JP2003512852A - インスリン非依存性糖尿病のコンジェニック動物モデル - Google Patents

インスリン非依存性糖尿病のコンジェニック動物モデル

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エル. ホールゲル リュシュマーン,
エル. ゲー. ヨアキン ガリ,
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Abstract

(57)【要約】 II型糖尿病関連表現型を有するコンジェニック動物および動物集団が記述される。II型糖尿病関連表現型と関連するアミノ酸置換を有するインスリン分解ポリペプチドも記述される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、II型糖尿病関連表現型を示す非ヒトコンジェニック動物およびコ
ンジェニック動物集団、ならびにII型糖尿病関連表現型を与える置換を含むイ
ンスリン分解ポリペプチドに関する。
【0002】 発明の背景 II型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)は、年老いた生
理学的不活性の太りすぎの個人に関連するため、老年人口を持つ都市化社会で増
加している健康負担である。全世界でおよそ1億3500万人の人々が影響を受
けており、したがって、心筋梗塞、発作、末期腎疾患、色覚異常、および神経疾
患に対するリスクを増加させる。
【0003】 一般的に、本疾患は、標的組織でのインスリン活性の減損、および膵臓β−細
胞からのインスリンの分泌能力の減少の結果であるとされている。多くの家族お
よび双子試験によって、環境因子の重大な影響ならびにII型糖尿病に対するリ
スクに関する遺伝的因子の相当な影響が示された。遺伝の常染色体優性モード(
MODY)を伴う糖尿病の一遺伝子性変異体または糖尿病のミトコンドリア遺伝
が、分子および臨床レベルにおいて最近記述されている。しかしながら、本疾患
の一般的な型は、多遺伝子的および環境要因の両方の影響を伴った多くの要因か
らなるように見える。
【0004】 発明の概要 本発明は、II型糖尿病関連表現型を有する、コンジェニック動物およびコン
ジェニック動物集団の発展に基づくものである。コンジェニック動物種の発展に
より、定量的形質座(QTL)内で増加している感受性遺伝子を同定すること、
ならびにそのような遺伝子の病理生理学的関連を特徴付けすることが可能である
。本発明のコンジェニック動物はII型糖尿病関連表現型を有するため、本明細
書に記載のインスリン分解酵素の変異体のような、関連遺伝子が位置的にクロー
ン化できるように、遺伝子微細マッピングもまた実施することができる。さらに
、コンジェニック種およびヘテロ接合戻し交配動物の生理学的特徴付けは、複合
表現型の病理生理に対する単一QLTの寄与に関する道標を提供する。本発明の
Niddm1コンジェニック種は、本疾患の病理生理学的機構を明らかにしうる
、穏やかなII型糖尿病に関する特定の動物モデルを提供し、薬理学的薬剤をス
クリーニングするツールを提供する。
【0005】 一方の側面において、本発明は、ドナー動物およびレシピエント動物の遺伝的
物質を含む非ヒトコンジェニック動物を特徴とする。コンジェニック動物はII
型糖尿病関連表現型を示し、コンジェニック動物ゲノムの約1未満のクロモソー
ム(例えば約50cM未満、20cM未満、10cM未満、または5cM未満)
がドナー動物から由来し、ドナーからの遺伝物質が、コンジェニック動物中での
II型糖尿病関連表現型の発現に必要である。コンジェニック動物は、マーカー
で定義できる。コンジェニック動物の実質的にすべてのミトコンドリアは、レシ
ピエント動物またはドナー動物いずれかから由来する。II型糖尿病関連表現型
は、食後血糖の増加、高血圧、グルコース不耐性、インスリン耐性、異常インス
リン分泌、インスリン活性減少、体重減少、異脂肪血症、高インスリン血漿、脂
質生成障害、グリコーゲン代謝変化、凝固アテローム性動脈硬化症変化、腎機能
変化、神経機能変化、眼機能変化、肥満および炎症からなる群より選択できる。
【0006】 ドナー動物のゲノムは、Niddm1aゲノム区画を含むことができる。ドナ
ー由来のコンジェニック動物ゲノムはNiddm1a、Niddm1b、Nid
dm1c、Niddm1d、Niddm1e、Niddm1f、Niddm1g
、Niddm1h、およびNiddm1iからなる群より選択したゲノム区画を
含むことができる。例えば、ゲノム区画は、Niddm1eゲノム区画であり得
る。また、ドナー由来のコンジェニック動物ゲノムはNiddmC2、Nidd
mC3、NiddmC5、NiddmC7、NiddmC9A、NiddmC9
B、NiddmC10、NiddmC11、NiddmC13、NiddmC1
8、NiddmC(13+15)およびNiddmC(9+13+15)からな
る群より選別したゲノム区画より選別可能である。
【0007】 また、本発明は本発明のコンジェニック動物の単離細胞、ならびに本発明のコ
ンジェニック動物由来の細胞培養物を特徴とする。細胞は、脂肪細胞、メサンギ
ウム細胞、肝細胞、膵臓細胞、筋肉細胞、内皮細胞および神経細胞からなる群よ
り選択できる。組織培養物は、脂肪組織、メサンギウム組織、肝臓組織、膵臓組
織、筋肉組織、血管組織および神経組織からなる群より選択可能である。
【0008】 本発明のコンジェニック動物は、非ヒト哺乳動物(例えばラット、マウスまた
はモルモット等の齧歯類、またはブタ)、昆虫または鳥類であり得る。齧歯類は
ラットであり得る。
【0009】 また、本発明は、第1の非ヒトコンジェニック動物を第2の非ヒトコンジェニ
ック動物と交配させることによって入手した非ヒトコンジェニック動物を特徴と
し、第1および第2のコンジェニック動物は、II型糖尿病関連表現型を有する
。第1および第2のコンジェニック動物は、異なる代謝表現型を有することが可
能であり、かつ/または重なり合っていないゲノム区画を有することが可能であ
る。そのようなコンジェニック動物は、重なり合っていないゲノム区画間の上位
性相互作用を評価するのに効果的である。
【0010】 他方の側面において、本発明は、多数の非ヒトコンジェニック動物を含む非ヒ
トコンジェニック動物集団を特徴とする。コンジェニック動物は、多くのII型
糖尿病表現型を示し、多数のコンジェニック動物内のそれぞれのコンジェニック
動物には、ドナー動物およびレシピエント動物からの遺伝的物質が含まれ、約0
.1%〜約50%の各コンジェニック動物ゲノムがドナー動物から由来し、ドナ
ーからの遺伝物質は、それぞれのコンジェニック動物内のII型糖尿病関連表現
型の発現に必要である。
【0011】 また、本発明は、薬理学的に活性な化合物を試験するための方法を特徴とする
。本方法には、試験化合物を、II型糖尿病関連表現型を示す非ヒトコンジェニ
ック動物に投与する工程であって、該非ヒトコンジェニック動物には、ドナー動
物およびレシピエント動物の遺伝的物質が含まれ、約50cM未満のコンジェニ
ック動物ゲノムがドナー動物由来であり、ドナーからの遺伝的物質がコンジェニ
ック動物でのII型糖尿病関連表現型の発現に必要である工程、およびコンジェ
ニック動物での少なくとも1つのII型糖尿病関連表現型における効果に関して
試験化合物を評価する工程が含まれる。コンジェニック動物は、上述したような
遺伝的区画を含むことが可能である。動物は、2匹のコンジェニック親動物間で
交配した子孫動物を含むことが可能であり、親動物は異なるコンジェニック区画
を有する。
【0012】 他方の側面において、本発明は、薬理学的に活性な化合物を試験するための方
法を特徴とする。本方法は、試験化合物を、複数のII型糖尿病関連表現型を示
している複数の非ヒトコンジェニック動物に投与する工程、および少なくとも1
つのII型様尿病関連表現型上での効果に関して試験化合物を評価する工程を含
み、多数のコンジェニック動物内でのそれぞれのコンジェニック動物は、ドナー
動物およびレシピエント動物からの遺伝的物質を含み、約0.1%〜約50%の
各コンジェニック動物ゲノムがドナー動物から由来し、ドナーからの遺伝的物質
は、それぞれのコンジェニック動物でのII型糖尿病関連表現型の発現に必要で
ある。多数のコンジェニック動物には、異なるクロモソーム上のコンジェニック
区画を持っている少なくとも2匹のラットが含まれ得る。
【0013】 また、本発明は、II型糖尿病関連表現型を示している非ヒトコンジェニック
動物の単離細胞を含む製造物品を特徴とする。本物品はさらに、細胞が、II型
糖尿病関連表現型を軽減するのに効果的であり得る化合物を評価するために効果
的であることを示唆しているラベルまたはパッケージ貼付文章を含むことが可能
である。
【0014】 他方の側面において、本発明は、ビジネスを行う方法を特徴とする。本方法に
は、II型糖尿病関連表現型を示している非ヒトコンジェニック動物、またはそ
れらから由来した細胞の販売を申し出る工程、および動物が、II型糖尿病関連
表現型を軽減するのに効果的である化合物を、試験または評価するために効果的
であることを伝達する工程が含まれる。
【0015】 さらに他方の側面において、本発明は、ドナー動物とレシピエント動物を交配
し、子孫動物を産出する工程、および首尾よく前記子孫動物を少なくとも10世
代、レシピエント動物と戻し交配し、コンジェニック動物を産出する工程を含む
非ヒトコンジェニック動物を作製する方法を特徴とし、該コンジェニック動物は
II型糖尿病関連表現型を示し、約50cM未満のコンジェニック動物ゲノムが
ドナー動物から由来し、ドナーの遺伝的物質が、コンジェニック動物でのII型
糖尿病関連表現型の発現に必要である。
【0016】 また、本発明は、単離されたインスリン分解ポリペプチドおよびインスリン分
解ポリペプチドをコードしている単離したポリヌクレオチドを特徴とし、該ポリ
ペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、II型
糖尿病関連表現型に関連している。ポリペプチドには、SEQ ID NO:2
3のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸置換、例えばSEQ ID N
O:23のアミノ酸18で置換されたアルギニン残基および/またはアミノ酸8
90で置換されたバリン残基を含むことが可能である。ポリヌクレオチドは、S
EQ ID NO:22のヌクレオチド2817にシトシン残基を有することが
可能である。
【0017】 また、本発明は、ゲノムに、インスリン分解ポリペプチドトランス遺伝子が含
まれる、トランスジェニック非ヒト動物を特徴とし、トランス遺伝子には、イン
スリン分解ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドに作用可能に連結さ
れた調節ポリヌクレオチドが含まれ、インスリン分解ポリペプチドは、II型糖
尿病関連表現型に関連したアミノ酸置換を有する。動物はラットまたはマウスで
あり得る。
【0018】 他の定義しない限り、本明細書で使用したすべての技術的および科学的用語は
、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同様の意
味を持つ。本明細書で記述したものと同様または等価の方法および物質を本発明
の実施に使用できるけれども、好適な方法および物質は以下に記述している。す
べての刊行物、特許明細書、特許および本明細書で言及した他の参考文献は、そ
のすべてが参考文献として組み込まれている。論争になる場合、定義を含む本明
細書が制御するであろう。さらに、物質、方法および実施例は例示的であるのみ
であり、限定することを意図していない。
【0019】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明より、かつ請求項より明ら
かになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、コンジェニック種Niddm1a、Niddm1b、およびNidd
m1iでのラットクロモソーム1の遠位部分の遺伝子マップである。Goto−
Kakizaki(GK)由来ゲノム区画の内容を、3つのコンジェニック種に
関する黒棒として示している。白色は、最も近く隣接するマーカーによって定義
