JP2003507074A - 構成的植物v−atpアーゼプロモーターにより制御される植物遺伝子発現 - Google Patents

構成的植物v−atpアーゼプロモーターにより制御される植物遺伝子発現

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Abstract

(57)【要約】 選択遺伝子および耐性遺伝子を発現させるためには、可能ならば、すべての植物組織または細胞型で、強力かつ相同な構成的活性を有し、さらにストレス条件下でさらに活性となるかまたは抑制されることのない利用可能な植物構成的プロモーターを有することが望ましい。本発明は、異種遺伝子に機能的に結合した植物V-ATPアーゼプロモーターを含むDNA合成に関する。また本発明は、発現カセット、組換えベクターの形態で、トランスジェニック植物、植物細胞またはプロトプラストにおいてこれらの合成を使用することに関する。特に本発明は、テンサイのV-ATPアーゼサブユニットcアイソフォーム2のプロモーターに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】構成的植物V-ATPアーゼプロモーターの制御下での植物遺伝子発現 本発明は、異種遺伝子に機能的に連結される植物V-ATPアーゼプロモーターを
包含するDNA構築物に関する。さらに本発明は、トランスジェニック植物、植物
細胞またはプロトプラストにおいて、発現カセット、組換えベクターの形態でこ
れらの構築物を使用することに関する。特に、本発明は、テンサイのV-ATPアー
ゼサブユニットcアイソフォーム2のプロモーターに関する。
【0002】 遺伝子工学的方法により、外来遺伝子を植物のゲノム中に特異的に転移させる
ことが可能である。この方法を形質転換法と呼び、得られた植物をトランスジェ
ニック植物と呼ぶ。外来遺伝子を植物において発現させる場合、プロモーターの
選択が重要な要素となることが多い。特定の非生物的刺激もしくは生物的刺激に
対する応答としてのみ、または特定の組織における局所的発現に対する応答とし
てのみ、遺伝子を発現させることが望ましい場合もあるが、他の遺伝子は構成的
に、すなわち、植物全体において、常時かつ全組織で発現されることが好ましい
【0003】 特定の刺激によって誘導されうる発現についての例としては、損傷誘導(例え
ば、WO 93/07279に記載されており、ジャガイモについてはEP 0 375 091 A1に記
載されている)、もしくは化学的誘導(WO 95/19443(Wardら (1993) Plant Molec
ular Biology 22, 361-366)に記載されており、例えば、サリチレートによる誘
導(EP 0 337 532 B1により公知である))、もしくは光誘導(Fluhrら (1986) S
cience 232, 1106-1112およびWO 91/05054)、ならびに温度依存的誘導(EP 0 337
532 B1にも記載されており、トマトについてWO 96/12814に記載されている)が
挙げられる。
【0004】 細胞および組織特異的発現の例としては、種子、塊茎および果実特異的発現(E
dwardsおよびCoruzziによる概説、(1990) Annu. Rev. Genet. 24, 275-303およ
び US 5,753,475を参照されたい)が挙げられる。
【0005】 師部特異的発現(Schmullingら (1989) Plant Cell 1, 665-670)、根粒特異的
発現(DE 3702497)および分裂組織特異的発現(Itoら (1994) Plant Molecular Bi
ology 24, 863-878)もまた知られている。
【0006】 遺伝子の構成的発現の制御を引き起こすプロモーターを、例えば、形質転換植
物細胞の選択(トランスジェニック植物における選択マーカー遺伝子の発現、抗
生物質耐性植物細胞の作製)、または除草剤寛容植物、殺虫剤寛容植物および病
原体ストレス耐性植物の作製に用いることができる。これは、プロモーターによ
って制御される遺伝子産物が、植物の全ての部分に存在することによる。
【0007】 他の農学的、医薬的意義またはその他の意義を有する外来遺伝子を、種々の植
物において、例えば異種組換えタンパク質の産生および哺乳動物ポリペプチドを
含有する植物の作製のために発現させることができる。また内因性植物遺伝子の
空間および時間に関する発現パターンの量を、構成的に活性なプロモーターを用
いて有利に改変することができる。
【0008】 植物遺伝学において最も頻繁に使用される構成的プロモーターは、ウイルスの
35S CaMVプロモーターである(Franckら (1980) Cell 21, 285-294)。このプロモ
ーターは、転写エフェクターに対する種々の認識配列を含む。これらの認識配列
は全体として、導入されている遺伝子の構成的な発現を生じさせる(Benfeyら (1
989) EMBO J. 8, 2195-2202)。
【0009】 ウイルス起源の他の構成的プロモーターとしては、例えば、ゴマノハグサモザ
イクウイルスプロモーター(EP 0 426 641に記載されている)、オーストラリアバ
ナナ感染バドナウイルスプロモーター(WO 99/00492)およびサトウキビ菌状(ba
cilliform)ウイルスプロモーター(WO 99/09190に記載)が挙げられる。
【0010】 植物固有の構成的プロモーターとしては、例えば、トウモロコシALSプロモー
ター(WO 96/07746)、イネアクチン1プロモーター(McElroyら, Plant Cell 2, 16
3-171, 1990, US 5,641,876)、コムギプロリン-リッチ(proline-rich)タンパク
質プロモーター(WO 91/13991に記載)、ラズベリーDRUプロモーター(WO 97/27307
)およびムラサキウマゴヤシH3ヒストンプロモーター(WO 97/20058)が挙げられる
【0011】 選択遺伝子および耐性遺伝子を発現させるためには、可能ならばすべての植物
組織または細胞型で、強力かつ均一な構成的活性を示し、さらにストレス条件下
でより高い活性をも示すかまたは抑制されることのない、利用可能なプロモータ
ーがあることが望まれる。有利には、これらのプロモーターは植物病原体に由来
するもの(35S CaMVプロモーターのように)ではない。なぜならば、これらの発現
は種々の植物組織で異なることもあると考えられるからである。
【0012】 ストレス因子による構成的35Sプロモーターの調節は、まだ報告されておらず(
多くの場合、CaMV35Sプロモーターに他のストレス誘導性プロモーターのエレメ
ントを連結させる);多くのストレス誘導プロモーターは、標準的条件下で実質
的に検出不可能な発現のみを示し(これは不利益である)、それぞれの誘導的スト
レス条件下でのみ強力に誘導される。従って、それらは、多くの用途に適してい
ない。
【0013】 WO 94/21793は、環境条件によってモジュレートされる構成的プロモーターに
ついて記載する。これは、熱およびホルモンショック、損傷、ならびに生物的誘
導および感染によって誘導される、タバコ由来の構成的プロモーターである。WO
94/21793は、このプロモーターを作物保護剤の選択またはストレス状態からの
植物の保護に使用することを提案する。
【0014】 さらなる例として、EP 0 559 603は、カリフラワー熱ショックタンパク質hsp8
0の構成的プロモーターについて記載する。またこのプロモーターの一部分は、
異種性の非構成的プロモーター(例えば、誘導性プロモーター、他の手段によっ
て調節され得ることができるプロモーター、または不活性化プロモーターの場合
)における構成的発現を導くことができる。さらにEP 0 559 603は、昆虫に対す
る耐性を媒介する遺伝子、除草剤耐性遺伝子、抗微生物性遺伝子、抗真菌性遺伝
子、抗ウイルス性遺伝子および摂食阻害性遺伝子は、このプロモーターの制御下
に存在しうることを記載する。hsp80プロモーターは、非常に高い構成的活性を
有するが、しかしながら、この活性はストレス条件下でわずかに上昇するのみで
あり、不利である。
【0015】 V型H+-ATPアーゼ(V-ATPアーゼ)は、高等植物の細胞において重要な役割を果た
し、トノプラストにおける電気化学的H+勾配の確立に実質的に寄与している。V-
ATPアーゼは、トノプラストの全タンパク質の大きな部分(7〜35%)を占める(Kli
nkら (1990) Bot. Acta 103, 24-31; Fischer-Schliebsら (1997) Biol. Chem.
378, 1131-1139)。さらに、V-ATPアーゼはまた、ゴルジ小胞の膜に見出されてい
る。このように、V-ATPアーゼは、大きな中心的な液胞を含まない細胞において
比較的強く発現される。植物V-ATPアーゼは、少なくとも10個の異なるサブユニ
ットから成り、規定の化学量論において、これらのサブユニットは、約500,000k
Dのくぼみのある酵素(hollow enzyme)を形成する。小胞ピロホスファターゼ(V-P
Piアーゼ)(これは、同じ内上に発現されている場合が多い)に加えて、V-ATPア
ーゼは、細胞分裂、細胞伸長および小胞内への代謝産物または塩の蓄積などの過
程において中心的な役割を果たす。
【0016】 種々の植物(テンサイ、タバコ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラント(Me
sembryanthemum crystallinum))における複数のV-ATPアーゼ遺伝子の発現制御に
関する研究により、少なくともいくつかのV-ATPアーゼ遺伝子は転写産物量に関
しては協調的な発現を示すことが示された(Rauschら (1996) J. Plant Physiol.
