JP2003512747A - Tdma無線移動通信のための反復プロセス - Google Patents

Tdma無線移動通信のための反復プロセス

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JP2003512747A JP2001502312A JP2001502312A JP2003512747A JP 2003512747 A JP2003512747 A JP 2003512747A JP 2001502312 A JP2001502312 A JP 2001502312A JP 2001502312 A JP2001502312 A JP 2001502312A JP 2003512747 A JP2003512747 A JP 2003512747A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、TDMA無線移動通信のための反復プロセスである。本発明の目的は、受信された電力と(所与の受信品質に対する)マルチプルアクセス干渉との間の比率を減ずることによって、TDMAシステムの性能を改善することである。本発明によると、いくつかの基準シーケンスが、割当てられた各タイムスロットに分配される。受信時には、マルチパスチャネルメッシュ表示と反復プロセスとが使用される。本発明は、移動端末を伴う無線通信に適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野および発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、TDMA(時分割多元接続)無線移動通信のための反復プ
ロセスである。
【0002】 この発明は、欧州GSM無線移動システム〔1〕に適用されてもよく、かつ、
その発展であるGSM++または米国のD−AMPSシステムに適用されてもよ
い。
【0003】
【従来の技術】
TDMAシステムは、いくつかのユーザー通信を同じ無線電気チャネルを通し
て遅れずに分配するために使用されることができる〔1,3〕。各ユーザーは、
該ユーザーが送信できるタイムスロットと該ユーザーが受信できる他のタイムス
ロットとを該ユーザーに周期的に割り当てることによって、他のユーザーから分
離される。複数の経路に起因する送信機間の時間同期と連続的なタイムスロット
間の干渉とにおける不完全に対する保護のために、各タイムスロットのそれぞれ
の終わりにおいて保護間隔が許可される。
【0004】 添付の図1は、保護間隔IGを伴ってN人のユーザーに割当てられるタイムス
ロットTA1 ,TA2 ,……,TAN を示す。
【0005】 タイムスロットの間に送信される無線電気信号が、等価なベースバンド信号の
周波数への転置によって取得される。該ベースバンド信号は、送信されるべきデ
ータストリームを「伝送」フィルタを通してフィルタリングすることの結果であ
る。通常、送信されるデータストリームは、2つのシーケンスのデータシンボル
から構成される。該2つのシーケンスは、受信機に知られた1つのシーケンス(
基準シーケンスと称する)によって時間的に分離される。データシンボルの2つ
のシーケンスは、おそらく、送信されるべき情報の符号化およびインタレースか
ら生じるかも知れない。
【0006】 基準シーケンスは、しばしば、良好な時間相関関係特性を有する。その結果、
受信機におけるチャネルの正確な評価を可能にする。例えば、CAZAC(Cons
tant Amplitude - Zero AutoCorrelation)シーケンス〔1,4,5〕と呼ばれ
るGSMシステムにおいて使用される基準シーケンスは、二極のアルファベット
{−1,1}から取得される構成要素を伴うシーケンスであり、かつ、起点を除
く何処でも無循環自己相関関数を処理する。
【0007】 送信機と受信機との間における通信の間に使用される無線移動チャネルは、通
常、(レーリーフェーディングと呼ばれる)高速変動を伴うマルチパス型のもの
である。いくつかの経路の存在は「無線電気波が、送信位置と受信位置との間に
おけるいくつかの経路に沿って伝搬される」という事実に起因する。
【0008】 そして、受信される信号は、多少遅延されたレプリカと位相において多少変更
されたレプリカと振幅において多少変更されたレプリカとの合計である。これら
のレプリカによって運ばれる情報の確実な再生を取得するために、受信機は、伝
送フィルタとチャネルとにマッチ(match)させられたフィルタリングを適用し
、かつ、全ての送信信号レプリカからのエネルギー寄与を最適な方法で結合する
。マッチドフィルタからの出力信号は、シンボルレートでサンプリングされ、か
つ、ホワイトナー(whitener)と呼ばれる離散フィルタを使用して無害にされる
【0009】 ホワイトナーフィルタからの出力におけるサンプルは、送信されるデータスト
リームのフィルタリングされたかつノイズ混じりのバージョンを供給する。この
フィルタリングされたバージョンに関連する離散フィルタは、また、離散チャネ
ルと呼ばれ、1つのサンプルから他のサンプルへ変化する有限のパルス応答を有
する。それは、対応する受信タイムスロットの間におけるマルチパスチャネルの
再生を間接的な方法で特徴付ける。
【0010】 基準シーケンスに対応するホワイトナーフィルタからの出力におけるサンプル
は、離散チャネルを評価するために使用される〔1,4,5〕。離散チャネルの
この評価は、残りのサンプルを等化するために使用される。それによって、2つ
の送信データシーケンスが(もし存在するならば)検出されることができる。通
常使用されるイコライザーは、フレキシブルな決定を伴うビタービ(VITERBI)
イコライザーとして知られる〔2〕。その名前が示唆するように、このイコライ
ザーは、全ての送信データシンボルに関する柔軟な決定を生成するために、ソフ
ト出力ビタービアルゴリズム(SOVA)〔2〕のアプリケーションを使用する。こ
れらのソフト出力は、送信される情報を検出するために、おそらくデインタレー
ス(de-interlace)されかつ復号化される。
【0011】 添付の図2は、これらの送信/受信操作を示す。送信機Eは、データソース1
0と、シンボルakを出力する符号化器/インタレース器12と、変調器14と
を具備する。マルチパスチャネルは、ブロック20によってシンボル化される。
受信機Rは、サンプルRkを出力する(フィルタ/ホワイトナーにマッチさせら
れた)復調器30と、離散チャネル評価器32と、イコライザー34と、デイン
タレース器/復号化器36と、最後に、受信人38とを具備する。
【0012】 ホワイトナーフィルタからの出力において観られる離散チャネルは、あるタイ
ムスロットから他のタイムスロットへ著しく変化するかも知れない。この変化は
、主に、送信機と受信機との間における伝播条件の変化によるものであり、かつ
、受信機における周波数安定性によるものである。
【0013】 伝播条件は、観測されるマルチパスチャネル上に直接影響を有する。伝播条件
は、環境における変化、または、送信機および/または受信機の移動によって変
化する。伝播条件は、連続的なタイムスロット間および同じタイムスロット内の
両方において、離散チャネルにおける時間変化を生成する。
【0014】 同じユーザーに割当てられる連続的な2つのタイムスロットの間における離散
チャネルの変化は、これらのタイムスロットの間における時間間隔が大きい場合
、特に大きい。この変化は、単一のタイムスロットにおいてさえも、搬送周波数
における増大によって、または、送信機および/または受信機の速度によって強
調される
【0015】 実際に、2つのタイムスロットの間における離散チャネルの変化は、著しく大
きく、該チャネルの全ての変調された評価を妨害する。そして、タイムスロット
におけるチャネルの評価は、対応する基準シーケンスのサンプルのみに基づかな
くてはならない。
【0016】 この基準シーケンスの使用は、タイムスロットの中間点において、離散チャネ
ルの不偏の評価を提供する。GSMシステムのように、不変のチャネルが、通常
、受信タイムスロット内に想定される。この明確な場合、フレームの中間点にお
いて取得される評価が、フレームの残りの等化に対する減損無しに、使用される
ことができる。しかし、いくつかの端末の高速移動および(さらに高い無線電気
周波数で動作する)より高速なサービスに対する持続的な要求は、この想定をほ
とんど正当化しない。離散チャネルは、所与のタイムスロットの始まりと終わり
との間における著しい変動によって影響を及ぼされるかも知れない。この現実の
離散チャネルとその評価との間における差異は、基準シーケンスからの距離が増
大すると、ますます大きくなる。このことは、TDMAシステムの受信品質およ
び/または性能において、大きなかつ取り消し得ない劣化を引き起こすかも知れ
ない。
【0017】 衛星無線通信に関する無線電気チャネルの場合において、チャネルの高速変化
のこの問題を解決するために、我々の問題解決〔13〕が既に提案されている。
しかしながら、この問題解決は、単一経路を伴う1つのチャネルの場合しか取り
扱わず、かつ、「基準またはデータシンボルは、共通の送信エネルギーを有する
」と仮定する。故に、この問題解決は、地上無線移動通信において遭遇するマル
チパスチャネルへ適用されることができなかった。
【0018】 更に、GSMシステムにおけるEDGE拡張のように、増大する数の状態を使
用する変調の使用による不変の周波数帯域を伴って、高速化が得られる。そこで
、該システムは、チャネル評価品質に非常に高感度になる。そして、もし基準シ
ーケンスの電力および/または長さが増大されないならば、非常に低い移動速度
においてさえも、シビアな劣化が発生するかも知れない。
【0019】 この発明の目的は、これらの欠点を克服することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、受信された電力と(所与の受信品質に対する)マルチプル
アクセス干渉との間の比率を減ずることによって、TDMAシステムの性能を改
善することであり、言い換えれば、一定の受信電力に対する受信品質を改善する
ことである。品質におけるこの改善は(GSMシステムのような)TDMAシス
テムの能力および受信可能範囲を増大させることができ、特に、高速サービスを
提供するためにそのEDGE拡張を増大させることができる。特に、この改善は
、受信機におけるチャネル評価の最適化によって取得される。この最適化は、同
じタイムスロットの始めと終わりとの間の(チャネルにおける)高速変化によっ
て生成される(性能における)如何なる劣化も克服する手段である。本発明は、
