JP2003503070A - ヘパラナーゼに対して遠い相同性を有するポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド - Google Patents

ヘパラナーゼに対して遠い相同性を有するポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド

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イスラエル ミシャル,
ハナン イツハキ,
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Abstract

(57)【要約】 ヘパラナーゼに対する遠い相同性を有するポリペプチドをコードする新規なポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、前記核酸構築物を発現する遺伝子操作された細胞、前記ポリヌクレオチドによってコードされ、かつヘパラナーゼ活性または他のグリコシルヒドロラーゼ活性を有する組換えタンパク質、前記組換えタンパク質を認識する抗体、前記ポリヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドアナログならびにそれを含むリボザイム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野および背景 本発明は、ヘパラナーゼに対する遠い相同性を有するポリペプチドをコードす
る新規なポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、前記核酸
構築物を発現する遺伝子操作された細胞、前記ポリヌクレオチドによってコード
され、かつヘパラナーゼ活性または他のグリコシルヒドロラーゼ活性を有する組
換えタンパク質、前記組換えタンパク質を認識する抗体、前記ポリヌクレオチド
に由来するオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドアナログならびにそれ
を含むリボザイムに関する。
【0002】 本明細書中における何らかの参考文献の引用または一体化は、そのような参考
文献が本発明に対する先行技術として利用できることの承認として解釈されるも
のではない。
【0003】 グリコサミノグリカン(GAG)類 GAGは、ウロン酸およびヘキソサミンからなる二糖ユニットが反復するポリ
マーである。ヒアルロン酸を除くGAGの生合成はコアタンパク質から開始され
る。プロテオグリカンは、類似するファミリーまたは異なるファミリーに由来す
るいくつかのGAG側鎖を含有し得る。GAGは、N−脱アセチル化およびN−
硫酸化、その後、イズロン酸へのグルクロン酸のC5−エピマー化およびO−硫
酸化によって連続的に修飾され得るホモポリマーとして合成される。様々な組織
から得られたGAGの化学的組成は非常に異なっている。
【0004】 動物におけるGAGの自然の代謝は加水分解によって行われている。一般に、
GAGは2工程の方法で分解される。最初に、プロテオグリカンは、GAG鎖の
最初の解重合が行われるエンドソームにおいて内在化される。この工程は、主に
加水分解性であり、オリゴ糖が生じる。さらなる分解が、脱硫酸化および単糖へ
の末端からの解重合が行われるリソソームと融合した後に行われる(42)。
【0005】 これまでに特徴付けられた、GAGを内部から分解する哺乳動物の酵素は、ヒ
アルロニダーゼだけである。ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸およびコンドロ
イチン硫酸を解重合する1−4エンドグルコサミニダーゼのファミリーである。
精子と結合したPH−20(Hyal3)、ならびにリソソームヒアルロニダー
ゼのHyal1およびHyal2をコードするcDNAがクローン化され、発表
された(27)。これらの酵素は、40%の全体的な相同性を互いに有し、異な
った組織特異性、細胞局在性および至適PHを有している。
【0006】 末端分解性ヒドロラーゼはそれらよりもよく特徴付けられている。この中には
、β−グルクロニダーゼ、α−L−イズロニダーゼおよびβ−N−アセチルグル
コサミニダーゼが含まれる。多糖鎖のグリコシド結合の加水分解に加えて、GA
Gの分解には脱硫酸化が含まれる。これは、N−アセチルガラクトサミン−4−
スルファターゼ、イズロン酸−2−スルファターゼおよびヘパリンスルファミダ
ーゼなどのいくつかのリソソームスルファターゼによって触媒されている。リソ
ソームGAG分解酵素のいずれかの欠損は、リソソーム蓄積症のムコ多糖沈着症
をもたらす。
【0007】 グリコシルヒドロラーゼ: グリコシルヒドロラーゼは、2つ以上の炭水化物間のo−グリコシド結合また
は炭水化物基と非炭水化物基との間のo−グリコシド結合を加水分解する酵素の
幅広い群である。グリコシド結合の酵素的加水分解は、アノマー立体配置の全体
的な保持または反転を生じさせる1つまたは2つの主要な機構を使用することに
よって生じている。両方の機構において、触媒作用には、プロトン供与体および
求核種の2つの残基が関与する。グリコシルヒドロラーゼは、アミノ酸類似性に
基づいて58のファミリーに分類されている。1、2、5、10、17、30、
35、39および42の各ファミリーに由来するグリコシルヒドロラーゼは、非
常に様々な基質に作用するが、それらはすべて、アノマー立体配置が保持された
まま、一般的な酸加水分解機構でグリコシド結合を加水分解する。この機構には
、プロトン供与体および求核種である2つのグルタミン酸残基が、プロトン供与
体の前に常に位置するアスパラギンとともに関与している。この群に由来する1
組の知られている3D構造の分析により、それらの触媒活性ドメインは、低いレ
ベルの配列同一性にもかかわらず、β4鎖およびβ7鎖のC末端側にそれぞれ位
置するプロトン供与体および求核種を伴う類似した(α/β)8回の折り畳み構
造(fold)を取っていることが明らかにされた。リソソームグリコシルヒド
ロラーゼの機能的に保存されたアミノ酸における変異が、様々なリソソーム蓄積
症において同定された。
【0008】 β−グルクロニダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−グルコセレブロシダーゼ、
β−ガラクトシダーゼおよびα−L−イズロニダーゼを含むリソソームグリコシ
ルヒドロラーゼはすべて、GH−Aクランに属するエキソグリコシルヒドロラー
ゼであり、類似した触媒活性部位を互いに有している。しかし、細菌および真菌
のキシレナーゼおよびセルラーゼなどの様々な生物に由来する多くのエンドグル
カナーゼは、この触媒活性ドメインを有している(1)。
【0009】 ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)類 HSPGは、脊椎動物組織および非脊椎動物組織の広範囲の細胞の細胞表面お
よび細胞外マトリックス(ECM)と結合した遍在性高分子である(3〜7)。
HSPGの基本的な構造は、線状のヘパラン硫酸の鎖が数個共有結合しているタ
ンパク質コアからなる。この多糖鎖は、典型的には、N−結合およびO−結合の
硫酸基成分とN−結合のアセチル基とによって様々な程度で置換されている、ヘ
キスロン酸とD−グルコサミンとの反復した二糖ユニットから構成されている(
3〜7)。細胞接着、増殖および分化におけるECM分子の関与に関する研究に
より、胚の形態形成、血管形成、転移、神経突起成長および組織修復におけるH
SPGの中心的な役割が解明された(3〜7)。多数のタンパク質に結合できる
その能力において特徴的なヘパラン硫酸(HS)鎖は、広範囲のエフェクター分
子が細胞表面に結合することを保証している(6〜8)。HSPGはまた、血管
の突出した成分でもある(5)。大きな血管では、HSPGは内膜および内側媒
体に主に集中しているが、毛細管では、増殖して遊走する内皮細胞を支持し、か
つ毛細管壁の構造を安定化する内皮下の基底膜において主に見出されている。コ
ラーゲン、ラミニンおよびフィブロネクチンなどのECM高分子と、そして原形
質膜上の種々の結合部位と相互作用するHSPGの能力は、ECM成分の自己会
合および不溶化、ならびに細胞の接着および移動におけるこのプロテオグリカン
の重要な役割を示唆している。従って、HSの切断は、内皮下ECMの解離をも
たらし、従って、血液で運ばれる正常な細胞および悪性細胞の管外遊出における
決定的な役割を果たし得る(9〜11)。HSの異化作用が、炎症、傷害修復、
糖尿病およびガン転移において認められている。このことは、HSを分解する酵
素が病理学的プロセスにおいて様々な重要な役割を果たしていることを示唆して
いる。
【0010】 ヘパラナーゼ ヘパラナーゼは、ある種のグリコサミノグリカン類の異化作用に関与している
グリコシル化された酵素である。これは、ヘパラン硫酸を特定の鎖内部位で切断
するエンドグルクロニダーゼである(12〜15)。Tリンパ球およびBリンパ
球、血小板、顆粒、マクロファージならびにマスト細胞と内皮下の細胞外マトリ
ックス(ECM)との相互作用は、ヘパラナーゼ活性によるヘパラン硫酸の分解
に関連している(16)。c−ケモカインである結合組織活性化ペプチドIII
(CTAP)が、ヘパラナーゼ様活性を有することが見出された。胎盤のヘパラ
ナーゼは、接着分子として、あるいは微小環境のpHに依存する分解性酵素とし
て作用している(17)。
【0011】 ヘパラナーゼは、様々な活性化シグナル(例えば、トロンビン、カルシウムイ
オノホア、免疫複合体、抗原および分裂促進因子)に応答して細胞内区画(例え
ば、リソソーム、特定の顆粒)から放出される。このことは、炎症応答および細
胞免疫性応答におけるその調節された関与を示唆している(16)。
【0012】 ヘパラナーゼは、刺激を加えることなく4℃で60分間インキュベーションす
ることによってヒト好中球から容易に放出され得ることもまた明らかにされた(
18)。
【0013】 ヒト好中球の三次顆粒においてヘパラナーゼとともに見出される別のECM分
解酵素であるゼラチナーゼが、ホルボール12−ミリステート13−アセテート
(PMA)の処置に応答して好中球から分泌される(19〜20)。
【0014】 これに対して、様々な腫瘍細胞は、その転移能と相関した構成的な様式でヘパ
ラナーゼを発現して分泌しているようである(21)。
【0015】 ヘパラナーゼによるヘパラン硫酸の分解は、基底膜、細胞外マトリックスおよ
び細胞表面のヘパラン硫酸によって捕捉されるヘパリン結合性の増殖因子、酵素
および血漿タンパク質の放出をもたらす(22〜23)。
【0016】 ヘパラナーゼ活性が、培養された皮膚繊維芽細胞、ヒト好中球、活性化された
ラットTリンパ球、正常なネズミBリンパ球および新生物性ネズミBリンパ球、
ヒト単球およびヒト臍静脈内皮細胞、SKヘパトーム細胞、ヒト胎盤およびヒト
血小板を含む数多くの細胞タイプにおいて記載されている。
【0017】 天然型ヘパラナーゼを精製する手法が、SKヘパトーム細胞およびヒト胎盤(
米国特許第5,362,641号)について、そしてヒト血小板由来酵素(62
)について報告された。
【0018】 ヘパラナーゼ遺伝子のクローニングおよび発現 ヒトのヘパトーム細胞から単離されたヘパラナーゼの精製画分をトリプシン消
化した。ペプチドを高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離し、微
量配列決定を行った。1つのペプチドの配列を使用して、対応する逆翻訳された
DNA配列に対する相同性についてデータベースのスクリーニングを行った。こ
の手法により、27bpの3’非翻訳領域およびポリAテールが続く963bp
のオープンリーディングフレームを含む1020塩基対(bp)のインサートを
含有するクローンが同定された。この新しい遺伝子はhpaと呼ばれた。hpa
の不足している5’端のクローニングを胎盤cDNA混合物からのMarath
on RACEによって行った。結合させたhpaのcDNA(これはまたph
paとして示される)フラグメントは、543個のアミノ酸からなり、計算され
た分子量が61,192ダルトンであるポリペプチドをコードするオープンリー
ディングフレームを含有した(2)。このクローニング手順は、米国特許出願第
08/922,170号、同第09/109,386号および同第09/258
,892号に詳しく記載されている。後者は、国際特許出願PCT/US98/
17954(1998年8月31日出願)の一部継続出願である。これらはすべ
て参考として本明細書中に組み込まれる。
【0019】 ヘパラナーゼをコードするゲノム遺伝子座は約40kbに広がっている。この
遺伝子座は、11個のイントロンによって隔てられた12個のエキソンから構成
され、ヒトの第4染色体に局在化している。
【0020】 hpa遺伝子産物がヘパラン硫酸(HS)のインビトロでの分解を触媒する能
力を、hpaのオープンリーディングフレーム全体を、Highファイブ細胞お
よびSf21昆虫細胞において、そして哺乳動物のヒト293胚性腎臓細胞株発
現システムにおいて発現させることによって調べた。感染細胞またはトランスフ
ェクション細胞の抽出物をヘパラナーゼの触媒活性についてアッセイした。この
目的のために、細胞溶解物を、硫酸基が標識されたECM由来HSPG(ピーク
I)とインキュベーションし、その後、反応混合物のゲルろ過分析(セファロー
ス6B)を行った。基質単独は高分子量物質からなっていたが、hpa含有ベク
ターによる感染細胞またはトランスフェクション細胞の溶解物とともにHSPG
基質をインキュベーションすることにより、高分子量基質は、低分子量の標識さ
れたヘパラン硫酸分解フラグメントに完全に変換された(例えば、米国特許出願
第09/071,618号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)を参
照のこと)。
【0021】 他の実験において、pFhpaウイルスを感染させた細胞により発現されるヘ
パラナーゼ酵素は、自然に産生される無傷なECMに存在する他の高分子量成分
(例えば、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン)に複合体化したHSを、
非常に転移しやすい腫瘍細胞または免疫系の活性化細胞について報告されている
様式(7、8)と類似する様式で分解し得ることが明らかにされた(米国特許出
