JP2003514679A - フラットコイル及びマイクロコンポーネントのリソグラフィック方法 - Google Patents

フラットコイル及びマイクロコンポーネントのリソグラフィック方法

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JP2003514679A JP2001539076A JP2001539076A JP2003514679A JP 2003514679 A JP2003514679 A JP 2003514679A JP 2001539076 A JP2001539076 A JP 2001539076A JP 2001539076 A JP2001539076 A JP 2001539076A JP 2003514679 A JP2003514679 A JP 2003514679A
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ニーンハオス、マティアス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、フラットコイルと、サブμm範囲の金属部品構造を有するマイクロコンポーネントを製造するリソグラフィック方法とに関する。本法によると、レジスト材料を選択露光と非露光ゾーンの除去とにより構造化し、レジスト構造間のギャップをガルヴァニックな方法により金属で埋め込んで金属部品構造を形成する。本発明の目的は、プロセス中で複数のマイクロコンポーネントを互いに分離し得るようにその方法を改良することにある。このため、マイクロコンポーネントの製造の間に、マイクロコンポーネントの境界を定める三次元構造金属犠牲層を形成し、その犠牲層はそれらマイクロコンポーネントを互いに分離するときに除去する。本発明はまた、架橋可能なレジスト材料製部品構造を有するマイクロコンポーネントの製造方法と、サブμm範囲の条導体を有する少なくとも1つのコイル層を有するマイクロモータ用フラットコイルとに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、サブミリメートル範囲の金属部品構造を有する複数のマイクロコン
ポーネントを製造するためのリソグラフィック方法に関し、そこでは、レジスト
材料を選択露光及び非露光ゾーンの除去により構造化し、それらレジスト構造間
のギャップをガルヴァニックな方法により金属で埋め込んで金属部品構造を形成
する。また、本発明は、請求項10の前文に従う架橋可能なレジスト材料の部品
構造を有する複数のマイクロコンポーネントを製造するためのリソグラフィック
方法並びに請求項16に従うフラットコイルに関する。
【0002】 そのようなリソグラフィック方法は、様々な金属マイクロコンポーネントを製
造するのに使用されている。これら方法は、電気マイクロモータのためのマイク
ロコイルを製造するのに特に重要である。一方でマイクロモータの性能を向上さ
せ、他方でその全高を減少させるためには、これらマイクロコイルは大きなフィ
ルファクタ或いは高い構造密度及び小さな厚さを有していなければならない。そ
のうえ、これらマイクロコンポーネントは独立式でなければならない。 マイクロモータ用の公知のコイルは、これら要求を満足していない。
【0003】 DE 41 05 999 A1は、超伝導装置で使用される薄膜コイルを記載し
ている。これらは層状薄膜コイルであり、そこでは、導体層が絶縁基板上に設け
られ、その導体層は渦巻型の導体回路が形成されるようにエッチングされる。使
用可能な材料は銅またはアルミニウムである。しかしながら、エッチングは、マ
イクロ構造がアンダーカットされて通常はおよそ≦1であるそれらのアスペクト
比が著しく制限されることにおいて不利である。現在の技術では、比較的高さの
低い構造のみが製造されていると言っても差し支えない。薄型導体技術について
典型的な高さは、通常、15μmを超えず、条導体幅に関するより低い限度は6
0μmの最小条導体距離でおよそ50μmである。コイル層の比較的大きな距離
のせいで、フィルファクタも同様に比較的低い。
【0004】 フランス国パリで1999年3月30日から4月1日まで開催された「mic
romachining and Microfabrication」のPro