されたように、GKとF344由来対立遺伝子間の交差点にまたがるゲノム区画
を示している。 図2A〜2Dは、Niddm1コンジェニックおよびF344ラットの腹膜内
グルコース耐性試験を図示したグラフである。種Niddm1a(n=11)、
Niddm1b(n=17)、Niddm1i(n=12)およびF344(n
=20)からのオスラット(95日齢)をIPGTTにかけた。グルコース注入
後、血中グルコース(2A、2B)、および血清インスリン(2C、2D)の濃
度を、示した時間点にて測定した。結果は平均±semとして示している。 図3A〜3Dは、F344、GK、Niddm1b、およびNiddm1iラ
ットでのインスリンによって刺激される合成の結果として、脂質内へのグルコー
スの取り込みを図示したグラフである。脂肪細胞を、2ヶ月齢オスF344(n
=7)、GK(n=4)、Niddm1b(n=5)、およびNiddn1i(
n=5)ラットの精巣上体脂肪より単離し、インスリン(0〜20,000μU
/ml)と共に2時間インキュベートした。図3Aは、インスリンのない状態(
基礎条件)での、脂質内へのグルコース取り込み(脂質生成)が、GK(p=0
.009)、Niddm1b(p=0.007)、およびNiddm1i(p=
0.04)ラットよりも、F344ラットで高いことを示している。図3Bは、
最大インスリン誘導脂質生成が、GK(p=0.00004)、Niddm1b
(p=0.008)、およびNiddm1i(p=0.001)ラットよりも、
F344ラットで高いことを示している。最大インスリン誘導脂質生成は、GK
(p=0.02および0.006)に比べてNiddm1bおよびNiddm1
iラットでより高かった。図3Cおよび3Dは、インスリンなし(3C)または
最大量の存在下(3D)で得られた、上記値の増加(平均∀sem)として示し
た、用量依存的インスリン刺激脂質生成を示している。 図4は、GK、F344およびNiddm1ラットでのインスリンRNAの定
量的解析を示したグラフである。結果は平均∀semで示している。RNAの量
は、ピクセルとして示しており、リン光体イメージング技術を用いてバンド強度
より計算した。 図5は、コンジェニックラット種Niddm1b、Niddm1c、Nidd
m1fおよびNiddm1eラットでの、ラットクロモソーム1の部分の遺伝的
マップである。GK由来ゲノム区画の範囲を、4つのコンジェニック種に関して
黒棒で示している。白棒は、最も近くに隣接しているマーカーによって定義され
たような、GKおよびF344由来対立遺伝子間の交差点にまたがるゲノム区画
を示している。 図6A〜6Bは、精巣上体脂肪から単離した脂肪細胞における脂質生成を図示
したグラフである。脂肪細胞を、2ヶ月齢オスF344(n=6)、Niddm
1f(n=5)およびNiddm1e(n=4)ラットより単離し、インスリン
(0〜20,000TU/ml)と共に2時間インキュベートした。図6Aは、
インスリンのない状態(基礎条件)での、脂質生成が、Niddm1f(p=0
.001)、およびNiddm1e(p=0.002)ラットよりも、F344
ラットで高いことを示している。図6Bは、最大インスリン誘導脂質生成が、N
iddm1f(p=0.00001)、およびNiddm1e(p=0.003
)ラットよりも、F344ラットで高いことを示している。 図7は、ラットインスリン分解酵素(IDE)をコードしている遺伝子の翻訳
部分の概略図である。 図8は、もともとのCOS−1細胞内での、野生型IDEおよびIDE変異体
A890V(すなわち、アミノ酸890の位置でアラニンの代わりにバリンであ
るもの)、H18R(すなわち、アミノ酸18の位置でヒスチジンの代わりにア
ルギニンであるもの)、およびA890V+H18Rのインスリン分解活性を図
示しているグラフである。すべての値は、4つの異なるトランスフェクションか
らのものであり、任意で100%と定義した、野生型活性(F344ラットから
のpCMV4−Ideをトランスフェクトした細胞)のパーセンテージとして表
している。各実験内で、バックグラウンドCOS−1インスリン分解活性を、各
個々の値より差し引き、活性は、総タンパク含量およびβ−ガラクトシダーゼ活
性両方に関して補正した。A890V、H18RおよびA890R+H18Rの
実際の値(平均∀sem)は、それぞれ95∀9、89∀8および69∀6%で
ある。
【0020】 詳細説明 II型糖尿病のコンジェニック動物モデル 本発明は、ドナーおよびレシピエント動物を交配した後に同定される非ヒトコ
ンジェニック動物、およびそのようなコンジェニック動物由来の細胞および組織
を特徴とする。一般的に、コンジェニック動物は、第二動物種(すなわちレシピ
エント)の遺伝的背景との関連で、1匹の動物種(すなわちドナー)からの遺伝
的物質(遺伝的区画)の分離部分を含む。同系交配しうる非ヒト動物が、ドナー
およびレシピエント動物としての使用に好適である。非限定例として、マウス、
ラットのような齧歯類、ウサギ、およびモルモット、ブタ、ウシ、ヒツジ、魚類
、および七面鳥およびニワトリのような鳥類が含まれる。ラット、マウスおよび
ブタがとりわけ有用な動物である。典型的に、「ドナー(donor)」は、遺
伝的に連結したII型糖尿病関連表現型を持つ動物を意味する。ドナー動物は、
例えばGKラット、Long−Evans Tokushima Fatty(
OLETF)ラット、NZOマウス、およびNONマウスでありうる。例えばK
im et al.,Physiol.Pharmacol.,1998,9(
2−4):325−345を参照のこと。
【0021】 GKラットは、II型糖尿病に関して広範囲に研究された動物モデルである。
GK動物の表現型はよく特徴化されており、断食高血糖、グルコースへの応答に
おけるインスリン分泌障害、インスリン耐性、ならびに遅延合併症、例えばニュ
ーロパシーおよびネフロパシーのようなII型糖尿病に典型的な種々の特徴を含
む。GKと、血糖値正常のF344ラット間のF2交雑の遺伝的連結解析は、ゲ
ノム幅重要性を伴う4つの主要なQTL(Niddm1、Niddm2、Nid
dm3およびweight1)、ならびに糖尿病の分離とその関連する表現型に
影響を与える10の副次的なQTLを同定した。Galli,J.et al.
Nature Genet.,1996,12:31−37。OLETFラッ
トは、緩やかな肥満を示しており、加齢とともに、性二相性NIDDMが発達す
る。OLETFとBNまたはFラット間のF交雑の解析によって、QTLとし
てDmoIが、グルコース不耐、断食血漿グルコース濃度、および体重に関連し
、ラットクロモソーム1のNiddm1領域でみられることが同定されている。
上記Kim et al.,1998。典型的には、「レシピエント(reci
pient)」は、II型糖尿病関連表現型を示していない同系交配動物を指す
。レシピエント動物は、例えば、Fischer−344、DA、LEW、AC
I、WKY、SDまたはBNラット、またはBALB/c、FVBまたはSSL
マウスであり得る。
【0022】 一般的に、ドナー動物は、II型糖尿病関連表現型を示し、一方でレシピエン
ト動物は示さない。そのような動物の交配によって、II型糖尿病関連対立遺伝
子を、II型糖尿病関連表現型に関連して遺伝子移入させることが可能である。
あるいは、レシピエント動物がII型糖尿病関連表現型を示し、ドナー動物が示
さない。そのような動物の交配によって、II型糖尿病関連対立遺伝子を、II
型糖尿病関連表現型に関連して遺伝子移入させることが可能である。
【0023】 ドナーとレシピエントの交配の後、子孫をレシピエント動物と首尾よく戻し交
配し、当該対立遺伝子をレシピエントのゲノム上に移入して、コンジェニック動
物を産出する。典型的に、コンジェニック動物は、少なくともF10世代より同
定される。あるいは、「スピード コンジェニクス(speed congen
ics)」または「マーカー補助交配(marker−assisted br
eeding)」として参照される手順を用いることができる。例えば、Whi
ttaker et al.,Genet.Res.,66(3):255−2
65,1995、およびDarvasi,Nat.Genet.,18(1):
19−24,1998を参照のこと。この方法では、各戻し交配世代の子孫を、
最大数のドナーバックグラウンド対立遺伝子を欠失しているように選択する。コ
ンジェニック動物がF10世代より早く(例えばF9世代)同定可能であるよう
に、本方法ではより少ない交配しか必要とされない。子孫の表現型は、例えば、
腹膜内、または静脈内グルコース耐性試験(血清グルコースおよびインスリン濃
度を、グルコースを注入した断食動物で測定するもの)によって各世代で評価可
能である。さらに、グルコース濃度をインスリンの注入の後に動物において測定
するインスリン耐性試験、または栄養素またはホルモン濃度を断食、および/ま
たは誘発に続いて測定する試験を動物の表現型決定のために使用できる。ミトコ
ンドリアは母系遺伝するので、本質的にコンジェニック動物のすべてのミトコン
ドリアは、ドナーまたはレシピエントいずれか由来であり得る。
【0024】 公知の遺伝マーカーを用いて、本発明のコンジェニック動物において、遺伝子
型を評価できる。例えば、タンデムアレイ中で複数回繰り返される一−、二−、
三−または四量体配列からなるマイクロサテライト、または単純配列長多型(S
SLP)の存在を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、マイクロサテラ
イトまたはSSLPの周辺の領域を増幅することで評価することができる。いく
つかの実施形態において、本発明のコンジェニック動物を、「マーカー−定義(
marker−defined)」として特徴付けしてよく、これは、上述した
ように遺伝子型を決定した時に、動物が遺伝的に純粋であることを示している。
したがって、ドナー動物がGKラットである場合、マーカー定義コンジェニック
動物は、GK特異的領域をのぞいて、レシピエント動物からのすべてのマーカー
を有しており、典型的には長さにして1クロモソーム未満である。
【0025】 したがって、食後のグルコース濃度においてほぼ30%の遺伝的効果を示して
いる、Niddm1のような主要なQTLを、QTLの異なる部分をカバーする
コンジェニック種を確立することによって異なった遺伝的因子内に分類すること
ができる。例えば、コンジェニック種は、Niddm1−GK体質遺伝子を、血
糖正常F344ラットのゲノム上に移入することによって確立することができる
。領域は、長さにして例えば約50センチモルガン(cM)、20cM、10c
Mまたは5cM未満であり得る。本明細書で記述したように、Niddm1a、
Niddm1b、Niddm1i、Niddm1e、Niddm1d、Nidd
m1f、Niddm1gおよびNiddm1hコンジェニック種は、GKのゲノ
ム由来で、ぞれぞれ約52、28、22、3、19、8、13および24cMを
含む。Niddm1座は、重なり合っていないコンジェニック種Niddm1b
とNiddm1iによって定義された2つの遺伝子実体に分かれ、各遺伝子実体
は糖尿病表現型において異なった効果を有する。本発明のコンジェニック動物は
、以下の、食後高血糖の上昇、高血圧、グルコース不耐、インスリン耐性、イン
スリン分泌変化、インスリン活性減少、体重増加、脂質生成障害、グリコーゲン
代謝変化、凝固アテローム性動脈硬化症変化、腎機能変化(例えばネフロパシー
)、眼機能変化(例えば網膜症)、神経機能変化(例えばニューロパシー)、お
よび太大血管障害または細小血管障害の1つまたはそれ以上を含むII型糖尿病
関連表現型を示している。例えば、コンジェニック種Niddm1bおよびNi
ddm1iはそれぞれ、食後グルコース濃度の増加およびin vitroでの
単離した脂肪細胞中の基礎およびインスリン誘導脂質生成を示した。しかしなが
らいくつかの特徴はそれぞれの種に対して固有である。Niddm1iラットは
、in vivoで、インスリン分泌の重度の減少との組合せでインスリン耐性
を示す。Niddm1 QTLの本亜種は、体重の増加、精巣上体脂肪量の増加
、またはトリグリセリドのレベルの増加を発生させなかった。したがって、表現
型は、インスリン分泌における早期欠失を伴うMODYの患者のものと同一であ
る。しかしながら、インスリン分泌欠失がNiddm1i/F344ヘテロ接合
