JP2003514085A - オルガノシランを含有するフルオロポリマー及びその製造方法 - Google Patents

オルガノシランを含有するフルオロポリマー及びその製造方法

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JP2003514085A JP2001537381A JP2001537381A JP2003514085A JP 2003514085 A JP2003514085 A JP 2003514085A JP 2001537381 A JP2001537381 A JP 2001537381A JP 2001537381 A JP2001537381 A JP 2001537381A JP 2003514085 A JP2003514085 A JP 2003514085A
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comonomer
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アミンサナイェイ ラミン
クリストフ グラネル クロード
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アトフィナ・ケミカルズ・インコーポレイテッド
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F230/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F230/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F230/08Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon
    • C08F230/085Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon the monomer being a polymerisable silane, e.g. (meth)acryloyloxy trialkoxy silanes or vinyl trialkoxysilanes

Abstract

(57)【要約】 次の(a)、(b)及び(c)のポリマー反応生成物から成るフルオロポリマーが記載される:(a)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第一のアルキレンコモノマー;(b)随意としての次の(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマー:(1)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第二のアルキレン;(2)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種のアルキルアルケニルエーテル;(3)フッ素化α−α位置を少なくとも1個含有する少なくとも1種の脂肪族又は環状ケトン;(4)非フッ素化アルケン、アルキルアルケニルエーテル又はアルケニルエステル;(c)フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の立体障害アルケニル又はアルケニルエーテル−オルガノシランコモノマー。このフルオロポリマーは、次いで架橋させたりさらに反応させたりすることができる。さらに、このフルオロポリマーの製造方法並びにこのフルオロポリマーの用途も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、フルオロポリマー及びこれらフルオロポリマーのための使用に関す
る。本発明は特に、オルガノシラン官能基含有フルオロポリマーに関する。本発
明はさらに、フルオロポリマーの製造方法に関する。
【0002】 様々な理由でフッ素含有ポリマーを作るために様々な試みが行われている。フ
ルオロポリマーは伝統的に、低い表面エネルギー、高い耐化学薬品性、低い誘電
損失、又は耐老化性に対する極限要求のような特別な性質を必要とする用途のた
めに用いられている。しかしながら、これらの特殊な性質は時にはフルオロポリ
マーの使用においてそれら自体問題となる。例えば、基材に対する接着性を促進
するため、架橋を促進するため、その後の化学的変性用の部位を提供するため、
イオン交換能力又はイオン伝導性を導入するための官能基を欠くということは、
普通のフルオロポリマーの用途を厳しく制限する。かくして、変質することがで
きる反応性官能基のような変性された特性を有するフッ素化ポリマーが常に求め
られている。しかしながら、本発明者が知る限り、反応性であることができる元
のままのオルガノシラン部分を有するフッ素含有ポリマーはまだ水性媒体中では
作られていない。
【0003】 例えば、BuningらはChemical Abstract Number 72:101262及びDie Ang. Mak.
Chemie、13 (1970) 89〜96頁に、英語の要約に基づけば、過酸化ジラウロイル又
はBz22の存在下でのエマルション又は懸濁液状のビニル(トリ−t−ブトキ
シ)シランと塩化ビニル又はスチレンとの共重合が非架橋コポリマーをもたらす
ことを報告している。この要約にはさらに、ビニル(トリ−t−ブトキシ)シラ
ンの代わりにビニル(トリメトキシ)シランを用いた場合にはポリ(塩化ビニル
)を含有する不溶性の架橋したポリマーが得られたと報告されている。英語の要
約には、フッ素含有ポリマーは挙げられておらず、懸濁重合の際にpH調節剤を
用いたということの認識もない。
【0004】 PiotrowskiらのChemical Abstract Number 102:167808は、CH2:CF2ポリ
マーに過酸化物の存在下でアルケニルアルコキシシランをグラフトさせて、シラ
ノール縮合触媒及び水分によって架橋可能な樹脂(架橋性樹脂)をもたらすこと
に関する。この反応に水性媒体が用いられているとは述べられておらず、そして
立体障害のない特異的な加水分解性(加水分解可能な)オルガノシラン部分が過
