JP2003510093A - 改良された毒性スクリーニング方法 - Google Patents

改良された毒性スクリーニング方法

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JP2003510093A JP2001527222A JP2001527222A JP2003510093A JP 2003510093 A JP2003510093 A JP 2003510093A JP 2001527222 A JP2001527222 A JP 2001527222A JP 2001527222 A JP2001527222 A JP 2001527222A JP 2003510093 A JP2003510093 A JP 2003510093A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、化学化合物のイン・ビボ毒性を予測する新規なイン・ビボ方法、薬剤候補の相対的毒性の理解および毒性のメカニズムの同定を記載する。すなわち、本発明は、所定の化合物のイン・ビボ毒性を予測するための材料および方法を提供する。例えば、本発明は、少なくとも3つの別個のアッセイを並行して実行して、所定の標的細胞中の化学物質の細胞毒性の3つの別個のパラメータについての情報を提供し、その情報はイン・ビボ細胞毒性を予測するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年6月2日に出願された米国特許出願第09/586,2
42号の継続である。本出願および米国特許出願第09/586,242号の両
方は、1999年9月27日に出願された米国仮出願第60/156,206号
の優先権利益を主張する。前記の開示の全内容は、権利を毀損することも放棄す
することもなく、出典明示して本明細書の一部とみなされる。
【0002】 発明の分野 本発明は、化学化合物のイン・ビボ毒性を予測する新規なイン・ビトロ方法、
薬剤候補の相対的毒性の理解および毒性のメカニズムの同定を記載する。
【0003】 発明の背景 新たな薬剤を同定する方法は、動物における予備的臨床毒性試験の間に開発か
ら除外された多くの有望な化合物を伴なう、長く、冗長なものである。該予備的
臨床段階の間における多数のドロップアウト化合物の一つの理由は、当該発見プ
ログラムにおける早期の有用な毒性データの欠如である。多くの医薬会社は、こ
こ2ないし3年に、このことを認識した[Cockerell et al., Toxicol. Path. v
ol 27, no. 4, p 471, (1999); Burkhardt et al., Toxicol. Path. vol 27, no
.4, p 472-473 (1999); Ryan, Toxicol. Path. vol 27, no.4, p 474-476 (1999
); Cockerell et al., Toxicol. Path. vol 27, no.4, p 477-478 (1999)]。
【0004】 今まで、潜在的薬剤としての所定の候補物質のイン・ビボ毒性は動物モデルの
使用に関わってきた。該動物試験の基礎となるのは、剤が動物中で発揮する効果
はヒトにおける効果に適用可能であって、それらを予測することが可能であると
いう仮定である。一般に、用量が体表面積の単位あたりに基づく場合、動物から
の毒性データはヒトに適用可能である。一方、用量が動物体重に基づく場合、該
試験動物よりも、ヒトは一層毒性を受けやすい。それにも関わらず、大多数の薬
剤が、体重に基づき与えられるべく開発される。
【0005】 さらに、薬剤試験に用いられる動物の実数は、当該薬剤に暴露されているであ
ろう人口に比べて非常に少ない。例えば、所定の薬剤に暴露されるヒトの0.0
1%発生率は、2億5千万人のうち約25,000人が薬剤に暴露されているこ
とを意味する。動物においてそのような低発生率を検出するためには、30,0
00匹の動物を該薬剤に暴露する必要があるであろう。これは、開発中のいずれ
の所定の時点での様々な薬剤を考慮すると、明らかに非現実的な数である。その
結果、より少ない動物を高用量の候補物質に暴露することが、低用量に暴露され
るヒトに対する危険を同定するのに所望される。
【0006】 薬剤開発の初期段階での動物の使用は、特に、開発のこの早期においてほとん
どの薬剤が薬剤候補であるとみなされないという事実を考慮すると、新たな薬剤
に関する毒物学的データを作成するのには高価で、不充分な方法である。様々な
会社が、推定薬剤が動物実験の場に移行する前に他の毒物学的スクリーニング方
法を採用することを試みてきた。
【0007】 該毒物学的データ不足を解決する共通のアプローチは、新たな化合物が治療標
的に対する薬効および有効性につき同定されている時点で、有望な新たな薬剤の
イン・ビトロ毒性試験を当該薬剤発見プロセスに導入することにある。この早期
段階での定性的毒性データは、薬学化学者が有効性/薬効を維持しつつ毒性を「
作り出す」試みを許容する。これは原則的には良いアイディアであるが、実際に
は、イン・ビトロ毒性データをしっかりと明らかにすること、およびイン・ビト
ロデータをイン・ビボデータに適合させることは困難である。
【0008】 重要な問題は、用いるべきアッセイのタイプおよび性質、ならびに採用すべき
試験系を決定してきた。培養中で増殖する細胞における毒性を評価する資質を有
する多くの生物学的および分子的アッセイがある。しかしながら、たった1つま
たはせいぜい2つのアッセイを暴露濃度の限定された範囲にわたって用いる場合
、偽陰性または偽陽性データの可能性が高い。最も普通に用いられるアッセイの
いくつかは、限定されないが、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、グルタチオン
−S−トランスフェラーゼ(GST)およびカリウムによって決定される細胞内
マーカーの放出、およびMTT、XTT、アラマールブルー(Alamar Blue)およ
びINTのごときテトラゾリウム色素の還元を含む。全て、細胞損傷の指標とし
て用いられてきた。全ての場合、該スクリーンは、典型的に、1または2つのエ
ンドポイントの使用を含だけである。得られたデータは、イエス/ノーまたは生
存/死滅の回答を与える。毒性スクリーニング問題へのこの最も最小限度のアプ
ローチは、動物において類似の毒性を予測するのに意味のある有用な毒性プロフ
ァイルを与えることが可能なしっかりとしたスクリーニングシステムの開発に向
かけてほとんど進行をもたらさなかった。したがって、当該分野において、より
有用な毒性情報、特に該薬剤発見プロセスの早期段階にて、急速かつコスト上効
率的に得ることが可能な毒性情報を与える新たなスクリーニングシステムの開発
の必要性が残る。動物の使用を必要としないが、相対的毒性、毒性のメカニズム
について信頼のある情報を提供し、効率的にイン・ビボ毒性を予測する毒性スク
リーニングシステムの必要が存在する。
【0009】 発明の概要 本発明は、多数の記事に具体的に表現される毒性スクリーニング方法および本
明細書に記載された方法に対する顕著な改良を記載する。これらの改良は、毒性
プロファイルに、制限された毒性を有する新たな薬剤を同定し、設計し、および
製造し、ならびに、該薬剤を用いて疾患および/または疾患症状を治療するため
に用い得るかなり機械的な情報を付与する。この方法は「クラスター分析毒性ス
クリーニング(Cluster Analysis Toxicity Screening)」または「CATS」と
称され、一群のアッセイにおいて、各試験化合物につきいくつかの生化学的また
は分子エンドポイントをモニターすることを含む。得られたデータは、生存/死
滅の回答より多くのものを与える生化学的変化のプロファイルを与える。さらに
、この方法に内臓された冗長性は偽陽性および偽陰性回答を大いに低減する。し
かも、異なる層のクラスターを設計することによって、細胞毒性の多くの局面を
評価することが可能である。例えば、同一分類の他の化合物に対する相対的毒性
の情報、および毒性のメカニズムについての情報を得る。最終的に、分析の規定
された規則を適用することによって、当該暴露濃度対反応曲線は、肝臓または造
血細胞において毒性を生じるであろうイン・ビボでの薬剤の血漿濃度の適当な概
算を与え得る。本明細書に記載するように、CATS手順は毒性につき化合物を
スクリーニングする改良された方法を与え、それらも薬剤同定、設計、製造、用
量等の全ての局面に包含される。
【0010】 一つの局面において、本発明は生体系において化合物の毒性を評価する方法を
提供し、少なくとも3または4つの複数ウェル培養プレートを供給し、該プレー
トは細胞および増殖培地を含有し;該プレート中の細胞を規定された密度にまで
増殖させ;対数増殖期の確立後に該細胞を試験化合物に暴露し;次いで、少なく
とも3または4つのアッセイを行って、該生体試験系において該化合物の毒性を
確認し、および該試験化合物につき毒性プロファイルを作成することを特徴とす
る。好ましい具体例において、該アッセイは細胞周期評価アッセイ;ミトコンド
リア機能アッセイ;エネルギーバランスアッセイ;および細胞死アッセイよりな
る群から選択される。さらに好ましい具体例において、該CATSシステムで用
いられる細胞はラット肝癌から誘導され、H4IIE細胞系統(ATCC寄託#
CRL−1548)として知られている。さらにもう一つの具体例において、該
アッセイに用いる細胞はヒト肝癌から誘導され、HepG2細胞系統(ATCC
寄託#HB−8065)として知られている。
【0011】 もう一つの局面において、本発明は化学化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測す
る方法を提供し、複数の濃度の該化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し;
4以上の該化学化合物濃度にて第1の細胞健康の指標を測定し;4以上の該化学
化合物濃度にて第2の細胞健康の指標を測定し;4以上の該化学化合物濃度にて
第3の細胞健康の指標を測定し;次いで、該第1、第2および第3の細胞健康の
指標の測定から該化学化合物の毒性濃度(Ctox)を予測することを特徴とす
る。好ましい具体例において、第4および、所望により第5の細胞健康の指標を
用いることもできる。該方法は、薬剤開発の間に、同一のアッセイを異なる段階
または時間別々に独立して行ったとした場合よりも、該化合物のイン・ビボ毒性
をより一層予測可能とする。これは、単一の毒性アッセイを用いた場合、何故エ
ンドポイントが変化し、偽陰性または偽陽性結果の可能性が高いかについての情
報があまり得られず、不完全なデータセットに基づく不正確な決定をもたらすか
らである。
【0012】 複数の濃度およびアッセイを用いて化学物質のイン・ビトロ毒性を規定するこ
とは、相対的毒性(TC50、NOELおよびCtox値)および毒性のメカニ
ズムを決定するのに用い得る用量反応曲線の作成を可能とする。該TC50値を
用いて、さらなる試験のため(例えば、相対的毒性に基づき)化合物に優先順位
を付け、該Ctox値は、試験されるべきイン・ビトロCATS分析から推定さ
れた毒性をもたらすであろうイン・ビボでの血漿濃度である。用いられた試験系
は予測し得るイン・ビボ毒性のタイプを決定する。例えば、H4IIE細胞を用
いる場合、該データは、特に、イン・ビボ肝臓または造血毒性を予測する。
【0013】 より特別な具体例において、該第1、第2および第3の指標の各々は、独立し
て、細胞複製の指標、ミトコンドリア機能の指標、細胞内エネルギーバランスの
指標、細胞膜完全性の指標および細胞死亡率の指標よりなる群から選択される。
さらに、本発明の方法は、第1、第2および第3の細胞健康の指標を測定するこ
とに加えて、1を超える所定の分類の細胞健康の指標を用いることもできること
が意図される。例えば、該方法は2以上の分裂促進アッセイ、2以上のミトコン
ドリア機能アッセイ、2以上のエネルギーバランスアッセイ、2以上の膜完全性
アッセイおよび2以上の細胞死アッセイを含むことができる。
【0014】 本発明の予測局面において、該予測は、一般的に、該第1、第2および第3の
細胞健康の指標からの測定の用量反応分析を行い;第1、第2および第3の細胞
健康の指標のいずれの用量反応解析において、該用量反応分析から、該化学化合
物の測定可能な毒性効果が観察不可能である該化学化合物の最高濃度(NOEL
)を同定し;次いで、NOELとして同定された濃度により示される濃度をC ox として選択することを特徴とする。好ましくは、該NOEL濃度は、1以上
の細胞健康の指標に関して増加した毒性が観察可能である少なくとも2つのより
高い濃度から測定することによって確認する。Ctoxは予測された毒性濃度で
あり、NOELは好ましいCtox値を与えることが理解されるであろう。該N
OEL値をわずかに上回るまたは下回るCtoxを選択し、それによって、実質
的に同等のCtoxを与えることは、本発明の同等な具体例であるとみなされる
。特に好ましい局面において、該予測は該化学化合物の効果の測定を該細胞健康
指標の各々につき化学成分の濃度の関数でグラフ上にプロットすることを含む。
より一層好ましい具体例において、該細胞健康指標の測定を単一グラフ上に表示
する。特定の具体例において、該細胞健康指標の測定を対照に対して表現する。
【0015】 本明細書に記載されるように、該方法は複数の濃度の化学化合物中で細胞を培
養し、該化学化合物の複数(例えば、4以上)の濃度にて細胞健康の指標の測定
をとり得るようにすることを含む。例えば、細胞健康の指標に対して該化合物が
明らかな毒性効果を発揮しない少なくとも約1または2のより低濃度を有するこ
とが所望される。また、該NOEL/Ctox値を立証する少なくとも最も感受
性の指標に関して、該Ctox濃度よりも高い2以上の濃度にて該指標を測定す
ることが所望される。Ctoxよりも高い濃度にての2以上の測定の存在は、C tox を超える濃度は測定されている指標に関して毒性効果を引き起こしている
という結論を実証するのに役立つ。約0マイクロモラーないし約300マイクロ
モラーの濃度範囲から選択される複数の化合物濃度は、指標を測定し、次いで、
毒性効果が観察されない複数の測定および1以上の指標につき毒性効果が観察さ
れ始める測定を得るためにも有用であることが分った。ゼロないし300マイク
ロモラーの濃度範囲も有用であることが分った。何故ならば、多くの薬剤はこの
濃度範囲のどこかでイン・ビボで治療上有効だからである。かくして、CATS
分析におけるこの濃度範囲のどこでもいずれの実測毒性効果の欠如は、この範囲
の有効性と併せて、薬剤開発プロセスにおいて非常に情報性が高い。
【0016】 本発明の特定の局面において、該細胞健康指標の少なくとも1を該細胞培養の
上清から測定することが意図される。いくつかの具体例において、該細胞健康指
標の少なくとも1を該細胞培養の細胞成分から測定することが意図される。細胞
からの特定の指標および細胞上清からの他のものを測定することは該CATS分
析の有効性を向上し得る。何故ならば、そのような測定は並行して実行し得、該
