JP2003507440A - フィブロネクチンを含む固形創傷治癒用組成物 - Google Patents

フィブロネクチンを含む固形創傷治癒用組成物

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JP2003507440A JP2001518100A JP2001518100A JP2003507440A JP 2003507440 A JP2003507440 A JP 2003507440A JP 2001518100 A JP2001518100 A JP 2001518100A JP 2001518100 A JP2001518100 A JP 2001518100A JP 2003507440 A JP2003507440 A JP 2003507440A
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アンドレ・ボウリウ
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Abstract

(57)【要約】 創傷治癒促進剤、とくにフィブロネクチンの濃縮液を使用して固形創傷包帯を開発する。フィブロネクチンを含む固形創傷包帯は適用が簡単で、剥離が簡単で、また生理的活性量の範囲でフィブロネクチンを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 実施例1 固形フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム創傷包帯の配合 アルギン酸塩ならびに以下の実施態様で説明される包帯システムは凍結乾燥処
理で繊維に変換できる。この方法は親水性のあるスポンジ状構造を作成する。液
体存在下にて包帯はゲル状の状態になり、創傷滲出液を包帯重量の20倍まで吸
収できるようになる。繊維状ゲルはこれによって創傷に所望の湿潤環境を作成す
る。包帯はまた最小量の不快感だけで除去可能であり、このことにより肉芽組織
の形成を最小限に抑さえ、包帯交換中に上皮細胞を傷害しないようになる。
【0002】 本発明によるフィブロネクチン−アルギン酸カルシウムおよびその他のフィブ
ロネクチン固体創傷包帯は4℃で少なくとも12か月の長期にわたってフィブロ
ネクチンを劣化させずに保存できる。これらの包帯の残留水分量は低く、およそ
5%程度である。
【0003】 本発明によるフィブロネクチン−アルギン酸カルシウムおよびその他のフィブ
ロネクチン固体創傷包帯は高濃度のフィブロネクチンを創傷部位へ供給する。
【0004】 フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯が機能する基本的機構は、この
包帯が滲出液中のナトリウムと接触した時点でイオン交換が行なわれ、アルギン
酸カルシウム繊維を保護性能を有する非接着性のフィルム状ゲルに変化させる。
このゲル状態のときには、フィブロネクチンはゲルから創傷へ自由に移動できる
【0005】
【0006】 Ca++は不溶性アルギン酸塩を形成しNaは可溶性アルギン酸塩を形成す
る(第1と第2のカチオンの当量比は50:50、ただし0.2MのNaClと
0.2MのCaCl)。包帯の最大均質性はゲル化カチオンと非ゲル化カチオ
ン両方の適当な濃度で到達する。更なるNaは滲出液から得られるか、または
創傷が乾燥しすぎているか滲出液がない場合、包帯を装着する直前に少量の生理
食塩水を創傷に添加すればよい。
【0007】 アルギン酸はアニオン性多糖類であるから、複合体は蛋白質の等電点(pH6
.2)より高くないpHでフィブロネクチンとアルギン酸ナトリウムを組み合わ
せることで形成するのが望ましく、フィブロネクチンはプラスに荷電している。
このpHは終点pH約5.0として氷酢酸を添加することにより実現できる。酢
酸は揮発性が高く、ある程度の量の酢酸が真空中での凍結乾燥処理で失われる。
包帯の終点pHは約6.5である。
【0008】 混合したアルギン酸塩包帯では属性同志の非常に有効な組み合わせが得られる
。たとえば、製品を比較的操作し易くするのに充分な不溶性カチオンが混合アル
ギン酸塩に存在する。またフィブロネクチンを創傷に放出し易くするのに充分な
可溶性カチオンも存在する。可溶性アルギン酸繊維および不溶性アルギン酸繊維
の組み合わせは、創傷治療後は包帯を簡単に除去できまた当初は簡単に適用でき
るという更なる利点がある。
【0009】 フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯の組成 アルギン酸ナトリウムの市販の3種類の調製を試験した。Protanal
FL 120Mアルギン酸ナトリウム(Pronova Biopolymer, Inc., Drammen, N
orway)は後述の好適実施例より脆弱な製品を得ていた。さらに、このアルギン
酸ナトリウムはフィブロネクチンを含む同じ包帯と比較して見かけ上黄色みのあ
るプラセボ包帯(即ちフィブロネクチンなしの対照)を得ていた。結果として、
この配合は人間を対象とした臨床試験には使用できなかった。特に好適なアルギ
ン酸はPronova UP LVG アルギン酸ナトリウム(Pronova Biomedi
cal A.S., Oslo, Norway)である。
【0010】 本発明の一つの実施態様において、フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム
創傷包帯は以下のように調製する:アルギン酸ナトリウム5g(Protanal LF 10
/60, Pronova Biopolymer, Drammen, Norway)を脱イオン脱塩純水95gに分散
させ約1時間パドル型スターラで撹拌する。このように作成したコロイド状分散
は高濃度アルギン酸ナトリウム原液(5%w/w)を提供するので、これをオー
トクレーブで滅菌する。この濃厚液から調製した滅菌瀘過アルギン酸ナトリウム
1%溶液のpHを、酢酸を用いて4.0に調節した(17.4N氷酢酸3.33
μlを脱塩水100mlに希釈するとpH4.0となる)。水道水の脱塩はミリ
ポア−ミリQ純粋製造器(Millipore Milli-Q water system)を使用した。脱塩
および脱イオンという術語は本出願全体では互換性のある言葉として使用される
。10ml脱塩水のpHを実施例9で説明するようにpH8.0から11.0に
調節する。以下の好適実施態様においてはpHは11.6に調節してある。
【0011】 実施例10にしたがって調製して、次に、0.025から0.1g、望ましく
は0.1gの凍結ヒト血漿フィブロネクチンを脱塩水pH11.6に溶解した。
フィブロネクチンが完全に溶解するまで溶液を37℃に維持した。次に、フィブ
ロネクチン溶液を0.22μmアセテート・フィルタで瀘過する。この溶液が本
実施例および後続実施例で使用するフィブロネクチン原液となる。
【0012】 こうして得られた0.25%から1%の滅菌フィブロネクチン溶液のうち3.
4mlを、前述したpH調製済みの希釈アルギン酸ナトリウム溶液1.5mlと
混合した。滅菌フィブロネクチン溶液および滅菌アルギン酸ナトリウム溶液は気
泡が入らないように注意してシリンジ内で混合する。無菌環境たとえば層流フー
ド内などで作業して汚染を防止する。一般に、2本のシリンジを使用し、加圧し
て複数回入れ換えする。アダプタ装置たとえばメス型ルアー接続をつかってシリ
ンジやその他の交換装置を接続することができる。フィブロネクチンの沈澱を避
けるため強い振盪は最小限にする。
【0013】 溶液のゲル化は15μlの0.2MのNaCl+0.2MのCaClと3.
