JP2003511019A - Il13変異体 - Google Patents

Il13変異体

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JP2003511019A JP2001528448A JP2001528448A JP2003511019A JP 2003511019 A JP2003511019 A JP 2003511019A JP 2001528448 A JP2001528448 A JP 2001528448A JP 2001528448 A JP2001528448 A JP 2001528448A JP 2003511019 A JP2003511019 A JP 2003511019A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、制限された(IL4非依存性)IL13受容体に種々の特異性を示す変異体ヒトインターロイキン13分子を提供する。その変異体hIL13分子は、天然のhIL13のアルファ螺旋領域に存在するアミノ酸残基を種々のその他のアミノ酸残基と置換することによって作られたものを含む。いくつかの変異体は、IL13受容体と結合してIL13を通るシグナリングを生じさせる能力を保持するが、その他の変異体は保持しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 IL13変異体 関連発明の説明 本願は、1998年4月3日出願の米国出願番号第09/054,711号の
一部継続出願であり、1999年10月6日出願の米国仮出願第60/157,
934号に関連し、その仮出願の利益を主張する。
【0002】 連邦政府 本発明は、米国厚生省により認定されたCA741145号の下で連邦政府の
支援を受けて完成されたものである。本発明に対し、連邦政府が何らかの権利を
有する可能性がある。
【0003】 発明の背景 ヒトのインターロイキン13(hIL13)は、活性化したT細胞によって分
泌された114アミノ酸サイトカインである。ミンティら(1993)Nature,362:2
48-250、及びマッケンジーら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:3735-3739。
hIL13は、いくつかの異なる生理学的な反応の調節に関わっている。これら
の中で、hIL13は、炎症に関するサイトカインの生成を下方に調節すること
が明らかにされている。ミンティらsupra、及びド・ワール・マレフィら(1993
)J.Immunol.,151:6370-6381。それは、大多数の組織適合性クラスII分子及び単
球上のCD23の発現を上方に調節し、B細胞機能の種々の状況を調整すること
についても明らかにされている。ド・ワール・マレフィら(1993)Res.Immunol.
,144:629-633、マッケンジーら(1993)supra、及びド・ワール・マレフィら(1
993)J.Immunol.,151:6370-6381。免疫系の調節細胞に加えて、IL13は、他
の細胞のタイプとしてもふるまうことが明らかにされている。例えば、IL13
は、内皮細胞上の血管細胞接着分子−1(VCAM−1)の発現を調節すること
が明らかにされている。シロニら(1994)Blood,84:1913-1921、ボクナーら(19
95)J.Immunol.,154:799-803、及びシュナイダーら(1996)Blood,87:4286-4295
【0004】 その予測される二次構造に基づき、hIL13は、束ねられたアルファ螺旋状
のコア配置をすべてが示す成長ホルモンのようなサイトカインの成長ファミリー
に加えられている。バンボルーら(1994)Prot.Engin.,7:1077-1082。構造解析
は、hIL13が主に「束ねられたコア」に配置された4つのアルファ螺旋状の
領域(螺旋A、B、C及びD)から構成された球形の蛋白質であることを示した
。ミヤジマら(1992)Ann.Rev.Immunol.,10,295-331。
【0005】 第一級アミノ酸レベルでは異なるが、hIL13とヒトのインターロイキン4
(hIL4)は結合し、共有された受容体錯体を通じて信号を送る。ズロースキ
ら(1993)EMBO J./12:2663-2670、及びトニーら(1994)Eur.J.Biochem.,225:6
59-66。この共有された受容体は、p140と称される約140kDaの第一の
サブユニットと、α’またはIL13Rα1と称される約52kDaの第二のサ
ブユニットを含むヘテロ二量体である。イザーダら(1990)J.Exp.Med.,173:861
-873、オビリら(1995)J.Biol.Chem.,270:8797-8804、ヒルトンら(1996)Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,93:497-501、及びミローら(1997)FEBS Letters,401:163-
166。hIL4とは異なり、hIL13はα’の非存在下ではp140に結合し
ない。ヴィータら(1995)J.Biol.Chem.,270:3512-3517。共有受容体に加えて、
制限(IL4独立)受容体と称される別の受容体が存在する。共有受容体と対比
すると、後者の受容体はhIL13に結合するがhIL4に結合しない。制限受
容体はまた、高度なヒト神経膠腫を含む特定の悪性細胞に高レベルで優先的に発
現することから、時々、神経膠腫関連受容体とも呼ばれる。デビンスキら(1995
)Clin.Cancer Res.,1:1253-1258、及びデビンスキら(1996)J.Biol.Chem.,271
,22428-22433。悪性腫瘍に関連していることに加えて、hIL13はまた、他の
病理学の条件にも関連している。注目すべきは、IL13は、気道炎を調節する
経路に含まれることが示されており、このことは、このサイトカインが喘息や恐
らく他のアレルギー性病理学に重要な役割を果たす可能性があることを示唆して
いる。ウェッブら(2000)J.Immunol.165:108-113、及びジュカノビック,アー
ル(2000)Clin.Exp.Allergy 30 Suppl 1:46-50。
【0006】 本発明の要約 本発明は、hIL13のいくつかの変異体の開発と特徴付けに関する。これら
の変異体を使用して、自然なhIL13の3つの領域が共有受容体を通じて信号
を送るために必要とされているものとして同定された。これらの領域は、アルフ
ァ螺旋A、C及びDに局在し、通常は制限受容体への結合に含まれる領域から分
かれていた。hIL13アルファ螺旋Aの13と16の位置のグルタミン酸、螺
旋Cの66と69の位置のアルギニンとセリン、及び螺旋Dの109の位置のア
ルギニンは、これらの変異が機能的現象を減少及び/又は増加させたことから、
生物学的な情報伝達を促すことにおいて重要であることが発見された。
【0007】 本発明における変異体は、1つ以上のhIL13の天然のアミノ酸を、13、
16、17、66、69、99、102、104、105、106、107、1
08、109、112、113及び114の位置において、異なるアミノ酸で置
換したものを含む。これらの変異体は、ここではhIL13X1PX2と表現され
、ここでPはhIL13における変異したアミノ酸の位置に対応する番号であり、
1は置換されたアミノ酸の文字省略形であり、そしてX2は置換したアミノ酸の
文字省略形である。例えば、hIL13.E13Kは、天然のhIL13の13
の位置に自然に存在するグルタミン酸残基をリジン残基で置換した、hIL13
の変異形を表す。本発明における代表的な変異体にはhIL13.E13K、h
IL13.E13I、hIL13.E13C、hIL13.E13S、hIL1
3.E13R、hIL13.E13Y、hIL13.E13D、hIL13.E
16K、hIL13.E17K、hIL13.R66D、hIL13.S69D
、hIL13.D99K、hIL13.L102A、hIL13.L104A、
hIL13.K105D、hIL13.K106D、hIL13.L107A、
hIL13.F108Y、hIL13.R109D、hIL13.R112D、
hIL13.F113D、及びhIL13.N114Dが含まれる。
【0008】 また、本発明の構成には、天然のhIL13(SEQ ID NO:1)と少
なくとも90%の塩基配列が一致するアミノ酸塩基配列を有する変異体hIL1
3が含まれている。その変異体は、天然のhIL13のA、C、又はDアルファ
螺旋に対応する領域に変異を有する可能性がある。模範的な変異体は、SEQ
ID NO:2〜23のアミノ酸塩基配列を有するポリペプチドを持ったもので
ある。
【0009】 本発明におけるhIL13の変異体は、共有IL4/IL13受容体に特異的
に結合して制限(IL4独立)受容体に結合しないものであってもよく、制限(
IL4独立)受容体に特異的に結合して共有IL4/IL13受容体に結合しな
いものであってもよく、または両方の受容体に結合するものであってもよい。
【0010】 本発明のいくつかのhIL13変異体は、細胞の生理現象において観測可能な
変化を引き起こす方法で細胞と結合するhIL13受容体へ、特異的に結合する
。この変化は、天然のhIL13とIL13の特異的な結合によって引き起こさ
れるであろう細胞の生理現象の変化よりも大きくても小さくてもよい。
【0011】 本発明における構成は、hIL13変異体と、医薬的に条件を満たしたキャリ
アの両方を含んでもよい。
【0012】 本発明におけるhIL13変異体は、細胞毒素(例えば、シュードモナス外毒
素、PE38QQR、PE1E、PE4E、ヂフテリア毒素、リシン、アブリン
、サポリン、及びヤマゴボウウイルス性蛋白質)、検出可能な標識(例えば、放
射性核種)、抗体、リポソーム、又は脂質のような効果分子へ結合されてもよい
【0013】 別の側面では、本発明は変異体hIL13をコード化する精製核酸を含む。ま
た、本発明において、抗体は変異体hIL13と特異的に結合し、天然のhIL
13分子に結合しない。そして、別の側面において、本発明は、変異体hIL1
3を細胞へ届ける方法を特徴とする。その方法は、変異体hIL13と細胞を準
備するステップと、細胞を変異体hIL13と接触させるステップを含む。
【0014】 特に定義しない限り、ここで使用されるすべての技術用語は、本発明が属する
技術における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を
有する。分子生物学の用語の一般的に理解されている定義は、リーガーら著 遺
伝学:古典遺伝学及び分子遺伝学の用語解説 第5版 スプリンガー−ヴァーラ
グ:ニューヨーク 1991、及びレウィン著 遺伝子V オクスフォード大学出版
:ニューヨーク 1994 において見出すことができる。
【0015】 ここで用いられるような、「天然のhIL13」という言葉は、ヒトのインタ
ーロイキン13の天然型を意味し、そのアミノ酸塩基配列はここでSEQ ID
NO:1として示される。
【0016】 「hIL13変異体」又は「変異体hIL13分子」という言葉は、天然のh
IL13に対応するアミノ酸と1つ以上のアミノ酸が異なるhIL13を意味す
る。したがって、例えば、天然のhIL13が13の位置にグルタミン酸を有し
、変異体hIL13は13の位置にグルタミン酸以外のアミノ酸を有してもよい
(例えば、グルタミン酸はリシンで置換される)。本発明の変異体hIL13分
子が他の哺乳類(例えば、ネズミ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ヒトでない霊長目、ウ
シ、など)の変異IL13分子を含み、本発明はヒトの医学的状態と同様に獣医
学における変異IL13の使用を考慮していることが理解されるであろう。
【0017】 ここで用いられるような、「蛋白質」と「ポリペプチド」の言葉は、長さや転
写後修飾、例えば、グリコシル化やリン酸化反応に関係なく、アミノ酸の任意の
ペプチド結合した鎖を意味して同意語として用いられる。「精製した」ポリペプ
チドは、本質的に、ポリペプチドが生じる細胞、組織、または混合物(例えば、
不純物が30、40、50、60、70、80、90、100%ない)中の他の
ポリペプチドから分離又は単離されたものである。
【0018】 ここで用いられるような、「核酸」又は「核酸分子」は、RNA(リボ核酸)
とDNA(デオキシリボ核酸)のような2つ以上のヌクレオチドの鎖を意味する
。「精製」核酸分子は、本質的に、核酸が自然に生じる細胞や組織(例えば、不
純物が30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、
99、100%ない)中の他の核酸塩基配列から分離又は単離されたものである
。その言葉は、例えば、ベクター、プラスミド、ウイルス、又は原核生物や真核
生物のゲノムへ組込まれた組換え型核酸分子を含む。精製核酸分子の例としては