願第09/109,386号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)を
参照のこと)。
【0022】 ヒト乳ガンおよび肝細胞ガンにおけるhpa遺伝子の優先的な発現 半定量的RT−PCRを、種々の転移度を示すヒト乳ガン細胞株によるhpa
遺伝子の発現を評価するために適用した。非転移性MCF−7乳ガン細胞株、中
程度の転移性MDA231乳ガン細胞株、および非常に転移しやすいMDA43
5乳ガン細胞株の転移能と相関するhpa遺伝子発現の顕著な増大が認められる
。重要なことに、hpa遺伝子発現の示差的なパターンは、ヘパラナーゼ活性の
パターンと相関していた。
【0023】 ヒト乳ガンにおけるhpa遺伝子の発現が、保存されていたパラフィン包埋ヒ
ト乳房組織に対するインサイチュハイブリダイゼーションによって明らかにされ
た。ヘパラナーゼのアンチセンスリボプローブの浸襲性管ガン組織切片に対する
ハイブリダイゼーションは、ガン腫細胞に対して特異的に局在化した大きな陽性
染色をもたらした。hpa遺伝子はまた、線維嚢胞性変化を示すガン腫に隣接す
る領域においても発現していた。縮小乳房形成に由来する正常な乳房組織は、h
pa転写物を発現させていなかった。hpa遺伝子の大きな発現が、ヒト肝細胞
ガン標本に由来する組織切片においても認められたが、正常な成人肝臓細胞では
認められなかった。さらに、卵巣の腺ガン、頸部の扁平上皮ガン、および結腸腺
ガンに由来する組織標本は、それぞれの非悪性コントロール組織におけるhpa
のmRNAの非常に低い染色と比較した場合、hpaのRNAプローブによる強
い染色を示した(2)。
【0024】 対応する正常な組織に対するヒト腫瘍におけるヘパラナーゼの優先的な発現が
、モノクローナル抗ヘパラナーゼ抗体を用いたパラフィン包埋切片の免疫組織化
学的染色によっても認められた。陽性の細胞質染色が、結腸ガンの新生物細胞に
おいて、そして同じ標本で見出された管状絨毛状腺腫の異形成上皮細胞において
見出された。一方、ガン腫から離れたところに位置する正常に見える結腸上皮細
胞はほとんど染色されなかった。特に重要なことは、周囲の正常な肝臓組織と比
較した場合、肝臓内に転移している結腸腺ガン細胞が強く免疫染色されることで
あった。
【0025】 ヘパラナーゼタンパク質の潜在形態および活性形態 バキュロウイルス発現システムにおいて産生された組換え酵素の見かけの分子
サイズは約65kDaであった。このヘパラナーゼポリペプチドは、6個の可能
なN−グリコシル化部位を含む。ペプチドN−グリコシダーゼを用いた処理によ
る脱グリコシル化の後、タンパク質は、57kDaのバンドとして現れた。この
分子量は、推定された3kDaのシグナルペプチドが切断された後の、hpaの
全長型cDNAによってコードされる543アミノ酸ペプチドの推定分子量(6
1,192ダルトン)に対応する。N−脱グリコシル化タンパク質の見かけサイ
ズにおけるさらなる低下は、同時に行われたO−グリコシダーゼ処理およびノイ
ラミニダーゼ処理の後には認められなかった。脱グリコシル化は、酵素活性に対
して検出できるほどの影響を有していなかった。
【0026】 バキュロウイルス酵素とは異なり、哺乳動物細胞(例えば、293腎臓細胞、
CHO)における全長型ヘパラナーゼポリペプチドの発現は、細胞溶解物におい
て、約50kDaの主要なタンパク質と約65kDaの微量タンパク質とをもた
らした。約65kDa形態の培養培地中への優先的な放出が、トランスフェクシ
ョンされたCHOクローンのいくつかで認められた。この2つの形態の酵素活性
を、半定量的なゲルろ過アッセイを使用して比較すると、50kDa酵素は、6
5kDa形態よりも約100倍大きな活性を有することが明らかにされた。同様
な差が、組換え65kDaバキュロウイルス酵素の比活性を、ヒト血小板、SK
−hep−1細胞または胎盤から精製された50kDaヘパラナーゼ調製物の比
活性と比較したときに認められた。これらの結果は、50kDaのタンパク質が
、潜在型ヘパラナーゼ前駆体のプロセシングされた成熟形態であることを示唆し
ている。血小板ヘパラナーゼのアミノ末端配列分析により、切断がglu157 −lys158のアミノ酸の間で生じていることが示された。ヘパラナーゼのヒ
ドロパシープロットによって示されるように、この部位は、露出すると考えられ
、従ってプロテアーゼと接触し得る親水性ピークの内部に位置している。
【0027】 腫瘍細胞侵入および転移におけるヘパラナーゼの関与 毛細血管床において捕捉される循環している腫瘍細胞は、多くの場合、隣り合
う内皮細胞間の細胞間接合部あるいはその近くに接着する。転移性細胞のそのよ
うな接着は、その後に、接合物の破壊、内皮細胞境界の収縮、および露出した支
持する基底膜(BM)に向かう内皮内の裂け目の移動が続く(24)。内皮細胞
とBMとの間に位置すると、侵入細胞は、血管区画から遊走するために、BMの
内皮下の糖タンパク質およびプロテオグリカンを分解しなければならない。いく
つかの細胞酵素(例えば、コラゲナーゼIV、プラスミノーゲン活性化因子、カ
テプシンB、エラスターゼなど)がBMの分解に関与していることが考えられる
(25)。これらの酵素の1つが、HSを特定の鎖内部位で切断するヘパラナー
ゼである(16、11)。HSを分解するヘパラナーゼの発現が、マウスのリン
パ腫細胞の転移能(26)と、そして線維肉腫細胞およびメラノーマ細胞の転移
能(21)と相関していることが見出された。さらに、ヘパラナーゼの高まった
レベルが、転移性腫瘍を有する動物およびメラノーマ患者に由来する血清(21
)において、そしてガン患者の腫瘍生検物(12)において検出された。
【0028】 ヘパラナーゼに対するヘパリンの様々な非抗凝固性化学種の阻害作用を、血液
で運ばれる細胞の管外遊出を妨げることにおけるそれらの潜在的な使用を考慮し
て試験した。ヘパラナーゼ阻害剤を用いた実験動物の処置は、B16メラノーマ
細胞、ルイス肺ガン細胞および乳腺ガン細胞によって誘導される肺転移の発生率
を顕著に(>90%)低下させた(12、13、28)。抗トロンビンIIIに
対する高親和性ヘパリン画分および低親和性ヘパリン画分は、匹敵し得る大きな
抗転移活性を示した。このことは、ヘパリンのヘパラナーゼ阻害活性は、その抗
凝固的な活性ではなくむしろ、多糖の抗転移的な性質において役割を果たしてい
ることを示している(12)。
【0029】 ガン転移におけるヘパラナーゼの直接的な役割が2つの実験システムによって
明らかにされた。ネズミのTリンパ腫細胞株Ebは検出できるほどのヘパラナー
ゼ活性を有していない。Eb細胞へのhpa遺伝子の導入により転移挙動がこれ
らの細胞に付与されるかどうかを検討した。この目的のために、Eb細胞をヒト
hpaの全長型cDNAでトランスフェクションした。安定的にトランスフェク
ションされた細胞は、ヘパラナーゼmRNAおよび酵素活性の大きな発現を示し
た。これらのhpaトランスフェクションEb細胞およびモックトランスフェク
ションEb細胞をDBA/2マウスに皮下注射して、マウスを生存期間および肝
臓転移について調べた。モックトランスフェクション細胞が注射されたマウスは
すべて(n=20)、実験の最初の4週間にわたって生存したが、hpa cD
NAでトランスフェクションされたEb細胞が接種されたマウスでは、50%の
死亡が認められた。hpaトランスフェクション細胞が接種されたマウスの肝臓
は、肝臓表面の目視評価および組織切片の顕微鏡検査の両方により明かであるよ
うに、無数のEbリンパ腫細胞が浸潤していた。これに対して、転移性病巣は、
モックトランスフェクションされたコントロールEb細胞が接種されたマウスの
肝臓の全体的な検査により検出することができない。リンパ腫細胞が肝臓組織に
浸潤していることはほとんど見出されなかった。腫瘍転移の異なるモデルにおい
て、低転移性B16−F1マウスメラノーマ細胞へのヘパラナーゼ遺伝子の一過
性トランスフェクション、その後のi.v.接種により、肺転移は4倍〜5倍増
大した。
【0030】 最後に、B16-F1メラノーマ細胞に外因的に接着させたヘパラナーゼは、
コントロールのマウスと比較した場合、C57BLマウスにおける肺転移のレベ
ルを増大させた(米国特許出願第09/140,888号の一部継続出願で、参
考として本明細書中に組み込まれる米国特許出願第09/260,037号(名
称:患者への生物学的材料の導入)を参照のこと)。
【0031】 腫瘍の血管形成におけるヘパラナーゼの考えられる関与 様々な繊維芽細胞増殖因子は、ヘパリンに対する大きな親和性を特徴とする構
造的に関連するポリペプチドのファミリーである(29)。繊維芽細胞増殖因子
は、血管内皮細胞に対して大きな分裂促進作用を有し、血管新生の最も強力な誘
導剤に含まれる(29〜30)。塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)が、イ
ンビトロで産生された内皮下ECM(31)から、そして角膜の基底膜(32)
から抽出されている。このことは、ECMがbFGFの貯蔵体として作用し得る
ことを示している。免疫組織化学的な染色により、多様な組織および血管の基底
膜におけるbFGFの局在化が明らかにされた(23)。bFGFが正常な組織
に遍在的に存在するにも関わらず、これらの組織における内皮細胞の増殖は、通
常、非常に低い。このことは、bFGFがその作用部位からいくらかか隔離され
ていることを示している。bFGFとECMとの相互作用に関する研究により、
bFGFはECM内のHSPGに結合しており、そしてHS分解酵素により活性
形態で放出され得ることが解明された(33、32、34)。血小板、マスト細
胞、好中球およびリンパ腫細胞によって発現されるヘパラナーゼ活性は、活性な
bFGFのECMおよび基底膜からの放出に関与していることが明らかにされた
(35)。このことは、ヘパラナーゼ活性は細胞遊走および細胞侵入において機
能し得るだけでなく、間接的な血管新生応答を誘発し得ることもを示唆している
。これらの結果により、ECMのHSPGは自然の貯蔵デポ部をbFGFおよび
おそらくは他のヘパリン結合性増殖促進因子に提供していることが示唆される(
36、37)。従って、bFGFを基底膜内およびECM内のその貯蔵部から追
い出すことにより、正常な状況および病理学的状況における血管新生の誘導に対
する新しい機構が提供され得る。
【0032】 最近の研究は、ヘパリンおよびHSが、高親和性の細胞表面受容体に対するb
FGFの結合、およびbFGFの細胞シグナル変換に関与していることを示して
いる(38、39)。さらに、最適な作用のために必要とされるHSのサイズは
、ヘパラナーゼによって放出されるHSフラグメントのサイズと類似していた(
40)。同様な結果が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を用いて得られた(
41)。このことは、ヘパリン結合性増殖因子との細胞相互作用においてHSを
伴う二重受容体機構が働いていることを示唆している。従って、ECM内に内皮
細胞増殖因子を制限することにより、血管内皮に対するそれらの全身的な作用が
妨げられること、従って、非常に低い速度の内皮細胞回転および血管増殖が維持
されることが提案される。一方、bFGFをHSフラグメントとの複合体として
ECM内の貯蔵部から放出させることにより、傷害治癒、炎症発症および腫瘍発
達などのプロセスにおける局在化した内皮細胞の増殖および血管新生が誘発され
得る(36,37)。
【0033】 他の生理学的プロセスにおけるヘパラナーゼの関与およびその潜在的な治療的
適用 腫瘍細胞の転移、炎症および自己免疫性におけるその関与とは別に、哺乳動物
のヘパラナーゼは、ヘパリン結合性増殖因子の生体利用性;ヘパリン結合性増殖
因子(例えば、bFGF、VEGF)およびサイトカイン(IL−8)に対する
細胞応答(44、41);血漿リポタンパク質との細胞相互作用(49);ある
種のウイルス感染症およびいくつかの細菌感染症および原生動物感染症に対する
細胞感受性(45〜47);ならびにアミロイド斑の崩壊(48)を調節するた
めに適用することができる。
【0034】 ウイルス感染:細胞表面にヘパラン硫酸が存在することが、ヘルペス単純ウイ
ルス(45)およびデングウイルス(46)の細胞への結合にとって、そしてそ
の後の細胞感染にとって主要な条件であることが示されている。従って、細胞表
面のヘパラン硫酸をヘパラナーゼによって除くことにより、ウイルス感染をなく
すことができる。実際、細菌の(ヘパラン硫酸を分解する)ヘパリチナーゼまた
は(ヘパランを分解する)ヘパラナーゼで細胞を処理することにより、2つの関
連する動物ヘルペスウイルスの細胞への結合が低下し、そして細胞は、ウイルス
感染に対して少なくとも部分的に耐性になった(45)。細胞表面のヘパラン硫
酸がHIVの感染にも関与していることを示すものがいくつかある(47)。
【0035】 神経変性疾患:ヘパラン硫酸プロテオグリカンが、ゲンストマン−シュトロイ
スラー症候群、クロイツフェルト−ヤコブ病およびスクレイピーのプリオンタン
パク質アミロイド斑において同定された(48)。ヘパラナーゼは、アルツハイ
マー病の病因において役割を果たしていることもまた考えられるこれらのアミロ
イド斑を崩壊させることが考えられる。
【0036】 再狭窄およびアテローム性動脈硬化症:内皮の傷害およびコレステロールが多
いリポタンパク質に応答した動脈平滑筋細胞(SMC)の増殖は、アテローム性
動脈硬化症および再狭窄の病因における基本的な事象である(50)。ヘパリン
結合性増殖因子に対する親和性が低い受容体としてのSMC増殖におけるその関
与とは別に、HSはまた、リポタンパク質の結合、保持および取込みにも関与し
ている(51)。HSPGおよびリポタンパク質リパーゼは、コレステロールが
多いリポタンパク質の実質的な細胞蓄積および間質蓄積を可能にし得る新規な異
化経路に関与していることが明らかにされた(49)。後者の経路は、細胞コレ
ステロール含有量によるフィードバック阻害とは関係なく、apoBおよびap
oEが多いリポタンパク質(例えば、LDL、VLDL、キロミクロン類)の蓄
積を促進することによって大きなアテローム発生性になることが予想される。従
って、SMCのHSをヘパラナーゼによって除くことにより、SMCの増殖およ
び脂質の蓄積の両方が阻害されることが期待され、従って、再狭窄およびアテロ
ーム性動脈硬化症の進行を停止させることができる。