4μlの氷酢酸を添加することで行なう。この時点で、フィブロネクチン−アル
ギン酸カルシウム複合体をホラケイ酸ガラス製バイアル(表面積5.3cm
5ml)に集積し−20℃で2時間、−80℃で30分凍結する。好適なバイア
ルは幅22.5mm、高さ46.5mmでアルミ製シール(パーツ番号24−0
396,Comar, Buena, NJ)付きである。Labconcoフリーズドライヤ(
77580型、Kansas City, Mo)を使って凍結乾燥し水分を除去する。この技
術により、固形スポンジ状フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム創傷包帯が
作成され、これは表面積が4.2cmでフィブロネクチン濃度は80μg/m
までである。固形創傷包帯を他の不溶性繊維から調製することも可能である
ことは注意すべきである。創傷に対して副作用のないものであればどんな不溶性
繊維または材料であっても良い。好適な植物性多糖類の例としては、カラギーナ
ンやセルロース誘導体、たとえばカルボキシメチルセルロースまたはハイドロキ
シプロピルセルロースが以下の実施例で記載される。合成カルボマー樹脂を使用
する実施例も説明する。たとえば「三次元細胞および組織培養システム」と題し
参照により本明細書に含まれる米国特許第4,963,489号に記載されてい
るような組織マトリクスや人工皮膚システムも本発明の実施態様において使用可
能である。
【0014】 実施例2 固体カルボキシメチルセルローズ(CMC)包帯 好適なグレードはGPR(登録商標)CMC(BDH Laboratories, Ville St-L
aurent, Canada)である。フィブロネクチン62%、CMC38%を含む(w/
w)固体創傷包帯を後述のように調製した。まず、American Ster
ilizer 2020 Vacamtic Eagle series オー
トクレーブ(Steris Corp., Ohio)を使用して121℃で30分の乾熱滅菌処理
を行ないCMC粉体を滅菌した。CMC6gを94mlの脱塩水に分散させパド
ル型スターラで約3時間混和した。これにより滅菌濃縮ハイドロゲル原液(6%
w/w)が得られた。
【0015】 これとは別に、実施例10にしたがって調製した凍結乾燥ヒト血漿フィブロネ
クチン50mgを、3MのNaOH12μlを含む脱イオン水(5ml)に溶解
し、終点pH11.6とした。完全にフィブロネクチンの溶解が見られるまで溶
液を37℃に維持した。フィブロネクチン10mg/mlのこの原液を0.22
μmアセテート・フィルタで瀘過した。このフィブロネクチン溶液のうち3.3
mlを濃厚CMC原液0.34gに加え、実施態様1に記載したようにシリンジ
で混和した。1NのHClを25μl添加してpHを7.0に調節した。この時
点で、フィブロネクチン−CMC複合体の均質な溶液をプラスチック型に入れて
凍結した。Costar 6ウェル(6穴)ポリスチレン細胞培養クラスター(
丸め表面積9.6cm)(Corning Inc., Corning, NY)をプラスチック型と
して使用した。Labconcoフリーズドライヤ(77580型、Kansas Cit
y, Mo)を使って凍結乾燥し水分を除去する。この技術により、スポンジ状構造
のフィブロネクチン−CMC創傷包帯が作成される。
【0016】 実施例3 固形ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)包帯 Klucel−HF(登録商標)HPC(Aqualon, Houston, Texas)の好適
グレードを使用して固形ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)包帯を調製
した。フィブロネクチン45%、HPC55%を含む(w/w)固体創傷包帯を
次のように作成した。まず、American Sterilizer 202
0 Vacamtic Eagle series オートクレーブ(Steris C
orp., Ohio)を使用して121℃で30分の乾熱滅菌処理を行ない、HPC粉体
を滅菌した。HPC(6g)を脱イオン水94mlに分散させ、パドル型スター
ラで約3時間混和した。これにより滅菌濃縮ハイドロゲル原液(6%w/w)が
得られた。これとは別に、実施例10にしたがって調製した凍結乾燥ヒト血漿フ
ィブロネクチン50mgを、3MのNaOH12μlを含む脱イオン水(5ml
)pH11.6に溶解した。完全にフィブロネクチンの溶解が見られるまで溶液
を37℃に維持した。フィブロネクチン10mg/mlのこの原液を0.22μ
mアセテート・フィルタで瀘過した。このフィブロネクチン溶液のうち3.3m
lを濃厚HPC原液0.68gに加えて実施態様1に記載したようにシリンジで
混和した。1NのHClを25μl添加してpHを7.0に調節した。この時点
で、フィブロネクチン−HPC複合体の均質な溶液をプラスチック型に入れて凍
結した。Costar 6ウェル(6穴)型ポリスチレン細胞培養クラスター(
丸め表面積9.6cm)(Corning Inc., Corning, NY)をプラスチック型と
して使用した。Labconcoフリーズドライヤ(77580型、Kansas Cit
y, Mo)を使って凍結乾燥し水分を除去する。この技術により、スポンジ状構造
のフィブロネクチン−CMC創傷包帯が作成される。
【0017】 実施例4 固体カルボマー包帯 好適グレードとしてCarbopol(登録商標)974P NFカルボマー
(BF Goodrich, Cleveland, Ohio)を使用し固体カルボマー包帯を調製した。フ
ィブロネクチン75%、カルボマー25%を含む(w/w)固体創傷包帯を次の
ように作成した。2.80gのカルボマーを脱塩水97.2mlに分散させパド
ル型スターラで約3時間混和した。この分散液をオートクレーブ滅菌して滅菌濃
厚ハイドロゲル原液(2.80%w/w)を得た。実施例10にしたがって調製
した凍結乾燥ヒト血漿フィブロネクチン50mgを、3MのNaOH12μlを
含む脱イオン水(5ml)pH11.6に溶解した。完全にフィブロネクチンの
溶解が見られるまで溶液を37℃に維持した。フィブロネクチン(10mg/m
l)のこの原液を0.22μmアセテート・フィルタで瀘過した。このフィブロ
ネクチン溶液のうち3.3mlを0.04gの濃厚カルボマー原液に添加し必要
量のゲル化促進剤(3MのNaOHを25μl)を加え実施例1に記載したよう
にシリンジで混和した。フィブロネクチンカルボマー・ハイドロゲルをプラスチ
ック型に集積し凍結した。Costar 6ウェル(6穴)型ポリスチレン細胞
培養クラスター(丸め表面積9.6cm)(Corning Inc., Corning, NY)を
プラスチック型として使用した。Labconcoフリーズドライヤ(7758
0型、Kansas City, Mo)を使って凍結乾燥し水分を除去する。この技術により
、スポンジ状構造のフィブロネクチン−カルボマー包帯が作成される。
【0018】 実施例5 固体カラギーナン包帯 固形カラギーナン包帯を調製した。好適なグレードはGelcarin(登録
商標)NFカラギーナン(FMC Corporation Pharmaceutical Division, Newark,
Delaware)である。フィブロネクチン73%、カルボマー27%を含む(w/
w)固体創傷包帯を次のように作成した。カラギーナン2.50gを脱イオン水
97.5mlに分散させパドル型スターラで約3時間混和した。この分散液をオ
ートクレーブ滅菌して滅菌濃厚ハイドロゲル原液(2.50%w/w)を得た。
実施態様10にしたがって調製した凍結乾燥ヒト血漿フィブロネクチン50mg
を、3MのNaOH12μlを含む脱イオン水(5ml)pH11.6に溶解し
た。完全にフィブロネクチンの溶解が見られるまで溶液を37℃に維持した。フ
ィブロネクチン(10mg/ml)原液を0.22μmアセテート・フィルタで
瀘過した。フィブロネクチン溶液のうち3.3mlを0.50gの濃厚カラギー
ナン原液に加え、実施態様1に記載したようにシリンジで混和した。1NのHC
l60μlの添加でpHを7.0に調節した。この時点で、フィブロネクチン−
カラギーナン複合体の均質溶液をプラスチック型に集積し凍結した。Costa
r 6ウェル(6穴)ポリスチレン細胞培養クラスター(丸め表面積9.6cm )(Corning Inc., Corning, NY)をプラスチック型として使用した。Lab
concoフリーズドライヤ(77580型、Kansas City, Mo)を使って凍結
乾燥し水分を除去する。この技術により、スポンジ状構造のフィブロネクチン−
カラギーナン包帯が作成される。
【0019】 実施例6 固体創傷包帯の体外(in vitro)研究 細胞拡散システムを使用する非上皮化ヒト皮膚でのフィブロネクチン吸収のi
n vitro研究では、次のように調製したフィブロネクチン−アルギン酸カ
ルシウム包帯からフィブロネクチンの91.7%までのものが12時間以内に放
出されることが明らかになった(図1参照):10.0gのアルギン酸ナトリウ
ム(Protanal LF 10/60, Pronova Biopolymer, Drammen, Norway)を90gの脱
イオン脱塩水に分散しパドル型スターラで約1時間混和した。この分散液をオー
トクレーブ滅菌して滅菌濃厚アルギン酸原液(10%w/w)とした。1.0%
フィブロネクチン原液10mlを0.22μmアセテート・フィルタで瀘過し、
濃厚アルギン酸原液から調製した酢酸の薄い1%アルギン酸ナトリウム溶液5m
lとシリンジ内で混和した。(0.2MのNaCl+0.2MのCaCl)3
75μlと17.45N酢酸30μlで終点pH4.0としたものを加えて溶液
のゲル化を行なった。この時点で、フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム複
