JP2003507019A - 除草剤寛容性プロトポルフィリノーゲン・オキシダーゼ - Google Patents

除草剤寛容性プロトポルフィリノーゲン・オキシダーゼ

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リン ボルラス,サンドラ
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    • C12N15/8274Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance for herbicide resistance

Abstract

(57)【要約】 本発明は、大豆、小麦、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム及びサトウキビからのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素についてコードする新規のDNA配列を提供する。さらに、本発明は、除草剤寛容性をもつ修飾された形態のプロトックス酵素を教示している。本書で教示されている除草剤寛容性あるプロトックス酵素を発現する植物も同様に提供されている。これらの植物は、耐性形態への未変性プロトックス遺伝子の突然変異を介してプロトックス阻害物質に対する耐性を得るように工学処理することもできるし、或いは又、除草剤寛容性形態の植物プロトックス酵素をコードする遺伝子を用いて形質転換させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(「プロトックス」)の除
草剤寛容性形態をコードするDNA分子に関する。本発明はさらに、除草剤寛容
性植物ならびに、これらの除草剤寛容性形態のプロトックスに基づく組織培養選
択方法及び除草剤利用方法にも関する。
【0002】 本発明は、未修飾の天然に発生する植物プロトックス酵素を阻害する化合物に
対する耐性をもつ修飾された形態の植物プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
(プロトックス)酵素及びかかる阻害物質耐性植物プロトックス酵素についてコ
ードするDNA分子を提供する。
【0003】 明確さを期して、該明細書で使用するいくつかの用語を以下のように定義し提
示する:「〜と会合された/操作可能な形でリンクされた」:これは、物理的又
は機能的に関係づけられた2つのDNA配列を意味する。例えば、1つのプロモ
ータ又は調節DNA配列は、それらが操作可能な形でリンクされているか又は調
節DNA配列がコーディング又は構造DNA配列の発現レベルに影響を与えるこ
とになるような形で位置づけされている場合に、1つのRNA又はタンパク質に
ついてコードするDNA配列と「会合されている」と言われている。
【0004】 「キメラ遺伝子」:これは、その中で1つのプロモータ又は調節DNA配列が
、1つのmRNAについてコードするか又は1つのタンパク質として発現されて
いるDNA配列と操作可能な形でリンクされているか又は会合させられ、そのた
め調節DNA配列が会合されたDNA配列の転写又は発現を調節できるようにな
っている組換え型DNA配列のことである。キメラ遺伝子の調節DNA配列は通
常、自然界に見い出されるような会合されたDNA配列に対し操作可能な形では
リンクされていない。
【0005】 「コーディングDNA配列」: タンパク質を産生するべく1つの生体内で翻
訳されるDNA配列。
【0006】 「〜に対応する」: 本発明においては「に対応する」という語は、さまざま
なプロトックス酵素のアミノ酸配列が表1A中にあるように互いに整列させられ
たとき、表1A中の或る列挙された位置に「対応する」アミノ酸が、表1A中の
これらの位置と整列するものの必ずしも特定のプロトックス酵素のアミノ酸配列
との関係において数値的に正確なこれらの位置にあるとはかぎらないアミノ酸で
ある、ということを意味する。同様にして、特定のプロトックス酵素(例えば大
豆プロトックス酵素)のアミノ酸配列が基準プロトックス酵素(例えば配列番号
2に与えられているシロイヌナズナ プロトックス−1配列)のアミノ酸配列と
整列させられた時点で、配列番号2のいくつかの列挙された位置に「対応する」
大豆プロトックス配列内のアミノ酸は、配列番号2のこれらの位置と整列するも
のの必ずしも大豆プロトックス酵素のアミノ酸配列の数値的に正確なこれらの位
置にあるとはかぎらないアミノ酸である。
【0007】 「除草剤」: 植物、植物細胞、植物種子又は植物組織を殺すか又はその成長
を抑制するのに使用される化学物質。
【0008】 「異種DNA配列」: 天然に発生する DNA配列の天然に発生しない多重
コピーを含めた、それが中に導入される宿主細胞と天然に会合していないDNA
配列。
【0009】 「同種DNA配列」: それが導入される宿主細胞と天然に会合していないD
NA配列。
【0010】 「同種細胞質性」: これは、全ての色素体が遺伝的に同一である植物、植物
組織又は植物細胞を意味する。異なる組織又は発達段階において、色素体は、例
えば葉緑体、原色素体、エチオプラスト、アミロプラスト、有色体などといった
さまざまな形をとることができる。
【0011】 「阻害物質」: 植物の成長又は存続に不可欠である生合成酵素、受容体、シ
グナル形質導入タンパク質、構造遺伝子産物又は輸送タンパク質といったタンパ
ク質の酵素活性を、不活性化させる化学物質。本発明では、阻害物質というのは
、プロトックスの酵素活性を不活性化する化学物質である。「除草剤」という用
語は、本書では、植物、植物細胞、植物種子又は植物組織に適用された場合の阻
害物質を定義づけるために使用されている。
【0012】 「分離された」: 本発明においては、分離された核酸分子又は分離された酵
素というのは、人間の手によりその自然環境から離れて存在し従って天然産物で
はない核酸分子又は酵素のことである。分離核酸分子又は酵素は、精製された形
態で存在してもよいし或いは又例えば遺伝子導入宿主細胞といったような非自然
環境内で存在することもできる。
【0013】 「最小プロモータ」: 上流側活性化の無い場合不活性であるか又は大幅に低
減されたプロモータ活性をもつプロモータ要素特にTATA要素である。適切な
転写因子の存在下で、最小プロモータは、転写を可能にするように機能する。
【0014】 「修飾された酵素活性」: 1つの植物内で天然に発生するもの(すなわち、
人間がかかる活性を直接的又は間接的に操作することのない状態で天然に発生す
る酵素活性)とは異なる酵素活性で、天然に発生する酵素活性を阻害する阻害物
質に対する寛容性をもつ。
【0015】 「核酸分子」: 任意の供給源から分離されうる1本鎖又は2本鎖DNA又は
RNAの線形セグメント。本発明においては、核酸分子は、好ましくはDNAの
セグメントである。
【0016】 「植物」: 任意の植物又は任意の発達段階にある植物の一部分を意味する。
これには、切り枝、細胞又は組織又は組織培養及び種子も内含される。本発明に
関連して使用される場合、「植物組織」という語は、植物全体、植物細胞、植物
器官、植物種子、原形質体、カルス、細胞培養及び、組織及び/又は機能単位の
形に組織された植物細胞のあらゆるグループを内含するが、これらに制限される
わけではない。
【0017】 「プラストーム」: 色素体のゲノム。
【0018】 「プロトックス−1」: 葉緑体プロトックス 「プロトックス−2」: ミトコンドリアプロトックス 「著しい増加」: 測定技術において固有の誤差余裕よりも大きい酵素活性の
増大、好ましくは、阻害物質の存在下での野生型酵素の活性の約2倍以上の増大
、より好ましくは、約5倍以上の増大、最も好ましくは約10倍以上の増大。
【0019】 「実質的に類似の」: 核酸に関しては、基準核酸分子と少なくとも60パー
セントの配列同一性をもつ核酸分子のことを表わす。好ましい実施形態において
は、実質的に類似のDNA配列は、基準DNA配列と少なくとも80%の同一性
をもつ。より好ましい実施形態においては、実質的に類似のDNA配列は、基準
DNA配列に対し少なくとも90%の同一性をもつ。又最も好ましい実施形態で
は、実質的に類似のDNA配列は、基準DNA配列に対し少なくとも95%の同
一をもつ。実質的に類似のヌクレオチド配列は、標準的に基準核酸分子又はその
フラグメントに対し次の条件下でハイブリッド形成する: 50℃で7%のドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MでpH7.0のNaPO4、1mMのE
DTAによるハイブリダイゼーション; 50℃でZ×SSC、1%のSDSに
よる洗浄。タンパク質又はペプチドに関しては、実質的に類似のアミノ酸配列は
、基準タンパク質又はペプチドのアミノ酸配列に対し少なくとも90%の同一性
をもち基準タンパク質又はペプチドと実質的に同じ活性をもつアミノ酸配列であ
る。
【0020】 「寛容性/耐性」: 阻害物質又は除草剤に露呈されたときに正常な成長又は
機能を続行できる能力。
【0021】 「形質転換」: 異種DNAを細胞、組織又は植物内に導入するためのプロセ
ス。形質転換された細胞、組織又は植物は、形質転換プロセスの最終産物のみな
らずその遺伝子導入後代も包含するものと理解される。
【0022】 「輸送ペプチド」: ポリペプチド前駆体を形成する、DNA分子によってコ
ードされたタンパク質と合わせて翻訳されるシグナルポリペプチド。例えば葉緑
体といった細胞内の選択された部位への輸送プロセスにおいて、輸送ペプチドは
、ポリペプチド前駆体の残りの部分から分割されて活性又は成熟タンパク質を提
供することができる。
【0023】 「形質転換された」: これは、その中に異種DNAが導入された植物といっ
たような生体を意味する。DNA分子はその植物のゲノム内に安定した形で組込
まれることができ、ここで、植物のゲノムは核ゲノム、色素体ゲノム、及びミト
コンドリアゲノムを包含する。形質転換された植物内では、DNA分子は同じく
、染色体外分子としても存在することができる。かかる染色体外分子は、自己複
製している可能性がある。「形質転換されていない」植物というのは、野生型生
体すなわち、異種DNA分子を含まない植物を意味する。
【0024】 「トランスプラストーム」: 形質転換された色素体ゲノム。
【0025】 ヌクレオチドは、以下のような標準略称を用いてその塩基により表示される:
アデニン(A)、サイトシン(C)、チミン(T)、及びグアニン(G)。アミ
ノ酸も同様に、次のような標準略称により表示される:アラニン(ala;A)
、アルギニン(Arg;R)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(
Asp;D)、システイン(Cys;C)、グルタミン(Gln;Q)、グルタ
ミン酸(Glu;E)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、
イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リシン(lys;K)
、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(P
ro;P)、セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、トリプトファ
ン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、及びバリン(Val;V)。さら
に、(Xaa;X)は任意のアミノ酸を表す。
【0026】 本発明は、未修飾の天然に発生する植物プロトックス酵素を阻害する化合物に
対する耐性をもつ修飾された形態の植物プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
(プロトックス)酵素、及びかかる阻害物質耐性植物プロトックス酵素について
コードするDNA分子を開示している。
【0027】 かくして、1つの態様においては、本発明は、野生型除草剤感受性プロトック
スを形質転換するのに用いられるDNA構成体の中に取込まれる能力をもつ植物
プロトックス酵素をコードするDNA分子において、DNA構成体との形質転換
の時点で植物がそのDNA分子を含有しかくして該植物は天然に発生する植物プ
ロトックスを阻害する除草剤の適用に対する耐性をもつことになるような形で、
野生型DNA分子との関係における少なくとも1つの点突然変異を有しているD
NA分子を開示している。
【0028】 特に、本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活
性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子において
、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に対して耐性を
もち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸、特にロイシン又はシステインとする
、APΔ1F、 (d) Δ2をロイシンとする、FΔ2S、 (e) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G、 (f) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
外のアミノ酸とするYVΔ17G というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つのを含んで成り、天然に発生す
る形態の前記酵素をコードするヌクレオチド配列が1つの植物から誘導されてい
る、核酸分子に関する。
【0029】 好ましい実施形態においては、本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列
を含む核酸分子において、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の
阻害物質に対して耐性をもち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸、特にロイシンとする、APΔ1F、 (d) Δ2をロイシンとする、FΔ2S、 (e) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G、 (f) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
外のアミノ酸とするYVΔ17G、 から成るグループの中から選択された少なくとも1つのアミノ酸部分配列を含ん
で成り、前記修飾された酵素をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号1
、配列番号5、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号17、配列
番号19、配列番号21、配列番号23又は配列番号36において記されている
ヌクレオチド配列のうちのいずれか1つに対し、 (i) 7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、pH
7.0、1mMのEDTA中で50℃でのハイブリダイゼーション;及び、 (ii) 2×SSC、1%のSDS中で50℃での洗浄、という条件下でハイ
ブリッド形成する、核酸分子に関する。
【0030】 さらに好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
)活性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子にお
いて、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に対して耐
性をもち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をロイシンとする、APΔ1F (d) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つを含んで成り、天然に発生する
形態の前記酵素をコードするヌクレオチド配列が1つの植物から誘導されている
、核酸分子である。
【0031】 好ましいのは、前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 KAΔ18Fを含み、
ここでΔ18がアラニン以外のアミノ酸である核酸分子である。
【0032】 さらに好ましいのは、Δ18がトレオニン又はバリンである核酸分子である。 同様に好ましいのは、前記修飾された酵素が、アミノ酸部分配列 QΔ19Hを含
み、ここでΔ19が、ロイシン以外のアミノ酸である核酸分子である。
【0033】 同様に好ましいのは、Δ19がセリンである核酸分子である。
【0034】 同様に好ましいのは、前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 APΔ1Fを含
み、ここでΔ1がロイシン又はシステインである核酸分子である。
【0035】 同様に好ましいのは、前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 Δ7IGを含ん
で成り、ここでΔ7がヒスチジン又はアラニン、ただし特にヒスチジンである、
核酸分子である。同様に好ましいのは、前記修飾された酵素がΔ16をセリンとす
るアミノ酸部分配列TΔ16G及びΔ17をトレオニンとするアミノ酸部分配列YV
Δ17Gを含んで成る核酸分子である。
【0036】 本発明はさらに、本発明に従った修飾された酵素が、 (e) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とするQΔ11S、 (f) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とするIGGΔ12、 (g) Δ13をセリン以外のアミノ酸とするSWXLΔ13、 (h) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とするLΔ14Y、 (i) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とするGΔ15XGL、 から成るグループの中から選択された少なくとも1つの付加的アミノ酸部分配列
をさらに含んで成る核酸分子を提供する。 好ましいのは、前記付加的な部分配列がQΔ11Sであり、ここでΔ11がプロリン
以外のアミノ酸である核酸分子である。 さらに好ましいのは、Δ11がロイシンである核酸分子である。
【0037】 同様に好ましいのは、前記付加的な部分配列がIGGΔ12であり、ここでΔ12 がトレオニン以外のアミノ酸である核酸分子である。 同様に好ましいのは、Δ12がイソロイシン又はアラニンである核酸分子である。
同様に好ましいのは、前記付加的な部分配列がSWXLΔ13であり、ここでΔ13 がセリン以外のアミノ酸である核酸分子である。 同様に好ましいのは、Δ13がロイシンである核酸分子である。
【0038】 同様に好ましいのは、前記付加的な部分配列がLΔ14Yであり、ここでΔ14
アスパラギン以外のアミノ酸である核酸分子である。 同様に好ましいのは、Δ14がセリンである核酸分子である。
【0039】 同様に好ましいのは、前記付加的な部分配列がGΔ15XGLであり、Δ15がチ
ロシン以外のアミノ酸である核酸分子である。 同様に好ましいのは、Δ15がシステインである核酸分子である。
【0040】 特に好ましいのは、野生型除草剤感受性プロトックスを含有する植物を形質転
換するのに使用されるDNA構成体の中に取込まれる能力をもつ植物プロトック
ス酵素をコードする核酸分子において、DNA構成体との形質転換の時点で植物
がそのDNA分子を含有し、かくして該植物は天然に発生する植物プロトックス
を阻害する除草剤の適用に対する耐性をもつことになるような形で、上述のよう
に植物プロトックスをコードする野生型DNA分子との関係における少なくとも
1つの点突然変異を有している核酸分子であって、シロイヌナズナ、トウモロコ
シ、小麦、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム及びサト
ウキビから成るグループの中から選択された植物から得ることができる核酸分子
である。
【0041】 このようなDNA分子の配列は、配列番号9(小麦)、11(大豆)、15(
綿花)、17(テンサイ)、19(セイヨウアブラナ)、21(イネ)、23(
ソルガム)及び36(サトウキビ)に記されている。好ましいのは、トウモロコ
シ又は綿花から得ることのできる核酸分子である。
【0042】 同じく本発明に含まれるのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロ
トックス)活性を有し、以上で言及した本発明に従ったヌクレオチド配列によっ
てコードされる修飾された酵素である。
【0043】 本発明は、さらに、植物内で阻害物質耐性植物プロトックスを発現できるキメ
ラ遺伝子及び修飾された形態の天然に発生するプロトックス遺伝子を内含する。
【0044】 特に、本発明は、本発明に従った核酸分子に操作可能な形でリンクされた植物
中で活性であるプロモータを含むキメラ遺伝子に関する。
【0045】 本発明はさらに、本発明に従ったキメラ遺伝子を含む組換え型ベクター分子を
も内含する。
【0046】 阻害物質耐性植物プロトックス酵素をコードする遺伝子は、植物全体の中でプ
ロトックス阻害性除草剤に対する耐性を付与するため及び植物細胞形質転換方法
における選択可能なマーカーとして、使用可能である。従って本発明は同様に、
これらの修飾されたプロトックス酵素をコードする植物発現可能遺伝子を含有す
る、その子孫を含めた植物、植物組織及び植物種子をも内含している。これらの
植物、植物組織及び植物種子は、通常は植物中の天然に発生するプロトックス活
性にとって阻害性あるレベルのプロトックス阻害物質に対する耐性を有する。
【0047】 特に、本発明は、本発明に従った核酸分子を含む植物細胞に関する。
【0048】 本発明はさらに、本発明に従った核酸分子を含む、その後代を含めた植物、植
物組織、植物細胞又は植物種子において、前記核酸分子がそれらの中で発現され
るか又は、天然に発生するプロトックス活性の阻害物質に対する寛容性をそれに
付与する、植物、植物組織、植物細胞又は植物種子にも関する。
【0049】 本発明により包含されている植物には、特に、プロトックス阻害活性除草剤に
とっての潜在的標的となるもの、特に、トウモロコシといったような作物学的に
重要な作物及び、大麦、小麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、芝生及び飼料牧草
、アワ及びイネといったようなその他の穀物作物が含まれる。同じく含まれるの
は、サトウキビ、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ及びタバコといった
ようなその他の作物植物である。
【0050】 好ましいのは、本発明に従った核酸分子を含む、シロイヌナズナ、 大豆、綿
花、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、イネ、及び
サトウキビから成るグループの中から選択される、その後代を含めた植物、植物
組織、植物細胞、又は植物種子である。
【0051】 本発明は同様に、色素体形質転換及び植物色素体の中での本発明に従った核酸
分子の発現にも関する。好ましい実施形態においては、除草剤耐性植物を得るた
めに、以上で記述した修飾された植物プロトックス酵素が、植物色素体内で発現
させられる。
【0052】 特に、本発明は、本発明に従った核酸分子に操作可能な形でリンクされた、植
物色素体内で機能的なプロモータ、特にc/pP遺伝子プロモータを含むキメラ
遺伝子に関する。
【0053】 さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、(a)その自然の状態で、
色素体輸送ペプチドを含むポリペプチドをコードする植物から分離されたDNA
分子、又は、該色素体輸送ペプチドによりその植物の色素体に対し先天的にター
ゲティングされている成熟酵素(なおここで該DNA分子は、それが機能的色素
体輸送ペプチドをコードしないような形で修飾されている);及び(b)1つの
色素体の中でDNA分子を発現する能力をもち、本発明に従ったDNA分子に操
作可能な形でリンクされているプロモータ、を含むキメラ遺伝子にも向けられて
いる。該DNA分子は、未変性色素体輸送ペプチドコーディング配列の少なくと
も一部分がDNA分子から欠如しているという点で、修飾されている可能性があ
る。代替的には、DNA分子は、未変性色素体輸送ペプチドコーディング配列の
単数又は複数のヌクレオチドが突然変異を受け、かくして、コードされた色素体
輸送ペプチドを非機能的にするという点で修飾される可能性もある。本発明は同
様に、かかるキメラ遺伝子を含有する葉緑体ゲノムに対し同種細胞質性の植物に
も関する。好ましい実施形態においては、DNA分子は、除草剤化合物によって
天然に阻害される酵素をコードする。この場合、かかる植物は、本発明に従った
DNA分子によってコードされる酵素を天然に阻害する除草剤に対し耐性をもつ
。本発明のさらなる実施形態は、本発明に従った核酸分子を内含する前述の要素
の一部又は全てを含む色素体形質転換ベクターに関する。
【0054】 さらに含まれているのは、本発明に従った色素体形質転換ベクターを含む植物
色素体である。
【0055】 本発明は同様に、本発明に従ったDNA分子を用いてその色素体ゲノムを形質
転換することによって除草剤に対する耐性が付与された植物、及びかかる植物を
得る方法にも向けられている。本発明はさらに、本発明に従った植物色素体を含
む、その後代を含めた植物、植物組織、植物細胞又は植物種子において、前記修
飾された植物プロトックス酵素が前記植物、植物組織、植物細胞又は植物種子の
中で発現されかかる植物、植物組織、植物細胞又は植物種子に対して、天然に発
生するプロトックス活性の阻害物質に対する寛容性を付与する、植物、植物組織
、植物細胞又は植物種子にも関する。
【0056】 本発明は、さらに、本書で提供されている植物色素体酵素の阻害物質耐性形態
を産生する、本発明のプロセスを用いて予め形質転換された形質導入植物又はそ
の後代に由来する、例えば植物組織、原形質体、細胞、カルス、器官、植物種子
、胚芽、花粉、卵細胞、接合体といったような植物材料ならびに例えば花、茎、
果実、葉、根といったようなその他のあらゆる生殖材料及び植物部分を含めた植
物の生産方法にも関する。かかる植物は、耐性プロトックスをコードする構造遺
伝子を用いて安定した形で形質転換され得、又、除草剤耐性系統を分離し特徴づ
けし開発する直接的選択技術により調製することも可能である。
【0057】 本発明はさらに、除草剤寛容性形態の植物プロトックスをコードする本発明の
DNA分子で形質転換された植物細胞を選択する方法をも提供している。該方法
は、そのDNA分子がコードするプロトックスが耐性をもつ除草剤による阻害に
対しその成長が感受性を有するような植物細胞の中に該DNA分子を導入し、か
くして形質転換された植物細胞を形成する段階を含んで成る。その成長が選択さ
れた除草剤に対し感受性をもつ形質転換された植物細胞は、形質転換されていな
い植物細胞の成長を阻害する除草剤濃度での選択によって同定される。
【0058】 本発明は同様に、植物細胞のプラストームの中に上述のキメラ遺伝子を導入す
る段階;植物細胞の色素体内でコードされた酵素を発現する段階; 及び酵素の
活性を天然に阻害する除草剤化合物に対する耐性をもつ細胞を選択しかくして耐
性細胞が形質転換済み色素体を含むようにする段階を含んで成る、トランスプラ
ストミック植物細胞の新しい選択方法をも提供している。好ましい実施形態にお
いては、酵素は、除草剤化合物により天然に阻害され、遺伝子導入植物は、酵素
の活性を天然に阻害する除草剤化合物の量に基づいて成長することができる。
【0059】 もう1つの態様においては、本発明は、除草剤寛容性形態の植物プロトックス
をコードする本発明に従ったDNA分子で形質転換される除草剤寛容性をもち、
作物学的に有用な植物が栽培されてきた場所において成長する望ましくない植生
を制御するための方法に向けられている。該方法には、天然に発生するプロトッ
クス活性を阻害する有効量の除草剤を、保護すべき場所に適用することが含まれ
ている。特に、本発明は、上述の植物の個体群に対し、酵素の阻害物質を有効量
だけ適用する段階を含んで成る、望ましくない植生の成長を制御するための方法
に向けられている。好ましい実施形態においては、本発明は、望ましくない植生
の成長を制御するための方法において、前記プロトックス阻害性除草剤が、アリ
ルウラシル、ジフェニルエーテル、オキシジアゾールイミド好ましくは構造式V
、VI、VII、VIIa、VIII、IX、IXa、又はIXbのイミド、フ
ェニルピラゾール、好ましくは構造式XXIVのフェニルピラゾール、ピリジル
ピラゾール、好ましくは構造式XXIIIa又はXXIIIbのピリジルピラゾ
ール、ピリジン誘導体、3−置換−2−アリル−4,5,6,7−テトラヒドロ
インダゾール、フェノピレート、及び該フェノピレートのo−フェニルピロリジ
ノ−及びピペリジノカルバメート類似体から成るグループの中から選択されてい
る方法に関する。
【0060】 本発明はさらに、植付けされた作物種子又は植物の1作物群を内含する畑の中
の雑草の成長を選択的に抑制するための方法において、 (a) 本発明に従った植物又は植物種子である除草剤寛容性作物又は作物種子
を植付けする段階、及び (b) 天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で、畑の中の作物又は作
物種子及び雑草に対してプロトックス阻害性除草剤を塗布する段階、 を含んで成り、除草剤が作物の成長を著しく抑制することなく雑草の成長を抑制
するような方法にも関する。
【0061】 1つの態様においては、本発明は、サトウキビからのプロトポルフィリノーゲ
ンオキシダーゼ(ここでは「プロトックス」と呼ぶ)をコードする分離されたD
NA分子に向けられている。サトウキビプロトックス酵素についての部分的DN
Aコーディング配列及び、対応するアミノ酸配列は、それぞれ配列番号36及び
37として提供されている。
【0062】 従って、さらに本発明に含まれているのは、サトウキビ植物からのプロトポル
フィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素タンパク質をコードする分離
されたDNA分子において、タンパク質が配列番号37に与えられているアミノ
酸配列を含むDNA分子である。
【0063】 もう1つの態様においては、本発明は、サトウキビプロトックス酵素をコード
し、以下のハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で配列番号36に示されたコ
ーディング配列に対しハイブリッド形成するヌクレオチド配列を含む分離された
DNA分子に向けられている: (i) 7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、pH
7.0、1mMのEDTA中50℃でのハイブリダイゼーション、及び (ii) 2×SSC、1%SDS中50℃での洗浄。
【0064】 本発明はさらに、植物プロトックス酵素の阻害物質耐性形態をコードする遺伝
子の存在を検出し、植物組織内の阻害物質耐性プロトックスの写しのレベルを測
定するためのプローブ及び方法にも向けられている。これらの方法は、本書に開
示されているような植物プロトックス酵素の阻害物質耐性形態をコードする遺伝
子を含有しかつ/又は発現する植物又は植物組織について同定又はスクリーニン
グするためにも使用できる。
【0065】 本発明に従ったプロトックス配列全体又はその一部分は、プロトックスコーデ
ィング配列及び伝令RNAに対し特異的にハイブリッド形成する能力をもつプロ
ーブとして使用できる。さまざまな条件下で特異的なハイブリダイゼーションを
達成するためには、かかるプローブは、プロトックスコーディング配列の中でユ
ニークでありかつ好ましくは長さが少なくとも10ヌクレオチド、最も好ましく
は少なくとも20ヌクレオチドである配列を内含する。かかるプローブは、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)の周知のプロセスを介して、選ばれた生体からのプ
ロトックスコーディング配列を増幅し分析するために使用することができる。こ
の技術は、所望の生体から付加的なプロトックスコーディング配列を分離するた
め、又は1つの生体内のプロトックスコーディング配列の存在を決定するための
診断検定として有用でありうる。
【0066】 ハイブリッドの安定性に影響を及ぼす因子が、ハイブリダイゼーションの緊縮
性を決定する。このような因子の1つは、「DNAプローブ」George H. Keller
及び Mark M. Manak, Macmillian Publisher Ltd. 1993、第1節;分子ハイ
ブリダイゼーション技術:p8 ff.に提出された式に従って容易に計算できる融
点Tmである。
【0067】 好ましいハイブリダイゼーション温度は、計算された融点Tmより約25℃低
い温度の範囲内、好ましくは、計算された融点Tmよりも約12〜15℃低い温
度の範囲内にあり、オリゴヌクレオチドの場合には、融点Tmより約5〜10℃
低い温度の範囲内にある。
【0068】 本発明に含まれるのは、以上で定義されているような本発明に従ったDNA分
子に対して、ただし好ましくは長さが少なくとも10ヌクレオチドのプロトポル
フィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素の配列の隣接部分を含むDN
A分子から得ることのできるオリゴヌクレオチドプローブに対して中位の緊縮性
条件下でハイブリッド形成するDNA分子である。
【0069】 本発明はさらに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における、少なくとも10
ヌクレオチドの長さのmRNA又は植物プロトックス遺伝子に特異的にハイブリ
ッド形成する能力をもつヌクレオチドプローブの使用をも実施する。
【0070】 さらなる実施形態においては、本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ活性をコードする真核性DNA配列又はそれぞれのmRNAに対し特異的に
ハイブリッド形成する能力をもつプローブ及び、本発明に従ったプローブを用い
て真核生物内のDNA配列を検出する方法を提供する。
【0071】 本発明に従ったプロトックス特異的ハイブリダイゼーションプローブは、ゲノ
ミックプロトックス配列に対するプローブの選択的ハイブリダイゼーションに基
づく(標準的技術を用いて、選ばれた生体のゲノム内の未変性真核性プロトック
ス遺伝子(単複)の場所をマッピングするためにも使用することができる。これ
らの技術には、プロトックスプローブ配列内に同定又は含有されたDNA多形現
象の同定、及び2つの多形性親系統のハイブリッドの自家受精由来のマッピング
個体群内の既知のマップ位置のその他のマーカーとの関係におけるプロトックス
遺伝子の隔離を追従するためのかかる多形現象の利用、が含まれる(例えばHele
ntjaris et al., Plant Mol. Biol. 5:109(1985),Sommer et al, B
iotechniques 12:82(1992); D'Ovidio et al., Plant Mol.Biol.
