を含む。種々の成分を熱加工する典型的条件はまた、有益には
約50℃から約500℃までの間、より有益には約75℃から約300℃までの
間、好適には約100℃から約250℃までの間の温度の使用を含む。
【0041】 ポリオレフィンの芯材と高湿潤性脂肪族ポリエステル配合物の鞘材が選択され
成形されるとすぐに、これらの材料は、この2つの材料を共紡糸することでバイ
ンダ繊維に成形することができる。この繊維を紡糸した後に、これらを延伸し、
切断及び/又は捲縮して、親水性のステープルファイバーを製造することができ
る。次いで、これらのファイバーを、ボンデッドカーデッドウェブに使用するか
又は空気堆積プロセスに使用して不織材料を成形することができ、次いでこれら
を使い捨て衣類に使用することができる。二成分繊維の製造は、二軸押出機の紡
糸システムで行われる。各成分は、単軸又は二軸スクリュー押出機に送られ、溶
融するまで加熱されて、紡糸口金に送られる。紡糸口金の設計によって繊維の最
終形状が決まる。紡糸口金から押出された溶融ポリマーは、周囲空気か又は周囲
温度以下の空気により固体状態になるまで冷却される。次いで、この固形繊維は
、ゴデットロールのような利用可能な手段のいずれかにより延伸される。それか
ら、繊維の切断、捲縮、延伸又は処理における標準方法のどれでも使用すること
ができる。
【0042】 ここで用いられる「疎水性の」という用語は、空気中における水の接触角が少
なくとも90度である材料を指す。一方、ここで用いられる「親水性の」という
用語は、空気中における水の接触角が90度より小さい材料を指す。しかしなが
ら、市販の個人用ケア製品は一般に、所望の液体移送特性を与えるためには、9
0度よりかなり小さい接触角であることが必要とされる。個人用ケア製品に必要
とされる迅速な取水と湿潤特性を達成するために、空気中における水の接触角は
通常、約70度を下回っていることが望ましい。一般に、接触角が小さくなると
、湿潤性が良くなる。この用途のためには、接触角の測定値は、試験方法の項に
記載されているようにして測定される。接触角とこれの測定についての概要は、
例えば、ロバートJ.グッドとロバートJ.ストロンベルグ編集の「表面とコロ
イド科学−実験方法」Vol.II(プレナム・プレス、1979年)におけるよ
うに当該技術分野において良く知られている。
【0043】 結果として生じた本発明のバインダ繊維は、空気中における水の接触角の減少
により示される向上された親水性を有することが望ましい。繊維サンプルの空気
中における水の接触角は、試験手順の内容により、前接触角値か又は後接触角値
のいずれかとして測定することができる。前接触角は、水のような液体に対する
材料の初期反応を測定するものである。後接触角は、第1放出すなわち液体に対
する露出の間及び次の放出の間に、材料がどのように機能するかについての尺度
を与える。小さい後接触角は、液体に曝されている間に材料がより親水性になっ
ているということを意味し、通常は、さらに継続的に液体を移送できるようにな
る。前接触角と後接触角の両方についてのデータは、多成分繊維又は本発明の不
織構造材における高親水性の性質を達成するために望ましく使用される。
【0044】 結果として生じた本発明のバインダ繊維は、小さい接触角ヒステリシスとして
評価される液体移送速度が向上されることが望ましい。ここで用いられる接触角
ヒステリシスは、評価される材料についての前接触角と後接触角の差として定義
される。例えば、相対的に高い前接触角と相対的に低い後接触角は、大きな接触
角ヒステリシスを招くことになる。このような場合には、初期液体放出は、ほぼ
材料にゆっくりと吸収されるが、材料は、一度吸収した液体をほぼ保持する。一
般に、高い液体移送速度にするには、前及び後接触角が相対的に低く、接触角ヒ
ステリシスが小さいことが望ましい。接触角ヒステリシスは、評価される材料上
での液体の吸上速度の指標として用いられる。
【0045】 本発明の一実施形態において、不織材料は、前接触角の値が有益には約70度
より小さく、より有益には約65度より小さく、好適には約60度より小さく、
より好適には約55度より小さく、最も好適には約50度より小さいここで説明
されるようなバインダ繊維を含んでいることが望ましく、この前接触角の値は、
後述の試験方法の項で説明される方法により求められる。 本発明の別の実施形態において、不織材料は、後接触角の値が有益には約60
度より小さく、より有益には約55度より小さく、好適には約50度より小さく
、より好適には約45度より小さく、最も好適には約40度より小さいここで説
明されるようなバインダ繊維を含んでいることが望ましく、この後接触角の値は
、後述の試験方法の項で説明される方法により求められる。
【0046】 本発明の別の実施形態では、不織材料は、前接触角の値が有益には少なくとも
約10度、より有益には少なくとも約15度、好適には少なくとも約20度であ
って、湿潤剤を含んでいない熱可塑性の組成物から別の方法で調製されたほぼ同
一の繊維又は不織構造が示す前接触角の値より小さい、ここで説明されるような
バインダ繊維を含んでいることが望ましい。 本発明の別の実施形態では、不織材料は、後接触角の値が有益には少なくとも
約5度、より有益には少なくとも約10度、好適には少なくとも約20度であっ
て、湿潤剤を含んでいない熱可塑性の組成物から別の方法で調製されたほぼ同一
の繊維又は不織構造が示す後接触角の値より小さいここで説明されるようなバイ
ンダ繊維を含んでいることが望ましい。 ここで使用される「湿潤剤を含んでいない熱可塑性の組成物から別の方法で調
製されたほぼ同一の不織材料」という用語と、その他類似の用語は、本発明の不
織材料と比較して、前述の湿潤剤を含んでいないか又は一緒に調製されていない
ということを除いて、実質的に同一の材料と実質的に同一のプロセスを用いて調
製された対照用不織材料を指すことが意図されている。
【0047】 本発明の別の実施形態において、前接触角値と後接触角値との間の差は、ここ
では接触角ヒステリシスと呼ばれ、できるだけ小さいことが望ましい。したがっ
て、バインダ繊維は、前接触角値と後接触角値との間の差が、有益には約50度
より小さく、より有益には約40度より小さく、好適には約30度より小さく、
最も好適には約20度より小さいことが望ましい。 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の溶融温度又は軟化温度は、ほとんどの
プロセス用途において概して直面する範囲内であることが一般に望ましい。した
がって、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の溶融温度又は軟化温度は、有益
には約25℃から約350℃までの間、より有益には約35℃から約300℃ま
での間、好適には約45℃から約250℃までの間であることが一般に望ましい
【0048】 本発明に用いられる高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、脂肪族ポリエス
テルポリマーを含んでいるが多カルボン酸及び/又は湿潤剤を含んでいない熱可