体ラットで観察されなかったので、遺伝の形式は、明らかに劣性形質である。I
PGTT間のインスリン濃度は、若年Niddm1iラットでは減少し、一方で
食後グルコース濃度はF344でよりもわずかに高く、このことはおそらく、こ
の年齢でのインスリン非依存性グルコース処理の重要な寄与を示している。
【0026】 GKラットと同様に、糖尿病患者において、インスリン分泌とインスリン活性
両方の欠失が、疾患の発展に密接に関わっている。これらの欠失の関連病因重要
性はまだ論争の的である。65日齢Niddm1iラットにおいては、食後グル
コース濃度がわずかに上昇するにすぎず、基底グルコースが通常であるので、イ
ンスリン分泌および活性における欠失は、単なるグルコ毒性の結果ではないとみ
られる。特定の機構によって基づくことなく、Niddm1iは、膵臓β細胞中
でのインスリン分泌および脂肪細胞でのインシュリン活性に共通の機構を減じた
可能性がある。インスリンレセプター基質2、IRS−2をコードしている遺伝
子と同様に、マウスにおけるインスリン分泌および活性両方で欠失を引き起こす
。Withers,D.J.et.al.,Nature,1998,391:
900−904。Irs−2遺伝子はヒトにおいてクロモソーム13に、そして
マウスにおいてクロモソーム8に局在している。シンテニー保存に従って、Ir
s−2遺伝子はNiddm1i表現型に関する候補遺伝子ではない。
【0027】 若年Niddm1bおよびヘテロ接合体Niddm1b/F344ラットは、
わずかに食後グルコース濃度が上昇したが、本質的にインスリン濃度が上昇し、
このことは、インスリン耐性が、インスリン分泌の増加によって代償されている
ことを示唆している。高齢ヘテロ接合体ラットにおいては、インスリン活性の欠
失がまだ代償されているが、絶食高血糖、絶食高インスリン血症、体重および精
巣上体脂肪量の増加、ならびに脂質生成障害が起こっているホモ接合体Nidd
m1bラットでは代償されていない。この座は、インスリン耐性が、代謝症候群
での基礎として考えられている、糖尿病患者においてよく認識されている。Ni
ddmlbラットでのインスリン耐性が、主な欠失である可能性があることは、
Niddm1b/F344ヘテロ接合体ラットでもインスリン耐性の兆候が示さ
れているが、他の糖尿病関連表現型のレベルは、通常かまたは通常より低く示さ
れているという事実より支持されている。
【0028】 ヒトにおけるインスリン耐性および糖尿病が、しばしば高トリグリセリド血漿
、LDLコレステロール濃度の増加、およびHDLコレステロール濃度減少に関
連する。Niddm1bラットは、総コレステロールおよびHDLコレステロー
ルの増加とともに、トリグリセリド濃度の増加を示している。総コレステロール
とHDLコレステロール間の差は、LDLとVLDLコレステロール濃度をほぼ
反映しているに違いなく、Niddm1bとF344ラット間で差は観察されな
かった。したがって、Niddm1bでの脂質代謝の障害は、糖尿病患者でのパ
ターンに正確に適用していない。この矛盾はおそらく、ヒトと比較して、齧歯類
の脂質生成障害の顕在化における種特異的差違を反映している。
【0029】 本明細書で説明するデータは、2つの糖尿病座Niddm1bとNiddm1
i間の非対立遺伝子相互作用または上位性の存在を示唆している。F344ラッ
トと比較して、(Niddm1bおよびNiddm1i両方を含む)Niddm
1aにおいて、食後グルコース濃度の増加が、2つの亜種の追加的効果より予想
され得るものよりも重度ではない。生理学的用語における上位性の解釈は、動物
が(GKでのように)さらなる糖尿病遺伝子を含んでいるか、環境ストレスを受
けていない限り、過剰なグルコース濃度に対して器官を保護する逆調節機構が、
高血糖症を制限していることを示唆している。
【0030】 ヒトにおけるNiddm1aに相当する相同的クロモソーム領域は、11q1
3、9p24、および10q24〜26である。興味深いことに、メキシコ人−
アメリカ人集団での糖尿病に関連した座が、最近クロモソーム10q上で報告さ
れた。本発明者らはまた、Niddm1bに相当する、ヒトクロモソーム9p上
で、糖尿病への関連を示唆する座を報告した。
【0031】 本発明のさらなるコンジェニック動物を、第1コンジェニック動物を、1匹ま
たはそれ以上の第2のコンジェニック動物と交配することによって産出してよい
。第1および第2のコンジェニック動物は、各々上述したように、ドナーおよび
レシピエント動物の交配の後、F10世代から得てよい。典型的には、第1およ
び第2のコンジェニック動物は、ドナーから由来した重なり合っていないゲノム
区画を有しており、典型的にはII型糖尿病関連表現型を有する。そのような交
配によって得たコンジェニック動物は、重なり合っていない区画間の上位性相互
作用を評価するために効果的である。
【0032】 コンジェニック動物集団 本発明は、多数のII型糖尿病関連表現型を示しているコンジェニック動物集
団を特徴とする。コンジェニック動物集団は、上述したように、ドナーおよびレ
シピエント動物の交配より同定されるが、F3から少なくともF10世代(例え
ばF12世代)までの多数の動物を含む。そのような動物集団の中の各動物は、
ドナー動物に由来したそのゲノムの約0.1%〜約50%を有している。したが
って、コンジェニック動物集団中の各動物は、ドナー動物から由来した異なる部
分のゲノムを有し、それは、集団中の他のコンジェニック動物とは異なる。
【0033】 本発明のコンジェニック動物集団およびそれより由来する組織、細胞および細
胞抽出物は、II型糖尿病関連表現型の上位性効果を評価するのに効果的であり
、II型糖尿病を処置するために有用である可能性のある薬理学的剤を同定する
のに使用できる。例えば、試験化合物を本発明のコンジェニック動物またはコン
ジェニック動物集団に添加し、食後高血糖の上昇、高血圧、グルコース不耐、イ
ンスリン耐性、インスリン分泌変化、インスリン活性減少、体重増加、脂肪血症
異常、高インスリン欠血症、脂肪合成障害、およびグリコーゲン代謝変化のよう
な糖尿病関連表現型を、対照動物と比較してモニタする。試験化合物を、薬理学
的に許容可能な非毒性賦形剤または担体と混合することによって、薬理学的組成
物内に処方でき、任意の投与経路にて本発明のコンジェニック動物に投与できる
。例えば、皮下、筋肉内、脈管内、皮内、鼻内、吸入、鞘内、または腹膜内投与
のような非経口経路、および舌下、経口、または直腸投与のような腸経路を使用
できる。
【0034】 インスリン分解ポリペプチド 本発明は、天然のポリペプチドと比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含
み、II型糖尿病関連表現型に関連する、単離した、インスリン分解酵素(ID
E)ポリペプチドを特徴とする。本明細書で使用するところの、語句「ポリペプ
チド(polypeptide)」は、長さまたは翻訳修飾に関係なく、任意の
アミノ酸鎖である。アミノ酸は本明細書で、標準の3文字、および1文字略語で
表される。IDE活性または発現に影響を与える薬剤(例えば小分子または生物
学的巨大分子)を、標準の方法で同定できる。
【0035】 IDEは、高い特異性と低いKmにてインスリンと結合し、インスリンの細胞
内処理および分解で重要な役割を演じる金属プロテアーゼである。IDEは、活
性にZn2+が必要であるが、典型的なZn2+結合部位は含んでおらず、HX
XEH活性部位モチーフを含むプロテアーゼの新種に属することを示している。
IDEタンパク質は進化的によく保存されており、このことは、そのインスリン
除去機能に加えて、おそらく他のより複雑な細胞機能を有している。IDEは、
細胞表面、エンドソーム、細胞質、およびペルオキシソームを含む種々の細胞内
区画に局在化し、体内に広く発現している。インスリンはIDEに対するもっと
も大きな親和性を持つ基質であり、このタンパク質は、IDEに結合するが、ほ
とんど分解されないプロインスリン、表皮増殖因子、およびインスリン様増殖因
子−1(IGF−1)、およびIDEに結合し、簡単に分解されるIGF−II
、心房性ナトリウム利尿因子、および形質転換増殖因子−Iのような様々な他の
増殖因子と相互作用する。研究ではまた、IDEが、細胞内タンパク質分解の主
な場所であるプロテオソームと相互作用することが示されたので、他の型の細胞
内タンパク質分解におけるIDEの役割が明らかになった。ほかに、IDEが、
グルココルチコイドおよびアンドロゲンレセプター両方と相互作用することが示
されたので、IDEに関する機能は、ステロイド活性における調節の役割である
ことが明らかにされた。例えば、Authier et al.,Clin.I
nvest.Med.,1996,19(3):149−160を参照のこと。
【0036】 インスリン分解ポリペプチドの改変には、例えばSEQ ID NO:23の
アミノ酸配列の残基18または890での少なくとも1つのアミノ酸置換が含ま
れうる。置換は、保存的であっても、そうでなくてもよい。保存アミノ酸置換は
、アミノ酸を同型のアミノ酸と置換し、一方で非保存アミノ酸置換はアミノ酸を
他の型のアミノ酸と置換する。保存置換の例には、SEQ ID NO:23の
残基18のヒスチジンに対するアルギニン(H18R)、および残基890での
アラニンに対するバリン(A890V)が含まれる。非保存置換は、結果として
ポリペプチドの疎水性の本質的変化、または残基側鎖の大きさの変化となる。さ
らに、非保存置換は、電気陽性電荷の減少、または電気陰性電荷の導入のような
、ポリペプチドの電荷の本質的変化を起こし得る。非保存置換の例には、非極性
アミノ酸に対する塩基性アミノ酸、または酸性アミノ酸に対する極性アミノ酸が
含まれる。
【0037】 本明細書で説明したように、Niddm1b座は、コンジェニック種Nidd
m1eによって定義されたほぼ3.7cMの小さな遺伝的領域にサブマップ化さ
れた。IDEをコードしている遺伝子はこの領域内にマップされ、IDEのGK
特異的対立遺伝子変異体が同定された。GK対立遺伝子の翻訳された領域での2
つのヌクレオチド変異体が、結果としてアミノ酸の変化、H18RおよびA89
0Vとなった。IDE cDNAが12の他のラット種で配列決定され、同定さ
れた変異体の頻度が調査された。A890Vは、GKに固有であるが、一方でH
18Rは解析したラット種のおよそ50%で存在し、このことは、A890V変
異体が、糖尿病表現型に関して重要である可能性を示唆している。さらに、in
vitro発現解析により、両方の変化を含むGK変異体による、インスリン
分解の約30%の減少が示された。H18RおよびA890V変異体が、別々に
研究され、A890Vに対しては明らかな効果は観察されず、H18Rは、イン
スリン分解能力のわずかな減少のみを示した。このことは、2つの変異体が、イ
ンスリン分解における効果を仲介するために、相乗的に作用していることを示し
ている。GK変異体は、Ideトランスフェクト細胞の細胞溶解物中のインスリ
ン分解に、なんの影響も持たないので、IDEにおける欠失は、インスリンのレ
セプター仲介内在化に特異的であり、共役し得る。50%までのインスリンが、
培養した細胞の表面上で直接IDEによって分解されるので、Ide GK変異
体の実際の効果は、まだすべて検出されていないことに注目すべきである。
【0038】 改変インスリン分解ポリペプチドをコードしている核酸 本発明の改変インスリン分解ポリペプチドをコードしている単離された核酸分
子を、標準の技術によって産出できる。本明細書で使用するところの、「単離さ
れた(isolated)」は、改変インスリン分解ポリペプチドをコードして
いる遺伝子の部分またはすべてに相当する配列を意味し、ただし、通常哺乳動物
ゲノム中の野生型遺伝子の1つまたは両方の側に隣接する配列を含まない。単離
されたポリヌクレオチドは、例えば組換え体DNA分子であってよく、天然に存
在するゲノム内の組換え体DNA分子が除去されたか、または存在しない直近で
隣接していることが通常知られている核酸配列の1つまたは両方を提供する。し
たがって、単離されたポリヌクレオチドには、限定はしないが、他の配列から独
立した分離分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産
出されたcDNAまたはゲノムDNA断片)として存在する組換え体DNA、な