また、基準シーケンスの長さまたは電力を増大させることなく、変調状態の数の
増大によって引き起こされる劣化を著しく減ずることができる。
【0021】 この発明の他の目的は、(同じ受信品質に対する)安価な局所発振器の劣悪な
周波数安定性に対して端末をより低感度にすることによって、端末の価格を減ず
ることである。例えば、それによって、受信信号は、ベースバンドへ転置される
ことができる。
【0022】 本発明は、また、同じ受信品質に対して、各タイムスロットの間に送信された
基準シンボルの数および/または電力を減ずることができる。この目的は、基準
シンボルよりも通常多数の離散チャネル評価におけるデータシンボルを考慮する
ことによって達成される。この目的は、また、ユーザーに割当てられた任意の数
のタイムスロットの基準シンボルおよび/またはデータシンボルに対応するサン
プルの最適使用によって達成される。この使用は、同じユーザーに属する2つの
連続的なタイムスロットの間におけるチャネル内の大きな変化の場合においてさ
えも達成される。最後に、この目的は、共通信号チャネルからのサンプルの最適
使用と、おそらくダウンリンク上のユーザーとによって達成される。
【0023】 本発明によると、基準シンボルは、割当てられたタイムスロットの継続期間の
間ずっとグループに分配される。このことは、チャネル変化の良好なトラッキン
グを保証し、故に、局所発振器の高い置換速度と劣悪な周波数安定性とに関する
増大されたエラー強さを保証する。基準シーケンスは、互いに独立に選択される
が、良好な自己相関特性を常に有しなくてはならない。基準シーケンスは、短い
CAZAC型シーケンスから得られる。
【0024】 本発明を伴うと、シンボル当たりに送信されるエネルギーは、常に最適に行わ
れるチャネル評価に対する困難性を引き起こすことなく、あるシンボルから他の
シンボルへ変化する。
【0025】 本発明によると、タイムスロットは、チャネル評価を行うために(このタイム
スロットに対応し、おそらく、同じユーザーまたは他のユーザーまたは共通信号
チャネルに起因する他のタイムスロットにも対応する)サンプルが利用可能であ
る全ての時間に、ブロックによって処理される。
【0026】 (GSMシステム受信機のような)従来のTDMA受信機と同様に、第1のス
テップは、常に、処理されるべきタイムスロット内の基準シンボルのみに依存す
るサンプルを使用する離散チャネルの粗い評価である。この粗い評価は、処理さ
れるべきブロックにおける各基準またはデータシンボルに対して、ブロック毎に
、等化を実行するために選択された離散チャネルにおける全ての係数(不適切に
「経路」と称する)の位相および振幅変化を特徴付ける。
【0027】 本発明の特徴の1つは、マルチパスチャネルを示すためのメッシュの使用であ
る。この特徴は、受信機の複雑度を減ずる。もし、2状態位相変調(MDP2)
を伴う符号化を伴わないn個のシンボルを具備するデータシンボルのシーケンス
の例を考察するならば、各送信ビットは、2つの値のうちのいずれかに等しい。
これら2つの値は等しく起こりうるので、このことは「データシンボルの2n
の起こりうるシーケンスが存在する」ということを意味する。故に、全ての起こ
りうるシーケンスに対する部分的な確率を使用する伝統的な計算の複雑度が、シ
ーケンス当たりのシンボルの数と共に指数的(2n )に増大する。
【0028】 チャネルを思慮深く示すための本発明によるメッシュの使用は、計算の複雑度
を減ずる。なぜならば、(同じ計算タイプを要求する)各セクションに計算が再
分割されるからである。故に、複雑度は、セクションの数と共に増大する。これ
は数nに比例して増大する。故に、複雑度は、指数的ではなく、線形的である。
【0029】 メッシュ部分の枝のラベルは、ブロックを形成する各々のタイムスロットにお
いて、時間を伴う離散チャネルの変化と共に変化する。更に、ソフト出力ビター
ビアルゴリズム(SOVA)〔2〕以外のアルゴリズムが、受信サンプルに依存
するメッシュの枝の確率のより正確な特徴付けに対して使用される。もしチャネ
ル評価器が最適に使用されるならば、これらの条件付き確率は、BAHLまたは
BCJR(abbreviation for Bahl Coke Jelinek Raviv)アルゴリズム〔6〕を
使用して決定されてもよい。このアルゴリズムの線形化から通常得られる他のよ
り簡単なアルゴリズム〔10〕もまた使用されてもよい。しかしながら、性能が
わずかに減少する。これらのアルゴリズムは、チャネル評価器の複雑度を著しく
減ずることができる。
【0030】 従来の受信機の場合、SOVAアルゴリズムによって提供される重み付け出力
のみが、送信情報を復号化するためのデインタレース後に、直接使用される。本
発明による受信機の場合、データシンボルを間接的に特徴付ける条件付き確率が
、離散チャネルのより良好な品質の評価を提供するために、基準シンボルに加え
て、使用される。
【0031】 所与の反復の終わりに取得された離散チャネルの改善された評価が、離散チャ
ネルを特徴付けるメッシュの枝の条件付き確率の品質および信頼性を改選するた
めに使用される。そして、これらの改善された条件付き確率は、離散チャネルの
評価への追加的な改善を提供するために、基準シンボルと結合して使用される。
【0032】 理論的には、反復評価は、無限回の反復が実行される後まで、離散チャネルの
最適評価を与えない。しかしながら、実際には、最適評価とほぼ同じくらい良好
な性能を取得するには、少しの反復で十分である。
【0033】 一旦離散チャネル評価が行われると、復号器への改善された重み付け出力を提
供するために、対応するメッシュが、BAHL最適アルゴリズム(または、該ア
ルゴリズムのいずれかの簡易型)によって、または、SOVAアルゴリズムによ
って使用される。
【0034】 本発明による受信機の最適特性は、所与のタイムスロットの間に観測される離
散チャネル評価の品質に関連する。この最適特性は、処理されるべきブロックか
ら受信されたサンプルによってセットアップされた最も起こりうるチャネルを見
つけるために、SAGE(Space-Alternating Generalized Expectation-Maximi
zation Algorithm)〔7〕と呼ばれる反復アルゴリズムの使用に基づく。SAG
Eアルゴリズムは、EM(Expectation-Maximization)〔8,9〕アルゴリズム
の拡張である。これは、離散チャネルの係数が評価される一方で、該係数間のカ
ップリングの問題を除去する。
【0035】 離散チャネルの評価は、また、KARHUNEN-LOEVE〔3〕拡張アルゴリズムによる
評価されるべき各離散チャネル経路の分析に基づく。この分析は、第1に、各々
の離散経路の時間を伴う変化の柔軟な特徴を提供し、かつ、第2に、SAGEア
ルゴリズムに自然に統合される。この分析は、また、シンボル当たりの送信エネ
ルギーがあるシンボルから他のシンボルへ変化する場合を処理できる。
【0036】 最後に、離散チャネル評価は、受信サンプルと先の反復において供給されるチ
ャネル評価とによるBAHLアルゴリズムの使用に基づく。該アルゴリズムは、
離散チャネルを特徴付けるメッシュ枝の確率を、SAGEアルゴリズムの各反復
へ提供する。
【0037】 故に、より正確には、本発明の目的は、時分割多元接続型の無線移動通信のた
めのプロセスであって、タイムスロットは、無線電気信号の送信および受信に対
して、いくつかのユーザーに割当てられ、本プロセスにおいて、 − 送信時に、データシンボルおよび基準シンボルが、割当てられた各タイム
スロットにおいて生成され、これらのデータシンボルおよび基準シンボルを具備
する無線電気信号が送信され、この信号はマルチパス無線移動チャネルに沿って
送られ、 − 受信時に、マッチドフィルタリングが受信信号へ適用され、濾波された信
号がシンボルレートでサンプリングされ、無線移動チャネルの評価が行われ、サ
ンプルはこのチャネル評価を使用して処理され、割当てられたタイムスロットに
特有のデータシンボルが復元され、 このプロセスは、 − 送信時に、適切な時間相関関係特性を処理するいくつかの基準シーケンス
が、割当てられた各タイムスロットに対して構築され、これらのシーケンスは各
タイムスロットにおいて分配され、 − 受信時に、 i) 無線移動チャネルを評価するために、このチャネルはメッシュによって
示され、該メッシュは、チャネルの2つの連続的な状態の間における遷移をシン
ボル化しかつチャネル出力において起こりうるシーケンスを特徴付ける枝を具備
し、 ii) これらの枝の確率が反復アルゴリズムを使用して計算され、このチャネ
ルのL個の経路の表示
【数11】 の評価が、有限数(D+1)の反復を使用して、最大事後確率基準を使用して計
算され、反復ランク(d+1)
【数12】 は、先行する反復
【数13】 において取得された評価
【数14】 から始まる再評価
【数15】 を取得するために使用され、各反復
【数16】 において、ベクトル{Gl(d+l)}(l=0,1,……,L−1)は、L回のステ
ップにおいて、先行するステップにおいて計算されたベクトル
【数17】 から計算され、L個のチャネル経路の評価
【数18】 が、該経路の表示
【数19】 の評価から最終的に取得される ことを特徴するプロセスである。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明によるプロセスの性能が、GSMシステム〔1〕に対して使用される従
来のプロセスの変形の性能と比較された。GSMシステムにおける従来の受信機
は、処理されるべきタイムスロットの中間点において離散チャネルを評価するこ
とによって始まる。この評価は、基準シーケンスのみに依存する受信サンプルと
対応するCAZACシーケンスとの相関関係による。そして、該受信機は、送信
情報シンボルを復号化するために、SOVAアルゴリズムを使用して、他の受信
サンプルを等化する。本発明によって提供される性能における固有の改善を(従
来のGSM受信機と比較して)公正に評価するために、SOVA副最適アルゴリ
ズムは、本発明において使用されるBAHL最適アルゴリズムによって置き換え
られた。
【0039】 比較は(如何なるエラー訂正または検出符号化も考慮することなく)変更され
ないビットエラーレート(BER)における変化を使用して、(GSMシステム
のように)処理されるべきタイムスロットの中間点においてグループ化された基
準シンボルに対して行われる。更に、該比較は、時間を伴うチャネルの変化のよ
り良好なトラッキングを与えるために、(本発明による)このタイムスロットの