塑性組成物に比べて、ほぼ向上された加工特性を有することが見出されている。
これは一般に、多カルボン酸と湿潤剤の内部滑剤作用とに起因する粘度の著しい
減少による。多カルボン酸を含んでいない脂肪族ポリエステルポリマーと湿潤剤
との混合物における粘度は、一般に、加工するには高過ぎる。湿潤剤を含んでい
ない脂肪族ポリエステルポリマーと多カルボン酸との混合物は、通常は十分に親
水性の材料ではなく、急冷区域における液状湿潤剤の加工上の利点を持たない。
この3つの成分の正しい組み合わせだけが、繊維の紡糸に適した粘度と溶融強度
を得ることができるということが本発明の一部として分かっている。
【0049】 ここで使用される、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物の向上された加工性
は、典型的な工業用押出加工条件である、温度約170℃、剪断速度約1000
-1における熱可塑性組成物の見掛粘度の下降として測定される。高湿潤性の脂
肪族ポリエステル配合物における見掛粘度値が高すぎると、この高湿潤性の脂肪
族ポリエステル配合物は、通常は、加工が非常に困難になる。逆に、高湿潤性の
脂肪族ポリエステル配合物における見掛粘度値が低すぎると、この高湿潤性の脂
肪族ポリエステル配合物は、通常は、結果として押出される繊維の引張強さが非
常に弱くなる。 したがって、高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、温度約170℃、剪断
速度約1000s-1における見掛粘度値が、有益には約5パスカル秒(Pa・s
)から約200パスカル秒までの間、より有益には約10パスカル秒から約15
0パスカル秒までの間、好適には約20パスカル秒から約100パスカル秒まで
の間であることが一般に望ましい。見掛粘度値を求める方法は、実施例に関連さ
せて後述する。 ここで使用される「繊維」又は「繊維の」という用語は、材料の長さ対直径比
が約10より大きい材料を指すように意図されている。逆に、「非繊維」又は「
非繊維の」材料は、材料の長さ対直径比が約10又はそれ以下の材料を指すよう
に意図されている。
【0050】 繊維の製造方法については公知であり、ここで詳細に説明する必要はない。ポ
リマーの溶融紡糸は、スパンボンド又はメルトブローのような連続的なフィラメ
ント構造と、ステープル・ファイバーやショートカット・ファイバーのような不
連続なフィラメント構造の製造を含む。スパンボンド又はメルトブロー繊維を成
形するには、通常は、熱可塑性組成物を押出して分配システムに供給し、該熱可
塑性組成物が紡糸口金のプレートの中に導入される。次いで、スパン繊維を冷却
して凝固させ、空気力学システムにより延伸し、次いで通常の不織材に成形する
。その一方で、ショートカット・ファイバー又はステープル・ファイバーを製造
するには、スパン繊維を冷却して凝固させ、この中間体を通常は機械的ロールシ
ステムによりフィラメントの直径になるまで延伸して、直接に不織構造体に成形
するのではなく、繊維を集積させる。それから、集積された繊維を所望の最終繊
維直径になるまで軟化温度より低い温度で「常温延伸」し、次いで捲縮/嵩高加
工して、所望の繊維長さに裁断することができる。多成分繊維は、ステープル・
ファイバーやショートカット・ファイバーのような比較的短い長さに裁断するこ
とができ、該ステープルファイバーは、約25ミリメートルから約50ミリメー
トルまでの範囲内の長さを有し、該ショートカット・ファイバーは、更に短く、
約18ミリメートルより短い長さを有する。例えば、タニグチ他に付与された米
国特許第4,789,592号と、シュトラック他に付与された米国特許第5,
336,552号を参照されたく、この両方については、その全体を引用により
ここに組み込む。
【0051】 本発明のバインダ繊維を用いる生分解性の不織材料は、おむつ、成人失禁用製
品、及びベッドパッドなどのような使い捨て吸収体製品と、生理用ナプキン及び
タンポンなどのような月経用品と、拭取り材、よだれ掛け、創傷被覆材、及び外
科用ケープ又はドレープなどのようなその他の吸収体製品を含む使い捨て製品に
使用するのに適している。したがって、別の態様において、本発明は、多成分繊
維からなる使い捨て吸収体製品に関する。 本発明の一実施形態において、バインダ繊維は、繊維の母材に成形されて、使
い捨て吸収体製品に組み込まれる。繊維の母材は、例えば繊維の不織ウェブの形
態をとることができる。使用される繊維の長さは、意図した特定の最終用途に対
応させることができる。繊維が水中で、例えばトイレで分解されるとき、該長さ
が約15ミリメートル又はそれ以下に維持されるかどうかということは有利であ
る。
【0052】 本発明の別の態様において、通常は、液体透過性の表面シートと、流体収集層
と、吸収構造体と、液体不透過性の裏面シートを含む複合構造体からなる使い捨
て吸収体製品が提供され、液体透過性の表面シート、流体収集層、又は液体不透
過性の裏面シートのうち少なくとも1つは、本発明の不織材料からなる。ある場
合には、表面シートと流体収集層と裏面シートの3つ全てが、説明した不織材料
からなるということは有益である。 別の実施形態において、使い捨て吸収体製品は、液体透過性の表面シートと、
吸収構造体と、液体不透過性の裏面シートを含むほぼ複合構造体から構成するこ
とができ、液体透過性の表面シートか又は液体不透過性の裏面シートの少なくと
も1つは、説明した不織材料からなる。
【0053】 本発明の別の実施形態において、不織材料は、スパンボンドのライン上で調製
することができる。前述の熱可塑性材料からなる樹脂ペレットを成形し、予備乾
燥する。次いで、これらを一軸押出機に供給する。繊維は、繊維延伸装置(FD
U)か又は空気延伸装置から成形ワイヤ上に延伸して、熱結合することができる
。しかしながら、他の方法及び調製技術を使用することもできる。 例示的な使い捨て吸収体製品は、US‐A‐4,710,187号と、US‐
A‐4,762,521号と、US‐A‐4,770,656号と、US‐A‐
4,798,603号に概ね記載されており、引用によりここに組み込む。 本発明の全ての態様に係る吸収体製品及び構造体は、通常は、使用中に多数回
の体液放出に曝される。したがって、この吸収体製品及び構造体は、該吸収体製
品及び構造体が使用中に曝される多数回の体液放出量を吸収できることが望まし
い。この多数回の放出は、通常は、時間間隔をおいて行われる。
【0054】 (試験方法) 溶融温度 示差走査熱量測定法を用いて、材料の溶融温度を測定した。デラウェア州ニュ
ーキャスル所在のTAインストルメンツ社から入手可能な、サーマル・アナリス
ト2910示差走査熱量測定器という名称の、液体窒素冷却用の付属品が装備さ
れ、サーマル・アナリスト2200分析用ソフトウェア(バージョン8.10)
プログラムと組み合わせて使用される示差走査熱量測定器を、溶融温度測定に使
用した。試験した材料サンプルは、繊維か又は樹脂の形態のいずれかであった。
材料サンプルは、直接手で扱わずに、誤った結果を与えるものがどれも導入され
