JP2003501094A - プログラム細胞死に影響を与える組成物および林産植物の発生の改変におけるその利用 - Google Patents

プログラム細胞死に影響を与える組成物および林産植物の発生の改変におけるその利用

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アネット ラッシャム、
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ジェネシス リサーチ アンド デベロップメント コーポレイション リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 プログラム細胞死およびさまざまな植物発生メカニズムに関連する新規な単離ポリヌクレオチドが、かかる配列を含む遺伝子コンストラクトとともに、提供される。林産植物の含量、構造および代謝の調整のための方法、具体的には林産植物におけるプログラム細胞死およびさまざまな植物発生メカニズムの調整のための方法であって、1以上の本発明のポリヌクレオチドまたは遺伝子コンストラクトを林産植物のゲノムに取り込むことを含む方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は植物発生における応答の改変に関する。具体的には、本発明はプログ
ラム細胞死に影響を与えるポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。これ
らのポリヌクレオチドおよびポリペプチドと、かかるポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドを含む遺伝子コンストラクトとは、プログラム細胞死を改変し、林産
植物の細胞の発生におけるサイクルを変化させ、これにより植物の発生を変化さ
せる。
【0002】
【従来の技術】
プログラム細胞死(programmed cell death(PCD)
)とは、細胞死を導く事象に遺伝子発現が密接に関連する能動的な過程をいう。
植物の生活サイクルにはかかる細胞死の実例が多く含まれる。植物の生殖および
初期発生において、単性花の発生での器官剥離と、花粉の発生でのタペータムの
変性と、胚発生での胚柄の変性とは、いずれも能動的な細胞死の過程をともなう
。植物の形態形成および成熟において、糊粉細胞の変性と、木部での管状要素の
分化の最終段階と、一部の植物(例えば、ホウライショウ(Monstera)
属)での葉身の発生と、葉/器官の老化と、根冠細胞の分化と、植物/病原体間
相互作用での過敏反応とは、植物の発生サイクルにおけるプログラム細胞死プロ
グラムの役割の実例である。
【0003】 これまでのプログラム細胞死に関する科学的な研究の大半は、哺乳類細胞にお
けるプログラム細胞死に関するものであった。哺乳類細胞でのプログラム細胞死
は、細胞質の凝縮と、膜の泡状化(blebbing)と、DNAの断片化と、
核の凝縮と断片化と、細胞の残骸の取り込み(cell corpse eng
ulfment)とのような、明確な形態学的な特徴を示す。哺乳類細胞では、
プログラム細胞死は、望ましくない細胞を除去するためおよび病原体または病原
体に感染した細胞を除去するためのメカニズムを提供する。また、正常なプログ
ラム細胞死のメカニズムの故障は、多くの癌を含む、多くの疾患において重要な
役割を果たしていると信じられている。
【0004】 植物のシステムでのプログラム細胞死の役割は詳細には調べられていない。植
物と哺乳類のプログラム細胞死メカニズムを予備的に比較すると、メカニズムの
一部に類似点があることが示唆される。類似している可能性がある事項には、酸
素要求性と、過酸化水素による活性化と、活性化の過程でのカルシウムの役割と
、転写要求性と、脱リン酸化要求性と、タンパク質分解酵素および核酸分解酵素
の要求性と、細胞の凝縮および収縮とが含まれる。これらの領域のいずれか1つ
以上におけるプログラム細胞死メカニズムの調整は、植物の発生に影響を与える
かもしれない。
【0005】 発明の概要 簡潔には、本発明は、林産植物種におけるプログラム細胞死経路およびさまざ
まな発生経路で活性を有する単離されたポリペプチドと、該単離されたポリペプ
チドをエンコードするポリヌクレオチドを提供する。かかるポリヌクレオチドを
含む遺伝子コンストラクトと、かかる遺伝子コンストラクトを用いて林産植物種
でのプログラム細胞死およびさまざまな発生経路を調整する方法とが提供される
。かかる遺伝子コンストラクトを取り込み、かつ本発明のポリヌクレオチドおよ
び/またはポリペプチドの量が改変された、トランスジェニック細胞および植物
も提供される。本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを用いて
、植物の細胞死を調整するとともに、さまざまな林産植物種の発生経路を調整す
るための方法が開示される。
【0006】 哺乳類のプログラム細胞死では、細胞周期への参入(entry)が一見して
重要そうであり、細胞周期のチェックポイント調節因子は細胞を死に導くことに
関与することが示唆されてきた。例えば、既知の腫瘍抑制遺伝子p45は、細胞
周期の停止に介在でき、プログラム細胞死の引き金を引くことができる。p45
を介する反応に関与する鍵となる遺伝子の1つは網膜芽腫遺伝子(RB)である
。この腫瘍抑制遺伝子は、細胞周期への参入を開始する転写因子と結合して、該
転写因子を阻害することができる。さらに、RBは、リン酸化状態に応じて、細
胞死の過程で調節的な役割を果たす。RBのリン酸化状態に応じたタンパク質分
解の調節と、これによる細胞内でのRBレベルとが、細胞の運命を決定するうえ
で重要である。網膜芽腫関連ポリペプチド(配列番号36、37)をエンコード
する2つのポリヌクレオチドが、林産植物種から単離されている。前記ポリヌク
レオチドにエンコードされた網膜芽腫関連ポリペプチドは、配列番号80、81
として同定されている。
【0007】 別の腫瘍抑制遺伝子であるプロヒビチンも、細胞周期を停止させることができ
る。ラットBリンパ球では、プロヒビチンと膜結合IgMとの会合がこれらの細
胞でのプログラム細胞死のメディエイタであると示唆されてきた。さらに、酵母
では、プロヒビチンホモログの欠失は増殖寿命の短縮につながり、細胞周期時間
と、エイジングと、細胞老化との逐次的な減少をもたらす。上記の研究は植物以
外のシステムでなされたものであるが、同様の細胞周期調節因子が植物のシステ
ムではたらいていることはありうる。プロヒビチン関連ポリペプチド(配列番号
22−26)をエンコードするいくつかのポリヌクレオチドが林産植物種から単
離されている。前記ポリヌクレオチドにエンコードされたプロヒビチン関連ポリ
ペプチドは、配列番号67−71に同定されている。
【0008】 細胞のハウスキーピング機能に関連するポリヌクレオチドは細胞の健康および
生存に必要で、その喪失は細胞死につながることもある。ハムスターの株細胞の
温度感受性突然変異で最初に同定された、1のかかるポリヌクレオチドはDAD
−1(Defender Against Cell Death(細胞死に対
する防御者)−1)である。温度感受性突然変異ハムスター細胞株の細胞は制限
的な温度ではプログラム細胞死を起こし、シロイヌナズナのDAD−1はこのハ
ムスターの温度感受性突然変異をレスキューすることができる。DAD−1の存
在は、発生において制御された細胞死を起こす線虫Caenorhabditi
s elegansの胚発生での細胞死を減少することができる。DAD−1は
、Nグリコシル化に関与するオリゴ糖転移酵素の構成要素であることが示されて
いる。DAD−1の不活性化により細胞死が誘導されることは、DAD−1が発
生においてプログラム細胞死を減少させることとともに、このハウスキーピング
遺伝子が非常に重要であることを示している。DAD−1に関連するポリペプチ
ド(配列番号6−9)をエンコードするいくつかのポリヌクレオチドが林産植物
種から単離されている。前記ポリヌクレオチドにエンコードされるDAD−1関
連ポリペプチドは、配列番号51−54として同定されている。
【0009】 細胞の生存および細胞死を制御するのに利用できそうな別のハウスキーピング
ポリヌクレオチドは、TATAボックス結合タンパク質(TFIID)である。
TFIIDは、RNAポリメラーゼIIによる遺伝子転写に必要な一般的な因子
のうちで最も重要なものである。TFIIDは、TATAボックスに結合して、
遺伝子発現の制御に重要な転写因子集合体形成の初期段階に参加する。発生的に
、あるいは組織特異的に、TFIIDをノックアウトできることにより、特異的
に細胞死を誘導する方法が提供される。TFIIDをノックアウトする試みは植
物については報告されていない。TFIID関連転写開始因子(配列番号41、
42)をエンコードするポリヌクレオチドが、林産植物種から単離されている。
このポリヌクレオチドにエンコードされるTFIID関連転写開始因子は、配列
番号85、86として同定されている。
【0010】 哺乳類細胞死の制御に関与する別の転写因子は、pur−アルファである。p
ur−アルファは、1本鎖DNA結合タンパク質で、DNA複製および転写調節
の両方で役割を果たすことが示されている。pur−アルファは哺乳類細胞のプ
ログラム細胞死を2つのメカニズムで抑圧することができる。その第1は、リガ
ンドとの相互作用で細胞死のシグナルを伝達するレセプターであるFas(CD
−95)の転写を抑制することであり、第2は、p53を介する細胞死から哺乳
類細胞を保護することである。植物のpur−アルファの対立突然変異遺伝子を
エンコードするポリヌクレオチドが、林産植物種から単離されている(配列番号
90−91)。このポリヌクレオチドにエンコードされるpur−アルファに対
応するアミノ酸配列は、配列番号141−142として同定されている。
【0011】 細胞死の実際の過程には、タンパク質分解酵素および核酸分解酵素を介在した
タンパク質および核酸の分解が関与する。哺乳類のシステムで行われた実験から
、タンパク質分解酵素は細胞死の重要な引き金かもしれないことが示唆される。
動物では、システインプロテアーゼであるカスパーゼのファミリーが、この過程
での主要なエフェクターである。糊粉層および管状要素の細胞死を調節し特異的
に連関するシステインプロテアーゼが、植物において同定されている。林産植物
種のシステインプロテアーゼをエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号9
2−125として同定されている。このポリヌクレオチドにエンコードされるポ
リペプチドに対応するアミノ酸配列は、配列番号143−176に同定されてい
る。さらに、ヌセリン(nucellin)というアスパラギン酸ヌクレアーゼ
は、珠心の細胞死と特異的に連関することが示されている。ヌセリン様アスパラ
ギン酸プロテアーゼをエンコードするポリヌクレオチド(配列番号15−16)
が、林産植物種から単離されている。このポリヌクレオチドにエンコードされる
アスパラギン酸ヌクレアーゼに対応するアミノ酸配列は、配列番号60−61に
同定されている。
【0012】 実際のタンパク質分解酵素活性に加えて、タンパク質をユビキチン−プロテア
ソーム経路を通じてのタンパク質分解の標的にする活性も、プログラム細胞死の
際に上向き調節される。キイロショウジョウバエのSINA(Seven In
Absentia)のヒトホモログは、プログラム細胞死の際に活性化される
。SINAは特定のタンパク質をユビキチン化と分解の標的にすることが、ヒト
とキイロショウジョウバエにおいて示されている。SINA関連ポリペプチドを
エンコードするポリヌクレオチド(配列番号38−40および200)が、林産
植物種から単離されている。このポリヌクレオチドにエンコードされるSINA
関連ポリペプチドは、配列番号82−84および201として同定されている。
【0013】 核内DNA切断、核の断片化およびRNA分解は、動物および植物におけるプ
ログラム細胞死の際に起こる能動的な過程である。特異的な植物DNA分解酵素
およびRNA分解酵素が、植物の糊粉層細胞と、管状要素と、病原体に過敏反応
を起こしている細胞とにおけるプログラム細胞死の際並びに塩ストレスで誘導さ
れた細胞死の際に同定された。植物のDNA分解酵素(配列番号10)と木化的
な(xylogenic)RNA分解酵素(配列番号45)をエンコードするポ
リヌクレオチドが、林産植物種から単離されている。このポリヌクレオチドにエ
ンコードされるDNA分解酵素およびRNA分解酵素に対応するアミノ酸配列は
、配列番号55および89にそれぞれ同定されている。
【0014】 哺乳類のシステムでは、カスパーゼの活性化は、Bcl−2のようなタンパク
質によって阻害でき、細胞死から保護される。しかし、BaxのようなBcl−
2ファミリーの他のメンバーは、Bcl−2と相互作用してその保護的能力を阻
害することができるため、Bcl−2の保護的効果に拮抗的である。最近発見さ
れた遺伝子のBI−1(Bax Inhibitor−1)は、Baxで誘導さ
れる細胞死を阻害することがわかった。この遺伝子は以前にTEGT(Test
is Enhanced Gene Transcript(精巣で増強される
遺伝子転写産物))として同定された遺伝子と同一である。林産植物種から単離
されたTEGTポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号4
3−44として同定されている。このポリヌクレオチドにエンコードされるTE
GTポリペプチドに対応するアミノ酸配列は、配列番号87−88として同定さ
れている。
【0015】 プログラム細胞死の阻害に関与する別のタンパク質は、BAG−1(Bcl−
2関連アサノ(athano(抗死))遺伝子)という多機能タンパク質で、この
タンパク質は、アポトーシスをブロックし、哺乳類細胞における、Bcl−2フ
ァミリーのタンパク質と、Raf−1キナーゼと、特定のチロシンキナーゼ成長
因子と、ステロイドホルモンレセプターとを含むいくつかのタイプのタンパク質
に対して相互作用する。このタンパク質はホルモンレセプター結合タンパク質の
RAP46と同一である。BAG−1は、抗アポトーシスタンパク質のBcl−
2と結合し、Bcl−2の効果を増強して、細胞がアポトーシスにもっと抵抗で
きるようにする。ヒトBAG−1は、ヒトの白血病、大腸癌、子宮頚部癌、乳癌
、前立腺癌および肺癌の株細胞では過剰発現している。林産種から単離されたB
AG−1ポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号204と
して同定されている。このポリヌクレオチドにエンコードされるBAG−1ポリ
ペプチドの対応するアミノ酸配列は、配列番号205として同定されている。B
AG−1にエンコードされる単離されたポリヌクレオチド配列には、ヒトとマウ
スのBAG−1タンパク質にも存在するユビキチン様ドメインについてのPRO
SITEモチーフが含まれる。
【0016】 哺乳類のシステムでの数多くの研究から、アポトーシスを誘導する処理は酸化
ストレスも起こすことが示されており、酸化ストレスがアポトーシスに役割を果
たすことが示唆されている。これは、ROS(Reactive Oxygen
Species(活性酸素種))の添加または細胞の抗酸化剤の欠乏がアポト
ーシスを起こしうるという観察によって確認されている。アポトーシスは活性酸
素種の誘導にともなって起こすことができ、アポトーシスは抗酸化剤の性質を有
する化合物を添加することでブロックすることができる。スーパーオキサイド、
ヒドロキシルラジカルおよび過酸化水素のような活性酸素種は、細胞の巨大分子
と反応して損傷を与えることができる。さらに、これらは、フリーラジカルをあ
る分子から別の分子に伝達して広範な細胞の損傷および毒性をもたらす、連鎖反
応を誘発するかもしれない。
【0017】 浸透圧ストレスによる死と、過敏反応と、管状要素の分化の最終段階とのよう
な際のプログラム細胞死において、植物は活性酸素種の誘導も示す。動物細胞で
は、膜結合NADPH酸化酵素の複合体がスーパーオキサイドを発生させ、スー
パーオキサイドは他の活性酸素種に変換される。さらに、低分子の細胞質タンパ
ク質であるrac2が、この酸化酵素の活性化に必要である。構成的に活性があ
るrac2の突然変異体がマウスに導入されると、野生型マウスに比べて著しい
プログラム細胞死の増加が起こった。生化学的および免疫化学的研究から、NA
DPH酸化酵素およびrac2は、植物細胞に存在していて、過敏反応のプログ
ラム細胞死の際に相互作用することが示されている。さらに、浸透圧ストレス性
細胞死の際および管状要素の分化の最終的な相で、NADPH酸化酵素は活性が
ある。NADPH酸化酵素のサブユニットのgp91は、コメおよびシロイヌナ
ズナからクローン化されている。rac2に関連するポリペプチドをエンコード
するポリヌクレオチド(配列番号28−35)およびNADPH酸化酵素のサブ
ユニットのgp91をエンコードするポリヌクレオチド(配列番号192)が、
林産植物種から単離されている。配列番号28および30−45に提示されたポ
リヌクレオチドにエンコードされるrac2関連ポリペプチドについての対応す
る予測アミノ酸配列は、配列番号73および74−79に提示される。NADP
H酸化酵素のサブユニットのgp91に関連するポリペプチドについての対応す
る予測アミノ酸配列は、配列番号196に提示される。
【0018】 植物の細胞死におけるスーパーオキサイド化合物の役割は、シロイヌナズナに
おける病変部刺激細胞死(lesion simulating cell d
eath(lsd1))突然変異体の発見によって例証された。この突然変異体
