JP2003508062A - ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸およびポリ(エーテル−スルホン)核酸 - Google Patents

ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸およびポリ(エーテル−スルホン)核酸

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Abstract

(57)【要約】 骨格内に位置するキラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有するポリ(エーテル−チオエーテル)、ポリ(エーテル−スルホキシド)またはポリ(エーテル−スルホン)の骨格を含有する化合物であって、リガンドの少なくとも一つが天然に存在するヌクレオベース、ヌクレオベース結合基またはDNAインターキレーターなどの部分を含有している化合物;化合物の合成方法、この方法に使用されるモノマーおよびその合成方法と生化学および医学で化合物を使用するための方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する技術分野 本発明は、一般にヌクレオチド擬似体(nucleotide mimetics)とそのヌクレオ
チド擬似体由来の核酸擬似体、これら両擬似体の製造方法および前記核酸擬似体
の生化学および医学での使用に関する。さらに詳しく述べると、本発明は、(i)
ポリ(エーテル−チオエーテル)、ポリ(エーテル−スルホキシド)またはポリ
(エーテル−スルホン)の骨格に基づいた非環式ヌクレオチドとも呼称される非
環式ヌクレオチド擬似体;(ii)前記非環式ヌクレオチド擬似体の合成方法;(iii
)非環式ポリヌクレオチド配列とも呼称される非環式ヌクレオチド擬似体配列;(
iv)前記非環式ヌクレオチド擬似体配列の合成方法;および(v)前記非環式ヌクレ
オチド擬似体配列の、例えばアンチセンスの用途と方法におけるオリゴヌクレオ
チドとしての使用に関する。
【0002】従来の技術 アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばアンチセンスオリゴデオキシリボヌ
クレオチド)は、その標的核酸に、ワトソン−クリック型塩基対またはフーグス
ティーン型塩基対およびアンチフーグスティーン型塩基対によって結合する。こ
のことについては、ThuongとHeleneの研究報告「Sequence specific recognitio
n and modification of double helical DNA by oligonucleotides」(Angev. Ch
em. Int. Ed. Engl.32巻 666頁 1993年)を参照されたい。ワトソン−クリック
型塩基対によって、アンチセンスオリゴヌクレオチドの複素環式塩基は、標的の
一本鎖核酸(RNAまたは一本鎖DNA)の複素環式塩基と水素結合を形成する
が、一方、フーグスティーン型塩基対の場合、標的核酸の複素環式塩基は二本鎖
DNAであり、そして第三のストランドが、フーグスティーン型塩基対とアンチ
フーグスティーン型塩基対によって、B型DNA二重ラセンの主溝に収容されて
三重ラセン構造を形成する。
【0003】 ワトソン−クリック型塩基対とフーグスティーン型塩基対のモデルによって、
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、遺伝子の発現を制御しおよび核酸の必須機
能を破壊する能力を有している。したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチド
は、広範囲の疾患をやわらげるのに利用することができる。
【0004】 オリゴヌクレオチドを化学的に合成する有効な方法が発達しているので、これ
らの分子は、生化学や生物学の研究に広く使用されており、そして、注意深く工
夫されたオリゴヌクレオチドを使用して、転写、転写物および/または翻訳のレ
ベルを調節することによって遺伝子の発現を制御できるので医療に利用すること
ができる。
【0005】 100個と長い塩基対(bp)のオリゴデオキシリボヌクレオチドは、市販さ
れている完全に自動化された合成器を使用する固相法でごく普通に合成される。
しかし、オリゴリボヌクレオチドの化学合成はとても普通に行えるものではない
。また、オリゴリボヌクレオチドは、オリゴデオキシリボヌクレオチドよりはる
かに不安定であり、この事実が、オリゴデオキシリボヌクレオチドの方が、例え
ば遺伝子治療または転写もしくは翻訳のレベルの調節を目的とする医学および生
物学の研究に一層広く利用される理由になっている。
【0006】 遺伝子の発現には、いくつかの十分に調節された明確なステップを含んでいる
。遺伝子発現の第一の主要ステップは、アンチセンス(すなわち−)DNAスト
ランドに相補的なRNA配列、すなわち換言すれば遺伝子を構成するDNAセン
ス(すなわち+)ストランドと同一の配列のRNA配列であるメッセンジャーR
NA(mRNA)の転写を含んでいる。真核生物の場合、転写は細胞核内で起こ
る。
【0007】 遺伝子発現の第二の主要ステップは、タンパク質(例えば酵素、構造タンパク
質、分泌タンパク質、遺伝子発現因子など)の翻訳を含んでいる。この翻訳のス
テップでは、mRNAが、リボソームRNA複合体(リボソーム)およびアミノ
酸活性化反応で合成された転移RNA(tRNA)と相互に作用して、mRNA
配列がコードするタンパク質の合成を誘導する。
【0008】 転写を開始するには、遺伝子のコード配列の上流に位置するプロモーターDN
A配列の、RNA合成酵素すなわちRNAポリメラーゼによる特異的認識が必要
である。この認識が行われる前に、一つ以上のタンパク質転写因子のプロモータ
ー配列との配列特異的結合が行われる。そのプロモーター配列に結合しているか
または該プロモーター配列の近くに結合している追加のタンパク質が、転写を促
進し、エンハンサーとして知られている。プロモーターに結合しているかまたは
該プロモーターの近くに結合しているが、その結合がRNAポリメラーゼの作用
を阻害する他のタンパク質はリプレッサーとして知られている。
【0009】 また、場合によっては、遺伝子発現が、相補的mRNA転写物を捕捉して、そ
の機能性タンパク質への翻訳を阻害する内因性アンチセンスRNAリプレッサー
によって低下させられるという証拠もある。この点についてはGreenら、「The r
ole of antisense RNA in gene regulation」、Ann. Rev. Biochem. 55巻 569頁
1986年を参照されたい。
【0010】 このように遺伝子発現は一般に、転写因子とエンハンサーによって促進されそ
してリプレッサーによって低下させられる。
【0011】 しかし、多くの疾患状態では、遺伝子発現が損なわれる。各種の癌などの多数
の症例では、種々の理由のため、特異的な内因性または外因性の(例えばウイル
スなどの病原体の)の遺伝子の発現が促進される。さらに、寄生虫、細菌または
ウイルスなどの病原体によって起こる感染症の場合、その疾患の進行は前記病原
体遺伝子の発現によって左右され、またこの現象は、その患者に関する限り、外
因性遺伝子の発現の促進と考えられる。
【0012】 従来の薬物の大部分は、一つ以上の標的とする内因性または外因性のタンパク
質、例えば酵素と相互に作用するかまたはこれらタンパク質を調節することによ
って機能する。しかし、このような薬物は、一般に、標的のタンパク質に対して
特異的ではなく、他のタンパク質とも相互に作用する。したがって、標的のタン
パク質を有効に調節するには、比較的多量の薬物を使用しなければならない。
【0013】 薬物の一般的な一日当たりの投与量は、体重1kg当たり10−5−10−1 ミリモルすなわち体重100kgのヒトに対して10−3−10ミリモルである
。上記調節を、代わりに、mRNAとの相互作用およびmRNAの不活性化によ
って行うことができれば、薬物の必要量を劇的に減らしかつ副作用を対応して減
らすことができるであろう。このような相互作用を部位特異的にすることができ
ればさらに減らすことができる。機能している遺伝子が連続的にmRNAを産生
する場合、遺伝子の転写がその全体を阻止されると一層有利であろう。
【0014】 このような場合、遺伝子発現が、転写レベルで阻止されるかまたは低下させら
れると有利であろう。
【0015】 選択された予め定められた配列を有するオリゴヌクレオチドおよびその類似体
を化学的に合成できると、遺伝子発現を低下させる手段が提供される。遺伝子の
発現を調節する三種類の方法が考えられる。
【0016】 転写の段階で、ストランドの置換もしくは三重ラセンの形成によってゲノムD
NAに結合するアンチセンスもしくはセンスのオリゴヌクレオチドもしくは類似
体は、転写を妨げる。この点については、ThuongとHelene「Sequence specific
recognition and modification of double helical DNA by oligonucleotides」
、Angev. Chem. Int. Ed. Engl.32巻 666頁 1993年を参照されたい。
【0017】 転写物の段階では、標的mRNA分子を捕捉するアンチセンスのオリゴヌクレ
オチドもしくは類似体が、細胞内RNアーゼHによるハイブリッドの酵素分解を
起こす。この点については、Dashら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,84巻 7896頁
1987年を参照されたい。この場合、標的mRNAとハイブリッドを形成するこ
とによって、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体は、RNアー
ゼH酵素によって認識されて破壊される二重ラセンのハイブリッドを提供する。
あるいは、かようなハイブリッドが形成することによって、正しいスプライシン
グが妨害される。この点については、Chiangら「Antisense oligonucleotides i
nhibit intercellular adhesion molecule 1 expression by two distinct mech
anisms」、J. Biol. Chem. 266巻 18162頁 1991年を参照されたい。その結果、
両方の場合、翻訳の準備ができた標的mRNAの無傷の転写物の数が減るかまた
はゼロになる。
【0018】 翻訳の段階では、標的mRNA分子を捕捉するアンチセンスのオリゴヌクレオ
チドもしくは類似体は、立体障害によって、必須翻訳因子類(リボソーム類)が
標的mRNAに結合するのを妨げる。なお、この現象は、Patersonら、Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 74巻 4370頁 1977年に記載されているように、このような
mRNAの翻訳をできないようにするハイブリッド形成の阻止として、当業技術
界で知られている。
【0019】 したがって、アンチセンス配列は、上記のように、それらの特異的な配列によ
って、内因性および/または外因性の遺伝子の発現を阻止できるので、アンチセ
ンス法を新しい薬理学的手段として発展させる努力をしている科学者や薬理学者
に大いに注目された。この点については、Cohen「Oligonucleotide therapeutic
s 」、Trends in Biotechnology 10巻 87頁 1992年を参照されたい。
【0020】 例えば、いくつものアンチセンスオリゴヌクレオチドが、造血細胞の増殖(Sz
czylikら、「Selective inhibition of leukemia cell proliferation by BCR-
ABL antisense oligodeoxynucleotides」Science 253巻 562頁 1991年)、成長
(Calabrettaら、「Normal and leukemic hematopoietic cell manifest differ
ential sensitivity to inhibitory effects of c-myc antisense oligodeoxynu
cleotides:an in vitro study relevant to bone marrow purging 」、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 88巻 2351頁 1991年)、細胞周期のS期に入ること(Hei
khilaら、「A c-myc antisense oligodeoxynucleotide inhibits entry into S
phase but not progress from G(0)to G(1)」Nature 328巻 445頁 1987年)を阻
止し、造血細胞の生存性を低下させ(Reedら、「Antisense mediated inhibitio
n of BCL2 prooncogene expression and leukemic cell growth and survival:
comparison of phosphodiester and phosphorothioate oligodeoxynucleotides
」、Cancer Res. 50巻 6565頁 1990年)そして受容体仲介の応答を妨げること(
Burch and Mahan、「Oligodeoxynucleotides antisense to the interleukin I
receptor mRNA block the effects of interleukin I in cultured murine and
human fibroblasts and in mice」J. Clin. Invest. 88巻 1190頁 1991年)が報
告されている。アンチセンスオリゴヌクレオチドの抗ウイルス剤としての使用に
ついて読者は、Agrawal、「Antisense oligonucleotides as antiviral agents
」、TIBTECH 10巻 152頁 1992年)を参照されたい。
【0021】 遺伝子の発現を、アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくは類似体を使用して
生体内で有効に阻害するには、そのオリゴヌクレオチドまたは類似体は以下の要
件を満たさねばならない。すなわち(i)標的の配列に結合するのに十分な特異性
;(ii)水溶性;(iii)細胞内ヌクレアーゼと細胞外ヌクレアーゼに対する安定性
;(iv)細胞膜を透過する性能;および(v)生物体を治療するために使用する場合
、毒性が低いことという要件を満たさねばならない。
【0022】 未改質のオリゴヌクレオチドは、生体内での半減期が短くてその期間中に、ヌ
クレアーゼによって迅速に分解されるので、アンチセンス配列として使用するこ
とは実際的でない。さらに、未改質のオリゴヌクレオチドは、mg以上の量で製
造することが困難である。さらに、このようなオリゴヌクレオチドは細胞膜透過
性が悪い(Uhlmannら、Chem. Rev. 90巻 544頁 1990年参照)。
【0023】 したがって、上記の要件をすべて満たすためには、オリゴヌクレオチド類似体
を、適切な方式で考案する必要があることは明らかである。それ故、改質オリゴ
ヌクレオチドの広範囲の研究が開始されている。
【0024】 例えば三重ラセン形成による二本鎖DNA(dsDNA)の認識に付随して生
じる問題点は、巧みな「スイッチバック」化学結合によって、小さくなり、その
結果、一方のストランド上のポリプリンの配列が認識されそして、「スイッチバ
ックを行う」ことによって、他方のストランド上のホモプリンの配列を認識する
ことができる。また、人工塩基を使用することによって、良好なラセンが形成さ
れて、イオン強度やpHに関する結合条件が改善される。
【0025】 さらに、半減期と膜の透過性を改善するため、ポリヌクレオチドの骨格の多種
類の変更が行われているがほとんど成功していない。
【0026】 オリゴヌクレオチドは、塩基の部分、糖の部分またはホスフェートの部分を改
質することができる。これらの改質には、メチルホスホネート類、モノチオホス
フェエート類、ジチオホスフェート類、ホスホロアミデート類、リン酸エステル
類;架橋ホスホロチオエート類;架橋ホスホロアミデート類;架橋メチレンホス
ホネート類;シロキサン架橋類、カーボネート架橋類、カルボキシメチルエステ
ル架橋類、アセトアミド架橋類、カルバメート架橋類、チオエーテル架橋類、ス
ルホキシ架橋類、スルホノ架橋類、各種「プラスチック」DNA類、α−アノマ
ー架橋類およびボラン誘導体とのデホスホヌクレオチド間類似体類(dephospho
internucleotide analog)が使用される(さらなる詳細については、Cook 、「M
edicinal chemistry of antisense oligonucleotides - future opportunities
」、Anti-Cancer Drug Design 6巻 585頁 1991年参照)。
【0027】 国際特許願公開第WO 86/05518号は、標的塩基配列を含有する一本
鎖ポリヌクレオチドに結合するのに有効なポリマー組成物について広く特許を請
求している。その組成物は、下記形態の非ホモポリマー分子すなわち実質的に立
体規則性のポリマー分子を含有しているといわれている。
【化9】 上記式中、 (a)R−Rは、ワトソン/クリック型塩基対によって、標的配列中の対
応する配列内塩基(in-sequence base)に結合するのに有効なプリン、プリン様
、ピリミジンおよびピリミジン様の複素環類から選択される認識部分であり; (b)nはポリマー分子と標的配列間に形成されるワトソン/クリック型水素
結合の合計数が少なくとも約15になる数である; (c)B〜Bは、化学的に安定で実質的に非電荷の主としてアキラルの結合に
