JP2003507776A

JP2003507776A - 音響装置

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Publication number: JP2003507776A
Application number: JP2001519420A
Authority: JP
Inventors: ペドグリー・オーウェン・フランシス; アームストロング・ロバート・ジェームズ; ノーマン・エドウィン・ウィリアム・ロングリー
Original assignee: ラフバロウユニヴァ−シティイノヴェーションズリミテッド
Priority date: 1999-08-24
Filing date: 2000-08-09
Publication date: 2003-02-25
Also published as: WO2001015135A1; MXPA02001920A; EP1206770A1; CA2381525C; AU6307900A; ATE238597T1; CA2381525A1; US6933428B1; HK1049061B; HK1049061A1; CN1370314A; DE60002348D1; DE60002348T2; EP1206770B1; KR20020038702A; CN1196096C; GB9919922D0

Abstract

(57)【要約】本発明は音響装置に関し、より詳しくは、発泡ポリカーボネートで形成された新規で改善された響板を備えた楽器、該楽器の製造方法、および音響装置の製造に特殊響板を使用する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】（技術分野）本発明は音響装置に関し、より詳しくは、新規で改善された響板を備えた楽器
、該楽器の製造方法、および音響装置の製造に特殊響板を使用する方法に関する
。

【０００２】（背景技術）長い間に亘って、伝統的に使用されている木材ではなく合成ポリマーから形成
された響板を使用して、音響装置、特にギターのような楽器を製造することが望
まれている。このような音響装置は比較的簡単かつ安価に製造でき、また再現可
能な音響特性をもつ装置の製造は、職人の複雑な技能に基いた仕事から、制御可
能な製造方法に変えられるであろう。

【０００３】合成ポリマーをベースとする響板を備えた楽器の製造が数多く試みられており
、例えば米国特許第４３５３８６２号、第４４２９６０８号、第４９６９３８１
号、第４８７３９０７号、第４１８８８５０号、第４１８５５３４号、第４２１
３３７０号、第４２９０３３６号、第４３３４４５２号、第５４６９７６９号、
第５８０４７４６号および第４２９０３３６号に開示されている。

【０００４】しかしながら、このような楽器には、一般に、複雑な構造を有すること（例え
ば、響板がカーボン繊維またはガラス繊維補強体を必要とすること）、製造コス
トが嵩むこと、伝統的な木製響板を備えた楽器が発生する音には匹敵できない音
質を有すること等の問題がある。

【０００５】（発明の開示）本発明者は、従来技術の欠点を解消して、木製響板が発生する音に匹敵する音
質を発生できるポリマーベースの響板を備えた楽器を製造できた。使用される材
料は容易に入手できかつ響板を備えた任意の所望の音響装置の製造に使用できる
。