ないように、ピンセット又は他の道具を使用することが好ましいものであった。
繊維の場合には材料サンプルを裁断し、樹脂ペレットの場合にはアルミニウム皿
に入れて、化学天秤で0.01mgの正確さまで秤量した。必要に応じて、皿の
上でサンプルを覆うように、蓋に折り目をつけた。
【0055】 示差走査熱量測定器を、該示差走査熱量測定器の取扱説明書に記載されている
ように、インジウム金属標準品を用いて校正し、ベースライン補正を行った。試
験のために、材料サンプルを示差走査熱量測定器のテストチャンバに入れ、空皿
を対照として使用した。全ての試験は、テストチャンバに窒素(工業用グレード
)を55立方センチメートル/分でパージして実行された。加熱及び冷却プログ
ラムは、チャンバを−75℃まで平衡化することで始まり、続いて20℃/秒で
220℃までの加熱サイクル、次いで20℃/秒で−75℃までの冷却サイクル
、そして20℃/秒で220℃までの別の加熱サイクル、という2サイクル試験
であった。 結果は、分析用ソフトウェアのプログラムを用いて評価され、変曲点における
ガラス転移温度(Tg)、吸熱ピーク、及び発熱ピークが同定され、定量化され
た。ガラス転移温度は、傾きの明白な変化が起こるライン上の領域として同定さ
れ、次いで、自動変曲点計算を用いて溶融温度が求められた。
【0056】 見掛粘度 サウスカロライナ州ロックヒル所在のグートフェルト社から入手可能なグート
フェルト・レオグラフ2003キャピラリー・レオメーターという名称のキャピ
ラリー・レオメーターを、WinRHEO(バージョン2.31)分析用ソフト
ウェアと組み合わせて、材料サンプルの見掛粘度の流動学的性質を評価するのに
使用した。キャピラリー・レオメーターの構成装備には、2000バール圧力変
換器と、長さ30mm/有効長30mm/直径1mm/高さ0mm/流れ角度1
80度の丸孔キャピラリー・ダイが含まれていた。 試験する材料サンプルが、水に弱いことが実証されているか又は分かっている
場合には、該材料サンプルを、温度がガラス転移温度より高い、即ちポリ(乳酸
)材料については55℃か又は60℃より高い真空オーブンの中で、水銀柱が少
なくとも15インチである真空条件下で、窒素ガスを少なくとも30標準立方フ
ィート毎時でパージして、少なくとも16時間乾燥させた。
【0057】 装置を立ち上げ暫くしてから圧力変換器を校正し、試験中に均一な溶融が保証
されるように、毎回ラムロッドでカラムに材料サンプルを段階的に充填し、該カ
ラムに樹脂をパッキングした。材料サンプルを充填した後に、材料サンプルが試
験温度において完全に溶融するように、各試験の前に2分間の溶融時間をおいた
。キャピラリー・レオメーターは、自動的にデータポイントをとり、7つの見掛
剪断速度(s-1)すなわち50、100、200、500、1000、2000
及び5000における見掛粘度(パスカル秒)を測定した。結果として得られた
曲線を考察するときに、曲線が比較的なだらかであるということが重要であった
。1つのポイントから別のポイントまでの全体的な曲線から大きな偏差があった
場合には、カラム内の空気に起因している可能性があり、結果が確かなものにな
るまでテストランを繰り返した。
【0058】 結果として得られた見掛剪断速度対見掛粘度の流動学的曲線は、材料サンプル
が押出プロセスにおける温度でどのように流れるかの指標を与える。少なくとも
1000s-1の剪断速度における見掛粘度値は、市販の繊維紡糸押出機において
見られる典型的条件であることから特定の関心事である。
【0059】 接触角 装置は、ウィスコンシン州マディソン所在のATI‐CAHNインストルメン
ツ社から入手可能なDCA‐322動的接触角分析器と、WinDCA(バージ
ョン1.02)ソフトウェアを含む。試験は、平衡鐙が取付けられている「A」
字形のループで行われた。取扱説明書に指示されているように、モータについて
は月毎に、平衡については毎日(100mgの錘を使用して)校正を行うべきも
のであった。 熱可塑性組成物を繊維に紡糸し、自由落下のサンプル(ジェットストレッチ0
)を、接触角の測定に使用した。汚染が最小限に押さえられるように、繊維の準
備の間中、該繊維を取扱う際の繊維の露出を最小限にすることに注意を要した。
繊維サンプルを、該繊維がハンガー端から2から3cm延びるように、スコッチ
テープでワイヤハンガーに取り付けた。次いで、繊維サンプルを、ハンガー端か
らおよそ1.5cm延びるようにレーザで裁断した。光学顕微鏡を使用して繊維
に沿って平均直径(3から4回測定)を測定した。
【0060】 ワイヤハンガーに取り付けたサンプルを、「A」字形ループの平衡鐙から吊り
下げた。浸液は蒸留水であり、各試験片毎に変えた。試験片のパラメータ(すな
わち繊維直径)を入力して、試験を開始した。繊維が蒸留水の表面に接触した時
に、浸漬のゼロ深さを検出するまで、151.75ミクロン/秒で段階を進めた
。浸漬のゼロ深さから、繊維を水の中に1cm進め、0秒間一時停止させ、次い
で直ちに1cm後退させた。ソフトウェアにより接触角の自動分析を行い、取扱
説明書に特定されている標準計算に基づいて、繊維サンプルの前及び後接触角が
求められた。0又は<0の接触角は、サンプルが完全に湿潤性になったというこ
とを示す。各サンプルにつき5回繰り返して試験し、平均と、標準偏差と、変動
係数パーセントについての統計分析を計算した。後述の実施例に示され、請求項
に使用されているような前接触角値は、前述の試験方法に従って測定した繊維サ
ンプルに対する蒸留水の前接触角を表す。同様に、後述の実施例に示され、請求
項に使用されているような後接触角値は、前述の試験方法に従って測定した繊維
サンプルに対する蒸留水の後接触角を表す。
【0061】 (実施例) 次の実施例における熱可塑性組成物と多成分繊維を形成するための成分として
種々の材料を使用した。これらの材料の名称と種々の特性は、表1に列記した。 ポリ(乳酸)(PLA)ポリマーは、コロラド州ゴールデン所在のクルノポル
社からHEPLON(登録商標)A10005ポリ(乳酸)ポリマーという名称
のものを入手した。 ポリブチレンサクシネート・ポリマーは、日本の東京都所在の昭和高分子社か
ら入手可能であり、BIONOLLE(登録商標)1020ポリブチレンサクシ
ネートという名称のものを入手した。表2において、BIONOLLE(登録商
標)1020ポリブチレンサクシネート・ポリマーは、PBSとして示されてい
る。 ポリブチレンサクシネート・コ・アジペートは、日本の東京都所在の昭和高分
子社から入手可能であり、BIONOLLE(登録商標)3020ポリブチレン
サクシネート・コ・アジペートという名称のものを入手した。 ポリカプロラクトン・ポリマーは、ユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アン
ド・プラスチックス・カンパニー社から、TONE(登録商標)ポリマーP76
7Eポリカプロラクトン・ポリマーという名称のものを入手した。 湿潤剤として使用された材料は、オクラホマ州タルサ所在のペトロライト社か
らUNITHOX(登録商標)480エトキシル化アルコールという名称で入手