合体の均質溶液をプラスチック型に入れて凍結した。Costar 6ウェル(
6穴)型ポリスチレン細胞培養クラスター(丸め表面積9.6cm)(Cornin
g Inc., Corning, NY)をプラスチック型として使用した。Labconcoフ
リーズドライヤ(77580型、Kansas City, Mo)を使って凍結乾燥し水分を
除去する。この技術により、スポンジ状構造を備えるフィブロネクチン−アルギ
ン酸カルシウム創傷包帯が作成される。凍結乾燥後、製品ディスクの表面積は8
.96cm表面積に近いが、これは凍結乾燥中にディスクが収縮するためであ
る。5ml配合中のフィブロネクチン量は37μg/mm表面積の濃度で33
.3mg(33,333μg/896mm)である。
【0020】 このフィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯と実施例2〜5の固体創傷
包帯とを、非上皮化皮膚拡散細胞システムで12時間にわたり比較した。図1に
図示した実験で使用した非上皮化皮膚拡散細胞システムはBeaulieuの1
999年3月2日付米国特許第5,877,149号に記載されており、参照に
より本明細書に含まれる。
【0021】 放出量は非上皮化皮膚表面積mmあたりフィブロネクチン34.1μgで、
参照により本明細書に含まれる米国特許第5,821,220号に記載されてい
るように、12時間後の1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲル
から放出されるフィブロネクチン13.0μgと比較した場合、有意なレベルの
増加が見られる(262%)。実施例2および実施例3のフィブロネクチン−セ
ルロース誘導体から放出されたフィブロネクチン量はフィブロネクチン−アルギ
ン酸カルシウムで得られた値と類似していた(図1参照)。しかし、いったん生
理食塩水で湿潤されるとフィブロネクチン−セルロース包帯は非上皮化ヒト皮膚
の表面に希望通りの線維性保護膜を提供しない。
【0022】 実施例7 ウサギ耳表皮潰瘍モデル 創傷治癒を刺激する上でのフィブロネクチン−アルギン酸カルシウム創傷包帯
の有効性について、Mustoe et al., (1991) J. Clin Invest 87:694-703が開発
した創傷治癒のウサギ耳表皮潰瘍モデルを使っての研究を行なった。
【0023】 ニュージーランド白ウサギの若い成体3.0〜3.5kg(Charles River La
boratories, Canada)をケタミン(60mg/kg)とキシラジン(95mg/
kg)で全麻した。6mmトレフィンと顕微手術器具を使い、無菌環境で、円形
全厚6mm直径の潰瘍をbare cartilageの深さに作成した。軟骨は血管走行がな
いので新規の肉芽組織形成は潰瘍周辺だけに発生する。
【0024】 直径6mmの固形包帯片を手術直後に貼布した。アルギン酸包帯(Kaltostat,
ConvaTec, Skillman, NJ)、コラーゲン−アルギン酸包帯(Fibracol, Johnson
& Johnson, Arlington, TX)、フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯
を潰瘍に貼布し40μlの生理食塩水(Aqualite(登録商標)0.9%
塩化ナトリウム水溶液)で湿潤した。フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム
包帯は実施例1に記載した方法にしたがって調製した。対照治療(図2〜図5に
示される)は40μlの生理食塩水単独で治療した潰瘍である。創傷は閉鎖性ポ
リウレタンフィルム(Tegaderm film, 3M, Minneapolis, MN)で被覆して創面の
乾燥を防止した。実験期間中は首カラーをウサギに装着した。治療グループ間の
治癒率の差は第7日目に測定した。
【0025】 A.新生肉芽組織の組織形態学的測定 屠殺時に、潰瘍を切り出し10%緩衝ホルマリンで固定した。標本を無水アル
コールとキシレンで脱水し、パラフィン包埋して薄切し、創傷中心に可能な限り
近い断面を得るように心がけた。3μm切片のマッソントリクローム染色後、肉
芽組織ギャップ(GAP)(新生肉芽組織のない創傷の残りの部分の直径と定義
する)と創傷前縁での新生肉芽組織の最大高さ(MH)をBiometrics
Bioquant true color laser vision(R&M,
Nashville, TN)を使って組織形態学的に測定した。各MH値は、各潰瘍につい
て2枚の組織切片の左側と右側について、新生肉芽組織の最大高さの測定値4つ
の平均を表わす。
【0026】 GAP距離を用いて式(GAP/2)πから創傷の表面積を計算した。0日
目(手術日)には、測定GAPは6.2mmで、表面積は(6.2/2)π=
30.19mmだった。新生肉芽組織表面積は0日の創傷面積から7日目の創
傷面積を序したもの、即ち(GAP[day 0]/2)π−(GAP[da
y 7]/2)πである。新生肉芽組織量(NGV)は新生組織表面積×MH
である。新生肉芽組織の表面積と容積の測定値は、創傷部が同心円状に治癒し収
縮しないものとの仮定に基づいて計算した。統計処理は研究に使った各配合につ
いてStudentの両側t検定を使用して行ない、Excel 5.0(Micr
osoft Corporation)を使用した。全ての比較はペア対照創傷(生理食塩水、ア
ルギン酸、コラーゲン−アルギン酸)について行なった。P<0.05を有意と
した。
【0027】 B.新生肉芽組織形成を刺激する上での65%フィブロネクチン(w/w)を
含むフィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯の効果 組織形態学的測定の結果では、実施例6にしたがって調製したフィブロネクチ
ン−アルギン酸カルシウム包帯の1回の適用の効果は、ウサギ耳表皮潰瘍モデル
における新生肉芽組織形成において、アルギン酸(Kaltostat)または
コラーゲン−アルギン酸(Fibracol)包帯より有意に良好だったことが
示された。供給されるフィブロネクチン量はウサギ表面潰瘍面積mmあたり約
34μgであることを示しており、コラーゲン−アルギン酸包帯ではコラーゲン
mmあたり約39μgを使用した。図2に図示したように、7日間の治療後、
フィブロネクチン−アルギン酸カルシウムで治療した創傷の最大高さ(MH)は
対照創傷と比較して有意に高かった(732±13μm、これに対して生理食塩
水で治療した創傷599±16μm、アルギン酸648±11、コラーゲン−ア
ルギン酸621±27、全例についてP<0.0001)。新生肉芽量(NGV
)値では、フィブロネクチン−アルギン酸カルシウムで有意な増加(コラーゲン
−アルギン酸と比較して120%以上、アルギン酸と比較して122%以上、生
理食塩水と比較して137%以上)が見られた(図3)。計算値はそれぞれフィ
ブロネクチン−アルギン酸カルシウムについて15.02±0.77mm、生
理食塩水について10.95±0.76、アルギン酸について12.29±0,
59、コラーゲン−アルギン酸について12.46±1.47である。アルギン
酸包帯もコラーゲン−アルギン酸包帯も相互または生理食塩水との比較でMH値
(P=0.1052)とNGV値(P=0.4424)で有意差がなかった。
【0028】 C.1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲルの効果 ウサギ表皮潰瘍モデルにおいて1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイ
ドロゲル配合のフィブロネクチンによる治療を新生肉芽組織形成を刺激する能力
で評価した。フィブロネクチンは0.281%カルボマー・ハイドロゲルとして
適用し、フィブロネクチン400μgを含む容量40μlのハイドロゲルを適用
した。1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲルは実施例9にした
がってpH11.6に調製した。これは米国特許第5,821,220号に記載
されているようにウサギ潰瘍表面積mmあたり約13μgのフィブロネクチン
を供給する。フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲルは手術時から起算し
て7日間の期間で1日1回実験潰瘍に塗布した。対照創傷に適用した局所用配合
物の容量も40μl(生理食塩水またはフィブロネクチンを含まない0.281
%カルボマー・ハイドロゲル)とした。無菌ツルグラ包帯(Bactigras
(登録商標), Smith & Nephew, Lachine, Canada)と非接着吸収包帯(Mel
olite( 登録商標), Smith & Nephew, Lachine, Canada)を使って創傷の
乾燥を防止した。毎回の塗布前に潰瘍を滅菌生理食塩水で洗浄し湿らせた綿棒で
やさしく清拭した。
【0029】 組織形態学的測定値を分析した際に、フィブロネクチン−カルボマー・ハイド
ロゲルで治療した創傷における新生肉芽組織の最大高さの平均値(900±30
μm、n=45)は、生理食塩水(819±23μm、n=43,P=0.01
)またはフィブロネクチンを含まないカルボマー・ハイドロゲル(793±19
μm、n=43,P=0.001)いずれかの治療と比較して有意なレベルで高
かった(図4)。さらに、新生肉芽組織形成の容積は1.0%フィブロネクチン
−カルボマー・ハイドロゲル治療(21.22±1.14mm、n=45)で
、生理食塩水(18.67±0.79mm、n=43、P=0.0285)ま
たはフィブロネクチンを含まないカルボマー・ハイドロゲル(18.43±0.
