JP2003500055A - Il−1エータのdna及びポリペプチド - Google Patents

Il−1エータのdna及びポリペプチド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の精製及び単離されたIL−1エータのポリペプチドとそのフラグメント、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、そのようなポリペプチドの組換え型の産生方法、これらポリペプチドに対して産生される抗体、これらポリペプチドから誘導される断片化ペプチド、及びそれらの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、新規の精製及び単離されたIL−1エータ(η)ポリペプチドとそ
のフラグメント、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、その
ようなポリペプチドの組換え型の産生方法、これらポリペプチドに対して産生さ
れた抗体、これらポリペプチドから誘導される断片化ペプチド、及びそれらの使
用に関する。
【0002】 先行技術の記載 インターロイキン−1(IL−1)は、大きなサイトカイン群のメンバーであ
り、その主要機能は免疫及び炎症性の反応を仲介することである。いくつかの既
知のIL−1ファミリーメンバーがあるが、それにはIL−1アルファ(IL−
1α)、IL−1ベータ(IL−1β)、IL−1受容体アンタゴニスト(IL
−1ra)、IL−1デルタ(IL−1δ)、IL−1イプシロン(IL−1ε
)、IL−1ゼータ(IL−1ζ)及びIL−18(かつてはIGIFとして知
られ、IL−1ガンマとも知られている)が含まれる。マクロファージにより分
泌されるIL−1は、実際は大部分のIL−1βといくらかのIL−1αの混合
物である(Abbas et al., 1994)。IL−1αとIL−1βは、はじめはシグナ
ル配列を欠く33kDの前駆体として産生され、タンパク分解の開裂によりさら
にプロセシングを受けて、それぞれ約17kDの分泌される活性形態を産生する
。さらに、IL−1αの33kD前駆体も活性である。このIL−1の両形態は
第2染色体上に位置する2つの異なる遺伝子の産物である。この2つの形態は互
いに30%未満相同でしかないが、それらは同一の受容体に結合し、類似の活性
を有する。
【0003】 IL−1の生物学的に不活性な形態である、IL−1raは、構造的にはIL
−1に相同であり、同一の受容体に結合する。さらに、IL−1raは、細胞外
領域への効率的な分泌を可能にするシグナル配列とともに産生され、その領域で
IL−1と競争的に競合する(Abbas et al., 1994)。
【0004】 IL−1ファミリーのリガンドは、Igスーパーファミリーのメンバーである
、2種のIL−1受容体のファミリーに結合する。IL−1受容体には80kD
aのI型受容体(IL−1RI)と68kDaのII型受容体(IL−1RII
)が含まれる。IL−1リガンドはまた、IL−1RIIの可溶性タンパク分解
フラグメント(sIL−1RII)にも結合し得る(Colotta et al., 1993)。
【0005】 IL−1の主たる起源は活性化マクロファージ又は単核食細胞である。IL−
1を産生する他の細胞には、上皮及び内皮の細胞が含まれる(Abbas et al., 19
94)。マクロファージからのIL−1分泌が起こるのは、マクロファージがグラ
ム陰性細菌に遭遇して捕食した後である。そのような細菌は、内毒素としても知
られるリポ多糖類(LPS)分子を細菌の細胞壁に含有する。LPS分子は、腫
瘍壊死因子(TNF)及びIL−1を産生するようにマクロファージを刺激する
活性成分である。この場合、IL−1はLPSとTNF産生に反応して産生され
る。低濃度では、LPSはマクロファージを刺激し、そして、細菌感染を排除す
るのに必要とされるB細胞と他の宿主の応答を活性化するが、高濃度では、LP
Sは重篤な組織障害、ショック、さらには死まで引き起こし得る。
【0006】 IL−1の生物学的機能には、血管内皮細胞及び白血球の活性化、局所性の組
織破壊、及び発熱が含まれる(Janeway et al., 1996)。低レベルでは、IL−
1はマクロファージ及び血管内皮細胞を刺激し、IL−6を産生させ、血管内皮
細胞の表面上の分子をアップレギュレートして白血球吸着を増加させ、単核食細
胞と他の細胞を刺激することによって炎症性白血球を間接的に活性化して、そし
て、炎症性白血球を活性化するある種のサイトカインを産生する。さらに、IL
−1はプロスタグランジン、酸化窒素シンテターゼ、及びメタロプロテイナーゼ
の誘導のような他の炎症反応にも関わる。これらのIL−1の機能は低レベルの
