JP2003512136A - ヨウ素消毒の際の不安定なタンパク質の保護 - Google Patents
ヨウ素消毒の際の不安定なタンパク質の保護Info
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Abstract
Description
る溶液を消毒するための物質を含有するヨウ素の使用に関する。
見されている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV、AIDSの原因因子)や極めて
多くの新たな肝炎ウイルスが思い浮かぶが、同様の態様で伝染する他の多くの深
刻な病原因子が絶えず発見されている。食物を調理するという習慣によって、人
類は、血液間の伝染を必要とする多くのウイルスから長い間守られてきたものと
思われる。輸血や血液及び組織の画分を用いるようになって、現代医学はこのよ
うな保護を取り去ってしまった。血液や他の医療用物質からウイルスやその他の
病原因子を除去するために、多くの労働者は様々な消毒用の化学的及び物理的手
段を用いて作業を行っている。
に存在する広範囲の微生物(細菌、ウイルス、及び他の病原体)を殺菌又は不活
化する遊離の元素状ヨウ素の利用に基づいた非常に多くの発明を、本発明者は開
示してきた。読者は、本発明者による米国特許第5,019,495号、第5,
128,149号、第5,128,150号、第5,186,945号、第5,
360,605号、第5,370,869号、第5,589,072号、及び第
5,609,864号を参照されたい。これらの特許の内容は、参考文献として
、本明細書に援用される。
することを危惧して、最初はこれらのヨウ素法に反対する労働者がいたが、本発
明者は、クロマトグラフィーによる「捕獲(capture)」技術がこのよう
な反対を打ち消し得ることを実証することができた。捕獲とは、捕獲用の物質を
貫流する溶液から遊離のヨウ素を全て効果的に除去できるほどヨウ素を強く結合
する樹脂その他の物質を使用することを意味する。もちろん、遊離又は元素状ヨ
ウ素を結合する捕獲用物質(capture material)は共有結合し
たヨウ素は除去できないが、ヨウ素を共有結合させる有機反応は比較的遅いこと
が実験によって示されている。ヨウ素源に接触させた後、即座に効果的な捕獲用
物質を通過させることによって、タンパク質溶液を素早くヨウ素で処理すれば、
共有結合するヨウ素の量は無視できる程度に留まる。
なく、たとえ、ほとんど又は全く結合した状態でヨウ素が残存しないとしても、
タンパク質とヨウ素との相互作用がタンパク質の永久的な変化をもたらす可能性
があるということに存する。おそらくかかる変性は酵素の失活において最も顕著
であろう。ヒト血漿が血餅を形成する複雑なシステムは特にこのような損傷を受
けやすい。物質が組織培養中で細胞の成長を補助する効果がヨウ素処理によって
弱まった場合などのように成長因子が欠乏すると、微細な損傷も生じるかもしれ
ない。
溶液を効果的に消毒することが見出された。これらの混合物は、血液凝固因子の
ような不安定なタンパク質への損傷を最小にしながら、タンパク質を含有する溶
液を効果的に消毒するクロマトグラフィーのカラム中で使用することができる。
等量のヨウ素源とヨウ素捕獲とを含有する混合樹脂(50:50混合物)は、多
くの場合、タンパク質にほとんど損傷を与えずに、完全に効果的に消毒を行うこ
とができる。タンパク質への損傷がなお存在する場合には、これより少量のヨウ
素を含有する混合物が理想的な混合物となり得るであろう(例えば、25:75
、又は極端には5:95)。消毒能が不十分であるならば、比率を増加させるこ
とができる(例えば、80:20)。驚くべきことに、前記混合樹脂は赤血球や
血小板のような組織成分も吸着する。ある場合には、混合樹脂は、処理期間の最
後に遠心又は濾過によって前記樹脂を除去するバッチ操作においてさえ有用であ
る。ヨウ素処理した樹脂とヨウ素処理していない樹脂とを混合することにより、
ヨウ素処理していない成分を加えずに使用した際には効果がないレベルのヨウ素
でも、効果的な消毒を行うことが可能となる。本発明者はこのような矛盾した効
果を「くもの巣(spider web)」と命名した。ヨウ素消毒における制
限因子はヨウ素の全割合ではなく、その上をヨウ素が拡散する表面積であると理
論付けられる。ヨウ素処理していない捕獲樹脂は、消毒に効果的であるヨウ素の
表面コーティングを迅速に取り去るので、ヨウ素処理していない捕獲樹脂とヨウ
素処理した樹脂を混合することにより、有効面積が著しく増加する。同時に、ヨ
ウ素処理していない物質はヨウ素の「溜め(sink)」として機能し、消毒す
る物質が過度にヨウ素処理されるのを防ぐ。「くもの巣」効果は、フルーツジュ
ース、ミルク、及び他の液状食物中に存在するような不安定な味も保護すること
が検査によって示された。これにより、味などを損なわずに液体食物製品を消毒
するための非加熱法が提供される。
うにするために与えられ、本発明が想定する、本発明を実施するための最良様式
が示されている。しかしながら、本明細書には、本発明の一般的な原則は、不安
定な酵素又は他の構成成分を損傷させずに、タンパク質を含有する溶液を消毒す
