JP2003503029A - 低コピー数プラスミドにおけるクローニングおよび発現の改良のための新規なベクター - Google Patents

低コピー数プラスミドにおけるクローニングおよび発現の改良のための新規なベクター

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トルーディ・グロスマン
イーアン・マクニール
ポール・オーガスト
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アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド
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Abstract

(57)【要約】 1)大きなインサートをBACプラスミドにクローン化すること、2)(プラスミドのコピー数を増加させることにより)大量のBAC DNAの単離、および3)(プラスミドのコピー数を増加させること、および/またはプロモーターをそのインサートに導入することにより)BACプラスミドのインサートからのヘテロロガス発現を増加させること、を促進する方法。インビトロで標的プラスミドへ転移可能である中程度または高コピー数の複製起点を含む転移性因子からなるプラスミドのコピー数を増加させるためのベクターが提供される。その標的プラスミドはシングルまたは低コピー数のプラスミド、例えばBACベクターであり、それは大きなDNA断片のクローニングに有用である。そのトランスポゾンプラスミドは、宿主細菌例えば大腸菌と適合する中程度または高コピー数の複製起点を含みうる。例えば、代表的なoriはpBR322由来のcolEl oriである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
コスミド、酵母人工染色体(YAC)、および細菌人工染色体(BAC)のよ
うなベクターは、大きなインサートのゲノムDNAライブラリーの構築物を可能
にする。このようなライブラリーは細菌、古細菌、哺乳類等を含む多様な生物の
重要なゲノム領域および遺伝子の単離および特徴づけに極めて重要な役目を果た
してきた。細菌人工染色体(BAC)系は、300kbまでのDNAインサートを
有するライブラリーの構築のために選択される系として出現している。BACの
主要な利点は、大きなインサートを含むプラスミドがエレクトロポーレーション
により効率的に形質転換でき、大腸菌で増殖できることである。BACベクター
の低コピー数(1細胞当り1〜2個)は、多コピーの対応するものと比較して、
大きなBACの多世代にわたる安定性に貢献すると考えられる(Kim et al, NAR
, 20 (5): 1083-1085)。人気のあるBACベクターpBeloBAC11(Research Gene
tics社)は大腸菌の内因性Fプラスミド由来である。Fバックボーンはプラスミ
ド安定性およびコピー数における役割をする4つの必須な領域を含む。parAお
よびparBの両方が分裂することおよびプラスミド安定性機能のためにに必要と
される。またparBは他のF因子に関する不和合性に必要とされる。OriSはFプ
ラスミドDNAの複製起点であり、単一方向性である。repEはOriSからの複製
およびコピー数の制御に必須であるEタンパク質をコードする。クロラムフェニ
コール耐性遺伝子は形質転換体の抗生物質選択のために組み込まれる。pBeloBAC
11はlacZ遺伝子をコードしており、従ってその組換えDNAクローンの同定は
ブルー/ホワイトセレクションにより簡易化される。BACクローニング用に最
も広く用いられる大腸菌株はDH10Bである(Grant etal. 1990. PNAS 87: 4645)
。この株の鍵となる特徴には:1)内因性制限エンドヌクレア−ゼ(hsdRMS)に
よる外来DNAの制限;2)メチル化DNA(5′メチルシトシンまたはメチル
アデニン残基、および5′ヒドロキシメチルシトシン) (mcrA、mcrB、mcrC、
およびmrr)を含むDNAの制限;3)組換え(recA1)、をブロックする突然変
異が含まれる。
【0002】 BACプラスミドはゲノムマッピング、ポジショナルクローニング、およびD
NAシークエンシング用に最も広く使用される。また、BACインサートにより
コードされるヘテロロガス活性の発現も分析可能である。BACベクターのシン
グルコピー性は挿入安定性に貢献しているのに対して、これと同じ特性は通常B
AC DNAの精製およびシークエンシングの障害である。従来法では多量の培
養液が十分なプラスミドDNAを得るために必要とされる。この多量であること
はプラスミド調製の際、著しい染色体DNA汚染をもたらし、それはDNAシー
クエンシング反応を含むその後のベクターの取り扱いをしばしば妨げる。染色体
DNAの混入した精製を最少にするために、従来のDNA分離プロトコールをか
なり修正しなければならず、それ故プラスミドDNAの分離およびシーケンシン
グのための大量原料用プロトコールに容易に従えないのである。
【0003】 シングルコピーのBACベクターの他のマイナスとなる可能性は、大腸菌での
ヘテロロガスDNAの発現に関する。特に発現がそのヘテロロガスインサートに
存在する外来プロモーターに頼っている場合には、発現は1コピーのプラスミド
により制限され得る。
【0004】 我々の発明は、1)BACプラスミドへ大きなインサートをクローン化するこ
と、2)(プラスミドのコピー数を増加することにより)大量のBAC DNA
を分離すること、および3)(プラスミドのコピー数の増加および/またはプロ
モーターをそのインサートへ導入することにより)BACプラスミドインサート
からのヘテロロガス発現を増加させること、を促進する方法を提供する。
【0005】
【発明の要約】
大きなDNA断片のクローニングおよびシークエンシングは、より多くの研究
者がゲノムの分野に参入するに従って、必要性が増してきた。多くのベクターお
よび道具がこれらの仕事のために利用可能であるが、このようなベクターは大き
なDNAインサートがベクター中で安定に維持されるように大抵低コピーである
。低コピー数のベクターを使用する場合の主な障害は、クローニングおよびシー
クエンシングのためのベクターの大量調製が難しいことである。特に、自動化シ
ークエンシング方法は低コピーのベクター用には適していない。また、大きなD
NAインサートによりコード化された遺伝子産物の発現にはそのベクターの低い
コピー数による悩みがある。ここで開示された発明は、コピー数の低いベクター
でDNAインサートのクローニング、シークエンシングおよび発現を改良するた
めの新規ベクターを提供する。一つの面では、本発明は、標的プラスミドへイン
ビトロで転移可能である中程度または高コピー数の複製起点を含む転移性因子を
包含するプラスミドのコピー数を増加させるためのベクターを提供する。標的プ
ラスミドは、シングルまたは低コピー数のプラスミド、例えばBACベクターで
あり、それは大きなDNA断片のクローニングに有用である。そのトランスポゾ
ンプラスミドは、宿主細菌例えば大腸菌に適合する中程度または高コピー数の複
製起点を含み得る。例えば、代表的なoriはpBR322由来のcolE1 oriである。D
NAインサートによりコード化される遺伝子産物の発現は、転移性因子に転写制
御配列を付加することにより容易にされる。ある実施態様においては、その転写
制御配列はT7プロモーターであり、それはT7 RNAポリメラーゼを発現す
る細胞で機能する。クローン化した遺伝子の発現を増大するのに有用であるその
他のプロモーターには内因性細菌プロモーターが含まれる。
【0006】 さらにそのベクターは1種またはそれ以上の抗生物質(例えばアンピシリン、