95mm、n=43、P=0.0238)と比較して有意に大きかった(図5
)。生理食塩水とカルボマー・ハイドロゲル単独との間には相違は認められなか
った(P=0.4152)。
【0030】 D.フィブロネクチンの用量試験 創傷治癒に対してフィブロネクチンの使用量を変化させた場合の効果について
前述した技術を使用してウサギモデルで研究を行なった。ただし、この実験にお
いては、9mmのAcuPunch(登録商標)生検パンチを使用してモデル潰
瘍をウサギ耳に作成した。実験動物各個体の各耳に4個の潰瘍を作成した。一方
の耳は生理食塩水の対照包帯で治療し、他方の耳は前述したフィブロネクチン−
アルギン酸カルシウム包帯で治療した。本実験用のフィブロネクチン−アルギン
酸カルシウム・ディスクは実施例1と同様に調製した。ディスクを積み重ねて必
要ならカットし以下の量のフィブロネクチン投与量を提供した:10.3μg/
mm、20.6μg/mm、41.25μg/mm、82.5μg/mm 、123.75μg/mm、165μg/mm。最大高さ(MH)と新生
肉芽組織容積(NGV)に対する投与量変化の結果を各々以下の表1と表2に示
す。フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム・ディスクの存在による明白な利
益が示されたが、とくに効果は10から120μg/mmの範囲で用量に比例
するように思われる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】 非上皮化皮膚拡散細胞系で、実施例1のフィブロネクチン−アルギン酸ナトリ
ウム・ディスク・ディスクを使用して適用量を10.3から165μg/mm まで変化させた場合のフィブロネクチン吸収に関するin vitro研究も行
なった。結果を図6に示す。
【0034】 実施例8 高濃度のヒト血漿フィブロネクチン供給用アルギン酸カルシウム・デ
ィスク 本発明の好適な供給システムは固体ディスクを形成するためアルギン酸カルシ
ウム存在下に凍結乾燥したヒト血漿フィブロネクチンからなり、これを治療しよ
うとする創傷綿に局所塗布することになる。フィブロネクチンを含む液状配合と
は対向して、アルギン酸カルシウム・ディスクを使用することで創傷面へ既知の
、一貫した量のフィブロネクチンの供給を保証する一助となる。
【0035】 本発明の一つの実施態様において、ヒトフィブロネクチンはライセンス製造メ
ーカー(MedImmune, Maryland through DCI Management, New York, NY)からク
リオプレシピテートの形で購入する。クリオプレシピテート抽出物をまず溶解し
不純物除去する。次にクリオプレシピテート抽出物を処理して、0.3%トリ(
n−ブチル)リン酸(TNBP)と1%トライトンX100を室温で4時間作用
させる溶剤/洗剤法により、脂質エンベロープで覆ったウィルスを不活化する。
処理試薬を除去してから、ゼラチン−セファローズ・アフィニティクロマトグラ
フィでフィブロネクチンを精製する。結合フィブロネクチンはpH5.0の1M
の臭化カリウムでカラムから溶離する。塩の除去に続いて、フィブロネクチンを
100KDメンブレン限外濾過で濃縮、0.22μmアセテートフィルタを用い
て滅菌、そして凍結乾燥する。つぎに実施態様1に記載したとおり滅菌アルギン
酸カルシウムと化合させる。食品医薬品局(Food and Drug Administration)ク
ラス100優良製造手順にしたがいフィブロネクチン/アルギン酸カルシウム混
合物5mlを滅菌ガラスバイアルに無菌充填する。
【0036】 ストッパーをバイアルに途中まで挿入して調製物をFTS Duralyop
hilizer凍結乾燥器で乾燥させる。本発明の好適実施態様において、調製
ディスクは直径4.2cmでピンセットでバイアルから取り出し、治療しよう
とする創傷に載置して滅菌生理食塩水(0.9%のNaCl)で湿潤する。各包
帯は表面積mmあたり80μgのフィブロネクチンを含有している。表皮潰瘍
やその他の治療領域の大きさによっては1つ以上の包帯を使用することがあり、
また創傷の形状に適合するように切り抜く必要がある。ディスクを積層すると大
量のフィブロネクチンたとえば160μg/mm、240μg/mm、など
を供給できる。
【0037】 本実施例および前記実施例による包帯はヒト以外の供給源に由来するフィブロ
ネクチンを用いて調製できる。代表的な動物種としては、ウマ、イヌ、ネコなど
がありこれに限定されない。
【0038】 ヒト患者または動物患畜の治療を行なう一つの好適な方法において、他の軟膏
、クリーム、または包帯を創傷、潰瘍、またはその他の病変に塗布することなく
本実施態様のフィブロネクチン固形創傷包帯を使用する。包帯は長い伸縮性4層
包帯を使って高圧圧迫法で適用するのが望ましい。
【0039】 たとえば、脚の病変の場合、就寝に使用する患者用ベッドの脚を持ち上げて約
20度の角度を作るべきである。たとえば、2インチのブロックをヒト患者用ベ
ッドの脚の下に入れるかまたは枕2個を敷物とベッドのマットレスの間に差し込
むことができる。処置後30分以上にわたって患者が座ったまままたは横になっ
ている場合、患者に脚を持ち上げさせる。同様に、患者が処置後に直立位でいる
場合には30分毎に歩行させる必要がある。
【0040】 週に2回本発明による包帯を除去して創傷床での感染の有無を検査する。感染
の兆候が見られた場合、適切な診療施設(health care practitioner)により必
要な診断治療を受けるべきである。感染の兆候がない場合、創傷床を次のように
評価する。創傷床の少なくとも50%が薄いピンクから牛肉のような赤になって
いれば(壊死巣を示す灰色、黄色、または黒色と対向して)、包帯の交換と圧迫
を適用する。潰瘍床の50%未満がピンクまたは赤の場合、創傷床のデブリドマ
ンを行なう即ち全ての壊死巣を摘除べきである。デブリドマンは鋭利な外科器具
を使って行なうべきであり局所麻酔を使用して行なうことが可能である。
【0041】 実施例9 フィブロネクチンの溶解性 フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲル10gを調製するには、以下の
成分を順次追加する必要がある。最初に、pH5.0の脱塩水8.8mlのpH
を3MのNaOH2.95μgから2.95mgの追加によりpH8.0から1
1.0に調節する。供給源の異なる脱塩水は開始pH値が異なるので3MのNa
OHの正確な量は必要に応じて希望する値に調節できる。
【0042】 次に、0.05から0.1gの凍結乾燥フィブロネクチンを脱塩水pH8.0
〜pH11.0に溶解する。手順の最後のステップで、0.028gのカルボマ
ーと0.09399705gから0.09105gの3MのNaOHを含む水1
mlを混合物に追加する。幾つかのフィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲ
ルの組成例を表2に示す。「FN」は凍結乾燥フィブロネクチンを表わす。
【0043】
【表3】
【0044】 本発明によるフィブロネクチン・ゲルのとくに好適な実施態様においては、以
下の成分をこの順序で追加する必要がある。まず、脱塩水(8.856または8
.806g)のpHを3MのNaOH0.0235gで11.6に調節する。0
.05gのフィブロネクチンを加える場合には8.856gの水を使用し、0.
1gのフィブロネクチンを加える場合には8.806gの水を使用する。次に0
.05または0.1gの凍結乾燥フィブロネクチンを脱塩水に溶解する。手順の
最後のステップで、0.028gのカルボマーと0.0705gの3MのNaO
Hを混合物に加える。0.028gのカルボマーは2.8%カルボマー原液1.