継続期間を通して小さなグループにおいて分配される。
【0040】 故に、図3は、BERの変化を、正規化されたドップラー伝播BDSの関数と
して示す。これは、ドップラー伝播BD とシンボル継続期間TS との積であり、
送信機および/または受信機の移動によるチャネルの変化強度を特徴付ける。ド
ップラー伝播は、移動端末の速度と搬送周波数とに比例する。局所発振器の周波
数不安定性は、ここでは無視されており、追加的な性能劣化を導入する。GSM
システムのように、BERの振る舞いは、それぞれN=148個のシンボルから
構成されるタイムスロットに対して評価された。MDP4変調(4状態位相置換
を伴う変調)が選択される。考察される離散チャネルは、同じ平均電力を伴う2
つの経路(L=2)から構成される。シンボル当たりの受信される平均エネルギ
ーとノイズレベルとの間における
【数20】 比率は10dBである。以下の3つの構成が考察された。 ・GSMシステムにおいて使用される8つのシーケンスの中からランダムに取
得される26個の二極シンボルから構成される中央基準シーケンス。これらのシ
ーケンスは、長さ16を伴う8つのCAZACシーケンス〔1,11〕への循環
的な拡張である。 ・長さ4を伴う唯一の二極CAZACシーケンス、即ち{−1,+1,+1,
+1}の(符号とオフセットとを除く)循環的な拡張によって取得される5つの
二極シンボルの中央基準シーケンス{−1,+1,+1,+1,−1}。 ・処理されるべきタイムスロット全体にわたって分配される5つのグループの
基準シーケンス。これは、5つの二極シンボルからなる先の中央基準シーケンス
(合計で25個の基準シンボル)に等しい。
【0041】 図3は、以下の場合に対応する典型的な曲線を示す。 41:従来の受信機、第1の構成 42:従来の受信機、第2の構成 43:本発明による受信機、第2の構成 44:従来の受信機、第3の構成 45:本発明による受信機、第3の構成
【0042】 これらの結果は「各タイムスロット(第1および第2の構成)の中間点におい
てグループ化されたシーケンスが使用されるとき、正規化ドップラー伝播BDS =1/2500を、性能を著しく劣化させることなく取り出すことができない」
ということを示す。逆に、小さな分配シーケンスのグループの使用(第3の構成
)は、如何なる知覚可能な劣化無しに、BDS=1/100に近い標準化ドップ
ラー伝播を達成可能にする。ドップラー効果に関する受信機のエラー耐性と局所
発振器の周波数不安定性とにおけるこの著しい改善は、基準シーケンスの分配に
よるものであり、チャネルの時間を伴った如何なる変化もより正確に監視可能に
する。
【0043】 表1は、GSMシステムにおいて使用される改善された従来のアルゴリズムに
関して、本発明によって提供される改善された性能を特徴付ける図を含む。この
表において、C.R.は「従来の受信機」を意味し、かつ、I.R.は本発明に
よる受信機を意味する。シンボル当たりに受信された平均エネルギーとノイズレ
ベルとの間における
【数21】 比率は10デシベルである。本発明による改善は、長い中央基準シーケンス(第
1の構成)の場合、無視してよい。
【表1】
【0044】 この場合、基準シーケンスは、未知のデータシーケンスの使用無しに良好なチ
ャネル評価品質を保証できるほど十分に長い。しかしながら、単一の短い基準シ
ーケンス(第2の構成)の場合、本発明による受信機は、従来の受信機より良好
な性能を与えることができる。しかし、また、該性能は、26個の基準シンボル
の長い基準シーケンスを伴って取得される性能に匹敵する。その結果、本発明に
よる受信機は、基準シーケンスのサイズにおける大きな縮小に対してさえも低感
度にされる。この結果は「チャネル評価が、基準シンボルと共働するデータシー
ケンス内のシンボルを使用する」という事実によって説明される。5つのグルー
プの短い基準シーケンス(第3の構成)の場合、本発明による受信機は、正規化
ドップラー伝播を1/2500と1/100との間において変化させることによ
って、ビットエラーレートをほとんど不変に保持できる。
【0045】 図4と図5と図6は、ビートエラーレートを、シンボル当たりの受信される平
均エネルギーと正規化ドップラー伝播BDS=1/2500(これは非常にシビ
アではない)との間における
【数22】 比率の関数として示す。
【0046】 GSMシステムのように、BERの振る舞いは、それぞれN=148個のシン
ボルから構成されるタイムスロットに対して評価された。しかしながら、選択さ
れる変調は、MDP4およびMDP8変調である。考察される離散チャネルは、
同じ平均電力を伴う1つ(L=1)または2つ(L=2)または4つ(L=4)
の経路から構成される。2つの構成が考察された。 ・GSMシステムにおいて使用される8つのシーケンスから取得される26個
の二極シンボルから構成される中央基準シーケンス。これらのシーケンスは、長
さ16を伴う8つのCAZACシーケンスの循環拡張である〔1,11〕。 ・長さ4を伴う唯一の(符号およびオフセットを除く)二極CAZACシーケ
ンス、即ち{−1,+1,+1,+1}の循環拡張によって取得される4+L−
1個の二極シンボルを伴う2つの経路に対する中央基準シーケンス{−1,+1
,+1,+1,−1}と4つの経路に対する中央基準シーケンス{−1,+1,
+1,+1,−1,+1,+1}。
【0047】 図4に対しては、選択される変調は、2つの経路(L=2)を伴う第1の構成
を使用するMDP4およびMDP8変調である。曲線は、以下の場合に適用可能
である。 −51:MDP8、従来の受信機 −52:MDP8、本発明による受信機 −53:MDP8、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機 −54:MDP4、従来の受信機 −55:MDP4、本発明による受信機 −56:MDP4、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機
【0048】 図5において、選択される変調は、2つの経路(L=2)を伴う第2の構成お
よび離散チャネルを使用するMDP4およびMDP8変調である。曲線は、以下
の場合に適用可能である。 −61:MDP8、従来の受信機 −62:MDP8、本発明による受信機 −63:MDP8、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機 −64:MDP4、従来の受信機 −65:MDP4、本発明による受信機 −66:MDP4、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機
【0049】 図6において、選択される変調は、4つの経路(L=4)を伴う第2の構成お
よび離散チャネルを伴うMDP4変調である。曲線は、以下の場合に適用可能で
ある。 −71:従来の受信機 −72:本発明による受信機 −73:完全に知られた離散チャネルを伴う受信機
【0050】 図4および図5における曲線は「本発明による受信機のように、GSMシステ
ムにおける従来の受信機の性能は、使用される基準シーケンスの長さに対して非
常に高感度であり、かつ、第1の構成と第2の構成との間において著しく劣化す
る」ということを示す。図5および図6における曲線は、また「従来の受信機を
伴う性能劣化は、ほとんど変化せずかつ本発明による受信機に対して低いが、経
路の数に伴って著しく増大する」ということを示す。故に、本発明による受信機
は、基準シーケンスの長さにおける縮小とチャネル経路の数における増大とに関
して、優秀なノイズ耐性を有する。
【0051】 表2は、MDP4変調に対して、本発明による受信機によって提供される性能
における改善を(改善されたGSMシステムアルゴリズムと比較して)特徴付け
る図を含む。BDS比率は1/2500に等しく、かつ、ビットエラーレートは
10-2に等しく、かつ、N=148である。
【表2】
【0052】 この表は「所与の長さ(第1または第2の構成)の基準シーケンスに対して、
本発明による受信機は、改善された従来の受信機よりも良好な性能を常に有する
」ということを示す。これらの結果は、また「基準シーケンスの長さが短いとき
、または、チャネル内の経路の数が増大されたとき、本発明によって提供される
改善は特に著しい」ということを示す。これらの結果は、また「短い基準シーケ
ンス(第2の構成)を伴うときでさえ、本発明による受信機は、長い基準シーケ
ンス(第1の構成)を伴う従来の受信機より良好な性能を常に有する」というこ
とを示す。
【0053】 図7は、ビットエラーレートを、シビアな正規化ドップラー伝播BDS=1/
100と各々がN=100個のシンボルから構成されるタイムスロットとに対す
【数23】 比率の関数として示す。MDP4変調が常に選択される。考察される離散チャネ
ルは、同じ平均電力を伴う1つ(L=1)または2つ(L=2)または4つ(L
=4)の経路から構成される。3つの分配される基準シーケンスを伴う単一の構
成が考察される。各シーケンスは、4+L−1個の二極シンボルから構成され、
かつ、長さ4を伴う単一の二極CAZACシーケンス、即ち{−1,+1,+1
,+1}の(符号およびオフセットを除く)循環拡張によって取得される。
【0054】 考察されるドップラー伝播の値は非常にシビアなので、従来の受信機は、離散
チャネルの各経路の変化に追随することができない。該変化は、各タイムスロッ
トの始まりと終わりとの間における±πに等しい位相回転によって影響を受ける
【0055】 図7における曲線は、以下の場合に適用可能である。 −81:L=1、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機 −82:L=1、本発明による受信機 −83:L=2、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機 −84:L=2、本発明による受信機 −85:L=4、完全に知られた離散チャネルを伴う受信機 −86:L=4、本発明による受信機
【0056】 図7における曲線は「本発明による受信機は、離散チャネルを完全に知ってい
る理想的な受信機と比較して、性能の非常に小さな劣化しか有しない」というこ
とを示す。この劣化は、1つの経路(L=1)に対して0.4dBのオーダーで
あり、かつ、2つの経路(L=2)に対して0.5dBのオーダーであり、かつ
、4つの経路(L=4)に対して1dBのオーダーである。
【0057】 ここまで本発明によるプロセスの性能を説明したが、受信フェーズ、特に受信
信号処理が、より詳細に説明される。
【0058】 本発明による受信機は、処理されるべきブロックから受信されるサンプルに依