よって主として結合されている骨格部分であり; (d)上記骨格部分の長さは、環式構造を有している場合、5〜7個の原子の
範囲の長さであり、そして、非環式構造を有している場合、4〜6個の原子の範
囲内の長さであり;そして (e)上記骨格部分は認識部分を保持し、その認識部分は、この認識部分と、
標的配列の対応する配列内塩基との間にワトソン−クリック型塩基対を形成でき
る位置にある。
【0028】 国際特許願公開第WO 86/05518号によれば、前記認識部分は各種の
天然のヌクレオベース類(natural nucleobases)とヌクレオベース類似体であ
り、そしてその骨格部分は、フランまたはモルホリンのリングを含む環式骨格部
分または下記形態の非環式骨格部分である。
【化10】 上記式中、Eは−CO−または−SO−である。上記出願の明細書は、サブ
ユニットの合成、骨格のカップリング反応およびポリマー組み立ての戦略につい
て、一般的な説明を行っている。国際特許願公開第WO 86/05518号は
、特許請求されたポリマー組成物が、標的配列を捕捉できるので、診断や治療の
用途に利用できることを示しているが、この出願には、特許請求がなされたポリ
マーの捕捉性能に関するデータが全く含まれていない。
【0029】 国際特許願公開第WO 86/05519号は、国際特許願公開第WO 86
/05518号に記載のポリマーを含んでいるが固体支持体に結合されている診
断剤と診断システムを特許請求している。
【0030】 国際特許願公開第WO 89/12060号は、オリゴヌクレオチド類似体を
合成するのに用いる各種ビルディングブロック、およびこのようなビルディング
ブロックを、特定の配列に結合することによって形成されるオリゴヌクレオチド
類似体を特許請求している。上記ビルディングブロックは「剛性」であるか(す
なわち環構造を含有しているか)または「可撓性」である(すなわち環構造を欠
いている)。両方の場合、これらビルディングブロックは、ヒドロキシ基とメル
カプト基を含有し、これらの基を通じて結合してオリゴヌクレオチド類似体を形
成すると言える。これらオリゴヌクレオチド類似体の結合部分は、スルフィド(
−S−)、スルホキシド(−SO−)およびスルホン(−SO−)からなる群
から選択される。しかし、この出願は、オリゴヌクレオチド類似体の標的オリゴ
ヌクレオチドに対して特異的に結合することを支持するデータを全く提供してい
ない。
【0031】 Nielsenら、Science 254巻 1497頁 1991年および国際特許願公開第WO 92
/20702号には、選択された化学的ヌクレオベースまたは類似体が、連結さ
れて、天然のDNAまたはRNA内に存在している場合と同様にコードキャラク
ターとして働くペプチド骨格を含む非環式オリゴヌクレオチドが記載されている
。これらの新しい化合物は、ペプチド核酸(PNA)として知られているが、そ
れらの天然の対応物より細胞内で安定であるのみならず、天然核酸が互いに粘着
する(cling)場合より50〜100倍もしっかりと天然のDNAとRNAを捕
捉する(PNAのヘテロハイブリッドのこの作用については、「Biotechnology
research news Can DNA mimetics improve on the real thing?」、Science 262
巻 1647頁 1993年参照)。
【0032】 PNAオリゴマーは、チミン、シトシン、アデニンおよびグアニンを含む4種
の保護されたモノマーから、メリフィールドの固相ペプチド合成法によって合成
することができる。水溶性を増大し、凝集するのを防ぐため、リシンアミド基を
そのC末端に入れる。しかし、このPNA法には、いくつかの大きな欠点がある
。第一の欠点は、PNA分子は、少なくとも試験管培養では、細胞膜を透過せず
、天然の短いDNAおよびRNAのセグメントの限定された程度の透過さえもし
ないということである。第二の欠点は、毒性によって起こる副作用である。PN
Aは、標的配列に非常に強く結合するので、それらの天然の対応物の特異性を欠
いており、結局、標的配列のみならずDNA、RNAもしくはタンパク質の他の
ストランドにも結合して、細胞を予期しない方式で無能力にする。
【0033】 Segevの米国特許第5908845号には、ポリエーテル骨格で構成された核
酸擬似体が記載され、この擬似体はヌクレオベースまたはその類似体などのリカ
ンドを複数有し、それらは相補的DNAもしくはRNAの配列とハイブリッドを
形成することができる。さらに具体的に述べると、ヌクレオチド擬似体を合成す
るのに用いるポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテルに基づいた
各種のビルディングブロックおよびこのようなビルディングブロックを所定の方
式で結合することによって製造されるオリゴヌクレオチド擬似体、これら両者の
合成方法、ならびにこれら両者の生化学および医療での使用が記載されている。
米国特許第5908845号によれば、オリゴヌクレオチド擬似体は下記の任意
形態(optional form)で表される。
【化11】 上記式中、nは1より大きい整数であり、B−Bは各々独立して、化学的
官能基であり、例えば限定されないが、天然に存在するヌクレオベース、ヌクレ
オベース結合基またはDNAインターキレーター(interchelator)であり、Y
−Yは各々第一リンカー基であり、X−Xは各々第二リンカー基であり、
−Cはキラル炭素原子であり、そして[K]と[I]は第一と第二のエク
ソコンジュゲート(exoconjugate)である。
【0034】 米国特許第5908845号の明細書には、骨格連結反応に用いるサブユニッ
トの合成およびポリマーアセンブリとその変形戦略について記載されているが、
この特許には、その合成法自体の実行可能性について実験データが全くない。上
記ポリエーテル核酸類の合成を試みたところ、合成収率が、効率的な大量生産を
行うのに満足すべき収率より低いことが分かった。
【0035】 これらの欠点のないオリゴヌクレオチド類似体であって、(i)合成法が容易で
あることと合成効率が立証されていることを特徴とし、そして上記ポリエーテル
核酸に共通している特性、例えば(ii)標的配列に結合するのに十分な特異性、(
iii)水溶性、(iv)細胞内ヌクレアーゼおよび細胞外ヌクレアーゼに対する安定
性、(v)細胞膜を透過する性能、および(vi)生物体を治療するのに使用する場合
の低い毒性、すなわちオリゴヌクレオチド類似体を、アンチセンス治療薬物とし
て高度に適切なものにする特性をさらに特徴とするオリゴヌクレオチド類似体に
対する要望があることは広く知られており、そしてこのようなオリゴヌクレオチ
ド類似体を入手することは非常に有利である。
【0036】発明が解決しようとする課題 本発明の一つの目的は、dsDNA、ssDNAおよび/またはRNAのスト
ランドと結合して、これらストランドと安定なハイブリッドを形成する化合物を
提供することである。
【0037】 本発明のさらなる目的は、dsDNA、ssDNAおよび/またはRNAのス
トランドに結合し、対応するDNAには一層強く結合するがPNAとの結合はあ
まり強くない化合物を提供することである。
【0038】 本発明の他の目的は、天然に存在するヌクレオベースもしくは他のヌクレオベ
ース結合部分、またはいくつかもしくは全ての塩基の代わりに化学的官能基で終
わっているリンカーアームが、ポリ(エーテル−チオエーテル)、ポリ(エーテ
ル−スルホキシド)もしくはポリ(エーテル−スルホン)の骨格に共有結してい
る化合物を提供することである。
【0039】 本発明のさらに他の目的は、生体内の条件下で、二本鎖ポリヌクレオチドの一
方のストランドに結合して、他方のストランドを置換することができる、RNA
またはPNA以外の化合物を提供することである。
【0040】 本発明のさらに別の目的は、かような化合物を製造するのに適切なビルディン
グブロックの製造方法を提供することである。
【0041】 本発明のさらに別の目的は、かような化合物を、それらのビルディングブロッ
クから製造する方法を提供することである。
【0042】 本発明のさらに別の目的は、かような化合物を利用する治療方法および予防方
法を提供することである。
【0043】 本発明の追加の目的は以下にさらに述べる。
【0044】課題を解決するための手段 本発明の一側面によって、複数のキラル炭素原子を有するポリ(エーテル−チ
オエーテル)骨格を含有する化合物であって、そのポリ(エーテル−チオエーテ
ル)骨格が、前記キラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有し、
それらリガンドが天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基か
らなる群から選択される部分を含有している化合物が提供される。
【0045】 本発明の他の側面によって、複数のキラル炭素原子を有するポリ(エーテル−
スルホキシド)またはポリ(エーテル−スルホン)の骨格を含有する化合物であ
って、そのポリ(エーテル−スルホキシド)またはポリ(エーテル−スルホン)
の骨格が、前記キラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有し、前
記リガンドが天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からな
る群から選択される部分を含有している化合物が提供される。
【0046】 下記の本発明の好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、単一もしくは複数
の化学官能基で終わっている一つ以上のリンカーアームが、単一もしくは複数の
天然に存在しているヌクレオベースおよび/または単一もしくは複数のヌクレオ
ベース結合基の一つ以上を置換している。
【0047】 下記の本発明の好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、そのキラル炭素原
子は、4〜6個の介入原子によって、骨格内で互いに隔てられている。
【0048】 本発明の他の側面によって、下記式で表され化合物が提供される。
【化12】 上記式中、 nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学的官能基であり
、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして [K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである。
【0049】 下記の本発明の好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、単一もしくは複数
の化学的官能基で終わる一つ以上のリンカーアームが、前記天然に存在する単一
もしくは複数のヌクレオベースおよび/またはヌクレオベース結合基の一つ以上
を置換している。
【0050】 下記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第一−第二リンカー基:Y −X、Y−X、Yn−1−Xn−1およびY−Xは各々、単結合であ
る。
【0051】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、前記第一リンカー基:Y
、Yn−1およびYは各々アルキル基、ホスフェート基、(C2−C4)
アルキレン鎖、(C2−C4)置換アルキレン鎖および単結合からなる群から独
立して選択される。
【0052】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第一リンカー基:Y、Y 、Yn−1およびYは各々、メチレン基、およびk個の炭素原子を有する一つ
のアルキルと一つのカルボニル部分(但しkは2〜20の整数である)を含有す
るC−アルカノイル基からなる群から独立して選択される。
【0053】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第二リンカー基:X、X 、Xn−1およびXは各々、メチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、
硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体の
基、カルボニル基および単結合からなる群から独立して選択される。
【0054】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、前記キラル炭素のm%がS立
体配置にあるかあるいはR立体配置にあり、mが90−95%、96−98%、
99%および99%より大きい%からなる群から選択される。
【0055】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、[K]と[I]は各々、ポリ
エチレングリコール部分である。
【0056】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、化合物は下記式で表される。
【化13】 本発明のさらに別の側面によって下記式で表される化合物が提供される。
【化14】 上記式中、 Bは、天然に存在するヌクレオベース、ヌクレオベース結合基、およびリンカ
ーアームを通じて結合された化学的官能基からなる群から選択される化学的官能
基であり、 Yは第一リンカー基であり、 Xは第二リンカー基であり、 Cはキラル炭素原子であり、 Zは第一保護基であり、そして Aは脱離基である。
【0057】 下記の本発明の好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第一−第二リンカ
ー基:Y−Xは単結合である。
【0058】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第一リンカー基:Yは、アル
キル基、ホスフェート基、(C2−C4)アルキレン鎖、(C2−C4)置換ア
ルキレン鎖および単結合からなる群から選択される。
【0059】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第一リンカー基:Yはメチレ
ン基およびC−アルカノイル基からなる群から選択される。
【0060】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第二リンカー基:Xは、メチ
レン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、
C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体基、カルボニル基および単結合からな
る群から選択される。
【0061】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、ヌクレオベースがアミノ基を
含有していれば、そのアミノ基は第二保護基で保護される。
【0062】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、Z保護基は、ジメトキシトリ
チル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基およびシリル基からなる群から選
択される。
【0063】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、脱離基:Aは、ハロゲン化物
基、スルホネート基、アンモニウム誘導体、S1またはS2の機構によって
置換することができるラジカル部分からなる群から選択される。
【0064】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、第二保護基は、メチルベンジ
ルエーテル基、ベンズアミド基、イソブチルアミド基、t−ブトキシカルボニル
基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基、およびZ保護基を切断する試薬に
よって切断されない酸性の反応活性基からなる群から選択される。
【0065】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、その化合物は下記式で表され
る。
【化15】 本発明のさらに他の側面によって、上記ポリマー化合物の製造方法が提供され
、その製造方法は、(a)各々エーテル部分とチオエーテル部分を有するモノマ
ーを獲得し、そのエーテル部分は少なくとも一つのエーテル結合を含有し、その
チオエーテル部分は少なくとも一つのチオエーテル結合を含有し、これらモノマ
ーは各々、官能基が連結されている少なくとも一つのキラル炭素原子を含有し、
その官能基は天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からな
る群から選択され;(b)前記モノマーの第一モノマーを固体支持体に連結し、
次いで(c)モノマーを、予め定められた順序で前記第一モノマーに連続して縮
合させて、縮合モノマーのポリマーを獲得し次に任意に(d)スルフィド部分を
酸化してスルホキシドおよび/またはスルポンにするステップを含んでなる方法
である。あるいは、モノマーは、Kおよび/またはIの部分を通じて、各種の長
さを有しかつそれ自体が固体支持体に連結されているポリエチレングリコール単
位などのポリマー鎖に連結してもよい。上記ステップ(b)と(c)はかわりに
、固体のポリマー支持体上ではなくて溶液内で行うことができることは分かるで
あろう。得られたポリマー生成物は、その後、当業技術界で周知のクロマトグラ
フィー法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、TLCなどによっ
て精製することができる。
【0066】 本発明の追加の側面によって、二本鎖ポリヌクレオチドを上記ポリマー化合物
と接触させ、その結果、そのポリマー化合物が配列特異的方式で、上記ポリヌク
レオチドの一方のストランドに結合して、他方のストランドを置換するステップ
を含んでなる配列特異的ハイブリッド形成法が提供される。