、cDNA、ゲノムの核酸の断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で生成した
核酸、ゲノムの核酸の制限酵素処理によって生成した核酸、組換え型核酸、及び
化学的に合成された核酸分子が含まれる。「組換え型」核酸分子は、例えば化学
合成や、遺伝子工学の技術で単離された核酸の断片の操作によって、2つの別に
分離された塩基配列の断片の人工合成により作り出されたものである。
【0019】 ここで用いられるような、「塩基配列の同一性」は、2つの塩基配列をサブユ
ニットのマッチングが最大になるように、すなわち隙間と挿入を考慮して並べた
ときの、2つの塩基配列の対応する位置における同一のサブユニットの百分率を
意味する。2つの塩基配列の両方のサブユニットの位置が同じ単量体サブユニッ
トで占められたとき、例えば、与えられた位置が2つのポリペプチド分子の双方
においてアラニンで占められた場合、その分子はその位置で同一である。例えば
、長さが10個のアミノ酸の塩基配列の7つの位置が第2の10個のアミノ酸塩
基配列の対応する位置と同一である場合、2つの塩基配列は70%の塩基配列の
同一性を有する。塩基配列の同一性は、一般的に、塩基配列分析ソフトウェア(
例えば、遺伝子コンピュータグループの塩基配列分析ソフトウェアパッケージ、
ウィスコンシン大学生物工学センター、WI 53705、マディソン、ユニバ
ーシティアヴェニュー 1710)を用いて測定される。
【0020】 「抗体」という言葉は、免疫グロブリンを意味し、完全な免疫グロブリンの酵
素的消化や分子生物学の技術によって作り出される免疫グロブリンのどの部分や
断片をも同様に意味する。その言葉は、抗血清のような免疫グロブリン(又はそ
の部分や断片)を含む混合物のことも言う。
【0021】 ここで用いられる、「特異結合」という言葉は、ポリペプチド(抗体を含む)
や受容体を参照した場合、蛋白質と他の生物学との異種の集団中の、蛋白質やポ
リペプチドや受容体の存在を検出可能な結合反応のことを言う。したがって、望
ましい条件(例えば、抗体の場合の免疫測定条件)の下では、特定のリガンドや
抗体がその特定の「標的」に結合し(例えば、IL13はIL13受容体に特異
的に結合する)、サンプル中に存在する他の蛋白質やリガンドや抗体が組織中で
接触する可能性のある他の蛋白質へ有効には結合しない。一般に、第二の分子に
「特異結合」する第一の分子は、その第二の分子に105(例えば、106、10 7 、108、109、1010、1011、そして1012以上)モル/リットルより大
きい結合親和力を有する。
【0022】 ポリペプチドの「変異」は、ポリペプチドの特定の位置のアミノ酸をその位置
の異なるアミノ酸に置換することを言う。したがって、例えば変異体hIL13
.E13Kは、IL13の13の位置の天然のアミノ酸(グルタミン酸、E)が
リジン(K)に置き換わったことを示す。いくつかのケースにおいて、変異は欠
失、付加、又は複数のポリペプチドのアミノ酸の置換であってもよい。変異は、
問題のアミノ酸の実際の欠失や置換を必要としない。蛋白質は、望まれる変異の
位置のアミノ酸の置換で新規に作り出すことができ、最終結果は問題のアミノ酸
の置換と同等である。
【0023】 ここで説明されたものと同様又は同等の方法や物は本発明の実施や試験に用い
ることができるが、適切な方法や物は以下で説明される。ここで言及されたすべ
ての出版物、特許出願、特許、及びその他の参照は、そのすべてが参照として組
み込まれている。抵触する場合は、定義を含む現在の明細書は規制される。加え
て、以下で議論される特定の実施例だけが説明されるが、これに限定されること
を意図したものではない。
【0024】 発明の詳細な説明 本発明は、hIL13変異体に関連した構成と方法を含む。後述される好適な
実施例は、これらの構成と方法の適応を説明する。それでもなお、これら実施例
の説明から、本発明の他の特徴は、下記の説明に基づき構成及び/又は実行可能
である。
【0025】 生物学的方法 従来の分子生物学の技術を含む方法がここで説明される。その技術は、一般に
技術的に知られ、分子クローニング:実験マニュアル、第2版、第1〜3巻、編
集者サムブルックら、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、ニュー
ヨーク コールドハーバー、1989;及び最新の分子生物学のプロトコル、編集者
オースベルら、グリーンパブリッシングとウィレイ−インターサイエンス、ニュ
ーヨーク、1992(定期更新)のような、方法論全書に詳細に説明されている。ポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた種々の技術が、例えば、イニスら、PC
Rプロトコル:方法と応用へのガイド、アカデミックプレス:サンディエゴ、19
90に説明されている。PCR−プライマーの組み合わせは、その目的を意図した
コンピュータプログラム(例えば、プライマー、バージョン0.5、1991、ホワ
イトヘッド生医学研究所、マサチューセッツ、ケンブリッジ)を用いたような既
知の技術による既知の手順から得ることができる。本発明で特定のポリヌクレオ
チドの塩基配列を同定し増幅するために用いられる逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖
反応(RT−PCR)法は、エリックらIn Vivo,14:172-182,2000で説明される
ように実行された。核酸の化学合成法は、例えば、ビューケージとキャルサーズ
Tetra.Letts.22:1859-1962,1981、及びマツーチらJ.Am.Chem.Soc.103:3185,1981
に説明されている。核酸の化学合成は、例えば、市販の自動オリゴヌクレオチド
合成機で行うことができる。免疫学的な方法(例えば、抗原特異の抗体の合成、
免疫沈降、及び免疫ブロット)が、例えば、免疫学の最新のプロトコル、編集者
コリガンら、ジョンウィレイ・アンド・ソンズ、ニューヨーク、1991;及び免疫
学的分析の方法、編集者マセイエフら、ジョンウィレイ・アンド・ソンズ、ニュ
ーヨーク、1992に説明されている。
【0026】 変異体hIL13分子 本発明の変異体hIL13分子は、天然のhIL13(SEQ NO:1)の
アミノ酸配列に基づいている。本発明のhIL13は、天然のhIL13と1つ
以上のアミノ酸が異なっている。例えば、本発明のhIL13変異体は、90%
以上(例えば、91、92、93、94、95、96、97、98、及び99%
)の天然のhIL13と同一の塩基配列を有することができる。本発明のhIL
13変異体の例は、SEQ NO:2〜23のアミノ酸配列を有するものである
。これらの変異体は、それぞれ、天然のhIL13のA(SEQ ID NO:
1の断片9〜25)、C(SEQ ID NO:1の断片59〜71)、D(S
EQ ID NO:1の断片97〜113)アルファ螺旋のどれかにそれぞれ対
応する領域で変異を有している。これらのそれぞれは、天然のhIL13で生じ
る1つのアミノ酸残基の置換を特徴としている。本発明の他のhIL13変異体
は、そのようなアミノ酸を2つ以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、1
0以上)を有するものであり、欠失(例えば、切断)と付加(すなわち、天然の
hIL13配列に付加アミノ酸が加わったもの)も同様である。
【0027】 hIL13の変異体は、この分野でよく知られた適合する多数の技術で作成す
ることができる。例えば、サムブルックらsupra;及びオースベルらsupraを参照
。例えば、hIL13の既知のアミノ酸配列(すなわち、SEQ ID NO:
1)で開始して、熟練した職人は、例えば、自動化された市販のポリペプチド合
成機を用いて種々の変異体hIL13分子を化学合成できる。ポリペプチドの固
相合成の技術はよく知られている。例えば、バラニとメリフィールド、固相ペプ
チド合成;ペプチド:分析、合成、生物学 第2巻:ペプチド合成の特別な方法
、パートAのpp.3-284、メリフィールドらJ.Am.Chem.Soc.,85:2149-2156(1963)
、及びスチュワートら、固相ペプチド合成、第2版、ピアスケムカンパニー、ロ
ックフォード、イリノイ(1984)を参照。この技術を用いて、hIL13変異体
は単独のポリペプチドとして合成できる。その代わりに、変異体hIL13分子
の短いオリゴペプチドの複数の部分を最初に合成し、あるオリゴペプチド部分の
アミノ基を別のオリゴペプチド部分のカルボキシル基と縮合してペプチド結合を
形成することによって、一緒に融合して完全長の変異体を形成することができる
。その融合物は、つぎに標準的な蛋白質化学の技術によって精製することができ
る。
【0028】 hIL13の変異体はまた、hIL13コード化核酸(下記参照)の組換え発
現を通して生成可能であり、ここでその核酸は、無秩序又は部位特異的な方法で
、コード化されたポリペプチド中のアミノ酸のいくつか又はすべてを変化(置換
)、付加、又は失欠するように修飾される。部位特異的な変異を、科学及び特許
文献でよく説明される多くの従来技術によって、IL13コード化核酸へ導入す
ることが可能である。図式的な例は、重複伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE−P
CR)による特定部位の突然変異誘発を含み、アーバン(1997)Nucleic Acids
Res.25:2227-2228、ケ(1997)Nucleic Acids Res.25:3371-3372、及びチャット
パドヤイ(1997)Biotechniques 22:1054-1056は、PCRに基づく特定部位の突
然変異誘発「メガプライマー」法を説明し、ボーンサック(1997)Mol.Biotechn
ol.7:181-188、アイレンバーグ(1997)Biotechniques 22:624-626は、制限酵素
を用いないPCRに基づくねじれ型の再アニーリング法を用いた特定部位の突然
変異誘発を説明し、ニコラス(1997)Biotechniques 22:430-434は、長いプライ
マーに独特の部位脱離及びエキソヌクレアーゼIIIを用いた特定部位の突然変異
誘発を説明している。独特の部位脱離突然変異誘発もまた使用可能である(例え
ば、ダンら(1992)Anal.Biochem.,200:81を参照)。IFN−ベータとIL−2
のような生物学的に活性な蛋白質の変異体の生成は、米国特許第4,853,332号に
詳細に説明されており、hIL13の変異は下記の実施例1で説明される。
【0029】 他のhIL13変異体は、既知の化学修飾法にしたがって、天然のhIL13
を化学的に修飾することによって合成可能である。例えば、ベロウソフ(1997)
Nucleic Acids Res.25:3440-3444、フレンケル(1995)Free Radic.Biol.Med.19
:373-380、ブロマーズ(1994)Biochemistry 33:7886-7896を参照。同様に、化
学合成や上述のような核酸の発現によって作り出されたhIL13変異体を化学
的に修飾して付加hIL13変異体を作り上げることができる。
【0030】 hIL13変異体の特徴付け hIL13の変異体は、天然のhIL13とは異なる特徴を有する。例えば、
天然のhIL13は、共有受容体と制限受容体の両方に結合する機能的特徴を有
する。天然のhIL13はまた、細胞表面上に発現された結合性の共有受容体を
通して膜貫通の信号を誘起する特徴を有する。このような信号伝達は、細胞の生
理学において測定可能な変化を招くことができる。変化は、第2のメッセンジャ
ーの生成、例えば、細胞内[Ca2+]の増加、蛋白質のキナーゼ及び/又はホス
ホリラーゼの活性化、基質のリン酸化反応の変化、転写の信号トランスデューサ
とアクチベータの変化などである可能性がある。それらはまた、例えば、転写や
翻訳の増加や減少から、細胞プロテオームにおける変化である可能性がある。或
いは、それらは、細胞の機能的又は形質的特徴における変化である可能性がある
。一例を挙げると、天然のhIL13をTF−1細胞へ付加すると、それらの増
殖率が増加させることができる。別の例として、天然のhIL13の付加により
、HUVECによるVCAM−1の発現を増加できる。
【0031】 与えられた変異体hIL13分子の特徴は、それゆえ、共有受容体及び/又は
制限受容体に結合するその分子の能力を調べることによって検定することができ
る。同様に、膜貫通信号伝達を誘起する変異分子の能力は、IL13受容体を発
現する細胞が変異体分子に接触すると細胞の生理機能に変化が生じるかどうかを
調べることによって検定することができる。これらの方法によって、hIL13
変異体は、共有受容体及び/又は制限受容体に結合するものとして特徴付け、1
つの受容体にのみ結合するものとして特徴付け、及びどちらの受容体にも結合し
ないものとして特徴付けることができる。変異体hIL13分子の親和力を定量
化することによって、天然のhIL13よりも親和力が小さいか、ほぼ同等、又