細胞からのみまたは該上清からのみ得られた測定よりも、より多様な細胞健康の
全体指標も潜在的に与え得る。
【0017】 好ましいCATS分析において、該第1の健康指標は細胞複製をモニターし、
該第2の健康指標はミトコンドリア機能をモニターし、および該第3の健康指標
は膜完全性をモニターする。以下の実施例で実証するように、複数の異なるタイ
プの細胞健康指標を含むCATSアッセイは化合物の毒性メカニズムの予測、な
らびに該化合物がイン・ビボで毒性となる濃度を予測することを可能とする。か
くして、本明細書に記載される方法のいずれに関しても、一つの好ましい変形は
、(毒性濃度を予測することの代りに、またはそれに加えて)細胞健康の測定か
らの毒性メカニズムの予測を含む。
【0018】 細胞健康の3つの指標が本発明の一つの好ましい具体例を与えるが、該CAT
S分析は、細胞複製の指標、ミトコンドリア機能の指標、細胞内エネルギーバラ
ンスの指標、細胞膜完全性の指標および細胞死亡率の指標よりなる群から選択さ
れる第4の細胞健康指標を測定することをさらに含むことができることが意図さ
れる。さらに、特定のCATS分析は、細胞複製の指標、ミトコンドリア機能の
指標、細胞内エネルギーバランスの指標、細胞膜完全性の指標および細胞死亡率
の指標よりなる群から選択される第5の細胞健康指標を測定することをさらに含
むことができることが意図される。5以上の指標を測定する具体例も意図される
【0019】 特定の規定された具体例において、該細胞複製アッセイは、H−チミジン取
込みを測定するアッセイ;BrdU取込みアッセイ、PCNA発現またはCYQ
UANTアッセイよりなる群から選択される細胞複製アッセイであろう。特に
好ましい具体例において、該細胞複製アッセイはCYQUANT細胞複製アッ
セイである。膜完全性アッセイを含む具体例において、該膜完全性アッセイは、
グルタチオン−S−トランスフェラーゼアッセイ、乳酸デヒドロゲナーゼアッセ
イ、アスパルチルアミノトランスフェラーゼアッセイ、アラニンアミノトランス
フェラーゼアッセイ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼアッセイ、ソルビトールデ
ヒドロゲナーゼアッセイ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼアッセイ、オルニチン
カルバミルトランスフェラーゼアッセイ、γ−グルタミルトランスフェラーゼア
ッセイ、およびアルカリ性ホスファターゼアッセイよりなる群から選択される。
肝臓細胞を用いる場合に特に好ましい膜完全性アッセイは、グルタチオンS−ト
ランスフェラーゼアッセイである。ミトコンドリア機能アッセイを含む具体例に
おいて、該ミトコンドリア機能アッセイは、ATPアッセイ、MTTアッセイ、
アラマールブルーアッセイ、ローダミン123アッセイ、およびシトクロムCオ
キシダーゼアッセイよりなる群から選択することができる。特に好ましいミトコ
ンドリア機能アッセイは、ATPアッセイおよびシトクロムCオキシダーゼアッ
セイである。本発明の状況において代替の有用なミトコンドリア機能アッセイは
MTTアッセイである。
【0020】 好ましい具体例において、上記した第4の細胞健康の指標は、ATP/ADP
バランスアッセイおよび酸素消費アッセイよりなる群から選択されるエネルギー
バランスアッセイの指標である。好ましくは、該エネルギーバランスアッセイは
ATP/ADPバランスアッセイである。1以上の細胞死アッセイを含むそれら
のCATS分析において、該細胞死アッセイは、カスパーゼ活性アッセイ、BC
アッセイ、BAXアッセイまたはDNAフラグメント化アッセイのごとき、
細胞数アッセイおよびアポトーシスアッセイよりなる群から選択することができ
る。該CATS分析に用いるための好ましい細胞死アッセイはCYQUANT細
胞数アッセイである。
【0021】 本発明のCATSアッセイを有利に用いて、抗菌剤のごとき、感染症の治療ま
たは予防のための剤;抗腫瘍剤のごとき、癌および他の腫瘍性疾患の治療または
予防のための剤;イムノモジュレータ(immunomodulator);神経伝達物質;中枢
神経系(CNS)疾患または障害の治療または予防のための剤;心臓血管疾患の
治療または予防に有効な剤;疼痛の治療または予防のための剤;代謝疾患の治療
のための剤;および抗炎症剤のごとき、いずれの化学化合物のイン・ビボ細胞毒
性を予測することができる。
【0022】 本発明の一定の局面において、該CATS分析は培養中の細胞を用いる。好ま
しい具体例において、そのような細胞は哺乳類起源のものである。例えば、該細
胞は、肝臓細胞、腎臓細胞、脳細胞、線維芽細胞、神経細胞、皮膚細胞、肺細胞
、脾臓細胞、子宮内膜細胞、心臓細胞、胃細胞、乳房細胞、幹細胞、胎児幹細胞
、造血細胞;またはこれらの細胞の1から誘導される細胞系統であってよい。該
細胞は一次細胞であるか、または細胞系統から誘導されてもよいことが意図され
る。特別の具体例において、該細胞は肝臓細胞である。好ましくは、該肝臓細胞
はヒト肝臓細胞またはゲッ歯類(例えば、ラット)の肝臓細胞である。好ましい
局面において、該ヒト肝臓細胞は、HepG2(ATCC HB−8065)、
C3A(ATCC CRL−10741)、DMS(ATCC CRL−2064
)、SNU−398(ATCC CRL−2233)、SNU−449(ATC
C CRL−2234)、SNU−182(ATCC CRL−2235)、SN
U−475(ATCC CRL−2236)、SNU−387(ATCC CRL
−2237)、SNU−423(ATCC CRL−2238)、NCI−H6
30(ATCC CRL−5833)、NCI−H1755(ATCC CRL−
5892)、PLC/PRF/5(ATCC CRL−8024)、Hep3B
(ATCC HB−8064)およびHTB−52(ATCC HTB−52)よ
りなる群から選択することができる。他の好ましい具体例において、該ラット肝
臓細胞は、H4IIE(ATTCC CRL−1548)、MH1C1(ATC
C CCL−144)、クローン9(ATCC CRL−1439)、BRL3A
(ATCC CRL−1442)、H4TG(ATCC CRL−1578)、H
4IIEC3(ATCC CRL−166)、McA−RH7777(ATCC
CRL−1601)、McA−RH8994(ATCC CRL−1602)お
よびN1−S1Fudr(ATCC CRL−1603)よりなる群から選択す
ることができる。もちろん、これらは、単に、好ましい例示的な細胞系統であり
、当業者は、他の細胞を本発明に用いることができることがよく分るであろう。
【0023】 本発明により障害を治療するための剤を開発する方法も意図され、所望の治療
効果と相関する生物学的活性につき複数の化合物をアッセイし;該所望の生物学
的活性を持つ1以上の化合物を選択し;本明細書に記載されたCATS分析に準
じて、該選択された化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測し;許容され得る低いレ
ベルの予測細胞毒性を持つ化合物を選択し;次いで、該疾患または障害に対する
有効性につき該化合物を試験することを含む。アッセイされる「生物学的活性」
は、研究者または臨床医が薬剤開発プログラムに関係すると考えるいずれの活性
であってよい。例示的な生物学的活性は、例えば、受容体結合、受容体ブロック
、または受容体刺激活性;分裂促進または細胞成長刺激活性;細胞成長阻害活性
;化学走性または細胞活性化活性;細胞モルホロジーまたは他の特性における変
化についてのアッセイ;細胞からの分泌因子(例えば、タンパク質、ホルモン、
伝達物質);および転写、翻訳、または細胞内タンパク質移動もしくはタンパク
質プロセシングのアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションを含む
。通常、該所望される治療効果は、疾患もしくは障害の予防もしくは治癒、また
はその進行の減速;および/または、その症状もしくは徴候の改善であろう。通
常、何故特定の生物学的活性の調整が所望の治療的または予防的効果と相関する
のかについての化学的理論または根拠が存在する。好ましい具体例において、所
望の生物学的活性を実証し、許容し得る低いレベルの予測細胞毒性を有する化合
物の試験ステップをイン・ビボで行う。動物モデルおよびヒトの臨床試験の両方
における試験が意図される。特別の具体例において、生物学的活性につきアッセ
イされるべき複数の化合物は化合物の化学ライブラリーから得る。あるいは、該
複数の化合物は、合理的薬剤設計により得ることができる。剤を開発する方法は
いずれの医学的障害についての治療のための剤を開発するにも適している。例え
ば、該方法は、疼痛;アルツハイマー病および中枢神経系の他の疾患または障害
;代謝障害;癌および他の腫瘍性疾患および障害;糖尿病;うつ病;免疫不全疾
患;免疫学的疾患および障害;自己免疫疾患および障害;胃腸障害;心臓血管疾
患および障害;炎症性疾患;および、細菌、ウイルスまたは真菌感染のごとき感
染症の治療のための剤の開発に有用である。
【0024】 さらなる変形において、剤を開発する方法は、水、食塩水溶液、モノラウリル
酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシ安息
香酸メチルおよびプロピル、タルク、アルギニン酸塩、デンプン、ラクトース、
スクロース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、リ
ン酸カルシウム、鉱物油、またはカカオ脂などのごとき医薬上許容される希釈剤
または担体中に該化合物を含む組成物を製造する少なくとも一つのステップをさ
らに含む。例えば、該方法は、該試験ステップの前にそのような組成物を製造す
るステップを含み、該試験ステップは該組成物をイン・ビボ投与することを含む
。さらに、または代替として、該方法は、該イン・ビボ試験がその剤は該疾患ま
たは障害の治療または予防に有効で、許容し得るレベルの毒性を持つということ
を確認するならば、該試験ステップの後に該組成物を製造するステップを含む。
製造に加えて、該方法は、所望により、該組成物を該組成および所望によりその
治療指示を記載するラベルを含有する容器にパッケージングするステップをさら
に含む。さらに、該方法は、所望により、該製造された組成物を該疾患または障
害の治療的または予防的処置の必要な患者に投与するステップをさらに含む。
【0025】 密接に関連する局面において、該剤を開発する方法は該疾患または障害の治療
のための医薬を製造するステップをさらに含み、該製造は該化合物を医薬上許容
される希釈剤または担体中で調剤することを含む。
【0026】 さらにもう一つの局面において、本発明は薬剤開発のリード化合物を同定する
方法を提供し、それは潜在的治療活性を有する化合物のライブラリーを得;該ラ
イブラリーを分析して、細胞毒性であると予測される化合物を除外し、該分析は
本明細書に記載されるCATS分析に準じて、該化合物の細胞毒性を予測するこ
とを含み;次いで、該ライブラリーから許容し得る低レベルの予測された細胞毒
性を持つ化合物を選択することを含む。特別の具体例において、化合物のライブ
ラリーは該ライブラリー中の化合物の構造特徴に基づき選択する。
【0027】 さらなる局面において、本発明は、化学化合物をスクリーニングして、候補治
療剤を選択する方法を提供し、それは、イン・ビトロ活性アッセイを行って、活
性を達成するのに必要とされる化学化合物の濃度(Cther)を決定し、ここ
に、該活性はイン・ビボで所望の治療効果と相関し;本発明に記載されるCAT
S分析に準じて、該化合物の細胞毒性を予測し;次いで、候補治療剤として、C tox 未満のCtherを有する化合物を選択する。アッセイされる「活性」は
、上記した例示的生物学的活性のごとき、研究者または臨床医が薬剤開発プログ
ラムにおいて関連すると考えるいずれの生物学的活性であってよい。該治療効果
は、本明細書に記載される疾患もしくは障害に関連する症状の予防、治癒もしく
は軽減、または疾患もしくは障害に罹患した人の生活の質を向上させる短期間治
癒の他の効果であってよい。一つのさらなる変形において、該方法は、医薬上許
容される希釈剤または担体中に該化合物を含有する組成物を製造するステップを
さらに含む。例えば、該方法は候補治療剤として選択された化合物を持つそのよ
うな組成物を製造するステップを含む。密接に関連する変形において、該方法は
、疾患または障害の治療のための医薬を製造するステップをさらに含み、該製造
は該化合物を医薬上許容される希釈剤または担体中で調剤することを含む。製造
に加えて、該方法は、所望により、該組成物を該組成および所望によりその治療
指示を記載するラベルを含有する容器にパッケージングするステップをさらに含
む。さらに、該方法は、所望により、該化合物の治療効果を必要とする患者に該
製造された組成物を投与するステップをさらに含む。
【0028】 さらにもう一つの局面において、本発明は、医薬的な研究開発のために候補治
療剤の優先順位を付ける方法を提供し、イン・ビトロ活性アッセイを行って、活
性を達成するのに必要とされる化学化合物の濃度(Cther)を決定し、ここ
に、該活性はイン・ビボで所望の治療効果と相関し;本発明に記載されるCAT
S分析に準じて、該化合物の細胞毒性を予測し;各化合物につきCtox:C her の比を決定して、各化合物につき推定治療インデックス(ETI)を与え
;次いで、該ETIからの候補治療剤として該化合物の優先順位を付け、ここに
、より高いETIは、さらなる開発に対してより高い優先性と相関する。アッセ
イされる「活性」は、上記した例示的生物学的活性のごとき、研究者または臨床
医が薬剤開発プログラムにおいて関連すると考えるいずれの生物学的活性であっ
てよい。該治療効果は、本明細書に記載される疾患もしくは障害に関連する症状
の予防、治癒もしくは軽減、または疾患もしくは障害に罹患している人の生活の
質を向上させる短期間治癒の他の効果であってよい。一つのさらなる変形におい
て、該方法は、高ETIスコアに基づいて高い優先順位が付けられた化合物を含
む組成物を製造するステップをさらに含み、該組成物は医薬上許容される希釈剤
または担体をさらに含む。所望により、該方法は、イン・ビボ毒性/安全性およ
び/または有効性の評価につき、非ヒト動物またはヒトに該組成物を投与するス
テップをさらに含む。
【0029】 時々、ETIを決定することは不可能であるか、または不便であろう。さらに
もう一つの局面において、本発明は医薬学的な研究開発のために候補治療剤の優
先順位を付ける方法を提供し、それは、本発明に記載されたCATS分析に準じ
て、該候補治療剤の細胞毒性を予測し;次いで、用いた1以上のCATSアッセ
イにおいて半値反応を生じる暴露濃度(TC50)に基づいて該剤の優先順位を
付けることを含む。このアプローチは、該候補治療剤が類似の化学構造を共有し
、同様の所望される生物学的活性を示すと予想される場合に、特に価値がある。
【0030】 さらなる具体例において、本発明は化学化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測す