存して、所与のタイムスロットの間に最も有望な離散チャネルの生成を決定する
。この決定は、最大事後(MAP)確率基準を使用して行われる。このチャネル
評価は、送信されるデータシーケンス内のシンボルの事前確率の情報を要求する
【0059】 説明を簡単にするために、以下の数学的議論および対応する図面は「チャネル
評価のために処理されるべき各ブロックは、単一のタイムスロットに関する受信
サンプルのみから構成される」という場合に常に適用可能である。「他のタイム
スロットから(同じユーザーからまたは他のユーザーから、共通信号送信チャネ
ルからなど)のシンボル(基準または他のシンボル)が使用される」という場合
も同じ方法で取り扱われる。
【0060】 転置演算子は(.)’で示される。図2に示されるように、所与のユーザーに
対する全てのタイムスロットは、一連のN個のシンボルa0,a1,……,aN-1
から構成される。該一連のシンボルは、カラムベクトルの形式で記述されること
ができる。 a=(a0,a1,……,aN-1)’ N個のシンボルは、おそらく位相変調されている(MDP2,MDP4,MDP
8,……)。各シンボルakに関連する送信エネルギーEkは、このシンボルによ
って取得される値とは無関係であるが、該エネルギーは、タイムスロット内のあ
るシンボルから他のシンボルへ変化してもよい。この変化は、通常、異なるエネ
ルギーをデータシーケンスと基準シーケンスとに割当てるTDMAシステムの結
果である。また、同じ図に示されるように、このタイムスロットに対応するホワ
イトナーフィルタからの出力におけるサンプルは、N+L−1個の構成要素を伴
う以下のカラムベクトルを形成する。 R=(R0 ,R1 ,……,RN-1 ,RN ,……,RN+L-2 )’ ここで、Lは離散チャネルにおける経路の数である。
【0061】 図8aは、送信変調器への入力と受信ホワイトナーフィルタリングからの出力
との間における全ての手段を示す。故に、この図は、現実の無線電気チャネルの
概要を示し、かつ、処理は受信機において行う(復調とマッチドフィルタリング
とホワイトニングフィルタ)。この図は、変調器91と、マルチパスチャネルを
シンボル化するブロック92と、マッチさせられたフィルタ94とホワイトナー
フィルタ95とを伴う復調器93とを示す。
【0062】 図8bは、これらの手段の概要を、(L−1)個のセルY1,Y2,……,YL- 1 を伴うオフセットレジスタの形式で示す。このレジスタは、現在のシンボルan を受信し、かつ、セルは、あるシンボル周期の遅延を伴うシンボル、即ちan-1
,an-2,……,an-(L-1)を含む。示される回路は、また、(L)個の倍率器Z 0 ,Z1 ,……,ZL-1 と、倍率器に接続された加算器Sと、ノイズを示す信号
nを受信する最終加算器とを具備する。倍率器は、それぞれ、(L)個の係数
【数24】 を具備する。この最終加算器は、信号rnを出力する。
【0063】 各受信サンプルは、以下の形式で記述されてもよい。
【数25】 ここで、
【数26】 は、k番目のサンプリング瞬間における離散チャネルフィルタのl番目の係数で
あり、かつ、Wkはホワイトガウス付加的ノイズである。表示を簡単にするため
に、かつ、簡潔な式を作成するために、k<lまたはk>N+lを満足する離散
チャネルに対する係数
【数27】 が、たとえゼロに等しくても、Rkの式において使用される。同じ理由のために
、k<0またはk>N−1を満足する送信シンボル
【数28】 が、たとえゼロに等しくても、Rkのこの式に現れる。
【0064】 離散チャネル係数は(変数lから独立した)異なる離散経路の間において、常
に非相関関係(decorrelate)にされる。変調および復調の影響を無視すると、
この特性は「現実の無線電気チャネルにおいて、多数の経路が独立している」と
いう事実による。しかしながら、同じ離散経路lの係数は(変数kに依存して)
互いに相関する。
【数29】 によって定義されるそれらの離散自己相関関数は、対応する経路に対して、ドッ
プラー電力スペクトルのみに依存する。
【0065】 無線移動通信において通常遭遇するドップラー電力スペクトルは、(外部環境
において)従来型であるか、または、(内部環境において)平坦であるかのいず
れかである。平均電力
【数30】 を伴うl番目の経路に対する自己相関関数は、従来のドップラー電力スペクトル
の場合、以下の式によって与えられ、
【数31】 平坦なドップラー電力スペクトルの場合、以下の式によって与えられる。
【数32】 ここで、J0(.)は、オーダー0を伴う第1のタイプのベッセル(Bessel)関
数である〔3,12〕。平均電力
【数33】 は、ある経路から他の経路へ変化し、かつ、離散チャネルのマルチパス強度プロ
フィール〔3〕を特徴付ける。
【0066】 本発明による受信機は、等化のために受信機によって選択されるL個の離散経
路を特徴付けるベクトル
【数34】 の最も有望な実施を決定するために、最大事後(MAP)基準を使用しなくては
ならない。その結果、受信機は、離散チャネルの適切な表示を必要とする。受信
機は、同じ経路に対する係数の時間相関関係から無関係になるために、該離散チ
ャネルを使用できる。受信機は、また、「受信機が、タイムスロット内のあるシ
ンボルと次のシンボルとの間における送信エネルギーの変化(もし存在するなら
ば)と無関係になる」ということを可能にする表示を必要とする。この表示は、
最初に、構成要素
【数35】 を伴う正規化された送信シンボル A=(A0 ,A1 ,……,AN-1 )’ のベクトルを、1に等しい定数率と加算することによって取得される。該表示は
、また、タイムスロットの間に受信されるサンプルを以下の形式で書き直すこと
によって取得される。
【数36】 ここで、
【数37】 は、関連する正規化されたベクトル
【数38】 のk番目の構成要素であり、かつ、離散チャネルにおけるl番目の経路を直接特
徴付ける。最後に、送信シンボル内のエネルギーの変化とl番目の経路に対する
ドップラー電力スペクトルの特徴とを考慮して、直交ベース
【数39】 における各正規化ベクトルC’のKARHUNEN-LOEVE分析〔3〕を使用して、該表示
は取得される〔3〕。この分析を伴って、l番目の離散経路の(相関時間構成要
素を伴う)正規化ベクトルC’は、同等のカラムベクトル
【数40】 によって記述されることができる。ここで、N個の構成要素が良好に非相関関係
にされる。ベクトルC’は、以下の変換によって、その適切な表示G’から構築
されてもよい。
【数41】
【0067】 逆に、この適切な表示Glの構成要素は、以下の逆変換によって、同じベクト
ルCl 内に見つかるかも知れない。
【数42】 ここで、(.)* は共役演算子である。
【0068】 KARHUNEN-LOEVE分析〔3〕の特性によると、l番目の経路に関連する正規直交
ベースのベクトルは、単に、この経路に関連する正規化ベクトルC’の共分散行
列H’の固有ベクトルである。更に、関連する固有値
【数43】 は、単に、対応する経路の適切な表示G’の
【数44】 構成要素の分散である。故に、各経路に関連するベクトル
【数45】 と対応する固有値とは、行列式
【数46】 から取得されることができる。
【0069】 l番目の経路に関連する正規化ベクトルの共分散行列H’における(m,n)
番目のエントリーは、以下の式によって直接与えられる。
【数47】 ここで、
【数48】 は、上記に定義されたこの経路の離散自己相関関数を示す。
【0070】 離散チャネルの全ての中間評価または最終評価を再構築または分析するために
、本発明による受信機は、通常、離散チャネルにおけるL個の経路の各々に関連
するL個の正規直交ベースを有しなくてはならない。実際、L個のチャネル経路
に対するドップラー電力スペクトルの形状は等しい。故に、関連する共分散行列
【数49】 は(乗算係数を除いて)等しく、かつ、対応する正規直交ベースもまた等しい。
そして、受信機における単一の正規直交ベースは、通常、チャネルを満足に評価
するのに十分である。
【0071】 l番目の経路に対する正規直交ベースを生成するために、受信機は、この経路
に対する共分散行列H’の最も正確かつ起こりうる評価を有さなくてはならない
。その結果、受信機は、無線電気チャネルのドップラー電力スペクトルの特徴の
最も正確かつ起こりうる情報を有さなくてはならない。この情報は、規則的に更
新され、かつ、ドップラー伝播BD の評価、または、その上限を具備しなくては
ならない。受信機は、おそらく、離散チャネルにおける各経路の平均電力の評価
と、ドップラー電力スペクトルの形状とを具備するかも知れない。この情報に依
存して、受信機は、適切な正規直交ベースをリアルタイムで計算してもよく、ま
たは、予め計算された正規直交ベースの貯蔵所において現実のチャネルの特徴に
最もマッチするベースを探索してもよい。一般的に、受信機は、ドップラー電力
スペクトルの形状の正確な情報、または、ドップラー伝播の完全かつ瞬間の情報
を有しない。この典型的な場合では、「ドップラー電力スペクトルが平坦である
」ということと「現実のドップラー伝播が、ドップラー伝播の上限に等しい」と
いうこととが仮定される。更に、受信機は、個々に取得された各々の離散チャネ
ル経路の平均電力の正確な評価を有する必要がない。また、この場合、等しい平
均電力を有するL個の経路を伴う離散チャネルが仮定されてもよい。
【0072】 L個の離散チャネルを特徴付けるc’個のベクトルの評価は、正規化ベクトル
C’またはその適切な表示G’を通して、MAP基準を使用して、反復して行わ
れる。この評価は、データシンボルおよび送信基準シンボルの特徴(統計値およ
びエネルギー)とマルチパスチャネルの特徴との両方を最適に考慮してもよい。
【0073】 離散チャネルの適切な表示
【数50】 の一実施形態のMAP評価
【数51】 は以下の式に等しい。
【数52】 これは、条件付き事後確率密度
【数53】 を最大化する。本発明によると、正確な問題解決に必然的に近い問題解決が、E
Mアルゴリズム〔8,9〕のSAGE拡張〔7〕を使用して、反復によって取得
されることができる。
【0074】 一般的に、最大化されるべき条件付き事後確率密度
【数54】 は、いくつかの大域的な最大値を有する。このことは、しばしば、MAP基準に
よるチャネル評価における曖昧さへつながる。この曖昧さは、受信機に知られた
基準シンボルを使用して明確になるかも知れない。しかしながら、これはしばし
ば不十分である。なぜならば、この条件付き確率密度は、また、局所的な最大値
を有するからである。該局所的な最大値は、SAGEアルゴリズムによって、単