らびに、ベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えばレトロウイルス、ア
デノウイルスまたはヘルペスウイルス)内、または真核細胞または原核細胞のゲ
ノムDNA内に組み込まれた組換え体DNAが含まれる。さらに、単離されたポ
リヌクレオチドには、ハイブリッドの一部、または融合ポリヌクレオチドである
組換え体DNA分子が含まれ得る。
【0039】 例えばcDNAまたはゲノムライブラリー、またはゲノムDNA制限消化を含
むゲルスライス内の他の数百〜数百万のポリヌクレオチドの中に存在しているポ
リヌクレオチドが、単離されたポリヌクレオチドと見なされないことは、当業者
に明らかであろう。
【0040】 単離されたポリヌクレオチドは、長さにして少なくとも約14ヌクレオチドで
あり、野生型からの配列内に置換を含む。例えば、核酸は、SEQ ID NO
:22のヌクレオチド68にグアニン、ヌクレオチド2684にチミン、または
ヌクレオチド2817にシトシンを含む。核酸分子は、長さにして約14〜20
、20〜50、50〜100または150以上である。いくつかの実施様態にお
いて、単離された核酸分子は、全長、改変インスリン分解ポリペプチドをコード
している。核酸分子は、DNAまたはRNA、直線または環状、そしてセンスま
たはアンチセンス方向であってよい。
【0041】 特定の点変化は、例えばオリゴヌクレオチド部位特異的変異導入によって、野
生型インスリン分解ポリペプチドをコードしている核酸分子内に導入することが
できる。この方法において、望んだ変化をオリゴヌクレオチド内に導入し、つい
で野生型核酸にハイブリッド形成させる。オリゴヌクレオチドを、DNAポリメ
ラーゼにて伸長させ、導入した点変化の部分でミスマッチを含むヘテロ二本鎖、
および5’末端での一本鎖ニックを作製し、これをDNAリガーゼにて密閉する
。ミスマッチは、大腸菌(E.coli)の形質転換において修復され、改変イ
ンスリン分解ポリペプチドをコードしている遺伝子が大腸菌より再単離できる。
部位特異的変異を導入するためのキットが商業的に購入できる。例えば、Mut
a−Gene7 in−vitro 変異導入キットが、バイオラッド ラボラ
トリー社(Bio−Rad Laboratories,Inc.:Hercu
les,CA)より購入できる。
【0042】 PCR技術もまた、変異を導入するために使用できる。例えば、Vallet
te et al.,Nucleic Acids Res.,1989,17
:723−733を参照のこと。PCRは、標的核酸を増幅する手順または技術
を言う。対象領域の末端から、またはそれを超えた配列情報を典型的に、増幅す
べき鋳型の反対鎖に対する配列と同一であるオリゴヌクレオチドプライマーを設
計するのに利用し、一方、変異導入のためには、望む変化を組み込むオリゴヌク
レオチドを対象の核酸配列を増幅するために使用する。PCRは、全ゲノムDN
Aまたは全細胞RNAからの配列を含むDNAならびにRNAからの特定の配列
を増幅するために使用できる。プライマーは典型的には、長さにして14〜40
ヌクレオチドであるが、長さにして10ヌクレオチド〜数百ヌクレオチドの範囲
であり得る。一般的なPCR技術は、例えばPCRプライマー:研究室マニュア
ル(PCR Primer: A Laboratory Manual),D
ieffenbach,C.及びDveksler,G.編,Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press,1995に記載さ
れている。
【0043】 改変インスリン分解ポリペプチドをコードしている核酸はまた、単一核酸分子
として、または連続したオリゴヌクレオチドとしてのいずれかで、化学合成によ
って産出できる。例えば、長いオリゴヌクレオチド(例えば>100ヌクレオチ
ド)の1つまたはそれ以上の対を、所望の配列を含んで合成でき、各対は、オリ
ゴヌクレオチド対がアニールした時に二本鎖が形成されるように、相補性の短い
区画(例えば約15ヌクレオチド)を含んでいる。DNAポリメラーゼを使用し
てオリゴヌクレオチドを伸長させ、結果として、オリゴヌクレオチド対あたり1
本の二本鎖核酸分子となり、ついでベクター内にライゲーション可能である。
【0044】 改変インスリン分解ポリペプチドの産出 本発明の改変インスリン分解ポリペプチドは、ポリペプチドをコードしている
核酸分子を、発現ベクターのような核酸構造物内にライゲーションし、発現ベク
ターを細菌または真核宿主細胞に形質導入することで産出することができる。一
般的に、核酸構造物には、インスリン分解ポリペプチドをコードしている核酸配
列に作用可能に連結された調節配列が含まれる。調節配列は、典型的には遺伝子
産物をコードしてはおらず、代わりに、核酸配列の発現に影響を与える。本明細
書で使用するところの、「作用可能に連結された(operably link
ed)」は、核酸配列の転写および翻訳を促進する様式での、調節配列の核酸配
列への連結を意味する。調節区画には、例えば、プロモーター配列、エンハンサ
ー配列、応答区画、または誘導可能区画が含まれる。
【0045】 細菌系において、BL−21のような大腸菌(Escherichia co
li)株が使用できる。好適な大腸菌ベクターには、グルタチオンS−トランス
フェラーゼ(GST)との融合タンパク質を産出するベクターのpGEXシリー
ズが限定はしないが、含まれる。形質転換した大腸菌は典型的には指数関数的に
増殖し、ついで、回収の前にイソプロピルチオガラクトピラノシド(IPTG)
で刺激する。一般的に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオ
ン−アガロースに吸着させ、遊離グルタチオンの存在下で溶出することで、溶解
細胞より簡単に精製できる。pGEXベクターは、クローン化した標的遺伝子産
物がGST部位から放出されるように、トロンビン、または第Xa因子プロテア
ーゼ開裂部位を含むように設計されている。
【0046】 真核宿主細胞において、多くのウイルスに基づく発現系が、改変インスリン分
解ポリペプチドを発現するために利用できる。インスリン分解ポリペプチドをコ
ードしている核酸を、例えばpBlueBac(インビトロジェン(Invit
rogen,San Diego,CA)のようなバキュロウイルスベクター内
にクローン化し、ついで、スポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera
frugiperda)(Sf9)細胞に、オウトグラファ カリフォルニカ
(Autographa californica)多重エンベロープ核多角体
病ウイルス(AcMNPV)からの野生型DNAとコトランスフェクトするのに
使用する。改変インスリン分解ポリペプチドを産出している組換え体ウイルスは
、標準の方法論にて同定できる。あるいは、インスリン分解ポリペプチドをコー
ドしている核酸は、SV40、レトロウイルスまたはワクシニアに基づくウイル
スベクター内に導入でき、宿主細胞を感染させるのに使用できる。
【0047】 安定に改変インスリン分解ポリペプチドを発現している哺乳動物細胞株を、適
切な制御区画および選択可能マーカーを持つ発現ベクターを用いることで産出で
きる。例えば、真核細胞発現ベクターpCDNA3.1(インビトロジェン(
Invitrogen,San Diego,CA)が、例えばCOS細胞、H
EK293細胞、または胎児ハムスター腎臓細胞内での改変インスリン分解ポリ
ペプチドの発現に好適である。エレクトロポレーション、DEAEデキストラン
−、リン酸カルシウム−、リポソーム−仲介トランスフェクションまたは他の好
適な方法による発現ベクターの導入の後、安定細胞株を選択できる。あるいは、
一過性にトランスフェクトした細胞株を用いて、改変インスリン分解ポリペプチ
ドを産出する。改変インスリン分解ポリペプチドはまた、小麦抽出物、またはウ
サギ角膜溶解物を用いて、in vitroで転写および翻訳可能である。
【0048】 改変インスリン分解ポリペプチドは、従来のクロマトグラフィー方法、または
標準の技術を用いた化学合成によって精製できる。タンパク質合成技術の概説に
関して、Muir,T.W.and Kent,S.B.,Curr.Opin .Biotechnol. ,1993,4(4):420−427を参照のこと
【0049】 トランスジェニック非ヒト動物 本発明はまた、核酸構造物を含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物を特徴と
する。本明細書で使用するところの、「トランスジェニック非ヒト哺乳動物(t
ransgenic non−human mammal)」には、創始トラン
スジェニック非ヒト哺乳動物ならびに創始動物の子孫が含まれる。核酸構造物に
は、インスリン分解ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドに作用可能
に連結された調節核酸配列が含まれ、それにはII型糖尿病関連表現型に関連し
た少なくとも1つのアミノ酸置換が含まれる。とりわけ有用な置換は以上で記載
している。核酸構造物は、標準の組換え体DNA技術を介して産出できる。
【0050】 トランスジェニック非ヒト哺乳動物は、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、馬、およ
びウサギなどの家畜動物、ラット、モルモット、マウスのような齧歯類、および
ヒヒ、サルおよびチンパンジーのような非ヒト霊長類であってよい。トランスジ
ェニックマウスがとりわけ有用である。
【0051】 本技術分野で公知の種々の技術を、核酸構造物を非ヒト哺乳動物に導入し、ト
ランスジェニック非ヒト哺乳動物の創始系を産出するのに使用できる。そのよう
な技術には、プロヌクレアー マイクロインジェクション(米国特許第4873
191号)、生殖細胞系へのレトロウイルス仲介遺伝子移入(Van der
Putten et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,82:6148,1985)、胚幹細胞内への遺伝子ターゲッティング(Th
ompson et al.,Cell,56:313,1989)、胚のエレ
クトロポレーション(Lo,Mol.Cell.Biol.,3:1803:1
983)およびin vitroでの体細胞の形質転換と、続く核移植(Wil
mut et al.,Nature,385(6619):810−813,
1997、およびWakayama et al.,Nature,394:3
69−374,1998)が限定はしないが、含まれる。
【0052】 いったんトランスジェニック非ヒト哺乳動物が作製されると、インスリン分解
ポリペプチドの発現は、標準の技術を用いて評価できる。初期スクリーニングを
、サザンブロット解析およびPCRによって実施し、トランス遺伝子の取り込み
が行われたかどうかを決定することができる。例えば、サザン解析の記述に関し
て、Sambrook et al.,1989,「分子クローニング、研究室
マニュアル(Molecular Cloning,A Laboratory
Manual)」第二版、Cold Spring Harbor Pres
s,Plainview;NYの第9.37−9.52項を参照のこと。
【0053】 トランスジェニック非ヒト哺乳動物の組織中のインスリン分解ポリペプチドを
コードしている核酸配列の発現は、動物から得た組織標本のノザンブロット解析
、in situハイブリダイゼーション解析、および逆転写酵素PCR(RT
−PCR)を含むが、それらに限定されない技術を用いて評価できる。
【0054】 本発明について以下の実施例においてさらに記載するが、これらは請求項に記
載した本発明の範囲を限定しない。
【0055】
【実施例】実施例1−材料と方法: 純系Fischer−344(F344)ラットを、チャールズリバー ラボ
ラトリーズ(Charles River Laboratories)より購
入し、兄弟姉妹交配により維持した。ラットは水および食べ物を自由に得られる
ようにし、12時間の昼夜サイクル(6am/6pm)で飼育した。特定のラッ
トには120日齢から、2%のコレステロール、20%のオリーブ油、および0
.5%の胆汁酸を標準食に混合した高脂肪食餌を与えた。
【0056】 ラット種GKを、Galli et al.,Nature Genet.