酸化物開始剤の存在下で溶融ポリ(フッ化ビニリデン)にグラフトされる。
【0005】 ヨーロッパ特許公開第0736583号は主として、フッ素含有ポリマーを分
散させた水性組成物に有機ケイ素化合物を後混合することによって形成されたフ
ッ素含有ポリマーの水性分散体に関する。オルガノシランが関与する共重合が議
論されているが、中間体物質として用いられているわけではない。かくして、こ
の刊行物に従えば、フルオロポリマー分散体を形成させるための重合の後に有機
ケイ素化合物がフルオロポリマー分散体と混合される。
【0006】 さらに、Chenらの米国特許第5621038号明細書は、立体障害アルコキシ
ル化シラン基を含有する水分散性の硬化性(硬化可能な)ポリマーと加水分解に
対して安定な水分散性又は水溶性の有機金属触媒と水とを含有する硬化性組成物
に関する。Chenらは、これらの組成物は接着剤、シーラント及び塗料として有用
であると述べている。Chenらはさらに、これらの組成物は耐溶剤性、接着性、硬
度、耐摩耗性及び表面損傷抵抗等の特性の点で改善されていると報告している。
Chenらは、フルオロポリマーを用いることを述べておらず、そして加水分解に対
して安定な有機金属触媒の存在を必要とする。Chenらの米国特許第568652
3号明細書も同様であるが、しかし加水分解に対して安定な有機金属触媒を必要
とはしていない。
【0007】 従来のフルオロポリマーは、耐化学薬品性、高温安定性、高い引張強さ及び/
又は低い屈折率に関しては有益な性質を有しているものの、これらの有益な性質
を損なわせる可能性あるために後架橋又は後の化学的変性のようなその後の変性
が実施可能ではないという欠点があった。従って、フルオロポリマーに典型的に
付随する有益な性質に実質的に影響を及ぼすことなく有利に架橋させたり化学的
に変性させたりすることができるフルオロポリマーを提供することの要望がある
【0008】発明の概要 本発明の目的は、耐化学薬品性、高温安定性、高い引張強さ及び/又は低い屈
折率のようなフルオロポリマーに典型的に付随する有益な性質に実質的に影響を
及ぼすことなく架橋可能であり且つ/又は化学的に変性させることができるフル
オロポリマーを提供することにある。
【0009】 本発明の別の特色は、様々な基材に化学的に結合させることができるフルオロ
ポリマーを提供することである。 本発明の別の特色は、官能化することができるフルオロポリマーを提供するこ
とである。 本発明の別の特色は、これらのタイプのフルオロポリマーを製造する方法を提
供することである。
【0010】 本発明の追加の特色及び利点は、一部は以下の説明に記載され、一部は以下の
説明から明らかになるだろうし、本発明を実施することによって学ぶこともでき
る。本発明の特色及びその他の利点は、特に本明細書及び請求の範囲に指摘され
た構成要素の組合せを含めて、ここに記載された説明によって実現され、達成さ
れるであろう。
【0011】 これらの利点及びその他の利点を達成するため、並びにここに具体化された本
発明及び広く記載された本発明の目的に従えば、本発明は、次の(a)、(b)
及び(c)のポリマー反応生成物から成るフルオロポリマー: (a)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第一のアルキレン
コモノマー; (b)随意としての次の(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマ
ー: (1)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第二のアルキレ
ン; (2)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種のアルキルアルケ
ニルエーテル; (3)フッ素化α−α位置を少なくとも1個含有する少なくとも1種の脂肪族
又は環状ケトン; (4)非フッ素化アルケン、アルキルアルケニルエーテル又はアルケニルエス
テル; (c)フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の立体障
害アルケニル又はアルケニルエーテル−オルガノシランコモノマー に関する。
【0012】 本発明はさらに、前記の架橋させることができ且つ/又は1種以上の官能基を
含有することができるフルオロポリマーに関する。
【0013】 本発明はまた、懸濁重合、乳化重合、界面重合、溶液重合又は非水性重合系の
ような当技術分野において周知のフリーラジカル重合技術によって前記のポリマ
ーを製造する方法にも関し、この方法においては、液状又は超臨界二酸化炭素、
液状又は超臨界SF6、液状又は超臨界フッ素化又は過フッ素化炭化水素(1〜
約6個の炭素原子を有するもの)の1種以上を重合媒体として用いることができ
る。
【0014】 本発明はさらに、前記のフルオロポリマーを製造する方法にも関し、前記のコ
モノマーの重合を、フルオロポリマーを生成させるのに充分な圧力及び温度にお
いて充分な時間実施することを伴う。この重合は、フリーラジカル重合であるの
が好ましく、乳化重合であるのがより一層好ましい。
【0015】 本発明はさらに、発泡架橋フルオロポリマー、フルオロエラストマー、接着剤
、コーティング等を含めて様々な用途に前記フルオロポリマーを使用することに
も関する。本発明のフルオロポリマーはまた、膜成分として及びその他の用途に
用いることもできる。
【0016】 前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は共に例示及び説明のためのものに
過ぎず、特許請求された本発明のさらなる説明を提供することを意図されるもの
であるということを理解すべきである。
【0017】発明の詳しい説明 本発明は、オルガノシラン官能基を1つ以上含有するフルオロポリマーに関す
る。このオルガノシラン官能基又は部分は、少なくとも1つの立体障害基である
のが好ましい。オルガノシラン部分上の立体障害基は、好ましくは、共重合した
シラン基の早すぎる加水分解/縮合を防止する。重合終了時に少なくとも1つの
オルガノシラン部分が元のまま残ってフルオロポリマー中に存在することによっ