る方法を提供し、複数の濃度の化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し;該
化学化合物の4以上の濃度にて第1の細胞健康の指標を測定し;該化学化合物の
4以上の濃度にて第2の細胞健康の指標を測定し;該化合物の4以上の濃度にて
第3の細胞健康の指標を測定し;該第1、第2および第3の細胞健康の指標を測
定するステップから、該化学化合物が細胞毒性効果を示す細胞毒性メカニズムを
予測することを含む。特定の具体例において、該方法は、該測定ステップから得
られた測定から該化学化合物の毒性濃度(Ctox)を予測することをさらに含
む。
【0031】 他の具体例は本発明の様々なアッセイを実行するのに用いることができるキッ
トを提供する。 本発明の他の局面、特徴および利点は、図面および詳細な説明を含む本出願の
全体から明らかであって、そのような特徴の全ては本発明の局面として意図され
る。
【0032】 同様に、本明細書に記載された本発明の特徴は、それらも本発明の局面として
意図されるさらなる具体例と再組合せができ、それは、該特徴の組合せが本発明
の局面または具体例として上記されているかどうかによらない。また、本発明に
とって重大である本明細書に記載されるそのような限界のみがそのようなものと
して見られるべきであり;重大であると本明細書に記載されていない限界を欠如
する本発明の変形は、本発明の局面として意図される。 上位概念または下位概念として記載されている本発明の局面に関して、該上位
概念または下位概念の全ての個別のメンバーが、個別に、本発明の局面として意
図される。
【0033】 前記に加えて、本発明は、さらなる局面として、上で具体的に言及された変形
よりもいずれにしても狭い範囲の本発明の全ての具体例を含む。本出願人はこれ
に付属する請求の範囲の完全なる範囲まで発明したが、これに付属する請求の範
囲は他の先行技術研究の範囲内を包含する意図はない。したがって、特許庁また
は他の企業または個人により、請求の範囲内に法定先行技術があることに本出願
人が気付くことになれば、本出願人は、そのような請求の範囲の発明を再規定し
てそのような法定先行技術または法定先行技術の明らかな変形をそのような請求
の範囲から特異的に除外する適用可能な特許法の下、補正権を行使する権利を保
持する。そのような補正される請求の範囲により規定された発明の変形も本発明
の局面として意図される。 また、以下に示された詳細な記載は、本発明の好ましい具体例を提供するが、
単に例示的なものと意図されていることを理解すべきである。何故ならば、本発
明の範囲内の変化および修飾が可能であり、全体として本発明の精神のうちにあ
る具体例を依然として提供する。
【0034】 図面の簡単な記載 以下の図面は、本出願の部分を形成し、本発明の特定の局面をさらに論証する
ために含まれる。本発明は、本発明の特別な具体例の詳細な記載と組合せて、1
以上のこれらの図面を参照することによって、より理解されるであろう。
【0035】 図1は、CATSアッセイの1の具体例のステップを描写する概略図である。 図2は、CYQUANTアッセイを用いて、細胞数へのケトコナゾールの用
量反応効果を示すグラフである。 図3は、膜完全性をモニターするための標準GST放出アッセイへのケトコナ
ゾールの用量反応効果を示すグラフである。 図4は、細胞数およびGSTの放出の両方へのケトコナゾールの用量反応効果
を示すグラフである。 図5は、ミトコンドリア機能を単独でモニターするためのMTTまたはATP
アッセイにおけるケトコナゾールの用量反応効果を示すグラフである。 図6Aおよび6Bは、CATS分析が、例としてケトコナゾールを用いてイン
・ビボ毒性の良好な概算を与えることを示すグラフである。図6Aは、細胞数、
GST放出、MTTおよびATPアッセイへのケトコナゾールの用量反応効果を
示すグラフである。図6Bは、図6Aと同一のデータを描写し、ラインAは本発
明により予測されたCtox濃度を示し、ラインBはヒトにおける実際の毒性を
示し、ラインCはラットにおける実際の毒性を示す。 図7は、化合物レテノンにつき行われたCATS分析の結果を示すグラフであ
る。 図8は、化合物オリゴミオシンにつき行われたCATS分析の結果を示すグラ
フである。 図9は、高い毒性を持つ抗真菌剤につき行われたCATS分析を示すグラフで
ある。 図10は、低い毒性を持つ抗真菌剤につき行われたCATS分析を示すグラフ
である。 図11は、毒性の潜在的な特有メカニズムを持つ抗真菌剤につき行われたCA
TS分析を示すグラフである。 図12は、イン・ビボ毒性(Ctox)のイン・ビトロクラスター分析(CA
TS)予測を示すグラフである。 図13Aおよび図13Bは、増殖細胞集団における毒性の検出を実証するグラ
フである。図13Aは、24時間暴露後の全般的細胞健康への化合物Aの効果を
示す。図13Bは、24時間暴露後の全般的細胞健康への化合物Bの効果を示す
。 図14A〜14Dは、化合物Aに媒介される増殖細胞集団における毒性は時間
依存性であることを示すグラフである。図14Aは、膜完全性への化合物Aの効
果を示す。図14Bは、細胞数への化合物Aの効果を示す。図14Cは、ミトコ
ンドリア機能のマーカーへの化合物Aの効果を示す。図14Dは、細胞健康への
化合物Aの影響を示す。
【0036】 発明の詳細な記載 現在、新たな潜在的治療化合物を早期発見から臨床前開発(イン・ビボ動物試
験)までもってくるのに3から5年間かかる。そのような化合物の毒性データは
、一般的に、該臨床前動物毒性試験が行われるまで入手可能ではない。多数の薬
剤が開発のこの段階まで到達し、毒性傾向のためさらなる開発から廃棄されるだ
けである。そのような失敗は会社の資源の多大なる損失を意味する。もっともな
ことであるが、薬剤発見の初期合成段階にまたはその近くまで到達するこれらの
多くの化合物の毒性を予測し得る技術は、該薬剤発見プロセスの早期に不都合な
毒性プロファイルを有する化合物を排除することによって新たな薬剤を同定する
効率に対して大きな影響を有するであろう。より強力な早期段階イン・ビボ毒性
試験の即座に予想される利益は、失敗をもたらすこれらの3ないし5年間の薬剤
発見サイクル数の減少であって、かくして、成功した新たな治療薬の開発に要さ
れる平均サイクル数を減少させる。関連する利益は薬剤開発についての減少した
コストおよび医療社会に対する新たな医薬のより急速な入手可能性を含む。減少
した失敗率は、価値ある化合物が商業的売込みを享受する特許期間の部分を延長
するであろう。
【0037】 本発明は、さらなる開発のための分類内で新たな化学物体の優先順位を付け、
毒性のメカニズムを同定し、次いで、該薬剤開発および発見プロセスの早期にイ
ン・ビボ毒性を評価する方法を提供する。そのようであるので、 これらの方法
を用いて、さらなる薬剤開発のために多数の新たな化合物の優先順位を付け得る
。さらに、該方法は、同定された剤が臨床前毒性試験で成功する可能性を大いに
増大させる。高スループット分析のためのこれらイン・ビトロ方法の適用可能性
は、それらを、薬剤発見プログラムへの経済的およびコスト的効率の付加とする
【0038】 特に、本発明は3以上の異なる生化学的エンドポイントを評価して、所定の化
合物のイン・ビボ毒性濃度を予測し、相対的毒性に基づき化合物の優先順位を付
け、次いで、毒性のメカニズムを同定するクラスター分析を提供する。好ましい
具体例において、これらのアッセイは、広い濃度範囲の該化合物への24時間暴
露後、正常細胞機能にとって本質的である特定の生化学的プロセスの変化を測定
する。 本発明の毒性クラスター分析は、特定の細胞内プロセスに発生する変化に関連
する適当な情報の決定を許容する。今度は、この情報を用いて細胞損傷および/
または細胞毒性のより完全なプロファイルを得る。
【0039】 I.クラスター分析毒性スクリーニング 本発明において、クラスター分析毒性スクリーニングは所定の化合物のイン・
ビボ毒性を予測する方法として提示される。特別な局面において、これらのアッ
セイは、複数の濃度の該化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し;少なくと
も3つの濃度の該化学化合物中での培養に応じて、該細胞の複数の細胞健康指標
を測定し、次いで、そのような測定から、該化学化合物のTC50および毒性濃
度(Ctox)を予測することを含む。そのようなアッセイを実行することに関
わる種々の具体例を以下にさらに詳細に記載する。
【0040】 アッセイフォーマット 特に好ましい具体例において、該CATS技術を用いて、潜在的に治療価値の
ある化合物の優先順位を付け、同定する。本発明者らは、複数のエンドポイント
を分析することが所定の化合物の毒性に関する重要な情報を与えることを見出し
た。 一定の具体例において、本発明はそのような化合物を同定する方法に関する。
このスクリーニング技術は、薬剤開発のためのリード治療化合物として機能する
化合物の一般的優先順位付けおよび同定において有用であることを証明すること
が意図される。本発明は、いずれの特別な分類の化合物にも限定されず、様々な
疾患および障害の介在につき新たな有用な化合物の同定に向けられた研究所分析
への有用な付加であり、該様々な疾患および障害は、限定されないが、アルツハ
イマー病、中枢神経系の他の障害および疾患、代謝障害および疾患、癌、糖尿病
、うつ病、免疫不全疾患および障害、免疫学的疾患および障害、自己免疫疾患お
よび障害、胃腸疾患および障害、心臓血管疾患および障害、炎症性疾患および障
害、ならびに、細菌、ウイルスまたは真菌感染のごとき感染症を含む。
【0041】 特別の具体例において、本発明は、一般的に: (a)複数の濃度の該化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し; (b)該化学化合物の4以上の濃度にて第1の細胞健康の指標を測定し; (c)該化学化合物の4以上の濃度にて第2の細胞健康の指標を測定し; (d)該化学化合物の4以上の濃度にて第3の細胞健康の指標を測定し;次い
で、 (e)ステップ(b)、(c)および(d)の測定から該化学化合物の毒性濃
度(Ctox)を予測することを含む方法を用いることによって、候補物質のイ
ン・ビボ細胞毒性を決定する方法に向けられる。
【0042】 一定の局面において、該方法はステップ(b)、(c)および(d)の測定か
ら該化学化合物のTC50を予測することをさらに含む。いずれの特別のアッセ
イについて、該TC50は、該アッセイにおいて最大毒性反応の50パーセント
を生じる化合物濃度を表す。以下により一層詳細に記載するように、CATSを
一定の条件下で行う場合、TC50は予測Ctoxとして選択し得る。
【0043】 前記方法は、細胞培養の調製を必要とする。そのような細胞は培養中の一次細
胞であってよく、または細胞系統であってよい。該細胞は一次培養および/また
は細胞系統への適応に順応するいずれの哺乳類起源からも得ることができる。動
物から細胞系統を作製する代りに、そのような細胞系統は、例えば、American T
ype Culture Collection, (ATCC, Rockville, MD)、またはいずれの他のブダペ
スト条約もしくは他の生物学的寄託から入手することができる。該アッセイに用
いる細胞は動物起源からであってよく、または、例えば、該薬剤開発が検討され
ている特定の障害の特定の特性を発現するように仕立てられた組換え細胞であっ
てよい。好ましくは、該細胞はヒトまたは他の霊長類、ラット、マウス、ウサギ
、ヒツジ等から得られた組織から誘導される。哺乳類一次細胞培養および細胞系
統培養に用いられる技術は当業者によく知られている。事実、商業的に入手可能
な細胞系統の場合、一般的に、そのような細胞系統は、その所定の細胞系統にと
って好ましい、増殖、培地および条件の特定の指示とともに販売される。
【0044】 本発明は、所定の細胞の少なくとも第1、第2および第3の細胞健康の指標を
測定することによって、所定の化合物の細胞毒性を予測する。そのような試みの
ために選択された細胞は決定すべきイン・ビボ毒性の推定サイトに依存するであ
ろう。例えば、肝臓はイン・ビボ薬剤毒性の特に普及したサイトである。かくし
て、本明細書に記載されるアッセイにおける肝臓細胞(一次または肝臓細胞から
誘導された細胞系統のいずれか)の使用が特に意図される。好ましい具体例にお
いて、本発明者らは、該H4IIE細胞系統(ATCC #CRL−1548)
が肝臓細胞の全般的健康への化合物の細胞毒性効果を予測するのに優れた候補で
あることを見出した。さらに、該H4IIE細胞系統は増殖する細胞集団なので
、該系は、造血細胞のごとき他のタイプの増殖細胞に不都合に影響する化合物を
同定するのに有用であろう。そのような細胞を用いて、非常に低い肝臓毒性しか
有しないが、増殖細胞に対しては高い毒性を有する化学治療剤を同定し得る(実
施例5を参照せよ)。
【0045】 該H4IIE細胞系統は本明細書において好ましい細胞系統として記載される
が、いずれの哺乳類一次肝臓細胞または肝臓細胞系統も本発明に有用であると理
解するべきである。一定の好ましい具体例において、該細胞はラット肝臓細胞系
統である。H4IIEに加えて、本発明において使用することが意図される他の
好ましいラット細胞系統は、限定されないが、MH1C1(ATCC CCL−
144)、クローン9(ATCC CRL−1439)、BRL3A(ATCC
CRL−1442)、H4TG(ATTC CRL−1578)、H4IIEC
3(ATCC CRL−166)、McA−RH7777(ATCC CRL−1
601)、McA−RH8994(ATCC CRL−1602)、N1−S1
Fudr(ATCC CRL−1603)およびN1−S1(ATCC CRL−
1604)を含む。
【0046】 他の好ましい具体例において、該細胞はヒト肝臓細胞である。本発明により記
載された方法に用いるための好ましいヒト肝臓細胞系統は、HepG2(ATC
C HB−8065)である。さらに、本発明に有用であろう他の例示的なヒト
肝臓細胞系統は、限定されないが、C3A(ATCC CRL−10741)、
DMS(ATCC CRL−2064)、SNU−398(ATCC CRL−2
233)、SNU−449(ATCC CRL−2234)、SNU−182(
ATCC CRL−2235)、SNU−475(ATCC CRL−2236)
、SNU−387(ATCC CRL−2237)、SNU−423(ATCC
CRL−2238)、NCI−H630(ATCC CRL−5833)、NC
I−H1755(ATCC CRL−5892)、PLC/PRF/5(ATC
C CRL−8024)、Hep3B(HB8064)およびHTB−52(A
TCC HTB−52)を含む。
【0047】 上記細胞は肝臓細胞毒性の有用な指標であるが、本発明を用いて、様々な組織
型における細胞毒性を決定し、モニターし、さもなくば予測することができる。
当業者がモニターしたい細胞毒性のイン・ビボサイトは該特定の試験化合物の作
用のイン・ビボサイトならびに該試験化合物の作用のサイトから離れたサイトを