【０００６】本発明によれば、発泡ポリカーボネートからなる響板を備えた音響装置が提供
される。

【０００７】発泡ポリカーボネートは、シートの形態で提供できる。

【０００８】響板は、気泡硬質発泡構造（cellular rigid foam structure）に構成できる
。

【０００９】響板は、５００〜７００ｋｇ／ｍ^３、例えば６５０ｋｇ／ｍ^３の密度にするこ
とができる。

【００１０】響板は、約２０ＭＰａの引張り強度をもたせることができる。

【００１１】響板は、約３０Ｎ／ｍｍ^２の曲げ強度をもたせることができる。

【００１２】特に有効な１つの発泡ポリカーボネートとして、FOREX-EPC E 50.650^ＴＭ（Ａ
ｉｒｅｘＡＧ、スイス国；ＳＢＡＬｔｄ、Ｌｅｉｃｅｓｔｅｒ、英国）がある
。この材料は、独立気泡硬質発泡構造、６５０ｋｇ／ｍ^３の見掛け密度（ＤＩＮ
５３４７９）、２０ＭＰａの引張り強度（ＤＩＮ５３４５５）、少なくとも１
０％の破断伸び（ＤＩＮ５３４５５）、１０００ＭＰａの引張り弾性係数（Ｄ
ＩＮ５３４５７）および１２００ＭＰａの曲げ弾性係数（ＤＩＮ５３４５７）
、３０Ｎ／ｍｍ^２の曲げ強度（ＤＩＮ５３４５２）を有し、かつ衝撃により破
断せず（ＤＩＮ５３４５３）、７０℃１２０分間で±０％の寸法変化（ＤＩＮ
１６９２７）、１４０℃７５分間で−０．５％の寸法変化（ＭＤ）、１４０℃７
５分間で＋０．５％の寸法変化（ＴＤ）、１％より低い（Ｗ３−１００℃、３０
分間）吸水率（ＤＩＮ５３４９５）を有する。

【００１３】これまで当業界では、例えばギターの構造に発泡体を使用することが示唆され
ているが、発泡ポリカーボネートを使用することは全く示唆されていない。例え
ば米国特許第４１８５５３４号には、ポリスチレン、および炭化水素ビニルモノ
マーから誘導される他のホモポリマーおよびコポリマーを使用することが示唆さ
れている。発泡ＰＶＣ（Foamex^TM−ＡｉｒｅｘＡＧ、スイス国；ＳＢＡＬｔｄ
、Ｌｅｉｃｅｓｔｅｒ、英国）を用いて本発明者が行なった音響試験によれば、
許容できない非常に「鈍い（dull）」音を発生することが判明している。非発泡
ポリスチレンについても試験したが、これも、許容できない非常に「安っぽい（
tinny）」音を発生することが判明している。

【００１４】或る従来技術には発泡体の使用が開示されているが、これは、一般に中実本体
をもつ楽器の製造に係るものであり、響板を備えた中空本体をもつ楽器の製造に
係るものではない。

【００１５】響板を備えた伝統的な木製楽器は、他の周波数の音に対する応答性が非常に低
いか、他の周波数の音より非常に大きい特定周波数である「デッドスポット」を
有するか、「ウルフトーン」を発生する。この問題は、本発明の響板を使用する
ことにより低減されるか、完全に回避される。

【００１６】本発明の音響装置に使用される発泡ポリカーボネートは、少なくとも木製響板
を備えた楽器と同等の優れた音質を有する例えばギターのような弦楽器を構成で
きる優れた音響特性を有する。

【００１７】本来的に、発泡ポリカーボネートの正確な音響特性は、例えば発泡ポリカーボ
ネートの見掛け密度、引張り強度および曲げ強度によって変化する。例えば、発
泡体内の気泡のサイズ、連続気泡であるか独立気泡であるか、並びに発泡体内に
収容される単一または複数種類のガス等の他のファクタも重要である。ポリカー
ボネートを発泡構造体として発泡させるのに、一般に窒素が使用されるが、他の
ガス例えばアルゴン、ネオンおよびヘリウム等のハロゲンも等しく使用できる。
標準大気温度および圧力下で通常ガス状の元素および化合物も使用でき（ポリカ
ーボネートと好ましくないいかなる反応もしないことを条件とする）、例えば米
国特許第４１８５５３４号に開示されているように、このような元素および化合
物は当業者には明白であろう。

【００１８】ポリカーボネートシート等の発泡ポリカーボネートで音響装置の響板を製造す
ることはもちろんであるが、発泡ポリカーボネートの物理的特性も位置に従って
変えることができる。例えば、音響装置がギターである場合、発泡ポリカーボネ
ートの響板は、その幅方向または長さ方向に沿って変えることができる。同様に
、気泡のサイズおよび／または密度を変えることもできる。

【００１９】音響装置は上記のようにギターでもよいし、任意の他の楽器、特に響板を備え
た弦楽器、例えばバイオリン、マンドリン、バス、リュート、ダルシマー、ハー
プまたはピアノでもよい。