一の大域的な最大値の代わりに、到達されることがありうる。この問題を回避す
ることを目的として、初期条件
【数55】 を適切に決定するために、基準シンボルが使用されなくてはならない。
【0075】 SAGEアルゴリズムは、不変の他のベクトルGmの先の評価を保持しながら
、帰納法によって、各々のG’ベクトルを連続的に再評価する。ここで、m≠l
である。SAGEアルゴリズムの特性によると、これらの連続的な再評価は、条
件付き事後確率密度
【数56】 の単調な増大を保証する。
【0076】 処理されるべきタイムスロットの間に受信されたサンプルのベクトルRが与え
られると、受信機は、基準シーケンスのみに依存するサンプルから始めて、ベク
トル
【数57】 の初期条件
【数58】 を計算することによって開始する。その結果、基準シーケンスは、これら各々の
サンプルへのL個の経路の寄与の高速かつ簡単な分離が保証されるようでなくて
はならない。初期評価がチャネル評価アルゴリズムを開始させることができるた
めには、各々が良好な自己相関特性を有する1またはいくつかの基準シーケンス
が必要である。GSMシステムのように、これらのシーケンスは、拡張または循
環スワッピングによるCAZACシーケンスから始めて構築されるかも知れない
。これらのシーケンスは、起点を除く何処でも一定率およびゼロ循環自己相関関
数を伴うシンボルから構成される。この発明の目的のために、データシンボルを
転送するために使用される変調群に属するシンボルを伴うCAZACシーケンス
を有することが好ましい。例えば、MDP2変調に対して、(符号および循環ス
ワップを除く)最も短いCAZACシーケンス単体、即ち{−1,+1,+1,
+1}が、4つのシンボルのみを有する。MDP4変調に対して、{l,i,−
l,i}群を使用して、(更に、乗算係数iまたは−1または−iを伴い、かつ
、循環オフセットを除く)最も短いCAZACシーケンス単体、即ち{l,i}
が、2つのみのシンボルから構成される。
【0077】 長さMを伴うCAZACシーケンスに基づく基準シーケンスは、離散チャネル
のM個の経路までを評価できるだけである。該基準シーケンスは、このCAZA
CシーケンスのL−1個の位置の循環拡張によって取得され、かつ、合計でM+
L−1個のシンボルを具備する。故に、CAZACシーケンスの長さMは、評価
されるべき離散チャネルの経路Lの数より大きいかまたは等しい必要がある。こ
の発明の目的のために、評価されるべき小さい数の経路L(MDP2変調に対し
て4以下、かつ、MDP4,MDP8などに対して2)に対して、短いCAZA
Cシーケンスを使用することがしばしば望ましい。なぜならば、該CAZACシ
ーケンスは、特に、大きなドップラー伝播を伴う環境において、離散チャネルの
より規則的かつより頻繁なサンプリングを保証する一方で、タイムスロット当た
りの基準シンボルの合計数を著しく減少できるからである。
【0078】 図9は、MDP2変調の場合において、2つの経路(L=2)から構成される
離散チャネルの評価を図解する。第1のラインAは基準シーケンスを与え、かつ
、第2のラインT1は第1の経路に対応し、かつ、第3のラインT2は第2の経
路に対応し、かつ、第4のラインSは受信サンプルの構成を与える。5つのシン
ボル(M+L−1=5)から構成される使用される基本の基準シーケンス{−1
,+1,+1,+1,−1}は、単に、4つのシンボル(M=4)から構成され
るCAZACシーケンス{−1,+1,+1,+1}における単一位置の循環拡
張である。図5に示されるように、基本の基準シーケンスは、処理されるべきタ
イムスロットにおいて、n−4とnとの間の位置を占有する。受信サンプルは、
このシーケンスのみに依存し、かつ、n−3とnとの間の位置を占有する。この
ことは、以下の式によって明白に与えられる。
【数59】
【0079】 もし正規化離散チャネルにおける係数
【数60】 の評価がn−3とnとの間におけるkの値に対してわずかにバイアスされるのみ
であるべきならば、「ドップラー伝播は、位置n−3とnとの間において無視で
きるチャネル変動を保証するほどに十分低い」ということが仮定される。この場
合、これらの係数の適切な評価は、CAZACシーケンスそのものとその左へ向
かう位置の循環オフセットとを伴うRk個のサンプルを相関させることによって
取得される。ここで、kはn−3とnとの間である。CAZACシーケンス{−
1,+1,+1,+1}を伴う相関関係は、第2の経路におけるサンプルn−3
とn−2とn−1とnとの第1の評価として、以下の式を与える。
【数61】 ここで、
【数62】 はノイズとバイアスとを考慮する項である。循環オフセットの後に取得されるシ
ーケンス{+1,+1,+1,−1}を伴う相関関係は、第1の経路の瞬間n−
3とn−2とn−1とnとにおけるサンプルの第1の評価として、以下の式を与
える。
【数63】 ここで、
【数64】
【数65】 と同じ役割を果たす項である。
【0080】 一般的な場合、タイムスロットにおける所与の瞬間におけるL個のチャネル係
数の粗い評価は(対応するCAZACシーケンスのL個のオフセットバージョン
を伴う基準シーケンスのみに依存する)サンプルの相関関係によって取得される
【0081】 CAZACシーケンスの循環拡張によって構築される各基準シーケンスは、各
々の離散チャネル経路のノイズサンプルを取得するために使用されることができ
る。チャネルの再構成のために必要なタイムスロット当たりのサンプルの数は、
正規化ドップラー伝播BDSとこのタイムスロットを構成するシンボルの数Nと
に依存する。積BDSNが増大すると、タイムスロットのある終端から他の終端
への(チャネルにおける)変動は増大し、かつ、基本の基準シーケンスの数はよ
り大きくなる必要がある。基本の基準シーケンスは(CAZACシーケンスの循
環拡張から始めて取得されるタイムスロットに関連する)基準シーケンス内のグ
ループ化されたシンボルの部分集合である。
【0082】 離散チャネルのKARHUNEN-LOEVE分析の特性によると、所与の経路lに対する固
有値λlkのより高い値が、この経路の適切な表示に関連する固有ベクトルの寄与
【数66】 のより高い平均値へと通じる。図10は、1に正規化された同じエネルギーを伴
いかつ1/50(曲線113)と1/100(曲線112)と1/500(曲線
111)とにそれぞれ等しい正規化ドップラー伝播BDSを伴うN=100個の
シンボルのタイムスロットに対する最も大きい固有値の分配を示す。この図は「
離散チャネルの各々の経路の適切な表示は、性能の重大な損失を伴うことなく、
最も大きな固有値を有するいくつかの固有ベクトルに基づくことができる」とい
うことを明確に示す。積BDSNの低い値に対して、最も大きな固有値を伴う固
有ベクトル単体は、離散チャネルの各々の経路の正確な表示を与えるのに十分で
ある。そして、この固有ベクトルは時間的に非常に遅く変動する。故に、各タイ
ムスロットの中間点においてグループ化される基準シーケンスは、タイムスロッ
ト全体に渡って事実上一定である離散チャネルを再構築するために使用されるこ
とができる。これは、GSMシステムに対して、「正規化ドップラー伝播が非常
に微弱であると仮定され、かつ、チャネルが所与のタイムスロットに渡って一定
であると仮定される」という場合である。
【0083】 わずかにより高い正規化ドップラー伝播に対して、2つの最も大きな固有値に
関連する2つの固有ベクトルが、離散チャネルの正確な再構成のために必要であ
る。これら2つのベクトルは著しく変動するので、タイムスロットの中間点の各
サイドに配置された2つの基本のシーケンスから構成される基準シーケンスが必
要である。
【0084】 一般的な場合において、BDSN積の値が増大すると、離散チャネルの適切な
表示において使用される必要がある固有ベクトルの数もまた増大される必要があ
る。更に、この積が増大すると、これらの固有ベクトルにおける変化も増大し、
故に、使用されるべき基本の基準シーケンスの数もまた増大する。更に、固定長
の基準シーケンスに対して、基本の基準シーケンスの数が増大すると、各シーケ
ンスの長さは減少される必要がある。所与の数の経路Lに対して、基本のシーケ
ンスM+L−1の長さは、長さLを伴うCAZACシーケンスを選択することに
よって、最良では、2L−1へ減少されることができる。これは、非常に短いC
AZACシーケンスを有することが有用だからである。本発明によると、経路L
の数が4以下でありかつ積BDSNが低いとき、長さM=4を伴うCAZACシ
ーケンス{−1,+1,+1,+1}が全ての位相変調に対して推奨される。本
発明によると、長さM=2を伴うCAZACシーケンス{l,i}が、2以下の
経路数に対してかつかなり大きな積BDSNに対して推奨される。
【0085】 Kを、処理されるべきタイムスロット当たりの基本の基準シーケンスの数とす
る。
【数67】 を、k番目の基本の基準シーケンスによって生成された離散チャネルサンプルで
あるとする。Sk={k−M+1,k−M+2,……,k}を、これらサンプル
のインデックスの組であるとする。本発明による適切なチャネル表示の初期条件
【数68】 は、以下の式を使用して、これらのサンプルから取得される。
【数69】
【0086】 重み付け係数
【数70】 は、基準シーケンスによって生成されるチャネルサンプルに直接対応するサンプ
ルのみを具備するために、固有ベクトルの制限の定位
【数71】 に依存する。該重み付け係数は、λlk/NO 比率によって測定される固有ベクト
ルBlkの寄与の品質にも依存する。離散チャネルの表示における係数
【数72】 の分散λlkが、ノイズサンプルの分散NOと比較して増大すると、対応する重み
付けもまた増大しかつ1に達する。
【0087】 更に、タイムスロットの間に受信されたサンプルのベクトルRに基づいて、本
発明による受信機は、離散チャネルの初期条件
【数73】 から始まる離散チャネルの反復評価を与える。EMアルゴリズムのSAGE拡張
によると、MAP基準による最適チャネル評価器は、各経路に対しても同様に、
評価
【数74】 から始まる再評価
【数75】 を繰り返し計算する。各反復の間に、チャネル評価器は、予め計算された
【数76】 ベクトルから始まる連続的な近似によって、Gl(d+l)個のベクトルを計算する。
ここで、l=0,1,……,L−1である。本発明によると、l番目の経路に関
連するGl個のベクトルの(d+1)番目の再評価Gl(d+1)のk番目の構成要素
は、以下の式を使用して、d番目の反復における離散チャネルのm番目の経路の
KARHUNEN-LOEVE分析を使用して取得される。
【数77】 ここで、