1996,12:31〜37に記載のように得、繁殖させた。GK由来の遺伝的
間隔を、10回の連続戻し交配(F10)および続くヘテロ接合体動物との交雑
によりF344の遺伝的バックグラウンドに移転させ、ホモ接合体コンジェニッ
ク種を確立した。それぞれの世代において、Niddm1領域からの遺伝マーカ
ーを、GK−感受性ハプロタイプの完全性を証明するために用いた。Niddm
1e、Niddm1f、Niddm1cコンジェニック種を、F344との12
の連続戻し交配、続いて交配により繁殖させ、ホモ接合体系統を確立した。
【0057】腹膜内のグルコース耐性試験: 95〜225日齢のオスのラットに対し、前記Galli et al.,1
996,に記載のように腹膜内グルコース耐性試験(IPGTT)を行なった。
動物を6〜7時間絶食させた。体重1kg当たり2.0gのグルコース注入後、
0(基線)、15、30、60、および90分後に血中グルコース濃度を測定し
た。また0、15、30分後に血清免役応答性インスリン濃度を測定した。表1
、2、および3中の血清インスリン濃度はラットインスリンに対するELISA
(Mercodia AB,Uppsala,Sweden)により、製品に記
載の通り測定した。ELISA解析から得たインスリン値(Tg/l)を、17
4倍し、pmol/lに変換した。曲線下面積(AUC)を、基線、15、30
、60および90分でのグルコース測定値(mmol/l×分)から台形の法則
に従い計算した。図2に示したグルコース値およびインスリン値を対応するF3
44の平均値との割り算により標準化し、続いて表2に示すF344の平均値を
掛けた。図2に示した実験におけるF344のグルコース平均値は、5.0(基
点)、18.6(15分)、13.8(30分)、6.6(60分)、そして6
.2mmol/l(90分)である。相当するインスリン平均値は、63(基点
)、200(15分)、および215pmol/l(30分)である。
【0058】脂質解析: トリグリセリド、全コレステロール、およびHDLコレステロールの血清濃度
をVitros TRIG Slides、Vitros CHOL Slid
es(Johnson&Johnson Clin.Diagn.Inc.,U
SA)、およびLiqid N−geneous HDL−c reagent
kit(Biomed−RK,Jonkoping,Sweden)を用いて
測定した。
【0059】脂質生成と脂質分解: オスのラット(75日齢)を、二酸化炭素麻酔後、断頭し、精巣上体の脂肪蓄
積物(1〜2g)を取り除いた。Kamei et al.,Pediatr. Res. ,1997,41:563〜567に記載のように脂肪細胞を調製した
。脂質内へのグルコース取り込み(脂質生成)の研究を、細胞へのグルコース輸
送が速度限界である、グルコース濃度1TMで行なった。脂肪細胞を40mg/
mlのアルブミン(シグマ ケミカル社(Sigma Chemical Co
.),St.Louis,MO)、0.2TMの[H]−グルコース(5×10 cpm)、1.0TMの非標識グルコース、および指示濃度のインスリンを含
む、2%(v/v)濃度の0.5mlのケルビス リンガー(Krebs Ri
nger)リン酸緩衝液(KRP)中でインキュベートした。それぞれのインス
リン濃度において、37℃で2時間、3回解析を行い、4℃まで急冷することに
より反応を終わらせた。脂質へのグルコースの取り込みを、Moody et
al.,Horm.Metab.Res.,1974,6:12〜16に記載の
ように、6.0MのHSO 45Tlおよびトルエン4.0mlを2、5−
ジフェニルオキサゾール(PPO)と混合し、脂肪細胞を含むそれぞれのバイア
ルに加えることにより測定した。バイアルをシンチレーション計数の前に一晩、
室温にて放置した。脂質分解の特徴付けのために、脂肪細胞を40mg/mlの
アルブミン(Sigma)および5.6mmol/lのグルコースを含むKRP
緩衝液中で370℃にて2時間インキュベートした。最終の脂肪細胞懸濁液は1
%(v/v)であった。インキュベーション終了後、培養液の部分標本を、脂質
分解の指標として用いたグリセロール放出の解析のために取り除いた。最大脂質
分解を評価するために、ノルアドレナリン(1nmol/l〜0.1mmol/
l)をインキュベーション培地に加えた。脂質生成と脂質分解は、脂肪細胞の大
きさのみに依存する違いを除去するために、細胞面積当たりで表した。最大イン
スリン誘導脂質生成を、最大でのグルコース取り込み量からインスリンが存在し
ない時のグルコースの取り込み量を引いた差として計算した。最大ノルアドレナ
リン誘導脂質分解の刺激(応答)は、最大グリセロール放出としてそれぞれの個
々の投与−応答曲線から、ノルアドレナリンが存在しない倍の最大グリセロール
放出量を引いたものとして計算した。最大効果の50%(EC50、感受性)を
産出したノルアドレナリン濃度またはインスリン濃度を個々の投与−応答曲線か
ら計算した。
【0060】インスリンmRNA解析: 膵臓中のラットインスリン遺伝子、Ins1およびIns2のRNAレベルを
、半定量RT−PCRにより測定した。5ヶ月齢のオスのラットを7時間絶食さ
せ、膵臓をすぐに、またはグルコース投与後に摘出した。後者の場合、グルコー
ス(2g/kg体重、続いて1g/kg体重)を0分後と60分後に腹膜内に注
射し、ラットを120分後に犠牲死させた。全膵臓RNA(0.75Tg)を、
BRL Superscript II(ライフ テクノロジーズ(Life
Technologies))を用いて、製品に記載の通りに、全量20Tl中
で逆転写した。Ins1およびIns2の2つの転写物を両方のインスリン遺伝
子に共通のプライマー(5’−TTTATTCATTGCAGAGGGGT−3
’、SEQ ID NO:1)を用いて逆転写した。cDNA反応(5Tl)を
Dynazyme DNAポリメラーゼおよび緩衝液(Finnzymes O
y)を含む25TlのPCR溶液中に直接導入した。Ins1およびIns2遺
伝子を、32P標識した特異的なプライマー(Ins1プライマー:5’―GT
GACCAGCTACAATCATAG−3’、SEQ ID NO:2、およ
び5’−GTGCCAAGGTCTGAAGATCC−3’、SEQ ID N
O:3;Ins2プライマー:5’−GTGACCAGCTACAGTCGGA
A−3’、SEQ ID NO:4、および5’−GTGCCAAGGTCTG
AAGGTCA−3’、SEQ ID NO:5)を用いた分離反応にて、94
℃にて3分間変性させ、続いて94℃にて30秒間変性させ、62℃にて30秒
間アニ−ルし、72℃にて1分間伸張させる20サイクル、最終伸張は72℃に
て7分間を行なうことにより、増幅した。インスリン特異的産物がサイクル24
まで指数関数的に増大した。試料(15Tl)を6%のポリアクリルアミドゲル
上で分離し、乾燥させ、放射能で可視化し、リン光体イメージャー解析(Fuj
ix BAS 1000)により定量化した。
【0061】遺伝子型解析およびマーカーの位置測定: ラットを、それぞれの対の一つのプライマーを標識するために、33P−KA
TPを用いたことを除いては、Jacob,H.J.et al.,Cell,
1991,67:213〜224に記載のようにマイクロサテライトマーカーの
PCR増幅により、遺伝子型決定した。新規マーカーの遺伝的マッピングのため
に、GKおよびF344ラットの初めのF2交雑ラットからのもっとも極端なグ
ルコース値を持つ45匹のラットを遺伝子型決定し、マーカーをコンピュータ−
パッケージ、Mapmaker/exp3.0を用いて遺伝子マップ上に位置付
けた。
【0062】新規RFLPマーカーの生成およびサザンブロット解析: ハイブリダイゼーションプローブをRT−PCRまたはゲノムPCRにより、
入手可能なラットcDNA配列および遺伝子特異的なプライマーを用いて合成し
た。全RNAを前記のように調製した。6TgのRNAをBRL Supers
cript II(ライフ テクノロジーズ(Life Technologi
es))を用いて、製品に記載の通り転写した。Jak2プローブに対しては、
1日齢のラット全体を用いて、トータルRNAを逆転写酵素反応(cDNAプラ
イマー:5’−AAGGGCCCGTGGACACGAG−3’、SEQ ID
NO:6)より調製した。2Tlの逆転写酵素反応液を、96℃にて4分間の
変性、続いて96℃にて30秒間の変性、55℃にて1分間のアニ−ル、72℃
にて2分間の伸長の35サイクル、そして72℃にて7分間の最終伸張というP
CRプロフィールを用いた、連続PCR増幅(プライマー:5’−AAGGGC
CCGTGGACACGAG−3’、SEQ ID NO:6、および5’−G
AAGAGCAAAAGCCCACCTG−3’、SEQ ID NO:7)に
導入した。jak2遺伝子は、GK中の断片長が8.6kb、F344では6.
4kbを持つHind III RFLPにより、位置決定した。全膵臓RNA
由来のPnlip mRNAを、5’−ACTACAGAAGTTGAACAC
TCTG−3’(SEQ ID NO:8)の核酸配列を持つプライマーを用い
て逆転写した。PCRの条件は、アニ−ルの温度が50℃であったことを除いて
はjak2反応と同一であった(プライマー:5’−CGATGCCCAGTT
TGTGGATG−3’、SEQ ID NO:9、および5’−ACTACA
GAAGTTGAACACTCTG−3’、SEQ ID NO:10)。最初
の増幅からの1Tlを第二ネスト化PCRの鋳型として用いた(プライマー:5
’−ACTTAGGATTTGGAATGAGC−3’、SEQ ID NO:
11および5’−TTGGGTAGAGTTGGGTTGAT−3’、SEQ
ID NO:12;アニ−ルを53℃にて行なった以外はJak2と同様の条件
)。StuI RFLPを、Pnlip遺伝子を遺伝的に位置決定するために用
いた。GK中の断片は18kbであり、F344中では14および4kbであっ
た。Htr7遺伝子はPnlipと同様の条件のゲノムPCRにより増幅した(
第一PCR増幅のプライマー:5’−CGAAATCATTGGCTGAGAC
TG−3’、SEQ ID NO:13および5’−GGGTACTCTTCT
GAACTGTGG−3’、SEQ ID NO:14;第二繰り込みPCRプ
ライマー:5’−TGGCTTCTGTCTTCTTCTTGG−3’、SEQ
ID NO:15および5’−CTGCTTCCTTACCTGTCCTTA
−3’、SEQ ID NO:16)。MspI RFLPを、GKで5.5k
bおよびF344で4.5kbの断片を生じさせたPnlipに対して同定した
。サザンブロット解析を、ラット肝臓から抽出し、適切な制限エンドヌクレアー
ゼで分解した高分子量DNA(10Tg)で行なった。0.8%アガロースゲル
中での分画およびナイロン膜(Zeta−probe、Bio−Rad)への転
写後、32PK標識RFLPプローブ(ランダムプライミング)を用いて、膜を
プローブ化した。
【0063】Ideの遺伝的位置決定: ハイブリッド形成のためのIdeプローブを、入手可能なラットcDNA配列
(ジーンバンク受け入れ番号(Genbank Accession No.)
X67269 S53969)および遺伝子に特異的なプライマーを用いてRT
−PCRにより合成した。逆転写反応のために、トータルRNAを、前記のよう
に1日齢ラット全体から調製した。6TgのRNAを、BRL Supersc
ript II(ライフ テクノロジーズ(Life Technologie
s))を用いて、製品に記載の通りに、全量で20Tl中で転写した。IDE
mRNAを5’−AGCTGGTGGACAAACAGGAG−3’(SEQ
ID NO:17)の核酸配列を持つプライマーを用いて逆転写し、2Tlの逆
転写酵素反応を続くPCR増幅(プライマー:5’−GTGAACCTGCTG
ATTAACTAAG−3’、SEQ ID NO:18および5’−AGCT
GGTGGACAAACAGGAG−3’、SEQ ID NO:17)に導入
した。使用したPCRプロフィールは、94℃にて4分間の変性、そして94℃
にて30秒間の変性、55℃にて1分間のアニ−ル、および72℃にて2分間の
伸張の30サイクル、および72℃にて7分間での最終伸長であった。サザンブ
ロット解析を前記のように行なった。HincII RFLPを、GKでは2.