【0067】 本発明のさらに追加の側面によって、一本鎖ポリヌクレオチドを上記ポリマー
化合物と接触させ、その結果、その化合物が配列特異的方法で上記ポリヌクレオ
チドに結合するステップを含んでなる配列特異的ハイブリッド形成法が提供され
る。
【0068】 本発明のさらに追加の側面によって、生物体の遺伝子の発現を調節する方法で
あって、前記生物体に上記ポリマー化合物を投与し、その結果、その化合物が、
配列特異的方式で、該遺伝子由来のDNAまたはRNAに結合するステップを含
んでなる方法が提供される。
【0069】 本発明の下記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、前記調節には前記遺
伝子の転写を阻害することが含まれている。
【0070】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、前記調節には前記遺伝子のR
NAの複製を阻害することが含まれている。
【0071】 上記好ましい実施態様のさらなる特徴によれば、前記調節には前記遺伝子のR
NAの翻訳を阻害することが含まれている。
【0072】 本発明の別の側面によって、生物体内で望ましくないタンパク質が産生するこ
とに関連する症状を治療する方法であって、前記生物体を上記ポリマー化合物の
有効量と接触させて、その化合物が、前記タンパク質の産生を制御する遺伝子由
来のDNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法が提供さ
れる。
【0073】 本発明のさらなる側面によって、生物体の細胞内のDNAまたはRNAの分解
を誘発する方法であって、前記生物体に上記ポリマー化合物を投与して、その化
合物が該DNAまたはRNAに特異的に結合するステップを含んでなる方法が提
供される。
【0074】 本発明のさらなる側面によって、細胞またはウイルスを殺す方法であって、前
記細胞またはウイルスを上記ポリマー化合物と接触させて、その化合物が、前記
細胞もしくはウイルスのゲノムの一部または該ウイルスもしくはウイルスのゲノ
ム由来のRNAに特異的に結合するステップを含んでなる方法が提供される。
【0075】 本発明の別の側面によって、有効成分としての上記ポリマー成分と、少なくと
も一種の医薬として有効な担体、結合剤、粘稠化剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤ま
たは界面活性剤を含有する医薬組成物が提供される。
【0076】 本発明は、(i)その標的配列に結合するのに十分な特異性;(ii)水溶性;(iii)
細胞内ヌクレアーゼおよび細胞外ヌクレアーゼに対する安定性;(iv)細胞膜を透
過する性能;および(v)生物体を治療するのに使用するときの低い毒性、すなわ
ち本発明のオリゴヌクレオチド類似体を、総合的に、アンチセンス治療薬物とし
て高度に適切なものとし、かつとりわけ容易に合成できる特性を特徴とするオリ
ゴヌクレオチド類似体を提供することによって、現在知られている立体配置の欠
点をうまく克服するものである。
【0077】 本発明を、単に例示として添付図面を参照して説明する。ここで詳細な図面に
ついて述べると、図示されている詳細は、例示としてかつ本発明の好ましい実施
態様を例示考察することだけを目的とするものであり、そして本発明の原理と概
念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供
するために提示していることを強調するものである。このことについて、本発明
を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の詳細な構造を示す試み
はしていないが、図面について行った説明によって、当業技術者にとって、本発
明のいくつもの形態を実施する方法が明らかになる。
【0078】図面の簡単な説明 図1aは従来技術のDNAおよび1bは本発明のポリ(エーテル−チオエーテ
ル)核酸化合物上のヌクレオベースを隔てる11個の原子を示す。 図2は隣りのB官能基との間に11個の原子を有する、米国特許第59088
45号に記載の従来技術のテトラチミン−ポリエーテル核酸化合物と天然のテト
ラ−アデニン−ssDNAとのハイブリッド形成を示す分子模型である。 図3は本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の一本
鎖分子を示す分子模型である。 図4は本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の二本
鎖分子を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。 図5は本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の一本
鎖分子を示す分子模型である。 図6は本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の二本
鎖分子を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。 図7は本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の一本鎖分
子を示す分子模型である。 図8は本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の二本鎖分
子を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。 図9は本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の一本鎖分
子を示す分子模型である。 図10は本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の二本鎖
分子を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。
【0079】発明の実施の形態 本発明は、相補的なDNAとRNAの配列に結合するポリヌクレオチドでない
化合物の発明であり、本発明の化合物としては、ポリ(エーテル−チオエーテル
)、ポリ(エーテル−スルホキシド)および/またはポリ(エーテル−スルホン
)の骨格に共有結合した天然に存在するヌクレオベースまたは他のヌクレオベー
ス結合部分(本願では、ヌクレオベース類似体とも呼んでいる)があり、これら
の化合物は、オリゴヌクレオチド類似体として、例えばアンチセンスの用途と方
法に使用できる。本発明のこれらオリゴヌクレオチド類似体には、前記従来技術
の章で挙げたアンチセンスオリゴヌクレオチド類似体を選択するための六つの基
準を最高に満たす新しい非環式生体高分子の骨格が含まれる。
【0080】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド類似体の合成、構造、および作用モ
ードは、添付図面と付随する説明を参照することによって、より良好に理解する
ことができる。
【0081】 ポリエーテルポリエチレングリコール(PEG)は、公知の最高の生体適合性
ポリマーであり、一連の有用な特性を有している。これらのポリマーは、有機媒
体と水性媒体の両者に対する広範囲の溶解性(Mutterら、「The Peptides」Acade
mic Press, 285 1979年)、毒性と免疫原性の欠如(Dreborgら、Crit. Rev. Ther
. Drug Carrier Syst. 6巻 315頁 1990年)、非生物分解性、および生きている
生物体からの分泌が容易であること(Yamaokaら、J. Pharm. Sci. 83巻 601頁 19
94年)を示している。
【0082】 この20年間に、PEGは、各種基体(substrate)の共有結合性修飾因子(cova
lent modifier)として広く使用され、出発基体と該ポリマーの両者の特性のいく
つかを併有する接合体が製造された(Harris, J.M.著「Poly(ethylene glycol) C
hemistry」1992年、米国ニューヨーク、Plenum Pressを参照)。対象の基体の一
つ以上の特性を、変えて、特定の生物学的用途に対して適したものにすることが
要望されて、この領域の圧倒的に多数の研究が促進された。PEG接合体類とそ
の用途の蓄積が増大したので、各種の生物学的認識の機構によって生体内でトリ
ガーされる多くの望ましくない作用を、PEGによる共有結合性修飾によって最
少限にすることができることが明らかになっている。
【0083】 例えば、PEG接合体を使用して、タンパク質の免疫原性と抗原性を減少させ
ることができる(この点については、Davisらの米国特許第4179337号参
照)。トロンボジェニシティー(Thrombogenicity)および細胞とタンパク質の粘
着は、PEGがグラフトされた表面の場合減らすことができる(この点について
は、Merrill著「Poly(ethylene Glycol) Chemistry」199頁 1992年、米国ニュー
ヨーク Plenum Press参照)。PEGによって伝達されるこれらの有益な特性は
、血液接触(blood contact)を必要とするいずれの系にとっても非常に重要であ
る。PEGの生体適合性に関するさらなる情報を得るため、読者は、Zalipski、
「Functionalized poly(ethylene glycol) for preparation of biologically r
elevant conjugates」、Bioconjugate Chem. 6巻 150頁 1995年を参照されたい
。しかし、現在までに知られているPEG接合体はエクソコンジュゲートであり
、そのコンジュゲートされる部分はPEGの末端ヒドロキシル基のうちの一つに
接合されている(下記式I参照)。
【0084】 PEGは、生体適合性であるため、核酸と相互に作用するヌクレオベース、ヌ
クレオベース類似体(すなわちヌクレオベース結合部分)および/または他の化
学基[例えばDNAインターキレーター(DNA interchelator)]が共有結合
されて、所望の特性を有するオリゴヌクレオチド類似体を、以下にさらに詳細に
説明するように形成する、骨格の一部として、本発明の好ましい一実施態様によ
って使用される。
【0085】 米国特許第5908845号に、例えば下記構造式のモノマーのビルディング
ブロックが記載されている。
【化16】 しかし、このモノマー化合物を利用する合成は、収率が望ましい収率より低く
なる。この現象は、かさばった保護基(例えばジメトキシトリチル)およびポリ
エーテル骨格に連結されたヌクレオベースが原因の該化合物のキラル中心を囲む
立体障害のために起こる。さらに、前記ヒドロキシル基の二次的性質によって、
このヒドロキシル基が余り有効でない求核基になる。
【0086】 したがって、本発明の教示によって、スルフヒドリル(−SH)基を、鎖組立
てのための求核基として利用する新しいモノマー化合物が提供される。スルフヒ
ドリル基は強力な求核基として知られており、ヒドロキシル基より高い効率で、
各種の脱離基、例えばハロゲン化物基、トシレート基(tosylate)およびメシレー
ト基(mesylate)を置換することによって、チオエーテル結合を形成することがで
きる。したがって、本発明のモノマービルディングブロックは、例えば、下記構
造式で表すことができる。
【化17】 したがってこの新規なビルディングブロックで組み立てられた鎖は、エーテル
結合とチオエーテル結合を交互に有し、例えば下記のポリ(エーテル−チオエー
テル)核酸を生成する。
【化18】 この核酸は、以下により詳細に述べるように、酸化してポリ(エーテル−スル
ホキシド)核酸および/またはポリ(エーテル−スルホン)核酸にすることがで
き、これらの核酸は、以下に示すように、Mg++イオンまたは他のカチオン、
例えば限定されないがK、Na、Zn++などと容易に相互作用を行う。
【化19】 したがって、広い意味で、本発明は、一本鎖(ss)DNAおよびRNAのス
トランドを相補的に捕捉する新しいクラスの非環式骨格DNA化合物を提供する
ものである。これらの化合物は、本願では、ポリ(エーテル−チオエーテル)核
酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核
酸と呼ぶ。本発明のこれら化合物は、一般に(i)C−C、C−SおよびC−Oの
結合のみからなる骨格、および(ii)化学的官能基(これらの基の少なくともいく
つかは相補的方式でssDNAおよびRNAと適切な水素結合を形成することが
できる)を含有している。代表的な化学的官能基としては、5種類の天然に存在
するDNAとRNAのヌクレオベースすなわちチミン、アデニン、シトシン、ウ
ラシルもしくはグアニン、または修飾された塩基、例えば限定されないがイノシ
ン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン類、アザアデニン類、5−メチ
ルシトシンがあり、これらの官能基は一般に、ポリ(エーテル−チオエーテル)
、ポリ(エーテル−スルホキシド)および/またはポリ(エーテル−スルホン)
の骨格に、一つ以上のリンカー基で形成された適切なリンカーアームを通じて連
結されており、その結果、本発明の好ましい実施態様では、隣りの化学官能基が
11個の原子によって互いに隔てられており、米国特許第5908845号およ
び未変性DNA(native DNA)のポリエーテル核酸に似ている。
【0087】 本発明のチオ化−PEG(thioated−PEG)は下記式で表される。
【化20】 本発明の一実施態様で、本発明のチオ化PEG核酸化合物は下記一般式で表さ
れる。
【化21】 上記式中、B−Bは各々、化学官能基であり、Y−Yは各々第一リン
カー基であり、X−Xは各々第二リンカー基であり、C−Cはキラル炭
素原子であり、そして[K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートであ
る。
【0088】 本発明の好ましい実施態様によれば、化学官能基B−Bは、予め決めて選
択された順序で骨格に連結された配列を形成する天然に存在するヌクレオベース
またはヌクレオベース類似体である。これらヌクレオベースは、好ましくは、Y
に、天然に見つけられた位置を通じて連結される。すなわちプリン類(例えばア
デニンとグアニン)の場合は9位そしてピリミジン類(例えばウラシル、チミン
およびシトシン)の場合は1位を通じて連結される。
【0089】 さらに、各種の目的のために、化学官能基B−Bのいくつかは、ヒドロキ
シ基、アミノ基、アミド基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、(C1−C3
)アルカノイル基、芳香族基、複素環基、キレート化剤(例えばEDTA、EG
TA、隣接ジオール基などのジオール基、トリオール基など)であってもよい。
【0090】 二本鎖DNAおよび一本鎖DNAの両者に対する結合を改善するため、いくつ
かのB−B官能基は、DNAインターキレーター、例えば限定されないがア
ントラキノン基などであってもよい。
【0091】 さらに、官能基B−Bの一つ以上が、例えば発蛍光団、放射能標識、化学
発光剤、酵素、基質、受容体、リガンド、ハプテン、抗体などのレポーター分子
を含有していてもよく、これらを含有していると、その化合物は、ハイブリッド
形成検定法における標識化プローブもしくは検出可能なプローブとして役立つ。
【0092】 さらに、化学官能基:B−Bの一つ以上が、相補的DNAまたはRNAの
ストランドと相互に作用できるリガンドであってもよく、該ストランドと共有結
合してそのストランドを変化させることができる。適切なリガンドとしては、天
然のヌクレオベース、またはアルキル化求電子基(alkylating electrophile)、
例えば限定されないが、デオキシウリジンの5位の3−(ヨードアセトアミド)
プロピルで修飾された類似ヌクレオベースがある。後者の場合、その修飾された
化合物は、相補的標的核酸ストランドとの塩基対によって形成され、相補的DN
AまたはRNAのストランド内に存在するグアニン残基の7位と共有架橋結合し
ている。次に、上記架橋結合したグアニンの脱プリン反応と上記相補的ストラン
ドのストランド切断が、生体内条件下で自然に起こる(この点について、読者は
、Meyerら、「Efficient specific cross-linking and cleavage of DNA by sta
ble synthetic complementary oligodeoxynucleotides」、J. Am. Chem. Soc. 1
11巻 8517頁 1989年を参照されたい)。
【0093】 第一リンカー基:Y−Yは各々、第二級炭素原子、第三級炭素原子などの
アルキル基またはホスフェート基でもよい。リンカー基:Y−Yは各々、好
ましくはメチレン基またはC−アルカノイル基である。さらに、リンカー基Y −Yは各々、(C2−C4)アルキレン鎖またはRで置換された(C2
−C4)アルキレン鎖でもよい。場合によっては、Yは単に単結合であってもよ
い。
【0094】 第二リンカー基:X−Xは各々、メチレン基(またはRのようなア
ルキル基で置換された炭素原子)、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、
セレン原子、C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体基(例えば、メチルホス
フェート基およびホスホアミデート基)または好ましくはカルボニル基でもよい
。場合によっては、Xは単に単結合でよい。 図1a−1bを見ると、本発明の教示にしたがって、X基とY基はリンカーア
ームとして働いて、天然の核酸の場合と同様に、隣りの化学官能基Bとの間に間
隔をとる好ましくは11個の原子の存在を保証している。図1a−1bは、DN
Aストランド上(図1a)および本発明の好ましい実施態様のポリエーテル核酸