0gに由来する。濃厚カルボマー原液は3.75%または2.80%とする。異
なる濃度のカルボマー原液を使用してのフィブロネクチン−カルボマー・ハイド
ロゲル調製を表2に示した。カルボマーの好適なグレードはCarbopol(
登録商標)974P NF carbomer(BF Goodrich, Cleveland, Ohio
)である。フィブロネクチン濃度は周知のマイクロ・ブラッドフォード法(micr
o-Bradford method)で測定する。ブラッドフォード蛋白アッセイはブラッドフ
ォード色素結合法に基づく(Bradford, M., Anal. Biochem. 72, 248, 1976)。
蛋白アッセイはCoomassie(クマシー)(登録商標)ブリリアントブル
ーG−250色素が様々な濃度の蛋白に反応して色変化することに基づいたもの
である。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】 実施例10 溶剤/洗剤処理ヒト均質血漿フィブロネクチン 実施例1〜7と実施例9で使用した凍結乾燥フィブロネクチンは本実施例で記
載するとおりに調製した。
【0048】 まず、異なるドナーから採取した血漿のロットについて非特異抗体、B型およ
びC型肝炎ウィルス(HBV,HCV)、ヒト免疫不全症ウィルス(HIV)、
ヒトT細胞白血病ウィルス(HTLV)、サイトメガロウィルス(CMV)、梅
毒について検査した。
【0049】 次に、トリ(n−ブチル)リン酸(TNBP)とトライトンX−100を用い
るウィルス不活化溶剤/洗剤法を行なった。有機溶媒であるトリ(n−ブチル)
リン酸(TNBP)とトライトンX−100洗剤による血漿製品の処理はフィブ
ロネクチンなどの不安定形蛋白に影響を与えることなくきわめて大量のHBV,
HCV,HIVを不活化することが示された(Horowitz et al., 1992, Blood 7
9 (3):826-31)。
【0050】 典型的な調製において、5名のドナーに由来する凍結血漿を、1%(vol/
vol)TNBP、1%(vol/vol)トライトンX−100、1mMフェ
ニルメチルスルフォニルフッ素と一緒に24℃で6時間スターラ撹拌しながら凍
結融解処理した。処理後、大豆油(20%vol/vol)を加え、室温で30
分間ゆっくりと混和してから、4℃で漏斗を用いて除去した。
【0051】 たとえば後述するゼラチン−セファローズ・アフィニティクロマトグラフィ法
などでフィブロネクチンを血漿から精製したら、最終溶液についてTNBPとト
ライトンX−100による汚染を確認する。TNBPは80/100メッシュSu
pelcoport(Supelco, Bellafonte, PA)上の10%SP−1000充填0.25
インチ×内径2mm×4フィート・ガラスカラムを用いるガスクロマトグラフィ
でヘキサン抽出後に精製フィブロネクチンサンプルで定量した。トライトンX−
100は、ゲル濾過カラムG2000SW内径7.5mm×60cm(Tosohass
)から230nmにセットしたUV検出器へ接続した高速液体クロマトグラフィ
(HPLC)フィブロネクチンサンプルを打ち込み、測定を行なった。フィブロ
ネクチン調製はTNBPまたはトライトンX−100いずれか1ppm未満を含
むことが分かった。
【0052】 フィブロネクチンは溶剤/洗剤処理ヒト血漿から、ゼラチン−セファローズ・
アフィニティクロマトグラフィ法(Horowitz and Chang, 1989)で分離した。こ
の方法は手順のうちでゼラチンに対するフィブロネクチンの親和性を利用して高
収量でヒト血漿から電気泳動的に純粋なフィブロネクチンの分離ができる。
【0053】 本法では、ゼラチンはCNBr活性化後にセファローズCL−4Bと共有結合
している。このシステムで提供されるヒト血漿フィブロネクチンでの結合能は>
1mg/mlゲルである。精製は容量375mlで瀘過面積10.5cmのガ
ラス製ファンネル・フィルタホルダー(Costar Nucleopore, Pleasanton, CA)
で流量25ml/分のバッチ処理で行なう。
【0054】 要約すると、血漿サンプルをゼラチン−セファローズ・ゲルに2回通す。マト
リックスを数倍量の0.15Mのトリス塩酸バッファpH7.5で洗浄し、数倍
量の0.15Mのトリス塩酸バッファpH7.5+1MのNaClで洗浄し、ま
た0.15Mのトリス塩酸バッファpH7.5で洗浄する。溶離は0.1Mの酢
酸バッファpH5.0に1MのKBrを加えて行なう。得られたフィブロネクチ
ン溶液は脱イオン脱塩水に対して排他的に透析し、窒素雰囲気下で限外濾過し、
凍結乾燥し−80℃で使用時まで冷凍保存する。
【0055】 蛋白濃度はBio−Rad蛋白アッセイ(Bio-Rad Laboratories, Richmond,
CA)を用いて決定した。以下の図表は精製ステップの要約である。
【0056】 ヒト以外の動物由来のフィブロネクチンを同様の方法を使って精製可能である
。血漿ロットは適宜供給源生物についての非特異抗体をスクリーニング検査する
ことになるが、これは当業者には既知である。
【0057】 たとえば、イエネコ血漿はネコ白血病ウィルスについてスクリーニングする TNBP/トライトンX−100処理ヒト血漿からフィブロネクチンを精製す
る手順 2.5リットル血漿(ドナー5名から) 1.0%(v/v)TNBP+ 1.0%(v/v)トライトンX−100 6時間/24℃ 溶剤/洗剤血漿 20%(v/v)植物油でTNBP抽出 血漿+200mlのゼラチン−セファローズ・ゲル トリス塩酸バッファ0.15M,pH7.5で最初の洗浄 トリス塩酸バッファ0.15M+1M,NaCl,pH7.5で2回目
の洗浄 トリス塩酸バッファ0.15M,pH7.5で3回目の洗浄 酢酸ナトリウムバッファ0.1M+1M,KBr,pH5.0で溶離 脱イオン脱塩水に対して透析 窒素雰囲気下で限外濾過により濃縮 0.22μmアセテート・フィルタで滅菌瀘過 凍結乾燥
【0058】 実施例11 血漿フィブロネクチンの乾熱処理(低温殺菌法) 前述の実施例に記載したようなウィルス不活化溶剤/洗剤法(25℃で6時間
)はエンベロープのあるウィルスの殺滅に非常に有効であることが分かった。R
adosevich(Seminars in Thrombosis and Hemostasis. 24(2) 157-161
, 1998)によれば、低温殺菌法は広範囲の殺ウィルス作用があり、これはエンベ
ロープを持たないウィルスを不活化する別の能力によるものである。エンベロー
プを持たないウィルスは一般にエンベロープのあるウィルスより物理化学的処理
に対して抵抗性が強い。つまり、ことなるウィルス殺滅処理の組み合わせで血漿
製品のウィルス学的安全性の改善が得られる(たとえば溶剤/洗剤法+乾熱処理
)。
【0059】 凍結乾燥した溶剤/洗剤処理フィブロネクチンに対して追加する68℃で96
時間の乾熱処理は前述した実施態様に記載した本発明の創傷配合にフィブロネク
チンを含める前に施行できる。たとえば、本発明の一つの実施態様において、実