テトラサイクリンまたはカナマイシン)耐性遺伝子を含み得る。さらに、その標
的プラスミドが入っている形質転換体のみが生き残ることを確実にするために、
それらは逆選択可能なマーカー、例えばB. subtilis由来のsacB遺伝子を含み得
る。
【0007】 上記ベクターの構成要素は新規ベクターを提供するための多数の方法を組み合
わせ得る。例えば、このようなベクターの一つは(a)高コピー数の複製起点を
含む転移性因子、(b)抗生物質耐性遺伝子および(c)逆選択可能なマーカー
を含み得る。他のベクターは上記の構成要素に加えて転写制御配列を含み得る。
代表的なベクターにはpTRANS-sacBがあり、それは(a)pBR322複製起点を含む
転移性因子、(b)カナマイシン耐性遺伝子、(c)B. subtilis sacB遺伝子
、および(d)T7プロモーターを含む。
【0008】 構成要素の他の可能な組合わせは、(a)高コピー数の複製起点を含む転移性
因子、(b)抗生物質耐性遺伝子、および(c)転写制御配列、を含むベクター
に見出される。このタイプの代表的なベクターはpTRANSであり、それは(a)pB
R322複製起点を含む転移性因子、(b)カナマイシン耐性遺伝子、および(c)
T7プロモーターを含む。
【0009】 また本発明はこのようなトランスポゾンプラスミドの使用方法を提供する。 例えば、本発明は、標的プラスミドに高コピー数の複製起点を導入させる条件
で、インビトロでその標的プラスミドと上記のいずれかのベクターを混合するこ
と:を含むその標的プラスミドのコピー数を増加させる方法を提供する。
【0010】 上述したように、BACおよび他の低コピー数のベクターからのシークエンシ
ングは、シークエンシング用の十分なDNAを得るために多数の細胞を用いる必
要があるので難しい。従って、本発明はインビトロで標的プラスミドと本発明の
トランスポゾンベクターを混合し、その混合物で形質転換して、選択された形質
転換体から分離された遺伝子の塩基配列を決定することを含む低コピー数のプラ
スミドで遺伝子のシークエンシングのための方法を提供する。そのトランスポゾ
ンをその標的プラスミドの有用な遺伝子座へ導入させた形質転換体は、BACベ
クターのみで形質転換されたクローンと比較して、その混合物で形質転換された
クローンにおける表現形の変化を検出することにより選択され得る。観察され得
る表現形変化には遺伝子発現における増加または減少が含まれる。
【0011】 転写制御配列を含んでいるベクターは、インビトロでこのようなベクターと標
的プラスミドを混合し、それからその転写制御因子の認識およびその遺伝子の発
現の可能な細胞へその混合物を遺伝子導入することにより、標的プラスミドで遺
伝子発現を増加させるのに使用され得る。例えば、T7プロモーターを含んでい
るトランスポゾンが導入された標的プラスミドは、T7ポリメラーゼを発現して
いる細胞へ遺伝子導入され得る。
【0012】 また、本発明のプラスミドは遺伝子(例えば多数の生物またはゲノム源から単
離された遺伝子)の全長クローニングを促進する。遺伝子の全長クローニング方
法には、そのプラスミドのコピー数を増加させるためにBACライブラリーと本
発明のトランスポゾンプラスミドを混合すること、次いで大量のDNAを分離す
ること、および全長遺伝子をクローニングすること、が含まれる。
【0013】 これらのプラスミドの他の用途にはクローニングのいらないシャトルベクター
の製造がある。本発明はoriをその標的プラスミドに転移させる条件で、インビ
トロで標的プラスミドとその標的プラスミドの宿主とは異なる宿主用の複製起点
を含む転移性因子を含むベクターを混合することからなるシャトルベクターの製
造方法を提供する。所望の場合には、そのoriは中程度または高コピー数のoriで
あり得る。
【0014】 他の面では、本発明は、低コピー数のベクターに大きなDNA断片のクローニ
ングを促進する改良されたBACベクターを提供する。これらの改良されたBA
Cベクターには、制限酵素用切断部位の側に高コピー数の複製起点が含まれてお
り、ここでそのベクターの制限酵素による切断によりクローニング用の一塩基伸
長が残されて、高コピーの複製起点が除去されるのである。いくつかの実施態様
では、そのベクターには更にBST X1部位が含まれる。このタイプの代表的なベク
ターはpBacTA.PUC2である。
【0015】 次に図面についての説明をする。 図1.pGPS1プラスミド。New England Biolabs社から市販のトランスポゾンプ
ラスミド。 図2.pTRANS-SacBプラスミド。転移性領域にはT7プロモーター、lacI遺
伝子、pBR322複製起点およびカナマイシン耐性遺伝子をコード化する配列を含む
。またpTRANS-SacBプラスミドは、転移性領域の外側に位置する逆選択マーカー
B. subtilis sacB遺伝子をコード化する。酵素レバンスクラーゼ(levansucras
e)をコード化しているsacBの発現は5%スクロースの存在下で大腸菌にとって
致死的である。PT7(T7プロモーター);lacI(lacリプレッサー遺伝子);
pBR322 ori(pBR322プラスミド由来の複製起点); SacB(B. subtilisのsacB
遺伝子)。
【0016】 図3.pTRANSプラスミド。転移性領域にはT7プロモーター、lacI遺伝子、p
BR322の複製起点およびカナマイシン耐性遺伝子をコード化する配列が含まれる
。pTRANSプラスミドは逆選択可能なマーカーB. subtilis sacB遺伝子がないこ
と以外はpTRANS-SacBと同一である。PT7(T7プロモーター); lacI (lacリ
プレッサー遺伝子);pBR322 ori(pBR322プラスミド由来の複製起点); SacB(B
. subtilis sacB遺伝子)。
【0017】 図4.インビトロでpTRANS-SacB(トランスポゾンドナー)およびpBeloBACII
(1つのDNAインサートを含有するレシピエントまたは標的プラスミド)を
含む転移反応のためのプロトコールの概略図。スクロース−R(5%スクロース
に耐性);スクロース−S(5%スクロースに感受性);kan-R(50μg/mlカ
ナマイシンに耐性);kan-S(50μg/mlカナマイシンに感受性);chlor-R(1
0μg/mlクロラムフェニコールに耐性): chlor-S(10μg/mlクロラムフェ
ニコールに感受性);PT7(T7プロモーター);lacI(lacリプレッサー);p
BR322 ori(pBR322プラスミド由来の複製起点);SacB(B. subtilis sacB遺
伝子)。
【0018】 図5.pTRANS-SacBを用いてコピー数を増加させることによる、BACクロー
ンからのリパーゼ発現の増幅。 図6.pTRANS-SacBを用いてコピー数を増加させることによる、BACクロー
ンからの色素発現の増幅。 図7.BACTAPUC1 (pBTP1) 修正されたpBeloBAC11の図解。その原型のベクタ
ーは高コピー数のPUCベクターが挿入されている修正されたポリリンカー領域
を含むことにより作り変えられた。さらに、ユニークなオリゴヌクレオチドのア
ダプターの使用により、我々は一塩基伸長をベースとしたクローニングを利用可
能にした。
【0019】 図8. pBTP2このベクターの更なる反復はそのポリリンカーの外側のEcoRI部
位を除去してそのポリリンカーにEcoRIを付加する。 図9. pBTP3〜より効率の良いライゲーションを可能にするアダプター系の図
解。(相補的アダプターと連結される)その適切に修正されたインサートのみが
連結し得るようにBstXI制限酵素部位はそのベクター中に設計される。 図10.修正されたtn5トランスポゾンを用いているメタゲノミック(metage
