JP2003509610A - 密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、間に隙間を生じる少なくとも２つの突き合わせ要素と、前記隙間を密封架橋するシール１とを含む密封装置に関する。本発明による密封装置は、シール１が、完全にマトリックスから成るか、複合システムをなすマトリックス７を備えていることが特徴である。前記マトリックス７は、基体２と組み合わされ、水溶性材料を含有するペースト状混合物である。前記材料には、滑剤と、水により活性化可能な膨潤剤と、場合により付加的な添加剤も混入される。一好適実施例では、マトリックス７が室５内に配置される。室壁は、引きちぎり可能なウエブ６の形態に構成されている。該ウエブは、組立て前に除去される。エラストマー材料製の基体２には、索状に押出し状に延在する溝３と路４とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、隙間を生じるコンクリート、鋼、鉄筋コンクリート、鋳鉄、その他
の材料（例えば合成樹脂）のいずれか製の少なくとも２つの互いに突き合わされ
る要素と、それらの間の隙間を密封架橋するシールとを含む密封装置に関するも
のである。 この種の密封装置は、ＵＳ−Ａ−４９４６３０９により周知であり、その場合
、互いに突き合わせされる要素が複数のセグメントとして構成されており、該セ
グメントが１つの管状のトンネルに組み立てられ、しかもそのさい横と縦の継ぎ
目が発生する。各セグメントは、その場合、特にセグメントのすべての突き合わ
せ側と係合する少なくとも１つの凹部を備え、しかも各凹部には索状に延在する
エラストマー材料製シール形材が配置されている。互いに突き合わされるセグメ
ントを、隙間を縮小しつつ押し合わせることにより、シール形材は、押圧力と反
力との相互作用によってシール効果を発揮する。

【０００２】 更に、ＥＰ−Ｂ−０８０７２０４により、トンネル建設用のこの種のシール形
材に、水で活性化可能なシール材料製の付加的な非常用シールを備えることが周
知である。しかも、この非常用シールは、危険な状況が発生した場合、たとえば
セグメントが大幅にずれた場合に、はじめて活性化される。 トンネル用セグメント、特にキーストーンの場合、エラストマー材料製シール
形材が、しばしば滑り層を備え、この滑り層が互いに突き合わされるシール形材
の接触面内に配置される。ＥＰ−Ｂ−０５７４５５９によれば、この滑り層が、
シール形材本体よりも硬質の材料で造られる。このシール構想の欠点は、シール
形材の弾性に悪影響が及ぼされる点である。

【０００３】 この種の密封装置の別な例は、管または縦穴建設物のシールに関連して挙げら
れる。その場合、互いに突き合わされる双方の要素は、一方の側が、受け口底部
と受け口面とを含む受け口をなしており、他方の側が、差し口をなしている。こ
の場合、エラストマー材料製の管状シール形材が受け口の隙間を密封架橋する。
このようなシール構想は、例えばＥＰ−Ｂ−０４４９０８２に記載されている。 また、ＥＰ−Ｂ−００１１９１９では、受け口と差し口との継合わせを容易に
するために、特に滑り管の場合、差し口との接触側内部のシール形材に滑剤また
は潤滑剤を備えることが提案されている。しかし、この構想の場合、しばしばシ
ール効果の減少に甘んじなければならない。

【０００４】 以上述べた従来技術を前提として、本発明が課題とするところは、使用目的と
は無関係に高いシール効果を有し、かつ要素の継合わせを容易にする密封装置を
得ることにある。 この課題は、次のような密封装置により解決された。すなわち、完全に１つの
マトリックスから成るシールか、または複合システムとして、基体と組み合わさ
れたマトリックスを有するシールを含む密封装置であり、この場合、該マトリッ
クスが、水溶性材料を含むペースト状混合物であり、該混合物には、滑剤と、水
により活性化可能な膨潤剤とが混入され、場合によりその他の添加物質が混入さ
れている。

【０００５】 マトリックスの混合物は、この場合、特に次の混合比（重量部）を含んでいる
： 水溶性材料 ５０〜１５０、特に８０〜１２０ 滑剤 ２０〜１００、特に４０〜 ７０ 膨潤剤 ２０〜１００、特に３０〜 ６０ その他の添加物 ０〜１５０ 水溶性材料としては、特に分子量２００〜１０００のポリエチレングリコール
が使用される。その場合、ポリエチレングリコールの分子量に応じて粘度を調節
することができる。