て、従来達成されていない追加の性質を本発明のフルオロポリマーについて達成
することができる。さらに、元のままのオルガノシラン部分は反応性であること
ができ、かくしてフルオロポリマーに一般的に付随する秀逸な性質を失うことな
く特定の用途に適応させることができる性質を提供することが望まれる場合に、
化学的に変性することができる。
【0018】 フルオロポリマーは、次の(a)、(b)及び(c)のポリマー反応生成物で
あるのが好ましい: (a)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第一のアルキレン
コモノマー; (b)随意としての次の(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のコモノ
マー: (1)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第二のアルキレ
ン(これは存在する場合、前記の第一のアルキレンコモノマーとは異なるもので
ある); (2)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種のアルキルアルケ
ニルエーテル; (3)フッ素化α−α位置を少なくとも1個含有する少なくとも1種の脂肪族
又は環状ケトン; (4)非フッ素化アルケン、アルキルアルケニルエーテル又はアルケニルエス
テル; (c)フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の立体障
害アルケニル又はアルケニルエーテル−オルガノシランコモノマー。
【0019】 前記のフルオロポリマーに関しては、フルオロポリマーに望まれる特性に応じ
て、フッ素原子を少なくとも1個含有するアルキレンコモノマーを任意の量で存
在させることができる。少なくとも1種のアルキレンコモノマーを約50モル%
〜約99.9モル%の量で存在させるのが好ましく、約80モル%〜約99.9
モル%の量で存在させるのがより一層好ましく、約90モル%〜約95.5モル
%の量で存在させるのが特に好ましい。アルキレンコモノマーはエチレンコモノ
マーであるのが好ましく、フッ素原子を約1〜約4個含有するのがさらに好まし
い。その2個の炭素原子の結合の中でフッ素によって占められていないものは、
水素若しくは塩素又はそれらの両方を有するのが好ましい。フッ素化エチレンの
非限定的な例には、フッ化ビニリデン(VF2)、テトラフルオルエチレン(T
FE)、トリフルオルエチレン、クロルトリフルオルエチレン(CTFE)及び
フッ化ビニルが包含される。これらのフッ素化エチレンは、個々に用いることも
互いに組み合わせて用いることもできる。これらのコモノマーは、ATOFINA Chem
icals社及びDuPont社のような製造業者から商品として入手できる。フッ素原子
を少なくとも1個含有するエチレンコモノマーは、VF2、CTFE、及びTF
Eであるのが特に好ましい。本明細書で用いた時のモル%は、存在する全モノマ
ーに対する百分率を言うものとする。
【0020】 随意に存在させる第二のコモノマーに関しては、このコモノマーを存在させる
場合には任意の量で存在させることができ、約0.1モル%〜約50モル%の量
で存在させるのが好ましく、約0.1モル%〜約40モル%の量で存在させるの
がより一層好ましく、約0.1モル%〜約30モル%の量で存在させるのが特に
好ましい。この第二のコモノマーは、フッ素原子を約1〜約6個含有するプロペ
ン、フッ素原子を少なくとも1個含有するアルキルビニルエーテル、フッ素化α
−α位置を含有する脂肪族若しくは環状C3〜C6ケトン、又は非フッ素化C2
4アルケン、アルキルビニルエーテル若しくはビニルエステルであるのが好ま
しい。
【0021】 フッ素原子を少なくとも1個含有するアルキレン(1)の非限定的な例には、
ヘキサフルオルプロピレン(HFP)、ペルフルオルイソブチレン等が包含され
る。フッ素原子を少なくとも1個含有するアルキルアルケニルエーテル(2)の
非限定的な例には、ペルフルオルビニルメチルエーテル(PVME)が包含され
る。追加の例には、フッ素原子を少なくとも1個含有する直鎖状若しくは分枝鎖
状C3〜C8アルケン、ヘキサフルオルプロペン、2−ヒドロペンタフルオルプロ
ペン、3,3,3−トリフルオルプロペン、一−若しくは多フッ素化ブタン、例
えばヘキサフルオルイソブチレン、ペンタン、ヘキサン又はオクタンが包含され
る。これらのコモノマーは、少なくとも1個のフッ素原子に加えて、塩素原子を
含有することもまたできる。これらのタイプのコモノマーは、フッ素原子を少な
くとも1個含有するC3〜C6アルケンであるのが好ましく、フッ素原子を少なく
とも1個含有するC3〜C4アルケンであるのがより一層好ましい。
【0022】 随意としてのコモノマーのその他の例には、フッ素原子を少なくとも1個含有
するアルキルビニルエーテル、例えばペルフルオルプロピルペルフルオルビニル
エーテル、ペルフルオルメチルペルフルオルビニルエーテル、ペルフルオルプロ
ピルビニルエーテル、n−ブチルペルフルオルビニルエーテル等が包含される。
随意としてのコモノマーのさらなる例には、C=O結合を介して共重合されるフ
ッ素化α−α’位置を含有する開鎖(非環状)及び環状C3〜C6ケトン、例えば
ヘキサフルオルアセトン、ペルフルオルシクロペンタノン等が包含される。追加
のコモノマーには、非フッ素化C2〜C4アルケン(例えばエチレン、プロペン、
1−ブテン、イソブチレン)、C3〜C6アルキルビニルエーテル(例えばメチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)及び C4〜C6ビニルエステル(例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)が包含される。
【0023】 コモノマー(c)に関しては、フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たな
い少なくとも1種のアルケニル又はアルケニルエーテルオルガノシランコモノマ
ーは、立体障害があるものである。前記のように、立体障害オルガノシランコモ