微生物感染時にはきわめて重要である。しかしながら、微生物感染が急上昇する
と、IL−1は、発熱を誘発し、単核食細胞を刺激してIL−1及びIL−6を
産生させ、肝細胞からの血清タンパク質の産生を高め、そして凝固系を活性化す
ることによって全身的に作用する。さらに、IL−1は出血性の腫瘍壊死を引き
起こさず、骨髄幹細胞の分裂を抑制しない。そしてIL−1は、高濃度ではヒト
に対して致死的である。
【0007】 EP 0879889A2は、IL−1ファミリーの代表メンバーの多数の使
用について論じる。この刊行物では、IL−1デルタのポリペプチドが、慢性及
び急性の炎症、関節炎、敗血症、自己免疫疾患、移植拒絶、移植片対宿主病、感
染症、卒中、虚血、急性呼吸疾患症候群、再狭窄、脳損傷、AIDS、骨疾患、
癌、動脈硬化症及びアルツハイマー病を含む、様々な疾患の治療に使用し得るこ
とが開示されている。IL−1ファミリーメンバーが治療に使用され得る他の疾
患は、炎症性腸疾患、多発性骨髄腫、多発性硬化症、喘息、アレルギー、骨粗鬆
症、膵炎、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、心筋梗塞及び鬱血性心不全を
含む心臓病、ライム病、歯周病、腐敗症、熱射病、糸球体腎炎、変形性関節症、
肉芽腫形成、早期分娩、及びブドウ膜炎である。
【0008】 IL−1の重要な機能を前提とすれば、IL−1リガンド及びIL−1受容体
ファミリーの追加メンバーについて当技術分野ではニーズが存在する。さらに、
タンパク質の研究と免疫系に対する継続した関心に照らし、(本発明のヒトIL
−1イータのような)新規タンパク質及びその阻害剤の発見、同定及び役割は現
代の分子生物学及び生化学の最先端にある。知識が増大しているにもかかわらず
、細胞及び免疫の応答に関わるタンパク質の同一性及び機能については当技術分
野で依然としてニーズが存在する。
【0009】 発明の概要 本発明は、「IL−1エータ」と呼ばれる新規なIL−1ファミリーリガンド
についての単離ポリヌクレオチドとそのポリヌクレオチドによりコードされるポ
リペプチドを提供することによって、上記の当技術分野の様々なニーズを充足す
ることに役立つ。このように、1つの側面では、本発明は、SEQ ID NO
:1のDNA配列を含んでなる、単離された新規のIL−1エータのポリヌクレ
オチド分子と、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列をコードする単離された
ポリヌクレオチド分子、並びにこれらの配列に相補的なポリヌクレオチド分子に
関する。
【0010】 一本鎖と二本鎖の両方のRNA及びDNAポリヌクレオチド分子、並びにSE
Q ID NO:1の全部又は一部を含んでなる変性した、二本鎖DNA及び/
又はSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列をコードするDNAにハイ
ブリダイズするポリヌクレオチド分子が本発明に含まれる。さらに含まれるのは
、SEQ ID NO:1の配列を含んでなるポリヌクレオチド分子の in vitr
o 突然変異誘発により誘導される、SEQ ID NO:1の配列を含んでなる
ポリヌクレオチド分子から縮重している、並びに本発明のDNAの対立遺伝子(
allelic)変異体である、単離ポリヌクレオチド分子である。本発明はま
た、上記ポリヌクレオチド分子の発現を指令する組換えベクターとこれらベクタ
ーにより形質転換されたか又はトランスフェクトされた宿主細胞を含む。
【0011】 さらに、本発明は、上記のポリヌクレオチドを使用して、IL−1ファミリー
のリガンド及び受容体に関連した活性を有するタンパク質をコードするポリヌク
レオチドを同定する方法を含む。このように、IL−1イータのポリヌクレオチ
ドは、IL−1エータタンパク質をコードすることによりIL−1エータ受容体
を同定するために使用され得る。
【0012】 さらに、上記のポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドが関連しているヒ
ト染色体を同定するために使用し得る。このように、IL−1エータのポリヌク
レオチドは、ヒトの第2染色体を同定するために使用し得る。従って、上記のポ
リヌクレオチドはまた、ヒトの第2染色体上の遺伝子地図を作成すること;ある
種の疾患、症候群、又はヒト第2染色体に関連した他のヒトの病態に関連した遺
伝子を同定すること;及び細胞のシグナル伝達と免疫系を研究することにも使用
し得る。
【0013】 本発明はまた、本発明の遺伝子によりコードされるそれぞれのポリヌクレオチ
ドの発現を阻害するために、SEQ ID NO:1のポリヌクレオチドに由来
するセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することを含む。