る混合樹脂システム(ヨウ素源:ヨウ素捕獲)を提供することであると明記され
ているのであるから、当業者であれば様々な変更を為し得ることが容易に理解で
きるであろう。
後に遊離のヨウ素を除去することが、タンパク質溶液中に含まれるウイルス性混
在物と細菌性混在物の両者を消毒する注目すべき消毒剤であることを発見した。
この技術には、不安定なタンパク質に対してヨウ素が損傷を与える可能性がある
という懸念がある。多くのタンパク質は消毒濃度のヨウ素に対して安定であるよ
うだが、それ以外のタンパク質は完全に不安定である。このことは、ヨウ素によ
る損傷が味の変化として現れる液体食物についても当てはまる。過度のヨウ素処
理には、ヨウ素との接触時間が減少するように利用可能なヨウ素の濃度を低下さ
せることによって、及び消毒すべき溶液の溶出速度を増加させることによって対
処することができる。残念なことに、これらのアプローチは何れも不十分なヨウ
素処理しか為し得ず、十分な消毒が得られない。利用可能なヨウ素の量が極めて
限られている場合でも、過度のヨウ素を取り込んでしまう物質もあり得る。
際に顕著となる。例えば、赤血球(RBC)を含有する溶液をヨウ素処理すると
、RBCは即座に大量のヨウ素を吸収する。このことは、RBCの色が暗くなっ
た後、直ちに溶血が顕著に増加することによって示される。20mlの新鮮な全
血を、1gのヨウ素化したQセファロース(10重量%の元素状ヨウ素)(Q−
セファロースはAmersham−Pharmacia Biotech製の炭
化水素ベースのゲル濾過媒体である)と混合し、樹脂を安定させると、過剰なヨ
ウ素が血球中に輸送されるであろう。まず、前記細胞が著しく暗化することによ
って、過剰なヨウ素が示される。処理された全血は、24時間以内に、著しく溶
血する。これに対して、20mlの新鮮な血液を1gのPurodine樹脂(
10重量%の元素状ヨウ素)(Purolite Corporation製の
ヨウ素化されたスチレンジビニルベンゼンイオン交換樹脂)と混合すると、溶血
があるとしても、(対照の血液と比較して)24時間後にはほとんど溶血は見ら
れない。これらの差は、ヨウ素がQセファロースよりもPurolite樹脂に
強く結合することであるらしい。おそらく、Purolite樹脂はRBCより
多くのヨウ素を結合する。これによりRBCが過剰なヨウ素を取り込むことを阻
止する。もちろん、ヨウ素源が過剰な親和性でヨウ素を結合すれば、サンプルが
過剰にヨウ素処理されるのを防ぎ得るのであろうが、同時に、混在する微生物が
ヨウ素処理されることまで阻止してしまうであろう。これでは消毒が非効率的に
なる可能性がある。本明細書で使用する「親和性」という用語は、ある物質が他
の物質に結合する強さを表すために使用される。本明細書では、一般的に元素状
ヨウ素の不溶性ヨウ素源物質への結合を記載するために本用語を用いる。
e)樹脂と、これより低い親和性の(Sepharose)樹脂の殺菌能力を全
血に対してテストした。濃い大腸菌の懸濁液を血液に混入させた。遠心管中に分
取した混入血液20mlに、Purolite又はヨウ素化したSepharo
seのうちの何れかのサンプル(1g)を加えた。前記チューブを完全に混合し
、室温で30分間インキュベートした。CF−150(Merocel Cor
poration of Mystic, CT製のポリビニルアセタールスポ
ンジ)を通した濾過によって、前記樹脂を除去し、1mlの前記血液サンプルを
分取して、寒天培地上に播種し、37℃で24時間インキュベートした。該イン
キュベート後、細菌の増殖についてプレートを観察した。濾過したサンプルをプ
レート上に置いた時点で、溶血を判定した。結果を表1に示す。
さなかったが、低い親和性の樹脂に比べて殺菌能が低かったことを示している。
おそらく、ヨウ素化したQ−セファロースによる殺菌は、樹脂の量又はインキュ
ベート時間を増加させることによって改善され得るものと思われるが、より多く
の溶血が生じることになろう。Purodine樹脂殺菌も同様にして改善され
る可能性があるが、樹脂の量及び/又は必要なインキュベート時間は現に過剰で
あるかもしれない。各々の場合に樹脂の量を0.2gまで増加させると、溶血の
増加を伴うが、ヨウ素化したQ−セファロースでは完全に殺菌され、Purod
ineでは殺菌力が向上した。このQ−セファロース濃度は、添加されたSta
phylococcus epidermidis、及びPseudomona
s aeruginosaに対しても同様に効果的であることも実証され得るで
あろう。ポリビニルアセタールと架橋されたポリビニルピロリドン、及びヨウ素
化されたポリビニルアセタールとヨウ素化し架橋されたポリビニルピロリドンも
、それぞれ、ヨウ素捕獲及びヨウ素源として使用し得ることに留意すべきである
。
に、任意の消毒すべき物質を、もっとも正確な親和性のヨウ素源とマッチさせる
ことは可能である。もちろん親和性以外にも様々な変数が存在する。より多くの
ヨウ素がヨウ素源に結合するにつれて、ヨウ素源は飽和して余分なヨウ素に対す
る親和性が低くなるので、ヨウ素源物質上のヨウ素の割合は重要である。従って
、比較的ヨウ素の割合が高いヨウ素源の場合、ヨウ素源に対するヨウ素の結合よ
