JP2003511618A - ターボ形機械の軸受用潤滑システム - Google Patents

ターボ形機械の軸受用潤滑システム

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JP2003511618A
JP2003511618A JP2001529559A JP2001529559A JP2003511618A JP 2003511618 A JP2003511618 A JP 2003511618A JP 2001529559 A JP2001529559 A JP 2001529559A JP 2001529559 A JP2001529559 A JP 2001529559A JP 2003511618 A JP2003511618 A JP 2003511618A
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アナトリー ラクマイロフ
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エーエルエム ディベロップメント インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 軸受（１８，２０）を包囲した潤滑スペース（ＬＳ）を構成する潤滑室を備えたターボ形機械の軸受用潤滑システムが、潤滑油を潤滑スペース（ＬＳ）に供給する潤滑油供給装置（２４）と、潤滑油を潤滑スペース（ＬＳ）から除去する潤滑油除去装置（２６）と、潤滑室（２２）を包囲しているバッファーケース（ＢＳ）とを有し、バッファーケースは、ターボ形機械の流体スペース（１４）内に設けられていて、大気と連通したバッファースペースを備えている。シャフト接触シール（３２，３４）が、バッファーケース（ＢＳ）と流体スペースとの間に設けられ、シャフトシール（３６，３８）が、バッファースペース（ＢＳ）と潤滑スペース（ＬＳ）との間に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本願は、９つの同時係属米国特許出願第０９／１６１，１０４号、第０９／１
６１，１１４号、第０９／１６１，１１５号、第０９／１６１，１７０号（これ
らの出願日は全て、１９９８年９月２５日である）及び第０９／２６７，８９３
号、第０９／２６７，８９４号、第０９／２６７，８９５号、第０９／２６７，
８９６号、第０９／２６７，８９７号（これらの出願日は全て、１９９１年３月
１１日である）並びに更に５つの同時係属米国仮特許出願第６０／１５８，９３
５号、第６０／１５８，９２９号、第６０／１５９，０６５号、第６０／１５９
，０６６号及び第６０／１５８，９３４号（これらの出願日は全て、１９９９年
１０月１２日である）を引照する。上記の各々の開示内容を本明細書の一部を形
成するものとしてここに引用する。
【０００２】 本発明は、ターボ形機械の潤滑に関し、特に、ガスタービンエンジンの軸受用
潤滑システムに関する。
【０００３】 〔発明の背景〕 ガスタービンエンジンでは、潤滑室の内部スペース又は潤滑スペースをガスタ
ービンエンジンの流体スペースから分離するシールを用いてシャフト軸受を包囲
した潤滑室を設けることが慣例である。潤滑油は、例えばミスト形成ノズルを通
って潤滑スペースに供給され、潤滑油は、重力により又は排油ポンプによってド
レンを通して潤滑スペースから除去される。この種の潤滑システムは通常、油を
空気から分離する分離器を必要としている。というのは、潤滑油は、流体スペー
ス内の圧力変動に起因して空気及びガスを含んでいるからである。潤滑油は、分
離器の底部から回収され、空気は排気ダクトを通って逃げ出る。ガスタービンエ
ンジンの速度が或るレベルを下回ると、通常潤滑室の外部に存在するゲージ圧が
、或る期間にわたり潤滑室内の圧力を突然下回る。これにより、潤滑油は潤滑ス
ペースから逃げることになり、その結果、潤滑油はガスタービンエンジンの流体
スペースに入る。ガスタービンエンジンの流体スペース内へのかかる潤滑油の漏
入によるマイナスの効果は、当業者には周知である。加うるに、多量の潤滑油が
潤滑油システムから逃げ出ると、潤滑油タンクレベルはかなり低下し、システム
が、潤滑油の不足状態となる場合がある。
【０００４】 クリスチャン・ラージラー氏等に付与された米国特許第５，４２９，２０８号
明細書に開示された従来型減圧装置は、この欠点を解決することを目的とするも
のであった。減圧装置は、潤滑スペースと連通したジェットノズルの形態に作ら
れている。ジェットノズルは、エンジン圧縮機からの空気をキャリヤ流体として
用いて空気（潤滑油を伴う）を潤滑スペースから噴出させる。ガスタービンエン
ジンの速度が或るレベルを下回ると、エンジンの流体スペース内の圧力が潤滑ス
ペース内の圧力を下回る恐れがあり、制御回路内に設けられたセンサが、信号を
弁に送ってジェットノズルを圧縮機に向かって開放させる。その結果、過剰の空
気（潤滑油を含む）が潤滑スペースから除去されて潤滑スペース内に減圧状態が
生じる。
【０００５】 例えば上述したような従来型軸受用潤滑システムでは、潤滑室が加圧されるの