15;169(1990)を参照のこと)。任意の真核生物からのプロトックス
遺伝子をマッピングするためのプローブとしてあらゆる真核性プロトックス配列
が有用であると考えられるが、好ましいプローブは、選ばれた生体に対する関係
がより密である生体からのプロトックス配列であり、最も好ましいプローブは、
選ばれた生体からのプロトックス配列である。この要領でのプロトックス遺伝子
のマッピングは、育種を目的とする植物において特に有用である。例えば除草剤
耐性を付与する突然変異体プロトックス遺伝子の遺伝子マップ位置を知ることに
より、フランキングDNAマーカーを、基準遺伝子マップから同定することがで
きる(例えば、Helentjaris, Trends Genet.3:217(1987)を参照のこ
と)。新しい育種系統の中に除草剤耐性という形質の遺伝子を移入する間、各々
の戻し交雑ラウンドの後反復親の中になおも存在するプロトックスリンクされた
フランキング染色体DNAの範囲を監視するために、これらのマーカーを使用す
ることができる。
【0072】 本発明に従ったプロトックス特異的ハイブリダイゼーションプローブは同様に
、ノーザンブロット分析といったような標準技術を用いて1つの生体内のプロト
ックスmRNAレベルを定量するのに使用することもできる。この技術は、プロ
トックス活性のレベルの低下と結びつけられる、神経精神病学的症候及び皮ふ病
巣の両方により特徴づけされる人間における常染色体優性障害といったような特
定の不利な条件と結びつけることのできるプロトックス発現レベルの改変を検出
するための診断検定として有用でありうる(Brenner and Bloomer, New Eng.J.M
ed. 302:765(1980))。
【0073】 本発明のさらなる実施形態は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロ
トックス)酵素活性をもつタンパク質をコードするDNA部分を含むDNA分子
を産生する方法において、 (a) 植物プロトックス遺伝子又はmRNAに対し特異的にハイブリッド形成
する能力をもつヌクレオチドプローブを調製する段階であって、該プローブが少
なくとも10ヌクレオチドの長さの本発明に従ったプロトックス タンパク質の
ためのコーティング配列の隣接部分を含む段階; (b) 段階(a)に従って調製されたヌクレオチドプローブを用いて、選ばれ
た生体からのクローニングされたゲノミックDNAフラグメント又はcDNAフ
ラグメントの個体群内のその他のプロトックスコーティング配列についてプロー
ブ探査する段階;及び (c) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素活性をも
つタンパク質をコードするDNA部分を含むDNA分子を分離し増殖させる段階
、 を含んで成る方法にある。
【0074】 本発明のさらなる実施形態は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロ
トックス)酵素活性をもつタンパク質をコードするDNA部分を含むあらゆる植
物からのDNA分子を分離する方法にある。 (a) 植物プロトックス遺伝子又はmRNAに対し特異的にハイブリッド形成
する能力をもつヌクレオチドプローブを調製する段階であって、該プローブが少
なくとも10ヌクレオチドの長さの本発明に従ったプロトックス タンパク質の
ためのコーティング配列の隣接部分を含む段階; (b) 段階(a)に従って調製されたヌクレオチドプローブを用いて、選ばれ
た生体からのクローニングされたゲノミックDNAフラグメント又はcDNAフ
ラグメントの個体群内のその他のプロトックスコーティング配列についてプロー
ブ探査する段階;及び (c) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素活性をも
つタンパク質をコードするDNA部分を含むDNA分子を分離し増殖させる段階
、 を含んで成る方法にある。
【0075】 本発明はさらに、プロトポルフォリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵
素活性を示すタンパク質についてコードする基本的に純粋なDNA配列を産生す
る方法において: (a) 適切なクローニング活性を用いて適切な供給源生体からゲノミック又は
cDNAライブラリを調製する段階; (b) 本発明に従ったプローブ分子を用いてライブラリをハイブリッド形成す
る段階;及び (c) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)のためのアミ
ノ酸配列に対応するヌクレオチド配列を潜在的に含有するクローンであるライブ
ラリからのDNAクローンに対するプローブの正のハイブリダイゼーションを同
定する段階、 を含んで成る方法をも含む。
【0076】 本発明はさらに、プロトポルフォリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵
素活性を示すタンパク質についてコードする基本的に純粋なDNA配列を産生す
る方法において: (a) ゲノミック又はcDNAライブラリから全DNAを調製する段階; (b) 本発明に従ったプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
)のアミノ酸配列の低縮退部分を表わすプライマーとのPCR反応のための鋳型
として段階(a)のDNAを使用する段階、 を含んで成る方法を含む。
【0077】 本発明のさらなる目的は、 (a) 本発明に従ったプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
)の第1の試料及びその基質をインキュベートする段階; (b) 段階(a)からのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトック
ス)の未阻害反応性を測定する段階; (c) 阻害物質化合物を含む第2の試料の存在下でプロトポルフィリノーゲン
オキシダーゼ(プロトックス)の第1の試料及びその基質をインキュベートする
段階; (d) 段階(c)からのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトック
ス)酵素の阻害された反応性を測定する段階;及び (e) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素の阻害さ
れた反応性を未阻害反応性と比較する段階、 を含んで成る、プロトポルフォリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素活
性の阻害物質を同定するための検定にある。
【0078】 本発明のさらなる目的は: (a) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素阻害物質
を含む第2の試料の存在下でプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトッ
クス)酵素の第1の試料及びその基質をインキュベートする段階; (b) 段階(a)からのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトック
ス)酵素の突然変異を受けていない反応性を測定する段階; (c) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素阻害物質
を含む第2の試料の存在下で、突然変異を受けたプロトポルフィリノーゲンオキ
シダーゼ(プロトックス)酵素の第1の試料及びその基質をインキュベートする
段階; (d) 段階(c)からの突然変異を受けたプロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)酵素の突然変異を受けた反応性を測定する段階;及び (e) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素の突然変
異を受けた反応性を受けていない反応性と比較する段階、 を含んで成る、阻害物質耐性をもつプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プ
ロトックス)突然変異体を同定するための検定にある。
【0079】 本発明のさらなる目的は、本発明に従った方法により得られたプロトックス酵
素阻害物質にある。
【0080】 宿主生体内の酵素の組換えによる産生のためには、選ばれた宿主のために設計
された発現カセットの中に本発明に従ったプロトックスコーティング配列を挿入
し、それが組換えにより産生される宿主の中に導入することができる。プロモー
タ、シグナル配列、5′及び3′未翻訳配列及びエンハンサといったような特異
的調節配列の選択は、当業者の技能レベル内に入るものである。適切な読取り枠
内にリンクされた個々の要素を含む結果として得られた分子を、宿主細胞の中に
形質転換される能力をもつベクターの中に挿入することができる。タンパク質の
組換え型産生のための適切な発現ベクター及び方法は、E.Coli(例えば Studier
及びMoffatt, J.Mol.Biol.189:113(1986); Brosius, DNA 8:7
59(1989)参照)、酵母(例えば、Schneider 及びGuarente, Meth. Enzy
mol.194:373(1991)参照)及び昆虫細胞(例えばLuckow及びSummer
s, Bio/Technol. 6:47(1988)参照)といったよな宿主生体について周
知である。特定的な例としては、pBluescript (Stratagene, La Jolla, CA)、pF
LAG (International Biotechnologies, Inc.,New Haven, CT), pTrcHis (Invitr
ogen, La Jolla, CA)といったようなプラスミド及び、例えばAutographica cali
fornica核多角体病ウイルス(AcMNPV)のゲノムから誘導されたものとい
ったバキュロウイルス発現ベクターが含まれる。好ましいバキュロウイルス/昆
虫系はpVl 11392/Sf21細胞(Invitrogen, La Jolla, CA)である
【0081】 組換えによって産生された真核性プロトックス酵素は、さまざまな目的のため
に有用である。例えばin vitroでプロトックス酵素活性を供給するためにそれを
使用することができる。同様に、プロトックスを阻害するか否かを見極めるため
その標的が同定されていない既知の除草剤化学物質をスクリーニングする目的で
in vitro検定においてそれを使用することもできる。かかるin vitro検定は同様
に、プロトックス活性を阻害し従って除草剤候補である化学物質を同定するため
のより一般的なスクリーンとしても使用することができる。組換えによって産生
された真核プロトックス酵素は同様に、阻害物質耐性プロトックス突然変異体を
同定するための検定においても使用することができる(その全体が本書に参考と
して内含されているWO95/34659として1995年12月21日に公示
された1995年6月8日付けの国際出願PCT/IB95/00452号を参
照のこと)。代替的には、新しい阻害性除草剤ならびに除草剤寛容性形態の酵素
を合理的に設計する目的で、既知の阻害物質とのその会合をさらに特徴づけする
ために、組換えにより産生されたプロトックス酵素を使用することができる。
【0082】 もう1つの態様においては、本発明は、この酵素の阻害物質耐性形態を生成す
るべくあらゆる真核性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(本書では「プロ
トックス」と呼ぶ)酵素のアミノ酸配列に対して行なうことのできる修飾につい
て教示している。好ましくは、真核性プロトックス酵素は、植物プロトックス酵
素である。本発明は、本書に教示されている修飾をもつ阻害物質耐性プロトック
ス酵素、これらの修飾された酵素をコードするDNA分子、及び植物内でこれら
の修飾された酵素を発現する能力をもつキメラ遺伝子に向けられている。
【0083】 本発明は、少なくとも1つのアミノ酸修飾をもつ修飾された真核性プロトポル
フィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする分離されたDNA分
子において、アミノ酸修飾がプロトックス阻害物質に対する耐性を付与する特性
をもつ、すなわち修飾されたプロトックスが天然に発生する真核性プロトックス
を阻害する量で阻害物質に対する寛容性をもつDNA分子を開示している。本書
で使用する「阻害する」という語は、対象化合物が無い場合に見られる活性レベ
ルに比べて対象化合物の存在下で見られる酵素活性が減少することを意味し、こ
こでその減少の百分率レベルは、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは
少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも90%である。
【0084】 特に、修飾されたプロトックスが天然に発生するプロトックス活性を阻害する
量で除草剤に対する寛容性をもつ植物プロトックス、特に、修飾されたプロトッ
クスが天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤に対する寛容性を
もつ少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するシロイヌナズナプロトックス酵素、
トウモロコシプロトックス酵素、小麦プロトックス酵素、大豆プロトックス酵素
、綿花プロトックス酵素、テンサイプロトックス酵素、セイヨウアブラナプロト
ックス酵素、イネプロトックス酵素、ソルガムプロトックス酵素及びサトウキビ
プロトックス酵素から成るグループの中から選択されたプロトックスである、修
飾された真核プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコード
するDNA分子が開示されている。
【0085】 本書で使用されているように、「実質的に保存されたアミノ酸配列」という表
現は、異なる供給源からのプロトックス酵素を含むポリペプチドの間のアミノ酸
相同性領域を意味する。本発明においては、それぞれ1〜19と呼称された17
個の実質的に保存されたアミノ酸部分配列が表1Bに示されている。当業者であ
れば、本書に定義づけされた実質的に保存されたアミノ酸配列を構成する部分配
列を同定するために、表1Aで行なわれたように、異なる供給源からのプロトッ
クス酵素のアミノ酸配列を整列させることができるだろう。換言すると、1つの
供給源からの一定の与えられた部分配列が異なる供給源からの相同な部分配列に
「対応する」。このとき当業者は、同定された部分配列が本出願で開示され請求
されている特徴を有するか否かを決定することができるだろう。
【0086】 従って、本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)
活性をもつ酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含み、野生
型除草剤感受性プロトックスを含有する植物を形質転換するのに使用される核酸
構成体の中に取込まれる能力をもつ核酸分子において、核酸構成体との形質転換
の時点で植物が除草剤寛容性を有することになるような形で植物プロトックスを
コードする野生型ヌクレオチド配列との関係において少なくとも1つの点突然変
異をヌクレオチド配列が有している核酸分子を開示している。
【0087】 本発明の1つの好ましい実施形態は、 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾され
た酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む核酸分子におい
て、修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害物質に対して耐性
をもち、該修飾された酵素が、 (a) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸特にロイシン又はシステインとする、
APΔ1F、 (b) Δ2をロイシンとする、FΔ2S、 (c) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G、 (d) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (e) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (f) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
外のアミノ酸とするYVΔ17G というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つの含む核酸分子に向けられてい
る。
【0088】 (表1B:部分配列1〜10及び18〜19及び16〜17)。
【0089】 好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性
をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む
核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害
物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素がΔ1をロイシン又はシステインと
するアミノ酸部分配列APΔ1Fを含んでいる、核酸分子である。
【0090】 好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性
をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む
核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害
物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素がΔ2をロイシンとするアミノ酸部
分配列 FΔ2Sを含んでいる核酸分子である。
【0091】 好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性
をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む
核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害
物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素が、Δ3をイソロイシンとするアミ
ノ酸部分配列 YΔ3Gを含んでいる核酸分子である。
【0092】 好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性
をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む
核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害
物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素が、Δ7をヒスチジン又はアラニン
、ただし特にヒスチジンとするアミノ酸部分配列 Δ7IGを含んでいる核酸分子
である。
【0093】 さらに好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
)活性をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列
を含む核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素
の阻害物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素が、Δ18をアラニン以外のア
ミノ酸であるものとするアミノ酸部分配列KAΔ18Fを含んでいる核酸分子であ
る。最も好ましくは、Δ18はトレオニン又はバリンである。
【0094】 好ましいのは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性
をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を含む
核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害
物質に対する耐性をもち、該修飾された酵素が、Δ19をロイシン以外のアミノ酸
とするアミノ酸部分配列QΔ19Hを含んでいる核酸分子である。
【0095】 本発明のもう1つの好ましい実施形態は、プロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離され
たヌクレオチド配列を含む核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生す
るプロトックス酵素の阻害物質に対して耐性をもち、該修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F; (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H; (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸ただし特にロイシン又はシステインと
する、APΔ1F; (d) Δ2をロイシンとする、FΔ2S; (e) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G; (f) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
外のアミノ酸とするYVΔ17G、 というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つのを含んで成り、 (表1B:部分配列1〜10及び18〜19;及び16〜17)、 さらに該修飾された酵素が、第1のアミノ酸部分配列そしてさらに: (c)(d) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とするQΔ11S; (b)(e) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とするIGGΔ12; (e) Δ13をセリン以外のアミノ酸とするSWXLΔ13; (f) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とするLΔ14Y;及び (g) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とするGΔ15XGL、 から成るグループの中から選択された少なくとも1つの付加的アミノ酸部分配列
を含んで成る核酸分子に向けられている。
【0096】 本発明のもう1つの好ましい実施形態は、プロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離され
たヌクレオチド配列を含む核酸分子において、該修飾された酵素が天然に発生す
るプロトックス酵素の阻害物質に対して耐性をもち、該修飾された酵素が、Δ7
をチロシン以外のアミノ酸とするアミノ酸部分配列 Δ7IG;Δ12をトレオニン
以外のアミノ酸とするアミノ酸部分配列 IGGΔ12;及びΔ13をセリン以外の
アミノ酸とするアミノ酸部分配列 SWXLΔ13を含んでいる核酸分子に向けら
れている。最も好ましくは、Δ7は、イソロイシンであり、Δ12はイソロイシン
であり、Δ13はロイシンである。
【0097】 本発明のさらにもう1つの好ましい実施形態は、プロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾された酵素をコードする植物から分
離されたヌクレオチド配列を含み、該修飾された酵素が天然に発生するプロトッ
クス酵素の阻害物質に対する耐性をもち、ヌクレオチド配列はさらに、 (a) 核酸配列が、Δ1をロイシンとするアミノ酸部分配列APΔ1Fをコード
する配列を有する; (b) 核酸配列が、Δ2をロイシンするアミノ酸部分配列FΔ2Sをコードする
配列を有する; (c) 核酸配列が、Δ3をイソロイシンとするアミノ酸部分配列YΔ3Gをコー
ドする配列を有する; (d) 核酸配列が、Δ7をアラニン又はヒスチジンとするアミノ酸部分配列
Δ7IGをコードする配列を有する; (e) 核酸配列が、Δ3アラニン以外但し好ましくはシステイン又はイソロイ
シン、より好ましくはイソロイシンとするアミノ酸部分配列YΔ3Gをコードす
る配列を有し、核酸配列が同様に: (1) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とする、部分配列QΔ11S; (2) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とする、部分配列IGGΔ12; (3) Δ13をセリン以外のアミノ酸とする、部分配列 SWXLΔ13; (4) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とする部分配列LΔ14Y; (5) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とする、部分配列GΔ15XGL、 から成るグループのうちの1つをコードする配列を有する; (f) 核酸配列が、Δ7をチロシン以外但し好ましくはトレオニン、アラニン
又はヒスチジン、より好ましくはアラニン又はヒスチジンそして最も好ましくは
ヒスチジンとするアミノ酸部分配列 Δ7IGをコードする配列を有し、核酸配列
が同様に: (1) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とする、部分配列QΔ11S; (2) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とする、部分配列IGGΔ12; (3) Δ13をセリン以外のアミノ酸とする、部分配列 SWXLΔ13; (4) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とする部分配列LΔ14Y; (5) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とする、部分配列 GΔ15XGL、 から成るグループのうちの1つをコードする配列を有する、 (g) 核が、Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするアミノ酸部分配列TΔ16
をコードする配列を有し、核酸配列が同様にΔ17をアラニン以外のアミノ酸とす
るアミノ酸部分配列YVΔ17Gをコードする配列を有する; (h) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とするKAΔ18F; (i) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とするQΔ19H、 という条件のうちの少なくとも1つが満たされていることを特徴としている核酸
分子に向けられている。
【0098】 好ましくは、前記核酸配列は、Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするアミノ酸
部分配列TΔ16Gをコードする配列を有し、前記核酸配列は同様に、Δ17をアラ
ニン以外のアミノ酸とするアミノ酸部分配列YVΔ17Gをコードする配列を有す
る。好ましくは、核酸配列は、Δ16をセリンとするアミノ酸部分配列 TΔ16
をコードする配列を有し、前記核酸配列は又、Δ17をトレオニンとするアミノ酸
部分配列 YVΔ17Gをコードする配列を有する。
【0099】 同様に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸88に対応する位置で発生するア
ルギニンがもう1つのアミノ酸で置換されている植物プロトックスを含む修飾さ
れたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードし、修飾
されたプロトックスが、天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤
に対する寛容性をもつDNA分子である。特に好ましいのは、アルギニンがロイ
シン又はシステインで置換されているDNA分子である。
【0100】 同様に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸159に対応する位置において発
生するシステインがロイシンで置換されている植物プロトックスを含む修飾され
たプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA
分子である。
【0101】 同様に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸175に対応する位置で発生する
アラニンがもう1つのアミノ酸で置換されている植物プロトックスを含む修飾さ
れたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードし、修飾
されたプロトックスが、天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤
に対する寛容性をもつDNA分子である。特に好ましいのは、アラニンがバリン
又はトレオニンで置換されているDNA分子である。
【0102】 同様に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸337に対応する位置で発生する
ロイシンがもう1つのアミノ酸で置換されている植物プロトックスを含む修飾さ
れたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードし、修飾
されたプロトックスが、天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤
に対する寛容性をもつDNA分子である。特に好ましいのは、ロイシンがセリン
で置換されているDNA分子である。
【0103】 同様に好ましいのは、配列番号16のアミノ酸428に対応する位置において
発生するチロシンがヒスチジン又はアラニン、好ましくはヒスチジンで置換され
ている植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダー
ゼ(プロトックス)をコードするDNA分子である。
【0104】 同様に好ましいのは、配列番号2のアミノ酸220に対応する位置において発
生するアラニンがイソロイシン又はチロシン、好ましくはイソロイシンで置換さ
れている植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子である。
【0105】 同様に好ましいのは、配列番号2のアミノ酸426に対応する位置において発
生するチロシンがアラニンで置換されている植物プロトックスを含む修飾された
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分
子である。
【0106】 同様に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸347に対応する位置において発
生するロイシンがセリンで置換されており、配列番号6のアミノ酸453に対応
する位置において発生するアラニンがトレオニンで置換されている植物プロトッ
クスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)
をコードするDNA分子である。
【0107】 本発明はさらに、第1のアミノ酸置換及び第2のアミノ酸置換をもつ植物プロ
トックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトック
ス)をコードし、該第1のアミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性を
付与する物性をもち、第2のアミノ酸置換が第1のアミノ酸置換により付与され
た耐性を増強する特性をもつDNA分子、ただし特に、該植物がトウモロコシ、
小麦、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム、サトウキビ
、及びシロイヌナズナから成るグループの中から選択されている植物プロトック
スを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)を
コードするDNA分子を開示している。好ましいのは、 第1のアミノ酸置換が (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (c) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 からなるグループの中から選択された位置で起こる、請求項25に記載の核酸分
子。
【0108】 特に好ましいのは、第1のアミノ酸置換が、 (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; (b) 配列番号6のアミノ酸164におけるアラニンに対応する位置; (c) 配列番号6のアミノ酸165におけるグリシンに対応する位置; (d) 配列番号6のアミノ酸370におけるチロシンに対応する位置; (e) 配列番号6のアミノ酸159におけるシステインに対応する位置; (f) 配列番号6のアミノ酸419におけるイソロイシンに対応する位置; (g) 配列番号10のアミノ酸356におけるバリンに対応する位置; (h) 配列番号10のアミノ酸421におけるセリンに対応する位置; (i) 配列番号10のアミノ酸502におけるバリンに対応する位置; (j) 配列番号10のアミノ酸211におけるアラニンに対応する位置; (k) 配列番号10のアミノ酸212におけるグリシンに対応する位置; (l) 配列番号10のアミノ酸466におけるイソロイシンに対応する位置; (m) 配列番号12のアミノ酸369におけるプロリンに対応する位置; (n) 配列番号12のアミノ酸226におけるアラニンに対応する位置; (o) 配列番号12のアミノ酸432におけるチロシンに対応する位置; (p) 配列番号12のアミノ酸517におけるバリンに対応する位置; (q) 配列番号16のアミノ酸428におけるチロシンに対応する位置; (r) 配列番号16のアミノ酸365におけるプロリンに対応する位置; (s) 配列番号18のアミノ酸449におけるチロシンに対応する位置; (t) 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (u) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こり、かつ 第2のアミノ酸置換が: (a) 配列番号2のアミノ酸305におけるセリンに対応する位置; (b) 配列番号2のアミノ酸249におけるトレオニンに対応する位置; (c) 配列番号2のアミノ酸118におけるプロリンに対応する位置; (d) 配列番号2のアミノ酸425におけるアスパラギンに対応する位置;及
び (e) 配列番号2のアミノ酸498におけるチロシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こるDNA分子である。
【0109】 特に好ましいのは、第1のアミノ酸置換が: (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; (b) 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (c) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こり、かつ第2のアミノ酸置換が (a) 配列番号2のアミノ酸305におけるセリンに対応する位置; (b) 配列番号2のアミノ酸249におけるトレオニンに対応する位置; (c) 配列番号2のアミノ酸118におけるプロリンに対応する位置; (d) 配列番号2のアミノ酸425におけるアスパラギンに対応する位置;及
び (e) 配列番号2のアミノ酸498におけるチロシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こるDNA分子である。
【0110】 特に好ましいのは、配列番号6の残基88に対応する位置で発生するアルギニ
ンがシステイン又はロイシンで置換されているDNA分子である。
【0111】 より好ましいのは、配列番号6の残基159に対応する位置において発生する
システインがロイシンで置換されているDNA分子である。
【0112】 特に好ましいのは、配列番号6の残基175に対応する位置で発生するアラニ
ンがトレオニン及びバリンから成るグループの中から選択されたアミノ酸で置換
されているDNA分子である。
【0113】 特に好ましいのは、配列番号6の残基337に対応する位置で発生するロイシ
ンがセリンで置換されているDNA分子である。
【0114】 さらに好ましいのは、配列番号16の残基428に対応する位置において発生
するチロシンがヒスチジン又はアラニンで置換されているDNA分子である。 本発明はさらに、2重アミノ酸置換をもつ植物プロトックスを含む修飾されたプ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子
において、両方のアミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性が存在する
ためにそこに必要とされているDNA分子に向けられている。好ましいのは、植
物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロ
トックス)をコードし、該植物がトウモロコシ、小麦、大豆、綿花、テンサイ、
セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム、サトウキビ、及びシロイヌナズナから成る
グループの中から選択されているDNA分子である。より好ましいのは、植物が
トウモロコシである植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲ
ンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子である。
【0115】 好ましいのは、2重アミノ酸置換を有し、1つのアミノ酸置換が、配列番号6
のアミノ酸347においてロイシンに対応する位置で起こり、第2のアミノ酸置
換が、配列番号6のアミノ酸453においてアラニンに対応する位置で起こるD
NA分子である。
【0116】 特に好ましいのは、配列番号6のアミノ酸347に対応する位置で発生するロ
イシンがセリンにより置換され、配列番号6のアミノ酸453に対応する位置で
発生するアラニンがトレオニンで置換される、2重アミノ酸置換を有するDNA
分子である。
【0117】 本発明はさらに、植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲ
ンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子において、該植物プロ
トックスが配列番号37から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含むD
NA分子にも向けられている。
【0118】 本発明はさらに、本発明に従った真核生物からのプロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ(プロトックス)酵素をコードするDNA分子に対し操作可能な形で
リンクされた基本的に1つのプロモータ,ただし特に植物の中で活性であるプロ
モータを含む発現カセット及びそれを含む組換え型ベクターにも向けられている
。本発明に従った発現カセットは、さらに、DNA分子に操作可能な形でリンク
されかつ葉緑体又はミトコンドリア内へDNA分子によりコードされたタンパク
質をターゲッティングする能力をもつシグナル配列を含む。
【0119】 本発明は、本発明に従った真核生物からのプロトポルフィリノーゲンオキシダ
ーゼ(プロトックス)酵素をコードする異種DNA分子に対し操作可能な形でリ
ンクされた基本的に1つのプロモータただし特に植物の中で活性であるプロモー
タを含む発現カセットを含んで成るキメラ遺伝子に関する。好ましいのは、PN
A分子がサトウキビからのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトック
ス)酵素をコードしているキメラ遺伝子である。
【0120】 より好ましいのは、配列番号37に記されている配列を含むサトウキビからの
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする異種DN
A分子に操作可能な形でリンクされた植物中で活性なプロモータを含むキメラ遺
伝子である。
【0121】 特に好ましいのは、DNA分子が、プロトックス−1活性をもつサトウキビか
らのタンパク質をコードするキメラ遺伝子、好ましくは、タンパク質がS37に