【0014】 本発明はまた、SEQ ID NO:2の可溶性ポリペプチド分子を含む、上
記ポリヌクレオチド分子によりコードされるIL−1エータの単離されたポリペ
プチド又はフラグメントを含む。さらに本発明は、上記ポリペプチドの産生につ
いての方法であって、発現を促進する条件の下で宿主細胞を培養し、そして、培
養培地からこのポリペプチドを回収することを含む、前記方法を含む。特に、細
菌、酵母、植物、昆虫及び動物細胞における上記ポリペプチドの発現が本発明に
は含まれる。
【0015】 一般に、本発明のポリペプチドは、免疫調節、細胞増殖、細胞死、細胞移動(
cell migration)、細胞−細胞相互作用、及び炎症反応のような
細胞プロセスを研究するために使用し得る。さらに、上記のポリペプチドは、I
L−1エータのリガンドに結合するタンパク質を同定するために使用し得る。
【0016】 さらに、本発明には、上記ポリペプチドを利用してポリペプチドの反対構造分
子(counter−structure−molecules)に関連した活
性のある潜在的な阻害剤をスクリーニングするアッセイ、及びポリペプチドの反
対構造分子が媒介する疾患の治療のための治療剤として上記ポリペプチドを使用
する方法が含まれる。さらに、その阻害剤(例えば、阻害剤として作用する設計
された受容体)の設計において上記ポリペプチドを使用する方法も本発明の一側
面である。
【0017】 さらに本発明に含まれるのは、サンプルのポリヌクレオチド及び/又はタンパ
ク質の同定に役立つ電子データベースの検索における使用のための、IL−1エ
ータのポリヌクレオチド配列、そのポリペプチド又はそのフラグメントの予測さ
れるアミノ酸配列、又はそのポリペプチド及びそのフラグメントの予測されるア
ミノ酸配列の組み合わせの使用である。
【0018】 上記ポリペプチドに結合する単離されたポリクローナル又はモノクローナルの
抗体、さらに本発明のポリペプチドを精製するのに役立つ上記抗体の使用も本発
明に含まれる。
【0019】 発明の詳細な説明 本発明に含まれるポリヌクレオチド分子には、以下のヌクレオチド配列が含ま
れる: 名称:IL−1エータ
【0020】
【化1】
【0021】 本発明のヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列に
は以下が含まれる: 名称:IL−1エータ(ポリペプチド)
【0022】
【化2】
【0023】 本発明のIL−1エータポリヌクレオチドの発見は、各ポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド配列を含んでなる発現ベクター、並びにこの発現ベクター
でトランスフェクトされるか又は形質転換される宿主細胞の構築を可能にする。
本発明はまた、生物学的に活性なIL−1エータポリペプチドとそのフラグメン
トの単離及び精製を可能にする。さらにもう1つの態様では、本発明のポリペプ
チド又はそのオリゴヌクレオチドは、関連した活性を有するタンパク質をコード
するポリヌクレオチドを同定するためのプローブとして使用され得る。このよう
に、IL−1エータは、IL−1エータファミリーリガンドに関連した活性を同
定するために使用し得る。さらにIL−1エータのポリヌクレオチド又はそのオ
リゴヌクレオチドはヒトの第2染色体を同定するために使用し得る。同様に、上
記のポリヌクレオチド又はそのオリゴヌクレオチドはヒト第2染色体上の遺伝子
地図を作成すること、及びある種の疾患、症候群、又はヒト第2染色体に関連し
た他のヒトの病態に関連した遺伝子を同定することに使用し得る。このように、
IL−1エータのポリヌクレオチド又はそのオリゴヌクレオチドは、緑内障、外
胚葉性異形成、インスリン依存型糖尿病、皺肌皮膚症候群、T細胞白血病/リン
パ腫、及び脛骨筋ジストロフィーを同定するために使用し得る。最後に、上記ポ
リヌクレオチドに由来する一本鎖のセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド
は、IL−1エータによりコードされるポリヌクレオチドの発現を阻害するため
に使用され得る。
【0024】 IL−1エータとその可溶性フラグメントは、血管内皮細胞及びリンパ球の活
性化を活性化する及び/又は阻害する、局所性の組織破壊と発熱の誘発(Jan
eway etal.,1996)を誘導する及び/又は阻害すること、IL−
6を産生するマクロファージ及び血管内皮細胞を阻害する及び/又は刺激するこ
と、プロスタグランジン、酸化窒素シンテターゼ及びメタロプロテイナーゼの誘
導を誘発する及び/又は阻害すること、及び血管内皮細胞の表面にある分子のア
ップレギュレーションをアップレギュレートする及び/又は阻害することのため