したものであり、数平均分子量が約2250で、エトキシレートの割合が約80
重量パーセント、溶融温度が約65℃、HLB値が約16のものであった。 湿潤剤として使用された材料は、オクラホマ州タルサ所在のベーカー・ペトロ
ライト社からUNICID(登録商標)X‐8198酸アミドエトキシレートと
いう名称で入手したものであり、HLB値がおよそ35、溶融温度がおよそ60
℃であることが実証された。 湿潤剤として使用された材料は、ニュージャージー州クランベリー所在のロー
ヌ・プーラン社からIGEPAL(登録商標)RC‐630エトキシル化アルキ
ルフェノール表面活性剤という名称のものを入手し、HLB値が約12.7、溶
融温度が約4℃であることが実証された。
【0062】
【表1】
【0063】 実施例1−2 高湿潤性の脂肪族ポリエステル配合物は、種々の成分を採取し、これらを乾式
混合し、続いて成分の力強い混合を与えるために、カウンタ回転式二軸スクリュ
ー押出機内で溶融ブレンドすることで調製された。溶融混合は、回転式混合スク
リューの剪断作用と組み合わされた、成分の部分的又は完全な溶融を含んでいる
。このような条件は、熱可塑性組成物の成分の最適なブレンドと、均等な分散を
導く。ドイツのKarlsautte所在のHaake社から入手可能なHaa
ke・Rheocord90二軸スクリュー押出機のような二軸スクリュー押出
機か又はニュージャージー州サウスハッケンサック所在のブラベンダ社から入手
可能なブラベンダ・二軸スクリュー・ミキサー(カタログナンバー05‐96‐
000)か又は他の類似の二軸スクリュー押出機が、この用途に好適である。さ
らに、ニュージャージー州ラムジー所在のワーナー・アンド・フレイデラ社から
入手可能な共回転式二軸スクリュー押出機も含まれる。他に規定されない限り、
全てのサンプルは、Haake・Rheocord90二軸スクリュー押出機で
調製された。溶融した組成物は、溶融ミキサーから押出された後に、液体冷却ロ
ールの表面及び/又は押出物を横切るように通過する強制空気により冷却される
。次いで、冷却された組成物は、繊維に変換するためにその後ペレットにされた
【0064】 これらの樹脂をバインダ繊維に変換することは、工場内で、0.75インチ(
1.905cm)の直径を有する2つの押出機により行われる。押出機の各々は
、L:D(長さ:直径)比24:1のスクリューと、押出機から紡糸パックまで
の移送パイプに入る3つの加熱区域を有する。移送パイプは、第4及び第5加熱
区域を構成し、ニューヨーク州ニューヨーク所在のコーシュ・エンジニアリング
・カンパニー社から入手可能な直径0.62インチのKOCH(登録商標)SM
X型固定ミキサー装置を含んでいる。移送パイプは、紡糸ヘッド(第6加熱区域
)の中に延び、溶融ポリマーがそこから押出される紡糸プレートの多数の孔を貫
通して延びる。ここで使用された紡糸プレートは、15個の孔を有するものであ
り、各孔の直径は、20ミル(0.508mm)であった。繊維は、13℃から
22℃までの温度の空気を用いて急冷され、機械的引取ロールにより引落され、
巻取装置に送られて収集されるか又は繊維延伸装置に送られてスパンボンド成形
され、結合される。或いは、他の付属装置を使用して、収集前に加工することも
できる。 本発明のバインダ繊維は、実験室規模の工場内紡糸ラインで製造された。紡糸
ラインは、L:Dが24:1の2つの一軸スクリュー押出機と、固定混合装置と
、紡糸パックから構成されていた。紡糸パックは、第4プレートの後に、ポリマ
ーを分布させる3つの層にされたプレートを含んでおり、これらの構成により、
最終繊維の形状が決定された。これらの実施例には、芯鞘構造が使用された。
【0065】 高湿潤性のバインダ繊維の実施例は、より低い接触角はより湿潤性の材料を示
すという接触角測定の使用により低量化された。接触角の測定は、前述のように
して行われた。 前及び後接触角についての結果は、表2に示されている。前接触角は、液体と
の第1接触の間に繊維がどのように流体と作用するかの指標である。後接触角は
、多数回の液体放出の間に又は湿った高湿度の環境内で、材料がどのように挙動
するかの指標である。ブレンドには、本発明で製造された高湿潤性の繊維が含ま
れていた。
【0066】
【表2】
【0067】 接触角は、液体この場合は水と材料表面との界面により測定される。芯鞘繊維
の場合には、水と接触するのは鞘材料表面のみであり、したがって、このような
複合繊維の接触角は、鞘材料のみから構成された一成分繊維と同じになる。この
結果は、鞘は、芯を取り囲む連続的な表面であり、芯材の露出はなく、しかも鞘
材と芯材の間で反応しない、ということが与えられた時に当てはまる。
【0068】 異なる成分から形成された二成分繊維の加工性に影響する基本性質の1つは、
成分の粘度分布である。二成分繊維を正常に製造するには、溶融温度における材
料同士の粘度が比較的類似しており、大きく違わない、ということが必要である
。二成分紡糸工程において、押出機の各々は、個々に制御することができるが、
ポリマーは、単一の温度で紡糸口金を通り抜けて、スピンパックを出た直後に互
いに曝されるようにしなければならない。この位置で、2つの成分の間に熱伝達
が起こる。したがって、一方が非常に高温の場合には、低温の方のポリマーは、
急速に加熱され、粘度の降下が生じて、繊維の生成が乏しくなる。表3に、異な
る温度における幾つかの可能な鞘材の剪断粘度を列挙する。
【0069】
【表3】
【0070】 このような材料は、類似の温度分布で加工できるポリオレフィンの芯と組み合
わせることが可能である。表4は、可能な芯材の幾つかを概略的に示す。
【0071】
【表4】
【0072】 これらの結果に基づき、温度と組成物を調整することで、成分材料の流動力学
的挙動とこれによる加工性を制御できるということは、明白である。
【0073】 次の実験室規模の製作品についての試作品試験は、日本の窒素社で行われた。
表5は、最終繊維特性の概要である。
【0074】
【表5】
【0075】 これらの繊維は、長さ5mm及び38mmに製造されており、所望の用途に応
じてどんな長さに裁断することもできる。これらの材料は、良好に加工されると
いうことだけでなく、表に示すように、この繊維は優れた強度と伸張を呈する。
【0076】 当業者であれば、本発明は、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更
及び修正ができるということが分かるであろう。したがって、前述の発明の詳細
な説明と実施例は、単に例示することのみを意図されており、如何なる方法によ
っても、付属の請求項に記載されるような本発明の範囲を制限することを意図し
ていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4L041 AA07 BA02 BA05 BA21 BC04 BD04 BD11 CA05 CA15 CA36 CA38 DD05 DD14

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンの芯と脂肪族ポリエステル配合物の鞘とから