ノマーはフルオロポリマーを形成する共重合した基の早すぎる加水分解/縮合を
防止又は実質的に防止する。換言すれば、本発明のフルオロポリマー上の立体障
害がある基とは、それらの立体配置が別の分子との反応を防止し又は遅延させる
ようなものである。立体障害オルガノシランコモノマーは、好ましくは、本発明
の目的のために任意の量で存在させることができる。立体障害オルガノシランコ
モノマーは、約0.1モル%〜約50モル%の量で存在させるのが好ましく、約
0.1モル%〜約20モル%の量で存在させるのがより一層好ましく、約0.1
モル%〜約10モル%の量で存在させるのが特に好ましい。
【0024】 立体障害オルガノシランコモノマーは、次式: R23 nSi(OR1)3-n (I) 又は次式: R2[Si(R3)k(−OR1)2-k(O)]m3 (II) {これら式中、nは0〜2の整数であり、 mは約2〜約10の整数であり、 kは0又は1であり、 R1はフッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種のC3
上の分枝鎖状アルキル、シクロアルキル又はヘテロ環基を表わし、 R2は少なくとも1種のアルケニル又はアリル含有基を表わし、 R3は少なくとも1種のn−アルキル、少なくとも1種のC3以上の分枝鎖状ア
ルキル、少なくとも1種のC3以上のシクロアルキル又はヘテロ環(例えば芳香
族)基を表わす} を有するのが好ましい。
【0025】 好ましくは、R1は少なくとも1種のC3〜C6分枝鎖状アルキル又はシクロア
ルキル基を表わし、R2はフッ素原子を少なくとも1個持つ若しくは持たない少
なくとも1種のビニル、アリル若しくはビニルエーテル含有基を表わし、且つ/
又はR3は少なくとも1種のC1〜C6n−アルキル、C3〜C6分枝鎖状アルキル
、C3〜C6シクロアルキル若しくはC6〜C9アリールを表わす。
【0026】 前記の式(I)及び式(II)に関して、nは0であるのが好ましく、mは2〜
5の整数であるのが好ましい。分枝鎖状アルキル又はシクロアルキル基の非限定
的な例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル、ビシクロヘプチル、イソオクチル、3−メチルペンチル、イソアミル、アミ
ル、ペンチル、イソペンチル、2,5−ジメチルヘキシル、4−メチル−2−ペ
ンチル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチ
ル、及びsec−ペンチル等が包含される。n−アルキル、分枝鎖状アルキル、
及びヘテロ環基の非限定的な例には、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル
、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が包含される。R3
基に対する置換基には、ケイ素の隣の炭素原子が置き換えられないことを条件と
して、酸素、窒素又は硫黄のような原子による炭素原子の置換が包含され得る。
その他の置換基には、炭素原子に結合した水素原子のハロゲン原子、窒素、硫黄
、酸素並びにシアノ、尿素、エステル、アミド、オキソ等のような有機官能基に
よる置き換えが包含される。
【0027】 本発明において用いられるアルケニルオルガノシランコモノマーはさらに少な
くとも1種の官能基を含有することができる。式(I)及び式(II)に関しては
、この官能基はR3基の一部として存在させるのが好ましい。この官能基は、本
発明のフルオロポリマーの生成を依然として可能にする任意の基であることがで
き、フルオロポリマーの所望の性質を提供し又はその後の変性若しくは架橋のた
めに反応性部位をフルオロポリマーに提供するものであるのが好ましい。官能基
の非限定的な例には、ハロゲン、ヒドロキシル、窒素、アミノ、エポキシ、カル
ボン酸塩、エステル、硫黄、酸素、シアノ、尿素、アミド、オキソ等が包含され
る。
【0028】 前記のように、フルオロポリマーは架橋していないものであっても架橋したも
のであってもよい。さらに、本発明のフルオロポリマーは、少なくとも1種の金
属酸化物、シラン、シロキサン又はそれらの組合せをさらに含有することができ
る。この金属酸化物、シラン又はシロキサンは、フルオロポリマー中に存在する
シランと反応させるのが好ましい。シラノール官能基を含有する任意の物質は、
本発明のフルオロポリマーと反応させることができる。本発明のフルオロポリマ
ーは、乳化重合のようなラジカル重合の反応生成物であるのが好ましい。
【0029】 本発明の1つの利点は、本発明のフルオロポリマーを生成させるための重合を
実施する目的のために加水分解に対して安定な有機金属触媒を何ら必要としない
ということである。
【0030】 本発明のフルオロポリマーの生成に用いられる立体障害オルガノシランモノマ
ーは、本発明のフルオロポリマーのポリマー鎖中に直接共重合させるのが好まし
い。
【0031】 フルオロポリマーの調製に関しては、フルオロポリマーは、存在するコモノマ
ーの重合を、前記フルオロポリマーを生成させるのに充分な圧力及び温度におい
て充分な時間実施することによって調製されるのが一般的である。前記のように
、この重合はフリーラジカル重合であるのが好ましく、乳化重合であるのがより
一層好ましく、これは水性媒体中で行われるのが好ましい。
【0032】 本発明のフルオロポリマーの好ましい製造方法に関しては、最初に脱イオン水
、リン酸二ナトリウム及び少なくとも1種のフッ素化界面活性剤を反応器に導入
し、次いで脱酸素する。次いで反応器中で反応を開始させるために、開始剤エマ
ルション及びビニルシラン溶液又はエマルションを溶媒と共に又は溶媒なしで導
入することができる。反応媒体は水性媒体であるのが好ましい。反応が開始され
た後又は反応の開始と同時に、反応器にコモノマーを連続的に、随意に緩衝剤と
共に、供給することができる。所望の固体含有率のポリマー生成に達した後に、
モノマーの供給を停止することができるが、存在する残りのモノマーを消費させ
るために開始剤の装填を維持するのが好ましい。次いで開始剤の装填を、好まし
くは反応器の圧力が約300psi以下に低下して反応器を冷ました後に、停止