りも、媒質中のヨウ素の溶解度によって、ヨウ素源からのヨウ素の除去が制御さ
れる。ヨウ素は多くの水性溶媒中で極めて溶解度が低い。従って、有効ヨウ素レ
ベルを実際に制御するのは(ヨウ素源が飽和しているとして)、消毒すべき物質
の停留時間(すなわち、ヨウ素源を通過する前記物質の流速)及び消毒すべき前
記物質におけるヨウ素結合物質の存在である。すなわち、多くのタンパク質は即
座にかなりのヨウ素を結合する。タンパク質溶液が飽和したヨウ素源を比較的ゆ
っくりと流れると、タンパク質分子は飽和状態になるであろう。タンパク質がヨ
ウ素の存在下で多少とも不安定であるなら、タンパク質に損傷を与える前にヨウ
素捕獲因子がヨウ素を除去することができなければ、タンパク質は損傷を受ける
であろう。他の極めて重要な要素は、ヨウ素供給物質の有効表面積である。ヨウ
素は僅かに溶解し得るにすぎないので、おそらく病原体の不活性化の多くはヨウ
素源(該ヨウ素源の中で、致死量のヨウ素が病原体へ移動する)との接触を通じ
て起きるものと思われる。従って、体積の大きな比較的ヨウ素レベルが低い樹脂
は、体積がこれより小さく、ヨウ素レベルが高い樹脂よりもはるかに効果的であ
ろう。
毒を最大にするために、ヨウ素源は消毒すべき物質よりも低い親和性でヨウ素を
結合しなければならない。しかしながら、過度のヨウ素処理による損傷を防ぐた
めにヨウ素源は十分な親和性で結合しなくてはならない。更に、消毒すべき物質
全てに効果的に接触するために、ヨウ素の表面積は十分でなければならない。過
度のヨウ素処理による損傷は、ヨウ素源と消毒すべき物質との接触時間を減少さ
せることによって(流速をより速くする)、減少させ、又は防ぐことが可能であ
る。ヨウ素処理をした物質から即座に遊離したヨウ素を奪うのに十分な親和性を
ヨウ素結合(捕獲)物質に与えることによっても、損傷を減少させ、又は防ぐこ
とが可能である。これらの要素を正確に均衡させることが困難であるという問題
は残る。ヨウ素源物質の親和性を容易に調整し得るなら、比較的速い流速を用い
て消毒を行うことは可能となるはずである。しかしながら、かかる目的に使用さ
れる通常のクロマトグラフィーカラムでは、ヨウ素源からヨウ素結合(捕獲)物
質までサンプルが流れるのに要する時間内に、弱いタンパク質は損傷を受けてし
まうので、十分な消毒を保証するために、親和性が十分に低いヨウ素源を用いる
と、しばしばタンパク質に損傷がもたらされる。流速の増加又は有効ヨウ素量の
減少は損傷を軽減し得るが、不十分な消毒ももたらすおそれがある。
合(捕獲)物質の連続したカラムを提供する代わりに、ヨウ素源と捕獲物質の両
者の混合ベッドを用いると非常に有利な点がある。該混合ベッドシステムでは、
ヨウ素源から捕獲物質へヨウ素を直接移動させ、前記消毒すべき物質を短絡させ
ると予想されるので、該システムは本質的に直感に反するように思われるかもし
れないが、ヨウ素はタンパク質が存在しない液体溶媒中では実質的に不溶性であ
ることに思い至ると、ヨウ素源から捕獲物質へのヨウ素の移動は消毒すべき物質
を通過させる回路を形成することが明らかになる。すなわち、消毒すべき物質は
ヨウ素源においてヨウ素を獲得し、獲得した該ヨウ素をほぼ即座に捕獲物質に受
け渡す。しかしながら、該「受け渡し(pass−through)」プロセス
において、ウイルス及び他の微生物はヨウ素に暴露され、ウイルス及び細菌は完
全な消毒を実施するのに十分長い時間と十分な量の該ヨウ素を保持し得る。ヨウ
素源と捕獲物質は、何れも、ヨウ素に対して同程度の親和性を有していると仮定
すると、ある混合物における捕獲物質に対するヨウ素源の割合を減少させると、
ヨウ素に対するヨウ素源物質の親和性を増加させる効果があるであろう。すなわ
ち、消毒すべき物質の観点からは、あたかもヨウ素源の親和性が増加したかのよ
うに、結合可能なヨウ素が減少するであろう。必要であれば、様々なヨウ素源及
び捕獲物質を利用することによって、さらに広い範囲の「親和性」を利用するこ
とが可能になる。これより自明度の低い本アプローチの利点としては、本アプロ
ーチによって、ヨウ素消毒が生じ得る表面積が著しく増加することがある。これ
は、加えられた捕獲物質が表面ヨウ素成分を素早く捕獲するからである。捕獲物
質の親和性は、多くの場合、ヨウ素源物質と類似しているため、捕獲物質は物理
的に接触する状態になったウイルス及び他の病原体にヨウ素処理を施すことが可
能となる。従って、比較的少量のヨウ素が広い領域に広がり、通過する病原体を
標的とする「くもの巣」として作用することができる。
量のヨウ素を急速に放出させたいなら、これは有益である。Qセファロースはヨ
ウ素を除去するための捕捉物質としても機能し得るが、かかる比較的低い親和性
のため、効果的にヨウ素を捕捉するには比較的大量のQセファロースを必要とす
る。45mlのQセファロース(30mlセファロース+15ml水)を250
mlの血漿全体に添加し、入念に混合すると、過剰なヨウ素に対する保護作用を
与えることが見出された。セファロース−血漿混合物に40mlのヨウ素化/非
ヨウ素化混合セファロース(重量比10%のヨウ素を含むセファロース1ml+
非ヨウ素化セファロース4ml+水35ml)を添加し、完全に混合した。サン
プルを15分間隔で取り出し、次いで前記セファロースを濾過によって除去した