【0037】 肺の疾患: 文献から得られたデータは、感染速度および炎症速度を低下させることに関連
して示される洞分泌物および気道分泌物の粘度を低下させることにおける、ヘパ
ラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、ヒアルロニダーゼ、スルフ
ァターゼおよびコンドロイチナーゼ(これらに限定されない)などのGAG分解
酵素に対する可能な役割を示唆している。CF患者から得られた痰は少なくとも
3%のGAGを含有し、従って、これはその容量的および粘性的な性質に寄与し
ている。組換えヘパラナーゼはCF患者の痰の粘度を低下させることが示されて
いる(米国特許出願第09/046,475号を参照のこと)。
【0038】 まとめると、ヘパラナーゼは、このように、傷害治癒、血管形成、再狭窄、ア
テローム性動脈硬化症、炎症、神経変性疾患およびウイルス感染などの状態に対
して有用であることを示し得る。哺乳動物のヘパラナーゼは、プロタミンの潜在
的な代替物として、血漿ヘパリンを中和するために使用することができる。抗ヘ
パラナーゼ抗体は、生検標本、血漿サンプルおよび体液における微小転移物、自
己免疫病巣および腎不全の免疫検出および診断のために適用することができる。
【0039】 従って、グリコシルヒドロラーゼ活性を有するさらなる分子に対する要求は広
く認識されており、そしてグリコシルヒドロラーゼ活性を有するさらなる分子を
得ることは非常に好都合である。これは、そのような分子が、知られているヘパ
ラナーゼよりも大きな、ある種の基質に対する比活性または異なる基質特異性を
示し得るからである。
【0040】発明の開示 本発明の1つの局面により、配列番号1、4、6またはその一部と、6xSS
C、1%SDS、5xデンハルト、10%デキストラン硫酸、100μg/ml
サケ精子DNAおよび32p標識プローブにおいて68℃でハイブリダイゼーシ
ョン可能であり、かつ3xSSCおよび0.1%SDSを用いて68℃で洗浄さ
れるポリヌクレオチドを含む単離された核酸が提供される。
【0041】 本発明の別の局面により、配列番号1、4、6またはその一部と、6xSSC
、1%SDS、5xデンハルト、10%デキストラン硫酸、100μg/mlサ
ケ精子DNAおよび32p標識プローブにおいて68℃でハイブリダイゼーショ
ン可能であり、かつ1xSSCおよび0.1%SDSを用いて68℃で洗浄され
るポリヌクレオチドを含む単離された核酸が提供される。
【0042】 本発明のさらに別の局面により、配列番号1、4、6またはその一部と、6x
SSC、1%SDS、5xデンハルト、10%デキストラン硫酸、100μg/
mlサケ精子DNAおよび32p標識プローブにおいて68℃でハイブリダイゼ
ーション可能であり、かつ0.1xSSCおよび0.1%SDSを用いて68℃
で洗浄されるポリヌクレオチドを含む単離された核酸が提供される。
【0043】 本発明のさらにまた別の局面により、Genetic Computer G
roup(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析
ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50
、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号1、4、6ま
たはその一部との同一性が少なくとも60%であるポリヌクレオチドを含む単離
された核酸が提供される。
【0044】 本発明のさらに別の局面により、Genetic Computer Gro
up(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフ
トウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギ
ャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7または
その一部との相同性が少なくとも60%であるポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドを含む単離された核酸が提供される。
【0045】 下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴により、ポ
リヌクレオチドは、配列番号1、4、6またはその一部に示されている通りであ
る。
【0046】 本発明のさらなる局面により、本明細書中に記載されているポリヌクレオチド
によってコードされるポリペプチドを含む組換えタンパク質が提供される。
【0047】 本発明のさらにまたさらなる局面により、Genetic Computer Group(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列
分析ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:
50、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、
7またはその一部との相同性が少なくとも60%であるポリペプチドを含む組換
えタンパク質が提供される。
【0048】 下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴により、ポ
リペプチドは、配列番号3、5、7またはその一部に示されている通りである。
【0049】 本発明のなおさらなる局面により、本明細書中に記載されている単離された核
酸を含む核酸構築物が提供される。
【0050】 本発明のさらなる局面により、本明細書中に記載されている組換えタンパク質
をコードするポリヌクレオチドを含む核酸構築物が提供される。
【0051】 本発明のなおさらなる局面により、本明細書中に記載されているように、ポリ
ヌクレオチドまたは構築物を含み、かつ/または組換えタンパク質を発現する宿
主細胞が提供される。
【0052】 本発明のさらにまたさらなる局面により、(i)Genetic Compu
ter Group(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDN
A配列分析ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルテ
ィー:50、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3
、5、7またはその一部との相同性が少なくとも60%であるポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド鎖の一部、または(ii)Genetic Comp
uter Group(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたD
NA配列分析ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナル
ティー:50、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号
1、4、6またはその一部との同一性が少なくとも60%であるポリヌクレオチ
ド鎖の一部と、生理学的条件のもと、インビボでハイブリダイゼーションし得る
少なくとも10塩基のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドアナログを含む
アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは核酸構築物が提供される。
【0053】 本発明の別の局面により、本明細書中に記載されているアンチセンスオリゴヌ
クレオチドと、リボザイム配列とを含むリボザイムが提供される。
【0054】 本発明は、ヘパラナーゼ、GAG分解酵素に対する相同性におそらくは基づい
て、GH−Aクランのasp−gluグリコシルヒドロラーゼのクラスに属する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを提供する。
【0055】図面の簡単な説明 本発明は、添付された図面を参照して、例としてのみ説明される。 図1は、hnhp1のヌクレオチド配列(配列番号1〜2)および推定アミノ
酸配列(配列番号2〜3)を示す。 図2は、hnhp1(配列番号2〜3)およびヘパラナーゼ(配列番号9)の
推定アミノ酸配列の比較である。比較は、GCGパッケージのGapプログラム
を使用して行われた(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルテ
ィー:3)。 図3は、hnhp1転写物の変化性を例示する。hnhp1は、遺伝子特異的
プライマーのpn9−312u(配列番号14)およびhn11−230(配列
番号11)を使用して胎盤および精巣のマラソン・レディーcDNAライブラリ
ーから増幅された。 図4は、動物ブロットを示す。様々な種から得られたゲノムDNAの10マイ
クログラムをEcoRIで消化して、0.7%アガロース−TBEゲルで分離し
た。電気泳動後、ゲルをHClで処理し、次いでNaOHで処理し、そしてDN
Aフラグメントを0.4NのNaOHとともにナイロンメンブラン(Hybon
d N+、Amersham)に下向きで移した。メンブランを、hnhp1の
cDNA(クローンpn9)を含有する1.7KbのDNAプローブとハイブリ
ダイゼーションさせた。レーン順序:H−ヒト;M−マウス;Rt−ラット;P
−ブタ;Cw−雄ウシ;Hr−ウマ;S−ヒツジ;Rb−ウサギ;D−イヌ;C
h−ニワトリ;F−サカナ。サイズマーカー(λBsteII)を左側に示す。 図5は、hpaとhnhp1との交差ハイブリダイゼーションを例示する。h
paは、マラソン・レディー胎盤cDNAライブラリーからPCRによって増幅
された。hnhp1は、精巣マラソン・レディーcDNAライブラリーから増幅
された。PCR産物を二連でアガロースゲルで泳動し、ナイロンメンブランに移
した。一方のメンブランを32p標識のhpa cDNAで、もう一方をhnh
p1(クローンpn9)でプローブした。 図6は、ヘパラナーゼおよびhnhp1のヒドロパシープロフィルの比較であ
る。曲線は、17アミノ酸のウインドウにわたってKyteおよびDulitt
le法に従って計算された。 図7は、ヒト胚性腎臓293細胞において発現させた組換えhnhp1のウエ
スタンブロット分析を示す。A:コントロールのヘパラナーゼ−FLAG前駆体
、B〜D:コントロールpSIベクター(B)、pSI−pn6(C)およびp
SI−pn9(D)でトランスフェクションされた293細胞。細胞抽出物をS
DS−PAGEにより分離し、Immobilon−Pナイロンメンブラン(M
illipore)に移した。メンブランを1:1000の抗FLAG Fla
g抗体とともにインキュベーションした(Kodak、抗FlagM2、cat
:IB13025)。
【0056】好適な実施形態の説明 本発明は、ヘパラナーゼに対して遠い相同性を有するポリペプチドをコードす
る新規なポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、前記核酸
構築物を発現する遺伝子操作された細胞、前記ポリヌクレオチドによってコード
され、かつヘパラナーゼ活性または他のグリコシルヒドロラーゼ活性を有し得る
組換えタンパク質、前記組換えタンパク質を認識する抗体、前記ポリヌクレオチ
ドに由来するオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドアナログならびにそ
れを含むリボザイムである。
【0057】 本発明の本質および作用は、図面および添付されている説明を参照してより十
分に理解され得る。
【0058】 本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適
用において、下記の説明において示されているか、または図面に例示されている
構成の細部および構成要素の配置に限定されないことを理解しなければならない
。本発明は、他の実施形態が可能であり、あるいは様々な方法で実施され得るか
、または実施される。また、本明細書中において用いられている表現法および用
語法は説明のためであり、限定として見なしてはならないことを理解しなければ
ならない。
【0059】 本発明を実行しながら、ヒトESTデータベースを、ヒトヘパラナーゼのアミ
ノ酸配列全体(配列番号9)を使用して相同的な配列についてスクリーニングし
た。相同性が遠いフラグメントが得られた:精巣B細胞および胎児胚から調製さ
れたSoares NFL GBC S1ヒトcDNAライブラリーに由来
するアクセション番号AI222323、IMAGEクローン番号184315
5。このクローンは560bpのインサート(配列番号23)を含有し、その3
’領域は、ヒトヘパラナーゼをコードするヒトhpa遺伝子に対して相同的であ
った。この新しく同定されたクローンに由来するプライマーを使用して、選択的
スプライシングをインフレームで反映するいくつかのオープンリーディングフレ
ームを含むcDNAがいくつか単離された。その最長体(pn6)を図1(配列
番号1、2および3)に示し、長さは2060ヌクレオチドである。これは17
76ヌクレオチドのオープンリーディングフレームを含有し、66.5kDaの
計算された分子量を有する592アミノ酸のポリペプチドをコードしている。こ
の新しくクローン化された遺伝子はhnhp1と呼ばれた。より短い2つの形態
のpn9およびpn5ならびにそれらの推定アミノ酸配列を、それぞれ、配列番
号4および6ならびに配列番号5および7に示す。これらは下記の実施例の節に
さらに記載されている。hnhp1およびヘパラナーゼのアミノ酸配列同士の比
較を図3に示す。この2つのタンパク質間の相同性は、用いたソフトウエアに依
存して52.8%または55.3%である。hpaとhnhp1との交差ハイブ
リダイゼーションは、非常に適度な洗浄条件のもとでさえ検出されなかった(図
5)。動物ブロット分析により、hnhp1遺伝子および他の関連する遺伝子(
これらは新しい遺伝子ファミリーを形成することがおそらく考えられる)が、哺
乳動物および鳥類を含む他の生物のゲノム内に存在することが明らかにされた。
hnhp1の染色体局在化が、G3放射ハイブリッドパネルを使用して、ヒト第
10染色体においてSHGC−57721の隣りであることが決定された。これ