では、スーパーオキサイドが、細胞死を誘導し伝播するうえで必要かつ十分であ
る。野生型植物において、lsd1はスーパーオキサイド依存性シグナルの監視
および植物細胞死経路の負の調節因子として機能すると信じられている。lsd
1関連ポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド(配列番号13および1
4)が、林産植物種から単離されている。このポリヌクレオチドにエンコードさ
れるlsd1関連ポリペプチドは、配列番号58および59として同定されてい
る。
【0019】 ATL2は、酵母で過剰発現すると毒性がある、シロイヌナズナ由来cDNA
として同定された。林産植物種から単離された5つのATL2変異体のヌクレオ
チド配列は配列番号1−5に提示され、対応する予測アミノ酸配列は配列番号4
6−50に提示されている。
【0020】 lls1というトウモロコシの突然変異体から同定された別の遺伝子も、葉に
おける発生での細胞死の広がりを制限するために必要である。致死性葉斑(le
thal leaf spot)タンパク質のlls関連ポリペプチドをエンコ
ードするポリヌクレオチド(配列番号11−12)が、林産植物種から単離され
ている。このポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチドは、配列番号5
6−57として同定されている。
【0021】 シロイヌナズナ由来の別の植物タンパク質(oxy5)は、アネクシン(an
nexin)ファミリーのタンパク質で、細菌細胞を酸化ストレスから保護する
ことが示されている。oxy5は、腫瘍壊死因子で誘導された細胞死から哺乳類
細胞を保護することも示されている。植物におけるプログラム細胞死のさまざま
な場面で酸化ストレスが関与することから、oxy5は保護的な役割を果たすこ
とが示唆される。アネクシンの配列はoxy5と強い相同性を示し、したがって
同じ機能あるいは類似の機能を有することが予測される。林産植物種から単離さ
れたアネクシン様タンパク質のヌクレオチド配列は配列番号17−21に提示さ
れ、対応する予測アミノ酸配列は配列番号62−66に提示されている。
【0022】 植物におけるプログラム細胞死で最も活発に研究されている例は、病原体に対
する過敏反応(HR)に関するものである。この過敏反応は、疾病抵抗性(R)
遺伝子が介在する大半の反応で見られる。病原タンパク質の無毒性遺伝子産物が
レセプターと会合することにより誘発される。これが、イオン流入、キナーゼ/
フォスファターゼの作用および酸化バーストをともなう事象のカスケードを発動
させて、局部的な細胞死と、植物個体の他の部分で前記病原体に対する獲得抵抗
性が発生する全身獲得抵抗性(SAR)との誘導をもたらす。細胞膜を貫き細胞
外ドメインおよび細胞質ドメインを含むポリペプチドと、厳密に細胞質性で細胞
外ドメインを含まないポリペプチドとを含めて、広範な植物疾病レセプターが同
定されている。
【0023】 過敏反応に関与する細胞質性のポリペプチドレセプターの中では、3つのファ
ミリーが最も興味深い。第1は、RPS2様ポリペプチドファミリーで、このポ
リペプチドには、アミノ末端のロイシンジッパー領域と、ヌクレオチド結合部位
と、内部の疎水性ドメインと、カルボキシル末端のロイシン含量の高い繰り返し
配列とが含まれる。第2は、RPP5様ポリペプチドファミリーで、このポリペ
プチドには、アミノ末端のToll様ドメインと、ヌクレオチド結合部位と、内
部の疎水性ドメインと、カルボキシル末端のロイシン含量の高い領域とが含まれ
る。林産植物種から単離されたRPP5様タンパク質は配列番号126−140
に提示され、対応するアミノ酸配列は配列番号177−191に提示されている
【0024】 過敏反応に関与する第3の細胞質性レセプターはPTO様ファミリーで、この
ポリペプチドには、セリン−スレオニンキナーゼ・ドメインが含まれる。過敏反
応の細胞死シグナルが伝達される正確なメカニズムは不明であるが、タンパク質
−タンパク質相互作用とキナーゼ反応とがPTO様ファミリーに関与することが
示されており、PTOと相互作用するいくつかのタンパク質の遺伝子が同定され
ている。
【0025】 最初の無毒性因子とレセプターとの相互作用の下流では、NPR1遺伝子が関
与する全身獲得抵抗性が生じる。このNPR1遺伝子の突然変異は、植物が病原
体に感染しやすくし、過敏反応によるプログラム細胞死と全身獲得抵抗性が起こ
るのを阻害する。トランスジェニック植物でR遺伝子が発現すると、過敏反応で
のプログラム細胞死および特異的な病原体に対する抵抗性が生じる。さらに、F
enのようなPTO様ファミリーのメンバーの発現により、病原体がなくても、
プログラム細胞死を起こすことができる。林産植物種から単離されたNPR1様
タンパク質をエンコードするヌクレオチド配列は配列番号193−105に提示
され、対応する予測アミノ酸配列は配列番号197−199に提示されている。
林産植物種から単離されたFen様タンパク質をエンコードするヌクレオチド配
列は配列番号27に提示され、対応する予測アミノ酸配列は配列番号72に提示
されている。植物のプログラム細胞死の他の場合におけるこれらの遺伝子の役割
についてはほとんど不明である。植物のR遺伝子ファミリーおよびNPR1のメ
ンバーには動物の発生と生体防御に関与するいくつかのタンパク質と類似性があ
ることに気づいたことから、興味深い視点が生まれてきた。発生過程と疾病抵抗
性をつなぐ共通の経路が発見されたことにより、過敏反応に関連する遺伝子には
他の植物のプログラム細胞死および発生の経路にも役割があることが示唆される
【0026】 第1の局面では、本発明は、添付する配列リストで配列番号1−45、90−
140、192−195、200、202および206として同定される単離さ
れたポリヌクレオチド配列およびこれらの配列の変異体と、配列番号1−45、
90−140、192−195、200、202および206に提示される配列
およびこれらの配列の変異体を含む拡張配列と、配列番号1−45、90−14
0、192−195、200、202および206に提示される配列およびこれ
らの配列に対応するプローブおよびプライマーと、配列番号1−45、90−1
40、192−195、200、202および206として同定されるポリヌク
レオチドのいずれかの少なくとも特定の数の連続した残基を含むポリヌクレオチ
ド(x量体)と、配列番号1−45、90−140、192−195、200、
202および206に提示される配列の部分を含む拡張配列を提供し、これらの
全てをここでは一括して「本発明のポリヌクレオチド」と呼ぶ。本発明は、配列
番号46−89、141−191、196−199、201および205として
添付する配列リストに同定される単離されたポリペプチド配列およびこれらの配
列のポリペプチド変異体と、これらの配列の単離されたポリペプチド配列および
変異体を含むポリペプチドとを提供する。
【0027】 配列番号1−45、90−140、192−195、200、202および2
06として同定されるポリヌクレオチド配列は、林産植物種、主にEucaly
ptus grandisおよびPinus radiataに由来した。本発
明のポリヌクレオチドの一部は、完全長ポリペプチドをエンコードする完全長遺
伝子を表すものではないという意味で、「部分」配列である。かかる部分配列は
、プライマーおよび/またはプローブと、周知のハイブリダイゼーションおよび
/またはPCR技術とを使用して、さまざまなDNAライブラリを解析し配列決
定することにより拡張することができる。部分配列は、ポリペプチドをエンコー
ドするオープン・リーディング・フレームか、ポリペプチドを発現可能な完全長
のポリヌクレオチドおよび/または遺伝子か、その他の有用なゲノムの部分かが
同定されるまで、拡張してもよい。完全長ポリヌクレオチドおよび遺伝子を含む
かかる拡張配列は、その拡張されたポリヌクレオチドが、配列番号1−45、9
0−140、192−195、200、202および206の配列のうちの1つ
の、同定された配列またはその変異体か、あるいは同定された連続した部分(x
量体)またはその変異体かを含むとき、配列番号1−45、90−140、19
2−195、200、202および206のうちの1つとして同定された配列ま
たはその変異体か、配列番号1−45、90−140、192−195、200
、202および206のうちの1つの部分またはその変異体かに「対応する」と
記載される。同様に、本発明のポリヌクレオチドと対応する、RNA配列、逆配
列、相補配列、アンチセンス配列その他は、配列番号1−45、90−140、
192−195、200、202および206として同定されたcDNA配列を
利用して、決まり切った手順で(routinely)確認し取得することがで
きる。
【0028】 配列番号1−45、90−140、192−195、200、202および2
06として同定されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドをエンコードする、オ
ープン・リーディング・フレーム(ORF)または部分オープン・リーディング
・フレームを含むものであってもよい。さらに、ポリペプチドをエンコードする
オープン・リーディング・フレームは、配列番号1−45、90−140、19
2−195、200、202および206として提示された配列に対応する拡張
配列または完全長配列に同定されるものであってもよい。オープン・リーディン
グ・フレームは、当業者に周知の技術を利用して同定してもよい。これらの技術
には、例えば、既知の開始および停止コドンの位置の解析と、コドン頻度にもと
づく最も可能性の高い読み枠の同定その他これらに類するものが含まれる。オー
プン・リーディング・フレーム解析用の適当なツールおよびソフトウェアは、例
えば、インターネット上の、http://www.ncbi.nlm.nih
.gov/gorf/gorf.htmlで入手可能である。オープン・リーデ
ィング・フレームおよびオープン・リーディング・フレームの部分は、本発明の
ポリヌクレオチドの中に同定できるかもしれない。一旦部分的なオープン・リー
ディング・フレームが同定されると、当業者に周知な技術を利用して、このポリ
ヌクレオチドを、完全長オープン・リーディング・フレームのポリヌクレオチド
が同定されるまで、その部分的なオープン・リーディング・フレームの領域に拡
張することができる。したがって、ポリペプチドをエンコードするオープン・リ
ーディング・フレームは、本発明のポリヌクレオチドを利用して同定することが
できるかもしれない。
【0029】 一旦オープン・リーディング・フレームが本発明のポリヌクレオチドの中に同
定されると、そのオープン・リーディング・フレームを単離しおよび/または合
成することができる。このオープン・リーディング・フレームと、当業者に周知
である、適当なプロモーター、イニシエーター、ターミネーター等とを含む発現
可能な遺伝子コンストラクトを構築することができる。かかる遺伝子コンストラ
クトを宿主細胞に導入して前記オープン・リーディング・フレームにエンコード
されるポリペプチドを発現することができる。適当な宿主細胞には、植物細胞、
哺乳類細胞、藻類その他を含む、さまざまな原核生物および真核生物の細胞が含
まれる。
【0030】 本発明のポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチドを発現して、その
生物活性を決定するためにさまざまなアッセイ法に用いることができる。かかる
ポリペプチドは、抗体の作製と、対応する相互作用の相手のタンパク質またはそ
の他の化合物の単離と、相互作用の相手のタンパク質またはその他の化合物のレ
ベルの定量とに利用することができる。
【0031】 本発明は、林産植物種のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド含量と
組成を改変するための方法であって、本発明の1以上のポリヌクレオチドを含む
遺伝子コンストラクトを生物のゲノムに安定的に取り込むことをともなう方法を
も意図している。1の実施態様では、標的生物は、林産植物種であり、好ましく
はマツ属またはユーカリ属の種の木本植物であり、最も好ましくはEucaly
ptus grandisまたはPinus radiataである。関連した
局面では、遺伝子型または表現型が変化した林産植物を作出するための方法であ
って、トランスジェニック細胞を用意するために本発明の遺伝子コンストラクト
で植物細胞を形質転換すること、このトランスジェニック細胞を個体再生と成熟
植物の成長に導く条件下で培養することを含む方法を提供する。本発明のポリヌ
クレオチドまたはポリペプチドのレベルまたは含量を調整した結果として遺伝子
型または表現型が野生型生物に比べて改変された林産植物は、かかる林産植物の
構成部分(種子等)と、かかる林産植物の子孫とともに、本発明により意図され
ており、本発明に含まれる。
【0032】 本発明の単離されたポリヌクレオチドは、ゲノム地図の作成と、物理地図の作
成と、遺伝子のポジショナルクローニングとにおいても有用性がある。さらに、
配列番号1−45、90−140、192−195、200、204および20
6として同定されるポリヌクレオチド配列およびその変異体は、オリゴヌクレオ
チドプローブおよびプライマーを設計するのに用いることができる。オリゴヌク
レオチドプローブおよびプライマーには、関心のあるポリヌクレオチドに対して
、そのポリヌクレオチドの一定の部分にわたって、実質的に相補性がある配列が
ある。本発明のポリヌクレオチドを用いて設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブは、スロットブロットDNAハイブリダイゼーション技術のような当業者に周
知の技術を用いて、十分に類似したDNAおよびRNA配列を細胞内に持ついか
なる生物における遺伝子の有無を検出し、発現パターンを調べるために用いるこ
ともできる。本発明のポリヌクレオチドを用いて設計されたオリゴヌクレオチド
プライマーは、PCR増幅に用いることができる。本発明のポリヌクレオチドを
用いて設計されたオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーを、Synte
ni(Palo Alto、カリフォルニア州)によって用いられたマイクロアレ
イ技術を含む、さまざまなマイクロアレイ技術との関連で使用してもよい。
【0033】 本発明のポリヌクレオチドは、生物またはその生物由来の生殖材料をタグづけ
のためまたは、同定するために用いてもよい。かかるタグ付けは、例えば、非破
壊的で非機能的で相同性のある、本発明のポリヌクレオチドの1つを含むポリヌ
クレオチドの識別子を生物に安定的に取り込むことにより、達成することができ
る。
【0034】 本発明のポリペプチドおよび該ポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチ
ドには、植物におけるプログラム細胞死およびさまざまな発生経路での活性があ
る。前記ポリヌクレオチドは、DNAおよびポリペプチドの類似性検索により推
定的に同定された。添付する配列リストにおいて、配列番号1−28、30−4
5、90−140、192−195、200および204は、配列番号46−7
3、74−89、141−191、196−199、201および205にリス
トされたポリペプチドをそれぞれエンコードするポリヌクレオチド配列である。
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、プログラム細胞死および/ま
たは植物の発生の過程に関与すると知られた以下のポリペプチドに対して類似性
があることが証明されている。
【0035】
【表1】
【0036】 1の実施態様では、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、(a)配列番号
1−45、90−140、192−195、200、204および206に列挙
される配列と、(b)配列番号1−45、90−140、192−195、20
0、204および206に列挙される配列の相補体と、(c)配列番号1−45
、90−140、192−195、200、204および206に列挙される配
列の逆相補体と、(d)配列番号1−45、90−140、192−195、2
00、204および206に列挙される配列の逆配列と、(e)前記(a)−(
d)の配列か、あるいは前記(a)−(d)の配列の特定の領域かに対するここ
で定義される同一性が、少なくとも50%、75%、90%または98%である
配列とからなるグループから選択される配列を含む。
【0037】 さらなる局面では、本発明のポリヌクレオチドにエンコードされる単離された
ポリペプチドが提供される。1の実施態様では、かかるポリペプチドには、配列
番号46−89、141−191、196−199、201および205に列挙
されるアミノ酸配列およびその変異体と、配列番号1−45、90−140、1
92−195、200および204の配列を含むポリヌクレオチドを含む、本発
明のポリヌクレオチドにより発現されるポリペプチドとが含まれる。
【0038】 別の局面では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含む遺伝子コンストラ
クトを、単独か、1以上の追加の本発明のポリヌクレオチドとの組合せか、1以
上の既知のポリヌクレオチドとの組合せのいずれかで含む遺伝子コンストラクト
と、かかるコンストラクトを含む細胞および標的生物とを同時に提供する。
【0039】 関連する局面では、本発明は、5'から3'の方向に、遺伝子プロモーター配列