c.SPIE Vol.3680B−65のM.Nienhausらによる「D
esign and realization of penny−shaped
micromotor」から、まず、基板材料上に銅出発層を設け、接着層を介
してレジスト材料を銅層上に設けることが知られている。このレジスト材料はマ
スク及びUV照射により構造化され、次いで、それらレジスト構造はガルヴァニ
ックな方法により金属で埋め込まれる。それら金属構造間のレジスト材料は除去
され、金属構造のみが残される。このようにして製造されたコイルは独立式では
なく、付加的なコイルとともに支持ホイル上に設けなければならない。
【0005】 使用されるレジスト材料はSU−8 Resistmaterial(She
ll Chemicalの商品名)であり、それは、例えば、J.Microm
echanics,Microengineering 7(1997),pp
.121−124に記載された架橋可能なポリマーである。それは、マイクロ構
造の製造で既に使用されているビスフェノール−ノボラックのエポキシ誘導体で
ある。上記の材料の全ては、高いアスペクト比の構造を形成可能であるという特
徴を有している。露光の間の架橋により、この材料の屈折率は変化し、導電性を
有する構造がレジスト材料から形成される。それゆえ、マスクによる露光は、非
露光ゾーンがエッチングにより除去されるときに維持される垂直な壁を生じる。
【0006】 公知の方法は、SU−8−Resistmaterialが除去されることを
必要としている。しかしながら、その材料は架橋されるので、その除去は極めて
困難である。それは特別な溶剤を必要とするが、原則として、それらは単にレジ
スト材料を膨潤させるに過ぎない。除去は、金属構造が典型的には>100μm
の十分に大きな距離を有しており、溶剤が金属構造間でその全ての潜在能力を発
揮する場合のみに可能である。これは、このようにして製造されるマイクロコン
ポーネントの構造密度が非常に制限されることを意味する。また、レジスト材料
はマイクロコンポーネントが分離されるときに除去されねばならないので、この
方法はかなり労働集約的である。
【0007】 プラスチック,例えばSU−8,製のマイクロコンポーネントがリソグラフィ
ックな方法により製造されてもよく、そこでは、まず、ネガの金型が例えばガル
ヴァニックなモールディングにより形成される。次いで、このネガの型は、プラ
スチックマイクロコンポーネントを製造するための射出成形プロセス用の成形用
具として使用される。この方法は、EP 0 851 295 A1に記載されてお
り、数多くの個々の処理工程のせいで非常に労働集約的である。そのうえ、アン
ダーカットを有するマイクロコンポーネントの製造は不可能である。
【0008】 それゆえ、本発明の目的は、同一プロセスで分離されてもよい金属またはプラ
スチック材料製のマイクロコンポーネントを製造する方法を提供することにある
。そのうえ、その方法は、独立式のマイクロコンポーネント,特にはマイクロコ
ータのためのフラットコイル並びにアンダーカットを有するプラスチック製のマ
イクロコンポーネント,を製造するものであり、量産を可能とする。加えて、マ
イクロモータのための安定なフラットコイルが製造される。
【0009】 この目的は、金属マイクロコンポーネントに関し、リソグラフィックな方法に
より達成され、そこでは、複数のマイクロコンポーネントの製造プロセスの間に
、マイクロコンポーネントの境界を定める三次元構造金属犠牲層を形成し、その
犠牲層は複数のマイクロコンポーネントを互いに分離するために除去する。
【0010】 これは、製造工程の間、マイクロコンポーネントが犠牲材料中にまたは犠牲構
造間に好ましくは一方の側,例えば上側,のみが露出するように埋め込まれるこ
とを意味する。
【0011】 三次元構造犠牲層は、除去プロセスの間,特には犠牲層をエッチングにより除
去するとき,に、マイクロコンポーネントを基板から離すことだけでなく、マイ
クロコンポーネントの外側のプロファイルを同時に露出させて周囲の構造から離
し得ることにおいても有利である。これは、分離が1つのプロセスのみを必要と
することを意味している。
【0012】 レジスト材料としては、所謂、架橋可能なネガ型レジスト材料並びに光構造化
可能なエポキシ樹脂,特にはSU−8材料,を使用することができる。この方法
