JP2003512010A - 卵巣特異的遺伝子およびタンパク質 - Google Patents

卵巣特異的遺伝子およびタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 卵巣特異的タンパク質O1−180、O1−184およびO1−236、それらをコードするポリヌクレオチド、それらと免疫反応する抗体ならびにO1−180、O1−184またはO1−236を含有するベクターおよび宿主細胞が提供される。O1−180、O1−184およびO1−236と関連する卵巣起源の細胞増殖性または変性障害を検出する方法も提供される。さらに、本発明のタンパク質を使って避妊薬候補を評価する方法、ならびに、やはり本発明のタンパク質/mRNA/遺伝子を使って、一部の形態のヒト不妊症または婦人科癌に関係するシグナル伝達経路における遺伝子突然変異についてスクリーニングする方法が提供される。本発明のタンパク質/mRNA/遺伝子は、卵巣起源の原発性および転移性新生物を同定するためのマーカーとして、および出生前スクリーニング法での発生異常の指標として使用することもできる。さらに本発明のタンパク質/mRNA/遺伝子のアッセイは、胚細胞性腫瘍および多嚢胞性卵巣症候群を含む不妊症および他の疾患の諸形態を検出するための診断アッセイにも使用できる。本発明のタンパク質は、体外受精法の有用な標的、または供与者から取り出し可能な卵子数を増加させる際の、例えば成功率を向上させる際の有用な標的になりうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、概して卵巣特異的遺伝子およびそれらがコードするタンパク質に関
する。
【0002】 (背景技術) 生殖発生と性機能は、遺伝的に決定される事象と生理学的事象の両方が関与す
る複雑な過程である。これらの過程が受ける調節の方法を特徴づけるには、これ
らの過程に関与する遺伝子の決定的に重要なタンパク質産物を同定する必要があ
る。哺乳類の卵形成および卵胞形成の初期相では重要な分子事象が起こるが、今
までのところ、同定され十分に特徴づけられている「候補」調節分子はほとんど
ない。下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH
)などのエンドクリン因子と、卵母細胞から分泌されるパラクリン因子との両者
が卵胞形成に影響を及ぼすことは、いくつかの研究によって示唆されている。FS
H とLHは、卵母細胞の成長と成熟および卵母細胞減数分裂能の維持に必要な顆粒
膜細胞と莢膜細胞に結合することが知られている。同様に、卵母細胞も正常な顆
粒膜細胞機能と莢膜細胞機能に必要な因子を分泌するだろう。卵母細胞の成長は
周囲の体細胞(すなわち最初は顆粒膜細胞、後に莢膜細胞)の発生および成長と
協調するので、初期段階での分子事象を理解することにより、卵母細胞と体細胞
の間の互恵的相互作用を媒介するパラクリン因子、栄養ホルモンの刺激に対する
応答能の発達および卵胞動員の過程に関する重要な手がかりが得られるだろう。
【0003】 合成エストロゲンおよびプロゲスチンを含有するステロイドの投与による視床
下部- 下垂体- 性腺生殖軸の破壊は、最も古いホルモン避妊法の一つである。し
かし、米国医学研究所(Institute of Medicine )の最新の報告では新しい避妊
薬のための戦略を開発することの重要性が強調されている。この報告によると、
一部の婦人用長期避妊戦略には、排卵の抑制、受精の防止、受精卵の子宮内膜へ
の着床の妨害が含まれる。さらに、また約15%のカップルが不妊であり、それら
の症例の約40%で、女性がその不妊の唯一の原因であると考えられる。したがっ
て、新しい避妊薬の潜在的標的になりうる新規卵巣特異的遺伝子産物を同定する
ことは非常に重要である。
【0004】 視床下部- 下垂体- 性腺軸における鍵タンパク質を同定するために、本研究者
らは以前に、卵巣欠陥を持つ4 モデルを含むいくつかの重要なノックアウトマウ
スモデルを作成した。性腺/ 下垂体ペプチドであるインヒビンが欠損しているマ
ウスは、早くも4 週齢で現れる卵巣または精巣腫瘍の発症により、続発性不妊症
を呈する(Matzukら、1992)。アクチビンII型レセプター(ActRII)が欠損して
いるマウスは、成体期まで生き延びるが、生殖欠陥を示す。雄マウスには精巣サ
イズの低下がみられ、繁殖能の遅延が認められる(Matzukら、1995)。これに対
して雌マウスには、初期胞状卵胞段階での卵胞形成に、不妊につながる障害があ
る。FSH ホメオスタシスにおけるアクチビンの既知の役割と整合して、これらの
ActRIIノックアウトマウスでは、下垂体FSH レベルと血清FSH レベルの両方が劇
的に低下する。FSH β遺伝子の突然変異ゆえにFSH が欠損している雌マウスは、
不妊である(Kumar ら、1997)。しかし、これらのマウスでは胞状卵胞形成より
前の卵胞形成に、より早期の障害がある。すなわち、FSH は多層前胞状卵胞の形
成には必要でないが、胞状卵胞形成への進行には必要である。最後に、卵胞の発
達においてGDF-9 が必要とされる段階を決定するために、成長分化因子9(GDF-
9 )欠損マウスが利用されている(Dongら、1996)。GDF-9 mRNAの発現は卵母細
胞に限られ、初期の単層一次卵胞段階で認められ、排卵まで持続する。GDF-9 が
存在しない場合、卵巣は一次卵胞段階を越えて正常な卵胞を示すことができない
。単層の顆粒膜細胞によって取り囲まれた卵母細胞が存在し、それらは組織学的
には正常であるように見えるが、正常な二層化卵胞は存在しない。単層段階を越
えた卵胞は異常であり、非定型顆粒膜細胞を含有し、これらの細胞の非対称成長
を示す。さらにまた、光学顕微鏡および電子顕微鏡によって決定されるように、
これらのGDF-9 欠損卵巣では莢膜細胞層が生じない。したがって、体細胞によっ
て合成され卵母細胞成長に影響を及ぼすkit リガンドおよび他の成長因子とは対
照的に、GDF-9 は体細胞機能に必要な卵母細胞由来成長因子として互恵的に機能
する。本明細書に提示する新規卵巣特異的遺伝子産物は、同様の方法で卵形成お
よび/ または体細胞機能(例えば卵胞形成)を調節する機能を果たすと予想され
る。
【0005】 (発明の開示) 本発明は、3 つの卵巣特異的および卵母細胞特異的遺伝子O1−180、O1
−184およびO1−236、それらがコードするタンパク質産物、その断片お
よび誘導体ならびにこれらのタンパク質産物と免疫反応する抗体を提供する。こ
れらの遺伝子とそれらのタンパク質産物は、様々な細胞増殖性または変性障害、
特に胚細胞性腫瘍や顆粒膜細胞腫などの卵巣腫瘍もしくは早期卵巣不全などの不
妊に関わる障害に関係するようである。
【0006】 したがって、一態様として本発明は、O1−180、O1−184またはO1
−236に関連する卵巣起源の細胞増殖性または変性障害を検出する方法を提供
する。別の一態様として本発明は、異常なレベルのO1−180、O1−184
またはO1−236の発現と関連する細胞増殖性または変性障害を、それらそれ
ぞれの活性を抑制または増進することによって処置する方法を提供する。
【0007】 本発明は、卵巣の発生および機能を研究するための手がかりとなるインビトロ
およびインビボ試薬を提供する。これらの試薬の考えうる応用例は広範囲にわた
り、発生の研究における道具としての使用から癌に対する治療用試薬にまで及ぶ
と予想される。これら新規卵巣遺伝子産物の主用途は、婦人の排卵を可逆的に阻
害するための避妊薬候補を評価するための試薬として、それらを使用することで
ある。これらの新規卵巣遺伝子産物が、いくつかの形態のヒト不妊症または婦人
科癌に関連するこれらのシグナル伝達経路の構成要素における遺伝子突然変異に
関するスクリーニングに役立つことも予想されるだろう。また、これらの遺伝子
またはシグナル伝達経路に突然変異を持つヒトの表現型によっては、卵形成およ
び/ または卵胞形成のさらなる研究用にいくつかの突然変異マウスを作成するた
めの試薬手段として、これらの新規卵巣遺伝子産物を使用することも検討できる
。このようなノックアウトマウスモデルによって、婦人の生殖におけるこれら遺
伝子産物の役割に手がかりとなる洞察が得られ、これらの遺伝子産物を新しい避
妊薬を評価するための実用的試薬として使用することが可能になる。
【0008】 (発明の詳細な説明) 本発明は、3 つの新規タンパク質O1−180、O1−184、O1−236
、それらをコードするポリヌクレオチド配列ならびにその断片および誘導体を提
供する。O1−180、O1−184、O1−236の発現は高度に組織特異的
であり、主として卵巣組織の細胞で発現される。一態様として本発明は、O1−
180、O1−184またはO1−236の発現と関連する卵巣の細胞増殖性ま
たは変性障害の検出法を提供する。別の一態様として本発明は、O1−180、
O1−184、O1−236の異常発現と関連する細胞増殖性または変性障害を
、それらのそれぞれの活性を抑制または増進する薬剤を使って処置する方法を提
供する。
【0009】 数多くの他の卵巣特異的タンパク質の既知の活性に基づいて、O1−180、
O1−184およびO1−236ならびにその断片および誘導体も、それらを診
断用および治療用試薬として有用にする生物学的活性を持つだろうと予想できる
【0010】 例えば、GDF-9 はO1−180、O1−184およびO1−236と同様の発
現パターンを持つ卵母細胞発現遺伝子産物である。本発明者らは、GDF-9 を欠く
マウスが卵胞発達の極めて初期段階、単層一次卵胞段階で不妊であることを明ら
かにした(Dongら)。これらの研究は、GDF-9 機能を遮断する薬剤が避妊薬とし
て婦人に有用であるだろうということを実証している。O1−180、O1−1
84およびO1−236は卵母細胞でGDF-9 とほぼ同じ発現パターンを持つので
(図8 )、これは、これらの遺伝子産物のすべてのいずれかを欠くマウスおよび
ヒトまたは他の任意の哺乳動物もまた不妊であるだろうということを示唆する。
したがって、これらの遺伝子産物のいずれかまたは全部の機能を遮断すれば、避
妊作用が得られるだろう。
【0011】 卵巣特異的な発現をすることが見出されているもう一つの調節タンパク質は、
FSH の下垂体分泌の特異的かつ強力なポリペプチド阻害物質インヒビンである。
インヒビンは卵胞液から単離されている。インヒビンはFSH を抑制するので、男
女共に避妊薬候補として推進されている。O1−180、O1−184およびO
1−236も卵巣特異的ペプチドであるから、これらも同様の生物学的活性を持
ちうるだろう。インヒビンは一定の卵巣腫瘍のマーカーとして役立つことも示さ
れている(Lappohn ら、N. Engl. J. Med. 321:790、1989)。O1−180、O
1−184、O1−236も、卵巣起源の原発性および転移性新生物を同定する
ためのマーカーとして役立ちうる。またインヒビンを欠くマウスは、顆粒膜細胞
腫を発症する(Matzukら、1992)。同様に、O1−180、O1−184および
O1−236は、出生前スクリーニング法で発生異常の指標として役立ちうる。
精巣によって産生され雄の胚におけるミュラー管の退化を招くミュラー管抑制因
子(MIS )ペプチドは、ヌードマウスにおけるヒト卵巣癌の成長を抑制すること