【００２０】音響装置には、響板を備えた他のあらゆる装置、例えばラウドスピーカ、ドラ
ムまたはアラームシステムのように音の共鳴（増幅）を必要とする装置が含まれ
る。

【００２１】（発明を実施するための最良の形態）本発明は、本発明によるギターの形状のみを示す幾つかの添付図面を参照して
述べる以下の詳細な説明から一層明白になるであろう。

【００２２】本発明による響板が組み込まれたギター１０は、英国意匠登録第２０７４９１
６号（ギター本体）および第２０７４９１７号（ギターブリッジ）に示された全
体的構造を有している。

【００２３】ギター１０は、木製ネック２０、ヘッド３０およびフレットボード４０を有し
ている。響板５０は、外縁部５１と、サウンドホール（共鳴孔）５３を形成する
内縁部５２とを有するFOREX-EPC E 50.650^ＴＭからなる。透明なLexan^ＴＭ−ポ
リカーボネートブレース６０により、響板５０の裏面補強がなされている。

【００２４】ブリッジ７０はLexan^ＴＭからなる。響板５０、ブレース６０、ブリッジ７０
および側板８０／背板９０は、メチルメタクリレート接着剤を用いて一体に接合
される。

【００２５】図１のギター１０の第１実施形態には、主構造ブレース６０のパターン構造が
示されている。響板５０の振動を分散させるための小さいブレース（図示せず）
が使用されている。

【００２６】図２には、ギター１０の第２実施形態が示されている。この実施形態では、ブ
レース６０は僅かなＶ形のパターンをなしている。この第２実施形態によるブレ
ース６０のパターンは、ギター１０の製造に特に適している。第２実施形態の一
変更形態（図示せず）では、ブレース６０のパターンが、前記僅かなＶ形パター
ンよりも平行に近く構成される。

【００２７】本発明は上記例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲により定めら
れる本発明の範囲から逸脱することなく、当業者が容易に想到できる多くの変更
形態が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ギターの第１実施形態を示す正面図である。

【図２】ギターの第２実施形態を示す正面図である。

【図３】図１および図２のギターの側面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ１０Ｄ 1/08 Ｇ１０Ｄ 1/08 (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者アームストロング・ロバート・ジェームズイギリスウォリックシアシーヴイ２４エヌジェイコヴェントリーストラトフォードストリート 52 (72)発明者ノーマン・エドウィン・ウィリアム・ロングリーイギリスレスターシアエルイー12 ９エヌキューレスターシェプシュドワイトマンクローズ 16 Ｆターム(参考） 5D002 AA01 AA02 AA03 AA04 CC01 DD07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】発泡ポリカーボネートからなる響板を備えていることを特徴
とする音響装置。
【請求項２】前記響板は発泡ポリカーボネートシートからなることを特徴
とする請求項１記載の音響装置。
【請求項３】前記響板は気泡硬質発泡構造を有することを特徴とする請求
項１または２記載の音響装置。
【請求項４】前記響板は５００〜７００ｋｇ／ｍ^３の密度を有することを
特徴とする請求項１〜３のいずれか１項記載の音響装置。
【請求項５】前記響板は６５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有することを特徴とす
る請求項４記載の音響装置。
【請求項６】前記響板は約２０ＭＰａの引張り強度を有することを特徴と
する請求項１〜５のいずれか１項記載の音響装置。
【請求項７】前記響板は約３０Ｎ／ｍｍ^２の曲げ強度を有することを特徴
とする請求項１〜６のいずれか１項記載の音響装置。
【請求項８】前記響板はFOREX-EPC E 50.650^ＴＭからなることを特徴とす
る請求項１記載の音響装置。
【請求項９】楽器であることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項記
載の音響装置。
【請求項１０】弦楽器であることを特徴とする請求項９記載の音響装置。
【請求項１１】ギター、バイオリン、マンドリン、ベース、リュート、ダ
ルシマー、ハープおよびピアノからなる群から選択された弦楽器であることを特
徴とする請求項１０記載の音響装置。