ストランド上(図1b)の、二つの隣りのヌクレオベース(B)を示す。C
はキラル炭素原子である。これら原子のキラリティーは、S配置またはR配
置を選択することができる。現在、R配置が好ましい。以下にさらに詳細に説明
するように、本発明の化合物は段階的に構築され、各モノマーもしくはビルディ
ングブロックが、増大するポリマーに順に付加される。したがって、所望のキラ
リティー(すなわちR配置またはS配置)を有するビルディングブロックを製造
できれば、S配置とR配置のC−Cキラル炭素を予め決めて混合してなる化
合物を製造することができる。
【0095】 さらに、本発明によれば、[K]と[I]は、第一と第二のエクソコンジュゲ
ート、例えば限定されないが、各々一つ以上の繰返し単位を有するポリエチレン
グリコール(PEG)または水素原子である。エクソコンジュゲート[K]と[
I]は水溶性または水に不溶性のポリマーである。このようなコンジュゲートを
使用して、該化合物が細胞膜を横切る性能を調節することができる。しかし、[
K]と[I]の一方または両者は水素原子であってもよい。
【0096】 本発明の好ましいチオ化PEG核酸分子は下記一般式で表される。
【化22】 上記式中、B−Bは各々、天然のヌクレオベースまたはヌクレオベース類
似体などの化学官能基であり、そしてPEGはポリエチレングリコールである。
【0097】 現在、最も好ましい実施態様は、上記一般式で表され、式中、Bが天然のヌク
レオベースすなわちチミン(T)、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン
(G)およびウラシル(U)であり、nが4〜50の範囲の整数であり、好まし
くは8〜30の範囲内で最も好ましくは12〜22の範囲内にある化合物である
【0098】 ここで図2を見ると、Segevの米国特許第5908845号の式IIIで表される
従来技術のテトラチミジン−ポリエーテル核酸化合物と天然のアデニンテトラヌ
クレオチドとのハイブリッド形成を示す分子模型が、ハイブリッドの水素結合が
最小エネルギーでハイブリッド形成に完全に適合していることを予報している。
そして図中、Oは赤色、Cは黄色、Nは青色、Pは紫色で示し、形成された水素
結合は破線で示し、これら水素結合は関連する原子を接続している。硫黄と酸素
の両者は周期律表のVI族のカラムに隣接して位置していることが分かるであろう
。実際に、多くの場合、分子の酸素原子が硫黄原子で置換可能であるが、チオ化
類似体は酸素化された分子の特性のすべてまたはほとんどを維持している。上記
従来技術の章でさらに詳しく述べたように、このことは、特にチオ化オリゴヌク
レオチドに当てはまる。それ故に、本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核
酸類似体が、米国特許第5908845号に開示されているポリエーテル核酸類
と同様に挙動し、そしてこの点については天然の核酸と同様であると予想される
【0099】 このことは、図3−10に示す本発明の一本鎖および二本鎖のポリ(エーテル
−チオエーテル)分子およびポリ(エーテル−スルホン)分子の分子模型(酸素
原子は赤色、炭素原子は緑色、窒素原子は青色、硫黄原子は黄色、および水素原
子は白色で示してある)によってさらに強調されている。
【0100】 本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシ
ド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸は、溶液でまたは好ましくは固
相で、標準のDNA合成法を使用して合成することができる。
【0101】 使用されるビルディングブロックは、特に設計されたキラルのSもしくはRの
モノマーまたはその活性化型である。
【0102】 本発明のモノマーのビルディングブロックは下記一般式で表される。
【化23】 上記式中、B、YおよびXは前記定義と同じであり、Zは適切な保護基であり
、そしてAは適切な脱離基である。
【0103】 特定のビルディングブロックが天然のヌクレオベースまたはヌクレオベース類
似体であるBを含有している場合、そのアミノ基は通常の保護基、例えば限定さ
れないがメチルベンジルエーテル、ベンズアミド基、イソブチルアミド基、t−
ブトキシカルボニル(Boc)基、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fm
oc)基などで保護される。
【0104】 Zは、該モノマーの末端ヒドロキシル基を保護する保護基である。Zは当業技
術界で知られている適切な保護基であればよく、例えば限定されないが、ジメト
キシトリチル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基またはシリル基がある。
Zはジメトキシトリチル基が好ましい。
【0105】 Aは脱離基であり、例えばハロゲン化物基、スルホネート基例えばメタン−も
しくはp−メチルフェニルスルホネート、アンモニウム誘導体、または周知のMi
tsunobu Reaction(Mitsunobu.O., Synthesis 1981年 1参照)を含むS1もし
くはS2の機構によって置換できるラジカル部分である。
【0106】 本発明の好ましいモノマーのビルディングブロックは下記一般式で表される。
【化24】 上記式中、B、ZおよびAは前記定義と同じである。
【0107】 このモノマーは、制御された多孔質ガラス(controlled pore glass)または誘
導体化ポリスチレンなどのポリマー支持体に逐次縮合され、これら支持体は、脱
離基Aに隣接する炭素原子と相互に作用して脱離基を脱離させるヒドロキシル、
アミノ、チオール、リンなどの暴露された反応性化学基を有している。適当な塩
基の付加は、(a)分子を活性化することによってポリマー支持体をモノマーと
縮合させ、(b)ポリマー支持体の未反応の反応性基をキャッピング(capping)
して不活性化し、次いで(c)Z基を脱保護させて遊離のヒドロキシル基を暴露
するサイクルによって実施する。これによって第一サイクルが完了する。その後
のサイクルで、遊離ヒドロキシル基が、所望の性質のB基を有するその後のモノ
マーと縮合して、所望の配列のポリ(エーテル−チオエーテル)分子が得られる
。最後のサイクルに続いて、PEGを、サイクリングに用いたのと類似の縮合法
を使用して末端モノマーの遊離ヒドロキシル基に縮合させる。
【0108】 ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸を製造する場合は、上記方法で得られる
生成物を、酸化剤で、好ましくは1.2当量のメタクロロ過安息香酸で酸化する
【0109】 ポリ(エーテル−スルホン)核酸を製造する場合は、上記方法で得られた生成
物を、別のより優れた酸化剤好ましくは4−メチルモルホリン−N−オキシドで
酸化する。
【0110】 ポリマー生成物のポリマー支持体からの脱離は、塩基性条件下、例えば水酸化
アンモニウムまたは他の塩基の存在下、またはポリマー支持体への連結の性質に
応じて他の適切な薬剤によって達成することができる。
【0111】 本発明の好ましい実施態様において、上記実施態様のいずれかによるポリ(エ
ーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ
(エーテル−スルホン)核酸は、アルカリ金属のイオン例えば限定されないがN
、アルカリ土類金属のイオン例えば限定されないが、Ca++およびMg 、または遷移金属のイオン例えば限定されないがK、Fe++、Zn++
Cu++、Mn++およびCr++と相互に作用して、ポリ(エーテル−チオエ
ーテル)、ポリ(エーテル−スルホキシド)またはポリ(エーテル−スルホン)
の骨格および/またはリンカー基の酸素原子または他の電気陰性部分と、配位結
合または他の結合を形成することができる。このような配位結合は、本発明のポ
リ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸また
はポリ(エーテル−スルホン)核酸に、相補的一本鎖のDNAもしくはDNAと
塩基対を作るのに高度に適切な立体配座をもたらすのに役立つ。
【0112】 本発明は、さらに、ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−
スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸の分子の、固相生化
学での使用(W.H. Scouten編「Solid-Phase Biochemistry - Analytical and Sy
nthetic Aspects 」1983年、米国ニューヨーク、John Wiley & Sons参照)、と
りわけ固相のバイオシステム、特に相補的核酸の診断に利用する検出/定量また
はアフィニティー精製に関するバイオアッセイまたは固相法での使用(P.D.G. De
an, W.S. JohnsonおよびF.A. Middle編「Affinity Chromatography - A Practic
al Approach」1986年、オックスフォード、IRL Press Ltd., B.D. Harnesおよび
S.J. Higgins著「Nucleic Acid Hybridization - A Practical Approach」1987
年、オックスフォード、IRL Press Ltd.参照)を目的としている。
【0113】 現在、このようなバイオアッセイまたは精製法を実施するための方法は、セル
ロース、多孔度を制御されたものを含むガラスビーズ類(Mizutaniら、J. Chroma
togr. 356巻 202頁 1986年)、「Sepharose」、「Sephadex」、ポリアクリルア
ミド、アガロース、ヒドロキシアルキルメタクリレートのゲル類、多孔質粒状ア
ルミナ、多孔質セラミック類、ジオボンデッドシリカ(diobonded silica)または
ナイロンもしくはニトロセルロース製のフィルターディスクのような相接する材
料などの固体支持体に、物理的に吸着されるかまたは実質的に永久的な固定共有
結合によって結合される「通常の」またはわずかに修飾されたオリゴヌクレオチ
ドを、ほとんど排他的に利用する。一例は、ポリAテールを含有するmRNAを
アフィニティー分離するのに、セルロースビーズ上でのオリゴ−dTの化学合成
を利用する(L. GrossmannおよびK. Moldave編「Methods in Enzymology」1971年
、ニューヨークおよびロンドンのAcademic Press, 21巻パート D 191頁のGilham
の報告)。
【0114】 上記の方法はすべて、本発明に関連して利用できる。しかしできれば、問題の
分子の物理的吸着を超える共有結合が好ましい。というのは物理的吸着法は、固
定化された分子のいくらかが、ハイブリッド形成中またはアフィニティ法中に洗
い流される(脱着される)ことがあるという欠点をもっているからである。
【0115】 支持体材料の表面に吸着された種が、支持体がバイオアッセイ/精製法の過程
で受ける各種の処理中に失われる程度の制御はほとんどなされていない。この問
題のきびしさは、吸着された種と「遊離の」種との間の平衡が達成される速度に
大きく左右される。特定の場合、許容可能な正確さおよび/または再現性で定量
検定することが事実上不可能である。支持体を、体液、水性試薬もしくは洗浄媒
体で処理している間に吸着された種が失われることは、比較的低い分子量の種の
場合、最も著しいと一般に予想される。
【0116】 したがって、ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホ
キシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸の種は、相補的核酸に対す
る結合アフィニティが非常に高く(しかも配列特異的である)ため、上記固相法
の場合有利であり、かつ二本鎖構造中に存在する核酸の追加の独特の配列特異的
認識(および該核酸への強い結合)のために有利である。したがって、これらの
核酸は、ハイブリッド形成検定法、例えば限定されないがブロットハイブリッド
形成法(「サザーン」および「ノーザン」)、ドットブロットハイブリッド形成
法、逆ブロットハイブリッド形成法、in situハイブリッド形成法、液相ハイブ
リッド形成法、クローン類(細菌/ファージなど)スクリーニング法などのハイ
ブリッド形成検定法、およびハイブリッド形成を含む他の検定法、例えば限定さ
れないがPCR法、配列決定法、プライマー伸長法などで、通常のオリゴヌクレ
オチド類を置換することができる。 また、これらの核酸は固体支持体に大量に負荷できるので、固相法の感度/容
量をさらに増大することができる。さらに、ポリ(エーテル−チオエーテル)核
酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核
酸の固相生化学における使用に関する特定タイプの研究が、最近報告された「li
ght-directed, spatially addressable, parallel chemical synthesis」法(Fod
orら、Science 251巻 767頁 1991年)、すなわち、固相化学とホトリソグラフィ
ーを組み合わせて、非常に多様であるが識別可能で永久的に固定化された化合物
(例えばタンパク質)を何千種類も、実質的に同時に生成する方法を使用するこ
とによって、提案され、促進されまたは大きく加速されている。
【0117】 また、本発明はさらに、ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテ
ル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸を治療および/
または予防に使用することを目的としている。本発明の治療と予防の標的として
は、限定されないが、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルス(
HSV)、カンジダ・アルビカンス(candida albicans)、インフルエンザウイル
ス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、細胞内接着分子(ICAM)、サイトメ
ガロウイルス(CMV)、ホスホリパーゼA2(PLA2)、5−リポキシゲナ
ーゼ(5−LO)、プロテインキナーゼC(PKC)およびRAS癌遺伝子が考
えられる。
【0118】 このようなターゲッティングの可能性のある用途としては、限定されないが、
唇、眼および頸部の癌;性器いぼ;カポジ肉腫;尋常性ゆうぜい;皮膚および全
身の真菌感染症;AIDS;肺炎;流行性感冒;単核症;免疫抑制されている患
者の網膜炎と肺炎;眼、皮膚および全身の炎症;癌;心臓血管疾患;乾癬;喘息
;心筋梗塞;心臓血管崩壊;腎臓疾患;胃腸疾患;骨関節炎;リウマチ様関節炎
;敗血症性ショック;急性膵炎およびクローン病を治療する用途がある。
【0119】 本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシ
ド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸は、治療と予防に使用するため
配合して医薬組成物にすることができ、この組成物は粘稠化剤、担体、緩衝剤、
希釈剤、界面活性剤、保存剤など(これらはすべて当業技術界では周知である)
を含有している。また医薬組成物は、ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポ
リ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸に加
えて、一種以上の有効成分、例えば限定されないが抗炎症薬、抗菌薬などを含有
していてもよい。
【0120】 この医薬組成物は、局所もしくは全身の治療を選択するかどうかおよび治療す
る領域に応じて一種以上の方式で投与できる。投与は、局所に(眼部、膣、直腸
、鼻腔内)経口で、吸入でまたは非経口で(例えば静脈内点滴、または腹腔内、
皮下もしくは筋肉内の注射による)行うことができる。
【0121】 局所投与用の配合物としては、限定されないがローション剤、軟膏、ゲル剤、
クリーム剤、坐剤、滴剤、液剤、スプレー剤および粉末剤がある。通常の医薬担
体;水性、粉末もしくは油状の基剤;粘稠化剤などが必要かまたは望ましい。コ
ートされたコンドームも有用である。
【0122】 経口投与用組成物としては、粉末剤もしくは顆粒剤、水もしくは非水性媒体に
よる懸濁剤もしくは溶液剤、サシエ(sachet)、カプセル剤または錠剤がある。粘
稠化剤、希釈剤、着香料、分散助剤、乳化剤または結合剤が望ましい。
【0123】 非経口投与用の配合物としては、限定されないが、緩衝剤、希釈剤および他の
適切な添加剤も含有する滅菌水溶液剤がある。
【0124】 投与方法は、治療される症状の重傷度と反応性によって決まるが、一般に、数
日間〜数ヶ月間続く治療過程で、または全治するまでもしくは疾病状態の減退が
達成されるまで、1日当たり一回以上の投与である。当業技術者は、最適の投与
量、投与法および反復率を容易に決めることができる。
【0125】 この種の治療は、単細胞の原核生物および真核生物から多細胞の真核生物まで
の範囲の各種生物体に対して実施できる。その遺伝、代謝または細胞の制御の基
本的部分として、転写(DNA−RNA転写および逆転写を含む)、RNA転写
物またはRNA−タンパク質の翻訳を利用する生物体は、本発明による治療処置
および/または予防処置を受けることができる。酵母、細菌、藻類、原生動物、
全植物、すべての高等動物形態(温血動物を含む)などの多様な生物体を治療す
ることができる。
【0126】 さらに、多細胞真核生物の各細胞は、DNA−RNA転写とRNA−タンパク
質の翻訳の両者を、その細胞活動の不可欠な部分としてもっているので治療する
ことができる。
【0127】 さらに、真核細胞の多くのオルガネラ(例えばミトコンドリア、葉緑体および
