JP2003512599A - 異性化/光学的反転したエピトープに対する特異的免疫反応:自己免疫病診断への応用 - Google Patents

異性化/光学的反転したエピトープに対する特異的免疫反応:自己免疫病診断への応用

Info

Publication number
JP2003512599A
JP2003512599A JP2001517161A JP2001517161A JP2003512599A JP 2003512599 A JP2003512599 A JP 2003512599A JP 2001517161 A JP2001517161 A JP 2001517161A JP 2001517161 A JP2001517161 A JP 2001517161A JP 2003512599 A JP2003512599 A JP 2003512599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gly
asx
glu
epitope
ser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001517161A
Other languages
English (en)
Inventor
クロオース、ポール・アンドレアス・コンパーレ
クリストガウ、ステファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osteometer Biotech AS
Original Assignee
Osteometer Biotech AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osteometer Biotech AS filed Critical Osteometer Biotech AS
Publication of JP2003512599A publication Critical patent/JP2003512599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/564Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for pre-existing immune complex or autoimmune disease, i.e. systemic lupus erythematosus, rheumatoid arthritis, multiple sclerosis, rheumatoid factors or complement components C1-C9
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/24Immunology or allergic disorders
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/28Neurological disorders
    • G01N2800/285Demyelinating diseases; Multipel sclerosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Rehabilitation Therapy (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン又はグルタミン酸残基において異性化したタンパク質と反応性を示す抗体及びTリンパ球が、IgG(リューマチ性関節炎)及びミエリン塩基性タンパク質(多発性硬化症)に対する自己反応性を含む自己免疫症状に関連性をゆすることが見出された。異性化したタンパク質配列に対する自己免疫反応性を診断する測定法が記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば自己抗体や自己反応性T細胞などの免疫系成分を測定する方
法及び当初診断を行い且つ自己免疫病をモニターするための診断的免疫測定方法
を開発する操作手順に係わる。
【0002】
【従来の技術】
自己免疫病は、生物の自己構成成分が免疫系によって認識される結果、異常な
免疫応答が開始されることになるという、共通の指標を有した複雑な一群の症状
を含んで成る。自己免疫反応が生起するためには、通常は良好に維持され、健常
な個人にあっては終生維持される免疫学的寛容が、“破断・破壊”される必要が
ある(Cooke 1988)(下記する“参考文献”を参照のこと)。かかる現象の原因
は、一般的には評価し難いものである。その理由は、自己免疫反応の開始は、当
該疾病の臨床診断が行われる数年前に生起しており、しかもかかる開始事象は、
疾病が異なれば大幅に変動する可能性があるからである。ヒトの身体における潜
在的な自己抗原の数は膨大であるとはいえ、自己免疫病は、僅かに幾つかの組織
と抗原に限定されることに注目すべきである。生物体内において標的抗原及び自
己免疫反応が局在化していると仮定すれば、自己免疫病は、器官特異的又は非器
官特異的(全身的)疾患のいずれかに分類することが出来る。何れの場合にも、
当該免疫反応は、当該免疫系の内の体液性(即ち、抗体合成性)部分と細胞性部
分とを包含するものである(Cooke 1988)。
【0003】 本発明は、例えば自己抗体や自己反応性T―細胞又はB−細胞などの免疫系成
分及び例えば自己抗原などこれらと相互反応性を有する分子を特性化して、かか
る免疫系成分及び自己抗原を検出するための操作手順に係わる。かかる操作手順
の適用及び本発明の使用に関する実施例において、全身性自己免疫病であるリュ
ーマチ性関節炎(RA)又は多発性硬化症(MS)に関連した自己免疫現象を記
載してある。しかしながら、このことは、本発明の具体的な説明の一つとして了
解されるに過ぎず、本発明の範囲をRA又はMSにのみ限定するものとは決して
意図されることはない。
【0004】 本発明の根底となる仮説 本発明は、種々のタンパク質において感受性の高い残基の異性化及び光学的反
転が、自己免疫病における自己免疫応答の生成にとって重要である、という仮説
に基くものである。アスパラギン酸とアスパラギン(Asx)及びグルタミン酸
とグルタミン(Glx)残基が、幾つかの感受性の高いタンパク質において自発
的転移を受けて、かくしてAsx又はGlx残基と隣接残基との間における正常
なペプチド結合が、直鎖のα―カルボキシル基から側鎖のβ―カルボキシル基(
Glx残基についてはγ―カルボキシル基)に転移されるのである(Clarke 198
7)。この異性化反応は、スクシンイミドを経由して進行するが、自発的加水分
解が生起すると直ちに下記する四つの式のうちの一つに変わる:即ち、以下の化
学反応スキームでアスパラギン酸について概略示すように通常存在するαL、イ
ソ型であるβL、又は二つの光学的反転型であるαD及びβDである。
【0005】
【図】
【0006】 ペプチド主鎖窒素原子が隣接アスパラギン残基の側鎖カルボニル基を攻撃した
結果、スクシンイミド環が形成される可能性がある(A→B)。このスクシンイ
ミド環は、加水分解及び光学的反転を受けて、D及びL双方の立体配座であるぺ
プチドとイソぺプチドを生成しやすい。光学的反転は、直接的プロトン引き抜き
(A←→D←→G又はC←→F←→I)かスクシンイミド経路(B←→E←→H
)のいずれかを介したカルバニオン中間体を経由して(D,E及びF)進行する
。上記図においては、当該ペプチド主鎖は、太字の直線で表す。この図は、As
p−Gly配列において生起する異性化/光学的反転反応を示すものであるが、
当該反応は、感受性のあるAsx又はGlx含有エピトープの何れにおいても生
起する可能性がある。
【0007】 しかしながら、環状イミド生成(及び異性化/光学的反転)が起きるためには
、このAsxとGlx残基を取り巻く三次元構造は、最適構造と充分な柔軟性と
を有していなければならない(Clarke 1987)。
【0008】 種々の研究の結果、ペプチド及びタンパク質内におけるAsxの光学的反転は
、主としてスクシンイミド経路(B←→E←→H)を経由して進行することが判
っている(Geiger and Clarke 1987, Radkiewics et al 1996)。しかしながら
、例えば直接的プロトン引き抜き又はイミノーδ―ラクトン形成などその他の経
路も、光学的反転に寄与する可能性がある(Radkiewics et al 1996)。しかし
ながら、これらの経路は、重要性としては低いものと推定される(Geiger and C
larke 1987, Radkiewics et al 1996)。
【0009】 タンパク質又はペプチド内にこのような構造的変化を導入することは、その機
能、安定性及び物理的化学的特性に甚大な影響を及ぼす。本発明は、かかる構造
的変化が当該分子の免疫原性について有する役割を記載・報告するものである。
【0010】 あるタンパク質又はペプチド内にかかる異性化した及び/又は光学的反転した
残基を導入した結果、当該タンパク質が免疫応答を発揮する能力において重要な
役割を有する新規なβL、αD及びβD型が生じるのである。特に自己免疫病に
おいては、患者自らの組織又は器官の自己成分が突然抗原として免疫系の対象に
なるため、異性化及び/又は光学的反転が重要な役割を果たすのである。
【0011】 異性化及び/又は光学的反転は、自発的に極めて低い速度で生起するため、免
疫学的寛容の対象とはなりにくい分子に新規なエピトープを導入する可能性があ
る。このような新規のエピトープは、免疫系の抗原提示細胞によって認識され、
その結果免疫応答を発揮することになる。
【0012】 Asxに関連した“タンパク質疲労”が免疫原性を含むタンパク質特性に及ぼ
す影響は、研究検討に価する可能性がある(Galletti et al 1995)。
【0013】 短鎖のペプチドの持つ免疫学的特性は、アスパルチル残基の光学的反転によっ
て左右される可能性があることが既に報告されている(Benkirane et al 1993)
【0014】 更には、インビトロで脱アミド化した血清アルブミンが、抗原特性を変化させ
、かくして生体内で免疫原性を有するものになり又インビボでの同様のプロセス
が、加齢した生体内での種々の自己免疫プロセスの生成において役割を果たして
いることが報告されている(Lukash et al, 1987)。
【0015】 アスパラギンの脱アミド化は、当該ペプチド結合の異性化の結果である可能性
があるが、脱アミド化については多くのプロセスが存在する(Mor et al, 1992
)。脱アミド化それ自体では、上記反応スキームにおいて示した態様においてス
クシンイミドを経由した異性化/光学的反転により生起した種類のタンパク質主
鎖の構造的変化は惹起されることはない。脱アミド化は例えば、当該アミドのう
ちのアミンーNH2基を脱離するのに特異的であって且つ当該ペプチド結合を変
化させないか又は光学活性の変化を伴わない酵素の作用の結果である可能性もあ
る。
【0016】 D−アミノ酸を含むペプチドに対する免疫応答は、L−アミノ酸からのみ構成
される相当するペプチドに対する応答とは異なることが報告されている(Sela &
Zisman 1997, Maillere et al 1995, Todome et al 1992, Sela & Fuchs 1965
)。Todomeら (1992)は、D―アラニン残基を含有するバクテリア性
タンパク質断片は、ヒトにおいて免疫応答を惹起することを証明している。Ma
illereら(1995)は、蛇毒に由来する、T−細胞エピトープ中の通常
型のL−アミノ酸は、T−細胞レセプターとの結合及びその反応性を変化させる
ことを示している。Sela及びFuuchs(1964年プラハで開催された会合
での会議講演要旨)は、D−アミノ酸をエピトープ/抗原に含有させると、D―
チロシンを含む合成オリゴペプチドを用いた実験結果から判定しているようにそ
の抗原性を増加させる可能性があることを記述している。これらや類似の観察結
果は、Morら(1992)やSela及びZisman(1997)による総
説においてさらに検討されている。
【0017】 これらの報告書の何れにおいても、自己抗原又は自己抗原性エピトープがD−
アミノ酸を含有しているとか又はかかるD−アミノ酸が自己免疫応答を誘発する
可能性があることを議論してはいない。更には、上記において引用した研究報告
の何れも、本特許明細書において記載するスクシンイミド経路を介した自発的光
学的反転について言及していない。寧ろこれら報告書には、*Glx及び*Asx
以外のD−アミノ酸を用いて作成した合成ペプチドを使用して行った研究を記載
しているのである。
【0018】リューマチ性関節炎 リューマチ性関節炎(RA)は、重篤な慢性で且つ進行性の疾患であり、工業
国及び発展途上国の何れにおいても人口のほぼ1%が罹患している。環境、遺伝
子及び発育の諸因子がRAの病因に関与しているものの、現在ではRAは、自己
免疫病のひとつであることが確立されている(Williams 1996)。
【0019】 RAの主要な臨床像としては、軟骨及び滑膜組織の異常と退化であり、その結
果関節の潤滑機能が重度に低下するため、RA患者の運動能力に係わる問題が幾
つか生じる。罹患した関節は、多形核好中球、マクロファージ、T−細胞やその
他の免疫系細胞を含んだ浸潤(滑膜炎)を示す。これらの細胞は、ある能動的免
疫学的プロセスに関与していて、この場合これら細胞及びその分泌生成物の作用
が関節破壊のメディエータとなる(Munthe & Natvig 1972; Harris 1993)。そ
の代わりに、活性滑膜炎が、新たな毛細血管(血管新生)と滑膜内膜細胞の関節
内部への過大成長を促す結果、関節の正常な機能を更に障害することになる。
【0020】 RAの最も特徴的な血清学的特長は、自己IgGに対して配向した抗体が循環
することである(Bernstein 1990)。これらの抗IgG自己抗体は、リューマ
チ性因子(RFs)と称される。RFsは、IgM,IgG,IgA及びIgE
であってもよいが、IgM及びIgGのRFsが、RA患者の間では臨床上の重
要性と蔓延性は大きいように思われる(Jonsson & Validimarsson)。多くの免
疫グロブリンクラスがRF応答に関与しているとの知見が得られた結果、RF形
成は、抗原に駆動され且つT細胞依存性であって、単なるモノクローナル増殖又
は免疫系の全般的な刺激の結果ではないことが強く示唆されることになった(Har
ris 1993; Bernstein 1990)。
【0021】 RFsは、RAに特異的なものではなく、割合は異なるが、急性炎症患者、自
己免疫病などの患者また一見健常と見える若干の人の血清中にも見出される(Che
n et al 1987, Carson et al 1993, Bernstein 1990)。滑膜組織中で局所的に自
己関連RF複合体が形成されることは、RAやその他の全身性自己免疫病、例え
ばシェーグレン症候群、全身性紅斑性狼瘡や強皮症などにおいてしか認められな
い(Natvig & Munthe 1975, Winchester 1975)ことから、何らかの異常因子又は
免疫学的応答がこれらの疾患においてIgG−RF複合体の凝集を加速している
ことが示唆されている。
【0022】 RAに関するこのような誘発原因因子は、未だ特定されておらず、大半の自己
免疫病について言えるように、自己免疫攻撃が疾患の臨床的発症に数年も先だっ
て誘発開始される可能性があるため、このような研究は実行が困難である。RA
に対する高い感受性は、幾つかのMHC遺伝子の対立遺伝子、即ちDR−1位置
のDw4とDw14遺伝子に関連していることが、既に充分確立されている(Nep
om 1990)。
【0023】 本疾患の誘発開始と病因におけるRFの役割は、未だ知られていないが、RF
がかかる疾患における中心的事象であるか、それともRAにおける二次的現象と
して単に発生しているのかの疑問には、依然として回答がなされていない。RA
におけるRF形成の誘発開始は、IgGのFc領域における立体構造変化の結果
である可能性がある(Johnson et al 1975)。
【0024】 RA患者から単離されたIgGにはFcフラグメントにおけるオリゴサッカロ
イドのガラクトシル化に欠陥があるとの観察が、Parekhら(1985)によって
なされ、大きな興奮を巻き起こしたが、IgGのガラクトシル化状態の持つ臨床
上の意義について更なる研究がなされたが、矛盾する結果が得られている(Pare
kh et al. 1988, Tomana et al. 1988)。寧ろ、IgGのガラクトシル化の欠陥
は、自己免疫病を発症するための一般的なリスクファクターである可能性がある
(Harris 1993; Pilkington et al 1995)。
【0025】 RA患者から採取した関節について行った免疫組織化学的研究の結果、リュー
マチ性滑膜中にはRF活性を示すプラズマ細胞を含んだ相当数のIgGが存在す
ることが明らかとなり(Munthe & Natvig 1972)、その結果、RFsが自己IgG
と反応して、巨大な自己凝集性複合体を形成し、これが次に貪食されるため、引
き続いてリソソーム酵素の放出・遊離が生起することになることが提案されてい
る。幾つかの観察結果が、RAにおいて免疫学的に誘発された組織損傷の機構を
支持している(Williams 1996; Carson 1993)。
【0026】 幾つかの免疫グロブリン型を有し、従って関与するIgG分子上に多重エピト
ープを有するRFsの異種性もまた、本疾患において果たす役割を正確に判断・評
価するのを妨げている(Kalsi & Isenberg 1993)。RAに関連したRFsは、別
の状況下にあるRFsとは異なっている可能性があり、IgGのFc領域のCH
2及びCH3範囲におけるエピトープに対して配向されているように思われる(Bo
nagura et al 1993)。
【0027】 IgGは、多数のアスパラギン及びアスパラギン酸残基を含み、これらは理論
的に環状イミド(異性化/光学的反転)を形成するのに用いられる可能性がある
。IgGの三次元構造は公知であり、ヒトタンパク質内におけるAsx異性化の
潜在的部位に関する理論的研究にも含まれていた(Clarke, 1987)。標準結合の
長さと幾何学とを想定して、Clarkeは、バックボーン窒素原子からAsx
又はGlxの側鎖ガンマカルボニル炭素までの距離をヒトIgGを含む種々のタ
ンパク質の場合について二面角ファイ(φ)、プサイ(ψ)、カイ(χ)及びカ
イ2(χ2)に基いて計算・算出している。これらの理論的な考察の結果、ヒト
IgG FCH3領域におけるAsn−384は、イミド形成のためには最小の
立体構造変化しか必要としないことが判明し、従って、この部位は異性化し易い
傾向を有するものと予想される(Clarke (1987))。更には、Svasti及びM
ilstein(1972)による研究の結果、マウスIgGは、Fcフラグメント内
のAsn−Gly配列において異性化することが明らかとなっている(Svasti及
びMilstein 1972)。Asn−384の周辺領域は、表面が暴露され、特にイミ
ド形成を促進する環境影響に対して感受性が高く、敏感である可能性がある。
【0028】自己免疫反応と多発性硬化症 多発性硬化症(MS)は、中枢神経(CNS)白質の炎症性疾患であり、その
結果神経機能の混乱・破壊を伴なう脱髄領域の発生に到る。MSの病因・病理発
生は未だ解明されていないが、自己免疫機構に起因し、ミエリン破壊に到るもの
と信じられている。
【0029】 MSの誘発・開始原因因子は、未だ特定されておらず、大半の自己免疫病の場
合と同様に、自己免疫攻撃が、当該疾患の臨床的発症に先立つ数年前に開始して
いる可能性があるため、かかる研究は実行が困難である。MSの疾患プロセスが
一定の病理学的レベルに到達する前に幾つかの事象が生起するはずである。これ
ら事象の一つとして、血液脳関門が通常は充分に維持されて、CNSの諸成分と
免疫系との間における接触が防止されるのであるが、ミエリンタンパク質とかか
る脳血液関門における欠陥に対する健常な免疫学的寛容の破断・破壊が挙げられ
る(de Vries et al 1997)。
【0030】 本疾患の発病と病因・病理発生における自己抗原の役割は未知であり、自己抗
原の生成が本疾患の中心的事象であるか又はMSにおける副次的現象として生起
するに過ぎないのかに係わる疑問は、依然として回答はなされていない。MSに
おける自己抗原生成の開始は、ミエリンタンパク質の立体配座の変化の結果であ
るのかもしれない。
【0031】 幾つかのミエリンタンパク質が、自己抗体及び自己反応性T細胞の標的として
関与しており、例えばミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ミエリン希突起神
経膠細胞(MOG)及びαβ―クリスタリンなどがある(Martin 1997、Bettada
pura et al. 1998、Van Noort et al, 1998)。
【0032】 MBPは、MSにおいては自己抗体及び自己反応性T−細胞の標的である。M
BPの三次元構造は公知であり(Beniac 1997)、この分子は、多くのアスパラ
ギンとアスパラギン酸とを含み、これらは理論的には環状イミド形成(異性化/
光学的反転)に用いられる可能性がある。異性化/光学的反転が、このタンパク
質の抗原性に影響を与えることはありそうである。
【0033】 MOGは、ミエリン鞘の外表面に局在化した膜貫通型グリコプロテインである
