JP2003501540A - 反応性蛍光試薬としてのpH官能性シアニン染料 - Google Patents

反応性蛍光試薬としてのpH官能性シアニン染料

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JP2003501540A
JP2003501540A JP2001502512A JP2001502512A JP2003501540A JP 2003501540 A JP2003501540 A JP 2003501540A JP 2001502512 A JP2001502512 A JP 2001502512A JP 2001502512 A JP2001502512 A JP 2001502512A JP 2003501540 A JP2003501540 A JP 2003501540A
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ラットネイカー・ムジュムダー
ジョン・アンソニー・スミス
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カーネギー メロン ユニヴァーシティ
アマーシャム バイオサイエンセス ユーケー リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、pH感受性シアニン染料及びこれを蛍光指示薬として使用する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願は、ここにその全体を参照のために取り込むこととする、1999年6
月9日に出願された米国仮出願60/138,297号の利益を主張するもので
ある。 本発明は、pH感受性シアニン染料及びこれを蛍光試薬として使用する方法を
提供する。
【0002】
【従来の技術】
吸光特性を有するシアニン及び関連ポリメチン染料は、写真フィルム、光学記
録媒体において、及び最近では生物学研究のためのルミネッセンス(蛍光及び燐
光)染料として、利用されている。下記の通り、幾つかの概説文献が、シアニン
染料の合成及び応用に関して著されている。
【参考文献1】
【0003】 典型的なシアニンは、式1に示されるように、ポリメチン鎖が接合した二つの
窒素含有複素芳香族環(A及びA’)を有する分子として定義することができる
。R1及びR2基は、本質的にアルキルまたは置換アルキル基であり、「m」は0
、1、2、3、及び4からなる群より選択される整数である。これらの染料は、
発色団上に非局在化した陽電荷によって、カチオン特性を有する。この非局在化
の理由はまた、シアニン染料の非常に高い吸光係数にもある。
【0004】
【化5】 式中、 R1及びR2基は、アルキルまたは置換アルキル基であり、 R3、R4、R5、R6、及びR7は、H、水溶性基、ハロゲン、アルコキシ、ヒド
ロキシ、アミン、アミド、カルボン酸、またはカルボン酸エステルである。 典型的な「A」及び「A’」は、下記の複素芳香環から選択される。
【0005】
【化6】
【0006】 式中、 R3、R4、R5、R6、及びXは、ここに定義したものである。Wは、水素、-(
CH2nRより選択され、ここではnは1乃至26の整数であり、Rは水素、ア
ミノ、アルデヒド、アセタール、ケタール、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロア
リール、スルホネート、スルフェート、カルボキシレート、置換アミノ、ニトロ
、第一級アミド、置換アミド、並びにアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、ホス
ホリル、及びスルフィドリル基と反応性の基から選択される。
【0007】 以下は、既知のpH感受性シアニン染料の例である。 シアニン染料のスペクトル特性は、溶媒の変更に対して僅かに感受性であるの
みであり、一般的にpH感受性染料と見なされる。しかしながら、数種のみのシ
アニンがpH依存性を示すことが知られている。複素芳香系の芳香環に直接結合
したアミンまたはカルボン酸基は、窒素間のカチオン非局在化に影響する。アミ
ノ−シアニン染料(式2)の吸光バンドは非常にブロードであって、中性のpH
における主たる電子項遷移と振電サイドバンドとがほとんど完全に混合している
。穏やかな酸性の溶液中またはアセチル基によってアミンが遮蔽されている場合
には、遷移はより鮮明に、より強くなり、青色にシフトする。これらのアミノ−
シアニンは、中性溶液中においては、目視では非蛍光性である(R. B. Mujumdar
, L. E. Ernst, S. R. Mujumdar, and A. S. Waggoner, "Cyanine Dye Labeling
Reagents containing Isothiocyanate Groups", Cytometry vol. 10, pp 11-19
(1989))。
【0008】
【化7】
【0009】 スクアランは、通常はpH感受性であるが、その誘導体(式3)は生物学的p
H範囲(pH6−pH9)においては非感受性であり、したがって生物学研究の
ためのpH感受性染料として有効に使用することは不可能である(E. Terpetsch
ing, H. Szmacinski, A. Ozinskas, and J. R. Lakowicz, "Synthesis of squar
aine-N-Hydroxysuccinimide Esters and Their Biological Application as Lon
g-Wavelength Fluorescent Labeling", Analytical Biochemistry vol. 217, pp
197-204 (1994))。
【0010】
【化8】
【0011】 Kolesnikov and Povolotskii (1986)は、単純なモノN-アルキル化シアニン(
式4)の1H NMRを研究しているが、その合成及びスペクトル特性(吸光、発
光)は議論されていない(A. M. Kolesnikov, and M. I. Provolotskii, Teor.
Eksp. Khim, vol. 24, pp 225-227 (1986)。Brooker et al (1940)はモノアル
キル化シアニン(式5)の合成を報告している。これらの化合物(アンヒドロニ
ウム塩基と呼称)は不安定で、その吸光を測定しようとする間にさえひどく色あ
せる(L. G. S. Brooker, R. H. Spague, C. P. Smyth, and G. L. Lewis."Halo
chromism of Anhydronium Bases Related to the Cyanine Dyes", J. Chem. Soc
., Vol. 62, pp 1116-1124 (1940)。Zubaroviskil(1972)は、チアカルボシアニ
ン(式5)の合成を記載しているが、そのスペクトル特性は議論していない(V.
M. Zubarvotskii "Synthesis of thiacarbocyanines without alkyls at the n
itrogen atoms of their benzothiazole nuclei", Khim. Geterotsikl. Soedi.,
Vol. 11, pp 1579-80 (1972)。
【0012】
【化9】
【0013】 式4及び5の染料は、一つの窒素上に交換可能な水素を有するが、これらは水
不溶性であって反応性基をもたず、不安定であって、生物学的応用には不適当と
なっている。
【0014】 蛍光染料は、一般的に既知であって、蛍光顕微鏡検査操作、蛍光イムノロジー
及びフローサイトメトリー等による様々な生物学的及び非生物学的物質の蛍光標
識及び検出に使用される。蛍光染料はまた、例えば細胞内及び細胞外のイオン濃
度を同時に測定するためのトレーサとして使用しても良い。この方法では、膜内
外のイオン勾配を測定しても良い。さらにまた、二つの異なる蛍光プローブを使
用して、同時に二つのイオンをモニターすることも可能である。
【0015】 四つの一般的に使用される蛍光染料は、フルオレセイン(緑色蛍光)及びロー
ダミン(橙色蛍光)、クマリン及びピレン(青色蛍光)発色団に基づくものであ
る。広く入手可能な蛍光pH標識は、一般的にフルオレセインまたはピレン誘導
体である。フルオレセインに基づく染料は、多くの欠点を有しており、これには
強い励起光源で照明された際に退色する傾向を有することが含まれる。結果とし
て時間と共に迅速に映像が喪失することにより、検出及び計量がより困難である
。フルオレセイン誘導体もまた、pH感受性吸光スペクトルを有し、フルオレセ
イン収量はpH8未満では著しく減少する。ピレン誘導体、例えばピレントリス
ルホネートは、ブロードな吸光及び発光スペクトル、並びに比較的に低い吸光係
数を有する。一連の広範な蛍光pH指示薬が、Molecular Probes, Portland OR
より入手可能であり、これらに関する情報は、"Molecular Probes-Handbook of
Fluorescent Probes and Research Chemicals (Ed. R. P. Haugland(1996))"に