によると、700μmの高さを有する構造を形成することができる。
【0013】 また、本方法は、X線リソグラフィとポジ及びネガ型レジスト材料とを組み合
わせて実行することができる。この場合、PMMAが好ましいポジ型レジスト材
料であり、ノボラック系のネガ型レジスト材料がX線照射用のネガ型レジスト材
料として使用される。
【0014】 好ましくは、三次元構造犠牲層は、少なくとも1つの水平犠牲層と少なくとも
1つの垂直犠牲層とでつくられる。 好ましくは、垂直犠牲層用の構造は、レジスト材料が構造化されるときに形成
される。これは、垂直犠牲層用の構造は、選択露光及び非露光ゾーンの除去に同
時に晒されてもよいことを意味する。
【0015】 ここでは、それは、金属部品構造と三次元構造犠牲層とに同一の金属を使用し
た場合に特に有利である。例えば、金属部品構造が銅製である場合、銅は三次元
構造犠牲層にも使用される。
【0016】 部品構造を形成するためのガルヴァニックな析出と垂直犠牲層のためのガルヴ
ァニックな析出とは、好ましくは同時に実行される。これは、犠牲層を形成する
ためにさらなる付加的な工程を必要とせず、それは本方法をマイクロコンポーネ
ントの量産に適するようにすることを意味している。
【0017】 好ましくは、金属部品構造を取り囲むレジスト材料は除去されない。これは、
レジスト材料をマイクロコンポーネントの一部とし、機械的接続及び支持構造に
供せしめる。マイクロコンポーネントを安定化させるための付加的な処置は、特
にはフラットマイクロコンポーネントの場合に、全く必要ない。製造プロセスの
間にマイクロコンポーネントを保持し且つ安定化する基板は最早不要である。1
つの基板だけ少ないので、全高は、特にはフラットコイルの場合には、相当に減
少され得る。加えて、マイクロコンポーネントは明らかにより取り扱い易い。
【0018】 好ましくは、フラットコイルの条導体が金属部品構造として形成される。独立
式のフラットコイルは、SMT部品のようにボンディングパッドを介して搭載ま
たは接続されるべきである。この態様では、レジスト材料は、独立式のコイルが
形成されるように安定化の目的で使用されるだけでなく、同時に条導体間の電気
絶縁体としても使用される。好ましい態様では、金属構造及びマイクロコンポー
ネントを或る種のカプセルのように封じ込めるレジスト材料により、完全に埋め
込まれた絶縁体が形成される。
【0019】 そのレジスト材料は除去され得ないので、非常に高いアスペクト比(>1)を
有する,特にはSU−8−Resistmaterialが使用されるとき、好
ましくは15以上のアスペクト比までの,条導体を形成することが可能である。
これは、例えば、1つのコイル層のみを有するフラットコイルを製造することを
可能とする。多層は通例のフラットコイルには最早必要ではない。これは、その
ようなマイクロコンポーネントの製造コストを相当に低下させる。しかしながら
、好ましくは、条導体の接続のために2つのコイル層が好ましい。
【0020】 上記の目的は、架橋可能なレジスト材料でつくられる部品構造を有する部品に
関し、 a)水平金属犠牲層を基板上に設け、 b)レジスト材料を犠牲層上に設け(apply)、 c)部品構造を選択露光と非露光ゾーンの除去とによりレジスト材料で形成
し、 d)部品構造間のギャップをガルヴァニックな方法により金属で埋め込んで
少なくとも1つの垂直犠牲層を形成し、 e)犠牲層を除去することにより複数のマイクロコンポーネントを互いに分
離することにおいて達成される。
【0021】 この方法では金属部品構造を形成することは必要ではないので、レジスト材料
の構造化は部品のネガ構造ではなくポジ構造を生じさせる。レジスト材料製の部
品構造間のギャップは例えばエッチングにより除去可能な金属製であり、これら
部品構造は既に犠牲層上に設けられているという事実により、それら部品は、三
次元構造犠牲層全体を除去することにより露出されてもよい。この方法では、分
離プロセスに1つの工程のみが必要であるように、それら部品も三次元構造犠牲
層中に埋め込まれる。
【0022】 好ましくは、工程b)乃至d)を、この順に少なくとも2回実行する。これは
、垂直方向にアンダーカットを有する部品が製造されるべき場合に特に有利であ
る。