(Linington et al. 1984)。ミエリン鞘の外表面上に限定して局在化しているた
め、MOGは、特にCNS内の抗MOG抗体がインビボ及びインビトロの双方に
おいて広範な脱髄を起こすため、MSにおいて自己免疫攻撃に対する理想的な一
次標的抗原となる(Adelman et al 1995)。
【0034】 MOGは、EAEモデルにおいて脱髄性抗体を開始出来且つまた脳炎発生性T
−細胞エピトープを含む、これまでに報告された唯一のミエリン自己抗原である
(Linington et al. 1993)。更に抗―MOG抗体の存在が、MS患者の血液中及
びCSF中において証明されている(Sun et al. 1991)。そのうえ、Kerle
ro de Rosboと共同研究者は、MSkjのある母集団において圧倒的
なMOGに対するT−細胞の応答を証明している(Kerlero de Rosbo et al. 199
3)。MOGは、光学的反転/異性化の潜在的部位をただ一つしか含んでいないが
、この部位は、MOGの残基54−55から成り、分子の表面暴露部分に位置す
る。更には、この部位は、極めて脳炎発生性が高く且つB−細胞とT−細胞応答
の強力な(最も強力な)誘発因子であることが証明されている配列MOG35-55
の一部である(Ichikawa et al 1006)。
【0035】 従って我々は、MBP、αβ―クリスタリン又はMOGの感受性のある部位にお
ける異性化が、MS病因・病理発生にある役割を果たしていることを提案する:
異性化/光学的反転は、体液性及び細胞性免疫系の標的となるであろう新規な免
疫原性エピトープを提供することによってMSの初期相に直接的に関与する可能
性がある。
【0036】その他の免疫病 本発明の基礎となる理論(即ち、自己タンパク質の異性化/光学的反転によっ
て、自己免疫応答を生起させる新規の非寛容化エピトープが生成する)も同様に
、他の自己免疫病にも適用可能であろう。これらのうち幾つかを下記する。
【0037】インスリン依存性糖尿病(IDDM) ランゲルハンス島にある膵臓のβ細胞は、自己免疫反応の結果破壊され、その
結果インスリン依存性糖尿病(IDDM)を惹起する可能性がある。この破壊は
、長期間にわたって進行し、その後初めて臨床症状が発現・発症する(Gorsuch
et al. 1981)。多数の自己タンパク質が、IDDMにおける自己抗原として同
定されている。
【0038】 神経内分泌酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)は、IDD
Mにおける主要な自己抗原である(Baekkeskov et al. 1990)。GADには二種の
イソ型、即ちGAD65及びGAD67が存在し、これらは、大半はN末端の最
初の100個のアミノ酸が異なる。IDDM血清は、GAD65に対して圧倒的
に反応性を示すが、自己エピトープは主として、GAD67と相同性が高いGA
D65の幾つかの領域に局在している。
【0039】 二種の緊密に関連したタンパク質であるIA2及びIA2betaは、膜貫通
型チロシンホスファターゼファミリーに属し(Banifcio et al. 1995, Lu et a
l. 1996)、同様にIDDMにおける自己抗原であることが判っている。IDD
M患者は、しばしばこれらのタンパク質に対する自己抗体を示す(Li et al. 19
97)。
【0040】 Glima38は、38kDaのランゲルハンス島細胞の膜グリコプロテイン
であって、やはりIDDMにおける自己抗原であることが示されている(Baekkes
kov et al. 1982、Aanstoot et al. 1996)。
【0041】 さらには、インスリン自己抗体(IAA)は、新たに診断されたIDDM患者
の内の少なくとも半数において検出されているが(Palmer et al. 1883)、IAA
の有する予見能は劣っている(Dean 1986)。
【0042】重症筋無力症 重症筋無力症(MG)は、骨格筋アセチルコリンリセプター(AChR)を標的
とする器官特異的自己免疫病である(Berrin-Aknin 1995)。即ち、大半のMG患
者は、神経筋伝達を妨害する、AChR配向自己抗体を有する。AchRは胸腺
に存在するものの、このタンパク質に対する寛容は、MG患者には欠落している
。かかる観察結果に対する一つの説明は、MG患者は、AChRが“変化した”
(異性化又は光学的反転した)結果新規なエピトープとなり,従って寛容されな
くなったAChRに対する免疫学的応答を起こす、ということである。AChR
上の幾つかのT細胞エピトープが既に報告されている(Zisman et al. 1996、Yos
hikawa et al. 1997、 Atassi & Oshima 1997)が、中でも幾つかのAsxとGl
x残基を含むAChR129-145は、潜在的に異性化/光学的反転を受けやすい可
能性がある。最近、この疾患におけるもう一つの可能性のある自己抗原が同定さ
れている:即ち、グラビン(Gravin)であって、250kDaのキナーゼ
スカホールドプロテイン(kinase scaffold protein)(Nauert et al. 1997)で
ある。従ってこのタンパク質におけるAsx及びGlx残基は、異性化/光学的
反転受けて、自己免疫応答を誘発し易い可能性がある。
【0043】ツェリアカ(腹部内臓病) ツェリアカ病(CID)は、食事中のグルテンに対する筋内膜及びT−細胞媒
介過敏反応に対するIgA自己抗体によって特徴ずけられる。グリアディン(G
liadin)が、グルテンの免疫原性部分であって、CID患者由来のT−細
胞クローンに反応することが明らかにされている。CIDにおける腸内炎症は、
食事中の小麦グリアディンに対する暴露によって促進され、組織トランスグルタ
ミナーゼ(TGase)なる酵素の粘膜活性が増大することに関連している。こ
の酵素(TGase)が、かかる症状の自己抗原であると同定されている(Diet
erich et al. 1997)。即ち、患者の98%が、TGaseに対するIgA力価
が上昇しており、一方健常な対照者の95%は陰性である(Dietrich et al. 19
98)。
【0044】チャガス病(DC) 寄生原生動物であるTrypanosoma cruziに感染した結果、チ
ャガス病(CD)と称される慢性の心臓及び内臓に関連した自己免疫病に罹患す
る。この慢性疾患は、心筋及び神経組織における濃厚な炎症性浸潤によって特徴
ずけられる。多数の自己タンパク質が、CDにおける自己抗原として同定されて
いるが、中でも、心臓ミオシン(Abel et al. 1997)、ムスカリン様アセチルコ
リンレセプター(mAChR)(Goin et al. 1997)、及び核内低分子RNA(UsnRNP)(
Bach-Elias et al. 1998)などが挙げられる。
【0045】乾癬(Ps) 乾癬(Ps)は、表皮の増殖性慢性疾患であって、自己免疫の性格を有するよ
うに思われる。この疾患の典型的な臨床的発症は、銀白色の鱗屑で被覆され、炎
症を起こし腫脹した皮膚病変である。しかしながら、この疾患は、多くの異なる
変型や重篤度で発症する。Ps患者の5乃至10%は、関節の炎症と糜爛・侵食
を起こす乾癬性関節炎を発症する。本疾患の病因・発症病理は、なお議論の多い
ところであるが、その自己免疫性格は、免疫抑制治療及びIL−2(活性化T−
細胞の増殖を選択的に防止する薬剤)による良く知られた成功によって裏ずけら
れている(Gottlieb et al. 1995)。幾つかの研究も同様に、本疾患へのT―細胞
病因の関与を示唆している(Schon et al. 1997)。推定された、200KDaの
透明板P(lamina lucida Ps)―自己抗原が最近同定されている(Chen e al. 1996
)。
【0046】クローン病(CrD) クローン病(CrD)は腸の慢性炎症性疾患であり、頻繁に小腸及び大腸に局
在化して、潰瘍を生起せしめるが、CrDは、消化系全般に影響を与える可能性
がある。CrDの原因は、目下のところ不明であるが、本質は自己免疫系である
ように思われる。尤も、現在のところ自己抗原又はT−細胞エピトープは一切同
定されていない。
【0047】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、(a)異性化したペプチド結合及び/又は光学的に反転した
アミノ酸を含むエピトープを特異的に認識する自己反応性免疫系成分及び/又は
(b)前記エピトープを含む自己抗原若しくはその断片及び/又は(c)前記エ
ピトープを含む且つ自己免疫応答を誘発する能力を有する非自己抗原若しくはそ
の断片の試料中での存在を定量的又は定性的に測定する操作に試料を供すること
から成る測定方法を提供するものである。
【0048】 該異性化は、アスパラギン酸若しくはアスパラギンなるアミノ酸残基又はグルタ
ミン酸若しくはグルタミンなるアミノ酸残基におければよい。
【0049】 前記免疫系成分は、細胞性免疫系成分、例えばT―リンパ球であればよい。又
はその代わりに、前記免疫系成分は、例えば抗体などの体液性免疫系成分であれ
ばよい。かかる抗体は、公知の抗体型のものであれば何れでもよく、特にIgG
であればよい。
【0050】 前記エピトープは、本質的に如何なるタンパク質のアミノ酸配列を一つ含んで
成っていてもよいが、幾つかの自己免疫症状に関連して、異性化したペプチド結
合及び/又は光学的に反転した、IgG、MOG、MBP又はαβ―クリスタリン
であってもよい。他の自己免疫症状に関連して、該エピトープは、当該疾患の進
行の過程において攻撃されたタンパク質の一部を形成していてもよい。
【0051】 前記自己抗体の検出が好ましくは、例えばリューマチ性関節炎、多発性硬化症
、インスリン依存性糖尿病、重症筋無力症、ツェリアカ(腹部内臓病)、チャガ
ス病、乾癬又はクローン病などの自己免疫病を示すものである。
【0052】 前記免疫系成分が、下記する配列の何れか一つに含まれる特定の又は一つのア
ミノ酸である*Asxを含んで成るエピトープに配向させた自己抗体であっても
よい: Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr; Trp−Glu−Ser−*Asx−Gly; His−Phe−Phe−Lys−*Asx−Ile−Val−Thr−Pr
o; Pro−Ser−*Asx−Glu−Gly−Lys−Gly−Arg; Ala−Leu−Gly−Ile−Gly−Thr−*Asx−Ser−Va
l−Ile; Trp−Ser−Phe−Gly−Ser−Glu−*Asx−Gly−Se
r−Gly−*Asx−Ser−Glu−Asn; Met−Glu−Val−Gly−Trp−Tyr−Arg−Pro−Pro
−Phe−Ser−Arg−Val−Val−His−Leu−Tyr−Arg
*Asp−Asn−Gly−Lys Val−Val−His−Phe−Phe―Lys−*Asx−Ile−Va
l−Thr−Pro Ala−Gly−Trp−Leu−*Asx−Gly−Ser−Val−Ar
g;又は Gly−Arg−Val−Arg−Val−*Asx−Ser−Ala−Ty
r: なお上式において、*Asxは、αD Asp若しくはAsn、又はβLAsp若
しくは原初の配列における残基Asp若しくはAsnの異性化/光学的反転によ
り生成するβD Aspである。
【0053】 前記免疫系成分は、下記する配列の何れか一つに含まれるアミノ酸*Glxを
含んで成るエピトープに配向させた自己抗体であってもよい: Pro−Ser−*Glx−Gly−Lys−Gly−Arg; Phe−Ser−Trp−Gly−Ala−*Glx−Gly−Arg;又は Asp−Ala−*Glx−Gly−Thr−Leu−Ser−Lys: なお上式において、*Glxは、αD Glu若しくはGln、又はγLGlu若
しくは原初の配列における残基Glu若しくはGlnの異性化/光学的反転によ
り生成するγD Gluである。
【0054】 問題となるエピトープは、T−細胞又はB−細胞エピトープであればよい。
【0055】 本発明は、前記自己抗原又はその断片と前記自己抗原内における異性化したペ
プチド結合又は光学的に反転したアミノ酸の存在に対して特異的である免疫学的
結合パートナーとの反応性を検出することから成る自己抗原又はその断片を検出
する方法を含む。
【0056】 好ましくは、前記自己抗原は、自己免疫病に関連するものである。
【0057】 本発明は、異性化した又は光学的に反転したアミノ酸を含む自己エピトープと
交差反応性を有する免疫学的応答を産出する非自己抗原を検出する方法を含む。
即ち、自己タンパク質配列を擬態する非自己起源に暴露することによって、免疫
応答を産出せしめてもよく、この応答が次に疾患発症態様で該自己タンパク質に
対して配向するに到るのである。又はその代わりに、非自己抗原が、免疫系関与
に対する応答、例えば炎症性応答などを産出してもよく、その結果自己寛容の破
壊又従って誘発原因となった非自己抗原上に存在しない他のエピトープ類に対す
る自己免疫応答を産出するに到るのである(エピトープ拡大)。本発明のかかる
局面に従えば、自己免疫症状を生じさせる非自己抗原又はその断片を検出する方
法において、前記抗原又はその断片と異性化したペプチド結合又は光学的に反転
したアミノ酸の該抗原中での存在に対して特異的である免疫学的結合パートナー
との間における反応性を検出することから成る前記方法が、提供されるのである
【0058】 かかる複数の方法は、前記自己反応性免疫系成分又は検出される自己抗原若し
くはその断片の量に関する情報を提供するものであってもよいか又は純粋に定性
的なものであってもよい。
【0059】 異性化に応じた、これらの想像上の免疫応答は、疾患にとって一次的重要性を
有し得る。即ちこれらは、誘発・発症又は原因因子となり得るのである。又はそ
の代わりに、これらの免疫応答は、疾患の結果他の免疫プロセスや体液性プロセ
ス発生したために生じる二次的な重要性を有するものであり得る。何れの場合で
も、当該免疫系の体液性及び細胞性成分の双方が関与してもよい。即ち、本発明
の目的は、特異的抗原の異性化した(及び/又は光学的反転した)標的エピトー
プに対して配向せしめた免疫系の特異的成分(例えば抗体など)の存在を検出す
るか又は定量化することが可能である診断薬剤を開発することである。問題とな
る免疫応答が、当該疾患に関して原因的であるより寧ろ二次的である場合でも、
変化した免疫応答はなお診断上の意義を持つであろう。
【0060】 本発明の具体的な実施態様についての更なる説明として、以下にRAの病因・
発生病理に特異的IgG配列の異性化が関与していることを記述する。しかしな
がら、このことは、本発明の範囲を制限して、他の自己免疫病であって、重要な
高原の異性化又は光学的反転が生起し,その結果以下に記載する反応に類似した
反応を惹起する自己免疫病に対する適用を排除するものとは解されない。
【0061】 上記にて考察したように、IgGのAsn−384は、異性化を受ける潜在的
な部位の一つである(Clarke 1987)。しかしながら、この残基は、IgGのF
c領域における唯一の表面に暴露された、異性化を受ける可能性のあるアスパラ
ギン残基ではない。下記する実施例1において、Asn−315は異性化を受け
やすいことの直接的な証明を示すが、この残基も又表面暴露されて、FCH2領
域に局在化している(Bonagura et al 1993)。
【0062】 ベータアミロイドの凝集特性がその位置に依存するもののAsx残基の光学的
反転によって左右される、というTomiyamaら(1994)の知見については
、IgGの異性化/光学的反転が、IgGの溶解性と親水性を変化させ、その結
果IgGの自己凝集を誘発するということは、考えられないことではない。さら
には、我々の知見によれば、異性化/光学的反転は、当該タンパク質の抗原性に
影響を与えないことはほぼ間違いないのである。血流からのIgGのクリアラン
スが低下し及び/又はIgG濃度が増大した人は、このような現象を受け易い。
更なる付加的要因、例えば溶解性を低下させるか又は園凝集能力を低下させるそ
の他の血清タンパク質又はIgG遺伝子の対立遺伝子変異などが、このような状
況を悪化させる可能性がある。環境的因子もまた、免疫系の機能を変調させるこ
とによってかかる状況に影響を及ぼす可能性がある。
【0063】 従って、感受性のある部位におけるIgGの潜在的な異性化/光学的反転が、
下記する二つの態様で自己免疫病の病理発生に役割を果たしている可能性がある
:即ち、 A)先ず、異性化/光学的反転が、新規の免疫原性エピトープを産出し、これ
が後刻体液性免疫系の標的になることによってRAの初期相に直接的に関与する
可能性がある。異性化した又は光学的に反転した自己IgGを認識する特異的抗
体がかくして生成し、巨大な不溶性の免疫―複合体を産生し、これが関節の滑膜
組織において凝集する結果炎症性応答を開始することによって本疾患において一
時的な役割を果たし得るのである(Inam & Day 1981)。更には、免疫系の細胞成
分もまた、かかる新規のエピトープに向けて追尾せしめられ、RAを特徴ずける
滑膜組織内での破壊をある程度媒介することになり得る。
【0064】 B)又はその代わりに、RAにおけるIgGの凝集は、IgGクリアランスを
低下させ、従って凝集IgGが、保持時間を函数として異性化/光学的反転する
可能性がある。特にクリアランス速度の低い滑液は、このプロセスが生起する可
能性の高い個所であろう。即ち、このような筋書きによれば、異性化/光学的反
転は、RAプロセスに関連したIgG凝集の一つの徴候として生起するのである
が、最終的には上記したイソーIgG特異的自己抗体を形成するに到るのであろ
う。再度、免疫系の細胞成分が個の段階で関与している可能性がある。
【0065】 上記にて該述した二つの仮説は、相互に排他的なものではなく、何れ場合にお
いても、異性化した又は光学的に反転したAsx又はGlx残基を認識する自己
抗体が、本疾患の特異的マーカーとなるであろう。感受性の高いアスパラギン又
はアスパラギン酸残基の異性化が、リューマチ性因子生成によって特徴ずけられ
る自己免疫反応に関与しているという、見解を支持する幾つかの観察結果とは例
えば下記の如きである:RFsは、全ての潜在的異性化部位が所在するCH2又
はCH3上のエピトープを認識する(Johnson and Page Faulk 1976; Nardella et
al. 1981)。幾つかの種類の証拠から、異常(通常ではない)IgGがRAにお
いて存在することが明らかとなっている(Rawson et al. 1969; Watkins et al.
1972; Johson et al. 1974)。最後に、IgG1,2&4のCH2領域におけるA
sn315及びCH3領域におけるAsn384の周囲における立体配座及びアミノ酸
配列とが、イミド結合形成には殆ど最適であり(Clarke 1987)また潜在的エピト
ープは、表面に暴露されている。
【0066】 Glantらは、軟骨アグリカン(aggrecan)は、マウスにおいて生じる自己免
疫応答の対象となるエピトープを含有することを報告している。アグリカンは、
軟骨のプロテオグリカン構成成分であるが、この成分中において、本発明者等は
、アグリカンのG−1領域におけるアミノ酸配列Gly−Arg−Val−Ar
g−Val−Asn−Ser−Ala−Tyrに含まれた潜在的異性化/光学的
反転部位を同定したのである。異性化した及び/又は光学的に反転したエピトー
プがこの配列において定義されているが、本発明においては、これに対する自己
免疫応答を標的として追求するものである。
【0067】 軟骨結合タンパク質(CLP)は、軟骨中においてアグリカンとヒアルロン酸
とに関連するものであるが、このタンパク質に対する自己免疫性が本疾患の動物
モデルにおいてRAを誘発するという意味において関連性を有することが証明さ
れている(Zhang et al 1998)。本発明者らは、自己免疫性に関与する可能性のあ
る異性化及び/又は光学的反転部位としてAla−Gly−Trp−Leu−A
la−Asp−Gly−Ser−Val−Argなるアミノ酸配列を同定したの
である。
【0068】 類推によって、例えばMBP又はMOGなどその他の重要な自己抗原又はより一
般的に異性化した又は光学的に反転した抗原に対する、自己免疫病における自己
免疫応答は、当該疾患の病理発生において一つの役割を果たしている可能性があ
る。
【0069】 本発明の又別の局面において、その他の自己免疫疾患は、異性化するか又は光
学的反転型で存在するかのいずれかに対して重要抗原が持つ感受性によって特徴
ずけられるので、かくして当該疾患に対して一次的又は二次的に重要な免疫応答
を生成する可能性がある。即ち、本発明は、RA又はMSの診断薬剤に限定され
るものではなく、その他の自己免疫病に対しても広く適用するものである。
【0070】 本発明を実施する目的のために、自己免疫病の標的自己抗原における重要抗原
の異性化及び/又は光学的反転は、標的抗原が既知である場合は以下において列
挙する操作手順のうちの一つ以上によって同定することが出来るのである。
【0071】 標的抗原の三次元構造が既知である場合は、潜在的な異性化/光学的反転部位(
例えば、Asx−Gly配列)を同定することが出来る。これらの異性化/光学的
反転に対する傾向は、二面角ファイ(φ)、サイ(ψ)、カイ(χ)及びカイ2
(χ2)の計算結果及びβ―カルボキシル基を含むアミノ酸側鎖の柔軟度に基い
て評価することが出来る(Clarke 1987)。更には、潜在的変更残基が表面暴露さ