に使用され得る。さらに、上記のポリペプチドとその断片化ペプチドはまた、転
写因子のNF−κB及びAP−1、MAPキナーゼのJNK及びp38、COX
−2、iNOSのような炎症メディエーターの誘導とこれらの分子により刺激さ
れるあらゆる活性を誘発する及び/又は阻害するためにも使用され得る。
【0025】 さらに、上記のポリペプチドとその断片化ペプチドは、分子量マーカーとして
、及びペプチド断片化の対照として使用し得て、本発明には、これらの試薬を含
んでなるキットが含まれる。最後に、上記のポリペプチドとそのフラグメントは
抗体を産生するために使用し得て、本発明には、IL−1エータポリペプチドを
精製するための上記抗体の使用が含まれる。
【0026】 ポリヌクレオチド分子 特定の態様では、本発明は、混在する内因性物質がないある種の単離されたヌ
クレオチド配列に関する。「ヌクレオチド配列」は、分離したフラグメントの形
態であるか又はより大きなポリヌクレオチド構築体の成分としてのポリヌクレオ
チド分子を意味する。ポリヌクレオチド分子は、少なくとも1回は実質的に純粋
な形態で、及び(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual,
2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)
に概説されるような)標準的な生化学方法によりその成分ヌクレオチド配列の同
定、操作及び回収を可能にする量又は濃度において単離されたDNA又はRNA
から誘導された。そのような配列は、好ましくは、典型的には真核生物の遺伝子
に存在する内部の非翻訳配列、又はイントロンにより中断されていないオープン
リーディングフレームの形態で提供及び/又は構築される。非翻訳DNAの配列
は、オープンリーディングフレームから5’又は3’にも存在し得るが、ここで
はそれはコーディング領域の操作又は発現に干渉しない。好ましくは、本発明の
DNAはSEQ ID NO:1のヌクレオチド112〜585を含む。
【0027】 本発明のポリヌクレオチドには、一本鎖と二本鎖の両方の形態であるDNA、
並びにそのRNA相補体が含まれる。DNAには、例えば、cDNA、ゲノムD
NA、化学合成したDNA、PCRにより増幅されたDNA、及びそれらの組み
合わせが含まれる。ゲノムDNAは、慣用技術、例えばSEQ ID NO:1
のcDNA、又はその好適なフラグメントをプローブとして使用することによっ
て単離され得る。
【0028】 本発明のDNA分子には、完全長の遺伝子、並びにそのポリヌクレオチド及び
フラグメントが含まれる。完全長の遺伝子はN末端のシグナルペプチドを包含し
得る。他の態様には、可溶性の形態をコードする(例えばタンパク質の細胞外ド
メインをシグナルペプチドと一緒か又は一緒でなくコードする)DNAが含まれ
る。
【0029】 本発明のポリヌクレオチドは、選好的には、ヒトの供給源から導かれるが、本
発明には非ヒト種から導かれるものも含まれる。 本発明に含まれるのは、実施例1において記載されるような単離されたSEQ
ID NO:1のヌクレオチド配列を有するcDNAクローンである。SEQ
ID NO:1のヌクレオチド112〜585によりコードされるポリペプチ
ドをSEQ ID NO:2に示す。この配列は、SEQ ID NO:2のI
L−1エータをIL−1ファミリーのメンバーとして同定する。
【0030】 1つより多くのコドンが同一のアミノ酸をコードする、既知の遺伝暗号の縮重
性により、DNAはSEQ ID NO:1に示すものから変化し得て、それで
もSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る
。そのような変異DNAは、(例えばPCR増幅の間に起こる)サイレント突然
変異から生じ得るか、又は天然(native)配列の意図的な突然変異誘発の
産物であり得る。
【0031】 このように、本発明は、(a)SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列を
含んでなるDNA;(b)SEQ ID NO:1のヌクレオチド112〜58
5を含んでなるDNA;(c)SEQ ID NO:2のポリペプチドをコード
するDNA;(d)(a)〜(c)のDNAに中程度のストリンジェンシーの条
件下でハイブリダイズし得て、本発明のポリペプチドをコードするDNA;(e
)(a)〜(d)のDNAに高度のストリンジェンシーの条件下でハイブリダイ
ズし得る相補体であり、本発明のポリペプチドをコードするDNA;及び(f)
(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)に定義されるDNAに遺伝暗号の結
果として縮重であり、本発明のポリペプチドをコードするDNA:から選択され