nomic)ライブラリーへのプロモーターのランダムな挿入の説明図。下部の囲み
図はその最適な挿入パターンを表す。
【0020】
【発明の詳述】
定義 便宜上、ここで使用される特定の用語およびフレーズの意図された意味を以下
に提供する: 「抗生物質耐性遺伝子」とは、1種またはそれ以上の特異的な抗生物質に対す
る細胞抵抗性を与えるタンパク質をコード化する遺伝子のことである。
【0021】 「コーデイング配列」または特別なポリペプチドまたはRNAを「コード化す
る」配列とは、適当な発現制御配列で制御される条件にある場合に、インビトロ
またはインビボでポリペプチドに(DNAの場合は)転写または(mRNAの場
合は)翻訳される核酸配列のことである。コーデイング配列の境界は5′(アミ
ノ)末端の開始コドンおよび3′(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンにより決
定される。一般的にそのコーデイング配列の境界は、5′(アミノ)末端の開始
コドンおよび3′(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンにより決定される。コー
デイング配列には、原核又は真核mRNA由来のcDNA、原核または真核DN
A由来のゲノムDNA配列、および合成DNA配列が含まれるが、それに限定さ
れるものではない。転写終結配列はコーデイング配列の3′に通常位置するもの
である。
【0022】 「構築物」、例えば「核酸構築物」または「DNA構築物」とは、核酸または
核酸配列のことである。 「コピー数」とは、細胞に存在するベクターのコピー数のことであり、それは
その複製起点により決定される。低コピー数のベクターは1つの細胞につき5コ
ピー以下で存在し、最もよくシングルコピーのみで存在する。中程度のコピー数
のベクター、例えばpBR322 oriの入っているベクターは、一細胞当り約20〜4
0コピー、通常は約30コピーで存在する。高コピー数のベクター、例えばpU
Cをベースとしたベクターは、一細胞当り約100コピーまたはそれ以上で存在
する。
【0023】 「逆選択可能なマーカー」とは、致死または細胞増殖阻害の特性をコード化し
ている遺伝子(複数可)のことである。致死または増殖阻害は、例えば、1)そ
の遺伝子(複数可)の発現誘導、2)特定の生育条件下で有毒である遺伝子(複
数可)の構成的発現、3)(耐性遺伝子存在下で)有毒な薬物または化学薬品の
存在下における増殖、に起因し得る。逆選択可能なマーカーの例は:5%スクロ
ース存在下で大腸菌の増殖を阻害するsacB遺伝子;ファージ溶解遺伝子、ファ
ージ溶解遺伝子(例えばラムダファージ溶解遺伝子)の発現が大腸菌を殺す;F
−プラスミドccdB遺伝子、ccdB遺伝子の発現はDNAジャイレースの阻害によ
り大腸菌を殺す;コリシン放出遺伝子(例えばコリシンE1にとってのコリシン
kil遺伝子)、kil遺伝子の発現により大腸菌を殺す。
【0024】 「遺伝子」は、1つのオープンリーデイングフレームおよび少なくとも1つの
エキソン(および随意的に1またはそれ以上のイントロン配列)を含有する核酸
分子または配列の意味である。 「核酸」は、ポリヌクレオチド例えばデオキシリボ核酸(DNA)、および、
適切にはリボ核酸(RNA)の意味である。また、その用語は核酸類似物から作
られたRNAまたはDNAのいずれかの誘導体、変形および類似物、並びに記述
されているその実施態様に適用できるように、1本鎖(センスまたはアンチセン
ス)および2本鎖のポリヌクレオチドを含むと理解される。
【0025】 「複製起点」または「ori」は、複製が開始される所のDNA配列である。 「シャトルベクター」は、1タイプ以上の宿主細胞で複製可能なベクターであ
る。典型的なシャトルベクターは2つの複製起点を含む。 ここで用いられる用語である「標的プラスミド」は、低コピー数のプラスミド
例えばBACベクターのことであり、それは転移性因子のレシピエントであり、
高コピー数のoriの導入により高コピー数で複製し得る。
【0026】 「転写制御配列」は、例えば開始シグナル、エンハンサー、プロモーターおよ
びサイレンサーのようなDNA配列を意味しており、それは操作可能に連結され
ているDNA配列の転写を誘導または制御する。遺伝子の制御因子はイントロン
、エキソン、コーデイング領域、および3′側配列に位置し得る。制御因子には
、「組織特異的」即ち、特異的な細胞(例えば組織特異的な細胞)で優先的にそ
の選択されたDNA配列の発現に影響を及ぼすものもある。一方その他は多くの
細胞または大抵の種類の細胞で活性である。このタイプの細胞での発現が他のタ
イプの細胞での発現よりも著しく高い場合には、遺伝子発現は特異的な細胞で優
先的に起こる。制御因子はいわゆる「漏れやすい」プロモーターを含む。これは
主にある組織で選択されたDNAの発現を調節するものである。さらに、制御因
子は構成的にまたは誘導可能的に作用し得る。例えば、誘導可能なプロモーター
は明らかに刺激に応答して(刺激が無い場合よりも)さらに活性化する。刺激に
は、ホルモン、サイトカイン、重金属、ホルボールエステル、サイクリックAM
P(cAMP)、レチノイン酸またはそれの誘導体等が含まれ得る。
【0027】 「転移性因子」または「トランスポゾン」は、それの元の位置から移動または
「ホップ」可能であり、それ自身が新しいDNA配列内の新しい位置に挿入され
るDNA配列のことである。新しい挿入部位は、その因子が相同性を全く有しな
い塩基配列である。ホッピング(転移)は細菌の組換え機能に依存しない。
【0028】 「ベクター」という用語は、それが結合されたものへ他の核酸を輸送可能な核
酸分子のことである。あるタイプのベクターは、エピソーム、即ち染色体外で複
製可能である核酸である。ベクターは、自主的な複製および/またはそれらが結
合される核酸の発現が可能であるものを使用される。発現制御配列に操作可能的
に結合した包含された遺伝子の発現を命令することのできるベクターは、「発現
ベクター」と称され得る。典型的に発現ベクターは、一般的に環状2本鎖DNA
ループ(それらのベクターの形態ではその染色体に結合していない)を意味する
「プラスミド」の形態で存在する。本明細書で、「プラスミド」および「ベクタ
ー」は、そのプラスミドはたいてい通常ベクターの形態で用いられるので、入れ
替え可能で使用される。しかし、本発明は、(同等の機能を提供し、当業者が知
っているまたは既知である)ベクターのこのような他の形態を含むことが意図さ
れる。
【0029】 中程度または高コピー数の複製起点トランスポゾンをコードするプラスミド 本発明のプラスミドは大きなcDNAまたはゲノムのインサートがベクターに
クローン化されなくてはならない研究に有用なBACベクターおよび他の低コピ
ー数のベクターの使用を促進する。例えば、ゲノム研究において、そのゲノムの
大きな断片がシークエンシング用または発現用ベクターにクローン化される。本
発明の目的のための標的プラスミドとして用いられ得る低コピー数のベクターは
、大変低いコピー数のori(1〜2コピー/細胞)を含むベクター、例えばバク
テリオファージP1、FプラスミドおよびR1プラスミド、または低コピー数の
ori、例えばpSC101プラスミド(1細胞当り約5コピー)、p15Aプラスミド
(1細胞当り10〜12コピー)またはRK2プラスミド(1細胞当り4〜7コ
ピー)である。
【0030】 本発明の1つの目的は、インビトロで標的プラスミドへランダムな転移が可能
な転移性因子を含むベクターを提供することである。本発明のプラスミドは転移
性配列内に中程度または高コピーの複製起点(以後oriと称される)を含む。ト
ランスポゾンプラスミドは当業者に知られている。このようなプラスミドは標的