記されたアミノ酸配列を含むキメラ遺伝子である。
【0122】 本発明は同様に、酵素の対応する未修飾バージョンを阻害するレベルで除草剤
に対する耐性をもつ、本発明に従った真核生物からのプロトポルフィリノーゲン
オキシダーゼ(プロトックス)酵素をコードするDNA分子に操作可能な形でリ
ンクされた、基本的に1つのプロモータ、ただし特に1つの植物中で活性なプロ
モータを含む発現カセットを含むキメラ遺伝子を実施している。好ましいのは、
シロイヌナズナ、 サトウキビ、大豆、大麦、綿花、タバコ、テンサイ、セイヨ
ウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、芝生及び飼料
牧草、アワ、青刈飼料及びイネから成るグループの中から選択された植物からの
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵素をDNA分子がコ
ードするキメラ遺伝子である。より好ましいのは、大豆、綿花、タバコ、テンサ
イ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、芝
草及びイネから成るグループの中から選択された植物からのプロトポルフィリノ
ーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をDNA分子がコードするキメラ遺伝子で
ある。特に好ましいのは、シロイヌナズナ、 大豆、綿花、テンサイ、セイヨウ
アブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム及びイネから成るグループの中から選
択された植物からのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)酵
素をDNA分子がコードしているキメラ遺伝子である。
【0123】 本発明に包含されているのは、プロトックス阻害物質に対する耐性を付与する
特性をもつ少なくとも1つのアミノ酸修飾を有する真核性プロトックスを含む修
飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする
本発明に従ったDNA分子に操作可能な形でリンクされた植物内で活性なプロモ
ータを含むキメラ遺伝子である。
【0124】 同様に本発明に包含されているのは、第1のアミノ酸置換及び第2のアミノ酸
置換をもち;該第1のアミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性を付与
する特性をもち;第2のアミノ酸置換が第1のアミノ酸置換により付与された耐
性を増強する特性をもつ、植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリ
ノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする本発明に従ったDNA分子
に操作可能な形でリンクされた植物内で活性なプロモータを含むキメラ遺伝子で
ある。好ましいのは、DNA分子に操作可能な形でリンクされかつ葉緑体又はミ
トコンドリア内にDNA分子によりコードされたタンパク質をターデティングす
る能力をもつシグナル配列をさらに含むキメラ遺伝子である。
【0125】 本発明に従ったキメラ遺伝子は、その上、本発明のDNA分子に操作可能な形
でリンクされ、かつ葉緑体の中にDNA分子によってコードされたタンパク質を
ターゲティングする能力をもつシグナル配列をさらに含んでいてよい。本発明に
従ったキメラ遺伝子はその上、本発明のDNA分子に操作可能な形でリンクされ
かつ、ミトコンドリアの中にDNA分子によってコードされたタンパク質をター
デティングする能力をもつシグナル配列をさらに含むことができる。
【0126】 同じく本発明に包含されているのは、以上で言及されている、宿主ゲノム内に
安定した形で組込まれたDNA分子のいずれかである。
【0127】 本発明はさらに、本発明に従った植物プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
(プロトックス)又はその機能的に等価の誘導体を含む組換え型DNA分子に関
する。
【0128】 本発明はさらに、本発明の組換え型DNA分子を含む組換え型DNAベクター
に関する。
【0129】 本発明のさらなる目的は、宿主細胞内に安定した形で形質転換される能力をも
つ、本発明に従ったキメラ遺伝子を含む組換え型ベクターである。
【0130】 本発明のさらなる目的は、植物、植物種子、植物組織又は植物細胞内に安定し
た形で形質転換される能力をもち、本発明に従ったキメラ遺伝子を含んで成る組
換え型ベクターである。好ましいのは、本発明に従ったキメラ遺伝子を含み、植
物内に安定した形で形質転換される能力をもつ組換え型ベクターである。ベクタ
ーで安定した形で形質転換された植物、植物種子、植物組織又は植物細胞は、プ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子
を発現する能力をもつ。好ましいのは、ベクターで安定した形で形質転換された
植物、植物種子、植物組織又は植物細胞が、酵素の対応する未修飾バージョンを
阻害するレベルで除草剤に対する耐性をもつ植物からのプロトポルフィリノーゲ
ンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子を発現する能力をもつ
【0131】 好ましいのは、配列番号37に記された配列を含むサトウキビからのプロトポ
ルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする異種DNA分子に
操作可能な形でリンクされた、植物中で活性なプロモータを含む本発明のキメラ
遺伝子を含んで成り、宿主細胞内に安定した形で形質転換される能力をもつ組換
え型ベクターである。
【0132】 好ましいのは、第1のアミノ酸置換及び第2のアミノ酸置換をもち、該第1の
アミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性を付与する特性をもち第2の
アミノ酸置換が第1のアミノ酸置換により付与された耐性を増強する特性をもつ
植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プ
ロトックス)をコードするDNA分子に操作可能な形でリンクされた植物内で活
性なプロモータを含む本発明のキメラ遺伝子を含んで成り、植物細胞内に安定し
た形で形質転換される能力をもつ組換え型ベクターである。
【0133】 同様に本発明に包含されているのは、本発明に従ったベクターで安定した形で
形質転換され、DNA分子を発現する能力をもつ宿主細胞である。好ましいのは
、植物細胞、細菌細胞、酵母細胞及び昆虫細胞から成るグループの中から選択さ
れた宿主細胞である。
【0134】 本発明はさらに、植物内で天然に発生するプロトックス活性を阻害する除草剤
に対する寛容性をもち、該寛容性が本書で教示されているような修飾された阻害
物質耐性プロトックス酵素を発現する遺伝子によって付与されている、植物及び
その後代、植物組織及び植物種子にも向けられている。代表的植物としては、こ
れらの除草剤をその通常意図された目的のために適用できるあらゆる植物が内含
される。好ましいのは、作物学的に重要な作物、すなわち、シロイヌナズナ、サ
トウキビ、大豆、大麦、綿花、タバコ、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロ
コシ、小麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、トマト、ジャガイモ、芝草及び飼料
牧草、アワ、青刈飼料及びイネなどといった被子植物及び裸子植物である。より
好ましいのは、作物学的に重要な作物すなわちシロイヌナズナ、綿花、大豆、セ
イヨウアブラナ、テンサイ、トウモロコシ、イネ、小麦、大麦、オート麦、ライ
麦、ソルガム、アワ、芝、青刈飼料、芝草といった被子植物及び裸子植物である
。特に好ましいのは、作物学的に重要な作物、すなわちシロイヌナズナ、大豆、
綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム及びイネと
いったような被子植物及び裸子植物である。
【0135】 好ましいのは、第1のアミノ酸置換及び第2のアミノ酸置換をもち、該第1の
アミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性を付与する特性をもち第2の
アミノ酸置換が第1のアミノ酸置換により付与された耐性を増強する特性をもつ
植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プ
ロトックス)をコードするDNA分子を含み、ここで該DNA分子が植物内で発
現され天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤に対する寛容性を
該植物に付与するような植物である。好ましいのは、DNA分子が対応する天然
に発生するプロトックスコーティング配列に置き換わっている植物である。本発
明に含まれるのは、天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で除草剤に対
する寛容性を植物に付与する、本発明に従ったキメラ遺伝子を含む植物及びその
後代である。
【0136】 本発明により包含されているのは、本発明に従った少なくとも1つのキメラ遺
伝子で安定した形で形質転換された植物及びその後代、種子及び培養された組織
を含む遺伝子導入植物組織である。好ましいのは、植物組織内で酵素の対応する
未修飾バージョンを阻害するレベルで除草剤に対する耐性をもつプロトポルフィ
リノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子に操作可能な
形でリンクされた、基本的に1つのプロモータただし特に植物中で活性であるプ
ロモータを含む発現カセットを含んで成る少なくとも1つのキメラ遺伝子で安定
した形で形質転換された、植物、種子及び培養組織を含めた遺伝子導入植物組織
である。
【0137】 本発明はさらに、植物内で天然に発生するプロトックス活性を阻害する除草剤
に対し寛容性をもち、該寛容性が、野生型除草剤感受性プロトックスの発現を増
大させることによって付与される、植物、植物組織、植物種子、及び植物細胞に
向けられている。その結果、植物細胞内のプロトックス酵素のレベルは、少なく
とも除草剤によってひき起こされる成長阻害を克服するのに充分なものとなる。
一般に、発現された酵素のレベルは、天然に発現される量の少なくとも2倍、好
ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍である。発現の増大
は、野生型プロトックス遺伝子の多重コピー、遺伝子内のコーティング配列の多
重出現(すなわち遺伝子増幅)又は植物細胞内の内因性遺伝子の非コーディング
調節配列内の突然変異に起因する可能性がある。かかる改変された遺伝子活性を
もつ植物は、当該技術分野において既知の方法により植物内で直接的選択によっ
て得られる(例えば米国特許第5,162,602号及び米国特許第4,761
,373号及びその中の引用参考文献を参照)。これらの植物は同様に、当該技
術分野において既知の遺伝子工学技術により得ることができる。除草剤感受性プ
ロトックス遺伝子の発現の増大は、プロトックス酵素をコードする同種又は異種
の構造遺伝子に操作可能な形でリンクされた植物細胞の中で会合された構造遺伝
子の発現を駆動する能力をもつプロモータを含む組換え型又はキメラDNA分子
で植物細胞を安定した形で形質転換させることによっても達成可能である。
【0138】 本発明の組換え型DNA分子は、当該技術分野で認知された数多くの方法で植
物細胞中に導入され得る。当業者であれば、方法の選択が形質転換のためにター
ゲティングされた植物のタイプすなわち単子葉植物か双子葉植物かによって左右
される可能性があるということを認識するだろう。 植物細胞を形質転換させる適切な方法には、微量注入(Crossway et al., Bio T
echnique 4:320−334(1986))、電気穿孔法(Riggs et al, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 83:5602−5606(1986))、Agrobacterium
を媒介とする形質転換(Hinchee et al, Biotechnology 6:915−921(1
988))、直接的遺伝子移入(Paszkowski et al, EMBO J. 3:2717−2
722(1984))、Agracetus Inc., Madison, Wisconsin 及びDupon, Inc.,
Wilmington, Delaware より入手可能な装置を用いた弾道粒子加速(例えば、San
ford et al., 米国特許第4,945,050号;及びMcCabe et al., Biotechn
ology 6:923−926(1988)を参照のこと)、原形質体形質転換/再生
方法(Ciba-Geigy Corp.,に対する1994年9月27日付け米国特許第5,3
50,689号を参照のこと)、及び花粉形質転換(米国特許第5,629,1
83号参照)が含まれる。同様に、Weissinger et al., Annual Rev. Genet. 2
2:421−477(1988); Sanford et al., Particulate Science and T
echnology 5:27-37(1987)(タマネギ);Christou et al., Plant Physiol. 8
7:671−674(1988)(大豆);McCabe et al., Bio/Technology 6:9
23−926(1988)(大豆);Datta et al., Bio/Technology 8:736−
740(1990)(イネ);Klein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85
:4305−4309(1988)(トウモロコシ);Klein et al., Bio/Technolo
gy, 6:559−563(1988)(トウモロコシ);Klein et al., Plant Ph
ysiol. 91:440−444(1988)(トウモロコシ);Fromm et al., Bio
/Technology 8:833−839(1990);Gordon-Kamm et al., Plant Cell
2:603−618(1990)(トウモロコシ);及び米国特許第5,591
,616号及び5,679,558号(イネ)も参照のこと。
【0139】 本発明の範囲内に含まれるのは、通常は植物内の天然に発生するプロトックス
活性にとって阻害性あるレベルの除草剤による阻害に対する耐性又は少なくとも
寛容性をなおも有している、遺伝子導入植物、特に前述のプロセスを用いて形質
転換された遺伝子導入稔性植物、及びそれらの無性及び/又は有性後代である。
後代植物にはさらに、親植物とは異なる遺伝子背景をもち、もどし交雑プログラ
ムの結果として得られ、なおも本発明に従った除草剤耐性形質をそのゲノム内に
含む植物も内含されている。特に好ましいのは、通常は植物中の天然に発生する
プロトックス活性にとって阻害性あるレベルの除草剤による阻害に対する耐性又
は少なくとも寛容性をもつハイブリッド植物である。
【0140】 本発明に従った遺伝子導入植物は、双子葉植物であっても単子葉植物であって
もよい。好ましいのは、Lolium、 Zea、 Triticum、 Triticale、 Sorghum、 Sa
ccharum、 Bromus、 Oryzae、 Avena、 Hordeum、 Secale及びSetaria 植物を含
むGraminacee科の単子葉植物である。より好ましいのは、遺伝子導入トウモロコ
シ、小麦、大麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、サトウキビ、芝草及び飼料牧草
、アワ及びイネである。特に好ましいのは、トウモロコシ、小麦、ソルガム、ラ
イ麦、オート麦、芝草及びイネである。
【0141】 双子葉植物のうち、ここでは、シロイヌナズナ、大豆、綿花、テンサイ、セイ
ヨウアブラナ、タバコ、トマト、ポテト及びヒマワリがより好まれる。特に好ま
しいのは、大豆、綿花、タバコ、テンサイ、トマト、ジャガイモ及びセイヨウア
ブラナである。
【0142】 「後代」という表現は、遺伝子導入植物の「無性」及び「有性」的に生成され
た後代の両方を包含するものとして理解される。この定義づけは同様に、例えば
細胞融合又は突然変異体選択のための既知のプロセスを用いて得ることができし
かも、当初の形質転換植物の特徴的特性をなおも示す全ての突然変異体及び変異
体、ならびに形質転換された植物材料の全ての交雑及び融合産物を内含すること
とされている。これには又、後代植物がなおも本発明に従った除草剤耐性形質を
含むかぎりにおいて、戻し交雑プログラムの結果として得られる後代植物も内含
される。
【0143】 本発明のもう1つの目的は、遺伝子導入植物の増殖材料に関する。遺伝子導入
植物の増殖材料は、本発明に関しては、in vivo又はin vitroで有性的又は無性
的に生殖しうるあらゆる植物材料として定義づけされる。本発明の範囲内で特に
好ましいのは、原形質体、細胞、カルス、組織、器官、種子、胚芽、花粉、卵細
胞、接合体、ならびに遺伝子導入植物から得られるその他のあらゆる生殖材料で
ある。
【0144】 植物の一部分は、例えば、本発明のプロセスを用いて先に形質転換され従って
少なくとも部分的に遺伝子導入細胞で構成されている遺伝子導入植物又はその後
代に由来する花、茎、果実、葉、根も同様に本発明の1つの目的である。
【0145】 本発明のもう1つの目的は、本発明のプロセスを用いて先に形質転換され従っ
て本発明に従ったDNAで植物、植物部分を形質転換させることによって植物プ
ロトックス酵素の阻害物質耐性形態を産生する遺伝子導入植物又はその後代に由
来する植物、原形質体、細胞、カルス、組織、器官、種子、胚芽、花粉、卵細胞
、接合体ならびにその他のあらゆる生殖材料、植物の一部分例えば花、茎、果実
、葉、根を産生する方法にある。好ましいのは、本発明に従った組換え型ベクタ
ー分子で宿主細胞を形質転換する段階を含んで成る、プロトポルフィリノーゲン
オキシダーゼ(プロトックス)活性をもつ真核生物からのタンパク質をコードす
る分離されたDNA分子を含む宿主細胞の産生方法である。さらに好ましいのは
、本発明に従った組換え型ベクター分子で植物細胞を形質転換する段階を含んで
成る、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性をもつ真核
生物からのタンパク質をコードする分離されたDNA分子を含む植物細胞の産生
方法である。好ましいのは、本発明に従った組換え型ベクター分子で親植物を形
質転換させる段階及び植物育種技術が関与する遺伝子導入親植物の後代に対して
除草剤寛容性形質を移入させる段階を含んで成る、プロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ(プロトックス)活性をもつ真核生物からのタンパク質をコードする
分離されたDNA分子を含む遺伝子導入親植物の遺伝子導入後代の産生方法であ
る。
【0146】 好ましいのは、耐性プロトックス酵素をコードする構造遺伝子で安定した形で
形質転換された、植物プロトックス酵素の阻害物質耐性形態を産生する植物、植
物組織、植物種子及び植物部分の産生方法である。特に好ましいのは、本発明に
従ったDNAで安定した形で形質転換された植物、植物組織、植物種子及び植物
部分の産生方法である。特に好ましいのは、除草剤耐性系統を分離し特徴づけし
開発する直接的選択技術によって調製された、植物プロトックス酵素の阻害物質
耐性形態を産生する植物、植物組織、植物種子及び植物部分の産生方法である。
【0147】 上述の遺伝子導入種子及び植物内に工学処理された遺伝的材料は、有性生殖又
は栄養成長により伝えられ、かくして後代植物内で維持され伝播される。一般に
、この維持及び伝播には、耕うん、播種又は収獲といったような特定の目的に合
うように開発された既知の農業的方法が使用される。養液栽培又は温室技術とい
ったような専門的プロセスも応用できる。成長する作物は、昆虫又は感染によっ
てひき起こされる攻撃及び損傷、ならびに雑草植物による競合を受けやすいこと
から、雑草、植物疾病、昆虫、線虫及び収量を改善するのに不利なその他の条件
を制御するための措置が講じられている。これには、土壌の耕うん又は雑草及び
感染した植物の除去といった機械的措置ならびに除草剤、殺真菌剤、生殖体撲滅
薬、殺線虫剤、成長調節薬、発熱剤及び殺虫剤といったような農薬の散布が含ま
れる。
【0148】 本発明に従った遺伝子導入植物及び種子の有利な遺伝的特性はさらに、有害生
物寛容性、除草剤寛容性R又はストレス寛容性といったような改善された特性、
改善された栄養価、増大した収量又は倒伏又は実こぼれによる損失を減少させる
改善された構造をもつ植物の開発を目指した植物育種においても使用可能である
。さまざまな育種段階は、交雑すべき系統の選択、親系統の受粉の誘導又は適切
な後代植物の選択といったような明確な人間の介入により特徴づけられている。
所望の特性に応じて、異なる育種措置が講じられる。関連する技術は当該技術分
野において周知のものであり、ハイブリダイゼーション、同系交配、もどし交配
、多系交配、品種配合、種間ハイブリダイゼーション、異数体技術などが含まれ
るが、これらに制限されるわけではない。ハイブリダイゼーション技術には、機
械的、化学的又は生化学的手段による雄又は雌の不稔植物を生み出すための植物
の不妊化も含まれる。異なる系統の花粉と雄不稔植物の他家受粉は、雄不稔であ
るものの雌稔性の植物のゲノムが確実に両親系統の特性を均等に得られるように
する。かくして、本発明に従った遺伝子導入種子及び植物は、例えば、除草剤又
は殺虫薬処理といった従来の方法の有効性を増大させるか又はその修飾された遺
伝的特性による方法を無しですますことができるようにする改善された植物系統
の育種のために使用することができる。代替的には、その遺伝的「装備」が最適
化されたために、匹敵する不利な開発条件を寛容できなかった産物に比べて優れ
た質の収獲産物を生み出す、改善されたストレス寛容性をもつ新しい作物を得る
ことができる。
【0149】 種子の生産においては、種子の発芽品質及び均質性が不可欠の産物特徴である
が、一方、農家が収獲し販売する種子の発芽品質及び均質性は重要ではない。1
つの作物をその他の作物及び雑草の種子を含まない状態に保ち、種子伝染病を制
御し、優れた発芽の種子を生産することは困難であるため、純粋種子の培養、調
質及び販売技術の経験が豊かな種子生産者によって、かなり高価で明確に規定さ
れた種子生産実践方法が開発されてきた。かくして、農家が自らの作物から収獲
した種子を使用する代りに、特定の品質規準を満たす保証種子を購入するのが一
般的な慣行となっている。種子として使用すべき繁殖材料は、慣習的に、除草剤
、殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫薬、軟体動物駆除剤、又はその混合物を含
む保護剤コーティングで処理される。慣習的に使用される保護剤コーティングに
は、カプタン、カルボキシン、チイラム(TMTD(商標))、メタラキシル(
Apron(商標))及びピリミフォス−メチル(Actellic(商標))が含まれる。
望まれる場合、これらの化合物は、細菌、真菌又は動物の有害生物によりひき起
こされる損害に対する保護を提供するべく処方技術分野で慣習的に利用されてい
るさらなる担体、界面活性剤又は適用促進用アジュバンドと合わせて処方される
。保護剤コーティングは、繁殖材料に液体製剤を含浸させるか又は乾式又は湿式
の組合せ製剤でコーティングすることによって適用できる。つぼみ又は果実に向
けられた処置といったようなその他の適用方法も同様に可能である。
【0150】 かくして本発明のさらなる目的は、栽培植物のための植物生殖材料、特に種子
処置において慣習的に用いられる種子保護剤コーティングで処理された植物種子
を提供することにある。
【0151】 本発明のさらなる態様は、本発明に従った遺伝子導入植物、遺伝子導入植物材
料又は遺伝子導入種子の使用を特徴とする、以上で例示した方法といったような
新しい農業方法を提供することにある。本発明に含まれているのは、除草剤に対
する耐性を付与するべく1つの植物内で除草剤標的タンパク質の除草剤耐性形態
を発現するのに充分な量で本発明に従ったキメラ遺伝子を含む遺伝子導入植物又
はその後代が使用される農業方法である。
【0152】 本発明の方法に従って形質転換された植物から後代を育種するためには、以下
のような方法を使用することができる: すなわち、以下で記す例中に記述され
ているとおりに生産されたトウモロコシ植物は、当該技術分野において既知のと
おり、温室内の鉢の中又は土の中で成長させられ、開花できる。成熟した雄穂か
ら花粉を得、同一植物、同胞植物又はいずれかの望ましいトウモロコシ植物の穂
に受粉するために使用される。同様にして、形質転換された植物上に発達した穂
には、同一植物、同胞植物又はいずれかの望ましいトウモロコシ植物から得た花
粉を受粉することができる。この方法によって得られた形質転換された後代は、
導入された遺伝子(単複)及び/又は付随するDNA(遺伝子型)又は付与され
た表現型の存在によって、未形質転換後代と区別することができる。形質転換さ
れた後代は同様にして、望ましい形質をもつあらゆる植物について通常行なわれ
るように、その他の植物に対し交配させてもよいし又は自家受粉させてもよい。
同様にして、この方法によって生産されたタバコ又はその他の形質転換された植
物も、所望の特徴をもつ後代を生産するため当該技術分野において既知である通
りに自家受粉又は交雑させることができる。同様にして、当該技術分野において
既知の方法と本発明の組合せによって生産されたその他の遺伝子導入生体を、所
望の特徴をもつ後代を生産する目的で当該技術分野において既知の通りに育種す
ることもできる。
【0153】 本発明の修飾された阻害物質耐性プロトックス酵素は、その天然に発生する対
応物(すなわち組換え型DNA方法を介して直接的に又は人間による選択的育種
などを介して間接的に操作されることなく植物内に天然に発生する 阻害物質感
受性形態)に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換、付加又は欠失を有する。
【0154】 プロトックス酵素の阻害物質耐性形態を生成するため又は阻害物質耐性を増強
させるために修飾させ得るアミノ酸の位置は、シロイヌナズナ、トウモロコシ、
大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム、小麦及びサトウキ
ビからの植物プロトックス−1の場合に関して表1A中に太文字で示されている
。当業者であれば、酵素の阻害物質耐性形態を生成するべく本発明に従って修飾
されるアミノ酸の整列及び同定を可能にするためプロトックス酵素配列と充分類
似する構造をもつあらゆる植物 プロトックス遺伝子に対して同等の変更を加え
ることができるということがわかるだろう。かかる付加的な植物プロトックス遺
伝子は、その関連部分が本書に参考として内含されている、1995年6月8日
付けで提出され1995年12月21日付けでWO95/34659号として公
示された国際出願PCT/IB95/00452号の中で記述されている通りの
標準技術を用いて得ることができる。
【0155】 本書で教示されている除草剤耐性プロトックスコーディング配列をコードする
DNA分子を、作物植物内での最適な発現のために遺伝子工学処理することがで
きる。これには、問題の作物種における最適な発現のため、耐性対立遺伝子のコ
ーティング配列を改変することが含まれていてよい。特定の作物種内での最適な
発現を達成するべくコーティング配列を修飾する方法は、周知のものである(例
えば、Perlak et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:3324(1991
);Koziel et al., Bio/technol. 11:194(1993)を参照のこと)。
【0156】 最適な発現のためにプロトックスコーディング配列を遺伝子工学処理すること
には、同様に、適切な調節配列(すなわちプロモータ、シグナル配列、転写ター
ミネータ)を操作可能な形でリンクすることも内含され得る。植物又は植物細胞
を機能させる能力をもつプロモータ(すなわち植物細胞内のプロトックスといっ
たような会合された構造遺伝子の発現を駆動する能力をもつプロモータ)の例と
しては、カリフラワモザイクウイルス(CaMV)19S又は35S プロモー
タ及びCaMV2重プロモータ;ノパリンシンターゼプロモータ;病原関連性(
PR)タンパク質 プロモータ;リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ(ss
uRUBISCO)プロモータ、EPA0559 603を参考としたBrassica
からの熱ショックタンパク質プロモータ(hsp80 プロモータ)、シロイヌ
ナズナアクチンプロモータ、そしてWO95/14098を参考としたSuper Ma
s プロモータなど内含される。好ましいプロモータは、高レベルの構成性発現を
付与するプロモータ、又はより好ましくは、除草剤による損傷を受ける可能性の
ある組織内の特異的な高レベル発現を付与するプロモータである。好ましいプロ
モータは、イネアクチンプロモータ(McElroy et al., Mol. Gen. Genet.231
:150(1991))、トウモロコシユビキチンプロモータ(EP 0342
926;Taylor et al., Plant Cell Rep.12:491(1993))及びタバ
コ、シロイヌナズナ又はトウモロコシからのPR−1プロモータ(その全体が本
書に参考として内含されているRyals et al に対する米国特許第5,614,3
95号を参照のこと)である。プロモータ自体は、当該技術分野で認識されてい
る手順に従って、プロトックス発現を増大させるようにプロモータを操作するべ
く修飾され得る。
【0157】 発明人らは、同じく、阻害物質耐性プロトックスコーティング配列と共に使用
するためのもう1つの好ましいプロモータが、未変性プロトックス遺伝子と会合
されたプロモータ(すなわち、プロトックスプロモータ; その全体が本書に参
考として内含されている「プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子からの
プロモータ」という題の同時係属共同所有米国特許出願第08/808,323
号参照)であるということも発見した。シロイヌナズナプロトックス−1遺伝子
からのプロモータ配列は、配列番号13に記されており、トウモロコシプロトッ
クス−1遺伝子からのプロモータ配列は配列番号14の中に記されていおり、テ
ンサイプロトックス−1遺伝子からのプロモータ配列は配列番号26の中で記さ
れている。
【0158】 プロトックスプロモータ自体は、阻害物質耐性プロトックスコーティング配列
の発現に適していることから、本書で教示されている修飾は、異種調節配列をも
つキメラ遺伝子を構築する必要なく植物細胞ゲノム内に存在する未変性プロトッ
クス遺伝子に対し直接行なうことができる。かかる修飾は同種組換えといったよ
うな定方向突然変異誘発技術を介して行なうことができ、結果として得られる除
草剤耐性表現型に基づいて選択できる(例えば例10、Pazkowski et al., EMBO
J. 7:4021−4026(1988)、及び米国特許第5,487,922号
、特に第18〜19欄及び例8を参照)。このアプローチがもつ付加的な利点は
、天然プロトックスプロモータを含有する以外に、結果として得られる修飾され
た遺伝子が、未変性遺伝子の一部であるシグナル又は輸送ペプチドコーティング
配列といったようなその他のあらゆる調節要素も内含することになる、という点
にある。
【0159】 核ゲノムの形質転換の場合、シグナル又は輸送ペプチドは、発現されたプロト
ックス酵素を所望の作用位置まで直接輸送するべく本発明のキメラDNA構成体
の中でプロトックスコーティング配列に融合され得る。シグナルペプチドの例と
しては、植物病原関連性タンパク質例えばPR−1、PR−2などに先天的にリ
ンクされたものが内含される。例えば、Payne et al., Plant Mol. Biol.11:
89−94(1988)を参照のこと。輸送ペプチドの例としては、Von Heijne
et al., Plant Mol. Biol. Rep.9;104−126(1991);Mazur et a
l., Plant Physiol.85:1110(1987);Vorst et al., Gene65:5
9(1988)に記述されているもののような葉緑体輸送ペプチド及びBoutry e
t al., Nature 328:340−342(1987)に記述されているもののよ
うなミトコンドリア輸送ペプチドが内含される。葉緑体及びミトコンドリア輸送
ペプチドは、プロトックス酵素活性が標準的にミトコンドリア及び葉緑体の内部
で起こることから、本発明では特に有用であると考えられている。葉緑体内のプ
ロトックス酵素活性がプロトックス阻害性除草剤の作用のための主要な根拠であ
ると考えられていることから、使用するのに最も好ましいのは、葉緑体輸送ペプ
チドである。(Witdowski and Halling, Plant Physiol. 87:632(198
8);Lehnen et al., Pestic, Biochem. Physiol.37:239(1990);
Duke et al., Weed Sci.39:465(1991))。同様に内含されるのは、
液胞といったようなさまざまな細胞区画にコード化されたタンパク質を局在化さ
せる結果となる配列である。例えばNeuhaus et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 88:10362−10366(1991)及びChrispeels, Ann. Rev. Pla
nt Physiol. Plant Mol. Biol. 42:21−53(1991)を参照のこと。
これらの公示物の関連ある開示は、本書にその全体が参考として内含されている
【0160】 本発明のキメラ遺伝子は、プロトックス構造遺伝子の多重コピー又はプロモー
タの多重コピーを含み得る。さらに、構成体(単複)は、各々DNA分子内のそ
の他の機能的要素を伴って適切な読取り枠内にある、マーカーのためのコーディ
ング配列及びシグナル又は輸送ペプチドといったようなその他のペプチドのため
のコーティング配列を内含できる。かかる構成体の調製は、当業者の通常の技能
レベル内に入る。
【0161】 有用なマーカーとしては、例えばハイグロマイシン、カナマイシン、G418
、ゲンタマイシン、リンコマイシン、メトトレキセート、グリホセート、ホスフ
ィノトリシンなどに対する耐性といったような除草剤、抗生物質又は薬物耐性を
提供するペプチドが内含される。これらのマーカーは、未形質転換細胞から本発
明のキメラDNA構成体で形質転換された細胞を選択するのに使用することがで
きる。その他の有用なマーカーは、例えばルシフェラーゼ、β−グルクロンダー
ゼ又はβ−ガラクトシダーゼといった、例えば色反応などの可視反応によって容
易に検出され得るペプチド酵素である。
【0162】 選択的な利点を形質転換された細胞に備えることによって中に所望のヌクレオ
チド配列を取込むことのできる遺伝的に形質転換された細胞の正の選択方法は、
本書にWO94/20627として参考として内含されている。 作物植物を再生するもとになる作物植物又は植物細胞培養中の未変性遺伝子の定
方向突然変異を介して除草剤耐性プロトックス対立遺伝子が得られる場合、修飾
されたコーディング配列を遺伝子工学処理しそれを植物内に形質転換する必要な
く、除草剤寛容性作物を開発するため伝統的な育種技術を用いて市販の品種の中
にそれを移動させることができる。代替的には、除草剤耐性遺伝子を分離し、最
適な発現のために遺伝子工学処理し、次に所望の品種へと形質転換させることが
できる。
【0163】 プロトックス阻害物質に対する耐性をもつ改変されたプロトックスをコードす
る遺伝子も同様に、植物細胞形質転換方法における選択可能なマーカーとして使
用できる。例えば、トランスジーンで形質転換された植物、植物組織又は植物細
胞を、その植物により発現されうる改変されたプロトックスをコードする遺伝子
で形質転換させることもできる。このように形質転換された細胞は、形質転換さ
れた細胞のみが存続することになる、プロトックス阻害性除草剤を含有する培地
に移される。選択的作用物質として特に有用であると考えられているプロトック
ス阻害性除草剤は、ジフェニルエーテル{例えばアシフルオルフェン、5−[2
−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸;そ
のメチルエステル;又はオキシフルオルフェン、2−クロロ−1−(3−エトキ
シ−4−ニトロフェノキシ)−4−(トリフルオロベンゼン)}、オキシジアゾ
ール、(例えば、オキシジアゾン、3−[2,4−ジクロロ−5−(1−メチル
エトキシ)フェニル]−5−(1,1−ジメチルエチル−1,3,4−オキサジ
アゾール−2−(3H)−オン)、環状イミド(例えば、S-23142、N−
(4−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシフェニル)−3,4,5
,6−テトラヒドロフタルイミド;クロロフタリム、N−(4−クロロフェニル
)−3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)、フェニルピラゾール(例えば
、TNPP−エチル、エチル2−[1−(2,3,4−トリクロロフェニル)−
4−ニトロピラゾリル−5−オキシ]プロピオネート;M&B39279)、ピ
リジン誘導体(例えばLS82−556)、及びフェノピレートおよびそのO−
フェニルピロリジノ及びピペリジノカルバメート類似体及び国際特許出願WO9
2/04827;EP532146に開示されている通りの2環トリアゾロン)
である。
【0164】 該方法は、改変されたプロトックスコーディング遺伝子によって形質転換され
る能力をもつあらゆる植物細胞に応用可能であり、有利なあらゆるトランスジー
ンと共に用いることができる。トランスジーン及びプロトックス遺伝子の発現は
、植物細胞上で機能的な同一のプロモータ又は別のプロモータにより駆動され得
る。
【0165】 本発明の修飾された阻害物質耐性プロトックス酵素は、天然に発生するプロト
ックス活性を阻害する除草剤に対する耐性を有する。プロトックスを阻害する除
草剤としては、ジフェニルエーテル{例えばアシフルオルフェン、5−[2−ク
ロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸;そのメ
チルエステル;又はオキシフルオルフェン、2−クロロ−1−(3−エトキシ−
4−ニトロフェノキシ)−4−(トリフルオロベンゼン)}、オキシジアゾール
、(例えば、オキシジアゾン、3−[2,4−ジクロロ−5−(1−メチルエト
キシ)フェニル]−5−(1,1−ジメチルエチル−1,3,4−オキサジアゾ
ール−2−(3H)−オン)、環状イミド(例えば、S−23142、N−(4
−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシフェニル)−3,4,5,6
−テトラヒドロフタリミド;クロロフタリム、N−(4−クロロフェニル)−3
,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)、フェニルピラゾール(例えば、TN
PP−エチル、エチル2−[1−(2,3,4−トリクロロフェニル)−4−ニ
トロピラゾリル−5−オキシ]プロピオネート;M&B39279)、ピリジン
誘導体(例えばLS82−556)、及びフェノピレートおよびそのO−フェニ
ルピロリジノ−及びピペリジノカルバメート類似体を含めた、数多くの異なる構
造クラスの分子が含まれる(Duke et al., Weed Sci. 39:465(1991)
;Nandihalli et al., Pesticide Biochem. Physiol. 43:193(1992)
;Matringe et al.,FEBS Lett. 245:35(1989);Yanase and Andoh, P
esticide Biochem. Physiol. 35:70(1989))。
【0166】 特に有意なジフェニルエーテルは以下の一般構造式を有するものである:
【0167】
【化1】
【0168】 なお式中、Rは、−COONa(化II)、−CONHSO2CH3(化III)
、−COOCH2COOC25(化IV; Maigrot et al., Brighton Crop Pro
tection Conference - Weeds:47−51(1989)参照)に等しい。
【0169】 有利なさらなるフェニルエーテルは、Rが以下のものに等しいものである:
【0170】
【化2】
【0171】 (化IVa: Hayashi et al., Brighton Crop Protection Conference - Weed
s:53−58(1989)参照) 有利な付加的なジフェニルエーテルは以下の構造式を有するものである:
【0172】
【化3】
【0173】 (化IVb:ビフェノックス、Dest et al., Proc. Northeast Weed Sci. Conf.