る単離DNAを提供する。生物学的に活性である、例えばIL−1受容体に結合
する、SEQ ID NO:2のポリペプチドフラグメントをコードするDNA
も本発明に含まれる。当然ながら、そのようなDNA配列によりコードされるポ
リペプチドも本発明に含まれる。
【0032】 本明細書で使用されるように、中程度のストリンジェンシーの条件は、例えば
DNAの長さに基づいて、当業者により容易に決定され得る。基本的な条件は S
ambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Vol. 1,
pp. I. 101-104, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (
1989)に説明されていて、5X SSC,0.5% SDS,1.0mM ED
TA(pH8.0)のニトロセルロースフィルター前洗浄溶液、約50%ホルム
アミド、6X SSC、約42℃のハイブリダイゼーション条件(又はスターク
溶液のような他の同様なハイブリダイゼーション溶液/約50%ホルムアミド、
約42℃)、及び約60℃,0.5X SSC,0.1% SDSの洗浄条件の
使用を包含する。高度のストリンジェンシーの条件も、例えばDNAの長さに基
づいて、当業者により容易に決定され得る。一般に、そのような条件は上記のよ
うなハイブリダイゼーション条件として定義され、約68℃,0.2X SSC
,0.1% SDSでの洗浄である。当業者は、この温度と洗浄溶液の塩濃度が
プローブの長さのような要因により必要に応じて調整し得ることを理解されよう
【0033】 また本発明に含まれるのは、ポリペプチドフラグメントをコードするDNAと
、以下に説明するような、不活性化N−グリコシル化部位、不活性化プロテアー
ゼプロセシング部位、又は保存的なアミノ酸置換を含んでなるポリペプチドをコ
ードするDNAである。
【0034】 もう1つの態様では、本発明のポリヌクレオチド分子にはまた、天然DNAに
少なくとも80%同一であるポリヌクレオチドが含まれる。さらに考慮されるの
は、ポリヌクレオチドが天然ポリヌクレオチドに少なくとも90%同一、少なく
とも95%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、又は少なくと
も99.9%同一である分子を包含する態様である。
【0035】 同一性比率は、視察と数学的計算により決定し得る。あるいは、2種のポリヌ
クレオチド配列の同一性比率は、Devereux et al. (Nucl. Acids Res. 12: 387,
1984)に記載され、ウィスコンシン大学遺伝学コンピュータグループ(UWG
CG)から入手可能なGAPコンピュータプログラム、バージョン6.0を使用
して配列情報を比較することによって決定し得る。GAPプログラムの好ましい
デフォルト変数には以下が含まれる:(1)ヌクレオチドについての単一比較マ
トリックス(同一について1、非同一について0の値を含有する)と、Schwartz
and Dayhoff, eds., Atlas of Protein Sequence and Structure, National Bi
omedical Research Foundation, pp. 353-358, 1979 に記載のような Gribskov
and Burgess, Nucl. Acids Res. 14: 6745, 1986 の加重比較マトリックス;(
2)各ギャップにつき3.0のペナルティと各ギャップの各記号につきさらに0
.10のペナルティ;及び(3)末端ギャップについてはペナルティなし。配列
比較のために当業者に使用される他のプログラムも使用し得る。
【0036】 本発明はポリペプチドの産生に有用な単離されたポリヌクレオチドを提供する
。そのようなポリペプチドは、数多くの慣用技術のいずれかによって製造し得る
。本発明のポリペプチドをコードするDNA、又はその所望されるフラグメント
は、そのポリペプチド又はフラグメントの製造のために発現ベクターへサブクロ
ーン化され得る。このDNAは、有利には、適切なリーダー又はシグナルペプチ
ドをコードするDNAに融合される。あるいは、所望されるフラグメントが既知
の技術を使用して、化学的に合成され得る。DNAフラグメントはまた、完全長
のクローン化DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化により産生され、アガロース
ゲル上の電気泳動により単離され得る。必要ならば、5’又は3’末端を所望さ
れるように再構築するオリゴヌクレオチドが、制限酵素消化により産生されるD
NAフラグメントへ連結され得る。そのようなオリゴヌクレオチドは、所望のコ
ーディング配列の上流に制限エンドヌクレアーゼ開裂部位をさらに含有し、開始