らの結果はまた、遺伝子の別のコピーの可能性または関連遺伝子の可能性を示し
ていた。hnhp1遺伝子は、リンパ節、脾臓、結腸および卵巣において低いレ
ベルで発現し;前立腺および小腸においてわずかに大きなレベルで発現し;そし
て精巣においてさらにより顕著なレベルで発現している。骨髄、肝臓、胸腺、扁
桃または白血球においては、用いたアッセイでは発現は検出されなかった。ヘパ
ラナーゼならびにhnhp1のアミノ酸配列を用いたマウスESTデータベース
のスクリーニングにより、マウスのESTクローン(マウス胸腺に由来するクロ
ーン1378452、アクセション番号AI019269、配列番号8)が得ら
れた。しかし、このクローンは、そのオープンリーディングフレームを妨げる2
つのフレームシフト変異を含んでいる。
【0060】 hnhp1およびヘパラナーゼのアミノ酸配列間における全体的な相同性は、
これらの2つのタンパク質が類似する機能を互いに有することを示唆している。
この2つのタンパク質間の相同性は7つの領域に集中している。これらは、タン
パク質の機能的ドメインを表し得る。変化性は、基質認識、細胞局在化および活
性パラメーターにおける潜在的な差を示唆し得る。
【0061】 ヘパラナーゼと他のグリコシルヒドロラーゼとの間に全体的な相同性がないに
も関わらず、GH−Aクランのグリコシルヒドロラーゼのプロトン供与体に特徴
的なアミノ酸対asp−glu(NE、配列番号13)が、ヘパラナーゼの22
4位、225位において見出された。他のクランメンバーの場合のように、この
NE対はβ鎖の末端に存在している。図2に示されているように、NE対の周り
の領域は、hnhp1の予想されるアミノ酸配列において保存されている。この
ことは、hnhp1の産物がグリコシルヒドロラーゼであることを示唆している
。この定義は、多糖分解酵素(エキソ型またはエンド型のいずれかのグリコシダ
ーゼ)のいずれかを含み、そしてヘパラナーゼに対する類似性に基づいて、それ
はGAG分解酵素をコードすると考えられる。
【0062】 さらに、ヘパラナーゼおよびhnhp1のヒドロパシープロットの重ね合わせ
により、重なり合うパターンがこれらのタンパク質に沿って示される(図6)。
グリコシルヒドロラーゼに特徴的なアミノ酸配列が、アラインメントされたタン
パク質において、親水性ピーク内の同じ位置に存在している。ヒドロパシーパタ
ーンにおける顕著な差が、酵素のプロセシング部位を構成するヘパラナーゼのア
ミノ酸157、158の付近に認められる。ヘパラナーゼにおいて、この部位は
親水性ピークの頂上に位置しているが、hnhp1の等価領域はどちらかといえ
ば親水性ではない。ヘパラナーゼのアミノ酸110付近のピークが、hnhp1
のアミノ酸130付近にも見られる。この領域におけるヘパラナーゼの切断が、
酵素の活性化をもたらすことが示された。hnhp1のこの等価領域は、潜在的
なプロセシング部位であると考えられる。
【0063】 ヘパラナーゼは、67kDa形態のN末端に潜在的なシグナルペプチドを有し
ている。2つのタンパク質間の相同性はN端部では低く、シグナルペプチドはh
nhp1ポリペプチドでは同定されなかった。
【0064】 本発明の1つの局面により、配列番号1、4、6またはその一部と、6xSS
C、1%SDS、5xデンハルト、10%デキストラン硫酸、100μg/ml
サケ精子DNAおよび32p標識プローブにおいて68℃でハイブリダイゼーシ
ョン可能であり、かつ3xSSC、1xSSCまたは0.1xSSCおよび0.
1%SDSを用いて68℃で洗浄されるポリヌクレオチドを含む単離された核酸
が提供される。
【0065】 本明細書中において、そして下記の請求項の節において使用されている用語「
一部(「portion」または「portions」)は、核酸またはアミノ
酸の連続した広がりをいう。そのような一部は、例えば、少なくとも90ヌクレ
オチド(少なくとも30アミノ酸に等しい)、少なくとも120ヌクレオチド(
少なくとも40アミノ酸に等しい)、少なくとも150ヌクレオチド(少なくと
も50アミノ酸に等しい)、少なくとも180ヌクレオチド(少なくとも60ア
ミノ酸に等しい)、少なくとも210ヌクレオチド(少なくとも70アミノ酸に
等しい)、少なくとも300ヌクレオチド(少なくとも100アミノ酸に等しい
)、少なくとも600ヌクレオチド(少なくとも200アミノ酸に等しい)、少
なくとも900ヌクレオチド(少なくとも300アミノ酸に等しい)、少なくと
も1,200ヌクレオチド(少なくとも400アミノ酸に等しい)、少なくとも
1,500ヌクレオチド(少なくとも500アミノ酸に等しい)、またはそれ以
上を含み得る。
【0066】 本発明の別の局面により、Genetic Computer Group(
GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエ
アパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ
伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号1、4、6またはその一
部との同一性が少なくとも60%(好ましくは少なくとも65%、より好ましく
は少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらにまた好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なく
とも90%、最も好ましくは少なくとも95%〜100%)であるポリヌクレオ
チドを含む単離された核酸が提供される。
【0067】 本発明のさらに別の局面により、Genetic Computer Gro
up(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフ
トウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギ
ャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7または
その一部との相同性が少なくとも60%(好ましくは少なくとも65%、より好
ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらにまた好
ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは
少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%〜100%)であるポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸が提供される。
【0068】 本明細書中において、そして下記の請求項の節において使用されている用語「
相同的」は、同一的+類似的をいう。
【0069】 本発明のさらなる局面により、本明細書中に記載されているポリヌクレオチド
によってコードされるポリペプチドを含む組換えタンパク質が提供される。
【0070】 本発明による核酸は、相補的なポリヌクレオチド配列、ゲノムポリヌクレオチ
ド配列または複合ポリヌクレオチド配列であり得る。
【0071】 本明細書中で使用されている表現「相補的なポリヌクレオチド配列」には、逆
転写酵素または任意の他のRNA依存性DNAポリメラーゼを使用してメッセン
ジャーRNAの逆転写から最初に生じる配列が含まれる。そのような配列は、続
いてDNA依存性DNAポリメラーゼを使用してインビボまたはインビトロで増
幅することができる。
【0072】 本明細書中で使用されている表現「ゲノムポリヌクレオチド配列」には、最初
は染色体に由来し、そして染色体の連続した一部を反映する配列が含まれる。
【0073】 本明細書中で使用されている表現「複合ポリヌクレオチド配列」には、少なく
とも部分的に相補的であり、かつ少なくとも部分的にゲノム性である配列が含ま
れる。複合配列は、ポリペプチドをコードするために必要とされるいくつかのエ
キソン配列、ならびにそれらの間に介在するいくつかのイントロン配列を含むこ
とができる。イントロン配列は、他の遺伝子を含む任意の提供源のものとするこ
とができ、典型的には、保存されたスプライシングシグナル配列を含む。そのよ
うなイントロン配列はさらに、シス作用する発現調節エレメントを含み得る。
【0074】 従って、本発明のこの局面は下記を包含する:(i)配列番号1、4および6
に示されるポリヌクレオチド;(ii)そのフラグメントまたは一部;(iii
)それらとハイブリダイゼーション可能な配列;(iv)それらに対して相同的
な配列;(v)それらに対応するゲノム配列および複合配列;(vi)異なるコ
ドン使用によって類似するポリペプチドをコードする配列;ならびに(vii)
1つまたは2つ以上のヌクレオチド(天然に存在するか、人為的に誘導されたか
のいずれか)の無作為または標的化様式のいずれかでの欠失、挿入または置換な
どの変異によって特徴付けられる変化した配列。
【0075】 本発明のさらにまたさらなる局面により、Genetic Computer Group(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列
分析ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:
50、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、
7またはその一部との相同性が少なくとも60%(好ましくは少なくとも65%
、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さら
にまた好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好
ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%〜100%)であ
るポリペプチドを含む組換えタンパク質が提供される。
【0076】 本発明のさらにさらなる局面により、本明細書中に記載されている単離された
核酸を含む核酸構築物が提供される。
【0077】 本発明の好ましい実施形態により、核酸構築物はさらに、単離された核酸の発
現をセンス方向またはアンチセンス方向で調節するためのプロモーターを含む。
そのようなプロモーターは、その下流に存在する配列を転写するDNA依存性R
NAポリメラーゼに結合するのに役立つので、転写に必要とされるシス作用の配
列エレメントであることが知られている。そのような下流の配列は、リボザイム
装置によって翻訳可能なセンスRNAの転写を生じさせるか、あるいは翻訳可能
な配列を典型的には含まず、しかし内因性配列(mRNAまたは染色体DNAの
いずれか)との二重鎖または三重鎖を形成して、遺伝子発現を妨げることができ
るアンチセンスRNAの転写を生じさせる2つの可能な向きのいずれか一方であ
り得る。これらはすべて下記にさらに記載されている。
【0078】 本明細書中に記載されている単離された核酸は本発明の不可欠な要素であるが
、それはモジュール状であり、種々の範囲において使用することができる。本発
明とともに使用される選ばれたプロモーターは二次的に重要であり、任意の好適
なプロモーターを含む。しかし、転写開始部位がオープンリーディングフレーム
の上流に確実に存在しなければならないことは当業者によって理解されている。
本発明の好ましい実施形態において、選択されるプロモーターは、目的とする特
定の宿主細胞において活性であるエレメントを含む。このようなエレメントは、
熱ショックタンパク質(これに限定されない)を含む、ストレスまたは飢餓の条
件でこれらの宿主細胞の生存に不可欠な遺伝子の転写を活性化する転写調節因子
から選択され得る。
【0079】 本発明による構築物は、好ましくは、適切な選択マーカーをさらに含む。本発
明によるより好ましい実施形態において、構築物はさらに複製起点を含む。本発
明による別の非常に好ましい実施形態において、構築物はシャトルベクターであ
る。これは、大腸菌(構築物が適切な選択マーカーおよび複製起点を含む場合)
において増殖することができ、そして選ばれた生物の細胞における増殖、または
選ばれた生物のゲノムにおける組み込みに対して適合し得る。本発明のこの局面
による構築物は、例えば、プラスミド、バクミド、ファージミド、コスミド、フ
ァージ、ウイルスまたは人工染色体であり得る。
【0080】 あるいは、本発明のこの局面による核酸構築物は、正の選択マーカーおよび負
の選択マーカーをさらに含み、従って、ノックイン手法およびノックアウト手法
において用いられる相同的組換え(これに限定されない)を含む相同的組換え事
象を選択するために用いることができる。当業者は、構築物との相同的組換え事
象を経たトランスフェクションされた胚性幹細胞を効率的に選択するために正の
選択遺伝子と負の選択遺伝子との両方を含むノックアウト構築物またはノックイ
ン構築物を容易に設計することができる。そのような細胞は、キメラ体を作製す
るために発達中の胚に導入することができ、そしてその子孫を、ノックアウト構
築物またはノックイン構築物を有することについて調べることができる。本発明
によるノックアウト構築物および/またはノックイン構築物は、新しい遺伝子の
機能性をさらに検討するために使用することができる。そのような構築物はまた
、必要に場合には、不完全な機能的対立遺伝子の活性を破壊するか、または機能
的対立遺伝子の増大を破壊するか、または生物におけるサイレントな対立遺伝子
の活性の喪失を置き換え、それによって活性をダウンレギュレーションまたはア
ップレギュレーションするために体細胞遺伝子治療および/または生殖細胞遺伝
子治療において使用することができる。ノックアウト構築物およびノックイン構
築物の構築および使用に関してさらに詳しいことは下記に見出すことができる:
Fukushige,S.およびIkeda,J.E.:Cre−lox部位に
特異的な組換えによる哺乳動物プロモーターの捕捉、DNA Res、3(19
96)、73〜80;Bedell,M.A.、Jenkins,N.A.およ
びCopeland,N.G.:ヒト疾患のマウスモデル パートI:マウスに
おける遺伝子分析のための技術および供給源、Genes and Devel
opment、11(1997)、1〜11;Bermingham,J.J.
、Scherer,S.S.、O’Connell,S.、Arroyo,E.