記載されている。これに記載された蛍光pH指示薬のほとんどが、中性またはア
ルカリ性溶液中においてのみ蛍光性である。
【0016】 酸性pH環境向けに推奨される、Molecular Probesより入手可能な染料が5つ
ある。これらには、酸性環境中においてより蛍光性になる弱塩基である、LYSOSE
NSORプローブと呼称される染料が含まれている。これらの中には、以下の式を有
するLYSOSENSOR YELLOW/BLUEがあり、これは、その励起等吸光点近傍(〜360
nm)で照射された場合には、酸性環境中においてより長い波長へのpH依存性発
光シフトを、並びにその発光等吸光点近傍(〜490)で検出された場合には、
pH依存性励起シフトを起こすことが報告されている。これらの変化には、酸性
オルガネラまたは他の酸性環境中における、比率的pH測定が必要である。
【0017】
【化10】
【0018】 他のLYSOSENSOR pH感受性性蛍光指示薬には、LYSOSENSOR BLUE DND-167が含
まれ、これは非酸性環境中において非蛍光性であり、DMSO中に可溶性であり
、5.1のpKaを有し、pH4.5−6にて蛍光を発するが373nmにて励起
された場合の発光波長は425nmであり、下記の構造を有する。
【0019】
【化11】
【0020】 LYSOSENSOR GREEN DND-189もまた、非酸性環境中において非蛍光性であり、D
MSO中に可溶性であり、5.2のpKaを有し、pH4.5−6にて蛍光を発
するが443nmにて励起された場合の発光波長は505nmであり、下記の構造を
有する。
【0021】
【化12】
【0022】 LYSOSENSOR BLUE DND-192は、中性pHにて明るく蛍光を発し、DMSO中に
可溶性であり、7.5のpKaを有し、pH6.5−8にて蛍光を発するが37
4nmにて励起された場合の発光波長は425nmであり、下記の構造を有する。
【0023】
【化13】
【0024】 LYSOSENSOR GREEN DND-153もまた、中性pHにて明るく蛍光を発し、DMSO
中に可溶性であり、7.5のpKaを有し、pH6.5−8にて蛍光を発するが
442nmにて励起された場合の発光波長は505nmであり、下記の構造を有する
【0025】
【化14】
【0026】 LYSOSENSORプローブが水性媒質中によりもむしろ膜中に局在化しうるために、
おそらくは上記のpKa値が細胞環境では相違するであろうこと及び細胞pHの
定性的または準定性的比較が可能であろうことは、注目に値する。
【0027】 蛍光pH測定のためにMolecular Probesから入手可能な他の化合物群は、フル
オレセイン誘導体であり、ここでは電子吸引基が導入されてフェノール基のpK
aが5以下に低減されている。製品説明にはフッ化フルオレセインが穏やかな酸
性溶液中においても依然pH感受性であり、約4.7のpKa値を有する旨が報
告されている。
【0028】 蛍光pH観察のためにMolecular Probesから入手可能な化合物の最後の群は、
ロドール(rhodol)誘導体であって、これはフルオレセインとローダミン染料と
の構造ハイブリッドであってフェノール性ヒドロキシ基によって得られるpH感
受性特性を維持する一方で、更にpKa値を低減するアミン置換基を含む。これ
らの染料には、以下の構造を有するC-NERFがある。
【0029】
【化15】
【0030】 この染料によれば、540nmにて報告される発光を有するアルゴンイオンレー
ザーの二つの主要な可視線(514nm及び488nm)を使用して、比率的pH測
定を行うことができる。 酸性のpH条件中で蛍光発光する化合物が少数である一方で、本発明によって
提供されるような、400−800nm領域において蛍光発光する酸性pH指示薬
として使用可能な、水溶性の、非フルオレセイン誘導体が求められている。本発
明に記載するシアニンは、好ましくは水溶性を向上させる官能基を有する。該シ
アニンは少なくとも一のスルホネート基を有することが好ましく、これらはアリ
ールスルホネートまたはアラルキルスルホネートであってよい。あるいは、本発
明の水溶性基は、ホスホネートまたはホスフェートであってよい。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水溶性であって、スペクトルの400−800nm領域内にお
いて蛍光発光するような、酸性pH指示薬であるシアニン誘導体を提供すること
である。 本発明の別の目的は、水素イオン濃度または約pH3乃至pH10の範囲内の
pHを検出する、蛍光方法を提供することである。 本発明の別の目的は、水素イオン濃度または約pH3乃至pH10の範囲内、
好ましくは約pH3−6の範囲内のpHを検出するために使用しても良い、蛍光
試薬を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
一つの実施態様においては、本発明は、下式(I):
【化16】 [式中、X及びYは、>C(C1−C4アルキル)2、硫黄及び酸素から選択され;
1及びR2は、H、CH2NH2、ホスフェート、ホスホネート、第四級アンモニ
ウム、NO2、(CH2qCOOH、SO3 -、CH2COOH、NCS、CH2
H-COR7から個別に選択され、ここではR7は、C1−C20直鎖状もしくは分枝
状アルキルまたは-(CH2q-COOHであり、ここではqは、0、1、2、3
、4、5、6、7、8、9、または10の整数であり;R3は、Hまたは-L-P
であり、ここではLは、アルケニル、アルキニル、及びアリールから選択される
、0、1、または2の不飽和基を任意に含むC1−C20直鎖状もしくは分枝状ア
ルキルから選択され、Pは、反応性基、H、C1−C20直鎖状もしくは分枝状ア
ルキル、SO3 -、NH2、第四級アンモニウム、CH2NH-COR8から選択され
、ここではR8は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル、-(CH2m-CO
OH、NHR9であり、ここではR9は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキ
ル、またはCOOHであり;nは0、1、2、または3であり;p及びrは個別
に0、1、2、3、または4であって、p及び/またはrが1より大である場合
には、各R1及びR2は相違しても良く、mは1、2、3、4、5、6、7、8、
9、または10である] のシアニン誘導体及びこれらの塩及びプロトン化誘導体を提供する。各R1及び
2は相違し、対応するそれぞれの環の周囲で多数置換されていてもよく、これ
によって各環は多数のR1及びR2置換基を含み、各置換基は相違しても良い。
【0033】 更にまた、R1、R2、またはR3のいずれかまたは全ては、C1−C20直鎖状も
しくは分枝状アルキル鎖、C2−C20モノエーテルまたはポリエーテル、及び四
つまでの第二級アミド結合を含むC2−C20の原子から選択される、リンカーま
たはスペーサー基Lを介して、エネルギー移動関係にある蛍光パートナーに結合
しても良い。Lは、上述のような標的結合基または反応性基または反応性部分で
あるPに結合しても良く、これは例えばスクシンイミジルエステル、イソチオシ
アネート、チオシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、無水
物、ハロアセタミド、マレイミド、スルホニルハライド、ホスファアミダイト、
酸ハライド、アルキルイミデート、ヒドラジド、及びカルボジイミド;並びにア
ミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ホスホリル、またはスルフィドリル基と反応
性の基から選択される。Lは、例えば鎖中に分散されたものでもよいアルケニル
、アルキニル、及びアリールから選択される、上限二の不飽和基を含んでいて良
い。あるいはまた、標的結合基は、直接、または蛍光分子のいずれかにおいて置
換されていてもよく、例えばここに記載のR1-R6である。
【0034】 本発明のこうした実施態様においては、本発明の染料もしくは誘導体は、それ
ぞれの記載をその全体として参照のためにここに取り込むこととする、欧州特許
出願第747700号、国際特許出願99/39203号及び国際特許出願00
/13026号に記載されているように、エネルギー移動錯体の一つの染料であ
る。該錯体は、第一の(または供与体)蛍光色素、第二の(または受容体)蛍光
色素、及び、供与体及び受容体の蛍光色素を共有結合的に結合させるための少な
くとも一のリンカーを含む。好ましくは、本発明のエネルギー移動錯体は、標的
物質と共有結合を形成可能な、標的結合基を含む。あるいは、エネルギー移動錯
体は、細胞浸透性を助長するための官能性を含んでも良い。例には、アセトキシ
メチルエステルが含まれる。
【0035】 好適には、この実施態様では、エネルギー移動錯体を、系のpHにおける変化
を伴う比率的測定に使用しても良く、ここでは供与体または受容体種がここに記
載したpH感受性シアニン染料であっても良い。pH感受性シアニン染料が供与
体である場合には、受容体染料の蛍光発光の強度は、供与体及び受容体染料種の
両方を個別に励起させた後に測定される。pH感受性シアニン染料が受容体であ
る場合には、供与体種のみを励起させ、供与体及び受容体染料の両方の発光の強