含む。したがって、アッセイに用いることができる細胞系統は、腎臓、心臓およ
び膵臓のごときイン・ビボ細胞毒性の他の普通のサイトから誘導される細胞系統
を含む。これらの組織は、肝臓と共に、細胞毒性をモニターするのに選択される
であろう一次組織であろうが、本発明のアッセイを用いて、脳、神経、皮膚、肺
、脾臓、子宮内膜、胃および乳房組織、ならびに幹細胞および造血細胞から誘導
される細胞への試験化合物の細胞毒効果を予測することができることは理解され
るべきである。細胞毒性アッセイにおける造血細胞または「幹」細胞またはそれ
らから誘導された細胞系統の使用が特に意図される。
【0048】 特別な具体例において、該細胞を複数ウェル(例えば、96−ウェル)プレー
トに接種し、対数増殖期に達するようにする。H4IIE細胞において、この増
殖期は約48時間である。この細胞系統にとって好ましい培地および細胞培養条
件は実施例に記載する。 一旦、該細胞培養がかく確立すれば、種々の濃度の試験すべき化合物を該培地
に添加し、該細胞を種々の濃度に24時間暴露して増殖させる。該24時間暴露
期間が好ましいが、これは単に暴露の例示的な時間であり、該特定の化合物をよ
り長くまたはより短い時間試験することは本発明の範囲内であると意図される。
そのようであるから、該細胞は、6、12、24、36、48またはそれを超え
る時間暴露することができる。増加した培養時間は、時々、該スクリーニングプ
ロセスを減速する犠牲の下、さらなる細胞毒性情報を明らかにするであろう。
【0049】 さらに、成長周期のいずれの所定の段階にても、該細胞を該試験化合物に暴露
することができる。例えば、いくつかの具体例において、新たな細胞培養が開始
されたと同時に、該細胞を該試験化合物に接触させることが所望されるであろう
。あるいは、該細胞が集密的増殖に達したときか、または対数増殖期にあるとき
、該化合物を添加することが好ましい。特別の増殖期細胞を決定することは、当
業者によく知られている方法によって達成される。
【0050】 毒性効果が観察されないいくつかの濃度および毒性効果が観察される少なくと
も2以上のより高い濃度を含むことを目的として、該所定の試験化合物の様々な
濃度を選択する。さらなる検討は、イン・ビボで達成し得る化合物の濃度にて該
アッセイを行うことにある。例えば、0マイクロモラーないし約300マイクロ
モラーの範囲内のいくつかの濃度をアッセイすることは、通常、これらの目的を
達成するのに有用である。例えば、350マイクロモラー、400マイクロモラ
ー、450マイクロモラー、500マイクロモラー、600マイクロモラー、7
00マイクロモラー、800マイクロモラー、900マイクロモラーのごとき3
00マイクロモラーより高い濃度にて、または、さらにミリモラーの濃度にてこ
れらのアッセイのうちいくつかを実行することが可能であり、所望もされる。化
合物の概算治療効果濃度は、試験の濃度の上限範囲に関する初期ガイダンスを与
える。さらに、以下により詳細に説明するように、好ましくは、CATS分析は
、アッセイにおいて細胞毒性が観察可能な少なくとも2つの濃度を含む濃度範囲
をアッセイすることを含む。300マイクロモラー程度の高さの濃度範囲をアッ
セイすることは、しばしば、この基準を満足することが分った。
【0051】 例示的な一組のアッセイにおいて、該CATSが実行される試験化合物濃度範
囲は、培養培地中、0.05マイクロモラー、0.1マイクロモラー、1.0マ
イクロモラー、5.0マイクロモラー、10.0マイクロモラー、20.0マイ
クロモラー、50.0マイクロモラー、100マイクロモラーおよび300マイ
クロモラーの該化合物の最終増殖培地濃度を生じる用量溶液を含む。上記のごと
く、これらは例示的な範囲であって、いずれの所定のアッセイも、少なくとも4
つの異なる濃度にて行うことが想定され、より好ましくは、該濃度用量は、例え
ば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそ
れ以上の濃度の試験すべき化合物を含む。そのような濃度は、培養培地中、例え
ば、0.05マイクロモラー、0.1マイクロモラー、0.5マイクロモラー、
1.0マイクロモラー、2.0マイクロモラー、3.0マイクロモラー、4.0
マイクロモラー、5.0マイクロモラー、10.0マイクロモラー、15.0マ
イクロモラー、20.0マイクロモラー、25.0マイクロモラー、30.0マ
イクロモラー、35.0マイクロモラー、40.0マイクロモラー、45.0マ
イクロモラー、50.0マイクロモラー、55.0マイクロモラー、60.0マ
イクロモラー、65.0マイクロモラー、70.0マイクロモラー、75.0マ
イクロモラー、80.0マイクロモラー、85.0マイクロモラー、90.0マ
イクロモラー、95.0マイクロモラー、100マイクロモラー、110.0マ
イクロモラー、120.0マイクロモラー、130.0マイクロモラー、140
.0マイクロモラー、150.0マイクロモラー、160.0マイクロモラー、
170.0マイクロモラー、180.0マイクロモラー、190.0マイクロモ
ラー、200.0マイクロモラー、210.0マイクロモラー、220.0マイ
クロモラー、230.0マイクロモラー、240.0マイクロモラー、250.
0マイクロモラー、260.0マイクロモラー、270.0マイクロモラー、2
80.0マイクロモラー、290.0マイクロモラー、および300マイクロモ
ラーの培養濃度を生じるであろう。所望の範囲を超える濃度の試験は、さらなる
情報を提供するが、必要とされる増加した細胞培養数、アッセイ試薬および時間
のため、さらなるコストがマイクロモラーないし300マイクロモラーの範囲を
超える10の異なる濃度をスクリーンする。
【0052】 典型的に、本明細書に記載される種々のアッセイは、96ウェルプレートまた
はさらに384細胞プレート中に接種された細胞を用いることができる。次いで
、該細胞は、例えば、0〜300マイクロモラーの濃度範囲を超える該試験化合
物に暴露する。該細胞は、例えば、24時間の所定時間これらの濃度においてイ
ンキュベートする。該インキュベーションの後、該クラスターのアッセイを各試
験化合物につき行う。全てのアッセイを同一の濃度にて行って、完全なる組のデ
ータを同様の培養、時間および取扱い条件下で作成することが好ましい。しかし
ながら、それは、該アッセイを互いに数日の間でバッチで行うということであろ
う。
【0053】 特定の具体例において、細胞健康および生存率の指標は、限定されないが、細
胞複製、ミトコンドリア機能、エネルギーバランス、膜完全性および細胞死亡率
を含む。
【0054】 該CATSアッセイは、設定し、実行するのにとても簡単である。例えば、該
アッセイの1以上をモニターすることを可能とする条件下で、候補物質を適当な
細胞と混合する。図1は、ラット肝臓細胞をモデル系として用い、96−ウェル
アッセイフォーマット中に増殖させるスキームを示す。この複数ウェルフォーマ
ットは、単一アッセイプレート上で該クラスターアッセイからの個別のアッセイ
の種々の交換を可能にする。
【0055】 試験すべき化合物は、天然に産出する化合物の断片または部分を含むことがで
き、または、合理的薬剤設計スキームによって、以前から知られている化合物か
ら誘導することができる。動物、細菌、真菌、葉および木皮を含む植物起源、お
よび海洋試料のごとき天然起源から単離された化合物を潜在的に有用な医薬化合
物の存在としての候補としてアッセイすることができる。あるいは、毒性につき
試験されるべき医薬化合物も合成し得る(すなわち、人工化合物)。
【0056】 モニターされるべき化合物のタイプは、抗ウイルス剤、抗生物質、抗炎症性剤
、抗うつ剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、利尿剤、抗高血圧治療剤、抗不整脈治療
剤、癌治療用化学療法剤、抗菌剤などであろう。 細胞毒性につき試験すべき化合物の起源またはタイプにかかわらず、該化合物
の生物学的活性をモニターして、特定の化合物または化合物群の治療効能の指標
を与えることが必要であろう。もちろん、そのようなアッセイは試験されるべき
特別の治療指標に依存する。例示的な指標はアルツハイマー病、癌、糖尿病、う
つ病、免疫不全、自己免疫疾患、胃腸障害、心臓血管疾患、炎症性疾患等に対す
る効能を含む。
【0057】 クラスター分析アッセイ 新たな薬剤の毒性プロファイルを明らかにするための複数アッセイの使用は、
生体系における化合物の効果を正確に評価する非常に強力なツールであることを
証明する。 本発明のクラスターにおいて用いられる選択的アッセイは、所定の化合物の毒
性プロファイルに関係する重要な情報を提供する。好ましくは、これらのアッセ
イは、該薬剤開発スキーム中の異なるときに該アッセイを行うこととは対照的に
、薬剤発見の薬剤開発段階中に当該種々のパラメータに関する情報が同時に得ら
れるように実行される。好ましくは、該アッセイは、バッチ中で全てを同時に行
う。他の好ましい局面において、初期の細胞系統から同時に生成した全ての細胞
培養につき該アッセイを実行するのが有用であろう。
【0058】 一群のアッセイが特定の関心に焦点をあてるモジュールを設計することができ
る。かくして、細胞の全般的健康への特定の化合物の効果をモニターするために
、膜完全性、分裂促進、ミトコンドリア機能およびエネルギーバランスをモニタ
ーすることは特に有用であろう。これらのエンドポイントのいずれかに用いられ
る特定のアッセイは制限的であるとは考えられない。かくして、膜完全性の指標
を与えるいずれのアッセイは、ミトコンドリア機能およびエネルギーバランスの
指標となるいずれのアッセイと共に、分裂促進(細胞複製)を予測するいずれの
アッセイと合わせることができる。
【0059】 該全般的細胞健康を決定するためのモジュールに加えて、興味のある他のモジ
ュールは、例えば、酸化ストレス、細胞周期パラメータ、急性炎症性反応、アポ
トーシスおよび内分泌系反応を決定するのに向けられるものを含む。 酸化ストレスを決定するモジュールにおいて、該クラスターに用いられるべき
例示的なアッセイは、限定されないが、グルタチオン/グルタチオンジスルフィ
ド(GSH/GSSG)、二酢酸フルオレセイン(DCFDA)、脂質過酸化、
8−イソプロスタン、8−オキシグアニン(8−オキシG)DNA付加物、チオ
バルビツル酸(TBARS)、およびマロンジアルデヒド(MDA)を含むエン
ドポイントをモニターすることを含むことができる。
【0060】 細胞周期をモニターするために設計されたモジュールは、限定されないが、p
53、p21、TGFβ、CDK1、PCNA、テロメラーゼ、一酸化窒素、お
よび誘発性一酸化窒素シンセターゼ(iNOS)を含むいずれの所定の細胞周期
指標の存在またはレベルへの効果を決定することを含む。繰り返すが、いずれの
特別のアッセイを用いて、いずれの所定の細胞周期指標のレベルまたは量を決定
することができる。
【0061】 上記のごとく、該アッセイはミトコンドリア機能、エネルギーバランス、膜完
全性、細胞複製などについての情報のごとき、決定されるべき特別の生化学的ま
たは分子生物学的エンドポイントの適当な指標を提供するものと当業者により考
えられている限り、該所定のパラメータのいずれかをモニターする特定のアッセ
イは決定的なものとは考えられていない。以下のセクションは、本発明の状況に
おいて用いることができる例示的なアッセイを与える。これは、これらのアッセ
イの記載に関する網羅的な論文を意図するものではなく、むしろ、当業者が入手
可能なタイプのアッセイに関するガイダンスである。
【0062】 該細胞への直接効果を生じる化合物は、典型的に、酸化呼吸(oxidative respi
ration)のアップ−またはダウン−レギュレーションのいずれかをすることによ
って、ミトコンドリア機能を変化させる。これは、ATP形態の細胞エネルギー
を変化させることができることを意味する。ミトコンドリア機能は、細胞毒性お
よび細胞増殖の指標として用い得る。健康なミトコンドリアは、臭化3−(4,
5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテラゾリウム(MT
T)の青色または紫色のホルマザン化合物への還元を触媒する。比較的不溶性の
ホルマザンブルーをイソプロパノール中に抽出し、該抽出物の吸光度を測定する
。高い吸光度の値は、生存細胞および機能的ミトコンドリアを示す。逆に、色強
度の減少は細胞の損失か、または該ミトコンドリアへの直接的毒性効果のいずれ
かを示唆する。該MTTアッセイは当業者によく知られ、記載されており、例え
ば、MTTミトコンドリア色素アッセイは、[Mosmann, J Immunol, Methods, 6
5, 55-63, 1983]および[Denizot et al., J. Immunol. Methods. 89, 271-277
, 1986]に記載されている。XTTミトコンドリア色素をモニターする同様のア
ッセイは[Roehm et al., J. Immunol. Methods, 142, 257-265, 1991]によっ
て記載されている。さらに、当業者は、例えば、アラマールブルーアッセイ[Go
egan et al., Toxicol. In Vitro 9, 257-266. 1995]、ローダミン123アッ
セイ、またはシトクロムCオキシダーゼアッセイを行うことによって、ミトコン
ドリア機能を決定することもできる。
【0063】 ATPは、多くの細胞内プロセスの一次エネルギー源を供給し、細胞および組
織生存率を維持するのに必要である。ATPの細胞内レベルは、ネクローシスま
たはアポトーシスの間に急速に減少する。したがって、細胞あたりを基礎とする
ATPへの正規化は該細胞のエネルギー状態についての情報を提供し得、解糖ま
たはミトコンドリア機能の早期変化を評価するマーカーを提供するであろう場合
、ATPの細胞濃度の変化を細胞健康の全般的指標として用い得る。ADP/A
TPエネルギーバランスの決定を可能にするアッセイは当業者によく知られてい
る[Kanagas et al., Med Biol, 62, 338-343, 1984]。
【0064】 培養された細胞から該培地へのα−GST放出の測定を用いて、膜完全性を評
価し得る。このアッセイは、肝臓細胞のサイトゾル中に高濃度で存在するGST
のアルファ形態に特異的である。Biotrin Inc.から購入したELISAキットを
用いてGSTを測定した。GST放出アッセイは、例えば、[Redick et al., J
Biol. Chem. 257, 15200-15203. Oberley et al., Toxicol. Appl. Pharmacol
. 131, 94-107, 1995; Feinfeld, J Clin Chem Clin Biochem. 24, 529-532, 19
86]の文献に記載されている。
【0065】 膜完全性を決定する他のアッセイは、限定されないが、乳酸デヒドロゲナーゼ
活性、アスパルチルアミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラ
ーゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、グルタ
ミン酸デヒドロゲナーゼ、オルニチンカルバミルトランスフェラーゼ、γ−グル
タミルトランスフェラーゼ、およびアルカリ性ホスファターゼを含む。
【0066】 細胞が分割する能力は、細胞内受容体の膨大なアレイ間の調整されたシグナリ
ングを必要とする。細胞複製すなわち「分裂促進」は、該細胞が最適に機能する
ことを要する。したがって、複製する能力の変化は、ストレスまたは異常機能の
指標である。細胞複製の決定を可能にする例示的なアッセイは、[In vitro tox
icol 1990, 3, 219; Anal. Biochem. 1993, 213, 426]に記載されるCYQUA
NTアッセイシステムである。分裂促進の指標を与えるために用いることがで
きるさらなるアッセイは、限定されないが、H−チミジン取込みのモニター;
BrdU取込みアッセイを含む。さらに、分裂促進は、細胞周期を制御する成分
の機能、存在または不存在を決定することによってモニターすることができる。
例示的な成分は、当業者によく知られ、限定されないが、p53、p21、TG
Fβ、CDK1、PCNA等を含む。
【0067】 該CATS分析の一部として行われるアッセイのうちのいくつかは該培地の成
分を測定することを含み、一方、他のものは該細胞または細胞ライゼートから細
胞数またはパラメータを測定することを含む。有利には、該CATS分析は培地
を用い得るいくつかのアッセイおよび単一ウェルからの細胞を用い得る他のもの
を選択することを含む。
【0068】 イン・ビトロ分析からの化合物のイン・ビボ毒性の予測 一旦、所定の群のアッセイにつき全てのデータが受領されれば、該データを解
析して該化合物の毒性の詳細なプロファイルを得る。例えば、最も簡便には、該
データを単一のグラフ上に用量反応範囲にわたって比較する。そのような具体例
において、いずれの所定の濃度にて各パラメータ(すなわち、細胞健康の各指標
)につき評価された測定を該化合物の不存在下で得られた対照測定のパーセンテ
ージとしてプロットする。しかしながら、全てのパラメータが集約的に解析され
て、全毒性プロファイルを生じる異なるパラメータへの該化合物濃度の影響の詳
細な情報を生じる限り、該データを単一のグラフ上にプロットする必要はないこ
とを特記する。下に記載するように、この全毒性プロファイルはイン・ビボ毒性
であると予測される血漿濃度Ctoxの決定を容易にする。Ctoxは、肝臓毒
性または造血毒性のごとき毒性を生じるであろう維持されたイン・ビボ血漿濃度
の評価を表す。
【0069】 毒物学の分野における基礎的前提は、全ての化合物が毒であること、および、
それは有益的/治療的効果対毒性効果を決定する化合物の用量であることである
。用量は、暴露時間、用量処方、吸収、代謝および排泄のごとき薬物動態学的パ
ラメータによって、治療されるべき種の差異によって、および投与経路によって
影響される。これら全ての因子は、薬剤の血漿濃度およびその暴露持続時間に影
響する。かくして、原則として、イン・ビトロスクリーンは代謝および暴露時間
のみを考慮する必要がある。理論的には、増加した暴露時間は用量反応極性を左
にシフトさせる(例えば、TC50はより低いか、または該化合物はより長い暴
露時間にわたって、より高い毒性を表す)。これらの因子の全ては、該CATS
アッセイにおけるCtox選択において考慮されている。
【0070】 例えば、該H4IIE細胞を用いるイン・ビトロ時間経過実験を行って、72
時間の暴露期間にわたって、クロラムフェニコールおよびケトコナゾールにつき
用量反応曲線における変化を評価した。該データは、TC50値の最大シフトが
24時間および48時間の間で発生し、延長化された暴露(72時間)は毒性プ
ロファイルにほとんどまたは全く影響しないことを示した。これらのデータから
、24時間暴露のNOELはイン・ビボ毒性とよく相関し、毒性を生じるであろ
うイン・ビボ血漿濃度の許容される概算を提供することが決定された。イン・ビ
ボ動物研究と比較すると、最も感受性の高い毒性についての24時間TC50
度は、毒性が生じる濃度を超えた。しかしながら、該24時間のNOELは、該
より感受性の高いアッセイについての72時間TC50濃度にも相関し、かくし
て、該72時間TC50濃度も毒性を生じるであろうイン・ビボ血漿濃度の許容
される概算を与える。
【0071】 これらのごとき研究は、Ctoxを設定するための好ましい濃度は、該クラス
ター分析、特に、24時間クラスター分析において測定される指標のいずれかへ
の効果が全く観察されない最高濃度である。72時間クラスター分析において最
も感受性の高い毒性アッセイにおけるTC50濃度は、該24時間NOEL/C tox と相関することが観察され、かくして、毒性を生じるであろう維持された
イン・ビボ血漿濃度の概算として働くCATS分析における別のデータポイント
を表す。24時間アッセイは、より時間に影響され、その結果、該24時間NO
EL/CtoxはCATSアッセイにおいてCtoxとして選択するのに好まし
いデータポイントを表すことは明らかである。さらなる時間研究で、他のCAT
Sアッセイ時点(例えば、24および72時間の間、または24時間未満)にて
等しく適当なCtoxを選択することが可能であろうことも明らかである。
【0072】 好ましい局面において、クラスター分析の実行から誘導されたデータは、該化
合物濃度の関数として、測定されるいずれの所定のパラメータへの化合物の(対
照に対する)相対的効果の単一グラフプロットにて表される。該Ctoxは、該
化合物がイン・ビボで毒性効果を生じるであろう概算濃度である。Ctoxを見
出すために、イン・ビトロ毒性クラスターアッセイにおいて全く効果を有しない
100%ライン上の最高濃度を推定無効果レベルNOELとして決定する(図1
2)。このNOEL値の同定は、(最初に観察された毒性効果からの無秩序実験
誤差を区別するため)観測可能な用量関連毒性効果を生じる少なくとも2つのよ
り高い濃度に引き継がれる場合、最も信頼性がある。次いで、NOEL点に始ま
り、X軸と交わるところで終わる垂直線を引く(図12のラインA)。このライ
ンと交わるX軸上の濃度値は、イン・ビボ毒性を生じる予測血漿濃度(Ctox )を表す。治療濃度すなわち用量は、付随する細胞毒性効果のない所望の治療効
果を生じるのに必要な血漿濃度である。薬剤候補にとって、該有効または治療用
量(Cther)が最小限の危険性の毒性クロージング(toxic closing)を持つ
有効治療を許容する毒性用量(Ctox)から充分に離れていることが好ましい
。好ましい具体例において、該Ctherは少なくともCtoxよりも10倍以
下である。図12に示される例において、肝臓毒性が最初に観察されたイン・ビ
ボでの実際の血漿濃度は、垂直ライン(B)で示される。予測(A)および実際
(B)の値は互いに20%以内である。所望の治療効果を生じることが観察され
た血漿濃度はライン(C)で示される。ライン(C)と(B)との間の濃度範囲
は「治療ウィンドウ」を表し、そこでは、該薬剤が毒性を示すことなく有効であ
る。図12のライン(D)は、TC50濃度、すなわち、該MTT、GSTおよ
びATPアッセイがこの24時間CATS分析において50%最大毒性効果を示
す濃度を表す。アラマールブルーおよび細胞数アッセイのTC50は、該MTT
、GSTおよびATPアッセイで見られるものよりも大きい。24時間の時点で
、NOELは該薬剤の毒性濃度のTC50よりも良好な予測を与える。
【0073】 好ましい具体例において、該予測は、該クラスター分析において用いられる少
なくとも3つの別個のアッセイからの測定の用量反応分析を実行することを含む
。例えば、該細胞健康クラスターにおいて、そのような予測は、細胞複製をモニ
ターする第1の健康指標、ミトコンドリア機能をモニターする第2の健康指標お
よび膜完全性をモニターする第3の健康指標への該化合物の用量反応効果をモニ
ターすることを含むであろう。もちろん、第4、5、6またはそれ以上の細胞健
康指標を用いることもできることは理解されるべきである。これらの用量反応分
析から、該化学化合物の測定可能な毒性効果が観察不可能である該化学化合物の
最高濃度、すなわち、NOELを決定し、該Ctoxを該NOELと相関する濃
度として同定する。分析のために該化合物の濃度を選択する際、当業者は該C ox 濃度よりも高い少なくとも2つの濃度値の濃度での細胞健康の指標を与える
ために選択された用量反応処方の計画を立てるべきである。
【0074】 特定の具体例において、該分析の結果は単一グラフ上に描かれ、そこでは、該
値は対照と比較して表される。「対照と比較して」なる語は、該化合物の存在下
での測定が該化合物の不存在下で行われる同様のアッセイと比較されることを意
味する。該化合物の不存在下での測定は図12における100%測定として表さ
れる。かくして、該化合物の効果は、未加工の図として決定され、次いで、それ
は該化合物の不存在下で決定される測定と比較して調節される。
【0075】 一定の場合、治療効果が観察されるのに必要なヒトの血漿濃度を予測するため
の効能/活性実験から、化合物または一連の化合物につき作成された充分な生物
学的活性情報があるであろう。そのような予測が時期尚早である場合でさえ、所
望の治療活性と相関する生物学的効果を達成するのに必要な化合物または一連の
化合物の濃度を示す少なくともいくつかの活性データが存在するであろう。その
ような場合、CATS分析からのイン・ビトロデータを用いて、治療インデック
ス(TI)を概算することが可能となる。薬剤のTIは該毒性濃度(慣例的には
、TC50値)を有益な治療濃度で徐すことによって算出する。かくして、より
大きなTI値ほど、より安全な薬剤である。例えば、100マイクロモラーを超
えるTC50値、50マイクロモラーの概算Ctox値および0.2マイクロモ
ラーの概算治療濃度を有する化合物につき、500のTIが得られる。概算C ox を毒性濃度として用いるならば、250のTIが得られる。これは、少なく
とも肝臓毒性の観点からは安全な薬剤であることを示す。少なくとも10のTI
が好ましく、100のTIが特に好ましい。もちろん、100より高い値は該薬
剤が特に安全であることを示し、最も好ましい。
【0076】 かくして、候補治療剤の優先順位を付けるのに有用な本発明の一つの具体例に
おいて、活性(Cther)を達成するのに必要な化学化合物濃度を決定するた
めのイン・ビトロ活性アッセイが実行され、ここに、該活性はイン・ビボで所望
の治療効果と相関し;本明細書に記載されるCATSアッセイ手順に準じて該化
合物の細胞毒性を予測し;各化合物につきCtox:Cther比を決定して各
化合物につき概算治療インデックス(ETI)を得;次いで、該ETIから候補
治療剤として該化合物の優先順位を付け、ここに、より高いETIは、さらなる
開発に対するより高い優先順位と相関する。特に、構造的に関連する化合物のフ
ァミリーが調べられ、該TC50が、アッセイのCATSバッテリーにおける同
一の特定のアッセイからのものである場合、該CATSアッセイからの概算TC 50 の使用は、ETIを作成し、化合物の優先順位を付けることにも有用である
。(化合物の相対的毒性を比較するのにしばしば用いられる重要な要素はいずれ
の所定のアッセイにおいて半値効果を生じる薬剤濃度である。)
【0077】 II.潜在的非毒性新規治療薬を同定するための毒性クラスターアッセイの使用 好ましい具体例において、本発明のアッセイを薬剤発見プログラムの一部とし
て用いて、制限された毒性を持つ推定治療化合物を同定することができる。薬剤
発見は、標的の治療領域に有望性(promise)を示す候補物質の範囲の同定で始ま
る。この第1ステップは数百の「ヒット」をもたらす。次いで、発見チームはど
の化合物を次なるスクリーンに付すかという疑問と向き合う。この段階でのCA
TS分析は、概算毒性または概算相対的毒性値に基づいてチームが該化合物の優
先順位付けできるようにする。トップの化合物を効能および特異性につきさらな
るスクリーンの範囲で調べる。構想は、さらなる薬剤開発努力に最も有望性を示
すコア構造またはテンプレートを同定することである。一旦、テンプレートが選
択されれば、さらなる化学および構造活性分析を行って、該化合物の薬効を増大
させる。このプロセスは、当該リード化合物を生じる。該プロセスのこの段階で
CATSスクリーンを行って、これらの可能性のあるリード化合物についての毒
性データを提供することができる。該トップリード化合物を選択して、臨床前動
物試験に移行する。該動物試験段階において、全薬剤候補の30%が予期せぬ毒
性のため落第する。発見プロセスの早期のCATSスクリーニングの導入は、こ
の後期段階で落第する化合物の数を大いに削減する。
【0078】 本発明に記載されるCATS技術は該薬剤発見プログラムのいずれの段階にお
いても用いることができるが、該発見プロセスの早期に特に価値がある。該クラ
スター分析から得られる情報は、当該新たなテンプレートにおいて薬効および効
力を最小限にしつつ、毒性を作り出すための適当な情報を化学者に提供する。さ
らに、該毒性クラスター分析から得られたデータは該毒性を生じる化合物の細胞
下標的を同定し得る。これらの方法を用いて、それらの相対的毒性および同一の
治療および化学分類において既知の薬剤と比較するそれらの相対的毒性に基づき
、該推定治療化合物をランク付け、すなわち、優先順位付けし得る。例えば、抗
真菌剤ケトコナゾールを該アゾール分類の新たな抗真菌剤の参照化合物として用
い得るであろう。
【0079】 毒性について多数の化合物をスクリーニングするための高スループットアッセ
イが特に意図される。ある具体例において、該高スループットスクリーニングを
自動化することができる。高スループットアッセイにおいて、化合物の群を生物
学的標的に暴露する。これらの群は、予め個別に調製された化合物のコレクショ
ンから組み立てることができ、化合物バンクに貯蔵されているので、該組立ては
、無作為であるか、または同様の構造が形成される同様のプログラムの使用によ
って導かれる。
【0080】 さらに、熟考された調製物における急速成長および化合物のライブラリーおよ
び/またはアレイの使用もある。各ライブラリーは、酵素または受容体のごとき
生物学的標的に対してスクリーンされた多数の化合物を含有する。生物学的ヒッ
トが見つかった場合、該ヒットの原因となる化合物を同定する。そのような化合
物またはリードは、一般に、該スクリーンにおいて弱い活性を示すが、活性を促
進させるより伝統的な医療化学プログラムの実行の基礎を形成する。該ライブラ
リーは、組換え化学の急速開発技術を用いるか、または、並行合成[De Witt et
al., Proc Natl Acad Sci, 90, 6909, 1993; Jung et al., Angew Chem Int Ed
Engl, 31:367-83, 1992; Pavia et al., Bioorg Med Chem Lett, 3:387-96, 19
93]によって調製することができる。
【0081】 あるいは、スクリーンすべき化合物は共通するテンプレートまたはコア構造に