、Kalla,K.A.、Powell,F.L.およびRosenfeld,
M.G.:Tst−1/Oct−6/SCIPは末梢のミエリン形成における特
異な段階を調節し、正常な呼吸に必要である、Genes Dev、10(19
96)、1751〜62。これらは参考として本明細書中に組み込まれる。
【0081】 本発明のさらにまた別の局面により、本明細書中に記載されているように、核
酸構築物またはその一部を含む宿主細胞または動物が提供される。宿主細胞(原
核生物および真核生物の両方)および生物を核酸構築物で形質転換する方法、な
らびに形質転換体(例えば、形質転換された細胞またはトランスジェニック動物
)の選択方法は、当業者には十分に知られている。さらに、トランスフェクショ
ンされると、そのような細胞および生物は、様々なクロマトグラフィー法および
ゲル電気泳動法(これらに限定されない)を含む知られている方法によってその
後精製され得る十分な量の組換えタンパク質の産生を行わせることを目的とし得
る。そのような精製された組換えタンパク質は、下記にさらに詳しく記載されて
いるように、抗体を誘発させるために役立ち得る。細胞および生物の形質転換方
法は参考文献43に詳しく記載されており、一方、組換えタンパク質の精製方法
は参考文献52に詳しく記載されている(ともに参考として本明細書中に組み込
まれる)。
【0082】 本発明のさらに別の局面により、本明細書中に記載されている単離された核酸
と特異的にハイブリダイゼーション可能な少なくとも17塩基、少なくとも18
塩基、少なくとも19塩基、少なくとも20塩基、少なくとも22塩基、少なく
とも25塩基、少なくとも30塩基または少なくとも40塩基のオリゴヌクレオ
チドが提供される。
【0083】 より短い核酸(200bp未満の長さ、例えば、17bp〜40bpの長さ)
のハイブリダイゼーションが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション、適
度なハイブリダイゼーションまたは穏和なハイブリダイゼーションによって行わ
れる。この場合、ストリンジェントなハイブリダイゼーションは、6xSSCお
よび1%SDSまたは3M TMACI、0.01Mリン酸ナトリウム(pH6
.8)、1mM EDTA(pH7.6)、0.5%SDS、100μg/ml
変性サケ精子DNAおよび0.1%脱脂粉乳のハイブリダイゼーション溶液、T よりも1℃〜1.5℃低いハイブリダイゼーション温度、Tよりも1℃〜1
.5℃低い温度における、3M TMACI、0.01Mリン酸ナトリウム(p
H6.8)、1mM EDTA(pH7.6)、0.5%SDSの最終洗浄液に
よって行われる;適度なハイブリダイゼーションは、6xSSCおよび0.1%
SDSまたは3M TMACI、0.01Mリン酸ナトリウム(pH6.8)、
1mM EDTA(pH7.6)、0.5%SDS、100μg/ml変性サケ
精子DNAおよび0.1%脱脂粉乳のハイブリダイゼーション溶液、Tよりも
2℃〜2.5℃低いハイブリダイゼーション温度、Tよりも1℃〜1.5℃低
い温度における、3M TMACI、0.01Mリン酸ナトリウム(pH6.8
)、1mM EDTA(pH7.6)、0.5%SDSの最終洗浄液、6xSS
Cの最終洗浄液、および22℃での最終洗浄によって行われる;一方、穏和なハ
イブリダイゼーションは、6xSSCおよび1%SDSまたは3M TMACI
、0.01Mリン酸ナトリウム(pH6.8)、1mM EDTA(pH7.6
)、0.5%SDS、100μg/ml変性サケ精子DNAおよび0.1%脱脂
粉乳のハイブリダイゼーション溶液、37℃でのハイブリダイゼーション温度、
6xSSCの最終洗浄液、および22℃での最終洗浄によって行われる。
【0084】 本発明のさらなる局面により、本明細書中に記載されている単離された核酸と
逆向きに特異的にハイブリダイゼーションすることができ、それにより、ポリメ
ラーゼ連鎖反応などの核酸増幅反応においてその一部の指数関数的な増幅を行わ
せるような、それぞれが独立して少なくとも17塩基、少なくとも18塩基、少
なくとも19塩基、少なくとも20塩基、少なくとも22塩基、少なくとも25
塩基、少なくとも30塩基または少なくとも40塩基である1対のオリゴヌクレ
オチドが提供される。ポリメラーゼ連鎖反応および他の核酸増幅反応はこの分野
では十分に知られており、本明細書中ではさらなる説明を必要としない。本発明
のこの局面による1対のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、適合し得る融解温
度(Tm)を有するように、例えば、7℃未満、好ましくは5℃未満、より好ま
しくは4℃未満、最も好ましくは3℃未満、理想的には3℃〜0℃だけ異なる融
解温度を有するように選択される。従って、本発明のさらにまたさらなる局面に
より、本明細書中に記載されているプライマー対を使用して得られる核酸増幅産
物が提供される。そのような核酸増幅産物は、ゲル電気泳動またはサイズに基づ
く任意の他の分離技術によって単離することができる。あるいは、そのような核
酸増幅産物は、鎖親和性または配列親和性のいずれかのアフィニティー分離によ
って単離することができる。さらに、単離されると、そのような産物は、活性の
アップレギュレーションおよび/またはダウンレギュレーションに関連する多数
の適用のいずれかに役立たせるために、制限、連結などによってさらに遺伝子操
作することができる。
【0085】 本発明のさらにさらなる局面により、(i)Genetic Compute
r Group(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配
列分析ソフトウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー
:50、ギャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5
、7またはその一部との相同性が少なくとも60%(好ましくは少なくとも65
%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さ
らにまた好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より
好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%〜100%)で
あるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド鎖の一部;または(ii)Ge
netic Computer Group(GCG)(ウイスコンシン大学)
によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケージのBestfit法
(ギャップ生成ペナルティー:12、ギャップ伸長ペナルティー:4)を使用し
て決定される配列番号1、4、6またはその一部との同一性が少なくとも60%
(好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ま
しくは少なくとも75%、さらにまた好ましくは少なくとも80%、より好まし
くは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少な
くとも95%〜100%)であるポリヌクレオチド鎖の一部と、生理学的条件の
もと、インビボでハイブリダイゼーションし得る少なくとも10塩基(好ましく
は10塩基〜15塩基の間、より好ましくは50塩基〜20塩基の間、最も好ま
しくは少なくとも17塩基、少なくとも18塩基、少なくとも19塩基、少なく
とも20塩基、少なくとも22塩基、少なくとも25塩基、少なくとも30塩基
または少なくとも40塩基)のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドアナロ
グを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドが提供される。
【0086】 そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、下記にさらに詳述されている
ように遺伝子発現をダウンレギュレーションするために使用することができる。
そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、固相オリゴヌクレオチド合成を
使用して容易に合成することができる。
【0087】 選択された所定の配列を有する化学合成されたオリゴヌクレオチドおよびその
アナログの能力は、遺伝子発現をダウンレギュレーションするための手段を提供
する。これらのタイプの遺伝子発現調節方法が検討され得る。
【0088】 転写レベルにおいて、ゲノムDNAに鎖置換または三重鎖形成によって結合す
るアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドまたはアナ
ログは転写を阻止し得る。転写物レベルにおいて、標的mRNA分子に結合する
アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアナログは、細胞内RNaseHによる
ハイブリッドの酵素的切断をもたらす。この場合、標的化されたmRNAにハイ
ブリダイゼーションすることによって、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレ
オチドアナログは、RNaseH酵素によって認識および破壊される二重鎖ハイ
ブリッドを提供する。あるいは、そのようなハイブリッド形成は、正しいスプラ
イシングの妨害をもたらし得る。その結果、両方の場合において、翻訳に使用さ
れる標的mRNAの完全な転写物の数が減少または除去される。翻訳レベルにお
いて、標的mRNA分子に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアナ
ログは、不可欠な翻訳因子(リボソーム)の標的mRNA分子への結合を立体的
な障害によって阻止する。これは、そのようなmRNAの翻訳を不能にするハイ
ブリダイゼーションアレストとしてこの分野では知られている現象である。
【0089】 従って、アンチセンス配列は、本明細書中上記に記載されているように、それ
らの特異的な配列に依存して任意の内因性遺伝子および/または外因性遺伝子の
発現を停止させ得るので、アンチセンス法を新しい薬理学的ツールに開発するこ
とに専念している科学者および薬理学者によって大きく注目された。
【0090】 例えば、いくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、造血細胞の増殖、成
長、細胞周期のS期への進入、低下した生存性を停止させ、そして受容体媒介の
応答を妨げることが示されている。
【0091】 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアナログを使用して遺伝子発現を効率
的にインビボで阻害するためには、オリゴヌクレオチドまたはアナログは下記の
条件を満足しなければならない:(i)標的配列に対する結合における十分な特
異性;(ii)水溶性;(iii)細胞内および細胞外のヌクレアーゼに対する
安定性;(iv)細胞膜を通り抜ける能力;および(v)生物を処置するために
使用される場合における低い毒性。
【0092】 修飾されていないオリゴヌクレオチドは、典型的には、アンチセンス配列とし
て使用することに関して実施することができない。これは、そのようなオリゴヌ
クレオチドは、インビボでの半減期が短く、その間にヌクレアーゼによって迅速
に分解されるからである。さらに、そのようなオリゴヌクレオチドは、ミリグラ
ム以上の量で調製することが困難である。さらに、そのようなオリゴヌクレオチ
ドは細胞膜の浸透性が良くない。
【0093】 従って、上記に列記されたすべての条件を満たすために、オリゴヌクレオチド
アナログを好適な様式で考案しなければならないことは明かである。従って、修
飾型オリゴヌクレオチドに対する広範な研究が開始されている。
【0094】 例えば、三重らせんの形成による二本鎖DNA(dsDNA)認識に関連して
生じる問題は、巧妙な「スイッチバック」化学結合によって小さくなっている。
これにより、一方の鎖におけるポリプリンの配列が認識され、そして「スイッチ
ングバック」により、反対側の鎖におけるホモプリン配列が認識され得る。また
、良好ならせん形成が、人工塩基を使用し、それによりイオン強度およびpHに
関して結合条件を改善することによって得られている。
【0095】 さらに、半減期ならびに膜浸透性を改善するために、ポリヌクレオチド骨格に
おける非常に多くの変化が行われている。それにも関わらず、ほとんど成功して
いない。
【0096】 オリゴヌクレオチドは、塩基部、糖部またはリン酸基部のいずれかにおいて修
飾することができる。これらの修飾には、例えば、メチルホスホナート、モノチ
オホスホナート、ジチオホスホナート、ホスホラミダート、リン酸エステル、架
橋されたホスホロチオアート、架橋されたホスホラミダート、架橋されたメチレ
ンホスホナート、ならびにシロキサン架橋、カルボナート架橋、カルボキシメチ
ルエステル架橋、カルボナート架橋、カルボキシメチルエステル架橋、アセトア
ミド架橋、カルバマート架橋、チオエーテル架橋、スルホキシ架橋、スルホノ架
橋、様々な「プラスチック」DNA、α−アノマー架橋およびホウ素誘導体を伴
うデホスホインターヌクレオチドアナログを使用することが含まれる。
【0097】 国際特許出願公開WO 89/12060には、そのような組み立てブロック
を規定された配列で連結することによって形成されるオリゴヌクレオチドアナロ
グならびにオリゴヌクレオチドアナログを合成するための様々な組み立てブロッ
クが開示されている。これらの組み立てブロックは、「堅い」(すなわち、環構
造を含む)または「柔軟」(すなわち、環構造を有しない)のいずれかであり得