【0023】 マイクロコンポーネントが意図される目的に直ちに使用されずに保管され且つ
移送されねばならない場合、垂直犠牲層を生じさせるときに、少なくとも1つの
レジスト材料の接続ベーンを、ベーンが犠牲層を分断するように生じさせること
が有利である。マイクロコンポーネントは、1つの接続ベーンまたは複数の接続
ベーンによりマイクロコンポーネントを取り囲む構造とともに保管及び移送され
てもよい。
【0024】 ここでは、マイクロコンポーネントの製造の間、少なくとも1つのベーンを介
してマイクロコンポーネントを保持するレジスト材料製のマガジン構造を生じさ
せることが有利である。
【0025】 好ましくは、そのようなマガジン構造中に少なくとも2つのマイクロコンポー
ネントが同時に製造される。マイクロコンポーネントのサイズに依存して、その
ようなマガジン構造中に100個を超えるマイクロコンポーネントを同時に製造
することができ、量産が可能となる。
【0026】 好ましくは、レジスト材料製のウエハがマガジン構造として使用され、その中
に、マイクロコンポーネントが配置され且つ接続ベーンを介して保持される。そ
のより大きなサイズのために、ウエハは取り扱い易く、マイクロコンポーネント
はそのウエハ内で保護される。マイクロコンポーネントが必要とされるとき、そ
れらは、例えば、吸引グリッパによりピックアップされて、ウエハから除去され
る。接続ベーンは、それらの好ましくは数マイクロメートルしかない低い厚さの
せいで壊れ易い。
【0027】 マイクロモータ用のフラットコイルは、条導体が非導電性レジスト材料中に埋
め込まれていることを特徴としている。 好ましくは、構造化が可能であり且つUV照射により架橋可能なレジスト材料
が使用される。
【0028】 好ましくは、条導体は、レジスト材料から延在した金属接続面(ボンディング
パッド)に接続される。これは、フラットコイルはSMT部品(表面実装部品)
のように使用されてもよいことを意味している。この金属接続面は、フラットコ
イルは好ましくは完全にレジスト材料によって取り囲まれているので、金属接続
のみを提供する。それゆえ、フラットコイルはカプセル化されたデザインを有す
る。
【0029】 本発明に係る方法では高いアスペクト比及び高い構造密度を達成可能であると
いう事実のため、フラットコイルの製造で高いフィルファクタが達成されてもよ
い。個々の条導体間のレジスト材料の幅は5乃至15μmの範囲内、好ましくは
およそ10μmであり、高さはおよそ40乃至80μmの範囲内、好ましくはお
よそ60μmである。これは、その絶縁は、ワイヤが絶縁されるときのおよそ5
μmの絶縁層に対応した最低値まで減少させられてもよいことを意味している。
【0030】 フラットコイルの条導体のようなマイクロコンポーネントを備えた金属構造に
加え、例えば、フラットコイルの内及び外縁に沿って強化材を提供し、それゆえ
、マイクロコンポーネントのためのブレースを提供するか或いはフィッティング
を形成する付加的な金属構造を形成することが可能である。それゆえ、フラット
コイルは、規定の系で部品位置の安定性及び精度をさらに増加させるシャフト上
に配置されてもよい。
【0031】 また、そのような補強材は、レジスト材料製のマイクロコンポーネントに使用
してもよい。これは、例えば、犠牲構造をマイクロコンポーネント,それは分離
プロセスの間に犠牲構造を除去するときに省略される,中に生じさせることによ
り為されてもよい。
【0032】 本発明の代表的な態様は、図面を参照して以下のパラグラフで説明される。 図は、以下を示している。 Fig.1はマイクロモータ用の幾つかのフラットコイルを有するウエハの
上面図、 Fig.2はそのようなフラットコイルの上面図、 Fig.3a−3qは2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセ
スを説明するためのコイル部の断面図、 Fig.4a+4bは接続ベーンを示す部分断面図、 Fig.5はレジスト材料製のマイクロコンポーネントの製造を説明する断
面図、及び Fig.6a−6fはマイクロコイルの製造の他の態様を説明する断面図。
【0033】 Fig.1は、マガジン構造としてのレジスト材料製のウエハ1を示しており
、その中には、接続ベーン3を介してウエハ材料に接続された多数の円形フラッ