が示されている(Donahoe ら、Ann. Surg. 194:472、1981)。O1−180、O
1−184およびO1−236も同様に機能する可能性があり、したがって、例
えば卵巣癌処置用などの抗がん剤の標的になりうる。
【0012】 O1−180、O1−184およびO1−236ならびにそのアゴニストおよ
びアンタゴニストは、哺乳動物(例えばヒト)において生殖能を抑制する(例え
ば避妊薬として作用する)薬剤を同定するために使用できる。また、O1−18
0、O1−184およびO1−236ならびにそのアゴニストおよびアンタゴニ
ストは、哺乳動物において生殖能を増進する(例えばインビボまたはインビトロ
受精の成功率を向上させる)薬剤を同定するためにも使用できる。同様に、これ
らの卵母細胞発現遺伝子産物または関連する卵母細胞発現遺伝子産物のアッセイ
を、諸形態の不妊症または他の疾患(例えば胚細胞性腫瘍、多嚢胞性卵巣症候群
)を検出するための診断アッセイ(例えばこれらの遺伝子産物の活性を分析する
アッセイ)に使用することもできる。
【0013】 O1−180、O1−184およびO1−236またはこれらの経路に作用す
る薬剤は、成長刺激因子として機能する可能性もあり、したがって、様々な細胞
集団のインビトロでの生存に役立ちうる。特に、O1−180、O1−184お
よび/ またはO1−236が卵母細胞の成熟において役割を果たすのであれば、
それらは、例えば成功率を向上させる際にインビトロ受精法の有用な標的になり
うる。
【0014】 本明細書で使用する「実質的に純粋」という用語は、他のタンパク質、脂質、
炭水化物または自然界でO1−180、O1−184およびO1−236に付随
している他の物質を実質的に含まないO1−180、O1−184およびO1−
236を指す。当業者は、標準的なタンパク質精製法を使ってO1−180、O
1−184およびO1−236を精製できる。実質的に純粋なポリペプチドは、
非還元ポリアクリルアミドゲルで単一の主要バンドを与えるだろう。O1−18
0、O1−184およびO1−236ポリペプチドの純度は、アミノ末端アミノ
酸配列分析によって決めることもできる。O1−180、O1−184およびO
1−236ポリペプチドにはそれらポリペプチドの機能的断片も、それらの活性
が残っている限り包含される。O1−180、O1−184およびO1−236
の生物学的活性を含有する、より小さいペプチドは本発明に包含される。
【0015】 本発明は、O1−180、O1−184およびO1−236タンパク質をコー
ドするポリヌクレオチドならびにその断片および誘導体を提供する。これらのポ
リヌクレオチドにはO1−180、O1−184またはO1−236をコードす
るDNA 、cDNAおよびRNA 配列が包含される。O1−180、O1−184および
/ またはO1−236の全部または一部をコードする全てのポリヌクレオチドも
、それらがO1−180、O1−184またはO1−236の活性を持つポリペ
プチドをコードする限り、本発明に包含されると理解される。そのようなポリヌ
クレオチドには、天然に存在するポリヌクレオチド、合成ポリヌクレオチドおよ
び意図的に操作したポリヌクレオチドが包含される。例えばO1−180、O1
−184またはO1−236のポリヌクレオチドは、部位特異的突然変異誘発に
かけることができる。O1−180、O1−184およびO1−236のポリヌ
クレオチド配列にはアンチセンス配列も包含される。本発明のポリヌクレオチド
には、遺伝コードの結果として縮重している配列が包含される。天然のアミノ酸
は20種類あるが、その大半は2 以上のコドンによって指定される。したがって、
全ての縮重ヌクレオチド配列は、そのヌクレオチド配列によってコードされるO
1−180、O1−184およびO1−236ポリペプチドのアミノ酸配列が機
能的に不変である限り、本発明に包含される。
【0016】 組換えO1−180、O1−184およびO1−236一次アミノ酸配列の軽
微な改変は、本明細書に記載の各O1−180、O1−184およびO1−23
6ポリペプチドと比較して、実質的に等価な活性を持つタンパク質をもたらしう
る。そのような改変は、部位特異的突然変異誘発による場合のように意図的であ
ってもよいし、自然発生的であってもよい。これらの改変によって生成するポリ
ペプチドはすべて、O1−180、O1−184またはO1−236の生物学的
活性がまだ存在する限り、本発明に包含される。さらに、1 または複数のアミノ
酸の欠失も、その生物学的活性を有意に変化させることなく、得られる分子の構
造の改変をもたらすことができる。これは、より広い用途を持つであろう、より
小さい活性分子の開発につながりうる。例えば、O1−180、O1−184ま
たはO1−236の生物学的活性には必要とされないであろうアミノ末端または
カルボキシ末端アミノ酸を除去することができるだろう。
【0017】 本発明のO1−180、O1−184およびO1−236ポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列には、ここに開示する配列とその保存的変異体が包含さ
れる。本明細書で使用する「保存的変異」という用語は、生物学的に類似する別
の残基による、あるアミノ酸残基の置換を意味する。保存的変異の例には、イソ
ロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンなどの疎水性残基の1 つによる別
の疎水性残基の置換、または極性残基の1 つによる別の極性残基の置換、例えば
アルギニンによるリジンの置換、グルタミン酸によるアスパラギン酸の置換また
はグルタミンよるアスパラギンの置換などがある。「保存的変異」という用語に
は、置換されたポリペプチドに対して産生させた抗体が無置換ポリペプチドとも
免疫反応するという条件で、無置換親アミノ酸の代わりに置換アミノ酸を使用す
ることも包含される。
【0018】 「誘導体」という用語は、本発明では、対象化合物を誘導体化することによっ
て作製され、誘導体化された化合物の活性を破壊しない、通常の専門家の技術で
作製し使用することができる任意の分子を意味するものとする。誘導体化された
化合物の活性を減少させるが破壊はしない上記の基準に合致する化合物は、用語
「誘導体」の範囲に包含されるとみなす。したがって本発明では、O1−180
、O1−184またはO1−236の配列に一致する配列のアミノ酸からなる、
ある化合物の誘導体は、それが測定可能な量の当該O1−180、O1−184
またはO1−236の活性を保っている限り、O1−180、O1−184また
はO1−236の配列に正確に一致するアミノ酸の配列からなる必要はない。
【0019】 タンパク質の断片は、図2 、4 、6 、11および14に示す配列のいずれかの連続
する6 アミノ酸と同一な連続する6 残基またはそれ以上のアミノ酸を含有する任
意のペプチドを包含すると理解される。図2 、4 、6 、11および14に示す配列の
いずれかの対応する数のアミノ酸と同一な連続する7 、8 、9 、10、11、12、13
、14および15残基またはそれ以上のアミノ酸を含有する断片も考えられる。断片
は抗体の生成に使用できる。特に有用な断片は、O1−180、O1−184ま
たはO1−236のドメインを構成する断片だろう。ドメインとは、そのタンパ
ク質の残りの部分がなくても保たれる独立した三次構造を持つタンパク質の一部
であると定義される。そのような構造は、当業者に知られる技術によって見つけ
ることができる。タンパク質をサブチリシン、トリプシン、キモトリプシンなど
のプロテアーゼで部分消化した後、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけてタ
ンパク質断片を分離する。次にその断片をPVDF膜に転写し、マイクロシークエン
シングにかけてその断片のN 末端のアミノ酸配列を決定することができる。
【0020】 本発明のDNA 配列は、いくつかの方法で得ることができる。例えば、本発明DN
A は当技術分野で周知のハイブリダイゼーション法または増幅法を使って単離で
きる。そのような方法には、例えば、1 )プローブを用いたゲノムライブラリー
またはcDNAライブラリーのハイブリダイゼーションによる相同ヌクレオチド配列
の検出、2 )発現ライブラリーの抗体スクリーニングによる、共通する構造上の
特徴を持つクローン化DNA 断片の検出、または、3 )これらの配列に関連するオ
リゴヌクレオチドおよびポリメラーゼ連鎖反応の技術の使用などが含まれるが、
これらに限るわけではない。
【0021】 本発明のO1−180、O1−184およびO1−236ポリヌクレオチドは
、哺乳類生物に由来することが好ましく、マウス、ラット、ブタ、ウシまたはヒ
トに由来することが最も好ましい。核酸ハイブリダイゼーションに基づくスクリ
ーニング法は、適切なプローブを入手できるのであれば、任意の遺伝子配列を任
意の生物から単離することを可能にする。問題のタンパク質をコードする配列の
一部に対応するオリゴヌクレオチドプローブは、化学的に合成できる。これには
短いオリゴペプチド長のアミノ酸配列が既知でなければならない。タンパク質を
コードするDNA 配列は遺伝コードから推定できるが、遺伝コードの縮重を考慮し
なければならない。配列が縮重している場合は、混合付加反応を行なうことがで
きる。これには変性二本鎖DNA の不均一混合物が含まれる。そのようなスクリー
ニングには、ハイブリダイゼーションを一本鎖DNA または変性二本鎖DNA で行な
うことが好ましい。ハイブリダイゼーションは、目的のポリペプチドに関連する
mRNA配列の存在量が極めて低い供給源に由来するcDNAクローンの検出には特に役
立つ。言い換えると、非特異的結合の回避を目的としてストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件を使用することにより、例えばオートラジオグラフィー
による特異的cDNAの可視化を、その完全な相補体である混合物中の単一プローブ
への標的DNA のハイブリダイゼーションによって行なうことが可能である(Wall
ace ら、Nucl. Acid Res. 9:879 、1981)。
【0022】 O1−180、O1−184およびO1−236をコードする特異的DNA 配列
の開発は、1 )二本鎖DNA 配列をゲノムDNA から単離すること、2 )目的のポリ
ペプチドに必要なコドンが得られるようにDNA 配列を化学的に製造すること、お
よび3 )真核生物供与細胞から単離されるmRNAの逆転写による二本鎖DNA 配列の
インビトロ合成によって達成することもできる。最後の例では、一般にcDNAと呼
ばれるmRNAの二本鎖DNA 相補体が最終的に生成する。
【0023】 組換え法で使用される上記3 つの特異的DNA 配列開発法のなかでは、ゲノムDN
A 単離物の単離が最も非一般的である。これは、哺乳類ポリペプチドの微生物発
現を達成することが望ましい場合は、イントロンの存在ゆえに特にそうであると
いえる。
【0024】 DNA 配列の合成は、所望のポリペプチド産物のアミノ酸残基の全配列がわかっ
ている場合は、しばしば最上の方法である。所望のポリペプチドのアミノ酸残基
の全配列がわかっていない場合はDNA 配列の直接合成は不可能であり、cDNA配列