27:31(1973)参照) 有利なさらなるジフェニルエーテルは以下の構造式を有するものである:
【0174】
【化4】
【0175】 (化IVc:オキシフルオルフェン、Yih and Swithenbank, J. Agric. Food Ch
em., 23:592(1975)参照) 有利なさらにもう一つのジフェンリエーテルは以下の構造式を有するものであ
る:
【0176】
【化5】
【0177】 (化IVd:ラクトフェン、C. Tomlin(編), British Crop Protection Counc
il, Surrey(1994)の「The Pesticide Manual」第10版623頁を参照のこ
と) 同様に有意なのは、以下の一般構造式を有し、イミドとして知られているクラ
スの除草剤である:
【0178】
【化6】
【0179】 なお式中Qは、以下の構造式のいずれかに等しく:
【0180】
【化7】
【0181】
【化8】
【0182】 (「第8回国際殺虫剤化学会議議事録」中のHemper et al.(1995)、Ragdale
et al., Amer. Chem. Soc, Washington, D.C., pp. 42−48U1994)を
参照) かつ、R1はH、Cl又はFに等しく、R2はClに等しく、R3は最適な形で置
換されたエーテル、チオエーテル、エステル、アミノ又はアルキル基に等しい。
代替的には、R2及びR3は共に5又は6成員の複素環を形成することができる。
特に有利なイミド除草剤の例は以下の通りである:
【0183】
【化9】
【0184】 (化VIIa:フルチアセト−メチル、Miyazawa et al., Brighton Crop Prote
ction Conference-Weeds, p. 23−28(1993)参照)
【0185】
【化10】
【0186】 (化X:スルフェントラゾン、Van Saun et al., Brighton Crop Protection Co
nference-Weeds, p. 72−82(1991)参照)
【0187】
【化11】
【0188】 (Miura et al., Brighton Crop Protection Conference-Weeds, p. 35−40
(1993)参照)
【0189】
【化12】
【0190】 上述の化合物の除草剤活性については、1991年ブライトン作物保護(雑草
)会議議事録 (British Crop Protection Council)(化X及びXVI)、199
3年ブライトン作物保護(雑草)会議議事録 (British Crop Protection Counc
il)(化XII及びXIII)、米国特許第4,746,352号(化XI)及
びAbstracts of the Weed Science Society of America 第33巻、p 9(19
93)(化XIV)に記述されている。
【0191】 最も好ましいイミド除草剤は、アリルウラシルとして分類されていて以下の一
般構造式を有するものである:
【0192】
【化13】
【0193】 なお式中、Rは、本書に参考として内含されている米国特許第5,183,49
2号に開示されている通りの(C2-6−アルケニルオキシ)カルボニル−C1-4
アルキル基を意味する。
【0194】 同様に有意なのは、以下の一般構造式を有する除草剤、すなわち:
【0195】
【化14】
【0196】 (Weiler et al.,ブライトン作物保護(雑草)会議, p. 29−34(1993)
参照)
【0197】
【化15】
【0198】 (Van Saun et al., ブライトン作物保護(雑草)会議, p. 19−22(199
3)参照) 下記の一般構造式をもつN置換ピラーゾール:
【0199】
【化16】
【0200】 なお式中、R1は、単数又は複数のハロゲン原子により任意に置換されているC1 −C4−アルキルであり; R1は、各々任意には単数または複数のハロゲン原子により置換されているC1
4アルコキシ又は水素であり; R1及びR2は、共に−(CH2n)−X−基を形成し、ここでXはR2において
結合されており; R3は、水素又はハロゲンであり; R4は、水素又はC1−C4−アルキルであり; R5は、水素、ニトロ又は−COOR6或いは−CONR78基であり; R6は、水素又はC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル又はC2−C6−ア
ルキニルである;(国際特許公報WO94/08999、WO93/10100及
びScheringに譲渡された米国特許第5,405,829号を参照)。 以下の通りのN−フェニルピラゾール:
【0201】
【化17】
【0202】 (C.R.Worthing(編), British Crop Protection Council, Surrey(1991)
の「The Pesticide Manual」第9版621頁を参照のこと); 及び、3−置換−2−アリル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール(Ly
ga et al. Pesticide Sci. 42:29−36(1994))である。
【0203】
【化18】
【0204】 同様に有意なのは、共に参考として本書に内含されているWO96/0125
4及びWO97/00246に記述されているタイプのフェニルピラゾールであ
る。(化XXII)。
【0205】 同様に有意なのは、以下のようなピリジルピラゾールである:
【0206】
【化19】
【0207】 同様に有意なのは以下の一般構造式を有するフェニルピラゾールである:
【0208】
【化20】
【0209】 (Prosch, S.D. et al, ブライトン作物保護(雑草)会議: p. 45−50(19
97), (第1巻)参照) 付加的な有意な化合物は、共に本書にその全体が参考として内含されているWO
98/33927及び米国特許第5,856,495号の中で記述されている。
【0210】 通常はプロトックス活性にとって阻害性ある除草剤のレベルには、当該技術分
野において既知の散布量が含まれており、これは一部には、散布環境、時間及び
方法といった外部因子によって左右される。例えば、構造式V−IXにより表わ
されているイミド除草剤、より特定的には構造式X〜XVIIにより表わされて
いるイミド除草剤の場合、散布量は0.0001〜10kg/ha好ましくは0.00
5〜2kg/haの範囲内にある。この除草剤の投薬量又は濃度は、所望の作用及び
使用される特定の化合物に応じて異なっていてよく、又当該技術分野において既
知の方法によって決定することができる。
【0211】 本発明のさらなる目的は、シロイヌナズナ、サトウキビ、大豆、大麦、綿花、
タバコ、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、ライ麦
、オート麦、芝草及び飼料牧草、アワ、青刈飼料及びイネなどから成るグループ
の中から選択された植物の個体群に対して有効量のプロトックス阻害性除草剤を
散布することを含んで成る、望ましくない植生の成長を制御するための方法にあ
る。好ましいのは、大豆、綿花、タバコ、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモ
ロコシ、小麦、ソルガム、ライ麦、オート麦、芝草及びイネから成るグループの
中から選択された植物の個体群に対してプロトックス阻害性除草剤を有効量散布
することを含んで成る、望ましくない植生の成長を制御する方法である。特に好
ましいのは、シロイヌナズナ、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウ
モロコシ、小麦、ソルガム及びイネから成るグループの中から選択された植物の
個体群に対する散布を含んで成る、望ましくない植生の成長を制御する方法であ
る。
【0212】 本発明はさらに、本発明のDNA分子に操作可能な形でリンクされた植物色素
体内で発現する能力をもつプロモータを含むキメラ遺伝子をも包含している。植
物色素体内で発現する能力をもつ好ましいプロモータは、同じ又は異なる種に由
来していてよく又その未変性産物が非緑色組織内に存在するものを含めた大部分
の色素体タイプの中で標準的に見い出されるような色素体遺伝子のコーディング
領域の上流側の5′フランキング領域から分離されたプロモータである。かかる
プロモータの例としては、タバコ c/pP遺伝子プロモータ(本書に参考として
内含されているWO97/06250)及びシロイヌナズナ c/pPGNプロモ
ータ(本書に参考として内含されている米国出願第09/038,878号)と
いったようなc/pP遺伝子のプロモータがある。植物色素体内でDNA分子を
発現する能力のあるその他のプロモータは、ウイルスRNAポリメラーゼによっ
て認識されるプロモータである。このタイプの好ましいプロモータは、バクテリ
オファージT7DNA依存性RNAポリメラーゼによって認識されるT7遺伝子
10プロモータといったような、単一サブユニットRNAポリメラーゼによって
認識されるプロモータである。植物色素体内でDNA分子を発現する能力をもつ
さらにもう1つのプロモータは、色素体16SリボソームRNAオペロンの調節
領域に由来する(共に本書に参考として内含されているHarris et al., Microbi
ol. Rev.58:700−754(1994)、Shinozaki et al., EMBO J. 5:
2043−2049(1986)を参照のこと)。T7ポリメラーゼをコードす
る遺伝子は好ましくは該ゲノム内に形質転換され、T7ポリメラーゼは、色素体
輸送ペプチドを用いて色素体内にターゲティングされる。色素体内のDNA分子
の発現は構成性であっても誘発性であってもよい。これらの異なる実施形態は、
本書に参考として内含されているWO98/11235の中で広範に記述されて
いる。キメラ遺伝子は好ましくはさらに、植物色素体内で機能的な5′未翻訳配
列(5′UTR)及び本発明のDNA分子に操作可能な形でリンクされた色素体
遺伝子3′未翻訳配列(3′UTR)を含んで成る。好ましくは、3′UTRは
、色素体rps16遺伝子3′未翻訳配列である。さらなる実施形態においては、
キメラ遺伝子は3′未翻訳配列の代りにポリ−Gトラクトを含む。
【0213】 本発明は同様に、同種組換えによる色素体ゲノム内への組込みのためのフラン
キング領域及び上述のキメラ遺伝子を含む色素体形質転換ベクターも包含してい
る。色素体形質転換ベクターは任意には少なくとも1つの葉緑体複製起源を含む
ことができる。本発明は同様に、DNA分子が植物色素体内で発現可能である、
このような色素体形質転換ベクターで形質転換された植物色素体をも包含する。
本発明は同様に、この植物色素体を含むその後代を内含する植物又は植物細胞を
も包含している。好ましい実施形態においては、植物は、遺伝子導入色素体につ
いて同種細胞質性である。本発明で形質転換された植物は単子葉植物であっても
双子葉植物であってもよい。好ましい単子葉植物はトウモロコシであり、好まし
い双子葉植物はタバコである。その他の好ましい単子葉植物にはトマト及びジャ
イモがある。
【0214】 各々の植物細胞内に存在する円形色素体ゲノムの数千のコピーの一部分又は全
部の中に同種組換えにより遺伝子が挿入される色素体形質転換は、全可溶性植物
タンパク質の10%を上回る可能性のある発現レベルを可能にするため核発現さ
れた遺伝子に比べ莫大なコピー数という利点を活用している。さらに色素体形質
転換は、大部分の植物において色素体でコードされた形質が花粉伝達性をもたな
いために、望ましいものとなっている。不注意にも遺伝子導入植物の野生類縁に
トランスジーンが漏出するという潜在的危険性は回避される。色素体形質転換技
術については、全て本書に参考として内含されている米国特許第5,451,51
3,5,545,817,5,545,818,及び5,576,198号;PCT出
願WO95/16783及びWO97/32977;及びMcBride et al., Proc
.Natl.Acad. Sci. USA91:7301−7305(1994)、の中で広範に記
述されている。微粒子銃を介した色素体形質転換は、当初単細胞緑藻類 Chlamyd
omonas reinhardtiiにおいて達成され(本書に参考として内含されているBaynto
n et al.(1988)Science 240:1534〜1537),シス作用性抗生
物質耐性遺伝子座(スペクチノマイシン/ストレプトマイシン耐性)についての
選択又は非光合成突然変異体表現型の相補を使用したこのアプローチは、まもな
くNicotiana Tabacum への拡張された。(本書に参考として内含されているSvab
et al.(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA87)。
【0215】 タバコ葉緑体形質転換のための基本的技術には、選択可能な抗生物質耐性マー
カーをフランキングするクローニングされた色素体DNAの領域を伴う原形質体
内へのプラスミドDNAのPEGを媒介とした摂取又は葉組織の微粒子ボンバー
ドが関与する。「ターゲティング配列」と呼ばれる1〜1.5kbのフランキン
グ領域は、色素体ゲノムとの同種組換えを容易にし、かくして156kbのタバ
コ色素体ゲノムの特異的領域の置換又は修飾を可能にする。当初、スペクチノマ
イシン及び/又はストレプトマイシンに対する耐性を付与する葉緑体16SrD
NA及びrps12遺伝子内の点突然変異が、形質転換のための選択可能なマー
カーとして利用された(本書に参考として内含されている,Svab, Z., Hajdukie
wicz, P., 及び Maliga, P.(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA87,85
26−8530;Staub, J.M.,及び Maliga, P.(1992)Plant Cell4,39
−45,)。その結果、標的葉への100回のボンバードにつき約1回の頻度で
安定した同種細胞質性形質転換体が得られた。これらのマーカーの間にクローニ
ング部位が存在したため、外来性遺伝子の導入のための色素体ターゲティングベ
クタを作り出すことができた(本書に参考として内含されている,Staub, J.M.,
及び Maliga, P., EMBO J.12:601−606(1993)。形質転換頻度の
実質的な増大は、優性の選択可能なマーカーすなわちスペクチノマイシン解毒酵
素アミノグリコシド−3′−アデニルトランスフェラーゼをコードする細菌aa
dA遺伝子で劣性のrRNA又はr−タンパク質抗生物質耐性遺伝子を置換する
ことによって得られた(本書に参考として内含されている,Svab, Z., 及びMali
ga, P.(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA90,913−917)。これ
以前は、このマーカーは、緑藻類 Chlamydomonas reinhardtiiの色素体ゲノムの
高頻度形質転換のために使用され成功をおさめてきていた(本書に参考として内
含されている,Goldschmidt-Clermont, M.(1991)Nucl. Acids Res.19,
4083−4089)。最近になって、タバコ及びコケPhyscomitrella patens
からの原形質体の色素体形質転換は、ポリエチレングリコール(PEG)を媒介
としてDNA摂取を用いて達成されてきている(共に本書に参考として内含され
ている,O'Neill et al.(1993)Plant J.3:729−738;Koop et al
.(1996)Planta199:193−201)。
【0216】 好ましい実施形態においては、本発明は、未変性の又は修飾された小麦、大豆
、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム、又はサトウキビプロト
ックス酵素をコードするDNA分子といったような、未変性の又は修飾されたプ
ロトックス酵素をコードする原核生物又は真核生物から分離されたDNA分子に
、操作可能な形でリンクされた植物色素体内での発現能力をもつプロモータを含
むキメラ遺伝子を包含している。かかるDNA分子は、上述のような色素体形質
転換ベクターの中に含まれ、遺伝子導入色素体ゲノムについて同種細胞質性の植
物が産生される。修飾されたプロトックス酵素をコードするDNA分子の植物色
素体内の発現は、好ましくは、天然に発生する プロトックス活性を阻害する量
で除草剤に対する寛容性植物に対し付与する。
【0217】 さらなる好ましい実施形態においては、本発明は、(a)色素体輸送ペプチド
を含むポリペプチドをその未変性状態でコードする植物から分離され、機能的色
素体輸送ペプチドをコードしないように修飾されているDNA分子及び、該色素
体輸送ペプチドにより該植物の色素体に先天的にターゲティングされている成熟
酵素;及び(b)1つの色素体の中でDNA分子を発現する能力をもち、該DN
A分子に操作可能な形でリンクされているプロモータ、を含んで成るキメラ遺伝
子を包含している。1つの好ましい実施形態においては、輸送ペプチドは突然変
異を受けており、かくして色素体といったような所望の細胞区画までDNA分子
によりコードされた酵素を適切に輸送することができない。もう1つの好ましい
実施形態においては、輸送ペプチドコーディング配列の一部分又は輸送ペプチド
コーディング配列全体が、DNA分子から除去され、酵素が所望の細胞区画に適
切にターゲティングされるのを妨げる。
【0218】 上述のキメラ遺伝子は、色素体形質転換ベクター内に挿入され、従って本発明
は同様に、その色素体ゲノムがかかるベクターで形質転換され、かくしてDNA
分子が植物色素体内で発現可能であるような植物にも向けられている。かかる植
物は好ましくは遺伝子導入色素体について同種細胞質性である。
【0219】 好ましい実施形態においては、以上で記述されたDNA分子は、その野生型形
態において除草剤により阻害されているものの野生型酵素に比べ少なくとも1つ
のアミノ酸変更を含んでいる酵素をコードする。かかるアミノ酸変更はこの酵素
を、天然に野生型酵素を阻害する化合物に対する耐性をもつものにする。さらな
る好ましい実施形態においては、DNA分子は、プロトポルフィリノーゲンオキ
シダーゼ(プロトックス)活性をもつ酵素をコードする。さらなる好ましい実施
形態においては、輸送ペプチドは、例37〜42にさらに例示されているように
DNA分子から除去されている。本発明の遺伝子導入色素体について同種細胞質
性の植物は、(さらに例44に示されているように)天然に発生するプロトック
ス活性を阻害する構造式XVIIといったような大量の除草剤に対する耐性をも
つ。
【0220】 もう1つの好ましい実施形態においては、5−エノールピルビル−3−ホスホ
シキメートシンターゼ(EPSPシンターゼ)をコードするDNA分子の輸送ペ
プチドは、突然変異を受けるか除去される。結果として得られたDNA分子は、
植物色素体内での発現能力をもつプロモータに融合され、かかる構成体をその色
素体ゲノム内に宿す同種細胞質性植物が得られる。これらの植物は、EPSPシ
ンターゼを天然に阻害する除草剤化合物特にグリホセートに対して耐性をもつ。
もう1つの好ましい実施形態においては、アセトラクテートシンターゼ(ALS
)をコードするDNA分子の輸送ペプチドは突然変異を受けるか除去される。結
果として得られたDNA分子は、植物色素体内での発現能力をもつプロモータに
融合され、かかる構成体をその色素体ゲノム内に宿す同種細胞質性植物が得られ
る。これらの植物は、ALSを天然に阻害する除草剤化合物特にスルフォニル尿
素に対して耐性をもつ。もう1つの好ましい実施形態においては、アセトキシヒ
ドロキシ酸シンターゼ(AHAS)をコードするDNA分子の輸送ペプチドは、
突然変異を受けるか除去される。結果として得られたDNA分子は、植物色素体
内での発現能力をもつプロモータに融合され、かかる構成体をその色素体ゲノム
内に宿す同種細胞質性植物が得られる。これらの植物は、AHASを天然に阻害
する除草剤化合物特にイミダゾリノン及びスルフォンアミド除草剤に対して耐性
をもつ。もう1つの好ましい実施形態においては、アセチル補酵素Aカルボキシ
ラーゼ(ACCase)をコードするDNA分子の輸送ペプチドは、突然変異を
受けるか除去される。結果として得られたDNA分子は、植物色素体内での発現
能力をもつプロモータに融合され、かかる構成体をその色素体ゲノム内に宿す同
種細胞質性植物が得られる。これらの植物は、ACCaseを天然に阻害する除
草剤化合物特にシクロヘキサンジオン及びアリルフェノキシプロピオン酸除草剤
に対して耐性をもつ。もう1つの好ましい実施形態においては、グルタミンシン
ターゼ(GS)をコードするDNA分子の輸送ペプチドは、突然変異を受けるか
除去される。結果として得られたDNA分子は、植物色素体内での発現能力をも
つプロモータに融合され、かかる構成体をその色素体ゲノム内に宿す同種細胞質
性植物が得られる。これらの植物は、GSを天然に阻害する除草剤化合物特にホ
スフィノトリシン及びメチオニンスルフォキシミンに対して耐性をもつ。
【0221】 本発明は同様に、(a)色素体輸送ペプチドを含むポリペプチドをその未変性
状態でコードする植物から分離され、機能的色素体輸送ペプチドをコードしない
ように修飾されているDNA分子及び、該色素体輸送ペプチドにより該植物の色
素体に先天的にターゲティングされている成熟酵素;及び(b)1つの色素体の
中でDNA分子を発現する能力をもち、該DNA分子に操作可能な形でリンクさ
れているプロモータ,を含んで成るキメラ遺伝子でその色素体ゲノムを形質転換
することにより除草剤耐性植物を得る方法にも向けられている。本発明において
使用される酵素の例は、以上で引用したが、かかる方法の適用可能性は、引用さ
れた例に制限されるわけではない。
【0222】 本発明はさらに、上述のキメラ遺伝子を植物細胞のプラストーム内に導入する
段階;植物細胞の色素体内でコードされた酵素を発現する段階及び、酵素の活性
を天然に阻害する除草剤化合物に対する耐性をもつ細胞を選択し、かくして耐性
細胞が形質転換された色素体を含むようにする段階を含んで成る、トランスプラ
ストーム植物細胞を選択するための新しい方法に向けられている。好ましい実施
形態においては、酵素は、除草剤化合物によって天然に阻害されており、遺伝子
導入植物は、酵素の活性を天然に阻害する一定量の除草剤化合物上で成長するこ
とができる。さらに好ましい実施形態においては、酵素は、プロトポルフィリノ
ーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性をもち、それがプロトックス阻害物質
に対する耐性を付与するような形で修飾される。
【0223】 本発明のさらなる態様は、不応性植物の色素体形質転換のための新しい方法で
ある。タバコ及びより低い植物種の色素体形質転換のために開拓された方法は、
色素体翻訳器官に優先的に影響を及ぼしかくして光合成従属栄養性形質転換体が
従属栄養性の未形質転換組織を外殖できるようにする、抗生物質耐性についての
非致死的選択に依存するものである。
【0224】 単子葉植物及びその他の双子葉植物の色素体形質転換で遭遇する問題には、複
数の因子が寄与している確率が高い。例えば、トウモロコシ葉緑体16Sリボソ
ームRNA(rRNA)は、Zea mays 16SrDNA遺伝子内の位置1138
にGが存在するために、スペクチノマイシンに対する耐性を天然に有している(
Harris et al.,1994)。かくして、Chlamydomonas 及びタバコにおいて選択
可能な葉緑体マーカーとして使用され成功してきたスペクチノマイシン及び/又
はストレプトマイシン耐性を付与する16SrDNA点突然変異(Boynton and
Gillham(1993)in Wu, R.[Ed.] Methods in Enzymology Vol217.Academi
c Press, San Diego, pp.510−536;Svab et al.(1990)Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A 87:8526−8530)をトウモロコシのために利用す
ることは不可能である。トウモロコシにおける天然のスペクチノマイシン及びス
トレプトマイシン耐性は同様に、優性スペクチノマイシン及びストレプトマイシ
ン活性を結果としてもたらしタバコ葉緑体形質転換効率を100倍増大させるこ
とのできる、アミノグリコシド3″−アデニルトランスフェラーゼをコードする
細菌aadA 遺伝子の使用をも回避させる(Svab及びMaliga(1993)Proc.
Natl. Acad. Sci.U.S.A.90:913−917)。カナマイシン(葉緑体形質
転換にとって有用であることが証明された他の唯一の抗生物質)の使用も同様に
、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードする細菌nptII 遺伝子
のボンバードの後のタバコにおいて葉緑体によりコードされる耐性に比べ核によ
りコードされる耐性が大きく上回わること(約5:1)に起因して、問題の生じ
るものである(Carrer et al.(1993)Mol. Gen. Genet.241;46−56
)。
【0225】 これは、自然発生的核耐性突然変異体の頻度が高いことならびに核ゲノム内へ
のnptIIの組込みの両方の結果としてもたらされるものであることが示されて
きた。nptIIは同じくトウモロコシ核形質転換にとってもきわめて有効な選択
可能なマーカーであることから、タバコにおいて見られたものと類似の背景レベ
ルを期待することが合理的である。自然発生的な耐性そして葉緑体ゲノム内への
相同を組込みではなくむしろ核ゲノム内への無作為な非正統的組換えによる選択
可能マーカーの組込みの著しい超過のため、真正の葉緑体形質転換体の回収は、
不可能とは言わないまでもむずかしいものとなる。
【0226】 タバコ以外の植物種における色素体形質転換で遭遇する問題のより根本的な理
由は、特にトウモロコシ及びシロイヌナズナにおける数多くの再生可能な培養植
物スクリーニングの非光合成性に関係するものであるかもしれない。タバコは、
培養された栄養組織が再生可能でありかつ、スクロースの存在下で光合成的に応
答能ある成熟した分化済み葉緑体を含有しているという点で例外である。従って
、タバコ色素体形質転換体を選択するための現行のシステムは、還元炭素供給源
及び無機炭素供給源の両方を使用できる形質転換された細胞のさらに高速の成長
率に依存している。その上、形質転換された細胞は、光の中の色素体タンパク質
合成の阻害の結果としてもたらされる葉緑体膜損傷をこうむらない。分化済み葉
緑体の中で高い活性をもつプロモータによって駆動される、優先的に光合成細胞
に作用する選択可能なマーカーのこの発現が、原色素体(例えば暗生長トウモロ
コシI型カルス体細胞胚)又はデンプン形成体/白色体(例えばシロイヌナズナ
根培養)を含む非緑色組織内で働く確率は低い。これらの植物内での色素体形質
転換は、全ての色素体タイプ内で強力な選択を与える選択可能マーカーを必要と
する。
【0227】 汎化された色素体形質転換のために好ましい選択可能なマーカーは、(1)核
形質転換された「エスケープ」を削除するべく色素体内のみで活性であり;(2
)光合成応答能又は完全に分化された葉緑体の存在によって左右されない作用様
式を有し;かつ(3)選択的作用物質のバルク濃度によってのみ決定されるので
はなくむしろ調整可能な外部パラメータ(例えば光)に共依存する耐性レベルを
有し、そのため、選択中選択圧力は、何千もの色素体ゲノムコピーの分離を容易
にするべく変動しうる。
【0228】 好ましい実施形態においては、かかる選択可能なマーカー遺伝子には、色素体
輸送ペプチドをその天然の状態で有する色素体でターゲティングされた酵素をコ
ードする分離したDNA分子を含むキメラ遺伝子の使用が関与しており、ここで
該DNA分子は、輸送ペプチドが欠如しているか又はその色素体に酵素をターゲ
ティングするように機能しないような形で修飾されており、かつDNA分子は植
物色素体内の発現能力をもつプロモータに対し操作可能な形でリンクされている
。好ましい実施形態においては、本発明のDNA分子は、除草剤により天然に阻
害される酵素をコードする。もう1つの好ましい実施形態においては、DNA分
子は、プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(「プロトックス」)をコー
ドする。好ましい実施形態においては、プロトポルフィリノーゲンIXオキシダ
ーゼ遺伝子は、シロイヌナズナからのものであり、さらに好ましい実施形態にお
いては、プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ遺伝子は、シロイヌナズナ
からのものでありかつ少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。好ましくは、アミ
ノ酸置換が結果として、酵素の活性を天然に阻害する除草剤により阻害に対する
酵素の寛容性をもたらす。低濃度の除草剤は、色素体が局在化されたプロトック
ス酵素が阻害された時点で蓄積する感光性中間体に起因する野生型植物を殺すも
のと考えられている。これらの光増感化合物の産生は、その両生可能な培養組織
が非光合成性のものである植物の色素体形質転換にとって重要な因子である分化
された葉緑体又は活性の光合成を必要としない。
【0229】 もう1つの重要な特長は、非緑色色素体内での選択可能なマーカー遺伝子の発
現を得ることにある。好ましい実施形態においては、本発明は、緑色及び非緑色
の両方の組織の色素体の中で操作可能な形でリンクされたDNA分子を発現する
能力をもつプロモータの使用を包含している。特に、1つのこのようなプロモー
タは、色素体16SリボソームRNAオペロンの調節領域に由来する。もう1つ
の候補は、色素体clpP 遺伝子からのプロモータ及び5′UTRである。clpP
遺伝子産物は、葉緑体を含まないものを含めた全ての植物組織からの色素体の中
で構成的に発現される(Shanklin(1995)Plant Cell7:1713−22)
【0230】 その他のDNA分子を、上述の方法を用いて、植物組織内に同時導入すること
もできる。好ましい実施形態においては、本発明の色素体形質転換ベクターには
、上述の通り形質転換体の選択を可能にするキメラ遺伝子及び植物色素体内の発
現能力をもつプロモータに融合された少なくとも1つのその他の遺伝子が含まれ
る。その他のかかる遺伝子は、例えば、昆虫有害生物又は真菌又は細菌病原体に
対する耐性を付与することができ、或いは又、単数または複数の付加価値をもつ
形質をコードすることもできる。
【0231】 配列リスト内の配列の簡単な説明 配列番号1: シロイヌナズナプロトックス−1タンパク質のためのDNAコー
ディング配列 配列番号2: 配列番号1によりコードされたシロイヌナズナプロトックス−1
アミノ酸配列 配列番号3: シロイヌナズナプロトックス−2タンパク質のためのDNAコー
ディング配列 配列番号4: 配列番号3によりコードされたシロイヌナズナプロトックス−2
アミノ酸配列 配列番号5: トウモロコシプロトックス−1タンパク質のためのDNAコーデ
ィング配列 配列番号6: 配列番号5によりコードされたトウモロコシプロトックス−1ア
ミノ酸配列 配列番号7: トウモロコシプロトックス−2タンパク質のためのDNAコーデ
ィング配列 配列番号8: 配列番号7によりコードされたトウモロコシプロトックス−2ア
ミノ酸配列 配列番号9: 小麦プロトックス−1タンパク質のための部分的DNAコーディ
ング配列 配列番号10: 配列番号9によりコードされた部分的小麦プロトックス−1ア
ミノ酸配列 配列番号11: 大豆プロトックス−タンパク質のためのDNAコーディング配
列 配列番号12: 配列番号11によりコードされた大豆プロトックス−1アミノ
酸配列 配列番号13: シロイヌナズナプロトックス−1遺伝子からのプロモータ配列 配列番号14: トウモロコシプロトックス−1遺伝子からのプロモータ配列 配列番号15: 綿花プロトックス−1タンパク質のためのDNAコーディング
配列 配列番号16: 配列番号15によりコードされた綿花プロトックス−1アミノ
酸配列 配列番号17: テンサイプロトックス−1タンパク質のためのDNAコーディ
ング配列 配列番号18: 配列番号17によりコードされたテンサイプロトックス−1ア
ミノ酸配列 配列番号19: セイヨウアブラナプロトックス−1タンパク質のためのDNA
コーディング配列 配列番号20: 配列番号19によりコードされたセイヨウアブラナプロトック
ス−1アミノ酸配列 配列番号21: イネプロトックス−1タンパク質のための部分的DNAコーデ
ィング配列 配列番号22: 配列番号21によりコードされた部分的イネプロトックス−ア
ミノ酸配列 配列番号23: ソルガムプロトックス−1タンパク質のための部分的DNAコ
ーディング配列 配列番号24: 配列番号23によりコードされた部分的ソルガムプロトックス
−アミノ酸配列 配列番号25: トウモロコシプロトックス−1イントロン配列 配列番号26: テンサイプロトックス1−遺伝子からのプロモータ配列 配列番号27: Pclp_P1a−プラスチドclpP遺伝子プロモータトップス
トランドPCRプライマー 配列番号28: Pclp_P1b−プラスチドclpP遺伝子プロモータボトムス
トランドPCRプライマー 配列番号29: Pclp_P2b−プラスチドclpP遺伝子プロモータボトムス
トランドPCRプライマー 配列番号30: Trps16_P1a−プラスチドrps16遺伝子トップストラ
ンドPCRプライマー 配列番号31: Trps16_P1ba−プラスチドrps16遺伝子ボトムスト
ランドPCRプライマー 配列番号32: minpsb_U−プラスチドpsbA遺伝子トップストランドプ
ライマー 配列番号33: minpsb_L−プラスチドpsbA遺伝子ボトムストランドプ
ライマー 配列番号34: APRTXP1a−トップストランドPCRプライマー 配列番号35: APRTXP1b−ボトムストランドPCRプライマー 配列番号36: サトウキビプロトックス−1タンパク質のための部分的DNA
コーディング配列 配列番号37: 配列番号36によりコードされた部分的サトウキビプロトック
ス−1アミノ酸配列 1. 寄託物 下記のベクター分子は、以下に表示する日付で、1815 North University Stre
et, Peoria, Illiois 61604, U.S.AにあるNorthern Regional Research Center
の農業研究課、特許培養コレクション(NRRL)に寄託された: pBluescriptSKベクター中の小麦プロトックス−1aは、1996年3月1
9日にpWDC−13(NRRL#B21545)として寄託された。
【0232】 pBluescriptSKベクター中の大豆プロトックス−1は、1995年12月1
5日にpWDC−12(NRRL#B−21516)として寄託された。
【0233】 pBluescriptSKベクター中の綿花プロトックス−1は、1996年7月1日
にpWDC−15(NRRL#B−21594)として寄託された。
【0234】 pBluescriptSKベクター中のテンサイプロトックス−1は、1996年7月
29日にpWDC−16(NRRL#B−21595N)として寄託された。
【0235】 pBluescriptSKベクター中のセイヨウアブラナプロトックス−1は、199
6年8月23日にpWDC−17(NRRL#B−21615)として寄託され
た。
【0236】 pBluescriptSKベクター中のイネプロトックス−1は、1996年12月6
日にpWDC−18(NRRL#B21648)として寄託された。
【0237】 pBluescriptSKベクター中のソルガムプロトックス−1は、1996年12
月6日にpWDC−13(NRRL#B21549)として寄託された。
【0238】 pMut−1プラスミド中の耐性変異体pAraC−2Cysは、1994年
11月14日、pWDC−7の呼称で、農業研究培養コレクションに寄託され、
NRRL#21339という寄託物呼称が付与された。
【0239】 シロイヌナズナプロトックス−1プロモータを含むAraPT1Proは、1
995年12月15日にpWDC−11(NRRL#B−21515)として寄
託された。
【0240】 トウモロコシプロトックス−1コーディング配列の残りの部分に融合されたト
ウモロコシプロトックス−1プロモータを含有するプラスミドは、1996年3
月19日に、pWDC−14(NRRL#B−21546)として寄託された。
【0241】 テンサイプロトックス−1プロモータを含有するプラスミドは、1996年1
2月6日に、pWDC−20(NRRL#B−21650)として寄託された。
【0242】 実施例 本発明についてさらに、以下の詳細な例を参考にして説明する。これらの例は
、例示を目的として提供されているにすぎず、相反する規定のないかぎり、制限
的意味をもつものではない。ここで使用される標準的組換え型DNA及び分子ク
ローニング技術は、当該技術分野において周知のものであり、Ausubel(編), Cur
rent Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc.(1994
);T. Maniatis, E.F. Fritsch 及び J. Sambrook, Molecular Cloning ;A La
boratory Manual, Cold Spring Harbor laboratory, Cold Spring Harbor, NY(
1989);及び T.J. Silhavy, M.L.Berman,及び L.W. Enquist, Experiments
with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N
Y(1984)によって記述されている。
【0243】 第A節 植物プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)遺伝子
の分離及び特徴づけ 例1: トウモロコシプロトックス−1 コーディング配列に対する配列相同
性に基づく小麦プロトックス−1cDNAの分離 Triticum aestivum(cv Kanzler)から調製した全RNAを、Lamda Uni-Zap
ベクター内でのカスタムcDNAライブラリ構築のためClontechに提出した。c
DNAライブラリの約50,000pfuを、10cmのペトリ皿1枚につき約500
0pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリフトをニトロセルロース膜上に作っ
た(Schleicher及びSchuell)。プラークリフトを、ランダムプライミング法(L
ife Technology)により32P−dCTPで標識付けされたトウモロコシプロト
ックス−1cDNA(配列番号5:1995年12月21日付けでWO95/3
4659号として公示された1995年6月8日付けの国際出願PCT/IB9
5/00452の例2を参照のこと)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイ
ゼーション条件は、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MでpH
7.0のNaPO4 、1mMのEDTA、50℃であった。洗浄条件は、2×S
SC、1%のSDS、50℃であった。(その全体が本書に参考として内含され
ている,Church and Gilbert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA81;1991−1
995(1984))。ハイブリッド形成陽性プラークを精製し、pBluescript
プラスミド内にin vivoで切り出した。cDNAインサートの配列を、螢光染料
で標識付けされたジデオキシターミネータを用いたチェーンターミネーション法
によって決定した(Applied Biosystems, Inc)。初期スクリーニング作業から得
られた、「小麦プロトックス−1」と呼称される最長小麦プロトックス−1 c
DNAは、長さ1489−bpのものであった。小麦プロトックス−1には、そ
の他の既知の植物プロトックスペプチド配列との比較を基準とした場合、輸送ペ
プチドのためのコーディング配列に成熟コーディング配列の約126個のアミノ
酸を加えたものが欠如している。
【0244】 より長い小麦プロトックス cDNAを得るために2回目のスクリーンを行な
った。このスクリーンのために、ラムダUni-Zapベクターを用いて内部的に、Tri
ticum aestivum(cv Kanzler) cDNAライブラリを調製した。上述のとおり、
cDNAライブラリの約200,000pfuをスクリーニングしたが、ここでは、
プローブとして小麦プロトックス−1 cDNAを使用し、かつハイブリダイゼ
ーション及び洗浄条件は50℃ではなく65℃であった。このスクリーニング作
業が得られた「小麦プロトックス−la」と呼ばれる最長の小麦cDNAは、長
さ1811−bpのものであった。
【0245】 このcDNAのヌクレオチド及びそれがコードするアミノ酸配列は、それぞれ
配列番号9及び10に記されている。その他の既知の植物プロトックスペプチド
配列及び対応するゲノム配列との比較を基準とした場合、このcDNAは、全長
のものであるか又はわずかな輸送ペプチドコドンしか欠けていないものである(
表1A)。この小麦タンパク質配列は、配列番号6に記されたトウモロコシプロ
トックス−1タンパク質配列と91%同一(95%類似)である。
【0246】 pBluescriptスクリーニングベクター内の小麦プロトックス−1aは、199
6年3月19日にpWDC−13(NRRL#B21545)として寄託された
【0247】 例2: シロイヌナズナプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同
性に基づく大豆プロトックス−1cDNAの分離 大豆から調製したLamda Uni-Zap cDNAライブラリ(Cv Williams82,エ
ピコチル)を Stratagene から購入した。ライブラリの約50,000pfuを、1
0cmのペトリ皿1枚につき約5000pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリ
フトをコロニー/プラークスクリーン膜上に作った(NEN Dupont)。プラー
クリフトを、ランダムプライミング法(Life Technology)により32P−dC
TPで標識付けされたシロイヌナズナプロトックス−1cDNA(配列番号1:
1995年12月21日付けでWO95/34659号として公示された19
95年6月8日付けの国際出願PCT/IB95/00452の例1を参照のこ
と)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイゼーション条件は、7%のドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MでpH7.0のNaPO4 、1mMのE
DTA,50℃であった。洗浄条件は、2×SSC,1%のSDS,50℃であ
った。(Church及びGilbert(1984)。ハイブリッド形成陽性プラークを精製
し、pBluescriptプラスミド内にin vivoで切り出した。CDNAインサートの
配列を、螢光染料で標識付けされたジデオキシターミネータを用いたチェーンタ
ーミネーション法によって決定した(Applied Biosystem, Inc)。「大豆プロト
ックス−1」と呼称される、得られた最長の大豆cDNAは、その他の既知の植
物プロトックスペプチド配列との比較に基づき、全長のものである(表1A)。
大豆プロトックス−1は、長さ1847−bpで、58.8kDaのタンパク質
をコードする。このcDNAのヌクレオチド及びそれがコードするアミノ酸配列
は、それぞれ配列番号11及び12に記されている。大豆タンパク質は、シロイ
ヌナズナプロトックス−1タンパク質と78%同一(87%類似)である。
【0248】 pBluescriptスクリーニングベクター内の大豆プロトックス−1は、1995
年12月15日にpWDC−12(NRRL#B21516)として寄託された
【0249】 例3: トウモロコシプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同性
に基づく綿花プロトックス−1cDNAの分離 Grossypium hirsutum L. (72時間暗生長された子葉)から調製したLamda U
ni-Zap cDNAをアリゾナ州立大学植物学部のDick Trelease博士から入手した
(Ni W. 及びTrelease R.N. Arch. Biochem, Biophys, 289:237−243
(1991))。ライブラリの約50,000pfuを、10cmのペトリ皿1枚につ
き約5000pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリフトをコロニー/プラー
クスクリーン膜上に作った(NEN Dupont)。 プラークリフトを、ランダム
プライミング法(Life Technology)により32P−dCTPで標識付けされた
トウモロコシプロトックス−1cDNA(配列番号5)を用いてプローブ探査し
た。ハイブリダイゼーション条件は、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
,0.5MでpH7.0のNaPO4、1mMのEDTA、50℃であった。洗浄
条件は、2×SSC,1%のSDS、50℃であった。(Church及びGilbert(1
984)。ハイブリッド形成陽性プラークを精製し、pBluescriptプラスミド内
にin vivoで切り出した。CDNAインサートの配列を、螢光染料で標識付けさ
れたジデオキシターミネータを用いたチェーンターミネーション法によって決定
した(Applied Biosystem, Inc)。「綿花プロトックス−1」と呼称される、得
られた最長の綿花cDNAは、その他の既知の植物プロトックスペプチド配列と
の比較に基づき、全長のものであると思われる(表1A)。綿花プロトックス−
1は、長さ1826−bpで、58.2kDaのタンパク質をコードする。この
cDNAのヌクレオチド及びそれがコードするアミノ酸配列は、それぞれ配列番
号13及び14に記されている。綿花タンパク質は、トウモロコシプロトックス
−1タンパク質と77%同一(86%類似)である。
【0250】 pBluescriptスクリーニングベクター内の綿花プロトックス−1は、1996
年7月1日にpWDC−15(NRRL#B21594)として寄託された。
【0251】 例4: シロイヌナズナプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同
性に基づくテンサイプロトックス−1cDNAの分離 Beta vulgarisから調製したLamda-Zap cDNAライブラリをPlant Science
Institute, Philadelphia, PAの植物学部Phillip Rea博士から入手した(Yongch
eol Kim, Eugene J.Kim 及び Philip A. Rea, Plant Physiol. 106:375
−382(1994))。cDNAライブラリの約50,000pfuを、10cmの
ペトリ皿1枚につき約5000pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリフトを
ニトロセルロース膜上に作った(Schleicher及びSchuell)。プラークリフトを
、ランダムプライミング法(Life Technology)により32P−dcTPで標識
付けされたシロイヌナズナプロトックス−1cDNA(配列番号1)を用いてプ
ローブ探査した。ハイブリダイゼーション条件は、7%のドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS),0.5MでpH7.0のNaPO4、1mMのEDTA,50℃で
あった。洗浄条件は、2×SSC,1%のSDS,50℃であった。(Church及
びGilbert(1984)。ハイブリッド形成陽性プラークを精製し、pBluescript
プラスミド内にin vivoで切り出した。cDNAインサートの配列を、螢光染料
で標識付けされたジデオキシターミネータを用いたチェーンターミネーション法
によって決定した(Applied Biosystem, Inc)。「テンサイプロトックス−1」
と呼称される、得られた最長のテンサイプロトックス−1cDNAは、その他の
既知の植物プロトックスペプチド配列との比較を基準にした場合、全長のもので
ある(表1A)。テンサイプロトックス−1は、長さ1910−bpで、60k
Daのタンパク質をコードする。このcDNAのヌクレオチド及びそれがコード
するアミノ酸配列は、それぞれ配列番号15及び16に記されている。テンサイ
タンパク質は、シロイヌナズナプロトックス−1タンパク質と73%同一(82
%類似)である。
【0252】 pBluescriptスクリーニングベクター内のテンサイプロトックス−1は、19
96年7月29日にpWDC−16(NRRL#B21595N)として寄託さ
れた。
【0253】 例5: シロイヌナズナプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同
性に基づくセイヨウアブラナプロトックス−1cDNAの分離 Brassica napus(3〜4週間、成熟葉緑素)から調製したLamda Uni-Zap II
cDNAライブラリを、Institut Fuet Allgemeine Btanik, Johonnes Gutenber
t-Universitaet Mainz, GermanyのGuenther Ochs博士から入手した(Guenther O
chs, Gevald Schock及びAloysius Wild, Plant Physiol. 103:303−30
4(1993))。cDNAライブラリの約50,000pfuを、10cmのペトリ
皿1枚につき約5000pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリフトをニトロ
セルロース膜上に作った(Schleicher及びSchuell)。 プラークリフトを、ラ
ンダムプライミング法(Life Technology)により32P−dCTPで標識付けさ
れたシロイヌナズナプロトックス−1cDNA(配列番号1)を用いてプローブ
探査した。ハイブリダイゼーション条件は、7%のドデシル硫酸ナトリウム(S
DS),0.5MでpH7.0のNaPO4、1mMのEDTA,50℃であった
。洗浄条件は、2×SSC,1%のSDS,50℃であった。(Church及びGilb
ert(1984)。ハイブリッド形成陽性プラークを精製し、pBluescriptプラス
ミド内にin vivoで切り出した。cDNAインサートの配列を、螢光染料で標識
付けされたジデオキシターミネータを用いたチェーンターミネーション法によっ
て決定した(Applied Biosystem, Inc)。「セイヨウアブラナプロトックス−1
」と呼称される、得られた最長のセイヨウアブラナプロトックス−1cDNAは
、その他の既知の植物プロトックスペプチド配列との比較に基づき、全長のもの
である(表1A)。セイヨウアブラナプロトックス−1は、長さ1784−bp
で、57.3kDのタンパク質をコードする。このcDNAのヌクレオチド及び
それがコードするアミノ酸配列は、それぞれ配列番号17及び18に記されてい
る。セイヨウアブラナタンパク質は、シロイヌナズナプロトックス−1タンパク
質と87%同一(92%類似)である。
【0254】 pBluescriptスクリーニングベクター内のセイヨウアブラナプロトックス−1
は、1996年8月23日にpWDC−17(NRRL#B21615)として
寄託された。
【0255】 例6 トルモロコシプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同性に
基づくイネプロトックス−1cDNAの分離 Oryza Sativa(5日間黄化させた苗条)から調製したLamda gt11cDNAライ
ブラリを Clontech から購入した。cDNAライブラリの約50,000pfuを、
10cmのペトリ皿1枚につき約5000pfuの密度で平板固定し、重複フィルタ
リフトをニトロセルロース膜上に作った(Schleicher及びSchuelle)。プラーク
リフトを、ランダムプライミング法(Life Technology)により32P−dcT
Pで標識付けされたトウモロコシプロトックス−1cDNA(配列番号5)を用
いてプローブ探査した。ハイブリダイゼーション条件は、7%のドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS),0.5MデでpH7.0のNaPO4、1mMのEDTA、
50℃であった。洗浄条件は、2×SSC,1%のSDS,50℃であった。(
Church及びGilbert(1984)。ハイブリッド形成陽性プラークを精製し、Wizar
d Lambda-Prepキット(Promega)を用いてラムダDNAを調製した。cDNAイ
ンサートを、標準技術を用いてpBluescriptスクリーニングベクターへと、Ec
oRIフラグメントを用いてサブクローニングした。cDNAインサートの配列
を、螢光染料で標識付けされたジデオキシターミネータを用いたチェーンターミ
ネーション法によって決定した(Applied Biosystem, Inc)。「イネプロトック
ス−1」と呼称される、得られた最長の稲プロトックス−1cDNAは、長さが
1224bpであった。イネプロトックス−1には、その他の既知の植物プロト
ックスペプチド配列との比較を基準とした場合、輸送ペプチドのためのコーディ
ング配列に成熟コーディング配列の約172個のアミノ酸を加えたものが欠如し
ている(表1A)。この部分的cDNAのヌクレオチド及びそれがコードするア
ミノ酸配列は、それぞれ配列番号19及び20に記されている。
【0256】 pBluescriptスクリーニングベクター内のイネプロトックス−1は、1996
年12月6日にpWDC−18(NRRL#B21648)として寄託された。
【0257】 例7:トウモロコシプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同性に
基づくソルガムプロトックス−1cDNAの分離 Sorghum bicolor(3〜6日の緑色実生苗)から調製したLamda-Zap IIcDN
Aライブラリをドイツストュッツガルト大学細胞生物学および免疫学研究所のKl
aus Pfizenmaier博士から入手した(Harald Wajant, Karl-Wolfgang Mundry及び
Klaus Pfizenmaier,Plant Mol. Biol.26:735−747(1994))。cD
NAライブラリの約50,000pfuを、10cmのペトリ皿1枚につき約5000
pfuの密度で平板固定し、重複フィルタリフトをニトロセルロース膜上に作った
(Schleicher及びSchuelle)。プラークリフトを、ランダムプライミング法(Li
fe Technology)により32P−dCTPで標識付けされたトウモロコシプロト
ックス−1cDNA(配列番号5)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイゼ
ーション条件は、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MデpH7.