は大きいものとしてそれを特徴付けることができる。またhIL13の変異体は
、膜貫通信号及び/又は細胞の機能的変化又は形質的変化を生じさせる能力の有
無で特徴付けることができる。また変異体hIL13によって生じる変化は定量
化され、さらに、天然のhIL13によって生じる変化よりもそのような変化が
少ない(規模が小さい)か、ほぼ同等か、又は多い(規模が大きい)ものとして
その分子を特徴付けることができる。細胞の生理機能に測定可能な変化を引き起
こす方法で細胞と結合したhIL13受容体へ特異的に結合するhIL13変異
体の一例としては、TF−1細胞のようなIL13受容体を発現する細胞株の増
殖率を調節するものがある。拮抗的なhIL13変異体は、天然のhIL13に
よって誘起されるものと比較して、細胞株の増殖率を減少させるものであり、作
用薬のhIL13変異体は、天然のhIL13によって誘起されるのとほぼ同等
(例えば、50〜150%又は75〜125%)の細胞株の増殖率を誘起するも
のであり、超作用薬のhIL13変異体は、天然のhIL13によって誘起され
るものと比較して、細胞株の増殖率を増加させるものである。下記の実施例を参
照。
【0032】 変異体hIL13のキメラ分子と効果分子 本発明はまた、効果分子に結合した変異体hIL13分子を含むキメラ分子を
提供する。効果分子は、hIL13変異体へ結合し、特定の機能を発揮すること
ができるどのような分子であってもよい。効果分子の例として、細胞毒素、薬物
、検出可能な標識、ターゲッティングリガンド、送達媒体が含まれる。
【0033】 1つ以上の細胞毒素と結合する変異体hIL13は、変異体が結合する受容体
を発現する細胞を殺すために用いることができる。本発明で用いられる細胞毒素
は、hIL13やhIL13変異体へ結合することのできるすべての細胞毒剤(
すなわち、細胞に接触した後にその細胞を殺すことのできる分子)であることが
可能である。細胞毒素の例として、これに限定しないが、放射性核種(例えば、 35 S、14C、32P、125I、131I、90Y、89Zr、201Tl、186Re、188Re
57Cu、213Bi、211Atなど)、結合した放射性核種、及び化学療法剤が含
まれる。さらに細胞毒素の例として、これに限定しないが、代謝拮抗剤(例えば
、5−フロウロウリシル(5-flourouricil)(5−FU)、メトトレキサート(
MTX)、フルダラビン(fludarabine)など)、抗微小管毒剤(例えば、ビン
クリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、タキサン(パクリタキセル、ドセタ
キシル)など)、アルキル化剤(例えば、シクロファスファミド(cyclophaspha
mide)、メルファラン、ビスクロロエチルニトロスレア(bischloroethylnitros
urea)(BCNU)など)、白金剤(例えば、シスプラチン(cDDPとも称さ
れる)、カルボプラチン、オクサリプラチン(oxaliplatin)、JM−216、
CI−973など)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノル
ビシンなど)、抗生剤(例えば、マイトマイシン−C)、トポイソメラーゼ阻害
薬(例えば、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、カンプトセシン)、或い
はこの他の細胞毒剤である、リシン、ヂフテリア毒素(DT)、シュードモナス
外毒素(PE)A、PE40、アブリン、サポリン(saporin)、ヤマゴボウウ
イルス性蛋白質、臭化エチジウム、グルココルチコイド、その他が含まれる。例
えば、米国特許第5,932,188号を参照。PE38QQR(米国特許第5
、614、191号参照)、PE1EとPE4E(例えば、チャウダリーら(19
95)J.Biol.Chem.,265:16306を参照)、及びDT388とDT398(チャウ
ダリーら(1991)Bioch.Biophys.Res.Comm.,180:545-551)を含むPEとDTの
有用な変異体も用いることができる。
【0034】 1つ以上の検出可能な標識に結合した変異体hIL13分子は、変異体が結合
する受容体の存在を検出するため、例えば、診断上の検査(例えば、IL13受
容体を過剰発現する分断された腫瘍細胞の検出に)及び/又は腫瘍細胞の生体内
の局在に用いることができる。本発明に用いる検出可能な標識は、hIL13や
hIL13変異体に結合可能で検出可能などのような基質であってもよい。好適
な標識は、例えば、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学
的或いは化学的な手段によって検出されるものである。本発明の有用な検出可能
な標識には、ビオチンやスプレプトアビジン、磁性ビーズ(例えば、ダイナビー
ズ(Dynabeads)(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオ
シアン酸塩、テキサスレッド、ロードアミン、緑色蛍光蛋白質、など)、放射性
標識(例えば、3H、125I、35S、14C、32P、111In、97Ru、67Ga、68
Ga、又は72As)、放射線画像処理用の金属のような放射線に不透明な物質、
磁気共鳴画像処理用の常磁性剤、酵素(例えば、ホースラディシュペルオキシダ
ーゼ、アルカリホスファターゼ及び一般的にELISAで用いられるもの)、及
びコロイド状の金や着色したガラスやプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ラテックス、など)のビーズのような比色分析標識が含まれる。
【0035】 そうのような標識を検出する方法は、当業者によく知られている。したがって
、例えば、放射性標識は写真フィルムやシンチレーションカウンタを用いて検出
される可能性があり、蛍光マーカーは放射された照度を検出する光検知器を用い
て検出される可能性がある。酵素的な標識は、通常、基質と共に酵素を供給し、
基質上の酵素の作用によって生成された反応生成物を検出することによって検出
され、比色分析標識は、着色された標識を単に可視化することで検出される、等
々。
【0036】 1つ以上のターゲッティングリガンドに結合する変異体hIL13分子(すな
わち、特定の受容体を結合することのできる分子)は、変異体と、特定の受容体
やその受容体を発現する細胞との結合を媒介するために用いることができる。h
IL13やhIL13変異体に結合可能なターゲッティングリガンドであれば、
どれでも用いることができる。そのようなダーゲッティングリガンドの例として
は、抗体(又は、抗体の抗原結合部位)、及びカモカイン、増殖因子、溶解性サ
イトカイン受容体(例えば、膜貫通領域を欠いているもの)、超抗原、又は特定
の受容体に結合するその他の分子が含まれる。これらの分子は多数知られており
、例えば、IL−2、IL−4、IL−6、IL−7、腫瘍壊死因子(TNF)
、抗Tac、TGF−アルファ、SEA、SEB、など。代表例として、hIL
13変異体は、可溶型のhIL13受容体と結合することができる。この結合は
、例えば、細胞上の内生的なhIL13受容体に拮抗するため、及び細胞の近傍
に存在するすべてのhIL13を中和するための両方に用いることができるだろ
う。
【0037】 1つ以上の核酸に結合した変異体hIL13分子は、その核酸のターゲット細
胞(例えば、変異体が結合する受容体を発現するもの)への送達を特異的に攻撃
するために用いることができる。hIL13やhIL13変異体と結合できるす
べての核酸を用いることができる。その核酸は、変異体hIL13に直接付着、
リンカー経由で付着、変異IL13分子へ付着する別の一部分(例えば、脂質、
リポソーム、ウイルス性被膜、など)と複合体を形成したり、それらの中に包ま
れたりしてもよい。その核酸は、いくつもの効果器機能を提供することができる
。例えば、1つ以上の蛋白質をコード化する核酸は、特定の酵素活性、基質、エ
ピトープをターゲット細胞へ送達するために用いることができる。核酸の発現(
転写や翻訳)が望まれるこれらやその他に応用するために、その核酸は好ましく
は、細胞内でその核酸を発現するのに必要なすべての規定された塩基配列を含む
発現カセットの構成要素である。好適な発現カセットは、一般にプロモーター開
始コドン及び終止コドンであり、ターゲット細胞内の発現を最適化するために選
択される。好適な発現カセットを作り上げる方法は、当業者によく知られている
。例えば、サムブルックら、supraを参照。
【0038】 1つ以上の薬剤に結合する変異体hIL13分子は、その変異体が結合する受
容体を発現する細胞へその薬剤を送達するために用いることができる。hIL1
3やhIL13変異体と結合できるすべての薬剤を用いることができる。その薬
剤の例として、種々の癌治療に敏感なターゲット(例えば、腫瘍)細胞を提供す
る感作剤が含まれる。その感作剤は、(ターゲット細胞での発現を誘発する適切
な発現カセットのプロモーターの制御下にある)小さな分子や遺伝子であっても
よい。例えば、増殖細胞中の単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ
(TK)遺伝子の発現がデオキシヌクレオシドアナログ、ガンシクロビルに敏感
な細胞を与えることが提唱されている。ムールテンら(1986)Cancer Res.46:52
76-5281、ムールテンら(1990)Hum.Gene Ther. 1:125-134、ムールテンら(199
0)J.Natl.Cancer Inst.82:297-300、ショートら(1990)J.Neurosci.Res.27:42
7-433、エゼディンら(1991)New Biol.3:608-614、ボヴィアツィスら(1994)H
um.Gene Ther.5:183-191。HSV−TKは、ガンシクロビルのリン酸化反応を仲
介するとともに、細胞サイクルのDNA複製(S−相)中にDNA鎖へ組み込ま
れ、連鎖停止と細胞の死滅を導く。エリオン(1983)Antimicr.Chemother.12,su
p.B:9-17。薬剤条件的な「死滅」機能を有する遺伝子の第2の例は、バクテリア
のシトシン脱アミノ酵素遺伝子であり、比較的非毒性の5−フルオロウラシル前
駆5−フルオロシトシンに化学感受性を与える。ミュレンら(1992)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 89:33-37、フーバーら(1993)Cancer Res.53:4619-4626、ミュレ
ンら(1994)Cancer Res.54:1503-1506。さらに別の薬剤条件的な「死滅」機能
を有する遺伝子の例は、チトクロムP450遺伝子である。この遺伝子の発現は
、化学療法の薬剤、特にシクロホスファミドやイフォスファミド(ifosphamide
)に敏感な腫瘍細胞を与える。米国特許第5,688,773号を参照。使用さ
れる薬剤は、遺伝子である必要はない。例えば、米国特許第4,282,233
号で開示されている感受性のある腫瘍細胞の複数の薬物耐性を処理することので
きる成分の1つであってもよい。その他の薬剤も使用可能である。例えば、ドキ
ソルビシン、ビンブラスチン、ゲニステイン、及びその他の上述のような化学療
法薬は、変異体hIL13分子へ結合可能である。
【0039】 1つ以上の送達媒体へ結合する変異体hIL13分子もまた、本発明に属する
。その結合は、薬剤のようなその他の基質を、その変異体が結合する受容体を発
現する細胞へ送達するために用いることができる。hIL13やhIL13変異
体に結合可能な送達媒体であれば、どれでも用いることができる。その送達媒体
の例としては、リポソームと脂質(例えば、ミセル)が含まれる。薬剤を封入し
たリポソームや、薬剤を含むミセルもまた使用可能である。蛋白質へ付着したリ
ポソームの調製法は、当業者によく知られている。例えば、米国特許第4,95
7,735号、及びコナーらPharm.Ther.,28:341-365(1985)を参照。
【0040】 効果分子は、2つの分子を一緒に結合させるための、この分野で既知のあらゆ
る方法によって、変異体hIL13へ結合(例えば、共有結合)可能である。例
えば、変異体hIL13は、直接又はリンカー(スペーサー)を用いて効果分子
と化学的に誘導体化されることが可能である。この結合を仲介するためのいくつ
かの方法と試薬(例えば、クロスリンカー)が知られている。例えば、ピアスケ
ミカルカンパニーのカタログ、及び、ミーンズとフィーニー、蛋白質の化学修飾
、ホールデンデイインク、サンフランシスコ、CA 1971を参照。例えば、
欧州特許出願第188、256号、米国特許第4,671,958号、4,65
9,839号、4,414,148号、4,699,784号、4,680,3
38号、4,569,789号及び4,589,071号、及びボーリンガウス
らCancer Res.47:4071-4075(1987)には、放射性核種金属キレート、毒素、及