トコイル2が配置されている。接続ベーン3とコイル2とウエハ1との間にはア
ーク形のギャップ9があり、それらは後で説明する垂直犠牲層の除去の結果であ
る。ウエハ1を含む全てのコイル2は、同時に製造された。
【0034】 Fig.2は、条導体4を備えた幾つかのコイル層8を有するコイル2の拡大
した上面図を示している。内側では、これらコイル層8は、下方または上方に配
置されたコイル層のための所謂接続パッド5やスループレーティング7を介して
接続されている。さらに、Fig.2では、未だ除去されていない垂直犠牲層1
3が示されている。取り囲んでいるマガジン構造は示されておらず、接続ベーン
3は見ることができない。コイルの内側では、金属リングの形状の分離リング6
aが垂直犠牲層13として示されている。コイル層8の内側の分離リング6b並
びにコイル2全体を取り囲む分離リング6cが示されている。接続ベーン3は、
それらはFig.4aに示すように分離リング6cの内側に配置されているので
見ることができない。これら分離リング6a,6b及び6cがエッチングにより
除去されたのち、コイル2はさらなる用途に利用可能となる。
【0035】 Figs.3a−3qは、2つのコイル層を備えたコイル2の製造プロセスを
より詳細に説明している。Fig.2のIII−III線に沿ったコイル断面が
一例として選択された。基板10,それはシリコンで構成されていてもよい,か
ら始めると、まず、チタンの出発層11が、次いで、銅の水平犠牲層12が設け
られる。犠牲層12の厚さは1μmである。
【0036】 次に、例えばポリイミド製の接着剤層が、その後、SU−8材料製の厚さ20
μmの第1レジスト層14が、犠牲層12上に設けられる。公知の方法を用いて
及びマスクとUV露光とにより、第1レジスト層14は構造化され、1つの接続
構造50と2つの分離構造60とが形成される。
【0037】 Fig.3cに示す次の工程では、ほぼ2.2μmの厚さを有する第1感光性
レジスト層16が、この方法で形成された第1レジスト層14のコイル母体上に
設けられ、感光性レジスト層は既につくった接続構造50のエリアで構造化され
る(接続構造51)。Fig.3dに示す他の工程では、エッチストップがガル
ヴァニックに析出される。参照記号18で示されるこのエッチストップ材料は、
好ましくはニッケルである。このエッチストップ材料18は、次に設けられる電
気伝導材料が接続エリアにおける犠牲層12のエッチング除去時に除去されない
ようにするのに必要である。
【0038】 Fig.3eでは、感光性レジスト層16は除去されており、銅製の第1ガル
ヴァニック出発層20が設けられている。これはまた、分離構造60における銅
材料の層厚を増加させる。
【0039】 次工程(Fig.3f)では、出発層20は第2感光性レジスト層22により
構造化され、次の条導体構造のための出発エリア21をつくる。これら出発エリ
ア21は、有利には、マスクは次の層の構造化のために完全に正確に位置しては
ならず、次の部品構造はこれら出発エリア上に厳密に配置されてはならないとい
う事実のため、次の条導体構造に対して幾分広い(Fig.3gを参照のこと)
【0040】 この構造化に続き、SU−8材料製の第2レジスト層24がFig.3hに示
すように設けられる。この層24はちょうどレジスト層14のように構造化され
、コイル構造70と分離構造60の続き(分離構造61)とが接続構造50,5
1(接続構造52)とともに形成される。
【0041】 次の工程で、これら構造はガルヴァニックな方法により金属で埋め込まれ、そ
の結果、Fig.3iに示す構造となる。これらレジスト構造の埋め込みにより
、分離リング6a,6b、接続パス5、及び条導体4が形成される。この時点で
、コイルは完成するが、Fig.3j−3qに示すように他のコイル層を設ける
ことができる。このために、第3レジスト層28が設けられ、それは順に構造化
され及び第2ガルヴァニック出発層30で被覆される。
【0042】 Figs.3l−3oに従う第3感光性レジスト層32、第4レジスト層34
、及び第5レジスト層36によるコーティング及び構造化プロセスは、前述の構
造化及びコーティングプロセスに対応している。
【0043】 Figs.3i−3oで見られるように、垂直犠牲層13は、分離リング6a
−6bの形態で、水平犠牲層12から双方のコイル層を横切って垂直に上方に向