施例10で調製した凍結乾燥フィブロネクチン50mgを無菌操作技術で50m
lポリプロピレン製コニカルチューブ(Becton Dickinson Labware, Franklin L
akes, NJ)に入れて封止する。チューブを良く制御されている水浴槽(Exacal E
x-110 water bath Neslab Instruments, Newington, NJ)で68℃で96時間浸
漬する。
【0060】 ウィルス不活化/除去手順を実施する場合、蛋白構造の変化がないことと生物
学的活性の変化がないことを測定するのが重要である。上述したフィブロネクチ
ン低温殺菌を行なったものと新鮮な精製フィブロネクチンとで、標準SDS−P
AGEゲルの分子量標準に対する結果は低温殺菌フィブロネクチンが構造的完全
性を維持していることを示した。低温殺菌フィブロネクチンはゼラチン結合、細
胞付着促進活性、化学走化性について調べると新鮮な精製血漿フィブロネクチン
と同等の活性を示した。これらの試験での新鮮な精製血漿フィブロネクチンは実
施例10に記載した方法にしたがって調製した。これ以外に、凍結乾燥フィブロ
ネクチンを80℃で72時間水浴させることが可能である。実施例1〜5と実施
例8の固体創傷治癒配合もバイアルに封入した後で低温殺菌可能である。
【0061】 実施例12 組み換えフィブロネクチン 先行実施例で記載した方法により精製滅菌した血漿フィブロネクチンの代わり
として、組み替え手段により作成したヒトまたは動物フィブロネクチンを本発明
の固体創傷包帯に使用できる。従来技術で周知の方法を使用して、フィブロネク
チンの活性フラグメントまたは改変したフィブロネクチンフラグメントを本発明
の別の実施例で使用できる。このような方法としては、蛋白作成用のDNA組み
換え法や化学合成法がある。たとえば、組み換えフィブロネクチンポリペプタイ
ド・フラグメントはバクテリアまたは化学合成で作成可能である。本発明で使用
されるフィブロネクチン、フィブロネクチンポリペプタイド・フラグメントまた
は何らかのポリペプタイド化合物は動物組織または血漿から分離する、または細
胞培養から作成分離することができる。遺伝を改変した動物たとえば遺伝子組み
替え動物などから作成分離してフィブロネクチンのもっと内因性または外因性の
型を精製できる。フィブロネクチンの配列は当業者に既知であり、たとえば参照
により本明細書に含まれるKornblihtt et al., EMBO J. 4:1755-1759 (1985)や
、またはGenbank、NCBI、NIHから入手可能であり、またインターネット上でhttp
://www.ncbi.nlm.nih.govからも容易に検索できる。一般に利用できるデータベ
ースは参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【0062】 フィブロネクチン・フラグメントの代表的な例が、「細胞外マトリクス・アセ
ンブリをmodulate可能なポリペプタイド・フラグメント」と題する米国特許第5
,453,489号、「創傷治癒用の組み換えフィブロネクチンによる細胞外マ
トリクス」と題する米国特許第5,958,874号、「スーパーフィブロネク
チンを用いて癌を阻害する方法」と題する米国特許題5,922,676号に開
示されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に含まれる。組み換
えフィブロネクチン・フラグメントは宝酒造(Takara Shuzo (Otsu, Japan))か
らも入手可能である。
【0063】 実施例13 フィブロネクチン以外の創傷治癒促進剤 本発明の固体創傷配合はフィブロネクチンと類似の組成を有するその他の創傷
治癒促進剤たとえば同様なサイズの蛋白(細胞外マトリクス蛋白、たとえばトロ
ンボスポンジン、ラミニン、ビトロネクチン、フィブリノゲンなど)またはもっ
と小さいサイズの蛋白(成長因子を含むペプタイドたとえば血小板由来成長因子
など)を含むことができる。本発明の好適実施態様において、適当な種特異性創
傷治癒促進剤を使用する、即ちヒトフィブロネクチンおよび/またはヒト用のそ
の他の創傷治癒促進剤を使用する。
【0064】 本発明はこれの特定の実施態様に関連して説明したが、その他多くの変化、変
更、および使用法が当業者には明らかになろう。したがって本発明の多数の変化
は添付の請求項に記載される本発明の範囲および精神に含まれるものとして成し
得ることは理解されるべきである。
【0065】
【産業上の利用分野】
本発明は有効量のフィブロネクチンを放出する固形創傷包帯、とくにフィブロ
ネクチン−アルギン酸カルシウム包帯に関する。
【0066】
【従来の技術】
フィブロネクチンはおよそ5%の炭水化物を含みどこにでもみられる細胞外糖
蛋白である。体液中には可溶体でまた細胞外マトリクスには不溶体で存在する。
フィブロネクチンは多くの重要な生理的過程、たとえば胚形成、止血、血栓症、
創傷の治癒などで重要な役割を果たす(Potts, J. R. and Campbell, I. D. Cur
rent Opinion in Cell Biology 6:648-55, 1994)。血漿フィブロネクチンの特
徴的な形態は分子量440,000ダルトンのジスルフィド結合(disulfide-bo
nded SS結合)ダイマーで、各サブユニットは分子量約220,000ダルトン
である。血漿フィブロネクチンは他にも様々な名前で知られており、これには冷
間不溶性グロブリン、抗ゼラチン因子、細胞付着蛋白、細胞拡散因子、オプソニ
ンα2表面結合糖蛋白、などがある。これらの呼称はフィブロネクチンの生理的
活性たとえば細胞の補充、粒子状組織壊死片のオプソニン作用、傷口の収縮の促
進などを反映している。フィブロネクチンの構造および活性についての概論は別
に発刊されている(Hynes, R. O. Fibronectins, Rich, A., ed. New York, Spr
inger-Verlag 1990)。
【0067】 創傷治癒は通常3相に分けられる。炎症相、増殖相、リモデリング相である。
フィブロネクチンはとくに侵入細胞が付着できる足場を作成することで、創傷治
癒過程の各段階に関与すると言われている。最初に、多くの伝達物質たとえばフ
ィブロネクチンやフィブリノゲンなどが創傷部位へ放出される。フィブロネクチ
ンは創傷への炎症細胞浸潤や単核細胞による組織壊死片貪食作用を促進する。そ
の後、血管新生や再上皮化が行なわれる。この段階で、フィブロネクチンは内皮
細胞に白血球走化性活性として作用し基底膜へ向かって上皮細胞と線維芽細胞の
侵潤を促進する。フィブロネクチンはまたリモデリング相の必須要素であるとも
されており、膠原細線維の構成に大きな役割を果たしている。膠原細線維は最終
的に線維束を形成して組織の抗張力を大幅に増加させることで創傷の閉止を促す
。通常血漿中に300μg/mlの濃度で見られるフィブロネクチンはHorowitz
とChangが開発した方法を用いて抽出精製される(Horowitz, B. and Chang, M.