7kb、F344では0.7kbの断片を産出したと同定した。
【0064】ラットIDE cDNAの配列決定: 遺伝子特異的なプライマーを用いたRT−PCRにより増幅した3128bp
のラットIde cDNA断片を配列決定した。6Tgのラットの肝臓から調製
したトータルRNAを5’−CTGTTTGTCTCTCTAATTGC−3’
(SEQ ID NO:19)の核酸配列を持つcDNAプライマーを用いた2
Tl逆転写酵素反応に用いた。逆転写酵素反応の2Tlを、Expand Lo
ng Template PCR System(Boehringer Ma
nnheim)を用いて、製品に記載の通りにPCR反応を行なった(PCRプ
ライマー:5’−ATGCGGAACGGGCTCGTGTG−3’、SEQ
ID NO:20および5’−AGCCAGAAACTACTCAAAGC−3
’、SEQ ID NO:21、PCRプロフィールは、94℃にて2分間、そ
して30サイクルの、94℃にて10秒間、54℃にて30秒間、68℃にて2
.5分間、ただし最後の20サイクルにおいてはそれぞれ68℃にて20秒間延
長し、そして68℃にて7分間の最終伸長である)。RT−PCR産物のDNA
配列をABI PRISM BigDye Terminator Cycle
Sequencing Ready ReactionキットおよびIde特
異的プライマーを用いて、ABI PRISM 377セミオートマチックシー
クエンサー(アプライド バイオシステムズ(Applied Biosyst
ems)、USA)にて決定した。
【0065】プラスミド構築およびCOS1細胞トランスフェクション: GKおよびF344からのIde mRNAを、上述したように、制限部位を
伴って伸長するプライマーを用いて、RT−PCRにて増幅した。完全な翻訳領
域を含む得られた3.1kb cDNA産物を、サイトメガロウイルスプロモー
ターの制御下、発現ベクターpCMV4(D.W Russel,Dept.o
f Mol.Gen.,University of Texas South
western Medical center)のBglIIおよびMluI
制限部位内にライゲーションした。得られた構造物pCMV4−Ide(GK)
およびpCMV4−Ide(F344)内のIde cDNA挿入物を配列決定
し、PCR人工産物を排除した。内部制限部位を使用して、GK配列変異体産出
pCMV4−Ide(H18R)およびpCMV4−Ide(A890V)を分
離した。約6×10個のCOS−1細胞に、エレクトロポレーション(バイオ
ラッド ジーン パルサー(Bio−Rad Gene Pulser)、Ri
chmond CA;1200,V25TF)によって、1Tgのβ−ガラクト
シダーゼベクターpCH110(ファルマシア(Pharmacia)、Swe
den)とともに10TgのpCMV4−Ideプラスミドを一過性にトランス
フェクトした。
【0066】インスリン分解活性のアッセイ: トランスフェクトしたCOS−1細胞を6cmペトリディッシュにまき、36
時間、10%ウシ血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中でイン
キュベートした。続いて、細胞をPBSにて2回洗浄し、1mg/ml BSA
を含む3mlのDMEM中37℃で前インキュベートし、1mg/ml BSA
と15,000cpm/mlの125I−インスリン(標識インスリンの非標識
インスリンに対する比、1:150)を含む2ml DMEM中でインキュベー
トした。100Tlの3通りの分液を、インスリンの添加後30、45および6
0分の時点で取り除き、分解していないインスリンを25%TCAの1容量にて
、氷上で30分間沈殿させた。サンプルは14000rpmで20分間遠心分離
され、上澄みが回収され、分解していないインスリンの量は放射能活性計数によ
って測定された。細胞をさらに2回PBSにて洗浄し、DMEM中で2時間イン
キュベートし、トリプシン処理し、PBSにて3回洗浄した。細胞(およそ3×
10細胞/プレート)を、300Tlの0.5mg/ml BSA含有100
mMリン酸緩衝液(pH=7.4)中で15秒間の超音波処理によって均質化の
ために回収した。ホモジネートを350gにて10分間遠心し、インスリン分解
活性、タンパク質濃度(Bradley ANDREJ)、β−ガラクトシダー
ゼ活性(Maniatis ANDREJ)の測定、およびウエスタン解析のた
めに上清を回収した。1Tgタンパク質を含む細胞溶解物の3通り分液を、2,
000cpmの125Iインスリンを含む100Tlのアッセイ緩衝液中で37
℃にて15分間インキュベートし、分解したインスリンの量を上記のように測定
した。すべての実験において、(pCMVプラスミドをトランスフェクトした細
胞中の)バックグラウンドCOS1インスリン分解活性は、野生型ラットIDE
を発現している細胞の20〜25%であった。IDEタンパク質は、M.R.R
osner博士(ANDREJ Adrress)よりご供与いただいたIDE
抗体を用いて、標準の手順に従って免疫ブロットにより検出した。
【0067】実施例2−Niddm1副座の特徴付け: 正常血糖F344ラットのバックグラウンドゲノム上へのGK−Niddm1
糖尿病感受性対立遺伝子の移入を可能にするように飼育プロトコールを確立した
。長い区画をGKからF344ヘ移入し、このクロモソーム領域での感受性遺伝
子が欠失していないことを確かにした(図1)。コンジェニック種F344.G
K−Niddm1a(Niddm1a)のGK特異的領域は、52∀3cM長で
あり、およそ15cMの追加的GK対立遺伝子が隣接したNiddm1に関して
すでに定義された、完全な20cM 95%信頼区間を含んだ。多くの亜種をN
iddm1aより産出し、Niddm1感受性遺伝子/遺伝子群の局在を定義し
た。これらの種のうち2つ、F344.GK−Niddm1a(Niddm1b
)およびF344.GK−Niddm1i(Niddm1i)が、28∀1 c
Mおよび22∀1 cMのGK間隔を保持した。2つのGK領域を分離している
2つのマーカー(Cyp2c12およびD1Mgh29)がF344対立遺伝子
に関してホモ接合体であるので(図1)、Niddm1bとNiddm1iにお
けるGK領域は、個別であり、重なり合っていない。すべてのコンジェニック種
を、戻し交配10世代を経、遺伝的に純粋な動物を得た。種の純粋さを確認する
ために、ゲノム幅アッセイを、平均20cMの空間を持つ111マーカーで実施
した。糖尿病関連表現型に関する公知の座を解析するために特別に注意を払った
。GK由来対立遺伝子の残余はみられなかった。
【0068】 IPGTTを用いて、もともとのF2−交雑種中のNiddm1座を想定し、
またコンジェニック種を特徴付けするのに適用した。さらなる動物をテストする
ために、IPGTTをより老齢ラットにて実施した(70日と比較して95日)
。完全なNiddm1クロモソーム領域(52cM)を持つNiddm1aラッ
トは、IPGTTの間、グルコース耐性においてF344と明らかに異なった(
図2A)。F344と比較して、グルコースAUCがNiddm1a(p=0.
0007)、Niddm1b(p=0.002)およびNiddm1i(p=0
.00001)にて有意に高かった。15および30分の時点での血清インスリ
ン濃度は、F344でのものに比べてNiddm1iにて有意に低かった(p=
0.01および0.002)。F344ラットでNiddm1a、Niddm1
bまたはNiddm1iを比較したときに、本実験では体重の差違は観察されな
かった。もっとも明白な差違は、グルコース注入の15分後に観察され、Nid
dm1aの平均グルコース濃度がF344(p=0.0005)でのものよりも
4.0mmol/l(26%)高かった。また、Niddm1座の分離部分を持
つ2つのコンジェニック種は、対照F344ラットと比較して有意に高い食後グ
ルコース濃度を示した。
【0069】 対照F344ラットと比較した、Niddm1bおよびNiddm1iのIP
GTTの結果を図2Bに示している。グルコース注入後15分の時点で、Nid
dm1bとNiddm1iラットは、F344にくらべて2.3mmol/l(
15%)および4.7mmol/l(31%)高いグルコース濃度を示した(p
=0.008およびp=0.00005)。2つの亜種(Niddm1bおよび
Niddm1i)に関するF344に対するAUC増加の合計は、親株(Nid
dm1a)のAUC増加よりも明確に大きかった。Niddm1aの171と比
較して、Niddm1bおよびNiddm1iの合計AUCは325であり、こ
のことは明らかに、非対立遺伝子相互作用(エピスタシス)がNiddm1座内
で働いていることを示唆している。
【0070】 Niddm1bと比較した場合のNiddm1iの識別特徴は、15および3
0分の時点での有意に低い血清インスリン濃度である(p=0.03およびp=
0.002)。注入後15および30分の時点で、Niddm1iのインスリン
値は、F344に比べて、385pmol/l(27%、p=0.012)およ
び294pmol/l(24%、p=0.002)低かった(図2D)。F34
4と、Niddm1aまたはNiddm1bいずれかを比較した場合に、インス
リン濃度に有意な差は観察されなかった(図2CおよびD)。Niddm1iと
Niddm1b両方が、グルコース濃度に影響を与えるが、クロモソーム1の異
なる部分をカバーしており、in vivoでのグルコース刺激インスリン分泌
の主要な差違を示しているので、Niddm1座が、少なくとも2つのグルコー
ス恒常性に影響を与える分離遺伝子含んでいることが明らかである。
【0071】実施例3−Niddm1bおよびNiddm1iでの糖尿病進行: Niddm1bおよびNiddm1i座でのGK対立遺伝子に関連した糖尿病
表現型をさらに調査するために、コンジェニックラットを、見込み研究において
、異なる年齢で研究した。座におけるそれぞれのGK体質遺伝子の表現型的効果
を特徴付けするために、GK/F344ヘテロ接合体動物も研究した。ヘテロ接
合体動物は、Niddm1bまたはNiddm1iをF344と戻し交配して産
出した。これらの動物はNiddm1b/F344およびNiddm1i/F3
44と表示し、各座でのヘテロ接合体性質を示した。F344ラットからのホモ
接合体(GK/GK)またはヘテロ接合体(GK/F344)中にNiddm1
bまたはNiddm1i座を持つオスラットに、65および95日の時点でIP
GTTを実施した。185日齢の時点で、血中グルコース、血清インスリン、ト
リグリセリド、総コレステロールおよびHDLコレステロールの基礎レベルを決
定し、続いて、動物を犠牲死させ、精巣上体脂肪貯蔵体を計量した。
【0072】 65日の時点で、Niddm1bとNiddm1b/F344が、F344ラ
ットと比較して、IPGTTの間の早い時点(15および30分)で、食後グル
コース濃度(mmol/l)のわずかな上昇を示した(表1)。しかしながら、
基礎および30分血漿インスリン濃度(pmol/l)が、Niddm1bおよ
びNiddm1b/F344において有意に高かった(表1)。
【表1】
【0073】 Niddm1bおよびNiddm1b/F344での基準インスリン濃度(p
mol/l)は、F344と比較して、58%および42%高く、注入後30分
時点の相当する増加は、97%および72%であった。図2で示した実験にした
がって、中年齢(95日)Niddm1bラットでの食後グルコース濃度(mm
ol/l)はF344での濃度に比べて有意に高かった(表2)。
【表2】
【0074】 Niddm1b/F344とF344の間で、グルコース濃度における差は観
察されなかった。この日齢で、ヘテロ接合体動物中の血清インスリン濃度はまだ
わずかに高かった(15および30分)。反対に、ホモ接合体動物で、わずかな
インスリン減少が観察された(表2)。Niddm1bでのインスリンレベルは
、IPGTTの間、F344とは有意に異なっていなかったけれども、インスリ
ン分泌が、グルコース濃度の増加を考慮して減損された。
【0075】 より後期(185日)に、Niddm1bでの基準グルコースおよび基準イン
スリン濃度はF344ラットにおける濃度よりも有意に高かった(表3)。トリ
グリセリドおよびHDLコレステロールの濃度もまた、Niddm1bにおいて
、F344ラットにおけるよりも有意に高く(表3)、一方で総コレステロール
濃度は異ならなかった。Niddm1bラットでのコレステロール濃度に比べて
、ヘテロ接合体ラット(Niddm1b/F344)中の総コレステロール濃度
およびHDLコレステロール濃度両方が、F344ラット中の濃度よりも有意に
低かった。Niddm1b/F344とF344の間では基礎グルコース、イン
スリン又はトリグリセリド濃度における差異は観察されなかった。更に、Nid
dm1bラットは本実験群(表1〜3)で、F344ラットに比べて有意に重く
(65、95および185日の時点でそれぞれ10%、9%および6%)、精巣
上体脂肪重量は18%まで増加した(表3)。Niddm1b体重の増加は、第
一実験では観察されず、このことは、単に幼少期の間の栄養の違いの結果を反映
している可能性が排除できない。しかしながら、体重に対する遺伝的関連が、N
iddm1bに相当する領域でのGKラットの本来の遺伝的解析で観察された。
上記Galli et al.,1996を参照のこと。
【表3】
【0076】 Niddm1iラットにおいて、95日での食後グルコース濃度は、F344
ラットと比較して、有意に高かった(表2)。さらに、第一実験群(表2)と同
様に、IPGTTの間の血清インスリン濃度はNiddm1iラットにおいてよ
り低かった(表2)。また、65日齢Niddm1iラットにおいて、インスリ
ン濃度が、F344ラットと比較して低く、このことは、Niddm1iにおけ
る明白な、そして早期のB細胞欠失を示唆している。グルコース注入の15分後
に、血中グルコース濃度がわずかに上昇したにもかかわらず、Niddm1iラ
ットでのインスリン濃度は、F344ラットのものの56%であった(表1)。
65または95日の時点で、Niddm1i/F344とF344ラット間で、
グルコースまたはインスリン濃度における主要な差違はみられなかった。185
日齢にて、Niddm1iおよびNiddm1i/F344両方でHDLコレス