【０００６】 滑剤は、また黒鉛粉体および／またはシリコーン油であるのが好ましい。 膨潤剤としては、水に対して膨化する材料であれば、どの材料も使用できる（
例えばハイドロタイト）。望ましくない早期の膨化防止を配慮する場合は、ポリ
エチレングリコールに膨潤剤を添加する。 このほかの添加剤としては、例えば染料、透明な充填剤ならびに粘稠剤がある
。 このほかの好ましい構成の変化形は、図面の説明と関連させて提示する。

【０００７】 以下で本発明を略示図面を参照して実施例により説明する。 図面には次の参照符号が使用されている： １，１′ トンネル建設用のシール ２，２′ トンネル建設用のシールの基体 ３ 条溝 ４ 路 ５ 室 ６ 引きちぎりウエブ ７，７′ マトリックス ８ 溝 ９ 箔 １０，１０′ 下水建設用シール １１，１１′ 下水建設用シールの基体 １２ アンカー脚 １３ 路 １４ 室 １５ 引きちぎりウエブ １６ 溝 １８ 箔

【０００８】 図１は、トンネル建設用のシール１を示している。この場合、このシールは、
基体２と層状マトリックス７とを含む複合システムであり、マトリックスの層厚
は、基体の厚さより薄い。エラストマー材料製の基体２は、２つの条溝３と、合
計７個の路４と、基体の滑り区域に設けられた１つの室５とを備えている。薄い
室壁は、引きちぎりウエブ６の形態に構成されている。引きちぎりウエブを含め
て基体は、一体のエラストマー材料による押出し品である。室５内には、マトリ
ックス７が配置されている。マトリックス７は、外部からの影響に対し引きちぎ
りウエブ６により保護されている（例えば輸送時）。組立て前に、すなわちセグ
メント（例えばコンクリート製）を継合わせる前に、引きちぎりウエブが除去さ
れ、マトリックスは、その役目を果たすことが可能になる。

【０００９】 図２は、いくぶん変更されたトンネル建設用シール１′を示している。この場
合、基体２′は滑り区域内に溝８を備えており、該溝内にはマトリックス７′が
配置されている。はじめにマトリックスを覆っている保護ストリップは、箔９で
ある。組立て前に、同じくこの箔も除去される。 図３は、運河建設（管、立て坑）用シール１０を示している。シールは、この
場合も、基体１１と層状マトリックス１６とを含む複合システムである。エラス
トマー材料製基体１１は、複数のアンカー脚１２を備え、該アンカー脚が受け口
（例えばコンクリート製）内に固定される。加えて、基体は複数の路１３を備え
、該路が２列に配置されている。基体は、その滑り区域内に室１４を有し、しか
も薄壁状の室壁が引きちぎりウエブ１５の形態に構成されている。室１４内には
マトリックス１６が配置されている。この場合も、組立て前に、すなわち受け口
と差し口との継合わせ前に、引きちぎりウエブが除去される。

【００１０】 図４は、いくぶん変更された運河建設用シール１０′を示している。基体１１
′は、この場合、その滑り区域に溝１７を有し、該溝内にはマトリックス１６′
が配置されている。はじめにマトリックスを覆っている保護ストリップは箔１８
である。この箔は、組立て前に同じく除去される。 基体２，２′（図１、図２）または基体１１，１１′（図３、図４）は、たい
ていは押出しにより製造され、後でマトリックス７，７′または１６，１６′が
、対応の室５，１４または溝８，１７内へ配置され、引きちぎりウエブ６，１５
または箔９，１８により保護される。 水気の無い場合に相応する処置技術では、基体とマトリックスとの同時押出し
も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 引きちぎりウエブで覆われたマトリックスを有するトンネル建設用シールを示
す図。

【図２】 箔で覆われたマトリックスを有するトンネル建設用シールを示す図。

【図３】 引きちぎりウエブで覆われたマトリックスを有する運河建設用シールの図。

【図４】 箔で覆われたマトリックスを有する運河建設用シールの図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グートシュミット、オルガー ドイツ連邦共和国 ノイ ヴルムシュトル フ、 クルト シューマッハー シュトラ ーセ 73エイ Ｆターム(参考） 2D055 GC09 2E001 DA01 FA30 FA71 HF02 MA02 MA06 4H017 AA04 AA29 AA31 AA39 AB17 AC04 AC06 AC14 AC19 AD05 AE03