0のNaPO4、1mMのEDTA,50℃であった。洗浄条件は、2×SSC
,1%のSDS,50℃であった。(Church及びGilbert(1984)。ハイブリ
ッド形成陽性プラークを精製し、pBluescriptプラスミド内にin vivoで切り出
した。CDNAインサートの配列を、螢光染料で標識付けされたジデオキシター
ミネータを用いたチェーンターミネーション法によって決定した(Applied Bios
ystem, Inc)。「ソルガムプロトックス−1」と呼称される、得られた最長のソ
ルガムプロトックス−1cDNAは、長さ1590dpであった。ソルガムプロ
トックス−1には、その他の既知の植物プロトックスペプチド配列との比較を基
準とした場合、輸送ペプチドのためのコーディング配列に成熟コーディング配列
の約44個のアミノ酸を加えたものが欠如している(表1A)。この部分的cD
NAのヌクレオチド及びそれがコードするアミノ酸配列は、それぞれ配列番号2
1及び22に記されている。
【0258】 pBluescriptスクリーニングベクター内のソルガムガムプロトックス−1は、
1996年12月6日にpWDC−19(NRRL#B21649)として寄託
された。
【0259】 例8: トウモロコシプロトックス−1コーディング配列に対する配列相同性
に基づくサトウキビプロトックス−1cDNAの分離 サトウキビから調製したLamda Zap II cDNAライブラリをハワイ農業研究
センターのUSDA/ARSのHenrik Albertから入手した。cDNAライブラリ
の約50,000pfuを、10cmのペトリ皿1枚につき約5000pfuの密度で平
板固定し、重複フィルタリフトをニトロセルロース膜上に作った(Schleicher及
びSchuell)。プラークリフトを、ランダムプライミング法(Life Technology)
により32P−dCTPで標識付けされたトウモロコシプロトックス−1cDN
A(配列番号5)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイゼーション条件は、
7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MでpH7.0のNaPO4
1mMのEDTA、50℃であった。洗浄条件は、2×SSC,1%のSDS、
50℃であった。(Church及びGilbert(1984)。ハイブリッド形成陽性プラ
ークを精製し、pBluescriptプラスミド内にin vivoで切り出した。CDNAイ
ンサートの配列を、螢光染料で標識付けされたジデオキシターミネータを用いた
チェーンターミネーション法によって決定した(Applied Biosystem, Inc)。「
サトウキビプロトックス−1」と呼称される、得られた最長のサトウキビcDN
Aは、長さが633bpであった。サトウキビプロトックス−1には、その他の
既知の植物プロトックスペプチド配列との比較を基準とした場合、輸送ペプチド
のためのコーディング配列に成熟コーディング配列の約382個のアミノ酸を加
えたものが欠如している(表1A)。この部分的cDNAのヌクレオチド及びそ
れがコードするアミノ酸配列は、それぞれ配列番号36及び37に記されている
【0260】 例9.細菌系におけるプロトックス阻害性除草剤に対する植物プロトックスク
ローン感受性の実証 Lamp100中で、プロトックス−1/SASX38、プロトックス−2/SAS
X38及びpBluescript/XL1−ブルーの液体培養を成長させた。各培養の1
00マイクロリットルのアリコートを、構造式XVIIのプロトックス阻害性ア
リルウラシル除草剤をさまざまな濃度(1.0nM〜10mM)で含有するLamp 100 上に平板固定した。重複した平板セットを18時間37℃でインキュベート
した。
【0261】 プロトックス+ E.coli菌株XL1−ブルーは、いかなる濃度でも除草剤に対す
る感受性を全く示さず、これは、類似の除草剤に対する未変性細菌酵素の報告さ
れた耐性と一貫性をもつものであった。プロトックス−1/SASX38は、1
0nMという低濃度の除草剤により細菌芝生がほぼ完全に選除された状態で、明
らかに感受性を有していた。プロトックス−2/SASX38も同様に感受性を
有していたが、それはより高濃度の除草剤(10μM)のみにおいてであった。
除草剤は、ほぼ完全に暗所に維持された平板上でさえ有効であった。除草剤の毒
性は、平板に対し20μg/mlのヘマチンを添加することによって完全に除去さ
れた。
【0262】 2つの植物プロトックス菌株の間の異なる除草剤寛容性は、いずれかの固有の
酵素活性差ではなくむしろこれら2つのプラスミドからの発現差の結果である確
率が高い。プロトックス−1/SASX38は、あらゆるヘム欠損培地内でプロ
トックス−2/SASX38よりもはるかに緩慢に成長する。さらに、Arab プ
ロトックス−1−SASX38に匹敵する成長率をもつMzプロトックス−2/S
ASX38菌株は、同様に、より低い(10〜100nM)の濃度でも除草剤に
対して非常に感受性が強い。
【0263】 第B節: プロトックス阻害性除草剤に対する耐性をもつ植物プロトックス遺
伝子の同定及び特徴づけ 例10: E.coli 発現系におけるプロトックス阻害性除草剤に対する耐性をも
つ植物プロトックス 遺伝子についての選択 プラスミドベクターpFL61内のシロイヌナズナ(Landsberg)cDNAライ
ブラリ(Minet et al., Plant J.2:417−422(1992))を入手し増
幅させた。E.coli hemG突然変異体SASX38(Sasarman et al., J.Gen, Mi
crobiol.113:297(1979))を入手し、20μg/mlのヘマチンを含
有するL培地(United States Biochemicals)上に維持した。Bio-Rad 遺伝子パ
ルサー及びメーカーの条件書を用いた電気穿孔法により、プラスミドライブラリ
をSASX38内に形質転換した。10cmの平板1枚あたり約500,000の
形質転換体密度で100μg/mlのアンピシリンを含有するL寒天上に、電気穿
孔を受けた細胞を平板固定した。その後、低い光の中で40時間37℃で細胞を
インキュベートし、外因性ヘムの添加無しで成長する能力について選択を行なっ
た。ヘム原栄養体を、pFL61ライブラリから400/107の頻度で回収し
た。22の相補的クローンの配列分析は、9つが、葉緑体プロトックス酵素を発
現すると予想されているプロトックス遺伝子である「プロトックス−1」と呼ば
れるタイプのものであることを示した。
【0264】 pFL61ライブラリは、シロイヌナズナのcDNAが双方向に挿入された酵
母発現ライブラリである。これらのcDNAは同様に細菌内でも発現され得る。
プロトックスcDNAは、見かけ上、ベクター内のNotlクローニング部位に対し
約10アミノ酸分5′にある酵母色素体ゲノムK3′配列内の枠内ATGで開始
し、さらに300bp上流側のlacZプロモータからか又は不確定の潜在細菌プロ
モータから発現される。葉緑体トランジット配列の有意な部分を内含していたプ
ロトックス−1cDNAがE.coli SASX38菌株の成長を阻害したことから
、最少量の葉緑体トランジット配列しか付着していないクローンが、突然変異誘
発/除草剤選択実験のために選ばれた。このクローンpSLV19は、シロイヌ
ナズナプロトックス−1cDNAのbp−151で始まるDNA配列(配列番号
1)を伴って、推定上の葉緑体輸送ペプチドのわずか17のアミノ酸のみを含有
する。
【0265】 プラスミドpSLV19は、無作為突然変異誘発菌株XL1−Red(Stratagen
e, La Jolla, CA)へと形質転換された。この形質転換を、50μg/mlのアン
ピシリンを含有するL培地上で平板固定され、37℃で48時間FCBさせた。
形質転換された細胞の芝生を平板からかき取り、Wizard Megarepキット(Promeg
a, Madison, WI)を用いてプラスミドDNAを調製した。この突然変異誘発遺
伝子菌株から分離したプラスミドDNAは、2000ヌクレオチドあたり約1個
の無作為塩基変化を含むものと予測されている(Greener et al., Strategies7
(2);32−34(1994)参照)。
【0266】 突然変異を受けたプラスミドDNAをhemG 突然変異体SASX38へと形質
転換させ(Sasarman et al., J. Gen, Microbial. 113;297(1979)
)、プロトックス阻害性除草剤をさまざまな濃度で含むL培地上に平板固定した
(構造式XVII)。平板を37℃で2日間インキュベートさせた。野生型菌株
を有効に殺した除草剤濃縮物の存在下で成長した全てのコロニーからプラスミド
DNAを分離した。その後、分離したDNAをSASX38へと形質転換させ、
再び除草剤上に平板固定して、観察された耐性が確実にプラスミドにより伝播さ
れるものであるようにした。このスクリーンを通過するプラスミドからのプロト
ックス コーディング配列を、Not/消化により切り出し、突然変異誘発され
ていないベクター内に再クローニングし、除草剤寛容性を付与する能力について
再びテストした。その後、除草剤耐性を付与したプロトックスcDNAのDNA
配列を決定し、野生型シロイヌナズナプロトックス−1配列(配列番号1)との
比較により突然変異を同定した。
【0267】 最初の突然変異誘発実験から単一のコーディング配列突然変異体を回収した。
この突然変異体は、ただ単に成長率を増大させることのみによって、除草剤「耐
性」の増強を導いた。それは、pSLV19の切形葉緑体トランジット配列中の
配列番号1内のヌクレオチド197においてCからAへの突然変異を含有し、配
列番号2のアミノ酸56において、トレオニンのためのACGコドンをリシンの
ためのAAGコドンへと変換し、細菌突然変異体のより良い相補を結果としても
たらす。このプラスミドは同様に、AGT(Ser)がAGC(Ser)に変化して
いる状態で、ヌクレオチド1059に沈黙コーディング配列突然変異を含有する
。このプラスミドは、pMut−1と呼称された。
【0268】 pMut−1プラスミドを次に、上述のように突然変異誘発遺伝子XL−Red
菌株へと形質転換させ、突然変異を受けたDNAを分離し、突然変異誘発されな
かったpMut−1プロトックス遺伝子にとって致死的な除草剤濃度で平板固定
した。2日後に除草剤寛容性コロニーを37℃で分離し、上述のように分析した
。多くのプラスミドが、除草剤耐性プロトックス コーディング配列を含有する
ことが示された。配列分析は、耐性細胞が2つのクラスに入ることを示した。同
定された1つの耐性突然変異は、配列番号1に示されているシロイヌナズナプロ
トックス−1配列内のヌクレオチド689においてCからTへの変化であった。
この変化は、配列番号2のアミノ酸220にあるアラニンのためのGCTコドン
をバリンのためのGTTコドンへと変換し、pAraC−1Val と呼称された(表
1B:部分配列3参照)。
【0269】 第2の除草剤耐性突然変異体クラスには、シロイヌナズナプロトックス−1配
列内のヌクレオチド1307におけるAからGへの変化が含まれる。この変化は
、アミノ酸426にあるチロシンのためのTACコドンをシステインのためのT
GCコドンへと変換し、pAraC−2Cysと呼称された(表1B:部分配列7参
照)。
【0270】 第3の耐性突然変異体は、シロイヌナズナプロトックス−1配列内のヌクレオ
チド691においてGからAへの変化を有する。この突然変異は、アミノ酸22
1にあるグリシンのためのGGTコドンを、pAraC−1内の突然変異に隣接す
るコドン位置にあるセリンのためのAGTコドンへと変換する。このプラスミド
は、pAraC−3Ser と呼称された(表1B:部分配列4を参照のこと)。
【0271】 pMut−1プラスミドの中の耐性突然変異体pAraC−2Cysは、1994
年11月14日に、農業研究培養コレクションにpWDC−7という呼称で寄託
され、NRRL#21339Nという寄託呼称を与えられた。
【0272】 例11: 無作為スクリーンにおいて同定された位置での付加的な除草剤耐性
コドン置換 無作為スクリーンにおいて除草剤耐性部位として同定されたアミノ酸をその他
のアミノ酸により置換させ、細菌系内の除草剤寛容性及び機能についてテストす
る。形質転換体部位特異的突然変異誘発キット(Clontech Pals Alto, CA)を用
いて、シロイヌナズナプロトックス−1配列のオリゴヌクレオチド特異的突然変
異誘発を実施する。配列分析によってアミノ酸変化を確認した後、突然変異を受
けたプラスミドをSASX38へと形質転換させ、機能についてテストする目的
でL−amp100培地上で又、寛容性についてテストする目的でさまざまな濃度のプ
ロトックス阻害性除草剤上で平板固定させた。
【0273】 この手順を、シロイヌナズナプロトックス−1配列(配列番号1)のヌクレオ
チド 688〜690でアラニンコドンに、又ヌクレオチド 1306−1308
でチロシンコドンに適用する。結果は、ヌクレオチド688−690にあるアラ
ニンコドンがバリン(pArC−1Val),トレオニン(pAraC−1Thr),
ロイシン(pAraC−1Leu),システイン(pAraC−1Cys)又はイソロイ
シン(pAraC−1Ile)のためのコドンへと変更されて、機能を保持した除草
剤耐性プロトックス酵素を生み出すとができるということを実証している(表1
B;部分配列3参照)。これらの結果はさらに、ヌクレオチド1306−130
8におけるチロシンコドンが、システイン(pAraC−2Cys),イソロイシン
(pAraC−2Ile),ロイシン(pAraC−2Leu),トレオニン(pAra
C−2Thr),メチオニン(pAraC−2Met)、バリン(pAraC−2Val)
又はアラニン(pAraC−2Ala)のためのコドンに変更されて、機能を保持し
た除草剤耐性プロトックス酵素を生み出すことができる(表1B;部分配列7参
照)ということを実証している。
【0274】 例12: 以前に同定された耐性突然変異体の酵素機能及び/又は除草剤寛容
性を増大させる付加的な突然変異の分離 除草剤耐性プロトックス遺伝子を含有するプラスミドを、突然変異誘発遺伝子
菌株XL1−Redへと形質転換させ、突然変異を受けたDNAを上述のとおりに
分離する。突然変異を受けたプラスミドを、SASX38へと形質転換させ、形
質転換体を、もとの「耐性」突然変異体の成長を阻害するのに充分な除草剤濃度
(構造式XVII)でスクリーニングする。寛容性コロニーを分離し、より高い
寛容性の表現型を上述のようにコーディング配列依存性のものとして確認する。
これらの突然変異体の配列を決定し、祖先配列と比べることで突然変異を同定す
る。
【0275】 この手順を上述のpAraC−1Val 突然変異体に適用した。結果は、アミノ
酸305にあるセリンコドン(配列番号2)をロイシンのためのコドンに変化さ
せ、pAraC−1Val 突然変異体単独よりも高いプロトックス阻害性除草剤に対
する耐性をもつ酵素を生成することができるということを実証している。この第
2の部位突然変異は、AraC305Leuと呼称される(表1B;部分配列13参
照)。同じ結果は、アミノ酸249におけるトレオニンコドンについても実証さ
れ、この場合、イソロイシン又はアラニンのいずれかへの変化は、より寛容性の
高い酵素を導く(表1B;部分配列12を参照のこと)。これらの変化は、それ
ぞれAraC249Ile及びAraC249Alaと呼称される。
【0276】 この手順は又、上述のpAraC−2Cys 突然変異体にも適用された。結果は
、アミノ酸118にあるプロリンコドン(配列番号2)をロイシンのためのコド
ンに変化させ、pAraC−1Cys 突然変異体単独よりも高いプロトックス阻害
性除草剤に対する耐性をもつ酵素を生成することができるということを実証して
いる。この突然変異は、AraC118Leuと呼称される(表1B;部分配列11
参照)。同じ結果は、アミノ酸305におけるトレオニンコドンについても実証
され、この場合、ロイシンへの変化は、より寛容性の高いrAraC−2Cys酵素
を導く(表1B;部分配列13を参照のこと)。これらの変化は、上述のとおり
pAraC−1Val 突然変異体で分離され、AraC305Leuと呼称される。pA
raC−2Cys 突然変異体のNB耐性を増強させる付加的な突然変異としては、
AraC425Serと呼称されるアミノ酸425におけるアスパラギンからセリン
への変化(表1B;部分配列14),及びAraC498Cysと呼称されるアミノ
酸498におけるチロシンからシステインへの変化(表1B:部分配列15)が
含まれる。
【0277】 これらの変化(表1B;部分配列11〜15)は、除草剤寛容性のみを付与す
るのに充分ではないが、むしろすでに突然変異体である酵素の機能及び/又は除
草剤寛容性を増強させることから、「第2部位」突然変異と呼ばれる。考えられ
る全ての置換の網羅的試験が実施されていないことから、これにより、除草剤寛
容性酵素を産生するのに、これらの部位におけるその他のアミノ酸置換で充分で
ある可能性が排除されるわけではない。
【0278】 例13: 高度に機能的/高度に寛容性あるプロトックス酵素を作り出すため
の、同定済み耐性突然変異と同定済みの第2部位突然変異の組合せ 上述のAraC305Leu 突然変異は、AraC−1Val 及びAraC−2Cys 突
然変異体プラスミドの両方の機能/除草剤耐性を増強させることがわかった。こ
の第2の部位突然変異の一般的有用性をテストしようとして、それをAraC−2
Lew,AraC−2Val 及びAraC−2Ile 突然変異と組合せ、除草剤寛容性に
ついてテストした。各々のケースにおいて、AraC305Leuの変化は、プロト
ックス阻害性除草剤上の耐性プロトックス突然変異体の成長率を著しく増大させ
た。AraC−2Ile耐性突然変異体と第2部位突然変異体AraC249Ile又は
AraC118Leuの組合せは同様に、より寛容性の高い突然変異体プロトックス
酵素を産生した。AraC249Ile 突然変異は、AraC−1(部分配列3)突
然変異を増強するものとして同定された第2部位突然変異が同様にAraC−2(
部分配列7)突然変異体の耐性を増大し得るということを実証している。AraC
−Ile,AraC305Leu 及びAraC249Ile(表1B;部分配列7,13
及び12)を含有する3突然変異プラスミドも同様に、高度の機能性及び高度の
除草剤寛容性をもつプロトックス−1酵素を産生することが示されてきた。
【0279】 例14: 除草剤寛容性を与えるように突然変異を受けることのできるトウモ
ロコシプロトックス−1遺伝子内の部位の同定 上述のMut−1シロイヌナズナプロトックス−1プラスミドは、その他のプ
ラスミドが使用されるときに分離される頻繁なアッププロモータ突然変異体とは
異なり、それが真正コーディング配列 MMT体を高頻度で与えるという点で、
突然変異誘発/スクリーニング実験において使用されたとき、非常に有効である
。トウモロコシプロトックス−1のための効率の良いプラスミドスクリーニング
系を作り出そうとして、トウモロコシcDNAを、シロイヌナズナcDNAとほ
ぼ同じ配列状況下でpMut−1ベクターへと工学処理した。PCR融合をオー
バラップする標準的方法を用いて、pMut−1シロイヌナズナクローン(上述
のような1つのミスセンス突然変異を伴う葉緑体輸送ペプチドの17個のアミノ
酸を含む)の5′末端を、トウモロコシ配列(配列番号6)のアミノ酸 No.14
から出発してトウモロコシプロトックス−1cDNA配列に融合させた。トウモ
ロコシcDNAの3′末端には変化はなかった。この融合の両端にNotl制限部
位を配置し、キメラ遺伝子をpMut−1からのpFL61プラスミドバックボ
ーンへとクローニングした。配列分析は、ヌクレオチド745〜747(配列番
号5)にあるACGコドンをACTコドンに変換する(共にトレオニンをコード
する)単一のヌクレオチドPCR誘導沈黙突然変異を明らかにした。このキメラ
Arab−トウモロコシプロトックス−1プラスミドをpMut−3と呼称した。
【0280】 上述のようにpMut−3プラスミドを突然変異誘発遺伝子XL1−Red菌株
に形質転換し、突然変異を受けたDNAを分離し、突然変異誘発を受けていない
pMut−3トウモロコシプロトックス遺伝子にとっては致死的であった除草剤
濃縮物(構造式XVII)上で平板固定した。2日後に除草剤寛容性コロニーを
37℃で分離し、上述の通りに分析した。この分析は、除草剤耐性プロトックス
コーディング配列を含有する多数のプラスミドを明らかにした。配列分析は、除
草剤寛容性トウモロコシプロトックス−1酵素という結果を個別にもたらす5つ
の単一塩基変化を示した。これらの突然変異のうちの3つは、シロイヌナズナプ
ロトックス1遺伝子の中の相同な位置において寛容性を付与することが以前に示
されたアミノ酸変化に対応している。3つのうちの2つは、アミノ酸164(配
列番号6)にあるアラニン(GCT)をバリン(GAT)又はトレオニン(AC
T)のいずれかに変換するpMzC−1Val及びpMzt−1Thrである。この
位置は、上述のpAraC−1突然変異に対応する(表1B;部分配列3を参照の
こと)。第3の類似の変化pMzC−3Serは、アミノ酸165にあるグリシン
(GGT)をセリン(AGT)に変換し、これは上述のAraC−3Ser 突然変
異に対応する(表1B;部分配列4参照)。これらの結果は、1つの植物プロト
ックス遺伝子内で同定された除草剤寛容性突然変異が同じくもう1つの種からの
同等の植物プロトックス遺伝子内でも除草剤寛容性を付与しうるという予想を検
証するのに役立つ。
【0281】 トウモロコシプロトックス−1スクリーンから分離された突然変異のうちの2
つは、それまで除草剤耐性部位として同定されたことのない残基におけるアミノ
酸の変化を結果としてもたらす。1つの変化(Mz159Phe)は、トウモロコ
シプロトックス−1配列(配列番号6)のアミノ酸159においてシステイン(
TGC)をフェニルアラニン(TTC)に変換する(表1B;部分配列2参照)
。第2の変化(Mz419Tr)は、アミノ酸419においてイソロイシン(A
TA)をトレオニン(ACA)へと変換する(表1B;部分配列9)。
【0282】 付加的なアミノ酸置換を、トウモロコシ突然変異体部位のうちの3つにおいて
行ない、テストした。寛容性は、グリシン165がロイシン(pMzC−3Leu
)に変化させられたとき、又はシステイン159がロイシン(Mz159Leu)
又はリシン(Mz159Lys)に変化させられたときに実証された(表1B;部
分配列4及び2参照)。同様に、イソロイシン419からヒスチジン(Mz41
9His),グリシン(Mz419Gly)又はアスパラジン(Mz419Asn)に
変化させることによって、寛容性酵素を作り出した(表1B;部分配列9参照)
【0283】 高い除草剤寛容性をもつシロイヌナズナプロトックス−1酵素を産生した個々
のアミノ酸変化を、上述のとおりに、部位特異的突然変異誘発によりトウモロコ
シプロトックス−1遺伝子内に工学処理した。細菌テストで、アミノ酸164(
配列番号6)にあるアラニン(GCT)をロイシン(CTT)に変化させること
により、寛容性の高いトウモロコシ酵素(pMzC−1Leu)が産生されること
が実証された(表1B;部分配列3参照)。シロイヌナズナ内のAraC−2部位
(表1B;部分配列7参照)に類似したいかなる突然変異もトウモロコシ無作為
スクリーンにおいて分離されなかった。しかしながら、この部位すなわちトウモ
ロコシ酵素内のチロシン370(配列番号6)をイソロイシン(pMzC−2I
le)又はメチオニン(pMzC−2Met)のいずれかに変化させることで、まさ
に、除草剤寛容性酵素が産生された(表1B;部分配列7参照)。
【0284】 構造式XVIIではなく構造式XXIIIa及びXXIIIbを用いるという
点を除いて、この例において前述した通りに実施した付加的な突然変異スクリー
ンは、寛容性プロトックス酵素を付与する3つの付加的なアミノ酸変化を同定し
た。構造式XXIIIbを用いたスクリーンは、アミノ酸88(配列番号6)に
あるアルギニン(CGT)をシステイン(TGT)に変化させることによってき
わめて寛容性の高いトウモロコシ酵素(Mz88Cys)(表1B;部分配列1参
照)が産生されることを実証した。構造式IVcを用いたもう1つのスクリーン
は、アミノ酸88(配列番号6)にあるアルギニン(CGT)をロイシン(CT
T)に変化させることで、きわめて寛容性の高いトウモロコシ酵素(Mz88C
ys)(表1B;部分配列1参照)が産生されることを実証した。構造式XXII
Iaを用いたもう1つのスクリーンは、アミノ酸347(配列番号6)にあるロ
イシン(TTA)をセリン(TCA)に変化させること及びアミノ酸453(配
列番号6)にあるアラニン(GCA)をトレオニン(ACA)に変化させること
の両方が、きわめて寛容性の高いトウモロコシ酵素(Mz347Ser453Thr
)(表1B;部分配列16及び17参照)を産生することを実証した。以前に同
定した耐性突然変異体の酵素機能及び/又は除草剤寛容性を増大させる上述の第
2の部位突然変異とは異なる、Mz347Ser453Thrは、除草剤寛容性のた
めに両方の突然変異が存在することを必要とする「2重突然変異体」である。
【0285】 この例において前述したとおりに実施した付加的な突然変異体スクリーンは、
寛容性プロトックス酵素を付与する2つの付加的なアミノ酸変化を同定した。構
造式XXIVを用いたスクリーンは、アミノ酸175(配列番号6)にあるアラ
ニン(GCA)をバリン(GTA)又はトレオニン(ACA)に変化させること
によってきわめて寛容性の高いトウモロコシ酵素(それぞれMz175Val及び
Mz175Thr)(表1B;部分配列18参照)が産生されることを実証した。
構造式IVcを用いたもう1つのスクリーンは、アミノ酸337(配列番号6)