。15分間のサンプルから濾過したセファロースはまだ茶色のヨウ素色を示した
。検査により、15分間のサンプルは、第VIII因子(ヨウ素に対して非常に
不安定な凝固因子)の活性を示した。その後のサンプルからは、実質的に全ての
第VIII因子の活性が喪失していた。この実験は、源物質と捕捉物質の混合物
が、凝固因子の過度のヨウ素化を調節するのに有効であることを示した。
筋炎ウイルス(EMC)又はブタパルボウイルス(PPV)のいずれか)を50
mlのヒト血漿に添加した。50mlの試料各々に対し、ヨウ素化Qセファロー
ス(重量比10%のヨウ素)1.0ml+非ヨウ素化Qセファロース4.0ml
とする一定分量を添加し、室温でサンプルを60分間混合した。次に前記セファ
ロースを濾過により除去し、ウイルスエンドポイントアッセイ(VEPA)によ
って、被処理サンプルの段階希釈を調製した。すなわち、前記希釈液を被検細胞
(被検ウイルスに応じて、vero、pk15又はbt)の単層を含有する栄養
性のプレートに添加した。適切なインキュベーション時間の後(1〜5日)、ウ
イルス複製(プラークの形成)について、プレートをアッセイした。スコア4は
最大のプラーク形成である。スコア1は僅かなプラークを示し、スコア0はウイ
ルスによる損傷の兆候を示さない。全ての場合において、細胞毒性は示さなかっ
た。これはいかなるサンプルにおいても、遊離のヨウ素が実質的に存在していな
かったことを意味する。添付の表2に示されているように、前記処理は、前記ウ
イルスを実質的に全て死滅させた。
プル中に遊離のヨウ素を実質的に残さずに、ウイルスを有効に死滅させ得ること
を示している。
度実施したものを示している。この実験では、ヨウ素化樹脂と非ヨウ素化樹脂の
比率は1:3であった。
そらく、ヨウ素化樹脂の量又はインキュベーション時間を増やせば、より生存能
の高いウイルスも死滅させることができるであろう。
。上記説明のように、全血に対し多量のヨウ素を加えると、RBCにひどい溶血
が生じる。ここで、ヨウ素化Qセファロース(ルゴール溶液(5%ヨウ素−10
%ヨウ化カリウム)40mlに樹脂10mlを24時間混合して調製)及び非ヨ
ウ素化Qセファロースの「Big Beads」を採用した。40mlの一定分
量の新鮮な全血を50mlの遠心分離用チューブに入れた。1mlのヨウ素化セ
ファロース、又は9mlの非ヨウ素化セファロースと1mlヨウ素化セファロー
スとの混合物のいずれかをこれに添加した。前記サンプルを60分間インキュベ
ートし、セファロースを遠心分離により除去して、前記サンプルの溶血を観察し
た。予想通り、ヨウ素化したセファロースのみを用いたサンプルではRBCsの
暗色化と顕著な溶血を示した。ヨウ素化セファロースと非ヨウ素化セファロース
の混合物はわずかな溶血を示したにすぎなかったが、対照(セファロースなし)
では、溶血を示さなかった。これは、混合樹脂がRBCsに対し、重要な保護作
用を提供し得ることを示す。ヨウ素化樹脂とのインキュベーションを非常に長時
間行ったので、これは最悪の場合のシナリオである。クロマトグラフィー処理(
本発明の使用に好ましい方法)においては、接触時間はさらに著しく限定され得
る。しかしながら、60分未満のインキュベーション時間であっても、混合樹脂
によるアプローチもバッチ操作として相当に有望であることを示す。これらのア
プローチは全血を消毒する方法を提供するので、輸血によってウイルスが伝染す
る危険性をなくす。細胞内ウイルスを死滅させ得ることを示す幾つかのデータが
存在している。しかしながら、白血球がなおウイルスを蓄積している可能性が残
存している。本発明者は、好ましくはヨウ素処理の前に、消毒した全血から白血
球細胞を除去することを検討した。多くの白血球フィルターが本分野で公知であ
る。読者は米国特許第5,639,376号、及びこれに詳細に引用された参考
文献を参照されたい。
するので(理論的には)、極めて低いヨウ素レベルで有効な消毒を与え得ること
が証明された。ヨウ素化DEAEセファデックス(Amersham−Phar
macia Biotech製の架橋したデキストランポリマーの陰イオン交換
誘導体)及びヨウ素化DEAEセルロース(非ヨウ素化型の各物質が捕捉物質と
して機能した)を使用して、バッチモード実験に着手した。おそらく陰イオン交
換物質がヨウ素イオンに結合して、次にヨウ素イオンが元素状のヨウ素の可溶性
を高めて、樹脂を通過させ得るので、陰イオン交換物質はヨウ素の捕捉剤として
特に有効であることが明白である。ヨウ素化及び非ヨウ素化物質の量は、表4に
示すように、50mlの無菌チューブに入れて計量した。
して、連続的な混合を行いながら室温でインキュベートした。30分間静置して
から、上記で実行したように、各チューブのサンプルをVEPAアッセイにかけ
た。DEAEセファデックス実験の結果が表5に示されており、DEAEセファ
ロースの結果は表6に示されている。
と、低レベルのヨウ素(0.5%)であっても有効に溶液を消毒し得ることを示
している。従来技術で報告されているように、ウイルス粒子が無処置のDEAE
樹脂(plain DEAE resin)に結合すると、ウイルス数が3桁ま
で減少するようである。
e)などの低親和性樹脂を用いて実施した。この実験に対しては、50mlチュ