    なる二成分バインダ繊維であって、前記脂肪族ポリエステル配合物が、 a.ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ・
    アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマーの
    混合物、又はこのようなポリマーの共重合体からなる群から選択され、約10,
    000から約2,000,000までの間の重量平均分子量を有し、前記脂肪族
    ポリエステル配合物中に、約40重量パーセントから100重量パーセントより
    少ない重量で存在している脂肪族ポリエステルポリマーと、 b.炭素原子の総数が30より少なく、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、
    0重量パーセントより多く約30重量パーセントまでの重量で存在している多カ
    ルボン酸と、 c.0重量パーセントより多く約25重量パーセントまでの重量において、親
    水性と親油性のバランス比が約10から約40までの間である湿潤剤と、 を含み、全ての重量パーセントは、前記脂肪族ポリエステル配合物中に存在して
    いる前記脂肪族ポリエステルポリマーと、前記多カルボン酸と、前記湿潤剤との
    総重量に基づいており、 前記脂肪族ポリエステル配合物が、温度約170℃、剪断速度約1000毎秒
    において、約5パスカル秒から約200パスカル秒までの間の見掛粘度値を有す
    ることを特徴とする二成分バインダ繊維。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシネ
    ート・ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシネ
    ート・コ・アジペート・ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の二成
    分バインダ繊維。
  4. 【請求項4】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリカプロラクトン・
    ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  5. 【請求項5】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエステ
    ル配合物中に、約50重量パーセントから約95重量パーセントまでの間の重量
    で存在していることを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  6. 【請求項6】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエステ
    ル配合物中に、約60重量パーセントから約90重量パーセントまでの間の重量
    で存在していることを特徴とする請求項5に記載の二成分バインダ繊維。
  7. 【請求項7】 前記多カルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
    ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこのような酸の混合
    物から構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の二成分バ
    インダ繊維。
  8. 【請求項8】 前記多カルボン酸が、グルタル酸、アジピン酸及びスベリン
    酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の二成分バ
    インダ繊維。
  9. 【請求項9】 前記多カルボン酸が、脂肪族ポリエステル配合物中に、約1
    重量パーセントから約30重量パーセントまでの間の重量で存在していることを
    特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  10. 【請求項10】 前記多カルボン酸が、脂肪族ポリエステル配合物中に、約
    5重量パーセントから約25重量パーセントまでの間の重量で存在していること
    を特徴とする請求項9に記載の二成分バインダ繊維。
  11. 【請求項11】 前記多カルボン酸における炭素原子の総量が、約4から約
    30までの間であることを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  12. 【請求項12】 前記湿潤剤における親水性と疎水性のバランス比が、約1
    0から約20までの間であることを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ
    繊維。
  13. 【請求項13】 前記湿潤剤が、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約0
    .5重量パーセントから約20重量パーセントまでの間の重量で存在しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  14. 【請求項14】 前記湿潤剤が、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約1
    重量パーセントから約15重量パーセントまでの間の重量で存在していることを
    特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  15. 【請求項15】 前記湿潤剤が、エトキシル化アルコール、酸アミドエトキ
    シレート及びエトキシル化アルキルフェノールからなる群から選択されることを
    特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  16. 【請求項16】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエス
    テル配合物中に、約50重量パーセントから約95重量パーセントまでの間の重
    量で存在し、前記多カルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
    ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこのような酸の混合物から
    構成される群から選択され、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約1重量パー
    セントから約30重量パーセントまでの間の重量で存在し、前記湿潤剤が、エト
    キシル化アルコール、酸アミドエトキシレート及びエトキシル化アルキルフェノ