コドン(ATG)をコーディング配列のN末端に位置づける場合もある。
【0037】 周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法も、所望のタンパク質フラグメント
をコードするDNAを単離して増幅するために適用し得る。DNAフラグメント
の所望される末端を規定するオリゴヌクレオチドが5’及び3’のプライマーと
して利用される。さらに、オリゴヌクレオチドは、増幅されたDNAフラグメン
トの発現ベクターへの挿入を促進するために、制限エンドヌクレアーゼの認識部
位を含有し得る。PCR技術は Saiki et al., Science 239: 487 (1988); Reco
mbinant DNA Methodology, Wu et al., eds., Academic Press, Inc., San Dieg
o (1989), pp. 189-196;及び PCR Protocols: A Guide to Methods and Applic
ations, Innis et al., eds., Academic Press, Inc. (1990) に説明される。
【0038】 ポリペプチドとそのフラグメント 本発明はポリペプチドとそのフラグメントを様々な形態で含むが、それには、
天然に存在するものか又は組換えDNA技術が関わる方法のような様々な技術に
より産生されるものが含まれる。そのような形態には、限定しないが、誘導体、
変異体、及びオリゴマー、並びに融合タンパク質又はそれらのフラグメントが含
まれる。
【0039】 本発明のポリペプチドには、上記に示されるポリヌクレオチド配列によりコー
ドされる完全長のタンパク質が含まれる。IL−1エータの特に好ましいポリペ
プチドはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む。
【0040】 本発明のポリペプチドは分泌され得て、従って、可溶性であり得る。可溶性ポ
リペプチドは、それが発現される細胞から分泌され得る。一般に、可溶性ポリペ
プチドは、所望のポリペプチドを発現する無傷の(intact)細胞を培地か
ら、例えば遠心分離により分離し、所望のポリペプチドの存在について培地(上
澄液)をアッセイすることによって同定され(非可溶性の膜結合型の対合物から
区別され)得る。ポリペプチドの培地における存在は、このポリペプチドが細胞
から分泌され、従って、このタンパク質の可溶形態であることを示す。
【0041】 1つの態様では、可溶性のポリペプチドとそのフラグメントは、細胞外ドメイ
ンの全部又は一部を含むが、細胞膜上にポリペプチドの保持を引き起こし得る膜
貫通領域を欠く。可溶性ポリペプチドは、ポリペプチドが産生される細胞から分
泌される限り、細胞質ドメイン、又はその一部を包含し得る。
【0042】 一般に、可溶形態の使用はある種の応用にとって有利である。可溶性ポリペプ
チドは細胞から分泌されるので、組換え宿主細胞からのポリペプチドの精製が促
進される。さらに、一般に、可溶性ポリペプチドは、静脈内投与により適してい
る。
【0043】 本発明はまた、所望の生物学的活性を保持する細胞外ドメインのポリペプチド
及びフラグメントを提供する。特定の態様は、天然のコグネイト、基質、又は対
構造(「結合パートナー」)に結合する能力を保持するSEQ ID NO:2
のポリペプチドフラグメントに関する。そのようなフラグメントは、上記のよう
に、可溶性ポリペプチドであり得る。もう1つの態様では、ポリペプチド及びフ
ラグメントには、有利にも、上記のようなIL−1リガンド及びIL−1受容体
ファミリーに保存された領域が含まれる。
【0044】 さらに本明細書に提供されるのは、SEQ ID NO:2の配列の少なくと
も20個、又は少なくとも30個の連続したアミノ酸を含んでなるポリペプチド
フラグメントである。ポリペプチドフラグメントはまた抗体を産生するときの免
疫原として利用され得る。
【0045】 天然に存在する変異体、並びにポリペプチド及びフラグメントの誘導される変
異体も本明細書に提供される。 変異体は、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を示し得る。さらに考慮
されるのは、ポリペプチド又はフラグメントが好ましいポリペプチド又はそのフ
ラグメントに対して少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも
98%同一、少なくとも99%同一、又は少なくとも99.9%同一であるアミ
ノ酸配列を含む態様である。同一性比率は、視察と数学的計算により決定し得る
。あるいは、2種のタンパク質配列の同一性比率は、Needleman and Wunsch (J.