ーブ中に、以下の物質を計量した。
0混合物4.0g c)4.0gのDEAEセファロース d)ヨウ素化DEAEセルロースと無処置のDEAEセルロースの50:
50の混合物4.0g e)4.0g陰イオン交換樹脂(Purolite A606) f)5%ヨウ素の陰イオン交換樹脂(Purolite A605)と無
処置の陰イオン交換樹脂(Purolite 「Purodine」A605)
の50:50混合物4.0g 各々一定分量の樹脂を、組織培地中に25mlのVSVウイルスと共に混合し
た。すでに述べたように、チューブを室温で60分間混合した後、30分間静置
してから、サンプルをVEPAにかけた。結果を表7に示す。
)ヨウ素捕捉樹脂の重量と等しい半分の量のヨウ素源樹脂を用いた場合と異なり
、高親和性樹脂のみを使用した結果が最も興味深い。ヨウ素の重量のため、捕捉
樹脂の体積がヨウ素源樹脂の体積をかなり超えた。このことは、病原体を死滅さ
せるためには、十分な表面積を有することが重要であることを示す。
トグラフィー的アプローチにおいても有効である。この実験では、以下のカラム
を二つずつ準備した。a)5%ヨウ素(重量比)のDEAEセファデックス(2
.0g)及び非ヨウ素化DEAEセファデックス(2.0g)の50:50混合
物、b)2.5%ヨウ素(重量比)のDEAEセファダックス(2.0g)と非
ヨウ素化DEAEセファダックス(2.0g)との50:50混合物、並びにc
)非ヨウ素化DEAEセファダックス4.0gである。一定分量のヒト血漿(各
50ml)に、BVDウイルス又はPPVウイルスのいずれかを添加した。重力
によってカラム中を流動させることにより(流速約5ml/分)、サンプルを濾
過し得た。該サンプルを直ちにVEPAにかけて、上述のように実行した。結果
を下表8に示す。
表面積が与えられれば、ヨウ素の添加が完全な不活性化を引き起こし得ることを
示している。
、不安定な細胞又はタンパク質を有効に保護できることを前記実験は実証してい
る。これらの実験も、高親和性の樹脂(例えば、Purolite)又は不十分
な親和性を有する樹脂(例えば、セファロース)を使用した場合の課題を明示し
ている。低親和性の樹脂が優れたヨウ素源となり得るのに対して、一般的に捕捉
因子には適していない。極めて急速/高親和性の捕捉因子を優れたヨウ素源(す
なわち、親和性が高過ぎない)と組み合わせることが必要である。捕捉能の観点
からすれば、親和性は必ずしも捕捉の急速性を予測するものではない。Puro
lite陰イオン交換樹脂は高い親和性でヨウ素と結合し、ゆっくりと放出する
にすぎない。しかしながら、同じこれらの物質は、ヨウ素をゆっくりと取り込む
にすぎないので、それらは理想的な捕捉物質としては機能しない。本発明者は、
Umpqua Research(Myrtle Creek、Oregon)
製の一連のヨウ素化樹脂及び捕捉樹脂が、特に、本発明に有効であり得ることを
見出した。Umpqua製樹脂は水の精製に使用するように設計された。ヨウ素
化樹脂(MCV)は、溶血及び不安定なタンパク質に対する効果(後述)によっ
て判定したところによれば、Puroliteに比べて幾分親和性が劣るようで
ある。捕捉樹脂「ヨードソーブ(Iodosorb)」は、ヨウ素(元素状ヨウ
素)とヨウ化物の両者を極めて急速に吸収する吸収体であり、添加したヨウ化物
とその反応産物の両者が除去される。現在では、ヨードソーブが公知の他のいか
なる捕捉剤よりも迅速にヨウ素及びヨウ化物を除去する点で、これらは最も理想
的な樹脂と思われる。これは、過剰なヨウ素化による損傷を最小限に抑えるはず
である。
ムを順に準備し、ヨウ素源カラム、続いて捕捉カラムを通じて、処理すべき液体
を迅速に送液し、全ての元素状ヨウ素と遊離のヨウ素イオンを素早く除去した。
ヨウ素は極めて迅速に捕捉カラムによって除去されると思われるので、速い流速
を使用することによって、過度のヨウ素化による損傷の量が抑えられるであろう
と考えた。使用する処理カラムは各750mlであり、サンプルの流速が分速1
00mlになるように実験を調整した。最初の実験では、凍結したヒトの血漿(
500mlのサンプル)を解凍し、前記システムの消毒能の検査として、無添加
又はPPVの添加後のいずれかで実施した。VEPAは、実質的にウイルスが完
全に死滅していることを実証した。しかしながら、血液の化学分析は、重要な血
液酵素の活性がかなり失われていること、及び凝固時間(PT及びaPPT)が
極端に増加していることを示した。これは、急速で且つ効果的にヨウ素を捕捉す
るにもかかわらず、ヨウ素によって誘導される損傷が、ウイルスのタンパク質に
対してなお相当生じていることを示している。表9は本実験の結果を示している
。
しなかった。多くの血液酵素の値は、ヨウ素処理によって著しく減少しているこ
とに注意されたい。捕捉物質ヨードソーブは、強い陰イオン交換物質なので、前
記減少の一部は、この物質への酵素の選択的結合に起因するものかもしれない。
しかしながら、総タンパク質は前記処理によって変化しないので、酵素の減少の
ほとんどは、酵素に対するヨウ素の損傷が原因であることを示唆する。尿酸の変
化は、おそらく、ヨウ素による酸化によるものであろう。塩素イオンの変化は前