【数78】 であり、かつ、
【数79】 は、再構築Cm(d)のn番目の構成要素である。この再構築は、以下の式によって
明白に与えられる。
【数80】
【0088】 先のように、重み付け
【数81】 は、離散チャネルの適切な表示へのベクトルBlkの寄与の品質を考慮する。固有
ベクトルの寄与が(ノイズ分散と比較して)より高ければ高いほど、その重み付
けは、より1に近くなり、かつ、チャネル評価の再構成においてますます重要な
役割を果たす。
【0089】 先の式によってl番目の経路の適切な表示Gl(d+1)を評価するために、受信機
は、他の経路m≠lの寄与を減算することによって、
【数82】 の評価
【数83】 を計算することによって開始する。この減算は「ベクトルAn=(An-(L-1),A n-(L-2) ,……,An)が送信される」ということを仮定して行われる。その理由
は、このベクトルを実際に送信したことの条件付き事後確率
【数84】 によって後にこの式を重み付けすることが有用だからである。一旦、
【数85】 のこの評価が行われると、受信機は、変調と無関係になるために、該評価にAn- 1 の共役
【数86】 を乗算する。この操作は、常に、「ベクトルAn が送信された」ということを仮
定して行われる。その理由は、送信されたこのベクトルの条件付き事後確率によ
って
【数87】 の(結果として生じる)評価
【数88】 を重み付けることが必要だからである。明白なこととして、
【数89】 の最終評価
【数90】 は、Anの全ての可能性のある値の寄与を考慮して取得される。
【0090】 一旦、l番目の経路のn番目のサンプルのこの評価
【数91】 がlとN+l−1との間のnに対して取得されると、残りの全ては、この経路の
適切な表示に関連する正規直交ベースの各々のベクトルBlk上に受信機がそれを
投影することである。そして、(d+l)番目の反復におけるチャネルのl番目
の経路の評価へのその寄与の品質を考慮するために、k番目のベクトルBlk上の
投影が
【数92】 によって重み付けられる。
【0091】 実際には、少しの基本ベクトルのみが、各経路の表示への重要な寄与を行う。
この場合、KARHUNEN-LOEVE変換と逆変換とにおいて使用されるベクトルの数が、
複雑さにおける著しい低下を保証する一方で、性能における知覚可能な低下なし
に著しく減少される。
【0092】 離散チャネルの反復評価は、有限回数Dだけ行われる。それによって、(KARH
UNEN-LOEVE変換を使用して
【数93】 から取得される)大域的な評価
【数94】 は「受信機の性能における如何なる劣化も、無限回数の反復の後に取得される最
適な問題解決と比較して、わずかである」ということを保証する。この反復評価
は「n=0,1,……,N+L−2に対して、条件付き事後確率
【数95】 が、An=(An-(L-1),An-(L-2),……,An)ベクトルの全ての可能性のある
値に対して、知られている」ということを仮定する。これらの条件付き確率は(
BCJRアルゴリズム〔6〕としても知られる)BAHLアルゴリズムを使用し
て、正確に計算されてもよい。該確率は、また、BAHLアルゴリズムの一次の
変形を使用して、近似的かつ簡単に計算されることができる〔10〕。
【0093】 例えば、以下は、BAHLアルゴリズムを使用する従来の確率
【数96】 の計算の概要を記述する。「図8によると、瞬間nにおいて取得されるサンプル
nは、この瞬間に送信されるシンボルAnとそれに先立つL−1個のシンボルA n-1 ,An-2,……,An-(L-1)とに依存する」ということを注意されたい。故に
、変調器−マルチパスチャネル−復調器の組み立ては、マルコフ離散時間シーケ
ンスを使用してモデル化されてもよい。このマルコフシーケンスは、メッシュに
よって記述される。該メッシュにおいて、状態は、各瞬間nにおける図8内のオ
フセットレジスタの内容を示し、かつ、枝のラベルは、ホワイトナーフィルタか
らの出力における可能性のあるサンプルのノイズ無しバージョンを示す。例えば
、図11は、2つの状態{−1,+1}を伴う変調MDP2とタイムスロットの
長さN=4とに対して、L=2個の経路からなる離散チャネルのメッシュ図を示
す。
【0094】 このタイプのメッシュは、チャネルからの予期される出力を、送信シンボルに
依存する時間の関数として示す。「チャネルが2つの経路を有する」ということ
が仮定される場合、チャネル出力は、考慮された瞬間および先行する瞬間に送信
されたシンボルに依存する。例えば、瞬間n=1から始まり、「先行する瞬間0
(左終端における初期ノード)には何も送信されなかった」ということを知りな
がら、−1または+1のいずれかを送信することが可能である。もし、−1が送
信されたならば、「
【数97】 即ち
【数98】 がチャネルからの出力において受信される」ということが予期される。これは、
−1ノードへの第1の上方枝上に現れる量である。もし+1が送信されたならば
、「
【数99】 即ち
【数100】 を受信する」ということが予期される。これは、+1ノードへの第1の下方枝上
に現れる量である。
【0095】 n=1に対して、もし−1が送信されたならば、かつ、もし−1が先行する瞬
間n=0において送信されているならば、「
【数101】 即ち
【数102】 が受信される」ということが予期される。もし+1が送信されたならば、「
【数103】 が受信される」ということが予期される。同様に、もし+1が先行する瞬間に送
信されたならば、−1が送信されている場合には「
【数104】 が受信される」ということが予期され、また、+1が送信されている場合には「
【数105】 が受信される」ということが予期される。これら4つの値は、n=1における4
つの枝上に現れる。タイムスロットは0を送ることによって完了され、かつ、予
期される量は、先行する瞬間n=3において−1または+1のどちらが送信され
たのかに依存して、
【数106】 である。故に、メッシュは、実際には、各瞬間にチャネル出力において予期され
る量を、送信されたシンボルの関数として示す。
【0096】 離散チャネルのこの表示によると、メッシュの各枝は、ベクトルAn=(An-( L-1) ,An-(L-2),……,An)の唯一の値を決定する。なぜならば、第1に、第
1のL−1個の構成要素が枝の初期状態Sn=(An-(L-1),An-(L-2),……,
n-1)によって与えられ、かつ、第2に、最後のL−1個の構成要素が最終状
態Sn+1=(An-(L-2),An-(L-3),……,An)によって与えられるからである
。故に、条件付き事後確率
【数107】 を計算することの問題は、(受信サンプルベクトルRに依存する)メッシュの枝
の確率の計算と(第1のl個の経路m=0,1,……,l−1に対するベクトル
m(d+1)と最後のL−l個の経路m=l,l+1,……,L−1に対するベクト
ルCm(d)とによって与えられる)正規化離散チャネルの中間評価の計算とに減少
される。その結果、メッシュの枝は、この中間評価の係数によってラベル付けさ
れ、かつ、現実の離散チャネルの係数によってはラベル付けされない。
【0097】 受信されたベクトルRの確率の式を因数分解することによってメッシュの枝の
条件付き事後確率を効率よく計算するために、BAHLアルゴリズムが使用され
ることができる。これは、送信されるシーケンスAの各々に依存する。これは、
所与の瞬間において同じ過去または同じ未来を伴う送信シーケンスに共通の全て
の操作を複製することを回避するためである。その結果、このアルゴリズムは、
αn(S)およびβn(S)関数を使用する。これらの関数は、各々の瞬間n=0
,1,……,N+L−1と状態Snの起こりうる各値Sとに対して、過去および
未来それぞれの予測を与える。
【0098】 関数αn(S)は、瞬間nにおいて状態Sn=Sにあることと受信サンプル
【数108】 を有することと結合確率である。この関数は、以下の反復を使用する共通の過去
を伴うシーケンスに対する計算の因数分解によって計算される。
【数109】 ここで、γn(S’,S)は、同じ時間に状態Sn=Sから変化することとサンプ
ルRn-1を受信することとの(メッシュSn-1=S’の初期状態に依存する)確率
を与える関数である。この式は「過去に関する情報が、現在の瞬間に先立つ即座
の瞬間に関連する確率を通して、または、メッシュ枝の遷移の確率を通して取得
される」ということを示す。
【0099】 βn(S)関数の重要度は、αn(S)関数の重要度と同様である。それは、瞬
間nにおける初期状態Sn=Sに依存してサンプル
【数110】 を受信したことの確率である。この関数は、また、反復
【数111】 による未来から始まる連続する近似によって計算される。
【0100】 ここで再び、この反復は「状態Sn=Sに対する未来の情報は、この状態に即
座に続く状態Sn+1=S’の特徴と状態を共に結合するメッシュの枝とから始め
て取得される」ということを証明する。初期状態Sn=S’=(An-(L-1),An- (L-2) ,……,An-1)と最終状態Sn+1=S=(An-(L-l),……,An-1,An
とによって特徴付けられるメッシュの枝に対して、γk(S’,S)関数が以下
の式によって与えられる。
【数112】 ここで、P(An)は、シンボルAnを送ることの事前確率である。これらの事前
確率は、実際に送信された変調シンボルの起こりうる符号化を特徴付ける。これ
らの事前確率は、また(受信機に知られ、かつ、1つのみの起こりうる値を有す
る)基準シンボルを特徴付ける。これらの基準シンボルに対して、事前確率P(
n)は、実際に送信された値に対しては1に等しく、かつ、他の変調の起こり
うる値に対しては0に等しい。
【0101】 反復がαn(S)およびβn(S)関数上で行われることができるように以下の
初期値が使用されなくてはならない。 α0(S0=(0,0,……,0))=1およびβn-L-1=(SN-L-1=(0,
0,……,0))=1
【0102】 BAHLアルゴリズムを使用するαn(S)およびβn(S)関数の計算から始
めて、受信サンプルと以下の式を使用する離散チャネルの中間評価とに依存して
、メッシュの枝に対する確率を取得することは簡単である。
【数113】 ここで、An=(An-(L-1),An-(L-2),……,An)であり、S’=(An-(L-1 ) ,An-(L-2),……,An-1)であり、S=(An-(L-1),……,An-1,An)で
ある。
【0103】 しかしながら、「BAHLアルゴリズムはかなり複雑である」ということと「
実際には、(性能を過度に減少することなく計算の複雑度を大幅に減少する)近
似アルゴリズムを使用することが良好である」ということとに注意したい。これ