度を個別に、連続的または同時に測定しても良い。したがって、該方法は、エネ
ルギー移動関係にある二つの染料が、生物学的及び他の系中におけるpH変化に
関する濃度非依存性情報の提供に利用可能である、比率的測定を規定するもので
ある。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明は、置換シアニン染料を提供するが、これは該染料の塩基性によって、
酸性または塩基性の条件下においてインドール窒素のプロトン化の際に蛍光性と
なる。すなわち、例えば、酸性条件下では、式(I)のプロトン化シアニンは以
下の構造式を有して、蛍光性である。
【0037】
【化17】
【0038】 別の実施態様においては、本発明は、下式(Ia)のpH感受性染料を提供す
る。
【化18】 [式中、R1、R2、及びR3は、以下に示すとおりである。]
【0039】
【表1】
【0040】 更に別の実施態様においては、本発明は、式(I)及び(Ia)の誘導体を提
供するが、これらは、アミン、ヒドロキシル、アルデヒド、及びスルフヒドリル
基と共有結合的に反応性とするような置換基を含む。これらの置換基は、式(I
)及び(Ia)のシアニン染料を、生物学的物質、非生物学的な分子及び高分子
及び粒子に共有結合的に結合させて、これらの物質を蛍光検出方法によって蛍光
的に標識;検出及び/または定量できるようにするために有用である。
【0041】 この実施態様において、式(I)及び(Ia)の誘導体には、そのプロトン化
形態を含む下記の式(II)、(III)、及び(IV)の化合物、及びこれらの塩及
びプロトン化誘導体が含まれる。
【0042】
【化19】
【0043】 式中、X及びYは、>C(C1−C4アルキル)2、硫黄及び酸素から選択され
; Za及びZbは、それぞれ個別に、6の炭素原子を有して0、1、または2の窒素
原子を含む1または2の縮合芳香環の完成に必要な原子を表し;R1、R2、R5
、及びR6は、H、CH2NH2、SO3 -、ホスフェート、ホスホネート、第四級
アンモニウム、NO2、(CH2qP、(CH2qCOOH、CH2NH-COR7 から個別に選択され、ここではR7は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル
または-(CH2m-COOHであり、ここではqは、0乃至10の整数であり;
3は、Hまたは-L-Pであり;ここではLは、アルケニル、アルキニル、及び
アリールから選択される、0、1、または2の不飽和基を任意に含むC1−C20
直鎖状もしくは分枝状アルキルから選択され、更にPは、反応性基、H、SO3 - 、NH2、第四級アンモニウム、CH2NH-COR8から選択され、ここではR8
は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル、-(CH2m-COOH、NHR9 であり、ここではR9は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル、またはCO
OHであり;R4は、H、または(CH2mPであり;nは0乃至3の整数であ
り;p、r、u、及びvは個別に0、1、2、3、または4であって、ここでp
、r、u、及び/またはvが1より大である場合には、各R1、R2、R5、及び
6は相違しても良く、mは1乃至10の整数である。ここに記載のように、反
応性基は該染料を、標識しようとする成分に結合させることができる。
【0044】 R1、R2、及びR4のいずれであっても、上述のようにスペーサーもしくはリ
ンカーLを個別に含んでよく、更に/または、ここに記載のように標的結合基ま
たは反応性基または反応性部分、例えばスクシンイミジルエステル、イソチオシ
アネート、無水物、ハロアセタミド、マレイミド、スルホニルハライド、ホスフ
ァアミダイト、酸ハライド、アルキルイミデート、ヒドラジド、およびカルボジ
イミド;並びにアミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ホスホリル、またはスルフ
ィドリル基と反応性の基等を含んで良い。所定の試薬については、さらに各分子
上のP(R3が-(CH2m-Pである場合)、R1、R2、及びR4基の少なくとも
一つが、発色団の溶解度を増大させる、または標識成分の標識の選択性に影響す
る、または該染料によって標識成分の標識の位置に影響する基であってよい。各
1、R2、R5、及びR6の一以上が、あらゆる環上に含まれていてよく、各置換
基は同一でも相違しても良い。
【0045】 本発明の好ましい実施態様においては、R1、R2、またはP(R3が-(CH2
m-Pである場合)の少なくとも一つが、スルホネートを含む。
【0046】 一つの実施態様においては、R5及びR6の少なくとも一つは、存在するならば
、少なくとも一のスルホネート基であり;ここでは、スルホネート基が単にイオ
ン化されたスルホン酸であることから、スルホネートはスルホン酸を含む。R5
またはR6は反応性部分であって良く、例えば第一級アミン、例えばNHR10
あって、ここではR10はC1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキルである。直接
的または間接的に発色団に結合して、反応性部分を含有可能なP(R3が-(CH 2m-Pである場合)、R1、R2、及びR4基のいずれでも形成することのできる
反応性基は、イソチオシアネート、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジ
クロロトリアジン、モノ-もしくはジ-ハロゲン置換ピリジン、モノ-もしくはジ-
ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジン、スルホニルハライド、酸ハラ
イド、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホスクシンイミドエ
ステル、イミドエステル、アルキルイミデート、ヒドラジドカルボジイミド、ヒ
ドラジン、アジドニトロフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロピ
オンアミド、グリオキサール及びアルデヒドを含んで良い。
【0047】 標的結合基、反応性基、または反応性部分、例えばここに記載のR1、R2、及
びR4基のうちいずれでもが、米国特許第6,048,982号に記載のように
、例えば、共有結合的にタンパク質、核酸、炭水化物、糖、細胞、及びこれらの
コンビネーション、並びに他の生物学的または非生物学的物質に結合して、これ
らの物質を蛍光性及び検出可能にするような、アミン、ヒドロキシ、及び/また
はスルフヒドリル基に反応性の基であってよい。したがって、記載の通り、本発
明の染料は例えばアビジン、抗体、DNA、RNA、またはレシチンを標識して
、これによって例えばビオチニル化物質、抗原、ハプテン、炭化水素基、DNA
、RNA、及び相補DNAもしくはRNAを検出、測定、及び/または定量する
ために使用しても良い。入手可能なアミノ、ヒドロキシル、及びスルフヒドリル
基を用いる、成分の標識のために特に有用なP、R1、R2、及びR4基の特定例
には、以下のものが含まれる。
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】 [式中、QまたはWの少なくとも一つは、I、Br、Cl等の脱離基である。]
【0050】
【化22】
【0051】 入手可能なスルフヒドリルを用いて成分を標識するために特に有用であり、二
工程の処理において抗体を標識するために使用可能なP(R3が-(CH2m-P
である場合)、R1、R2、及びR4基の特定例には以下のものが含まれる。
【0052】
【化23】 [式中、Qは、IまたはBr等の脱離基である。]
【0053】
【化24】 [式中、nは0または1乃至8の整数である。]
【0054】 光によって活性化された架橋による成分の標識のために特に有用である、P(
3が-(CH2m-Pである場合)、R1、R2、及びR4基の特定の例には、以下
のものが含まれる。
【化25】
【0055】 標識成分の、水溶性の増大または、サンプル中の不適当な成分への望ましから
ぬ非特定的結合の低減の目的のため、あるいは、蛍光の消光を引き起こしうる、
標識成分上におけるより反応性の発色団二つの間の相互作用を低減するために、
P(R3が-(CH2m-Pである場合)、R1、R2、及びR4基は、周知の電気的
に帯電した化学基から選択可能である。例はE-Fであって、ここではFは、ヒ
ドロキシル、ホスフェート、ホスホネート、スルホネート、スルフェート、カル
ボキシレート、置換アミノまたは第四級アミノであり、ここではEは、-(CH2t-基等のスペーサー基であって、ここではtは0、1、2、3、4、または5
である。有用な例には低級アルキルスルホネート、例えば-(CH24-SO3 -
含まれる。
【0056】 別の実施態様においては、本発明は下式(IIIa)及び(IIIb):
【化26】 [式中、X、R1、R2、R3、及びR4基は、以下(表2)に示される通りである
。] のpH感受性染料を提供する。
【0057】
【表2】
【0058】 別の実施態様においては、本研究は下式(IVa)及び(IVb):
【化27】 のpH感受性染料を提供する。
【0059】
【表3】