148: 425-433; Lowら (1996) Plant Physiol. 110: 259-265; LowおよびRausch
(1996) J. Exp. Bot. 47: 1725-1732; Kirschら (1996) Plant Mol. Biol. 32:
543-547; Lehrら (1999) Plant Mol. Biol. 39: 463-475)。
【0017】 本発明の目的は、先行技術の植物プロモーターまたはウイルスプロモーターよ
りも向上した特性を示し、かつ塩ストレスおよび他の生物的因子もしくは非生物
的要因によってモジュレートされる、全ての植物器官における強力な構成的遺伝
子発現を可能にする植物の構成的プロモーターを含有する新規なDNA構築物を提
供することである。特に、該DNA構築物は、選択マーカーおよび耐性遺伝子の発
現に適することが意図される。
【0018】 本発明者らは、この目的が、異種遺伝子に機能的に連結された植物V-ATPアー
ゼプロモーターまたはその機能的等価物が存在するDNA構築物によって達成され
ることを見出した。本発明に従えば、この植物V-ATPアーゼプロモーターは、プ
ロモーターとしての機能的な活性を維持している欠失型もしくはハイブリッド型
V-ATPアーゼプロモーターであってもよい。
【0019】 植物V-ATPアーゼプロモーターは、双子葉植物または単子葉植物のいずれかに
由来するものであってよく、例えばテンサイ、タバコ、オオムギ、イネ、ジャガ
イモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、モロコシ、ニ
ンジン、トウモロコシ、アイスプラント、またはシロイヌナズナに由来するもの
であってよい。
【0020】 植物V-ATPアーゼプロモーターは、好ましくはテンサイのV-ATPアーゼサブユニ
ットAのプロモーター(配列番号3)、テンサイのV-ATPアーゼサブユニットcアイ
ソフォーム1のプロモーター(配列番号2)、またはテンサイのV-ATPアーゼサブ
ユニットcアイソフォーム2のプロモーター(配列番号1)である。
【0021】 本発明のさらなる目的は、上述のタイプの新規な植物の構成的プロモーターを
提供することである。
【0022】 本発明者らは、この目的を、テンサイのV-ATPアーゼサブユニットcアイソフォ
ーム2のプロモーター(配列番号1)の配列を包含するポリヌクレオチドまたはそ
の機能的等価物を含むポリヌクレオチドによって達成した。
【0023】 本発明の適当な実施形態は、従属する請求項において特性付けられている。
【0024】 従って、本発明のDNA構築物は、第1のプロモーターと異なる様式で調節するこ
とができる第2のプロモーターを含むことができ、これにより、より柔軟な発現
制御が可能になる。さらに、少なくとも1つのさらなるピリミジン鎖をプロモー
ターに挿入することができ、これはプロモーター活性に作用する。
【0025】 本発明のDNA構築物は、発現カセットであることが好ましい。異種的に発現さ
れる遺伝子が、選択マーカーまたは耐性媒介遺伝子であることがさらに好ましい
。かかる異種遺伝子の例としては、殺虫性毒素(例えば、チューリングエンシス
桿菌(Bacillus thuringiensis)の殺虫性毒素など)、除草剤耐性遺伝子、抗微生
物性遺伝子、抗真菌性遺伝子、抗ウイルス性遺伝子および摂食阻害性遺伝子が挙
げられる。他の好適な遺伝子としては、例えば、選択遺伝子、リポーター遺伝子
またはキラー遺伝子がある。選択遺伝子の例としては、ネオマイシントランスフ
ェラーゼ遺伝子、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子もしくはホ
スフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子などの抗生物質に対する耐
性遺伝子、あるいはグルホシネート、ブロモキシニル、スルホンアミドもしくは
グリホセート耐性遺伝子などの除草剤耐性遺伝子が挙げられる(GlickおよびThom
pson, Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, CRC Press Lo
ndon, 第6,7章, ページ 71-119を参照されたい)。リポーター遺伝子の例として
は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダ
−ゼ(GUS)、ルシフェラーゼ(LUC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはタウマチン
をコードする遺伝子が挙げられる。キラー遺伝子の例としては、バルナ−ゼ(bar
nase)遺伝子、TA29遺伝子またはジフテリア毒素遺伝子が挙げられる(さらなる情
報については、「Transgenic Plants」, E. GaulunおよびA. Breiman, Imperial
College Press, London, 1997を参照されたい)。
【0026】 本発明は、さらに本発明のDNA構築物を有する組換えベクターを提供する。こ
のベクターは、取り扱いが容易なシャトルベクターであってもよい。
【0027】 本発明の他の態様では、組換えベクターは、発現ベクターである。また、形質
転換された微生物(例えば形質転換されたアグロバクテリウム・ツメファシエン
ス(Agrobacterium tumefaciens))は組換えベクターと共に提供され得る。
【0028】 本発明の好ましい実施形態は、本発明のDNA構築物をそのゲノムに含有するト
ランスジェニック植物細胞またはプロトプラストに関する。このトランスジェニ
ック植物細胞またはプロトプラストは、単子葉植物および双子葉植物の双方に由
来するものであり得る。好ましい細胞またはプロトプラストは、テンサイ、タバ
コ、オオムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コム
ギ、アブラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロ
イヌナズナに由来するものである。
【0029】 特に好ましいものは、本発明のDNA構築物をそのゲノムに含有する本発明のト
ランスジェニック植物である。該トランスジェニック植物は、単子葉植物および
双子葉植物の両方であってよい。特に好ましいものは、テンサイ、タバコ、オオ
ムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブ
ラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズ
ナなどの植物である。
【0030】 さらに、本発明は、植物細胞またはプロトプラストにおいて異種遺伝子の発現
を制御するための方法を提供する。該方法は、全ての植物組織内での、塩ストレ
スおよび他の生物的または非生物的な要因によって調節される強い構成的遺伝子
発現を可能にするものである。本発明の方法は、まず細胞またはプロトプラスト
を本発明のDNA構築物(例えば、発現カセット)で形質転換し、続いて形質転換
された細胞またはプロトプラストを、該DNA構築物により形質転換された異種遺
伝子の発現を効率的に制御するような生物的または非生物的ストレスに曝露する
ことを含む。かかるストレスは、塩ストレス(例えば、NaClまたはKClによるも
の)、リン酸の欠如、窒素の欠如、ショ糖の欠如、損傷、感染、温度、乾燥、除
草剤または機械的ストレスの形で起こり得る。本発明によると、該方法に用いら
れる植物細胞またはプロトプラストは、単子葉植物または双子葉植物から得るこ
とができ、好ましくは,テンサイ、タバコ、オオムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマ
ワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、モロコシ、ニンジン、ト
ウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナに由来するものである。
【0031】 本発明の方法は、植物内での異種遺伝子の発現を制御するために用いることも
できる。該方法は、本発明のDNA構築物で形質転換された細胞またはプロトプラ
ストを再生させてトランスジェニック植物とし、続いて該トランスジェニック植
物を、該DNA構築物により形質転換された異種遺伝子の発現を効率的に制御する
ような生物的または非生物的ストレスに曝露することを含む。かかるストレスは
、塩ストレス(例えば、NaClまたはKClによるもの)、リン酸の欠如、窒素の欠
如、ショ糖の欠如、損傷、感染、温度、乾燥、除草剤または機械的ストレスの形
で起こり得る。該方法に用いられるトランスジェニック植物は、単子葉植物また
は双子葉植物から得ることができ、好ましくは、テンサイ、タバコ、オオムギ、
イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、
モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナから
得ることができる。
【0032】 さらに、本発明は、植物細胞またはプロトプラストにおける組換えタンパク質
の効率的産生を可能にする方法を提供する。このためには、細胞またはプロトプ
ラストを本発明のDNA構築物で形質転換し、それに続いて、形質転換された細胞
またはプロトプラストを、該DNA構築物により形質転換された組換えタンパク質
を発現させるような生物的または非生物的ストレスに曝露する。かかるストレス
は、塩ストレス(例えば、NaClまたはKClによるもの)、リン酸の欠如、窒素の
欠如、ショ糖の欠如、損傷、感染、温度、乾燥、除草剤または機械的ストレスの
形で起こり得る。続いて、このようにして産生されたタンパク質を植物細胞また
はプロトプラストから当技術分野で公知の方法により単離することができる。こ
の方法に用いられる植物細胞またはプロトプラストは、単子葉植物または双子葉
植物に由来してよい。特に好ましい植物細胞またはプロトプラストは、テンサイ
、タバコ、オオムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ
、コムギ、アブラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまた
はシロイヌナズナに由来するものである。
【0033】 さらに、本発明は、植物における組換えタンパク質の効率的産生を可能にする
方法を提供する。該方法は、本発明のDNA構築物で形質転換された植物またはプ
ロトプラストを再生させてトランスジェニック植物とし、続いて、得られたトラ
ンスジェニック植物を、DNA構築物により形質転換された組換えタンパク質を発
現させるような生物的または非生物的ストレスに曝露することを含む。該ストレ
スは、塩ストレス(例えば、NaClまたはKClによるもの)、リン酸の欠如、窒素
の欠如、ショ糖の欠如、損傷、感染、温度、乾燥、除草剤または機械的ストレス
の形で起こり得る。続いて、この方法で産生されたタンパク質を、植物から単離
することができる。該方法に用いる植物は、単子葉植物でもよく、または双子葉
植物でもよい。特に好ましい植物は、テンサイ、タバコ、オオムギ、イネ、ジャ
ガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、モロコシ、
ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナなどの植物であ
る。
【0034】 さらに、本発明は、植物、植物細胞、またはプロトプラストにおいて組換えタ
ンパク質を産生するための本発明のDNA構築物の使用を包含する。本発明はまた
、本発明の方法のいずれか1つにより産生される組換えタンパク質も包含する。
【0035】 しかし、本発明のDNA構築物は、生物的または非生物的ストレス下で植物内に
おいて遺伝子を発現させるために用いることもできる。さらに、本発明の植物の
V-ATPアーゼプロモーターは、生物的または非生物的ストレス下で植物内におい
て遺伝子を発現させるために用いることもできる。このプロモーターはまた、V-
ATPアーゼプロモーターの欠失のある形態またはハイブリッド形態で用いること
もできる。双子葉植物または単子葉植物に由来する本発明の植物のV-ATPアーゼ
プロモーターを用いることができる。テンサイ、タバコ、オオムギ、イネ、ジャ
ガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、モロコシ、
ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナに由来する植物
のV-ATPアーゼプロモーターを使用することが好ましい。特に好ましいのは、テ
ンサイ(Beta vulgaris)V-ATPアーゼのサブユニットAのV-ATPアーゼプロモータ
ー(配列番号3)、テンサイV-ATPアーゼのサブユニットcのアイソフォーム1のV
-ATPアーゼプロモーター(配列番号2)またはテンサイV-ATPアーゼのサブユニ
ットcのアイソフォーム2のV-ATPアーゼプロモーター(配列番号1)である。さ
らに、少なくとも1つ以上の付加的なピリミジン鎖が、使用するプロモーター内
に挿入されていてもよい。
【0036】 さらに、本発明は、本発明のDNA構築物で形質転換された、生物的または非生
物的ストレスに耐性の植物細胞またはプロトプラストに関する。該ストレスは、
塩ストレス(例えば、NaClまたはKClによるもの)、リン酸の欠如、窒素の欠如
、ショ糖の欠如、損傷、感染、温度、乾燥、除草剤または機械的ストレスの形で
起こり得る。形質転換された塩ストレス耐性植物細胞またはプロトプラストが好