れ、かくして自己抗体に接触可能であるか否かを評価することも出来る。一つの
重要なパラメーターは、当該タンパク質の半減期であるが、その理由は、相対的
に長い半減期(例えば10日以上)のタンパク質は、相当程度に異性化/光学的反
転を受けることが期待できるからである。
【0072】 仮に当該変更タンパク質が問題となる疾患の原因ではなくまた自己反応性免疫
系成分の産生が原因ではなく寧ろ症候的なものであったとしても、*Asx又は* Glx含有エピトープに対する特異性を有する免疫系成分を検出するために本発
明を有益に実施することが理解されるであろう。このような場合、自己反応性成
分の認識は、当初の診断及び治療のモニターに関して価値ある診断意義を有する
可能性が高い。
【0073】 本発明に包含されるのはまた、自己抗原中の単一又は複数のエピトープの位置
を決定する方法において、L―イソアスパルチル(D―アスパルチル)メチルー
トランスフェラーゼ(IAMT)及び標識化メチル基供給源とを用いて前記自己
抗原内の異性化したペプチド結合及び/又は光学的に反転したアミノ酸の一つ以
上に前記標識化メチル基を導入すること、及び前記標識化メチル基が導入された
前記自己抗原内の位置を決定すること、前記位置を包含する領域内における前記
自己抗原のアミノ酸配列を決定すること、及び前記位置において前記異性化した
又は光学的に反転したアミノ酸を組み込んだ前記アミノ酸配列のペプチドを検査
して自己反応性免疫系成分、例えば自己抗体との反応性を測定することとから成
る、前記位置決定方法である。
【0074】 即ち、対象とする標的抗原(例えばI型糖尿病におけるグルタミン酸デカルボ
キシラーゼ、多発性硬化症におけるミエリン塩基性タンパク質、即ちMOG又は
リューマチ性関節炎におけるIgG)を酵素IAMTによって分析することが出
来るのである。この酵素は、αD及びβLAsx、即ち幾つかの異性化した又は
光学的に反転したアスパラギン酸及びアスパラギン残基を認識する(但し、βD
Asp及び変化していないGlxは認識しない)のであり、α―カルボキシル
基をメチル化する。放射能で標識化したメチル供与体を使用することによって、
異性化したタンパク質又はペプチドをこの酵素と共に培養して、これらを放射能
で標識化し、また当該タンパク質の標識化を導入した放射能を測定することによ
って検出することが出来る。
【0075】 対象となる抗原を化学的又はタンパク分解酵素による加水分解によって断片化
し,次いで生成した断片を公知のクロマトグラフィーによる方法で精製し、その
後IAMT分析法で当該断片を分析することによって、異性化した部位の位置を
決定することが出来る。IAMT分析法で異性化した配列を含むものと同定され
た断片は、アミノ酸配列分析及びアミノ酸解析に供して、標的抗原内における正
確な位置決めを正確に指摘することが出来る。
【0076】 IAMT又は他の方法を用いて同定することが出来る該当関連異性化配列とし
ては、例えば下記が挙げられる: IgG由来: (RA) Asn−135:Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Ty
r、His−Gln−Asp−Trp−Leu−*Asx−Gly、His−G
ln−Asp−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr. Asn−384:Trp−Glu−Ser−*Asx−Gly−Gln−Pr
o−Glu、Val−Glu−Trp−Glu−Ser−*Asx−Gly、V
al−Glu−Trp−Glu−Ser−*Asx−Gly―Gln−Pro−
Glu. MBP由来: (MS) Asn−92:His−Phe−Phe−lys−*Asx−Ile−Val
−Thr−Pro Gln−103:Pro−Ser−*Glx−Gly−Lys−Gly−Ar
g Gln−119:Phe−Ser−Trp−Gly−Ala−*Glx−Gl
y−Arg Gln−143:Asp−Ala−*Glx−Gly−Thr−Leu−Se
r−Lys MOG由来: (MS) Asn−53:Met−Glu−Val−Gly−Trp−Tyr−Arg−
Pro−Pro−Phe−Ser−Arg−Val−Val−His−Leu−
Tyr−Arg−*Asx−Gly−Lys GAD65由来: (I型糖尿病) Asp−297:Ala−Leu−Gly−Ile−Gly−Thr−*Asx
−Ser−Val−Ile Asp−15 & 19:Trp−Ser−Phe−Gly−Ser−Glu−* Asx−Gly−Ser−Gly−*Asx−Ser−Glu−Asn なお上式において、*Asxは、αD Asp若しくはAsn、又はβD As
p若しくは原初の配列における残基Asp若しくはAsnの異性化/光学的反転
により生成するβL Aspであり、また*Glxは、αD Glu若しくはGl
n、又はγD Glu若しくは原初の配列における残基Glu若しくはGlnの
異性化/光学的反転により生成するγL Gluである。
【0077】 本発明の範囲に包含されるものは、これらアミノ酸配列の内の何れか一つに存
在するエピトープを一種含むペプチドである。又同様に包含されるのは、L−イ
ソーアスパルチル(D−アスパルチル)メチルートランスフェラーゼ(IAMT
)を用いて位置決めされたエピトープを複数含む異性化した又は光学的に反転し
たアミノ酸を含むその他のペプチド類である。
【0078】 自己抗原が対象とする自己免疫病において同定されなかった場合は、当該免疫
破壊の標的組織又は器官を分析してもよい。上記したように当該組織の可溶化及
びタンパク質分解酵素による分解を行った後、クロマトグラフィー又はその他の
技法によって生成したペプチドを精製し、次いでIAMT分析法を使用して異性
化/光学的反転した断片を同定すればよい。次いで、これら断片をアミノ酸配列
決定法、質量分光測定法やその他の該当する方法によって同定すればよい。
【0079】 異性化した又は光学的に反転したエピトープに対する自己抗体の検出 ヒト患者又は動物から得られた、重要自己抗原の主要エピトープにおける異性
化/光学的反転した配列を認識する自己抗体は、下記する分析法によって検出す
ることが出来る。
【0080】 一般的に、広範な種類の公知免疫測定法の構成及び操作手順、例えばELIS
A、RIA,不均一及び均一測定操作法などを用いることが出来る。例として、
合成した異性化/光学的反転したペプチド、即ち対象とするエピトープを含む真
性抗原からタンパク質分解酵素で生成させた断片を、キャリヤータンパク質(例
えばチログロビン又は血清アルブミンなど)に複合化させるか又はビオチニル化
させて、かくしてストレプタビジンコート処理したマイクロタイタープレート(
MTP)表面に結合する能力を持たせることによってマイクロタイタープレート
(MTP)の固体層にコートすればよい。かくして、血清試料を測定緩衝液に適
当に希釈したものを当該MTPのウエルに加えて固定化したエピトープを含む資
材に結合させることによって、反応性自己抗体を同定することが出来る。結合し
た抗体の量は、二次的酵素結合抗ヒト抗体、次に発色性酵素基質を使用すること
によって定量することが出来る。この測定系においては、IgG又は他の血清成
分がMTP表面に吸着するために起因する非特異的反応を最小限にするように注
意しなければならない。
【0081】 又はその代わりに、問題となっているエピトープに対していくつかの抗体を産
生させ、これらをMTP表面に固定化してもよい。問題となっている異性化エピ
トープを含む合成ペプチド、即ち標的エピトープを含む真性抗原からタンパク質
分解酵素で生成させた断片を、次に例えばペルオキシダーゼやアルカリ性ホスフ
ァタ―ゼなどの酵素に結合させるか、又はビオチン又はジゴキシゲニンなどのリ
ガンドで標識化すればよい。この反応試薬を適当に希釈して次に、血清試料と共
にウエルに添加するのである。MTP表面にコートした標的エピトープと反応性
を示す、この血清試料中の自己抗体は、当該エピトープがMTP表面にコートし
た抗体に結合するのを防止するはずであり、その結果その後に発色性酵素基質、
即ちストレプタビジン結合検出剤を添加することによって生成させることが出来
るシグナルが減少することになる。このシグナルは定量することが可能であり、
検討試料中の自己抗原の量を評価・査定するために使用することが出来る。
【0082】 上記した問題となるエピトープに対して産生させた非ヒト抗体を使用するもう
一つ別の競争的測定法は、問題となっているエピトープを含む合成若しくは真性
ペプチド又はその断片でコートしたMTPプレートを使用して実施することが出
来る。該ペプチドは、直接そのままMTP表面コートするか又はキャリヤータン
パク質(例えばチログロブリン又は血清アルブミン)に結合させればよく、又は
ビオチニル化して、ストレプタビジンをコートした表面に結合さあせる能力を持
たせるようにしてもよい。ヒト血清試料は、測定用緩衝液に適当に希釈して、M
TPで培養させるが、その後又は同時に問題となっているエピトープに対して産
生させた抗体を加える。問題となっているエピトープに反応性を示す自己抗体を
含む血清試料をMTP表面に設けたエピトープと反応し、かくして他の抗体の結
合を置換するはずである。問題となっているエピトープに対して産生させた非ヒ
ト交代に特異的な、酵素標識化した二次的抗体を用いることによって、結合した
ヒト抗体の量を、発色性酵素基質と共に培養した後定量することができる。染料
の量は、結合したヒト自己抗体の量には反比例するであろう。
【0083】 同質測定法の一つの構成は、適当に希釈したヒト血清試料を問題となっている
エピトープを含むビオチニル化ペプチド及び適当な酵素又は例えば125Iなどの
放射性分子で共有結合により標識化したストレプタビジンと共に培養することに
よって実行することが出来る。ヒト血清試料中に含まれる自己抗体は、ストレプ
タビジン分子上の標的エピトープに結合し、次にプロテインAセファロース又は
ヒトIgGに特異的な他の沈降剤若しくは固体層によって沈降させることが出来
る。結合抗体の量は、次に、酵素標識化ストレプタビジンの場合は発色性酵素基
質を用いて、又はラジオアイソトープで標識化したストレプタビジンの場合はシ
ンチレーションカウンティングによって定量することが出来る。
【0084】 異性化/光学的反転した自己抗原に対する細胞性免疫反応性の検出 新たに診断されたばかりの自己免疫病罹患患者からの自己応答に関するインビ
トロ研究は、当該疾患を診断し、治療法選択を促進・補助し且つここの患者につ
いての予後をモニターしまた算定するのを援助するために極めて望ましい。自己
免疫応答に関連した免疫系の分子成分の相互作用を決定することは、当該疾患を
特性化し且つ当該疾患を発症するための抗原と分子応答の持つ重要性を評価する
ために必要である。前記した文節においては、Asx残基についてβL αD又
はβD(及びGlxについてのγL又はγD型)の何れかの型に含まれる標的エ
ピトープに対する体液性反応性についての解析・分析を記述したのであるが、変
化した自己タンパク質ニ対する細胞性免疫応答は、当該疾患のモニターを行う上
で同等又はそれ以上の重要性を持つ可能性がある。免疫系の細胞性分画部分が、
RAやMSなどT―細胞が組織破壊の一次メディエータとして挙げられている自
己免疫病の大半に関与している。免疫系の細胞分画部分の標的を決定することが
、当該免疫応答が重要性として一次的であるか又は二次的であるかを決定する上
で必須であり得る。
【0085】 T−細胞媒介自己免疫の検出は、例えばT−細胞増殖測定法、ELISPOT
測定法、限定希釈測定法又は51Cr放出測定法などのいくつかの方法によって
行うことが出来る(当該方法の全般的概観については、C.A. Janeway & P. Trav
ers (1997)を参照)。異性化/光学的反転した抗体に対する細胞性免疫反応性を
検討するために使用することが出来るこのような方法のいくつかの概要を下記に
記載する。
【0086】 T−細胞増殖測定法 自己免疫病において抹消血液又は罹患標的器官(例えばRA患者又はCNS若
しくはMS患者の滑液/滑膜組織)又は当該疾患の動物モデルから単離したT−
細胞の抗原特異的反応性は、リンパ球増殖測定法によって測定することが出来る
。即ち、リンパ球をβL、αD又はβDの何れかの存在下に、又は関連性のない
比較対照抗原と共に又は抗原を全く用いることなく適当な細胞培地での培養に供
するのである。3H−lチミジンを培地に添加し、抗原の共存により刺激された
活発に分裂するリンパ球は、標識化したチミジンをDNAに取り込ませるであろ
う。DNAに取り込まれた3H−チミジンを定量することによって、当該自己抗
原又は抗原から誘導されたエピトープの種々に異なる型・種類に対する増殖性応
答を評価することが出来る(Weir 1996)。抗原特異的な増殖は、特異的CD4
+T−細胞反応性が持つ顕著な特徴である。
【0087】 限定希釈測定法 βL、αD又はβD(又はγL又はγD)型における一定の抗原又はそのエピ
トープに対して配向させた細胞性免疫反応性の“力価”に関する情報を取得する
ために、限定希釈測定法を行うことが出来る。この測定法は、異なる数のリンパ
球(即ち抹消血液から得た)をそれぞれの培養ウエルに添加し、次いで抗原及び
抗原提示細胞又は特異的成長増殖因子を刺激することによって行うことが出来る
。数日後に、これらのウエルを抗原に対する特異的応答、例えば標的細胞の細胞
毒性による殺戮又は特異的な増殖などについて試験する。特異的T細胞を含むウ
エルはそれぞれ、その標的に対する応答を行うはずであり、ポワッソン分布から
、一定のT細胞希釈率のウエルの37%が陰性である場合は、各ウエルは、培養
の開始時において平均して一つの特異的T細胞を含んでいたものと決定すること
が出来る。異性化し及び/又はラセミ化した抗原(即ち、RA又はMS患者)に
対し自己免疫反応性を示す個人と比較対照個人とにおける応答を比較することに
よって、二つの母集団間におけるT−細胞力価の差異を評価することが出来るの
であって、自己免疫病に罹患した個人において生起した自己反応性細胞の抗原特
異的増殖の目安として使用することが出来る。
【0088】 ELISPOT測定法 ELISPOT測定法は、特異的抗体(B−細胞)又はサイトカイン特徴的刺
激抗原特異的T−細胞を産生させるために抹消血液から得た単一リンパ球細胞を
定量するための感度の高い方法として使用することが出来る。ELISPOT測
定法は、自己免疫病(即ち、RA患者又はCNS若しくはMS患者の滑液/滑膜
組織)における抹消血液又は罹患標的器官又自己免疫病の動物モデルから単離し
たリンパ球を培養することによって行うことが出来る。このELISPOT測定
法は、リンパ球が分泌したタンパク質又はペプチドを保持することが出来るニト
ロセルロース又は他の固体表面上において適当な培地にて当該リンパ球を培養す
ることによって行うことが出来る(Ronnelid & Klareskog, 1997)。ある特定の抗
原が当該培地に添加されると、この抗原又はそのエピトープに特異的なリンパ球
が刺激され、特徴的なリンホカインを分泌する(即ち、γ―インターフェロン、
インターロイキンー2又はインターロイキンー4)(Weir 1996、Okamoto et al
1998)。一定期間培養した後、細胞を当該膜から洗い落とし特異的作用物質(即
ち抗体)を使用して当該細胞が産生したリンホカイン類を検出することが出来る
。特定のリンホカインを産生する細胞の数を定量すること及びリンホカイン産生
のパターンを数量化することによって、刺激のために使用した抗原に対する応答
を評価し且つ特性化することが出来る。
【0089】
【実施例】
本発明を下記する実施例に言及し、添付した図面を参照することによって更に
記述し且つ詳細に説明する。
【0090】実施例1:IgGのFc領域におけるAsn−315を異性化感受性部位として 同定すること ヒトIgG(Sigma cat No. I-4506)を下記するプロトコールに従ってペプシ
ンで消化した:即ち、消化は、固定化ぺプシン(Pierce Cat. No. 20343)を用
いて実質的にメーカー(Pierce)により記載された操作手順に従って実施する。
要するに、0.125mlの固定化ペプシンを試験管に加え、0.15mlの消
化緩衝液(20mMの酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.5)で平衡化した。10mgの純
粋の凍結乾燥IgGを1.0mlの消化緩衝液中に加え、この混合物を37℃に
て4時間培養する。消化は、1.5mlの10mM Tris HCl,pH7
.5を培養混合物に添加することによって停止する。次いで、IgG断片を遠心
分離(1000gにて5分間)し、次に当該断片を含む上済み液を除去することによ
って固定化ペプシンゲルから分離する。
【0091】 得られたIgG断片をSuperdex75HR10/30カラム(Pharmaci
a, Sweden)によるゲル濾過によって未消化IgGから分離する。このカラム(2
.6 x 72 cm (全容量は360 mL))を28ml/hにおいて0.2MNH4HCO3
,pH8.0中で平衡化する。2.75mlの試料をロードして、0.25mL
のフラクションを集める。このカラムは、下記するMwマーカーの混合物で補正
済みであり、その結果溶出断片のサイズ決定を行うことが出来る:即ち、アルブ
ミン(67kDa)、オボアルブミン(43kDa)、キモトリプシノーゲンA
(25kDa),リボヌクレアーゼA(13.7kDa)及びアプロチニン(6
.5kDa)である。IgGのFc部位から誘導されたIgGの低分子量(分子
量が10kDa以下)断片は、溶出容量22−28ml(フラクション44−5
6、図1参照)に現れる。
【0092】 これのフラクションのアリコートは、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に再
度溶解し、L−イソーアスパルチル(D−アスパルチル)メチルトランスフェラ
ーゼ(IAMT)を用いた酵素測定法によって分析し、異性化又は光学的反転し
たAsx残基の有無を調べる。簡潔に述べれば、この測定法は、IAMT酵素に
より放射性(トリチル化)メチオニンで標識化することによって異性化残基を検
出することに基くものである。
【0093】 600μlのエッペンドルフ試験管に、下記する試薬を加える:即ち、IAM
T活性を含む15μlのウシ赤血球溶菌液(Murrray and Clarke 1984に従って
調製)、10μlの測定緩衝液(0.25 M NaH2PO4/NaOH pH 7.02)、15μlの
試料(又は既知濃度の合成異性化ペプチドからなる検量物)及び10μlのSA
Mトレーサー(以下のように調製:3mlの冷SAMを26.1mlの調製した
ばかりの10mM HClに加え、次いでこの溶液の20mlに100μlの“
ホットSAM”(Amersham TRA 236, 1000 μmol/L)を加えて、得られた溶液を
1mlのアリコートとして−18℃にて貯蔵する)。バイアルを回しながら混合
した後、37℃において60±1分間培養する(水浴上にて)。個の反応は、5
0μlのクエンチング溶液(0.2M NaOH, 1%ドデシル硫酸ナトリウム)を加えて
、次いで混合することによって停止する。75μlの溶液をろ紙(予めアコーデ
オンプリーツに折った0.75 x 5.5 cm のもの)上にスポットする。このろ紙を2
.5mlのエコシントHシンチレーション液を含む6mlのシンチレーション管
に入れる(当該管中にほぼ1.5cm沈める)。管は、ほぼ18時間(一夜)室温に
放置し、放射性メタノールをシンチレーション液に拡散させる。フィルター片を
取り外し、バイアルを下記する停止条件でβ―カウンターでカウントする:即ち
、900秒、又は最大6400 CPM。未知の試料中の濃度を、濃度が既知である
合成イソペプチドから成る検量物質の測定値から作成した標準曲線に基いて算出
する。
【0094】 これらの測定値から、IgGのペプシン分解で得られた低分子量フラクション
は、IAMT活性が高く、分解しないIgG分子の異性化部位の大半を明らかに
含有することが明らかとなった(フラクション44−56、図1を参照)。これ
らのフラクションは、さらに逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPL
C)で精製する。
【0095】 IAMT反応性ペプチドを含むサイズ排除クロマトグラフィーから得られたフ
ラクション(フラクション44乃至56)をプールし、その容量を9.5mlに
調節して、20μlのTFAを添加する。Sep−PakC18カートリッジ(
3cc,500mg,Waters)を10mlの80%メタノールで調整し、10m
lの0.2%TFAで平衡化する。試料はこのコラムに適用し、次いで個のコラ
ムを10mlの1%TFAで溶出した。最後に、結合したペプチドを10mlの
40%アセトニトリル、0.1%TFA、で溶出した。溶出液を集め、凍結し次
いで凍結乾燥した。溶出液を2mlの20mMTris−緩衝液pH7.88に
再度溶解し、得られた溶液の100μlをIAMT活性測定のため保存し、残り
は(1900μl)、イオン交換クロマトグラフィーに使用した。
【0096】 アニオン交換クロマトグラフィーを1mlのmono−QHR5/5カラム(
Pharmacia 62-1622-00)を用いて行った。カラムは、20mMTris,pH7
.88により流速を1ml/minとして平衡化した。試料を手動式注入装置ル
ープを用いてロードし、カラムは、線状NaClグラジエント(0.0−0.3