び蛋白質への薬剤(例えば、抗体への薬剤)を含む種々の成分を付着させるため
の種々の方法とリンカー分子が説明されている。特に、種々の免疫毒素の生成法
は本技術の範囲内ではよく知られており、例えば、「モノクロナール抗体−毒素
の結合:特効薬を目指して」、トルペら、臨床医学におけるモノクロナール抗体
、アカデミックプレス、168〜190ページ(1982)、ウォルドマン(1991)
Science,252:1657、及び米国特許第4,545,985号及び4,894,44
3号で見つけることができる。
【0041】 効果分子がポリペプチドである場合、hIL13変異体とその効果分子を含む
キメラ分子は、融合タンパク質である可能性がある。融合蛋白質は、フレーム内
の2つの遺伝子を1つの核酸へ加え、つぎに融合蛋白質が生成される条件下で適
切な宿主細胞内で核酸を発現する、分子生物学における従来の技術を用いて調製
することができる。
【0042】 変異体hIL13は、種々の配向性の1つ以上の効果分子と結合されてもよい
。例えば、効果分子は、変異体hIL13のアミノ末端又はカルボキシ末端へ加
えられてもよい。変異体hIL13分子はまた、効果分子の中間領域に加えられ
てもよく、逆に、効果分子が変異IL13分子の中間部に加えられてもよい。
【0043】 ある状況では、キメラ分子がそのターゲット部位に到達したとき、変異体hI
L13から効果分子を遊離させるのが望ましい。したがって、ターゲット部位の
近傍において切断可能な結合を備えたキメラ結合を、その効果器がそのターゲッ
ト部位で遊離されるべきである場合に用いてもよい。変異IL13分子から効果
分子を遊離させるための結合の切断は、酵素活性又は結合がターゲット細胞の内
側又はターゲット部位の近傍に置かれた状況によって促されてもよい。ターゲッ
ト部位が腫瘍である場合、腫瘍部位で呈される条件下(例えば、腫瘍に結合する
酵素や酸性のpHに曝された場合)で切断可能なリンカーを用いてもよい。多数
の異なる切断可能なリンカーが、当業者に知られている。例えば、米国特許第4
,618,492号、4,618,492号、及び4,625,014号を参照
。これらリンカーのグループから試薬を遊離するメカニズムには、例えば、感光
性結合の照射法と酸触媒加水分解が含まれる。米国特許第4,671,958に
は、例えば、患者の補体系の蛋白分解性の酵素によって生体内でターゲット部位
で切断されるリンカーを備えた免疫複合体の説明が含まれている。種々の放射線
診断化合物、放射線治療化合物、薬剤、毒素、及びその他の抗体に対する試薬を
付着するために報告されている多数の方法を考慮して、当業者は与えられた効果
分子を変異体hIL13分子へ付着させるための好適な方法を決定することがで
きるであろう。
【0044】 変異体hIL13分子をコード化する核酸及び核酸を用いて変異体hIL13 分子を作る方法 本発明はまた、変異体hIL13分子と、上述の融合蛋白質をコード化する精
製された核酸を提供する。既知の蛋白質の塩基配列から始めて、変異体hIL1
3分子や融合蛋白質をコード化するDNAは、例えば、適切な塩基配列のクロー
ニングや制限、或いはナラングら(1979)Mrth.Enzymol.68:90-99のリン酸トリ
エステル法、ブラウンら(1979)Meth.Enzymol.68:109-151のリン酸ジエステル
法、ビューケージら(1981)Tetra.Lett.,22:1859-1862のジエチルホスフォーア
ミダイト(diethylphosphoramidite)法、及び米国特許第4,458,066号
の固体支持法などの方法によって直接化学合成すること、を含む適当な方法で調
製してもよい。遺伝子コードの縮退のために、多くの異なった核酸が変異体hI
L13分子と融合蛋白質をコード化するだろう。これらはそれぞれ本発明の範囲
に含まれる。
【0045】 化学合成は、単一ストランドオリゴヌクレオチドを生成する。これは、補完的
な塩基配列とのハイブリダイゼーションや、テンプレートとして単一ストランド
を用いたDNAポリメラーゼとの重合によって、二本鎖のDNAへ変換されても
よい。長いDNA塩基配列は、短い塩基配列の連結反応によって得られる。その
代わりに、部分塩基配列が複製され、適切な部分塩基配列は適切な制限酵素を用
いて分割されてもよい。そして、その断片は望ましいDNA塩基配列を生成する
ためにくくられてもよい。
【0046】 変異体hIL13分子や融合蛋白質をコード化するDNAは、ポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)のようなDNA増幅法を用いて複製されてもよい。したがって
、好適な実施例において、hIL13用の遺伝子は、1つ以上の変異を誘起する
プライマーを用いて、PCR増幅される。そのプライマーは、好ましくは、制限
部位、例えば、NdeIの制限部位を含むセンスプライマー、及びHindIII
の制限部位を含むアンチセンスプライマー、を含む。ある実施例において、プラ
イマーは、マッケンジーら(1987)supraで説明されているように、19の位置
で開始する核酸を増幅するために選択された。これは、天然IL13塩基配列(
又は変異体hIL13分子)をコード化し、末端制限部位を有する核酸を生成す
る。
【0047】 融合蛋白質をコード化するDNAを作製するために、効果分子をコード化する
DNAを利用可能な出所から得ることができる。例えば、デビンスキらInt.J.Ca
ncer,58:744-748(1994)、及びデビンスキら(1994)Clin.Cancer Res.1:1015-
1022にそれぞれ説明されているように、PE38QQR断片は、プラスミドpW
DMH4−38QQRやプラスミドpSGC242FdNlから切り取ってもよ
い。変異体hIL13分子とシュードモナス外毒素(例えば、PE38QQR)
の塩基配列の連結反応、及びベクターへの挿入は、シュードモナス外毒素の末端
へ加入された(例えば、PE38QQR、PE1E、又はPE4E(253の位
置)のアミノ末端へ加入された)変異IL13をコード化するベクターを生成す
る。好適な実施例において、その2つの分子は直接加入する。一方、介在ペプチ
ドリンカー(例えば、制限部位によって導入されたグルタミン酸、アラニン、及
びフェニルアラニンからなる3つのアミノ酸ジャンクション)が存在してもよい
【0048】 2つの分子は好ましくは本質的に直接一緒に加入される一方、ある技術は、分
子が1つ以上のアミノ酸で構成されるペプチドスペーサーによって分離されてい
てもよいことを理解するだろう。一般に、スペーサーは、蛋白質へ加入したり、
それらの間のいくらかの最小距離やその他の空間的関係を維持するほかは、特定
の生物学的な活性をもたないであろう。しかしながら、そのスペーサーの構成ア
ミノ酸は、溶解性、重畳性、正味の電荷、又は疎水性などのいくつかの分子の性
質に影響を及ぼすように選ばれてもよい。
【0049】 変異体hIL13分子や融合蛋白質をコード化するDNAは、E.coli、
その他のバクテリアの宿主、酵母、並びにCOS、CHOとHeLa細胞系列、
及び骨髄腫細胞系列のような種々の高度な真核細胞を含む、種々の宿主細胞で発
現されてもよい。組換え蛋白遺伝子は、各宿主に発現制御塩基配列を割り当てる
ために実施可能に連結されてもよい。E.coilのために、これはT7、tr
p、やラムダプロモーターのようなプロモーター、リボソーム結合部位、及び好
ましくは転写終結シグナルを含む。真核細胞のために、その制御塩基配列は、プ
ロモーターと、好ましくは免疫グロブリン遺伝子、SV40、サイトメガロウイ
ルス、などから誘導されたエンハンサー、及びポリアデニル化塩基配列を含み、
スプライス供与体と受容体の塩基配列を含んでもよい。
【0050】 上記のように作られた本発明のプラスミドベクターは、塩化カルシウム法やヒ
ートショック法、E.coliへの形質転換及びリン酸カルシウム法又は哺乳類
細胞へのエレクトロポレーションのようなよく知られた方法によって、選択され
た宿主細胞へ移される。プラスミドによって形質転換された細胞は、amp、g
pt、neo及びhyg遺伝子のようなプラスミドに含まれる遺伝子によって与
えられる抗生物質に対する抵抗力によって選択される。
【0051】 組換え変異体hIL13分子や融合蛋白質は、一度発現すると、硫酸アンモニ
ウム析出反応、アフィニティカラム、カラムクロマトグラフィ、ゲル電気泳動法
などを含む、この分野の標準的な方法によって精製可能である。一般的には、ア
ール.スコープス、蛋白質の精製、スプリンガー−ヴァーラグ、ニューヨーク(
1982)、及びドイチャー、酵素学の方法第182巻:蛋白質精製の手引き、アカ
デミックプレスインク、ニューヨーク(1990)を参照。少なくとも約90から9
5%が同質の大体純粋な組成が好ましく、98から99%以上の同質性が医薬と
しての使用には最も好ましい。一度、部分的、又は望まれる同質性にまで精製さ
れ、そして、ポリペプチドを治療に用いてもよい。
【0052】 化学合成、生物学的発現、又は精製の後、変異体hIL13分子や融合蛋白質
は、構成ポリペプチドの天然構造とは本質的に異なった構造を有するだろう。こ
の場合、ポリペプチドを変性、分解し、つぎにそのポリペプチドを好ましい構造
へ再重畳する必要がある。蛋白質を分解、変性し、再重畳を誘起する方法は、当
業者によく知られている。デビンスキら(1993)J.Biol.Chem.,268:14065-14070
、クライトマンとパスタン(1993)bioconjug.Chem.,4:581-585、及びブフナー
ら(1992)Anal.Biochem.,205:263-270を参照。
【0053】 生物学的活性を減少させることなく、IL13受容体のターゲットにされた融
合蛋白質へ修飾を施すことができる。いくつかの修飾は、クローニング、発現、
又はターゲッティング分子を融合蛋白質へ加入することを促進させるかもしれな
い。そのような修飾は、当業者によく知られており、例えば、アミノ末端へ付加
されたメチオニンは開始部位を与え、またはどちらかの末端へ置かれた付加アミ
ノ酸は都合よく位置する制限部位や終結コドンを作り出す。
【0054】 抗体 hIL13の変異体(または免疫原性フラグメント又はそのアナログ)は、抗
体を本発明において有用にすることができる。そのポリペプチドは、上記の組換
えや合成の技術によって作ることができる。一般に、hIL13変異体は、オウ
スベルらsupraで説明されているように、アジュバントと混合され宿主哺乳類へ
注入されるKLHのようなキャリア蛋白質へ結合されることができる。その動物
で作られた抗体は、つぎにペプチド抗原アフィニティクロマトグラフィによって
精製される。特に、多様な宿主動物へhIL13変異体又はその抗原性フラグメ
ントを注入することによって、免疫性を付加可能である。通常使用される宿主動
物には、ウサギ、ネズミ、ギニーピッグが含まれる。免疫学的な反応を増加させ
るために用いることのできる種々のアジュバントは宿主の種類に依存し、そのア
ジュバンドにはフロインドアジュバント(完全及び不完全)、水酸化アルミニウ
ムのような無機化合物ゲル、及び、リゾレシチン、深成ポリオール、ポリアニオ
ン、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシニアン、及びジニ
トロフェノールのような界面活性剤が含まれる。その他の潜在的に有用なアジュ
バントには、BCG(カルメット−ゲラン杆菌)及びコリネバクテリアパルヴム
が含まれる。
【0055】 ポリクロナール抗体は、免疫性を付加された動物の血清中に含まれる抗体分子
の均質な集団である。本発明の範囲にある抗体には、したがって、ポリクロナー
ル抗体及び、さらに、モノクロナール抗体、単一鎖抗体、Fabフラグメント、
F(ab’)2フラグメント、及びFab発現ライブラリを用いて作られた分子
が含まれる。モノクロナール抗体は、特定の抗原に対する抗体の均質な集団であ
るが、上記のhIL13の変異体と標準的なハイブリドーマ技術を用いて調製す
ることができる(例えば、コーラーらNature 256:495,1975、コーラーらEur.J.I
mmunol.6:511,1976、ハンマーリングら「モノクロナール抗体とT細胞ハイブリ
ドーマ」エルスビア、ニューヨーク、1981、オースベルらsupraを参照)。特に
、モノクロナール抗体は、コーラーらNature 256:495,1975、米国特許第4,3
76,110号、ヒトB細胞のハイブリドーマ技術(コスボーら、Immunology T
oday 4:72,1983、コールらProc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026,1983)、及びEB
Vハイブリドーマ技術(コールら「モノクロナール抗体と癌治療」アラン アー
ル.リス、インク.77〜96ページ,1983)で説明されているような、培養中
の連続的な細胞系列によって抗体分子の生成を与えるどのような技術によっても