プラスミドのランダムな部位への「ホッピング」によりシークエンシング反応を
促進するために使用されてきた。そのトランスポゾン末端はシークエンシング反
応を前もって仕込むのに用いられ得るので、シークエンシングに必要とされるプ
ライマー数は減少され、そしてプライマーの新しいセットを生成するために重複
している末端のシーケンシングをする必要は無くなる。トランスポゾンベクター
を用いて、1セットのプライマーを同時に用いて、多数のクローンをシーケンス
できる。しかし、シークエンシングに使用される市販のトランスポゾンプラスミ
ドは野生型大腸菌で複製不可能である異常な複製起点を一般的に含むのであるが
、本発明のプラスミドはその転移性配列内に高コピー数の複製起点を含む。その
標的プラスミドへ高コピー数のoriを転移することにより、その標的プラスミド
は宿主細胞内で高コピー数で複製可能である。他のプラスミドは、インビボでの
クローニングのような特定の適用において有用である転移可能なoriを含むこと
が知られている。そのような場合には、そのトランスポゾンはその染色体中へ高
コピー数のoriをそれにもたらしながらホップする。その遺伝子および高コピー
数のoriは制限酵素で除去されるか、またはファージに封入される。次いでその
削除されたまたは封入された断片の再循環は高コピー数で複製可能なプラスミド
を提供するのに必要とされる。さらに、それから当業者がこれらのトランスポゾ
ンプラスミドでクローン化された遺伝子をシーケンスすることを所望する場合は
、その遺伝子はシークエンシング用ベクターへサブクローン化する必要があるだ
ろう。対照的に、本発明のプラスミドは、中程度または高コピー数のoriを挿入
するため低コピー数のベクターにインビトロで転移することができる。この改良
は、以下に記載されるように、多数の大変重要な応用において特に重要である。
これらのプラスミドを用いると、第2の再循環段階を要しない。というのは、そ
のトランスポゾンのみの挿入は、さらなるサブクローニングを必要としないシー
クエンシングを可能にする高コピー数で複製する能力のある標的プラスミドを提
供するからである。
【0031】 ベクターの構成要素 本発明のプラスミドに用いられる複製起点は、例えばpBR322由来のcoIE1 or
i(1細胞当り15〜20コピー)またはR6Kプラスミド(1細胞当り15〜
20コピー)のように中程度のコピー数であり得るか、または例えばpUC ori(
1細胞当り500〜700コピー)、pGEM ori(1細胞当り300〜400コピ
ー) pTZ ori(1細胞当り1000コピー以上)またはpBluescript ori(1細胞
当り300〜500コピー)のように高コピー数であり得る。そのトランスポゾ
ンの複製起点は、大腸菌または何か他のタイプの原核細胞で、例えばBacilli(
例えば、B. subtilis)またはStreptomycetesで機能し得る。
【0032】 さらにそのプラスミドは、抗生物質含有プレート上の選択のために、転移性配
列内に抗生物質耐性遺伝子を含み得る。一般に使用される抗生物質耐性遺伝子は
、アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール等に
耐性に関する遺伝子である。そのプラスミドは、1種またはそれ以上のこのよう
な抗生物質耐性遺伝子を含み得る。
【0033】 さらに、そのプラスミドは一つまたはそれ以上の転写制御配列を含み得る。こ
のような配列は、そのトランスポゾンがその標的プラスミドへホップする場合に
、その転写制御配列に従ってそれが運ばれるように、その転移性配列内に見出さ
れる。代表的な配列にはT7プロモーターがあるが、原核細胞で機能するプロモ
ーターまたはエンハンサーのいずれも用いられる。有用なプロモーターにはlac
(大腸菌)、trp(大腸菌)、araBAD(大腸菌)、tetA(大腸菌)、tacハイ
ブリッド(大腸菌)、trcハイブリッド(大腸菌)、lpp-lacハイブリッド(大腸
菌)、pL(□)、T7-lacオペレーター(T7)およびpL、pT7(□、T7)が含まれ
るが、それに限定されない。
【0034】 また、そのプラスミドは転移性配列の外側にある逆選択可能なマーカーも含み
得る。その逆選択可能なマーカーはその宿主細胞で致死を引き起こすので、逆選
択マーカーの存在は元のトランスポゾンプラスミドを受け取った形質転換体はい
ずれも選択されることを確実にする。例えば、その逆選択可能なマーカーはB. s
ubtilisのsacB遺伝子であり得る。sacBを発現している細胞がスクロース含有
培地で増殖する際、スクロースのポリマーはその細胞に有毒なものを形成する。
本発明で有用な他の逆選択可能なマーカーはファージ溶解遺伝子(例えば、ラム
ダファージ溶解遺伝子)、F−プラスミドのccdB遺伝子(DNAジャイレース
阻害により作用する)およびコリシン放出遺伝子(例えばコリシンE1に対する
kil遺伝子)である。
【0035】 ある好ましい実施態様において、そのトランスポゾンプラスミドはpTRANS-sac
B(図2)である。市販のトランスポゾンプラスミドであるpGPS1(New England
Biolabs社、図1)は、pTRANS-sacBの構築における開始点として用いられた。
pGPS1は野生型大腸菌では機能しない欠陥のある複製起点を含む。また、それは
DNAシークエンシング用ユニバーサルプライマー部位をその転移性因子の両末
端に含む。pTRANS-sacBを生成するためpGPS1にいくつかの修正が成されてきた
。中程度のコピー数の複製起点(pBR322 ori)はそのトランスポゾンへ(「トラ
ンス」に)導入された。(pGPS1からの)DNAシークエンシングのためのユニ
バーサルプライマーの位置はトランスなプロモーターおよびT7プロモーターの
両端にコード化され、「外へ」の命令(即ち、その転移性因子から離れて)は片
端にコードされている。また、そのプラスミドは逆選択用B. subtilis sacB遺
伝子を含有する。シングルコピー数であるBACベクターへのインビトロのトラ
ンスなトランスポジションにより中程度のコピー数のoriが導入され、それによ
り標的のBACベクターのコピー数が増加する。
【0036】 転移性因子を含有するベクターの使用 1) pTRANS-sacBを用いたトランスポゾン突然変異はBACベクターのコピー数
を増加させ、DNAの分離およびシークエンシングの自動化を促進する。 a) 一般的なBACインサートのシークエンシングの一般的な使用。DNAシ
ークエンシングのための低コピー数のプラスミドの単離には多数のE. coli細胞
からのプラスミド精製が必要である。その結果、そのDNAは頻繁に「汚い」、
即ちその後のDNAシークエンシング反応を妨げ得る断片化された染色体DNA
で汚染される。低コピー数のプラスミドDNA単離プロトコールは慎重な技術的
操作を要するので、これらのプロトコールは高コピー数のプラスミドに通常用い
られる自動化された「高いスループット」方法に修正可能ではない。高コピーの
複製起点を関係する特異的なBACプラスミドへの転移は、そのBACのコピー
数を増加させる。従って、必要とされるDNA量を得るために必要な細胞はより
少なく、それによりDNAの単離およびシークエンシングの自動化が促進される
【0037】 シングルコピーのBACプラスミドへのトランスの転移は、プラスミドの単離
を促進するコピー数増加を示した。pTRANS-SacBはDNAの自動単離およびシー
クエンシング法を用い、30kb以上の大きい土壌DNAを含むBACプラスミド
をシークエンスするのに首尾良く使用されてきた。プラスミド自動分離および自
動シークエンシングはシングルコピーのプラスミドではできない、それ故に本発