ましい。
【0037】 さらに、本発明は、本発明のDNA構築物で形質転換された、生物的または非生
物的ストレスに耐性の植物を包含する。形質転換された塩ストレス耐性植物が好
ましい。
【0038】 3種の異なるV-ATPアーゼ遺伝子は全て、テンサイのゲノムライブラリーから単
離された。Aおよびサブユニットc1についてのcDNAクローンとゲノムクローンは
、周縁のV1複合体および膜融合型V0複合体に対応するものであり、これらはすで
に報告されている(Lehr ら、Plant Molecular Biology 39, 463-475 (1999, Gen
Bank/EMBL-Datenbank: X98767, X98851, Y11038, Y11037))。
【0039】 遺伝子特異的cDNAプローブを用いたRNAブロット分析では、根、葉およびテン
サイの浮遊培養物中において、クローニングされたAおよびサブユニットc1、な
らびに本発明の目的のためにクローニングされたc2アイソフォームが発現してい
ることが示された。
【0040】 驚くべきことに、3種のプロモーター全てが非常に高い活性を示し、概して、3
5S CaMVプロモーターの活性を上回ることがわかった。
【0041】 該プロモーター中に存在するポリピリミジン配列は、この点において重要な役
割を担っていると考えられる。Aおよびc1アイソフォームはそれぞれ、ポリピリ
ミジン配列部分を2つずつ有しており、c2アイソフォームはポリピリミジン配列
部分を1つだけ有している。
【0042】 本発明のこの点において、植物V-ATPアーゼプロモーターが、植物発現カセッ
トとして用いるのに好ましいDNA構築物の構築に極めて適しているということは
、驚くべき発見であった。
【0043】 かかる発現カセットは、植物において環境の影響に支配される異種タンパク質
の発現を誘導するために用いることができる。従って、本発明は、植物または植
物細胞が、植物内において、構成的発現に加えて、植物が「要求する場合に」(
環境が変化した場合に)誘導される1種またはそれ以上の異種遺伝子を備えるこ
とを可能にする。
【0044】 テンサイ由来のV-ATPアーゼAおよびc1プロモーター、ならびに35Sプロモータ
ーに関するルシフェラーゼレポーター遺伝子の研究は、塩ストレス下でのテンサ
イ細胞培養においてなされた(Lehr ら、Plant Mol. Biol. 39, 463-475, 1999)
。プロモーター活性の誘導は、アイソフォームAおよびc1において検出された。
比較のために検討された35S CaMVプロモーター活性は、塩によって誘導されるこ
とはなく、抑制されることもない。本発明における3種のプロモーター全てがそ
のDNA配列が異なっているにもかかわらず、驚くべきことに、100mMのNaClまたは
100mMのKClにより3種のプロモーター全てが誘導されることが見出された。
【0045】 驚くべきことに、リン酸の欠如/栄養分の欠如の場合、35S CaMVプロモーター
とは対照的に、本発明のプロモーターは、そのプロモーター活性が低下しないこ
とがさらに見出された。従って、構成的発現は、理想的なことに、安定している
【0046】 対照的に、損傷によっては、このプロモーター活性は誘導されるが、35S CaMV
プロモーターは相当する条件下では誘導されない。また、ショ糖の欠如によって
、該プロモーター活性は影響を受け、すなわちc1の活性は低下するが、35S CaMV
プロモーターの活性は影響を受けないということも見出された。
【0047】 プロモーター活性は、高温(30〜35℃)または低温(2〜5℃)などの非生物的
要因によっても影響を受けることもまた見出された。
【0048】 さらに、様々な欠失を該プロモーター中に導入することができ、かかる欠失に
より、該プロモーターが、a)活性の増加、b)元のプロモーターの活性と実質的に
等しい活性、c)活性の低下、d)元のプロモーターに比べて、ストレス条件下にお
ける誘導性の向上、またはe)元のプロモーターに比べて、ストレス条件下におけ
る誘導性の低減、のうちいずれかを示すようになる。
【0049】 「機能し得る形で連結した」という用語は、その構成要素の正常な機能が発揮
され得るように配置されていることを意味する。従って、制御配列と「機能し得
る形で連結している」コード配列は、コード配列は該制御配列の制御下において
発現され得る構成にあることを指す。
【0050】 「制御配列」という用語は、宿主生物において機能し得る形で連結されたコー
ド配列を発現させるために必要なDNA配列のことである。例えば、原核細胞に適
した制御配列は、プロモーター、場合によってはオペレーター配列、リボゾーム
結合部位、および可能であれば、まだあまりよく解明されていない他の配列を含
有する。真核細胞では、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハン
サーがこれに含有されることが公知である。
【0051】 「遺伝子」という用語は、単離可能な生物活性のあるポリペプチド、または前
駆体をコードするDNA配列のことをいう。ポリペプチドは、全長の配列によりコ
ードされてもよく、または、酵素活性が維持される長さのコード配列の任意の一
部分によりコードされてもよい。
【0052】 従って、本発明の1態様は、異種遺伝子と機能し得る形で連結した、植物V-ATP
アーゼプロモーターまたはその機能的等価物を含むDNA構築物である。プロモー
ター配列には、その活性には実質的な影響がない小さな変化(例えば、遺伝暗号
の縮重による変化など)が存在してもよいことが公知である。従って、本発明は
、異種遺伝子と機能し得る形で連結した、植物V-ATPアーゼプロモーターの「機
能的等価物」にも関する。
【0053】 「機能的等価物」という用語は、DNA配列に相補的な全てのDNA配列であって、
ストリンジェントな条件下で基準配列とハイブリダイズし、かつ植物V-ATPアー
ゼプロモーターの活性と同様の活性を示す、DNA配列を特徴付けるものである。
【0054】 「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、60℃にて2.5×SSC
バッファー中でハイブリダイゼーションが起こり、さらにその後の37℃でより低
いバッファー濃度での洗浄ステップを繰り返してもハイブリダイゼーションが安
定に保たれるような条件を意味すると理解されたい。
【0055】 「異種遺伝子」とは、植物V-ATPアーゼのA、c1、もしくはサブユニットc2以外
のペプチドまたはタンパク質をコードするDNA配列のことである。
【0056】 「欠失型またはハイブリッド型のV-ATPアーゼプロモーター」という用語は、
欠失を有するか、またはその構成が変化しているが、プロモーター活性は依然と
して有しているV-ATPアーゼプロモーターのことである。
【0057】 本発明は、図面と関連させて、より詳細に以下に記載する。
【0058】I. テンサイ(Beta vulgaris L.)のゲノムライブラリー作製法 ゲノムライブラリーの作製 ゲノムライブラリーは、テンサイ3A39111型の葉を材料として、Stratageneの
「λFixII/ XhoIパーシャルフィルイン(Lambda FixII/ XhoI partial fill-in)
」ベクターで構築した。
【0059】 「λFixII/ XhoIパーシャルフィルインキット」を使用すると、労力を要する
アガロースゲルによるサイズ分画をしなくとも、ゲノムDNA断片を効率的にクロ
ーニングすることができる。そのために、ゲノムDNAを制限エンドヌクレアーゼS
au3 AIによる部分消化に供し、KlenowポリメラーゼでdGTPおよびdATPを組込ませ
てフリーの末端を埋め合わせる。得られた3'-AG-5'突出部は、ゲノムDNA断片の
自己連結を妨害する。また、ベクター(Xho Iで消化した後、dCTP, dTTPで末端を
部分的に埋め込んだベクター)の3'-CT-5'突出部は、主要ベクター断片(スタッフ
ァー(stuffer)エレメント)の再連結を妨害する。野生型λFix IIファージ(ス
タッファーエレメントを含む)の増幅も、P2溶原性大腸菌(E.coli)株XLI-BLue MR
A(P2)を用いることにより回避される。
【0060】 このように、ここで用いる方法は、所望の範囲内のサイズの組換えゲノムクロ
ーンを極めて高収率で取得することを可能にする。
【0061】ゲノムDNAの部分消化 得られた15〜23kbの範囲内の所望のサイズの断片について、最適酵素濃度を、
試験消化により決定した。このために、個々の反応液をDNAマーカーと共に低濃
度のアガロースゲル中で分画し、平均断片サイズを決定する。電気泳動分画では
、特に高分子DNAの範囲内では移動が遅いために、断片サイズは、最大蛍光強度
で直接的に決定することはできない。むしろ、Seedら(1982)は、断片サイズが2
倍に過大評価されると主張している。従って、サイズが所望の範囲内にある断片
を得るために、ゲル電気泳動により決定した最適酵素濃度の半分だけを、調製用
の消化に用いる。
【0062】試験消化 試験消化のために、制限酵素Sau3A I(10 U/μl, Promega)を制限酵素バッファ
ー[0.1 mg/mlのアセチル化BSA (Sigma)を添加した1×buffer B (Promega)]で0.1
U/μl, 0.05 U/μl, 0.025U/μl, 0.01 U/μlの濃度に希釈し、該酵素溶液を氷
上にて保存する。25μg のCsCl2で精製したゲノムDNAをTEバッファーに溶かし、
それを反応バッファー(上記参照)で総容量1.125 mlになるように再懸濁して、22
5μlずつのアリコートにして反応管中で氷上にて保存する。該DNA溶液(各DNA5p
g)を水浴中で37℃にて約20分予め加温して、制限酵素溶液25μlを添加し、それ
ぞれの反応を開始させる。対照サンプルには、純粋なバッファー溶液25μlを添
加する。消化は37℃にて2分間実施し、0.5MのNa2EDTAを10μl添加することによ
り停止させる。その後、1容量のイソプロパノールと0.1容量の3Mの酢酸ナトリ
ウム(pH7)を添加してDNAを沈殿させ、70%エタノールで洗浄し、乾燥させた後
、10μlのTEバッファーに再懸濁する。
【0063】 該反応バッチをエチジウムブロマイドで染色した0.5% TAE ゲル(泳動路長 19c
m)で2V/cmで室温にて一晩、電気泳動して分離した。本実験に用いるサイズマー
カーは、Hind III消化λDNA および1kb DNAラダー(Gibco, BRL)とした。
【0064】調製用消化 調製用消化のための条件は、本質的には試験用バッチの条件に相当する。反応
を標準化するために、DNA濃度、反応バッチの総容量、および時間は変えない。
酵素濃度は、試験消化から得られたものとする。
【0065】 100μgのゲノムDNAをアリコート(上記参照)において消化する。0.11容量の1
0×STEおよび0.3容量の1×STEを添加した後、該混合物を1容量のフェノール/ク
ロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:11, v/v/v)を用いて2回抽出する。0.5
容量の7.5Mの酢酸ナトリウム、2容量の純粋エタノールを添加した後、−20℃に
て30分間で沈殿が起こる。DNAを70%エタノールで洗浄し、室温で乾燥させ、200
μlのTEバッファーでペレットを混合して再懸濁する。全ての遠心ステップは、1
2,000 gで4℃にて10分間実施する。消化物を-20℃で保存する。
【0066】 10×STEは、0.1M NaCl, 10mM Tris-HCl, pH8, 1mM Na2EDTAである。
【0067】クレノー反応 15Uのクレノーポリメラーゼ (5 U/μl, Stratagene)を含む1×埋め込み用バッ
ファー(1×クレノーバッファー: 50 mM Tris-HCl, pH 7.2, 10mM MgSO4, 0.1mM
DTT, Promega; 0.166 mM dGTP, 0.166 mM dATP)に50μgの部分消化ゲノムDNAを
入れ全容量350 μlにした。反応を0.5容量のSTEバッファー(0.1 M NaCl, 10 mM
Tris-HCl, pH 8, 1 mM Na2EDTA, pH 8)を加えることにより反応を止め、その後D
NAをフェノールとクロロホルムで処理した。0.5容量の酢酸ナトリウムと2容量の
純粋エタノールを添加した後、-70℃で30分間DNAを沈殿させ、4℃にて12,000g
で15分間遠心してペレットにし、70%エタノールで洗浄した。ペレットを乾燥さ
せて、TEバッファーに再懸濁して-20℃で保存した。
【0068】λ Fix II/Xho 一部埋め込みベクターへの連結 反応容量10μlに、1μgのλDNA (1μg/μlのλ FixII/XhoIパーシャルフィル
インベクター)およびリガーゼバッファー(10 mM Tris-HCl, pH 7.8, 10 mM MgCl 2 , 10 mM DTT, 1 mM rATP, Promega)に入った0.4μgのゲノムDNA断片を氷上で再
懸濁して、3.75 U のT4 DNAリガーゼ(15 U/μl, Promega)を添加して、6〜8℃で
一晩インキュベートした。連結効率を調べるために、対照バッチとして、上記の
条件下で、試験インサート(50 ng/μl, 12 kb pMF 試験インサート; dATP, dGTP
で一部埋め込んだBamH Iフラグメント)0.3μgを1μgのλDNAと連結させた。該D
NAを翌日パッケージングした。
【0069】λDNAのパッケージング 典型的ゲノムライブラリーを作製するために、必要とする独立クローンの総数
を、ClarkeおよびCarbon (1976)により記載された式を用いて計算した。連結反