M、30分間で適用)を用いて溶出する。次いで0.3乃至1MNaClの線状グ
ラジエントを1分間適用する。溶出を1MNaClで1分間継続し、最後に1M乃
至0MNaClの線状グラジエントを1分間適用した。溶出をこの緩衝液で2分間
継続し、溶出ペプチドは、280nmにおけるUV吸収で検出して、0.5μlの
フラクション(30秒)を集めた。このフラクションのアリコートをIAMT測
定法で分析し、得られた結果を図2にプロットした。フラクション4−6を(a
)としてプールし、フラクション25−27を(b)としてプールしまたフラク
ション29−31を(c)としてプールし、更なる分画を行うために保管した。
【0097】 これらのプールしたフラクションは、上記したSep−Pak C−18カー
トリッジを用いてバッファー変化させ、200μlの0.1%w/w三フッ化酢
酸(TFA)に再度溶解し、RP−HPLCでさらに精製する。第一回目のRP
−HPLCは、C−18カラム(Nova−PaK C―18 4μm 3.9 X 150mm
のHPLCカラム、Waters)にて0.1%(w/w)三フッ化酢酸(TFA)中
0乃至40%アセトニトリルの線状グラジエントで流速を1ml/minとして
行う。溶出したペプチドは、214nmにおけるUV吸収及び蛍光(励起のため
の297nmの光線を使用して380nm(放出)における)により検出し、0
.5mlフラクション(30秒)を集めて、凍結乾燥し、IAMT測定法におけ
る分析に供する。
【0098】 アニオン交換クロマトグラフィーから得たプール‘a‘については、大半のI
AMT反応性物質は、22と23.5分との間において溶出する(図3を参照)
。これらのフラクションをプールし、フラクション中のペプチドは、上記したS
ep−Pak C−18カラムを使用して濃縮する。試料は、200μlの0.
05%へプタフルオロ酪酸(HFBA)中に再度溶解し、試料を同一のカラムに
よる二回目のRP−HPLCによってさらに精製するが、今回は0.05%へプ
タフルオロ酪酸(HFBA)中5−30%のアセトニトリルから成るグラジエン
トを80分間実行して0.5mlフラクションを集める。これらのフラクション
は、214nmにおけるUV吸収及び蛍光(励起のための297nmの光線を使
用して380nm(放出)における)により検出し、凍結乾燥したフラクション
をIAMT測定法による分析のため再度溶解する。
【0099】 図4から明らかなように、アニオン交換クロマトグラフィーから得たプール‘
b’の第二回目HPLCによる精製の結果得られた一つの主要ピークは(図2を
参照)、異性化したAsx残基の大半を含んでいる(図4を参照)。このピーク
を含むフラクションは、Applied Biosystemsの477A型S
equencerを使用して、メーカーの指示に従ってアミノ酸配列決定に供す
る。下記する配列が演繹される: ‘プールb’:His−Gln−Asp−Trp−Leu ‘プールc’:ThR−Vla(Leu/Val)His−Gln−Asp−
Trp−Leu−Asp−Gly−Lys−Glu−Tyr−Lys−Cys−
Lys−Val−Ser−Asn−Lys(Ala/Gly)Leu−Pro CH2:ThR−Vla(Leu/Val)His−Gln−Asp−Trp
−Leu−Asn−Gly−Lys−Glu−Tyr−Lys−Cys−Lys
−Val−Ser−Asp−Lys(Ala/Gly)Leu−Pro(Ala
/Ser)(Pro/Ser)Ile−Glu−Lys−Thr−Ile―Se
r―Lys(Ala/Thr)Lys 即ち、単離されたこれらの異性化ペプチドは、CH2領域から由来するもので
あるが、ペプシン分解によって異なる鎖長に処理されている。このCH2領域に
対して発表されている配列を上記に掲げているが、これから明らかなように、こ
れら三つのペプチドは、この配列と合致している。太字で表したアスパラギン残
基はAsp315であり、残基308は、IgG2におけるバリン又その他のI
gGサブクラスのロイシンである。イタリックで示した‘プールc’のペプチド
配列は、アミノ酸解析から推定したものである(下記を参照)。この配列で残基
315は、アスパラギンではなくアスパラギン酸として表示されているが、これ
は、この残基に続くグリシンとのペプチド結合がα―からβ―カルボキシル基へ
と転移した結果に従ったものである。
【0100】 単離されて全てのペプチドは、イソーアスパラギン酸特異的IAMT酵素によ
って認識され、Asn−315残基のN末端のロイシン残基以降は配列決定する
ことが出来ない。この結果強く示唆されるのは、Asn−315残基が異性化反
応して、ペプチド結合が、直鎖α―カルボキシル基から側鎖のβ―カルボキシル
基に転移すると同時に、またアミノ酸が加水分解により除去されることである。
残基315以降のペプチドの配列決定が出来ないことは、このような異性化反応
が生起した結果、通常のエドマン分解によっては感受性の高い部位以降のペプチ
ドの配列決定は出来ない、という以前に得られた結果に従うものである(Fledel
ius et al 1977)。
【0101】 実施例2:Asn−315に反応性を示す自己抗体の検出 自己抗体がAsn−315由来セプタペプチドを認識するのか否か、またかか
る自己抗体がリューマチ性関節炎の特徴であるのか否かを検討した。かかる検討
を実施するために、IgG Fc Asn−315由来(βL)セプタペプチド
であるTrp−Leu−Asp−β−Gly−Lys−Glu−Tyrを合成に
より調製した。使用したペプチドは、下記する操作によって線状(αL型)Tr
p−Leu−Asn−Gly−Lys−Glu−Tyrペプチドを加熱して異性
化を促進させた結果得られたものである。このペプチドを緩衝液中に溶解し、4
時間90℃にて加熱し、異性化及び/又は光学的反転を促進した。得られた異性
化(βL)、光学的反転(αD及びβD)及び線状ペプチドの混合物を0.1%
TFA中15−35%のアセトニトリルグラジエントを用い、流速を1ml/m
inとしてRP−HPLCによって分析し、得られたピークの異性化状態を上記
したアミノ酸分析によって検討した。このペプチドを5mg/mlの割合で0.
2Mリン酸ナトリウムpH9.2に溶解したが、このペプチドを下記するプロト
コールを使用してグルタルアルデヒド(GA)によって(Fluka 49626 lot 43381/1
)チログロブリンに結合した。
【0102】 0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液pH8.0に溶かした0.5mlのチログ
ロブリン(30mg/ml)を下記する溶液の0.5mlに絶えず混合しながら
、滴下して加えた(2分間で):10%GA、40%H2O、50%0.2Mリ
ン酸ナトリウム pH8.0。バイアルを室温で混合しながら一夜培養した。過
剰のGAをゲル濾過(NAP-10 カラム、Pharmacia)によって除去し、緩衝液をP
BSに変更した。最終容量を1.5ml(10 mg/mL 各調製物当たりのキャリヤ
ータンパク質)に調節した。500μlのキャリヤータンパク質を500μlの
5mg/mlペプチド溶液と共に培養し、またバイアルは、絶えず混合しながら
室温で24時間培養した。過剰のペプチドをゲル濾過(NAP-10 カラム、Pharmac
ia)により緩衝液中に除去した。最終容量を1500μLに調節し、タンパク質
濃度をBioRadタンパク質測定法をメーカーの指示に従って実施することに
よって測定した。
【0103】 Thy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr
複合物をPBSに溶解して最終濃度を10μg/mlとし、得られた溶液の100
μlをピペットでマイクロタイタープレートのウエル(MTP 、flat-well polyso
rb、Nune)に移した。このプレートを報告された通りにブロックし(Bonde et a
l 1994)、次いで血清試料を10mMリン酸ナトリウム、140mM NaCl
、0.1%トウエ―ン(Tween)−20、1%BSA pH7.4(測定緩衝液
)に100倍に希釈して添加した。MTPを回転振とう器に20℃にて1時間±
5分の間放置した。プレートを洗浄緩衝液(25mM tris, 140 nM NaCl, 0.1% ト
ウエーン−20 pH7.4)で手動式プレート洗浄装置によって5回洗浄した。ペ
ルオキシダーゼ結合ウサギ抗ヒトλ―鎖(Dako 063)及びκ―鎖(Dako 013)を
含む測定用緩衝液100μLを各ウエル内に添加し、このMTPを再度回転振と
う器で20℃にて1時間±5分の間培養した。5回洗浄した後、100μLのペ
ルオキシダーゼ基質を加え(3,3‘,5,5’テトラメチルベンジジン二塩酸
塩(TMB)、Kirkegaard & Perry Laboratories, USA)、暗所にて室温で15
±2分間培養した。0.18MH2SO4を添加してから、吸光度を450nmに
おいて測定した。
【0104】 リューマチ因子に陽性であるRA血清、リューマチ因子に陰性であるRA血清
及びコントロール血清を比較した場合、RA RF+母集団においては、他の二
つの母集団と比較して有意に増大した反応性が検出された(図5を参照)。同一
の測定操作に従ってー但し、他の無関係のThy−GA−複合物(Thy−GA
−Glu−Lys−Ala−His−*Asx−Gly−Gly−Arg)を用
いてー平行して実験を行った結果、これらの群に間には相異は全くなかった。こ
の結果から、RFに陽性のRA患者においては、IgGFcAsn−315由来
配列であるTrp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyrに対す
る自己抗体反応性が増大したことが明らかとなった。
【0105】実施例3:異性化Asn−315を認識する特異的自己抗体と合成ペプチドとの 結合の競合 上記したThy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−
TyrをコートしたプレートとRA自己抗体との結合は、溶液中においてTrp
−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyrなるペプチドと共に当該
血清を予備培養することによって競合させることが出来た。実験は以下のように
行った。即ち、血清試料を10mMリン酸ナトリウム、140mM NaCl、
0.1%トウエ―ン(Tween)−20、1%BSA pH7.4(測定緩衝液)
に100倍に希釈し,200μlwo1.5mlのポリプロピレンチューブに添
加し、次いで下記する試薬を測定用緩衝液に50μg/mlなる濃度に溶解して
50μlを添加した: 1.Trp−Leu−Asp−βーGly−Lys−Glu−Tyr(当該エ
ピトープのβL型) 2.Trp−Leu−Asn−Gly−Lys−Glu−Tyr(当該エピト
ープのαL型) 3.Thy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−T
yr複合物(実施例2において調製) 4.測定用緩衝液のみ これらのチューブを4℃に17時間供し、100μlの混合物をThy−GA
−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr複合物でコート
したMTPに添加した。この測定法は、上記実施例2において記載したように実
施した。
【0106】 これらの結果を図6に示す。これから明らかなように、この異性化したペプ
チド(1)及びThy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−G
lu−Tyr複合物(3)は、6種の分液したRA血清と結合に競合して勝るこ
とが出来る。このことは、残基315を囲む7つのアミノ酸エピトープを認識す
るRA患者の自己抗体は、当該エピトープの異性化型(βL)に対して圧倒的に
特異的であることを示唆している。
【0107】 実施例4:IgG Fc Asn−315に由来した異性化ペプチドに反応性 を示す自己抗体の検出を評価するための均一ラジオイムノアッセイ IgG CH2領域に由来したエピトープであるTrp−Leu−Asn−
Gly−Lys−Glu−Tyrの異性化型に対する反応性を有する自己抗体を
測定するための均一RIA測定法を開発した。この測定法は、毛せい試料を12
5IThy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Ty
rと共に一夜培養し、次いでプロテインAセファローズとの免疫複合物を沈降さ
せることによって実施した。
【0108】 血清試料をIMP緩衝液(IMP緩衝液:10mMリン酸ナトリウム、pH
7.4、140mM NaCl、5mM EDTA、0.5%Triton X
−100、0.1%BSA、10μg/ml大豆トリプシン阻害剤)で1:20
0にて希釈し、Thy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−G
lu−Tyr複合物を実施例2に記載したように調製し、次いでクロラミンTプ
ロトコールを用いて125Iで沃素化する:即ち、100μgの複合物を0.25
M Na2HPO4で希釈して、全量を140μlとする。1.5mCiのNa12 5 Iを添加し、次いで10μLのクロラミンT(1mg/ml,調製したてのも
の)を加える。この溶液を30秒間撹拌し、150μ Lのメチオニン(1mg
/ml)を添加し、直ちに120秒間撹拌する。このトレーサ ーは、1%BS
Aを含むPBSで流速1.0ml/minで平衡化したサイズ排除カラム(type
: BIOSEP SEC S-2000, size:300 x 7.80mm)で精製する。500μlのフラクシ
ョンを集め、シンチレーションカウンター(γ―カウンター)で分析する。この
トレーサーを含むフラクションをプールし、均一RIA測定法に使用する。
【0109】 この125IThy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu
−TyrトレーサーをIMP緩衝液で希釈し、75μlの200倍希釈血清試料
を融封したポリプロピレン製バイアル中にて25μlのペプチド/ストレプタビ
ジンと混合する。バイアルを4℃において一夜(16−18時間)培養する。プ
ロテインAセファロース(PAS)(20μl/試料バイアル)を秤取し、10
mlのIMP洗浄緩衝液で三回洗浄し、リピータピペットを用いて1.5mlエ
ッペンドルフチューブに移す。PASを1000RPMにて2分間遠心分離する
ことによって沈降させ、上澄み液を吸引フラスコ又はピペットを用いて吸引する
。3時間培養した後、抗体/抗原溶液をPASペレットに移し、振とう台にて室
温でさらに30分間培養する。PASを100RPMで2分間遠心分離すること
によって沈降させ、得られたPASペレットを750μlのIMP洗浄緩衝液で
5回洗浄する。各洗浄工程の後、PASは1000RPMで2分間遠心分離する
ことによって沈降させ、上澄み液は、吸引フラスコ又はピペットを用いて吸い取
る。最後に、PASペレットをmilli−Q水中のスラリー100μLに再度
懸濁させ、4mlのポリプロピレンチューブに移して、γ―カウンターで計数す
る。上記にて非均一ELISA測定法について述べたように、コントロール実験
をナンセンスタンパク質について行うこととする。
【0110】 このプロトコールに従って操作を行って、高度に特異的なシグナルを血清に
ついて得た。群毎にみて、RF+RA患者は、コントロール被験者から得た血清
よりも高い応答を示した(図7を参照)。
【0111】 競合実験を下記するペプチドを100,1、000又は10,000ng/
ml含む 溶液をそれぞれ25μl添加することによって行った:Trp−Le
u−Asp−β−Gly−Lys−Glu−Tyr、Trp−Leu−Asn−
Gly−Lys−Glu−Tyr,Glu−Lys−Ala−His−Asp−
β―Gly−Gly−Arg及 びGlu−Lys−Ala−His−Asp―
Gly−Gly−Argペプチド並びに‘ナンセンス’コントロールペプチドで
あるHis−Thr−Ala−Arg−Gln−Met−Ala−Trp−Al
a−Lys及びThy−GA−Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−G
lu−TyrとThy−GA−Glu−Lys−Ala−His−*Asx−G
ly−Gly−Argの複合物である。全ての実験において認められた反応性を
集めて、その反応性を群毎に算出すると、最高濃度でのTrp−Leu−Asp
−β−Gly−Lys−Glu−Tyrペプチド(及びThy−GA−Trp−
Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr複合物)に対する有意の反
応性(Student t−検定で、P=0.01)が認められるが、その他のペプチド類
の何れについても認められない(図8を参照)。このことは、前記実施例におい
て記載したELISA構成において行った観察結果に類似している。
【0112】 実施例5:RA患者から単離した免疫親和性精製自己抗体に反応性を示す、ヒ トIgG のAsn−315を含む免疫反応性エピトープの遺伝子地図作成 IgMの解析は、自己抗体の分析を行う前に血清試料から内因性IgGを除
去出来る可能性を開くものである。事実、循環する異性化/光学的反転したIg
Gが相当な量において健常個人及びRA罹患個人の双方において存在することは
、既に確固として認められており、想定された抗イソーIgG自己抗体の何れも
が、これらの分子の存在によって殆ど完璧に阻害され、その結果当該測定法にお
いて固体層に結合することが妨害されるに到ることは、想到可能なことである。
下記する実施例は、ヒトIgGから誘導された異性化標的エピトープと反応性を
示すヒト自己抗体を精製する方法、及び不活性なセルロース支持体上において合
成された合成ペプチドと一緒に培養することによって発現した、かかるエピトー
プに対する反応性を検出する方法を記載するものである。
【0113】 IgGカラムにおける免疫親和性クロマトグラフィーによるヒト血清試料から RF'sを精製すること 適用した実験プロトコールは以下の通りである: 1.IgGをCNBrで活性化したセファロースにメーカーの指示(Pharmaci
a, Upsala, Sweden)に従って結合させる。 2.このIgGセファロースを適当なカラム(即ち、使い捨て型のDG10カ
ラム、BioRad Laboratories, Richmond, CA)に充填する。このカラムは、少な
くともカラムの10倍容量のPBS及びカラムの10倍容量の0.1M酢酸ナト
リウム、0.15M塩化ナトリウムpH3.5で洗浄し、最後にPBSで平衡化
処理する。 3.RA患者から採取した血清をPBSに10倍に希釈し、このカラムにロー
ドする。吸光度(OD280nm)がベースラインに達するまでカラムをPBS
で洗浄する。 4.結合したRF'sを0.1M酢酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウムp
H3.5で洗浄する。 5. 0.1M酢酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウムpH3.5を用い
たセファデックスG−200カラムによるゲル濾過によりIgMをIgG及びI
gAから分離する。 6. 溶出したIgMをPBS−BTで1μg/mLにまで希釈し、下記する
ように測定する。
【0114】 セルロース結合ペプチドの合成 Asn−315残基上を伸展する7つのアミノ酸ペプチドをWhatman
540paper(Maidestone, U.K.)を使用しまた前述した操作法(Frank.
1992, Kramer et al 1994)を用いてスポット合成法により合成した。これらの
ペプチドは、スポット合成法(Abimed, Langenfeld, FRG)を用いれば自動的に
合成される。以下のペプチドをカルボキシ末端を介して共有結合させた状態で合
成した: I.Thr−Val−Leu−His−Gln−Asp−Trp... II.Val−Leu−His−Gln−Asp−Trp−Leu... III.Leu−His−Gln−Asp−Trp−Leu−Asp−β... IV.His−Gln−Asp−Trp−Leu−Asp−β−Gly... V.Gln−Asp−Trp−Leu−Asp−β−Gly−Lys... VI.Asp−Trp−Leu−Asp−β−Gly−Lys−Glu... VII.Trp−Leu−Asp−β−Gly−Lys−Glu−Tyr... VIII.Leu−Asp−β−Gly−Lys−Glu−Tyr−Lys.. . IX.Asp−β−Gly−Lys−Glu−Tyr−Lys−Cys... X.Gly−Lys−Glu−Tyr−Lys−Cys−Lys... Asp−β:異性化Asp残基を支配するが、この場合ペプチド結合は、直鎖
のα―カルボキシル基(βL型)ではなくβ―カルボキシル基を貫通する。 ...:セルロース支持体との結合を支配する。
【0115】 これらのペプチドを含むセルロース膜は、上記したように免疫親和性精製し
たRA自 己抗体と共に培養した。結合抗体の培養及び可視化は、報告されてい
る従来法によるイ ムノブロッティング法を用いて行った(Kramer et al 1994
)。
【0116】 この実験の結果、ペプチドIV及びVIIに対して強い反応性が明らかとな
った。このことから、RA患者の血清から精製した自己抗体は、当該エピトープ