【0060】 別の実施態様においては、本発明は、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、
(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVa)、及び(IVb)のアセトキシメチルエステ
ル及びアセテートエステルの誘導体を提供する。こうしたエステルは、生物学的
膜等の膜に対して浸透性であり、細胞中に見られるようにエステラーゼによって
加水分解される。本発明の化合物は、細胞浸透性とする誘導または変性を必要と
しない。当業者であれば、本発明の化合物の細胞浸透性の変異性を高く評価し、
これを定法により試験することが出来るであろう。
【0061】 本発明の染料のポリメチン鎖はまた、該ポリメチン鎖の二以上の炭素原子の間
に架橋を形成する、一以上の環状化学基を含んでいても良い。これらの架橋は該
染料の化学的または光安定性の増大に役立ち、該染料の吸光及び発光波長の改変
に、あるいはその吸光係数または量子収量の変更に使用できる。水性環境中にお
ける溶解度特性の改善は、この改変によって得ることができる。
【0062】 別の実施態様においては、本発明は、成分標識された複合体であって、該標識
が式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の化合物であり、該成分が抗体、タ
ンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンフォカイン、代謝物、受容体、
抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプタビジン、トキシン、炭水化物
、オリゴ糖、多糖類、核酸、誘導デオキシ核酸、DNAフラグメント、RNAフ
ラグメント、誘導DNAフラグメント、誘導RNAフラグメント、天然薬剤、合
成薬剤、ウィルス粒子、細菌粒子、ウィルス成分、酵母成分、血液細胞、血液細
胞成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、単細胞血液成分、細菌、細菌成分
、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、
硝子粒子、硝子表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体
または半導体である。
【0063】 本発明のシアニン染料またはその誘導体は、吸収が、好ましくはpH3−10
にて、更に好ましくはpH3−6にて、400−800nmの領域内で最大となる
もの、あるいは520−580nmまたは650−670nmの領域内、好ましくは
530−550nmの範囲内、更に好ましくは540−550nmの範囲内、最も好
ましくは約548nmで最大となり、等吸収点が、495−500nmの範囲内、好
ましくは約498nmのものである。
【0064】 本発明のシアニン染料またはその誘導体は、酸性条件下(pH4−7、好まし
くはpH4−5、最も好ましくはpH4)で最大の蛍光発光をするが、本発明の
化合物には、505−520nm、好ましくは510−515、最も好ましくは5
14nmの波長によって励起された場合に、pH7.2−10の範囲内等の塩基性
条件下にて、約560−580nm、好ましくは560−565、最も好ましくは
564nmで蛍光発光するものがある。当業者には、本発明の染料において、nが
増大するにつれて蛍光発光の波長が増大し、同様にnが減少する場合には蛍光波
長が減少することが認識されるであろう。
【0065】 本発明の染料または誘導体には、好ましくはアルゴンイオンレーザーの514
nmのスペクトル系列で最大に励起されうるものがある。しかしながら、本発明の
範疇においては、励起され、一定範囲の波長に亘って蛍光発光しうる染料を設計
することができる。本発明の染料または誘導体の吸光係数は、好ましくは130
,000cm-1-1より大である。本発明の染料及び誘導体の蛍光は、好ましくは
pH4とpH10との間のpHに対して感受性であり、水溶性である。
【0066】 別の実施態様においては、本発明は、pHの定性及び/または定量的検出のた
めの蛍光方法を提供する。こうした方法には、本発明の少なくとも一の染料を、
細胞、組織、または生物学的流体の組成物と接触または混合する工程が含まれ、
ここでは蛍光の存在が、酸性の、もしくはことによると塩基性の環境を示す。一
つの実施態様においては、本発明は、準細胞画分、またはオルガネラまたは構造
に包含されるものなどの、細胞内酸性環境の検出方法を提供する。本発明の化合
物または誘導体は、細胞中に能動的または受動的に吸収されても良く、これらは
蛍光検出によって検出可能である。
【0067】 更に別の実施態様においては、本発明は、蛍光検出の方法を提供し、ここでは
本発明の染料または誘導体が示差条件等の酸性条件中において検出され、あるい
は多数の蛍光染料が使用される場合には、本発明の染料または誘導体は、酸性条
件中において発光せず、及び/または現在提供される染料または誘導体の波長に
発光しない染料と共に使用しても良い。
【0068】 上述の通り、本発明はまた、pH感受性の、濃度依存性の比率的測定方法を提
供し、ここでは、記載の通り少なくとも一組の蛍光染料が、エネルギー移動配置
にて、好ましくはリンカーLを介して結合しており、ここには任意の標的結合基
が含まれる。こうした複合体染料の少なくとも一つは、本発明のpH感受性染料
の一つである。当業者であれば、こうした染料複合体は、最低でもエネルギー供
与体である染料及びエネルギー受容体である染料を含むことを認識するであろう
。本発明のpH感受性染料がエネルギー供与体である場合、本発明の比率的測定
には、供与体および受容体のそれぞれを励起した後の、受容体発光の蛍光強度の
比率の測定が含まれる。本発明のpH感受性染料がエネルギー受容体である場合
は、供与体および受容体の双方の最大蛍光強度の比率を、供与体種の最大吸収に
おける励起から決定する。
【0069】 本発明の方法は、離して規定された波長、例えば第一及び第二波長にて、それ
ぞれ照明及び検出のための既知の装置を使用しても良い。こうした装置には、こ
れらに限定されるものではないが、蛍光分光計、吸収分光計、蛍光顕微鏡、透過
光顕微鏡、フローサイトメーター、光ファイバセンサー、イムノアッセイ器具、
及びビデオ蛍光造影装置が含まれる。本発明の方法には、以下に記載のものが含
まれる。
【参考文献2】 特に、酸性条件で測定が行われる方法が好ましく、ここでは本発明の染料及び
/または誘導体が使用される。
【0070】 本発明の方法はまた、化学分析法を利用して、本発明の染料または誘導体の標
識成分への結合を検出することができる。化学分析方法には、赤外線スペクトル
、NMRスペクトル、吸収スペクトル、蛍光スペクトル、マススペクトル、及び
クロマトグラフィー方法が含まれる。
【0071】 本発明の染料及び誘導体は、参照のためにその全内容をここに取り込むことと
する、米国特許第5,486,268号、米国特許第5,486,616号、及
び米国特許第4,981,977号に記載の方法等の、当業界において周知の方
法によって調製可能である。 本発明の下記の例は、好ましい実施態様を更に説明する。
【0072】
【実施例】
(実施例1:Cy3.39.OH(化合物1)、その中間体及び誘導体の合成)
【化28】 (1.1:5-スルホ-2,3,3-トリメチルインドレニン(I)の合成) 従来のフィッシャー・インドール合成を、以下のように用いた。メカニカルス
ターラー及び還流コンデンサーを取り付けた2Lの三口フラスコに、酢酸(30
0mL)、3-メチル-2-ブタノン(168mL、1.59mol)、及びp-ヒドラジ
ノベンゼンスルホン酸(100g、0.53mol)を仕込んだ。該混合物を、3時
間加熱還流させた後、数時間冷却したところピンク色の固体が分離した。 2-メチルのシングレットは、D2O中では見られなかったが、nmrをDMSO
6中で記録した場合には現れた。
【0073】 メタノール中スルホインドレニンの撹拌溶液に、イソプロパノール中、水酸化
カリウムの飽和溶液を添加した。該アルカリ溶液は黄変し、スルホインドレニン
のカリウム塩が、黄色固体として、ほぼ定量的に沈殿した。
【0074】 (1.2:塩を含まないスルホインドレニンの調製) スルホインドレニンのカリウム塩を、水中に溶解し、Dowexの強酸性水素イオ
ン交換樹脂のカラムに通した。カリウムを含まないスルホインドレニンが、褐色
粉末として得られた。このことは、スルホインドレニンが内部塩であり、窒素が
プロトン化されていることを保証するために必須である。
【0075】 (1.3:5-スルホ-1-(γ-カルボキシペンチニル)-2,3,3-トリメチル
インドレニン(II)) 5-スルホ-2,3,3-トリメチルインドレニン(I)のカリウム塩と6-ブロ
モヘキサン酸(1.2当量)とを、1.2-ジクロロベンゼン中で混合し、11
0℃にて12時間加熱した。混合物を冷却し、1,2-ジクロロベンゼンをデカ
ントし、該固体を、遊離粉末が得られるまでイソプロパノールで擦り込み(trit
urate)した。 2-メチルのプロトンは、D2O中では見られなかった。Rf=0.27(逆相
、水)
【0076】 (1.4:中間体415(III)の調製) インドレニンの第四級塩(II、5.3g、0.015mol)とN,N’ジフェニ