で潤滑油／空気分離器が必要である。潤滑油／空気分離器は、製造されてガスタ
ービンエンジンに据え付けられなければならない装置である。加うるに、潤滑油
／空気分離器は、エンジン出力のうち或る量を消費し、かくして、エンジン効率
が低下する。エンジン減速中の潤滑スペースの減圧に対しては、ジェットノズル
又は排油ポンプ並びに減圧システムを作動させるセンサ及び制御装置を備えた制
御システムを設けることが必要である。これら装置による費用の増加とは別に、
これらをガスタービンエンジンに用いると、その信頼性が損なわれる。これら装
置は、定期的な点検及び保守を必要とする。これら装置のうちの１つが誤動作を
生じると、その結果として、潤滑油がガスタービンエンジンの流体スペースに入
る場合がある。
【０００６】 さらに注目されるべきこととして、潤滑油／空気分離器を出る空気と共に潤滑
システムから必然的に逃げ出る僅かな量の潤滑油（たとえ最高性能の分離器でも
、１００％の分離は得られない）及びジェットノズルから逃げ出る潤滑油は、回
収不能に失われる。さらに、大気中への潤滑油の放出は、周囲環境に悪影響を及
ぼす。
【０００７】 かくして、本発明の目的は、圧力が潤滑スペース内で増大しないようにするタ
ーボ形機械の軸受用潤滑システムを提供することにある。 本発明の別の目的は、作動の信頼性が高いターボ形機械の軸受用潤滑システム
を提供することにある。 本発明の別の目的は、最小限の保守しか必要としないターボ形機械の軸受用潤
滑システムを提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、設計が簡単であり且つ製造が容易なターボ形機械
の軸受用潤滑システムを提供することにある。 さらに本発明の目的は、潤滑油が回収不能に失われないようにすることにある
。 最後に、本発明の目的は、潤滑油による周囲環境への悪影響を無くすことにあ
る。
【０００８】 〔発明の概要〕 本発明の上記目的及び他の目的は、流体スペース及び軸受内に位置したシャフ
トを有するターボ形機械の軸受用潤滑システムにおいて、軸受を包囲した潤滑ス
ペースを備えた潤滑室と、潤滑油を潤滑スペースに供給する潤滑油供給手段と、
潤滑油を潤滑スペースから除去する潤滑油除去手段と、流体スペース内に設けら
れていて、大気と連通したバッファースペースを有し、潤滑室を包囲しているバ
ッファーケースとを有する軸受用潤滑システムにより達成される。シャフト接触
密封手段が、バッファーケースと流体スペースとの間に設けられ、シャフト密封
手段が、バッファースペースと潤滑スペースとの間に設けられている。
【０００９】 本発明の上記目的及び他の目的並びに上記利点及び他の利点は、ターボ形機械
の軸受用潤滑システムの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から明ら
かになろう。
【００１０】 〔実施形態の詳細な説明〕 図１において、ターボ形機械１０（これは、とりわけガスタービンエンジンで
あるのがよい）が、ガスタービンエンジン流れダクトと連通していて、ガスター
ビン１２及び圧縮機１５を収納した流体スペース１４を有している。タービン１
４及び圧縮機１５は、シャフト１６に据え付けられている。シャフト１６は、潤
滑室２２内に設けられた軸受１８，２０によって支承されている。潤滑室２２は
、ターボ形機械ケーシング２３内の密閉室として作られている。潤滑室２２は、
符号ＬＳで示されていて、軸受１８，２２を潤滑するのに用いられる潤滑スペー
スを有している。装置２４が、潤滑油を潤滑スペースＬＳ内に送り込む。これら
装置は、潤滑スペースＬＳ内の潤滑油ミストを軸受１８，２０に近接して発生さ
せるスプレーノズルであるのがよい。潤滑室２２は、軸受１８，２０からはねか
かった潤滑油を潤滑スペースＬＳから除去し又は取り出すドレン２６を有してい
る。ドレン２６を潤滑油タンク（図示せず）に連結して重力で潤滑油を除去する
のがよく、或いは、これを排油ポンプ（図示せず）に連結してもよく、この排油
ポンプは、潤滑油を除去し、これをポンプ送りして潤滑油タンクに戻す。潤滑油
の供給及び除去システムは、当業者には周知なのでここでは詳細には説明しない
。これらシステムは通常、従来型潤滑システムの潤滑室から出る潤滑油中に存在
する空気及びガスから潤滑油を分離する潤滑油／空気分離器を用いている。かか
る潤滑油／空気分離器は、本発明のターボ形機械の軸受用潤滑システムでは用い
られない。
【００１１】 バッファーケース２８が、流体スペース１２内に設けられており、このバッフ
ァーケースは、流体スペース１２によって包囲されている。バッファーケース２
８は、矢印Ａで示すように開口部３０を通って大気と連通した状態で潤滑室２２
を包囲している。潤滑室２２は、バッファーケース２８の内部又はバッファース
ペースＢＳ内に生じている圧力（これは、ほぼ大気圧に等しい）を受けることに
なることは理解されよう。潤滑室２２内の圧力が大気圧よりも高いことは決して
ないであろう。
【００１２】 バッファーケース２８は、接触シール３２，３４によってガスタービンエンジ