の異性化(βL)型におけるAsn−315残基を取り囲む七つのアミノ酸エピ
トープを認識していることが強く示唆される。
【0117】 実施例6:Pro−Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg −Glyに反応性を示す自己抗体の検出 多発性硬化症に罹患した患者における自己抗体が、ミエリン塩基性タンパク
質(MBP)から誘導されたオクタペプチドであるPro−Ser−Glu−γ
―Gly−Lys−Gly−Arg−Glyを認識するか否かを検討した。
【0118】 この目的のために、MBP誘導オクタペプチドPro−Ser−Glu−γ
―Gly−Lys−Gly−Arg−Gly(γL)を標準的FMOC化学を使
用して合成により製造した。このペプチドをビスー[スルホスクシンイミジル]
スベレート(BS3)によってメーカー(Pierce)の指示に従ってウシ血清アル
ブミン(BSA)に結合させ、実施例4において記載したようにクロラミンTプ
ロトコールを用いて125Iで沃素化させた。
【0119】 9人のMS患者及び8人の健常者から採取した血清を125I−BSA−BS3
Pro−Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Glyと一夜
反応させ、次いでプロテインAセファロースで免疫複合体を沈殿させた。血清試
料をIMP緩衝液で1:200に希釈し、また125I−BSA−BS3−Pro−
Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−GlyトレーサーをI
MP緩衝液で希釈した(活性が100000 CPM/25μlになるまで)。
希釈した血清試料の75μlを25μlのトレーサーと混合し、25μlのIM
P緩衝液か又はフリーの(未結合/未標識化)ペプチドPro−Ser−Glu
−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Glyペプチド(IMP緩衝液中10
μg/mlの濃度で)をこの混合物に加えた。この混合物を4℃にて一夜培養し
た。試料バイアル当たり20μlのプロテインAセファロースを秤取し、10m
lのIMP洗浄緩衝液で3回洗浄し、リピーターピペットを用いてエッペンドル
フ1.5mlチューブに移した。PAS2000RPMで2分間遠心分離するこ
とによって沈降させ、上澄み液を吸引装置(又はピペット)を用いて吸引した。
一夜培養した後、抗体/抗原溶液をPASペレットに移し、振とう台にて室温で
3時間培養した。PASを2000RPMにて2分間遠心分離することによって沈
降させ、PASペレットを750μlのIMP洗浄緩衝液で5回洗浄した。各洗
浄工程終了後、上澄み液を吸引し、最後にPAS−ペレットをmilli−Q水
に再度懸濁させて、100μlのスラリーにし、4mlのプロピレンチューブに
移して、γ―カウンターで計数した。このプロトコールに従って操作することに
よって、特異的シグナルが血清について得られた。群毎に、MS血清は、コント
ロール被験者から採取した血清試料よりも有意に高い応答を示した(P=0.0
078、両側、ノンパラメトリックt検定)。図9Aを参照。更には、125I−
BSA−BS3−Pro−Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Ar
g−Gly複合物とヒト免疫グロブリンとの結合は、フリーのPro−Ser−
Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Glyペプチドを添加すること
によって特異的に阻害することが出来た。即ち、免疫グロブリンの阻害率%は、
MS血清においてはコントロール血清と比較して有意に高かった(p=0.00
8、両側、ノンパラメトリックt検定)。図9cを参照。従って、MS患者は、
異性化(γL)グルタミン酸を含むMBP誘導エピトープに配向させた抗体を複
数有している。
【0120】 これらの結果を図9に示すが、この図において三つのグラフは、下記の通り
である: グラフA; 多発性硬化症(MS)の患者及び健常対照者(CO)から採取
した血清 中におけるヒト免疫グロブリンと125I−BSA−BS3−Pro−S
er−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Gly(競合化合物とし
てフリーのペプチドは一切添加しない)との結合。
【0121】 グラフB; 多発性硬化症(MS)の患者及び健常対照者(CO)から採取
した血清 中におけるヒト免疫グロブリンと125I−BSA−BS3−Pro−S
er−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Gly(競合化合物とし
てフリーのPro−Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−G
lyペプチドを添加)との結合。
【0122】 グラフC; 多発性硬化症(MS)の患者及び健常コントロール(CO)か
ら採取した血清中におけるヒト免疫グロブリンと125I−BSA−BS3−Pro
−Ser−Glu−γ―Gly−Lys−Gly−Arg−Glyとの結合のパ
ーセント阻害率。
【0123】参考文献 1. Aanstoot HJ, Kang SM, Kim J, Lindsay LA, Roll U, Knip M, Atkinson M,
Mose-Larsen P, Fey S, Ludvigsson J, Madsen O, & Baekkeskov S. J. Clin.
Invest. (1996) June 15; 97(12);2772-83 Identification and characterisati
on of glima 38, a glycosylated islet cell membrane antigen which togethe
r with GAD65 and IA2 marks the early phases of autoimmune response in Ty
pe I Diabetes. 2. Abel LC, Kalil J, Cunha Neto E (1997) Braz. J. Med. Biol. Res. (1997
) Molecular mimicry between cardiac myosin and Trypanosoma cruzi antigen B
13: identification of a B13-drive human T cell clone that recognises car
diac myosin. 30(11):1305-1308. 3. Adelmann M, Wood J, Benzel I, Fiori P, Lassman H, Matthieu J-M, Gard
inier MV,Dornmair K, Linnington C (1995) The N-terminal domain of the my
elin oligodendrocyte glycoprotein (MOG) induces acute demyelinating expe
rimental autoimmune encephalomyeltitis in the Lewis rat. J Neuroimmunol.
63:17-27 4. Atassi MZ, Oshima M (1997) Autoimmune responses against acetylcholin
e receptor: T and B cell collaboration and manipulation by synthetic pep
tides.Crit. Rev. Immunol. 17(5-6):481-495 5. Bach-Elias M, Bahia D, Teixeira DC, Cicarelli RM (1998) Presence of
autoantibodies against small nuclear ribonucleoprotein epitopes in Chaga
s' patients'sera. Parasitol Res. 84(10):796-799 6. Beniac DR, Luckevich MD, Czarnota GJ, Tompkins TA, Ridsdale RA, Otte
nsmeyer FP, Moscarello MA, Harauz G (1997) Three-dimensional structure o
f myelin basic protein. I. Reconstruction via angular reconstitution of
randomly oriented single particles. J. Biol. Chem. 272(7):4261-4268 7. Benkirane N, Friede M, Guichard G, Briand J-P, Van Regenmorte MHV, M
uller S, (1993) Antigenicity and immunogenicity of modified synthetic pe
ptides containing D-amino acid residues. Antibodies to a D-enantiomer d
o recognise the parent L-hexapeptide and reciprocally J.Biol Chem 268: 2
6279-26285 8. Bernstein RM (1990) Humoral autoimmunity in systemic rheumatic disea
se, A review. J Royal Col. Phys. London. 24, 18-25 9. Bettadapura J, Menon KK, Moritz S, Liu J, Bernard CCA (1998) Express
ion, purification and encephalitogenicity of recombinant human myelin ol
igodendrocyte glycoprotein J Neurochem 70: 1593-1599 10. Bakkeskov S, Bielson JH, Marner B, Bilde T, Ludvigsson J, Lernmark
A (1982) Autoantibodies in newly diagnosed diabetic children immunopreci
pitate human pancreatic islet cell proteins Nature 298:167-169 11. Bakkeskov S, Aanstoot H-J, Christgau S, Reetz A, Solimena M, Cascal
ho M, Folli F, Richter-Olesen H, and De-Camilli P (1990) Indentification
of the 64K autoantigen in insulin-dependent diabetes as the GABA-synthe
sising enzyme glutamic acid decarboxylase Nature 347(6289):151-156 12. Berrih-Aknin S, (1995) Myasthenia gravis, a model of organ-specific
autoimmune disease. J. Autoimmun 8(2):139-143 13. Bonagura VR, Artandi SE, Davidson A, Randen I, Agostino N, Thompson
K, Natvig J, Morrison SL (1993) Mapping studies reveal unique epitopes
on IgG recognised by rheumatoid arthritis-derived monoclonal rheumatoid
factors. J Immunol. 151:3840-3852 14. Bonde M, Qvist P, Fledelius C, Riis BJ, C. Christiansen C. 1994 Imm
unoassay for quantifying type I collagen degradation products in urine e
valuated. Clin. Chem. 40, 2022-2025 15. Bonifacio E, Lampasona V, Genovese S, Ferrari M, Bosi E, (1995) Ide
ntification of protein tyrosine phosphatase-like IA2 (islet cell antigen
512) as the insulin-dependent diabetes-related 37/40K autoantigen and a
target of islet-cell antibodies. J. Immunol. 155(11):5419-5426 16. Carson DA (1993). In: Kelley WN, Harris ED, Ruddy S and Sledge CB
(Eds.). Textbook of Rheumatology; 1: 155 - 163, WB Saunders, London. 17. Chen KR, Shimizu S, Miyakawa S, Ishiko A, Shimizu H, Hashimot T (19
96) Coexistence of psoriasis and an unusual IgG-mediated subepidermal bu
llous dermatosis: identification of a novel 200-kDa lower lamina lucida
target antigen. Br J Dermatol 134(2): 340-346 18. Chen P, Fong S, Carson DA (1987) Rheumatoid factor Rheum. Dis. Clin
. North Am. 13: 575 19. Clarke S (1987). Propensity for Spontaneous Succinimide Formation f
rom Aspartyl and Asparginyl Residues in Cellular Proteins. Int. J. Pept
ide Protein Res. 30: 808 - 821. 20. Cooke A (1988) Mechanisms of autoimmunity. Diabetic Med. 5: 782- 7
88 21. Dean BM, Becker F, McNally JM, Tarn AC, Schwartz G, Gale EA, Bottaz
zo GF (1986) Insulin autoantibodies in the pre-diabetic period: correlat
ion with islet cell antibodies and development of diabetes.
Diabetologica 29:339-342 22. De Vries HE, Kuiper J, De Boer AG, Van Berkel TJC and Breimer DD, P
harmacological Reviews (1997) Vol. 49, No.2, 143 23. Dieterich W, Ehnis T, Bauer M, Donner P, Volta U, Riecken EO, Schup
pan D (1997) Identification of tissue transglutaminase as the autoantige
n of celiac disease. Nature Med. 3(7):797-801 24. Dieterich W, Laag E, Schopper H, Volta U, Ferguson A, Gillet H, Rie
cken EO, Schuppan D (1998) Autoantibodies to tissue transglutaminase
as predictors of celiac disease Gastroentherology 115(6):1317-1321 25. Fledelius C, Johnsen A, Cloos P, Bonde M, Qvist P. 1997 Characteris
ation of urinary C-terminal telopeptide degradation products. Identific
ation of a s-isomerised Aspartyl residue in the C-terminal α1
chain type I collagen. J. Biol. Chem. 272: 9755-9763 26. Frank, R (1992) Spot synthesis: An easy technique for the positiona
lly addressable, parallel chemical synthesis on a membrane support. Tetr
ahedron 48: 9217-9232 27. Galletti P, Ingrosso D, Manna C, Clemente G, Zappia V. (1995) Prote
in Damage and Methylation mediated repair in the erythrocyte Biochem J.
305: 313-325 28. Geiger T, Clarke S, (1987) Deamidation, Isomerisation, and Racemisa
tion at Asparaginyl and Aspartyl Residues in Peptides. J. Biol. Chem. 26
2: 785-794 29. Glant TT, et al Mapping of Arthritogenic/Autoimmune Epitopes of Car
tilage Aggrecans in Proteoglycan-Induced Arthritis. Scand J Rheumetol 19
95: 24 (Suppl. 101) 43-99 30. Goin JC, Leiros CP, Borda E, Serin-Boirda L (1997) Interaction of h
uman chagasic IgG with the second extracellular loop of the human heart
muscarinic acetylcholine receptor: functional and pathological
implications FASEB J. 11(1):77-83 31. Gorsuch AN, Spencer KM, Lister J, McNally JM, Dean BM, Bottazo GF,
Cudworth AH (1981) Evidence for a long prediabetic period in type I (ins
ulin-dependent) diabetes mellitus. Lancet 2(8260-61): 1363-1365 32. Gottlieb SL, Gilleaudeau P, Johnson R, Estes L, Woodworth TG, Gottl
ieb AB, Krueger JG (1995) Response of psoriasis to a lymphocyte-selectiv
e toxin (DAB389IL-2) suggests a primery immune, but not keratinocyte, pa
thogenic basis. Nat.Med. 1(5):442-447 33. Harris ED (1993) Aetiology and pathogenesis of Rheumatoid Arthritis
In: Kelley WN, Harris ED, Ruddy S and Sledge CB (Eds.). Textbook of
Rheumatology; 1: 833 - 873, WB Saunders, London. 34. Ichikawa M, Johns TG, Jiu J, Bernard CC (1996) Analysis of the fine
B cell specificity during the chronic/relapsing course of a multiple sc
lerosis-like disease in Lewis rats injected with the encephalitogenic my
elin oligodendrocyte glycoprotein peptide 35-55 J. Immunol. 157:919-926 35. Inman RD and Day NK (1981). Immunologic and Clinical Aspects of Imm