る。両方の場合において、組み立てブロックはヒドロキシ基およびメルカプト基
を含有し、これらを介して、組み立てブロックは、オリゴヌクレオチドアナログ
を形成させるために結合させられると記載されている。オリゴヌクレオチドアナ
ログにおける連結成分は、スルフィド(−S−)、スルホキシド(−SO−)お
よびスルホン(−SO−)からなる群から選択される。
【0098】 国際特許出願公開WO 92/20702は、選択された化学核塩基またはア
ナログのいずれかが連なり、そして天然のDNAまたはRNAの場合のように暗
号文字として役立つペプチド骨格を含む非環状オリゴヌクレオチドを記載してい
る。これらの新しい化合物は、ペプチド核酸(PNA)として知られており、細
胞内において、それらの天然の対応物よりも安定であるだけでなく、天然のDN
AおよびRNAと、天然核酸の結合よりも50倍〜100倍強く互いに結合する
。PNAオリゴマーは、メリーフィールド固相ペプチド合成によって、チミン、
シトシン、アデニンおよびグアニンを含有する4つの保護されたモノマーから合
成することができる。水溶性を増大させ、かつ凝集を防止するために、リシンの
アミノ基がC末端領域に置かれ、そしてPEG化され得る。
【0099】 従って、アンチセンス技術は、翻訳を阻害する二重らせんを形成するためにメ
ッセンジャーRNAがオリゴヌクレオチドと対形成することを必要とする。アン
チセンスによって媒介される遺伝子治療の概念は、ガン治療のために1978年
に既に導入されていた。この方法は、ガン細胞の細胞分裂および増殖において極
めて重要ないくつかの遺伝子に基づいていた。遺伝物質DNAの合成フラグメン
トによってこの目的が達成され得る。そのような分子は、腫瘍細胞のRNA内の
標的化された遺伝子分子に結合し、それによって、遺伝子の翻訳を阻害して、こ
れらの細胞の機能不完全な増殖をもたらす。他の機構もまたいくつか提案されて
いる。これらの方法は、ガンの処置、ならびにウイルス疾患および他の感染性疾
患を含む他の病気の処置において使用され、ある程度の成功を収めている。アン
チセンスオリゴヌクレオチドは、典型的には13ヌクレオチド〜30ヌクレオチ
ドの長さで合成される。血液中におけるオリゴヌクレオチド分子の寿命期間はか
なり短い。従って、オリゴヌクレオチド分子は、体内に存在する遍在性のヌクレ
アーゼによる分解を妨げるために化学修飾されなければならない。ホスホロチオ
アートは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの進行中の臨床試験において非常に
広く使用されている修飾である。新世代のアンチセンス分子は、合成DNAの中
心部分を有するハイブリッドアンチセンスオリゴヌクレオチドからなり、同時に
、各末端における4つの塩基が、RNAに類似させるために2’O−メチルリボ
ースによって修飾されている。実験室動物における前臨床研究において、そのよ
うな化合物は、第1世代の未修飾型ホスホロチオアートと比較した場合、体組織
における代謝に対する大きくなった安定性、および改善された安全性プロフィル
を示している。数十の他のヌクレオチドアナログもまたアンチセンス技術におい
て試験されている。
【0100】 RNAオリゴヌクレオチドもまた、標的との安定なRNA−RNA二重鎖を形
成するのでアンチセンス阻害のために使用することができる。このことは効率的
な阻害を示唆している。しかし、それらの低い安定性のために、RNAオリゴヌ
クレオチドは、典型的には、この目的のために設計されたベクターを使用して細
胞の内部において発現される。この方法は、大量に存在する長寿命のタンパク質
をコードするmRNAを標的化することを試みる場合には好都合である。
【0101】 最近の科学刊行物は、肝炎、ガン、冠状動脈再狭窄および他の疾患の動物モデ
ルにおけるアンチセンス化合物の効き目の有効性を評価している。最初のアンチ
センス薬物が最近FDAによって承認された。Isisによって開発されたこの
薬物(フォミビルセン:Fomivirsen)は、CMV網膜炎に対する他の
処置に対して不耐性であるか、またはそのような処置に対して禁忌者であるか、
あるいはCMV網膜炎に対する以前の処置に対して不十分な応答性であったAI
DS患者におけるサイトメガロウイルスの局所的処置に対して指示されている(
Pharmacotherapy News Network)。
【0102】 いくつかのアンチセンス化合物が、現在、米国において臨床試験中である。こ
れらには、局所投与される抗ウイルス剤、全身的なガン治療剤が含まれる。アン
チセンス治療法は、従来の薬物を上回る数多くの利点とともに、命を脅かす多く
の疾患を処置する可能性を有している。従来の薬物は、疾患原因タンパク質が形
成された後に介入する。しかし、アンチセンス治療剤は、mRNAの転写/翻訳
を阻止するので、タンパク質が形成される前に介入する。アンチセンス治療剤は
1つの特定のmRNAのみを標的化するので、アンチセンス治療剤は、現在のタ
ンパク質阻害治療よりも少ない副作用により、より効果的であるはずである。
【0103】 転写レベルで遺伝子発現を中断させるための第2の選択肢により、二本鎖DN
Aとハイブリダイゼーションし得る合成オリゴヌクレオチドが使用される。三重
らせんが形成される。そのようなオリゴヌクレオチドは、遺伝子のプロモーター
に対する転写因子の結合を妨げ、従って転写を阻害することができる。あるいは
、そのようなオリゴヌクレオチドは、二重鎖がほどけることを妨げ、従って、三
らせん構造内の遺伝子の転写を妨げることができる。
【0104】 従って、本発明のさらなる局面により、本明細書中に記載されているアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドと、薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物
が提供される。薬学的に受容可能なキャリアは、例えば、アンチセンスオリゴヌ
クレオチドが負荷されたリポソームであり得る。局所投与される配合物には、ロ
ーション、軟膏、ゲル剤、クリーム、坐薬、ドロップ剤、液剤、スプレー剤およ
び粉末剤が含まれ得るが、これらに限定されない。従来の薬学的キャリア、水性
、粉末または油性の基剤、増粘剤などが必要または所望され得る。経口投与され
る組成物には、粉末剤または顆粒剤、水または非水性媒体における懸濁剤または
溶液剤、サッシェ剤、カプセル剤または錠剤が含まれる。増粘剤、希釈剤、風味
剤、分散助剤、乳化剤または結合剤が所望され得る。非経口投与用の配合物には
、緩衝剤、希釈剤および他の好適な添加剤をも含有し得る滅菌された水溶液が含
まれ得るが、これに限定されない。
【0105】 本発明のさらにさらなる局面により、本明細書中に記載されているアンチセン
スオリゴヌクレオチドと、それに融合したリボザイム配列とを含むリボザイムが
提供される。そのようなリボザイムは、固相オリゴヌクレオチド合成を使用して
容易に合成することができる。
【0106】 リボザイムは、目的とするタンパク質をコードするmRNAの切断による遺伝
子発現の配列特異的な阻害のためにますます使用されている。任意の特定の標的
RNAを切断するリボザイムを設計できることにより、リボザイムは、基礎的な
研究および治療的適用の両方で有用なツールになっている。治療領域において、
リボザイムは、感染性疾患におけるウイルスRNA、ガンにおける優勢なガン遺
伝子、および遺伝子疾患における特定の体細胞変異を標的化するために利用され
ている。最も注目されることに、HIV患者に対するいくつかのリボザイム遺伝
子治療プロトコルが既に第1相試験にある。より近年に、リボザイムは、トラン
スジェニック動物研究、遺伝子標的有効性評価および経路解明のために使用され
ている。いくつかのリボザイムが臨床試験の様々な段階にある。ANGIOZY
MEは、ヒトの臨床試験において研究され得る最初に化学合成されたリボザイム
であった。ANGIOZYMEは、血管形成経路における重要な成分であるVE
GF−r(血管内皮増殖因子受容体)の形成を特異的に阻害する。Ribozy
me Pharmaceuticals,Inc.ならびに他の企業が、動物モ
デルにおける抗血管形成治療剤の重要性を明らかにしている。HEPTAZYM
Eは、C型肝炎ウイルス(HCV)RNAを選択的に破壊するように設計された
リボザイムであり、C型肝炎ウイルスRNAを細胞培養アッセイで減少させるこ
とにおいて効果的であることが見出された(Ribozyme Pharmac
euticals,Incorporated−WEBホームページ)。
【0107】 本発明のさらに別の局面により、Genetic Computer Gro
up(GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフ
トウエアパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギ
ャップ伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7または
その一部との相同性(同一性+類似性)が少なくとも60%(好ましくは少なく
とも65%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも7
5%、さらにまた好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85
%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%〜10
0%)であるポリペプチドを特異的に認識して結合する免疫グロブリンを含む抗
体が提供される。本発明のこの局面の好ましい実施形態により、抗体は、配列番
号3、5、7またはその一部に示されるポリペプチドを特異的に認識して結合す
る。
【0108】 本発明は、血清免疫グロブリン、ポリクローナル抗体またはそのフラグメント
(すなわち、抗体の免疫反応性誘導体)、あるいはモノクローナル抗体またはそ
のフラグメントを利用することができる。モノクローナル抗体、あるいは抗原結
合領域の一部を少なくとも有するモノクローナル抗体の精製されたフラグメント
(これらには、Fv、F(abl)2、Fabの各フラグメント(Harlow
およびLane、1988、Antibody、Cold Spring Ha
rbor)、単鎖抗体(米国特許第4,946,778号)、キメラ抗体または
ヒト化抗体、および相補性決定領域(CDR)などが含まれる)は、従来の手法
によって調製することができる。これらの血清免疫グロブリン抗体またはフラグ
メントの精製は、当業者に知られている様々な方法によって達成され得る。その
ような方法には、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムによる沈殿化、その後
の生理食塩水に対する透析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィーまたは免疫アフィニティークロマトグラフィー、ならびにゲル
ろ過、ゾーン電気泳動などが含まれる(Goding、Monoclonal
Antibodies:Principles and Practice(第
2版)、104頁〜126頁、1986年、Orlando、Fla、Acad
emic Pressを参照のこと)。正常な生理学的条件のもとで、抗体は、
血漿および他の体液において、そしてある種の細胞の膜において見出され、B細
胞と呼ばれるタイプのリンパ球またはその機能的等価体によって産生される。I
gGクラスの抗体は、ジスルフィド結合によってともに連結された4つのポリペ
プチド鎖から構成される。完全なIgG分子の4つの鎖は、H鎖として示される
2つの同一な重鎖、およびL鎖として示される2つの同一な軽鎖である。さらな
るクラスには、IgD、IgE、IgA、IgMおよび関連するタンパク質が含
まれる。
【0109】 モノクローナル抗体の作製および選択に関する方法は、例えば、Tramon
tanoおよびSchloeder、Methods in Enzymolo
gy、178、551〜568、1989年などの総説にまとめられているよう
にこの分野では十分に知られている。本発明の組換えタンパク質は、インビトロ
で抗体を作製するために使用することができる。より好ましくは、本発明の組換
えタンパク質は、インビボで抗体を誘発させるために使用される。一般には、好
適な宿主動物が本発明の組換えタンパク質で免疫化される。好都合には、使用さ
れる動物宿主は同系交配系統のマウスである。動物は、典型的には、生理学的に
受容可能なビヒクルにおける本発明の組換えタンパク質の溶液と、免疫原に対す
る増強された免疫応答を達成する任意の好適なアジュバントとを含む混合物で免
疫化される。例として、一次免疫化が、本発明の組換えタンパク質の溶液とフロ
イント完全アジュバントとの混合物を用いて都合良く達成され得る。この場合、
前記混合物は油中水型エマルションの形態で調製される。典型的には、免疫化は
、筋肉内に、皮内に、皮下に、腹腔内に、肉趾内に、または任意の適切な投与経
路によって動物に施される。免疫原の免疫化スケジュールは、必要に応じて適合
化され得るが、通例的には、フロイント不完全アジュバントなどのより穏和なア
ジュバントを使用する数回のその後の免疫化または二次免疫化を含む。抗体の力
価および組換えタンパク質に対する結合特異性が、例として、放射免疫アッセイ
または酵素結合免疫吸着アッセイ(これはELISAアッセイとして知られてい
る)を含む任意の便利な方法によって免疫化スケジュールの途中で測定され得る
。好適な抗体力価が達成された場合、免疫化動物に由来する抗体産生リンパ球が
得られ、そして抗体産生リンパ球は、この分野で知られているように、培養、選
抜およびクローン化が行われる。典型的には、リンパ球は免疫化動物の脾臓から
大量に得ることができるが、循環、リンパ節または他のリンパ様器官からもまた
回収することができる。その後、リンパ球は、この分野で十分に知られているよ