ルホルムアミジン(3.3g、0.017mol)との酢酸(20mL)中の混合物を
、加熱還流させた。反応の完了を、メタノール中における吸収スペクトルでモニ
ターしたところ、これは反応が進むにつれ、286nmでの吸収極大がほとんど消
失点まで下降し、415nmにおける吸収が、相応じて上昇したことを示した(約
3−4時間)。加熱を延長すると、対称的な染料がいくらか産生した(>5%)
。酢酸を回転エバポレーターで除去し、粗製の橙色粉末を即座に次の反応に使用
した。λmax(水)=415nmであり、反応混合物の少量部を、溶離剤として水
−メタノールを使用し、逆相18Cカラムで精製した。
【0077】 (1.5:染料Cy3.39.OHの調製) 中間体(III、5.9g、0.013mol)を無水酢酸(25mL)及びピリジン
(25mL)中に再溶解させた。該混合物を415nmにおける吸収がほとんど即時
に喪失するまで加温したところ、更なるバンドが385nmに現れた。インドレニ
ン(カリウムを含まない)(5.3g、0.015mol)を添加し、該混合物を、
385nmにおける吸収極大がほとんど消失するまで、110℃に加熱した。これ
を冷却し、染料をエチルエーテルで沈殿させた。イソプロパノール(×10mL)
で洗浄した後、濾過によって固体を回収し、溶離剤として水:メタノール混合物
を使用して逆相18Cで精製した(2.3g、収率28%)。
【0078】 二つの対称的な染料、Cy3.18.OH(スルホインドレニン(II)から)
及びジスルホ-DiI-(3)(スルホインドレニン(I)から)もまた、副生成
物として得られた。TLC RP-C18(水:メタノール-8.5:1.5) Rf=0.65、Cy3.18.OH 0.50、Cy3.39.OH 0.44、ジスルホ-DiI-(3)
【0079】 (1.6:Cy3.39.OHのスクシンイミジルエステル) 典型的実験においては、カルボキシアルキルスルホシアニンを無水DMF(2
mL/染料100mg)と無水ピリジン(0.1mL/染料100g)との混合物中に
溶解させた。ジスクシンイミジルカルボネート(DSC)(1.5当量)を添加
し、該混合物を、窒素下、55−60℃にて90分間撹拌した。該混合物を無水
エチルエーテルで希釈した後、上澄み液をデカントした。生成物をエチルエーテ
ルで繰り返し洗浄し、濾過した。シアニン活性エステルが、ほぼ定量的収量で得
られた。
【0080】 (1.7:Cy3.39.OSuの抗体との反応) Cy3.39活性エステルの原液を、無水DMF中に調製した(1mg/100
μL)。1mgのヒツジIgG(6.45mM)を250μLの0.1M炭酸水素塩緩
衝液(pH9.4)中に溶解させ、渦状に激しく撹拌しつつ所望の量の染料を添
加した。反応混合物を、室温に15分間維持した。非縮合染料を、溶離剤として
pH7の緩衝溶液を使用し、Sephadex G-50(0.7×20cm カラム)を用い
たゲル浸透クロマトグラフィーによって、タンパク質から分離した。
【0081】 (実施例2:Cy3.1(化合物2)の合成)
【化29】 ピリジン(5mL)中、2,3,3-トリメチルインドレニン-5-スルホネート
(2mmoL)とエチルオルトフォルメート(1mmoL)との混合物を、10分間加熱
還流させた。反応混合物を冷却し、数体積の無水エーテルで希釈し、アイスバス
中で冷却した。硝子ロッドでスクラッチすることにより生成物が赤色粉末として
固化し、これを濾紙で回収して乾燥させた(収率60%)。生成物は、TLCに
よってほとんど純粋であることが示された(Rf=0.44、C18逆相プレー
ト、水/メタノール、8:2v/v)。Cy3.1のピリジニウム塩を水中に溶解
させ、Dowexの強酸性水素イオン交換樹脂のカラムに通した。
【0082】 あるいはまた、該染料はスルホインドレニン(I)をエチルオルトフォルメー
トと共に酢酸中で2時間加熱することによっても得られる。酢酸を、減圧下、回
転エバポレーターにて除去し、残留物に無水エチルエーテルを擦り込みしたとこ
ろ、赤色固体を得、これをC18逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーで精
製した(収率25%)。
【0083】 (実施例3:Cy3.39.OH(化合物3)及びそのスクシンイミジルエステ
ルの合成)
【化30】 該染料及びそのスクシンイミジルエステルを、Cy3.39.OHについて記
載された操作に従って調製した。該染料は水に不溶性であった。その水溶性デキ
ストラン複合体を下記の通り調製した。
【0084】 0.02Mのカーボネート緩衝液中のアミノデキストラン(Mr40,000
、デキストラン分子当たりおよそ7.2のアミノ基)(8.5mg、0.2mmoL)
の溶液に無水DMF中の活性エステル(2mg)の溶液を添加した。該混合物を室
温にて30分間撹拌した。染料−デキストラン複合体を、非複合染料から、溶離
緩衝液として酢酸アンモニウム(50mM)を使用し、Sephadex G-50ゲル浸透ク
ロマトグラフィーによって分離した。平均2.2の染料分子が、各デキストラン
分子に共有結合的に結合した。
【0085】 (実施例4:5-(カルボキシメチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチ
ル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタ
ジエニル]-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム(化合
物4))
【化31】
【0086】 (4.1:5-カルボキシメチル-2,3,3-トリメチル-1-(4-スルホブチル
)-3H-インドリウム) 5-カルボキシメチル-2,3,3-トリメチル=インドール(100mg、0.3
8mmol)及び1,4-ブタンスルトン(43μl、0.418mmol)を、1mlのブ
チロニトリル中に溶解させ、120℃にて24時間加熱した。ピンク色の固体が
、溶液から析出した。該溶液を冷却し、固体を濾過によって除去した。新たに準
備したブチロニトリルで洗浄し、乾燥させることで生成物を得た(122mg、9
1%)。
【0087】 (4.2:5-(カルボキシメチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-
5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジ
エニル]-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム 5-カルボキシメチル-2,3,3-トリメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-
インドリウム(100mg、0.27mmol)、5-スルホ-2,3,3-トリメチル
インドレニン(69.3mg、0.27mmol)及びマロンアルデヒド=ビス(フェ
ニルイミン)モノヒドロクロライド(70mg、0.27mmol)を、N,N-ジメ
チルホルムアミドに溶解させた。この溶液に、安息香酸(66mg、0.54mmol
)及び無水安息香酸(122mg、0.54mmol)を添加した。この溶液を、90
℃にて3時間加熱したところ、暗青色の溶液を生じた。該反応を、アニル中間体
の吸収(454nm)が観察されなくなるまでUVでモニターした。該溶液を冷却
し、真空中で溶媒を除去した。染料を、Rainin Dynamax 60Å C18カラムを
使用し、10ml/分にて、15%のBを5分間から、75分間に亘って15%乃
至50%のBに傾斜させる溶媒勾配で、逆相HPLCにより精製したが、ここで
はA=H2O(0.1%酢酸)及びB=アセトニトリル(0.1%酢酸)である
。カラム持続時間は33分間であった(650nmのUV)。
【0088】 (4.3:化合物4(N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)) 遊離酸(1mg、1.5μmol)を、無水DMSO(100μL)中に溶解させた
。この溶液に、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(0.78mg、1.5μmol
)、N-ヒドロキシスクシンイミド(0.2mg、1.5μmol)及びジイソプロピ
ルエチルアミン(0.25μl、1.5μmol)を添加した。該溶液は赤変した。
該溶液を、1時間室温にて撹拌した。反応混合物を、遊離酸の場合と同様の条件
を利用してHPLCによって精製した。スクシンイミジルエステルのカラム持続
時間は、45分間であった(UV650nm)。MALDI-TOF m/z=725
(100%)、C35413102についてM+=727。
【0089】 (実施例5:2-{1E,3E)-5[5-(カルボキシメチル)-3,3-ジメチル
-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]-1,3-ペンタジエニル}-1
-エチル-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム(化合物5))
【化32】
【0090】 (5.1:1-エチル-2,3,3-トリメチル-3H-インドリウム-5-スルホネ
ート) 5-スルホ-2,3,3-トリメチルインドレニン(カリウム塩)(11g、0.