une Complex Disease. Am. J. Med. 70: 1097. 36.Janeway CA Jr. Travers P, Hunt S, "Immuno Biology" (1997) 3rd ed. Cur
rent Biology Ltd. (London) pp 226-235. 37. Johnson PM, Page Faulk W (1976). Rheumatoid Factor: Its Nature, Sp
ecificity, and Production in Rheumatoid Arthritis. Clin. Immun. Immunopa
th. 6: 414-430. 38. Johnson PM, Watkins J, Scopes PM and Tracey BM (1974). Differences
in Serum IgG Structures in Health and Rheumatoid Diseases. Ann. Rheum Di
s. 33: 366. 39. Johnson PM, Watkins J, Holbrow EJ (1975) Antiglobulin production to
altered IgG in Rheumatoid Arthritis The Lancet, 1(7907): 611-613 40. Johnson T, Valdimarsson H (1993). Is Measurement of Rheumatoid Fact
or Isotypes Clinically Useful?. Ann. Rheum. Diseases 52: 161 - 164. 41. Kalsi J and Isenberg D (1993) Rheumatoid factor: Primary or Seconda
ry event in the pathogenesis of RA?. Int. Arch. Allergy Immunol. 102:209
-215. 42. Kerlero de Rosbo N, Milo R, Lees MB, Burger D, Bernard CCA, Ben-Nun
A (1993) Reactivity to myelin antigens in multiple sclerosis. Peripher
al blood lymphocytes respond predominantly to myelin oligodendrocyte gly
coprotein.J. Clin. Invest. 92:2602-2608 43. Kerlero de Rosbo N, Ben-Nun A (1998) T-cell responses to myelin ant
igens in multiple sclerosis: Relevance of the predominant autoimmune
reactivity to myelin oligodendrocyte J. Autoimmun. 11: 287-299 44. Kramer A, Schuster A, Reineke U, Malin R, Volkmer-Engert R, Landgra
f C and Schneider-Mergener J (1994) Combinatorial cellulose bound peptid
e libraries: Screening tools for the identification of peptides that bin
d ligands with pre-defined specificity. Comp. Meth. Enzymol. 6: 388-395 45. Li Q, Borovitskaya AE, DeSilva MG, Wasserfall C, MacLaren NK, Notki
ns AL, Lan MS (1997) Autoantigens in insulin-dependent diabetes mellitus
: molecular cloning and characterisation of human IA-2 beta. Proc. Asso
c. Am Physicians 109(4):420-439 46. Linington C, Webb M, Woodhams P (1984) A permanent rat T cell line
that mediates experimental allergic neuritis in the Lewis rat in vivo. J
. Neuroimmunol. 6:387-396 47. Linington C, Bergr T, Perry L, Weerth S, Hinze-Selch D, Zhang Y, Lu
H-C, Lassmann H, Werkele H. (1993) T cells specific for the myelin olig
odendrocyte glycoprotein mediate an unusual autoimmune inflammatory resp
onse in the central nervous system. Eur J. Immunol. 23:1364-1372 48. Lu J, Li Q, Xie H, Chen ZJ, Borovitskaya AE, MacLaren NK, Notkins A
L, Lan MS (1996) Identification of a second transmembrane protein tyrosi
ne phosphatase, IA-2beta, as an autoantigen in insulin-dependent diabete
s mellitus: precursor of the 37-kDa tryptic fragment. Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 93(6):2307-2311 49. Lukash AI, Pushkina NV, Tibulsky IE "Autoantigenic properties of de
amidated serum albumin" Immunologiya 68: 1987 50. Martin R (1997) Immunological aspects of experimental allergic ence
phalomyelitis and multiple sclerosis and their application for new thera
peutic strategies, J. Neural Transm. 49:53067 51. Mor A, Amiche M, Nicolas P, (1992) Enter a New Post-translational M
odification: D-amino Acids in Gene-encoded Peptides. Elsevier Science Pu
blications (UK) Dec. 1992 481-485 52. Munthe E and Natvig JB (1972). Complement Fixing Intracellular Comp
lexes of IgG Rheumatoid Factor in Rheumatoid Plasma Cells. Scand. J.
Immunol. 1: 217. 53. Murrey DE Jr. & Clarke S, Jnl of Biologicasl Chemistry (1984) Vol.
259, No.17, Sept. 10 pp 10722-10732 "Detection of a new site of methylat
ion at isomerised L-aspartyl residues" 54. Nardella FA, Teller DC and Mannik M (1981). Studies on the Antigen
Determinants in the Self-association of IgG Rheumatoid Factor. J. Exp. M
ed. 154: 112 - 125. 55. Natvig JB and Munthe E (1975). Self-associating IgG Rheumatoid Fact
or Represents a Major Response of Plasma Cells in Rheumatoid Inflammator
y Tissue. Ann. NY Acad. Sci. 256: 88 - 95. 56. Nauert JB, Klauck TM, Langenberg LK, Scott JD (1997) Gravin, an aut
oantigen recognised by serum from myasthenia gravis patients, in a kinas
e scaffold protein Curr. Biol. 7(1):52-62 57. Nepom GT (1990). MHC Genes in HLA-associated Disease. Curr. Opinion
in Immunology 2: 588 - 592. 58. Noritake DT, Colburn KK, Chan G and Weisbart RH (1990). Rheumatoid
factors Specific for Active Rheumatoid Arthritis. Annals of the Rheumati
c Diseases 49 : 910 - 915. 59. Okamoto Y, Abe T, Niwa T, Mizuhashi S, Nishida M (1998) Development
of a dual colour enzyme-linked immunospot assay for simultaneous detect
ion of murine T-helper type 1 and T-helper type 2 cells. Immunopharmaco
logy 39:107-116 60. Palmer JP, Asplin CM, Clemens P, Lyen K, Tatpati O, Raghu PK, Paque
tte TL (1983) Insulin antibodies in insulin-dependent diabetics before i
nsulin treatment Science 222:1337-1339 61. Parekh RB, Dwek RA, Sutton BJ, Fernandes DL, Leung A, Stanworth D,
Rademacher TW, Mizuochi T, Taniguchi T, Matsuta K (1985). Association of
Rheumatoid Arthritis and Primary Osteoarthritis with Changes in the Gly
cosylation Pattern of Total Serum IgG. Nature 316: 452 - 457. 62. Parekh RB, Isenberg DA, Ansell BM, Roitt IM, Dwek RA and Rademacher
TW (1988). Galactosylation of IgG-associated Oligosaccharides is Reduce
d in Patients with Adult and Juvenile Onset Rheumatoid Arthritis and is
Related to Disease Activity. Lancet 1: 966 - 999. 63. Pilkington C, Yeung E, Isenberg D, Lefvert AK and Rook GAW (1995) A
galactosyl IgG and antibody specificity in rheumatoid arthritis, tubercu
losis, systemic lupus erythematosus and myasthenia gravis. Autoimmunity.
22 : 107-111. 64. Rawson AJ, Hollander JL, Quismorio FP and Abelson NM (1969). Ann.
N.Y. Acad. Sci. 168: 188 65. Ronnelid J, Klareskog L. (1997) A comparison between ELISPOT method
s for the detection of cytokine producing cells: Greater sensitivity and
specificity using ELISA plates as compared to nitrocellulose membranes
. J Immunol. Meth. 200: 17-26 66. Schon MP, Detmar M, Parker CM (1997) Murine psoriasis-like disorder
induced by naive CD4+ T cells. Nat. Med. 3(2):183-188 67. Sela MS, Fuchs (1964) On the role of charge and Optical Configurati
on in Antigencity. Sec. Chem. Immunol. pp 43-56 68. Sela M, Zisman E, (1997) Different Roles of D-amino Acids in Immune
Phenomena. Dept. of Immunol. Rehovot pp 449-456 69. Sun J, Link H, Olsson T, Xiao BG, Andersson G, Ekre HP, Linington C
, Diener P. (1991) J. Immunol. 146:1490-1495 70. Svasti J and Milstein C (1972). The Complete Amino Acid Sequence of
a Mouse ( Light Chain. Biochem. J. 128: 427-444. 71. Todome Y, Ohkuni H, Mizuse M, Furuya M, Fujikawa S, Tanaka S, Watan
abe N, Fujii K, Zabriskie J, (1992) Detection of Antibodies against Stre
ptococcal Peptidoglycan and the Peptide Subunit (Synthetic Tetra-D-Alany
l-Bovine Serum Albumin Complex) in Rheumatic-Diseases. Int. Arch Allergy
Immunol 1992: 301-307 72. Tomana M, Schrohenloher RE, Koopman WJ, Alarcon GS and Paul WA (198
8). Abnormal Glycosylation of Serum IgG from Patients with Chronic Infla
mmatory Diseases. Arthritis and Rheumatism. 31: 333 - 338. 73. Tomiyama T, Asano S, Furiya Y, Shirasawa T, Endo N, and Morritt, Jn
l of Biological Chemistry (1994) Vol. 289, No. 14 April 9, pp 10205-1020
8 "Racemisation of Asp23 Residue affects the aggregation properties of A
lzheimer Amyloid β Protein Analogues" 74. Vann Noort JM, van Sechel AC, van Stipdonk MJB, Bajaramovic JJ (1998
) "The small heat shock protein αβ-crystallin as key autoantigen in mu
ltiple sclerosis" In "Progess in brain research" vol 117(eds:
Van Leuwen FW, Salehi A, Giger RJ, Holtmaat AJGD, Verhaagen J) Elsevier
Science, Amsterdam 75. Watkins J, Turner MW, Roberts A. (1972). In: Peeters H (ed.) Proti
des of the Biological Fluids, 19th Colloquim, Oxford : 468 76.Weir, D (ed.) (1996) The handbook of experimental immunology, vol.1,
5th edn. Blackwell Scientific Publication, Oxford. 77. Williams RC (1996) Autoimmune mechanisms involved in the pathogenes
is of rheumatoid arthritis. Adv. Dent. Res. 10:47-51 78. Winchester RJ (1975). Characterisation of IgG Complexes in Patients
with Rheumatoid Arthritis. Ann. NY Acad. Sci. 256: 73 - 81. 79. Yoshikawa H, Lambert EH, Walser-Kuntz DR, Yasukawa Y, McCormick DJ,
Lennon VA (1997) A 17-Mer self-peptide of acetycholine receptor binds t
o B cell MHC class II, activates helper T cells, and stimulates autoanti
body production and electrophysiologic signs of myasthenia gravis. J. Im
munol. 159(3):1570-1577 80. Zhang Y, Guerassimov A, Leroux JY, Cartman A, Webber C, Lalic R, de
Miguel E, Rosenberg G, Poole AR 1998 Induction of arthritis in Balb
C mice by cartilage link protein: involvement of distinct regions
recognised by T and B lymphocytes. Am. J. Pathol. 153:1283-1291 Zisman E, Katz-Levy Y, Dayan M, Kirshner SL, Paas-Rozner M, Karni A, A
bramsky O, Brutbar C, Fridkin M, Sela M, Mozes E. (1996) Peptide analogs
to pathogenic epitopes of the human acetylchloline receptor alphas subu
nit as potential modulators of myasthenia gravis Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 93(9):4492-4497
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、ペプシンで分解したヒトIgGについて行った第一回目の
排除クロマトグラフィーにより実施例1において得られた結果を、溶出物質のO
D280nmまた収集したフラクションについて測定したIAMT活性を示すグ
ラフとして示す。図1(B)は、サイズ排除クロマトグラフィーによって単離し
たペプシン分解IgGのいくつかの分画について異性化の特異的度合いを示す;
【図2】サイズ排除クロマトグラフィーによって単離したIgGの低分子量断
片をアニオン交換樹脂カラムによる分離に供することによって実施例1において
得られた結果を示す。更に精製に供したフラクションについて収集したプールを
、a,b,c及びdとして表す。
【図3】図2において示した陰イオン精製IgGペプチドの“プールb”からH
PLCでペプチド類を分離した結果を示す。下記するトレーサーを示す:UV2
14nm、蛍光(380/297nm)、アセトニトリルグラジエント及びIA
MT反応性である。
【図4】図3において概要を示したプールb精製物のRP−HPLCによる第
二回目の精製結果を示す。UV214nm検出器シグナル及び溶出物質のIAM
T反応性を示す。
【図5】実施例2で得られた結果を、3つの患者群の血清試料について行った