らの近似アルゴリズムの使用は、特に、経路および/または変調状態の数が高い
ときに推奨される。
【0104】 D回の繰り返しの後、受信機は、無限数の反復の後に通常取得される(最大事
後基準に依存する)最適値に近い直接チャネル
【数114】 の評価を有する。このチャネル評価と処理されるべきタイムスロットの間に受信
されるサンプルとから始めて、受信機は、ビタービアルゴリズムを使用した堅固
な決定、または、SOVAアルゴリズムまたはBAHLアルゴリズムを使用した
重み付けられた決定のいずれかを出力する。
【0105】 ビタービアルゴリズムは、最も有望な送信シーケンスを探索する。故に、ビタ
ービアルゴリズムは、これら送信シーケンス上の決定エラーの確率を減少できる
。SOVAアルゴリズムは、重み付けられた出力を伴うビタービアルゴリズムで
ある。SOVAアルゴリズムは、ビタービアルゴリズムを伴って行われた決定の
信頼性のより正確な特徴付けを可能にする。BAHLアルゴリズムは、受信サン
プルと取得されたチャネル評価とに依存して、各送信シンボルに対する事後確率
密度を決定できる。故に、BAHLアルゴリズムは、各送信シンボルの最も有望
な値を決定でき、故に、エラーレートを減少する。重み付け出力が、受信サンプ
ルに依存するシンボル確率を通して取得される。
【0106】 全ての場合において、受信機性能を増大するために、もし重み付け入力を伴う
訂正復号器またはソース符号器が使用されるならば、重み付け出力はかなり有用
である。
【0107】 例えば、BAHLアルゴリズムのフレームワーク内において、受信機は、αn
(S)およびβn(S)関数を計算するために、離散チャネルの
【数115】 評価を使用する。そして、これらの関数は、各シンボルAnに対する確率分布を
決定するために、以下の式を使用して、使用されることができる。
【数116】
【0108】 離散チャネルの反復評価のための全ての操作と上述された検出操作とが図12
に示される。チャネル評価器120は、
【数117】 ベース(l=0,1,……,L−1)を定義する手段と、重み付け係数
【数118】 を計算する手段122とを使用する。評価器120は、対応するCAZACシー
ケンスを伴う循環相関関係による基本基準シーケンス単体から始めて、チャネル
の第1の粗い評価を使用する。この第1の評価は、初期評価
【数119】 の適切な表示を出力するブロック
【数120】 基準1201によってシンボル化される。そして、評価器120は、チャネル評
【数121】 の適切な表示を出力する(ブロック
【数122】 によって示される)次数dの再評価リファレンス1202を使用する。これは、
(ブロック
【数123】 によって示される)次数d+1の再評価リファレンス1203によって続かれる
。該リファレンス1203は、チャネル評価
【数124】 の表示を出力する。最後に、評価器120は(ブロック
【数125】 によって示される)最終の次数Dの再評価リファレンス1204を使用する。該
リファレンス1204は、チャネル評価
【数126】 の適切な表示を出力する。評価器は、手段1205を使用してかつKARHUNEN-LOE
VE変換を使用して離散チャネルの最終評価
【数127】 を出力するために、評価されたチャネルのこの適切な表示を使用する。
【0109】 送信シンボル上の堅固または柔軟な決定は、ビタービアルゴリズム〔3〕また
はSOVAアルゴリズム〔2〕またはBAHLアルゴリズム〔6〕または一次の
BAHLアルゴリズム〔10〕を使用する手段123によって、エラー訂正復号
器またはソース復号器へ供給される。
【0110】 本発明によると、チャネルの反復再評価がD+1回行われ、かつ、
【数128】 を連続して計算するために使用される。図13は(各反復を構成しかつL個の経
路の各々の連続した評価に対して必要な)L個のステップを図解する。チャネル
評価器の(d+1)番目の反復
【数129】 は、チャネルのd番目の再評価から始めて条件付き事後確率
【数130】 を生成するために、(ベース
【数131】 と重み付け係数
【数132】 とを提供する)図12の手段121および122を使用する。これらの手段は、
BAHLアルゴリズムに基づきかつBAHL0ブロックリファレンス130によ
って示される第1のステップを実行する。これらの条件付き確率から始めて、(
d+1)番目の反復は、第1の経路の(d+1)番目の再評価G0(d=1)を可能に
するために、(SAGEアルゴリズムに基づく、かつ、SAGE0ブロックリフ
ァレンス131によって示される)第2のステップを実行する。
【0111】 l−1個の第1の経路の(d+1)番目の再評価から始めて、(d+1)番目
の反復は、チャネルのL−1個の最後の経路のd番目の再評価とこのチャネルの
第1のl個の経路の(d+1)番目の再評価とから始まる条件付き事後確率
【数133】 を生成するために、(再度、BAHLアルゴリズムに基づく、かつ、BAHLブ
ロックリファレンス132によって示される)第3のステップを実行する。次に
、(d+1)番目の反復は、l番目の経路の(d+1)番目の再評価Gl(d+1)
可能にするために、(SAGEアルゴリズムに基づく、かつ、SAGElブロッ
クリファレンス133によって示される)第4のステップを実行する。
【0112】 最後に、第1のL−1個の経路の(d+1)番目の再評価から始めて、(d+
1)番目の反復は、このチャネルの最後のチャネル経路のd番目の再評価と第1
のL−1個の経路の(d+1)番目の再評価とから始まる条件付き事後確率
【数134】 を出力するために、(BAHLアルゴリズムに基づく、かつ、BAHLl-1ブロ
ックリファレンス134によって示される)最終ステップを実行する。そして、
(d+1)番目の反復は、L番目の経路の(d+1)番目の再評価G(L-1)(d-1) を行うために、(SAGEアルゴリズムに基づく、かつ、SAGEL-1ブロック
リファレンス135によって示される)最終ステップを実行する。
【0113】 図12のブロック
【数135】 リファレンス1201によってシンボル化される第1の反復は、離散チャネルの
第1の評価を計算するためにBAHLおよびSAGEアルゴリズムを使用するこ
とはできない。本発明によると、事前および事後確率が受信機によく知られてい
る基準シンボルは、この第1の評価を行うために使用される。この第1の評価は
、これらの基準シンボルのみに依存する受信サンプルを対応するCAZACシー
ケンスと相関させることによって行われる。本発明は、重み付け
【数136】 を計算するために、図12の手段122を使用する。
【0114】 参照文献 [1] M. MOULY and M.-B. PAUTET, "The GSM System for Mobile Communication
s" Europe Media Duplication S.A., 1993. [2] J. HAGENAUER and P. HOEHER, "A Viterbi Algorithm with Soft-Decision
Outputs and its Applications", GLOBECOM' 89. [3] J.G. PROAKIS, "Digital Communications", McGraw-Hill, 1989. [4] U.H. ROHRS and L.P. LINDE, "Some Unique Properties and Applications
of Perfect Squares Minimum Phase CAZAC Sequences", IEEE COMSIG'92, Proc
eedings of the 1992 South African Symposium on Communications and Signal
Processing. [5] A. MILEWSKI, "Periodic Sequences with Optimal Properties for Channe
l Estimation and Fast Start-up Equalization", IBM Journal of Research an
d Development, vol.27, No.5, September 1983. [6] L.R. BAHL, J. COKE, F. JELINEK and J. RAVIV, "Optimal Decoding of L
inear Codes for Minimizing Symbol Error Rate", IEEE Transactions on Info
rmation Theory, March 1974. [7] J.A. FESSLER and A.O. HERO, "Space-Alternating Generalized Expectat
ion-Maximization Algorithm", IEEE Transactions on Signal Processing, vol
.42, No.10, October 1994. [8] G. KAWAS-KALEH, "Joint Carrier Phase Estimation and Symbols Decodin
g of Trellis Codes", ENST Paris, March 1991. [9] A.P. DEMPSTER, N.M. LAIRD and D.B. RUBIN, "Maximization Likelihood
from Incomplete Data via the EM Algorithm", Journal of the Royal Statist
ical Society, Ser. 39, 1977. [10] P. TORTELIER, "Decoding processes with weighted outputs using the
Viterbi algorithm in operation by blocks", French patent No. 9509610,
August 8 1995. [11] X. LAGRANGE, P. GODLEWSKY and S. TABBANE, "GSM-DCS networks: from
principles to standard", Hermes 1997. [12] S.A. TEUKOLSKY, W.T. VETTERLING, and B.P. FLANNERY, "Numerical rec
ipes in C: the art of scientific computing", W.H. Press, New-York, 1992. [13] FR-A-2 747 870.