04mol)をヨウ化エチル(40ml)中に懸濁させ、該反応物を24時間還流さ
せた。該混合物を冷却し、過剰のヨウ化エチルをデカントした。明紫色の固体に
アセトンを擦り込みし(3×50ml)、ヨウ化カリウムを除去した。該粉末を乾
燥させた。
【0091】 (5.2:2-{1E,3E)-5[5-(カルボキシメチル)-3,3-ジメチル-
1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]-1,3-ペンタジエニル}-1-
エチル-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム) 1-エチル-2,3,3-トリメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート(2
0mg;0.0745mmol)、マロンアルデヒド=ビス(フェニルイミン)(21
.22mg;0.082mmol)及び無水酢酸(1ml)を120℃にて24時間。減
圧下で溶媒を除去し、アニルが赤色固体として得られた。そこで5-カルボキシ
メチル-2,3,3-トリメチルインドール(16.2mg;0.0745mmol)を
添加し、粗製の混合物をピリジン、酢酸、無水酢酸の溶液(比4.5:4.5:
0.5)に溶解させた。該溶液を、70℃にて一晩撹拌した。これを冷却し、減
圧下で溶媒を除去したところ、青色固体が得られ、これを逆相HPLCによって
精製して、複合体5を得た(60%)。MALDI-TOFm/z=518(100
)、C293225SについてM+=520、UV(H2O/H+)λmax650nm
【0092】 (5.3:化合物5(N-ヒドロキシスクシミジルエステル)) 遊離酸(1mg、2.2μmol)をDMF(100μl)中に溶解させた。この溶
液に、ジイソプロピルエチルアミン(1μl)及びO-(N-スクシンイミジル)-
N,N,N’,N’-ビス(テトラメチレン)-ウロニウムヘキサフルオロホスフ
ェート(1.4当量)を添加した。該溶液を30分間撹拌して10mgが得られた。
MALDI-TOFm/z=618(100%)、C333537SについてM+
617。
【0093】 (実施例6:2-{[(E)-5-(カルボキシメチル)-3,3-ジメチル-1,3-
ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]-1-プロペニル}-3-(4-スルホブチ
ル)-1,3-ベンゾチゾール-3-イウム(化合物6))
【化33】
【0094】 (6.1:2-メチル-3-(4-スルホブチル)-1,3-ベンゾチアゾール-3-イ
ウム) 2-メチル-ベンゾチアゾール(100μl、0.57mmol)及び1,4-ブタン
スルトン(59μl、0.57mmol)を、ブチロニトリル(2ml)中に溶解した
。該混合物を120℃にて24時間撹拌したところ、ピンク色の沈殿物が生成し
た。固体を濾過し、新たに準備したブチロニトリル及びジエチルエーテルで洗浄
した。
【0095】 (6.2:2-[(E)-5-(カルボキシメチル)-3,3-ジメチル-1,3-ジヒ
ドロ-2H-インドール-2-イリデン]-1-プロペニル}-3-(4-スルホブチル)
-1,3-ベンゾチゾール-3-イウム) 2-メチル-3-(4-スルホブチル)-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム(1
0mg、35μmol)、5-カルボキシメチル-2,3,3-トリメチルインドール(
8mg;35μmol)、及びN,N’-ジフェニルホルムアミジン(7.5mg、38
.5μmol)を、アセトニトリル中70℃にて撹拌した。ここに、安息香酸(8m
g、70μmol)及び無水安息香酸(15mg、70μmol)を添加した。該溶液を
4時間加熱した後に冷却した。アセトニトリルを真空中で除去したところ、暗い
ピンク色のゴムが生成した。これを、Rainin Dynamax 60Å C18カラムを使
用し、10ml/分にて、15%のBを5分間から、75分間に亘って15%乃至
50%のBに傾斜させる溶媒勾配で、逆相HPLCによって精製したが、ここで
はA=H2O(0.1%酢酸)及びB=アセトニトリル(0.1%酢酸)である
。MALDI-TOF M+=511(100%)。
【0096】 (実施例7:3-(5-(カルボキシペンチル)-2[1E,3E)-5-(3,3-
ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-
ペンタジエニル]-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム(化合物7))
【化34】
【0097】 (7.1:3-(5-カルボキシペンチル)-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール
-イウム=ブロミド) 2-メチルベンゾチアゾール(100μl、0.57mmol)を、トルエン(1ml
)中に6-ブロモヘキサン酸(123mg、0.63mmol)と共に溶解させた。該
溶液を24時間還流させた。該溶液を冷却したところ、淡色固体を生成した。こ
れを濾過し、冷温トルエンで、次いでジエチルエーテルで洗浄した。収率58%
【0098】 (7.2:3-(5-(カルボキシペンチル)-2[1E,3E)-5-(3,3-ジ
メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペ
ンタジエニル]-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム) 5-スルホ-2,3,3-トリメイチルインドレニン(120mg、0.46mmol
)を、ピリジン:酢酸:及び無水酢酸の1:1:0.2混合物中、120℃にて
撹拌した。 マロンアルデヒド=ビス(フェニルイミン)モノヒドロクロライド(120mg
、0.46mmol)をゆっくりと添加し、反応物を30分間撹拌した。1-(5-カ
ルボキシペンチル)-2-メチル-ベンゾチアゾール-3-イウムブロミド(122m
g、0.46mmol)を、ピリジン:酢酸:及び無水酢酸の1:1:0.2混合物
(1ml)中に溶解させ、これを反応混合物に、30分毎に100μlずつ添加し
た。反応物を一晩加熱し、冷却したところ暗青色の溶液を得た。TLC(20%
メタノール/CH2Cl2)により、pH感受性Cy5の存在が示された。該溶液
を、Rainin Dynamax 60Å C18カラムを使用し、10ml/分にて、15%の
Bを5分間から、75分間に亘って15%乃至50%のBに傾斜させる溶媒勾配
で、逆相HPLCによって精製したが、ここではA=H2O(0.1%酢酸)及
びB=アセトニトリル(0.1%酢酸)である。カラム持続時間は50.6分間
であった。MALDI-TOF m/z=537(100%)、C2832252
ついてM+=540。
【0099】 (実施例8:5-(アミノメチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5
-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエ
ニル]-1,3,3-トリメチル-3H-インドリウム(化合物8))
【化35】
【0100】 (8.1:5-[1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イ
ル)メチル]-1,2,3,3-テトラメチル-3H-インドリウム) 2-メチレン-1,3,3-トリメチルインドレニン(100g、0.575mmol
)を0℃にてゆっくりと濃硫酸(500ml)に添加した。これを1時間撹拌し、
N-(ヒドロキシメチル)-フタルイミド(100g、0.565mol)を0℃にて
2時間に亘って10gずつ添加した。反応物を70時間撹拌したところ、橙色溶
液を得た。これを500gの氷上に注いだ。濃アンモニア溶液(750ml)を蒸
留水(750ml)で希釈し、0℃にてクエンチした反応混合物にゆっくりと添加
した。中和に際して、該水溶液は黄変した。これをクロロホルムで抽出し、有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で溶媒を除去した。生成物をメ
タノール/クロロホルムから再結晶し、130gの生成物を得た。収率68%。
【0101】 (8.2:2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒド
ロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニル]-5-[(1,3-ジ
オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)メチル]-1,3,3-
トリメチル-3H-インドリウム) 5-[1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)メチ
ル]-1,2,3,3-テトラメチル-3H-インドリウム(20mg、0.06mmol
)、5-スルホ-2,3,3-トリメチルインドレニン(15.4mg、0.06mmo
l)及びマロンアルデヒド=ビス(フェニルイミン)モノヒドロクロライド(17
mg、0.066mmol)を、N,N’-ジメチルホルムアミジン中、90℃にて撹
拌した。ここに、安息香酸(8mg、0.066mmol)及び無水安息香酸(15mg
、0.066mmol)を添加した。該溶液を3時間加熱した後に冷却したところ、
暗青色の溶液を得た。逆相分析HPLC(流速1ml/分)により精製した。溶媒
勾配は15%のBを5分間から、75分間に亘って15%乃至50%のBへの傾
斜とし、ここではAは水(0.1%酢酸)及びBはアセトニトリル(0.1%酢
酸)である。該生成物についてのカラム持続時間は、42.7分間であった。収
率23%。MALDI-TOF m/z=609(100%)、C353535Sに
ついてM+=609。
【0102】 (8.3:5-(アミノメチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5-
スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニ
ル]-1,3,3-トリメチル-3H-インドリウム) フタルイミド保護生成物(セクション8.2参照)を、エタノール中に溶解さ
せた。四倍過剰のヒドラジン水和物を添加したところ、即座に該溶液は赤色とな
った。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、藤色固体
を蒸留水中に溶解した。これを逆相分析HPLC(流速1ml/分)により精製し
た。溶媒勾配は15%のBを5分間から、75分間に亘って15%乃至50%の
Bへの傾斜とし、ここではAは水(0.1%酢酸)及びBはアセトニトリル(0
.1%酢酸)である。該生成物についてのカラム持続時間は、37分間であった
。収率40%。MALDI-TOF m/z 479(100%)、C273333
についてM+=479。
【0103】 (実施例9:1-(5-カルボキシペンチル)-2-[1E,3E)-5-(1,1-ジ
メチル-6-8-ジスルホ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[エ]インドール-2-イリ
デン)-1,3-ペンタジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウ
ム(化合物9))
【化36】
【0104】 (9.1:6-ヒドラジノナフタレン-1,3-ジスルホネート) 2-ナフチルアミン-5,7-ジスルホン酸(10g、0.033mol)を、50
%塩酸(200ml)中に懸濁させた。これを0−5℃にて撹拌した。蒸留水(1
5ml)中の硝酸ナトリウム(2.5g、0.036mmol)を滴々と添加した。ス
タンノスクロライド(10ml c.HCl中、8.2g、0.036mol)を、撹拌
した混合物に、5℃より高温にて滴々と添加した。反応混合物を1時間撹拌した
。生成物を減圧下で濃縮し、高温の2-プロパノールで擦り込みしたところ淡色
粉末を得た。
【0105】 (9.2:1,1,2-トリメチル-6,8-ジスルホ-ベンゾ[エ]インドール) 6-ヒドラジノナフタレン=1,3-ジスルホネート(6.2g、0.02mol)
、メチルイソプロピルケトン(6.4ml、0.06mol)、酢酸カリウム(5.