応のアリコートをパッケージして、力価を測定し、そしてその結果を1パッケー
ジング反応当たりの独立クローンの数を計算するのに用いた。必要に応じて、さ
らなるパッケージング反応を実施した。合計で、計算された最少数の独立クロー
ンに達するようにする。
【0070】 StratageneのGigapack III Gold パッケージング抽出液(packaging extract)
を用いて、連結産物をパッケージングした。パッケージング抽出液(50μl)を手
の中で部分的に解凍し、連結バッチの1μlを加え、該混合物を氷上に保存する。
パッケージング効率を調べるために、λ対照DNA0.2μg(野生型 c1857 Sam7, 0.2
μg/μl)を同様にパッケージする。上記抽出液をピペットで注意深く再懸濁し
た後、室温で2時間インキュベートする。500 μlのSMバッファー(0.01%ゼラチ
ン、 50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 100 mM NaCl, 8 mM MgSO4)およびクロロホルム2
0μlを加えて反応を停止し、該溶液を注意深く振盪させて混合する。混合液をそ
の後、4℃にて16,000gで1分間遠心分離する。上清を反応容器に移して、使用時
まで4℃で保存する。タイタープレートは同日に調製する。
【0071】 それぞれのパッケージング抽出液の希釈率は下記のものを用いた:
【0072】ゲノムライブラリーの増幅 安定な保存培養物として-80℃で保存できる高度に濃縮したファージ懸濁液を
得るために、テンサイのゲノムライブラリーを増幅させた。増幅に必要な独立ク
ローンの最少数は、ゲノム全体に相当するものである(ClarkeおよびCarbon, 197
6)。
【0073】 増幅は、プレート(直径150 mm LB寒天プレート)上の溶解液の形で行う。必要
なパッケージング抽出液の量は、独立クローンの最少数に依存する(上記参照)。
1プレーティングバッチ当たり宿主コンピテント細胞600μlをそれぞれ50,000 p
fuで感染させて、穏やかに振盪しながら37℃にて15分間インキュベートする。ト
ップアガー6mlをプレーティングに用いる。インキュベーション時間は、37℃に
て約8時間とする。プラークのサイズは直径1〜2mmになるはずである。そして、
プレートに10mlのSMバッファーを重層し、タンブルシェーカーに乗せた冷蔵チャ
ンバー内で、可能な限り低速度で一晩インキュベートする。上清を密封可能な遠
心容器に移して、プレートを2mlのSMバッファーで洗い、上清を該容器にまとめ
る。クロロホルムを添加し(最終濃度5%)、ファージ懸濁液を室温で15分間イン
キュベートして、2000gで10分間遠心することにより菌の残渣を分離した。上清
を滅菌した容器に移し、クロロホルム(最終濃度3%)で処理すると、4℃で数ヶ月
間保存可能である。増幅したゲノムライブラリーの力価を測定した後、そのアリ
コートを7%DMSO(ジメチルスルホキシド)中で-80℃にて保存し、保存溶液とする
。力価の測定には、以下の希釈率を用いる:(直径90 mmのLBプレート): 1 × 10 -6 , 1 × 10-7, 1 × 10-8
【0074】II レポーター遺伝子のルシフェラーゼ(またはβグルクロニダーゼ)を有する V-ATPアーゼプロモーターA、c1およびc2についてのプロモーター/レポーター遺
伝子構築物をクローニングする方法 プロモーター領域を含むゲノムクローンのサブクローニング サブユニットAについて、単一型のゲノムクローンを得た。サブユニットcにつ
いては異なる2種のアイソフォームが単離された。サブユニットAのゲノムクロー
ンを配列決定分析に供するために、サブユニットAcDNAとハイブリダイズする4.3
kbのEcoRI断片(pBVA/70)を、pBluescript II SK+ベクター中にサブクローニング
した。サブユニットcについては、8 kbのXbaI/HindIII断片(pBVA/16-1) および
5 kbのEcoRV/HindIII断片を同じベクターにサブクローニングした。
【0075】プロモーター/レポーター遺伝子構築物のクローニング BVA/70プロモーター pBVA/70クローンの1.3kbのHpaII断片をクレノーポリメラーゼを用いて平滑末
端とし、pBluescriptベクターにSmaI部位で連結させてpBVA/70を得た。HindIII
とBglIIとで制限消化することにより、転写開始部位を基準にすると-28の位置に
その3'末端がある1.3kbのプロモーター断片が得られた。プロモーター-GUS融合
物を得るために、そのHindIII/BglII断片をpBI221(Clontech)のBamHI/EcoRI GUS
カセットと連結させて、その後pBluescriptベクターにクローニングしpBVA/70p-
GUSを得た。プロモーター-LUC融合物を得るために、PstI/BglIIプロモーター断
片をpCaMVLNのBamHI/HindIIIカセットの上流に連結させて、pBluescriptベクタ
ーにクローニングした。
【0076】BVA/16-1プロモーター プラスミドpBI221 (Clontech)のBamHI/EcoRI GUSカセットをpBluescriptにク
ローニングして(pBGUS)、BamHIとSalIで切り出した。転写開始部位を基準にする
と-40の位置に3'末端があるpBVA/16-1の1.3kbのPstI/BglIIプロモーター断片をG
USカセットに連結して、PstI/SalI消化pBluescriptにクローニングして、pBVA/1
6-1p-GUSを得た。プロモーター-LUC融合物は、BVA/70について記載したとおりク
ローニングした(上記参照)。
【0077】 それぞれの場合において、プラスミドpFF19GおよびpCaMVLNをGUSおよびLUCに
ついての標準物として用いた。
【0078】プロモーター/レポーター遺伝子構築物の特性解析 テンサイのV型H+-ATPアーゼのサブユニットAとサブユニットc1との相対的なプ
ロモーター活性を比較するために、約1.2kbの断片をゲノムクローンpBVA-70およ
びpBVA-16/1のコード領域の上流領域から単離した。この文脈において、プロモ
ーターという用語は、5'制御領域を特定するものであり、したがってプロモータ
ー領域のみならず、5'非翻訳リーダー領域も意味する。続いて、かかる断片を、
ファージミドベクターpBluescript II SK+のそれぞれのレポーター遺伝子カセッ
トの上流に連結した(下記参照)。該レポーター遺伝子には、大腸菌(uid A)由
来のβグルクロニダーゼ構造遺伝子に加えて、ホタル(Photinus pyralis)ルシ
フェラーゼ遺伝子(Jefferson, 1987; de Wet ら、1987)を用いた。
【0079】 プロモーター/レポーター遺伝子構築物は、いずれの場合も、用いるプロモータ
ー断片の3'末端がゲノムクローンの翻訳開始部位の30〜40bp上流にあるため、「
転写融合物」を構成する。図1は、個々の構築物の模式図である。これらの発現
ベクターは、以下pBVA-70(または16)/GUSおよびpBVA-70(または16)/LUCと称する
【0080】pBVA-70プロモーター断片の特性解析 該断片全体のサイズは1.237kbである。これは、ゲノムクローンpBVA-70の転写
開始部位(+1)を基準にすると-1035〜+202の領域を含んでおり、したがって、プ
ロモーターに加えて、隣接するリーダー領域のほとんどを含んでいる(リーダー
領域の全長は230bpである)。
【0081】pBVA-16/1プロモーター断片の特性解析 該断片全体のサイズは、1.265kbである。これは、ゲノムクローンpBVA-16/1の
転写開始部位(+1)を基準にすると-1130〜+135の領域を含んでおり、したがって
プロモーター配列に加えて、隣接するリーダー領域のほとんどを含んでいる(リ
ーダー領域の全長は174bpである)。
【0082】 図1は、構築物pBVA-70(16)/GUSおよびpBVA-70(16)/LUCの模式図である。
【0083】 ゲノムクローンpBVA-70の5'非翻訳領域の領域由来の断片(約1.25 kb)を、ファー
ジミドベクターpBluescript II SK+の各レポーター遺伝子カセットの上流に連結
した。プロモーター/GUS構築物を調製するために、ClontechのpBI-221ベクター
のBamHI/EcoRIカセットを用いた。これは、大腸菌由来のβグルクロニダーゼ構
造遺伝子に加えて、ノパリンシンターゼ遺伝子(Tiプラスミド、アグロバクテリ
ウム・ツメファシエンス)のポリアデニル化領域を有する。プロモーター/LUC構
築物は、pCaMVLNベクターのBamHI/HindIIIカセットにより得た。これは、ホタル
のルシフェラーゼ構造遺伝子およびノパリンシンターゼ遺伝子のポリアデニル化
領域を含有する。図面には、用いたプロモーター断片のゲノムクローンの切断部
位の転写開始部位(+1)を基準にした位置を示している。
【0084】BVA/16-2プロモーター/LUC構築物の作製 構築物の調製に用いる他のレポーター遺伝子は、ホタルのルシフェラーゼ遺伝
子(de Wet ら、1987;EMBL 登録番号M15077)とした。プロモーター/ルシフェラ
ーゼ構築物を調製するために、BamHI/HindIIIカセットをpCLNベクター(pCaMVLN;
Callis ら、1987)から切り出す。これは、ホタルのルシフェラーゼ構造遺伝子(
LUC)を、ノパリンシンターゼ遺伝子のポリアデニル化領域と共に含有する。この
カセットをBamHI/HindIIIで切断しておいたpBluescript II SKベクター(Stratag
ene)にクローニングする。テンサイV型H+-ATPアーゼのサブユニットc(アイソフ
ォーム2)のプロモーター/リーダー断片をpBVA/16-2 GUS(上記参照)構築物からBa
mHIを用いて切り出す。ルシフェラーゼカセットが中にクローニングされているp
Bluescript II SKベクターは、BamHIを用いて開環し、そして、突出末端を有す
るプロモーターをルシフェラーゼの上流にクローニングする。該構築物内で正し
い方向(5'→3')に向いているルシフェラーゼ遺伝子の上流にあるプロモーター断
片の位置は、様々な制限酵素消化(例えば、BamHI、SalIまたはXmnI)によって調
べる。ベクターのMCSからプロモーターへの転移、およびMCSの他の側からルシフ
ェラーゼへの転移は、「M13 Forward」および「M13 Reverse」のベクタープライ
マーを用いて配列決定することにより調べる。プロモーター/リーダーLUC構築物
は、pBVA/16-2 LUCと称する。
【0085】III. β細胞培養物中のプロモーター活性の測定方法 衝撃型(ballistic)形質転換 衝撃型形質転換法(パーティクルガン撃込み(bombardment))を採用して、テン
サイ細胞懸濁培養物中のプロモーター遺伝子構築物を一過性発現させた。これは
直接遺伝子導入方法であり、これにより細胞壁が機械的に破壊されるという事実
に基づきDNAを植物細胞に到達させる(Sanfordら(1987))。
【0086】 バイオリスティック(Biolistic)PDS-1000/He粒子送達系BIORADを用いた。
【0087】 実験の間中、圧力チャンバー中のガス圧力が上昇し、これによりバースティン
グディスク(bursting disk)が破壊される。使用するバースティングディスクの
数により、圧力チャンバー内で生成される圧力が左右される。その結果、ヘリウ
ムガスの流れが、圧力チャンバーから、前もって作製した真空チャンバーに衝撃
的に逃げる。逃げたガスの流れにより粒子被覆マクロ担体(macrocarrier)に速力
が加わり、わずか数センチ先で保持ネットにより減速される。逆に、DNA充填マ
イクロ担体(microcarrier)(ここではタングステン粒子)は、ネットの間隙を通り
抜け、植物材料にぶつかる際に細胞壁を破断する。
【0088】マイクロ担体の調製 反応容器中で、1mlの70%エタノールを30 mgのタングステン粒子(マイクロ担
体)に添加し、混合物を20秒間ボルテックスで攪拌する(vortexed)。その後10分
間のインキュベーションにより、粒子を安定させ、1300 g(ブレーキなし(unbrak
ed))で室温にて30秒間沈殿させた。上清を除去した後、粒子を500 mlの滅菌二重
蒸留H2Oで以下の通りに洗浄する。すなわち、10秒間ボルテックスで攪拌し、10
分間静置させ、1300gで30秒間ブレーキなしの遠心分離にかける。その後、沈殿
した粒子を500μlの50%グリセロールで処理し、ボルテックスで攪拌すること(vo
rtexing)により混合する。これを-20℃にて保存する。
【0089】マイクロ担体へのDNAの充填 形質転換に必要なプラスミドDNAは、不純物(タンパク質、RNA)を含まず、さら
にスーパーコイル形態で主に存在しているべきである。DNAを単離するために、
市販のプラスミドキットを使用する。粒子(マイクロ担体)を充填するために、10
〜15の最小限の回数の撃込みを想定することが推奨される。マイクロ担体は、調
製中、懸濁液中で迅速に沈殿し、容量が小さいために再懸濁しにくい。以下の容
量はそれぞれ1回の撃込み当たりの容量である。
【0090】 遠心分離ステップ以外の全てのステップをクリーンベンチ内で行う。粒子懸濁
液をボルテックスミキサー上で十分に混合し、その後9μlバッチの溶液を反応
容器に移した。1μlのプラスミドDNA(TEバッファー中1μg/μl)を、一定のボ
ルテックスによる攪拌下で添加する。混合物を氷浴中に15分間保存する。次いで
、ゆるやかにボルテックスで攪拌させながら、9μlの2.5 MCaCl2(滅菌)、3.6μ