と、本発明のポリヌクレオチドまたはその変異体にエンコードされたポリペプチ
ドの少なくとも機能的な部分をコードするオープン・リーディング・フレームと
、遺伝子ターミネーション配列とを含む遺伝子コンストラクトを提供する。前記
オープン・リーディング・フレームは、センスまたはアンチセンスのいずれの方
向に挿入してもかまわない。遺伝子プロモーター配列と、本発明のポリヌクレオ
チドと、遺伝子ターミネーション配列とを含む遺伝子コンストラクトが、遺伝子
プロモーターと、本発明のポリヌクレオチドの非翻訳領域または非翻訳領域に相
補的なヌクレオチド配列と、遺伝子ターミネーション配列とを含む遺伝子コンス
トラクトとともに意図されている。前記遺伝子コンストラクトはさらに形質転換
細胞の同定のためのマーカーを含むこともある。
【0040】 前記遺伝子プロモーターおよびターミネーション配列は、宿主植物において機
能することが好ましく、天然の(native)ものが最も好ましい。カリフラ
ワーモザイクウィルス(CMV)プロモーターのような本発明の技術分野で一般
的に用いられるプロモーターおよびターミネーション配列は、コザック配列また
はオメガエンハンサーのようなエンハンサーと、アグロバクテリウム・ツメファ
シエンス(Agrobacterium tumefaciens)菌のノパリ
ンシンターゼ(nopalin synthase)遺伝子のターミネーターと
ともにあるいは単独で、有用である。組織特異的なプロモーターは、1以上の所
望の組織を標的として発現させるために用いられる。
【0041】 さらなる局面では、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの含量が天
然の生物個体と比べて改変された林産植物を作出する方法も提供される。この方
法は、標的林産植物を本発明の遺伝子コンストラクトで形質転換してトランスジ
ェニック細胞を用意すること、該トランスジェニック細胞を再生と成熟植物の成
長に資する条件下で培養することをともなう。本発明の遺伝子コンストラクトを
含む細胞が、かかるトランスジェニック細胞を含む組織および林産植物と、かか
る林産植物の果実、種子その他の生産物、由来物あるいは子孫とともに提供され
る。
【0042】 また別の本発明の局面では、プログラム細胞死を調整するためおよび林産植物
のさまざまな発生経路を調整するための方法であって、本発明の遺伝子コンスト
ラクトを林産植物のゲノムに安定的に取り込むことを含む方法が提供される。よ
り具体的には、木の発生、老化および生殖を含む発生経路を改変する方法が、林
産植物でのストレス反応を調整するための方法とともに提供される。好ましい林
産植物には、木本植物が、好ましくはユーカリ、マツ、アカシア、ポプラ、スイ
ートゴム、チークおよびマホガニーの種からなるグループから選択される木本植
物が、より好ましくはマツおよびユーカリの種からなるグループから選択される
木本植物が、最も好ましくはEucalyptus grandisおよびPi
nus radiataからなるグループから選択される木本植物が含まれる。
【0043】 以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の上記および追加の特長とこ
れらの取得方法とは明瞭となり、本発明は最もうまく理解されるであろう。
【0044】 発明の詳細な説明 本発明の方法および材料を用いて、例えば、プログラム細胞死および/または
特定の発生経路に関与するポリペプチドをエンコードする本発明のポリヌクレオ
チドのセンスまたはアンチセンスのコピーを林産植物のゲノムに取り込むことの
ように、標的生物のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの含量を改変
することにより、プログラム細胞死および/または特定の発生経路を林産植物に
おいて改変することができる。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドのコピー数
および組合せを林産植物において操作して、合成されるポリペプチドの相対的な
量を改変して、組成および/または発生の代謝が変化した生物材料を作出するこ
とができる。
【0045】 1の実施態様に従うと、本発明は、林産植物におけるプログラム細胞死および
/または特性の発生経路に関与するポリペプチドをエンコードするかあるいは部
分的にエンコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリ
ヌクレオチドはユーカリおよびマツの種から単離されたが、代替策としては、こ
れらを通常の合成技術を用いて合成してもかまわない。特定の実施態様では、本
発明の単離されたポリヌクレオチドは、配列番号1−45、90−140、19
2−195、200、204および206として同定される配列と、配列番号1
−45、90−140、192−195、200、204および206として同
定される配列の相補体と、配列番号1−45、90−140、192−195、
200、204および206として同定される配列の逆相補体と、配列番号1−
45、90−140、192−195、200、204および206として同定
された配列の逆配列と、上記のポリヌクレオチドのいずれかの少なくとも特定の
数の連続した残基(x量体)と、上記のポリヌクレオチドに対応する拡張配列と
、上記のポリヌクレオチドのいずれかに対応するアンチセンス配列と、本明細書
に定義する上記のいずれかの変異体とからなるグループから選択される配列が含
まれる。
【0046】 配列番号1−45、90−140、192−195、200および204に列
挙する単離されたポリヌクレオチドは、表1に同定されるとおりプログラム細胞
死および/または発生経路に関与する配列番号46−89、141−191、1
96−199、201および205に列挙するポリペプチドをそれぞれエンコー
ドするかあるいは部分的にエンコードする。本発明の方法および材料を用いて、
林産植物のような標的生物のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド含量
を増加または減少させて、かかるポリヌクレオチドの非翻訳部分およびかかるポ
リヌクレオチドのアンチセンスコピーを含む本発明のさまざまなポリヌクレオチ
ドを取り込むことにより、この生物でのまたはこの生物の組織でのプログラム細
胞死を調整し、あるいはこの生物または組織での発生経路を調整することができ
る。
【0047】 別の実施態様では、本発明は、配列番号1−45、90−140、192−1
95、200および204のDNA配列にエンコードされる単離されたポリペプ
チドを提供する。本出願の時点で入手可能な情報にもとづいて、配列番号1−2
8、30−45、90−140、192−195、200および204に提示さ
れるオリゴヌクレオチドに対応する予測アミノ酸配列は、配列番号46−73、
74−89、141−191、196−199、201および205にそれぞれ
提供される。
【0048】 ここで用いられる「ポリヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオ
チドまたはリボヌクレオチドの塩基の1本鎖または2本鎖のポリマーを意味し、
DNA分子と、これに対応する、HnRNAとmRNA分子を含めた、センス鎖
およびアンチセンス鎖の両方のRNA分子とを含み、全合成または部分合成され
たポリヌクレオチドとともに、cDNA、ゲノムDNAおよび組み換えDNAを
含む。HnRNAはイントロンを含み、DNA分子に対して一般的には1対1に
対応する。mRNAは、イントロンが切り出されたHnRNAおよびDNA分子
に対応する。ポリヌクレオチドは、遺伝子全体またはその部分を含む。遺伝子と
は、機能的なタンパク質またはRNA分子をコードするDNA配列をいう。操作
可能なアンチセンスポリヌクレオチドは対応するポリヌクレオチドの断片を含み
、それゆえに「ポリヌクレオチド」の定義には全てのかかる操作可能なアンチセ
ンス断片が含まれる。アンチセンスポリヌクレオチドおよびアンチセンスポリヌ
クレオチドが関与する技術は当業者に周知であり、例えば、Robinson−
Benionら、「Antisense techniques(アンチセンス
技術)」、Methods in Enzymol.、254巻、23号、36
3−375頁、1995年およびKawasakiら、Artific.Org
ans、20巻、8号、836−848頁、1996年に記載される。本発明は
、開示された配列とは相違するが、遺伝暗号の縮退の結果ここで開示されるDN
A配列にエンコードされるポリペプチドと同じポリペプチドをエンコードするポ
リヌクレオチドも含む。
【0049】 ここで使用された「相補体」、「逆相補体」、および「逆配列」という用語の
定義は、以下の例で最もうまく示されている。5'AGGACC3'という配列に
対して、相補体、逆相補体および逆配列は以下のとおりである。 相補体 3'TCCTGG5' 逆相補体 3'GGTCCT5' 逆配列 5'CCAGGA3'
【0050】 ゲノムDNAおよび異種DNAの同定は、標準的なハイブリダイゼーション技
術により、適当にストリンジェントな条件下で、cDNA配列の全部または一部
をプローブとして用いて適当なライブラリをスクリーニングすることによって達
成できる。代替策として、既知のゲノムDNA、cDNAおよびタンパク質の配
列にもとづいて設計されるオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCR技術を
、ゲノムDNAおよびcDNAの配列を増幅し同定するために用いることもでき
る。同定された配列および変異体に対応する合成DNAは、通常の合成方法で製
造してもよい。ここで記載されるポリヌクレオチドの全ては、本発明の技術分野
で慣用される条件で、単離され精製される。
【0051】 別の局面では、本発明は、上記のポリヌクレオチドによってエンコードされ、
あるいは部分的にエンコードされる、単離されたポリペプチドを提供する。ここ
で使用された「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸残基が共有結合で連結さ
れる、完全長を含むいかなる長さのアミノ酸鎖をも含む。ここで使用された「ポ
リヌクレオチドにエンコードされたポリペプチド」という用語は、ここで提供さ
れる単離されたDNA配列または変異体を含むポリヌクレオチドによりエンコー
ドされるポリペプチドを含む。特定の実施態様では、本発明のポリペプチドは、
配列番号46−89、141−191、196−199、201および205に
提供された配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択されたアミ
ノ酸配列を含む。
【0052】 本発明のポリペプチドは、該ポリペプチドをエンコードするDNA配列を発現
ベクターに挿入し、適当な宿主で前記ポリペプチドを発現させることによって、
組み換えにより調製することができる。本発明の技術分野の通常の技量を有する
者に知られたさまざまな発現ベクターのいずれかを用いることができる。組み換
えポリペプチドをエンコードするDNA分子を含む発現ベクターで形質転換また
はトランスフェクションされた適当な宿主細胞において達成できる。適当な宿主
細胞には、原核生物、酵母および高等真核細胞が含まれる。用いる宿主細胞は、
大腸菌か、昆虫か、酵母か、COSまたはCHOのよう哺乳類株細胞であること
が好ましい。この手法で発現されたDNA配列は、自然界に存在するポリペプチ
ドか、自然界に存在するポリペプチドの部分か、これらのその他の変異体かをエ
ンコードする。
【0053】 関連する局面では、配列番号46−89、141−191、196−199、
201および205に提供される配列およびこれらの変異体からなるグループか
ら選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも機能性のある部分
を含むポリペプチドが提供される。ここで使用されるポリペプチドの「機能性の
ある部分」とは、該ポリペプチドの機能に影響を与えるために必須の活性部位を
含む部分、例えば、1以上の反応物と結合することが可能な分子の部分をいう。
活性部位は、1以上のポリペプチド鎖に存在する分離した部分からなることもあ
り、一般的には高い結合親和性を示す。
【0054】 ポリペプチドの機能的な部分は、最初に該ポリペプチドの化学的か酵素的かの
いずれかの消化で前記ポリペプチドの断片を用意することにより、あるいは前記
ポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドの突然変異解析と、得られた突
然変異ポリペプチドを発現とにより、同定することができる。つぎに、前記ポリ
ペプチド断片または突然変異ポリペプチドを、例えば、以下に提供する代表的な
アッセイ法を用いてテストして、どの部分が生物活性を保持するのかを決定する
【0055】 活性部位を含まれる機能的な部分は、1以上のポリペプチド鎖に存在する分離
した部分からなることもあり、一般的には、高い基質特異性を示す。ここで用い
られる「ポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチド」という用語には、
本発明の部分的に単離されたポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドにエンコ
ードされるポリペプチドが含まれる。
【0056】 本発明のポリペプチドの部分その他の変異体は、人工合成法または組み換え法
により生成される。約100個未満のアミノ酸であって、一般には約50個未満
のアミノ酸を有する合成ポリペプチドは、本発明の技術分野の通常の技量を有す
る者に周知の技術を用いて生成できる。例えば、かかるポリペプチドは、アミノ
酸が次々に伸長中のアミノ酸鎖に付加されていくMerrifield固相合成
法のような、いずれかの商業的に利用可能な固相技術を用いて合成することが可
能である。Merrifield、J.Am.Chem.Soc.、85巻、2
149−2146頁、1963年を参照せよ。ポリペプチド自動合成装置は、パ
ーキン・エルマー/アプライド・バイオシステムズ社(Foster City
、カリフォルニア州)のような供給者から商業的に入手可能であり、製造者の指
示に従って操作することができる。天然のポリペプチドの変異体は、オリゴヌク
レオチド指令型(oligonucleotide−directed)部位特
異的突然変異生成のような標準的な突然変異生成技術を用いて調製される(Ku
nkel、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82巻、488−
492頁、1985年)。DNA配列のセクションは、トランケートされた(t
runcated)ポリペプチドの調製を可能にするために、標準的な技術を用
いて切除される。
【0057】 一般に、ここで記載されるポリペプチドは、単離され実質的に純粋な形状で調
製される。このポリペプチドは、少なくとも約80%純粋であることが好ましく
、少なくとも90%純粋であることがより好ましく、少なくとも99%純粋であ
ることが最も好ましい。以下に詳細に説明される一定の好ましい実施態様では、
この単離されたポリペプチドは、皮膚疾患の治療に用いるために、医薬品組成物
またはワクチンに取り込まれている。
【0058】 ここで使用される「変異体」という用語は、具体的に同定された配列と異なる
ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列を含むものであって、1以上のヌクレオチド
またはアミノ酸配列が、欠失、置換または付加されたものをいう。変異体は、天
然に存在する対立遺伝子の変異体でも、天然に存在しない変異体でもよい。変異
体配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)は、本発明の配列に対し、少な
くとも50%、より好ましくは75%、さらにより好ましくは90%の同一性を
示すものをいう。同一性の百分率は、以下に説明するとおり、比較する2つの配
列のアライメントをとり(align)、アライメントがとれた部分の同一残基
数を決定し、該同一残基数を本発明の(クエリーの)配列中の全残基数で除算し
、その結果を100倍したものをいう。
【0059】 公衆に利用可能なコンピューターアルゴリズムを用いて、ポリヌクレオチドお
よびポリペプチドの配列のアライメントをとることができ、特定の領域の同一ヌ
クレオチドの百分率を別のポリヌクレオチドに対して決定することができる。ポ
リヌクレオチド配列のアライメントおよび類似性同定のための2つの代表的なア
ルゴリズムは、BLASTNおよびFASTAアルゴリズムである。ポリヌクレ
オチドは、ヌクレオチドのクエリー配列を(両方の鎖の)6つの読み枠で概念的
に翻訳した産物をタンパク質データベースに対比するBLASTXアルゴリズム
を用いて解析することもできる。ポリペプチド配列の類似性は、BLASTPア
ルゴリズムを用いて調べることができる。前記BLASTN、BLASTPおよ
びBLASTXアルゴリズムは、NCBIの匿名FTPサーバー(ftp://
ncbi.nlm.nih.gov)の/blast/executables
/で入手可能である。説明書に記載され、前記アルゴリズムとともに配布された
、デフォルトのパラメーター値に設定したBLASTNアルゴリズムのバージョ
ン2.0.4(1998年2月24日)およびバージョン2.0.6(1998
年9月16日)を、本発明によるポリヌクレオチド変異体の決定に用いるのが好
ましい。説明書に記載され、前記アルゴリズムとともに配布された、デフォルト