基づくライブラリーからのものであってよい(例えば、[Ellman and Bunin, J
Amer Chem Soc, 114:10997, 1992 (ベンゾジアゼピンテンプレート), WO 95/321
84 (オキサゾロンおよびアミニジンテンプレート), WO 95/30642 (ジヒドロベン
ゾピランテンプレート)およびWO 95/35278 (ピロリジンテンプレート)]を参照
せよ。)該テンプレートは多数の、例えば、3つの機能サイトを有し、その各々
は、逐次的に、多数の、例えば、5つの異なる試薬と反応して、5×5×5の異
なる組合せの置換基を生じ、125個の成分を含有するライブラリーを与え得る
。通常、該ライブラリーは該置換基の全てのまたは実質的に全ての順列を含有す
る。該テンプレートは、例えば、ベンゾジアゼピン環のごとき知られたファーマ
コアを取込む「バイアスされた」テンプレートまたは「バイアスされていない」
テンプレートであってよく、その選択は生物学的よりも化学的な考察によってよ
り影響される。
【0082】 かくして、本発明を用いて、薬剤発見のためのリード化合物を同定することが
できる。上記したライブラリースクリーニングに加えて、そのようなリード化合
物は、研究所で個別に作成された単一の合成化合物の無作為交叉スクリーニング
によってか、または微生物代謝物、海洋海綿および植物のごとき天然産物から得
られた抽出物をスクリーニングすることによって生成することができる。
【0083】 もう一つの代替において、該化合物は既知の生物学的活性化合物の構造および
/またはそれらの生物学的作用のサイトに基づく合理的薬剤設計により生成する
ことができる。今や、これは、コンピュータ支援薬剤設計の強力な技術によって
補足される。合理的薬剤設計の目的は、興味のある生物学的活性化合物の構造ア
ナログを生成することにある。そのような技術は、本発明を用いて細胞毒性につ
きスクリーンすることができる特別の指標につき潜在的な数千の化合物を生じる
【0084】 III.キット 本発明の一定の局面において、該CATSを実行するために必要な成分の全て
をキットにパッケージすることができる。詳しくは、本発明は細胞毒性アッセイ
に使用するためのキットを提供し、該キットは、周期評価アッセイ、ミトコンド
リア機能アッセイ、エネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる
群から選択される第1の細胞毒性アッセイ;細胞評価アッセイ、ミトコンドリア
機能アッセイ、エネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群か
ら選択される第2の細胞毒性アッセイ;および、細胞評価アッセイ、ミトコンド
リア機能アッセイ、エネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる
群から選択される第3の細胞毒性アッセイを実行するためのパッケージされた一
組の試薬を含み;ここに、該第1、第2および第3の細胞毒性アッセイは互いに
区別される。該キットは、細胞評価アッセイ、ミトコンドリア機能アッセイ、エ
ネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群から選択される第4
または第5の細胞毒性アッセイを実行するための試薬を含むこともできる。該試
薬に加えて、該キットは、好ましくは、該試薬を用いる本発明のCATSの1以
上の変形を行うための試薬と共にパッケージされるインストラクションを含むこ
とができる。該インストラクションは、印刷物、またはコンピュータ読取り可能
磁気的もしくは光学的媒体のごときいずれの有形媒体に固定するか、あるいは、
インターネットを通じてアクセス可能なワールドワイドウェブのごとき遠隔コン
ピュータデータ源を参照するインストラクションであってよい。
【0085】 上記の具体例は、周期評価、ミトコンドリア機能、エネルギーバランスおよび
細胞死アッセイの分類の各々から行われた一つのアッセイがあるキットを意図す
るが、該キットおよび方法は1以上のいずれのタイプのアッセイを実行すること
を含むことができることが意図される。そうであるので、第1、第2、第3、第
4および第5のアッセイのための試薬を含むキットに加えて、該キットは該分類
の各々からの第2のアッセイを実行するための試薬を含むこともできることも意
図される。したがって、該キットは、複数の別個の細胞周期評価アッセイを実行
するための試薬;複数の別個のミトコンドリア機能アッセイを実行するための試
薬;複数の別個のエネルギーバランスアッセイを実行するための試薬および複数
の別個の細胞死アッセイを実行するための試薬も含むことができることが意図さ
れる。
【0086】 IV.実施例 以下の実施例は本発明の好ましい具体例を代表する。当業者は、これらの実施
例に記載された技術は、本発明者らによって記載された本発明の実施において良
好に機能する技術を表し、その実施に好ましい態様を構成するものであることを
理解するであろう。当業者は、本発明の精神および範疇を逸脱することなく、多
くの変化を開示された特定の方法になし得ることを認識するであろう。
【0087】 実施例1 原料および方法 この実施例は、本発明の一定の局面に用いることができる例示的な原料および
方法を記載し、次なる実施例に記載された結果を生じるために用いられた。
【0088】 ストック用量溶液の調製 当該試験化合物は予め秤量してガラスビン中に入れる。20ミリモラーのスト
ック溶液の調製は、充分量のジメチルスルホキシド(DMO)を直接該ビンに入
れることによって達成した。これらのストックを用いてDMSO中20マイクロ
モラーのストック溶液を調製した。該20ミリモラーおよび200マイクロモラ
ーのストックの両方を用いて、0.5%の最終DMSO濃度で、培養培地中0.
05、0.1、1.0、5.0、10.0、20.0、50.0、100および
300マイクロモラーの用量溶液を調製した。該ストックおよび用量溶液は用量
前の日に調製した。該溶液をホイルで包み、翌朝まで4℃にて貯蔵した。
【0089】 試験および対照物 培地プラスDMSO(5%)の陰性対照を細胞の有無でインキュベートした。
ジギトニン(1mM)処理群が完全細胞死に対する陽性対照として含まれた。
【0090】 細胞系統および増殖培地 ラット肝癌誘導H4IIE細胞を試験系として用いた。該細胞はATCC(#
CRL−1548)から入手し、研究所で継代培養した。これらの細胞に用いた
培養培地は10%胎児ウシ血清(FBS)および10%子ウシ血清入りのイーグ
ル最小必須培地(Eagle's Minimum Essential Medium)(MEM)であった。認定
されたFBSおよび子ウシ血清はGibco Life Technologiesからのものであった
【0091】 処理および実験設計 96ウェルプレートは、用量の48時間前に200マイクロリッターの培地中
10,000細胞/プレートで接種した。接種後3日目の朝に、該試験化合物を
200マイクロリッター体積の培地(DMSO=0.5%)中該プレートに添加
した。300マイクロモラー処理は1.5%の最終DMSO濃度を有した。 開発実験の方法の間、細胞増殖、MTTおよびGSTへのDMSOの影響を0
.01ないし4%の範囲のDMSO濃度にて評価した。これらの研究は、2%を
下回るDMSO濃度にて試験されたエンドポイントのいずれにも影響を示さなか
った。さらに、DMSOが細胞摂取、したがって化合物の毒性を促進する能力も
ケトコナゾールおよびアムホテリシンを用いて評価した。(0%、0.5%およ
び1.0%)の最終DMSO濃度にて、広範囲のケトコナゾールおよびアムホテ
リシン濃度を試験したとき、毒性に全く著しい差異は検出されなかった。
【0092】 グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)放出アッセイ: 該細胞を用量した後の朝(約24時間)、各ウェル中で該細胞を被覆する培地
を取り出し、適当なラベルを付けた新たな96ウェルプレートに入れた。これら
の培地プレートは、分析が必要とされるまで−80℃にて貯蔵した。 該GST酵素の放出は、24時間暴露期間の最後に該細胞が該試験化合物に暴
露された培地を収集することによって決定する。かくして、GST値は該暴露期
間にわたる全GST損失を表す。100%死滅または最大GST放出に対する対
照は、Tにて1mMジギトニンで処理された細胞に基づく。ジギトニン処理細
胞と比較するパーセント死滅細胞を決定し、次いで、100から差し引いてパー
セント生存細胞を求めた。
【0093】 ミトコンドリア機能アッセイ 臭化(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテ
トラゾリウム。GST分析のためにプレートから該培地を取り出した後、各ウェ
ルに残存する細胞は、ミトコンドリアデヒドロゲナーゼ活性によりテトラゾリウ
ム色素をホルマザンに還元するそれらの能力につき評価した。MTTストック溶
液をアールバッファー化塩溶液(EBSS)中で調製して、5.0mg/mlの
最終濃度にした。このストックを使用直前に完全培地で10倍に希釈し(0.5
mg/ml)、水浴中で37℃に加温した。いくつかの場合、該MTT粉末を完
全培地に直接添加して、0.5mg/mlの最終濃度を得た。一旦、該培地を全
てのウェルから取り出し、200マイクロリッターの0.5mg/mlのMTT
溶液を各ウェルに添加し、該プレートを37℃にて3〜4時間インキュベートさ
せた。発色はこの時間中線形である。
【0094】 該3〜4時間のインキュベーション後、全ての培地を取り出し、紫色ホルマザ
ン生成物を200マイクロリッターの無水イソプロパノールを添加することによ
って抽出した。該プレートをホイルで覆い、室温にて30分間オービタルシェー
カーに置いた。各ウェルを多重チャネルピペットで吸引して該ホルマザンの可溶
化を保証し、次いで、該プレートをGH3.8ローターを備え付けたBeckman Al
legra 6R遠心器中で3000rpmにて遠心して、不溶性細胞デブリを除去した
。100マイクロリッターの上清をきれいな96ウェルプレートに移し、次いで
、Packard走査分光分析器で570nmにて試料吸光度および650nmにて参
照吸光度を読取ることによって、分析を行った。
【0095】 24時間暴露期間の終わりに、該培地を取り出し、残存する付着細胞をミトコ
ンドリア機能につきアッセイした。生存したミトコンドリアのある細胞は、最高
量のMT活性、したがって、最高の吸光度の値を有するであろう。パーセント対
照値は、該処理群の平均吸光度を対照群の平均吸光度で徐し、次いで、100を
乗することによって決定した。
【0096】 細胞増殖(CYQUANT)アッセイ 各ウェル中の細胞数はMolecular ProbesのCYQUANT細胞増殖キットで
決定した。このアッセイは、DNAとの相互作用により蛍光を発光するDNA特
異的結合色素に基づく。細胞数への変換は試料蛍光単位を蛍光単位/細胞に基づ
く標準曲線と比較することによって達成する。該アッセイは、以下の例外を除き
、本質的に製造業者により記載されたように行った:ジギトニン(1mM)また
はトリトンX100を溶菌バッファーに添加した。該プレートを−80℃のフリ
ーザーから取り出した直後に、該溶菌バッファーを該プレートに添加した。該プ
レートは蛍光を読取る前に20分間振盪した。−80℃にての信号に著しい損失
のない最長貯蔵時間は7日より長くないと決定された。
【0097】 細胞数は補正曲線を作成することによって決定した。細胞あたりの蛍光単位(
FU)を得るために、1×10個の細胞を試験管に入れ、遠心してペレットに
した。次いで、該DNA結合色素を含有する1ミリリッターの細胞溶菌バッファ
ーに該ペレットを再懸濁させた。かくして、1000ミリリッター中の100万
個の細胞は、懸濁液の1マイクロリッターあたり1000個の細胞の関係を生じ
た。これは、FU/細胞を与える。試料についての細胞数は得られたFUを該補
正曲線に当て嵌めることによって決定した。対照に対するパーセント変化は、該
処理細胞数を該対照細胞数で徐し、100を乗することによって決定した。
【0098】 ATPアッセイ 細胞内アデノシン三リン酸(ATP)はPackard InstrumentsのATP様キッ
トで製造業者のインストラクションに準じて決定した。このアッセイはATP+
D−ルシフェリン+ルシフェラーゼによって酸素触媒されたオキシルシフェリン
+AMP+PPi+CO+光の間の反応に基づく。該発光した光は存在するA
TPの量に比例する。非常に短い半減期を有する「フラッシュ」型の信号ではな
く、このアッセイは該信号半減期を5時間まで延長化する「グロー」型技術を用
いる。さらに、特有の細胞溶菌試薬は内在性ATPアーゼを阻害し、したがって
、ADPへのその分解を防止することによって細胞内ATPを安定化する。AT
Pは全ての生存細胞中に存在し、細胞死を急速に低下させる。さらに、このアッ
セイは該MTTアッセイと組合せて、該細胞のミトコンドリア活性およびエネル
ギー状態の指標を与える。
【0099】 ATPにおける変化は、該平均処理ルミネッセンス値を該対照値で徐し、10
0を乗じることによって対照と比較するパーセント変化として表記する。ATP
の実際の量も、該アッセイ中にATP補正曲線を含ませ、次いで、回帰係数で該
ルミネッセンス反応をATP濃度に変換することによって決定することができる
。最終的に、pmol ATPデータを細胞数で除すことによって、細胞あたり
の産生したATP濃度を推定することが可能となる。典型的には、細胞は安定し
たレベルのATPを維持しようとし、したがって、該ATPプールの安定性につ
いての情報が所望されない限り、このパラメータはルーチン的には計算されない
【0100】 実施例2 ケトコナゾール:CATSにより決定された制限された毒性の薬剤 この実施例において、ケトコナゾールを該試験薬剤として用いた。ラット肝癌
細胞を96ウェル培養プレートに接種し、48時間増殖を確立させた。この増殖
期の後、該細胞を増殖培地および0.5% DMSO中で0、0.05、0.1
、1、5、10.20、50、100および300マイクロモラーのケトコナゾ
ールで処理した。24時間暴露期間の後、該細胞および周辺培地を実施例1に記
載したように分析した。 種々のケトコナゾール濃度の影響は、細胞数(図2)、GST放出(図3)、
細胞数およびGSTの放出の両方(図4)、およびMTTアッセイまたはATP
アッセイ(図5)を測定することによって決定した。該細胞数、GST放出、M
TTおよびATPアッセイからのデータを合わせてケトコナゾール毒性のより完
全なる像を明らかにした(図6A)。
【0101】 この化合物につき単に細胞数のみをモニターしたならば、該影響は、図2に見
られる細胞数における用量関連減少であろう。これらのデータ単独では多くの疑
問が残る。細胞数は細胞死のために減少したのか、または細胞数は(対照と比較
して)減少したように見えるが、実際には、該細胞は単に複製を停止しただけな
のか?一方、標準酵素放出アッセイを用いて細胞死(例えば、LDHまたはGA
T)をモニターしたのであれば、該結果はケトコナゾールは300マイクロモラ