lの1.2 mMスペルミジン(フィルター滅菌されたもの)、および18.2μlの無水エタ
ノールを連続して添加する。氷浴中での10分間のインキュベーションの後、粒子
を180gで室温にて5秒間沈殿させ、次いで上清を除去する。6.4μlの無水エタノ
ールを添加し、粒子を「指によるボルテックス(finger vortex)」により注意深く
再懸濁させ、さらに使用時まで氷浴中で保存する。
【0091】細胞材料の調製 遺伝子導入のために、使用する細胞懸濁培養物(ここでは、3〜4日目のテンサ
イ培養物)を寒天プレートに移す。形質転換効率を改善するために、マンニトー
ルおよびソルビトールを添加して培地の浸透値を上げ、この培地上で細胞を約4
時間予備インキュベートした。植物細胞の形質転換効率に対する浸透処理の効果
は、原形質分離が生じるという事実におそらくよるものでありうる(Vainら、199
3)。これにより、粒子が細胞に入った後に、細胞質がもれるのを防ぐことも可能
である (Armaleoら、1990;Sanfordら、1992)。
【0092】 遠心分離ステップ以外の全てのステップを、クリーンベンチ内で行う。この目
的のために、10 ml使い捨てピペット、ピンセット、円板状濾紙 (直径45 mm)、
ブフナー(Buchner)漏斗、および洗浄フラスコを用意する。使い捨てピペットお
よびピンセット以外の材料は予めオートクレーブにかける。Gamborg B5培地(Ing
ersollら, 1996に従って、0.5 g/lカゼイン水解物、125 mMソルビトール、125 m
Mマンニトールを補足した0.9%寒天)の入ったペトリ皿(直径50 mm)も使用した。
【0093】 ブフナー漏斗は、円板状濾紙を備える。次いで、約1mlの細胞充填容量(以下
参照)に対応する3.3 mlの懸濁培養物を、使い捨てピペットを用いて濾紙表面上
に均一に分配する。軽く真空状態にし(約2秒間)、洗浄フラスコを介して過剰量
の培地を除去する。濾紙を、栄養培地を含むペトリ皿に移し、このように調製し
た細胞を、遺伝子導入を行うまで、クリーンベンチ内で室温にて3〜4時間保存
する。
【0094】CPV決定 実験の開始時に、細胞懸濁培養物の細胞充填容量(CPV)を決定する。この目的
のために、10 mlの懸濁液を滅菌条件下で取り出し、15 ml目盛付き遠心分離管中
で1130 g(旋回バケットローター)にて5分間沈殿させる。細胞充填容量を、目盛
を参照して測定する。
【0095】形質転換 粒子懸濁液の超音波処理(以下参照)を除く全てのステップを、クリーンベンチ
内で行う。予め、パーティクルガンの内部、ならびに全ての金属およびプラスチ
ック支持体を無水エタノールできれいにする。同様に、保持ネットおよびバース
ティングディスクをエタノールで処理し、クリーンベンチ内で乾燥させる。マク
ロ担体(M-20、BIORAD)を無水エタノールに軽く浸漬させ、デジケーターに移すこ
とにより滅菌する。
【0096】 タングステン粒子懸濁液を、最大設定(Sonopuls HD60, Bandelin)にて2秒間
超音波処理し、懸濁液の5μl部分(約422μg粒子、0.78μg DNA)を、マクロ担体
表面上に注意深くピペットで移す。沈殿を防ぐために、ピペット操作ステップの
間、反応容器に指によるボルテックスを繰り返すことにより、粒子を溶液中に維
持する。次いで、デジケーターを20分間真空にする。撃込みの前に、バースティ
ングディスク(3枚のディスク)、粒子充填マクロ担体、および保持ネットを説明
書に従って固定する。懸濁培養物を充填したペトリ皿支持体のために位置3を選
択する。次いで、チャンバーを27インチ(Hg)の真空度まで真空排気し、ヘリウム
ガスを圧力チャンバー内に通す。1200 psiの圧力下において、バースティングデ
ィスクは破断する。次いで、ペトリ皿を滅菌条件下で密閉し(Parafilm)、培養物
を不変的な暗闇の中で24℃にて2日間インキュベートする。
【0097】β-グルクロニダーゼ活性の組織化学的検出 β-グルクロニダーゼ構造遺伝子の一過性発現は、組織化学的方法で検出でき
る。この目的のために、形質転換を行い、24時間のインキュベーション時間が経
過した後、懸濁培養物の濾紙をペトリ皿(直径50 mm)に移し、1mlの反応バッフ
ァー(以下参照)を上にかけた。インキュベーター内で37℃にて一晩インキュベー
ションを行う。青色に染色するゾーンの数を、立体顕微鏡を用いて40倍拡大にて
決定する。
【0098】 反応バッファーを調製するために、70 mgのX-Gluc(5-ブロモ-4-クロロ-3-イン
ドリル-β-D-グルクロン酸、Duchefa)を、500μlのジメチルスルホキシドに予備
溶解させ、該溶液を100 mlのバッファー溶液(115 mM NaH2PO4 × 2 H2O/Na2HPO4 × 2 H2O(pH 7)、10 mM Na2-EDTA、0.5 mM K3 [Fe(CN)6]、0.5 mM K4[Fe(CN)6]
)に再懸濁する。このようにして得られる反応バッファーのアリコートは、-20℃
にて数週間にわたり保存することができる。
【0099】β-グルクロニダーゼ活性およびルシフェラーゼ活性の定量法 使用するリポーター遺伝子産物の酵素活性を定量するために、生物発光および
化学発光による検出法を用いる。酵素活性を決定するために、タンパク質を予め
抽出する。その後の酵素反応において生成される「光量」を発光分光計(Berthold,
Lumat 9501)で定量する。得られる測定値は、一定時間にわたり集積された光量
を示す。測定値は、測定光単位「LU」として示す。
【0100】タンパク質抽出物の調製 「GUS-光アッセイ」(Tropix)および「ルシフェラーゼアッセイ系」(Promega)を用
いてタンパク質を抽出する。タンパク質抽出物を調製するために、懸濁培養物を
スパチュラを用いて濾紙から取り、得られたばかりの重さを測定し、次いで液体
窒素を加え、乳棒および乳鉢を用いて細胞を破壊する。抽出バッファー(500μl/
g FW)を凍結材料にピペットで移し、抽出物を解凍し、その後十分に均質化する
。先端を切り落としたピペットチップを用いて、懸濁液を氷上の反応容器に移し
、4℃にて1分間16,000 gで遠心分離する。活性を決定するまで、上清は氷上で
維持する。
【0101】抽出バッファー:(「GUS-光アッセイ」) 使用前に、バッファー溶液(GUS溶解溶液)に、βメルカプトエタノールを補充
する(最終濃度:50 mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 7)、10 mM Na2-EDTA、0.
1% SDS、0.1%Triton、10 mM βメルカプトエタノール)。使用時まで溶液を室温
で保存する。
【0102】抽出バッファー:(ルシフェラーゼアッセイ系) 5倍濃度のバッファー(細胞培養物溶解試薬)を、滅菌二重蒸留H2Oで1:5の
比で希釈し(最終濃度:H3PO4、2 mM CDTA、2 mM DTT、10%グリセロール、1%Trit
onを含む25 mM Tris-HCl (pH 7.8))、使用時まで室温にて保存する。
【0103】β-グルクロニダーゼ活性の決定 検出反応: gusA遺伝子 → β-グルクロニダーゼ β-グルクロニダーゼ アダマンチル-1,2-ジオキセタン-アリールグルクロニド → メチル-3-オキシ安息香酸(グルクロン) + 光(470 nm) + アダマンチル基
【0104】 β-グルクロニダーゼ活性を検出するために、GUS-光キット(Tropix)を用いた
。このために製造元の説明書に従った。
【0105】 タンパク質抽出物、反応バッファー、および「促進剤」を使用前に室温まで予備
加温する。20μlのタンパク質抽出物を試験管(10 ml)に移した後、反応バッファ
ー(それぞれ180μl)を時差(20秒)添加することにより、反応を開始する。バッチ
を、不変的な暗闇の中で室温にて1時間インキュベートする。次いで、それぞれ
300μlの促進剤溶液を、ピペットで反応物に移す(時差をつけて、上記参照)。溶
液を添加した直後、個々のサンプルを発光分光計(Lumat 9501, Berthold)内で、
5秒遅れで同じく5秒にわたり測定する。
【0106】陰性対照 発光分光計により測定された絶対値を、外来遺伝子の活性に直接起因すると考
えることはできない。バックグラウンド値(β-グルクロニダーゼの場合、匹敵す
る内因性活性によるものでありうる)を決定するために、上記検出方法により非
形質転換細胞懸濁培養物を調べる。この陰性対照(BV、ブランク値(blank value)
;表1aおよび表1bを参照)の測定値は、バッファー物質に起因するバックグ
ラウンド値もさらに含む。プロモーター活性を計算するために、形質転換培養物
の測定値からブランク値を引く。
【0107】反応バッファー(「GUS反応バッファー」) 使用前に、基質(グルクロン、化学発光基質)を、「GUS反応バッファー」(捕足な
し:0.1 Mリン酸ナトリウムバッファー(pH 7)、10 mM Na2-EDTA)中に1:100で希
釈する。
【0108】 ルシフェラーゼ活性決定検出反応: luc遺伝子 → ルシフェラーゼ(ホタル(Photinus pyralis)) ルシフェラーゼ + Mg2 + ATP + ルシフェリン + O2 → AMP + オキシルシフェリン + PPi +光(560 nm)
【0109】 ルシフェラーゼ活性を決定するために、ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)
を用いた。タンパク質抽出物と反応バッファーとの比率を変更した。
【0110】 タンパク質抽出物および反応バッファー(以下参照)の両方を室温まで予備加温
する。各々の場合において、20μl(100μl)のタンパク質抽出物を10 ml試験管に
移した後、100μl(50μl)の反応バッファーをサンプルに添加し、その直後に発
光分光計(Lumat 9501, Berthold)中で10秒間にわたりバッチを測定する。β-グ
ルクロニダーゼ活性の決定について上述したことに従って、形質転換培養物の測
定値を補正するために使用するブランク値を決定する。
【0111】反応バッファー(「ルシフェラーゼアッセイ試薬」) 反応バッファーを調製するために、基質(ルシフェラーゼアッセイ基質)を「ル
シフェラーゼアッセイバッファー」に溶解する(最終濃度:470μMルシフェリン、
270μM補酵素A(リチウム塩)、530μM ATP、20 mMトリジン(trizin)、1.07 mM (
MgCO3)4Mg(OH)2×5H2O、2.67 mM MgSO4、0.1 mM Na2-EDTA、33.3 mM DTT(pH 7.8
))。反応バッファーをアリコートに分け、-70℃で保存する。
【0112】相対的プロモーター活性の決定 プロモーター/リポーター遺伝子構築物におけるプロモーター活性を定量する
ために、リポーター遺伝子の一過性発現を、上記酵素的検出法により測定する。
しかし、直接遺伝子導入を用いてプロモーター活性を決定する場合、個々の形質
転換の間で得られる測定値のばらつきは、重大であることが多い。衝撃型形質転
換の場合、遺伝子導入の効率は、一方で処理後の形質転換組織の生理学的状態に
影響される。他方で、物理的要因、例えば、マイクロ担体の充填の違い、または
マクロ担体における粒子懸濁液の分布の違いも重要である。従って、測定値は測
定系の較正によりサポートされなければならない。
【0113】較正の理論 試験プラスミド 試験プロモーター:プロモーター活性を定量するために、リポーター遺伝子の
遺伝子産物の酵素活性を決定することにより、リポーター遺伝子の一過性発現を
決定する。しかし、試験プロモーターのプロモーター活性を、酵素活性決定の絶
対値として示すことができない。定量化には、構成的プロモーター(標準プロモ
ーター)との比較が必要である。
【0114】 標準プロモーター:同様の設定において、構成的プロモーター(ここでは、CaM
V 35Sプロモーター)下でのリポーター遺伝子の発現を調べる。試験プロモーター
のプロモーター活性を、活性試験プロモーター/活性標準プロモーターの比とし
て示す(標準プロモーターの活性を1とする)。標準プロモーター下のリポーター
遺伝子の発現を参照基準値として用いることにより、特に、繰り返して行う実験
結果を比較することが可能になる。
【0115】較正プラスミド(内標準) 個々の撃込み(形質転換)の形質転換効率を記録するために、マイクロ担体に、
試験プラスミドおよび較正プラスミドを同時に充填する。使用する構築物(試験
プラスミド、較正プラスミド)は、異なるリポーター遺伝子を担持するため、そ
れぞれの発現データ(酵素活性)を同時に記録することができる。
【0116】 較正プラスミドの構造遺伝子は、構成プロモーター(ここでは、CaMV d35S、強度
(strength)35Sプロモーター)の制御下にある。較正プラスミドについての測定値
(酵素活性)は、個々の撃込みの形質転換効率を反映する。1つの実験において内
標準(較正プラスミド)について得られる全ての測定値は、まとめて考慮され、同
実験で得られた最大値で割る。従って、最高測定値は、形質転換効率が1(100%
に対応)になる。形質転換効率(0〜1)は、相対的光単位「rLU」として示す。試験
プラスミド(試験プロモーター、標準プロモーター)についての調査で得られる絶
対測定値を、撃込みの形質転換効率を考慮して補正する。この目的のために、試
験プラスミドについて決定した活性を、形質転換効率で割る。補正値は、相対的
活性と呼ばれる。試験プラスミドと較正プラスミドとの比(7:3、w/w)を全て
の実験で保つ。
【0117】コピー数 同量の試験プラスミドDNAを形質転換に用いる(ここでは、1回の撃込みにつき
約0.7μg)。試験プロモーターおよび標準プロモーターの活性を比較する場合(上