うに、ハイブリドーマを得るために任意の好適なミエローマ細胞株と融合させら
れる。あるいは、リンパ球はまた、確立されたプロトコルに従って、培養状態で
増殖させるために刺激することができ、そしてウイルス、化学薬品、またはガン
遺伝子などの核酸にこれらのリンパ球をさらすことを含むこの分野で知られてい
る方法によって不死化され得る。融合後、ハイブリドーマは、例えば、マルチウ
エルプレートにおいて好適な培養条件のもとで培養され、そして培養上清が、選
ばれたハプテンを認識する抗体を含有する培養物を同定するためにスクリーニン
グされる。本発明の組換えタンパク質を認識する抗体を分泌するハイブリドーマ
が、適切な培養条件のもとで、限界希釈によってクローン化され、そして拡大培
養される。モノクローナル抗体は精製され、そして免疫グロブリンのタイプおよ
び結合親和性に関して特徴付けられる。
【0110】 本発明のさらなる様々な目的、利点および新規な特徴は、限定することを意図
しない下記の実施例を検討したときに当業者には明らかになる。さらに、上記に
概略され、そして下記の請求項の節において記載されている本発明の様々な実施
形態および局面はそれぞれ、下記の実施例において実験的に裏付けられている。
【0111】 実施例 次に、下記の実施例が参照される。下記の実施例は、上記の説明とともに、非
限定的な様式で本発明を例示する。
【0112】 一般に、本明細書中に記載されている命名法、および下記に記載されている組
換えDNA技術における実験室手法は、この分野で十分に知られているものであ
り、かつ広く用いられている。標準的な技術が、クローニング、DNAおよびR
NAの単離、増幅および精製のために使用されている。一般に、DNAリガーゼ
、DNAポリメラーゼおよび制限エンドヌクレアーゼなどを含む酵素反応は、製
造者の説明書に従って行われている。これらの技術および様々な他の技術は、一
般に、Sambrook他、Molecular Cloning−A Lab
oratory Manual、Cold Spring Harbor La
boratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(198
9年)に従って行われている(これは参考として本明細書中に組み込まれる)。
他の一般的な参考文献が本明細書中に提供されている。それらの手法は、この分
野では十分に知られていると考えられ、読者の便宜を図るために提供されている
。それらに含まれる情報はすべて、参考として本明細書中に組み込まれる。
【0113】 材料および実験方法 下記のプロトコルおよび実験の細部が下記の実施例において参照される: プライマーの一覧: hn11116 5’−GGAGAGCAAGTCTGTGTTGATTC−3’ (配列番号10) hn11230 5’−CACTGGTAGCCATGAGTGTGAG−3’ (配列番号11) hn1u350 5’−TTGGTCATCCCTCCAGTCACCA−3’ (配列番号12) pn9−312u 5’−CTTGCCTGTAGACAGAGCTGCAG−3’ (配列番号14) hpu−685 5’−GAGCAGCCAGGTGAGCCCAAGA−3’ (配列番号16) hp1967 5’−TCAGATGCAAGCAGCAACTTTGGC−3’ (配列番号17) mn1u118 5’−CACCCTGATGTCATGCTGGAG−3’ (配列番号18) mn11563 5’−CATCTAGGAGAGCAATGACGTTC−3’ (配列番号19) Ap1 5’−CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC−3’ (配列番号20) Ap2 5’−ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC−3’ (配列番号21)
【0114】 サザン分析: ゲノムDNAを、血液および細胞培養DNAmaxiキット(Qiagene
)を使用して動物またはヒト血液から抽出した。DNAをEcoRIで消化し、
ゲル電気泳動によって分離し、そしてナイロンメンブランHybond N+(
Amersham)に移した。PCR産物を同様な手順で処理した。ハイブリダ
イゼーションを、6xSSC、1%SDS、5xデンハルト、10%デキストラ
ン硫酸、100μg/mlサケ精子DNAおよび32p標識プローブにおいて6
8℃で行った。162ヌクレオチドを除くオープンリーディングフレーム全体(
del:473〜634、配列番号1)を含有するpn9(1.7kbフラグメ
ント)をプローブとして使用した。ハイブリダイゼーション後、メンブランを、
3xSSC、0.1%SDSを用いて68℃で洗浄し、X線フィルムに3日間感
光させた。その後、メンブランを、0.1xSSC、0.1%SDSを用いて6
8℃で洗浄して、4日間にわたって再感光した。
【0115】 RT−PCR: RNAを、製造者の説明書に従ってTRI試薬(Molecular Res
earch Center Inc.)を使用して調製した。1.25μgを、
SuperScriptII逆転写酵素(Gibco BRL)およびオリゴ(
dT)15プライマー(配列番号22)(Promega)を使用する逆転写反
応のために用いた。得られた第1鎖cDNAの増幅を、Taqポリメラーゼ(P
romega)を用いて、あるいはExpand高忠実性(Boehringe
r Mannheim)を用いて行った。
【0116】 cDNA配列分析: 配列決定を、ベクター特異的プライマーおよび遺伝子特異的プライマーを用い
て、自動化されたDNA配列決定装置(Applied Biosystems
、モデル373A)を使用して行った。各ヌクレオチドを少なくとも2つの独立
したプライマーから読んだ。コンピューター処理および配列分析およびアライン
メントを、Genetic Computer Group(GCG)(ウイス
コンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケージを使
用して行った。2つの配列のアラインメントを、Bestfit(ギャップ生成
ペナルティー:12、ギャップ伸長ペナルティー:4)を使用して、あるいはG
apプログラム(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルティー
:3)を用いて行った。
【0117】 組織分布: hnhp1転写物の組織分布を半定量的PCRによって決定した。cDNAパ
ネルをClontechから得た。PCRを、遺伝子に特異的なプライマーのh
n1u350(配列番号12)およびhn11116(配列番号10)を用いて
行った。PCRプログラムは下記の通りであった:94℃で3分間、その後、9
4℃で45秒間、64℃で1分間、72℃で1分間の40サイクル。サンプルを
、25サイクル、30サイクル、35サイクルおよび40サイクルの後でさらな
る分析のために採取した。
【0118】 染色体局在化: hnhp1の染色体局在化を、放射ハイブリッドパネルのStanford
G3を使用して行った。このパネルは、Weizmann Institute
のヒトゲノムセンターによって提供された。hnhp1遺伝子の225bpのゲ
ノムフラグメントを、遺伝子に特異的なプライマーのhn1u350(配列番号
12)およびhn11116(配列番号10)を使用して増幅した。PCRプロ
グラムは下記の通りであった:94℃で3分間、その後、94℃で45秒間、6
4℃で1分間、72℃で1分間の39サイクル。結果の分析を、Stanfor
dヒトゲノムセンターのRHサーバーによって行った。
【0119】 実施例1 新規なヘパラナーゼ遺伝子に対するESTのクローニング ヒトヘパラナーゼのアミノ酸配列全体(配列番号9)を使用して、ヒトEST
データベースを相同的な配列についてスクリーニングした。スクリーニングを、
NCBIのBLAST2.0サーバー、ベーシックBLASTサーチ、tbla
stnプログラムを使用して行った。
【0120】 相同性が遠いフラグメントが得られた:精巣B細胞および胎児胚から調製され
たSoares NFL GBC S1ヒトcDNAライブラリーに由来す
るアクセション番号AI222323、IMAGEクローン番号1843155
。この配列に対する検索値は下記の通りであった:スコア=38.3ビット(8
7)、予想=0.15、同一性=16/36(44%)、陽性=22/36(6
0%)。アクセション番号AI222323の配列は、(配列番号23のヌクレ
オチド165〜543に対して相補的な)クローン1843155の3’の37
8ヌクレオチドを含有する。
【0121】 このクローンはIMAGEコンソーシアムから購入した。これは、560bp
(配列番号23)のインサートを含有した。全ヌクレオチド配列を決定して、ヒ
トヘパラナーゼをコードするhpaのcDNAと比較した。クローン18431
55とhpa cDNAとの相同性は、cDNAクローンの3’領域に限定され
ていた。クローン1843155のヌクレオチド99〜275(配列番号23)
と、hpaのヌクレオチド1532〜1708(配列番号24)との相同性は5
9%であった。この領域の推定アミノ酸配列は、ヒトヘパラナーゼのアミノ酸4
88〜542(配列番号9)に対して60%の相同性(同一性+類似性)を有し
ていた。下流の配列(ヌクレオチド276〜560、配列番号23)は3’非翻
訳領域およびポリAテールを表す。上流の配列(ヌクレオチド1〜98、配列番
号23)は、ヘパラナーゼとは関係がなかった。この関連しない配列が、同じラ
イブラリーに由来する1つの異なるcDNAクローンと同一であることが見出さ
れた。従って、IMAGEコンソーシアムから得られたヒトESTクローン18
43155は、1つのベクターに連結された2つの関連しない部分的なcDNA
を含有するキメラであると考えられる。
【0122】 実施例2 新規なヘパラナーゼ遺伝子のcDNAのクローニング 完全なcDNAを単離するために、3つのプライマーをクローン184315
5の配列に従って設計した。cDNAを、製造者の説明書に従ってMarath
on RACE(cDNA末端の迅速な増幅)(Clontech、Palo
Alto、California)によって胎盤cDNAから増幅した。最初の
サイクルは、遺伝子特異的プライマーhn11116(配列番号10)とユニバ
ーサルプライマーAp1(配列番号20)とを用いて行った。次のサイクルは、
遺伝子特異的プライマーhn11230(配列番号11)とユニバーサルプライ
マーAp2(配列番号21)とを用いて行った。増幅後、約1.7kbの広がっ
たバンドが得られた。このcDNA増幅産物をpGEM T−easy(Pro
mega、Madison、WI)にサブクローン化して、3つの独立したクロ
ーン(pn5、pn6およびpn9)のヌクレオチド配列を決定した。最長cD
NA(pn6)のコンセンサス配列を図1に示す(配列番号1、2および3)。
これは、2060ヌクレオチドの長さであり、1776ヌクレオチドのオープン
リーディングフレームを含み、66.5kDaの計算された分子量を有する59
2アミノ酸のポリペプチドをコードしている。この新しくクローン化された遺伝
子はhnhp1と呼ばれた。2つのより短い形態のpn9およびpn5ならびに
それらの推定アミノ酸配列を配列番号4および6ならなびに配列番号5および7
にそれぞれ示す。pn9およびpn5はpn6と同一であったが、それらの一方
はそれぞれ、選択的スプライシングの結果としてのインフレームの欠失を含有し
ていた。pn9は、配列番号3のアミノ酸150〜203に対応する162ヌク
レオチド(配列番号1の473〜634)の欠失を含有する。その結果、pn9
は、計算された分子量が60.4kDaである538アミノ酸(配列番号5)の
仮想的なポリペプチドをコードする。pn5は、配列番号3のアミノ酸150〜
261に対応する336ヌクレオチド(配列番号1の473〜808)の欠失を
含有する。従って、これは、計算された分子量が53.9kDaである480ア
ミノ酸(配列番号7)の仮想的なポリペプチドをコードする。配列番号3の11
番目のアミノ酸残基はメチオニンである。最初のメチオニンが哺乳動物における
翻訳開始部位として作用することが一般に受け入れられている。しかし、2番目
のATGの周りのヌクレオチドが翻訳開始部位に対するKozakコンセンサス
配列とより良好に一致している。従って、翻訳は、この2番目のメチオニンから
開始され、計算された分子量が65.4kDaである581アミノ酸のタンパク
質をもたらし得る。様々な長さの転写物の存在が、下記の2つの遺伝子特異的プ
ライマーを使用するhn1hp cDNAのPCR増幅によって確認された:5
’末端の近いところに位置するpn9−312u(配列番号14)、およびオー
プンリーディングフレームの3’末端における停止コドンと重なるhn1123
0(配列番号11)。増幅を、胎盤および精巣から調製されたMarathon
レディーcDNAから行った。PCR産物を図3に示す。4つのバンドが胎盤か
ら得られた:pn9およびpn6と類似している1.45kbおよび1.6kb
の2つの主バンド、およびpn5に類似している1.35kbのバンドと1.8
kbの別のバンドとの2つの微量バンド。後者の配列はまだ決定されていない。
精巣cDNAの増幅は異なるパターンをもたらした。1.35kb、1.65k
b、1.85kbおよび2.05kbの4つのバンドが認められ、そして1.5
kbの微量バンドが認められた。これらの様々な形態は、選択的スプライシング
の産物を表していることが考えられる。これまでに特徴付けられた欠失体がオー
プンリーディングフレームを保持しているので、これらの様々なcDNAの翻訳
産物はタンパク質ファミリーを構成し得る。hnhp1およびヘパラナーゼのア
ミノ酸配列間の比較を図3に示す。アミノ酸配列全体をアラインメントするGC
Gパッケージのgapプログラムを使用した場合、2つのタンパク質間の相同性
は45.5%の同一性および7.3%の類似性であり、全体的な相同性は52.