の合成が最上の方法である。目的のcDNA配列を単離するための標準的方法には、
高い遺伝子発現レベルを持つ供与細胞中の豊富なmRNAの逆転写によって得られる
プラスミド型またはファージ型cDNAライブラリーの作製が含まれる。ポリメラー
ゼ連鎖反応技術と併用すると、希薄な発現産物でさえクローン化できる。ポリペ
プチドのアミノ酸配列のかなりの部分がわかっている場合は、標的cDNA中に存在
すると推定される配列を再現した標識一本鎖または二本鎖DNA またはRNA プロー
ブ配列の作製を、一本鎖型に変性させたcDNAのクローン化コピーに対して行なわ
れるDNA/DNA ハイブリダイゼーション法で使用することができる(Jay ら、Nucl
. Acid Res. 11:2325 、1983)。
【0025】 ラムダgt11などのcDNA発現ライブラリーは、少なくとも1 つのエピトープを持
つO1−180、O1−184および/ またはO1−236ペプチドについて、
O1−180、O1−184および/ またはO1−236に特異的な抗体を使っ
て間接的にスクリーニングできる。そのような抗体はポリクローナルでもモノク
ローナルでもよく、O1−180、O1−184および/ またはO1−236 c
DNA の存在を示す発現産物を検出するために使用できる。
【0026】 O1−180、O1−184またはO1−236をコードするDNA 配列は、適
切な宿主細胞へのDNA 導入によってインビトロで発現させることができる。「宿
主細胞」とはその中でベクターが増殖でき、そのDNA が発現される細胞である。
この用語には、対象とする宿主細胞の任意の子孫も包含される。複製中に突然変
異が起こりうるので、すべての子孫が親細胞と同一なわけではないかもしれない
と理解される。しかし、「宿主細胞」という用語を使用する場合は、そのような
子孫も包含される。当技術分野では、安定な導入(これは外来DNA が宿主中に継
続的に維持されることを意味する)の方法が知られている。
【0027】 本発明では、O1−180、O1−184および/ またはO1−236ポリヌ
クレオチド配列を組換え発現ベクターに挿入できる。「組換え発現ベクター」と
いう用語は、O1−180、O1−184またはO1−236遺伝子配列の挿入
もしくは組込みによって操作されているプラスミド、ウイルスまたは当技術分野
で知られる他の媒体を指す。そのような発現ベクターは、その宿主の挿入された
遺伝子配列の効率のよい転写を促進するプロモーター配列を含有する。発現ベク
ターは通例、複製起点、プロモーターならびに形質転換細胞の表現型選択を可能
にする特異的遺伝子を含有する。本発明での使用に適したベクターには、例えば
細菌での発現用のT7系発現ベクター(Rosenberg ら、Gene 56:125 、1987)、哺
乳類細胞での発現用のpMSXND発現ベクター(Lee およびNathans 、J. Biol. Che
m. 263:3521 、1988)および昆虫細胞での発現用のバキュロウイルス系ベクター
などがあるが、これらに限るわけではない。DNA セグメントは、例えばプロモー
ター(例:T7、メタロチオネイン1 またはポリヘドリンプロモーター)などの調
節配列に作動可能に結合してベクター中に存在できる。O1−180、O1−1
84またはO1−236をコードするポリヌクレオチド配列は、原核生物または
真核生物で発現させることができる。宿主には微生物、酵母、昆虫および哺乳類
生物を含めることができる。真核生物配列またはウイルス配列を持つDNA 配列を
原核生物で発現させる方法は、当技術分野ではよく知られている。当技術分野で
は、宿主内で発現および複製する能力を持つ生物学的に機能的なウイルスおよび
プラスミドDNA ベクターが知られている。本発明のDNA 配列を組込むには、その
ようなベクターを使用する。
【0028】 組換えDNA による宿主細胞の形質転換は、当業者によく知られているように、
慣用の技術によって行なうことができる。宿主が大腸菌などの原核生物である場
合は、指数増殖期後に収集し、次いで当技術分野で周知の方法を使ってCaCl2
で処理した細胞から、DNA を取り込む能力を持つコンピテント細胞を調製できる
。代わりに、MgCl2 またはRbClを使用することもできる。形質転換は、所望であ
れば宿主細胞のプロトプラストを形成させた後に行なうこともできる。
【0029】 宿主が真核生物である場合は、リン酸カルシウム共沈物などのDNA のトランス
フェクション法、マイクロインジェクションなどの慣用の機械的方法、エレクト
ロポレーション、リポソームに封入したプラスミドの挿入またはウイルスベクタ
ーを使用できる。真核生物細胞は、本発明のO1−180、O1−184または
O1−236 cDNA 配列をコードするDNA 配列と、選択可能な表現型をコードす
る第2 の外来DNA 分子(ネオマイシン耐性遺伝子など)とで、同時形質転換する
こともできる。もう一つの方法は、真核細胞を一過性に感染または形質転換して
タンパク質を発現させるために、シミアンウイルス40(SV40)またはウシ乳頭腫
ウイルスなどの真核生物ウイルスベクターを使用することである(例えば「Euka
ryotic Viral Vectors」(コールドスプリングハーバーラボラトリー、Gluzman
編、1982)を参照されたい)。
【0030】 本発明によって提供される微生物発現ポリペプチドまたはその断片の単離と精
製は、分取用クロマトグラフィーや、モノクローナルまたはポリクローナル抗体
を使う免疫学的分離法を含む慣用の手段によって行なうことができる。
【0031】 本発明は、O1−180、O1−184またはO1−236ポリペプチドまた
はその機能的断片と免疫反応する抗体を包含する。基本的に様々なエピトープ特
異性を持つモノクローナル抗体がプールされてなる抗体と、個別のモノクローナ
ル抗体標品とが提供される。モノクローナル抗体は、当業者に周知の方法により
、タンパク質の断片を含有する抗原から作製される(Kohlerら、Nature 256:495
、1975)。本発明で使用する抗体という用語は、無傷の分子と、O1−180、
O1−184またはO1−236上のエピトープ決定基を結合できるその断片(
例えばFab およびF(ab')2 など)とを包含するものとする。
【0032】 「細胞増殖性障害」という用語は、周囲の組織とは形態学的にも遺伝子型的に
もしばしば異なって見える悪性および非悪性細胞集団を意味する。アンチセンス
分子であるO1−180、O1−184およびO1−236ポリヌクレオチドは
、様々な器官系(特に例えば卵巣)の悪性腫瘍の処置に役立つ。病因論的にO1
−180、O1−184またはO1−236の発現の変化と関連する任意の障害
は、基本的に、それぞれO1−180、O1−184またはO1−236抑制試
薬による処置に感受性であると考えることができるだろう。
【0033】 本発明は、抗O1−180、O1−184またはO1−236抗体を、O1−
180、O1−184またはO1−236関連障害を持つ疑いがある細胞と接触
させ、その抗体への結合を検出することからなる、卵巣の細胞増殖性障害の検出
方法を提供する。O1−180、O1−184またはO1−236と反応する抗
体は、それぞれO1−180、O1−184またはO1−236への結合の検出
を可能にする化合物で標識される。本発明では、O1−180、O1−184ま
たはO1−236ポリペプチドに特異的な抗体を使って、生物学的液体および組
織中のそれぞれO1−180、O1−184またはO1−236のレベルを検出
することができる。検出可能な量の抗原を含有する任意の標本を使用できる。本
発明の好ましい試料は、卵巣起源の組織、具体的には卵胞液または卵母細胞を含
有する組織である。疑わしい細胞中のO1−180、O1−184またはO1−
236のレベルを正常細胞中のレベルと比較することで、その検査対象がO1−
180、O1−184またはO1−236関連細胞増殖性障害を持つかどうかを
決定することができる。検査対象はヒトであることが好ましい。本発明の抗体は
、インビトロまたはインビボ免疫診断もしくは免疫療法を施すことが望ましい任
意の対象で使用することができる。本発明の抗体は、例えば免疫アッセイでの使
用に適しており、そのアッセイでは本発明の抗体を液相で使用することも、固相
担体に結合させることもできる。また、これらの免疫アッセイにおける抗体は様
々な方法で検出可能に標識できる。本発明の抗体を利用できる免疫アッセイのタ
イプの例は、直接または間接形式の競合的および非競合的免疫アッセイである。
そのような免疫アッセイの例はラジオイムノアッセイ(RIA )とサンドイッチ(
ELISA )アッセイである。本発明の抗体を用いた抗原の検出は、生理学的試料で
の免疫組織化学的アッセイを含む、正順、逆順または同時様式で実施される免疫
アッセイを利用して行なうことができる。当業者は、過度の実験を行なわなくて
も、他の免疫アッセイ形式を知っているか、またはそれらを容易に認識できる。
【0034】 「細胞変性障害」という用語は、卵巣中の任意のタイプの細胞の喪失を直接的
または間接的に意味する。例えば、GDF-9 の不在下では顆粒膜細胞の成長に障害
があり、それが結果として卵母細胞の変性(すなわち死)につながる(Dongら、
1996)。この卵母細胞の死は、顆粒膜細胞の分化をもたらすようである。また、
GDF-9 の不在下では、正常な莢膜細胞層が卵胞の周りに形成されない。したがっ
て、1 つの卵母細胞特異的タンパク質GDF-9 の不在下では、3 種類の細胞系統、
すなわち卵母細胞、顆粒膜細胞および莢膜細胞に欠陥がある。同様にして、これ
らの様々な細胞系統の死または分化は、O1−180、O1−184またはO1
−236の不在もしくは不正発現による影響も受けうるだろう。さらに、O1−
180、O1−184またはO1−236の不在または不正発現は、卵母細胞/
卵に、卵が精子による受精を受けることができなくなるような欠陥をもたらしう
るだろう。
【0035】 本発明の抗体は、多種多様な担体に結合させて、本発明のポリペプチドからな
る抗原の存在を検出するために使用できる。周知の担体の具体例にはガラス、ポ
リスチレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および
修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱などがある。本
発明の目的には、担体の性質は可溶性でも不溶性でもよい。当業者は抗体を結合
するのに適した他の担体を知っているか、または日常的な実験によってそれらを
確認することができるだろう。
【0036】 当業者には多種多様な標識と標識法が知られている。本発明に使用できる標識
のタイプの例には、酵素、放射性同位体、蛍光化合物、コロイド金属、化学発光
化合物、燐光化合物および生物発光化合物などがある。当業者は抗体への結合に
適した他の標識を知っているか、日常的な実験によってそれらを確認することが
できるだろう。
【0037】 やはり感度の向上をもたらしうるもう一つの技術は、抗体を低分子量ハプテン
に結合することからなる。次に、これらのハプテンは第二の反応を使って特異的
に検出できる。例えば、アビジンと反応するビオチンまたは特異的抗ハプテン抗