有色体)も、転写と翻訳の機構をもっている。したがって、単細胞、細胞集団ま
たはオルガネラも、治療用または診断用のホスホロチオエート(phosphorothioat
e)のオリゴヌクレオチド類で処置することができる生物体の定義内に含まれる。
用語「治療」は、本願で使用する場合、生物体を殺すことによって、または迷走
性のもしくは有害な細胞の増殖または発現を制御することによる疾病状態の根絶
を含むものとする。
【0128】 本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシ
ド)核酸またはポリ(エーテル−スルホン)核酸は、既存のオリゴヌクレオチド
類似体の技法を超える各種の利点を享受している。
【0129】 第一に、本発明の好ましい実施態様によれば、該ポリ(エーテル−チオエーテ
ル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホ
ン)核酸の骨格は、水性溶媒および有機溶媒の両方に、高濃度で可溶性であるこ
とが知られているチオ化PEGまたはスルホン化PEGである。本発明のポリ(
エーテル−チオエーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポ
リ(エーテル−スルホン)核酸の、ポリ(エーテル−チオエーテル)骨格、ポリ
(エーテル−スルホキシド)骨格またはポリ(エーテル−スルホン)骨格は一方
では疎水性を有し、そして他方では水溶性を有している。ポリ(エーテル−チオ
エーテル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−
スルホン)核酸は、上記独特の特性によって、タンパク質核酸(PNA)のよう
に相補的配列と著しく強く相互に作用することがなく、しかも天然のDNAスト
ランドおよびRNAストランドのように水性媒体中で高度に溶媒和されることが
ないので、これらの核酸と相補的なDNAもしくはRNAの分子との間に、均衡
ハイブリッド形成(balanced hybridization)を行うことができる。
【0130】 第二に、アンチセンス分子として使用するときのPNAの主な欠点は、PNA
−DNAのハイブリッドが高い融解温度(Tm)を特徴としていることである。
例えばPNA−T10−dA10などの二重らせんのTm値は70℃より高く、
一方、同等の天然二本鎖DNA(dT10−dA10)のTm値は、ほぼ1/3
の約24℃である。PNA類は体温(例えば37℃)で、相補的配列と強く結合
するから、PNAは、それらの目的とする対応物に対する特異性を欠いているの
で、結局標的配列に結合するのみならず、他のDNA、RNAのストランドまた
はタンパク質のストランドにさえも結合して、細胞を予知できない方式で無能力
にする。PNAは、リシン残基が溶媒和されると、ミセルとして作用する。PN
Aは、水との混和性が劣っているが、その骨格の疎水性は、非極性の環境、例え
ば天然の相補的DNAの塩基を求める傾向がある。これらの疎水性相互作用は、
高度に安定なPNA−DNAハイブリッドを形成する主な駆動力になっているの
で、このようなハイブリッドのTm値は非常に高い。PEGなどのポリエーテル
類の疎水性−親水性の特性を保持することによる、ポリ(エーテル−チオエーテ
ル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホ
ン)核酸の独特の溶解特性によって、Tm値が天然のDNAよりわずかに高くな
りしかもPNAよりはるかに低くなり、この中間の値は、特異性のためには極め
て重要である。
【0131】 第三に、ポリエーテルベースの化合物例えばシクロデキストリン類は、らせん
を形成する傾向があり、そのらせんは、生理的条件下、溶液中で、水や金属イオ
ンによって安定化される。ポリエーテルベースの化合物は、この特性によって、
ヌクレオベースが相補的なDNAもしくはRNAの分子と塩基対を作るのに非常
に適切な非環式骨格になる。
【0132】 第四に、PEGは、非経口用途、局所塗布用途ならびに坐剤、鼻腔スプレー剤
、食品および化粧品の成分として、FDAによって認可されている。PEGは、
経口もしくは非経口で投与される場合、低毒性であり、大量の場合だけ有害反応
がある(Smyth, H.F.ら、J.Am. Pharm. Assoc., 34巻 27頁 1955年参照)。PE
G−タンパク質接合体投与の経験を蓄積した証拠は、PEG接合タンパク質の血
漿半減期(循環時間)と生物学的利用率の両者が天然のタンパク質と比べて増大
し、この増大によって効力が改善されることを示唆している。Ganserら(Blood 7
3巻 31頁 1989年)は、PEGで修飾したものを使用した場合、低投与量のとき副
作用が少ないことを観察した。いくつものPEGで修飾された酵素は毒性が低下
することが観察されている(Fuertgesら、J. Contr. Release 11巻 139頁 1990年
参照)。PEGの改善された薬物動態学的特性を利用する場合のもう一つの利点
は、Pizzo, Adv. Drug. Del. Rev. 6巻 153頁 1991年に述べられているように、
連続的な静脈注入の代わりに、ボーラス注入投与を行う選択肢である。本発明の
好ましい実施態様で、ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸類はPEG骨格を含
有しおよび/またはPEGエクソコンジュゲートに接合されているので、上記諸
利点を享受している。
【0133】 最後に、以下実施例の章で詳細に述べるように、ポリ(エーテル−チオエーテ
ル)核酸、ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸またはポリ(エーテル−スルホ
ン)核酸の合成は、既知のキラリティを有する一つのキラル中心を含有するモノ
マーまたはR/Sの例えばRモノマーとSモノマーのラセミ混合物を使用して行
うことが好ましい。このモノマーは、先に述べたが、ポリ(エーテル−チオエー
テル)骨格と、予め選択された望ましいヌクレオベースの配列とを有する適当な
ヌクレオチドを製造するのに必要な量を縮合させる。これらの縮合反応中、その
キラル中心はラセミ化されない。以下の実施例の章でさらに詳細に述べるように
、前記モノマーを合成するには、純粋の形態のキラリティーで利用できるキラル
出発物質が必要である。対照的に、Millerら(J. Am. Chem. Soc. 93巻 6657頁 1
971年)は、そのホスフェート部分のヒドロキシル基がメチル基で置換されてメ
チルホスホネート結合になっている非イオン性オリゴヌクレオチド類似体を製造
した。Millerが示しているように、各メチルホスホネート結合(p)はRまたは
Sのキラル配置をもっていてもよい。したがって、例えば、ポリdTとハイブリ
ッドを形成したdApA(S)(dA)12はdApA(R)(dA)12と比
べてTm値が4.4℃高い。この観察結果は、R配置中のメチル基がある種の特
異的立体障害を提供するかもしれないということを示唆している。各合成ステッ
プ毎に、R配置またはS配置に対して等しい機会があるのでTmが劇的に低下す
るから、オリゴヌクレオチド鎖中に、5個以上のメチルホスホネートを導入する
と、一般に、Tm値が約20℃低下する。合成の各ステップで形成されるジアス
テレオマー類を分離することは明らかに不可能である。ホスホチオエートオリゴ
ヌクレオチド類の場合と同様に、ホスフェート部分のヒドロキシル基をスルフヒ
ドリル基で置換する場合にも同じことが推量される。さらにこれらの物質は水に
対して難溶性である。このファミリーの化合物の水性緩衝液への溶解性は、オリ
ゴマーの大きさ、組成および恐らく配列にさえも左右される。グアニンの百分率
が高いこと、またはさらに悪いことに相接するグアニン残基の集合体によって、
このような化合物の溶解性が明確に低下する。例えば、d(CpT)はミリモ
ル濃度まで可溶性であるが、一方d(ApG)は溶解性が0.1mM未満であ
る。
【0134】 本発明の追加の目的、利点および新規な特徴は、当業技術者に対し、以下の実
施例の試験によって明らかになるであろう。なおこれらの実験は本発明を限定す
るものではない。さらに先に述べられかつ本願の特許請求の範囲の項で請求され
ている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例で実験的に支持されてい
る。
【0135】
【実施例】
実施例1 本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸を合成するのに使用するR/S
モノマーの合成 式Qで表されるモノマーの製造:上記本発明の好ましい実施態様でモノマーを
合成するのに用いる出発物質(そのリンカー基は両方ともメチレンである)はメ
チル4−ブロモクロトネートである。この合成経路によって、式Qで表される、
キラル中心CのR/S異性体混合物が生成する。追加の連続合成ステップは下
記のステップに基づいている。
【0136】 ブロミド置換反応によるメチル4−ヒドロキシクロトネート(化合物A)の製
造:水195ml中の酸化銀(11.6g、0.05mol)の十分撹拌されて
いる混合物に、メチル4−ブロモクロトネート(17.9g、0.1mol)を
添加した。得られた混合物を、25℃にて24hr撹拌し、次に60℃でさらに
6hr加熱した。濾過を行った後、減圧下、水を蒸発させて、液体残留物を獲得
し、これをさらに減圧下でさらに蒸留した。化合物Aを、沸点が77〜80℃の
透明な液体として得た(6g、0.3mmol、収率51%);NMR(CDC
):3.65(s、3H)、4.8(s、3H)、6.0(m、1H)、7
.0(m、1H)。 このプロセスを簡単に記載すると下記のとおりである。
【化25】
【0137】 メチル4(4,4′−ジメトキシトリチル)クロトネート(化合物B)の製造
:メチル4−ヒドロキシクロトネート(化合物A)(11.6g、100mmo
l)の混合物を、乾燥ピリジンとともに共蒸発(co-evaporate)させ次いで乾燥ピ
リジン200mlに溶解した。得られた混合物を、氷水浴内で冷却し、乾燥ピリ
ジン100mlに溶解したジメトキシトリチルクロリド(Aldrich) 40.6g(
120mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で17hr保持した
後、その混合物を蒸発乾固し、酢酸エチル500ml/水500mlで抽出し、
飽和NaHCO溶液100mlで一回洗浄し、水で2回洗浄し次にブライン溶
液で二回洗浄した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ
、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)、0.5%ピリジンを使用するカラムクロマ
トグラフィーで精製した。得られた化合物B(40.2g、96%収率)はRf
=0.84で移動した。NMR(CDCl):3.69(s、3H)、3.7
0(m、2H)、3.77(s、6H)、6.1(m、1H)、6.87.55
(m、13H)、7.05(m、1H)。 このプロセスを簡単に示すと次のとおりである。
【化26】
【0138】 メチル3−チオエタノール4−(4,4′ジメトキシトリチル)クロトネート
(化合物C)の製造:メタノール500mlと炭酸カリウム20gに化合物B(
41.8g、100mmol)を溶解した溶液に、メルカプトエタノール(Aldri
ch、15.62g、200mmol)をバルクで(in bulk)添加した。その反応
混合物を室温で8hr撹拌した。溶媒を蒸発させ、次いで残留物を酢酸エチル5
00ml/水500mlで抽出し、水で2回洗浄し、ブライン溶液で2回洗った
。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次に、ヘキサン/
酢酸エチル(2/1)、0.5%ピリジンを使用するカラムクロマトグラフィー
で精製した。得られた化合物CのR/S混合物(49g、収率ほぼ100%)は
Rf=0.2で移動した。NMR(CDCl):[2.42および2.94]
(m、2H)、2.61(t、2H)、3.14(m、2H)、3.30(m、
1H)、3.65(m、3H)、3.7(s、3H)、3.79(s、6H)、
6.81−7.44(m、13H)。 このプロセスは簡単に示すと下記のとおりである。
【化27】
【0139】 メチル3−チオエチル(t−ブチルジメチルシリルエーテル)、4−(4,4
′−ジメトキシトリチル)ブチレート(化合物D)の製造:ジクロロメタン10
0mlに溶解して得た化合物C(4.96g、10mmol)とイミダゾール(A
ldrich、1.7g、25mmol)の溶液に、ジクロロメタン50mlに溶解し
て得たt−ブチルジメチルシリルクロリド(1.8g、12mmol)の溶液を
、室温で滴下して添加した。2hr撹拌した後、溶媒を蒸発させて乾固し、次に
残留物を、酢酸エチル200ml/水200mlで抽出し、水で2回洗浄し、次
にブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
、蒸発させ、次に、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)、0.5%ピリジンを使用
するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物DのR/
S混合物(5.82g、95%収率)はRf=0.62で移動した。NMR(C
DCl):0.50(s、6H)、0.89(s、9H)、[2.38および
2.83](m、2H)、2.59(m、2H)、3.30(m、1H)、3.
11−3.15(m、2H)、3.66(s、3H)、3.69(m、2H)、
3.79(s、6H)、6.80−7.44(m、13H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化28】
【0140】 3−チオエチル(t−ブチルメチルシリルエーテル)、4−(4,4′−ジメ
トキシトリチル)−1−ブタノール(化合物E)の製造:乾燥テトラヒドロフラ
ン300mlに溶解して得た化合物D(6.1g、10mmol)の溶液に、室
温で、LiBH(Aldrich、0.544g、25mmol)を少しずつ添加した
。10分後、反応混合物を10分間、還流し、次にその還流溶液にメタノール(
10ml)を滴下して添加した。還流をさらに2hr続けた後、溶媒を蒸発させ
て乾固し、次に残留物を、酢酸エチル200ml/水200mlで抽出し、水で
2回洗浄し、次にブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、蒸発させ、次いでヘキサン/酢酸エチル(2/1)、0.5%
ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた
化合物EのR/S混合物(5.23g、収率90%)はRf=0.39で移動し
た。NMR(CDCl):0.05(s、6H)、0.89(s、9H)、[
1.69および2.01](m、2H)、2.60(t、2H)、[2.92お
よび3.15](m、2H)、3.30(m、1H)、3.69(t、2H)、
3.78(s、6H)、6.80−7.45(m、13H)。 このプロセスを簡単に示せば下記のとおりである。
【化29】
【0141】 1−メシレート、3−チオエチル(t−ブチルジメチルシリルエーテル)、4
−(4,4′−ジメトキシトリチル)−1−ブタン(化合物F)の製造:化合物
E(5.82g、10mmol)を乾燥ピリジンとともに共蒸発させた。得られ
た油状物を、アルゴン雰囲気下、乾燥ピリジン200mlに溶解し、次に0℃ま
で冷却した。得られた溶液に、メタンスルホニルクロリド(928μl、12m
mol)を添加し、その反応混合物を室温まで温めてさらに3hr撹拌し、その
時点でエタノール(2ml)を添加した。続いてさらに15分間撹拌し、溶媒を
蒸発させて乾固し、残留物を酢酸エチル200ml/水200mlで抽出し、水
で2回洗浄し、次にブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、蒸発させ、次いで、ヘキサン/酢酸エチル(1/1)、0.
5%ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得ら
れた化合物FのR/S混合物(6.41g、収率97%)はRf=0.85で移
動した。NMR(CDCl):0.05(s、6H)、0.90(s、9H)
、[1.81および2.04](m、2H)、2.55(t、3H)、[2.9
1および3.20](m、2H)、3.02(s、3H)、3.33(m、1H
)、3.69(t、2H)、3.79(s、6H)、4.37(m、2H)、6
.81−7.46(m、13H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化30】
【0142】 化合物Fに対するヌクレオベースへの連結(化合物G):乾燥DMF200m
lに溶解して得たチミン(Aldrich、1.26g、10mmol)の溶液に、水素
化ナトリウム(480mg、12mmol)を、鉱油による60%分散液として
バルクで添加した。その反応混合物を2hr撹拌したが、その時点で、そのスラ
リー溶液は透明になった。次に、乾燥ピリジン50mlに溶解して得た化合物F
(6.6g、10mmol)の溶液をバルクで添加した。その反応混合物を11
0℃で18hr加熱し、溶媒を蒸発させて乾固し、次に残留物を酢酸エチル20
0ml/水200mlで抽出し、水で2回洗浄し、次にブライン溶液で2回洗っ
た。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次いでヘキサン
/酢酸エチル(1/1)、0.5%ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製した。得られた化合物GのR/S混合物(3.5g、収率5
0%)はRf=0.44で移動した。NMR(CDCl):0.05(s、6
H)、0.88(s、9H)、[1.65および2.25](m、2H)、1.