のパラメーター値に設定したBLASTPアルゴリズムを、本発明によるポリペ
プチド変異体の決定に用いるのが好ましい。BLASTN、BLASTPおよび
BLASTXを含むBLASTファミリーのアルゴリズムの使用法は、NCBI
のウェッブサイトのURL(http://www.ncbi.nlm.nih
.gov/BLAST/newblast.html)と、Altschul、
Stephen F.らの「Gapped BLAST and PSI−BL
AST:a new generation of protein data
base search programs(ギャップ入りのBLASTおよび
PSI−BLAST:新世代のタンパク質データベース検索プログラム)」、N
ucleic Acids Res.、25巻、3389−3402頁、199
7年という刊行物とに記載されている。
【0060】 FASTAアルゴリズムは、インターネット上のftpサイトftp://f
tp.virginia.edu/pub/fasta/で入手可能である。説
明書に記載され、プログラムとともに配布されたデフォルトのパラメーター値に
設定された、1996年2月のバージョン2.0u4FASTAアルゴリズムを
、本発明による変異体の決定に用いることが好ましい。FASTAアルゴリズム
の使用法は、Pearson、WRおよびLipman、DJ、「Improv
ed tools for biological sequence ana
lysis(生物学的な配列の解析のための改良されたツール)」、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、85巻、2444−2448頁、198
8年と、W.R.Pearson、「Rapid and sensitive
sequence comparison with FASTP and
FASTA(FASTPおよびFASTAを用いる迅速で敏感な配列比較)」、
Methods in Enzymol.、183巻、63−98頁、1990
年とに説明されている。
【0061】 以下のランニングパラメーターを、ポリヌクレオチド配列のE値(E val
ues)および同一性の百分率に寄与する、BLASTNを使うアライメントお
よび類似性の決定に用いるのが好ましい。Unix(登録商標)のランニングコ
マンドは、blastall −p blastn −d embldb −e
10 −G0 −E0 −r 1 −v 30 −b 30 −i quer
yseq −o resultsで、パラメーターは、−p プログラムの名
称 [文字列];−d データベース [文字列];−e 期待値 (E)
[実数];−G ギャップを空けるためのコスト (ゼロはデフォルトの行
動を呼び起こす) [整数];−E ギャップを拡張するためのコスト (ゼ
ロはデフォルトの行動を呼び起こす) [整数];−r ヌクレオチドのマッ
チの報酬 (blastnのみ) [整数];−v 1行説明(one−li
ne descriptions)の数 (V) [整数];−b 表示する
アライメントの数 (B) [整数];−i クェリーファイル [File
In];−o BLASTレポートアウトプットファイル [File O
ut] 任意である。blastall −p blastp −d swi
ssprotdb −e 10 −G0−E 0 −v 30 −b 30 −
i queryseq −o results、パラメーターは、−p プロ
グラムの名称 [文字列];−d データベース [文字列];−e 期待
値 (E) [実数];−G ギャップを空けるためのコスト (ゼロはデフ
ォルトの行動を呼び起こす) [整数];−E ギャップを拡張するためのコ
スト (ゼロはデフォルトの行動を呼び起こす) [整数];−v 1行説明
(one−line descriptions)の数 (V) [整数];−
b 表示するアライメントの数 (B) [整数]; −i クェリーファ
イル [File In];−o BLASTレポートアウトプットファイル
[File Out] 任意というランニングパラメーターを、ポリペプチ
ド配列のE値および同一性の百分率に寄与する、BLASTPを使うアライメン
トおよび類似性の決定に用いるのが好ましい。BLASTN、BLASTP、F
ASTAまたは同様のアルゴリズムにより作成された、クエリー配列による1以
上のデータベース配列への「ヒット」は、配列の類似部分のアライメントをとっ
て同定する。前記ヒットは、類似性の程度および配列重複の長さの順に並べられ
る。データベース配列へのヒットは、前記クエリー配列の配列長の一部としか重
複しないことを意味するのが一般的である。
【0062】 BLASTN、FASTAおよびBLASTPアルゴリズムは、アライメント
の「期待」(E)値をも算出する。E値は、一定の規模のデータベースを検索し
たときに、偶然一定数の隣接した配列にわたって見つかることが「期待」できる
ヒットの数を示す。E値は、好ましいEMBLデータベースのようなデータベー
スへのヒットが真の類似性を表すかどうかを決定するための、有意性の閾値とし
て用いられる。例えば、あるポリヌクレオチドのヒットに付与されたE値が0.
1であることは、EMBLデータベースの規模のデータベースにおいて、同様の
スコアの配列のアライメントをとった部分にわたって、偶然0.1回マッチする
ことが期待できると解釈される。この判定基準により、前記ポリヌクレオチド配
列のアライメントがとれてマッチした部分は、90%が同一である確率を有する
ことになる。アライメントがとれてマッチした部分にわたって0.01以下のE
値を有する配列については、アルゴリズムBLASTNまたはFASTAを用い
てEMBLデータベースで偶然マッチするものを見つける確率は、1%以下であ
る。
【0063】 1の実施態様によると、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドのそれ
ぞれに関して、「変異体」のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、本発明の
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのそれぞれよりも核酸またはアミノ酸の数
が同じか少ない配列で、かつ本発明のポリヌクレオチドと比べて0.01以下の
E値となる配列を含むのが好ましい。すなわち、変異体ポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドとは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと同一である
確率が少なくとも99%あり、前記デフォルトのパラメーター設定でBLAST
N、FASTAまたはBLASTPアルゴリズムを用いてE値が0.01以下と
なる、いかなる配列をもいう。好ましい実施態様によると、変異体ポリヌクレオ
チドとは、前記デフォルトのパラメーター設定でBLASTNまたはFASTA
アルゴリズムを用いるとE値が0.01以下となり、少なくとも99%の確率で
本発明のポリヌクレオチドと同一となる、本発明のポリヌクレオチドの核酸の数
と同じかより少ない数の核酸を有する配列をいう。同様に、好ましい実施態様に
よると、変異体ポリペプチドとは、前記デフォルトのパラメーター設定でBLA
STPアルゴリズムを用いるとE値が0.01以下となり、少なくとも99%の
確率で本発明のポリペプチドと同一となる、本発明のポリペプチドのアミノ酸の
数と同じかまたはより少ない数のアミノ酸を有する配列をいう。
【0064】 代替策としては、本発明の変異体のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対し、以下に説明するとおりに
決定された類似性が、少なくとも50%、より好ましくは75%、さらにより好
ましくは90%、最も好ましくは少なくとも98%を示すものをいう。類似性の
百分率は、上記のとおりにランニングパラメーターを設定した、BLASTN、
FASTAまたはBLASTPアルゴリズムのうちの1つを用いて、配列のアラ
イメントをとり、アライメントがとれた部分の同一の核酸またはアミノ酸の数を
同定し、この同一の核酸またはアミノ酸の数を本発明のポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドの中の核酸またはアミノ酸の総数で除算し、その結果を100倍し
たものをいう。例えば、上記のとおりのパラメーターを用いてBLASTNアル
ゴリズムによって作出されたアライメントにおいて、220個の核酸を有する本
発明のポリヌクレオチドには、EMBLデータベース中の520個の核酸を有す
るポリヌクレオチド配列に対する23個のヌクレオチドにわたるヒットがある。
この23個のヌクレオチドのヒットには、21個の同一ヌクレオチドと、1つの
ギャップと、1個の相違するヌクレオチドとが含まれる。本発明のポリヌクレオ
チドのEMBLデータベース中の前記ヒットに対する類似性の百分率は、220
分の21の100倍で9.5%である。よって、EMBLデータベース中の前記
ポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドの変異体ではないことになる。
【0065】 代替案としては、本発明の変異体ポリヌクレオチドは、配列番号1−45、9
0−140、192−195、200、204および206に列挙されるポリヌ
クレオチド配列あるいはこれらの配列の相補体、逆配列または逆相補体に対して
、ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションをするものをいう。ここ
で使用された「ストリンジェントな条件」とは、6X SSCおよび0.2%
SDSの溶液で前洗浄し、6X SSCおよび0.2% SDSの溶液中で65
℃、終夜(overnight)ハイブリダイゼーションさせ、その後1X S
SCと0.1% SDSで65℃、各30分ずつ2回洗浄し、0.2X SSC
と0.1% SDSで65℃、各30分ずつ2回洗浄することをさす。
【0066】 本発明は、開示された配列とは相違するが、遺伝暗号の不整合の結果、本発明
のポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチドと類似の酵素活性を有する
ポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドも含む。したがって、保存的置
換の結果、配列番号1−45、90−140、192−195、200、204
および206に列挙されたポリヌクレオチド配列か、あるいはこれらの配列の相
補体、逆配列または逆相補体かと相違する配列を含むポリヌクレオチドは、本発
明により意図されたものであり、本発明に含まれる。さらに、合計が全配列長の
10%未満の欠失および/または挿入の結果として、配列番号1−45、90−
140、192−195、200、204および206に列挙されたポリヌクレ
オチド配列か、あるいはこれらの配列の相補体、逆配列または逆相補体かと異な
る配列を含むポリヌクレオチドも、本発明により意図されたものであり、かつ本
発明に含まれる。同様に、合計が全配列長の10%未満のアミノ酸置換、挿入お
よび/または欠失の結果として配列番号46−89、141−191、196−
199、201および205に提供されたポリペプチド配列と異なる配列を含む
ポリペプチドは、この変異体ポリペプチドがプログラム細胞死または植物の発生
経路において活性があることを条件として、本発明により意図されたものであり
、かつ本発明に含まれる。
【0067】 本発明のポリヌクレオチドは、当業者に周知の技術を用いて、さまざまなライ
ブラリから単離してもよく、あるいは合成してもよい。前記ポリヌクレオチドは
、例えば、50個以上の核酸のポリヌクレオチドセグメントを得るために、自動
オリゴヌクレオチド合成機(例えば、ベックマン社オリゴ1000M DNAシ
ンセサイザー)を使用して合成してもよい。複数のかかるポリヌクレオチドセグ
メントは、分子生物学の分野で周知の標準的なDNA操作技術を用いて連結する
ことができる。1つの通常の代表的なポリヌクレオチド合成技術は、例えば80
個の核酸を有する1本鎖ポリヌクレオチドセグメントを合成すること、該セグメ
ントを相補的な85個の核酸セグメントとハイブリダイゼーションしてヌクレオ
チド5個のオーバーハングを作り出すことをともなう。次のセグメントも同様の
手法で反対側の鎖にヌクレオチド5個のオーバーハングを持つように合成される
。この「粘着」末端が、前記の2つの部分がハイブリダイゼーションしたときに
適切に連結することを保証する。このようにして、本発明の完全なポリヌクレオ
チドは、試験管内で全合成できる。
【0068】 配列番号配列番号1−45、90−140、192−195、200、204
および206として同定されるポリヌクレオチドの一部は、これらが天然に存在
するポリペプチドをエンコードする遺伝子の完全なコーディング部分を表さない
という点で、「部分」配列と呼ばれる。ここで開示される部分ポリヌクレオチド
配列は、例えば、本発明のポリヌクレオチドにもとづいたハイブリダイゼーショ
ン用のプローブを用いてDNA発現ライブラリをスクリーニングすることか、あ
るいは本発明のポリヌクレオチドにもとづいたプライマーでのPCR増幅を利用
することかによって、さまざまな種および生物について対応する完全長遺伝子を
取得するために用いることができる。このようにして、当業者に周知の方法を用
いて、本発明のポリヌクレオチドを、対応するmRNAの上流および下流に拡張
し、プロモーターおよびエンハンサー領域を含む完全な遺伝子に対応するゲノム
DNAを同定することができる。したがって、本発明は、配列番号1−45、9
0−140、192−195、200、204および206として同定される配
列またはこれらにより特定される配列のうちの1つの変異体を含む単離されたポ
リヌクレオチドを含む。かかる拡張されたポリヌクレオチドは、約50個から約
4、000個までの核酸または塩基対の長さを有するものであってもよいが、約
4、000個未満の核酸または塩基対の長さを有するのが好ましく、約3、00
0個未満の核酸または塩基対の長さを有するのがより好ましく、約2、000個
未満の核酸または塩基対の長さを有するのがさらに好ましい。一定の状況の下で
は、本発明の拡張されたポリヌクレオチドは、約1、800個未満の核酸または
塩基対を有するものでもよいが、約1、600個未満の核酸または塩基対を有す
るのが好ましく、約1、400個未満の核酸または塩基対を有するのがより好ま
しく、約1、200個未満の核酸または塩基対を有するのがさらに好ましく、約
1、000個未満の核酸または塩基対を有するのが最も好ましい。
【0069】 本発明のポリヌクレオチドには、配列番号配列番号1−45、90−140、
192−195、200、204および206として同定されたポリヌクレオチ
ドと、かかる配列の相補体、逆配列および逆相補体と、それらの変異体とのうち
のいずれかの、少なくとも特定の数の連続した残基を含むポリヌクレオチド(x
量体)を含むポリヌクレオチドが含まれる。同様に、本発明のポリペプチドには
、配列番号配列番号46−89、141−191、196−199、201およ
び205として同定されたポリペプチドとそれらの変異体とのうちのいずれかの
、少なくとも特定の数の連続した残基を含むポリペプチド(x量体)を含むポリ
ペプチドが含まれる。ここで使用された「x量体」という用語は、「x」の特定
の値に関して、配列番号1−45、90−140、192−195、200、2
04および206として同定されたポリヌクレオチドまたは配列番号46−89
、141−191、196−199、201および205として同定されたポリ
ペプチドのいずれかの、少なくとも特定された数「x」の連続した残基を含む配
列をさす。好ましい実施態様によると、xの値は、少なくとも20が好ましく、
少なくとも40がより好ましく、少なくとも60がさらに好ましく、少なくとも
80が最も好ましい。よって、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは
、配列番号1−201および204−206として同定されたポリヌクレオチド
またはポリペプチドと、それらの変異体との、20量体、40量体、60量体、
80量体、100量体、120量体、150量体、180量体、220量体、2
50量体、300量体、400量体、500量体または600量体を含む。
【0070】 配列番号1−45、90−140、192−195、200、204および2
06とこれらの配列の変異体とに相補的なおよび/または対応するポリヌクレオ
チドプローブおよびプライマーも本発明に含まれる。かかるオリゴヌクレオチド
プローブおよびプライマーは、関心のあるポリヌクレオチドに対して、実質的に
相補性がある。ここで使用された「オリゴヌクレオチド」という用語は、ポリヌ
クレオチド配列の比較的短いセグメントであって、一般的には6個と60個の間
のヌクレオチドを含むセグメントをさし、ハイブリダイゼーションアッセイ法に
使用するプローブと、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNA増幅に使用するプライ
マーとの両方を含む。
【0071】 あるオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーが、配列番号1−45、9
0−140、192−195、200、204および206として提示された配
列または変異体の1つを含む本発明のポリヌクレオチドに「対応する(corr
esponding to)」と記載されるのは、前記オリゴヌクレオチドプロ