得ることができる。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、Ig
Dとそのすべてのサブクラスを含む、すべての免疫グロブリンのクラスのもので
あってもよい。本発明のmAbを生成するハイブリドーマは、生体内や生体外で
培養されてもよい。生体内で高力価のmAbを生成する能力によって、これは特
に有用な生成法になっている。
【0056】 ポリクロナール又はモノクロナール抗体は、生成されると、例えば、オースベ
ルらsupraで説明されているような標準的な方法による、ウエスタンブロット法
や免疫沈降分析によって変異体の特異認識性の試験にかけられる。特異認識をし
、hIL13変異体に結合する抗体は、本発明で有用である。例えば、そのよう
な抗体は、細胞と結合しているhIL13変異体の量を監視し、または特定の変
異体と受容体の結合をブロックするために用いられる。
【0057】 本発明の抗体は、荷電残基の高周波のような基準によって、高度に保存された
領域の外側にあって、抗原性であるように見えるhIL13変異体のフラグメン
トを用いて生成可能である。交差反応性を有する抗hIL13変異体抗体は、こ
の種の蛋白質を構成するものの中で保存されたhIL13変異体のフラグメント
を用いて生成される。ある特定の例として、そのようなフラグメントは、PCR
ぼ標準的な技術によって生み出され、つぎにpGEX発現バクター中へ複製され
る(オースベルらsupra)。融合蛋白質は、E.coli中で発現され、オース
ベルらsupraで説明されるようなグルタチオンアガロースアフィニティマトリッ
クスを用いて精製される。非交差反応性の抗体は、抗体と反応しないことが望ま
れる抗原に抗体を吸着することによって調製できる。例えば、特定のhIL13
変異体に対して調製された抗血清は、その他のhIL13変異体及び/又は天然
のhIL13と吸着されて、交差反応性を減少又を除去可能である。
【0058】 いくつかの場合、潜在する低い親和性の問題や抗血清の特異性の問題を最小化
することが望まれる。そのような状況において、2、3の融合がそれぞれの蛋白
質に生じ、それぞれの蛋白質少なくとも2匹のウサギに注射される。抗血清は一
組の注射、好ましくは少なくとも3回の追加免疫注射を含む注射によって生じる
。抗血清はまた、hIL13の組換え変異体を免疫沈降し、グルココルチコイド
受容体、CATやルシフェラーゼのような蛋白質を制御する能力をチェックされ
る。
【0059】 単一鎖抗体の生成を記述した技術(米国特許第4,946,778号、4,9
46,778号及び4,704,692号)は、hIL13変異体やそのフラグ
メントに対する単一鎖抗体を生成するために適用可能である。単一鎖抗体は、ア
ミノ酸架橋を経てFv領域の重い及び軽いフラグメントをリンクすることによっ
て形成され、単一鎖ポリペプチドに帰結する。
【0060】 特定のエピトープを認識して結合する抗体フラグメントは、既知の技術で生じ
させることができる。例えば、そのフラグメントは、これに限定しないが、抗体
分子のペプシン消化によって生成されるF(ab’)2フラグメント、及びF(
ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を分解することで生成されるFabフ
ラグメントを含む。あるいは、Fab発現ライブラリは、(ヒューズらScience
246:1275,1989)望まれる特異性を有するモノクロナールFabフラグメントの
同定を迅速に容易にするように構成可能である。
【0061】 本発明の抗体は、例えば、生物学的サンプル中のhIL13変異体の検出に使
用可能である。抗体はまた、hIL13変異体とその他のその変異体に結合する
分子(例えば、hIL13受容体)の相互作用を妨害するためにも使用可能であ
る。
【0062】 変異体hIL13分子を細胞へ送達する方法 本発明はまた、変異体hIL13分子を細胞へ送達する方法を提供する。この
方法は、その他の事項の中で、効果分子がその機能を発揮できるように、hIL
13変異体と効果分子を含むキメラ分子を細胞へ導くために有用である。例えば
、細胞毒素と結合したhIL13変異体は、その変異体が結合する受容体を発現
するターゲット細胞とキメラ分子を含む成分を混合するによってターゲット細胞
を殺すために、送達可能である。別の例として、検出可能な標識に結合したhI
L13変異体は、その変異体が結合する受容体を発現するターゲット細胞とキメ
ラ分子を含む成分を混合するによってターゲット細胞を標識化するために、送達
可能である。
【0063】 変異体hIL13分子は、どんな既知の方法によっても細胞へ送達可能である
。例えば、hIL13変異体を含む成分は、媒体中に浮いた細胞に加えることが
できる。あるいは、変異体hIL13は、その変異体が原位置で細胞へ結合する
ように変異体を結合する受容体を発現する細胞を有する動物へ投与(例えば、非
経口の経路で)することができる。本発明の変異IL13分子は、特に、腫瘍細
胞がIL13受容体を過剰発現するので、腫瘍細胞に結合するターゲッティング
部分としてよく適合する。特に、悪性腫瘍細胞(例えば、腎癌細胞)は、細胞1
つあたり約2,100部位から150,000部位を超える範囲のレベルでIL
13受容体を過剰発現する。同様に、神経膠腫とその他の変化した細胞もまた、
IL13受容体(IL13R)を過剰発現する。したがって、本発明による方法
は、種々の癌へ効果分子を向けるために用いることができる。この癌は、当業者
によく知られたものであり、これに限定しないが、皮膚癌(例えば、基底細胞癌
、扁平上皮癌、黒色腫、カポジ肉腫など)、生殖器官の癌(例えば、精巣癌、卵
巣癌、子宮頚癌)、胃腸区域の癌(例えば、胃癌、小腸癌、大腸癌、結腸直腸癌
など)、口と喉の癌(例えば、食道癌、喉頭癌、中咽頭癌、鼻咽頭癌、口腔癌な
ど)、頭部と頚部の癌、骨肉種、乳癌、肝臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、心臓癌、
網膜癌(例えば、黒色腫)、腎臓癌、肺癌(例えば、中皮種)、膵臓癌、脳癌(
例えば、神経膠腫、髄芽細胞腫、髄膜腫など)、及びリンパ系の癌(例えば、リ
ンパ腫)が含まれる。好適な実施例において、本発明の方法は、効果分子を脳癌
(特に神経膠腫)へ向けるために用いられる。
【0064】 当業者は、その他の細胞によるIL13の過剰発現の同定と確認には、よく知
られた方法を用いたお決まりの検査のみが必要であることを理解するだろう。典
型的に、これはIL13受容体へ特異的に結合する標識化分子(例えば、天然又
は変異IL13)を準備することを含む。問題の細胞は、つぎに、この分子と接
触させられて洗浄される。試験細胞と結合して残っている標識の量の定量化は、
その細胞に表面に存在するIL13受容体(IL13R)の量の尺度をとなる。
好適な実施例において、IL13受容体は、問題の細胞への125I標識化IL1
3(125I−IL13)の結合を計測することによって定量化されてもよい。そ
の結合検定法の詳細は、米国特許第5,614,191号に開示されている。
【0065】 IL13は喘息のようなアレルギー性の過敏反応において重要な調節の役割を
果たすことに関係しているので(ウェッブら(2000)J.Immunol.165:108-113)
、本発明はまた、1つ以上のhIL13変異体を、アレルギー反応に重要な細胞
(例えば、B細胞、好酸球、肥満細胞のようなリンパ球、及び/又はTh2支配
の炎症反応に関連するすべての他の細胞)に接触させることによって、アレルギ
ー性反応を調節する方法を提供する。したがって、例えば、細胞上に発現したh
IL13受容体と天然のIL13の相互作用がアレルギー性反応(例えば、炎症
を含む)で細胞の役割に寄与する膜貫通のシグナルの原因となる場合、変異体h
IL13はこの相互作用を遮断し、アレルギー性反応を阻止するために用いるこ
とができる。この天然のhIL13とIL13受容体の間の相互作用は、例えば
、IL13受容体へ結合するがその受容体を経由する膜貫通のシグナリングを引
き起こさないhIL13変異体(ときには、天然のhIL13よりも親和性の強
いもの)をその細胞と接触させることによって遮断することができる。喘息には
、このようなhIL13変異体を、その変異体を含む医薬組成の吸入によって投
与可能である。
【0066】 医薬組成 本発明の変異体hIL13分子(効果分子と結合しているものを含む)は、予
防及び/又は治療上の処置のために、噴霧器や経皮投与などによって、非経口、
局所、経口、又は部分的な投与に備えることができる。その医薬組成は、投与の
方法に依存した種々の単位投薬方式で投与可能である。例えば、経口投与に適し
た単位投薬方式には、粉末、錠剤、丸剤、カプセルとトローチ剤が含まれる。あ
る場合には、本発明の融合蛋白質と医薬組成を、分解(例えば、経口投与時)か
ら保護することが望まれるかもしれない。これは、その蛋白質を酸や酵素消化に
対する抵抗性を与える成分と合成するか、その蛋白質をリポソームのような適切
な抵抗性のあるキャリアに包み込むことによって達成される。消化から化合物を
保護する方法は、この技術ではよく知られている(例えば、治療薬の経口投与用
の脂質成分を説明している米国特許第5,391,377号を参照)。
【0067】 医薬組成はまた、現在知られているすべての適切な技術による吸入によって動
物へ投与可能である。例えば、本発明のhIL13変異体は、加圧容器や噴霧器
から製造されたエアゾールスプレーの形態で、ジクロロジフルオロメタン、トリ
クロロトリフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、ある
いはその他の適切なガスを用いて投与可能である。加圧エアゾールの場合、投薬
単位を計量された量を投与するためのバルブを用いて調節してもよい。hIL1
3変異体と適切な基剤(例えば、ラクトースやスターチ)の混合粉末を含むカプ
セルや薬包(例えば、ゼラチン)は、変異体を動物の呼吸系へ投与するための吸
入器に使用可能である。
【0068】 本発明の医薬組成は、静脈注射投与や体腔や組織の管腔への投与のような非経
口の投与に特に有用である。投与のための組成は、通常、医薬的に受け入れ可能
なキャリア、好ましくは水性のキャリアに溶解された変異体hIL13分子の溶
液から構成されるだろう。種々の水性キャリアには、例えば、緩衝塩類などが使
用可能である。これらの溶液は、無菌であって、概して有害なもの(例えば、発
熱物質)が含まれていない。これらの溶液は、従来の、よく知られた無菌化技術
によって無菌化してもよい。その組成は、pH調整剤や緩衝剤、毒性調整剤のよ
うなもの、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カル
シウム、乳酸ナトリウムのようなもののような、生理的な状態に近づけるために
必要な、医薬的に受け入れ可能な補助的な基質を含んでいてもよい。これらの調
剤における変異体hIL13の濃度は、広く変化させることができ、第一に、液
体の体積、粘性、体重などに基づき、選択された特定の投与方法や患者のニーズ
にしたがって選択されるだろう。実際の非経口の投与組成を調合する方法は、当
業者に知られており、詳細については、レミントンの医薬科学、第15版、マッ
クパブリッシングカンパニー、イーストン、ペンシルバニア(1980)のような出
版物で説明されている。
【0069】 本発明で利用される医薬組成の毒性と治療効果は、LD50(集合の50%致死
量)とED50(集団の50%治療効果量)を測定するための培養細胞又は実験動
物を用いた、標準的な治療方法によって調べることができる。毒性と治療効果の
量比は、治療指数であり、比LD50/ED50で表される。大きい治療指数を示す
投与量が好ましい。毒性の副作用を示すものが使用される場合、感染していない
細胞に対する潜在的なダメージを最小化し、その結果、副作用を減少させるため
に、患部へ医薬成分を目標にあてる投与システムを設計することを考慮しなけれ
ばならない。
【0070】 細胞培養実験と動物実験で得られたデータは、ヒトに用いる投薬量の範囲を定
式化するために用いられる。この医薬組成の投与量は、好ましくは、毒性を殆ど
伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。その投与量は、使用される投与
形態と投与の経路によって、この範囲内で変化させてもよい。本発明の方法で用
いられるすべての医薬組成において、治療効果のある投与量は、はじめに細胞培
養実験から見積もることができる。その投与量は、IC50(症状を最大の半分に
抑制する試験組成物の濃度)を達成する動物モデルで定式化できる。この情報は
、ヒトにおける有用な投薬量をさらに正確に決定するために用いることができる
。血漿の濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定可能である
。投与量はそれぞれの特定の使用のために決定されるべきであるが、静脈注射投
与に特有な薬剤組成の投与量は、1人の患者1日あたり約0.1から10mgで
あると予測される。1人の患者1日あたり0.1から約100mgの投与量が、