明のプラスミド例えばpTRANS-SacBは、大きなインサートを含むシングルコピー
または低コピー数のプラスミドのDNA自動シークエンシングのための役立つ道
具である。
【0038】 b) 大きなBACインサートに含まれる特定の遺伝子のシークエンシング。 本発明のトランスポゾンプラスミドを用いて低コピー数のBACプラスミドに
コード化された特定の活性を「ノックアウト」できる。ノックアウトはその転移
性因子がそのBACベクター内に含まれる遺伝子のそのコーデイング領域にそれ
自身を挿入する場合に起こる。このような転移は物理的にその転移性因子とその
活性をコード化するDNAを物理的に結合して、DNA分離およびシークエンシ
ングの自動化のためにプラスミドのコピー数を同時に増加させる。
【0039】 2) 得られたBACプラスミドまたはプールされたBACライブラリーからのヘ
テロロガス遺伝子発現を増加させるための道具としてのpTRANS-sacBプラスミド
。 a) プラスミドのコピー数を増加させることにより発現を増加させる。得られ
たBACプラスミドまたはBACライブラリーのコピー数の増加は、ヘテロロガ
ス遺伝子発現の増加のためのひとつの方法であり、シングルコピーのプラスミド
からは以前はとても低すぎて検出できなかった新規な活性の検出を可能にする。
得られたBACクローンまたはプールされたBACライブラリーのいずれかにこ
こに記載のトランスポゾンプラスミドを用いたトランスポゾン突然変異を行うと
、BACプラスミドのコピー数が増加する。プールされたBACライブラリーの
場合には、ランダムなトランス挿入を含むその得られたDNAライブラリーは次
に大腸菌へ形質転換されることができて、その得られた形質転換体は新規な活性
を検査された。
【0040】 得られたBACプラスミドへのトランスな転移は、そのBACプラスミドから
のヘテロロガス発現を増加させることが示された。我々は、抗生物質の活性、リ
パーゼ活性および色素をコード化するプラスミドからの、コピー数の増加に起因
している、ヘテロロガス発現の増加を実証した。ヘテロロガス活性の発現の増加
は、その活性の生化学的分析を大変促進しながら、その活性を過剰に生産させる
【0041】 一つの実施態様において、そのライブラリーは多数の有機体由来のDNAイン
サートを含有する。例えば、土壌から分離したDNAのBACライブラリーへト
ランス転移の後に大腸菌を形質転換することは、そのライブラリーのそのコピー
数では以前は検出不可能である新規な活性の検出を潜在的に可能にしている、増
加したコピー数の新規なライブラリーを本質的に生成する。この製造は初めに大
きなインサートのライブラリーをより安定な低コピー数のベクターにクローン化
し、(所望ならば)それからコピー数を増加することを可能にする。
【0042】 生合成遺伝子クラスターをコード化している得られたクローンへトランス転移
をすることは、遺伝子クラスターを新規な生物学的活性を生み出すような方法で
破壊し得る。天然産物例えばポリケチド(polyketide)の生合成は酵素の逐次作
用であるから、ある中間段階をコード化している遺伝子の破壊により新規な生物
学的活性(そのクラスターが無傷のままであれば決してみることのできなかった
活性)を有し得る生合成的中間体が蓄積する。増加したコピー数は、実施例4お
よび5に記載のように、それの検出を促進しながら、この活性の過剰な生産を可
能にする。
【0043】 b) プロモーター挿入による発現の増加 上記のように、高コピー数の複製起点の挿入を命令するそのトランスポゾンは
、プラスミドのコピー数、宿主利用および外来DNAインサート内にコード化さ
れる分子の生産レベルを変更できる。しかし、系統発生学的に宿主大腸菌株から
遠い他生物由来の遺伝子の転写および発現は、その後の検査で検出レベルに値し
ない。さらに、多くの天然産物は両方向に進行するプロモーターを有する多重遺
伝子クラスターにコード化される(図5参照)。この系のさらなる応用は、大腸
菌で機能する多くの細菌のプロモーターのランダムな誘導のための第2のトラン
スポゾンをベースとした系を有効にする。前記のトランスポゾンの系は細菌のT
n−7トランスポゾンをベースとしている。この系は、隣接するDNA鎖190
kb以内に1つ以上の転移性因子を阻害する「標的免疫性」と名づけられた特性を
有する(Anne E. Stellwagen and Nancy L Craig“Avoiding self: two Tn7-enc
oded proteins mediate target immunity in Tn7 transposition.”EMBO J. 199
7 16: 6823-6834)。逆にいえば、Tn−5をベースとしたトランスポゾンの系
はこのような免疫系を全く有さない(Igor Yu Goryshin and William S. Rezniko
ff“Tn5 in Vitro Transposition”J. Biol. Chem. 1998 273: 7367-7374)。こ
の系をベースとしたトランスポゾンの構築および選択可能なマーカーの有無で強
力な双指向性の細菌のプロモーターを組み込むことは、土壌から単離したDNA
のBACライブラリー内のランダムな位置に複数のトランスポゾンの導入を可能
にする。トランスポゾン/標的比の制御により、シングルのプラスミドインサー
ト当りのトランスポゾン挿入の限定された範囲が得られる。これの変法は、その
トランスポゾン内にレポーター遺伝子例えばGFPを付加し、インサート(ここ
で全ての付加的なGFP遺伝子は標準的なフローサイトメトリ−法により検出可
能な蛍光発光がますます増加する原因になる)の適切な数を得るために、蛍光発
光に基づき細菌を選択することである。その挿入の多くが転写を阻害するが、ラ
ンダムに挿入されたプロモーターの大きなプールを得るために、その転移は1つ
のライブラリーで何度も起こる。
【0044】 3) pTRANSを用いた全長ゲノムのクローニングの促進: BACベクターは大きなDNAインサートを安定して蓄積するので、ゲノム・
クローニング用のベクターとしてよく選択される。しかし、多数の細胞がクロー
ニングに十分な量のDNAを提供するために必要であるので、それらの低コピー
数により全長のクローンを分離することがしばしば難しい。コピー数を増加させ
るベクター、例えばpTRANSの使用は、BACベクターにライブラリーを構築させ
ることにより全長のクローニングを促進できる。一旦そのライブラリーが得られ
れば、そのコピー数を全長で、大きな断片のゲノムDNAのクローニングを可能
にするpTRANSまたは同様なベクターを用いることにより増加させることができる
【0045】 4) シャトルベクターの構築: 本発明のプラスミドは、クローニングの必要がない効率の良いシャトルベクタ
ーの構築を可能にする。トランスポゾンプラスミドを用いたシャトルベクターの
構築を目的として、そのトランスポゾンプラスミドは、その標的プラスミドが複
製できる宿主以外の宿主においてその発現のためのoriを含む。例えば、そのト
ランスポゾンはB. subtilis oriを含み得る、一方、その標的プラスミドは大腸
菌のoriを含み得る。インビトロの転移反応の後で、その結果として生じるベク
ターはB. subtilisおよび大腸菌の両方で複製可能である。
【0046】 改良されたBACベクター BACベクターは大きなDNA断片(>25kb)のクローニングに広く使用さ
れているが、このような大きなインサートをクローン化することは依然として困
難なままである。本発明の改良されたBACベクターは、典型的BACベクター
のクローニングを改良しゲノム研究でそのベクターをますます有用な道具にする
という修正を含む。特に、本発明のクローニングベクターは、ベクターの大量調