記ヨードソーブへの結合によるものであるかもしれない。ヨウ素化と捕捉物質の
特性は完璧であるように思えるので、このことはいくらか残念である。ヨウ素に
よる損傷を減少させる一つの方法は、ヨウ素の接触時間がさらに減少し得るよう
に、流速を増加させることかもしれない。欠点は、十分に高い流速を確保するこ
とが困難なことである。同様に、前記ヨウ化樹脂の容積を減少させることも、前
記ヨウ素の効果を減少させ得る。しかしながら、これらの変化も十分に消毒でき
ない(すなわち、ヨウ素が全ての微生物を十分に死滅又は不活性化できない)危
険性を伴う。
の場合にも、750mlのヨウ素化カラムを用いて、分取した500mlの解凍
ヒト血漿を処理した(PPVを含有する、及び含有しない同じサンプルを流した
)。しかしながら、この場合には、前記カラムは分速50ml、100ml、又
は200mlのいずれかで展開し、ヨウ素が確実に素早く中和されるように、溶
出液は10mg/mlのアスコルビン酸ナトリウムの溶液中に置いた。ヨウ素の
色は全て、アスコルビン酸溶液と接触するとすぐに消失した。中和後、ヨウ素を
除去するため、溶液を捕捉剤カラムに通した。中和後と捕捉剤通過後に、血液成
分を入念に検査した。
剤による何らかの効果によるものではないことを示している。全てのケースで、
処理した血液中には遊離ヨウ素もヨウ化物も検出できなかった。不安定な酵素は
、流速が速くなると(ヨウ素接触時間が減少)若干保存される。見かけの尿酸含
量の変化でさえ、ヨウ素反応によるものと思われる。塩素イオンの消失は恐らく
捕捉カラムによるものである。アスコルビン酸による中和後に得られた異常に高
い読み取り値は、アスコルビン酸の干渉作用から得られたものであろう。ヨウ素
と何らかの接触をさせることによって、凝固時間(PT及びaPPT)が最も影
響を受けた。全てのヨウ素処理において、流速に関係なく、添加したPPVを完
璧に死滅させた。
させる効果を探究するための実験に着手した。各750mlカラムがヨウ素源と
ヨウ素捕捉樹脂の50:50混合物を含有している点以外は、表4の実験を繰り
返した。この場合にも、分取した500mlの解凍した凍結ヒト血漿を(PPV
添加のあり、又はなし)カラムにかけた。50:50混合物が十分でなかったか
もしれないことが理解されるであろう。もし、より多量のヨウ素が必要なら、ヨ
ウ素源樹脂の比率を増加させることによってこれを達成することができる。もし
ヨウ素化が過剰であることが明白なら、より多くの割合のヨウ素捕捉剤を使用す
ることができる。二つの樹脂を混合すると、消毒の効果が劣ることになると予想
するかもしれないが、前記結果は、非混合樹脂と比較して、混合樹脂システムが
同程度か、それ以上に有効でさえあることを示した。ここで、ヨウ素を有する樹
脂の総量は以前の実験と同じであった。しかしながら、混合樹脂は、単独で使用
した場合には不十分である体積のヨウ素含有樹脂を使用しても、優れた消毒作用
を示す。有効なヨウ素消毒は、その上にヨウ素が存在し得る有効表面積と相関し
ているという説明が考えられる。混合樹脂システムを通じて、タンパク質溶液が
流動するにつれて、ヨウ素は急速に前記捕捉表面に運ばれて、有効な消毒剤とな
る。混合樹脂の結果を表11に示す。
きなかった。非混合樹脂と比較すると、血液酵素の保存性が非常に顕著である。
極めて感受性の高い凝固時間でさえ、正常な範囲内にかろうじて収まる。ヨウ素
捕捉樹脂に対する有効作用ヨウ素の比率を微調整することによって、これらの結
果が改善されると予測することには十分な合理性が存在する。さらに、混合樹脂
カラムは水中に保存すると非常に安定であることが発見された。おそらく、水中
でのヨウ素の溶解度が非常に低いからであろう。
用して繰り返した。凍結解凍処理は部分的に多くの酵素に損傷を与えることが知
られている。無処理の酵素のほうがヨウ素からの攻撃に対して高い耐性を有し得
ると考えられた。これらの結果を下表12に示す。この場合にも、実験により、
添加したPPVが完全に破壊された。
去された。ここで、混合樹脂システムは、解凍した凍結血漿を用いた場合に比べ
て、酵素機能の喪失が少なかった。このことは、ヨウ素によって引き起こされる
損傷を最小限に抑えつつ、血漿や他のタンパク質溶液を消毒するために混合樹脂
(ヨウ素源/ヨウ素捕捉剤)を使用することが極めて有用であることを示してい
る。
物が有用であり得ることが明らかである。もし50:50の混合物が所定の流速
において許容し得ないタンパク質の損傷を示すのであれば、捕捉剤の比率を増加
すべきである。予備的な実験によれば、1:99のような低い比率でも有用な結
果を示した。かかる低比率に伴う主要な問題は、ヨウ素源が極めて急速に枯渇す
ることである。これは、サンプルの大きさに比して使用するカラム全体の大きさ
を増加させることによって、部分的に改善し得る。しかしながら、これはカラム
上で過剰なサンプルの損失をもたらす。より良い解決法は、10:90以下の比
率に低下させる前に、タンパク質の損傷を低下させるために流速を増加させるこ
とである。同様に、もしVEPA検査が50:50混合物での消毒が不十分であ
ることを示すなら、流速を低下させるか、及び/又は比率を増加させるべきであ
る。75:25以上の比率では、タンパク質の損傷という点に関して、むしろ純