LISA測定法で得られたシグナルグラフの形式として示したものである。
【図6】実施例3で得られた結果を、競合ペプチドの存在下に試験した6つの
血清試料のELISA信号の棒グラフの形式として示したものである。
【図7】実施例4で得られた結果を、RA患者と健常コントロールの試料を用
いて均質RIA測定法で得たシグナル(CPMにおける)グラフの形式として示
したものである。
【図8】実施例4で得られた結果を、競合ペプチドの存在下で得られたRIA
信号を阻害率として表した棒グラフの形式として示したものである。
【図9】実施例6で得られた結果を、散布グラフA,B及びCの形式として示
したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 クリストガウ、ステファン デンマーク国、デーカー−2820 ヘントホ フテ、レーべスコフスベイ、10アー Fターム(参考) 4H045 AA10 AA30 BA01 BA13 BA14 BA15 BA16 BA18 CA40 DA75 DA86 EA22 FA71

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)異性化したペプチド結合及び/又は光学的に反転したアミ
    ノ酸を含むエピトープを特異的に認識する自己反応性免疫系成分及び/又は(b
    )前記エピトープを含む自己抗原若しくはその断片及び/又は(c)前記エピト
    ープを含む且つ自己免疫応答を誘発する能力を有する非自己抗原若しくはその断
    片の試料中での存在を定量的又は定性的に測定する操作に試料を供することから
    成る測定方法。
  2. 【請求項2】前記免疫系成分が、細胞性免疫系成分である、請求項1において
    記載された方法。
  3. 【請求項3】前記免疫系成分が、Tリンパ球である、請求項2において記載さ
    れた方法。
  4. 【請求項4】前記免疫系成分が、体液性免疫系成分である、請求項1において
    記載された方法。
  5. 【請求項5】前記エピトープが、異性化したペプチド結合及び/又は光学的に
    反転したアミノ酸を含むIgGから誘導されたアミノ酸配列を含んで成る、請求項
    4において記載された方法。
  6. 【請求項6】前記免疫系成分が、下記する配列の何れか一つに含まれるアミノ
    *Asxを含んで成るエピトープに配向させた自己抗体である、請求項4にお
    いて記載された方法: Trp−Leu−*Asx−Gly−Lys−Glu−Tyr; Trp−Glu−Ser−*Asx−Gly; His−Phe−Phe−Lys−*Asx−Ile−Val−Thr−Pr
    o; Pro−Ser−*Asx−Glu−Gly−Lys−Gly−Arg; Ala−Leu−Gly−Ile−Gly−Thr−*Asx−Ser−Va
    l−Ile; Trp−Ser−Phe−Gly−Ser−Glu−*Asx−Gly−Se
    r−Gly−*Asx−Ser−Glu−Asn; Ala−Gly−Trp−Leu−*Asx−Gly−Ser−Val−Ar
    g;及び Gly−Arg−Val−Arg−Val−*Asx−Ser−Ala−Ty
    r: なお上式において、*Asxは、αD Asp若しくはAsn、又はβL As
    p若しくは原初の配列における残基Asp若しくはAsnの異性化/光学的反転
    により生成するβD Aspである。
  7. 【請求項7】前記免疫系成分が、下記する配列の何れか一つの配列に含まれる * Asxなるアミノ酸を含んで成るエピトープに対して配向させた自己抗体であ
    る、請求項4において記載された方法: Met−Glu−Val−Gly−Trp−Tyr−Arg−Pro−Pro
    −Phe−Ser−Arg−Val−Val−His−Leu−Tyr−Arg
    *Asx−Gly−Lys−又はVal−Val−His−Phe−Phe−
    Lys−*Asx−Ile−Val−Thr−Pro: なお上式において、*Asxは、αD Asp若しくはAsn、又はβD As
    p若しくは原初の配列における残基Asp若しくはAsnの異性化/光学的反転
    により生成するβL Aspである。
  8. 【請求項8】前記免疫系成分が、下記する配列の何れか一つに含まれるアミノ
    *Glxを含んで成るエピトープに対して配向させた自己抗体である、請求項
    4において記載された方法: Pro−Ser−*Glx−Gly−Lys−Gly−Arg; Phe−Ser−Trp−Gly−Ala−*Glx−Gly−Arg;又は Asp−Ala−*Glx−Gly−Thr−Leu−Ser−Lys: なお上式において、*Glxは、αD Glu若しくはGln、又はγL Gl
    u若しくは原初の配列における残基Glu若しくはGlnの異性化/光学的反転
    により生成するγD Gluである。
  9. 【請求項9】前記免疫系成分又は自己抗原の検出によって自己免疫病が示され
    るものである、請求項1乃至8の何れか一項において記載された方法。
  10. 【請求項10】前記疾病が、リューマチ性関節炎、多発性硬化症、インスリン
    依存性糖尿病、重症筋無力症、ツェリアカ(腹部内臓病)、チャガス病、乾癬又
    はクローン病である、請求項9において記載された方法。
  11. 【請求項11】自己抗原又はその断片と前記自己抗原内における異性化したペ
    プチド結合又は光学的反転したアミノ酸の存在に対して特異的である免疫学的結
    合パートナーとの反応性を検出することから成る、自己抗原又はその断片を検出
    する方法。
  12. 【請求項12】前記免疫学的結合パートナーが、請求項6乃至8の何れか一項
    において定義されエピトープに対して特異的である、請求項11において記載さ
    れた方法。
  13. 【請求項13】前記した免疫系成分、自己抗原、非自己抗原又は抗原断片の検
    出量に関する情報を提供するものである、前記請求項のうちの何れか一項におい
    て記載された方法。
  14. 【請求項14】自己抗原中の単一又は複数のエピトープの位置を決定する方法
    において、L―イソアスパルチル(D―アスパルチル)メチルートランスフェラ
    ーゼ(IAMT)及び標識化メチル基供給源とを用いて前記自己抗原内の異性化
    したペプチド結合及び/又は光学的に反転したアミノ酸の一つ以上に前記標識化
    メチル基を導入すること、及び前記標識化メチル基が導入された前記自己抗原内
    の位置を決定すること、前記位置を包含する領域内における前記自己抗原のアミ
    ノ酸配列を決定すること、及び前記位置において前記異性化した又は光学的に反
    転したアミノ酸を組み込んだ前記アミノ酸配列のペプチドを試験・検査して自己
    反応性免疫系成分との反応性を測定すること、とから成る前記単一又は複数のエ
    ピトープの位置決定方法。
  15. 【請求項15】該自己抗体が自己免疫病に関連するものである、請求項14に
    記載された方法。
  16. 【請求項16】該自己免疫病が、リューマチ性関節炎、多発性硬化症、インス
    リン依存性糖尿病、重症筋無力症、ツェリアカ(腹部内臓病)、チャガス病、乾
    癬又はクローン病である、請求項9において記載された方法。
  17. 【請求項17】自己反応性免疫系成分によって認識されるエピトープを含むぺ
    プチドであって、該エピトープが異性化したペプチド結合又は光学的反転したア
    ミノ酸を含むものである、前記ペプチド。
  18. 【請求項18】請求項6乃至8の内の何れか一項において定義されたエピトー
    プを含む、請求項17において記載されたペプチド。
  19. 【請求項19】変化したアミノ酸残基である*Asx又は*Glx―なお本式に
    おいて、*GlxはαD Glu若しくはGln、又はγL Glu若しくは原初
    の配列における残基Glu若しくはGlnの異性化/光学的反転により生成する
    γD Gluであり、又*AsxはαD Asp若しくはAsn、又はβL As
    p若しくは原初の配列における残基Asn若しくはAspの異性化/光学的反転
    により生成するβD Aspである―及び少なくとも三種の側鎖アミノ酸残基と
    をN―末端及び/又はC―末端方向に含んで成る、請求項18において記載され
    たペプチド。
JP2001517161A 1999-08-17 2000-08-16 異性化/光学的反転したエピトープに対する特異的免疫反応:自己免疫病診断への応用 Pending JP2003512599A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9919452.4 1999-08-17
GBGB9919452.4A GB9919452D0 (en) 1999-08-17 1999-08-17 Specific autoimmune reactions against isomerised/optically inverted epitopes:application for diagnosis of autoimmune diseases
PCT/EP2000/007973 WO2001013110A2 (en) 1999-08-17 2000-08-16 Detection of isomerised epitopes in autoimmune diseases