製を促進させる高コピー数のoriを含む。そのベクターにインサートをクローン
化することで高コピー数のoriを除去し、そのベクターを本来の低コピー数に戻
して、大きなDNAインサートの安定性を改善するために、高コピー数のoriが
制限部位の側に位置する。さらに、その高コピー数のoriを除去する制限酵素で
そのベクターを切断することでそのベクター上に一塩基伸長を残す。これらの伸
長はゲノムDNAの大きな断片のクローニングを促進する。他の修正にはBST
X1部位の付加が含まれる。この部位の存在は、BST X1リンカーの付加に
より、ゲノム断片の突出の長さを増加させる。一般的に、長い突出のDNA断片
は一塩基伸長のDNA断片よりもクローン化が容易である。
【0047】 典型的なクローニングベクターには大腸菌のF因子レプリコンをベースとした
プラスミドを利用する。そのF−因子レプリコンは1細胞当り1〜2コピーで安
定に維持されるようにそのクローンのコピー数を精密に制御させる。宿主大腸菌
が増殖中のそのクローン化されたDNAの安定性は、多コピーのベクターよりも
低コピー数のベクターでかなり高い(Kirn et al, NAR, 20 (5): 1083-1085)。
BACベクターの安定化させる効果は、高コピー数のベクターで通常不安定であ
る特定のゲノムDNAで特に著しい。これには古細菌、哺乳類または他起源のゲ
ノムが含まれる。
【0048】 pBeloBAC11ベクター(市販のプラスミド)は、ライブラリー構築の際そのクロ
ーニング部位にDNAインサートを有するBACクローンのlacZをベースとし
たポジティブカラーセレクションを可能にする。このベクターにはいくつかの著
しい欠点がある。最初に、そのベクターが大腸菌でシングルコピーで存在してい
るので、そのDNAの大量精製はいくらか苦労する。さらに、その利用可能なク
ローニング部位は、最少で代替のクローニング方法は可能ではない。
【0049】 このように、本発明の改良されたBACベクターはpBacTA.pUC2ベクターが良
い例となる。それはpBeloBAC11に対する下記のいくつかの著しい修正を含む。即
ち1)高コピー数のpUC複製起点は、大腸菌でのベクターの大量精製を可能に
するベクターへ付加されること;2)この部位へクローン化された大きなインサ
ートが高コピー数のoriを除去し、低コピーのベクターにその大きなDNA断片
が安定に挿入され得るように、制限酵素部位はpUC oriの側に位置すること3)
さらにクローニング部位が導入されたこと4)一塩基伸長がクローニングを促進
するために加えられたこと。
【0050】 科学的文献、特許公報および出版された特許出願からの引例を含む、本文で引
用された全ての参考文献の内容の全体について、それらは参照によりここに組み
込まれる。
【0051】 次の実施例には、それの多様な実施態様およびそれの同等物において本発明の
実施例に適合し得る、さらに重要な情報、例示および手引きが含まれる。本実施
例は図のみによって提供され、いずれにせよ限定するものとして構成されるべき
でない。この文書を通して言及されるように、本発明は広く適用でき、当業者に
よる広範な設計の選択を可能にする。
【0052】 本発明の実施例は、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック
生物学、微生物学、組換えDNA、免疫学、ウイルス学、薬理学、化学、および
製剤および投与といった当業者の簡便な従来技術を採用あるいは少なくとも示唆
している。このような手法は文献で全て説明されている。例えば、Molecular Cl
oning A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed. by Sambrook, Fritsch and Maniati
s (Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989); DNA Cloning, Volumes I an
d II (D.N. Glover ed., 1985); Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait ed.,
1984); Mullis et al. U.S. Patent No: 4,683,195; Nucleic Acid Hybridizati
on (B.D. Hames & S.J. Higgins eds. 1984); Transcription And Translation
(B.D. Hames & S.J. Higgins eds. 1984); Culture Of Animal Cells (R.I. Fre
shney, Alan R. Liss, Inc., 1987); Immobilized Cells And Enzymes (IRL Pre
ss, 1986); B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984); the
treatise. Methods In Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.); Gene Tran
sfer Vectors For Mammalian Cells (J.H. Miller and M.P. Calos eds., 1987,
Cold Spring Harbor Laboratory); Methods In Enzymology, Vols. 154 and 15
5 (Wu et al. eds.), Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology
(Mayer and Walker, eds.. Academic Press, London, 1987); Handbook Of Exp
erimental Immunology, Volumes I-IV (D. M. Weir and C.C. Blackwell, eds.,
1986); Manipulating the Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess, Cold Spring Harbor, N.Y., 1986)参照。
【0053】
【実施例】
実施例1 pTRANSベクターの構築 pTRANS-sacBプラスミド。pET-22b由来4.2kbのScaI/XbaI断片は、SpeI
およびSwaIで線形にしたpGPS1プラスミドにクローン化された。得られたカナマ
イシン耐性プラスミドpTRANS(図3)は、pET-22b由来の高コピー数のoriおよび
T7プロモーターを含むトランストランスポゾンをコード化している。PCRに
よりB.subtilis 168染色体から増幅された1.7kbのsacB遺伝子は、pTRANSのユ
ニークなSacI部位にクローン化された。得られたpTRANS-sacBプラスミド(図
2)は、5%スクロース存在下で逆選択され得る。インビトロの転移反応で、pT
RANS-sacBおよび標的のBACプラスミドをNew England Biolabs社のプロトコ
ールに従い、トランスポゼースと混合し、転移反応後、得られたDNAで大腸菌
DH10Bを形質転換してカナマイシン(転移を選択するため)、クロラムフェニコ
ール(BACプラスミドを選択するため)および5%スクロース(スクロース存
在下では致死であるpTRANS-sacBを逆選択するため)を含有する培地のプレート
に播種する。得られたカナマイシン/クロラムフェニコール/スクロース耐性プ