にあるロイシン(TTG)をセリン(TCG)に変化させることによって、きわ
めて寛容性の高いトウモロコシ酵素(Mz337Ser)(表1B;部分配列19
参照)が産生されることを実証した。
【0286】 例15: 除草剤寛容性を得るべく突然変異を受けることのできる小麦プロト
ックス−1内の部位の同定 小麦プロトックス−1のための効率の良いプラスミドスクリーニングシステム
を作り出すため、小麦cDNAを、以上でトウモロコシcDNAについて記述し
た通りpMut−1ベクターへと工学処理した。このキメラArab−小麦プロト
ックス−1プラスミドをpMut−4と呼称した。pMut−4DNAを突然変
異に付し、上述のとおり除草剤寛容性についてスクリーニングした。この分析は
、除草剤耐性プロトックスコーディング配列を含む多数のプラスミドを明らかに
した。配列分析は、除草剤寛容性小麦プロトックス−1酵素を個別に結果として
もたらす7個の単一の塩基変化を示した。これらの突然変異のうちの4つは、シ
ロイヌナズナ内及び/又はトウモロコシプロトックス−1遺伝子内の相同な位置
において寛容性を付与することが以前に示されているアミノ酸変化に対応してい
る。2つ、すなわちpWhtC−1Val及びpWhtC−1Thrは、アミノ酸211
(配列番号10)にあるアラニン(GCT)をバリン(GAT)及びトレオニン
(ACT)にそれぞれ変換する。この位置は、上述のPAraC−1突然変異に対
応する(表1B;部分配列3参照)。第3の類似の変化すなわちpWhtC−3S
erは、アミノ酸212にあるグリシン(GGT)をセリン(AGT)に変換し、
これは上述のAraC−3Ser 突然変異に対応している(表1B;部分配列4参
照)。4番目のWht466Thrは、アミノ酸466においてイソロイシン(AT
A)をトレオニン(ACA)に変換し、これはトウモロコシからのMz419T
hr 突然変異体に対応する(表1B;部分配列9参照)。
【0287】 小麦プロトックス−1スクリーンから分離した突然変異のうちの3つは、除草
剤耐性部位として以前に同定されたことのない残基におけるアミノ酸変化を結果
としてもたらす。1つの変化(Wht356Leu)は、小麦プロトックス−1配列
(配列番号10)のアミノ酸356においてバリン(GTT)をロイシン(CT
T)に変換する(表1B;部分配列6参照)。第2の変化(Wht421Pro)は
、アミノ酸421においてセリン(TCT)をプロリン(CCT)に変換する(
表1B;部分配列8参照)。第3の変化(Wht502Ala)は、アミノ酸502
においてバリン(GTT)をアラニン(GCT)に変換する(表1B;部分配列
10参照)。
【0288】 例16: 除草剤寛容性を得るべく突然変異を受けることのできる大豆プロト
ックス−1内の部位の同定 大豆プロトックス−1のための効率の良いプラスミドスクリーニングシステム
を作り出すため、大豆cDNAを、以上でトウモロコシcDNAについて記述し
た通りpMut−1ベクターへと工学処理した。このキメラArab−大豆プロト
ックス−1プラスミドをpMut−5と呼称した。pMut−5DNAを突然変
異に付し、上述のとおり除草剤寛容性についてスクリーニングした。この分析は
、除草剤耐性プロトックスコーディング配列を含む多数のプラスミドを明らかに
した。配列分析は、除草剤寛容性大豆プロトックス−1酵素を個別に結果として
もたらす4個の単一の塩基変化を示した。これらの突然変異のうちの2つは、シ
ロイヌナズナ内及び/又は小麦プロトックス−1遺伝子内の相同な位置において
寛容性を付与することが以前に示されているアミノ酸変化に対応している。その
1つ、すなわちpSoyC−1Thrは、アミノ酸226(配列番号12)にあるア
ラニン(GCA)をトレオニン(ACA)に変換する。この位置は、上述のPA
raC−1 Thr 突然変異に対応する(表1B;部分配列3参照)。第2の類似の
変化すなわちSoy517Alaは、アミノ酸517にあるバリン(GTT)をアラ
ニン(GCT)に変換し、これは小麦からのWht502Ala 突然変異に対応し
ている(表1B;部分配列10参照)。
【0289】 大豆プロトックス−1スクリーンから分離した突然変異のうちの2つは、除草
剤耐性部位として以前に同定されたことのない残基におけるアミノ酸変化を結果
としてもたらす。1つの変化(Soy369Ser)は、大豆プロトックス−1配列
(配列番号12)のアミノ酸369においてプロリン(CCT)を、セリン(T
CT)に変換する(表1B;部分配列5参照)。第2の変化(Soy369His)
は、この同じプロリン369をヒスチジン(CAT)に変換する(表1B;部分
配列5参照)。
【0290】 高い除草剤寛容性をもつシロイヌナズナプロトックス−1酵素を産生した個々
のアミノ酸変化を、上述のとおりに、部位特異的突然変異誘発により、大豆プロ
トックス−1遺伝子内に工学処理した。細菌テストで、アミノ酸226(配列番
号12)にあるアラニン(GCA)をロイシン(pSoyC−1Leu)に変化させ
ることにより、寛容性の高い大豆酵素が産生されることが実証された(表1B;
部分配列3参照)。
【0291】 例17: 除草剤寛容性を得るべく突然変異を受けることのできるテンサイプ
ロトックス−1内の部位の同定 テンサイプロトックス−1のための効率の良いプラスミドスクリーニングシス
テムを作り出すため、テンサイcDNAを、以上でトウモロコシcDNAについ
て記述した通りpMut−1ベクターへと工学処理した。このキメラArab−テ
ンサイプロトックス−1プラスミドをpMut−6と呼称した。pMut−6D
NAを突然変異に付し、上述のとおり除草剤寛容性についてスクリーニングした
。この分析は、除草剤耐性プロトックスコーディング配列を含む多数のプラスミ
ドを明らかにした。配列分析は、除草剤寛容性テンサイプロトックス−1酵素を
結果としてもたらす1つの単一塩基変化を示した。この変化(pSugC−2Cys
)は、アミノ酸449にあるチロシン(TAC)をシステイン(TGC)に変換
し、シロイヌナズナ内のAraC−2突然変異と類似している(表1B;部分配列
7参照)。
【0292】 高い除草剤寛容性をもつシロイヌナズナプロトックス1酵素を産生した個々の
アミノ酸変化を、上述のとおりに、部位特異的突然変異誘発により、サトウキビ
プロトックス−1遺伝子内に工学処理した。細菌テストで、アミノ酸449にあ
るチロシン(TAC)をロイシン(pSugC−2Leu),イソロイシン(pSug
C−2Ile),バリン(pSugC−2Val)又はメチオニン(pSugC−2Met
)に変化させることにより、除草剤寛容性テンサイ酵素が産生されることを実証
した(表1B;部分配列7参照)。
【0293】 例18: 除草剤寛容性を得るべく突然変異を受けることのできる綿花プロト
ックス−1内の部位の同定 綿花プロトックス−1のための効率の良いプラスミドスクリーニングシステム
を作り出すようにするため、綿花cDNAを、以上でトウモロコシcDNAにつ
いて記述した通りpMut−1ベクターへと工学処理した。このキメラArab−
綿花プロトックス−1プラスミドをpMut−7と呼称した。pMut−7DN
Aを突然変異に付し、上述のとおり除草剤寛容性についてスクリーニングした。
この分析は、除草剤耐性プロトックスコーディング配列を含む多数のプラスミド
を明らかにした。配列分析は、除草剤寛容性綿花プロトックス−1酵素を個別に
結果としてもたらす3個の単一の塩基変化を示した。3つの突然変異体、すなわ
ちpCotC−2Cys,pCotC−2His及びpCotC−2Argは、アミノ酸42
8(配列番号16)にあるチロシン(TAC)をシステイン(TGC)、ヒスチ
ジン(CAC)及びアルギニン(CGC)にそれぞれ変化させる(表1B;部分
配列7参照)。アルギニンは、この以前に同定されたAraC−2(部分配列7)
部位において寛容性を与える新規の置換である。第3の突然変異(Cot365S
er)は、アミノ酸365においてプロリン(CCT)をセリン(TCT)へと変
換する。
【0294】 この変化は、大豆突然変異 Soy369Serに対応する(表1B;部分配列5
参照)。
【0295】 例19: さまざまなプロトックス阻害性化合物に対する耐性突然変異の交叉
寛容性の実証 単一のプロトックス阻害性除草剤に対する耐性に基づいて当初同定された耐性
突然変異体プラスミドを、その他のプロトックス阻害性化合物のスペクトルに対
しテストした。このテストのために、野生型プラスミドを含有するSASX38
菌株を、各化合物の一定範囲の濃縮物上で平板固定して、各々についての致死的
濃度を決定する。SASX38内の耐性突然変異体プラスミドを平板固定し野生
型プラスミドを含有するSASX38菌株にとって致死的である濃度よりも少な
くとも10倍高い各化合物の濃度で存続する能力について評点をつける。
【0296】 表3A及び3Bに例示されている細菌交差テストからの結果は、同定された突
然変異の各々が、さまざまなプロトックス阻害化合物に対する寛容性を付与する
ことを示している。 2.第C節: 遺伝子導入植物内の除草剤耐性プロトックス遺伝子の発現 例20: 同種組換え又は遺伝子変換によるプロトックス阻害性除草剤に対す
る寛容性をもつ植物の工学処理 記述した突然変異体コーディング配列は実際に、未変性プロトックスプロモー
タの制御下で発現されたとき除草剤寛容性を付与することから、その未変性の染
色体の場所におけるプロトックスコーディング配列に対するターゲティングされ
た変化は、除草剤寛容性植物及び植物細胞を生成するための代替的手段を表わし
ている。所望の突然変異を含んでいるもののそれ自体の発現シグナル(プロモー
タ又3′の未翻訳領域のいずれか)が欠如しているプロトックス DNAのフラ
グメントを、当該技術分野で認知された複数の方法のいずれか(例えばAgrobact
erium 形質転換,原形質体に対する直接的遺伝子移入、微粒子ボンバード)によ
り導入し、除草剤寛容性形質転換体を選択することができる。導入されたDNA
フラグメントは同様に、コードされたアミノ酸配列を変化させることなくin vit
roで部位特異的突然変異誘発により導入される(すなわち沈黙突然変異)診断用
制限酵素部位又はその他の配列多形現象を含んでいる。さまざまな選択可能マー
カー及び除草剤寛容性遺伝子について以前に報告されたように(例えば Paszdow
ski et al., EMBO J.7:4021−4026(1988);Lee et al., P
lant Cell2;415−425(1990);Risseeuw et al., Plant J.7:1
09−119(1995)参照)、いくつかの形質転換は、プロトックス染色体
遺伝子座の中への突然変異体DNAの相同組込み又は未変性プロトックス染色体
配列を導入された突然変異体配列に変換したことの結果としてもたらされると考
えられている。これらの形質転換体は、その除草剤寛容性表現型の組合せ及びそ
のプロトックス染色体遺伝子座の中の診断用制限酵素部位の存在によって認識さ
れる。 3.例21: 植物形質転換ベクターの構築 植物の形質転換のために数多くの形質転換ベクターが利用可能であり、本発明
の遺伝子は、かかるベクターのいずれと合わせた形でも使用可能である。使用す
るベクターの選択は、好まれる形質転換技術及び形質転換のための標的種によっ
て左右されることになる。或る種の標的種にとっては、異なる抗生物質又は除草
剤選択マーカーが好適である可能性がある。形質転換において所定の手順に従っ
て使用される選択マーカーとしては、カナマイシン及び関連抗生物質に対する耐
性を付与するnptII 遺伝子(Messing & Vierra, Gene19:259−268(
1982);Bevan et al., Nature304:184−187(1983)),除
草剤ホスフィノトリシンに対する耐性を付与するbar遺伝子(White et al., Nuc
l Acids Res18:1062(1990),Spencer et al., Theor Appl Genet
79:625−631(1990),抗生物質ハイグロマイシンに対する耐性を
付与するhph遺伝子(Biochinger & Diggelmann, Mol Cell Biol 4;2929−
2931)及び、メトトレキセートに対する耐性を付与するdhfr遺伝子(Bourou
is et al., EMBO J. 2(7);1099−1104(1983))が含ま
れる。
【0297】 1.Agrobacterium 形質転換に適したベクターの構築 Agrobacterium tumefaciens を用いた形質転換のために、数多くのベクターを
利用することができる。これらは標準的に少なくとも1つのT−DNAボーダー
配列を支持し、pBlN19(Bevan, Nucl. Acids Res.(1984))及びpX
YZといったようなベクターを内含する。以下では2つの標準的ベクターの構築
について記述する。
【0298】 pCIB200及びpCIB2001の構築;Agrobacterium と共に使用する
ための組換え型ベクターの構築について、バイナリーベクターpCIB200及
びpCIB2001を使用する。pTJS75kan を、テトラサイクリン耐性遺
伝子の切り出しを可能にするpTJS75のNarl 消化(Schmidhause & Helins
ki, J Bacteriol,164:446−455(1985))及びそれに続く、NP
TIIを支持するpUC4kからのAcclフクラグメントの挿入(Messing & Vie
rra, Gene19:259−268(1982);Bevan et al., Nature304;
184−187(1983);McBride et al., Plant Molecular Biology 14
:266−276(1990))により作り上げた。XhoIリンカーを、植物選
択可能nos/nptIIキメラ遺伝子である左右のT−DNAボーダー及びpUCポ
リリンカーを含有するpCIB7のEcoRVフラグメントに連結させ(Rothstei
n et al., Gene53;153−161(1987)),XhoI消化したフラグメ
ントをSalI消化したpTJS75kan 内にクローニングさせ、pCIB200
を作り出した(EP0332 104,例19も同様に参照のこと)。pCIB
200は、EcoRl, Sstl, Kpnl, Bgill, Xbal及びSallといったユニークなポリリ
ンカー制限部位を含有する。pCIB2001は、付加的な制限部位のポリリン
カーの中への挿入によって作り出されるpCIB200の誘導体である。pCI
B2001のポリリンカー内のユニークな制限部位は、EcoRl, Sstl, Kpnl, Bgl
ll, Xbal, Sall, Mlul, Bcll, Avrll, Apal, Hpal, 及びStul. である。pCI
B2001は、これらのユニークな制限部位を含むことに加えて、植物及び細菌
カナマイシン選択、Agrobacterium 媒介形質転換のための左右T−DNAボーダ
ー、E.coliとその他の宿主の間の可動化のためのRK2−由来のtrfA官能基及
び同じくRK2からのOriT及びOriV官能基をも有している。pCIB200
1ポリリンカーは、それ自体の調節シグナルを含む植物発現カセットのクローニ
ングのために適している。
【0299】 pCIB10及びそのハイグロマイシン選択誘導体の構築;バイナリーベクタ
ーPCIB10は、植物内での選択のためにカナマイシン耐性をコードする遺伝
子、T−DNA左右ボーダー配列を含有し、E.coli及びAgrobacterium の両方に
おけるその複製を可能にする宿主範囲プラスミドpRK252からの配列を取込
んでいる。その構築については、Rothstein et al., Gene53:153−161
(1987)により記述されている。Gritz et al., Gene25:179−188
(1983)により記述されているハイグロマイシンBホスフォトランスフェラ
ーゼのための遺伝子を取込んださまざまなpCIB10誘導体が構築されてきた
。これらの誘導体は、ハイグロマイシンのみ(pCIB743),又はハイグロ
マイシンとカナマイシン(pCIB7−15,pCIB717)上での遺伝子導
入植物細胞の選択を可能にする。
【0300】 II.非Agrobacterium 形質転換に適したベクターの構築 Agrobacterium tumefaciens を使用せずに形質転換することにより、選択され
た形質転換ベクター内のT−DNA配列の必要性は回避され、その結果これらの
配列が欠如したベクターを、T−DNA配列を含有する上述のもののようなベク
ターに加えて利用することが可能である。Agrobacterium に依存しない形質転換
技術には、粒子ボンバード、原形質体摂取(例えばPEG及び電気穿孔)及び微
量注入法を介した形質転換が含まれる。ベクターの選択は、形質転換の対象とな
っている種の好ましい選択によって大きく左右される。以下では、いくつかの標
準的ベクターの構築について記述する。
【0301】 pCIB3064の構築:pCIB3064は、除草剤バスタ(又はホスフィ
ノトリシン)による選択と組合せた直接的遺伝子移入技術に適したpUC由来の
ベクターである。プラスミドpCIB246は、E.coli GUS遺伝子に対する
操作的融合におけるCaMV35Sプロモータ及びCaMV35S転写ターミネ
ータを含み、PCT公示済み出願WO93/07278の中で記述されている。
このベクターの35Sプロモータは、出発部位から5′のところに2つのATG
配列を含有している。これらの部位は、ATGを除去し制限部位SspI及びPvu
IIを生成するような形で、標準的PCR技術を用いて突然変異に付された。新
しい制限部位は、ユニークなSalI部位から96及び37−bp離れたところ及
び実際の出発部位から101及び42bp離れたところにあった。pCIB24
6の結果としての誘導体は、pCIB3025と呼称された。次にGUS遺伝子
をSalI及びSacIでの消化によりpCIB3025から切り出し、末端を平滑
にし、再度連結してプラスミドpCIB3060を生成した。John Innes Centr
e, NorwichからプラスミドpJIT82を入手し、Streptomyces viridochromog
enesからのbar 遺伝子を含む400−bpのSmaI フラグメントを切り出し、
pCIB3060のHpal 部位内に挿入した(Thompson et al., EMBO J.:2
519−2523(1987))。こうして、ユニーク部位SphI,PstI,Hi
ndIII及びBam HIを伴うポリリンカー及び(E.coli内での選択のための)ア
ンピシリン耐性のための遺伝子である除草剤選択のためのCaMV35Sプロモ
ータ及びターミネータの制御下にあるba遺伝子を含むpCIB3064が生成さ
れた。このベクターは、独自の調節信号を含有する植物発現カセットをクローニ
ングするのに適している。
【0302】 pSOG19及びpSOG35の構築: pSOG35は、メトトレキセート
耐性を付与する選択可能なマーカーとして E.Coli 遺伝子ジヒドロフォレートレ
ダクターゼ(DHFR)を利用する形質転換ベクターである。35Sのプロモー
タ(〜800bp)、トウモロコシAdh1遺伝子からのイントロン6(〜550
bp)及びpSOG10からのGUS未翻訳リーダー配列18bpを増幅するた
めに、PCRを用いた。E. coli ジヒドロフォレートレダクターゼII型遺伝子
をコードする250bpのフラグメントも同じくpCRによって増幅させ、これ
ら2つのPCRフラグメントを、PUC19ベクターバックボーン及びノパリン
シンターゼターミネータを含むpB1221(Clontech) からのSacI−Pst
Iフラグメントを集合させた。これらのフラグメント集合により、イントロン6
配列、GUSリーダー、DHFR遺伝子と及びノパリンシンターゼターミネータ
と融合状態にある35Sプロモータを含むpSOG19が生成された。トウモロ
コシ退緑斑紋ウイルス(MCMV)からのターダー配列でpSOG19内のGU
Sリーダーを置き換えることで、ベクターpSOG35が生成された。pSOG
19及びpSOG35は、アンピシリン耐性のためのpUC遺伝子を支持し、外
来性配列のクローニングのために利用可能なHindIII,SphI,PstI及びE
coRI部位をもつ。
【0303】 4.例22: 植物発現カセットの構築 遺伝子導入植物内での発現のために意図された遺伝子配列は、まず第1に、適
切なプロモータの後ろで、適切な転写ターミネータの上流側で集合させられる。
これらの発現カセットはこのとき、例21にて上述した植物形質転換ベクターへ
と容易に移入され得る。
【0304】 I.プロモータの選択 発現カセット内で使用されるプロモータの選択は、遺伝子導入植物内のトラン
スジーンの空間的及び時間的発現パターンを決定することになる。選択されたプ
ロモータは、特定の細胞タイプ(例えば葉の表皮細胞、葉肉細胞、根の皮膚細胞
)又は特定の組織又は器官(根、葉又は花など)の中でトランスジーンを発現し
、この選択は、トランスジーンの所望の発現場所を反映することになる。代替的
には、選択されたプロモータは、光により誘発された又はその他の時間的に調節
されたプロモータの下で遺伝子の発現を駆動できる。さらにもう1つの代替案は
、選択されたプロモータが化学的に調節されるというものである。こうして、化
学的誘発物質での処置によりひき起こされるか又は望まれる場合にのみトランス
ジーンの発現を誘発する可能性が提供されることになる。
【0305】 II.転写ターミネータ 発現カセット内で使用するために、さまざまな転写ターミネータが利用可能で
ある。これらは、トランスジーンを超えた転写の終結及びその正しいポリアデニ
ル化を担当する。適切な転写ターミネータは、植物内で機能することがわかって
いるものであり、CaMV35Sターミネータ、tmlターミネータ、ノパリンシ
ンターゼターミネータ、エンドウマメ rbcSE9ターミネータならびに植物プロ
トックス遺伝子と天然に会合されたターミネータ(すわなち「プロトックスター
ミネータ」)がある。これらは、単子葉植物及び双子葉植物の両方で使用可能で
ある。
【0306】 III.発現の増強又は調節のための配列 転写単位の中からの遺伝子発現を増強するために数多くの配列が発見されてき
ており、これらの配列は、遺伝子導入植物内でのその発現を増大させるために本
発明の遺伝子と合わせて使用することができる。
【0307】 さまざまなイントロン配列が、特に単子葉細胞において発現を増強するもので
あることが示されてきた。例えば、トウモロコシAdhI 遺伝子のイントロンは
、トウモロコシ細胞内に導入された時点でその同族プロモータの下で野生型遺伝
子の発現を著しく増強することがわかってきている。イントロン1は、クロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子との融合構成体の中で特に有効
であることが発見され、発現を増強した(Callis et al., Genes Develop. 1:
1183−1200(1987))。同じ実験システムにおいて、maize bronze
1遺伝子からのイントロンは、発現を増強する上で類似の効果を有していた(Ca
llis et al., 前出)。イントロン配列は、標準的には、未翻訳リーダーの内部
で、植物形質転換ベクター内に所定の手順に従って取込まれてきた。
【0308】 ウイルスから誘導されたいくつかの未翻訳リーダー配列も同様に、発現を増強
させることがわかっており、これらは特に双子葉細胞において有効である。特定
的には、タバコモザイクウイルス(TMV、「W−配列」)、トウモロコシ退緑
斑紋ウイルス(MCMV)及びアルファルファモザイクウイルスからのリーダー
配列が、発現を増強させる上で有効であることが示されてきた(例えば、Gallie
et al. Nucl. Acids Res.15;8693−8711(1987);Skuzeski e
t al. Plant Molec. Biol.15;65−79(1990))。
【0309】 IV.細胞内の遺伝子産物のターゲティング 遺伝子産物をターゲティングするためのさまざまなメカニズムが植物内に存在
することがわかっており、これらのメカニズムの機能を制御する配列が、或る程
度詳しく特徴づけされてきた。例えば、葉緑体に対する遺伝子産物のターゲティ
ングは、さまざまなタンパク質のアミノ末端に発見され葉緑体の移入の間に分割
されて成熟タンパク質を生み出すシグナル配列によって制御される(例えばComa
i et al. J. Biol. Chem. 263:15104−15109(1988))。こ
れらのシグナル配列は、葉緑体内への異種産物の移入をもたらすべく異種遺伝子
産物に融合され得る(van den Broeck et al. Nature313:358−363(
1985))。適切なシグナル配列についてコードするDNAを、RUBISC
Oタンパク質、CABタンパク質、EPSPシンターゼ酵素、GS2 タンパク
質及び葉緑体局在性であるものとして知られるその他の数多くのタンパク質をコ
ードするcDNAの5′末端から分離することができる。
【0310】 その他の遺伝子産物が、メチコンドリン及びペロキシソームといったようなそ
の他の細胞小器官に局在化されている(例えば、Unger et al. Plant Molec. Bi
ol. 13:411−418(1989))。これらの産物をコードするcDNA
を操作して、これらの細胞小器官に対し異種遺伝子産物をターゲティングするこ
とも可能である。かかる配列の例としては、核コードされたATPアーゼ及びミ
トコンドリアのための特異的アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼイソ型が
ある細胞タンパク粒に対するターゲティングについては、Rogers et al., Proc.