D. Y. "Preparation of fibronection for therapeutic administration in Fib
ronection, D. F. Mosher ed., Academic Press, San Diego 441-455 (1989))
【0068】
【発明が解決しようとする課題】
血漿フィブロネクチンの局所塗布は角膜損傷(Nishida, T. et al., Japan Jo
urnal of Ophthalmology 26:416-24, 1982; Phan, T. M. et al., American Jou
rnal of Ophthalmology 104:494-501, 1987)や脚潰瘍(Wysocki, A. et al., A
rch. Dermatology 124:175-177, 1988)などで創傷治癒率を増加させることから
有用であると報告されている。しかし、有効量のフィブロネクチンを薬理的に受
け入れられる組成で供給することが可能なものであって創傷治療用に使用できる
適切な局所用担体が存在しない。薬剤を有効に局所投与するための形態を開発す
る際の大きな制限要素は、有効薬剤を有するだけでなく、担体から供給対象部位
へ有効薬剤の移動を可能にする配合物である。
【0069】
【課題を解決するための手段】
フィブロネクチンと創傷部との接触時間を最大にしつつ創傷へのフィブロネク
チンの放出を制御するような局所用配合はハイドロゲル配合物である。薬剤供給
においては、術語ハイドロゲルは代表的には有意な量の水(>乾燥重量の20%
)を吸収でき一方で明らかな三次元構造を維持できるポリマー性材料だけに使わ
れるものである(Gehrke, S. H. and Lee, P. I., "Hydrogels for drug delive
ry systems," In Specialized Drug Delivery Systems Manufacturing and Prod uction Technology , Chapter 8, Vol. 8, pp 333-392, Marcel Dekker, New Yor
k 1990)。ハイドロゲルのもっとも重要な特性は水中での膨張度である。ハイド
ロゲルは他のどのような非天然材料よりも密接に生体組織を模倣する。組織に対
してのこのようなきわめて近い類似性は柔軟で可撓性のある性質と高い含水量に
よる。これで機械的刺激や人体組織の損傷が最小限に抑さえられる。ハイドロゲ
ル配合物のその他の利点としては、高い含水量のため創傷を湿潤に保つ能力があ
る、創傷の過剰な水分(滲出液)を吸収できる能力がある、創傷への塗布と除去
(水洗による)が簡単である、などがある。また患部に塗布した場合には冷たい
感触を与えるが、これは患者の快適度を向上させられる性質である。
【0070】 ハイドロゲルは4つの主要な性質を備えている:膨潤度、生体親和性、透水性
、膨潤動態である。こうした化合物の例としては、ビニルポリマー(ポリアクリ
ル酸など)、セルロースとセルロース誘導体が挙げられる。ポリアクリル酸ポリ
マーはカルボマーとも呼ばれ、たとえばCarbopol(登録商標)カルボマ
ー(BF Goodrich社)などは薬理的に受け入れられる他の配合物より皮膚創傷へ
のフィブロネクチン供給の点で優れていることが示されていたため他のポリマー
(たとえばセルローズやセルロース誘導体)に代わり選択されていた。
【0071】 高濃度のフィブロネクチンを含むことができるような水溶性かつ薬理的に受け
入れられるポリマーを含むハイドロゲル配合物が、「ヒト血漿フィブロネクチン
を含む創傷治癒配合」と題する米国特許第5,641,483号に開示されてお
り、これは参照によりその全体が本明細書に含まれる。フィブロネクチンの非緩
衝高濃度水溶液および1%までのフィブロネクチンを含むハイドロゲルを調製す
る方法は、「非緩衝高濃度フィブロネクチン溶液の調製方法」と題する米国特許
第5,821,220号、および「ヒト血漿フィブロネクチンを含む創傷治癒配
合物」と題する国際特許出願第PCT/CA97/00966号、国際公開番号
WO98/26797号に開示されており、ともに参照によりその全体が本明細
書に含まれる。
【0072】 アルギン酸は海産褐藻類から抽出される自然に産生する物質で、製薬、化粧品
、テキスタイル、食品工業で使用される。アルギン酸はポリアニオン多糖類でD
−マンヌロン酸とL−グルロン酸の直鎖2価コポリマーからなる。もっとも一般
的な使用方法はアルギン酸の高分子電解性によるもので、これがゲル化する性質
と膨張能の基礎を提供する。市販のアルギン酸ナトリウムは水溶性である。たと
えば2価のアルカリ希土類イオン、たとえばCa++などの多価イオンを含む溶
液にこのようなイオンを加えると、半固体状のアルギン酸ゲルが生成される。こ
れは数個のアルギン酸鎖のイオン交差結合の結果である。
【0073】 アルギン酸カルシウムは繊維または不織布材料を形成する能力が古くから知ら
れていた。これは主として医療用、手術用またはその他の目的の綿棒または包帯
として使用されて来ており、たとえば「アルギン酸創傷包帯」と題するヨーロッ
パ特許EP0721355B1号に記載されており、これは参照によりその全体
が本明細書に含まれる。不織布創傷包帯の形で滲出性の創口の治療に供給された
場合、アルギン酸カルシウム包帯は滲出液中のナトリウムイオンと反応する制御
されたイオン活性ゲルが創傷部位の上に形成されることを促進すると言われてい
る。滲出性創傷の例としては、褥瘡性潰瘍、静脈鬱血性潰瘍、糖尿病性潰瘍、動
脈性潰瘍、第2レベルの熱傷、移植皮膚片供与部位などが挙げられる。
【0074】 本発明は創傷治癒に有効な量のフィブロネクチンを創傷部位に供給することが
できる固形創傷包帯の作成技術を提供する。フィブロネクチン供給に使用される
固形包帯の例としては、アルギン酸カルシウム、カルボキシメチルセルローズ(
CMC)、ハイドロキシプロピルセルローズ(HPC)、カルボマー、カラギー
ナンなどが挙げられる。
【0075】 フィブロネクチンの含有を想定した局所投与用形態の配合物の場合は、幾つか
の品質基準を遵守すべきである。調製の全ての成分は、溶剤やゲル化剤を含めて
、創傷に対して無毒性であって投与薬剤との適合性があるべきである。最終製品
は作用部位に対して投与薬剤の最適な放出を促進し、創傷と投与薬剤との接触時
間を長くできるように十分な形状維持性があること、そしてまた無菌的であるべ
きである。
【0076】 本発明の固形包帯を使用することは用量再現性、保管・輸送・塗布の容易さに
関して特定の利点を提供する。さらに、保存剤は不要である。
【0077】 これらの固形包帯は供給部位へのゆっくりとしたフィブロネクチンの放出を提
供する。これにより1日1回のように便利な固形創傷包帯の適用が可能になる。
1日1回の適用スケジュールとその固体状の剤形のため、使い終わった薬剤を除
去するときに創傷が受ける外傷は最小限に抑さえられるはずである。
【0078】 本発明の好適な配合物はフィブロネクチンと類似の組成物、たとえば同様な寸
法の蛋白質(トロンボスポンジン、ラミニン、ビトロネクチン、フィブリノゲン
)またはもっと寸法の小さい蛋白質(たとえば成長因子を含むペプチド類)など
の組成物を有するその他の創傷治癒促進剤と併せて使用可能である。
【0079】 好適な配合物は、非上皮化皮膚サンプルを含む固定レセプターからなる体外(
in vitro)拡散細胞システムを使用して評価可能で、「非上皮化皮膚拡
散細胞システム」と題し、参照により本明細書に含まれる米国特許第5,877
,149号に詳細に開示されているように、非上皮化側を上向きにしてドナー区
画へ向け、表皮側を下向きにレセプター区画へ向ける。レセプター区画は循環緩
衝液回路へ接続し、緩衝液温度を37℃に維持し皮膚表面を約32℃とする。
【0080】
【発明の効果】
本発明により、創傷治癒促進剤、とくにフィブロネクチンの濃縮液を使用して
固形創傷包帯を開発する。フィブロネクチンを含む固形創傷包帯は適用が簡単で
、剥離が簡単で、また生理的活性量の範囲内でフィブロネクチンが供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は24時間の間に渡り異なる固体創傷包帯を使用した非上皮
化ヒト皮膚におけるフィブロネクチンの吸収を示す。丸括弧内の数字は24時間
の間における非上皮化ヒト皮膚1平方mm(mm)あたりのフィブロネクチン
吸収量(μg)を表わす。鈎括弧内の数字は包帯の単位重量あたり吸収された生
理食塩水(0.9%NaCl)の量を表わす。バーは平均(値)の標準偏差(値
)を示す。
【図2】 図2は新規な肉芽組織形成で、フィブロネクチン−アルギン酸カ
ルシウム包帯による治療に応答させたときの最大高さ(μm)を7日間の治療後
に計ったものを示す。6mm直径の包帯を手術時に適用した。アルギン酸包帯(
Kaltostat)、コラーゲン−アルギン酸包帯(Fibracol)、フィブロネクチン−
アルギン酸カルシウム包帯を潰瘍部に載置して40μlの生理食塩水で湿潤した
。対照治療(†“生理食塩水”で示す)は40μlの生理食塩水単独で治療した
潰瘍である。閉鎖包帯(Tegaderm)を使用して創傷の乾燥を防止した。フィブロ
ネクチン−アルギン酸カルシウム包帯(n=53)は生理食塩水(P<0.00
01,n=37)、アルギン酸(p<0.0001,n=61)、またはコラー
ゲン−アルギン酸(P<0.0001,n=11)より有意に良好だった。Stud
entの両側t検定で、アルギン酸とコラーゲン−アルギン酸包帯(P=0.10
52)の間には相違が見られなかった。バーは平均値の標準偏差値を表わす。
【図3】 図3はフィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯でもって治
療したときに応答して7治療日後に形成された新規な肉芽の体積を示す。6mm
直径の包帯を手術時に適用した。アルギン酸包帯(Kaltostat)、コラーゲン−
アルギン酸包帯(Fibracol)、フィブロネクチン−アルギン酸カルシウム包帯を