ラスミドはトランスを含むBACプラスミドである。 DH10B(DE3)株。DH10B(DE3)株はNovagen社のDE3溶原菌キットを用いて構築
された。DH10B(DE3)株は染色体溶原菌によりコード化されるT7 RNAポリメ
ラーゼを発現し、T7プロモーターからのヘテロロガス発現を駆動するプラスミ
ド用の発現宿主である。
【0054】 実施例2 BACベクターの構築 1. BACTAPUC1 (pBTP)- ベクターの最初の変形であるpBTP1は、pBeloBACと高コ
ピー数のPUCをベースとしたベクターを組合わせたものである。図1に示すよ
うに、PUCプラスミドの全てをそのクローニング部位に挿入することによりい
くつかの事柄が達成される。第一に、PUCインサート内のその高コピー数のor
iの力で、1細胞当り100コピー以上のコピー数になり、クローニング前のそ
のベクターの精製を容易にする。第二に、ユニークなオリゴヌクレオチドのアダ
プターを用いることにより、我々はさらに付加クローニング部位を導入した。こ
れは一塩基伸長をベースとしたクローニングを有用にするその能力を含む。熱安
定性のポリメラーゼ例えばTaqは、DNAの3′末端にシングルのデオキシアデ
ノシン(A)を付加する鋳型非依存的活性を有する。この一塩基伸長されたDN
Aは、対応するデオキシチミジン(T)末端を有するベクターと効率良く連結す
る。内部塩基が縮退する内部を有する制限部位、例えばAhdI(GACNNNNNGTC)を
組み込むことにより、我々は、AhdIにより切断する場合、各末端にシングルの
Tを残すベクターを作製することができる。ゲノムDNAを一連のポリメラーゼ
(平滑化のためのT4およびKlenowに続いて、シングルのAを付加するためのTa
q)で処理することにより、DNAは部分的制限消化を要さずに直接クローン化
され得る。部分的制限酵素消化によるクローニングがそのライブラリーのインサ
ートのサイズの平均を少なくとも半分に減少させるので(下記参照)、この後者
の効果が重要である。
【0055】 2. PBTP2 このベクターの更なる繰り返し(図2)はそのポリリンカーの外側
のEcoRI部位を除去してEcoRIをそのポリリンカーに付加する。全ての場合に
、クローニングのためにそのDNAを制限酵素で切断することは、そのPUCイ
ンサートをそれの高コピー数のoriで除去して、大きなインサートのDNAを低
いコピー数のベクターに挿入することを可能にすることが明らかである。
【0056】 3. pBTP3 上記のように、クローニング前にそのゲノムDNAを制限消化する
ことによりライブラリーのインサートの平均サイズが最後に減少してしまう。さ
らに、そのインプットDNAの平均サイズが消化前には150kbの範囲になり、
部分消化後には75kbに落ち込むので、80〜100kb以上の断片をクローン化
しようとする際に増加する傾向が起こるようである。これは消化に用いられる酵
素およびそのDNAにおける部位の数に依存する。それ故に、クローニングのた
めの代替方法が高品質のライブラリーの構築において直接的に重要である(表1
参照)。上記の一塩基伸長クローニング系はこの問題を回避する方法の一つであ
る。しかし、そのクローニング効率は平滑末端クローニングよりも大きいので;
多塩基連結反応ほどには高くない。また、Aテイルの付加は効率100%ではな
いので、全てのDNAが連結可能であるわけではない。ひとつの代替の研究方法
は、クローニング効率をかなり上げる4塩基突出を有するパリンドロームではな
いアダプターを組み込むことである。図9(pBTP3)は、2番目の縮重させる制
限酵素BstXI (CCANNNNNNTGG)を用いたこのような系の一例を説明する。この
系では、非相同の末端を有するアダプター(5′CACA3′)は平滑末端のゲノム
DNAに連結される。これらのアダプターは自己連結するだけでなく、その適し
たBstXI制限部位(5′ GTGT3′)を挿入することによりそのベクターに生成
される対応する末端のみとアニールする。
【0057】
【表1】
【0058】 実施例3 トランスポゾン反応 図4に概略図として示されるトランスポゾン反応には、New England Biolabs
社製GPS-1ゲノムプライミングシステムキットの緩衝液および酵素を使用する。
トランスポゾン反応で、0.05μgのpTRANS-SacBは0.2μgの標的BACプラ
スミドと混合される。その反応は1×GPS1緩衝液中で最終総容量20μlで実施
される。1μlのTnsABC*トランスポゼースをプラスミド混合物に添加し、その
反応物を混合して37℃で10分間インキュベートした。それから1μlの開始
溶液を添加してその反応物を混合して37℃で1時間インキュベートする。その
トランスポゼースはその反応物を75℃で10分間インキュベートすることによ
り不活化される。その不活化反応物を水で1時間透析する。5μlの反応物をエ
レクトロポーレーション法で大腸菌細胞例えばDH10BまたはDH10B(DE3)に形質転
換させる。形質転換体をカナマイシン(50μg/ml)、クロラムフェニコール
(10μg/ml)、およびスクロース(5%)を含有するLBプレート上で選択
する。
【0059】 実施例4 BACクローンからのリパーゼの発現を増加させるためのpTRANSの使用。 本実施例では、高コピー数のoriは土壌のDNAから単離されたリパーゼ遺伝
子を含むBACプラスミド中で跳び回った。この活性は本来大変低いレベルであ
り、検出に最大1週間のインキュベーションを要した。土壌試料から単離された
リパーゼ活性をコードしている約25kbのDNAを含むBACプラスミドは、実
施例3に記載のように、pTRANS-SacBとトランスポゾン反応した。その反応物は
エレクトロポーレーション法でDH10B細胞へ形質転換され、その形質転換体はカ
ナマイシン(50μg/ml)、クロラムフェニコール(10μg/ml)、スクロー
ス(5%)、およびDifco脂質試薬(3%)を含有するLBプレート上で選択さ
れた。リパーゼ活性は(図4に示すように)細菌のコロニーを取り囲む明瞭な輪
(培地中の脂質の消化を示している)により検出された。リパーゼを発現してい
るいくつかのトランスポゾンが跳び回るクローンは、新しいLBクロラムフェニ
コール脂質アガ−プレート上へ再ストリークされて、いくつかの高コピー数のリ
パーゼ過剰生産体(クローン#3、4、5、6)、リパーゼノックアウトクロー
ン(#7)および本来の低コピー数のリパーゼを産生しているBAC(#2)対
ネガテイブコントロール(#1)とを直接比較した。その高コピー数のoriによ
り、その活性はたった2日で容易に検出でき、発現を増加させるそのトランスポ
ゾンの有用性を実証している。
【0060】 実施例5 BACクローンから紫色素の発現を増加させるためのpTRANSの使用 本実施例では、高コピー数のoriは土壌DNAから単離された紫色素の遺伝子
を含有するBACプラスミド中で跳び回った。紫色素をコード化する土壌試料か
ら単離された約25kbのDNAを含有するBACプラスミドと、実施例3に記載
のとおり、pTRANS-SacBとでトランスポゾン反応を行った:エレクトロポーレー
ション法によりその反応物でDH10B細胞を形質転換し、その形質転換体はカナマ
イシン(50μg/ml)、クロラムフェニコール(10μg/ml)およびスクロー
ス(5%)を含有するLBプレート上で選択された。
【0061】 図6はMG1.1(着色された天然産物を生成することが示されたシングルのライ
ブラリークローン)内での2つの独立した転移を表現する。また対照として、着
色されていないコントロールおよびその本来の親が示される。図から明らかなよ
うに、高コピー数のpTRANSの導入はコピー数の増加が原因でシングルクローン内
の遺伝子産物が増加し得る。これはその色素全体のレベル並びに色素産生率上昇