8%である(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルティー:3
)。BestFitプログラムにより、最も良い相同性の領域が2つの配列間に
明らかにされる。このプログラムを使用した場合、2つのアミノ酸配列間の相同
性は、hn1hp1の63位(配列番号3)およびヘパラナーゼの41位(配列
番号9)から始まり、そして47.5%の同一性および7.8%の類似性である
(すなわち、55.3%の相同性)。hnhp1およびhpaのヌクレオチド配
列間の相同性は、BestFitプログラムによって計算された場合には57%
である。相同的な領域は、hnhp1のヌクレオチド638〜1812(配列番
号1)とhpaのヌクレオチド564〜1708(配列番号24)との間に存在
している。Gapプログラムを使用した場合、相同性は配列全体で51%である
(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルティー:3)。
【0123】 実施例3 動物ブロット hnhp1のcDNAを、ヒトDNAおよび様々な動物のDNAにおける相同
的な配列を検出するためのプローブとして使用した。サザン分析のオートラジオ
グラムを図4に示す。数個のバンドがヒトDNAにおいて検出された。数個の強
いバンドがすべての動物において検出されたが、かすかなバンドがニワトリにお
いて検出された。このことは、ヒトと、調べられた動物との系統発生的な関係と
相関している。強いバンドは、hnhp1が、哺乳動物の間に、そしてより遺伝
的に遠い生物において保存されていることを示している。多数のバンドのパター
ンは、すべての動物において、hnhp1の遺伝子座が大きなゲノム領域を占め
ていることを示唆している。数個の特定のバンドがストリンジェントな洗浄の後
で消失した。これらは相同的な配列を表していることが考えられる。このことは
、ここに報告されているヒトhnhp1に対するそれらの相同性に基づいて単離
され得る遺伝子ファミリーの存在を示唆している。
【0124】 実施例4 交差ハイブリダイゼーションによりヘパラナーゼとの比較 ストリンジェンシーが低い条件のもとでhpaおよびhnhp1が交差ハイブ
リダイゼーションし得る可能性を調べるために、ヒトhpaおよびhnhp1の
コード領域全体をPCRによって増幅した。ヒトhpaを、hpu−685(配
列番号16)およびhp1967(配列番号17)のプライマーを使用するRT
−PCRによって血小板mRNAから増幅し、そしてhnhp1を、hn112
30(配列番号11)およびpn9−312u(配列番号14)のプライマーを
使用して精巣から増幅した。生成物を定量し、100pgおよび1ngのサンプ
ルをアガロースゲルで泳動して、サザンハイブリダイゼーションに供した。メン
ブランを、32p標識hpa cDNAおよびhnhp1 cDNAを用いてプ
ローブした。交差ハイブリダイゼーションは、5日間の感光を行った後でさえ認
められなかった(図5)。hpaは、今日、hnhp1の配列に対して最も類似
した知られている配列であるので、この実験は、図4のオートラジオグラフにお
いて検出されたバンドは、hnhp1遺伝子またはそれに対して相同的な未だ知
られていない配列(これらは遺伝子ファミリーを構成し得る)に由来することを
示している。このことはさらに、そのような配列が、関連するライブラリーをス
クリーニングするためのプローブとしてhnhp1を使用するか、あるいは関連
するcDNA配列またはDNA配列を増幅するためのhnhp1由来PCRプラ
イマーを使用して単離されることを示している。
【0125】 実施例5 染色体局在化 hnhp1の染色体局在化を、G3放射ハイブリッドパネルを使用して決定し
た。hnhp1を83個のヒト/マウスの放射ハイブリッドから増幅した。結果
をRHサーバーによって分析して、hnhp1遺伝子が、第10染色体に対して
、マーカーSHGC−57721の隣りにマッピングされた。これらの結果はま
た、この遺伝子の別のコピーの可能性を示していた。
【0126】 実施例6 hnhp1の発現パターン hnhp1転写物の組織分布を、校正されたヒトcDNAパネル(Clont
ech、Palo Alto、Ca)を使用して決定した。結果を下記の表1に
示す。発現レベルは一般に低い。PCR産物が、40サイクルの増幅の後におい
てのみ明瞭に認められた。 表 1 組織 hn1(40サイクル) 骨髄 肝臓 リンパ節 + 白血球 脾臓 + 胸腺 扁桃 結腸 + 卵巣 + 前立腺 ++ 小腸 ++ 精巣 +++
【0127】 実施例7 マウスホモログのクローニング ヘパラナーゼならびにhnhp1のアミノ酸配列を用いてマウスESTデータ
ベースをスクリーニングすることにより、マウスのESTクローンが得られた。
これは、ヘパラナーゼとの遠い相同性を有し、hnhp1と著しく大きな相同性
を有している。マウス胸腺に由来するESTクローン1378452(アクセシ
ョン番号AI019269)は、351ヌクレオチドの長さであり、配列番号8
に示されている。これは、GCGパッケージのBestFitプログラムを使用
して、ヒトのhpaヌクレオチド(配列番号24)およびマウスのhpaヌクレ
オチド(配列番号15)に対して161ヌクレオチド(191〜351、配列番
号8)にわたって61%〜63%の同一性を有し、hnhp1ヌクレオチド配列
(配列番号1)に対して93%の同一性を有している。このクローンのヌクレオ
チド配列はオープンリーディングフレームを含んでいなかった。2つのフレーム
シフトが、hnhp1配列と比較した場合、ESTデータベースで見出された配
列において同定された。このフレームシフトは、その後、このクローンのヌクレ
オチド配列分析によって、そしてこのフラグメントをBL6マウスメラノーマ細
胞から単離して、そのヌクレオチド配列を決定することによって確認された。こ
のマウス遺伝子は非常に低いレベルで転写されている。低いレベルの発現が示さ
れた。そのため、増幅産物は、40サイクルのPCRの後、マウスの心臓、脳、
脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、精巣、ならびに7日目、11日目、15日目お
よび17日目の胚に由来するcDNAを含むマウスcDNAパネル(Clont
ech、Palo Alto、Ca)から得られなかった。増幅は、遺伝子特異
的プライマーのmn1u118(配列番号18)およびmn11563(配列番
号19)を使用して行った。
【0128】 実施例8 哺乳動物細胞におけるhnhp1の発現 哺乳動物発現ベクターを、hnhp1をヒト細胞において過剰発現させるため
に構築した。hnhp1の翻訳産物を検出するために、hnhp1発現ベクター
を、C末端が標識されたhn1タンパク質をコードするように設計した。8アミ
ノ酸のFLAG(Kodak)をコードするDNA配列を、hnhp1のオープ
ンリーディングフレームの3’端に融合した。
【0129】 FLAG配列のhnhp1コード配列への融合は、プライマーhn1−c−f
lag:5’−A−3’(配列番号25)およびプライマー:pn9−312u
(配列番号14)を使用するPCR増幅によって得られた。PCRプログラムは
下記の通りであった:94℃で3分間、その後、94℃で45秒間、50℃で4
5秒間および72℃で2分間の5サイクル、その後、94℃で45秒間、64℃
で45秒間および72℃で2分間の32サイクル。
【0130】 増幅産物をpGEM−T−easyにサブクローン化して、その配列を確認し
た。得られたプラスミドはpGEM−pn6FおよびpGEM−pn9Fと呼ば
れた。
【0131】 2つの構築物をpSI哺乳動物発現ベクター(Promega)において作製
した:第1の構築物は完全なhnhp1配列(pn6)を含有し、第2の構築物
は選択的スプライシング形態(pn9)を含有した。pSI−pn6発現ベクタ
ーを下記フラグメントの三重連結によって構築した:pGem−T−easy−
pn9から切り出される、hn1−pn6の5’端を含有するEcoRI−Ba
mHIフラグメント、pGEM−pn6Fから切り出される、3’FLAG標識
hnhp1を含有するBamHI−NotIフラグメント、およびEcoRI−
NotIで消化されたpSI。
【0132】 pSI−pn9発現ベクターを下記フラグメントの三重連結によって同様に構
築した:pGem−T−easy−pn9から切り出される、hnhp1−pn
6の5’端を含有するEcoRI−SspIフラグメント、pGem−pn6F
から切り出される、3’FLAG標識hnhp1を含有するSspI−NotI
フラグメント、およびEcoRI−NotIで消化されたpSI。
【0133】 得られたプラスミドを、Fugeneトランスフェクション試薬(Boehr
inger Mannheim)を使用してヒト胚性腎臓293細胞にトランス
フェクションした。トランスフェクションの48時間後に細胞を集め、タンパク
質をウエスタンブロットにより分析した。2.5x10個の細胞の溶解物をS
DS−PAGEによって分離し、ナイロンメンブランに移し、1:1000希釈
の抗FLAG抗体(Kodak抗FLAGM2 cat:IB13025、最終
濃度:10μg/ml)とともにインキュベーションした。約65kDaおよび
60kDaのタンパク質が、それぞれ、pSI−pn6FおよびpSI−pn9
Fでトランスフェクションされた細胞において検出された。これらのタンパク質
は、対応するオープンリーディングフレームの翻訳産物について計算される分子
量によって予想されるタンパク質にサイズが類似している。完全なhnhp1の
cDNAおよびpn9スプライシング形態はともに、ヒト293細胞において問
題なく転写および翻訳されることが明らかにされる。しかし、ヘパラナーゼとは
異なり、Hnhp1のタンパク質生成物は、主要なプロセシングをこれらの細胞
において受けていない。
【0134】 本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、改変お
よび変化が当業者には明かであることは明白である。従って、本発明は、添付さ
れた請求項の精神および広い範囲に含まれるすべてのそのような代替、改変およ
び変化を包含するものとする。本明細書中に引用されている刊行物はすべて、そ
の全体が参考として組み込まれる。
【参考文献】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 hnhp1のヌクレオチド配列(配列番号1〜2)および推定アミノ酸配列(
配列番号2〜3)を示す。
【図2】 hnhp1(配列番号2〜3)およびヘパラナーゼ(配列番号9)の推定アミ
ノ酸配列の比較である。
【図3】 hnhp1転写物の変化性を例示する。
【図4】 動物ブロットを示す。
【図5】 hpaとhnhp1との交差ハイブリダイゼーションを例示する。
【図6】 ヘパラナーゼおよびhnhp1のヒドロパシープロフィルの比較である。
【図7】 ヒト胚性腎臓293細胞において発現させた組換えhnhp1のウエスタンブ
ロット分析を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/00 C12N 15/00 ZNAA 9/24 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 イツハキ, ハナン イスラエル, 74062 ネス ズィオナ, ハタヤシム ストリート 36/16 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA12 BA80 CA01 CA04 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 4B050 CC01 CC03 DD01 LL01 LL03 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90Y AA93Y AB01 BA01 CA31 CA44 CA46

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1、4、6またはその一部と、6xSSC、1%S
    DS、5xデンハルト、10%デキストラン硫酸、100μg/mlサケ精子D
    NAおよび32p標識プローブにおいて68℃でハイブリダイゼーション可能で
    あり、かつ3xSSCおよび0.1%SDSを用いて68℃で洗浄されるポリヌ
    クレオチドを含む単離された核酸。
  2. 【請求項2】 Genetic Computer Group(GCG)
    (ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケ
    ージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナ
    ルティー:3)を使用して決定される配列番号1、4、6またはその一部との同
    一性が少なくとも60%であるポリヌクレオチドを含む単離された核酸。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドは、配列番号1、4、6またはその一
    部に示されている通りである、請求項2に記載の単離された核酸。
  4. 【請求項4】 Genetic Computer Group(GCG)
    (ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケ
    ージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナ
    ルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7またはその一部との相
    同性が少なくとも60%であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含
    む単離された核酸。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されるポリヌクレオチドによってコードされ
    るポリペプチドを含む組換えタンパク質。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載されるポリヌクレオチドによってコードされ
    るポリペプチドを含む組換えタンパク質。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載されるポリヌクレオチドによってコードされ
    るポリペプチドを含む組換えタンパク質。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載されるポリヌクレオチドによってコードされ
    るポリペプチドを含む組換えタンパク質。
  9. 【請求項9】 Genetic Computer Group(GCG)
    (ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケ
    ージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナ
    ルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7またはその一部との相
    同性が少なくとも60%であるポリペプチドを含む組換えタンパク質。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドは、配列番号3、5、7またはその一部
    に示されている通りである、請求項9に記載の組換えタンパク質。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載される単離された核酸を含む核酸構築物。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載される単離された核酸を含む核酸構築物。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載される単離された核酸を含む核酸構築物。
  14. 【請求項14】 請求項4に記載される単離された核酸を含む核酸構築物。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載される核酸構築物を含む宿主細胞。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載される核酸構築物を含む宿主細胞。
  17. 【請求項17】 請求項13に記載される核酸構築物を含む宿主細胞。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載される核酸構築物を含む宿主細胞。
  19. 【請求項19】 (i)Genetic Computer Group(
    GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエ
    アパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ
    伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7またはその一
    部との相同性が少なくとも60%であるポリペプチドをコードするポリヌクレオ
    チド鎖の一部;または (ii)Genetic Computer Group(GCG)(ウイス
    コンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケージのB
    estfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルティー
    :3)を使用して決定される配列番号1、4、6またはその一部との同一性が少
    なくとも60%であるポリヌクレオチド鎖の一部 と、生理学的条件のもと、インビボでハイブリダイゼーションし得る少なくとも
    10塩基のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドアナログを含むアンチセン
    スオリゴヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載されるアンチセンスオリゴヌクレオチド
    とリボザイム配列とを含むリボザイム。
  21. 【請求項21】 (i)Genetic Computer Group(
    GCG)(ウイスコンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエ
    アパッケージのBestfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ
    伸長ペナルティー:3)を使用して決定される配列番号3、5、7またはその一
    部との相同性が少なくとも60%であるポリペプチドをコードするポリヌクレオ
    チド鎖の一部;または (ii)Genetic Computer Group(GCG)(ウイス
    コンシン大学)によって開発されたDNA配列分析ソフトウエアパッケージのB
    estfit法(ギャップ生成ペナルティー:50、ギャップ伸長ペナルティー
    :3)を使用して決定される配列番号1、4、6またはその一部との同一性が少
    なくとも60%であるポリヌクレオチド鎖の一部 と、生理学的条件のもと、インビボでハイブリダイゼーションし得る少なくとも
    10塩基のアンチセンスRNA配列の合成を導くプロモーター配列およびポリヌ
    クレオチド配列を含むアンチセンス核酸構築物。
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