体と反応できるジニトロフェニル、ピリドキサールおよびフルオレセインのよう
なハプテンを使用することが一般的である。
【0038】 本発明のモノクローナル抗体を抗原のインビボ検出に使用する場合は、検出可
能に標識された抗体を診断的に有効な用量で与える。「診断的に有効な」という
用語は、検出可能に標識されたモノクローナル抗体の量が、当該モノクローナル
抗体が特異性を示す本発明ポリペプチドを構成する抗原を持つ部位の検出を可能
とするのに十分な量で投与されることを意味する。投与される検出可能に標識さ
れたモノクローナル抗体の濃度は、当該ポリペプチドを持つ細胞への結合がバッ
クグラウンドと比較して検出可能であるように十分であるべきである。さらに、
検出可能に標識されたモノクローナル抗体は、最適な標的対バックグランドシグ
ナル比を得るために、循環系から迅速に除去されることが望ましい。一般に、イ
ンビボ診断用の検出可能に標識されたモノクローナル抗体の投与量は、その個体
の年齢、性別および疾患の程度などといった因子に依存して変動するだろう。そ
のような投与量は、例えば複数回の注射を行なうかどうか、抗原量および当業者
に知られる他の因子に依存して変動しうる。
【0039】 インビボ画像診断法の場合は、利用できる検出装置のタイプが与えられた放射
性同位体を選択する際の主要因子である。選択される放射性同位体は、与えられ
た装置のタイプにとって検出可能な崩壊タイプを持たなければならない。インビ
ボ診断用の放射性同位体を選択する際に重要なさらにもう一つの因子は、宿主に
対して有害な放射線を最小限に抑えることである。インビボ画像法に使用される
放射性同位体は粒子放出を伴なわず、慣用のγ線カメラで容易に検出できる140
〜250keVの範囲の光子を多数生成することが理想的である。
【0040】 インビボ診断の場合、放射性同位体は免疫グロブリンに直接的に、または中間
官能基を使って間接的に結合させることができる。金属イオンとして存在する放
射性同位体を免疫グロブリンに結合するためにしばしば使用される中間官能基は
、例えばジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびエチレンジアミン四酢酸(
EDTA)などの二官能性キレート剤である。本発明のモノクローナル抗体に結合さ
せることができる金属イオンの典型例は、111In 、97Ru、67Ga、68Ga、72As、89 Zrおよび201Ti である。
【0041】 本発明のモノクローナル抗体は、磁気共鳴画像法(MRI )または電子スピン共
鳴(ESR )で行なわれるようなインビボ診断のために、常磁性同位体で標識する
こともできる。一般に、従来の任意の診断用画像可視化法を使用できる。通常、
カメラ撮像にはガンマ線および陽電子放出放射性同位体が使用され、MRI には常
磁性同位体が使用される。このような技術に特に有用な元素には、157Gd 、55Mn
162Dy 、55Crおよび56Feがある。
【0042】 本発明のモノクローナル抗体は、検査対象におけるO1−180、O1−18
4またはO1−236関連疾患の改善の推移をモニターするためにインビトロお
よびインビボで使用できる。したがって、例えば本発明のポリペプチドからなる
抗原を発現する細胞の数の増加もしくは減少または様々な体液中に存在するその
ような抗原の濃度の変化を測定することにより、O1−180、O1−184ま
たはO1−236関連疾患の改善を目的とする特定の治療法が有効かどうかを決
定することができるだろう。「改善」という用語は、治療を受けている検査対象
におけるO1−180、O1−184またはO1−236関連疾患の有害な影響
の減少を意味する。
【0043】 本発明により、正常細胞における発現とは違う形で発現されうるヌクレオチド
配列が同定されるので、この配列に向けて適切な治療技術または診断技術を設計
することができる。したがって、細胞増殖性障害がO1−180、O1−184
またはO1−236の発現と関係する場合は、それぞれO1−180、O1−1
84またはO1−236の発現を翻訳レベルで妨害する核酸配列を使用すること
ができる。この手法では、例えばアンチセンス核酸またはリボザイムを使用して
、特定のO1−180、O1−184またはO1−236 mRNA をアンチセンス
核酸で遮蔽するかリボザイムでそれを切断することによって当該mRNAの翻訳を阻
止する。
【0044】 アンチセンス核酸は、特定のmRNA分子の少なくとも一部に相補的なDNA または
RNA 分子である(Weintraub 、Scientific American 262:40、1990)。細胞内で
、アンチセンス核酸は対応するmRNAにハイブリダイズして二本鎖分子を形成する
。細胞は二本鎖であるmRNAを翻訳しないだろうから、アンチセンス核酸はmRNAの
翻訳を妨害する。約15ヌクレオチドのアンチセンスオリゴマーが好ましい。とい
うのはそれらは合成が簡単であり、また標的とするO1−180、O1−184
またはO1−236産生細胞に導入する時に、より大きな分子よりも問題を生じ
る可能性が低いからである。アンチセンス法を使った遺伝子のインビトロ翻訳の
阻害は、当技術分野ではよく知られている(Marcus-Sakura 、Anal. Biochem. 1
72:289、1988)。
【0045】 リボザイムは、DNA 制限エンドヌクレアーゼと類似する形で他の一本鎖RNA を
特異的に切断する能力を持つRNA 分子である。これらのRNA をコードするヌクレ
オチド配列の改変により、RNA 分子中の特定のヌクレオチド配列を認識しそれを
切断する分子を工作することができる(Cech、J. Amer. Med Assn. 260:3030 、
1988)。この手法の主な利点は、それらは配列特異的であるので、特定の配列を
持つmRNAだけが不活化されることである。
【0046】 リボザイムには2 つの基本型、すなわちテトラヒメナ型(Hasselhoff、Nature
334:585、1988)と「ハンマーヘッド」型がある。テトラヒメナ型リボザイムは
4 塩基長の配列を認識し、「ハンマーヘッド」型リボザイムは11〜18塩基長の塩
基配列を認識する。認識配列が長いほど、その配列がもっぱら標的mRNA種だけに
存在する可能性は高くなる。そのため、特定のmRNA種を不活化するにはテトラヒ
メナ型リボザイムよりハンマーヘッド型リボザイムの方が好ましく、18塩基長認
識配列が、より短い認識配列より好ましい。
【0047】 本発明は、O1−180、O1−184またはO1−236タンパク質によっ
て媒介される細胞増殖性または変性障害を処置するための遺伝子治療も提供する
。そのような治療法は、各O1−180、O1−184もしくはO1−236 c
DNA またはO1−180、O1−184もしくはO1−236アンチセンスポリ
ヌクレオチドを、増殖性または変性障害をもつ細胞に導入することによって、そ
の治療効果を達成するだろう。O1−180、O1−184もしくはO1−23
6 cDNA またはアンチセンスO1−180、O1−184もしくはO1−236
ポリヌクレオチドの送達は、キメラウイルスなどの組換え発現ベクターまたはコ
ロイド分散系を使って達成できる。
【0048】 標的指向型リポソームの使用は、cDNAまたはアンチセンス配列の治療的送達に
はとりわけ好ましい。
【0049】 ここに教示するような遺伝子治療に利用できる様々なウイルスベクターには、
アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、また好ましくは、レトロウイ
ルスなどのRNA ウイルスが含まれる。レトロウイルスベクターはネズミまたは鳥
類レトロウイルスの誘導体であることが好ましい。単一の外来遺伝子を挿入でき
るレトロウイルスベクターの例には、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)
、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV )およ
びラウス肉腫ウイルス(RSV )があるが、これらに限るわけではない。他のいく
つかのレトロウイルスベクターは、複数の遺伝子を組み込むことができる。これ
らのベクターはすべて、形質導入された細胞を同定し生成できるように、選択可
能マーカーの遺伝子を移入するか組み込むことができる。目的のO1−180、
O1−184またはO1−236配列を、例えば特定の標的細胞上のレセプター
のリガンドをコードするもう一つの遺伝子と共にウイルスベクターに挿入するこ
とにより、そのベクターは標的特異的になる。レトロウイルスベクターは、例え
ば糖、糖脂質またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入することに
よって標的特異的にすることができる。好ましいターゲティングは、抗体を使っ
てレトロウイルスベクターを標的に誘導することによって達成される。当業者は
、O1−180、O1−184もしくはO1−236 cDNA またはO1−180
、O1−184もしくはO1−236アンチセンスポリヌクレオチドを含有する
レトロウイルスベクターの標的特異的送達を可能にするためにレトロウイルスゲ
ノムに挿入することができる具体的ポリヌクレオチド配列を知っているか、また
は過度の実験を行なわずにそれらを容易に確認できる。
【0050】 組換えレトロウイルスは欠損性なので、それらが感染性ベクター粒子を産生す
るには補助を必要とする。この補助は、例えばLTR 内の調節配列の制御下にレト
ロウイルスの構造遺伝子の全てをコードするプラスミドを含有するヘルパー細胞
系を使用することによって提供することができる。これらのプラスミドは、パッ
キング機構がキャプシド形成のためにRNA 転写物を認識できるようにするヌクレ
オチド配列を欠いている。パッケージングシグナルの欠失体であるヘルパー細胞
系には例えばψ2 、PA317 およびPA12などがあるが、これらに限るわけではない
。これらの細胞系は、ゲノムがパッケージングされないので殻のウイルス粒子を
産生する。そのような細胞に、パッケージングシグナルは完全であるが構造遺伝
子が目的とする他の遺伝子で置換されているレトロウイルスベクターを導入する
と、ベクターはパッケージングされ、ベクターウイルス粒子の産生が可能になる
【0051】 もう一つの選択肢として、NIH3T3または他の組織培養細胞にレトロウイルス構
造遺伝子gag 、pol およびenv をコードするプラスミドを従来のリン酸カルシウ
ムトランスフェクションによって直接トランスフェクトすることもできる。次に
これらの細胞に目的の遺伝子を含有するベクタープラスミドをトランスフェクト
する。得られた細胞は、培養培地中にレトロウイルスベクターを放出する。
【0052】 O1−180、O1−184もしくはO1−236 cDNA またはO1−180
、O1−184もしくはO1−236アンチセンスポリヌクレオチド用のもう一
つの標的指向型送達系は、コロイド分散系である。コロイド分散系には、高分子
複合体、ナノカプセル複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズならび
に油中水型乳剤、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含む脂質に基づく系が