記参照)、プラスミドの大きさ(すなわち、1pgの試験プラスミドDNA当たりの分
子数(コピー係数))を考慮しなければならない。1回の撃込み当たりに使用され
る標準プロモーター分子(試験プラスミド)の数は、参照値とみなし、1とする。
試験プロモーターの活性についての測定値を、(1回の撃込み当たりの)分子数を
考慮して補正する。
【0118】相対的プロモーター活性の計算 以下の実施例は、個々の計算ステップをさらに明確にするための例を示す。デ
ータは、テンサイV型H+-ATPアーゼのAサブユニットプロモーター(70 kD)(試験
プロモーター、プラスミド:pBVA-70/LUC)の相対的プロモーター活性の定量化に
ついての調査を引用する。CaMV 35Sプロモーター(プラスミド:PCaMVLN)を参照(
標準プロモーター)として用いた。両方の試験プラスミドは、ルシフェラーゼ構
造遺伝子(LUC)を担持している。形質転換効率を記録するために、較正プラスミ
ドpFF19Gを同時形質転換に用いた。これは、強化された35S CaMVプロモーターの
制御下で、β-グルクロニダーゼ構造遺伝子(GUS)を担持する。
【0119】 以下の試験プラスミド×較正プラスミドの組合せを使用した: 1.試験プロモーター:70 kD UE-ATPアーゼ(pBVA-70/LUC)× CaMV d35S (pFF19G) 2.標準プロモーター:CamV 35S (PcAMVLN)×CaMV d35S(pFF19G)
【0120】
【0121】 バックグラウンド活性:形質転換細胞の酵素活性(LUCおよびβ-GUS活性)の測
定において得られた絶対値を、陰性対照の測定値を考慮することにより補正した
(絶対値−ブランク値(BV))。LUC活性についてのブランク値は103LUであった。GU
S活性のブランク値は6448LUであった。示すLU(光単位)は、使用されたタンパク
質抽出物の量(ここでは20μl)を指す。形質転換効率:内標準CaMV d35S/GUSにつ
いての最高測定値(GUS活性)、従って最高形質転換効率はプレート3で得た。そ
れぞれの形質転換効率を考慮することにより、残る形質転換バッチのLUC活性に
ついての値を補正した。
【0122】
【0123】 試験プロモーターの活性を計算するため、相対的ルシフェラーゼ活性の平均値
(表1aを参照)を、分子数(コピー係数)(以下参照)を考慮することにより補正す
る。ここで、試験プロモーターの相対的強度が、試験プロモーターの活性と標準
プロモーターの活性との間の比として表される。本実施例では、0.49の値が、テ
ンサイV型H+-ATPアーゼのサブユニットAプロモーターの相対的プロモーター活
性について得られた。
【0124】
【0125】IV.衝撃型形質転換のためのプラスミド構築物の構築 図2は、構築物pBVA-70/LUCの構築を示す。ルシフェラーゼ構築物pBVA-70/LUC
を得るために、テンサイV型H+-ATPアーゼのサブユニットAについての遺伝子の
5’-調節領域(1236 bp)を、PstI/BglII消化により、プラスミドpBVA-70から遊離
した。次いでゲノム断片を、PstI/HindIII切断部位を介してベクターpCaMVLNのB
amHI/HindIIIカセットの上流にあるベクターpBluescript SKII+(Stratagene)に
クローニングした。カセットは、ルシフェラーゼ構造遺伝子、およびノパリン合
成酵素遺伝子のポリアデニル化領域を含む。ベクター領域(■)は、BVA-70プロモ
ーター/LUC/CaMV/ターミネーターカセットにおいて特に強調されている。
【0126】 図3は、構築物pBVA-16/LUCの構築を示す。ルシフェラーゼ構築物pBVA-16/LUC
を得るために、ゲノムサブクローンpBVA-16/1のPstI/BglII断片(図2に記載)を
、PstI/HindIII切断部位を介してベクターpCaMVLNのBamHI/HindIIIカセットの上
流にあるベクターpBluescript II SK+(Stratagene)にクローニングした。図2の
凡例を参照されたい。
【0127】V.V-ATPアーゼプロモーターA、c1およびc2についてのクローニングされた 5’側欠失の表現 BVA/16-2プロモーター/LUC構築物のプロモーター欠失 プロモーター欠失のための開始構築物は、プロモーター/リーダールシフェラ
ーゼ構築物pBVA/16-2LUCである。この構築物は、1923 bpを有する全プロモータ
ー領域、およびさらに87 bpのリーダー領域を含む(-1923から+87=2010 bp)。AT
Pアーゼプロモーターは、「エキソヤエナリ(Exo Mung Bean)欠失キット」(Stratag
ene, 1997)の助けを借りて、5’末端から欠失される。
【0128】 図4は、BVA/16-2プロモーター欠失を示す。図面の一番上の行は、リーダーか
ら翻訳開始(ATG)におよぶ元々のゲノムクローンpBVA/16-2のプロモーター領域を
示す。転写開始は、+1として示す。個々の欠失クローンは、模式的に下に示し
、欠失クローンの数も示す。左側の数は残りのプロモーターの長さを示し、各行
の終わりにある右側の数は、プロモーター/ルシフェラーゼ構築物における欠失
されたプロモーターおよびリーダー部分(いずれの場合も+87 bp)の合計長さを示
す。
【0129】 ベクターの消化を防ぐために、ベクターの左にあるMCSの酵素の制限切断部位(
プロモーターにおいてもリポーター遺伝子においても切断されない)を選択する
。3’側突出部を有する制限酵素は、埋め込み(fill-in)反応を必要としない。5
’側突出部を有する制限酵素(例えばNotI)の場合、クレノーポリメラーゼを用い
て、αチオdNTPでの消化の後に突出末端を埋める。まず、プロモーターの5’末
端を、SpeI消化の助けにより、5末端から開始して1121 bp短くする。構築物のプ
ロモーター/リーダー断片において、812bpのプロモーターおよび87 bpのリーダ
ー=889 bpが残る。SpeI消化は、5’側制限突出部を生じる。酵素エキソヌクレ
アーゼIIIは、α-チオ-dNTPで埋められていない5’側制限突出部を消化する。構
築物をNotIで消化して、その後α-チオ-dNTPで埋めて、SpeIで消化した後、エキ
ソヌクレアーゼIIIでのプロモーターの5’側欠失を開始できる(最初に10の欠失
点を選択する)。構築物のベクター末端は変化しないままである。エキソヌクレ
アーゼIIIを消化した後、残りの突出部をヤエナリ(mung bean)ヌクレアーゼで消
化する。これにより、2つの平滑末端を生じ、これらをライゲートし、その後大
腸菌コンピテント細胞に形質転換できる。プラスミド単離およびその後のSacI/X
baIによるテスト消化の後、選択したプラスミドを、T3ベクタープライマー(セン
スプライマー)での初期配列決定(TOPLAB)に供する。左側にあるMCSから開始して
、ベクターpBluescript II SKの突出部から5’側欠失プロモーターまでを配列決
定する。選択した欠失ゾーンを、パーティクルガンを用いる衝撃型形質転換に用
いる:No.4は600 bpプロモーター(687 bpプロモーター+リーダー)、No.9は541
bpプロモーター(628 bpプロモーター+リーダー)、No.17は364 bpプロモーター(
451 bpプロモーター+リーダー)、No.20は294 bpプロモーター(381 bpプロモー
ター+リーダー)、No.19は223 bpプロモーター(310 bpプロモーター+リーダー)
、およびNo.22は180 bpプロモーター(267 bpプロモーター+リーダー)を有する
【0130】BVA/16-1プロモーター/LUC構築物のプロモーター欠失 その後の調査では、テンサイV型H+-ATPアーゼのサブユニットcのアイソフォ
ーム2のプロモーター(BVA/16-2)を、現時点で知られている他のアイソフォーム
のプロモーター(テンサイV型H+-ATPアーゼのアイソフォーム1サブユニットc
、BVA/16-1)と比較する。つまり、プロモーター/リーダールシフェラーゼ構築物
pBVA/16-1 LUC(Lehrら, 1999)も5’プロモーター欠失(上記参照)に供する。この
プロモーター(BVA/16-1)を、ベクターpCLN(ルシフェラーゼ構造遺伝子を有する)
のBamHI/HindIIIカセットの上流にあるベクターpBluescript II SK+に、PstI/Bg
lII断片としてクローニングした。元々の構築物は、1126 bpを有する全プロモー
ター領域、およびさらに131 bpのリーダー(-1126から+131=1257 bp)を含んでい
た。最終的に、欠失クローンも、初期配列決定に供する。リーダーまで欠失が生
じるクローンを、プロモーター欠失クローンの対照として作用するように作製す
る。従って、このクローンは、ルシフェラーゼの上流のリーダーの51 bp(+81か
ら+131)のみしか含まない。最初に、選択した欠失クローンをパーティクルガン
を用いる衝撃型形質転換に用いる:No.164は863 bpプロモーター(994 bpプロモ
ーター+リーダー)、No.1は662 bpプロモーター(793 bpプロモーター+リーダー
)、No.34は361 bpプロモーター(492 bpプロモーター+リーダー)、No.55は110 b
pプロモーター(241 bpプロモーター+リーダー)、および対照No.93はプロモータ
ーを含まない51 bpのリーダーを有する。
【0131】 図5は、BVA/16-1プロモーターの欠失を示す。一番上の行は、リーダーから翻
訳開始(ATG)におよぶ元々のゲノムクローンpBVA/16-1のプロモーター領域を示す
。転写開始点は+1として示す。個々の欠失クローンは、模式的に下に示し、欠
失クローンの数も示す。左側の数は残りのプロモーターの長さを示し、各行の終
わりにある右側の数は、プロモーター/リポーター遺伝子構築物における欠失さ
れたプロモーターおよびリーダー部分(いずれの場合も+131 bp)の合計長さを示
す。
【0132】V-ATPアーゼAプロモーターについての欠失 元々の構築物pBVA/70-LUCは、転写開始に基づき1035 bpの5’側上流配列を含
んでいた。以下の欠失は、c1およびc2のための手順と同じ様に作製した:
【0133】VI.標準的条件下でのA、c1、c2およびCaMV35Sのプロモーター活性の比較 図6は、制御条件下での種々のプロモーターの活性の比較を示す。衝撃型形質
転換により一過性遺伝子発現させるこの実験において、個々のプロモーターの活
性は、ルシフェラーゼ活性により間接的に決定する。3つのV型H+-ATPアーゼプ
ロモーターBVA/16-1、BVA/16-2およびBVA/70を、CaMV 35Sプロモーターと比較す
る。ルシフェラーゼ活性の最終値を、構築物pFF19Gとの同時形質転換により、互
いに対して補正する。表は補正された最終値および標準偏差を示す。
【0134】
【0135】 制御された条件下でのこの実験において、V-ATPアーゼBVA/16-1プロモーター
は、BVA/16-2プロモーターよりも活性が約5倍高い。プロモーターBVA/16-2およ
びBVA/70は、匹敵する活性を示す(BVA/70の活性の方がBVA/16-2の活性よりもわ
ずかに高い)。構築物pCLN中のCaMV 35Sプロモーターとの比較において、V-ATPア
ーゼプロモーターBVA/16-2およびBVA/70は、活性が約3倍高く、これらの3つの
ATPアーゼプロモーターのうち最も強いBVA/16-1は、pCLNの活性よりも14倍高い
活性を示す。
【0136】テンサイ葉中のアイソフォームc1およびc2のV-ATPアーゼプロモーターの構
成活性の検出 畑(field)で育てた植物の完全に展開した葉に対して粒子撃ち込みを行うこと
で、c2(完全長プロモーター)およびc1(5’側欠失d164)のプロモーター/リポ
ーター遺伝子構築物の活性を決定した。このために、それぞれ、ペトリ皿内の含
水紙フィルター上で一方を他方に重ねた2枚の葉ディスク(直径 5 cm)に、パー
ティクルガンで撃ち込んだ(1破裂可能ディスク、900 psi)。0.5μgのプラスミ
ド(V-ATPアーゼプロモーター/pFF19G=7.3)で撃ち込みを行った。撃ち込み後、葉
ディスクを、ペトリ皿中の水に浮かせたまま光の下で24時間インキュベートした
【0137】
【0138】 表4の結果は、プロモーターc2およびc1(d164)が、完全に展開した葉でも
CaMV 35Sに匹敵する活性を示すことを示す。並行して、ノーザンブロット分析は
、c1については既に示されているように、c2アイソフォームも、予測された
ように、根、幼葉(young leave)および老葉において構成的に発現されることを
明確にした。c1について既に記載されているように(Lehrら, 1999)、植物の塩
ストレスは転写物の量を増やす。
【0139】テンサイ中のc2アイソフォームの発現に対するノーザンブロット分析 図7は、テンサイ中のc2アイソフォームの発現に対するノーザンブロット分
析を示す。それぞれの場合において、10μgの合計RNAを適用し、3-UTR領域由来
の遺伝子特異的プローブとハイブリダイズさせた。それぞれの場合、対照植物由
来の2つのサンプル(左、中央)、および塩処理植物由来の1つのサンプル(100 m
M、48時間;右)を適用した。
【0140】VII.CaMV35Sと比較したプロモーターA、c1およびc2の5’側欠失の相対的
活性 図8は、制御された条件下での異なる欠失型プロモーターの活性の比較を示す
。衝撃型形質転換により一過性遺伝子発現を行うこの実験において、個々のプロ
モーターの活性は、ルシフェラーゼ活性により間接的に決定する。欠失型V型H+ -ATPアーゼプロモーターBVA/16-1およびBVA/16-2を、CaMV 35Sプロモーターと比