Natil. Acad. Sci. USA82.6512−6516(1985))により記述さ
れてきた。
【0311】 さらに、その他の細胞区画に対する遺伝子産物のターゲティングをひき起こす
配列が特徴づけされてきた。アミノ末端配列は、アリューロン細胞からのER、
アポプラスト及び細胞外分泌に対するターゲティングを担当する(Koehler & H
o, Plant Cell2:769−783(1990))。さらにアミノ末端配列はカ
ルボキシ末端配列と合わさって遺伝子産物の空胞ターゲティングを担当している
(Shinshi et al., Plant Molec. Biol.14:357−368(1990)) 上述の適切なターゲティング配列を問題のトランスジーン配列と融合させるこ
とにより、あらゆる細胞小器官又は細胞区画にトランスジーン産物を導くことが
可能である。例えば葉緑体ターゲティングのためには、RUBISCO遺伝子、
CAB遺伝子,EPSP遺伝子又はGS2遺伝子からの葉緑体シグナル配列は、
トランスジーンのアミノ末端ATGに対し枠内で融合される。選択されたシグナ
ル配列は、既知の分割部位を内含すべきであり、構築される融合には、分割のた
めに必要とされる分割部位の後あらゆるアミノ酸が考慮されるべきである。一部
のケースでは、この必要条件は、分割部位とトランスジーンATGの間に少数の
アミノ酸を付加することによってか又は、代替的にはトランスジーン配列内でい
くつかのアミノ酸を置換することによって満たすことができる。葉緑体移入のた
めに構築された融合は、(Bartlett et al. In:Edelmann et al.(Eds.) Methods
in Chloroplast Molecular Biology, Elsevier. pp.1081−1091(19
82);Wasmann et al.Mol.Gen.Genet.205:446−453(1986)に
より記述された技術を用いて、in vitro転写された構成のin vitro翻訳とそれに
続くin vitro葉緑体摂取により、葉緑体摂取効力についてテストすることができ
る。これらの構築技術は、当該技術分野において周知のものであり、ミトコンド
リア及びペロキシソームにも同等に利用可能である。トランスジーンの発現のた
めに必要とされうるターゲティングの選択は、一定の与えられた経路のための出
発点として必要とされる前駆体の細胞局在性により左右されることになる。これ
は、通常細胞質ゾル又は葉緑体のものとなるが、一部のケースではミトコンドリ
ア又はペロキシソームのものであってよい。トランスジーン発現産物は通常、E
R/アポプラストマは空胞に対するターゲティングを必要としない。
【0312】 細胞ターゲティングのための上述のメカニズムは、その同族プロモータと合わ
せてのみならず、ターゲティングシグナルを誘導したプロモータのものとは異な
る発現パターンをもつプロモータの転写調節の下で特異的細胞ターゲティング最
終目的をもたらすべく異種プロモータと合わせて利用可能である。
【0313】 5.例23: 双子葉植物の形質転換 双子葉植物についての形質転換技術は当該技術分野において周知のものであり
、Agrobacterium ベースの技術及びAgrobacterium を必要としない技術を含む。
非Agrobacterium 技術には、原形質体又は細胞による直接的な外因性遺伝子材料
の摂取が関与している。これは、PEG又は電気穿孔法を媒介とした摂取、微粒
子ボンバードを媒介とした送達又は微量注入によって達成できる。これらの技術
の例は、Paszkowski et al., EMBO J3:2717−2722(1984),Pot
rykus et al., Mol. Gen. Genet. 199:169−177(1985),Reich
et al., Biotechnology 4;1001−1004(1986),及びKlein et
al., Nature327:70−73(1987)によって記述されている。各々の
ケースにおいて、形質転換された細胞は、当該技術分野において既知の技術を用
いて全植物にまで再生される。
【0314】 Agrobacterium媒体形質転換は、その形質転換効率が高く数多くの異なる種に
ついて広く有用であることから、双子葉植物の形質転換のための好ましい技術で
ある。タバコ、トマト、ヒマワリ、綿花、セイヨウアブラナ、ジャガイモ、大豆
、アルファルファ及びハコヤナギ(EP0317511(綿花)、EP0249
432トマト、Calgene), WO87/07299(アブラナ属 Calgene)、U
S4,795,855(ハコヤナギ))。
【0315】 組換え型Agrobacteriumによる標的植物種の形質転換には通常、植物からの外
植体とAgrobacteriumの同時培養が関与し、これは当該技術分野において周知の
プロトコルに従っている。形質転換された組織は、バイナリープラスミドT−D
NAボーダーの間に存在する抗生物質又は除草剤耐性マーカーを支持する選択可
能な培地の中で再生される。
【0316】 6.例24: 単子葉植物の形質転換 大部分の単子葉植物種の形質転換は現在同様に日常的なものとなっている。好
ましい技術としては、PEG又は電気穿孔技術を用いた原形質体内への直接的遺
伝子移入及びカルス組織内への粒子ボンバードが内含される。形質転換は、単一
のDNA種又は多数のDNA種(すなわち(同時形質転換)で行なうことができ
、これらの技術は両方共、本発明と共に使用するために適している。同時形質転
換は、複雑なベクター構築を回避し、問題の遺伝子及び選択可能なマーカーのた
めのリンクされていない遺伝子座を伴う遺伝子導入植物を生成し、かくして万一
望ましいとみなされた場合にその後の世代における選択的マーカーの除去を可能
にする、という利点をもつ可能性がある。しかしながら、同時形質転換の使用に
伴う欠点は、別々のDNA種がゲノム内に組込まれる頻度が100%未満である
ということにある(Schocher et al. Biotechnology 4:1093−1096(
1986))。
【0317】 特許出願(EP0 292 435(Ciba-Geigy), EP0392225(Ciba
-Geigy),WO93/07278(Ciba-Geigy) は、トウモロコシの優良自殖
系統からの原形質体及びカルスの調製、PEG又は電気穿孔法を用いた原形質体
の形質転換及び形質転換を受けた原形質体からのトウモロコシ植物の再生のため
の技術について記述している。 Gordon-Kamm et al., Plant Cell2:603−
618(1990))及び Fromm et al., Biotechnology 8:833−839
(1990))は、粒子ボンバードを用いたA188誘導型トウモロコシ系統の
形質転換のための技術を発表している。さらに、出願WO93/07278(Ci
ba-Geigy)及びKoziel et al.,Biotechnology 11:194−200(1983
))は、粒子ボンバードによるトウモロコシの優良自殖系統の形質転換のための
技術を記述している。この技術は、受粉から14〜15日後のトウモロコシの雌
穂から切り出した長さ1.5〜2.5mmの未成熟トウモロコシ胚芽及びボンバード
のためのPDS−1000He Biolistics 装置を利用する。
【0318】 イネの形質転換は、原形質体又は微粒子ボンバードを利用した直接的遺伝子移
入技術によっても行なうことができる。原形質体を媒体とする形質転換は、ジャ
ポニカ型及びインディカ型について記述されてきた(Zhang et al., Plant Cell
Rep7:379−384(1988);Shimamoto et al. Nature 338:27
4−277(1989);Datta et al. Biotechnology8:736−740(1
990))。両方の型共、同様に微粒子ボンバードを用いて所定の手順に従って
形質転換可能である(Christou et al. Biotechnology 9:957−962(1
991))。
【0319】 特許出願EP0,332,581(Ciba-Geigy) は、Pooideae原形質体の生
成、形質転換及び再生のための技術について記述している。これらの技術は、Da
ctylis及び小麦の形質転換を可能にする。さらに、小麦の形質転換は、C型長期
再生可能カルス細胞内への粒子ボンバードを用いて(Vasil et al., Biotechnol
ogy 10:667−674(1992))によって、そして同じく、未成熟胚芽
及び未成熟胚芽由来のカルスの粒子ボンバードを用いてVasil et al., Biotechn
ology 11:1553−1558(1993))及び Weeks et al., Plant Phy
siol.102:1077−1084(1993)によって記述された。しかしな
がら、小麦形質転換のための好ましい技術には、未成熟胚芽の粒子ボンバードに
よる小麦形質転換が関与し、遺伝子送達に先立ち高スクロース又は高マルトース
段階のいずれかが内含される。ボンバードに先立ち、暗所で進行させられる体細
胞胚の誘発のため3mg/lの2.4−D及び3%のスクロースを伴うMS培地上
に、任意の数の胚芽(長さ0.71〜1mm)を平板固定させる(Murashige & Sko
og, Physiologia Plantarum15:473−497(1962))。選択された
ボンバード日に、胚芽を誘発培地から除去し、浸透圧調節物質(すなわち望まし
い濃度、標準的には15%でスクロース及びマルトースが添加された誘発培地)
上に置く。胚芽を2〜3時間原形質溶解させ、その後ボンバードに付す。標的平
板一枚につき20の胚芽が標準的であるが、これはさほど重要なことではない。
標準手順を用いてマイクロメートルサイズの全粒子上に、適切な遺伝子支持プラ
スミド(例えばpCIB3064又はpSG35)を沈殿させる。各々の胚芽平
板を、標準的80メッシュスクリーンを用いて最高1000psiのバースト圧力
を用いDuPont Biolistics のヘリウム装置で射撃する。ホンバードの後、胚芽を
、約24時間(なおも浸透圧調節物質上で)回収するべく、暗所に戻す。24時
間後、胚芽を浸透圧調節物質から除去し、誘発培地に戻し、これらの胚芽は再生
するまでここに約1カ月間とどまる。約1カ月後、発達中の胚形成カルスを伴う
胚芽外植体を、適切な選択作用物質(pCIB3064の場合10mg/lのバス
タ、pSOG35の場合2mg/lのメトトレキセート)をさらに含む再生培地(
MS+1mg/リットルのNアミノ酸,5mg/リットルのGA)に移す。約1カ月
後、発達した苗条を半強度MS,2%スクロース及び同じ濃度の選択作用物質が
入った、「GA7s」として知られるより大きい無菌容器に移す。特許出願WO
94/13822は、小麦形質転換のための方法を記述しており、本書に参考と
して内含されている。
【0320】 例25: シロイヌナズナプロトックス−1プロモータ配列の分離 シロイヌナズナ(コロンビア、全植物)から調製したLamda-ZapIIゲノミッ
クcDNAライブラリをStratageneから購入した。約125000ファージを、
15cmのペトリ皿1枚につき約25000pfu の密度で平板固定し、重複フィル
タリフトをコロニー/プラークスクリーン膜上に作った(NEN Dupont)。プ
ラークリフトを、ランダムプライミング法(Life Technology)により32P−
dCTPで標識づけされたシロイヌナズナプロトックス−1cDNA(配列番号
1)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、Chur
ch and Gilbert, Proc. Natl. Acad. Scl. USA81:1991−1995(19
84)内で記述されている通り65℃であった。ハイブリッド形成陽性プラーク
を精製し、pBluescriptプラスミド内へin vivoで切り出した。ゲノミックDN
Aインサートからの配列を蛍光染料で標識付けされたジデオキシターミネータを
用いたチェーンターミネーション法によって決定した(Applied Biosystems, In
c)。1つのクローンAraPT1Proがプロトックス−1タンパク質コーディング
配列の開始メチオニン(ATG)から上流側に580bpのシロイヌナズナ配列
を含むことを見極めた。このクローンは同様に、プロトックス1cDNA配列の
bp−1241まで広がるイントロン及びコーディング配列をも含んでいる。5
80−bpの5′非コーディング配列は、推定上のシロイヌナズナプロトックス
1プロモータであり、該配列は配列番号13に示されている。
【0321】 AraPT1Proは、1995年12月15日にPWDC−11(NRRL#B
−21515)として寄託された。
【0322】 例26: 未変性シロイヌナズナプロトックス1プロモータの後ろの改変済み
プロトックス−1遺伝子を発現する形質転換ベクターの構築 EcoRI−XhoI部分消化物フラグメントとして、適切な改変済みシロイヌナ
ズナプロトックス1cDNAの全長cDNA を分離した(1995年12月21日にW095/34659として公示された
1995年6月8日付国際出願PCT/IB95/00452号の例9を参照の
こと)。このプラスミドをNcoI及びBamHIで消化させ、完全なプロトックス
−1cDNAとAgrobacterium tumefaciens の tml遺伝子の3′未翻訳配列から
の転写ターミネータから成る1つのフラグメントを産生した。上述のAraPT1
ProプラスミドをNcol 及び BamHIで消化させ、pBluescript及び580bp
の推定上のシロイヌナズナプロトックス−1プロモータから成る1つのフラグメ
ントを産生した。これら2つのフラグメントの連結により、未変性プロトックス
プロモータに対する改変プロトックスcDNAの融合が産生された。プロトック
ス−1プロモータ/プロトックス−1cDNA/tmlターミネータの融合を含
む発現カセットをKpnl での消化によって切り出し、バイナリーベクターpCI
B200へとクローニングさせた。バイナリープラスミドを、電気穿孔法により
Agrobacterium へと形質転換し、次に真空浸潤方法を用いて、シロイヌナズナへ
と形質転換した(Bechtold et al., C.R. Acad. Sci. Paris316:1194−
1199(1993)。改変プロトックス遺伝子を発現する形質転換体をカナマ
イシン又はさまざまな濃度のプロトックス阻害性除草剤上で選択した。
【0323】 例27: 未変性プロトックス−1プロモータ/改変プロトックス−1融合の
発現による除草剤寛容性植物の産生 上述の手順を用いて、プロトックス−1配列(配列番号1)内のヌクレオチド
1306−1308においてTACからATG(チロシンからメチオニン)への
変化を含むシロイヌナズナプロトックス−1cDNAを、未変性プロトックス−
1プロモータフラグメントに融合した。この改変プロトックス−1酵素(AraC
−2Met)は、前述した細菌発現系の中でテストしたとき天然に発生する酵素に
比べ10倍を超えるさまざまなプロトックス阻害性除草剤に対する寛容性をもつ
ことが示されてきた。真空浸潤した植物からの種子を収集し、構造式XVIIの
一定範囲(10.0nM〜1.0μM)のプロトックス阻害型アリルウラシル除草
剤上に平板固定した。野生型シロイヌナズナでの多数の実験により、この化合物
の10.0nM濃縮物が、正常な実生発芽を妨げるのに充分なものであることが
示された。未変性プロトックス−1プロモータに融合されたAraC−2Met改変
酵素を発現する遺伝子導入種子が、最高500nMの除草剤濃度で正常なシロイ
ヌナズナ実生を生産し、野生型シロイヌナズナに比べて少なくとも50倍高い除
草剤寛容性を示した。従って、このプロモータ/改変プロトックス酵素融合は、
植物形質転換のための有効な選択可能マーカーとして機能する。100.0nM
のプロトックス阻害性除草剤上で発芽した植物のいくつかを土壌に移植し、2〜
3週間成長させ、さまざまな濃度のプロトックス阻害性除草剤を用いた噴霧検定
においてテストした。空のベクター対照形質転換体に比べた場合、AraPT1 P
ro/AraC−2Met 遺伝子導入体は、除草剤噴霧に対し10倍以上の寛容性を
有していた。
【0324】 例28: シロイヌナズナ発芽検定におけるさまざまなプロトックス阻害性化
合物に対する耐性突然変異の交差寛容性の実証 上述の手順を用いて、プロトックス−1配列(配列番号1)中のヌクレオチド
1306−1308におけるTACからATC(チロシンからイソロイシン)へ
の変化、及びヌクレオチド945〜947におけるTCAからTTA(セリンか
らロイシン)への変化を含むシロイヌナズナプロトックス−1cDNAを、未変
性プロトックス−1プロモータフラグメントに融合させ、シロイヌナズナへと形
質転換させた。この改変プロトックス−1酵素(AraC−2Ile+Ara(305
Leu)は、細菌系(例9−13参照)内でテストしたとき天然に発生する酵素に
比べ10倍を超える寛容性をもつことが示されてきた。この融合を含む同型接合
性シロイヌナズナ系統を、上述のような実生発芽検定においてプロトックス阻害
性除草剤に対する高い寛容性を示す形質転換体から生成した。野生型シロイヌナ
ズナの発芽を阻害することが示された複数の濃度の化合物に対する発芽検定をく
り返すことによって、1つの系統からの種子を、さまざまなプロトックス阻害性
化合物に対する交差寛容性についてテストした。これらの実験からの結果は、表
4に示されている。
【0325】 7.トウモロコシプロトックス1プロモータ配列の分離 Lambda FIX IIベクター内のZea Mays(Missouri 17自殖系統黄化実生
)ゲノミックDNAライブラリをStratageneから購入した。ライブラリの約25
0,000pfu を15cmのペトリ皿1枚につき約50,000ファージの密度で平
板固定し、重複フィルタリフトをコロニー/プラークスクリーン膜上に作った(
NEN Dupont)。
【0326】 プラークリフトを、ランダムプライミング法(Life Technology)により32
P−dCTPで標識付けされたトウモロコシプロトックス1cDNA(配列番号
5)を用いてプローブ探査した。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、Chur
ch and Gilbert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA81:1991−1995(19
84)内で記述されている通り65℃であった。Wizard Lambda Preps DNA精
製システム(Promega)を用いて3つのハイブリッド形成陽性ファージからLambd
aファージDNAを分離した。制限消化物、除草剤Nパターンによる分析及びD
NA配列分析は、cDNAクローンとして以前に分離したトウモロコシプロトッ
クス1コーディング配列まで5′のところにある約3.5kbのトウモロコシゲ
ノミックDNAを含むラムダクローンを同定した。このフラグメントは、トウモ
ロコシプロトックス1プロモータを内含する。このフラグメントの配列は、配列
番号14に示されている。ヌクレオチド3533から3848まで、この配列は
トウモロコシプロトックス1タンパク質の5′末端をコードする。
【0327】 トウモロコシプロトックス1コーディング配列の残りの部分に融合された配列
番号14を含むプラスミドが、1996年3月19日、pWDC−14(NRR
L#B−21546)とし寄託された。
【0328】 例30: 未変性トウモロコシプロトックス1プロモータの後ろでの、改変プ
ロトックス−1遺伝子を発現する植物形質転換ベクターの構築 3848bpのトウモロコシゲノミックフラグメント(配列番号14)を、S
alI−KpnI部分消化物産物として分離ラムダファージクローンから切り出し、
アミノ酸164(配列番号6)にアラニンからロイシンの変化を含む改変トウモ
ロコシプロトックス−1cDNAから誘導されたKpnI−NotI フラグメント
に連結させた。こうして、細菌系統内で除草剤寛容性を付与することが示された
全長cDNAに対する未変性トウモロコシプロトックス1プロモータの融合を作
り出した(例9−14)。この融合を、CaMV35S ターミネータ配列を含
有するpUC18由来のベクターにクローニングさせた。このカセットを含有す
るプラスミドをpWCo−1と呼称した。
【0329】 トウモロコシゲノミッククローンからCD5内に見い出された第1のイントロ
ンをトウモロコシcDNA内へと工学処理で戻すことにより、トウモロコシ形質
転換のための第2の構成体を作り出した。標準的なオーバラップPCR融合技術
を用いて挿入を行なった。イントロン(配列番号25)は長さ93bpであり、
例29に記述されているラムダクローン内で天然の状況下で現われるのと全く同
じように、配列番号6のヌクレオチド203と204の間に挿入された。発現カ
セットのこのイントロン含有バージョンをpWCo−2と呼称した。
【0330】 8.例31: 遺伝子導入トウモロコシ植物におけるトウモロコシプロトック
ス−1プロモータ活性の実証 トウモロコシプロトックスプロモータ/改変プロトックス融合を用いて形質転
換されたトウモロコシ植物を、トランスジーンに特異的なプライマーを用いたP
CR分析により同定した。全RNAを、PCR陽性植物から調製し、推奨された
条件下で、Superscript M−MLV(Life Technologies)を用いて逆転写した。
改変プロトックス配列に特異的なものとなるように設計されたPCR反応の中で
、逆転写反応物を2マイクロリットル使用した。形質転換を受けていない対照は
、この反応においていかなる産物を与えないが、pWCo−1で形質転換された
約85%の植物は陽性結果を与え、トランスジーンから誘導されたmRNAの存
在を示していた。このことは、トウモロコシプロトックスプロモータについての
一定レベルの活性を実証している。遺伝子導入トウモロコシ植物からのRNAを
同様に、配列番号6からの放射性標識づけされたトウモロコシプロトックスcD
NAフラグメントをプローブとして用いた標準的ノーザンブロット分析に付した
。形質転換を受けていない対照のものよりもはるかに高いプロトックス−1 m
RNAレベルが、遺伝子導入トウモロコシ植物の一部の中に検出された。この高
いmRNAレベルは、クローニングされたトウモロコシプロトックスプロモータ
からの改変プロトックス−1mRNAの発現に起因するものと推測されている。
【0331】 9.例32: テンサイプロトックス−1プロモータ配列の分離 Lambda FixIIベクタ内で、Stratageneによりゲノミックテンサイライブラリ
が調製された。例29においてトウモロコシについて記述したとおり、ライブラ
リの約300,000pfuを平板固定し、テンサイプロトックス−1cDNA配列
(配列番号17)でプローブ探査した。制限消化物、ハイブリダイゼーションパ
ターンによる分析及びDNA配列分析は、cDNAクローンとして以前に分離さ
れたテンサイコーディング配列まで5′のところにある約7kbのテンサイゲノ
ミックDNAを含むラムダクローンを同定した。2606bpのPstI−SalI
フラグメントをラムダクローンからpBluescriptベクターへとサブクローニング
させた。このフラグメントは、2068bpの5′非コーディング配列を含有し
、テンサイプロトックス−1プロモータ配列を内含する。これには同様に、コー
ディング配列内に含有された85bpの第1のイントロン配列及び第1の453
bpのプロトックス−1コーディング配列も内含されている。このフラグメント
の配列は、配列番号26に示されている。
【0332】 配列番号26の配列を含有するプラスミドが、1996年12月6日にpWD
C−20(NRRL#B−21650)として寄託された。
【0333】 例33: 未変性テンサイプロトックス−1プロモータの後ろでの、改変テン
サイプロトックス−1遺伝子を発現する植物形質転換ベクターの構築 2068bpの5′非コーディング配列及び第1の300bpのテンサイプロ
トックス−1コーディング配列を内含するSacI−BsrGIフラグメントとして
、例32に記述されているゲノミックサブクローンから、テンサイゲノミックフ
ラグメント(配列番号26)を切り出した。このフラグメントを、アミノ酸44
9(配列番号18)においてチロシンからメチオニンへの変化を含む改変テンサ
イプロトックス−1cDNAから誘導されたBsrGI−NotIフラグメントに連
結させた。こうして、細菌系内で除草剤寛容性を付与することが示された全長c
DNA(例9−14)に対する未変性テンサイプロトックス−1プロモータの融
合が作り出された。この融合を、CaMV35Sターミネータ配列を含むPUC
18由来のベクター内にクローニングさせ、プロトックスプロモータ/改変プロ
トックスcDNA/ターミネータカセットを作り上げた。このカセットを含有す
るプラスミドは、pWCo−3と呼称された。
【0334】 例34: 未変性テンサイプロトックス−1プロモータ/改変テンサイプロト
ックス−1融合の発現による除草剤寛容性植物の産生pWCo−3からの発現カ
セットを、Agrobacterium、 原形質体及び微粒子銃形質転換技術を含む、双子葉
植物に適用可能な形質転換技術のいずれかを用いてテンサイ内に形質転換させる
。改変プロトックス−1酵素を発現する遺伝子導入テンサイをRNA−PCRに
よって同定し、未形質転換テンサイにとって致死的である濃度でプロトックス阻
害性除草剤に対する寛容性についてテストした。
【0335】 第D節: 植物色素体内のプロトックス遺伝子の発現 例35: 色素体形質転換ベクター内での色素体 rps16 遺伝子3′未翻訳配
列及び GUSリポータ遺伝子に融合された未変性clpP5′未翻訳配列及びタバコ色
素体clpP 遺伝子プロモータを含むキメラ遺伝子の調製 I.タバコ色素体clpP 遺伝子プロモータ及び完全5′未翻訳RNA(5
′UTR)の増幅 構成的に発現された色素体clP遺伝子のATG開始コドンとの関係において
−197の位置にある導入されたEcoRI制限部位を含む左から右への「トップ
ストランド」プライマー(プライマーPclp_P1a:5′−GCGGAATT
ATACTTATTTATCATTAGAAAG−3′(配列番号27);E
coRI制限部位に下線)及び翻訳開始地点に導入されたNcol制限部位を内含する
clpPプロモータのATG開始コドンとの関係において−21〜−1の領域と相
同な右から左への「ボトムストランド」プライマー(プライマーPclp_P2b
:5′−GCGCCATGGTAAATGAAAGAAAGAACTAAA−3
′((配列番号28):Ncol制限部位に下線)を用いたPCRのための鋳型とし
て、N.tabacum C.V.「Xanthi NC」からの全DNAを使用した。このPCR反
応は、95℃で7分間の後に、次に95℃で1分間/43℃で2分間/72℃で
1分間というサイクルを4回、次に95℃で1分間/55℃で2分間/72℃で
1分間というサイクルを25回、といったように、メーカーの推奨事項(Perkin
Elmer/Roche, Branchburg, NJ)に従ってPerkin Elmer サーマルサイクラー4
80の中で Pfu熱安定性DNAポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla CA)を用
いて行なった。プロモータ及び、左端部にはEcoRI部位を、右端部にはNcol部
位を含みN.tabacum 色素体DNA配列のヌクレオチド74700〜74505(
Shinozaki et al., EMBO J. 5:2043−2049(1986))に対応する
clpP 遺伝子の5′未翻訳領域を含んで成る213bpの増幅産物を、標準的手
順を用いてゲル精製し、EcoRI及びNcoIで消化させた(全ての制限酵素はNe
w England Biolabs, Beverly, MAから購入した。
【0336】 II. タバコ色素体 rps16 遺伝子3′未翻訳RNA配列(3′UTR)
の増幅 リボソームタンパク質S16をコードする色素体rps16遺伝子のTAA停止
コドンのすぐ後に続く導入されたXbaI制限部位を含む左から右への「トップス
トランド」プライマー(プライマー rps16P_1a(5′−GCGTCTAG TCAACCGAAATTCAATTAAGG−3′(配列番号30):Xba
I制限部位に下線)及び、rps16 3′UTRの3′末端において導入されたHi
ndIII制限部位を取込んだ、rps16のTAA停止コドンとの関係において+
134〜+151の領域と相同な右から左への「ボトムストランド」プライマー
(プライマー16P_1b(5′−CGCAAGCTTCAATGGAAGCA
ATGATAA−3′(配列番号31):Hindlll 制限部位に下線)を用いた上
述のとおりのPCRのための鋳型としてN.tabacum C.V.「Xanthi NC」からの全
DNAを使用した。N.tabacum 色素体DNA配列のヌクレオチド4943〜50
93に対応する領域(Shinozaki et al.1986)を含有し左端部にはXbal部
位を又右端部にはHindIII部位を含有するbps16遺伝子の3′未翻訳領域を
含んで成る169bpの増幅産物をゲル精製し、Xbal 及びHindIIIで消化さ
せた。
【0337】 III.clpP 遺伝子プロモータ及び5′及び3′UTRに対するGUS
遺伝子フラグメントの連結 ATG開始コドンにNcol制限部位をそして未変性3′UTRの後にXbaI部位
を含有するプラスミドpRAJ275(Clontech)から誘導された1864bp
のβ−グルクロニダーゼ(GUS)リポータ遺伝子フラグメントを、Ncol及びXb
alでの消化によって産生した。このフラグメントを、4方向反応において201
bpのEcoRI/Ncol clpPプロモータフラグメント,157bpのXbal/Hin
d IIIrps 16 3′UTRフラグメント及びクローニングベクターPGEM
3zf(−)(Promega, Madison WI)からの3148bpのEcoRI/Hind
IIIフラグメントに連結させ、プラスミドpPH138を構築した。EcoRI
及びHind IIIでプラスミドpPRVllla(Zoubenko et al, 1994)
を消化させ、結果として得た7287bpのフラグメントをpPH138の22
22bpのEcoRI/Hind IIIフラグメントに連結させることによって、色
素体形質転換ベクターpPH140を構築した。
【0338】 例36: 色素体形質転換ベクター内での色素体 rps16遺伝子3′未翻訳配
列及びGUSリポータ遺伝子に融合されたタバコ色素体 psbA遺伝子最小P5′
未翻訳配列を伴ってタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含むキメラ遺伝子の
調製 タバコ色素体clpP遺伝子プロモータ及び切形5′未翻訳RNA(5′UTR
)の増幅: 左から右への「トップストランド」プライマーPclp_P1a(配列
番号27)及び位置−11でclpP5′UTR内に導入されたXba1制限部位を
取込んだclpP プロモータのATG開始コドンとの関係において−34〜−11
の領域を相同な右から左への「ボトムストランド」プライマー(プライマーPcl
p Plb:5′−GCGTCTAGAAAGAACTAAATACTATATT
TCAC−3′(配列番号29);Xbal 制限部位に下線)を用いた上述のとお
りのPCRのための鋳型としてN. tabacum c.v. 「Xanthi NC」からの全DNA
を使用した。プロモータ及び、左端部にはEcoRI部位を、右端部にはXbal 部
位を含有するclpP 遺伝子の切形5′UTRを含んで成る202−bpの増幅産
物をゲル精製し、Xbalで消化した。Xbal部位をその後クレノウDNAポリメラ
ーゼ(New England Biolabs)で充てんし、フラグメントをEcoRIで消化させた
。合成オリゴヌクレオチドminpsb_U(トップストランド:5′−GGGAGT
CCCTGATGATTAAATAAACCAAGATTTTAC−3′(配列
番号32))及びminpsb_L(ボトムストランド)5′−CATGGTAAAA
TCTTGGTTTATTTAATCATCAGGGACTCCC−3′(配列
番号33);Ncol制限部位に下線)をアニールすることによって作り出された(
ATG開始コドン内に導入されたNcol制限部位懸垂を伴う)タバコ色素体psbA
遺伝子5′UTRのATG開始コドン及び最後の38個のヌクレオチドに対応す
る2本鎖DNAフラグメント,上述のNcol/Xbal GUSリポータ遺伝子フラグ
メント,上述のXbal/Hind IIIrps16 3′UTRフラグメント及び上述の
EcoRI/HindIIIpGEM3zf(−)フラグメントに対して、これを5方
向反応で連結し、プラスミドpPH139を構築した。EcoRI及びHindIII
でプラスミドpPRV111a(Zoubenko, et al., Nucleic Acids Res 22:
3819−3824(1994))を消化し、結果として得られた7287bp
フラグメントをpPH139の2251−bpのEcoRI/HindIIIフラグメ
ントに連結させることによって、色素体形質転換ベクターpPH144を構築し
た。
【0339】 例37: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びシロイヌナズナプロトックス−1コーディング配列に融
合された完全5′未翻訳配列そしてタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含有
するキメラ遺伝子の調製 成熟プロトックスタンパク質コーディング配列の演繹された出発点において新
しいATG開始コドン及び導入されたNcoI制限部位を含む(全長前駆体タンパ
ク質のATG開始コドンとの関係において+172〜+194のヌクレオチドと
相同性をもつ)左から右への「トップストランド」プライマー(プライマーAP
RTXP1a:5′−GGGACCATGGATTGTGTGATTGTCGG
CGGAGG−3′(配列番号34);Ncol制限部位に下線)及びプロトックス
前駆体タンパク質の未変性ATG開始コドンとの関係において+917〜+94
0のヌクレオチドと相同性をもつ右から左への「ボトムストランド」プライマー
(プライマーAPRTXP1b:5′−CTCCGCTCTCCAGCTTAG
TGATAC−3′(配列番号35)を用いた上述のとおりのPCRのための鋳
型として、アミノ末端色素体輸送ペプチドの一部分、全長cDNA及び3′未翻
訳領域の一部分をコードするプロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(「プ
ロトックス」)からのcDNA配列を内含するシロイヌナズナ Notlインサート
を支持するプラスミドAraC−2MetからのミニプレップDNAを使用した。7
78bpの産物をNcoI及びSfuIで消化させ、結果として得られた682bp
のフラグメントを、プロトックスコーディング配列の3′部分を含むAraC−2
Metの844−bpのSful/NotI DNAフラグメント及びクローニングベク
ターPGEM5Zf(+)の2978−bpNcoI/NotIフラグメント(Prom
ega, MadisonWI)に連結させてプラスミドpPH141を構築した。pPH1
41をNcoI及びSspIで消化させ、完全プロトックスコーディング配列を含有
する1491bpのフラグメントを分離し、HindIIIで上述のrps16P_l
a及びrps16P_lb PCR産物を消化し、pPH140の7436−bpの
NcoI/HindIIIフラグメントにこれらを連結させることによって、rps16
3′UTRで構造式XVII耐性AraC−2Met プロトックス 遺伝子を駆動す
るclpP プロモータを含有する色素体形質転換ベクターpPH143を構築した
【0340】 例38: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びシロイヌナズナプロトックス−1コーディング配列に融
合されたタバコ色素体psbA 遺伝子最小5′未翻訳配列に伴ってタバコ色素体cl
pP遺伝子プロモータを含有するキメラ遺伝子の調製 pPH141をNco1及びSspIで消化させ、完全プロトックスコーディング
配列を含有する1491bpのフラグメントを分離し、HindIIIで上述のrps
16P_la及びrps16P_lb PCR産物を消化し、pPH144の746
5−bpのNcoI/HindIIIフラグメントにこれらを連結させることによって
、rps16 3′UTRで構造式XVII耐性AraC−2Met プロトックス 遺伝
子を駆動するclpP プロモータ/psbA′UTRを含有する色素体形質転換ベク
ターpPH145を構築した。
【0341】 例39: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びEPSPシンターゼコーディング配列に融合された5′
未翻訳配列そしてタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含有するキメラ遺伝子
の調製 5−エノールピルビル−3−ホスフォシキメートシンターゼ(EPSPシンタ
ーゼ)遺伝子について、cDNAライブラリをスクリーニングする(全て本書に
参考として内含されている米国特許第5,310,667号、5,312,910号
及び5,633,435号)。全長EPSPシンターゼ遺伝子cDNAを含有する
プラスミドクローンを、分子クローニングの標準技術により分離する。PCRプ
ライマーは、演繹された成熟タンパク質の出発点からアミノ酸−1のところに挿
入されこの位置でATG開始コドンを作り出すNcol制限部位を含有する5′延
長をもつトップストランドプライマー、及び増幅されたPCR産物内のEPSP
成熟コーディング配列の停止コドンの下流側にXbaI制限部位を含有する5′延
長をもつボトムストランドプライマーを用いて、このプラスミドから成熟サイズ
のEPSPシンターゼコーディング配列で増幅するように設計されている。PC
R増幅は、標準的プロトコルに従い指定のプライマー及びプラスミドDNA鋳型
を用いて行なわれる。増幅した産物をクローニングし配列決定し、完全成熟EP
SPシンターゼコーディング配列を含有するNcoI−XbaIDNAフラグメント
を、Ncol及びXbalでの制限消化物、0.8%のTAEアガロースゲル上での電
気泳動、及び切り出されたバンドのフェノール抽出によって分離する。Ncol及
びXbalでpPH140を消化させ、ベクターバックボーン、5′及び3′色素
体組込みターゲティング配列、aadA選択可能マーカーカセット及びclpPプロモ
ータ/rps 16 3′UTR発現配列を含有するフラグメントを精製することに
より、rps163′UTRを伴う成熟サイズのEPSPシンターゼ遺伝子の転写
を導くclpPプロモータを含有する色素体形質転換ベクターを構築する。この産
物を、上述のとおりに分離された成熟サイズのEPSPシンターゼコーディング
配列を含有するNcol−Xbal DNAフラグメントと2方向反応において連結さ
せる。
【0342】 例40: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びALSコーディング配列に融合された5′未翻訳配列そ
してタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含有するキメラ遺伝子の調製 アセトラクテートシンターゼ(ALS)遺伝子について、cDNAライブラリ
をスクリーニングする(米国特許第5,013,659号)。全長ALS遺伝子c
DNAを含有するプラスミドクローンを、分子クローニングの標準技術により分
離する。PCRプライマーは、演繹された成熟タンパク質の出発点からアミノ酸
−1のところに挿入されこの位置でATG開始コドンを作り出すNcol制限部位
を含有する5′延長をもつトップストランドプライマー、及び増幅されたPCR
産物内のALS成熟コーディング配列の停止コドンの下流側にXbaI制限部位を
含有する5′延長をもつボトムストランドプライマーを用いて、このプラスミド
から成熟サイズのALSコーディング配列で増幅するように設計されている。P
CR増幅は、標準的プロトコルに従い指定のプライマー及びプラスミドDNA鋳
型を用いて行なわれる。増幅した産物をクローニングし配列決定し、完全成熟A
LSコーディング配列を含有するNcoI−XbaIDNAフラグメントを、Ncol
及びXbalでの制限消化物、0.8%のTAEアガロースゲル上での電気泳動、及
び切り出されたバンドのフェノール抽出によって分離する。 Ncol及びXbalでpPH140を消化させ、ベクターバックボーン、5′及び3
′色素体組込みターゲティング配列、aadA選択可能マーカーカセット及びclpP
プロモータ/rps 163′UTR発現配列を含有するフラグメントを精製するこ
とにより、rps163′UTRを伴う成熟サイズのALS遺伝子を駆動するclpP
プロモータを含有する色素体形質転換ベクターを構築する。この産物を、上述の
とおりに分離された成熟サイズのALSコーディング配列を含有するNcol−Xb
al DNAフラグメントと2方向反応において連結させる。
【0343】 例41: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びAHASコーディング配列に融合された5′未翻訳配列
そしてタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含有するキメラ遺伝子の調製 アセトヒドリキシ酸シンターゼ(AHAS)遺伝子について、cDNAライブ
ラリをスクリーニングする(米国特許第4,761,373号)。全長AHAS遺
伝子cDNAを含有するプラスミドクローンを、分子クローニングの標準技術に
より分離する。PCRプライマーは、演繹された成熟タンパク質の出発点からア
ミノ酸−1のところに挿入されこの位置でATG開始コドンを作り出すNcol制
限部位を含有する5′延長をもつトップストランドプライマー、及び増幅された
PCR産物内のAHAS成熟コーディング配列の停止コドンの下流側にXbaI制
限部位を含有する5′延長をもつボトムストランドプライマーを用いて、このプ
ラスミドから成熟サイズのAHASコーディング配列で増幅するように設計され
ている。PCR増幅は、標準的プロトコルに従い指定のプライマー及びプラスミ
ドDNA鋳型を用いて行なわれる。増幅した産物をクローニングし配列決定し、
完全成熟AHASコーディング配列を含有するNcoI−XbaI DNAフラグメ
ントを、Ncol及びXbalでの制限消化物、0.8%のTAEアガロースゲル上で
の電気泳動、及び切り出されたバンドのフェノール抽出によって分離する。 Ncol及びXbalでpPH140を消化させ、ベクターバックボーン、5′及び3
′色素体組込みターゲティング配列、aadA選択可能マーカーカセット及びclpP
プロモータ/rps 163′UTR発現配列を含有するフラグメントを精製するこ
とにより、rps163′UTRを伴う成熟サイズのAHAS遺伝子を駆動するclp
Pプロモータを含有する色素体形質転換ベクターを構築する。この産物を、上述
のとおりに分離された成熟サイズのAHASシンターゼコーディング配列を含有
するNcol−Xbal DNAフラグメントと2方向反応において連結させる。
【0344】 例42: タバコ色素体形質転換のためのベクター内での、色素体rps16 遺
伝子3′未翻訳配列及びACCアーゼコーディング配列に融合された5′未翻訳
配列そしてタバコ色素体clpP遺伝子プロモータを含有するキメラ遺伝子の調製 アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)遺伝子について、cDN
Aライブラリをスクリーニングする(米国特許第5,162,602号)。全長A