特に薬剤組成が体腔や組織の管腔のような隔離された血流のない部位へ投与され
るときに使用されてもよい。
【0071】 このhIL13変異体を含む組成やその混合物(すなわち、その他の蛋白質と
の混合物)は、治療の処置に投与可能である。治療の使用において、組成は、病
気とその合併症を治療又はを少なくとも部分的に抑えるために効果的な量で、病
気に苦しむ患者へ投与される。これを成し遂げるために十分な量は、「治療的効
果投与量」として定義される。この使用に効果的な量は、病気の苦しさと通常の
患者の健康状態に依存する。その組成の単独又は複合的な投与は、患者によって
要求され許容される投与量と頻度に応じて投与してもよい。とのかく、その組成
は、患者を効果的に治療するために本発明の蛋白質の十分な量が与えられるべき
である。
【0072】 本発明の細胞毒性融合蛋白質の種々の使用の中には、蛋白質の毒作用によって
除去されるかもしれない特定のヒトの細胞によって引き起こされる種々の病気の
状態が含まれる。1つの好適な使用は、細胞毒(例えば、PE又はPE誘導体)
へ結合する変異IL13リガンドの使用などによって、癌(例えば、神経膠腫)
を治療することである。
【0073】 当業者によって、多量に脈管化されないいくつかの領域、又は血流中に存在す
る巨大分子が入ることを減少又は阻止する、隙間のないジャンクション及び/又
は活性輸送メカニズムにより加入される細胞によって保護される領域があること
が理解されるであろう。例えば、神経膠腫やその他の脳の癌を治療するための組
織治療の投与は、蜘蛛膜下部位へ巨大分子が入ることに抵抗をする血脳関門によ
って拘束される。したがって、本発明の治療の組成は、その腫瘍部位へ直接投与
されてもよい。例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠腫)は、治療の組成をその腫瘍
部位へ直接投与(例えば、外科的に差し込まれたカテーテルを通して)すること
によって治療可能である。カテーテルを通して投与される液体に圧力がかけられ
ると、小さい分子(例えば、本発明の治療の分子)は一般に腫瘍の縁部を越えて
2から3センチメートルほど浸透するだろう。
【0074】 一方、その治療の組成は、ゆっくりと放出される形態(例えば、トロンビン−
フィブリノゲン混合物)で目標部位におかれることができる。この形態は、例え
ば、治療の組成で浸漬された生物学的適合性のスポンジ或いはその他の不活性又
は吸収可能な母体材料、溶解時間が遅い放出カプセルやマイクロカプセルなどを
含んでもよい。
【0075】 概して、カテーテルや時間放出形態は、外科的方法の一部分として腫瘍部位へ
置かれるだろう。したがって、例えば、主要な腫瘍の塊が外科的に減らされると
、灌流するカテーテルや時間放出カプセル形態は補助的治療として腫瘍部位へ備
え付け可能である。もちろん、腫瘍の塊の外科的除去が望ましくないか必要とさ
れないか不可能かもしれないが、その場合は、本発明の治療の組成の投与は第一
の治療的物理療法を構成するかもしれない。
【0076】 画像処理 本発明はまた、生体内のhIL13変異体に結合する受容体を発現する細胞を
画像処理する方法を提供する。例えば、選択された画像処理技術によって検出可
能な標識に結合したhIL13変異体は、特定のhIL13受容体に結合する受
容体を発現する細胞を持った動物に投与される。その動物は、つぎに選択された
画像処理技術を用いて画像処理される。診断画像処理に有用な標識の例には、13 1 I、111In、123I、99mTc、32P、125I、3H、14C、及び188Rhなどの
放射性標識、フルオレセインとローダミンなどの蛍光性標識、核磁気共鳴活性標
識、陽電子放出断層撮影(「PET」)スキャナーで検出可能な陽電子放出アイ
ソトープ、ルシフェリンなどの化学発光標識、及びペルオキシターゼやホスファ
ターゼなどの酵素マーカーなどが含まれる。hIL13の変異体は、上記の試薬
やこの技術で既知の技術を用いて標識化可能である。
【0077】 標識化hIL13変異体と相性のよい技術はいずれも使用可能である。その技
術の例としては、ガンマ放出ラジオアイソトープの位置と分布を検出するために
ガンマカメラが用いられる免疫シンチグラフィー、常磁性標識化hIL13変異
体が使用されるMRI、hIL13が陽電子放出標識と結合するPET、及びh
IL13変異体が放射線に不透明な標識(例えば、金属微粒子)と結合するX線
画像処理などが含まれる。この技術のさらに詳細な説明は、画像化試薬の目標送
達のハンドブック(薬理学と毒物学のハンドブック)、出版社ヴイ.トーキリン
、シーアールシープレス、1995;アームストロングら、診断画像処理、ブラック
ウェルサイエンスインク、1998;及び診断核医薬、出版社シー.シーパーズ、ス
プリンガーヴァーラグ、2000に与えられている。
【0078】 実例となる例として、動物の神経膠腫腫瘍細胞の位置は、検出可能な標識(例
えば、ガンマ放射性ラジオアイソトープ)と結合した天然hIL13又はhIL
13変異体を含む組成を動物へ注入(例えば、非経口又はそのまま)することに
よって検出することができる。その組成は、つぎに動物内で平衡化され、神経膠
腫瘍へ結合される。その動物は、つぎに神経膠腫の位置を画像化するための画像
処理(例えば、ガンマカメラ)にかけられる。
【0079】 診断キット 別の実施例において、本発明は、腫瘍の治療やIL13受容体を過剰発現する
細胞の検出のためのキットを提供する。キットは一般に、本発明のキメラ分子(
例えば、検出可能な標識に結合した変異体hIL13、細胞毒素に結合した変異
体hIL13、標的のリガンドに結合した変異IL13、など)から構成される
。加えて、そのキットは、キメラ分子(例えば、細胞毒素として、腫瘍細胞の検
出のために、免疫応答を増強するために、など)の使用方法を明らかにする説明
的な資料を含んでいる。そのキットはまた、そのキットが意図された特定の使用
を円滑にするための付加的組成を含んでいる。したがって、例えば、効果分子が
検出可能な標識であるキメラ分子がキットに含まれるとき、そのキットは、付加
的に、標識を検出可能な手段(例えば、酵素標識用の酵素基質、蛍光標識を検出
するためのフィルターセット、ヒツジ抗マウスHRPのような適当な二次的なラ
ベル、など)を含んでもよい。そのキットは、付加的に、特定の方法を実施する
ために日常的に用いられる緩衝液やその他の試薬を含んでいてもよい。そのキッ
トと適切な内容物は、当業者によく知られている。
【0080】 実施例 本発明は、さらに下記の特定の実施例によって説明される。その実施例は、説
明のためだけに与えられるものであり、多少なりとも本発明の範囲や内容を制限
するように解釈されるべきではない。
【0081】 例1:材料及び方法 制限エンドヌクレアーゼとDNAリガーゼは、ニューイングランドバイオラブ
ス(ビヴァーリ、マサチューセッツ州)、ベセダリサーチラボラトリーズ(BR
L、ガイサーズバーグ、メリーランド州)及びブーリンガーマンハイム(インデ
ィアナポリス、インディアナ州)から得た。U.S.E.変異誘発キット、高速
蛋白液体クトマトグラフィック(FPLC)システム、カラム及び媒体は、ファ
ーマシア(ピスケイタウェイ、ニュージャージー州)から得られた。オリゴヌク
レオチドプライマーは、ペンステイト医科大学、高分子コア研究室で合成された
。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)キットは、パーキン−エルマーシータス(ノ
ーウォーク、コネチカット州)からであった。組織培養容器は、コーニング(コ
ーニング、ニューヨーク州)からであった。非放射活性細胞増殖検定用の3−(
4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボシキメトキシフェ
ニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(内部塩)/フェ
ナジンメタサルフェート(MTS/PMS)は、プロメガ(マディソン、ウィス
コンシン州)から購入された。SDS−PAGEの供給は、バイオラッド(ハー
キュルス、カリフォルニア州)からであった。抗体は、サンタクルズバイオテク
ノロジー(サンタクルズ、カリフォルニア州)から購入された。化学発光分析用
のスーパーシグナルサブストレートは、ピアス(ロックフォード、イリノイ州)
から得られた。細胞系は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ロックヴ
ィレ、メリーランド州)から得られた。細胞力価96水溶性非放射活性細胞増殖
検定用のMTS/PTSは、プロメガ(マディソン、ウィスコンシン州)から購
入された。
【0082】 原核生物系の組換え蛋白質発現用の、関心のある遺伝子コード化蛋白質を行う
すべてのプラスミドは、T7プロモーターに基づく発現システムに基づいた。そ
のプラスミドは、デビンスキら(1998)Nature Biotech.,16:449-153で説明され
ているように構成された。イソプロピル−1−チオ−b−ガラクトピラノシド(
IPTG)誘導形のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を運ぶ、BL21(1DE
3)E.coliは、組換え蛋白質発現の宿主として使用された。T7RNポリ
メラーゼによって促進される組換え蛋白質の生産は、2.0のA600で誘発され
た1.0リットルの培養液から組換え蛋白質のミリグラム量の生産を可能にする
【0083】 蛋白質の発現のために、形質転換受容性BL21細胞が、適切なプラスミドと
形質転換されてテリフィックブロス(DIFCOラボラトリーズ、デトロイト、
ミシガン州)中でA600が2.0と等しくなるまで培養され、この点でIPTG
は最終濃度の250mMまで加えられた。細胞は、90分後に収集された。その
細胞の封入体画分は単離されて7MのグアニジンHCl中で変性されられ、つぎ
にデビンスキら(1993)J.Biol.Chem.,268:14065-14070に明確に説明されている
ようなジスルフィド混合法を用いて緩衝液中への迅速な希釈によって再生された
。透析後、その再生蛋白質はファルマシア高速蛋白液体クロマトグラフィー(F
PLC)システムを用いて精製された。
【0084】 変異誘発のために、hIL13遺伝子の変異は、標準的なPCRプロトコル(
PCR中のセンス又はアンチセンスプライマーとして変異オリゴヌクレオチドを
用いて)によって、或いはAnal.Biochem.,200:81-88,1992におけるデンとニッコ
ロフによってで開発された方法に基づく固有部位脱離(U.S.E.)変異誘発
キットを用いることによって、行われた。その変異誘発に用いられたプライマー
の例は、下記の表1に示される。すべての変異したプラスミドは、単離され、使
用前に正確な変異を検証するために配列決定された。
【0085】
【表1】
【0086】 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法と免疫ブロットのために、その組換え蛋白
質の純度が、非還元条件下でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電
気泳動法によって測定されてた。ゲル中で分離された蛋白質は、可視検査用のク
ーマシーブルーで染色され、又はウェスタンブロット分析用のポリ二フッ化ビニ
リデン(PVDF)膜へ移動された。ウェスタンブロット分析用に、PVDFは
移動された蛋白質とともに、室温で1時間、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中
の5%脱脂乳中でインキュベートされた。その膜は、1時間のあいだヤギ抗ヒト
IL13抗体(1:1,000希釈度)を含む5%乳/PBS中でインキュベー
トされた。その抗体は、hIL13のカルボキシ終端に位置するhIL13特異
ペプチドに対して生じた。第一の抗体とのインキュベーションの後、その膜は3
回、5分間、それぞれ0.05%トゥイーン20/PBSで洗浄された。その膜
は、つぎに西洋わさびペルオキシダーゼと結合したロバ抗ヤギIgG(1:20
,000希釈度)を含む5%乳/PBS中でインキュベートされた。その膜は3
回、5分間、それぞれ0.05%トゥイーン20/PBSで洗浄された。その免
疫反応性の蛋白質は、増強化学発光検出を用いて、フィルム上で確認された。画
像は、ヒューレットパッカードスキャンジェット6100Cスキャナーを用いて
デジタル化され、マイクロソフトパワーポイントソフトウェアを用いて合成され
た。
【0087】 円二色性(CD)のため、その蛋白質のCDスペクトルは、ジャスコJ−71
0分光旋光計を用いて185−260nmの波長範囲にわたって得られた。すべ
ての測定は、同じキュベット、光源に対するキュベットの同じ配向性、及び2m
mの光路を用いて、37℃で行われた。蛋白質(0.1mg/ml)は、リン酸
緩衝生理食塩水(PBS)中に再懸濁され、その後測定された。変性していない