ーより下では細胞に対して毒性ではないことを示唆しているのであろう(図3)
。しかしながら、該2つのアッセイを同時に行えば、より有用な情報が得られる
。この場合、細胞数は減少し、GSTの放出は付随して増加しない(図4)。し
たがって、細胞数の減少は低減した複製のためであり細胞死のためではない。M
TTまたはATPを前記情報なしに行われたのであれば、該結果は、ケトコナゾ
ールは毒性であり、20マイクロモラーより下で早期効果が観察されるであろう
(図5)。繰り返すが、ATP/MTTアッセイにおける減少は急性細胞毒性(
死滅細胞)複製の低下した速度またはミトコンドリア機能への直接的な効果のた
めである。4つのアッセイ全てを一緒に検証した場合、ケトコナゾールのより完
全なる像が明らかになる(図6A)。
【0102】 ケトコナゾールは、細胞複製への阻害性効果を生じる前にミトコンドリア機能
を阻害し、ATPレベルを減少させる。細胞ATPの減少はストレス状況をシグ
ナルし、該細胞はGすなわち静止期に入ってエネルギーを保存する。今度は、
これが対照と比較して細胞数に見かけの減少を生じる。かくして、これらのデー
タの全てを合わせることは毒性の予測について強力なメカニズムを与える。
【0103】 細胞数は細胞増殖または細胞死の指標である。対照と比較して細胞数が減少し
、GSTのごときマーカー酵素における付随する放出での暴露を増加すれば、細
胞数の減少は細胞死に起因し得る。一方、細胞数がGSTの不存在下で減少すれ
ば、該化合物は、顕在的な細胞毒性を生じることなく複製する細胞能力に影響す
る。MTT活性の低下は細胞死、分裂促進の阻害、または直接的ミトトキシック
(mitotoxic)効果の結果であり得る。試験化合物が細胞数およびMTT活性に減
少をもたらしたが、GST放出の増加をもたらしたのであれば、該化合物は細胞
複製または分裂促進を阻害しているのであろう。
【0104】 MTT活性について半値反応を生じる暴露濃度(TC50)が細胞数の減少に
ついてのTC50よりも低ければ、該化合物はミトコンドリアを直接阻害し、減
少した細胞数をもたらし、最終的には細胞死およびGST放出をもたらすであろ
う。かくして、各アッセイの反応プロファイルを丹念に評価し、特定のエンドポ
イントを測定して、如何にそれらが影響され得るかを知ることによって、細胞毒
性の潜在的なメカニズムについての確実な予測を開発することが可能となる。
【0105】 ケトコナゾールは抗真菌剤であり、その分類において最初に臨床使用された。
一般的に、この薬剤は、通常の用量処方の下、ヒトにおいて充分に耐性がある。
しかしながら、治療の長期化した期間にわたる高用量は肝臓、副腎および睾丸に
関連する毒性を生じ得る。肝臓は、急速にケトコナゾールを代謝し、毒性は親化
合物に関連するものと信じられている。該CATS系において、50マイクロモ
ラー以上のTC50値を持つ化合物はイン・ビボで重篤な肝臓毒性を発揮しない
。ケトコナゾールのCATS分析は、測定された全てのパラメータが50マイク
ロモラー以上のTC50値を有することを明らかにした。これらのデータは、ケ
トコナゾールは通常の治療処方下で低い毒性しか保有しないといる事実と一致す
る。ケトコナゾールを長期化した時間にわたってより高い濃度にて使用する場合
、肝臓毒性が続いて起こり得る。ラットにおいて、60マイクロモラーに維持さ
れた血漿濃度は肝臓損傷を生じる(図6のラインC)。ヒトにおいて、30マイ
クロモラーに維持された血漿濃度は肝臓毒性をもたらす(図6BのラインB)。
CATS分析は20マイクロモラーにて毒性を生じる血漿濃度(Ctox)を概
算した(図6BのラインA)。ケトコナゾー介在肝臓毒性のメカニズムは、ある
部分、ミトコンドリア機能の阻害により、単離されたミトコンドリア中のSta
teIII呼吸の直接阻害により実証される。CATS分析は、実際にATPお
よびMTTは減少し、その後、細胞複製が低下し(GST放出なし)、それは、
結局、最高暴露濃度にて細胞死をもたらす(完全GST放出)(図6Aおよび図
6B)ことを明らかにした。
【0106】 これらのデータは薬剤発見プロセスにおけるCATS分析の有用性を実証する
。ケトコナゾールは毒性のため開発から落第しなかったであろう。何故ならば、
該TC50値は50μM以上であって、ほとんどの投与予定において、血漿濃度
がCtoxレベルに達しないであろうからである。さらに、CATSは、毒性の
潜在的標的(ミトコンドリア)についての情報、および毒性をもたらすイン・ビ
ボ血漿濃度の良好な概算を提供する。
【0107】 実施例3 ケトコナゾールと3つの抗真菌化合物との毒性の比較 この実施例において、該毒性クラスター分析を用いて生成した3つのアゾール
系抗真菌化合物の毒性プロファイルは、互いに、および既知の抗真菌剤であるケ
トコナゾールと比較する。 この実施例において、これらの3つの化合物の種々の濃度の影響は、細胞数、
MTT、ATP、およびGST放出アッセイを用いてモニターした。個々のアッ
セイは、本質的に実施例1に上記されたように実行した。「高毒性」と標識され
たグラフにおいて、4つの生化学的エンドポイントの全ては同じように影響され
、10マイクロモラーに近いTC50の大きさであった(図9)。「低毒性」と
標識されたグラフにおいて、該試験化合物は評価されたアッセイのいずれにも効
果を有しなかった(図10)。比較すると、第3の化合物につき収集されたデー
タは「潜在的な特有毒性メカニズム」と標識されたグラフに表され、唯一、AT
Pアッセイのみが明確な濃度依存様式で反応した(図11)。これらのデータは
特有のメカニズムを持つ潜在的な毒性化合物を示す。該試験化合物は重大な生化
学的経路(ATPまたはエネルギー)を変化させているが、この効果は該クラス
ター分析に用いられる実験条件下で急性毒性をもたらさなかった。しかしながら
、延長化された暴露時間のごとき変化した実験パラダイムを考えると、これは、
毒性が引き続いて起らないことは意味しない。
【0108】 これらの化合物をケトコナゾールと比較すれば、さらなる情報が得られる。例
えば、毒性であるとして図9に列記された化合物は、約10マイクロモラーのT
50値を有し、一方、ケトコナゾールのTC50値は、MTTにつき70マイ
クロモラー、全ての他のエンドポイントにつき100マイクロモラーを超える。
かくして、ケトコナゾールは他のアゾール系抗真菌剤よりも毒性が低いと考えら
れる
【0109】 単一の毒性アッセイは同一の情報を提供しないであろう。例えば、「高毒性」
グラフ(図9)において、細胞数が用いた唯一のアッセイであれば、細胞数の減
少が急性細胞毒性(細胞死)によるものか、または単に細胞の複製の低下による
ものかという2つの非常に異なる結論が明らかでないであろう。同様に、MTT
またはATPが単独で行われたならば、該減少が、(死滅によるかもしくは低下
した複製によるかのいずれか)で減少した細胞数に関連するか、またはミトコン
ドリア機能への直接効果に関連するかが明らかでないであろう(図9)。
【0110】 GSTが該プロファイルの一部である場合、他のパラメータへの効果は細胞死
をもたらす急性細胞毒性のためであることが明らかになる(図9)。全ての用量
反応曲線を重ねて、各アッセイにおいて均一な化合物暴露濃度に対応するプロフ
ァイルを作成し得るという事実は、それらの全てが同一の事象、細胞死に影響さ
れることを示唆する。MTTまたはATPがGST放出における変化の前により
低い容量に対応したのであれば、毒性をもたらす前記事象についての情報が得ら
れる。この予定の例は、図11に見られ、ATPの濃度関連減少を示し、いずれ
の他のパラメータにも変化がないことを表す。
【0111】 これらのデータはATP合成へのまたはミトコンドリア膜透過性(未連結)へ
の直接効果を示す。ミトコンドリアにおけるMTT減少が酸化的リン酸化鎖の複
合体IおよびIIにて発生するので、MTTは影響されていない。ATP合成は
複合体Vにて起る。同様の効果を生じる例示的化学はオリゴミオシンであり(図
8)、複合体VにてATPシンセターゼを特異的に標的する。オリゴミオシンへ
の6時間暴露後、細胞数、およびGSTは影響されていない。MTTは著しく減
少しているがATPは完全に喪失した。図8は、MTTにおけるいずれの著しい
変化の前にほとんど全てのATPが喪失していることを示す。この実施例におい
て、GSTまたは細胞数アッセイが用いられたのであれば、該化合物は非毒性の
ようであるが、ミトコンドリア機能についてのATPのごとき重要な生化学プロ
セスのマーカーを含ませることによって、細胞毒性が明らかになる。
【0112】 実施例4 レテノン:CATSにより調査された非常に毒性な薬剤の例 重要な細胞生化学プロセス(CATS)を測定する複数のアッセイが如何に最も
完全なる像を提供するかのもう一つの例は、図7に見られ、それは、細胞数、M
TT、ATP、およびGST放出アッセイへの種々の濃度のレテノンの効果を図
示する。該アッセイは実施例1に記載されたように行った。 レテノンはミトコンドリア酸化的リン酸化を特異的にブロックし、それゆえ,
複合体IおよびIIにてATPの合成をブロックするよく研究された化学物質で
ある。この化合物は哺乳類にとって極度に毒性であるが、GSTアッセイがイン
・ビトロで6時間暴露に用いた唯一のアッセイであったならば、毒性は検出され
ていなかったであろう。しかしながら、アッセイの全クラスターを評価する場合
、最も早期の事象の一つがATPの喪失であることが明らかとなった。ATP、
MTTおよびアラマールブルーは全て減少したが、次に最も感受性のあるマーカ
ーはATPである。細胞数は減少したが、これは低下した複製のためであって、
細胞死のためではない(GST放出なし)。細胞中で発生する最もエネルギー依
存的なプロセスは複製である。したがって、ATPの喪失、および変化したミト
コンドリア機能は、低下した複製能力およびより高い用量にての細胞数の減少を
もたらす。長い暴露ほど、細胞死およびGST放出の増加をもたらす。これらの
データも、延長化された期間の低い暴露も細胞にとって毒性であることを示す。
【0113】 実施例5 細胞集団の増殖における毒性の検出 この実施例は、如何にCATS分析を用いて、図13A〜Bおよび図14A〜
Dに見られるように、細胞集団を増殖させることに対して主に毒性である化合物
を検出するのに用い得るかを示す。 図13Aは24時間暴露後の一般的細胞健康への化合物Aの効果を示し、図1
3Bは、化合物Bが標準CATS分析で評価されたときの24時間暴露後の全般
的細胞健康への該化合物の効果を示す。これらの化合物は両方とも、骨中で顕著
な低細胞性を生じる化合物の例である。化合物Aは化合物Bよりもかなり毒性で
ある。 図13Aは、化合物Aに暴露された細胞においてGSTにいかなる変化もなく
、細胞数およびMTTにおける適度な濃度依存性減少を示す。対照的に、化合物
Bは本質的に効果を有しない。化合物Aについて、より高い用量にての減少した
細胞数のパターンおよび低下したミトコンドリア機能は、ミトコンドリア、増殖
細胞または両方に対する毒性を示す。
【0114】 増殖細胞に対する毒性は、該毒性を正確に予測するために集団を二倍にする必
要があるだろうという仮説を評価するために、化合物Aを標準の24時間ではな
く72時間のもう一つのCATS分析に付した。結果を図14A〜図14Dに示
す。暴露の72時間後、GSTアッセイにより決定されたように、低暴露にて急
性細胞毒性は本質的になかった(図14A)。しかしながら、細胞数は著しい濃
度依存性を示し(図14B)、ミトコンドリアマーカーMTTおよびATPも同
様であった(図14C)。図14Dは、1のグラフ上に置かれた全てのエンドポ
イントを表す。化合物Aは増殖細胞に劇的な影響を有し、それは変化したミトコ
ンドリア機能に対して最もそれらしい死である細胞の複製する無能力をもたらす
ことは明らかである。エンドポイント間のより大きな分解は24時間および72
時間の間の時点にてのCATS分析を行うことにより達成された。 この実施例のデータは、24時間にてプロファイル化されたCATS毒性は骨
髄細胞のごとき増殖細胞の毒性を予測するのに有用であることを示す。
【0115】 本明細書において、方法および組成物は好ましい具体例の観点で記載されてき
たが、本発明の概念、精神および範疇を逸脱することなく、該方法および/また
は組成物に変形を適用することができることは明らかであろう。より詳しくは、
本明細書に記載された方法の代りに、依然として同一または同様の結果を生じつ
つ、生理学的に関連するアッセイに置き換えることができることは明らかであろ
う。当業者に明らかな、そのような同様の置換物および修飾の全ては、付属した
請求の範囲に規定されたように本発明の範疇にあるとみなされる。 ある種の例示的な手続上のまたは本明細書に記載されたものに補足的な他の詳
細が本明細書で引用された参考文献に見られるであろう限りまで、そのような参
考文献は全て、特別に、出典明示して本明細書の一部とみなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CATSアッセイの1の具体例のステップを描写する概略図。
【図2】 CYQUANTアッセイを用いて、細胞数へのケトコナゾール
の用量反応効果を示すグラフ。
【図3】 膜完全性をモニターするための標準GST放出アッセイへのケト
コナゾールの用量反応効果を示すグラフ。
【図4】 細胞数およびGSTの放出の両方へのケトコナゾールの用量反応
効果を示すグラフ。
【図5】 ミトコンドリア機能を単独でモニターするためのMTTまたはA
TPアッセイにおけるケトコナゾールの用量反応効果を示すグラフ。
【図6A】 細胞数、GST放出、MTTおよびATPアッセイへのケトコ
ナゾールの用量反応効果を示すグラフ。
【図6B】 図6Aと同一のグラフ;ラインAは本発明により予測されたC tox 濃度を示し、ラインBはヒトにおける実際の毒性を示し、ラインCはラッ
トにおける実際の毒性を示す。
【図7】 化合物レテノンにつき行われたCATS分析の結果を示すグラフ
【図8】 化合物オリゴミオシンにつき行われたCATS分析の結果を示す
グラフ。
【図9】 高い毒性を持つ抗真菌剤につき行われたCATS分析を示すグラ
フ。
【図10】 低い毒性を持つ抗真菌剤につき行われたCATS分析を示すグ
ラフ。
【図11】 毒性の潜在的な特有メカニズムを持つ抗真菌剤につき行われた
CATS分析を示すグラフ。
【図12】 イン・ビボ毒性(Ctox)のイン・ビトロクラスター分析(
CATS)予測を示すグラフ。
【図13A】 24時間暴露後の全般的細胞健康への化合物Aの効果を示す
グラフ。
【図13B】 24時間暴露後の全般的細胞健康への化合物Bの効果を示す
グラフ。
【図14A】 膜完全性への化合物Aの効果を示すグラフ。
【図14B】 細胞数への化合物Aの効果を示すグラフ。
【図14C】 ミトコンドリア機能のマーカーへの化合物Aの効果を示すグ
ラフ。
【図14D】 細胞健康への化合物Aの影響を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B063 QA01 QA05 QQ08 QQ15 QQ63 QR04 QR06 QR13 QR42 QR77 QX02 QX07