粋なヨウ素源に近い振る舞いをする傾向があることを予備実験は示している。し
かしながら、これは、様々な場合に基づいて容易に探究し得る。
pqua樹脂)ほぼ同等である混合物を用いて行った。しかしながら、異なる物
質の混合物を使用することによって、有効な比率の範囲を拡張し得ないはずはな
い。ヨウ素を素早く結合する捕捉樹脂を用いたときに、最良の結果が得られるで
あろうと思われる。しかしながら、比較的低いヨウ素親和性を有するヨウ素源を
用いることには、別の利点が存在し得る。これによって、低い比率の混合物(例
えば、10:90以下)によって効果的な消毒が可能となるであろう。これは極
めて不安定なタンパク質に対して有力であり得る。アガロース又はデキストラン
ポリマー(セファロース及びセファデックス、Amersham−Pharma
cia−Biotechの製品)のような物質は、親和性の低い理想的なヨウ素
源であると思われる。血液由来の液体が本明細書には示されているが、前記方法
はタンパク質を含有する実質的に全ての溶液を消毒することが実験によって示さ
れている。混合樹脂を用いたくもの巣アプロ−チによって、ほのかな風味などに
対する損傷を最小源に抑えつつ、フルーツジュース、ミルク、その他の液体飲料
も容易に処理することが可能となる。
る用語は、かかる用語が有する通常の意味として理解されるのみならず、通常用
いられる意味の範疇を超えて、本明細書の構造、物質、又は作用中の特殊な定義
をも含むものとして理解されなければならない。ある要素が本明細書の文脈にお
いて2以上の意味を含むものとして理解し得る場合には、特許請求の範囲におけ
るその使用は、本明細書によって及び当該用語自体によって支持される、考えら
れる全ての意味を包括するものと理解しなければならない。以下に記載される特
許請求の範囲の用語又は要素の定義は、従って、逐語的に示された要素の組合せ
のみならず、実質的に同一の態様で、実質的に同一の機能を実施して、実質的に
同一の結果が得られる全ての均等な構造、物質、又は作用をも含むものである。
e)などの高親和性樹脂を用いて実施した。この実験に対しては、50mlチュ
ーブ中に、以下の物質を計量した。
、不安定な細胞又はタンパク質を有効に保護できることを前記実験は実証してい
る。これらの実験も、高親和性の樹脂(例えば、Purolite)又は不十分
な親和性を有する樹脂(例えば、セファロース)を使用した場合の課題を明示し
ている。低親和性の樹脂が優れたヨウ素源となり得るのに対して、一般的に捕捉
因子には適していない。極めて急速/高親和性の捕捉因子を優れたヨウ素源(す
なわち、親和性が高過ぎない)と組み合わせることが必要である。捕捉能の観点
からすれば、親和性は必ずしも捕捉の急速性を予測するものではない。Puro
lite陰イオン交換樹脂は高い親和性でヨウ素と結合し、ゆっくりと放出する
にすぎない。しかしながら、同じこれらの物質は、ヨウ素をゆっくりと取り込む
にすぎないので、それらは理想的な捕捉物質としては機能しない。本発明者は、
Umpqua Research(Myrtle Creek、Oregon)
製の一連のヨウ素化樹脂及び捕捉樹脂(スチレン/ジビニルベンゼン陰イオン交 換) が、特に、本発明に有効であり得ることを見出した。Umpqua製樹脂は
水の精製に使用するように設計された。ヨウ素化樹脂(MCV)は、溶血及び不
安定なタンパク質に対する効果(後述)によって判定したところによれば、Pu
roliteに比べて幾分親和性が劣るようである。捕捉樹脂「ヨードソーブ(
Iodosorb)」は、ヨウ素(元素状ヨウ素)とヨウ化物の両者を極めて急
速に吸収する吸収体であり、添加したヨウ化物とその反応産物の両者が除去され
る。現在では、ヨードソーブが公知の他のいかなる捕捉剤よりも迅速にヨウ素及
びヨウ化物を除去する点で、これらは最も理想的な樹脂と思われる。これは、過
剰なヨウ素化による損傷を最小限に抑えるはずである。
しなかった。多くの血液酵素の値は、ヨウ素処理によって著しく減少しているこ
とに注意されたい。捕捉物質ヨードソーブは、強い陰イオン交換物質なので、前
記減少の一部は、この物質への酵素の選択的結合に起因するものかもしれない。
しかしながら、総タンパク質は前記処理によって変化しないので、酵素の減少の
ほとんどは、酵素に対するヨウ素の損傷が原因であることを示唆する。尿酸の変
化は、おそらく、ヨウ素による酸化によるものであろう。塩素イオンの変化は前
記ヨードソーブへの塩素イオンの結合によるものであるかもしれない。これはヨ
ウ素化と捕捉物質の特性が完璧であるように思えるにも拘わらず生じるので、こ
のことはいくらか残念である。ヨウ素による損傷を減少させる一つの方法は、ヨ
ウ素の接触時間がさらに減少し得るように、流速を増加させることかもしれない
。欠点は、十分に高い流速を確保することが困難なことである。同様に、前記ヨ
ウ化樹脂の容積を減少させることも、前記ヨウ素の効果を減少させ得る。しかし
ながら、これらの変化も十分に消毒できない(すなわち、ヨウ素が全ての微生物
を十分に死滅又は不活性化できない)危険性を伴う。
物が有用であり得ることが明らかである。もし50:50の混合物が所定の流速
において許容し得ないタンパク質の損傷を示すのであれば、捕捉剤の比率を増加