ーブまたはプライマー、あるいはその相補体が、配列番号1−45、90−14
0、192−195、200、204および206として提示された1の配列か
、またはこれらの特定の配列の1つの変異体かに含まれるときである。
【0072】 2つの1本鎖配列に実質的な相補性があると言えるのは、最適なアライメント
をとって比較すると、適当なヌクレオチドの挿入および/または欠失を有する一
方の鎖のヌクレオチドが、他方の鎖のヌクレオチドに対して、少なくとも80%
、好ましくは少なくとも90%ないし95%、そしてより好ましくは少なくとも
98%ないし100%対合するときである。実質的な相補性が存在するのは、第
1のDNA鎖が、第2のDNA鎖に対して、ストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件下で選択的にハイブリダイゼーションするときであるとするのが代
替策である。相補性を決定するためのストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件は、塩類の条件が、約1M未満で、より通常的なのは約500mM未満で
、好ましくは約200mM未満である。ハイブリダイゼーションの温度は、5℃
でもよいが、一般的には約22℃以上で、より好ましいのは約30℃以上で、最
も好ましいのは約37℃以上である。長いDNA断片ほど、特異的なハイブリダ
イゼーションには高いハイブリダイゼーション温度が必要である。ハイブリダイ
ゼーションのストリンジェントさは、プローブ組成、有機溶媒の存在および塩基
のミスマッチングの程度のような他の要因の影響を受けるため、パラメーターの
組み合わせは、どれか1のパラメーターだけの絶対的な基準よりも重要である。
植物か、あるいは植物材料が含まれるサンプルまたは生産物かに由来するDNA
は、ゲノムDNAか、前記サンプル中に存在するRNAからcDNAを調製する
ことにより由来したDNAかのいずれであってもよい。
【0073】 DNA−DNAのハイブリダイゼーションに加えて、DNA−RNAまたはR
NA−RNAのハイブリダイゼーションアッセイ法も可能である。第1のケース
では、発現する遺伝子由来のmRNAが、ゲノムDNAまたはサンプルのmRN
A由来のcDNAの代わりに検出される。第2のケースでは、RNAプローブを
用いることができる。さらに、標的配列に対して特異的にハイブリダイゼーショ
ンをするDNAの人工類似体を用いることもできる。
【0074】 特定の実施態様では、オリゴヌクレオチドプローブおよび/またはプライマー
は、本発明のポリヌクレオチド配列に相補的な、少なくとも約6個の連続した残
基を含み、より好ましくは少なくとも約10個の連続した残基を含み、最も好ま
しくは少なくとも約20個の連続した残基を含む。本発明のプローブおよびプラ
イマーは、約8個から100個までの塩基対の長さであってもよいが、約10個
から50個までの塩基対の長さが好ましく、約15個から40個までの長さがよ
り好ましい。前記プローブは、DNA−DNAのハイブリダイゼーションのスト
リンジェントさと、アニーリングおよび融解の温度と、ループ形成の可能性と、
本発明の技術分野において周知のその他の要因とを考慮して、本発明の技術分野
で周知の手順を用いて容易に選択できる。プローブの設計に適し、そして特にP
CRプライマーの設計に適するツールおよびソフトウェアは、インターネット上
で、例えばhttp://www.horizonpress.com/pcr
/で入手可能である。PCRプライマーの設計のための好ましい技術は、Die
ffenbachおよびDyksler、「PCR primer:a lab
oratory manual(PCRプライマー:実験室マニュアル)」、C
SHL Press、Cold Spring Horbor、ニューヨーク州
、1995年にも開示されている。
【0075】 本発明のポリヌクレオチドに対応する複数のオリゴヌクレオチドプローブまた
はプライマーは、キットの形で提供されるかもしれない。かかるキットは、一般
的には、複数のDNAまたはオリゴヌクレオチドプローブを含み、それぞれのプ
ローブは、あるポリヌクレオチド配列に特異的である。本発明のキットには、配
列番号1−45、90−140、192−195、200、204および206
に同定されたポリヌクレオチド配列を含む本発明のポリヌクレオチドに対応する
1以上のプローブまたはプライマーが含まれる。
【0076】 ハイスループットアッセイ法に有用な1の実施態様では、本発明のオリゴヌク
レオチドプローブキットは、固体の表面上の予め定められた(predeter
mined)番地により空間的な位置指定ができる(spatially ad
ressable)場所に各プローブが固定化された、アレイ状のフォーマット
の複数のプローブを含む。本発明で有効に用いられるアレイ状フォーマットは、
例えば米国特許明細書第5、412、087号明細書、第5、545、451号
明細書および国際公開パンフレットWO第95/00450号に開示されており
、その開示内容は、ここでは参照文献として取り込まれている。
【0077】 プローブ、好ましくはアレイ状のプローブを、当業者に周知なハイスループッ
トスクリーニング技術を用いて、生物か、あるいは遺伝材料を含むサンプルまた
は生産物かの相違についてスクリーニングをするために用いることができる。ハ
イスループットスクリーニングの意義は、多数の種子のロットおよび植物幼苗を
同定し、望ましくない植物材料がないかどうかサンプルまたは製品を検査したり
、検疫の目的等のために植物またはサンプルまたは植物材料を含む生産物を同定
したり、あるいは植物か、植物材料を含むサンプルまたは生産物かの真の出所を
確かめたりといった、植物育種および品質管理のような応用については明らかで
ある。植物にタグを付ける識別子として用いられた本発明のポリヌクレオチドの
有無のスクリーニングは、植物育種での遺伝子の流動量、花粉の飛散による遺伝
子の移入、その他を事後に検出する上で価値がある。
【0078】 この手法では、本発明のオリゴヌクレオチドプローブキットは、異なるサンプ
ル中か異なる材料を含む生産物中かでのポリヌクレオチドの存在の有無(または
混合物の場合には相対的な量)を、迅速かつ費用効果よく検査するために用いる
ことができる。本発明を利用して検査できる植物種の例には、マツ及びユーカリ
の種のような林産植物種と、その他の木本種と、農業用植物および園芸用植物と
が含まれる。
【0079】 プログラム細胞死および/または発生経路の調整が望ましい用途については、
林産植物を遺伝子コンストラクトで形質転換することにより、野生型生物でのポ
リヌクレオチドのコピー数および/またはポリペプチド発現レベルと比較して、
該ポリヌクレオチドのコピー数またはポリペプチドの発現レベルに変化が生じる
ように、オープン・リーディング・フレームを遺伝子コンストラクトにセンスま
たはアンチセンス方向に挿入してもよい。センス方向のオープン・リーディング
・フレームを含む遺伝子コンストラクトでの形質転換では、選択されたポリヌク
レオチドにエンコードされるポリペプチドの発現レベルは上昇するのが一般的で
あるのに対し、アンチセンス方向のオープン・リーディング・フレームを含む遺
伝子コンストラクトでの形質転換では、選択されたポリヌクレオチドにエンコー
ドされるポリペプチドの発現は低下するのが一般的である。本発明のオープン・
リーディング・フレームをセンス方向かアンチセンス方向かのいずれかで含む遺
伝子コンストラクトで形質転換された林産植物は、当業者に周知の技術を用いて
、選択されたポリヌクレオチドのコピー数の増減か、関心のあるポリペプチドの
発現量の増減かについてスクリーニングすることができる。したがって、所望の
変化が起こっている植物を同定し単離することができる。一般には、対応する野
生型生物での発現レベルと比較して、関心のあるポリペプチドの発現レベルにつ
いて、少なくとも25%の増減が顕著な差とされる。
【0080】 本発明の遺伝子コンストラクトで標的生物を形質転換することにより、該標的
生物におけるポリペプチド合成量または含量か、構造かの改変が起こり、プログ
ラム細胞死の領域または発生経路において、野生型植物からの変化が起こる。本
発明の方法は、林産植物種におけるプログラム細胞死を調整し、一般的に促進し
、そして阻害することをともなう。例えば、本発明のポリヌクレオチドにエンコ
ードされるポリペプチドであって、プログラム細胞死のレベルを上昇させるポリ
ペプチドを、オープン・リーディング・フレームがセンス方向に挿入された遺伝
子コンストラクトで標的生物に形質転換することにより、該標的生物における前
記ポリペプチドの量または発現量の顕著な上昇が起こり、その結果、プログラム
細胞死の顕著な増加が起こるのが、一般的である。同様に、本発明のポリヌクレ
オチドにエンコードされるポリペプチドであって、プログラム細胞死のレベルの
低下に寄与するポリペプチドを、オープン・リーディング・フレームがセンス方
向に挿入された遺伝子コンストラクトで標的生物に形質転換することにより、該
標的生物における前記ポリペプチドの量または発現量の顕著な低下が起こり、そ
の結果、プログラム細胞死の顕著な減少が起こるのが、一般的である。アンチセ
ンス方向にオープン・リーディング・フレームを挿入するか、ポリヌクレオチド
の非翻訳領域を挿入するかした遺伝子コンストラクトで標的生物に形質転換する
ことにより、対応するポリペプチドのレベルの低下が起こり、この特定のポリペ
プチドの役割に応じて、対応するプログラム細胞死の増加または減少がおこると
いうのが一般的である。本発明の他の遺伝子コンストラクトでの形質転換により
、プログラム細胞死および/または植物の発生経路において役割を果たすさまざ
まなポリペプチドの含量、組成および/または代謝に変化が起こり、それにより
、この林産植物の含量、組成および/または代謝に変化を起こることが認識され
る。
【0081】 より具体的には、本発明の方法は、(1)配列番号1−5、10、15、16
、27−35、38−40、45、92−140、192−195および200
に列挙される配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択される配
列を含むポリヌクレオチドを導入し、該オリゴヌクレオチドのコピー数を増加す
ること、(2)配列番号1−5、10、15、16、27−35、38−40、
45、92−140、192−195および200に列挙される配列と、かかる
配列の変異体とのグループから選択される配列を含むポリヌクレオチドにエンコ
ードされるポリペプチドを導入し、発現レベルを上昇させ、または活性化するこ
と、(3)配列番号46−50、55、60、61、72−79、82−84、
89、143−191、196−199および201に列挙される配列と、かか
る配列の変異体とからなるグループから選択される配列を含むポリペプチドを導
入し、発現レベルを上昇させ、または活性化すること、(4)配列番号6−9、
11−14、17−26、36、37、41−44、90、91および204に
列挙される配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択される配列
を含むポリヌクレオチドのコピー数を減少させること、(5)配列番号6−9、
11−14、17−26、36、37、41−44、90、91および204に
列挙される配列と、かかる配列の変異体とのグループから選択される配列を含む
ポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチドの発現レベルを減少させ、ま
たは該ポリペプチドを不活性化すること、(6)配列番号51−54、56−5
9、62−71、80、81、85−88、141、142および205に列挙
される配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択される配列を含
むポリペプチドの発現レベルを低下させ、または該ポリペプチドを不活性化する
ことにより、林産植物または細胞集団におけるプログラム細胞死を選択的に促進
することを意図するものである。本発明の方法は、(1)配列番号6−9、11
−14、17−26、36、37、41−44、90、91および204に列挙
される配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択される配列を含
むポリヌクレオチドを導入し、または該ポリヌクレオチドのコピー数を増加する
こと、(2)配列番号6−9、11−14、17−26、36、37、41−4
4、90、91および204に列挙される配列と、かかる配列の変異体とのグル
ープから選択される配列を含むポリヌクレオチドにエンコードされるポリペプチ
ドを導入し、該ポリペプチドの発現レベルを上昇させ、または該ポリペプチドを
活性化すること、(3)配列番号51−54、56−59、62−71、80、
81、85−88、141、142および205に列挙される配列と、かかる配
列の変異体とからなるグループから選択される配列を含むポリペプチドを導入し
、該ポリペプチドの発現レベルを上昇させ、該ポリペプチドを活性化すること、
(4)配列番号1−5、10、15、16、27−35、38−40、45、9
2−140、192−195および200に列挙される配列と、かかる配列の変
異体とからなるグループから選択される配列を含むポリヌクレオチドのコピー数
を減少させること、(5)配列番号1−5、10、15、16、27−35、3
8−40、4、92−140、192−195および200に列挙される配列と
、かかる配列の変異体とのグループから選択される配列を含むポリヌクレオチド
にエンコードされるポリペプチドの発現レベルを低下させ、または該ポリペプチ
ドを不活性化すること、(6)配列番号46−50、55、60、61、72−
79、82−84、90、143−191、196−199および201に列挙
される配列と、かかる配列の変異体とからなるグループから選択される配列を含
むポリペプチドの発現レベルを低下させ、または該ポリペプチドを不活性化する
ことにより、林産植物または細胞集団におけるプログラム細胞死を選択的に阻害
することを意図するものでもある。
【0082】 プログラム細胞死または選択された発生経路に関与するポリヌクレオチドの発
現は、本発明のオープン・リーディング・フレームの部分を、センスかアンチセ
ンスかのいずれかの方向に挿入することにより阻害できる。かかる部分は、完全
長である必要はないが、本発明のポリヌクレオチドの少なくとも25個の残基を
含むことが好ましく、少なくとも50個を含むことがより好ましい。より長い部
分または完全なオープン・リーディング・フレームに対応する完全長ポリヌクレ
オチドを用いてもかまわない。前記オープン・リーディング・フレームの部分は
、標的ポリヌクレオチドの阻害を達成するのに十分な配列類似性があることを条
件として、内在配列と正確に同一である必要はない。したがって、1つの種由来
の配列が、異なる種の遺伝子の発現を阻害するのに用いられてもよい。
【0083】 別の実施態様に従うと、本発明の遺伝子コンストラクトは、本発明のポリヌク
レオチドをエンコードするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの非翻訳
領域か、あるいはかかる非翻訳領域に相補的なポリヌクレオチドかを含む。かか
るコンストラクトに有用な非翻訳領域の例には、イントロンおよび5'非翻訳リ
ーダー配列が含まれる。かかる遺伝子コンストラクトによる林産植物の形質転換
は、例えばNapoliら、Plant Cell、2巻、279−290頁、
1990年およびde Carvalho Niebelら、Plant Ce
ll、7巻、347−358頁、1995年によって論じられたのと同様の手法
である、コサプレッションの過程によって、ポリペプチドの発現レベルの低下を
もたらす。
【0084】 代替策としては、調節は、適当な配列またはサブ配列(例えばDNAまたはR
NA)をリボザイムコンストラクトに挿入することにより達成できる(McIn
tyreおよびManners、Transgenic Res.、5巻、4号
、257−262頁、1996年)。リボザイムとは、それぞれの領域が本発明
の1のポリヌクレオチドにエンコードされるmRNA分子中の少なくとも5個の
連続したヌクレオチドからなる、2つの領域に相補的なハイブリダイゼーション
領域を含む合成RNA分子をいう。リボザイムは、特異性の高いエンドヌクレア
ーゼ活性を有し、自己触媒的に前記mRNAを切断する。
【0085】 本発明の遺伝子コンストラクトは、さらに、転写されるべきポリヌクレオチド
に操作可能に連結され、ポリペプチド発現を制御することができる、遺伝子プロ
モーター配列および遺伝子ターミネーション配列を含む。遺伝子プロモーター配
列は、転写されるポリヌクレオチドの5'末端に位置し、該ポリヌクレオチドの
転写の開始に用いられるのが一般的である。遺伝子プロモーター配列は、一般的
には遺伝子の5'非翻訳領域にみられるが、オープン・リーディング・フレーム
の下流またはイントロン内に存在することもあり(Luehrsen、KR、M
ol.Gen.Genet.、225巻、81−93頁、1991年)、例えば
植物の生体防御遺伝子のようにコーディング領域内に存在することもある(Do
uglasら、EMBO J.、10巻、1767−1775頁、1991年)
【0086】 本発明の遺伝子コンストラクトで有用な多数の遺伝子プロモーター配列は当業
者に周知である。遺伝子プロモーター配列は、そして遺伝子ターミネーション配
列も、該標的宿主に内在するものでよく、該プロモーターが標的宿主において機
能することを条件として、外来のものでもよい。例えば、標的生物が植物のとき