包含される。本発明の好ましいコロイド系は、リポソームである。リポソームは
、インビトロおよびインビボで送達媒体として役立つ人工膜小胞である。サイズ
が0.2 〜4.0 μm の範囲の大きい単層小胞(large unilamellar vesicle ;LUV
)には、大きい高分子を含有するかなりのパーセンテージの水性緩衝液を封入で
きる。RNA 、DNA および完全なウイルス粒子を水性の内部に封入して、生物学的
に活性な形で細胞に送達することができる(Fraleyら、Trends Biochem. Sci.、
6:77、1981)。リポソームは、哺乳類細胞だけでなく、植物、酵母および細菌細
胞でのポリヌクレオチドの送達にも使用されている。リポソームが効率のよい遺
伝子導入媒体であるためには、以下の特徴が存在するべきである:(1 )目的の
遺伝子が、その生物学的活性を損なわれずに、高い効率で封入されること、(2
)非標的細胞と比較して標的細胞に優先的かつ強固に結合すること、(3 )小胞
の水性内容物を標的細胞細胞質に高い効率で送達すること、および(4 )遺伝情
報の正確かつ効果的な発現(Manning ら、Biotechniques 6:682 、1988)。
【0053】 リポソームの組成はリン脂質(特に高相転移温度リン脂質)と通常はステロイ
ド(特にコレステロール)との組み合わせであることが普通である。他のリン脂
質または他の脂質も使用できる。リポソームの物理特性はpH、イオン強度および
二価カチオンの存在に依存する。
【0054】 リポソームの製造に役立つ脂質の例には、ホスファチジル化合物、例えばホス
ファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホス
ファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシドおよびガングリオ
シドなどがある。脂質部分が14〜18個の炭素原子、好ましくは16〜18個の炭素原
子を含有し飽和しているジアシルホスファチジルグリセロールは特に有用である
。リン脂質の具体例としては、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスフ
ァチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。
【0055】 リポソームのターゲティングは、解剖学的因子と機構的因子に基づいて分類で
きる。解剖学的分類は選択性のレベルに基づき、例えば器官特異的、細胞特異的
および細胞小器官特異的などである。機構的ターゲティングはそれが受動的であ
るか能動的であるかに基づいて識別できる。受動的ターゲティングでは、洞様毛
細血管を含有する器官内の細網内皮系(RES )の細胞に分布するというリポソー
ムの天然の傾向を利用する。一方、能動的ターゲティングでは、天然の局在化部
位以外の器官および細胞型へのターゲティングを達成するために、リポソームを
モノクローナル抗体、糖、糖脂質またはタンパク質などの特異的リガンドに結合
するか、リポソームの組成またはサイズを変えることによってリポソームの改変
を行なう。
【0056】 標的指向型送達系の表面は、様々な方法で修飾できる。リポソーム標的指向型
送達系の場合は、ターゲティングリガンドをリポソーム二重層と安定に結合して
おくために、脂質基をリポソームの脂質二重層に組み込むことができる。脂質鎖
をターゲティングリガンドにつなぐために、様々な連結基を使用できる。
【0057】 O1−180、O1−184およびO1−236は生殖管で発現するので、避
妊、生殖能および妊娠に関して、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよ
び抗体を使った様々な応用例がある。O1−180、O1−184およびO1−
236は、月経周期の調節において役割を果たしうるので、様々な避妊法に役立
ちうる。
【0058】 以下の実施例は本発明の例証を意図するものであって、限定を意図するもので
はない。下記の方法は使用されるかもしれない典型的なものであるが、当業者に
知られている他の方法を代わりに使用してもよい。
【0059】 実施例1 cDNAサブトラクティブハイブリダイゼーションライブラリーの作成 GDF-9 欠損マウスの卵巣は、卵胞形成の初期障害により、野生型の卵巣とは組
織学的に著しく異なる。特に、GDF-9 欠損卵巣では単層一次卵胞が比較的豊富で
、卵母細胞喪失後に異常卵胞巣が形成される。本発明者らは、GDF-9 欠損卵巣で
アップレギュレートされる新規卵巣発現転写物をクローン化するために、卵巣組
成のこれらの相違を利用し、それらを遺伝子発現パターンの変化と関連付けた。
【0060】 GDF-9 欠損マウス(C57BL/6/129SvEv 雑種)または野生型マウスから卵巣を集
め、各プールからポリA+ mRNA を調製した。本発明者らは、CLONTECH PCR-Selec
t サブトラクションキットの変法を使って、GDF-9 欠損卵巣中でアップレギュレ
ートされる配列が濃縮されていると期待されるpBluescript SK+ プラスミド系cD
NAライブラリーを作製した。ベクターへの複数のインサートを防止するために、
低いモル比のEagI消化cDNA断片インサートを使ってpBluescript SK+ のNotI部位
へのライゲーションを行なった。形質転換を行ない、1000個を越える独立した細
菌クローンを拾い、グリセロール中−80℃で保存した。ライゲーション混合物の
残りを、将来の形質転換のために−80℃で保存した。
【0061】 実施例2 pOvary1 (pO1 )ライブラリーインサートの初期配列解析 我々は、cDNAライブラリーのpO1 サブトラクティブハイブリダイゼーションか
ら得た331 個のインサートの配列解析を行なった。Applied Biosystems 373 DNA
シークエンサーを使って、これらのクローンを配列決定した。米国国立バイオテ
クノロジー情報センターデータベースを使って、BLAST 検索を行なった。DNASTA
R 解析プログラムを使って新規配列をオープンリーディングフレームについて解
析し、以前に同定された新規配列と比較した。そのデータを表1に要約する。表
に示すように、クローンの大半は既知遺伝子であるか、マウスまたはヒトEST に
一致する。クローンの9.4 %がデータベース中のどの既知配列とも一致しなかっ
た。
【0062】 実施例3 機能未知の卵巣発現遺伝子の発現解析とcDNAスクリーニング EST と一致するか一致するデータがないpO1 ライブラリー遺伝子産物の機能は
、未知である(表1)。どのデータベースの配列とも一致しなかった全てのcDNA
に対して、ノーザンブロット解析を行なった。また、主としてマウス2 細胞胚cD
NAライブラリーに由来するEST と一致する配列(例えばO1-91 、O1−184お
よびO1−236)も解析した。この最後に挙げたEST 群を解析した理論的根拠
は、卵母細胞で高レベルに発現されるmRNAが2 細胞期まで持続するかも知れず、
卵の受精または雄性および雌性前核の融合を含む初期胚発生において役割をはた
すかもしれないことである。
【0063】 新規卵巣遺伝子の初期スクリーニングの結果を表2に記載する。23個のクロー
ンをノーザンブロット解析したところ、これらのクローンのうち8 個がGDF-9 欠
損卵巣中でアップレギュレートされることが明らかになり、このことから、使用
したサブトラクティブハイブリダイゼーションプロトコールは妥当であったこと
が示された。成体C57BL/6/129SvEv 雑種マウス(卵巣RNA )またはSwiss-WEBSTE
R マウス(他の全組織)から単離した全RNA を使ってノーザンブロット解析を行
なったところ、これらのクローンのうち、2 細胞ライブラリーから配列決定され
たEST と一致する2 つのクローンを含む4 クローンが、卵巣だけで発現されてい
た(図7)。O1−236断片プローブ(749bp )によって、約1.0kb の転写物
が検出された(図7)。現在までに、数個のクローンをその卵巣局在についてイ
ンサイチュ・ハイブリダイゼーション解析によって解析した(図8)。クローン
O1−180、O1−184およびO1−236は卵母細胞特異的であり、一次
(単層)前胞状卵胞から排卵までの卵母細胞中で発現していた(図8)。
【0064】 O1−236遺伝子産物は卵母細胞特異的である(図9)。O1−236は原
始卵胞(2 型)または小さい3a型卵胞の卵母細胞では発現されないが(Pedersen
ら、Journal of Reproduction and Fertility 17:555-557、1968)(非掲載のデ
ータ)、中サイズの3a型卵胞および全ての3b型卵胞(すなわち最大横断面内で20
個を越える顆粒膜細胞が卵母細胞を取り囲んでいる卵胞)の卵母細胞で初めて検
出される。O1−236 mRNA の発現は胞状卵胞段階まで持続する。興味深いこ
とに、O1−236遺伝子産物の卵母細胞特異的発現パターンは、Gdf9(McGrat
h ら、Molecular Endocrinology 9:13 1-136(1995))および骨形成タンパク質
15(Dubeら、Molecular Endocrinology 12:1809-1817、1998)を含む本研究者ら
が研究した他の卵母細胞特異的遺伝子の発現と並行する。
【0065】 実施例4 アフリカツメガエルヌクレオプラスミン(Xnpm2 )の哺乳類オルソ ログであるマウスNpm2を含む卵巣特異的遺伝子のクローニング 野生型卵巣およびGDF-9 欠損ZAP Express 卵巣cDNAライブラリーを合成し、ス
クリーニングして、上述した3 つのクローンの完全長cDNAを単離した。各完全長
cDNAを再びデータベース検索にかけ、オープンリーディングフレーム、開始コド
ンATG およびタンパク質相同性について解析した。完全長cDNAは、ノーザンブロ
ット解析から決定されたmRNAサイズに近い。
【0066】 予想アミノ酸配列を使ったデータベース検索により、新規タンパク質の考えう
る機能と細胞局在を明らかにするのに役立つであろう重要なドメイン(例えばシ
グナルペプチド配列、膜貫通ドメイン、ジンクフィンガーなど)を同定すること
ができた。
【0067】 製造者の説明書に従って既述のように(Dubeら、Molecular Endocrinology 12
:1809-1817(1998))、野生型卵巣またはGDF-9 欠損卵巣から作製したMatzuk研
究室ZAP Express (Stratagene)卵巣cDNAライブラリーを、実施例1で同定され
たO1−236部分cDNA断片を使ってスクリーニングした。簡単に述べると、野
生型マウスまたはGDF-9 ノックアウトマウス卵巣cDNAライブラリーの約300,000
クローンを、Church溶液中、63℃で[α-32P]dCTPランダムプライムドプロー
ブにハイブリダイズさせた。フィルターを0.1 ×Church溶液で洗浄し、−80℃で
終夜露出した。
【0068】 マウス卵巣cDNAライブラリーの一次スクリーニングで、O1−236 cDNA 断
片により、スクリーニングした300,000 個のうち22個の陽性ファージクローンが