かって延在している。
【0044】 Fig.3pでは、コイル2が分離されるように犠牲層12,13は除去され
ている。Fig.3qでは、分離されたコイルまたは分離されたコイルの対応部
がそれぞれ示されている。
【0045】 Figs.4a及び4bは、Fig.1に示すコイル2のIV−IV線に沿っ
た断面を示している。分離リング6cの形態の垂直犠牲層13は、より小さな周
囲部で層28により分断されており、それは1つの典型的には幾つかの接続ベー
ン3を形成している。層28の層厚は数マイクロメートルでしかないので、垂直
犠牲層13の除去後には接続ベーン3しかなく、この接続ベーンはコイルをピッ
クアップして取り除くときに壊れる。
【0046】 Fig.5は、架橋可能なレジスト材料製の2つのマイクロリング40の製造
を示している。まず、水平犠牲層12が基板10上に設けられる。それらマイク
ロリングはそれらのH型断面のために垂直方向にアンダーカットを有しているの
で、3つのレジスト層の全てが対応の構造とともに設けられねばならない。これ
はまた、ともに垂直犠牲層13を形成する2つの部分犠牲層13’,13”を設
けることが必要である。水平犠牲層12上に設ける2つのレジスト/犠牲層を生
じさせるために、請求項10に係る工程b)乃至d)が2回続けて実行されねば
ならない。三次元構造犠牲層12,13を除去したのち、個々のマイクロリング
40が存在することとなる。
【0047】 Figs.6a乃至6fは、1つの変更された方法に係るマイクロコイルの製
造を示している。 まず、チタン製の出発層11が基板10,それはシリコン製であってもよい,
上に設けられ、次いで、好ましくは1μmの厚さを有する銅製の水平犠牲層12
が設けられ、それはこの時点までFig.3aに対応している。次に、例えばポ
リイミド製の接着剤層17が犠牲層12上に設けられる。
【0048】 公知の方法を用いて、SU−8材料製のレジスト層24’がFig.6bに従
ってポリイミド層17上に設けられる。この層は、次いで、マスク及びUV露光
により構造化され、コイル構造70’及び分離構造61’が形成される。
【0049】 次工程では、銅製の水平犠牲層が条導体4及び形成されるべき垂直犠牲層のた
めの出発エリア21’または60’として用いられるように、例えばポリイミド
製の接着剤層がコイル構造70’及び分離構造61’からエッチングにより除去
される(Fig.6c)。 次に、コイル構造70’及び分離構造61’が金属で同時に埋め込まれ、条導
体4と垂直犠牲層13または分離リング6a及び6bとが形成される。
【0050】 次いで、第2水平レジスト層28’が埋め込まれたコイル構造70’上に設け
られる。このレジスト層28’は、垂直犠牲層13または分離リング6a及び6
bを露出させるために、分離構造61’のエリアにおいて構造化される(Fig
.6d)。
【0051】 次に、単層コイルを生じさせるために、キャリア10、チタン製の出発層11
、及び銅製の水平犠牲層12の全てが他の工程で好ましくはこれら層をエッチン
グすることにより除去される(Fig.6e)。
【0052】 これは、垂直犠牲層がマイクロコンポーネントを、マイクロコンポーネントが
例えば移送時に接続ベーンによって保持されるだけでないように、マガジン構造
中に固定するのを確実にする。マイクロコンポーネント,特には単層コイル,を
分離するために、垂直犠牲層13または分離リング6a及び6bとレジスト材料
製の接続ベーンとが除去される。
【0053】 第2の態様によると、分離構造61’のエリアにおける構造化により露出した
垂直犠牲層13または分離リング6a及び6bがエッチングされ、垂直犠牲層1
3がまず除去され、銅製の水平犠牲層12、チタン製の出発層11、及び基板1
0も同様に除去される。これは、マイクロコンポーネント,特には単層コイル,
が、マガジン構造中に接続ベーンを介して固定されるだけであることを確実にす
る。
【0054】 2層コイルを製造するために、単層コイルがマガジン構造から取り除かれ、上
記の方法に基づいて形成された2つの単層コイルが、特にはそれらを接触ホイル
19上へと接着することにより、2層コイルへと組み合わされる。そのコンタク
トホイルは、その後にコイル構造4と接触する対応の接触面19’を有している