することができる。未反応モノマーは排気することができ、フルオロポリマーは
排出口から又はその他の採集手段から採集することができる。次いで標準的な単
離技術、例えば塩/酸凝固、凍結−解凍、剪断凝固又は噴霧乾燥(これらに限定
されるものではない)を用いてポリマーを単離することができる。
【0033】 より詳細には、反応器温度に関しては、重合を起こさせて本発明のフルオロポ
リマーを生成させるのに充分な温度である限り、任意の反応器温度を採用するこ
とができる。好適な温度の非限定的な例は約30〜約120℃であり、約60〜
約100℃にするのがより一層好ましい。
【0034】 重合の間に採用される圧力に関してもまた、重合を起こさせて本発明のフルオ
ロポリマーを生成させるのに充分な圧力である限り、任意の圧力を採用すること
ができる。この圧力は、約40〜約50atmであるのが好ましい。コモノマー
は連続的に反応器に供給するのが好ましいが、混合物として又は別々の供給ライ
ンから又は任意の順序で順番にコモノマーを導入することもできる。
【0035】 反応器は、撹拌機及び加熱制御手段を備えた加圧重合反応器であるのが好まし
い。重合温度は用いる開始剤の特徴に応じて変えることができるが、約30℃〜
約120℃にするのが典型的であり、約60℃〜約105℃にするのが特に好都
合である。しかしながら、温度はこの範囲に限定されるものではなく、高温開始
剤又は低温開始剤を用いる場合にはもっと高くしたり低くしたりすることができ
る。重合において採用されるVDF/HFP比は、反応のために選択した温度に
依存することができる。重合の圧力は、約20〜約80バールにするのが典型的
であるが、しかしもっと高圧での操作が可能な装置を用いる場合には圧力をもっ
と高くすることもできる。この圧力は、約30〜約60バールにするのが特に好
都合である。
【0036】 重合において用いることができる界面活性剤は、水溶性のハロゲン化界面活性
剤、特にフッ素化界面活性剤、例えば過フッ素化又は部分的フッ素化アルキルカ
ルボン酸のアンモニウム、置換アンモニウム、第四級アンモニウム又はアルカリ
金属塩、過フッ素化又は部分的フッ素化モノアルキルリン酸エステル、過フッ素
化又は部分的フッ素化アルキルエーテル又はポリエーテルカルボキシレート、過
フッ素化又は部分的フッ素化アルキルスルホネート、及び過フッ素化又は部分的
フッ素化アルキルサルフェートである。いくつかの特定的な、しかし非限定的な
例は、米国特許第2559752号明細書に記載された式X(CF2)nCOOM{
ここで、Xは水素又はフッ素であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、置換ア
ンモニウム(例えば1〜4個の炭素原子を有するアルキルアミン)、又は第四級
アンモニウムイオンであり、nは6〜20の整数である}の酸の塩(必要ならば
この米国特許明細書を参照されたい);式X(CF2)nCH2OSO3M(ここで、
X及びMは前記の通りである)のポリフルオルアルカノール硫酸エステル;及び
式CF3(CF2)n(CX2)mSO3M(ここで、X及びMは前記の通りであり、nは
3〜7の整数であり、mは0〜2の整数である)の酸の塩、例えばペルフルオル
オクチルスルホン酸カリウムである。界面活性剤の装填量は、用いる総モノマー
重量に対して約0.05重量%〜約5重量%であり、この界面活性剤の装填量は
、約0.1重量%〜約2.0重量%であるのが特に好ましい。
【0037】 パラフィン防汚剤は慣用的なものであり、任意の長鎖飽和炭化水素ワックス、
完全又は部分的フッ素化ワックス又はオイルを用いることができる。パラフィン
の反応器装填量は、用いる総モノマー重量に対して約0.01重量%〜約0.3
重量%である。
【0038】 反応器に脱イオン水、界面活性剤及びパラフィン防汚剤を装填した後に、この
反応器を窒素でパージし又は排気して、酸素を除去する。この反応器を加熱し、
随意に連鎖移動剤を添加してもよい。次いでこの反応器をフルオロモノマーの混
合物で加圧する。
【0039】 反応は、フッ素化モノマーの重合用に知られている任意の好適な開始剤を添加
することによって開始させて維持することができ、この開始剤には、無機過酸化
物、酸化剤と還元剤との「レドックス」組合せ物及び有機過酸化物が包含される
。典型的な無機過酸化物の例には過硫酸アンモニウム又はアルカリ金属塩があり
、これらは65℃〜105℃の温度範囲において有用な活性を有する。「レドッ
クス」系はさらに低い温度において操作することができ、その例には過酸化水素
、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド又は過硫酸塩のよ
うな酸化剤と還元された金属塩のような還元剤(より特定的には鉄(II)塩がそ
の例である)との組合せ(随意にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
又はアスコルビン酸のような活性剤と組み合わされたもの)が包含される。この
重合用に用いることができる有機過酸化物の中には、ジアルキルペルオキシド、
ペルオキシエステル及びペルオキシジカーボネートの類がある。ジアルキルペル
オキシドの例にはジ−t−ブチルペルオキシドがあり、ペルオキシエステルの例
にはペルオキシピバル酸t−ブチル及びペルオキシピバル酸t−アミルがあり、
ペルオキシジカーボネートの例にはペルオキシ二炭酸ジ−(n−プロピル)、ペ
ルオキシ二炭酸ジイソプロピル、ペルオキシ二炭酸ジ−(sec−ブチル)及び
ペルオキシ二炭酸ジ−(2−エチルヘキシル)がある。フッ化ビニリデンの重合
及びフッ化ビニリデンとその他のフッ素化モノマーとの共重合用にペルオキシ二
炭酸ジイソプロピルを用いることは米国特許第3475396号明細書に教示さ
れ、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオルプロピレンコポリマーの製造にこれを用
いることは米国特許第4360652号明細書にさらに例示されている。フッ化
ビニリデン重合にペルオキシ二炭酸ジ−(n−プロピル)を使用することは、特