の両方に作用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pGPS1プラスミドを示す。
【図2】 pTRANS-SacBプラスミドを示す。
【図3】 pTRANSプラスミドを示す。
【図4】 インビトロでpTRANS-SacB(トランスポゾンドナー)およびpBeloBACII(1つ
のDNAインサートを含有するレシピエントまたは標的プラスミド)を含む転移
反応のためのプロトコールの概略図を示す。
【図5】 pTRANS-SacBを用いてコピー数を増加させることによる、BACクローンから
のリパーゼ発現の増幅を示す。
【図6】 pTRANS-SacBを用いてコピー数を増加させることによる、BACクローンから
の色素発現の増幅を示す。
【図7】 BACTAPUC1 (pBTP1) 修正されたpBeloBAC11の図解。
【図8】 pBTP2を示す。
【図9】 pBTP3〜より効率の良いライゲーションを可能にするアダプター系の図解。
【図10】 修正されたtn5トランスポゾンを用いているメタゲノミック(metagenomic)
ライブラリーへのプロモーターのランダムな挿入の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ポール・オーガスト アメリカ合衆国ニューハンプシャー州 03819.ダンヴィル.エメラルドドライブ 50 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA04 DA02 DA06 DA11 EA04 FA02 FA10 FA15 GA11 HA19 HA20 4B063 QA05 QA13 QA18 QQ05 QQ06 QQ13 QQ42 QR33 QR60 QR75 QR80 QS05 QS25 QS36

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的プラスミドへインビトロで転移可能な中程度または高コ
    ピー数の複製起点を含有する転移性因子を含む、プラスミドのコピー数を増加さ
    せるためのベクター。
  2. 【請求項2】 転移性因子がさらに転写制御配列を含む、請求項1のベクタ
    ー。
  3. 【請求項3】 転写制御配列がT7プロモーターである、請求項2記載のベ
    クター。
  4. 【請求項4】 複製起点がcolE1 oriである、請求項1記載のベクター。
  5. 【請求項5】 更に抗生物質耐性遺伝子を含む、請求項1または2記載のベ
    クター。
  6. 【請求項6】 抗生物質耐性遺伝子がカナマイシン耐性遺伝子である、請求
    項5記載のベクター。
  7. 【請求項7】 更に逆選択マーカーを含む、請求項1または2のベクター。
  8. 【請求項8】 その逆選択マーカーがB. subtilis由来sacB遺伝子である、
    請求項7記載のベクター。
  9. 【請求項9】 (a) 中程度または高コピー数の複製起点を含む転移性因子
    ; (b) 抗生物質耐性遺伝子;および (c) 逆選択マーカー からなる、プラスミドのコピー数を増加させるためのベクター。
  10. 【請求項10】 その転移性因子が更に転写制御配列を含む、請求項9記載
    のベクター。
  11. 【請求項11】 (a) pBR322複製起点を含む転移性因子 (b) カナマイシン耐性遺伝子;および (c) B. subtilis sacB遺伝子 からなる、プラスミドのコピー数を増加させるためのベクター。
  12. 【請求項12】 更にT7プロモーターを含む、請求項11のベクター。
  13. 【請求項13】 pTRANS-SacBである請求項12のベクター。
  14. 【請求項14】 (a) 中程度または高コピー数の複製起点を含む転移性因
    子; (b) 抗生物質耐性遺伝子;および (c) 転写制御配列 を含む、プラスミドのコピー数を増加させるためのベクター。
  15. 【請求項15】 pTRANSである請求項14記載のベクター。
  16. 【請求項16】 制限酵素用切断部位に隣接した高コピー数の複製起点を含
    む改良されたBACベクターであって、制限酵素によるそのベクターの切断でク
    ローニング用の一塩基伸長が残り、そして高コピーの複製起点が除去される上記
    のベクター。
  17. 【請求項17】 さらにBST X1部位を含む、請求項16のベクター。
  18. 【請求項18】 pBacTA.PUC2である請求項17のベクター。
  19. 【請求項19】 標的プラスミドに中程度または高コピー数の複製起点を導
    入させる条件でその標的プラスミドと請求項1、2、9、11、13、14のい
    ずれかに記載のベクターをインビトロで混合することからなる、標的プラスミド
    のコピー数を増加させるための方法。
  20. 【請求項20】 (a) 標的プラスミドに中程度または高コピー数のoriを導
    入させる条件で、その標的プラスミドと請求項1、2、9、11、13、14の
    いずれかに記載のベクターをインビトロで混合し; (b) その混合物を細胞に形質転換し; (c) シークエンシングのために形質転換体を選択し;次いで (d) その遺伝子の配列を決定すること からなる、低コピー数のプラスミド内の遺伝子のシークエンシングのための方法
  21. 【請求項21】 (a) その標的プラスミドへ中程度または高コピー数のori
    を導入させる条件でそのBACクローンと請求項1、2、9、11、13、14
    のいずれかに記載のベクターをインビトロで混合し; (b) その混合物を細胞に形質転換し; (c) BACベクターのみで形質転換したクローンに対してその混合物で形質
    転換されたクローンにおける表現形変化を検出すること からなる、転移性因子を含むBACクローンをスクリーニングするための方法。
  22. 【請求項22】 その表現型変化が遺伝子発現の増大である、請求項21に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 その表現形変化が遺伝子発現の減少である、請求項21に
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 (a) 中程度または高コピー数のoriをその標的プラスミド
    に導入させる条件でその標的プラスミドと請求項2、10または12〜15のい
    ずれかに記載のベクターをインビトロで混合し; (b) その混合物を細胞に形質転換して転写制御因子の認識およびその遺伝子
    の発現を可能にすること からなる、標的プラスミドの遺伝子発現を増大させるための方法。
  25. 【請求項25】 その転写制御因子がT7プロモーターであり、且つその細
    胞がT7ポリメラーゼを発現する、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 (a) BACライブラリーを提供し、 (b) そのライブラリーと請求項2、10、または12〜15のいずれかに記
    載のベクターをインビトロで混合し; (c) その混合物を細胞に形質転換し: (d) その細胞から全長の遺伝子を単離すること からなる、遺伝子の全長クローニングの方法。
  27. 【請求項27】 標的プラスミドへoriを転移させることができる条件で、
    標的プラスミドとその標的プラスミドの宿主とは異なる宿主用の複製起点を含む
    転移性因子を含有するベクターをインビトロで混合することからなるシャトルベ
    クターを生成するための方法。
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