88g、0.06mol)および氷酢酸(35ml)を、135℃にて24時間還流さ
せた。酢酸を真空中で除去し、該固体を2-プロパノールと共に撹拌したところ
、淡黄色粉末を得た。
【0106】 (9.3:1-(5-カルボキシペンチル)-2-[1E,3E)-5-(1,1-ジメ
チル-6-8-ジスルホ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[エ]インドール-2-イリデ
ン)-1,3-ペンタジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム
) 1,1,2-トリメチル-6,8-ジスルホ-ベンゾ[エ]インドール(20mg、0
.054mmol)、1-(5-カルボキシペンチル)-5-スルホ-2,3,3-トリメ
チルインドール(19mg、0.054mmol)及びマロンアルデヒド=ビス(フェ
ニルイミン)(15mg、0.06mmol)を、酢酸、ピリジン、及び無水酢酸の1
:1:0.2混合物中、70℃にて4時間撹拌し、暗青色溶液を得た。この溶液
を冷却した。染料を逆相分析HPLC(流速1ml/分)により精製した。溶媒勾
配は15%のBを5分間から、75分間に亘って15%乃至50%のBへの傾斜
とし、ここではAは水(0.1%酢酸)及びBはアセトニトリル(0.1%酢酸
)である。該生成物についてのカラム持続時間は、31分間であった(655nm
でのUV)。MALDI-TOF m/z=758(100%)、C3538211 3 についてM+=758。
【0107】 (実施例10:2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジ
ヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニル]-1-(6-ヒド
ラジノ-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム(
化合物10))
【化37】
【0108】 (10.1:1-(5-カルボキシペンチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジ
メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペ
ンタジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム) 1-(5-カルボキシ-ペンチル-1,3,3-トリメチル-インドリウム-5スル
ホネート(100mg、0.28mmol)を、アセトニトリル中に5-スルホ-2,3
,3-トリメチルインドレニン(73mg、0.28mmol)及びマロンアルデヒド=
ビス(フェニルイミン)(79mg、0.31mmol)と共に溶解させた。安息香酸
(68mg、56mmol)及び安息香酸無水物(127mg、0.56mmol)を該溶液
に添加し、反応混合物を80℃にて2時間撹拌した。暗青色溶液を冷却し、減圧
下で溶媒を除去した。残留固体をDMSO中に溶解させ、溶液を、Rainin Dynam
ax 60Å C18カラムを使用し、10ml/分にて、15%のBを5分間から、
75分間に亘って15%乃至50%のBに傾斜させる溶媒勾配で、逆相HPLC
によって精製したが、ここではA=H2O(0.1%酢酸)及びB=アセトニト
リル(0.1%酢酸)である。カラム持続時間は41分間であった(Vis.650
nm)。MALDI-TOF m/z=627.5(100%)、C3138282
ついてM+=630。
【0109】 (10.2:2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒ
ドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニル]-1-(6-ヒドラ
ジノ-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム) 1-(5-カルボキシペンチル)-2-[1E,3E)-5-(3,3-ジメチル-5-
スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニ
ル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム(5mg、7.9μmol)をD
MSO(200μl)中に溶解させた。この溶液に、ジイソプロピルエチルアミ
ン(5μl)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホ
ニウム=ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(4.4mg、7.9μmol)
、N-ヒドロキシスクシンイミド(1mg、7.9μmol)およびヒドラジンヒドレ
ート(0.2μl、2当量)を添加した。明赤色溶液を1時間撹拌した。該プロ
ーブを、逆相分析HPLC(流速1ml/分)により精製した。溶媒勾配は15%
のBを5分間から、75分間に亘って15%乃至50%のBへの傾斜とし、ここ
ではAは水(0.1%酢酸)及びBはアセトニトリル(0.1%酢酸)である。
該生成物についてのカラム持続時間は、18分間であった(650nmでのUV)
。MALDI-TOF m/z=641(100%)、C3140472についてM + =644。
【0110】 (実施例11:pH感受性Cy3−Cy5エネルギー移動カセット(化合物11
))
【化38】
【0111】 (11.1:Cy5(登録商標):1-(5-カルボキシペンチル)-2-[1E,
3E)-5-(1-エチル-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-イ
ンドール-2-イリデン)-1,3-ペンタジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-
3H-インドリウム) Cy5を、Bioconjugate Chemistry, Volume 4, Number 2, page 105, (1993)
に記載の方法に従って調製した。1-エチル-2,3,3-トリメチル-3H-イン
ドリウム-5-スルホネート(4g、0.015mol)及びマロンアルデヒド=ビス
(フェニルイミン)モノヒドロクロライド(4.4g、0.017mol)を酢酸(
20ml)及び無水酢酸(20ml)中で4時間還流させた。ピリジン(20ml)及
び1-(5-カルボキシペンチル-1,3,3-トリメチルインドレンイニウム-5-
スルホネート(5.3g、0.015mol)を該溶液に添加し、該反応物を更に3
時間加熱した。生成物を2-プロパノールで洗浄し、逆相クロマトグラフィーに
より精製した。
【0112】 (11.2:Cy5-リシン-fmoc) Cy5(50mg、0.072mmol)をジメチルスルホキシド(2ml)中に溶解
させた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(40ml)及びO-,-N-スクシン
イミジル-N,N,N’,N’-ビス(テトラメチレン)ウロニウム=ヘキサフル
オロホスフェート(74mg、0.18mmol)を添加し、反応物を30分間撹拌し
た。反応混合物を、ジエチルエーテルでクエンチし、濾過して酢酸エチルで擦り
込みして、細かい青色粉末として生成物を得た。該固体をジメチルスルホキシド
(2ml)中に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(40ml)及びN-(9-フ
ルオレニルメトキシカルボニル)-L-リシン(40mg、0.1mmol)を添加した
。これを室温にて一晩撹拌した。生成物を、C18VYDACカラムを使用し、3
0分間に亘ってBを20%乃至40%に傾斜させて分析逆相HPLCによって精
製したが、ここではAは水/0.1%トリフルオロ酢酸、Bはアセトニトリル/
0.1%トリフルオロ酢酸である。該生成物についてのカラム持続時間は、33
分間であった。MALDI-TOF m/z=1007(100%)、M+=C54634112
【0113】 (11.3:Cy5-Lys) Cy5-Lys-fmoc(5mg、4.9μmol)を、4:1DMSO/ピペリ
ジン(200μl)中に溶解させた。これを2時間撹拌した。該染料を、逆相分
析HPLC(流速1ml/分)により精製した。溶媒勾配は15%のBを5分間か
ら、75分間に亘って15%乃至50%のBへの傾斜とし、ここではAは水(0
.1%酢酸)及びBはアセトニトリル(0.1%酢酸)である。該生成物につい
てのカラム持続時間は、26分間であった(655nmでのUV)。MALDI-
TOF m/z=784(100%)、C3954492についてM+=786。
【0114】 (11.4:pH感受性Cy3−Cy5エネルギー移動カセット) Cy5-Lys(1mg、1.2μmol)及びCy3.39のNHSエステル(化
合物3、表1)(0.89mg、1.2μmol)を、200μlのDMSO及びジイ
ソプロピルエチルアミン(1μl)中で2時間撹拌した。該溶液を、逆相分析H
PLC(流速1ml/分)により精製した。溶媒勾配は15%のBを5分間から、
75分間に亘って15%乃至50%のBへの傾斜とし、ここではAは水(0.1
%酢酸)及びBはアセトニトリル(0.1%酢酸)である。該生成物についての
カラム持続時間は、33.5分間であった(655nmでのUV)。MALDI-
TOF m/z=1376(100%)、C68886164についてM+=137
4。
【0115】 (実施例12:pH感受性シアニン染料の蛍光特性) 化合物Cy3.39及び化合物4−10の等モル溶液を、リン酸緩衝液(pH
5.85−9.86)の範囲に調製した。各染料の蛍光及びUV吸収特性を、様
々なpHにて観察した。これらの特性を、表4に示した。
【0116】
【表4】
【0117】 pKaを、測定したpHにおける発光強度と、最大発光についての発光強度と
の比、もしくはI/I0として測定した。これを、S字形曲線適合を使用し、実
施例7について図5に示した。pKaは、I/I0=0.5、または蛍光プロー
ブが50%プロトン化された際に算出できた。
【0118】 (実施例13:pH感受性エネルギー移動プローブの蛍光特性) リシンリンカーを介して有限距離に保たれたpH感受性供与体Cy3と蛍光受
容体Cy5とからなる、タンデム染料エネルギー移動カセットの蛍光特性を調査
した。等モル濃度のプローブを、様々なpHのリン酸緩衝液中に調製した。図6
は、様々なpHにおけるプローブの、530nmにて励起された際の蛍光スペクト
ルを示す。該プローブがより酸性の弱い、または塩基性の強い環境中にある場合
に、pH感受性供与体の蛍光発光(Cy3、560nm)が低減されることが観察
された。このように、Cy3pH感受性供与体から非pH感受性Cy5受容体染
料(660nmにて増感)へのエネルギー移動の有効性もまた、5.8−9.2の
生理学的pH範囲に亘って低減された。このプローブを、受容体の励起波長(6
30nm)にて励起することにより、5.8−9.2の生理学的pH範囲に亘って
、強度にほとんど変化のない(±50nm)の発光が、660nmにて観察された(
図7)。
【0119】 (実施例14:pH感受性Cy5(登録商標)(化合物4)を使用した細胞内在
化アッセイ) (14.1:方法) CHOM1細胞を、3cmのガラス底で組織培養を50%の集密度で被覆したデ