開昭58−65711号公報に記載されている。重合に必要な開始剤の量は、そ
の活性及び重合に採用される温度と関係がある。開始剤の総使用量は、モノマー
の総使用量に対して約0.05重量%〜約2.5重量%にするのが一般的である
。典型的には、出発時に反応を開始させるのに充分な量の開始剤を添加し、次い
で重合を手頃な速度に維持するために随意に追加の開始剤を添加してもよい。開
始剤は、選択した開始剤に応じて純粋な形、溶液状、懸濁液状又はエマルション
状で添加することができる。特定的な例として、ペルオキシジカーボネートは水
性エマルションの形で添加するのが好都合である。
【0040】 また、水溶性の無機過酸化物化合物、例えば一般的にカリウム、ナトリウム又
はアンモニウム塩の形の過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩等を、乳化重合用の開
始剤として用いることもできる。
【0041】 重合温度及び開始剤の分解定数によっては、低温を適用する場合には、分解促
進剤、一般的に還元剤を重合のために追加的に用いなければならないことがある
。好適な分解促進剤は、例えば亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム又はRo
ngalit C(ナトリウムホルムアミジンスルフィン酸)のような硫黄化合物、及び
アスコルビン酸のような有機還元剤、鉄(II)又はコバルト(II)塩のような金
属塩、有機金属化合物等である。
【0042】 共重合のための反応温度は、−15℃〜+120℃の範囲であり、20℃〜1
15℃の範囲であるのが好ましく、30℃〜110℃の範囲であるのがより一層
好ましい。
【0043】 必要ならば、生成するポリマーの分子量を調節するために、メタノール、イソ
プロパノール、イソペンタン、酢酸エチル、マロン酸ジエチル及び四塩化炭素の
ような連鎖移動剤を用いることができる。
【0044】 本発明の方法は、高圧において共重合を実施することができる。この圧力は、
少なくとも5バールにすべきであるが、100バールを超えるものにする必要は
ない。
【0045】 本発明に従う方法にとって好ましい圧力範囲は5〜65バールである。
【0046】 本発明に従うコポリマーは、バッチ式でも製造することができるが、半連続式
又は連続式で製造するのが好ましい。
【0047】 本発明に従う方法の1つの有利な変法においては、成分(c)中の遊離モノマ
ーの定常濃度を低く保つ。これは、最初に反応させるべきコモノマーの総モル数
を基準として0.02〜15モル%のビニルシランを、随意に成分(a)及び(
b)のその他のコモノマーと共に、バッチ式で又は半連続式で導入し、共重合の
進行に応じて成分(c)の残部を一様に添加することによって達成される。もち
ろん、成分(c)の残部は成分(a)及び(b)の残部と同時に添加する。
【0048】 一般的に、重合を完了させる時間は存在させたモノマーの量、開始剤の量及び
反応条件に基づく。重合を完了させる時間は、所望の固体含有率が達成されたと
きとするのが好ましい。
【0049】 好ましくは、採集された本発明のフルオロポリマーは粉末の形にすることがで
き、さらに未反応コモノマーは洗浄、例えばメタノール又はその他の好適な溶剤
を用いた洗浄によって除去することができる。
【0050】 特に乳化重合として重合を実施する本発明の1つの利点は、シラン官能基の間
での早すぎる架橋反応が本質的に何ら起こらないことである。反応性シラン基が
フルオロポリマーの一部として残ると、慣用のフルオロポリマーと比較してこれ
らのフルオロポリマーの利用範囲が拡大する。かくして、本発明のフルオロポリ
マーは、耐化学薬品性、高温安定性、高い引張強さ、低い屈折率等の点でのフル
オロポリマーの優れた性質を損なうことなくその後の架橋や任意のその他のその
後の化学的変性に付すことができる。
【0051】 シランエマルションのために有用な緩衝剤、特に殺生物剤を含有するものの例
は有機及び無機酸及び塩基であり、これは、それらの塩、特に炭酸、リン酸、硫
酸、フッ化水素酸、C1〜C6有機モノ若しくはポリカルボン酸又はC2〜C30
ルキレンイミノポリカルボン酸のモノ若しくはポリアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属又はアミン塩、アンモニア、C1〜C30有機塩基或いはそれらの混合物を
含む。その例には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ホ
ウ酸ナトリウム、リン酸一、二又は三ナトリウム、リン酸一、二又は三カリウム
、リン酸アンモニウムナトリウム、硫酸一又は二ナトリウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、硫化一又
は二ナトリウム、アンモニア、モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はト
リエタノールアミン、(エチレンジニトリロ)四酢酸ナトリウム塩(ナトリウム
EDTA)、ピリジン、アニリン及びケイ酸ナトリウムがある。これらは好適な
緩衝剤の内のいくつかの例に過ぎない。また、これらの物質をその他の緩衝剤、
酸又は塩基と組み合わせること、例えば水酸化アンモニウム及び酢酸を一緒に用
いることも効果的である。
【0052】 リン酸三ナトリウム(Na3PO4)、リン酸二ナトリウム(Na2HPO4)及
び水酸化アンモニウム(NH4OH)が好ましいが、しかし重炭酸ナトリウム(
NaHCO3)は取り扱いが容易であり、一貫してpH7.5のエマルションを
与え、環境上安全であり且つ高価ではないので、特に好ましい。
【0053】 緩衝剤の使用量は、広い範囲で変えることができる。しかしながら、一般的に
は0.01%未満では充分に有効ではなく、組成物全体の5重量%を超えるのは
経済的ではない。
【0054】 本発明のフルオロポリマーは、ポリマー発泡体、エラストマー組成物、接着剤
組成物、膜及びその他のポリマー組成物におけるような様々な用途において用い
ることができる。本発明のフルオロポリマーは、好ましいことに、様々な物理的
及び/又は化学的性質を有する。例えば、本発明のフルオロポリマーは、約1.