に用いられるプロモーターおよびターミネーション配列は、他の植物、植物ウイ
ルス、細菌プラスミド等由来のものでもかまわない。好ましい実施態様では、遺
伝子プロモーターおよびターミネーション配列は、導入されるポリヌクレオチド
と共通のものである。
【0087】 プロモーターの選択に影響を与える要因には、コンストラクトの所望の組織特
異性と、転写および翻訳のタイミングとが含まれる。例えば、35Sカリフラワ
ーモザイクウィルス(CaMV35S)プロモーターのような構成的なプロモー
ターが、Kozak配列またはオメガエンハンサーのようなエンハンサーと、ア
グロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tume
faciens)菌のノパリンシンターゼ(nopalin synthase
)遺伝子のターミネーターとともに、あるいは単独で、本発明において有効に利
用できる。組織特異的なプロモーターを使う結果、所望のセンスまたはアンチセ
ンスRNAを関心のある組織においてだけ産生することになる。誘導可能な遺伝
子プロモーター配列を用いる遺伝子コンストラクトでは、RNAポリメラーゼの
結合および転写開始の速度は、光、熱、嫌気性ストレス、栄養条件の変化等のよ
うな外界の刺激により調整することができる。時間的に調節されたプロモーター
は、形質転換細胞の発生の間の特定の時点でのRNAポリメラーゼ結合および転
写開始の速度の調整に影響を与えるために用いることができる。問題の遺伝子由
来の本来のプロモーターか、ユーカリまたはマツのような形質転換される生物の
特定の組織で発現する遺伝子由来のプロモーターかを使うのが好ましい。本発明
に有効に利用できる遺伝子プロモーターの他の例には、マンノピンシンターゼ(
mannopine synthase、mas)、オクトピンシンターゼ(o
ctopine synthase、ocs)およびChuaら、Scienc
e、244巻、174−181頁、1989年により総説されたものが含まれる
【0088】 転写されるポリヌクレオチドの3'側に位置する遺伝子ターミネーション配列
は、遺伝子プロモーター配列と同じ遺伝子由来のものでもよく、異なる遺伝子由
来のものでもよい。アグロバクテリウム・ツメファシエンス菌のノパリンシンタ
ーゼ遺伝子の3'末端のように、当業者に周知の多くの遺伝子ターミネーション
配列が、本発明に有効に利用できる。しかし、好ましい遺伝子ターミネーター配
列は、本来の遺伝子由来または形質転換される標的の種に由来するものである。
【0089】 本発明の遺伝子コンストラクトは、該コンストラクトを含む形質転換細胞の検
出ができるように、植物細胞で有効な選択マーカーを含むこともある。本発明の
技術分野で周知のかかるマーカーは、1以上の毒素に対する耐性を有するのが典
型的である。かかるマーカーの1つの例は、その発現により通常は中程度の濃度
で植物細胞に毒性のある抗生物質である、カナマイシンまたはハイグロマイシン
に対する耐性をもたらすNPTII遺伝子である(Rogersら、Weiss
bach、AおよびWeissbach、H 編、「Methods for
Plant Molecular Biology(植物分子生物学の方法)」
、Academic Press、San Diego、カリフォルニア州、1
988年)。こうして、形質転換細胞は、問題の抗生物質を含む培地中で増殖す
る能力により同定できる。代替策として、形質転換細胞中に所望のコンストラク
トが存在することは、サザンおよびウェスタンブロット法のような当業者に周知
の他の技術によって決定することができる。
【0090】 本発明の遺伝子コンストラクトの構成要素を操作可能に連結するための技術は
、本発明の技術分野で周知であり、例えば、Sambrookら、(「Mole
cular cloning:a laboratory manual(分子
クローニング:実験室マニュアル)」、CSHL、Cold Spring H
arbor、ニューヨーク州、1989年)に記載された、1つ以上の制限エン
ドヌクレアーゼ部位を含む合成リンカーの利用を含む。本発明のDNAコンスト
ラクトは、各操作の後に、得られたコンストラクトをクローン化し、配列決定し
て、操作の正確さを決定することが可能な、例えば大腸菌のような、少なくとも
1つの複製システムを有するベクターと連結されてもよい。
【0091】 本発明のDNAコンストラクトは、裸子植物(例、オウシュウアカマツ(Sc
ot pine)(Aronen、Finnish Forest Res.P
apers、595巻、1996年)と、ホワイトスプルース(Ellisら、
Biotechnology、11巻、84−89頁、、1993年)と、カラ
マツ(larch)(Huangら、In Vitro Cell、27巻、2
01−207頁、1991年)とを含む林産植物を形質転換するために用いられ
る。1の好ましい実施態様においては、本発明の遺伝子コンストラクトは、その
茎が複数年生存して木質組織の追加により毎年直径が増大するような樹木または
潅木とここでは定義される、木本植物の形質転換に用いられる。好ましい林産植
物は、ユーカリおよびマツの種を含むグループから選択され、最も好ましくはE
ucalyptus grandisおよびPinus radiataからな
るグループから選択される。本発明のDNAコンストラクトで有用に形質転換さ
れる他の種には、Pinus banksiana、Pinus brutia
、Pinus caribaea、Pinus clausa、Pinus c
ontorta、Pinus coulteri、Pinus echinat
a、Pinus eldarica、Pinus ellioti、Pinus
jeffreyi、Pinus lambertiana、Pinus mo
nticola、Pinus nigra、Pinus palustrus、
Pinus pinaster、Pinus ponderosa、Pinus
resinosa、Pinus rigida、Pinus serotin
a、Pinus strobus、Pinus sylvestris、Pin
us taeda、Pinus virginianaのようなマツと、Abi
es amabilis、Abies balsamea、Abies con
color、Abies grandis、Abies lasiocarpa
、Abies magnifica、Abies procera、Chama
ecyparis lawsoniona、Chamaecyparis no
otkatensis、Chamaecyparis thyoides、Hu
niperus virginiana、Larix decidua、Lar
ix laricina、Larix leptolepis、Larix o
ccidentalis、Larix siberica、Libocedru
s decurrens、Picea abies、Picea engelm
anni、Picea glauca、Picea mariana、Pice
a pungens、Picea rubens、Picea sitchen
sis、Pseudotsuga menziesii、Sequoia gi
gantea、Sequoia sempervirens、Taxodium
distichum、Tsuga canadensis、Tsuga he
terophylla、Tsuga mertensiana、Thuja o
ccidentalis、Thuja plicataのような他の裸子植物と
、Eucalyptus alba、Eucalyptus bancroft
ii、Eucalyptus botyroides、Eucalyptus
bridgesiana、Eucalyptus calophylla、Eu
calyptus camaldulensis、Eucalyptus ci
triodora、Eucalyptus cladocalyx、Eucal
yptus coccifera、Eucalyptus curtisii、
Eucalyptus dalrympleana、Eucalyptus d
eglupta、Eucalyptus delagatensis、Euca
lyptus diversicolor、Eucalyptus dunni
i、Eucalyptus ficifolia、Eucalyptus gl
obulus、Eucalyptus gomphocephala、Euca
lyptus gunnii、Eucalyptus henryi、Euca
lyptus laevopinea、Eucalyptus macarth
urii、Eucalyptus macrorhyncha、Eucalyp
tus maculata、Eucalyptus marginata、Eu
calyptus megacarpa、Eucalyptus mellio
dora、Eucalyptus nicholii、Eucalyptus
nitens、Eucalyptus nova−anglica、Eucal
yptus obliqua、Eucalyptus obtusiflora
、Eucalyptus oreades、Eucalyptus pauci
flora、Eucalyptus polybractea、Eucalyp
tus regnans、Eucalyptus resinifera、Eu
calyptus robusta、Eucalyptus rudis、Eu
calyptus saligna、Eucalyptus sideroxy
lon、Eucalyptus stuartiana、Eucalyptus
tereticornis、Eucalyptus torelliana、
Eucalyptus urnigera、Eucalyptus uroph
ylla、Eucalyptus viminalis、Eucalyptus
viridis、Eucalyptus wandoo、Eucalyptu
s youmanniのようなユーカリとが含まれるものの、これらに限定され
ない。
【0092】 遺伝子コンストラクトを特定の標的生物のゲノムに安定的に取り込むための技
術は当業者に周知である。植物を形質転換するための適当な技術には、アグロバ
クテリウム・ツメファシエンス菌を介した導入法、エレクトロポレーション法、
プロトプラスト融合法、生殖器官注入法、未熟胚注入法、高速発射体導入法(h
igh velocity projectile introduction
)等が含まれる。どの技術を選択するかは、形質転換される標的植物により異な
る。例えば、双子葉類植物と、一定の単子葉類および裸子植物とは、例えばBe
van(Nucleic Acids Res.12巻、8711−8721頁
、1984年)に記載のアグロバクテリウムTiプラスミド技術により、形質転
換できる。本発明の遺伝子コンストラクトの導入の標的には、葉組織のような組
織、解離された細胞、プロトプラスト、種子、胚、分裂組織領域、子葉、胚軸等
が含まれる。ユーカリおよびマツを形質転換する好ましい方法は、苗条の誘導ま
たは体細胞胚発生を用いるアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌を介した方
法である。
【0093】 本来の種由来でない遺伝子コンストラクトをゲノムに取り込んだ標的細胞は、
上記のカナマイシン耐性マーカーのようなマーカーにより選択できる。つぎに、
トランスジェニック細胞は、本発明の技術分野における周知技術を用いて、植物
全体を再生するための適当な培地中で培養される。プロトプラストの場合には、
細胞壁は適当な浸透圧条件下で再形成させられる。種子または胚の場合には、適
当な発芽またはカルス誘導培地が用いられる。外植体については、適当な再生培
地が用いられる。植物の再生は、多くの種について十分に確立している。林木の
再生の総説としては、Dunstanら、「Somatic embryoge
nesis in woody plants(木本植物における体細胞的胚発
生)」、Thorpe TA編、In vitro embryogenesi
s of plants(植物の試験管内胚発生)、(Current Pla
nt Science and Biotechnology in Agri
culture、20巻)を参照のこと。スプルースの再生についての具体的な
プロトコールは、Robertsら、Somatic Embryogenes
is of Spruce(スプルースの体細胞的胚発生)、Redenbau
gh K編、Synseed:applications of synthe
tic seed to crop improvement(シンシード:人
工的な種子の作物改良への応用)、CRC Press、427−449頁、1
993年に説明されている。所望の表現型を有する形質転換植物は、本発明の技
術分野における周知技術を用いて選抜される。得られた形質転換植物は、当業者
に周知の方法を用いて、次世代以降のトランスジェニック植物を得るために、有
性的または無性的な生殖で増殖させられる。
【0094】 上記のとおり、標的植物中のRNA産生は、適当なプロモーター配列の選択に
より、あるいは標的宿主のゲノムに取り込まれたポリヌクレオチドの機能的なコ
ピー数またはインテグレーション部位の選択により、制御できる。標的宿主生物
は、2以上の本発明のコンストラクトで形質転換され、2以上のポリペプチドの
活性または濃度を調整し、2以上の組織に影響を与え、または2以上の時点での
発現に影響を与えてもよい。同様に、遺伝子コンストラクトは、本発明のポリヌ
クレオチドにエンコードされる2以上のオープン・リーディング・フレームを含
むように、またはポリヌクレオチドの2以上の非翻訳領域を含むように構築して
もよい。本発明のポリヌクレオチドは、さまざまなポリペプチドをエンコードす
る他の既知配列との組み合わせで用いてもよい。
【0095】 さらに、本発明のポリヌクレオチドは、生物、特に植物を標識するための非破
壊的なタグとして用いてもよい。本発明のポリヌクレオチドを含む遺伝子コンス
トラクトは、異種由来で、非機能的で、非破壊的なタグとして生物に安定的に導
入してもよい。すると、材料のサンプル中での前記タグの有無を決定することに
より、後日前記生物の起源または供給源を同定することが可能である。商業的価
値がある動物、魚、細菌および酵母を含む、植物以外の生物も、本発明のオリゴ
ヌクレオチドでタグづけすることができる。
【0096】 前記タグの検出は、さまざまな従来技術を利用して達成でき、核酸プローブの
利用をともなうのが一般的である。プローブの存在をアッセイする感度は、Ho
rn、T、Chang、CAおよびUrdea、MS、「核酸定量アッセイ法に
おけるシグナル増幅剤として使用するための分枝状オリゴデオキシリボヌクレオ
チド(bDNA)の化学合成およびその特徴」、Nucleic Acids
Research、25巻、23号、4842−4849頁、1997年に記載
のとおり、分枝状オリゴヌクレオチドを用いることにより有効に上昇させること
ができ、サンプル中の50個の分子までも検出することができる。
【0097】 以下の実施例は、例示のために提供されるものであり、限定のためではない。
【0098】
【実施例】 実施例1 Pinus radiataおよびEucalyptus grandisか らのcDNAクローンの単離とキャラクタリゼーション Pinus radiataおよびEucalyptus grandis由
来cDNAライブラリは、サブトラクションを行わない方法またはサブトラクシ
ョンを行う方法を用いて構築され、以下のとおりスクリーニングされた。全RN
Aは、Changら、Plant Molecular Biology Re
porter、11巻、113−116頁、1993年を用いて、植物組織から
抽出された。mRNAは、Poly(A) Quik mRNA単離キット(S
tratagene、La Jolla、カリフォルニア州)またはDynal
オリゴ(dT)25ビーズ(Dynal、Skogen、ノルウェー)を用い
て、全RNA調製物から精製された。サブトラクションを行わないcDNAライ
ブラリは、製造者のプロトコールに従って、ZAPエキスプレスcDNA合成キ
ット(Stratagene)またはスーパースクリプト・チョイス・システム
(Gibco−BRL Life Technologies、Gaither
sburg、メリーランド州)を用いて、この精製mRNAから逆転写酵素合成
した後、得られたcDNAクローンをラムダZAPへ挿入することにより構築さ
れた。得られたcDNAは、5μlのライゲーションミックスに1μlのサンプ
ルDNAを用いて、ギガパックIIパッケージングエキストラクト(Strat
agene)でパッケージングを行った。ライブラリの大量切り出し(mass
excision)は、XL1−Blue MRF'細胞およびXLOLR細
胞(Stratagene)を、ExAssistヘルパーファージ(Stra
tagene)とともに用いて行われた。切り出されたファージミドは、NZY
ブロス(Gibco−BRL Life Technologies、Gait
hersburg、メリーランド州)で希釈され、X−galおよびイソプロピ
ルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)を含むLB−カナマイシン寒天プレート
上に播かれた。
【0099】 (後期木部(ドライバーDNA)に対してサブトラクションされた初期木部(
テスターDNA)または初期木部(ドライバーDNAに対してサブトラクション
された後期木部(テスターDNA)を用いて開発された)Pinus radi
ata由来サブトラクション・ライブラリは以下のとおり構築された。Dyna