(Fig.6f)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マイクロモータ用の幾つかのフラットコイルを有するウエハの上面図。
【図2】 図1に示すフラットコイルの上面図。
【図3】 2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセスを説明するためのコイ
ル部の断面図。
【図4】 2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセスを説明するためのコイ
ル部の断面図。
【図5】 2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセスを説明するためのコイ
ル部の断面図。
【図6】 2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセスを説明するためのコイ
ル部の断面図。
【図7】 2つのコイル層を有するフラットコイルの製造プロセスを説明するためのコイ
ル部の断面図。
【図8】 接続ベーンを示す部分断面図。
【図9】 レジスト材料製のマイクロコンポーネントの製造を説明する断面図。
【図10】 マイクロコイルの製造の他の態様を説明する断面図。
【図11】 マイクロコイルの製造の他の態様を説明する断面図。
【図12】 マイクロコイルの製造の他の態様を説明する断面図。
【符号の説明】
1…ウエハ 2…コイル 3…接続ベーン 4…条導体 5…接続パス 6a,6b,6c…分離リング 7…スループレーティング 8…コイル層 9…ギャップ 10…基板 11…チタン層 12…水平犠牲層 13…垂直犠牲層 13’…部分層 13”…部分層 14…第1レジスト層 16…第1感光性レジスト層 17…接着剤層 18…エッチストップ材料 19…接触ホイル 19’…接触面 20…第1ガルヴァニック出発層 21…出発面 22…第2感光性レジスト層 24…第2レジスト層 28…第3レジスト層 30…第2ガルヴァニック出発層 32…第3感光性レジスト層 34…第4レジスト層 36…第5レジスト層 40…マイクロリング 41…下方リング部 42…中央リング部 43…上方リング部 50…接続構造 51…接続構造 52…接続構造 60…分離構造 61…分離構造 70…コイル構造
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年1月29日(2002.1.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ニーンハオス、マティアス ドイツ連邦共和国、55128 マインツ、ザ ンクト−セバスティアン−シュトラーセ 6 (72)発明者 ラッヒャー、マンフレッド ドイツ連邦共和国、55116 マインツ、ケ ストリッヒ 53 Fターム(参考) 2H096 AA30 CA20 HA27 HA30 5H603 AA09 BB01 BB02 CA01 CA02 CB01 CC14 CC19 CD25 FA20 5H615 AA01 BB01 BB02 PP17 QQ01 QQ08 QQ22 SS22 TT01 TT03 TT30

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジスト材料を選択露光と非露光ゾーンの除去とにより構造
    化し、それらレジスト構造間のギャップをガルヴァニックな方法により金属で埋
    め込んで金属部品構造を形成することを含んだ、サブミリメートル範囲の金属部
    品構造を有する複数のマイクロコンポーネントを製造するリソグラフィックな方
    法であって、 前記複数のマイクロコンポーネントの製造の間に、前記マイクロコンポーネン
    トに境界を定める三次元構造の金属犠牲層を形成し、 前記犠牲層を除去して前記複数のマイクロコンポーネントを互いに分離させる
    方法。
  2. 【請求項2】 前記三次元構造犠牲層を少なくとも1つの水平犠牲層と少な
    くとも1つの垂直犠牲層とで構成する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記垂直犠牲層のための構造を前記レジスト材料の構造化の