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003512599A true JP2003512599A (ja) 2003-04-02

Family

ID=10859317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001517161A Pending JP2003512599A (ja) 1999-08-17 2000-08-16 異性化/光学的反転したエピトープに対する特異的免疫反応:自己免疫病診断への応用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20040058851A1 (ja)
EP (1) EP1208379A2 (ja)
JP (1) JP2003512599A (ja)
KR (1) KR20020021813A (ja)
CN (1) CN1379858A (ja)
AU (1) AU7276200A (ja)
CA (1) CA2382205A1 (ja)
GB (1) GB9919452D0 (ja)
WO (1) WO2001013110A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003515170A (ja) * 1999-11-26 2003-04-22 オステオミーター・ビオテク・エー/エス 異性化及び/又は光学的反転したタンパク質及びタンパク質断片の測定法
WO2012144512A1 (ja) * 2011-04-22 2012-10-26 国立大学法人京都大学 関節リウマチの新規遺伝因子としてのミエリン塩基性蛋白の利用

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7354723B2 (en) * 1999-11-26 2008-04-08 Nordic Bioscience Dagnostics A/S Assay of isomerised and/or optically inverted proteins and protein fragments
GB0020238D0 (en) * 2000-08-16 2000-10-04 Osteometer Biotech As Specific autoimmune reactions against isomerised/optically inverted epitopes; application for treatment of autoimmune dieases
KR100380147B1 (ko) * 2001-01-18 2003-04-11 주식회사 엘지생명과학 류마티스성 자가면역 항체의 검출방법 및 검출키트
GB0112626D0 (en) 2001-05-23 2001-07-18 Osteometer Biotech As Assay of isomerised and/or optically inverted proteins and protein fragments
CN100476433C (zh) * 2006-01-25 2009-04-08 中国医学科学院北京协和医院 一种筛查系统性硬化症疑似患者血清的专用多肽
WO2008127642A1 (en) * 2007-04-11 2008-10-23 Enteron Limited Partnership Myelin specific ige unencumbered by corresponding blocking antibodies as a causative factor in multiple sclerosis
HU0900199D0 (en) * 2009-04-01 2009-06-29 Debreceni Egyetem Diagnosis of gluten-induced autoimmune diseases
CA2763685A1 (en) * 2009-05-29 2010-12-02 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Peptoid ligands for isolation and treatment of autoimmune t-cells
US20120190571A1 (en) * 2011-01-20 2012-07-26 Aristo Vojdani Methods and apparatus for detection of gluten sensitivity, and its differentiation from celiac disease

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2256449A1 (en) * 1996-06-06 1997-12-11 Lajolla Pharmaceutical Company Apl immunoreactive peptides, conjugates thereof and methods of treatment for apl antibody-mediated pathologies
GB9617616D0 (en) * 1996-08-22 1996-10-02 Osteometer Biotech As Assaying protein fragments in body fluids

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003515170A (ja) * 1999-11-26 2003-04-22 オステオミーター・ビオテク・エー/エス 異性化及び/又は光学的反転したタンパク質及びタンパク質断片の測定法
JP4688392B2 (ja) * 1999-11-26 2011-05-25 オステオミーター・ビオテク・エー/エス 異性化及び/又は光学的反転したタンパク質及びタンパク質断片の測定法
WO2012144512A1 (ja) * 2011-04-22 2012-10-26 国立大学法人京都大学 関節リウマチの新規遺伝因子としてのミエリン塩基性蛋白の利用
JP5565784B2 (ja) * 2011-04-22 2014-08-06 国立大学法人京都大学 関節リウマチの新規遺伝因子としてのミエリン塩基性蛋白の利用

Also Published As

Publication number Publication date
GB9919452D0 (en) 1999-10-20
AU7276200A (en) 2001-03-13
CA2382205A1 (en) 2001-02-22
EP1208379A2 (en) 2002-05-29
WO2001013110A2 (en) 2001-02-22
CN1379858A (zh) 2002-11-13
KR20020021813A (ko) 2002-03-22
US20040058851A1 (en) 2004-03-25
WO2001013110A3 (en) 2001-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9267946B2 (en) Biomarkers, methods and kits for the diagnosis of rheumatoid arthritis
US8148084B2 (en) Diagnosis of autoimmune disease
JPH0634629A (ja) インシュリン依存性糖尿病の診断用免疫試薬パネル
US7718386B1 (en) Methods for the diagnosis of diabetes
JP2003512599A (ja) 異性化/光学的反転したエピトープに対する特異的免疫反応:自己免疫病診断への応用
Hang et al. Current concepts and advances in clinical laboratory testing for autoimmune diseases
US5512447A (en) Methods for the diagnosis and treatment of diabetes
US6130049A (en) Assay methods and kits for diagnosing autoimmune disease
JP2006528361A (ja) アルドラーゼを含む網膜血管疾患診断用組成物およびその診断方法
WO2008017363A2 (en) Improved immunoassay involving mutant antigens to reduce unspecific binding
WO2011026200A2 (en) New methods for diagnosing autoimmune diseases
JP3425149B2 (ja) 無症候性患者における糖尿病可能性評価方法
JP3989837B2 (ja) 抗ラミニン−1抗体の測定法およびその応用
US20140377883A1 (en) Peripherin-specific autoantibodies as a marker for neurological and endocrinological disease
JPH06503647A (ja) ヒトホスホリパーゼ活性化タンパク質および慢性関節リウマチの診断の方法
WO2009055880A2 (en) New method for diagnosing sjogren's syndrome
US20030216319A1 (en) Specific autoimmune reactions against isomerised/optically inverted epitopes: application for treatment of autoimmune diseases
JP2949619B2 (ja) 全身性エリテマトーデス病態診断剤
WO2008070236A2 (en) Diagnostic assay for detecting and monitoring hearing loss
Michelsen et al. Modern concepts of diabetes and its pathogenesis

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040402

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040402

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040426