89(s、3H)、2.57(t、2H)、[3.08および3.82](m、
2H)、3.30(m、1H)、3.64(t、2H)、3.80(s、6H)
、6.96(s、1H)、6.80−7.44(m、13H)、8.90(s、
ブロード、1H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化31】
【0143】 N−メチルベンジルエーテルによるチミンアミノ基の保護(化合物H):化合
物G(6.9g、10mmol)を乾燥アセトニトリルに溶解して得た溶液に、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)(Aldrich
、1.82g、1.5ml、12mmol)をアルゴン雰囲気下、注入によって
添加し、次に、ベンジルクロロメチルエーテル(BOM、Fluka、1.56g、
1.4ml、12mmol)をアルゴン雰囲気下、注入によって添加した。その
反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で18hr撹拌した。さらに20%のDB
UとBOMを添加し、得られた溶液を室温でさらに2hr撹拌した。溶媒を蒸発
させて乾固し、次に残留物を酢酸エチル200ml/水200mlで抽出し、水
で2回洗い、次にブライン溶液で2回洗った。得られた有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、蒸発させ、次いで、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)、0.5%
ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた
化合物HのR/S混合物(7.32g、収率91%)はRf=0.64で移動し
た。NMR(CDCl):0.05(s、6H)、0.88(s、9H)、[
1.65および2.25](m、2H)、1.89(s、3H)、2.57(t
、2H)、[3.08および3.82](m、2H)、3.30(m、1H)、
3.64(t、2H)、3.80(s、6H)、4.68(s、2H)、5.4
8(s、2H)、6.90(s、1H)、6.80−7.44(m、18H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化32】
【0144】 ベンゾエートによるチミンアミノ基の保護(化合物H1)、化合物Hの代替化
合物: 3−N−ベンゾイルチミンの製造:この化合物を、Tetrahedron Letters 25巻
681頁 1984年に発表されたCruickshankらの方法によって製造する。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化33】
【0145】 化合物H1の製造:乾燥THF(100ml)にN−ベンゾイルチミン(2
.35g、10.21mmol)溶解して得た溶液をアルゴン雰囲気下で撹拌し
、その溶液に、トリフェニルホスフィン(4.29g、16.37mmol)と
アルコール(4.5g、7.72mmol)を室温で添加した。15分後に、ア
ゾジカルボン酸ジエチル(2.84g、16.32mmol、2.57ml)を
、30分間かけてゆっくり添加した。得られた反応混合物を、アルミニウムフォ
イルで覆って、アルゴン雰囲気下、室温で24hr撹拌した。溶媒を蒸発して乾
固し次に残留物をEtOAc(300ml)に溶解した。得られた有機層を5%
NaHCO溶液(100ml)、水およびブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。その乾燥されたEtOAc抽出液を蒸発乾固してオレンジ色の
油状物が得られ、これをヘキサン/酢酸エチル(2/1)および0.5%ピリジ
ンを使用するカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物H1(5.
25g、収率85%)はRf=0.38で移動した。NMR(CDCl):0
.05(s、6H)、0.88(s、3H)、[1.73および2.25](m
、2H)、1.93(s、3H)、2.58(t、3H)、[3.18および3
.87](m、2H)、3.33(m、1H)、3.65(t、2H)、3.8
0(s、6H)、7.08(s、1H)、6.8−7.92(m、18H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化34】
【0146】 ヒドロキシルt−ブチルメチルシリル保護基の脱保護:テトラヒドロフラン1
00mlに化合物H(7.97g、10mmol)(または代替物の化合物H1
)を溶解して得た溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(Aldrich
、3.13g、12.0mmol)を添加し、次にその反応混合物を室温で18
hr撹拌した。溶媒を蒸発して乾固し、次に残留物を酢酸エチル200ml/水
200mlで抽出し、水で2回洗い、次にブライン溶液で2回洗浄した。得られ
た有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次に、ジクロロメタンに溶
解したメタノールの1%溶液、0.5%ピリジンを使用するシリカゲルのカラム
クロマトグラフィーで精製した。得られた化合物IのR/S混合物(6.10g
、収率89%)はRf=0.36で移動した。NMR(CDCl):[1.7
4および2.25](m、2H)1.87(s、3H)、2.57(t、2H)
、[3.21および3.87](m、2H)、3.32(m、1H)、3.55
(m、2H)、3.87(s、6H)、4.68(s、2H)、5.48(s、
2H)、6.90(s、1H)、6.79−7.43(m、18H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化35】
【0147】 代わりに、テトラブチルアンモニウムフルオリドを、化合物H1と、化合物I
を製造するために先に述べたのと同じ条件下で反応させた。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化36】
【0148】 化合物Qの製造:乾燥ピリジン100mlに溶解して得た化合物I(6.96
g、10mmol)の溶液を、氷水浴中で冷却し、この溶液に、メタンスルホニ
ルクロリド(Aldrich、1.36g、0.94ml、12mmol)を、アルゴン
雰囲気下、注入によって添加した。得られた反応混合物を0℃で30分間撹拌し
、続いて室温でさらに2hr撹拌した。
【0149】 次に溶媒を蒸発させて乾固し、次いで残留物を、酢酸エチル200ml/5%
重炭酸ナトリウム溶液200mlで抽出し、水で2回洗浄し、次いでブライン溶
液で2回洗った。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次
いで、酢酸エチル/ヘキサン(1/1)、0.5%ピリジンを使用するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物QのR/S混合物(6
.10g、収率89%)はRf=0.24で移動した。NMR(CDCl):
[1.74および2.25](m、2H)、1.87(s、3H)、2.57(
t、2H)、[3.21および3.87](m、2H)、3.32(m、1H)
、3.55(m、2H)、3.87(s、6H)、4.68(s、2H)、5.
48(s、2H)、6.90(s、1H)、6.79−7.43(m、18H)
。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化37】 この方法は化合物Q1の製造にも適用され、簡単に示すと以下のとおりである
【化38】
【0150】 チミンが結合されているモノマー以外の、結合されているヌクレオベースが異
なるモノマーを、上記合成法を使用して製造できることは分かるであろう。以下
の実施例で例示されるように、これらヌクレオベースが異なるモノマーを使用し
て、所望の予め選択された配列のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸化合物を
合成することができる。
【0151】 実施例2 ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸を合成するのに使用する固体支持体の製
造 CPG−PEGポリマー(ポリマーA)の製造:本発明のポリ(エーテル−チ
オエーテル)核酸類を固相合成するのに使用する好ましいポリマー支持体は、粒
径が125〜177ミクロンで、例えばアルキルアミン鎖、例えばプロピルアミ
ン、500オングストローム(Pierce)によって誘導体化されている細孔が制御さ
れたCPGガラスである。乾燥DMFとトリエチルアミンの混合物(33ml、
10:1)による前記ポリマー(10g)の懸濁液に、DMF(20ml)に無
水コハク酸(4g)を溶解して得た溶液を添加した。得られた反応混合物を室温
で3hr撹拌し、次いで、その縮合反応が終結したことをニンヒドリン試験で監
視した。得られた懸濁液を濾過し、得られた固体支持体を、まずメタノール(2
回×100ml)で洗い、続いて乾燥エーテル(100ml)で洗浄した。乾燥
した上記固体支持体に、1−ジメトキシトリチル−ヘキサエチレングリコール(
後記実施例4でさらに説明する化合物1、4g、6.84mmol)を、乾燥ジ
クロロメタン(30ml)と乾燥ピリジン(0.5ml)の混合物に溶解して得
た溶液を添加し、続いて、さらに1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(1.
03g、8.21mmol、Aldrich)およびジメチルアミノピリジン(0.5
g、4.09mmol)を添加した。得られた不均一系の(heterogenic)混合物
を室温で一夜撹拌し、得られたPEG−CPGアダクトを濾過し、まずメタノー
ル(2回×50ml)で洗浄し、次にジクロロメタン(2回×50ml)で洗浄
し、最後に乾燥エーテル(2回×50ml)で乾燥した。PEG−CPGアダク
トの収率を、そのアダクトの一部分を秤取し、それを、ジクロロメタンによるト
リクロロ酢酸2%溶液2mlで1分間処理することによって、ジメトキシトリチ
ル基(DMT)を脱保護して測定し(オレンジ色を495nmにて分光光度法で
監視した)、その結果、収率は97%であった。 このプロセスを簡単に示せば下記反応式になる。
【化39】
【0152】 以後のプロセスに対しては、下記の略号を使用する。
【化40】
【0153】 実施例3 ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸類の合成(サイクル) ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸類合成のサイクルには、三つのステップ
:縮合、キャッピング(capping)および脱保護を含んでいる。
【0154】 ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸ポリチミンの合成: この実施例において、以下にさらに詳細に述べるように、Q化合物またQ1化
合物を使用し、それ以外の点では同一の条件を利用して、ポリ(エーテル−チオ
エーテル)核酸ポリチミンを合成することができる。
【0155】 縮合:ポリマーA 1gの乾燥エチレングリコールジメチルエーテル(DME
)(Aldrich)による懸濁液中に、カリウムtert−ブトキシド(Aldrich)のTH
Fによる1M溶液2mlと、化合物Qまたは化合物Q1 0.5gのTHF 2
mlによる溶液とを添加した。得られた懸濁液を室温で1hr撹拌した。得られ
たポリマーに結合した化合物Qまたは化合物Q1を濾過し、次いでメタノール2
5mlで洗浄し、ジクロロメタン25mlずつで2回洗浄し、最後に25mlの
エーテルで洗浄した。
【0156】 以後記載するプロセスに対しては下記の略号を使用する。
【化41】
【0157】 上記縮合工程(化合物Qの工程)を簡単に示すと次のとおりである。
【化42】
【0158】 キャッピング:先のステップで得たポリマー支持体に、無水酢酸/2,6−ル
チジン/テトラヒドロフラン(1/1/8)10mlを添加することによって、
未反応のポリマーヒドロキシ基のアセチル化を達成した。その懸濁液を5分間撹
拌した。次に溶媒を減圧吸引によって除去し、次いで残留物をメタノール10m
lで2回洗浄し、次にジクロロメタン10mlで2回洗浄した。
【0159】 ジメトキシトリチル基(DMT)の脱保護:先の二つのステップのいずれかか
ら得た乾燥ポリマーを、ジクロロメタンにトリクロロ酢酸を溶解して得た2%ト
リクロロ酢酸溶液5mlで1分間処理し、生成するオレンジ色を分光光度法で監
視し、次にそのポリマーをメタノール、ジクロロメタンで洗い、次いで乾燥エー
テルで乾燥した。 ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の脱保護工程を簡単に示すと下記のとお
りである。
【化43】
【0160】 上記乾燥されたポリマーを、次に、乾燥DME中で、縮合の項目で先に述べた
ような方式で、第二の化合物Qのモノマーと縮合させた。上記第二縮合工程によ
ってチミン−ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸二量体が得られるが、この工
程を簡単に示すと次のとおりである。
【化44】
【0161】 このようなサイクルは、適当なセンス配列またはアンチセンス配列を形成する
のに必要な回数だけ繰り返すことができ、各3段階サイクルにおいて、一つずつ
追加のモノマーが連続して、成長中の鎖に、所望のnサイクルまで付加される。
【0162】 この実施例のポリチミン−ポリ(エーテル−チオエーテル)−CPG−PEG
アダクトは一般に以下のように表される。
【化45】
【0163】 5′−OHは、以下に述べるように、エクソコンジュゲートPEGに最後に結
合させるため露出したままである。
【0164】 実施例4 PEG−エクソコンジュゲート類の製造 この実施例は、化合物(T−BOM)と化合物(T−Bz)の両者に適用
される。
【0165】 ポリ(エチレングリコール)(PEG)は、タンパク質などの他の基体に共有
結合されると、その潜在的な用途を広げる方式でその特性を変える水溶性ポリマ
ーである。PEG−タンパク質接合体の薬理学的性能が、その未修飾タンパク質
の対応物と比べると、改善されているので、この種のPEG接合体の治療薬とし
ての開発が促進された。例えば、アデニンデアミナーゼ(ADA)欠損症などの
酵素欠損症は、天然の酵素による治療が、迅速なクリアランスおよび/または免
疫反応のために、役に立たないことは分かっていたが今や同等のPEG−酵素類
、例えばPEG−ADAで治療することができる。この新規の観察結果は、PE
G化(PEGylation)の技法の応用に新しい視野を開くことができる。
【0166】 最後のnサイクルにおける第二PEGエクソコンジュゲートの縮合: 4,4′−ジメトキシトリチル−ヘキサエチレングリコール(化合物1)の製
造:乾燥ピリジン250mlにヘキサエチレングリコール(8.46g、30m
mol)を溶解して得た溶液に、乾燥ピリジン50mlに4,4−ジメトキシト
リチルクロリド(3.38g、10mmol)を溶解して得た溶液を、室温で滴
下して添加した。得られた溶液を室温でさらに5hr撹拌した。溶媒を蒸発させ
て乾固し、次いで残留物を、酢酸エチル200ml/重炭酸ナトリウム5%溶液
200mlで抽出し、水で2回洗浄し、次にブライン溶液で2回洗浄した。得ら
れた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次にジクロロメタンによ
る5%メタノール溶液、0.5%ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製した。得られた4,4−ジメトキシトリチル−ヘキサエチレン
グリコール化合物(5.23g、収率89%)はRf=0.29で移動した。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化46】
【0167】 1−メタンスルホネート、6−(4,4−ジメトキシトリチル)−ヘキサエチ
レングリコール(化合物2)の製造:乾燥ピリジン100mlに化合物1(5.