8g/ミリリットル未満、より一層好ましくは約1.0g/ミリリットル、より
一層好ましくは0.6g/ミリリットル未満のような低い密度を有する発泡架橋
ポリマーを提供することができる。さらに、本発明のフルオロポリマーは、改善
された又は高められた加熱撓み温度を有することができる。さらに、本発明のフ
ルオロポリマーは、改善された耐溶剤性を有することができる。さらに、このフ
ルオロポリマーは、商品として入手できるViton(登録商標)及びFluorel(登録
商標)エラストマーよりも改善された特徴並びに/又はそれらとは異なる特徴を
有するフルオロポリマーであることができる。
【0055】 さらに、このフルオロポリマーの反応する能力は、基材に対する化学的結合性
の改善、例えばガラス及び金属酸化物のような無機基材並びにその他の基材との
接着性の改善を可能にする。さらに、本発明のフルオロポリマーは、クレー/フ
ルオロポリマー、ゾル−ゲルオルガノシラン/フルオロポリマー又はオルガノシ
ラン官能化微小(nano)粒子/フルオロポリマーのような微小複合材料のための
前駆体としての役割を果たすこともできる。さらに、このフルオロポリマーは、
コーティングとして用いることもコーティング中に組み込むこともでき、そして
好ましいことに下塗層を用いる必要性を回避する。
【0056】 さらに、本発明のフルオロポリマーの化学的結合能力はシリコーンゴムとの結
合を可能にし、それによってフルオロポリマーとシリコーンゴムとの間のアロイ
及びIPNを製造することを可能にすることができる。
【0057】 本発明のフルオロポリマーは、ポリマーブレンドの一成分であることができる
。このブレンドを形成させるために任意の相溶性ポリマーを組み合わせることが
できる。このフルオロポリマーは、例えばアクリレート、メタクリレート、ポリ
アセタール、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアミン、ポリブタジエン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアルキレン、ポリイミド、ポリオレフィン
、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリ(ビニルアルコール)に添加することが
できる。このフルオロポリマーはまた、他のポリマーと共重合させることもでき
る。
【0058】 本発明のフルオロポリマーのその他の非限定的な用途には、Liイオン電池及
び燃料電池等のような電極についての用途を有するNafionタイプの膜用の成分と
しての用途がある。このフルオロポリマーはまた調節された官能性を有すること
もでき、タイ(tie)層及び多層ポリマー複合材料として用いることもできる。
このフルオロポリマーはまた、他のポリマーとの相溶化剤として用いることもで
きる。
【0059】 本明細書において言及したすべての特許明細書及びその他の刊行物は、それら
全体を参照用に本明細書に取り入れられる。本発明は、純粋に本発明を例示する
ためのものである以下の実施例によってさらに明らかになるであろ。
【0060】実施例
【0061】例1 脱イオン水中のペルフルオルアルカン酸塩の混合物の2/3重量%溶液900
g中にリン酸二ナトリウム1gを溶解させた。次いでこの混合物を2.0リット
ルオートクレーブ中に導入した。次いで密閉したオートクレーブを80℃に加熱
し、次いでガス抜きして常圧にした。次いでこのオートクレーブに−6.5℃、
650psiaの液状VF2132ミリリットルを導入し、この反応混合物を次
いで100℃に加熱し、次いで脱イオン水中にペルオキシ二炭酸ジ−n−プロピ
ル3重量%及び混合ペルフルオルアルカン酸塩2/3重量%を分散させて成る開
始剤エマルション45ミリリットルを導入することによって重合を開始させた。
開始の際に圧力が低下した。次いで前記の開始剤エマルションを2ミリリットル
/分の速度で連続的に添加し且つVF2とメタノール中の25重量%ビニル−ト
リス−t−ブトキシシラン溶液との混合物(VF2120ミリリットル対ビニル
−トリス−t−ブトキシシラン溶液41.8ミリリットルの比のもの)を78分
かけて添加することによってこの圧力を600psiaに保った。モノマー供給
を停止し、開始剤エマルションの供給を50分間維持することによって残留モノ
マーを消費させ、その後に反応混合物を100℃において10分間撹拌した。冷
却した後に、残留圧は32℃において246psiaだった。オートクレーブを
ガス抜きし、次いでラテックスを取り出した。このラテックスのpHは4.6で
あり、オーブン中で90℃において一晩乾燥させた後の固体含有率は13.25
%だった。
【0062】例2 脱イオン水中のペルフルオルアルカン酸塩の混合物の2/3重量%溶液800
g中にリン酸三ナトリウム0.5gを溶解させた。次いでこの混合物を2.0リ
ットルオートクレーブ中に導入した。次いで密閉したオートクレーブを80℃に
加熱し、次いでガス抜きして常圧にした。温度を90℃に上昇させた。次いでこ
のオートクレーブに−6.5℃、550psiaの液状VF2123.4ミリリ
ットルを導入した。脱イオン水中にペルオキシ二炭酸ジ−n−プロピル3重量%
及び混合ペルフルオルアルカン酸塩2/3重量%を分散させて成る開始剤エマル
ション55ミリリットルを添加することによって重合を開始させた。圧力は最初
に上昇し、次いで開始の際に低下した。次いで前記の開始剤エマルションを2ミ
リリットル/分の速度で連続的に添加し、脱イオン水中の4.5重量%リン酸二
ナトリウム109.5ミリリットルを1.5ミリリットル/分の速度で添加し且
つVF2とメタノール中の25重量%ビニル−トリス−イソプロポキシシラン溶
液との混合物(VF2185.4ミリリットル対ビニル−トリス−t−ブトキシ
シラン溶液31.7ミリリットルの比のもの)を80分かけて添加することによ
ってこの圧力を660psiaに保った。モノマー供給を停止し、開始剤の供給
を3ミリリットル/分の速度において35分間維持することによって残留モノマ
ーを消費させ、その後に反応混合物を90℃において35分間撹拌した。冷却し
た後に、残留圧は32℃において339psiaだった。オートクレーブをガス
抜きし、次いでラテックスを取り出した。このラテックスのpHは6.2であり
、オーブン中で110℃において一晩乾燥させた後の固体含有率は17%だった
【0063】 下記の表1に記載した残りの例では、表に示される違いを除いて、例2と同様
の態様で調製を行った。
【0064】
【表1】
【表2】 *部分的に凝固; VTiPS=ビニル−トリ−イソプロポキシシラン; VTtBS=ビニル−トリス−t−ブトキシシラン
【0065】 本発明のその他の具体例は、本明細書に開示された本発明の明細及び実施の検
討から当業者には明らかになるであろう。これら明細及び実施例は単に例示とし
てのものに過ぎず、本発明の真の範囲及び技術思想は特許請求の範囲に示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クロード クリストフ グラネル アメリカ合衆国 19104 ペンシルベニア、 フィラデルフィア、レース ストリート 3505 Fターム(参考) 4J011 KA05 KA12 KA15 KA23 KB05 KB29 4J100 AA02Q AA03Q AA06Q AC23P AC24P AC25P AC26P AC30P AE02Q AE09Q AP16R BA77R BB18Q