潰瘍部に載置して40μlの生理食塩水で湿潤した。対照となる治療(†“生理
食塩水”で示す)は40μlの生理食塩水単独で治療した潰瘍である。閉鎖包帯
(Tegaderm)を使用して創傷の乾燥を防止した。フィブロネクチン−アルギン酸
カルシウム包帯(n=53)は新規の肉芽組織形成を刺激する上で生理食塩水(
P<0.0003,n=37)、アルギン酸(P<0.002,n=61)また
はコラーゲン−アルギン酸(P<0.03,n=11)包帯と比較して有意に良
好だった。Studentの両側t検定で、アルギン酸とコラーゲン−アルギン酸包帯
の間(P=0.4424)には相違が見られなかった。バーは平均値の標準偏差
値を表わす。
【図4】 図4は新規の肉芽組織形成で、1.0%フィブロネクチン・カル
ボマー・ハイドロゲルに応答させたときの7治療日後に測定した最大高さ(μm
)を示す。フィブロネクチンは0.281%カルボマー・ハイドロゲル(40μ
l中に400μgのフィブロネクチンを含む)として手術時及び以後7日間の間
毎日適用した。対照となる創傷へ適用した局所用配合物の量も(生理食塩水と0
.281%カルボマー・ハイドロゲル)40μlとした。防腐用ツルグラ包帯(
Bactigras)と非接着性吸収包帯(Melolite)を使って創傷の乾燥を防止した。
1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲルによる治療(n=45)
は生理食塩水(P=0.01,n=43)、または新規肉芽組織形成を刺激する
上でフィブロネクチンを含まないカルボマー・ハイドロゲル(P=0.001,
n=43)より有意に優れていた。Studentの両側t検定で、生理食塩水とカル
ボマー・ハイドロゲルとの間(P=0.1752)には相違が見られなかった。
バーは平均値の標準偏差値を表わす。
【図5】 図5は1.0%フィブロネクチン−カルボマー・ハイドロゲルに
応答させたときの7治療日後の新規の肉芽組織量を示す。フィブロネクチンは0
.281%カルボマー・ハイドロゲル(40μl中に400μgのフィブロネク
チンを含む)として手術時及び以後7日間の間毎日適用した。対照となる創傷に
適用した局所用配合物の量(生理食塩水と0.281%カルボマー・ハイドロゲ
ル)も40μlとした。防腐用ツルグラ包帯(Bactigras)と非接着性吸収包帯
(Melolite)を使って創傷の乾燥を防止した。1.0%フィブロネクチン−カル
ボマー・ハイドロゲル治療(n=45)は生理食塩水(P=0.0285,n=
43)、新規肉芽組織形成を刺激する上でフィブロネクチンを含まないカルボマ
ー・ハイドロゲル(P=0.0238,n=43)と比較した場合有意に優れて
いた。Studentの両側t検定で、生理食塩水とカルボマー・ハイドロゲル単独と
の間(P=0.4152)には相違が見られなかった。バーは平均値の標準偏差
値を表わす。
【図6】 図6は実施例1にしたがって調製した各種のフィブロネクチンの
量であってフィブロネクチン−アルギン酸カルシウム・ディスクから吸収される
フィブロネクチンの量を示す。吸収はヒト非上皮化皮膚拡散細胞系を使用し24
時間後に測定した。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月2日(2002.5.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/36 A61P 17/02 47/38 A61K 37/02 A61L 15/44 A61L 15/03 A61P 7/04 A61K 37/465 17/02 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ロバート・パキン カナダ国 ケベック州 ジー6ゼット 2 ピー5、セント―ルージュ、ケミン セン ト―ジーン クリソストーム、ルー ド ラ ロレーヌ (72)発明者 ベノイト・ラリヴィエール カナダ国 ケベック州 ジー7エー 3エ ルアイ、セント―ニコラス、ルー ロール コナン、312 Fターム(参考) 4C076 AA76 AA77 BB31 CC14 EE30A EE31A EE36A FF33 FF68 4C081 AA02 AA12 BA11 BA12 CD021 CD041 CD051 DA04 DA05 4C084 AA02 AA03 BA44 CA17 CA18 DB52 DC11 MA02 MA11 MA63 NA10 NA12 ZA531 ZA532 ZA891 ZA892

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効量のフィブロネクチンを含む固体包帯。
  2. 【請求項2】 少なくとも重量で0.5%から1.0%のフィブロネクチン
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体包帯。
  3. 【請求項3】 前記フィブロネクチンは血漿フィブロネクチン、組み換えフ
    ィブロネクチン、血漿フィブロネクチンの生物学的活性フラグメント、および組
    み換えフィブロネクチンの生物学的活性フラグメントを含むことを特徴とする請
    求項2に記載の固体包帯。
  4. 【請求項4】 前記フィブロネクチンを前記包帯に組み込む前と後で前記フ
    ィブロネクチンが実質的に同じ生物学的活性を有することを特徴とする請求項3
    に記載の固体包帯。
  5. 【請求項5】 前記フィブロネクチンはヒトフィブロネクチンであることを
    特徴とする請求項3に記載の固体包帯。
  6. 【請求項6】 前記フィブロネクチンはヒト以外の動物由来のフィブロネク
    チンであることを特徴とする請求項3に記載の固体包帯。
  7. 【請求項7】 フィブロネクチン以外で有効量の創傷治癒促進剤をさらに含
    むことを特徴とする請求項3に記載の固体包帯。
  8. 【請求項8】 前記フィブロネクチン以外の創傷治癒促進剤は、トロンボス
    ポンジン、ラミニン、ビトロネクチン、フィブリノゲン、または成長因子から構
    成されるグループから選択されることを特徴とする請求項7に記載の固体包帯。
  9. 【請求項9】 有効量のフィブロネクチンを含む線維性包帯を含む医薬品供
    給システム。
  10. 【請求項10】 前記線維性包帯は植物多糖体を含むことを特徴とする請求
    項9に記載の医薬品供給システム。
  11. 【請求項11】 前記植物多糖体は、アルギン酸、カラギーナン、及びセル
    ロース誘導体から構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1
    0に記載の医薬品供給システム。
  12. 【請求項12】 前記有効量のフィブロネクチンを含む前記線維性包帯は滲
    出性創面と接触する前は固体であり滲出性創面と接触後は少なくとも部分的にゲ
    ルであることを特徴とする請求項9に記載の医薬品供給システム。
  13. 【請求項13】 フィブロネクチン−植物多糖体包帯を含み、前記フィブロ
    ネクチン−植物多糖体包帯のフィブロネクチン濃度が約80μg/mmである
    ことを特徴とする請求項11に記載の医薬品供給システム。
  14. 【請求項14】 フィブロネクチン−多糖体包帯を含み、前記フィブロネク
    チンの少なくとも80%が12時間後に非上皮化皮膚拡散細胞系の表皮層に吸収
    されることを特徴とする請求項11に記載の医薬品供給システム。
  15. 【請求項15】 前記線維性包帯は組織マトリクス系を含むことを特徴とす
    る請求項9に記載の医薬品供給システム。
  16. 【請求項16】 前記フィブロネクチンはヒトフィブロネクチンであること
    を特徴とする請求項9に記載の医薬品供給システム。
  17. 【請求項17】 前記フィブロネクチンはヒト以外の動物由来のフィブロネ
    クチンであることを特徴とする請求項9に記載の医薬品供給システム。
  18. 【請求項18】 フィブロネクチン以外で有効量の創傷治癒促進剤をさらに
    含むことを特徴とする請求項9に記載の医薬品供給システム。
  19. 【請求項19】 前記フィブロネクチン以外の創傷治癒促進剤は、トロンボ
    スポンジン、ラミニン、ビトロネクチン、フィブリノゲン、または成長因子から
    構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項18に記載の医薬品
    供給システム。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の固体創傷包帯を作成する方法であって a)不溶性繊維の分散とフィブロネクチンの溶液を混合して均質混合物を作成
    するステップと、 b)前記ステップの均質混合物を凍結乾燥して固体創傷包帯を作成するステッ
    プと を含むことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 不溶性繊維の前記分散はある程度の可溶性繊維を含むこと
    を特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記不溶性繊維はある条件下では可溶性であることを特徴
    とする請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記フィブロネクチン溶液は10mg/mlの濃度を有す
    ることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ステップa)とb)は無菌環境下に行なわれ、さらに
    c)ステップb)の前記固体創傷包帯を無菌環境下に滅菌容器に入れて封止す
    るステップ をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
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