サンプルのために、蛋白質は40mMのDTT(変性緩衝液)を含む8Mの尿素
に再懸濁された。報告されたスペクトルは、それぞれのサンプルについて3回の
連続した測定の平均であった。適切なブランク、PBSのみ又は変性緩衝液から
のスペクトルは、結果として得られたスペクトルが蛋白質のCDにのみ寄与して
反映するように、それぞれのサンプルから減算された。
【0088】 細胞増殖検定のために、細胞毒素による細胞死滅は、以下のように試験された
。1つのウェルあたり5×103個の細胞が、150mlの媒体中の96ウェル
の組織培養プレート中に蒔かれた。種々の濃度の細胞毒が0.1%のBSA/B
PSに希釈され、25mlのそれぞれの希釈液は細胞を蒔いてから18〜24時
間後に、細胞へ加えられた。細胞は、37度でさらに48時間培養された。つぎ
に、細胞毒性は、比色MTS[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)
−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2
H−テトララゾリウム、内部塩]/PMS(フェナジンメタサルフェート)細胞
増殖試験を用いて測定された。MTS/PMSは、製造者によって推奨されるよ
うに、最終濃度の半分で加えられた。その細胞は、色素とともに4時間培養され
、つぎに吸光度がマイクロプレートリーダー(ケンブリッジテクノロジーインク
、ウォータータウン、マサチューセッツ州)を用いてそれぞれのウェルについて
490nmで測定された。細胞を含むウェルは、シクロヘキシミド(10mM)
で処理され、又は生存可能な細胞が残っていないウェルは、試験のバックグラウ
ンドとして用いられた。阻止試験のために、1.0μg/mlの濃度のインター
ロイキンが細胞毒素を添加する前の60分間細胞へ加えられた。
【0089】 TF−1細胞(共有IL13/4受容体を発現する、前白血病性ヒトB細胞)
を用いた細胞増殖試験は、異なる濃度の野生型のインターロイキン又はそれらの
変異体の存在下で96ウェルの培養プレート中で細胞を培養することによって行
われた。37℃で72時間の培養の後、TF−1細胞の増殖速度が比色MTS[
3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキ
シフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトララゾリウム、内部塩
]/PMS(フェナジンメタサルフェート)細胞増殖試験を用いて測定された。
その細胞サンプルは、色素とともに4時間培養され、つぎにそれらの490nm
における吸光度がマイクロプレートリーダーを用いてそれぞれのウェルについて
記録された。高濃度のシクロヘキシミドで処理された細胞を備えたそのウェルは
、試験のバックグラウンドとして用いられた。
【0090】 間接的な免疫蛍光分析のために、HUVECは8つのチャンバーを有するスラ
イド上に、1つのチャンバー毎に50,000個の細胞で播種され、細胞を付着
させるために37度で一晩培養された。その培地は取り除かれ、hIL13又は
その変異体(1mg/mlの最終濃度)を含む培地と交換された。その細胞は、
再び37度で一晩培養された。次の日、その培地は取り除かれ、その細胞はエタ
ノール中で固定され、室温で20分間ブロッキング培地(PBS中の10%の正
常なウサギの血清)とともに培養された。そのブロッキング培地は取り除かれ、
1.5%の正常ウサギ血清/PBS中のヤギ抗VCAM−1抗体(1μg/ml
)が加えられた。細胞は、室温で1時間培養され、その後第一の抗体が取り除か
れ、細胞はPBSで3回、それぞれ5分、すすがれた。細胞は、暗室内で45分
間、室温で、1.5%の正常ウサギ血清/PBS中のウサギ抗ヤギIgG−Cy
3抱合体(1:150希釈)とともに培養された。45分後、細胞はPBSで3
回、それぞれ5分、すすがれ、カバーガラスは水性のマウンティング培地を用い
てマウントされ、蛍光染色がローダミンフィルターセットを用いて測定された。
画像は、ツァイスアキシオプラン顕微鏡上のサンプルの間に顕微鏡を調節するこ
となしに同じ実験から得られ、プレイインクのスナッピーを用いてデジタルに記
録された。
【0091】 細胞毒性ブロッキング試験のために、グリア芽細胞腫細胞(U−251 MG
とSNB−19)は96ウェルの培養プレートに蒔かれ、24時間培養された。
24時間後、hIL13又はその変異体が細胞に加えられ、37℃で1時間培養
された。同じ体積のPBS中の0.1%BSAは、ブロッキングリガンドのない
試験のために細胞へ加えられた。1時間の培養の後、増加する濃度のhIL13
キメラ毒素(hIL13−PE1E;デビンスキら(1996)J.Biol.Chem.,271,2
2428-22433を参照)が加えられ(0.001〜10ng/ml最終濃度)、その
細胞は3日間培養された。3日後、それぞれのウェル中の増殖細胞の数が、上記
の比色MTS/PMS法を用いて測定された。高濃度のシクロヘキシミドで処理
された細胞を備えたそのウェルは、試験のバックグラウンドとして用いられた。
【0092】 オートラジオグラフィーのために、組換えhIL13.E13Yは、IODO
−GEN試薬(ピアス)を用い、その製造者の説明書にしたがって125Iでヨウ
素標識化された。125I−hIL13.E13Yの比活性は、〜300mCi/
mg蛋白質であった。ヒト検体を含むすべての研究は、ペンステイト医科大学の
それぞれの人間被験者保護局によって認可された(プロトコルNo.IRB96
−123EP)。連続的な組織部位は、クリオスタット、解凍マンクロームアル
メミョウバン(thaw-monchrome alumme-alum)でコートされたスライド上で切断
(10mm)され、分析まで4℃で保存された。125I−hIL13.E13Y
の結合分布を観察するために、部位は結合緩衝液(200mMショ糖、50mM
HEPES、1%BSA、10mM EDTA)中の1.0nM125I−hI
L13とともに培養された(1時間、22℃)。隣接する連続的な部位は、結合
緩衝液単独、又は標識化されていないhIL13、hIL13.E13Y又はh
IL4の100〜500畳重モル過剰の結合緩衝液、又は抗ヒトトランスフェリ
ン受容体(TfR)抗体の存在下で、22℃の30分のプレインキュベーション
の後、放射標識化組換えhIL13.E13Yとともに培養された。非特異的結
合放射性リガンドを分離するために、部位は氷温の0.1M PBSの4回の連
続した交換(5分毎)ですすがれた。それぞれの組織検体の少なくとも2つの部
位は、125I−hIL13.E13Yの結合特異性を評価するために試験された
。乾燥後、標識化された部位は、−65℃で8時間から11日間、コダックオー
トラジオグラフィーフィルムへ並べられた。
【0093】 例2:ヒトの高程度の神経膠腫の放射免疫検出及び放射免疫療法 IL13ムテイン、hIL13.E13Yは、上述のように調整され、TF−
1細胞のインターロイキン誘起増殖反応を調製する能力が試験された。TF−1
細胞は、hIL13、hIL13.E13Y、又はhIL13.E13Kで処理
された。hIL13がTF−1細胞の成長を刺激することに非常に強力である一
方、hIL13.E13Kは活性を示さず、hIL13.E13Yは、たとえ仮
にあるとしても、非常に弱い活性しか示さなかった。
【0094】 生体内でグリア芽細胞腫(GBM)の臨床検体のhIL13結合部位を得るた
めに競合するhIL13.E13Yの能力は、オートラジオグラフの研究で調査
された。その2つの研究されたGBM組織は、標識化された野生型hIL13と
同様に、125I−hIL13.E13Y結合部位で高密度に標識化された。hI
L13.E13Yと野生型IL13の両方が125I−hIL13.E13Yの結
合を遮断するので、その結合は特異的である。一方、過剰な組換えhIL4は、
GBM検体へ結合する125I−hIL13.E13Yにおおむね影響を及ぼさな
かった。
【0095】 GBMへ結合する125I−hIL13.E13Yの特異性についての別の試験
において、放射性標識化されたインターロイキンの結合を置換するトランスフェ
リン受容体(TfR)に対するモノクロナール抗体の能力が調べられた。調べら
れたGBMにおけるhIL13結合部位を得るための交差競合は観測されなかっ
た。GBMへの125I−hIL13.E13Yの結合は、その他の研究が125I−
hIL13は正常な脳又は正常なヒト細胞と相互作用をせず125I−hIL13
.E13YはHUVECのような正常なヒト細胞と相互作用しないことを示して
いるので、非常に特異的に見える。
【0096】 その他の試験において、hIL13−PE1E(hIL13に基づく細胞毒素
)の作用を遮断するhIL13.E13Yの能力は、2つの異なるヒト悪性神経
膠腫細胞系を用いて研究された。培養液中の神経膠腫細胞は、hIL13−PE
1Eが加えられる前に、hIL13、hIL13.E13Y又はhIL13.E
13Kのいずれかで前処理された。hIL13−PE1Eの細胞毒性は、これら
のhIL13、hIL13.E13Y又はhIL13.E13Kを用いた培養液
中で中和された。
【0097】 例3.インターロイキン13受容体に対する反応性が変化したインターロイキ ン13の変異体 組換えIL−13とIL−13変異体は、例1で説明されたように、調製され
、単離され、精製された。T7プロモーターの支配下にあるサイトカインやその
変異体の原核生物産生は、非常に効率的であった。精製後、0.5mgと1.5
mgの間のそれぞれのサイトカイン又は変異体は、1リットルの培養液から得ら
れた。それぞれの精製蛋白質がSDS−PAGEを用いて分析されクーマシーブ
ルーで染色されると、1本の蛋白質バンドが約13kDa(図1(A))へ移動
して観測された。可視検査は、すべての調合物は95%以上純粋であることを示
した。ヤギポリクロナール抗hIL13抗体(その他のどのサイトカインとも交
差反応性を有しない)を用いたサンプルの対応するウェスタンブロットは、単離
された蛋白質がhIL13と免疫反応性を有することを示している(図1(B)
)。アルファ螺旋D変異体、hIL13.R109DとhIL13.F113D
もこの抗体と反応し、それらもhIL13と免疫反応性を有することが示された
(データは図示せず)。変異サイトカインのいくつかの二量体形の痕跡量(〜2
6kDa)も検出された。
【0098】 組換えインターロイキンが正確に再び折り畳まれるかどうか、及びそれらの変
異が高次構造のそれらの通常のパターンを破壊していないことを調べるために、
円二色性(CD)が蛋白質の折り畳み構造を調べるために用いられた。分光旋光
計からの二次的構造データは、それぞれの蛋白質サンプルが、約208nmと2
22nmに2つのスペクトルの極小値を有する、アルファ螺旋濃縮蛋白質と一致
するスペクトルを生じさせることを示した(図2、図3)。さらに、それぞれの
変異体のCDスペクトルは、サンプル間でスペクトル強度において僅かな変化が
見られるものの、野生型hIL13のCDスペクトル上に重ね合わせることがで
きる(図2、図3(A))。hIL13.R109DとhIL13.F113D
の両方は、その他の変異体と同様のCDスペクトルを生じさせた(図示せず)。
比較のために、折り畳まれていないhIL13のCDスペクトルも得られた(図
3(B))。図は蛋白質が折り畳まれていないときの特徴的なアルファ螺旋パタ
ーンの崩壊を示している。
【0099】 機能的試験は、IL13変異体がTF−1細胞増殖を誘起する効果を測定する
ことによって、それらが共有シグナリングIL13/4受容体との変更結合を示
すかどうかを調べるために行われた。TF−1細胞は共有IL13/4受容体(
しかし制限受容体ではない)を発現し、hIL13又はhIL4の存在下で用量
依存的態度で増殖する。この試験に用いられた条件下で、濃度が100ng/m
lの野生型hIL13は、ベースライン値の〜300%のTF−1細胞における
最大増殖反応を一貫して生じさせた(図4(A))。相違点は、変異体が予測さ
れるアルファ螺旋A、C又はDにあるかどうかに依存してTF−1細胞増殖にお
いて観測された。アルファ螺旋A変異体について、hIL13.E13Kは試験
された範囲にわたって最小の増殖反応しか誘起せず(図4(B))、hIL13
.E13I、hIL13.E13S及びhIL13.E13Yは全く増殖反応を
誘起しなかった(図4(B))。変異体hIL13.E13D及び予想外にhI
L13.E13Rの両方は、TF−1細胞の増殖の用量依存性の増加を誘起した
。hIL13.E13DはhIL13.E13Rよりも少しの増殖効果しか示さ
なかったが、これらのTF−1細胞増殖の誘起は、野生型hIL13と同じパタ
ーンに従った(図4(A))。hIL13.E16KとhIL13.E17Kの
両方(変異部位に13から上の位置にアルファ螺旋の一巻を有する)は、TF−
1細胞の増殖反応において用量依存性の増加を誘起した(図4(A))。hIL
13.E17Kが誘起した効果は野生型hIL13と匹敵したが、hIL13.