    ールからなる群から選択され、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約0.5重
    量パーセントから約20重量パーセントまでの間の重量で存在していることを特
    徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  17. 【請求項17】 前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、
    ポリエチレン共重合体及びポリプロピレン共重合体からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の二成分バインダ繊維。
  18. 【請求項18】 ポリオレフィンの芯と脂肪族ポリエステル配合物の鞘から
    なる二成分バインダ繊維であって、脂肪族ポリエステル配合物が、 a.ポリブチレンサクシネート・ポリマー、ポリブチレンサクシネート・コ
    ・アジペート・ポリマー、ポリカプロラクトン・ポリマー、このようなポリマー
    の混合物、又はこのようなポリマーの共重合体からなる群から選択され、約10
    ,000から約2,000,000までの間の重量平均分子量を有し、熱可塑性
    組成物中に、約40重量パーセントから100重量パーセントより少ない重量で
    存在している脂肪族ポリエステルポリマーと、 b.炭素原子の総数が30より少なく、前記熱可塑性組成物中に、0重量パー
    セント以上約30重量パーセントまでの重量で存在している多カルボン酸と、 c.0重量パーセントより多く約25重量パーセントまでの重量において、親
    水性と親油性のバランス比が約10から約40までの間である湿潤剤と、 を含み、全ての重量パーセントは、前記熱可塑性組成物中に存在している前記脂
    肪族ポリエステルポリマーと、前記多カルボン酸と、前記湿潤剤との総重量に基
    づいており、 前記繊維が、約70度より小さい前接触角値と、約60度より小さい後接触角
    値を有することを特徴とする二成分バインダ繊維。
  19. 【請求項19】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエス
    テル配合物中に、約50重量パーセントから約95重量パーセントまでの間の重
    量で存在していることを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  20. 【請求項20】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエス
    テル配合物中に、約60重量パーセントから約90重量パーセントまでの間の重
    量で存在していることを特徴とする請求項19に記載の二成分バインダ繊維。
  21. 【請求項21】 前記多カルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸
    、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこのような酸の混
    合物から構成される群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の二成
    分バインダ繊維。
  22. 【請求項22】 前記多カルボン酸が、グルタル酸、アジピン酸及びスベリ
    ン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項21に記載の二成
    分バインダ繊維。
  23. 【請求項23】 前記多カルボン酸が、脂肪族ポリエステル配合物中に、約
    1重量パーセントから約30重量パーセントまでの間の重量で存在していること
    を特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  24. 【請求項24】 前記多カルボン酸が、脂肪族ポリエステル配合物中に、約
    5重量パーセントから約25重量パーセントまでの間の重量で存在していること
    を特徴とする請求項23に記載の二成分バインダ繊維。
  25. 【請求項25】 前記多カルボン酸における炭素原子の総量が、約4から約
    30までの間であることを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  26. 【請求項26】 前記湿潤剤における親水性と疎水性のバランス比が、約1
    0から約20までの間であることを特徴とする請求項18に記載の二成分バイン
    ダ繊維。
  27. 【請求項27】 前記湿潤剤が、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約0
    .5重量パーセントから約20重量パーセントまでの間の重量で存在しているこ
    とを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  28. 【請求項28】 前記湿潤剤が、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約1
    重量パーセントから約15重量パーセントまでの間の重量で存在していることを
    特徴とする請求項27に記載の二成分バインダ繊維。
  29. 【請求項29】 前記湿潤剤が、エトキシル化アルコール、酸アミドエトキ
    シレート及びエトキシル化アルキルフェノールからなる群から選択されることを
    特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  30. 【請求項30】 前記繊維が、約65度より小さい前接触角値を有すること
    を特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  31. 【請求項31】 前記繊維が、約55度より小さい後接触角値を有すること
    を特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  32. 【請求項32】 前記繊維が、約50度より小さい後接触角値を有すること
    を特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  33. 【請求項33】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、前記脂肪族ポリエス
    テル配合物中に、約50重量パーセントから約95重量パーセントまでの間の重
    量で存在し、前記多カルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
    ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこのような酸の混合物から
    構成される群から選択され、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約1重量パー