テロールが高いことを除いて、Niddm1i、またはNiddm1i/F34
4いずれもが、任意の解析した表現型に関してF344と異ならなかった(表3
)。
【0077】実施例4−脂肪細胞でのインスリン活性: Niddm1表現型をさらに特徴付けするために、脂肪細胞を、75日齢のラ
ットの精巣上体脂肪貯蔵から単離した(Niddm1i、Niddm1b、F3
44およびGK)。脂質生成を、インスリンの濃度の増加に対する応答での、脂
質内への放射活性グルコースの取り込みとして測定した。F344ラットと比較
して、Niddm1bとNiddm1iラット両方からの脂肪細胞において、有
意に低い基準およびインスリン誘導脂質生成があったが、GKラットからの脂肪
細胞よりも有意に高く、このことは、インスリンの活性の重度の減少を示してい
る(図3)。コンジェニック種Niddm1bとNiddm1iの間で有意な差
はなかった。インスリン誘導脂質生成のEC50は、インスリン感受性での種内
差を表さなかった。さらに、脂肪分解を、単離した脂肪細胞からのグリセロール
放出を測定することで研究した。基礎脂肪分解またはノルアドレナリン誘導脂肪
分解のいずれでも有意な差は観察されなかった。このことは、インスリン活性に
て観察された差が、経路特異的欠失を反映しているが、一般的脂肪細胞不全を反
映してはいないことを示している。
【0078】実施例5−候補遺伝子機能およびシンテニー保存: インスリン1遺伝子(Ins1)は、Niddm1i内に含まれ、グルコース
恒常性減損を引き起こす変異の候補であったGK区画内で局在化されている。両
方の種が、膵臓において、同様の比較的多量のIns1とIns2mRNAを含
んでいるけれども、GKおよびF344ラット間のIns1プロモーター配列で
の差が、転写開始部位に関連したヌクレオチド位置−258bpで報告されてき
た。上記Galli et al.,1996。さらに詳細に、本遺伝的変異体
の潜在的な役割を調査するために、Ins1およびIns2に対する安定状態m
RNAの膵臓濃度を、7時間の断食期間後、および繰り返しグルコース注入の2
時間後、GK、F344およびNiddm1iラット(n=4)での半定量RT
−PCRにて見積もった(図4)。F344と比較して、インスリン応答の減損
がIPGTTの間に見られたにもかかわらず、総インスリンmRNA濃度は、N
iddm1iラットで30%高かった。しかしながら、Ins1とIns2の相
対的発現は、基準またはグルコース刺激状態いずれにおいても、種間で異ならな
かった。したがって、Ins1は、Niddm1i表現型に対する候補として排
除される。インスリンRNAデータは、Niddlmiで観察されたインスリン
分泌の欠失が、インスリン転写の調節の下流に局在することを示している。
【0079】 ヒトおよびマウスにおけるNiddm1に相当する相同領域の情報が、候補遺
伝子の局在化、およびII型糖尿病に関連した他の感受性座を伴うNiddm1
ラット座、またはヒトまたはマウスでのその関連した表現型の比較のために重要
である。ラットクロモソーム1上で先にマップされた遺伝子およびラット、ヒト
およびマウス間で保存されたシンテニーによっておおよそ導かれて、3つの新規
な遺伝子が、ラットクロモソーム1上のNiddm1座にマップされた。これら
は、(図1で太字で示した)Janusキナーゼ2(JAK2)、5−ヒドロキ
シトリプタミンレセプター7(HTR7)、および膵臓リパーゼ(PNLIP)
をコードしている遺伝子である。このことは、Niddm1座とヒトクロモソー
ム領域9p24間の相同性を示しており、さらには、ラットクロモソーム1、ヒ
トクロモソーム領域10q24−26、およびマウスクロモソーム19間のシン
テニー保存を確かにしている(表4)。
【表4】
【0080】実施例6−コンジェニック亜種および関連表現型: Niddm1bのさらなる特徴付けのために、コンジェニック亜株を確立した
。Niddm1bラットを、F344に戻し交配し、組換え体をGK区画内で同
定した。GK区画の異なる部分をカバーしている3つの組換え体を選択し、ホモ
接合体株をGK対立遺伝子に関して確立した。得られたコンジェニック種、F3
44.GK−Niddm1c(Niddm1c)、F344.GK−Niddm1
f(Niddm1f)、およびF344.GK−Niddm1e(Niddm1
e)は、GK対立遺伝子の、それぞれ、23∀1cM、7.6∀1cM、および
3.7∀2cMを保持した(図5)。
【0081】 腹膜内グルコース耐性試験をNiddm1を同定するために、ならびにNid
dm1bおよびNiddm1i亜座を定義するために使用したので、同様の試験
を、1c、1eおよび1f種を特徴付けするために適用した。Niddm1b内
の感受性遺伝子をマップするために、新規コンジェニック亜種(Niddm1e
、Niddm1f、およびNiddm1c)およびF344からのラットを、9
5日齢時にIPGTTにかけた。Niddm1bと同様に、Niddm1eおよ
びNiddm1f両方における腹膜内グルコース濃度が、F344の場合と比べ
て有意に高かった(表5)。最も明白な差は、グルコース注入後30分の時点で
観察され、その時、グルコース濃度は、Niddm1eおよびNiddm1f両
方で21%であった。基礎および30分インスリン濃度もまた、F344におい
てよりも有意に高かった。グルコースまたはインスリン濃度における有意な差は
、Niddm1cとF344の間では観察されなかった。
【表5】
【0082】 さらなる特徴付けのために、コンジェニック種を、多量の脂質を含む食事での
処置の後に調査した。Niddm1e、Niddm1fおよびF344ラットを
、120日齢時点で開始して、実施例1で記述した高脂質食事で処置した。ラッ
トをIPGTTにかけ、トリグリセリド、総コレステロール、およびHDLコレ
ステロールの基準を225日齢時に測定し、続いて動物を犠牲死させ、精巣上体
脂肪貯蔵を計量した。この年齢にて、食後グルコース濃度は、Niddm1eお
よびNiddm1fにて、F344と比較してまだ有意に高かった(表6)。9
5日の時点でのIPGTTとは対照的に、グルコース注入後のより遅い時点で差
がより顕著であった(表5)。注入後90分の時点で、両コンジェニック中のグ
ルコース濃度は、F344に比べておよそ30%高かった。基礎インスリン濃度
は、コンジェニックにおいて、F344に比べて有意に高かったが、しかしグル
コース注入後のインスリン濃度は高くなかった。この日齢において、体重および
腹膜内脂肪重量両方の増加が観察されたが、しかし、Niddm1eで有意に増
加したのみであった。
【表6】
【0083】 実施例2で記述したように、Niddm1bにおける基礎およびインスリン誘
導脂肪分解は、F344と比較して有意に減少した。同様の試験をNiddm1
b亜種、Niddm1eおよびNiddm1fおよび対照F344にて実施した
。脂肪分解はまた、F344と比較して、Niddm1eおよびNiddm1f
両方において減少した(図6)。これらのデータに基づいて、Niddm1b糖
尿病感受性遺伝子/遺伝子群が、Niddm1eの3.7cM GK区画に局在
化される。
【0084】実施例7−DNA配列解析およびIdeの発現: 候補遺伝子を、ヒトおよびマウスからの遺伝的マッピングデータを用いて同定
した。シンテニーが、ラットクロモソーム1ヒトクロモソーム9および10、お
よびマウスクロモソーム19上のNiddm1領域間で保存されている。先に糖
尿病に関する候補として考えられてはいなかった1つの遺伝子は、インスリン分
解酵素(IDE)をコードしている遺伝子であり、これは、ヒトクロモソーム1
0q24およびマウス19にマップされた。Ide遺伝子は、制限断片長多型(
RFLP)解析によって、Niddm1eのGK区画内のラットクロモソーム1
上に遺伝的にマップされた(図5)。
【0085】 IDEタンパク質構造の変化が、Niddm1eの表現型を説明する可能性を
調査するために、IDEのcDNA配列を、GKおよびF344ラットで決定し
た。遺伝子の完全翻訳部分の配列決定によって、GKとF344ラットの間に3
つのヌクレオチドの違いが明らかになり、コード領域の5’−末端に1つ(コド
ン18)、3’末端に2つ(コドン890および934)である(図7)。これ
らの2つはアミノ酸変化を起こし、コドン18でのCACからCGCの変化は、
結果としてヒスチジンに対するアラニンの置換、コドン890におけるGCGか
らGTGの変化は、結果としてアラニンに対するバリンの置換となる。第三の変
異体はサイレントであり、コドン934の最後の塩基が変化している(GATが
GACに)。さらに、IDE cDNA配列を12の他のラット種(DA、PV
G/RT1、PVG/Bk、Lew、ACI、BN、Cop、BB、W、SD、
FRLおよびFSL)で決定した。A890V変異体はGKにとって特有であり
、一方でH18Rはまた、種DA、ACI、SD、FRLおよびFSLにて見ら
れた(表7)。
【表7】
【0086】 IDEのGK変異体の効果を研究するために、インスリン分解活性を、in
vitro発現系で測定した。IDEは、トランスフェクトしたCOS1細胞で
過剰発現しており、細胞溶解物の、インスリンを加水分解する能力を研究した。
抗IDE抗体を用いたウエスタンブロット解析によって、トランスフェクトした
IDE cDNAが確認された。GK対立遺伝子における2つのアミノ酸変異体
、H18RおよびA890Vを、別々に、または組み合わせて研究した。H18
RおよびA890V両方を含むGK対立遺伝子をトランスフェクトしたもともと
の細胞におけるインスリン分解活性は、対照と比較して34%(p<0.001
)減少した(図8)。2つの変異体を別々に解析した場合、H18Rのみが野生
型の活性のわずかな減少(89%)、対照と比較してp<0.001を示し、一
方、A890Vは正常であり、このことは、2つの変異体の相乗作用を示唆して
いる。細胞溶解物において、正常変異体と比較して、インスリン分解におけるG
K対立遺伝子に関して差は観察されなかった。
【0087】 Niddm1eは、食後グルコース濃度の増加、単離した脂肪細胞での基礎お
よびインスリン誘導脂質生成の減損、体重および腹膜内脂肪量の増加、および高
インスリン血症を示した。さらに、Niddm1eを、3.5ヶ月の期間、高脂
肪食で処理し、続いてこのラットを7.5ヶ月の時点でIPGTTにかけた。こ
の年齢の時点で、F344と比較した場合に、グルコース濃度の最も明白な差が
、グルコース注入のさらに後の時点で観察され、より速い時点での若い動物では
見られなかった。したがって、糖尿病座Niddm1bは、コンジェニック種N
iddm1e中の3cM領域であると再定義される。
【0088】 これらのデータは、IDEをコードしている遺伝子が、GKラットでの糖尿病
表現型を部分的に説明しており、細胞内でのその多重活性のいくつかを通して、
Niddm1eにおける高血糖およびインスリン耐性を引き起こしている。いく
つかの他の研究が、インスリン耐性と糖尿病に関連したインスリンクリアランス
の減少を示しており、このことは、インスリン分解における減少が、糖尿病表現
型を仲介可能であることを示唆している。可能性のある分子的説明は、末梢組織
において、そのレセプターに結合したインスリンの細胞内分解の減少が、インス
リンレセプターの、細胞膜へ戻る再循環を阻害し、したがって、細胞内の利用可
能なレセプターの数が減少するというものである。
【0089】実施例8−NiddmCコンジェニック動物: 上記Galli et al.,1996にて記述されたように、ゲノム幅連
結解析を使用して、糖尿病関連表現型に対する遺伝的連結を示しているクロモソ
ーム領域を局在化した。糖尿病関連表現型に対する連結に関する密接なゲノム幅
調査のために、GKとF344ラット間で作製した交雑子孫のF2集団を、性お
よび相互交配に関して別々に、すべてのF2動物と一緒に解析した。表8は、少
なくとも1つの糖尿病関連表現型に関して、3以上のLOD(オッズ比の対数)
を持つ座を記述している。各クロモソーム領域の中央に位置するマーカーを表8
に示している。これはおよそ25cMの中央に局在しており、糖尿病関連表現型
に関するこれらのQTLのそれぞれを含む。
【0090】 NiddmC群のコンジェニック動物(NiddmC2、NiddmC3、N
iddmC5、NiddmC7、NiddmC9A、NiddmC9B、Nid
dmC10、NiddmC11、NiddmC13、NiddmC18、Nid
dmC(13+15)、NiddmC(9+13+15))を、F344上にG
Kを戻し交配し、各世代で(ドナー)対立遺伝子由来の最大GKを欠失している
子孫を選択すること(マーカー補助選別、Whittaker et al., Genet Res. ,66(3):255−65,1995、およびDarv
asi,Nat Genet.,18(1):19−24,1998を参照のこ
と)によって産出した。
【0091】 表9で列記したマイクロサテライトマーカーは、GKとF344の交雑からの
F2子孫において同定されたQTLをカバーしている。これらのマーカーは、G
KとF344対立遺伝子間を見分け、コンジェニック動物を産出するための戻し
交配の後にGK対立遺伝子を表示する。それぞれのコンジェニック種の産出の間
に選別した、糖尿病関連QTLを表9に列記し、つづいて各QTL内でのGK由
来対立遺伝子を定義したマイクロサテライトマーカーを列記している。この選別
したクロモソーム領域外のすべての他の試験したマーカーはF344特異的遺伝
子型を示した。バックグラウンドマーカーは、ラットゲノムにそっておよそ50
cMごとに局在し、最大量のGK由来(ドナー)バックグラウンドを欠失してい
る各戻し交配世代での子孫を選択することによって、特異的に選別された。
【0092】 表10は、II型糖尿病に関連した表現型(肥満、インスリン抵抗性、グルコ
ース不耐および異脂肪血症)を調節する代謝症候群QTLのまとめを提供してい
る。クロモソーム領域に連結した表現型はF2集団で見られる。コンジェニック
動物は、各著名な座に関して生成され、表現型は、少なくとも5匹の異なるコン
ジェニック動物内で確認された。
【表8】
【表9】
【表10】
【0093】 他の実施形態 本発明が、その詳細な記述と関連して記述される一方で、以上の記述は本発明
の範囲を例示する意図であり、限定するものではなく、付随する請求項の範囲に