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測する方法であって: (a)複数の濃度の該化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し; (b)該化学化合物の4以上の濃度にて第1の細胞健康の指標を測定し; (c)該化学化合物の4以上の濃度にて第2の細胞健康の指標を測定し; (d)該化学化合物の4以上の濃度にて第3の細胞健康の指標を測定し;次
    いで、 (e)ステップ(b)、(c)および(d)の測定から該化学化合物の毒性
    濃度(Ctox)を予測することを特徴とする該方法。
  2. 【請求項2】 該第1、第2および第3の指標の各々が、独立して、細胞複
    製の指標、ミトコンドリア機能の指標、細胞内エネルギーバランスの指標、細胞
    膜完全性の指標および細胞死亡率の指標よりなる群から選択される請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 該細胞健康の指標の各々につき、半値毒性効果を生じる該化
    合物濃度(TC50)を決定することをさらに含む請求項1または2記載の方法
  4. 【請求項4】 該複数の濃度が0マイクロモラーないし約300マイクロモ
    ラーの濃度範囲から選択される請求項1ないし4いずれか1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該予測が: (i)ステップ(b)、(c)および(d)からの測定の用量反応分析を行
    い; (ii)該用量反応解析から、ステップ(i)のいずれの用量反応分析におい
    ても該化学化合物の測定可能な毒性効果が観察されない(NOEL)該化学化合
    物の最高濃度を同定し; (iii)ステップ(ii)で同定された濃度以下の濃度をCtoxとして選択
    することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該複数の濃度が、該Ctox濃度を超える少なくとも2つの
    濃度を含む請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 該培養が少なくとも72時間の期間であり、ここに、該予測
    が: (i)ステップ(b)、(c)および(d)からの測定の用量反応分析を行
    い; (ii)該細胞健康の指標の各々につき半値毒性効果を生じる該化合物の濃度
    (TC50)を決定し;次いで、 (iii)ステップ(ii)で同定された最低のTC50濃度以下の濃度をC ox として選択することを含む請求項1ないし4いずれか1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ステップ(i)が該細胞健康指標の各々の測定を該化学化合
    物の細胞健康指標の各々についての濃度の関数としてグラフ上にプロットするこ
    とを含む請求項5ないし7のいずれか1記載の方法。
  9. 【請求項9】 該細胞健康指標の各々の測定を該化学化合物の濃度の関数と
    して対照測定と比較して表すことを含む請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 該細胞健康指標の全てを単一のグラフ上にプロットする請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも1の該細胞健康指標を該細胞培養の上清から測
    定する請求項1ないし10いずれか1記載の方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも1の該細胞健康指標を該細胞培養の細胞成分か
    ら測定する請求項1ないし11いずれか1記載の方法。
  13. 【請求項13】 該第1の健康指標が細胞複製をモニターし、該第2の健康
    指標がミトコンドリア機能をモニターし、および該第3の健康指標が膜完全性を
    モニターする請求項1ないし12いずれか1記載の方法。
  14. 【請求項14】 細胞複製は、H−チミジン取込みを測定するアッセイ;
    BrdU取込みアッセイ、またはCYQUANTアッセイよりなる群から選択
    されるアッセイでモニターする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該ミトコンドリア機能は、ATPアッセイ、MTTアッセ
    イ、アラマールブルー(Alamar Blue)アッセイ、およびローダミン123アッセ
    イよりなる群から選択されるアッセイでモニターする請求項13または14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 該膜完全性は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼア
    ッセイ、乳酸デヒドロゲナーゼアッセイ、アスパルチルアミノトランスフェラー
    ゼアッセイ、アラニンアミノトランスフェラーゼアッセイ、イソクエン酸デヒド
    ロゲナーゼアッセイ、ソルビトールデヒドロゲナーゼアッセイ、グルタミン酸デ
    ヒドロゲナーゼアッセイ、オルニチンカルバミルトランスフェラーゼアッセイ、
    γ−グルタミルトランスフェラーゼアッセイ、およびアルカリ性ホスファターゼ
    アッセイよりなる群から選択されるアッセイでモニターする請求項12ないし1
    5いずれか1記載の方法。
  17. 【請求項17】 さらに、細胞複製の指標、ミトコンドリア機能の指標、細
    胞内エネルギーバランスの指標、細胞膜完全性の指標および細胞死亡率の指標よ
    りなる群から選択される第4の細胞健康指標を測定することを特徴とする請求項
    1ないし16いずれか1記載の方法。
  18. 【請求項18】 該第4の細胞健康の指標がATP/ADPバランスアッセ
    イおよび酸素消費アッセイよりなる群から選択されるアッセイで測定されるエネ
    ルギーバランスの指標である請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 該第4の細胞健康の指標が細胞数アッセイおよびアポトー
    シスアッセイよりなる群から選択される細胞死亡率アッセイである請求項17記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 細胞複製の指標、ミトコンドリア機能の指標、細胞内エネ
    ルギーバランスの指標、細胞膜完全性の指標および細胞死亡率の指標よりなる群
    から選択される第5の細胞健康指標を測定することを特徴とする請求項17ない
    し19いずれか1記載の方法。
  21. 【請求項21】 該細胞が一次細胞である請求項1ないし20いずれか1記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 該細胞が哺乳類のものであって、肝臓細胞、腎臓細胞、脳
    細胞、線維芽細胞、神経細胞、皮膚細胞、肺細胞、脾臓細胞、子宮内膜細胞、心
    臓細胞、胃細胞、乳房細胞、幹細胞、造血細胞;またはこれらの細胞のいずれか
    から誘導される細胞系統よりなる群から選択される請求項1ないし21いずれか
    1記載の方法。
  23. 【請求項23】 該細胞が哺乳類細胞系統からのものである請求項1ないし
    20いずれか1記載の方法。
  24. 【請求項24】 該細胞が肝臓細胞系統の細胞である請求項23記載の方法
  25. 【請求項25】 該肝臓細胞がヒト細胞系統の細胞である請求項24記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 該肝臓細胞がゲッ歯類肝臓細胞系統の細胞である請求項2
    4記載の方法。
  27. 【請求項27】 該化学化合物が抗菌剤、抗腫瘍剤、イムノモジュレータ(i
    mmunomodulator)、神経伝達物質、中枢神経系疾患もしくは障害または心臓血管
    疾患もしくは障害を治療または予防するための剤;および抗炎症性剤よりなる群
    から選択される請求項1ないし26いずれか1記載の方法。
  28. 【請求項28】 疾患または障害を治療するための剤を開発する方法であっ
    て: (a)所望の治療効果と相関する生物学的活性につき複数の化合物をアッセ
    イし; (b)該所望の治療効果を持つ1以上の化合物を選択し; (c)請求項1ないし27いずれか1に記載の方法に準じて、ステップ(b
    )の化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測し; (d)許容し得る低レベルの予測された毒性を持つ化合物を選択し;次いで
    、 (e)該疾患または障害につき該化合物を試験することを特徴とする該方法
  29. 【請求項29】 さらに、該選択ステップ(d)の後に、医薬上許容された
    希釈剤または担体中に該選択された化合物を含む組成物を製造するステップを含
    む請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 薬剤開発のためのリード化合物を同定する方法であって: (a)潜在的治療活性を有する化合物のライブラリーを得; (b)該ライブラリーを分析して、細胞毒性であると予測される化合物を同
    定し;該分析は請求項1ないし27いずれか1に準じて該化合物の細胞毒性を予
    測することを含み;次いで、 (c)該ライブイラリーから許容される低レベルの予測された細胞毒性を有
    する化合物を選択することを特徴とする該方法。
  31. 【請求項31】 該ライブラリーの化合物が共通の構造特徴を共有する請求
    項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 候補治療剤を選択するために化学化合物をスクリーニング
    する方法であって: (a)イン・ビトロ活性アッセイを行って、活性を達成するのに必要な化学
    化合物濃度(Cther)を決定し、ここに、該活性はイン・ビボで所望の治療
    効果と相関し; (b)請求項1ないし27いずれか1に準じて該化合物の細胞毒性を予測し
    ;次いで、 (c)候補治療剤として、Ctox未満のCtherを有する化合物を選択
    することを特徴とする該方法。
  33. 【請求項33】 さらに、該選択ステップ(c)の後に、医薬上許容される
    希釈剤または担体中に該選択された化合物を含む組成物を製造するステップを含
    む請求項30ないし32いずれか1記載の方法。
  34. 【請求項34】 該疾患または障害が、疼痛;中枢神経系の疾患または障害
    ;癌;糖尿病;うつ病;免疫不全症;自己免疫疾患および障害;胃腸疾患および
    障害;心臓血管疾患および障害;炎症性疾患および障害;および感染よりなる群
    から選択される請求項28ないし33いずれか1記載の方法。
  35. 【請求項35】 医薬研究開発のために候補治療剤の優先順位を付ける方法
    であって: (a)イン・ビトロ活性アッセイを行って、活性を達成するのに必要な化学
    化合物濃度(Cther)を決定し、ここに、該活性はイン・ビボで所望の治療
    効果と相関し; (b)請求項1ないし27いずれか1に準じて該化合物の細胞毒性を予測し
    ; (c)各化合物につきCtox:Ctherの比を決定して、各化合物につ
    き概算治療インデックス(ETI)を与え; (d)該ETIから候補治療剤として該化合物の優先順位を付け、ここに、
    より高いETIはさらなる開発のためのより高い優先順位と相関することを特徴
    とする該方法。
  36. 【請求項36】 化学化合物のイン・ビボ細胞毒性を予測する方法であって
    : (a)複数の濃度の該化学化合物を含む培養培地中で細胞を培養し; (b)該化学化合物の4以上の濃度にて第1の細胞健康の指標を測定し; (c)該化学化合物の4以上の濃度にて第2の細胞健康の指標を測定し; (d)該化学化合物の4以上の濃度にて第3の細胞健康の指標を測定し;次
    いで、 (e)ステップ(b)、(c)および(d)の測定から、該化学化合物が細
    胞毒性効果を発揮する細胞毒性メカニズムを予測することを特徴とする該方法。
  37. 【請求項37】 ステップ(e)が、さらに、ステップ(b)、(c)およ
    び(b)の測定から該化学化合物の毒性濃度(Ctox)を予測することを含む
    請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 細胞毒性アッセイに有用なキットであって: (a)周期評価アッセイ、ミトコンドリア機能アッセイ、エネルギーバラン
    スアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群から選択される第1の細胞毒性アッ
    セイ; (b)周期評価アッセイ、ミトコンドリア機能アッセイ、エネルギーバラン
    スアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群から選択される第1の細胞毒性アッ
    セイ; (c)周期評価アッセイ、ミトコンドリア機能アッセイ、エネルギーバラン
    スアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群から選択される第1の細胞毒性アッ
    セイを実行するための剤を含み、ここに、該第1、第2および第3の細胞毒性ア
    ッセイが互いに区別される該キット。
  39. 【請求項39】 該キットが、さらに、周期評価アッセイ、ミトコンドリア
    機能アッセイ、エネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群か
    ら選択される第4の別個の細胞毒性アッセイを含む請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 該キットが、さらに、周期評価アッセイ、ミトコンドリア
    機能アッセイ、エネルギーバランスアッセイおよび細胞死アッセイよりなる群か
    ら選択される第5の別個の細胞毒性アッセイを含む請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 さらに、CATSアッセイを行うために、試薬と共にパッ
    ケージされたインストラクションを含む請求項38ないし40いずれか1記載の
    キット。
  42. 【請求項42】 細胞毒性を予測するためのキットであって、関連して: (a)少なくとも3つの細胞健康の指標を測定するための試薬;および (b)請求項1ないし27いずれか1に準じてイン・ビボ毒性を予測する方
    法を行うための試薬と共にパッケージされたインストラクションを含む該キット
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