lビーズ(上記参照)を用いて単離されたmRNAが、Clontech PC
Rセレクト(登録商標)cDNAサブトラクション・キット(Clontech
Laboratories Inc、Palo Alto、カリフォルニア州
)からの製造者の指示書を用いて、cDNAを合成するために用いられた。テス
ターおよびドライバーの両方の2本鎖cDNA調製物が制限エンドヌクレアーゼ
RsaIで消化され、この消化されたテスターcDNA集団が、それぞれ異なる
アダプターを連結した2つの別々のテスター集団を作製するのに用いられた。テ
スターcDNA集団およびドライバーcDNA集団の両方を組み合わせて用いる
第1ラウンドのハイブリダイゼーションが、差次的に発現する配列の均一化およ
び濃縮のために実行された。これに続いて、PCR増幅用の鋳型を作製するため
の第2ラウンドのハイブリダイゼーションが行われた。抑制PCRを用いて、差
次的に発現する配列を優先して対数的に増幅した。こうして得られたcDNAの
集団を、つぎに、バックグランドを除去してさらに差次的に発現する配列を濃縮
するための第2ラウンドのPCR増幅に用いた。PCR産物は、(Khanら、
TIG、10巻、7頁、1994年7月またはHadjebおよびBerkow
itz、Biotechniques、1996年1月の方法に従って構築され
た)TテーリングしたpBluescript II SK+に連結した。大腸
菌XL−Blue株のエレクトロ・コンピテント細胞を組み換えプラスミドでエ
レクトロポレーションして、細胞をX−galおよびIPTGを含むLB−カナ
マイシンプレートに播いた。
【0100】 cDNAインサートを含むコロニーを適当な抗生物質を添加したNZYブロス
中で培養し、cDNAをアルカリ溶菌法およびポリエチレングリコール(PEG
)沈殿法により精製した。1%のアガロースゲルが、シーケンシング用鋳型に染
色体の混入があるかどうかをスクリーニングするために用いられた。ダイプライ
マー配列は、製造者のプロトコールに従って、Turbo Catalyst
800マシン(Perkin Elmer/Applied Biosyste
ms Division、Foster City、カリフォルニア州)を用い
て調製した。
【0101】 陽性クローンのポリヌクレオチド配列は、Perkin Elmer/App
lied Biosystems DivisionのPrism377シーケ
ンサーを用いて得た。cDNAクローンは、まず5'末端側から、そして場合に
よっては3'末端側からも配列決定した。いくつかのクローンについては、サブ
クローニングされた断片を用いてか、エキソヌクレアーゼIIIによる欠失を用
いてか、関心のある遺伝子の同定された領域に設計された遺伝子特異的なプライ
マーを用いて直接配列決定するかにより、内部の配列を得た。サブクローニング
は、制限酵素切断部位マッピングおよびpBluescript II SK+
ベクター(Stratagene)その他の標準的なシーケンシング用ベクター
へのサブクローニングという標準的な手法を用いて行った。
【0102】 本発明のポリヌクレオチドを含む、決定されたcDNA配列は、EMBLデー
タベース(1998年8月末までの更新分)の中の既知配列に対して比較し、ア
ライメントをとった。具体的には、配列番号1−45、90−140、192−
195、200、202−204および206に同定されたポリヌクレオチドを
、上記の好ましいパラメーターに設定された、BLASTNアルゴリズムのバー
ジョン2.0.4(1998年2月24日)およびバージョン2.0.6(19
98年9月16日)を用いて、EMBLデータベース中のポリヌクレオチドに対
して比較した。具体的には、E値および同一性の百分率に寄与するBLASTN
を用いるアライメントおよび類似性の決定に用いられたランニングパラメーター
は、Unix(登録商標)ランニングコマンドが、blastall −p b
lastn −d embldb −e 10 −G0 −E0 −r 1 −
v 30 −b 30 −i queryseq −o resultsで
あった。冗長な配列のマルチプルアライメントが、信頼できるコンセンサス配列
を組み立てるために用いられた。他の植物または植物以外の種由来の既知配列と
の類似性にもとづいて、配列番号1−45、90−140、192−195、2
00および204として同定された本発明の単離されたポリヌクレオチドは、上
記表1に示されるポリペプチドに対して類似性があるポリペプチドをエンコード
するものとして推定的に同定された。
【0103】 単離されたcDNA配列を、コンピューターアルゴリズムBLASTNを用い
て、EMBLデータベース中の配列と対比した。対応する予測タンパク質配列(
6つの読み枠のそれぞれでタンパク質に翻訳されたDNA)を、コンピューター
アルゴリズムBLASTPを用いて、SwissProtデータベース中の配列
に対比した。配列番号1−45、90−140、192−195、200、20
4および206に提供されるDNA配列をEMBLDNAデータベース中の配列
に対して(BLASTNを用いて)比較し、配列番号46−89、141−19
1、196−199、201および205に提供されるアミノ酸配列をSwis
sProtデータベース中の配列に対して(BLASTPを用いて)比較したの
は、1999年3月であった。(両方の鎖の)6つの読み枠全てで動的に翻訳さ
れたEMBLDNAデータベースに対するアミノ酸配列の解析は、TBLAST
Nアルゴリズムを用いて実行された。配列番号1−45、90−140、192
−195、200、204および206のポリヌクレオチドの6つの読み枠での
翻訳の解析は、TBLASTXプログラムを用いて、EMBLデータベース中の
ポリヌクレオチドの6つの読み枠の翻訳に対しても比較し、アライメントをとっ
た。
【0104】 BLASTNによるポリヌクレオチドの解析 配列番号1−7、10−18、20−31、35−40、43、44、90−
94、98−107、109、110、112−118、120、121、12
3−140、192−195、200、204および206のcDNA配列は、
上記のとおりコンピューターアルゴリズムBLASTNを用いて、EMBLデー
タベース中の配列に対して、上記のとおり決定された同一性が50%未満である
と決定された。配列番号8、9、33、34、41、42、96、108および
111のcDNA配列は、上記のとおりBLASTNを用いて、EMBLデータ
ベース中の配列に対して、上記のとおり決定された同一性が75%未満であると
決定された。配列番号32、95、97、119および122のcDNA配列は
、上記のとおりBLASTNを用いて、EMBLデータベース中の配列に対して
、上記のとおり決定された同一性が90%未満であると決定された。配列番号9
のcDNA配列は、上記のとおりBLASTNを用いて、EMBLデータベース
中の配列に対して、上記のとおり決定された同一性が98%未満であると決定さ
れた。
【0105】 BLASTPによるアミノ酸解析 配列番号46、48−50、55、58、60、61、80、81、87−8
9、141、142、144、156、157、160、161、173、17
4、177、179、180、182−191、198および205の予測アミ
ノ酸配列は、上記のとおりコンピューターアルゴリズムBLASTPを用いて、
SwissProtデータベース中の配列に対して、上記のとおり決定された同
一性が50%未満であると決定された。配列番号49、57、59、66、67
、72、82−84、143、145、149、150、152−155、15
9、162−173、178、181、196、197、199および201の
予測アミノ酸配列は、上記のとおりコンピューターアルゴリズムBLASTPを
用いて、SwissProtデータベース中の配列に対して、上記のとおり決定
された同一性が75%未満であると決定された。配列番号51−54、56、6
2−65、68−71、73、74、79、146、147、151、158お
よび176の予測アミノ酸配列は、上記のとおりコンピューターアルゴリズムB
LASTPを用いて、SwissProtデータベース中の配列に対して、上記
のとおり決定された同一性が90%未満であると決定された。配列番号75、7
8、85、86および148の予測アミノ酸配列は、上記のとおりコンピュータ
ーアルゴリズムBLASTPを用いて、SwissProtデータベース中の配
列に対して、上記のとおり決定された同一性が98%未満であると決定された。
【0106】 TBLASTNおよびTBLASTXによる解析 配列番号46、47、49、50、58、60、61、80、83、87、8
9、141、157、160、161、174、175、177、179−18
0、182−191および197−199の予測アミノ酸配列は、EMBLデー
タベース中の(両方のポリヌクレオチド鎖の)6つの読み枠全てで動的に翻訳さ
れた予測アミノ酸に対して、上記のとおり決定された同一性が50%未満である
と決定された。配列番号48、55、57、59、66、67、69、71、7
2、81、82、88、142−145、149、150、152、153、1
55、156、162−165、167−172、176、178、181およ
び205の予測アミノ酸配列は、EMBLデータベース中の(両方のポリヌクレ
オチド鎖の)6つの読み枠全てで動的に翻訳された予測アミノ酸に対して、上記
のとおり決定された同一性が75%未満であると決定された。配列番号51、5
2、56、62−65、68、73、74、84、146、147、151、1
54、158、159、166、173および196の予測アミノ酸配列は、上
記のとおり決定された同一性が90%未満であると決定され、配列番号53、7
5、78、79、85、86および148の予測アミノ酸配列は、上記のとおり
決定された同一性が98%未満であると決定され、全てEMBLデータベース中
の6つの読み枠全てで動的に翻訳された予測アミノ酸に対するもので、TBLA
STNアルゴリズムバージョン2.0.6(1998年9月16日)を、Uni
x(登録商標)ランニングコマンドがblastall −p blastn
−d embldb −e10 −G0 −E0 −v30 −b30 −i
queryseq −o resultsというパラメーターに設定して用いた
【0107】 最後に、配列番号1−45、90−140、192−195、200、204
および206のポリヌクレオチド配列の6つの読み枠の翻訳を、Unix(登録
商標)ランニングコマンドがblastall −p blastn −d e
mbldb −e 10 −G 0 −E 0 −v 30 −b 30 −i
queryseq −o resultsというランニングパラメーターに設
定したTBLASTXプログラムのバージョン2.0.6(1998年9月16
日)を用いて、EMBLデータベース中のポリヌクレオチドの6つの読み枠の翻
訳に対して比較し、アライメントをとった。配列番号1−8、10、12−16
、18、20−22、24−27、31、34−40、42−45、90−14
0、192−195、204および206のポリヌクレオチドの翻訳は、コンピ
ューターアルゴリズムTBLASTXを用いて、EMBLデータベース中のポリ
ヌクレオチドの翻訳に対して、上記のとおり決定された同一性が50%未満であ
ることが決定された。配列番号17、28−30および41のポリヌクレオチド
の翻訳は、コンピューターアルゴリズムTBLASTXを用いて、EMBLデー
タベース中のポリヌクレオチドの翻訳に対して、上記のとおり決定された同一性
が75%未満であることが決定された。配列番号11、19および23のポリヌ
クレオチドの翻訳は、コンピューターアルゴリズムTBLASTXを用いて、E
MBLデータベース中のポリヌクレオチドの翻訳に対して、上記のとおり決定さ
れた同一性が90%未満であることが決定された。配列番号9の翻訳は、コンピ
ューターアルゴリズムTBLASTXを用いて、EMBLデータベース中のポリ
ヌクレオチドの翻訳に対して、上記のとおり決定された同一性が98%未満であ
ることが決定された。
【0108】 実施例2 タバコを改変するためのDAD−1遺伝子の利用 Pinus radiata由来DAD−1遺伝子でのタバコ植物の形質転換 DAD−1(配列番号8)のコーディング領域を含むポリヌクレオチドを含む
アンチセンスヌクレオチドを含む遺伝子コンストラクトが構築され、公開された
方法(An G、Ebert PR、Mitra A、Ha SB、Binar
y Vectors(バイナリーベクター)、Gelvin SBおよびSch
ilperoort RA 編、Plant Molecular Biolo
gy Manual(植物分子生物学マニュアル)、Kluwer Acade
mic Publishers、Dordrecht、1988年)を用いて、
直接形質転換法によりアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌に挿入された。
前記アンチセンスヌクレオチドのヌクレオチド配列は配列番号206に提示され
ている。植物の形質転換の一般的な方法は、Horsch R、Fry J、H
offman N、Eichholtz N、Rogers SおよびFral
ey R、「A simple and general method fo
r transferring genes into plants(植物に
遺伝子を導入するための簡便で一般的な方法)」、Science、227巻、
1229−1231頁、1985年に記載されている。アンチセンスDNAコン
ストラクトは、cDNAのオープン・リーディング・フレームをPCR増幅し、
つぎに、このPCR産物を精製してpART7プラスミドにクローニングするこ
とにより、構築された。そして、前記プラスミドを制限エンドヌクレアーゼNo
tIで消化して、35Sプロモーター−インサート−OCS3'UTR断片を、
pART27植物発現ベクター(Gleave A、「A versatile
binary vector system with a T−DNA o
rganizational structure conducive to
efficient integration of cloned DNA
into the plant genome(クローン化されたDNAの植
物ゲノムへの効率的な組み込みに資するT−DNA領域の構造を含む多目的バイ
ナリーベクターシステム)」、Plant Molecular Biolog
y、20巻、1203−1207頁、1992年)にクローニングした。トラン
スジーンのコンストラクトの存在、完全性(integrity)および方向は
、制限酵素消化およびDNA配列決定によって確認した。
【0109】 タバコ(Nicotiana tabacum cv.Samsun)の葉の
切片に前記アンチセンスコンストラクトをHorschら(Science、2
27巻、1229−1231頁、1985年)の方法を用いて形質転換した。適
当な遺伝子コンストラクトを含む形質転換植物は、サザンブロット実験を用いて
確認した。
【0110】 図1は、DAD−1のトランスジェニックなタバコの植物7株(レーン1−7
)およびDAD−1を含まない対照のタバコの植物1株(レーン8)から単離さ
れたゲノムDNAを示す。見てわかるとおり、植物1−7にはマツのDAD−1
配列決定とハイブリダイゼーションするDNAが含まれるが、対照のタバコの植
物には含まれない(最終の洗浄条件は、1x SSC、0.1% SDS、65
℃)。これは、DAD−1に対応するアンチセンスポリヌクレオチドによる標的
植物の形質転換に成功していたことを証明する。
【0111】 これらのDAD−1アンチセンス形質転換タバコ植物の7株のそれぞれと、対
照の(DAD−1を含まない)タバコ1株とから全RNAが単離された。前記R
NAのサンプルをノザンブロット実験で解析して、それぞれの株の発現レベルを
決定した。mRNAはマツのDAD−1プローブに対してハイブリダイゼーショ
ンさせた(最終の洗浄条件は、0.1x SSC、0.1% SDS、65℃)
。図2は、トランスジェニックなタバコの7株全てにマツのDAD−1アンチセ
ンスmRNAが存在しているが(レーン1−7)、対照のタバコ株には存在して
いない(レーン8)ことを示す。
【0112】 実施例3 植物におけるユニーク配列識別子の有無の実証 トランスジェニックタバコ植物が、タバコには見つからないユニークな識別子
配列を用いて作成された。挿入されたユニーク識別子配列は、Pinus ra
diataから単離された配列番号202およびEucalyptus gra
ndisから単離された配列番号203であった。前記ユニーク識別子配列は、
公表された方法(An G、Ebert PR、Mitra A、Ha SB、
「Binary Vectors(バイナリー・ベクター)」Gelvin S
BおよびSchilperoort RA 編、Plant Molecula
r Biology Manual(植物分子生物学マニュアル)、Kluwe
r Academic Publishers、Dordrecht、1988
年)を用いる直接形質転換法により、アグロバクテリウム・ツメファシエンス菌
LAB4301株(カリフォルニア州のカリフォルニア大デービス校、のC.K
ado博士より贈与)に挿入された。アグロバクテリウムのトランスジェニック
・コンストラクト中のユニーク識別子配列の存在および完全性は、制限酵素消化
およびDNA配列決定により確かめられた。
【0113】 タバコ(Nicotiana tabacum cv.Samsun)の葉の
切片は、Horschら(Science、227巻、1229−1231頁、