検出された。これらのクローンのうち、mRNAサイズに近く、2 つの独立したライ
ブラリーに由来する2 つのクローン(236-1 と236-3 )を、制限エンドヌクレア
ーゼ消化およびDNA 配列解析によってさらに解析した。これらの独立クローンは
984bp のオーバーラップしたコンティグ(ポリA 配列を除く)を形成し、207 ア
ミノ酸のオープンリーディングフレームをコードする(図10)。ポリA テールを
含めると、この配列はノーザンブロット解析で見られた約1.0kb mRNAに近くなる
ことから、5'UTR 配列のほぼ全てが単離されていることが示唆される。ヌクレオ
チド配列を公共データベース検索にかけると、有意な一致は引き出せなかった。
しかし、207 アミノ酸オープンリーディングフレームを使ってデータベース検索
を行なったところ、いくつかの種由来のいくつかのヌクレオプラスミンホモログ
との高い相同性が明らかになった。興味深いことに、O1−236はアフリカツ
メガエルヌクレオプラスミンと最も高い相同性を示す。O1−236はアミノ酸
レベルでアフリカツメガエルヌクレオプラスミンと48%同一および71%類似して
いる(図11)。この相同性および両遺伝子産物の卵母細胞における発現パター
ンに基づいて、本発明者らはこの遺伝子をNpm2と命名した。というのは、本研究
者らの遺伝子はアフリカツメガエルヌクレオプラスミン[MacArthur ら、Genomi
cs rs: 137-140(1997)ではXnpm2 と呼ばれている]の哺乳類オルソログだから
である。
【0069】 Npm2配列とヌクレオプラスミン配列を比較すると、いくつかの興味深い特徴が
明らかになる。ヌクレオプラスミンは、KR-(X)10-KKKK からなる二極性核移行シ
グナルを持つ(Dingwallら、EMBO J 6:69-74(1987))。ヌクレオプラスミン中
のこれらの塩基性アミノ酸クラスターのどちらが欠失しても核への移行が妨げら
れる(Robbins ら、Cell 64:615-623 (1991))。Npm2配列を解析すると、この
二極性配列は上記2 つのタンパク質間で100 %保存されている(図11)。したが
って、Npm2は核に移行し、主にそこで機能すると予想されるだろう。
【0070】 長い一続きの負に荷電した残基も、Npm2とヌクレオプラスミンの間で保存され
ている。Npm2のアミノ酸125 〜144 とヌクレオプラスミンのアミノ酸128 〜146
はほとんどがグルタミン酸残基とアスパラギン酸残基であり、Npm2では20残基の
うちの19残基が、またヌクレオプラスミンでは19残基のうちの16残基がAsp また
はGlu である。アフリカツメガエルヌクレオプラスミンのこの領域は、正に荷電
したプロタミンおよびヒストンへの結合と結びつけられている。したがって、Np
m2のこの酸性領域にも同様の機能が予想される。
【0071】 Npm2配列とヌクレオプラスミン配列のもう一つの明らかな特徴は、セリンおよ
びスレオニン残基数の多さである。Npm2配列は19残基のセリンと17残基のスレオ
ニン(すなわち全残基の17.2%)を含有し、ヌクレオプラスミンは12残基のセリ
ンと11残基のスレオニン(すなわち全残基の11.5%)を持つ。Npm2配列とヌクレ
オプラスミン配列から複数の推定リン酸化部位が予想される。これら2 つのタン
パク質の間で保存されているいくつかの推定リン酸化配列を図11に示す。ヌクレ
オプラスミンのリン酸化は、ヌクレオプラスミンの核への移行とその活性とを増
加させると考えられる(Sealy ら、Biochemistry 25:3064-3072 (1986);Cott
enら、Biochemistry 25:5063-5069 (1986);Vancurova ら、J Cell Sci 108:7
79-787(1995);Lenoら、J Biol Chem 271:7253-7256 (1996))。同様に、リ
ン酸化はNpm2活性も変化させるだろう。このように、Npm2とアフリカツメガエル
ヌクレオプラスミンはどちらもmRNAレベルで卵母細胞(および卵)特異的であり
、最も高い同一性を示すので、本発明者らはNpm2とヌクレオプラスミンとがオル
ソログであると結論する。
【0072】 実施例5 Npm2遺伝子の構造 本発明者らの研究により、3 つの新規卵母細胞特異的cDNAのすべてがオープン
リーディングフレームを持つことが明らかになった。上述したように、O1−2
36はもっぱら卵で発現されるアフリカツメガエルヌクレオラスミンのホモログ
である。
【0073】 マウスNpm2遺伝子を同定するために、完全長Npm2 cDNA の1 つ(クローン236-
1 )を使って、マウス129SvEv ゲノムライブラリー(Stratagene)をスクリーニ
ングした。500,000 個のファージをスクリーニングして、12個の陽性ファージを
同定した。オーバーラップしたこれらのファージクローンのうちの2 つ、すなわ
ち236-13と236-14(約37kbの全ゲノム配列)を使って、マウスNpm2遺伝子の構造
を決定した。マウスNpm2は9 個のエキソンによってコードされ、約6.6kb にまた
がる(図12および13)。中サイズの2 つのイントロン(イントロン4 および5 )
が、遺伝子サイズの大半を占めている。開始ATG コドンはエキソン2 にあり、終
止コドンはエキソン9 にある。スプライス供与部位とスプライス受容部位(図13
)は、げっ歯類動物に認められるコンセンサス配列とよく一致し、イントロン-
エキソン境界の全てが「GT-AG 」則に従う(Senapathy ら、Methods Enzymol 18
3:252-278 (1990))。コンセンサスポリアデニル化シグナル配列(AATAAA)が
、上記2 つの単離cDNA中に存在するポリA 領域の上流に認められる(図13)。
【0074】 O1−180およびO1−184のオープンリーディングフレームを解析して
も既知タンパク質を連想させる構造モチーフは見つからないので、これらは機能
的にユニークであることが示唆される。O1−180およびO1−184遺伝子
の単離には、O1−236の場合と同様に、マウス129SvEv 系統から作製したλ
FixII ゲノムライブラリーが使用される。エキソンの位置と配列、エキソン- イ
ントロン境界ならびに5'および3'非翻訳領域を含むゲノム構造を決定するために
、制限酵素消化、サザンブロット解析、サブクローニングおよび配列解析も使用
される。この遺伝子構造情報は、後述するように遺伝子ターゲティングベクター
を作製する上で極めて重要になる。本発明者らはO1−236以外に14個のマウ
ス遺伝子をこのゲノムライブラリーからクローン化しており、このライブラリー
から得られた別の8 遺伝子の解析を援助した。したがって本発明者らのこれまで
の経験に基づいて、これらのマウス遺伝子のクローニングはかなり簡単な作業に
なるだろう。
【0075】 実施例6 マウスNpm2遺伝子の染色体マッピング マウスにおける遺伝子の染色体マッピングにより、自然発生的なまたは誘導さ
れたマウス突然変異に関係する候補遺伝子を同定することができる。例えば、TG
F-βファミリーメンバーである成長分化因子5 (GDF-5 )のマッピングにより、
それがマウスに短脚症を引き起こす遺伝子と同じ染色体位置にマッピングされる
ことが明らかになった。その後の研究により、GDF-5 中の突然変異はヒトではC
型常染色体優性短脚症と2 つのタイプの劣性軟骨形成不全を引き起こすことが示
された。単離された新規卵巣特異的cDNAの本発明者らによる機能解析をさらに支
援するために、本発明者らはResearch Genetics 社の放射能ハイブリッドパネル
(Radiation Hybrid Panel)を使ってこれらのマウス遺伝子をマッピングしてい
るところである。本発明者らは自らの研究室でO1-186(表3)を含む他の遺伝子
をいくつかマッピングした経験があるので、これらの研究はかなり簡単な作業に
なると確信している。この情報は、生殖欠陥と関連する同じ染色体領域にマッピ
ングされるマウスの既知の突然変異に、我々を導くかもしれない。ヒト染色体上
のシンテニック領域を同定することにより、これらの新規卵巣遺伝子の1 つまた
は複数が、これらの領域にマッピングされる既知のヒト疾患の候補遺伝子である
と同定されるかもしれない。
【0076】 マウスNpm2遺伝子をマッピングするために、本研究者らはResearch Genetics
社の放射能ハイブリッドパネル、ジャクソンラボラトリー戻し交雑DNA パネルマ
ッピングリソース(Backcross DNA Panel Mapping Resource)およびジャクソン
ラボラトリーマウス放射能ハイブリッドデータベース(Mouse Radiation Hybrid
Database )を使用した。最後のエキソン内にあるフォワードプライマー(GCAA
AGAAGC CAGTGACCAA GAAATGA )とリバースプライマー(CCTGATCATG CAAATTTTAT
TGTGGCC )を使って、マウスにはあるがハムスターにはない229bp 断片をPCR 増
幅した。これらのプライマーを使うことによって、マウスNpm2遺伝子は14番染色
体の中央にマッピングされた(図14)。Npm2は、11.2のLOD でD14Mit32への連鎖
を示し、またD14Mit203 に対して7.8 のLOD を持つ。この領域は、ヒト染色8p21
とシンテニックである。
【0077】 これらの研究は、女性における避妊薬または不妊症の処置の標的になる可能性
がある新規遺伝子産物を同定しようとする本研究者らの最初の作業の一部になる
だろう。
【0078】 上述のように、本発明者らは卵巣に欠陥を持ついくつかのマウスモデルを作製
した。本研究者らは、卵巣特異的遺伝子をインサイチュ・ハイブリダイゼーショ
ンによってさらに研究するために、これらの様々なモデル(特にGDF-9 欠損およ
びFSH 欠損マウス)から得られる卵巣も使用する。したがって、これらの追加研
究はそれらの発現を調節する因子およびこれら卵巣特異的遺伝子のインビボでの
役割をさらに明確するのに役立つだろう。
【0079】 実施例7 新規卵巣発現遺伝子を欠くノックアウトマウスの作製 本発明者らは、卵巣特異的遺伝子を欠くノックアウトマウスを作製する研究を
開始する。上で得た遺伝子配列を使って、胚性幹(ES)細胞中のO1−180、
O1−184およびO1−236遺伝子を突然変異させるためのターゲティング
ベクターを作製する。これらのターゲティングベクターをhprt陰性AB2.1 ES細胞
系にエレクトロポレートし、HAT およびFIAU中で選択する。クローンはサザンブ
ロット解析用に処理し、5'および3'外部プローブを使ってスクリーニングする。
正しい突然変異を持つES細胞を胚盤胞に注入してキメラを作製し、最終的には突
然変異型O1−180、O1−184およびO1−236遺伝子に関するヘテロ
接合体およびホモ接合体を作製する。突然変異型ES細胞系の遺伝に関する本発明
者らの成功率(複数のES細胞系から28の独立した突然変異型アレル)に基づいて
、本発明者らは、突然変異型O1−180、O1−184およびO1−236ア
レルに関するヘテロ接合体およびホモ接合体を作製することに困難があるとは考
えていない。
【0080】 O1−180、O1−184およびO1−236の発現は卵巣に限定されるの