84g、10mmol)を溶解して得た溶液に、アルゴン雰囲気下、メタンスル
フィニルクロリド(1.36g、0.94ml、12mmol)を注入によって
添加した。その反応混合物を、一夜、室温で撹拌した。次に溶媒を蒸発させて乾
固し、次いで残留物を、酢酸エチル200ml/5%重炭酸ナトリウム溶液20
0mlで抽出し、水で2回洗浄し、ブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、次に、酢酸エチル/ヘキサン(4/
1)、0.5%ピリジンを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
した。得られた化合物2(6.12g、収率92%)はRf=0.31で移動し
た。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化47】
【0168】 化合物2を、上記実施例3に記載したようにして脱トリチル化した後、成長鎖
の最後の塩基に縮合させた。
【0169】 ポリ(エーテル−チオエーテル)核酸ポリチミン合成の、第二PEG部分を付
加した後の最終生成物は下記式で表される。
【化48】
【0170】 実施例5 ポリ(エーテル−スルホン)核酸の生成(任意に):ポリ(エーテル−チオエ
ーテル)核酸類に加えて、別のポリマーのポリ(エーテル−スルホン)核酸類を
、追加のステップを加えてスルフィド部分を酸化してスルホンにすることによっ
て製造することができる。ポリ(エーテル−チオエーテル)が結合されているポ
リマー支持体1gに対して、アセトン5mlと水1mlにN−メチルモルホリン
−N−オキシド(309mg、2.28mmol、Aldrich)を溶解して得た溶
液を添加した。この不均一系溶液に、0.18モルOsO水溶液42μl(0
.0076mmol、1mol、Aldrich)を添加した。得られた混合物を室温
で12hr撹拌し、続いて重亜硫酸ナトリウム飽和水溶液5mlを添加してクエ
ンチした。
【0171】 ポリマー支持体を濾過し、次に水(20ml)、メタノール(30ml)、ジ
クロロメタン(20ml)および最後にエーテル(20ml)で洗浄した。その
乾燥された残留物はここで、ジメトキシトリチル基を脱保護して5′−PEG−
エクソコンジュゲートを製造することができる状態にある。 この反応は簡単に示すと下記のとおりである。
【化49】
【0172】 この修飾を行うのは、3個の酸素原子を有するキレート金属カチオン(chelati
ng metal cation)によって骨格の剛性を維持するためおよび分子の正電荷を増大
することによって細胞の物質摂取を促進するためである。
【0173】 ポリ(エーテル−スルホキシド)核酸の生成(任意に):ポリ(エーテル−チ
オエーテル)核酸、およびポリ(エーテル−チオエーテル)核酸を酸化すること
によって誘導されるポリ(エーテル−スルホン)核酸に加えて、もう一つの酸化
されたポリマーすなわちポリ(エーテル−スルホキシド)核酸が、ポリ(エーテ
ル−チオエーテル)核酸を酸化してスルホキシドにするステップを利用すること
によって製造することができる。
【0174】 ポリ(エーテル−チオエーテル)が連結されているポリマー支持体1gに、メ
タ−クロロ過安息香酸(172mg、1mmol、Aldrich)をジクロロメタン
5mlに溶解して得た溶液を加えた。得られた混合物を室温で12hr撹拌し、
次いで重亜硫酸ナトリウム飽和水溶液5mlを添加してクエンチした。
【0175】 ポリマー支持体を濾過し、次に水(20ml)、メタノール(30ml)、ジ
クロロメタン(20ml)および最後にエーテル(20ml)で洗浄した。その
乾燥された残留物は、ここで、ジメトキシトリチル基を脱保護して5′−PEG
−エクソコンジュゲートを製造することができる状態にある。 この反応を簡単に示すと下記のとおりである。
【化50】
【0176】 実施例6 脱保護と連結 サイクリング(縮合)が完了したとき、いくつかの一般的な脱保護ステップが
下記のように実施される。
【0177】 塩基を含有するアミノ基の脱保護:化合物(T−BOM)−PEGの脱保護
は水素化反応で達成することができる。ポリマー支持体に連結されたポリ(エー
テル−チオエーテル)核酸にテトラヒドロフラン10ml、5%Pd/C 10
0mgを添加し、次いでH(1気圧)を室温で2hr加えた。次にポリマー支
持体を濾過し、次にメタノール(2回×30ml)で洗浄し次いで乾燥エーテル
(2回×30ml)で洗浄した。 この工程を簡単に示すと下記のとおりである。
【化51】
【0178】 ポリ(エーテル−チオエーテル)の、固体支持体からの脱離:この実施例では
ベンゾエート保護基も除去される。先のステップで得た乾燥ポリマー支持体を、
濃水酸化アンモニウム液に、55℃にて16hrさらし、遠心分離して、上澄み
液を収集した。
【0179】 実施例7 本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸類を合成するのに使用するキラ
リティが純粋のモノマーの合成 式Eで表される立体特異性モノマーの製造:ポリ(エーテル−チオエーテル)
核酸のS立体特異性異性体の製造は、本願に記載されている化合物Eを製造する
のに用いる不斉出発物質(S)−(−)リンゴ酸ジメチルに基づいている。追加
の連続合成ステップは次のとおりである。
【0180】 (S)−1,2,4−ブタントリオール(化合物I)の製造:(S)−(−)
−リンゴ酸ジメチル(Aldrich、25.9g、159mmol)を乾燥テトラヒド
ロフラン100mlに溶解して得た溶液を、水素化リチウムアルミニウム(21
g、553mmol)を乾燥テトラヒドロフラン1lに溶解して得た溶液に、ア
ルゴン雰囲気下、滴下して加えた。得られた反応混合物を一夜還流し、続いて水
(160ml)と10%硫酸(100ml)を添加した。生成した白色沈澱を濾
過し、次に乾燥エタノール(4回×130ml)で洗浄した。生成した部分を含
有して減圧下、蒸発させてほぼ乾固した。残留油状物に含有されている無機物質
を、クロロホルム−エタノール混合物560ml(3:1v/v)および670
ml(2:1v/v)を溶離液として用いる50gシリカゲルのショートカラム
クロマトグラフィーで除去した。溶媒を除去して、化合物Iを淡黄色油状物とし
て得た(12g、収率60%)。NMR−(ピリジン):2.14(m、2H)
、3.97(dd、J=5Hz、2H)、4.17(dt、J=6Hz、2H)
、5.38(m、1H)、6.00(ヒドロキシル、3H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化52】
【0181】 (S)−1,2−O−イソプロピリデンブタン−1,2,4−トリオール(化
合物II)の製造:(S)−1,2,4−ブタントリオール(9g、85.7mm
ol)を、アセトン(500ml)およびp−トルエンスルホン酸(400mg
)中で、室温にて1.5hr撹拌した。その反応混合物に重炭酸ナトリウム(2
g)を添加し、撹拌をさらに10分間続けた。溶媒を蒸発させて乾固し、次に残
留物を酢酸エチル200ml/水200mlで抽出し、水で2回洗い次にブライ
ン溶液で2回洗った。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ
、次いでヘキサン/酢酸エチル(2/1)を使用するシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製した。無色油状物(11.6g、収率95%)として得られた
化合物IIはRf=0.47で移動した。NMR(CDCl):1.36(s、
3H)、1.39(s、3H)、1.81(dt、J=5.5、J=6Hz、2
H)、3.10(brs、1H)、3.58(dd、J=7、J=7.5Hz、
1H)、3.75(t、J=6Hz、2H)、4.07(dd、J=6、J=7
Hz、1H)、4.26(m、1H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化53】
【0182】 (S)−4−O−アセテート−1,2−O−イソプロピリデン−1,2,4−
ブタントリオール(化合物III)の製造:乾燥ピリジン(100ml)と無水酢
酸(100ml)に、化合物(II)(14.6g、100mmol)を溶解して得
た溶液を室温で3hr撹拌した。溶媒を蒸発させて乾固し、残留物を酢酸エチル
200ml/水200mlで抽出し、水で2回洗浄し、次いでブライン溶液で2
回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次いで
ヘキサン/酢酸エチル(1/2)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製した。化合物IIIが、無色油状物(18.0g、収率95%)として得
られ、Rf=0.35で移動した。NMR(CDCl):1.35(s、3H
)、1.41(s、3H)、2.02(m、2H)、3.59(dd、J=7、
J=7.5Hz、1H)、3.75(t、J=6Hz、2H)、4.21(m、
2H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化54】
【0183】 (S)−4−O−アセチル−1,2,4−ブタントリオール(化合物IV)の製
造:化合物III(18.83g、100mmol)を、80%酢酸水溶液(20
0ml)に溶解し、室温で21hr保持し、続いて50℃でさらに4hr保持し
た。蒸発させ、続いてトルエン(2回×50ml)と共蒸発させて化合物IV(1
1.2g、収率75%)を単離した。NMR(CDCl):1.76(m、2
H)、2.06(s、3H)、3.45(m、1H)、3.62(m、1H)、
3.79(m、1H)、4.21(m、2H)、4.75(s、ブロード、1H
)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化55】
【0184】 (S)−1−O−(4,4′−ジメトキシトリチル)−4−O−アセチル−1
,2,4−ブタントリオール(化合物V)の製造:化合物IV(14.81g、1
00mmol)を乾燥ピリジン(2回×50ml)とともに共蒸発させて、残留
油状物を乾燥ピリジン200mlに再び溶解した。得られた溶液を0℃まで冷却
し、ジメトキシトリチルクロリド(37.23g、120mmol)を乾燥ピリ
ジン(100ml)に溶解して得た溶液を、アルゴン雰囲気下、撹拌しながら滴
下して添加した。得られた溶液を室温まで昇温させ、さらに18hr撹拌した。
溶媒を蒸発させて乾固し次いで、残留物を酢酸エチル200ml/水200ml
で抽出し、水で2回洗浄し次にブライン溶液で2回洗った。得られた有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次いで、ヘキサン/酢酸エチル(2/1
)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物
V(38.2g、収率84.8%)はRf=0.29で移動した。NMR(CD
Cl):1.71(m、2H)、2.01(s、3H)、3.15(m、2H
)、3.78(s、6H)、4.13(m、2H)、6.79−7.45(m、
13H)。 このプロセスを簡単に示すと次のとおりである。
【化56】
【0185】 2−ブロモ−tertブチル−ジメチルシリルエタノール(化合物VI)の製造
:2−ブロモエタノール(17.27g、138mmol)とイミダゾール(2
3.48g、345mmol)を乾燥ジクロロメタン(200ml)に溶解して
得た溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(25g、165mmo
l)を乾燥ジクロロメタン(100ml)に溶解して得た溶液を滴下して加えた
。室温で2hr撹拌した後、溶媒を蒸発させて乾固し、次にその残留物を酢酸エ
チル400ml/NaHCO5%水溶液200mlで抽出し、水で2回洗浄
し次いでブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、蒸発させ、次に、ヘキサン/酢酸エチル(10/1)を使用するシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物VI(29.15g、
収率88.6%)はRf=0.53で移動した。NMR(CDCl):0.0
7(s、6H)、0.86(s、9H)、3.38(t、2H)、3.88(t
、3H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化57】
【0186】 2−S−アセチル−tertブチル−ジメチルシリルエタノール(化合物VII
)の製造:乾燥DMF 150mlに化合物VI(23.9g、10mmol)を
溶解して得た溶液に、チオ酢酸カリウム(14.82g、13mmol)を添加
した。得られた反応混合物を110℃で4hr加熱した。溶媒を蒸発させて乾固
し、次いでその残留物を酢酸エチル400ml/水200mlで抽出し、次にブ
ライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸
発させ、そしてヘキサン/酢酸エチル(10/1)を使用するシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製した。得られた化合物VII(22.81g、収率97
.4%)はRf=0.38で移動した。NMR(CDCl):0.032(s
、6H)、0.85(s、9H)、2.29(s、3H)、2.99(t、2H
)、3.68(t、2H)。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化58】
【0187】 2−メルカプト−tertブチル−ジメチルシリルエタノール(化合物VIII)
の製造:化合物VII(23.4g、100mmol)を2N NaOHのメタノ
ール溶液100mlと混合した。アルゴン雰囲気下、室温で2hr撹拌した後、
その塩基性溶液を、6N HClでpH7.0まで中和した。溶媒を蒸発させて
乾固し、次いでその残留物を酢酸エチル400ml/水200mlで抽出し、次
にブライン溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
、蒸発させ、そして、さらに精製することなく次のステップに使用した。得られ
た化合物VIII(18.5g、収率96.2%)をTLC[ヘキサン/酢酸エチル
(2/1)]で分析したところRf=0.22で移動した。 このプロセスを簡単に示すと次のとおりである。
【化59】
【0188】 (R)−化合物Eの製造:アゾジカルボン酸ジエチル(Aldrich、6.96g、
40mmol)をトリフェニルホスフィン(10.50g、40mmol)を乾
燥テトラヒドロフラン(100ml)に入れて0℃で30分間充分に撹拌して得
た溶液に添加して黄色を帯びたスラリー溶液を得た。化合物V(9.0g、20
mmol)のTHF(50ml)による溶液を、次に添加して、その反応混合物
を0℃でさらに10分間撹拌した。化合物VIII(7.68g、40mmol)の
THF溶液を前記反応混合物に、10分間かけて滴下して添加し、その混合物を
0℃で1hr撹拌し、続いて室温で1hr撹拌した。得られた黄色の透明溶液を
濃縮し、次に濃アンモニア水(100ml)およびTHF(50ml)で、室温
にて2hr、加水分解を行った。溶媒を蒸発させて乾固し、次いでその残留物を
酢酸エチル400ml/水200mlで抽出しブライン溶液で2回洗浄した。得
られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次にヘキサン/酢酸エ
チル(10/1)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した
。生成した(R)−化合物Eを、(R/S)−化合物Eを製造するために先に述
べたのと同じ条件を使ってシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。
得られた(R)−化合物E(9.30g、79.8%収率)は、Rf値とNMR
スペクトルが、先に述べた(R/S)−化合物Eと同一である(実施例1参照)
。 このプロセスを簡単に示すと下記のとおりである。
【化60】
【0189】 (R)−化合物Qを(R)−化合物Eから合成するステップは、化合物Eから
化合物Qを合成するために実施例1で先に述べたのと同じである。
【0190】 本発明をその具体的な実施態様によって説明してきたが、多くの代替、変型お
よび変更は当業技術者には明らかなことである。したがって、本発明は、本願の
特許請求の範囲の精神と広い範囲内に入るかような代替、変型および変更すべて
を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術のDNAおよび本発明のポリ(エーテル−チオエーテル)核酸化合物
上のヌクレオベースを隔てる11個の原子を示す。
【図2】 隣のB官能基との間に11個の原子を有する、米国特許第5908845号に
記載の従来技術のテトラチミン−ポリエーテル核酸化合物と天然のテトラ−アデ
ニン−ssDNAとのハイブリッド形成を示す分子模型である。
【図3】 本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の一本鎖分子
を示す分子模型である。
【図4】 本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の二本鎖分子
を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。
【図5】 本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の一本鎖分子
を示す分子模型である。
【図6】 本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−チオエーテル)核酸の二本鎖分子
を示す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。
【図7】 本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の一本鎖分子を示
す分子模型である。
【図8】 本発明の、S配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の二本鎖分子を示
す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。
【図9】 本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の一本鎖分子を示
す分子模型である。
【図10】 本発明の、R配置を有するポリ(エーテル−スルホン)核酸の二本鎖分子を示
す分子模型であり、水素結合は破線で示してある。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年1月19日(2002.1.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして[K]と[
I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
【化2】 で表される請求項1に記載の化合物。
【化3】 (式中、Bは天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からな
る群から選択される化学官能基であり、 Yは第一リンカー基であり、 Xは第二リンカー基であり、 Cはキラル炭素原子であり、 Zは第一保護基であり、そして Aは脱離基である) で表される化合物。
【化4】 で表される請求項9に記載の化合物。
【化5】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして [K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
【化6】 で表される請求項31に記載の化合物。
【化7】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして [K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
【化8】 で表される請求項51に記載の化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C12N 15/00 A C12N 5/10 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA07 AA10 AA20 CA20 HA17 HA20 4B065 AA87X AA95X AB01 AC20 BA01 CA43 CA44 CA47 CA53 4C084 AA13 NA05 NA06 NA07 NA14 ZB261 ZC022 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 FA04 MA01 MA04 NA05 NA06 NA07 NA14 ZB26 ZC02

Claims (73)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のキラル炭素原子を有するポリ(エーテル−チオエーテ
    ル)骨格を含んでなる化合物であって、前記ポリ(エーテル−チオエーテル)骨
    格が前記キラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有し、前記リガ
    ンドが天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる群か
    ら選択される部分を含んでいる化合物。
  2. 【請求項2】 前記キラル炭素原子が、4〜6個の介入原子によって前記骨
    格内で互いに隔てられている請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 下記式: 【化1】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
    びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして[K]と[
    I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
  4. 【請求項4】 前記第一−第二リンカー基:Y−X、Y−X、Y −1 −Xn−1およびY−Xが各々、単結合である請求項3に記載の化合物
  5. 【請求項5】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびY各々
    がアルキル基、ホスフェート基、(C2−C4)アルキレン鎖、(C2−C4)
    置換アルキレン鎖および単結合からなる群から独立して選択される請求項3に記
    載の化合物。
  6. 【請求項6】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびYが各
    々、メチレン基およびC−アルカノイル基からなる群から独立して選択される請
    求項3に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 前記第二リンカー基:X、X、Xn−1およびXが各
    々、メチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレ
    ン原子、C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体基、カルボニル基および単結
    合からなる群から独立して選択される請求項3に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 前記キラル炭素のm%がS配置に存在し、mが90−95%
    、96−98%、99%および99%より大きい%からなる群から選択される請
    求項3に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 [K]と[I]が各々、ポリエチレングリコール部分である
    請求項3に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 下記式: 【化2】 で表される請求項3に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 下記式: 【化3】 (式中、Bは天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からな
    る群から選択される化学官能基であり、 Yは第一リンカー基であり、 Xは第二リンカー基であり、 Cはキラル炭素原子であり、 Zは第一保護基であり、そして Aは脱離基である) で表される化合物。
  12. 【請求項12】 前記第一−第二リンカー基:Y−Xが単結合である請求項
    11に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 前記第一リンカー基:Yが、アルキル基、ホスフェート基
    、(C2−C4)アルキレン鎖、(C2−C4)置換アルキレン鎖および単結合
    からなる群から選択される請求項11に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 前記第一リンカー基:Yがメチレン基およびC−アルカノ
    イル基からなる群から選択される請求項11に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 前記第二リンカー基:Xがメチレン基、アルキル基、アミ
    ノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、ホス
    フェート誘導体基、カルボニル基および単結合からなる群から選択される請求項
    11に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 前記ヌクレオベースがアミノ基を含有していれば、前記ア
    ミノ基は第二保護基で保護される請求項11に記載の化合物。
  17. 【請求項17】 前記保護基Zがジメトキシトリチル基、トリチル基、モノ
    メトキシトリチル基およびシリル基からなる群から選択される請求項11に記載
    の化合物。
  18. 【請求項18】 前記脱離基Aが、ハロゲン化物基、スルホネート基、アン
    モニウム誘導体、S1またはS2の機構によって置換できるラジカル部分か
    らなる群から選択される請求項11に記載の化合物。
  19. 【請求項19】 前記第二保護基が、メチルベンジルエーテル基、ベンズア
    ミド基、イソブチルアミド基、t−ブトキシカルボニル基、フルオレニルメチル
    オキシカルボニル基、および前記Z保護基を開裂する試薬によって開裂されない
    酸性の反応活性基からなる群から選択される請求項16に記載の化合物。
  20. 【請求項20】 下記式: 【化4】 で表される請求項11に記載の化合物。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の化合物の製造方法であって、 (a)各々エーテル部分とチオエーテル部分を有するモノマーを獲得し、前記
    エーテル部分が少なくとも一つのエーテル結合を含有し、前記チオエーテル部分
    が少なくとも一つのチオエーテル結合を含有し、前記モノマーが各々、官能基が
    連結している少なくとも一つのキラル炭素原子をさらに含有し、前記官能基が天
    然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる群から選択さ
    れ、 (b)前記モノマーの中の第一モノマーを固体支持体に結合させ、次いで (c)モノマーを予め定められた順序で前記第一モノマーに連続的に縮合させ
    て、縮合モノマーのポリマーを得る、 ステップを含んでなる製造方法。
  22. 【請求項22】 二本鎖ポリヌクレオチドを請求項1に記載の化合物と接触
    させ、その結果、前記化合物が、配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドの一方
    のストランドに結合して他方のストランドを置換するステップを含んでなる配列
    特異的ハイブリッド形成方法。
  23. 【請求項23】 一本鎖ポリヌクレオチドを請求項1に記載の化合物と接触
    させ、その結果、前記化合物が、配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドに結合
    するステップを含んでなる配列特異的ハイブリッド形成方法。
  24. 【請求項24】 生物体の遺伝子の発現を調節する方法であって、前記生物
    体に請求項1に記載の化合物を投与し、その結果、前記化合物が、配列特異的方
    式で、前記遺伝子由来のDNAまたはRNAを捕捉するステップを含んでなる方
    法。
  25. 【請求項25】 前記調節が、前記遺伝子の転写を阻害することを含んでい
    る請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記調節が、前記遺伝子の複製を阻害することを含んでい
    る請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記調節が、前記遺伝子の前記RNAの翻訳を阻害するこ
    とを含んでいる請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 生物体内で望ましくないタンパク質が産生することに関連
    する症状を治療する方法であって、前記生物体を、請求項1に記載の化合物の有
    効量と接触させ、前記化合物が前記タンパク質の産生を制御する遺伝子由来のD
    NAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  29. 【請求項29】 生物体の細胞内でDNAまたはRNAの破壊を誘発する方
    法であって、前記生物体に請求項1に記載の化合物を投与し、前記化合物が前記
    DNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  30. 【請求項30】 細胞またはウイルスを殺す方法であって、前記細胞または
    ウイルスを請求項1に記載の化合物と接触させ、前記化合物が、前記細胞もしく
    はウイルスのゲノムの一部またはそのゲノム由来のRNAと特異的に結合するス
    テップを含んでなる方法。
  31. 【請求項31】 有効成分としての請求項1に記載の化合物、および少なく
    とも一種の医薬として有効な担体、結合剤、粘稠化剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤
    または界面活性剤を含有する医薬組成物。
  32. 【請求項32】 複数のキラル炭素原子を有するポリ(エーテル−スルホン
    )骨格を含んでなる化合物であって、前記ポリ(エーテル−スルホン)骨格が、
    前記キラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有し、前記リガンド
    が天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる群から選
    択される部分を含んでいる化合物。
  33. 【請求項33】 前記キラル炭素原子が、4〜6個の介入原子によって前記
    骨格内で互いに隔てられている請求項32に記載の化合物。
  34. 【請求項34】 下記式: 【化5】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
    びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして [K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
  35. 【請求項35】 前記第一−第二リンカー基:Y−X、Y−X、Y n−1 −Xn−1およびY−Xが各々、単結合である請求項34に記載の化
    合物。
  36. 【請求項36】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびY
    各々、アルキル基、ホスフェート基、(C2−C4)アルキレン鎖、(C2−C
    4)置換アルキレン鎖および単結合からなる群から独立して選択される請求項3
    4に記載の化合物。
  37. 【請求項37】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびY
    各々、メチレン基およびC−アルカノイル基からなる群から独立して選択される
    請求項34に記載の化合物。
  38. 【請求項38】 前記第二リンカー基:X、X、Xn−1およびX
    各々、メチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セ
    レン原子、C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体基、カルボニル基および単
    結合からなる群から独立して選択される請求項34に記載の化合物。
  39. 【請求項39】 前記キラル炭素のm%がS配置に存在し、mが90−95
    %、96−98%、99%および99%より大きい%からなる群から選択される
    請求項34に記載の化合物。
  40. 【請求項40】 [K]と[I]が各々、ポリエチレングリコール部分であ
    る請求項34に記載の化合物。
  41. 【請求項41】 下記式: 【化6】 で表される請求項34に記載の化合物。
  42. 【請求項42】 請求項32に記載の化合物の製造方法であって、 (a)各々エーテル部分とチオエーテル部分を有するモノマーを獲得し、前記
    エーテル部分が少なくとも一つのエーテル結合を含有し、前記チオエーテル部分
    が少なくとも一つのチオエーテル結合を含有し、前記モノマーが各々、官能基が
    連結している少なくとも一つのキラル炭素原子をさらに含有し、前記官能基が天
    然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる群から選択さ
    れ、 (b)前記モノマーの中の第一モノマーを固体支持体に結合させ、 (c)モノマーを予め定められた順序で前記第一モノマーに連続的に縮合させ
    て縮合モノマーのポリマーを獲得し、次いで (d)スルフィド部分を酸化してスルホンにする、 ステップを含んでなる方法。
  43. 【請求項43】 二本鎖ポリヌクレオチドを請求項32に記載の化合物と接
    触させ、その結果、前記化合物が配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドの一方
    のストランドに結合して、他方のストランドを置換するステップを含んでなる配
    列特異的ハイブリッド形成方法。
  44. 【請求項44】 一本鎖ポリヌクレオチドを請求項32に記載の化合物と接
    触させ、その結果、前記化合物が配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドに結合
    するステップを含んでなる配列特異的ハイブリッド形成方法。
  45. 【請求項45】 生物体の遺伝子の発現を調節する方法であって、前記生物
    体に請求項32に記載の化合物を投与し、その結果、前記化合物が配列特異的方
    式で前記遺伝子由来のDNAまたはRNAを捕捉するステップを含んでなる方法
  46. 【請求項46】 前記調節が、前記遺伝子の転写を阻害することを含んでい
    る請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記調節が、前記遺伝子の複製を阻害することを含んでい
    る請求項45に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記調節が、前記遺伝子の前記RNAの翻訳を阻害するこ
    とを含んでいる請求項45に記載の方法。
  49. 【請求項49】 生物体内で望ましくないタンパク質が産生することに関連
    する症状を治療する方法であって、前記生物体を、請求項32に記載の化合物の
    有効量と接触させ、前記化合物が、前記タンパク質の産生を制御する遺伝子由来
    のDNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  50. 【請求項50】 生物体の細胞内でDNAまたはRNAの破壊を誘発する方
    法であって、前記生物体に請求項32に記載の化合物を投与し、前記化合物が前
    記DNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  51. 【請求項51】 細胞またはウイルスを殺す方法であって、前記細胞または
    ウイルスを請求項32に記載の化合物と接触させ、前記化合物が、前記細胞もし
    くはウイルスのゲノムの一部またはそのゲノム由来のRNAと特異的に結合する
    ステップを含んでなる方法。
  52. 【請求項52】 有効成分としての請求項32に記載の化合物、および少な
    くとも一種の医薬として有効な担体、結合剤、粘稠化剤、希釈剤、緩衝剤、保存
    剤または界面活性剤を含有する医薬組成物。
  53. 【請求項53】 複数のキラル炭素原子を有するポリ(エーテル−スルホキ
    シド)骨格を含んでなる化合物であって、前記ポリ(エーテル−スルホキシド)
    骨格が、前記キラル炭素原子に個々に結合している複数のリガンドを有し、前記
    リガンドが天然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる
    群から選択される部分を含んでいる化合物。
  54. 【請求項54】 前記キラル炭素原子が、4〜6個の介入原子によって前記
    骨格内で互いに隔てられている請求項53に記載の化合物。
  55. 【請求項55】 下記式: 【化7】 (式中、nは1より大きい整数であり、 B、B、Bn−1およびBは各々、天然に存在するヌクレオベースおよ
    びヌクレオベース結合基からなる群から独立して選択される化学官能基であり、 Y、Y、Yn−1およびYは各々、第一リンカー基であり、 X、X、Xn−1およびXは各々、第二リンカー基であり、 C、C、Cn−1およびCはキラル炭素原子であり、そして [K]と[I]は第一と第二のエクソコンジュゲートである) で表される化合物。
  56. 【請求項56】 前記第一−第二リンカー基:Y−X、Y−X、Y n−1 −Xn−1およびY−Xが各々、単結合である請求項55に記載の化
    合物。
  57. 【請求項57】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびY
    各々、アルキル基、ホスフェート基、(C2−C4)アルキレン鎖、(C2−C
    4)置換アルキレン鎖および単結合からなる群から独立して選択される請求項5
    5に記載の化合物。
  58. 【請求項58】 前記第一リンカー基:Y、Y、Yn−1およびY
    各々、メチレン基およびC−アルカノイル基からなる群から独立して選択される
    請求項55に記載の化合物。
  59. 【請求項59】 前記第二リンカー基:X、X、Xn−1およびX
    各々、メチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セ
    レン原子、C−アルカノイル基、ホスフェート誘導体基、カルボニル基および単
    結合からなる群から独立して選択される請求項55に記載の化合物。
  60. 【請求項60】 前記キラル炭素のm%がS配置に存在し、mが90−95
    %、96−98%、99%および99%より大きい%からなる群から選択される
    請求項55に記載の化合物。
  61. 【請求項61】 [K]および[I]が各々、ポリエチレングリコール部分
    である請求項55に記載の化合物。
  62. 【請求項62】 下記式: 【化8】 で表される請求項55に記載の化合物。
  63. 【請求項63】 請求項53に記載の化合物の製造方法であって、 (a)各々エーテル部分とチオエーテル部分を有するモノマーを獲得し、前記
    エーテル部分が少なくとも一つのエーテル結合を含有し、前記チオエーテル部分
    が少なくとも一つのチオエーテル結合を含有し、前記モノマーが各々、官能基が
    連結している少なくとも一つのキラル炭素原子をさらに含有し、前記官能基が天
    然に存在するヌクレオベースおよびヌクレオベース結合基からなる群から選択さ
    れ、 (b)前記モノマーの中の第一モノマーを固体支持体に結合させ、 (c)モノマーを予め定められた順序で前記第一モノマーに連続的に縮合させ
    て縮合モノマーのポリマーを獲得し、次いで (d)スルフィド部分を酸化してスルホキシドにする、 ステップを含んでなる方法。
  64. 【請求項64】 二本鎖ポリヌクレオチドを請求項53に記載の化合物と接
    触させ、その結果、前記化合物が配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドの一方
    のストランドに結合して、他方のストランドを置換するステップを含んでなる配
    列特異的ハイブリッド形成方法。
  65. 【請求項65】 一本鎖ポリヌクレオチドを請求項53に記載の化合物と接
    触させ、その結果、前記化合物が配列特異的方式で前記ポリヌクレオチドに結合
    するステップを含んでなる配列特異的ハイブリッド形成方法。
  66. 【請求項66】 生物体の遺伝子の発現を調節する方法であって、前記生物
    体に請求項53に記載の化合物を投与し、その結果、前記化合物が配列特異的方
    式で前記遺伝子由来のDNAまたはRNAを捕捉するステップを含んでなる方法
  67. 【請求項67】 前記調節が、前記遺伝子の転写を阻害することを含んでい
    る請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記調節が、前記遺伝子の複製を阻害することを含んでい
    る請求項66に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記調節が、前記遺伝子の前記RNAの翻訳を阻害するこ
    とを含んでいる請求項66に記載の方法。
  70. 【請求項70】 生物体内で望ましくないタンパク質が産生することに関連
    する症状を治療する方法であって、前記生物体を、請求項53に記載の化合物の
    有効量と接触させ、前記化合物が、前記タンパク質の産生を制御する遺伝子由来
    のDNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  71. 【請求項71】 生物体の細胞内でDNAまたはRNAの破壊を誘発する方
    法であって、前記生物体に請求項53に記載の化合物を投与し、前記化合物が前
    記DNAまたはRNAと特異的に結合するステップを含んでなる方法。
  72. 【請求項72】 細胞またはウイルスを殺す方法であって、前記細胞または
    ウイルスを請求項53に記載の化合物と接触させ、前記化合物が、前記細胞もし
    くはウイルスのゲノムの一部またはそのゲノム由来のRNAと特異的に結合する
    ステップを含んでなる方法。
  73. 【請求項73】 有効成分としての請求項53に記載の化合物、および少な
    くとも一種の医薬として有効な担体、結合剤、粘稠化剤、希釈剤、緩衝剤、保存
    剤または界面活性剤を含有する医薬組成物。
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