ン１０の流体スペース１２から分離されている。接触シール３２，３４により、
たとえ流体スペース内の流体圧力が大気圧より高い場合でも、流体スペース１２
からバッファースペースＢＳ内への漏れをほんの少量に抑えることができ、或い
は、これらシールにより、バッファースペースＢＳから流体スペース１２内への
空気又はガスの漏れをほんの少量に抑えることができる。いずれの場合において
も、バッファースペースＢＳ内の圧力は常時、大気圧に等しいであろう。潤滑室
２２の潤滑スペースＬＳは、シール３６，３８によってバッファーケース２８の
バッファースペースＢＳから分離されている。シール３６，３８は、油が潤滑ス
ペースＬＳからバッファースペースＢＳ内に漏れ込むのを防止するために設けら
れており、もし油がこの中に漏れ込むと、油はバッファースペースから大気中へ
逃げることになる。図１に示すように、接触シール３２，３６は全てブラシシー
ルとして作られている。ブラシシールは当該技術分野で知られている。一例を挙
げると、ブラシシールの構成は、米国特許第５，２０１，５３０号明細書に開示
されている。ブラシシール３２，３４により、流体スペース１２からバッファー
ケース２２のバッファースペースＢＳ内へのガスの漏れの量が僅かになる。漏れ
があってもこれは大気中に逃げることになり、したがって、ブラシシール３２，
３４を通る漏れの流れがあっても、バッファースペースＢＳ内の圧力はほぼ大気
圧であろう。
【００１３】 同一の部品が図１に示すのと同一の符号に１００を追加して示された本発明の
別の実施形態を示す図２において、潤滑システムの構成は図１に示すものと同一
である。
【００１４】 シャフト接触シール１３２，１３４が、図の左側の部分及び右側の部分に示さ
れているようにブラシシールとして作られている。潤滑室１２２の潤滑スペース
ＬＳをバッファーケース１２８のバッファースペースＢＳから分離するシャフト
シール１３６を、接触シールとして構成するのがよい（図２の左側の部分に示さ
れているように）。他方、潤滑室１２２の潤滑スペースＬＳをバッファーケース
１２８のバッファースペースＢＳから分離するシャフトシール１３８を、ラビリ
ンスシールとして構成するのがよいが（図２の左側の部分に示されているように
）、任意の他の形式のシールとして構成してもよい。これらの主要な機能は、潤
滑スペースＬＳからバッファースペースＢＳ内への潤滑油の流れを最小限に抑え
ることにある。
【００１５】 上記の説明から、本発明が、複雑な機械式装置及び制御システムを用いないで
、潤滑油がターボ形機械の流体スペース内又は大気中へ逃げるのを阻止すること
が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のターボ形機械の軸受用潤滑システムを示す概略断面図である。
【図２】 本発明のターボ形機械の軸受用潤滑システムの別の実施形態を示す断面図であ
り、密封方式の詳細を示している図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ１６Ｃ 33/76 Ｆ１６Ｃ 33/76 Ｚ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＴ，ＡＵ，Ｂ Ｒ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＧＢ，ＨＵ ，ＩＬ，ＩＮ，ＪＰ，ＫＲ，ＬＵ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＳＧ，ＴＲ，ＶＮ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 流体スペース及び軸受内に位置したシャフトを有するターボ
    形機械の軸受用潤滑システムにおいて、 前記軸受を包囲した潤滑スペースを備える潤滑室と、 潤滑油を前記潤滑スペースに供給する潤滑油供給手段と、 潤滑油を前記潤滑スペースから除去する潤滑油除去手段と、 前記流体スペース内に設けられていて、大気と連通したバッファースペースを
    有し、前記潤滑室を包囲しているバッファーケースと、 前記バッファーケースと前記流体スペースとの間に設けられたシャフト接触密
    封手段と、 前記バッファースペースと前記潤滑スペースとの間に設けられたシャフト密封
    手段と、 を有することを特徴とする軸受用潤滑システム。
  2. 【請求項２】 前記シャフト接触密封手段は、ブラシシールを備えているこ
    とを特徴とする請求項１記載の軸受用潤滑システム。
  3. 【請求項３】 前記シャフト密封手段は、接触シールを備えていることを特
    徴とする請求項１記載の軸受用潤滑システム。
  4. 【請求項４】 前記シャフト密封手段は、接触シールを備えていることを特
    徴とする請求項２記載の軸受用潤滑システム。
JP2001529559A 1999-10-12 2000-10-11 ターボ形機械の軸受用潤滑システム Pending JP2003511618A (ja)

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