較する。ルシフェラーゼ活性の最終値を、構築物pFF19Gとの同時形質転換により
、互いに対して補正する。表は補正された最終値および標準偏差を示す。列の下
の番号は、図4および5に示す様々な欠失断片を指す。
【0141】CaMV 35Sプロモーターと比較した、様々な5'-欠失型のV-ATPアーゼAプロモータ
ーのプロモーター活性
【0142】 表5は、制御された条件下におけるサブユニットAのV-ATPアーゼプロモーター
の異なる欠失プロモーターの活性の比較を示す。衝撃型形質転換により一過性遺
伝子発現を行うこの実験において、個々のプロモーターの活性は、ルシフェラー
ゼ活性により間接的に決定する。BVA/70の欠失型V型H+-ATPアーゼプロモーター
を、CaMV 35Sプロモーターと比較する。ルシフェラーゼ活性の最終値を、構築物
pFF19Gとの同時形質転換により、互いに対して補正する。表は補正された最終値
を示す。プロモーターの番号は、表3で示した様々な欠失断片を示す。
【0143】VIII. 培養テンサイ細胞の増殖中における V-ATPアーゼc1プロモーターの種々の 5’-欠失型およびCaMV 35Sプロモーターのプロモーター活性 表6は、培養テンサイ細胞の増殖中におけるV-ATPアーゼc1プロモーターの種
々の5’-欠失型およびCaMV 35Sプロモーターのプロモーター活性を示す。新鮮な
培地に移植してから1.5、3.5、5.5、および7.5日後のテンサイ細胞懸濁液中の活
性を測定した。
【0144】
【0145】IX. A、c1、c2、およびCaMV35Sのプロモーター活性におけるNaCl (KCl)ストレス の影響 培養テンサイ細胞中のAプロモーターの5’-欠失体(d4/46 [-682bp])およびc1プ
ロモーターの5’-欠失体(d164 [-863])の活性におけるNaCl(KCl)ストレス(125 m M/48時間)の影響 最後の移植から1.5日後、細胞を円盤状ろ紙上で吸引ろ過し、ペトリ皿上で対
照培地もしくは125 mM NaCl(KCl)を添加した培地を用いてインキュベートした。
遺伝子銃の撃込みの後、更に24時間インキュベートした。その後、LUC活性を測
定した。
【0146】 この結果は、V-ATPアーゼプロモーターの活性は、細胞のNaClまたはKClストレ
スによる影響をCaMV35Sプロモーターに比べてかなり少ししか受けないことを示
す。この点についての更なる情報は、Lehrら(1999)に記載されている。
【0147】 図9に、c2プロモーターについても同様の効果があることを示す。データは少
なくとも24時間125mM NaClに曝された後の活性を示している。また、ノーザンブ
ロット分析では、V-ATPアーゼ遺伝子A、c1およびc2の塩に曝された後の転写量は
いずれも、対照の処理に比べて高かったことを図9の下部に示す。
【0148】X. A、c1、c2およびCaMV35Sのプロモーター活性に対するリン酸塩欠乏の影響
テンサイ細胞培養物における、Aプロモーターの5’-欠失体(d4/46 [-682bp])お
よびc1プロモーターの5’-欠失体(d164 [-863])の活性に対するリン酸塩欠乏の
影響 最後の移植から1.5日後、細胞を円盤状ろ紙上で吸引ろ過し、ペトリ皿上で48
時間、対照培地またはリン酸塩不含培地中でインキュベートした。遺伝子銃の撃
込みの後、更に24時間インキュベートした。その後、LUC活性を求めた。
【0149】 この結果は、V-ATPアーゼプロモーターの活性は、CaMV35Sプロモーターの活性
に比べて細胞のリン酸塩欠乏の影響をそれほど顕著に受けないことを示している
【0150】XI. A、c1、c2およびCaMV35Sのプロモーター活性に対するショ糖欠乏に対する影 テンサイ細胞培養物における、Aプロモーターの5’-欠失体(d4/46 [-682bp])お
よびc1プロモーターの5’-欠失体(d164 [-863])の活性に対するショ糖欠乏の影
最後の移植から1.5日後、細胞を円盤状ろ紙上で吸引ろ過し、ペトリ皿上で48
時間、対照培地もしくはショ糖欠失培地中でインキュベートした。遺伝子銃の撃
込みの後、更に24時間インキュベートした。その後、LUC活性を測定した。
【0151】 この結果は、細胞でのショ糖欠乏は、V-ATPアーゼプロモーターの活性に対し
てCaMV35Sプロモーターの活性に対するのと同程度の影響を与えることを示して
いる。
【0152】XII. テンサイの貯蔵組織での、損傷によるV-ATPアーゼ遺伝子A、c1、c2およびE の協調的誘導 V-ATPアーゼおよびV-PP i アーゼ遺伝子の損傷後の発現 頭花、茎および膜部分の各部からのV-PPiアーゼおよび種々のV-ATPアーゼサブ
ユニットの定常状態での転写レベルを検出するために、損傷を与えた後の様々な
時点においてサンプルを収集した。RNAを単離した後、各時点につき15μgのRNA
をアプライしたノーザンブロットを行った。同じブロットを、異なる相同ビオチ
ン標識プローブを用いて、繰り返し連続して発色させた。プロテオリピドcの二
つのアイソフォームの転写産物を検出するために、遺伝子特異的c1プローブは、
検出後でかつ遺伝子特異的c2プローブのハイブリダイゼーションを行う前に、膜
から取り除いた。図10に見られるように、c1プローブは完全には除去できなかっ
た。すなわち、アイソフォームc2よりもわずかに大きいアイソフォームc1の転写
産物のバンドが、アイソフォームc2のシグナルの上に僅かに認められたのである
。しかしながら、アイソフォームのmRNAが実際に特異的に検出されたことは実証
された。Aサブユニットの転写とV-PPiアーゼの転写はともにゲル上を同じ距離移
動するので、Aサブユニットに対応するmRNAの検出とV-PPiに対応するmRNAの検出
との間に、膜をもう一度洗浄した。
【0153】 テンサイの貯蔵根は、ショ糖貯蔵能を維持するために液胞膜への多量のエネル
ギー供給を必要とする組織である。図10は、ニュートラルレッドでの染色から
予測されていたように、プロトンポンプは両方とも液胞において実際に、かなり
のベースの発現があることを示している。
【0154】 図10は、機械的な損傷の後の、砂糖ビートの貯蔵柔細胞におけるV-ATPアー
ゼおよびV-PPiアーゼの遺伝子発現の検出のためのノーザンブロットを示してい
る。それぞれについて15μgのRNAをアプライした。
【0155】損傷による誘導される、V-ATPアーゼのタンパク質レベルにおける変化 ウェスタンブロット分析を用いて、ノーザンブロットで確認された多くの損傷
後のV-ATPアーゼ遺伝子の転写レベルの上昇が、タンパク質量の上昇にも反映さ
れているか否かを確認した。膜タンパク質および濃縮液胞膜画分ならびに全ミク
ロソーム画分(いずれも損傷後0、10および72時間後に単離)を、13%PA
Aゲル中で電気泳動し、PVDF膜上へブロットした。続いて、該膜をシコロベンケ
イ(K. daigremontiana)のV-ATPアーゼホロ酵素に対する抗血清で染色した。V-AT
Pアーゼサブユニットの顕著な量的変化は、全ミクロソーム画分においては確認
されなかった(図11B)。濃縮液胞膜画分においても、サブユニットのタンパク
質量は、損傷後も一定のままであったが、サブユニットc(そのアイソフォーム
がmRNAレベルでも最も強く誘導された)が損傷後に顕著に増加していた。この誘
導は、別々に単離した2つのテンサイの濃縮液胞膜画分において同程度の強度で
あった(図11A)。
【0156】 図11は、シコロベンケイのV-ATPアーゼホロ酵素に対するポリクロナール抗
血清を用いたウェスタンブロット分析を示しており、テンサイの貯蔵柔細胞の液
胞膜上におけるV-ATPアーゼの損傷により誘導された変化を示している。A. 損傷
後、サブユニットcのタンパク質量は、濃縮液胞膜画分において時間経過と共に
増加する。B. 全ミクロソーム画分においては、各サブユニットの量は変化しな
い。2つの砂糖ビートの単離した膜画分のタンパク質5μgをそれぞれアプライし
た。テンサイ1:トラック1,3および5;テンサイ2:トラック2,4および
6。
【0157】損傷後のATPアーゼのH + ポンプ活性の低下 上記の章で記載したとおり、損傷後において、mRNAレベルでの誘導がいくつか
のV-ATPアーゼ遺伝子について確認され、液胞膜上でのサブユニットcタンパク質
の増加がウェスタンブロット分析により確認された。このことは、こうした変化
がV-ATPアーゼのプロトンポンプの能力の向上をももたらすか否かという疑問を
提起した。このことを研究するため、ミクロソームの単離した膜小胞および濃縮
液胞膜画分の単離した膜小胞のH+ポンプ活性を、P-ATPアーゼの阻害剤であるバ
ナデートおよびF-ATPアーゼの阻害剤であるアジドの存在下において、蛍光色素
であるアクリジンオレンジを用いて測定した。ショ糖の代わりに、ポンプの媒質
には250mMのソルビトールを含有させ、H+ショ糖対向輸送による影響を排除した
【0158】 図12に示すように、ミクロソーム画分中のV-ATPアーゼのH+ポンプ活性は、
損傷の前後で同程度であった。これに対し、濃縮液胞膜画分中のプロトンポンプ
活性は損傷を与えて3日後に3.3倍上昇した。従って、損傷後に上昇した液胞膜
上のプロテオリピドcのタンパク質レベル(図12)は、該膜に局在するV-ATPアー
ゼのH+ポンプ活性の顕著な上昇を伴っている。
【0159】 図12は、ミクロソーム画分および濃縮液胞膜画分中のバナジン酸塩100μMおよ
びアジド1mM存在下でのV-ATPアーゼのH+ポンプ活性の、損傷によりもたらされ
る変化を示している。ミクロソーム画分の小胞への1mM MgATP添加後のアクリジ
ンオレンジの蛍光(F540)の減少の初速度は、損傷の前後でほぼ同じであったの
に対して、濃縮液胞膜画分(10μgのタンパク質)では3.3倍増加した。示したデー
タはそれぞれ3回の独立した測定の平均値である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、構築物pBVA-70(16)/GUSおよびpBVA-70(16)/LUCの模式図である。
【図2】 図2は、構築物pBVA-70/LUCの構築を示す。
【図3】 図3は、構築物pBVA-16/LUCの構築を示す。
【図4】 図4は、BVA/16-2プロモーター欠失を示す図である。
【図5】 図5は、BVA/16-1プロモーター欠失を示す図である。
【図6】 図6は、制御条件下での異なるプロモーターの活性の比較を示す図である。
【図7】 図7は、テンサイ中のc2アイソフォームの発現に対するノーザンブロット分
析を示す図である。
【図8】 図8は、制御された条件下での異なる欠失プロモーターの活性の比較を示す図
である。
【図9】 図9に、c2プロモーターについても同様の効果があることを示す。データは少
なくとも24時間125mM NaClに曝された後の活性を示している。また、ノーザンブ
ロット分析では、V-ATPアーゼ遺伝子A、c1およびc2の塩に曝された後の転写量は
いずれも、対照の処理に比べて高かったことを図9の下部に示す。
【図10】 図10は、機械的な損傷の後の、砂糖ビートの貯蔵柔細胞におけるV-ATPアー
ゼおよびV-PPiアーゼの遺伝子発現の検出のためのノーザンブロットを示してい
る。それぞれについて15μgのRNAをアプライした。
【図11】 図11は、シコロベンケイのV-ATPアーゼホロ酵素に対するポリクロナール抗
血清を用いたウェスタンブロット分析を示しており、テンサイの貯蔵柔細胞の液
胞膜上におけるV-ATPアーゼの損傷により誘導された変化を示している。A. 損傷
後、サブユニットcのタンパク質量は、濃縮液胞膜画分において時間経過と共に
増加する。B. 全ミクロソーム画分においては、各サブユニットの量は変化しな
い。2つの砂糖ビートの単離した膜画分のタンパク質5μgをそれぞれアプライし
た。テンサイ1:トラック1,3および5;テンサイ2:トラック2,4および
6。
【図12】 図12は、ミクロソーム画分および濃縮液胞膜画分中のバナジン酸塩100μMお
よびアジド1mM存在下でのV-ATPアーゼのH+ポンプ活性の、損傷によりもたらさ
れる変化を示している。ミクロソーム画分の小胞への1mM MgATP添加後のアクリ
ジンオレンジの蛍光(F540)の減少の初速度は、損傷の前後でほぼ同じであった
のに対して、濃縮液胞膜画分(10μgのタンパク質)では3.3倍増加した。示したデ
ータはそれぞれ3回の独立した測定の平均値である。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月18日(2002.3.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 A 9/14 101 5/00 A C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2B030 AA00 AB04 AD04 CA15 CA17 CA19 4B024 AA08 BA79 CA02 FA02 FA15 GA11 4B050 CC03 DD13 4B065 AA88X AB01 BA02 CA31 CA53

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種遺伝子に機能し得る形で連結した植物V-ATPアーゼプロ
    モーターまたはその機能的等価物を含有するDNA構築物。
  2. 【請求項2】 植物V-ATPアーゼプロモーターが欠失型またはハイブリッド
    型V-ATPアーゼプロモーターである、請求項1に記載のDNA構築物。
  3. 【請求項3】 植物V-ATPアーゼプロモーターが双子葉植物に由来するもの
    である、請求項1または2に記載のDNA構築物。
  4. 【請求項4】 植物V-ATPアーゼプロモーターが単子葉植物に由来するもの