よって定義される。他の観点、利点および改変は、請求項の範囲内である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンジェニック種Niddm1a、niddm1b、およびNiddm1iで
のラットクロモソーム1の遠位部分の遺伝子マップである。
【図2】 Niddm1コンジェニックおよびF344ラットの腹膜内グルコース耐性試
験を図示したグラフである。
【図3】 F344、GK、Niddm1b、およびNiddm1iラットでのインスリ
ンによって刺激される合成の結果として、脂質内へのグルコースの取り込みを図
示したグラフである。
【図4】 GK、F344およびNiddm1ラットでのインスリンRNAの定量的解析
を示したグラフである。
【図5】 コンジェニックラット種Niddm1b、Niddm1c、Niddm1fお
よびNiddm1eラットでの、ラットクロモソーム1の部分の遺伝的マップで
ある。
【図6】 精巣上体脂肪から単離した脂肪細胞における脂質生成を図示したグラフである
【図7】 ラットインスリン分解酵素(IDE)をコードしている遺伝子の翻訳部分の概
略図である。
【図8】 もともとのCOS−1細胞内での、野生型IDEおよびIDE変異体A890
V(すなわち、アミノ酸890の位置でアラニンの代わりにバリンであるもの)
、H18R(すなわち、アミノ酸18の位置でヒスチジンの代わりにアルギニン
であるもの)、およびA890V+H18Rのインスリン分解活性を図示してい
るグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 5/00 E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 BA14 CA04 DA02 EA04 GA14 HA01 4B050 CC04 DD11 LL03 LL10 4B065 AA90X AA91Y AC14 BA03 CA33 CA44 CA46

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドナー動物およびレシピエント動物の遺伝的物質を含む非ヒ
    トコンジェニック動物であって、前記コンジェニック動物がII型糖尿病関連表
    現型を示し、前記コンジェニック動物のゲノムの約1未満のクロモソームが前記
    ドナー動物から由来し、前記ドナーからの前記遺伝的物質が前記コンジェニック
    動物での前記II型糖尿病関連表現型の発現に必要である、非ヒトコンジェニッ
    ク動物。
  2. 【請求項2】 前記コンジェニック動物がマーカー定義される、請求項1に
    記載の動物。
  3. 【請求項3】 約50cM未満の前記コンジェニック動物ゲノムが、前記ド
    ナーから由来する、請求項1に記載の動物。
  4. 【請求項4】 約20cM未満の前記コンジェニック動物ゲノムが、前記ド
    ナーから由来する、請求項1に記載の動物。
  5. 【請求項5】 約10cM未満の前記コンジェニック動物ゲノムが、前記ド
    ナーから由来する、請求項1に記載の動物。
  6. 【請求項6】 約5cM未満の前記コンジェニック動物ゲノムが、前記ドナ
    ーから由来する、請求項1に記載の動物。
  7. 【請求項7】 前記II型糖尿病表現型が、食後血糖の上昇、高血圧、グル
    コース不耐性、インスリン耐性、異常インスリン分泌、インスリン活性減少、体
    重増加、異脂肪血症、高インスリン血漿、脂質生成障害、グリコーゲン代謝変化
    、凝固アテローム性動脈硬化症変化、腎機能変化、神経機能変化、眼機能変化、
    肥満および炎症からなる群より選択される、請求項1に記載の動物。
  8. 【請求項8】 前記ドナー動物のゲノムが、Niddm1aゲノム区画を含
    む、請求項1に記載の動物。
  9. 【請求項9】 前記ドナー由来の前記コンジェニック動物のゲノムが、Ni
    ddm1eゲノム区画を含む、請求項1に記載の動物。
  10. 【請求項10】 前記ドナー由来の前記コンジェニック動物ゲノムが、Ni
    ddm1a、Niddm1b、Niddm1c、Niddm1d、Niddm1
    e、Niddm1f、Niddm1g、Niddm1hおよびNiddm1iか
    らなる群より選択したゲノム区画から選択される、請求項1に記載の動物。
  11. 【請求項11】 前記ドナー由来の前記コンジェニック動物のゲノムが、N
    iddmC2、NiddmC3、NiddmC5、NiddmC7、Niddm
    C9A、NiddmC9B、NiddmC10、NiddmC11、Niddm
    C13、NiddmC18、NiddmC(13+15)、およびNiddmC
    (9+13+15)からなる群より選択したゲノム区画から選択される、請求項
    1に記載の動物。
  12. 【請求項12】 前記コンジェニック動物の実質的にすべてのミトコンドリ
    アが、前記レシピエント動物または前記ドナー動物のいずれかから由来する、請
    求項1に記載の動物。
  13. 【請求項13】 前記コンジェニック動物の実質的にすべてのミトコンドリ
    アが、前記レシピエントから由来する、請求項1に記載の動物。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のコンジェニック動物の単離細胞。
  15. 【請求項15】 前記細胞が、脂肪細胞、血管間膜細胞、肝細胞、膵臓細胞
    、筋肉細胞、内皮細胞および神経細胞からなる群より選択される、請求項14に
    記載の細胞。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載のコンジェニック動物から由来した組織培
    養物。
  17. 【請求項17】 前記培養物が、脂肪組織、血管間膜組織、肝臓組織、膵臓
    組織、筋肉組織、血管組織、および神経組織からなる群より選択される、請求項
    16に記載の組織培養物。
  18. 【請求項18】 前記コンジェニック動物が、非ヒト哺乳動物、昆虫および
    鳥類からなる群より選択される、請求項1に記載のコンジェニック動物。
  19. 【請求項19】 前記非ヒト哺乳動物が、齧歯類動物またはブタである、請
    求項1に記載のコンジェニック動物。
  20. 【請求項20】 前記齧歯類動物がラット、マウスまたはモルモットである
    、請求項19に記載のコンジェニック動物。
  21. 【請求項21】 前記齧歯類動物がラットである、請求項20に記載のコン
    ジェニック動物。
  22. 【請求項22】 複数の非ヒトコンジェニック動物を含む非ヒトコンジェニ
    ック動物集団であって、前記コンジェニック動物が複数のII型糖尿病関連表現
    型を示し、前記複数のコンジェニック動物内の各コンジェニック動物はドナー動
    物およびレシピエント動物からの遺伝的物質を含み、約0.1%〜約50%の各
    コンジェニック動物のゲノムは前記ドナー動物から由来し、前記ドナー動物由来
    の前記遺伝的物質が各前記コンジェニック動物での前記II型糖尿病関連表現型
    の発現に必要である、非ヒトコンジェニック動物集団。
  23. 【請求項23】 薬理学的に活性な化合物を試験する方法であって、 a)試験化合物を、II型糖尿病関連表現型を示す非ヒトコンジェニック動物
    に投与する工程であって、前記非ヒトコンジェニック動物がドナー動物およびレ
    シピエント動物の遺伝的物質を含み、約50cM未満の前記コンジェニック動物
    のゲノムが前記ドナー動物から由来し、前記ドナー由来の前記遺伝的物質が前記
    コンジェニック動物でのII型糖尿病関連表現型の発現に必要である工程と、 b)前記試験化合物を、前記コンジェニック動物での少なくとも1つのII型
    糖尿病関連表現型における効果に関して評価する工程と を含む方法。
  24. 【請求項24】 前記コンジェニック動物が、Niddm1a遺伝的区画を
    含む、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記コンジェニック動物が、Niddm1e遺伝的区画を
    含む、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記コンジェニック動物が、Niddm1a、Niddm
    1b、Niddm1c、Niddm1d、Niddm1e、Niddm1f、N
    iddm1g、Niddm1hおよびNiddm1iからなる群より選択された
    Niddm1遺伝的区画を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記動物が2匹のコンジェニック親動物間の交配の子孫動
    物を含み、前記親動物が異なるコンジェニック区画を有する、請求項23に記載
    の方法。
  28. 【請求項28】 薬理学的に活性な化合物を試験するための方法であって、 a)試験化合物を、複数のII型糖尿病関連表現型を示す複数の非ヒトコンジ
    ェニック動物群に投与する工程と、 b)少なくとも1つのII型糖尿病関連表現型における効果に関して前記試験
    化合物を評価する工程であって、前記複数のコンジェニック動物内の各コンジェ
    ニック動物がドナー動物およびレシピエント動物からの遺伝的物質を含み、各コ
    ンジェニック動物のゲノムの約0.1%〜約50%が前記ドナー動物から由来し
    、前記ドナーからの前記遺伝的物質が各前記コンジェニック動物での前記II型
    糖尿病関連表現型の発現に必要である工程と を含む方法。
  29. 【請求項29】 前記複数のコンジェニック動物が、異なるクロモソーム上
    のコンジェニック区画を有する少なくとも2匹のラットを含む、請求項28に記
    載の方法。
  30. 【請求項30】 II型糖尿病関連表現型を示す非ヒトコンジェニック動物
    の単離細胞を含む製造物品。
  31. 【請求項31】 前記物品が、前記細胞がII型糖尿病関連表現型を軽減す
    るのに効果的である可能性のある化合物を評価するために有用であることを示し
    ているラベルまたはパッケージ貼付文章をさらに含む、請求項30に記載の物品
  32. 【請求項32】 ビジネスを行う方法であって、 a)II型糖尿病関連表現型を示している非ヒトコンジェニック動物、または
    それから由来した細胞の販売を申し出る工程と、 b)前記動物が、II型糖尿病関連表現型を軽減するために効果的である化合
    物を試験しまたは評価するために効果的であることを伝達する工程と を含む方法。
  33. 【請求項33】 非ヒトコンジェニック動物を作製する方法であって、 a)ドナー動物とレシピエント動物を交配し、子孫動物を産出する工程と、 b)少なくとも10世代、前記子孫動物を前記レシピエント動物と首尾よく戻
    し交配し、前記コンジェニック動物を産出する工程であって、前記コンジェニッ
    ク動物がII型糖尿病関連表現型を示し、約50cM未満の前記コンジェニック
    動物のゲノムが前記ドナー動物から由来し、前記ドナーの前記遺伝的物質が前記
    コンジェニック動物での前記II型糖尿病関連表現型の発現に必要である工程と
    を含む方法。
  34. 【請求項34】 単離されたインスリン分解ポリペプチドであって、前記ポ
    リペプチドが少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換がII型
    糖尿病関連表現型と関連する、ポリペプチド。
  35. 【請求項35】 前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:23のアミノ
    酸配列中、少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項34に記載のポリペプ
    チド。
  36. 【請求項36】 SEQ ID NO:23のアミノ酸18でアルギニン残
    基が置換されている、請求項35に記載のポリペプチド。
  37. 【請求項37】 SEQ ID NO:23のアミノ酸890でバリン残基
    がを置換されている、請求項35に記載のポリペプチド。
  38. 【請求項38】 前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:23のアミノ
    酸18およびアミノ酸890での置換を含む、請求項35に記載のポリヌクレオ
    チド。
  39. 【請求項39】 インスリン分解ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレ
    オチドであって、前記ポリペプチドがアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が
    II型糖尿病関連表現型に関連している、ポリヌクレオチド。
  40. 【請求項40】 SEQ ID NO:23のアミノ酸18でアルギニン残
    基が置換されている、請求項39に記載のポリヌクレオチド。
  41. 【請求項41】 SEQ ID NO:23のアミノ酸890でバリン残基
    が置換されている、請求項39に記載のポリヌクレオチド。
  42. 【請求項42】 前記ポリヌクレオチドが、SEQ ID NO:22のヌ
    クレオチド2817にシトシン残基を有する、請求項39に記載のポリヌクレオ
    チド。
  43. 【請求項43】 ゲノムがインスリン分解ポリペプチドトランス遺伝子を含
    むトランスジェニック非ヒト動物であって、前記トランス遺伝子が、インスリン
    分解ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドに作用可能に連結された調
    節ポリヌクレオチドを含み、前記インスリン分解ポリペプチドがII型糖尿病関
    連表現型に関連したアミノ酸置換を有する、トランスジェニック非ヒト動物。
  44. 【請求項44】 前記動物が、ラットである、請求項43に記載の動物。
  45. 【請求項45】 前記動物が、マウスである、請求項43に記載の動物。
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