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(a)、(b)及び(c)のポリマー反応生成物から成
    るフルオロポリマー: (a)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第一のアルキレン
    コモノマー; (b)随意としての次の(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマ
    ー: (1)フッ素原子を少なくとも1個含有ししかし前記の第一のアルキレンコモ
    ノマーとは異なるものである、少なくとも1種の第二のアルキレン; (2)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種のアルキルアルケ
    ニルエーテル; (3)フッ素化α−α位置を少なくとも1個含有する少なくとも1種の脂肪族
    又は環状ケトン; (4)非フッ素化アルケン、アルキルビニルエーテル又はアルケニルエステル
    ; (c)フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の立体障
    害アルケニル又はアルケニルエーテル−オルガノシランコモノマー。
  2. 【請求項2】 前記反応生成物がフリーラジカル重合反応生成物である、請
    求項1記載のフルオロポリマー。
  3. 【請求項3】 前記の少なくとも1種のエチレンコモノマーが約40モル%
    〜約99.9モル%の量で存在する、請求項1記載のフルオロポリマー。
  4. 【請求項4】 前記の少なくとも1種のコモノマー(b)が約0.1モル%
    〜約50モル%の量で存在する、請求項1記載のフルオロポリマー。
  5. 【請求項5】 前記の少なくとも1種の立体障害ビニルオルガノシランコモ
    ノマーが約0.1モル%〜約50モル%の量で存在する、請求項1記載のフルオ
    ロポリマー。
  6. 【請求項6】 前記の少なくとも1種の立体障害ビニルオルガノシランコモ
    ノマーが次式: R23 nSi(OR1)3-n (I) 又は次式: R2[Si(R3)k(−OR1)2-k(O)]m3 (II) (これら式中、nは0〜2の整数であり、 mは約2〜約10の整数であり、 kは0〜1の整数であり、 R1はフッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の分枝
    鎖状アルキル、シクロアルキル又はヘテロ環基を表わし、 R2は少なくとも1種のアルケニル又はアリル含有基を表わし、 R3は少なくとも1種のn−アルキル、分枝鎖状アルキル、シクロアルキル又
    はヘテロ環基を表わす) を有する、請求項1記載のフルオロポリマー。
  7. 【請求項7】 前記R3が少なくとも1種の官能基をさらに含む、請求項6
    記載のフルオロポリマー。
  8. 【請求項8】 前記の少なくとも1種の官能基が少なくとも1個のハロゲン
    、ヒドロキシル、窒素、アミノ、エポキシ、カルボン酸塩、エステル、硫黄、酸
    素、シアノ、尿素、アミド、オキソ又はそれらの組合せである、請求項7記載の
    フルオロポリマー。
  9. 【請求項9】 架橋可能である、請求項1記載のフルオロポリマー。
  10. 【請求項10】 架橋可能である、請求項7記載のフルオロポリマー。
  11. 【請求項11】 少なくとも1種の金属酸化物、シラン若しくはシロキサン
    又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1記載のフルオロポリマー。
  12. 【請求項12】 前記の少なくとも1種の金属酸化物、シラン若しくはシロ
    キサンが前記フルオロポリマーのシランと反応した、請求項11記載のフルオロ
    ポリマー。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のフルオロポリマーの製造方法であって、 緩衝剤含有系中で次の(a)、(b)及び(c): (a)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種の第一のアルキレン
    コモノマー; (b)随意としての次の(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマ
    ー: (1)フッ素原子を少なくとも1個含有ししかし前記の第一のアルキレンコモ
    ノマーとは異なるものである、少なくとも1種の第二のアルキレン; (2)フッ素原子を少なくとも1個含有する少なくとも1種のアルキルアルケ
    ニルエーテル; (3)フッ素化α−α位置を少なくとも1個含有する少なくとも1種の脂肪族
    又は環状ケトン; (4)非フッ素化アルケン、アルキルアルケニルエーテル又はビニルアルケニ
    ル; (c)フッ素置換基を少なくとも1個持つ又は持たない少なくとも1種の立体障
    害アルケニル又はアルケニルエーテル−オルガノシランコモノマー: の重合を、前記フルオロポリマーを生成させるのに充分な圧力及び温度において
    充分な時間実施することを含む、前記方法。
  14. 【請求項14】 前記重合がフリーラジカル重合である、請求項13記載の
    方法。
  15. 【請求項15】 前記重合が乳化重合である、請求項13記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記重合が水性媒体中のものである、請求項13記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記重合を約4.5〜約8.5の範囲のpHにおいて行う
    、請求項13記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記の(a)、随意としての(b)及び(c)のコモノマ
    ーを導入する前に、最初に脱イオン水、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウ
    ム又はそれらの両方、及び少なくとも1種のフッ素化界面活性剤を反応器に装填
    し、脱酸素することをさらに含む、請求項13記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記の初期装填工程の後に、反応を開始させるために溶媒
    中の開始剤エマルション及びビニルシラン溶液を導入することをさらに含む、請
    求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記の反応を開始させた後に前記反応器に前記の(a)、
    随意としての(b)及び(c)のコモノマーを連続的に供給することをさらに含
    む、請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記フルオロポリマーを単離することをさらに含む、請求
    項18記載の方法。
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