    セントから約30重量パーセントまでの間の重量で存在し、前記湿潤剤が、エト
    キシル化アルコール、酸アミドエトキシレート及びエトキシル化アルキルフェノ
    ールからなる群から選択され、前記脂肪族ポリエステル配合物中に、約0.5重
    量パーセントから約20重量パーセントまでの間の重量で存在していることを特
    徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  34. 【請求項34】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシ
    ネート・ポリマーであり、前記多カルボン酸が、アジピン酸であり、前記湿潤剤
    が、エトキシル化アルコールであることを特徴とする請求項18に記載の二成分
    バインダ繊維。
  35. 【請求項35】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシ
    ネート・コ・アジペート・ポリマーであり、前記多カルボン酸が、アジピン酸で
    あり、前記湿潤剤が、エトキシル化アルコールであることを特徴とする請求項1
    8に記載の二成分バインダ繊維。
  36. 【請求項36】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシ
    ネート・ポリマーとポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーとの
    混合物であり、前記多カルボン酸が、アジピン酸であり、前記湿潤剤が、エトキ
    シル化アルコールであることを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊
    維。
  37. 【請求項37】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシ
    ネート・ポリマーとポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーとの
    混合物であり、前記多カルボン酸が、グルタル酸であり、前記湿潤剤が、エトキ
    シル化アルコールであることを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊
    維。
  38. 【請求項38】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリブチレンサクシ
    ネート・ポリマーとポリブチレンサクシネート・コ・アジペート・ポリマーとの
    混合物であり、前記多カルボン酸が、スベリン酸であり、前記湿潤剤が、エトキ
    シル化アルコールであることを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊
    維。
  39. 【請求項39】 前記脂肪族ポリエステルポリマーが、ポリカプロラクトン
    ・ポリマーであり、前記多カルボン酸が、アジピン酸であり、前記湿潤剤が、エ
    トキシル化アルコールであることを特徴とする請求項18に記載の二成分バイン
    ダ繊維。
  40. 【請求項40】 前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、
    ポリエチレン共重合体及びポリプロピレン共重合体からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項18に記載の二成分バインダ繊維。
  41. 【請求項41】 ポリオレフィンの芯と脂肪族ポリエステル配合物の鞘から
    なる二成分バインダ繊維。
  42. 【請求項42】 ポリオレフィンの芯と脂肪族ポリエステル配合物の鞘から
    なり、前記脂肪族ポリエステル配合物が、温度約170℃、剪断速度約1000
    毎秒において、約5パスカル秒から約200パスカル秒までの間の見掛粘度値を
    有することを特徴とする二成分バインダ繊維。
  43. 【請求項43】 ポリオレフィンの芯と脂肪族ポリエステル配合物の鞘から
    なり、前記繊維が、約70度より小さい前接触角値と、約60度より小さい後接
    触角値を有することを特徴とする二成分バインダ繊維
JP2001542618A 1999-11-30 2000-11-30 親水性のバインダ繊維 Abandoned JP2003515681A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/451,378 US6218009B1 (en) 1999-11-30 1999-11-30 Hydrophilic binder fibers
US09/451,378 1999-11-30
PCT/US2000/032594 WO2001040555A2 (en) 1999-11-30 2000-11-30 Hydrophilic binder fibers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003515681A true JP2003515681A (ja) 2003-05-07
JP2003515681A5 JP2003515681A5 (ja) 2008-01-17

Family

ID=23791944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001542618A Abandoned JP2003515681A (ja) 1999-11-30 2000-11-30 親水性のバインダ繊維

Country Status (11)

Country Link
US (1) US6218009B1 (ja)
EP (1) EP1252378B1 (ja)
JP (1) JP2003515681A (ja)
KR (1) KR100671371B1 (ja)
CN (1) CN1433489A (ja)
AR (1) AR026671A1 (ja)
AU (1) AU776472B2 (ja)
BR (1) BR0015929A (ja)
DE (1) DE60022401T2 (ja)
MX (1) MXPA02005412A (ja)
WO (1) WO2001040555A2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6723428B1 (en) * 1999-05-27 2004-04-20 Foss Manufacturing Co., Inc. Anti-microbial fiber and fibrous products
US8207070B2 (en) 2000-11-22 2012-06-26 Techmer Pm, Llc Wettable polyolefin fibers and fabrics