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 間に隙間を生じる少なくとも２つの互いに突き合わされる要
   素と、該隙間を密封架橋するシール（１，１′，１０，１０′）とを含む密封装
   置において、 該シール（１，１′，１０，１０′）が、完全に１つのマトリックス（７，７
   ′，１６，１６'）から成るか、または 複合システムとして、基体（２，２'，１１，１１'）と組み合わされた１つの
   マトリックス（７，７′，１６，１６′）を有し、 該マトリックス（７，７′，１６，１６′）が、水溶性材料を含むペースト状
   混合物であり、該混合物には、滑剤と、水により活性化可能な膨潤剤とが混入さ
   れており、また場合によりそのほかの添加物が混入されていることを特徴とする
   、密封装置。
2. 【請求項２】 前記マトリックス（７，７′，１６，１６′）の混合物が次
   の混合比、すなわち 水溶性材料 ５０〜１５０重量部 滑剤 ２０〜１００重量部 膨潤剤 ２０〜１００重量部 その他の添加物 ０〜１５０重量部 を含むことを特徴とする、請求項１に記載の密封装置。
3. 【請求項３】 前記マトリックス（７，７′，１６，１６′）の混合物が次
   の混合比、すなわち 水溶性材料 ８０〜１２０重量部 滑剤 ４０〜 ７０重量部 膨潤剤 ３０〜 ６０重量部 を含むことを特徴とする、請求項２に記載の密封装置。
4. 【請求項４】 前記水溶性材料が、ポリエチレングリコールであることを特
   徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の密封装置。
5. 【請求項５】 前記ポリエチレングリコールが、２００〜１０００の分子量
   を有することを特徴とする、請求項４に記載の密封装置。
6. 【請求項６】 前記滑剤が、黒鉛粉末および／またはシリコーン油であるこ
   とを特徴とする、請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載の密封装置。
7. 【請求項７】 複合システムの使用時に、前記マトリックス（７，７'，１
   ６，１６'）が、基体（２，２′，１１，１１′）の滑り区域に１つの層の形態
   で配置されることを特徴とする、請求項１から請求項６までのいずれか１項に記
   載の密封装置。
8. 【請求項８】 前記マトリックス（７，７′，１６，１６′）の層厚が、基
   体（２，２'，１１，１１'）の層厚より小さいことを特徴とする、請求項７に記
   載の密封装置。
9. 【請求項９】 前記マトリックス（７，７′，１６，１６′）が、保護スト
   リップで覆われており、該保護ストリップが、組立て前に除去または組立ての際
   に破壊されることを特徴とする、請求項１から請求項８までのいずれか１項に記
   載の密封装置。
10. 【請求項１０】 前記保護ストリップが、箔（９，１８）であることを特徴
    とする、請求項９に記載の密封装置。
11. 【請求項１１】 複合システムの使用時に、前記基体(２′，１１′）の滑
    り区域に少なくとも1つの溝(８，１７）が設けられ、該溝内にマトリックス（７
    ′，１６′）が配置されることを特徴とする、特に請求項９または請求項１０に
    関連して請求項１から請求項１０までのいずれか１項に記載の密封装置。
12. 【請求項１２】 複合システムの使用時に、前記基体（２，１１）の滑り区
    域に少なくとも１つの室（５，１４）が設けられ、該室内にマトリックス（７，
    １６）が配置され、しかもマトリックスを包囲している室壁が、組立て前に除去
    できるように、もしくは組立て時に破壊できるように、薄く形成されることを特
    徴とする、請求項１から請求項８までのいずれか１項に記載されている密封装置
    。
13. 【請求項１３】 前記室壁が、引きちぎりウエブ（６，１５）の形態で形成
    されることを特徴とする、請求項１２に記載の密封装置。
14. 【請求項１４】 複合システムを使用する場合に、前記基体（２，２′，１
    １，１１′）が、エラストマー材料製の押出し品であることを特徴とする、請求
    項１から請求項１３までのいずれか１項に記載の密封装置。
15. 【請求項１５】 前記押出し品がシール形材であり、該シール形材が押出し
    状に延在する条溝（３）および／または路（４，１３）を備えていることを特徴
    とする、請求項１４に記載の密封装置。