    である、請求項1または2に記載のDNA構築物。
  5. 【請求項5】 植物V-ATPアーゼプロモーターがテンサイ、タバコ、オオム
    ギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラ
    ナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナ
    に由来するものである、請求項3または4に記載のDNA構築物。
  6. 【請求項6】 植物V-ATPアーゼプロモーターがテンサイのV-ATPアーゼサブ
    ユニットAのプロモーター(配列番号3)、テンサイのV-ATPアーゼサブユニットc
    アイソフォーム1のプロモーター(配列番号2)、またはテンサイのV-ATPアーゼ
    サブユニットcアイソフォーム2のプロモーター(配列番号1)である、請求項1
    または2に記載のDNA構築物。
  7. 【請求項7】 第1のプロモーターと異なる様式で調節され得る第2のプロモ
    ーターを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNA構築物。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つのさらなるピリミジンス鎖がプロモーターに
    挿入されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のDNA構築物。
  9. 【請求項9】 発現カセットである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    DNA構築物。
  10. 【請求項10】 異種遺伝子が、選択マーカーもしくは耐性媒介遺伝子、ま
    たは他の医薬的、農学的もしくはその他の目的のための遺伝子である、請求項1
    〜9のいずれか1項に記載のDNA構築物。
  11. 【請求項11】 テンサイのV-ATPアーゼサブユニットcアイソフォーム2プ
    ロモーター(配列番号1)の配列またはその機能的等価物を含むポリヌクレオチド
  12. 【請求項12】 欠失型またはハイブリッド型のテンサイV-ATPアーゼサブ
    ユニットcアイソフォーム2プロモーター(配列番号1)の配列またはその機能的等
    価物を含む、請求項11に記載のポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物を含む
    組換えベクター。
  14. 【請求項14】 シャトルベクターである、請求項13に記載の組換えベク
    ター。
  15. 【請求項15】 発現ベクターである、請求項13または14に記載の組換
    えベクター。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15のいずれか1項に記載の組換えベクター
    で形質転換された微生物。
  17. 【請求項17】 ゲノムに請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築
    物を含む、トランスジェニック植物細胞またはプロトプラスト。
  18. 【請求項18】 単子葉植物に由来する、請求項17に記載のトランスジェ
    ニック植物細胞またはプロトプラスト。
  19. 【請求項19】 双子葉植物に由来する、請求項17に記載のトランスジェ
    ニック植物細胞またはプロトプラスト。
  20. 【請求項20】 ゲノムに請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築
    物を含む、トランスジェニック植物。
  21. 【請求項21】 単子葉植物である、請求項20に記載のトランスジェニッ
    ク植物。
  22. 【請求項22】 双子葉植物である、請求項20に記載のトランスジェニッ
    ク植物。
  23. 【請求項23】 テンサイ、タバコ、オオムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワ
    リ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ、モロコシ、ニンジン、トウ
    モロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナである、請求項21または22
    に記載のトランスジェニック植物。
  24. 【請求項24】 植物細胞またはプロトプラストにおける異種遺伝子の発現
    を制御する方法であって、前記細胞またはプロトプラストを請求項1〜10のい
    ずれか1項に記載のDNA構築物で形質転換し、次いでその形質転換された細胞ま
    たはプロトプラストを、該DNA構築物によって形質転換された異種遺伝子の発現
    を制御するような生物的ストレスまたは非生物的ストレスに曝露することを含む
    、前記方法。
  25. 【請求項25】 植物細胞またはプロトプラストが単子葉植物に由来するも
    のである、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 植物細胞またはプロトプラストが双子葉植物に由来するも
    のである、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 植物細胞またはプロトプラストがテンサイ、タバコ、オオ
    ムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブ
    ラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズ
    ナに由来するものである、請求項25または26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 植物における異種遺伝子の発現を制御する方法であって、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物で形質転換された細胞または
    プロトプラストを再生させてトランスジェニック植物を作製し、次いでこのよう
    に形質転換された植物を、該DNA構築物によって形質転換された異種遺伝子の発
    現を制御するような生物的ストレスまたは非生物的ストレスに曝露することを含
    む、前記方法。
  29. 【請求項29】 トランスジェニック植物が単子葉植物である、請求項28
    に記載の方法。
  30. 【請求項30】 トランスジェニック植物が双子葉植物である、請求項28
    に記載の方法。
  31. 【請求項31】 トランスジェニック植物が、テンサイ、タバコ、オオムギ
    、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ
    、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナで
    ある、請求項29または30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 組換えタンパク質を産生する方法であって、植物細胞また
    はプロトプラストを請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物で形質転
    換し、次いでその形質転換された細胞またはプロトプラストを、該DNA構築物に
    よって形質転換された組換えタンパク質を発現させるような生物的ストレスまた
    は非生物的ストレスに曝露することを含む、前記方法。
  33. 【請求項33】 植物細胞またはプロトプラストが単子葉植物に由来するも
    のである、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 植物細胞またはプロトプラストが双子葉植物に由来するも
    のである、請求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 植物細胞またはプロトプラストが、テンサイ、タバコ、オ
    オムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、ア
    ブラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナ
    ズナに由来するものである、請求項33または34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 植物における組換えタンパク質を産生する方法であって、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物で形質転換された細胞または
    プロトプラストを再生させてトランスジェニック植物を作製し、次いで得られた
    トランスジェニック植物を、該DNA構築物によって形質転換された組換えタンパ
    ク質を発現させるような生物的ストレスまたは非生物的ストレスに曝露すること
    を含む、前記方法。
  37. 【請求項37】 トランスジェニック植物が単子葉植物である、請求項36
    に記載の方法。
  38. 【請求項38】 トランスジェニック植物が双子葉植物である、請求項36
    に記載の方法。
  39. 【請求項39】 トランスジェニック植物が、テンサイ、タバコ、オオムギ
    、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、アブラナ
    、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナズナで
    ある、請求項37または38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 植物細胞またはプロトプラストにおいて組換えタンパク質
    を産生させるための、請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物の使用
  41. 【請求項41】 植物において組換えタンパク質を産生させるための、請求
    項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物の使用。
  42. 【請求項42】 請求項32〜39のいずれか1項に記載の方法で調製され
    た組換えタンパク質。
  43. 【請求項43】 生物的ストレスまたは非生物的ストレス下で植物において
    遺伝子を発現させるための、請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物
    の使用。
  44. 【請求項44】 生物的ストレスまたは非生物的ストレス下で植物において
    遺伝子を発現させるための、植物V-ATPアーゼプロモーターの使用。
  45. 【請求項45】 植物V-ATPアーゼプロモーターが、欠失型またはハイブリ
    ッド型V-ATPアーゼプロモーターである、請求項44に記載の使用。
  46. 【請求項46】 植物V-ATPアーゼプロモーターが双子葉植物に由来するも
    のである、請求項45に記載の使用。
  47. 【請求項47】 植物V-ATPアーゼプロモーターが単子葉植物に由来するも
    のである、請求項45に記載の使用。
  48. 【請求項48】 植物V-ATPアーゼプロモーターが、テンサイ、タバコ、オ
    オムギ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、ダイズ、トマト、カノーラ、コムギ、ア
    ブラナ、モロコシ、ニンジン、トウモロコシ、アイスプラントまたはシロイヌナ
    ズナに由来するものである、請求項46または47に記載の使用。
  49. 【請求項49】 植物V-ATPアーゼプロモーターが、テンサイのV-ATPアーゼ
    サブユニットAのプロモーター(配列番号3)、テンサイのV-ATPアーゼサブユニッ
    トcアイソフォーム1のプロモーター(配列番号2)、またはテンサイのV-ATPアー
    ゼサブユニットcアイソフォーム2のプロモーター(配列番号1)である、請求項
    44または45に記載の使用。
  50. 【請求項50】 少なくとも1つのさらなるピリミジン鎖がプロモーターに
    挿入されている、請求項44〜49のいずれか1項に記載の使用。
  51. 【請求項51】 生物的ストレスまたは非生物的ストレスに対して耐性であ
    る、請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物で形質転換された植物細
    胞またはプロトプラスト。
  52. 【請求項52】 塩ストレスに対して耐性である、請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載のDNA構築物で形質転換された植物細胞またはプロトプラスト。
  53. 【請求項53】 生物的ストレスまたは非生物的ストレスに対して耐性であ
    る、請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNA構築物で形質転換された植物。
  54. 【請求項54】 塩ストレスに対して耐性である、請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載のDNA構築物で形質転換された植物。
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