【図面の簡単な説明】
【図1】 いくつかのユーザーに割当てられるタイムスロットの分配を示す
図である。
【図2】 TDMA技術を使用する送信および受信を図解する図である。
【図3】 ビットエラーレート(BER)の変化を、正規化されたドップラ
ー伝播(BDS)の関数として示す図である。
【図4】 ビットエラーレート(BER)の変化を、第1の構成においてか
つ2つの経路を伴う離散チャネルに対して、MDP4およびMDP8変調に対す
【数137】 比率の関数として示す図である。
【図5】 ビットエラーレート(BER)の変化を、2つの経路を伴う離散
チャネルを伴う第2の構成において、MDP4およびMDP8変調に対する
【数138】 比率の関数として示す図である。
【図6】 ビットエラーレート(BER)の変化を、第2の構成と4つの経
路を伴う離散チャネルとを使用するMDP4変調に対する
【数139】 比率の関数として示す図である。
【図7】 ビットエラーレート(BER)の変化を、1つおよび2つおよび
4つの経路を伴う離散チャネルを使用するMDP4変調に対する
【数140】 比率の関数として示す図である。
【図8】 ホワイトナーフィルタからの出力において観られる離散チャネル
の(オフセットレジスタの形式における)図である。
【図9】 受信サンプルのCAZACシーケンスおよびその循環シーケンス
との相関関係による離散チャネルのフィルタ係数の評価を示す図である。
【図10】 3つの正規化ドップラー伝播に対する共分散行列の最も大きい
固有値の分配を示す図である。
【図11】 2つの経路を伴うチャネルと2つの状態および4に等しいタイ
ムスロットの長さを伴う変調とに対するホワイトナーフィルタからの出力におい
て観られる正規化離散チャネルのメッシュの表示を図解する図である。
【図12】 受信されたタイムスロットに対する受信上で行われる処理のカ
テゴリを示す図である。
【図13】 チャネル評価アルゴリズムの基本の反復において行われる処理
のカテゴリを示す図である。
【符号の説明】
10……ソース 12……符号化器/インタレース器 14……変調器 20……マルチパスチャネル 30……復調器(マッチドフィルタ/ホワイトナーフィルタ) 32……離散チャネル評価器 34……イコライザー 36……デインタレース器/復号化器 38……受信人
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月18日(2001.6.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【数1】 の評価が、有限数(D+1)の反復を使用して、最大事後確率基準を使用して計
算され、反復ランク(d+1)
【数2】 は、先行する反復
【数3】 において取得された評価
【数4】 から始まる再評価
【数5】 を取得するために使用され、各反復
【数6】 において、ベクトル{Gl(d+l)}(l=0,1,……,L−1)は、L回のステ
ップにおいて、先行するステップにおいて計算されたベクトル
【数7】 から計算され、L個のチャネル経路の評価
【数8】 が、該経路の表示
【数9】 の評価から最終的に取得される ことを特徴するプロセス。
【数10】 を取得した後、かつ、処理されるタイムスロットの間に受信されたサンプルを考
慮した後、各送信シンボルに対する事後確率を取得するために、送信シンボルの
シーケンスに関する決定が、BAHLアルゴリズム(図13)またはその変形のうち
の1つを使用して行われる ことを特徴する請求項1記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】 最後に、離散チャネル評価は、受信サンプルと先の反復において供給されるチ
ャネル評価とによるBAHLアルゴリズムの使用に基づく。該アルゴリズムは、
離散チャネルを特徴付けるメッシュ枝の確率を、SAGEアルゴリズムの各反復
へ提供する。 文献欧州特許公開第0802656号公報は、チャネル評価に対して多数の基準ブロ
ックを使用する技術を記載する。この文献は、反復プロセスを記載するが、(チ ャネルの2つの連続的な状態の間における遷移をシンボル化し、かつ、チャネル 出力において起こりうるシーケンスを特徴付ける)枝を伴うメッシュによるチャ ネルの表示を記載しない。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時分割多元接続型の無線移動通信のためのプロセスであって
    、タイムスロットは、無線電気信号の送信および受信に対して、いくつかのユー
    ザーに割当てられ、本プロセスにおいて、 − 送信時に、データシンボルおよび基準シンボルが、割当てられた各タイム
    スロットにおいて生成され、これらのデータシンボルおよび基準シンボルを具備
    する無線電気信号が送信され、この信号はマルチパス無線移動チャネルに沿って
    送られ、 − 受信時に、マッチドフィルタリングが受信信号へ適用され、濾波された信
    号がシンボルレートでサンプリングされ、無線移動チャネルの評価が行われ、サ
    ンプルはこのチャネル評価を使用して処理され、割当てられたタイムスロットに
    特有のデータシンボルが復元され、 このプロセスは、 − 送信時に、適切な時間相関関係特性を処理するいくつかの基準シーケンス
    が、割当てられた各タイムスロットに対して構築され、これらのシーケンスは各
    タイムスロットにおいて分配され、 − 受信時に、 i) 無線移動チャネルを評価するために、このチャネルはメッシュによって
    示され、該メッシュは、チャネルの2つの連続的な状態の間における遷移をシン
    ボル化しかつチャネル出力において起こりうるシーケンスを特徴付ける枝を具備
    し、 ii) これらの枝の確率が反復アルゴリズムを使用して計算され、このチャネ
    ルのL個の経路の表示 【数1】 の評価が、有限数(D+1)の反復を使用して、最大事後確率基準を使用して計
    算され、反復ランク(d+1) 【数2】 は、先行する反復 【数3】 において取得された評価 【数4】 から始まる再評価 【数5】 を取得するために使用され、各反復 【数6】 において、ベクトル{Gl(d+l)}(l=0,1,……,L−1)は、L回のステ
    ップにおいて、先行するステップにおいて計算されたベクトル 【数7】 から計算され、L個のチャネル経路の評価 【数8】 が、該経路の表示 【数9】 の評価から最終的に取得される ことを特徴するプロセス。
  2. 【請求項2】 各反復の各ステップ内のシーケンスにおいて、 i) 最後のL−l個の経路のd番目の再評価と第1のl個の経路の(d+1
    )番目の再評価とから始めて条件付き確率を生成するBAHLアルゴリズムまた
    はその変形のうちの1つ、 ii) l番目の経路の(d+1)番目の再評価を出力するSAGEアルゴリズ
    ム が使用される ことを特徴する請求項1記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 離散チャネルの評価 【数10】 を取得した後、かつ、処理されるタイムスロットの間に受信されたサンプルを考
    慮した後、各送信シンボルに対する事後確率を取得するために、送信シンボルの
    シーケンスに関する決定が、BAHLアルゴリズムまたはその変形のうちの1つ
    を使用して行われる ことを特徴する請求項1記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 K個の基準シーケンスが、割当てられた各タイムスロットに
    おいて分配され、ここで、Kは2から12までである ことを特徴する請求項1記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 各シーケンスは、8より少ない数の基準シーケンスを具備す
    る ことを特徴する請求項1記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 基準シーケンスは、起点を除く何処ででもゼロ循環自己相関
    関数を有する ことを特徴する請求項1から請求項5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 基準シーケンス{−1,+1,+1,+1}(または、循環
    スワッピングによってこの基準シーケンスから得られるシーケンス)が使用され
    、または、符号変化が4以下の数の経路(L)に対して使用される ことを特徴する請求項6記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 基準シーケンス{l,i}または循環スワッピングによって
    この基準シーケンスから得られるシーケンスが使用され、共役または符号変化が
    2以下の数の経路(L)に対して使用される ことを特徴する請求項6記載のプロセス。
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