    間に形成する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記金属部品構造と前記三次元構造犠牲層とに同一の金属を
    使用する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記部品構造を形成するためのガルヴァニックな析出と前記
    垂直犠牲層のためのガルヴァニックな析出とを同時に実行する請求項1乃至請求
    項4の何れか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記金属部品構造を取り囲む前記レジスト材料を除去しない
    請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 フラットコイルの条導体を金属部品構造として形成する請求
    項1乃至請求項6の何れか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 構造化された出発層を次のガルヴァニックな析出に使用して
    前記条導体を形成する請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記条導体を>1のアスペクト比で形成する請求項7または
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 架橋可能なレジスト材料の部品構造を有する複数のマイク
    ロコンポーネントを製造するリソグラフィックな方法であって、 a)水平金属犠牲層を基板上に設け、 b)レジスト材料を前記犠牲層上に設け、 c)前記レジスト材料から選択露光と非露光ゾーンの除去とにより部品構造を
    形成し、 d)前記部品構造間のギャップをガルヴァニックな方法により金属で埋め込ん
    で少なくとも1つの垂直犠牲層を形成し、 e)前記犠牲層を除去して前記複数のマイクロコンポーネントを互いに分離す
    る方法。
  11. 【請求項11】 工程b)乃至d)をこの順に少なくとも2回実行する請求
    項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記垂直犠牲層の形成の間に、その犠牲層を分断するレジ
    スト材料製の少なくとも1つの接続ベーンを形成する請求項1乃至請求項11の
    何れか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記複数のマイクロコンポーネントの製造の間、レジスト
    材料製のマガジン構造を形成して、少なくとも1つの接続ベーンを介して前記マ
    イクロコンポーネントを前記マガジン構造で保持する請求項1乃至請求項12の
    何れか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも2つのマイクロコンポーネントを1つのマガジ
    ン構造中に同時に製造する請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 マガジン構造としてウエハを形成する請求項1乃至請求項
    14の何れか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 サブミリメートル範囲の条導体を有する少なくとも1つの
    コイル層を有するマイクロモータ用のフラットコイルであって、前記条導体(4
    )は、構造化され且つUV照射により架橋された絶縁性レジスト材料中に埋め込
    まれたフラットコイル。
  17. 【請求項17】 前記条導体(4)は前記レジスト材料から延在した金属接
    続エリアに接続された請求項16に記載のフラットコイル。
  18. 【請求項18】 少なくとも1つの補強材要素が前記レジスト材料中に埋め
    込まれているか或いは前記レジスト材料を閉じ込めている請求項16または請求
    項17に記載のフラットコイル。
  19. 【請求項19】 前記条導体(4)間のレジスト構造は5乃至15μmの幅
    及び40乃至80μmの高さを有している請求項16乃至請求項18の何れか1
    項に記載のフラットコイル。
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