E16Kが誘起した効果は野生型hIL13によって生じたものより、著しく大
きかった。
【0100】 アルファ螺旋C変異体、hIL13.R66DとhIL13.S69Dの両方
は、野生型hIL13と比較して、TF−1細胞を刺激することを著しく障害す
る能力を示した(図5)。それらのTF−1細胞における作用は、しかしながら
、図4で示された変異体によって引き起こされるものの間に分類されることがで
きる。アルファ螺旋D変異体もまた、TF−1細胞における作用の対照的なパタ
ーンを示した。hIL13.F113D変異体は、TF−1細胞増殖の誘起にお
いて野生型hIL13と同等であり、一方hIL13.R109D変異体はこれ
らの細胞に非活性であった(図示せず)。
【0101】 正常な細胞の共有hIL13/4受容体と相互作用するhIL13変異体の能
力は、HUVECの表面におけるVCAM−1発現の効果を調べることによって
試験された。HUVEC細胞表面の共有IL13/4受容体のサイトカイン結合
は、これらの細胞のVCAM−1発現を誘起する膜貫通のシグナリング現象を招
いた。2つの別個の実験結果は図6、図7に示される。hIL13の非存在下で
培養された細胞は、最小の非特異的VCAM−1染色を示した(図6(A)、図
7(A))。一方、野生型hIL13を含む培地で一晩培養された細胞は、VC
AM−1の著しい増加を示した(図6(B)、図7(B))。染色のパターンは
、サイトカインとともに培養されていない細胞の最小の均一な染色(図6(A)
、図7(A))と比較して、細胞表面の特定の領域に特異的に現れた。変異体h
IL13.E13I、hIL13.E13K及びhIL13.E13Yとともに
培養された細胞は、TF−1細胞増殖を誘起できないが(図4、図5)、野生型
hIL13で処理されたものよりも少しのVCAM−1発現しか示さなかった(
ぞれぞれ図6(C)、(D)、(F)及び(B))。変異体hIL13.F11
3Dは試験されなかったが、hIL13.R109Dで誘起されたVCAM−1
染色は無視でき(図示せず)、共有受容体を通る効果的なシグナリングにおける
サイトカインのアルファ螺旋Dの関与を再び示唆している。変異体hIL13.
E13RとhIL13.E17Kで処理された細胞は、それらの各対照を比較す
ると(図6(E)、図7(D))、野生型hIL13によって誘起されるのと同
様なVCAM−1染色の増加を示した。変異体hIL13.E16Kは、野生型
IL13対照と比較してVCAM−1発現において超作用薬効果を有するように
見える(それぞれ、図7(C)、(B))。
【0102】 2つの異なるヒトのグリア芽細胞腫の細胞系における癌拘束性hIL13受容
体を遮断するhIL13とその変異体の能力は、神経膠腫細胞にhIL13−P
E1E、極度に強力な抗癌剤を用いた細胞毒素性試験で調べられた(デビンスキ
ら(1996)J.Biol.Chem.,271:22428-22433参照)。受容体に競合するリガンドの
非存在下で細胞が培養された場合、培養されたU−251−MG細胞(図8(A
))とSNB−19細胞(図8(B))において、細胞毒素は高レベルの細胞毒
性を引き起こした。hIL13やそのA又はC螺旋変異体のいずれかの存在下で
培養された場合、細胞毒性のレベルは最も高濃度の細胞毒素を用いても減少した
(図8)。ブロッキングリガンドを用いない実験でのIC50は、U−251−M
G細胞で0.1ng/ml(1.25pM)、SNB−19細胞で0.07ng
/ml(0.875pM)であった。一方、hIL13変異体を用いたブロッキ
ング試験は、それらの能力がIC50を少なくとも100倍増加させることを示し
た。hIL13やその変異体の濃度をhIL13−PE1Eの1000倍(重量
で)までとした場合、識別可能な相違点は、神経膠腫細胞における細胞毒素の活
性の遮断において、これら種々の変異体と野生型hIL13の間に検出されなか
った(図8)。hIL13.F113D、アルファ螺旋D変異体は、野生型サイ
トカインのように振舞った。一方、細胞培養液にhIL13.R109Dを加え
ることによって、細胞毒素が誘起する細胞毒性は減少しなかった。hIL4は、
これらの試験において中和活性を何も示さなかった。
【0103】 その他の実施例 この説明は、本発明の組成と方法がどのようにして作られ行われるかという例
のつもりである。当業者は、種々の内容が変更されてその他の詳述された実施例
に到達してもよく、この多くの実施例が本発明の範囲内に来るであろうことを理
解するであろう。
【0104】 したがって、一般に本発明の範囲と本発明によって保護される実施例を知らし
めるために、請求項が作成された。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
本発明は添付した請求項で特定して示される。本発明の特徴は添付された図面
とともに以下の説明を参照することによってさらによく理解されるであろう。
【図1】 図1は、精製されたhIL13と種々のhIL13変異体のSDS−PAGE
(A)とウェスタンブロット(B)の分析の写真である。500ナノグラムの精
製サイトカインは、それぞれサンプルごとに取付けられた。蛋白質は、クーマジ
ー青染色液を用いて検出された(A)。2重のゲルから分離された蛋白質は、P
VDF膜へエレクトロブロットされ、機能強化された化学発光検出システムを用
いたウェスタンブロットで抗hIL13抗体によって検出された(B)。
【図2】 図2は、精製されたhIL13と種々のhIL13変異体から得られた円偏光
二色性(CD)スペクトルである。それぞれの蛋白質は、PBSに希釈され(0
.1mg/ml)、37℃で熱平衡にされ、そしてそのCDスペクトルが185
nmから260nmの波長の範囲にわたって記録された。報告されたスペクトル
は、3回の連続した測定の平均である。それぞれのパネル中の変異体は、上から
下へ記載されているが、それぞれのパネルにおけるスペクトルの順番を上から下
へ表している。
【図3】 同上。変性したhIL13のCDスペクトル(B)は、分析に先だって、40
mMのジチオスレイトールを含む8Mの尿素中に蛋白質を希釈することによって
得られた。
【図4】 図4は、hIL13と種々のhIL13変異体で誘起されたTF−1細胞を用
いた増殖検定から得られたデータを図式的に表したものである。TF−1細胞は
、72時間、濃度を増加した表示された蛋白質の存在下で培養された。TF−1
細胞増殖の量は、緩衝液だけで誘起された制限実験と比較して、比色分析で検出
された。報告されたデータは、データセット中の標準偏差を表す誤差バーと、3
つのサンプルの平均である。実験は数回繰り返された。パネルは、TF−1細胞
増殖を増加させたhIL13アルファ螺旋A変異体(A)、TF−1細胞増殖を
増加させるために役に立たないhIL13アルファ螺旋A変異体(B)を示す。
【図5】 同上。TF−1細胞増殖を増加させるために役に立たないhIL13アルファ
螺旋C変異体を示す。
【図6】 図6は、hIL13と種々のhIL13変異体によって誘起されたVCAM−
1発現のためのHUVECの間接免疫蛍光分析の顕微鏡写真の一式である。図6
と次の図7は、それぞれ、それ自体の実験対照のセットとともに、2つの分離し
た実験に由来している。HUVEC細胞は、緩衝液のみ(A)又は1mg/ml
の野生型hIL13(B)又は種々の変異体(C〜F)を含む培地で一晩培養さ
れた。蛋白質の誘起された発現は、ヤギの抗VCAM−1 IgG第一抗体とウ
サギの抗ヤギIgG CY3共役第二抗体を用いてローダミンフィルタを通して
検出された。画像化カメラの感度は対照領域の蛍光のレベルを検知できるように
セットされた(A)。感度に対するそれ以外の調整は行われず、実験領域の蛍光
の増加や減少の量を、インターロイキン誘起されたVCAM−1発現の量に直接
相関させることを可能にした。顕微鏡写真は、20Xの倍率で示される(20X
)。
【図7】 同上。HUVEC細胞は、緩衝液のみ(A)又は1mg/mlの野生型hIL
13(B)又は種々の変異体(C、D)を含む培地で一晩培養された。画像化カ
メラの感度は対照領域の蛍光のレベルを検知できるようにセットされた(A)。
【図8】 図8は、hIL13−PE1EによってU−251MG(A)とSNB−19
(B)細胞の死滅を阻止するためのhIL13とhIL13変異体の能力を検定
するために行われる細胞毒性試験から得られたデータの図式的に表したものであ
る。培養された細胞は、緩衝液のみで培養されて閉塞した菱形によってパネルに
示され、或いは、hIL13−PE1Eの増加濃度分の添加に先だって1mg/
mlのhIL13又は表示された変異体とともに37℃で1時間培養された。報
告されたデータは、データセット中の標準偏差を表す誤差バーと、3つのサンプ
ルの平均である。実験は数回繰り返された。
【図9】 同上。
【図10】 同上。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/08 C07K 14/195 C07K 14/01 14/21 14/195 14/54 14/21 16/24 14/54 19/00 16/24 C12N 15/00 ZNAA 19/00 5/00 E C12N 5/06 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 デビンスキ,ワルデマー 米国,ペンシルヴァニア州 16802−7000, ユニヴァーシティ パーク,テクノロジー センター 113 (72)発明者 トンプソン,ジェフリー,ピー. 米国,ペンシルヴァニア州 16802−7000, ユニヴァーシティ パーク,テクノロジー センター 113 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA26 CA04 CA07 DA06 EA04 FA02 GA12 HA01 4B065 AA90X AA99Y BA30 BB19 BB34 CA44 4C084 AA02 AA12 BA44 CA18 CA53 DA12 NA14 ZA592 ZB112 ZB132 ZB262 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 BA41 BA71 BA72 CA40 DA02 EA28 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも90%の配列が天然のhIL13(SEQ ID
    NO:1)と同一であるアミノ酸配列を有する変異体hIL13からなる組成
    であって、前記変異体hIL13は天然のhIL13のDアルファ螺旋に対応す
    る領域に変異を有することを特徴とする組成。
  2. 【請求項2】 少なくとも90%の配列が天然のhIL13(SEQ ID
    NO:1)と同一であるアミノ酸配列を有する変異体hIL13からなる組成
    であって、前記変異体hIL13はSEQ ID NO:2〜23からなるグル
    ープから選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドから構成されることを特
    徴とする組成。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドはSEQ ID NO:2〜23からなる
    グループから選択されるアミノ酸配列から構成されることを特徴とする請求項2
    記載の組成。
  4. 【請求項4】 さらに医薬的に受け入れ可能なキャリアから構成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の組成。
  5. 【請求項5】 前記変異体は効果分子と結合していることを特徴とする請求
    項1又は2記載の組成。
  6. 【請求項6】 前記効果分子は細胞毒素、検出可能な標識、抗体、リポソー
    ム、及び脂質からなるグループから選択されることを特徴とする請求項5記載の
    組成。
  7. 【請求項7】 前記効果分子はシュードモナス外毒素、ヂフテリア毒素、リ
    シン、アブリン、サポリン、及びヤマゴボウウイルス性蛋白質からなるグループ
    から選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項6記載の組成。
  8. 【請求項8】 前記細胞毒素はPE38QQR、PE1E、及びPE4Eか
    らなるグループから選択されることを特徴とする請求項7記載の組成。
  9. 【請求項9】 前記効果分子は放射性核種から構成されることを特徴とする
    請求項6記載の組成。
  10. 【請求項10】 SEQ ID NO:2〜23からなるグループから選択
    されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコード化することを特徴とする精製
    核酸。
  11. 【請求項11】 SEQ ID NO:2〜23からなるグループから選択
    されるアミノ酸配列から構成されるポリペプチドをコード化することを特徴とす
    る請求項10記載の精製核酸。
  12. 【請求項12】 変異体hIL13分子と特異的に結合するが、天然のhI
    L13分子とは特異的に結合しないことを特徴とする抗体。
  13. 【請求項13】 前記変異体hIL13はSEQ ID NO:2〜23か
    らなるグループから選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであることを
    特徴とする請求項12記載の抗体。
  14. 【請求項14】 細胞へ変異体hIL13を送達する方法であって、天然の
    hIL13のDアルファ螺旋に対応する領域に変異を有する前記変異体hIL1
    3を準備するステップと、前記細胞を準備するステップと、前記細胞を前記変異
    体hIL13と接触させるステップとから構成されることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 細胞へ変異体hIL13を送達する方法であって、SEQ
    ID NO:2〜23からなるグループから選択されるアミノ酸配列を有する
    ポリペプチドである前記変異体hIL13を準備するステップと、前記細胞を準
    備するステップと、前記細胞を前記変異体hIL13と接触させるステップとか
    ら構成されることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 前記変異体hIL13は効果分子と結合していることを特
    徴とする請求項14又は15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記効果分子は細胞毒素、検出可能な標識、抗体、リポソ
    ーム、及び脂質からなるグループから選択されることを特徴とする請求項14又
    は15記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記効果分子はシュードモナス外毒素、ヂフテリア毒素、
    リシン、アブリン、サポリン、及びヤマゴボウウイルス性蛋白質からなるグルー
    プから選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記細胞毒素はPE38QQR、PE1E、及びPE4E
    からなるグループから選択されることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記効果分子は放射性核種から構成されることを特徴とす
    る請求項16記載の方法。
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