ィッシュに接種した。該細胞を、10%胎子牛血清及び2mMグルタミンを含有す
るF12ハム媒体中で培養した。該細胞を20分間氷上でインキュベートし、血
清を含まないF12中で二度洗浄した後、0.1mg/mlの化合物4 N-ヒドロキ
シスクシンイミジルエステルと共に4℃にて1.5時間インキュベートした。該
細胞を血清を含まない媒体で洗浄し、即座にZeiss LSM410 共焦点形顕微鏡(6
3倍油浸レンズ)を使用して、633nm励起及び665nm発光(内在化前)を分
析した。該細胞を、構成エンドサイトーシスにより内在化するように、37℃に
て1時間インキュベートすることによって刺激した。これらを同様の共焦点形顕
微鏡条件を使用して分析した(内在化後)。
【0120】 (4.2:結果) pH感受性染料が中性の周囲媒体(およそpH7.4)から、細胞内の酸性小
胞(pH5.5−6.0)中に内在化するにつれ、細胞蛍光において、著しい増
大が観察された。同様の方法でCy3-NHSエステルと共にインキュベートさ
れた細胞は、内在化を伴う蛍光において、平行して増大を示さない。染料の細胞
中への内在化を、Zeiss LSM410 共焦点形顕微鏡を使用し、細胞中で連続的にz
セクションを検査することにより明らかにした。
【0121】 ここに挙げた全ての参考文献は、その全体を参照のためにここに取り込むこと
とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による例示化合物Cy3.39のpH3からp
H9.5までにおける吸光スペクトルを示す。
【図2】 図2は、本発明による例示化合物Cy3.39のpH4.0か
らpH9.5までの範囲に亘り、励起波長が514nmである吸光スペクトルを示
す。
【図3】 図3は、本発明による例示化合物Cy3.39のpH4.0か
らpH9.5までの範囲に亘り、564nm発光にて測定された励起スペクトルを
示す。
【図4】 図4は、例示化合物Cy3.3、Cy3.99、Cy3.39
のpH4からpH9までにおける吸光を示す。
【図5】 図5は、化合物7のpKaを示す。
【図6】 図6は、pH感受性タンデム染料エネルギー移動カセット化合
物11についての、波長に対するRFUを示す。
【図7】 図7は、励起630nmにおける図6の詳細を示す。
【図8】 図8は、ここに記載した、感受性Cy5の内在化の例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 417/06 C07D 417/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラットネイカー・ムジュムダー アメリカ合衆国・ペンシルヴェニア・ 15116・グレンショー・ノースエイヴン・ サークル・624 (72)発明者 ジョン・アンソニー・スミス イギリス・カーディフ・CF14・6JS・ ライウビナ・ロン−ワイ−ライド・1 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB03 CC62 DD06 EE10 4C204 BB09 CB03 CB13 DB13 EB03 FB01 FB03 FB15 FB23 FB24 GB17 GB30 4H056 CA01 CA05 CB06 CC02 CC08 CE03 DD03 DD19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造: 【化1】 [式中、X及びYは、>C(C1−C4アルキル)2、硫黄及び酸素から個別に選択
    され;R1及びR2は、H、CH2NH2、SO3 -、ホスフェート、ホスホネート、
    第四級アンモニウム、NO2、(CH2qCOOH、NCS、CH2NH-COR7 から個別に選択され、ここではR7は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル
    及び-(CH2q-COOHであり、ここではqは、0乃至10の整数であり;R 3 は、Hまたは-L-Pであり、ここではLは、アルケニル、アルキニル、及びア
    リールから選択される、0、1、または2の不飽和基を任意に含むC1−C20
    鎖状もしくは分枝状アルキルから選択され、Pは、反応性基、H、C1−C20
    鎖状もしくは分枝状アルキル、SO3 -、NH2、第四級アンモニウム、CH2NH
    -COR8から選択され、ここではR8は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキ
    ル、-(CH2m-COOH、NHR9であり、ここではR9は、C1−C20直鎖状
    もしくは分枝状アルキル、またはCOOHであり;nは0乃至3の整数であり;
    p及びqは個別に0、1、2、3、または4であって、p及び/またはrが1よ
    り大である場合には、各R1及び各R2は相違しても良く、mは1乃至10の整数
    である] を有するシアニン及びこれらの塩及びプロトン化誘導体からなる水溶性染料。
  2. 【請求項2】 下記の構造: 【化2】 または 【化3】 [式中、X及びYは、>C(C1−C4アルキル)2、硫黄及び酸素から選択され;
    a及びZbは、それぞれ個別に、6の炭素原子を有して0、1、または2の窒素
    原子を含む、1または2の縮合芳香環の完成に必要な原子を表し;R1、R2、R 5 、及びR6は、H、CH2NH2、SO3 -、ホスフェート、ホスホネート、第四級
    アンモニウム、NO2、(CH2qP、(CH2qCOOH、CH2NHCOR7
    から個別に選択され、ここではR7は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル
    または-(CH2m-COOHであり、ここではqは、0乃至10の整数であり;
    3は、Hまたは-L-Pであり;ここではLは、アルケニル、アルキニル、及び
    アリールから選択される、0、1、または2の不飽和基を任意に含むC1−C20
    直鎖状もしくは分枝状アルキルから選択され、更にPは、反応性基、H、SO3 - 、NH2、第四級アンモニウム、CH2NH-COR8から選択され、ここではR8
    は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル、-(CH2m-COOH、NHR9 であり、ここではR9は、C1−C20直鎖状もしくは分枝状アルキル、またはCO
    OHであり;R4は、H、または(CH2mPであり;nは0乃至3の整数であ
    り;p、r、u、及びvは個別に0、1、2、3、または4であって、ここでp
    、r、u、及び/またはvが1より大である場合には、各R1、R2、R5、及び
    6は相違しても良く、mは1乃至10の整数である] を有するシアニン及びこれらの塩及びプロトン化誘導体からなる水溶性染料。
  3. 【請求項3】 反応性基が、スクシンイミジルエステル、無水物、ハロアセ
    タミド、マレイミド、スルホニルハライド、ホスファアミダイト、酸ハライド、
    アルキルイミデート、ヒドラジド、カルボジイミド、イソチオシアネート、イソ
    シアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノ-もしくはジ-ハ
    ロゲン置換ピリジン、モノ-もしくはジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、ア
    ジリジン、スルホニルハライド、酸ハライド、ヒドロキシスクシンイミドエステ
    ル、ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、
    アジドニトロンフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミ
    ド、グリオキサール及びアルデヒド、並びにアミノ、ヒドロキシル、アルデヒド
    、ホスホリル、またはスルフィドリル基と反応性の基から選択される、請求項2
    の染料。
  4. 【請求項4】 反応性基Pが、下式: 【化4】 から選択され、式中QまたはWの少なくとも一が脱離基である、請求項2の染料
  5. 【請求項5】 酸性または塩基性状態を検出する方法であって、請求項1ま
    たは2の化合物を、酸性または塩基性であることが疑われる組成物と混合する工
    程、及び前記酸性または塩基性の状態を示す、前記化合物の蛍光発光を検出する
    工程を含む方法。
  6. 【請求項6】 前記酸性または塩基性状態が、細胞内環境である、請求項5
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記検出が、蛍光顕微鏡、蛍光計、蛍光細胞選別機、または
    蛍光装備プレートリーダー(fluorescence equipped plate reader)を用いて行
    われる、請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2の染料を含み、該染料が任意に標的結合基
    Pを含む結合基Lを介して蛍光染料に結合し、これによって請求項1または2の
    染料と前記蛍光染料とが結合してエネルギー移動関係にある、複合染料。
  9. 【請求項9】 Pが、スクシンイミジルエステル、無水物、ハロアセタミド
    、マレイミド、スルホニルハライド、ホスファアミダイト、酸ハライド、アルキ
    ルイミデート、ヒドラジド、カルボジイミド、イソチオシアネート、イソシアネ
    ート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノ-もしくはジ-ハロゲン
    置換ピリジン、モノ-もしくはジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジ
    ン、スルホニルハライド、酸ハライド、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒ
    ドロキシスルホスクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アジド
    ニトロンフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド、グ
    リオキサール及びアルデヒド、並びにアミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ホス
    ホリル、またはスルフィドリル基と反応性の基から選択される、請求項8の複合
    染料。
  10. 【請求項10】 環境のpHを測定するための、比率、濃度依存性方法であ
    って、前記環境に請求項8の複合染料を添加する工程、及び比率的方式において
    蛍光強度比を測定する工程を含む方法。
  11. 【請求項11】 分析または検出のための、請求項1乃至4のいずれか一項
    に記載のpH染料または請求項8に記載の複合染料の使用。
  12. 【請求項12】 前記検出が、光学的手段による、請求項10に記載の使用
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