US6658835B1 (en) * 2000-11-28 2003-12-09 Honeywell International Inc. Untwisted wrapped singles yarns and carpets manufactured therefrom
US20030118816A1 (en) * 2001-12-21 2003-06-26 Polanco Braulio A. High loft low density nonwoven webs of crimped filaments and methods of making same
US7258758B2 (en) * 2001-12-21 2007-08-21 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Strong high loft low density nonwoven webs and laminates thereof
AU2005339151B2 (en) * 2005-12-15 2011-09-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable multicomponent fibers
US8927443B2 (en) * 2006-04-07 2015-01-06 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable nonwoven laminate
US20100324516A1 (en) 2009-06-18 2010-12-23 Tyco Healthcare Group Lp Apparatus for Vacuum Bridging and/or Exudate Collection
CN101660222B (zh) * 2009-08-24 2012-08-15 江苏鹰翔化纤股份有限公司 锦纶与聚丁二酸丁二醇酯皮芯纤维的制备方法
CN101671867B (zh) * 2009-09-17 2011-11-02 吴江鹰翔万信化纤有限公司 聚对苯二甲酸丁二醇酯与聚丁二酸丁二醇酯皮芯纤维
US8292863B2 (en) 2009-10-21 2012-10-23 Donoho Christopher D Disposable diaper with pouches
CN102191587A (zh) * 2010-03-03 2011-09-21 盐城纺织职业技术学院 一种可生物降解的双组份低熔点复合纤维
CN107805856B (zh) * 2017-09-30 2020-06-26 同济大学 一种聚乳酸复合纤维及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100568633B1 (ko) * 1996-12-31 2006-04-07 킴벌리-클라크 월드와이드, 인크. 열가소성 조성물
US5976694A (en) * 1997-10-03 1999-11-02 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Water-sensitive compositions for improved processability
US6225388B1 (en) * 1998-08-31 2001-05-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable thermoplastic composition with improved wettability

Also Published As

Publication number Publication date
KR20020060768A (ko) 2002-07-18
WO2001040555A3 (en) 2001-12-13
MXPA02005412A (es) 2002-11-29
EP1252378A2 (en) 2002-10-30
US6218009B1 (en) 2001-04-17
AU2053201A (en) 2001-06-12
DE60022401T2 (de) 2006-05-18
WO2001040555A2 (en) 2001-06-07
DE60022401D1 (de) 2005-10-06
BR0015929A (pt) 2003-05-27
KR100671371B1 (ko) 2007-01-19
AR026671A1 (es) 2003-02-19
CN1433489A (zh) 2003-07-30
EP1252378B1 (en) 2005-08-31
AU776472B2 (en) 2004-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100697122B1 (ko) 생분해가능한 친수성 결착 섬유
US6953622B2 (en) Biodegradable bicomponent fibers with improved thermal-dimensional stability
US6225388B1 (en) Biodegradable thermoplastic composition with improved wettability
US6245831B1 (en) Disposable articles having biodegradable nonwovens with improved fluid management properties
JP2002516622A (ja) 多成分繊維
US6110849A (en) Thermoplastic composition including polyethylene oxide
JP2001521969A (ja) 生物分解可能な熱可塑性組成物
JP2003507596A (ja) 流体管理特性を有する生崩壊性不織布、およびこの不織布を含む使い捨て吸収性製品
US6197860B1 (en) Biodegradable nonwovens with improved fluid management properties
JP2003515681A (ja) 親水性のバインダ繊維
KR100696358B1 (ko) 개선된 유체 처리 특성을 갖는 생분해성 부직물 및 이를함유하는 일회용 용품
GB2387848A (en) Core/sheath bi-component polyester binder fibre
MXPA01001075A (en) Biodegradable thermoplastic polyester composition with improved wettability

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071115

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20081022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081022