1985年)の方法を用いて形質転換された。それぞれのユニーク配列識別子に
ついて、独立した形質転換植物が3株ずつ確立された。エンプティベクターの対
照植物が2株、ユニーク配列識別子を欠いた空の(empty)遺伝子導入用ベ
クターを用いて確立された。
【0114】 前記植物のゲノムに前記配列識別子が存在することをテストするために、配列
識別子のユニークさがサザンブロット解析を用いて検定された。配列識別子がユ
ニークでタグとして有効なときは、該配列識別子は、タグが付いていない植物で
は明らかに存在せず、タグが付いた植物では明らかに存在するはずである。本実
施例では、エンプティベクターで形質転換された対照実験の植物にはユニーク識
別子は存在しないと予想される。ユニーク識別子は、該ユニーク識別子で形質転
換されたトランスジェニック植物には存在すると予想される。
【0115】 ゲノムDNAは、Murray MGおよびThompson WF、Nuc
leic Acids Research、8巻、4321−4325頁、19
80年のセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)抽出法を用いて、
エンプティベクターで形質転換された対照実験の植物と、ユニーク識別子で形質
転換された植物とから調製された。マツ属ユニーク配列識別子(配列番号202
)で形質転換された植物の場合は制限酵素EcoRIで、ユーカリ属ユニーク配
列識別子(配列番号203)で形質転換された植物の場合は制限酵素XbaIで
、DNAサンプルを消化した。前記制限酵素消化で生成されたDNA断片は、1
%アガロースゲルで分離した。
【0116】 アガロースゲル電気泳動のステップの後、前記DNAサンプルは、South
ern(J.Mol.Bio.、98巻、503−517頁)により確立された
方法を用いて、Hybond−N+ブランドのナイロンメンブレン(Amers
ham Life Science、Little Chalfont、Buc
kinghamshire、英国)に転写された。前記ナイロンメンブレンを、
上記に記載のとおり同定されたユニーク配列識別子についての放射能標識された
プローブと反応させ、高ストリンジェンシー(最終の洗浄は、0.5x 塩クエ
ン酸ナトリウムバッファー(SSC)プラス0.1% ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、15分65℃)で洗浄した。ゲノムDNAサンプル中の相補的な配
列に対する前記プローブのハイブリダイゼーションは、オートラジオグラフィー
を用いて検出された。
【0117】 結果は図3および4に示す。
【0118】 図3はマツ属の配列識別子(配列番号202)由来のプローブを用いるサザン
ブロット解析で検出されたハイブリダイゼーションのパターンを示す。レーンA
−Bはエンプティベクターで形質転換された対照の植物由来のDNAサンプルを
含み、レーンC−Eは配列番号202で形質転換された植物由来のDNAを含む
。レーンA−Bにはハイブリダイゼーションがなく、配列番号202は、エンプ
ティベクターで形質転換された対照の植物には存在しないこと、換言すると、配
列番号202はタバコ植物を曖昧なところなしに標識するのに適したユニークな
タグであることを示す。レーンC−Eは強いハイブリダイゼーションがあり、配
列番号202を形質転換により受け取った植物は、明確かつ曖昧なところなしに
配列番号202に含まれるユニーク配列でタグづけされたことを示す。
【0119】 図4は、ユーカリ属配列識別子(配列番号203)由来のプローブを用いるサ
ザンブロット解析で検出されたハイブリダイゼーション・パターンを示す。レー
ンA−Bは、エンプティベクターで形質転換された対照の植物由来のDNAサン
プルを含み、レーンC−Eは、配列番号203で形質転換された植物由来のDN
Aを含む。レーンA−Bにはハイブリダイゼーションが見られず、配列番号20
3が、エンプティベクターで形質転換された対照の植物には存在しないこと、換
言すると、配列番号203は、タバコ植物を曖昧なところなしに標識するのに適
したユニークなタグであることを示す。レーンC−Eには強いハイブリダイゼー
ションがあり、形質転換により配列番号203を受け取った植物は、配列番号2
03に含まれたユニークな配列で、明確かつ曖昧なところなくタグ付けされたこ
とを示す。
【0120】 上記のデータは、本明細書に開示された配列がトランスジェニックな材料を曖
昧なところなくタグづけする目的に有用であることを明確に証明する。ユニーク
配列は、多数の潜在的なタグから選択され、タグづけされる生物のゲノムには存
在しないことが示された。前記タグは、タグづけされる生物のゲノムに挿入され
、十分に確立したDNA検出方法がタグとして用いられるユニーク配列識別子を
明確に検出するために用いられた。
【0121】 本実施例に用いられた配列特異的な検出方法のために、本明細書に開示された
発明の使用者は、開示されたリスト中に、いかなる生物をタグ付けするのにも有
用な配列識別子と、タグ付けされる生物のゲノムにユニークな配列を意図的に付
加することによってのみ、タグ付けされた生物がある特定のタグを獲得できたこ
とを証明する明快な方法との両方を見いだす可能性が高い。本発明の使用者があ
る生物に用いたタグの正確な配列を秘密に保つ場合には、該生物の起源及び来歴
に関するいかなる争点も、本実施例に開示されたタグ検出技術を用いて曖昧なと
ころなく解決することができる。
【0122】 配列番号1−206は、添付する配列リストに提示される。添付する配列リス
トに用いられたヌクレオチド配列の符号は、記号「n」を含めて、WIPO標準
ST.25 (1998)、付属書2、表1に準拠している。
【0123】 ここに言及された参照文献は、特許文献および非特許文献を含めて、参照によ
りその全体がここに取り込まれているものとする。以上の明細書において、本発
明は一定の好ましい実施態様との関係で記載されており、多くの詳細事項が例示
の目的で提示されているが、本発明は実施態様を追加できること、並びに、ここ
に記載された一定の詳細事項は本発明の基本原理から逸脱することなくかなり変
更してもかまわないことは、本発明の技術分野の通常の技量を有する者には明ら
かである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Pinus radiata由来DAD−1遺伝子(配列番号8)のアンチセ
ンス配列で形質転換されたタバコの植物のノザンブロット解析を示す。
【図2】 Pinus radiata由来DAD−1遺伝子(配列番号8)のアンチセ
ンス配列で形質転換されたタバコの植物のノザンブロット解析を示す。
【図3】 形質転換タバコ植物におけるマツ属ユニーク配列識別子の検出を示す。レーン
AおよびBは、前記マツ属ユニーク配列識別子を欠いたタバコの植物(エンプテ
ィベクターで形質転換された対照の植物または野生型)のゲノムDNAに対する
配列番号202由来のプローブのハイブリダイゼーションを示す。レーンC−E
は、前記マツ属ユニーク配列識別子の1ないし3コピーを含むタバコの植物のゲ
ノムDNAに対する前記プローブのハイブリダイゼーションを示す。
【図4】 形質転換されたタバコの植物におけるユーカリ属ユニーク配列識別子の検出を
示す。レーンAおよびBは、ユーカリ属ユニーク配列識別子を欠くタバコの植物
(エンプティベクターで形質転換された対照の植物または野生型)のゲノムDN
Aに対する配列番号203由来のプローブのハイブリダイゼーションを示す。レ
ーンC−Eは、1ないし2コピーのユーカリ属ユニーク配列識別子を含むタバコ
の植物のゲノムDNAに対する前記プローブのハイブリダイゼーションを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ラッシャム、 アネット ニュージーランド オークランド ヒルズ ボロウ ジョージ ローレンソン レーン 12エイ Fターム(参考) 2B030 AA02 AA03 AB03 AD20 CA06 CA17 CA19 CB03 4B024 AA08 AA20 CA04 DA01 EA01 EA04 FA02 GA11 HA01 HA20 4B065 AA88X AA88Y AB01 BA01 CA53 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA30 DA00 EA05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)配列番号1−45、90−140、192−195、
    200、204および206に列挙される配列と、(2)配列番号1−45、9
    0−140、192−195、200、204および206に列挙される配列の
    相補体と、(3)配列番号1−45、90−140、192−195、200、
    204および206に列挙される配列の逆相補体と、(4)配列番号1−45、
    90−140、192−195、200、204および206に列挙される逆配
    列と、(5)配列番号1−7、10−18、20−31、35−40、43、4
    4、90−94、98−107、109、110、112−118、120、1
    21、123−140、192−195、200、204および206に列挙さ
    れるヌクレオチド配列から選択される対比配列に対する同一性であって、Uni
    x(登録商標)ランニングコマンドが、blastall −p blastn
    −d embldb −e 10 −G0 −E0 −r 1 −v 30
    −b 30 −i queryseq −o resultsというランニ
    ングパラメーターに設定されたBLASTNアルゴリズムのバージョン2.04
    を用いて対象配列と対比配列とのアライメントをとること、対象配列と対比配列
    とのアライメントがとれた部分にわたって同一核酸数を同定すること、該同一核
    酸数を対比配列の核酸の総数で除算すること、これに100を乗算して類似性の
    百分率を決定することにより決定される同一性の百分率が、少なくとも50%あ
    るヌクレオチド配列を含む配列と、(6)配列番号8、9、33、34、41、
    42、96、108および111に列挙されるヌクレオチド配列から選択される
    対比配列に対する同一性の百分率であって、前記(5)に記載のとおり決定され
    る同一性の百分率が、少なくとも75%あるヌクレオチド配列を含む配列と、(
    7)配列番号32、95、97、119および122に列挙されるヌクレオチド
    配列から選択される対比配列に対する同一性の百分率であって、前記(5)に記
    載のとおり決定される同一性の百分率が、少なくとも90%あるヌクレオチド配
    列を含む配列と、(8)前記(1)ないし(7)に列挙される配列を含むポリヌ
    クレオチドに対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、ハ
    イブリダイゼーションをするヌクレオチド配列を含む配列と、(9)前記(1)
    ないし(7)に列挙される配列の200量体であるヌクレオチド配列を含む配列
    と、(10)前記(1)ないし(7)に列挙される配列の100量体であるヌク
    レオチド配列を含む配列と、(11)1以上の保存的置換のみによって、前記(
    1)ないし(4)に列挙される配列と相違するヌクレオチド配列を含む配列とか
    らなるグループから選択されるヌクレオチド配列とを含む単離されたポリヌクレ
    オチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の少なくとも1個のポリヌクレオチドを含む
    遺伝子コンストラクト。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の少なくとも2個のポリヌクレオチドを含む
    遺伝子コンストラクト。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の少なくとも1個の遺伝子コンストラクトを
    含むトランスジェニックな林産植物細胞。
  5. 【請求項5】 5'から3'への方向に、 (a)遺伝子プロモーター配列と、 (b)(1)プログラム細胞死経路で活性があるポリペプチドの機能的な部分の
    少なくとも1つをコードする請求項1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチ
    ドと、(2)プログラム細胞死経路で活性があるポリペプチドをエンコードする
    ポリヌクレオチドの非翻訳領域を含む請求項1のヌクレオチド配列を含むポリヌ
    クレオチドとのうちの少なくとも1つを含むポリヌクレオチド配列と、 (c)遺伝子ターミネーション配列とを含む遺伝子コンストラクト。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドがセンス方向に挿入された、請求項5
    に記載のコンストラクト。
  7. 【請求項7】 前記ポリヌクレオチドがアンチセンス方向に挿入された、請
    求項5に記載のコンストラクト。
  8. 【請求項8】 前記遺伝子プロモーター配列および遺伝子ターミネーション
    配列は林産植物の宿主で機能する、請求項5に記載のコンストラクト。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のコンストラクトを含む林産植物細胞。
  10. 【請求項10】 前記ポリヌクレオチドがセンス方向に挿入された、請求項
    9に記載の林産植物細胞。
  11. 【請求項11】 前記ポリヌクレオチドがアンチセンス方向に挿入された、
    請求項9に記載の林産植物細胞。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の林産植物細胞を含む林産植物と、その果
    実、種子および子孫。
  13. 【請求項13】 前記林産植物は木本植物である、請求項12に記載の林産
    植物。
  14. 【請求項14】 前記植物はユーカリおよびマツの種からなるグループから
    選択される、請求項13に記載の林産植物。
  15. 【請求項15】 請求項2に記載のコンストラクトを林産植物のゲノムに安
    定的に取り込むことを含む、林産植物のプログラム細胞死経路を調整するための
    方法。
  16. 【請求項16】 林産植物のゲノムに取り込まれた前記コンストラクトは該
    林産植物には本来存在しないプログラム細胞死経路を提供する、請求項15に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項5に記載のコンストラクトを林産植物のゲノムに安
    定的に取り込むことを含む、該林産植物でのプログラム細胞死を調整するための
    方法。
  18. 【請求項18】 (a)植物細胞に請求項2に記載のコンストラクトを形質
    転換して、トランスジェニックな植物細胞を用意すること、(b)前記トランス
    ジェニックな植物細胞を再生と成熟植物の成長に資する条件下で培養することを
    含む、プログラム細胞死経路が変化した林産植物を作出するための方法。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載のポリヌクレオチドにエンコードされる単
    離されたポリペプチド。
  20. 【請求項20】 林産植物におけるプログラム細胞死経路で活性がある、請
    求項19に記載のポリペプチド。
  21. 【請求項21】 配列番号1−45、90−140、192−195、20
    0、204および206に提示されるヌクレオチド配列に対して、ストリンジェ
    ントなハイブリダイゼーション条件下で、ハイブリダイゼーションをするポリヌ
    クレオチドから発現されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
  22. 【請求項22】 (1)配列番号46−89、141−191、196−1
    99、201および205に提示される配列と、(2)配列番号46、48−5
    0、55、58、60、61、80、81、87−89、141、142、14
    4、156、157、160、161、173、174、177、179、18
    0、182−191、198および205に列挙されるアミノ酸配列から選択さ
    れる対比配列に対する同一性が少なくとも50%あるアミノ酸配列を含む配列と
    、(3)配列番号49、57、59、66、67、72、82−84、143、
    145、149、150、152−155、159、162−173、178、
    181、196、197、199および201に列挙されるアミノ酸配列から選
    択される対比配列に対する同一性が少なくとも75%あるアミノ酸配列を含む配
    列と、(4)配列番号51−54、56、62−65、68−71、73、74
    、79、146、147、151、158および176に列挙されるアミノ酸配
    列から選択される対比配列に対する同一性が少なくとも90%あるアミノ酸配列
    を含む配列と、(5)配列番号75、78、85、86および148に列挙され
    るアミノ酸配列から選択される対比配列に対する同一性が少なくとも98%ある
    アミノ酸配列を含む配列とからなるグループから選択されるアミノ酸配列を含む
    単離されたポリペプチド。
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