すべきである。予備的な実験によれば、1:99のような低い比率でも有用な結
果を示した。かかる低比率に伴う主要な問題は、ヨウ素源が極めて急速に枯渇す
ることである。これは、サンプルの大きさに比して使用するカラム全体の大きさ
を増加させることによって、部分的に改善し得る。しかしながら、これはカラム
上で過剰なサンプルの損失をもたらす。より良い解決法は、10:90以下の比
率に低下させる前に、タンパク質の損傷を低下させるために流速を増加させるこ
とである。同様に、もしVEPA検査が50:50混合物での消毒が不十分であ
ることを示すなら、流速を低下させるか、及び/又は比率を増加させるべきであ
る。75:25以上の比率では、タンパク質の損傷という点に関して、むしろ純
粋なヨウ素源に近い振る舞いをする傾向があることを予備実験は示している。特 別の場合には、90:10の高い比率が有用であるかもしれない。 これは、様々
な場合に基づいて容易に探究し得る。
pqua樹脂)ほぼ同等である混合物を用いて行った。しかしながら、異なる物
質の混合物を使用することによって、有効な比率の範囲を拡張し得ないはずはな
い。ヨウ素を素早く結合する捕捉樹脂を用いたときに、最良の結果が得られるで
あろうと思われる。しかしながら、比較的低いヨウ素親和性を有するヨウ素源を
用いることには、別の利点が存在し得る。これによって、低い比率の混合物(例
えば、10:90以下)によって効果的な消毒が可能となるであろう。これは極
めて不安定なタンパク質に対して有力であり得る。アガロース又はデキストラン
ポリマー(セファロース及びセファデックス、Amersham−Pharma
cia−Biotechの製品)のような物質は、親和性の低い理想的なヨウ素
源(並びに有用なヨウ素結合物質)であると思われる。血液由来の液体が本明細
書には示されているが、前記方法はタンパク質を含有する実質的に全ての溶液を
消毒することが実験によって示されている。混合樹脂を用いたくもの巣アプロ−
チによって、ほのかな風味などに対する損傷を最小源に抑えつつ、フルーツジュ
ース、ミルク、その他の液体飲料も容易に処理することが可能となる。
Claims (10)
- 【請求項1】 液体中のタンパク質及び他の不安定な成分を不活性化させず
に、液体中の微生物を死滅させ、又は不活性化させる方法であって、 元素状ヨウ素源として作用する元素状ヨウ素含有物質の不溶性粒子と元素状ヨ
ウ素溜めとして作用する不溶性ヨウ素結合物質の不溶性粒子との混合物に、前記
液体を接触させる工程と、 前記液体から前記粒子の混合物を除去する工程とを備えた方法。 - 【請求項2】 前記元素状ヨウ素含有物質が、ヨウ素化されたアガロース、
ヨウ素化された架橋デキストラン、ヨウ素化されたDEAEセルロース、ヨウ素
化されたポリビニルアセタール、ヨウ素化されたポリビニルピロリドン、及びヨ
ウ素化されたスチレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選択さ
れる請求項1の方法。 - 【請求項3】 前記ヨウ素結合物質が、アガロース、架橋デキストラン、D
EAEセルロース、ポリビニルアセタール、架橋ポリビニルピロリドン、及びヨ
ウ素化されたスチレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選択さ
れる請求項1の方法。 - 【請求項4】 前記ヨウ素結合物質に対する前記元素状ヨウ素含有物質の比
率が重量比で1:99と90:10の間にある請求項1の方法。 - 【請求項5】 前記ヨウ素結合物質に対する前記元素状ヨウ素含有物質の比
率が重量比で1:99と90:10の間にある請求項1の方法。 - 【請求項6】 液体中のタンパク質及び他の不安定な成分を不活性化させず
に、液体中の微生物を死滅させ、又は不活性化させる方法であって、 元素状ヨウ素源として作用する元素状ヨウ素含有物質の不溶性粒子と元素状ヨ
ウ素溜めとして作用する不溶性ヨウ素結合物質の不溶性粒子との混合物中に前記
液体を流すことを備えた方法。 - 【請求項7】 前記元素状ヨウ素含有物質が、ヨウ素化されたアガロース、
ヨウ素化された架橋デキストラン、ヨウ素化されたDEAEセルロース、ヨウ素
化されたポリビニルアセタール、ヨウ素化された架橋ポリビニルピロリドン、及
びヨウ素化されたスチレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選
択される請求項6の方法。 - 【請求項8】 前記ヨウ素結合物質が、アガロース、架橋デキストラン、D
EAEセルロース、ポリビニルアセタール、架橋ポリビニルピロリドン、及びス
チレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選択される請求項6の
方法。 - 【請求項9】 前記ヨウ素結合物質に対する前記元素状ヨウ素含有物質の比
率が重量比で1:99と90:10の間にある請求項6の方法。 - 【請求項10】 前記ヨウ素結合物質に対する前記元素状ヨウ素含有物質の
比率が重量比で1:99と90:10の間にある請求項9の方法。
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