で、これらのO1−180欠損、O1−184欠損およびO1−236欠損マウ
スは生存可能であるが、これらの遺伝子産物を欠く雌は生殖能が変化している(
すなわち不妊、低受胎性または超受胎性である)と、本発明者らは予想する。突
然変異マウスは、本発明者らが過去に行なった研究と同様に、形態学的、組織学
的および生化学的欠陥について解析される。これらは当業者にとっては過度の実
験を行なわなくても十分に実施できることであり、これによりO1−180、O
1−184およびO1−236が卵胞形成、卵形成または受精に必要とされる極
めて重要な卵胞内タンパク質であること、ならびにこれらのタンパク質の不在下
では雌マウスの生殖能力が上昇または低下することが確認されると予想される。
これらの研究から、本発明者らは同様の特発性表現型を持つヒト生殖状態の検索
を行なうことになるだろう。
【0081】 本発明をその好ましい態様に関して具体的に示し説明したが、その形態と詳細
に特許請求の範囲に定義するような本発明の精神と範囲から逸脱することなく様
々な改変を施しうることは当業者には理解されるだろう。当業者はここに詳しく
説明した本発明の具体的態様に均等な多くの態様を認識し、またはせいぜい日常
的な実験を行なうだけでそれらを確認することができるだろう。そのような均等
物も特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0082】
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、遺伝子O1−180の1276塩基対cDNA配列を示す。
【図2】 図2は、遺伝子O1−180によってコードされる361 アミノ酸配列を示す。
【図3】 図3は、遺伝子O1−184の1817塩基対cDNA配列を示す。
【図4】 図4は、遺伝子O1−184によってコードされる426 アミノ酸配列を示す。
【図5】 図5は、遺伝子O1−236の1019塩基対cDNA配列を示す。
【図6】 図6は、遺伝子O1−236によってコードされる207 アミノ酸配列を示す。
【図7】 卵巣特異的遺伝子の多組織ノーザンブロット解析。O1−180、O1−18
4およびO1−236プローブを使って、全RNA に対してノーザンブロット解析
を行なった。これらの遺伝子産物は、図示するように卵巣特異的パターン(OV、
卵巣;WT、野生型;-/- 、GDF-9 欠損型)を示す。18S および28S リボソームRN
A の移動位置を示してある。18S rRNA cDNA プローブを使って実証されたように
、全てのレーンはほぼ等しい添加量だった。Br、脳;Lu、肺;He、心臓;St、胃
;Sp、脾臓;Li、肝臓;S1、小腸;Ki、腎臓;Te、精巣;Ut、子宮。
【図8】 マウス卵巣における卵巣特異的遺伝子のインサイチュ・ハイブリダイゼーショ
ン解析。インサイチュ・ハイブリダイゼーションは、O1−180(A 、B )、
O1−184(C 、D )およびO1−236(E 、F )に対するアンチセンスプ
ローブを使って行なった。A 、C およびE は卵巣の明視野解析である。B 、D お
よびF は同じ卵巣切片の暗視野解析である。全ての遺伝子が、単層一次卵胞段階
(小さい矢印)で始まり、胞状卵胞段階(大きい矢印)まで続く卵母細胞におけ
る特異的発現を示す。これら3 つの卵巣特異的遺伝子に関するシグナルは、「セ
ンス」プローブでは検出されない(非掲載データ)。
【図9】 マウス卵巣におけるO1−236のインサイチュ・ハイブリダイゼーション解
析。インサイチュ・ハイブリダイゼーションは、プローブO1−236(部分Np
m2断片)を使って行なった。同じ成体卵巣切片中のO1−236 mRNA の明視野
解析(A )および暗視野解析(B )。このプローブは、成長中の全ての卵母細胞
での特異的発現を示す。卵母細胞特異的発現は初期単層一次卵胞(3a型)に最初
に認められ、単層3b型卵胞では発現量が多く、胞状(an)卵胞を含むその後の全
ての段階に認められる。この卵母細胞特異的遺伝子に関するシグナルは、「セン
ス」プローブでは検出されない(非掲載データ)。
【図10】 Npm2 cDNA 図。マウスNpm2 cDNA 配列(984bp )と、マウス卵巣cDNAライブラ
リーから単離されたクローンのうちの2 つの略図。元のO1−236プローブ(
749bp )を上部に示すが、これはNpm2オープンリーディングフレーム全体を包含
する。このオープンリーディングフレーム(黒塗りの枠)は621bp であり、5'UT
R 配列と3'UTR 配列(細い線)はそれぞれ155bp および205bp である。ポリA 配
列は描かれていない。クローン236-1 は野生型卵巣cDNAライブラリーから単離さ
れ、クローン236-3 はGDF-9 欠損卵巣cDNAライブラリーから単離された。クロー
ン236-3 (ポリA 配列を除いて984bp )は、クローン236-1 (ポリA 配列を除い
て979bp )より5'末端が4bp 、3'末端が1bp 長い。両cDNAのオープンリーディン
グフレームのコドン36がGGC(グリシン;図11) であるのに対し、129SvEv 遺伝子
の同じコドンはTGC (システイン;図13)である。
【図11】 マウスNpm2とアフリカツメガエル(Xenopus laevis)ヌクレオプラスミン(Xn
pm2 )の間のアミノ酸配列保存。NCB1 blast検索ツールを使ってマウスNpm2とXn
pm2 (アクセッション番号P05221)のアミノ酸配列を比較すると、高い同一性(
アミノ酸をつなぐ線)と類似性(アミノ酸をつなぐ点)が明らかになる。アミノ
酸間の空白は整列を助けるためのギャップを示す。保存された二極性核移行シグ
ナル(太字および下線部分)、高度に酸性な「ヒストン結合」領域(枠内)なら
びにいくつかの保存されたカゼインキナーゼII(CK2 )およびプロテインキナー
ゼC (PKC )リン酸化部位(セリンまたはスレオニンを太字で示すと共に下線を
付し「CK」または「PKC 」と記す)も同定されている。Npm2またはXnpm2 中の保
存されていない他の予想リン酸化部位は図示していない。
【図12】 マウスNpm2遺伝子の構造。マウス129SvEv ライブラリーから単離した2 つの重
複組換えλクローン(236-13および236-14)を上部に示し、Npm2遺伝子の拡大概
要図も図示する。中空の枠は非翻訳領域を表し、中塗りの黒い枠はタンパク質コ
ード領域を表す。236-13インサートは約19.0kbであり、236-14インサートは約21
.0kbである。コンティグ全体は約37kbである。図示するように、Npm2遺伝子の9
個のエキソンはすべて、一本の6.9kb XbaI(X )断片上に包含される。エキソン
とイントロンのサイズを下に示す。略号:B 、BamHI;(B )、予想されるがマッ
ピングされていないBamHI;(N )、ファージクローニング部位由来のNotI。
【図13】 マウスNpm2遺伝子配列および同アミノ酸配列。大文字はNpm2 cDNA 配列との配
列の一致を表し、5'および3'非転写配列とイントロン配列は小文字で示す。予想
転写開始コドン、終止コドンおよびポリアデニル化シグナル配列には全て下線を
引く。左側の数字はアミノ酸を表す。コドン36の下線付き太字「T 」、アミノ酸
26の太字「C 」および3'UTR 配列中の下線付き太字「C 」はcDNA配列と遺伝子配
列の間の相違を示す。矢印は、cDNA配列でのO1−236断片の開始点と終了点
を示している。
【図14】 マウスNpm2遺伝子の染色体局在。(上)14番染色体データを示すジャクソン・
ラボラトリー(Jackson Laboratory)のT31 放射能ハイブリッドデータベースか
ら得たマップ図。このマップは上端に向かってセントロメアと共に描かれている
。隣接する遺伝子座の間の距離を、単位centiRay3000で染色体線の左側に示す。
いくつかの14番染色体MIT マーカーの位置を右側に示す。Npm2はD14Mit203 とD1
4Mit32の間に位置する。欠落したタイピングは割り当てが疑わしくない周辺デー
タから推論した。Jackson Laboratoryの生データは、ワールドワイドウェブ(WW
W )アドレスhttp://www.jax.org/resources/documents/cmdata/rhmap/rh.html
から入手した。(下)Npm2に連鎖する遺伝子座を含む14番染色体の一部を示すJa
ckson LaboratoryのT31 放射線ハイブリッドデータベースから得たハプロタイプ
図。遺伝子座は最も近位を上端にして最良の順序で挙げられている。黒い枠はそ
のマウス断片について陽性と判定される雑種細胞株を表し、白い枠は陰性と判定
される細胞株を表す。灰色の枠はタイピングされていない株または不明瞭な株を
示す。各ハプロタイプを持つ株数を、枠の縦列のそれぞれの下に示す。欠落した
タイピングは、割り当てが疑わしくない周辺データから推論した。
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 タンパク質の断片は、図2 (配列番号:2)、4 (配列番号:4)、6 (配列番 号:6) 、11および14に示す配列のいずれかの連続する6 アミノ酸と同一な連続
する6 残基またはそれ以上のアミノ酸を含有する任意のペプチドを包含すると理
解される。図2 (配列番号:2)、4 (配列番号:4)、6 (配列番号:6)
11および14に示す配列のいずれかの対応する数のアミノ酸と同一な連続する7 、
8 、9 、10、11、12、13、14および15残基またはそれ以上のアミノ酸を含有する
断片も考えられる。断片は抗体の生成に使用できる。特に有用な断片は、O1−
180、O1−184またはO1−236のドメインを構成する断片だろう。ド
メインとは、そのタンパク質の残りの部分がなくても保たれる独立した三次構造
を持つタンパク質の一部であると定義される。そのような構造は、当業者に知ら
れる技術によって見つけることができる。タンパク質をサブチリシン、トリプシ
ン、キモトリプシンなどのプロテアーゼで部分消化した後、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動にかけてタンパク質断片を分離する。次にその断片をPVDF膜に転写
し、マイクロシークエンシングにかけてその断片のN 末端のアミノ酸配列を決定
することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】 マウスNpm2遺伝子を同定するために、完全長Npm2 cDNA の1 つ(クローン236-1
)を使って、マウス129SvEv ゲノムライブラリー(Stratagene)をスクリーニン
グした。500,000 個のファージをスクリーニングして、12個の陽性ファージを同
定した。オーバーラップしたこれらのファージクローンのうちの2 つ、すなわち
236-13と236-14(約37kbの全ゲノム配列)を使って、マウスNpm2遺伝子の構造を
決定した。マウスNpm2は9 個のエキソンによってコードされ、約6.6kb にまたが
る(図12および13(配列番号:7〜配列番号:14))。中サイズの2 つのイン
トロン(イントロン4 および5 )が、遺伝子サイズの大半を占めている。開始AT