CCアーゼ遺伝子cDNAを含有するプラスミドクローンを、分子クローニング
の標準技術により分離する。PCRプライマーは、演繹された成熟タンパク質の
出発点からアミノ酸−1のところに挿入されこの位置でATG開始コドンを作り
出すNcol制限部位を含有する5′延長をもつトップストランドプライマー、及
び増幅されたPCR産物内のACCアーゼ成熟コーディング配列の停止コドンの
下流側にXbaI制限部位を含有する5′延長をもつボトムストランドプライマー
を用いて、このプラスミドから成熟サイズのACCアーゼコーディング配列で増
幅するように設計されている。PCR増幅は、標準的プロトコルに従い指定のプ
ライマー及びプラスミドDNA鋳型を用いて行なわれる。増幅した産物をクロー
ニングし配列決定し、完全成熟ACCアーゼコーディング配列を含有するNcoI
−XbaIDNAフラグメントを、Ncol及びXbalでの制限消化物、0.8%のT
AEアガロースゲル上での電気泳動、及び切り出されたバンドのフェノール抽出
によって分離する。 Ncol及びXbalでpPH140を消化させ、ベクターバックボーン、5′及び3
′色素体組込みターゲティング配列、aadA選択可能マーカーカセット及びclpP
プロモータ/rps 163′UTR発現配列を含有するフラグメントを精製するこ
とにより、rps163′UTRを伴う成熟サイズのACCアーゼ遺伝子を駆動す
るclpPプロモータを含有する色素体形質転換ベクターを構築する。この産物を
、上述のとおりに分離された成熟サイズのACCアーゼコーディング配列を含有
するNcol−Xbal DNAフラグメントと2方向反応において連結させる。 <ここまで> 例43: タバコ色素体ゲノムの微粒子銃形質転換 Nicotiana tabacum c.v.「
Xanthi nc」の種子を、T寒天培地上で1″の円形アレイの形で平板1枚あたり
7個の割合で発芽させ、播種から12〜14日後に、基本的にSvab, Z. 及びMa
liga, P.(1993)PNAS90,913〜917で記述されている通りにプ
ラスミドpPH143及びpPH145からのDNAでコーティングされた1μ
mのタングステン粒子(M10,Biorad, Hercules, CA)でボンバードした。ボ
ンバードした実生を2日間T培地上でインキュベートし、その後葉を切り出し、
500μg/mlのスペクチノマイシンジヒドロクロリド(Sigma, St. Louis, Mo
)を含むプロモータOP培地(Svab, Z., Hajdukiewicz, P.及びMaliga, P.(1
990)PNA87,8526−8530)の平板上で明るい光(350〜50
0μmol 光子/m2/s)の中に背軸側を上にして置いた。ボンバードから3〜
8週間後に漂白した葉の下側に現われた耐性苗条を、同じ選択培地上にサブクロ
ーニングさせ、カルスを形成させ、2次苗条を分離しサブクローニングさせた。
独立したサブクローン内の形質転換された色素体ゲノムコピー(同種細胞質)の
完全な分離を、標準サザンブロット技術によって査定した(Sambrook et al.,(
1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Lab
oratory, Cold Spring Harbor)。BamHI/EcoRIで消化された全細胞DNA
(Mettler, I.J.(1987)Plant Mol Biol Reporter 5,346−349)
を1%のトリス−ホウ酸塩(TBE)アガロースゲル上で分離させ、ナイロン膜
(Amersham) に移し、rps 7/12 色素体ターゲティング配列の一部分を含む
pC8からの0.7kbのBam HI/Hind III DNAフラグメントに対応する 32 Pで標識づけされたランダムプライミングを受けたDNA配列でプローブ探査
した。同種細胞質性苗条を、スペクチノマイシン含有MS/IBA培地(McBrid
e, K.E. et al.(1994)PNAS91,7301−7305)上で、無菌状
態で発根させ、温室に移す。
【0345】 例44: Nt−pPH143及びNt−pPH145色素体形質転換体系統
における除草剤寛容性の査定 例43で記述されている通りに得たpPH143(Nt−pPH143系統)
又はpPH145(Nt−pPH145系統)で形質転換された一次同種細胞質
性形質転換体系統を、温室内で成熟するまで成長させた。花を(a)自家受粉さ
せるか、又は(b)野生型タバコ(c.v. Xanthi nc)で受粉させるか又は(c)
野生型Xanthi植物の除雄された花を受精させるため花粉供与体として使用した。
リンクされたスペクチノマイシン耐性マーカーの色素体分離を、自殖又は戻し交
雑きょう膜から誘導された選択プール1つあたり最低50個の種子を用いて、各
々の形質転換体の中のスペクチノマイシン耐性表現型の片親雌遺伝により確認し
た。付加的な自殖又は野生型戻し交雑(Xanthi花粉親) 種子を土壌中で発芽さ
せた。各系統(143 1B−1,143 1B−4,143 4A−2,143
4A−5,145 7A−5,145 7A−6,145 8A−3)の36の植
物と同質遺伝型対照としての36の野生型 Xanthi 植物を、制御された環境キュ
ービクルの中で別々の6″の埴土鉢内で成長させた。プロトックス阻害物質構造
式XVIIに対する寛容性を査定するために、Xanthi及び7つの形質転換系統の
植物を、8つの同一の16鉢フラット(1フラットあたり各タイプ2本の植物)
へと分配した。1リットルあたり構造式XVIIを0,0.5,2.5,5,10
,25,50,又は100mgのいずれかの濃度で流出に至るまでフラットに噴霧
した。ジメチルスルフォキシド(DMSO)中に溶解した構造式XVIIの4g
/リットル又は40g/リットルの原液を用いて、水中で溶液を作り、調製後直
ちに使用した。加湿薬Silwett 20ミリリットルを、最終濃度0.01%となる
ように、200ml体積の除草剤溶液の各々に添加した。フラットは午後遅くに噴
霧し、成長キュービクルへの移送の前に一晩乾燥させた。散布から0,18,4
8時間及び6日後に、形質転換を受けていないXanthi対照と葉の損傷及びしおれ
を比較することによって、寛容性を査定した。0.5mg/l以上の全ての濃度でX
anthi 植物上に重大な損傷が見られ、2.5mg/l以上で完全なしおれ/焼け枯
れが起こった。Nt−pPH143植物については最高濃度(100mg/リット
ル)でさえわずかな損傷しか発生せず、植物は、直ちに、漂白斑点を外殖した(
0.5mg/リットルでのXantihi の外観は、100mg/リットルでのNt−P P
H143 1B−1にほぼ等しく、約200倍の寛容性を示した)。
【0346】 例45: トウモロコシの色素体形質転換 特許遺伝子型キメラ遺伝子00526及びキメラ遺伝子00714のI型胚形
成カルス培養(Green et al.(1983)in A.Fazelahmad, K. Downey, J.Schu
ltz, R.W. Voellmy, eds. Advances in Gene Technology: Molecular Genetics
of Plants and Animals. Miami Winter Symposium Series, Vol.20. Academic
Press, N.Y.)を、温室で成長させた材料からの長さ1.5〜2.5mmの未成熟胚
芽から開始させる。胚芽は、受粉から約14日後に表面を殺菌した雄穂から、無
菌状態で切り出しする。キメラ遺伝子00526の胚芽を、2%のスクロース及
び5mg/Lのクロランベンを伴うDカルス開始培地上に置き(Duncan et al.(1
985)Planta 165:322−332),一方キメラ遺伝子00714の胚芽
は、3%のスクロース及び0.75mg/Lの2.4dを伴うKMカルス開始培地上
に置く(Kao and Michayluk(1975)Planta 126,105−110)。その
後、胚芽及び胚形成培養を暗所で培養させる。最大14日後に胚形成応答を外植
体からとり除く。キメラ遺伝子00526応答は、2%のスクロースと0.5mg
/Lの2.4−dを伴うDカルス維持培地上に置き、一方、キメラ遺伝子007
14の応答は、2%のスクロース及び5mg/LのDicamba を伴うKMカルス維持
培地上に置く。新鮮な維持培地に対し3〜8週間毎週選択的継代培養を行なった
後、高品質で密な胚形成培養を確立する。遺伝子送達のための標的組織として、
活発に成長している胚形成カルス片を選択する。カルス片を、遺伝子送達の約4
時間前に12%のスクロースを伴う維持培地を含む標的平板上に固定する。カル
ス片は、標的平板の中心から8mm及び10mmの半径で、円形に配置させる。DuPo
nt Biolistics マニュアルに記述されているように、プラスミドDNAを金の微
小担体上に沈殿させる。各々の6ショット式マイクロキャリア調製において各プ
ラスミドを2〜3μgずつ使用する。PDS−1000He Biolistics装置を用
いて、標的組織細胞に、遺伝子を送達する。Biolistics装置の設定値は以下の通
りである:ラプチャーディスクとマクロキャリアの間8mm、マクロキャリアとス
トッピングスクリーンの間10mm,停止スクリーンと標的の間7cm。各々の標的
平板は、650psi のラプチャーディスクを用いて2度射撃される。停止スクリ
ーンと標的組織の間には、200×200のステンレス鋼メッシュ(McMaster-C
arr, New Brunswick, NJ)が設置される。
【0347】 5日後、2%のスクロース及び0.5mg/Lの2.4−dを伴うもののアミノ酸
を含まず、750又は1000nMの構造式XVIIを含有する維持培地に、ボ
ンバードを受けたカルス片を移す。移送から4〜5時間後又は翌日、ライトシェ
ルフ上に1時間カルス片を置き、5〜6週間27℃で暗所に保管する5〜6週間
の一次選択段階の後、黄色乃至は白色の組織を、500又は750nMの構造式
XVIIを補充した。同じ培地の入った新鮮な平板に移す。移送から4〜5時間
後、又は翌日、組織をライトシェルフ上に1時間置き、3〜4週間27℃で暗所
に保管する。3〜4週間の選択段階後、組織を、500nMの構造式XVIIで
補充された同じ培地の入った平板に移す。健康な成長しつつある組織を1時間ラ
イトシェルフ上に置き、27℃で暗所に保管する。コロニーが再生に充分なほど
大きくなるまで、2週間おきにそれを継代培養させる。その時点でコロニーを、
選択作用物質を全く含まず3%のスクロース(MS3S)を含む修正MS培地(
Murashige and Skoog(1962)Physiol. Plant15:473−497)に移し
、光の下に置く。キメラ遺伝子00526については、胚芽の発芽を誘発するた
めこの培地に0.25mg/Lのアンシミドールと0.5mg/Lのキネチンを添加し
、一方キメラ遺伝子00714については、2mg/Lのベンジルアデニンを添加
する。再生しつつあるコロニーを、2週間後にキメラ遺伝子00526又はキメ
ラ遺伝子00714のそれぞれについてアンシミドール及びキネチン又はベンジ
ルアデニンを含まないMS3S培地に移す。根を伴う又は伴わない再生しつつあ
る苗条を、MS3S培地を含む箱に移し、場合によって根を伴う小さな植物を回
収し、温室内で土壌に移す。
【0348】 表1A シロイヌナズナ(「Arabpt-1」;配列番号2),トウモロコシ(「Mzpt-1」;
配列番号6),小麦(「Wtpt-1」;配列番号10),大豆(「Soybeanpt-1」;
配列番号12),綿花(「Cottonpt-1」;配列番号16),テンサイ(「Sugpt-
1」;配列番号18),セイヨウアブラナ(「Rapept-1」;配列番号20),イ
ネ(「Ricept-1」;配列番号22),ソルガム(「Sorghumpt-1」;配列番号2
4),及びサトウキビ(「Scpt-1」;配列番号37)からの全長及び部分的プロ
トックス1 アミノ酸配列の整列。整列は、PileUpプログラム(GCGパッケー
ジ University of Wisconsin, Madison, WI)を用いて実施した。阻害物質耐性を
付与又は増強するために本書の教示に従って修飾されうる位置は太字で示されて
いる。
【0349】
【表1】
【0350】
【表2】
【0351】
【表3】
【0352】
【表4】
【0353】
【表5】
【0354】
【表6】
【0355】
【表7】
【0356】
【表8】
【0357】
【表9】
【0358】
【表10】
【0359】
【表11】
【0360】
【表12】
【0361】
【表13】
【0362】
【表14】
【0363】
【表15】
【0364】
【表16】
【0365】
【表17】
【0366】
【表18】
【0367】 本書に記述されている本発明のさまざまな修正が当業者には明白になることだ
ろう。かかる修正は、添付のクレームの範囲内に入るものと意図されている。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年10月1日(2001.10.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ボルラス,サンドラ リン アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27707,ダーハム,ピン オーク ドライ ブ 4225 (72)発明者 へイフェッツ,ピーター バーナード アメリカ合衆国,カリフォルニア 92121 −1125,サンディエゴ,メリーフィールド ロー 3115,トーレイ メサ リサーチ インスティテュート インコーポレイテ ィド (72)発明者 ロー,マーカス ディクソン アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27516,チャペル ヒル,リトル クリー ク ファーム ロード 8718 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD05 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 4B024 AA08 BA08 CA04 CA06 DA01 DA05 EA04 EA10 GA11 HA01 4B050 CC04 DD13 LL10 4B065 AA11X AA88Y AA99Y AB01 AC20 BA02 CA53

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活
    性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子において
    、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に対して耐性を
    もち、前記修飾された酵素が: (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸とする、APΔ1F、 (d) Δ2をロイシンとする、FΔ2S、 (e) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G、 (f) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
    外のアミノ酸とするYVΔ17G、 というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つのを含んで成り、天然に発生す
    る形態の前記酵素をコードするヌクレオチド配列が1つの植物から誘導されてい
    る、核酸分子。
  2. 【請求項2】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活
    性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む請求項1に記載の
    ヌクレオチド酸分子において、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵
    素の阻害物質に対して耐性をもち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸とする、APΔ1F、 (d) Δ2をロイシンとする、FΔ2S、 (e) Δ3をイソロイシンとする、YΔ3G、 (f) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 (g) Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするTΔ16G及び、Δ17をアラニン以
    外のアミノ酸とするYVΔ17G から成るグループの中から選択された少なくとも1つのアミノ酸部分配列を含ん
    で成り、前記修飾された酵素をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号1
    、配列番号5、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号17、配列
    番号19、配列番号21、配列番号23又は配列番号36において記されている
    ヌクレオチド配列のうちのいずれか1つに対し、 (i) 7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、pH
    7.0、1mMのEDTA中50℃でのハイブリダイゼーション;及び、 (ii) 2×SSC、1%のSDS中50℃での洗浄、 という条件下でハイブリッド形成する、ヌクレオチド酸分子。
  3. 【請求項3】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活
    性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子において
    、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に対して耐性を
    もち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をアルギニン以外のアミノ酸とする、APΔ1F (d) Δ7をヒスチジン又はアラニンとするΔ7IG、 というアミノ酸部分配列のうちの少なくとも1つを含んで成り、天然に発生する
    形態の前記酵素をコードするヌクレオチド配列が1つの植物から誘導されている
    、 請求項1又は2のいずれか1項に記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 KAΔ18Fを含み
    、ここでΔ18はアラニン以外のアミノ酸、好ましくはトレオニン又はバリンであ
    る(但し特にバリン)である、請求項1に記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 QΔ19Hを含み、
    ここでΔ19は、ロイシン以外のアミノ酸、好ましくはセリンである、請求項1に
    記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 APΔ1Fを含み、
    ここでΔ1はロイシン又はシステインである、請求項1に記載の核酸分子。
  7. 【請求項7】 前記修飾された酵素がアミノ酸部分配列 Δ7IGを含んで成
    り、ここでΔ7はヒスチジン又はアラニン、好ましくはヒスチジンである、請求
    項1に記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活
    性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子において
    、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に対して耐性を
    もち、前記修飾された酵素が、第1のアミノ酸部分配列そしてさらに (a) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とするQΔ11S、 (b) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とするIGGΔ12、 (c) Δ13をセリン以外のアミノ酸とするSWXLΔ13、 (d) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とするLΔ14Y、 (e) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とするGΔ15XGL、 から成るグループの中から選択された少なくとも1つの付加的アミノ酸部分配列
    を含んで成る、核酸分子。
  9. 【請求項9】 前記第1の部分配列が、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の配列である、請求項8に記載の核酸分子。
  10. 【請求項10】 前記付加的な部分配列がQΔ11Sであり、ここでΔ11がプ
    ロリン以外のアミノ酸、好ましくはロイシンである、請求項8及び9のいずれか
    1項に記載の核酸分子。
  11. 【請求項11】 前記付加的な部分配列がIGGΔ12であり、ここでΔ12
    トレオニン以外のアミノ酸、好ましくはイソロイシン又はアラニンである、請求
    項8及び9のいずれか1項に記載の核酸分子。
  12. 【請求項12】 前記付加的な部分配列がSWXLΔ13であり、ここでΔ13 はセリン以外のアミノ酸、好ましくはロイシンである、請求項8及び9のいずれ
    か1項に記載の核酸分子。
  13. 【請求項13】 前記付加的な部分配列がLΔ14Yであり、ここでΔ14はア
    スパラギン以外のアミノ酸、好ましくはセリンである、請求項8及び9のいずれ
    か1項に記載の核酸分子。
  14. 【請求項14】 前記付加的な部分配列がGΔ15XGLであり、Δ15がチロ
    シン以外のアミノ酸、好ましくはシステインである、請求項8及び9のいずれか
    1項に記載の核酸分子。
  15. 【請求項15】 修飾された酵素が、Δ7をチロシン以外のアミノ酸好まし
    くはイソロイシンとするアミノ酸部分配列Δ7IG、Δ12をトレオニン以外のア
    ミノ酸好ましくはイソロイシンとするアミノ酸部分配列IGGΔ12、及びΔ13
    セリン以外のアミノ酸好ましくはロイシンとするアミノ酸部分配列SWXLΔ13 を含んで成る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の核酸分子。
  16. 【請求項16】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)
    活性をもつ修飾された酵素をコードする植物から分離されたヌクレオチド配列を
    含み、該修飾された酵素が天然に発生するプロトックス酵素の阻害物質に対する
    耐性をもち、ヌクレオチド配列はさらに、 (a) 核酸配列が、Δ1をロイシンとするアミノ酸部分配列APΔ1Fをコード
    する配列を有する; (b) 核酸配列が、Δ2をロイシンするアミノ酸部分配列FΔ2Sをコードする
    配列を有する; (c) 核酸配列が、Δ3をイソロイシンとするアミノ酸部分配列YΔ3Gをコー
    ドする配列を有する; (d) 核酸配列が、Δ7をアラニン又はヒスチジンとするアミノ酸部分配列
    Δ7IGをコードする配列を有する; (e) 核酸配列が、Δ3アラニン以外但し好ましくはシステイン又はイソロイ
    シン、より好ましくはイソロイシンとするアミノ酸部分配列YΔ3Gをコードす
    る配列を有し、核酸配列が同様に: (1) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とする、部分配列QΔ11S、 (2) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とする、部分配列IGGΔ12、 (3) Δ13をセリン以外のアミノ酸とする、部分配列SWXLΔ13、 (4) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とする部分配列LΔ14Y、 (5) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とする、部分配列GΔ15XGL から成るグループのうちの1つをコードする配列を有する; (f) 核酸配列が、Δ7をチロシン以外但し好ましくはトレオニン、アラニン
    又はヒスチジン、より好ましくはアラニン又はヒスチジンそして最も好ましくは
    ヒスチジンとするアミノ酸部分配列 Δ7IGをコードする配列を有し、核酸配列
    が同様に: (1) Δ11をプロリン以外のアミノ酸とする、部分配列QΔ11S; (2) Δ12をトレオニン以外のアミノ酸とする、部分配列IGGΔ12; (3) Δ13をセリン以外のアミノ酸とする、部分配列 SWXLΔ13; (4) Δ14をアスパラギン以外のアミノ酸とする部分配列LΔ14Y; (5) Δ15をチロシン以外のアミノ酸とする、部分配列 GΔ15XGL; から成るグループのうちの1つをコードする配列を有する; (g) 核が、Δ16をロイシン以外のアミノ酸とするアミノ酸部分配列TΔ16
    をコードする配列を有し、核酸配列が同様にΔ17をアラニン以外のアミノ酸とす
    るアミノ酸部分配列YVΔ17Gをコードする配列を有する; (h) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とするKAΔ18F; (i) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とするQΔ19H、 という条件のうちの少なくとも1つが満たされていることを特徴としている請求
    項1及び8〜9のいずれか1項に記載の核酸分子。
  17. 【請求項17】 前記部分配列が、Δ16をロイシン以外のアミノ酸好ましく
    はセリンとするアミノ酸部分配列TΔ16Gをコードし、前記核酸配列が同様に、
    Δ17をアラニン以外のアミノ酸好ましくはトレオニンとするアミノ酸部分配列Y
    VΔ17Gをコードする配列を有する、請求項16に記載の核酸分子。
  18. 【請求項18】 配列番号6のアミノ酸88に対応する位置で発生するアル
    ギニンが、もう1つのアミノ酸好ましくはロイシンで置換されている植物プロト
    ックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
    )をコードし、修飾されたプロトックスが、天然に発生するプロトックス活性を
    阻害する量で除草剤に対する寛容性をもつ、請求項1に記載の核酸分子。
  19. 【請求項19】 配列番号6のアミノ酸159に対応する位置において発生
    するシステインがロイシンで置換されている植物プロトックスを含む修飾された
    プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする、請求項
    1に記載の核酸分子。
  20. 【請求項20】 配列番号6のアミノ酸175に対応する位置で発生するア
    ラニンがもう1つのアミノ酸好ましくはバリン又はトレオニンで置換されている
    植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プ
    ロトックス)をコードし、修飾されたプロトックスが、天然に発生するプロトッ
    クス活性を阻害する量で除草剤に対する寛容性をもつ、請求項1に記載の核酸分
    子。
  21. 【請求項21】 配列番号6のアミノ酸337に対応する位置で発生するロ
    イシンがもう1つのアミノ酸好ましくはセリンで置換されている植物プロトック
    スを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)を
    コードし、修飾されたプロトックスが、天然に発生するプロトックス活性を阻害
    する量で除草剤に対する寛容性をもつ、請求項1に記載の核酸分子。
  22. 【請求項22】 配列番号16のアミノ酸428に対応する位置において発
    生するチロシンがヒスチジン又はアラニン、好ましくはヒスチジンで置換されて
    いる植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
    (プロトックス)をコードする、請求項1に記載の核酸分子。
  23. 【請求項23】 配列番号2のアミノ酸220に対応する位置において発生
    するアラニンがイソロイシン又はチロシンで置換されている植物プロトックスを
    含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコー
    ドする、請求項1に記載の核酸分子。
  24. 【請求項24】 配列番号2のアミノ酸426に対応する位置において発生
    するチロシンがアラニンで置換されている植物プロトックスを含む修飾されたプ
    ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードする、請求項1
    に記載の核酸分子。
  25. 【請求項25】 第1のアミノ酸置換及び第2のアミノ酸置換をもつ植物プ
    ロトックスを含む修飾されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトッ
    クス)をコードし、該第1のアミノ酸置換がプロトックス阻害物質に対する耐性
    を付与する物性をもち、第2のアミノ酸置換が第1のアミノ酸置換により付与さ
    れた耐性を増強する特性をもつ、請求項1及び8〜9のいずれか1項に記載の核
    酸分子、ただし特に、該植物がトウモロコシ、小麦、大豆、綿花、テンサイ、セ
    イヨウアブラナ、イネ、ソルガム、サトウキビ、及びシロイヌナズナから成るグ
    ループの中から選択されている植物プロトックスを含む修飾されたプロトポルフ
    ィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)をコードするDNA分子。
  26. 【請求項26】 第1のアミノ酸置換が: (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; (b) 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (c) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 からなるグループの中から選択された位置で起こる、請求項25に記載の核酸分
    子。
  27. 【請求項27】 特に好ましいのは、第1のアミノ酸置換が: (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; (b) 配列番号6のアミノ酸164におけるアラニンに対応する位置; (c) 配列番号6のアミノ酸165におけるグリシンに対応する位置; (d) 配列番号6のアミノ酸370におけるチロシンに対応する位置; (e) 配列番号6のアミノ酸159におけるシステインに対応する位置; (f) 配列番号6のアミノ酸419におけるイソロイシンに対応する位置; (g) 配列番号10のアミノ酸356におけるバリンに対応する位置; (h) 配列番号10のアミノ酸421におけるセリンに対応する位置; (i) 配列番号10のアミノ酸502におけるバリンに対応する位置; (j) 配列番号10のアミノ酸211におけるアラニンに対応する位置; (k) 配列番号10のアミノ酸212におけるグリシンに対応する位置; (l) 配列番号10のアミノ酸466におけるイソロイシンに対応する位置;
    (m) 配列番号12のアミノ酸369におけるプロリンに対応する位置; (n) 配列番号12のアミノ酸226におけるアラニンに対応する位置; (o) 配列番号12のアミノ酸432におけるチロシンに対応する位置; (p) 配列番号12のアミノ酸517におけるバリンに対応する位置; (q) 配列番号16のアミノ酸428におけるチロシンに対応する位置; (r) 配列番号16のアミノ酸365におけるプロリンに対応する位置; (s) 配列番号18のアミノ酸449におけるチロシンに対応する位置; (t) 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (u) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こり、かつ 第2のアミノ酸置換が: (a) 配列番号2のアミノ酸305におけるセリンに対応する位置; (b) 配列番号2のアミノ酸249におけるトレオニンに対応する位置; (c) 配列番号2のアミノ酸118におけるプロリンに対応する位置; (d) 配列番号2のアミノ酸425におけるアスパラギンに対応する位置;及
    び (e) 配列番号2のアミノ酸498におけるチロシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こる、DNA分子である。
  28. 【請求項28】 第1のアミノ酸置換が: (a) 配列番号6のアミノ酸88におけるアルギニンに対応する位置; (b) 配列番号6のアミノ酸175におけるアラニンに対応する位置;及び (c) 配列番号6のアミノ酸337におけるロイシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こり、かつ第2のアミノ酸置換が
    : (a) 配列番号2のアミノ酸305におけるセリンに対応する位置; (b) 配列番号2のアミノ酸249におけるトレオニンに対応する位置; (c) 配列番号2のアミノ酸118におけるプロリンに対応する位置; (d) 配列番号2のアミノ酸425におけるアスパラギンに対応する位置;及
    び (e) 配列番号2のアミノ酸498におけるチロシンに対応する位置、 から成るグループの中から選択された位置で起こる、請求項27に記載の核酸分
    子。
  29. 【請求項29】 2重アミノ酸置換を有し、1つのアミノ酸置換が、配列番
    号6のアミノ酸347においてロイシンに対応する位置で起こり、第2のアミノ
    酸置換が、配列番号6のアミノ酸453においてアラニンに対応する位置で起こ
    る、請求項1に記載の核酸分子。
  30. 【請求項30】 配列番号6のアミノ酸347に対応する位置で発生するロ
    イシンがセリンにより置換され、配列番号6のアミノ酸453に対応する位置で
    発生するアラニンがトレオニンで置換される、2重アミノ酸置換を有する、請求
    項29に記載の核酸分子。
  31. 【請求項31】 前記植物が、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、トウモロ
    コシ、小麦、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、イネ、ソルガム、及び
    サトウキビ、好ましくはトウモロコシ又は綿花から成るグループの中から選択さ
    れる、請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子。
  32. 【請求項32】 請求項1〜30のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列
    によってコードされる、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス
    )活性を有する修飾された酵素。
  33. 【請求項33】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子に操作可
    能な形でリンクされた植物中で活性であるプロモータを含むキメラ遺伝子。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載のキメラ遺伝子を含んで成る組換え型ベ
    クター。
  35. 【請求項35】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子を含んで
    成る植物細胞。
  36. 【請求項36】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子を含む、
    その後代を含めた植物、植物組織、植物細胞又は植物種子において、前記核酸分
    子がその中で発現されるか又はその後代が天然に発生するプロトックス活性の阻
    害物質に対する寛容性をそれに付与する、植物、植物組織、植物細胞又は植物種
    子。
  37. 【請求項37】 シロイヌナズナ、サトウキビ、大豆、大麦、綿花、タバコ
    、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、ライ麦、オー
    ト麦、芝草及び飼料牧草、アワ、青刈飼料及びイネから成るグループの中から選
    択される、請求項36に記載のその後代を含めた、植物、植物組織、植物細胞、
    又は植物種子。
  38. 【請求項38】 シロイヌナズナ、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラ
    ナ、トウモロコシ、小麦、ソルガム、イネ、及びサトウキビから成るグループの
    中から選択される、請求項36に記載のその後代を含めた植物、植物組織、植物
    細胞、又は植物種子。
  39. 【請求項39】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子を含む、
    シロイヌナズナ、大豆、綿花、テンサイ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、小
    麦、ソルガム、イネ及びサウトキビから成るグループの中から選択される、その
    後代を含めた、植物、植物組織、植物細胞、又は植物種子。
  40. 【請求項40】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子に操作可
    能な形でリンクされた植物色素体内で機能的なプロモータを含んで成る、請求項
    33に記載のキラメ遺伝子。
  41. 【請求項41】 植物色素体中で機能的な前記プロモータがc/pP遺伝子プ
    ロモータである、請求項40に記載のキメラ遺伝子。
  42. 【請求項42】 請求項1〜30のいずれか1項に記載の核酸分子を含む色
    素体形質転換ベクター。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載の色素体形質転換ベクターを含む植物色
    素体。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の植物色素体を含む、その後代を含めた
    植物、植物組織、植物細胞又は植物種子において、前記修飾された植物プロトッ
    クス酵素がその中で発現され、それに対して、天然に発生するプロトックス活性
    の阻害物質に対する寛容性を付与する、植物、植物組織、植物細胞又は植物種子
  45. 【請求項45】 請求項35〜39及び44のいずれか1項に記載の植物細
    胞を含む植物の個体群に対して、有効量のプロトックス阻害性除草剤を適用する
    段階を含んで成る、望ましくない植生の成長を制御する方法。
  46. 【請求項46】 請求項43に記載の植物色素体を含む植物の個体群に対し
    て、有効量のプロトックス阻害性除草剤を適用する段階を含んで成る、望ましく
    ない植生の成長を制御する方法。
  47. 【請求項47】 前記プロトックス阻害性除草剤が、アリルウラシル、ジフ
    ェニルエーテル、オキシジアゾール、イミド、フェニルピラゾール、ピリジン誘
    導体、3置換−2−アリル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール、フェ
    ノピレート及び前記フェノピレートのo−フェニルピロリジノ及びピペリジノカ
    ルバメート類似体から成るグループの中から選択されている、請求項45及び4
    6のいずれか1項に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記プロトックス阻害性除草剤が、構造式V、VI、VI
    I、VIIa、VIII、IX、IXa又はIXbのイミドである、請求項47
    に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記プロトックス阻害性除草剤が、構造式XXIIIa又
    はXXIIIbのピリジルピラゾールである、請求項47に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記プロトックス阻害性除草剤が、構造式XXIVのフェ
    ニルピラゾールである、請求項47に記載の方法。
  51. 【請求項51】 植付けされた作物種子又は1植物群の作物を内含する畑の
    中の雑草の成長を選択的に抑制するための方法において、 (a) 請求項35〜39及び44のいずれか1項に記載の植物細胞、又は請求
    項43に記載の植物色素体を含む、除草剤寛容性作物又は作物種子を植付けする
    段階、及び (b) 天然に発生するプロトックス活性を阻害する量で、畑の中の作物又は作
    物種子及び雑草に対しプロトックス阻害性除草剤を適用する段階、 を含んで成り、除草剤が作物の成長を著しく抑制することなく雑草の成長を抑制
    する、方法。
  52. 【請求項52】 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)
    活性をもつ修飾された酵素をコードするヌクレオチド配列を含むヌクレオチド酸
    分子において、前記修飾された酵素が天然に発生する形態の該酵素の阻害物質に
    対して耐性をもち、前記修飾された酵素が、 (a) Δ18をアラニン以外のアミノ酸とする、KAΔ18F、 (b) Δ19をロイシン以外のアミノ酸とする、QΔ19H、 (c) Δ1をロイシン、APΔ1F、 (d) Δ7をヒスチジンとするΔ7IG、 から成るグループの中から選択された少なくとも1つのアミノ酸部分配列を含ん
    で成り、前記修飾された酵素をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号1
    、配列番号5、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号17、配列
    番号19、配列番号21、配列番号23又は配列番号36において記されている
    ヌクレオチド配列のうちのいずれか1つに対し、 (i) 7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、pH
    7.0、1mMのEDTA中50℃でのハイブリダイゼーション;及び、 (ii) 2×SSC、1%のSDS中50℃での洗浄、という条件下でハイブ
    リッド形成する、ヌクレオチド酸分子。
  53. 【請求項53】 天然に発生する形態の前記酵素をコードするヌクレオチド
    配列が1つの植物から誘導されている、請求項52に記載の核酸分子。
  54. 【請求項54】 請求項52に記載のヌクレオチド配列によってコードされ
    る、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)活性をもつ修飾さ
    れた酵素。
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