G コドンはエキソン2 にあり、終止コドンはエキソン9 にある。スプライス供与
部位とスプライス受容部位(図13(配列番号:7〜配列番号:14))は、げっ
歯類動物に認められるコンセンサス配列とよく一致し、イントロン- エキソン境
界の全てが「GT-AG 」則に従う(Senapathy ら、Methods Enzymol 183:252-278
(1990))。コンセンサスポリアデニル化シグナル配列(AATAAA)が、上記2 つ
の単離cDNA中に存在するポリA 領域の上流に認められる(図13(配列番号:7〜 配列番号:14) )。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】 図1は、遺伝子O1−180の1276塩基対cDNA配列(配列番号:1)を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】 図2は、遺伝子O1−180によってコードされる361 アミノ酸配列(配列番号 :2) を示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図3】 図3は、遺伝子O1−184の1817塩基対cDNA配列(配列番号:3)を示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図4】 図4は、遺伝子O1−184によってコードされる426 アミノ酸配列(配列番号 :4) を示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図5】 図5は、遺伝子O1−236の1019塩基対cDNA配列(配列番号:5)を示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図6】 図6は、遺伝子O1−236によってコードされる207 アミノ酸配列(配列番号 :6) を示す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図10】 Npm2 cDNA 図。マウスNpm2 cDNA 配列(984bp )と、マウス卵巣cDNAライブラリ
ーから単離されたクローンのうちの2 つの略図。元のO1−236プローブ(74
9bp )を上部に示すが、これはNpm2オープンリーディングフレーム全体を包含す
る。このオープンリーディングフレーム(黒塗りの枠)は621bp であり、5'UTR
配列と3'UTR 配列(細い線)はそれぞれ155bp および205bp である。ポリA 配列
は描かれていない。クローン236-1 は野生型卵巣cDNAライブラリーから単離され
、クローン236-3 はGDF-9 欠損卵巣cDNAライブラリーから単離された。クローン
236-3 (ポリA 配列を除いて984bp )は、クローン236-1 (ポリA 配列を除いて
979bp )より5'末端が4bp 、3'末端が1bp 長い。両cDNAのオープンリーディング
フレームのコドン36がGGC(グリシン;図11) であるのに対し、129SvEv 遺伝子の
同じコドンはTGC (システイン;図13(配列番号:7〜配列番号:14))であ
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図13】 マウスNpm2遺伝子配列(配列番号:7〜配列番号:14)および同アミノ酸配列
。大文字はNpm2 cDNA 配列との配列の一致を表し、5'および3'非転写配列とイン
トロン配列は小文字で示す。予想転写開始コドン、終止コドンおよびポリアデニ
ル化シグナル配列には全て下線を引く。左側の数字はアミノ酸を表す。コドン36
の下線付き太字「T 」、アミノ酸26の太字「C 」および3'UTR 配列中の下線付き
太字「C 」はcDNA配列と遺伝子配列の間の相違を示す。矢印は、cDNA配列でのO
1−236断片の開始点と終了点を示している。
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 5/24 A61P 35/00 4C087 15/00 43/00 105 4H045 35/00 C07K 14/47 43/00 105 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 G01N 33/15 Z 1/21 33/50 Z 5/10 33/53 D G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/02 33/566 C12N 5/00 A (72)発明者 ワング ペイ アメリカ合衆国 テキサス州 77025、ヒ ューストン、 グレン アーバー #9、 3822 Fターム(参考) 2G045 AA26 CB01 CB17 CB26 DA12 DA13 DA14 DA36 DA80 FB02 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA21 BA80 CA04 CA12 DA02 EA02 EA04 GA11 HA11 HA17 4B065 AA90Y AA91X AB01 AC14 BA02 CA14 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA08 BA22 BA23 CA25 DB09 DB10 DB25 DB26 NA14 ZA812 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA81 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 NA13 NA14 ZA81 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA20 EA28 EA50 EA51 FA72 FA73 FA74 HA05

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図2に記載されたアミノ酸配列を有する実質的に純粋なO1
    −180。
  2. 【請求項2】 図1に記載されたポリヌクレオチド配列を有する単離された
    ポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが哺乳動物細胞から単離されたもので
    ある請求項2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記哺乳動物細胞がマウス、ラット、ブタ、ウシおよびヒト
    細胞からなる群より選ばれたものである請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 前記ベクターがプラスミドである請求項5に記載のベクター
  7. 【請求項7】 前記ベクターがウイルスベクターである請求項5に記載のベ
    クター。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 前記細胞が原核細胞である請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 【請求項10】 前記細胞が真核細胞である請求項8に記載の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 図4に記載されたアミノ酸配列を有する実質的に純粋なO
    1−184。
  12. 【請求項12】 図3に記載されたポリヌクレオチド配列を有する単離され
    たポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 前記ポリヌクレオチドが哺乳動物細胞から単離されたもの
    である請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 前記哺乳動物細胞がマウス、ラット、ブタ、ウシおよびヒ
    ト細胞からなる群より選ばれたものである請求項13に記載のポリヌクレオチド
  15. 【請求項15】 請求項12に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター
  16. 【請求項16】 前記ベクターがプラスミドである請求項15に記載のベク
    ター。
  17. 【請求項17】 前記ベクターがウイルスベクターである請求項15に記載
    のベクター。
  18. 【請求項18】 請求項15に記載のベクターを含む宿主細胞。
  19. 【請求項19】 前記細胞が原核細胞である請求項18に記載の宿主細胞。
  20. 【請求項20】 前記細胞が真核細胞である請求項18に記載の宿主細胞。
  21. 【請求項21】 図6に記載されたアミノ酸配列を有する実質的に純粋なO
    1−236。
  22. 【請求項22】 図5に記載されたポリヌクレオチド配列を有する単離され
    たポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 前記ポリヌクレオチドが哺乳動物細胞から単離されたもの
    である請求項22に記載のポリヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 前記哺乳動物細胞がマウス、ラット、ブタ、ウシおよびヒ
    ト細胞からなる群より選ばれたものである請求項23に記載のポリヌクレオチド
  25. 【請求項25】 請求項22に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター
  26. 【請求項26】 前記ベクターがプラスミドである請求項25に記載のベク
    ター。
  27. 【請求項27】 前記ベクターがウイルスベクターである請求項25に記載
    のベクター。
  28. 【請求項28】 請求項25に記載のベクターを含む宿主細胞。
  29. 【請求項29】 前記細胞が原核細胞である請求項28に記載の宿主細胞。
  30. 【請求項30】 前記細胞が真核細胞である請求項28に記載の宿主細胞。
  31. 【請求項31】 図1に記載のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチ
    ド配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるアンチセンスポリペプチド
  32. 【請求項32】 図3に記載のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチ
    ド配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるアンチセンスポリペプチド
  33. 【請求項33】 図5に記載のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチ
    ド配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるアンチセンスポリペプチド
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