Mol. Bio. 48: 443, 1973)のアルゴリズムに基づき、ウィスコンシン大学遺伝
学コンピュータグループ(UWGCG)から入手可能なGAPコンピュータプロ
グラムを使用して配列情報を比較することによって決定し得る。GAPプログラ
ムの好ましいデフォルト変数には以下が含まれる:(1)Henikoff and Henikof
f (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915, 1992) により記載されるスコアリ
ング・マトリックス、blosum62;(2)12のギャップウェート;(3
)4のギャップ長ウェート及び(3)末端ギャップについてはペナルティなし。
配列比較のために当業者に使用される他のプログラムも使用し得る。
【0046】 本発明の変異体には、例えば、選択的mRNAスプライシング反応か又はタン
パク分解的な開裂から生じるものが含まれる。選択的なmRNAのスプライシン
グは、例えば、天然に存在するタンパク質の可溶形態のような、先端が切れてい
るが生物学的には活性なタンパク質を産出する。タンパク分解に帰せられる変異
には、タンパク質から1つ又はそれより多くの末端アミノ酸(一般には1〜5個
の末端アミノ酸)がタンパク分解的に除去されることにより、様々な宿主細胞の
型において発現時にN又はC末端が異なることが含まれる。アミノ酸配列におけ
る違いが遺伝的多型性(タンパク質を産生する個体間の対立遺伝変異)に帰せら
れるタンパク質も本明細書で考慮される。
【0047】 本発明の範囲内にある追加の変異体には、グリコシル基、脂質、リン酸、アセ
チル基、等のような他の化学的成分と共有性又は集合性のコンジュゲートを形成
することによってその誘導体を創出するように修飾され得るポリペプチドも含ま
れる。共有性の誘導体は、ポリペプチドのアミノ酸側鎖上の官能基かN末端又は
C末端に化学的成分を連結することによって製造され得る。それに結合した診断
用(検出し得る)又は治療用の薬剤を含んでなるコンジュゲートも、以下に詳し
く論じるように、本明細書で考慮される。
【0048】 他の誘導体には、N末端又はC末端融合のような組換え培地における合成によ
る、ポリペプチドの他のタンパク質又はポリペプチドとの共有又は集合性のコン
ジュゲートが含まれる。融合タンパク質の例はオリゴマーとともに以下に論じる
。さらに、融合タンパク質は精製及び同定を促進するために加えられるペプチド
を含む。そのようなペプチドには、例えば、ポリ−His、又は米国特許第5,
011,912号及び Hopp et al., Bio/Technology 6: 1204, 1988 に記載の
抗原性同定ペプチドが含まれる。そのようなペプチドの1つはFLAG(登録商
標)ペプチド、Asp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−L
ysである。これはきわめて抗原性であり、特定のモノクローナル抗体により可
逆的に結合されるエピトープを提供し、発現される組換えタンパク質の迅速アッ
セイと簡略な精製を可能にする。4E11と称されるマウスのハイブリドーマは
、参照により本明細書に援用される米国特許第5,011,912号に記載のよ
うなある種の2価金属カチオンの存在下でFLAG(登録商標)ペプチドと結合
する。4E11ハイブリドーマ細胞系は、受け入れ番号HB 9259の下でア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに保管されている。FLAG(登
録商標)ペプチドに結合するモノクローナル抗体はイーストマン・コダック社、
科学造影システム部門、ニューヘーヴン、コネティカットから入手可能である。
【0049】 本明細書で提供される変異ポリペプチドのなかには、天然の生物学的活性を保
持する天然のポリペプチドの変異体、又はそれらの実質的な均等物がある。1つ
の例は、天然の形態と本質的に同じ結合親和性で結合する変異体である。結合親
和性は、例えば米国特許第5,512,457号と以下に示されるような慣用法
によって測定され得る。
【0050】 変異体には、天然の形態と実質的に相同であるが、1つ又はそれより多くの欠
失、挿入又は置換のために天然の形態のものとは異なるアミノ酸配列を有するポ
リペプチドが含まれる。特定の態様には、限定しないが、天然配列と比較して、
アミノ酸残基の1〜10個の欠失、挿入又は置換を含むポリペプチドが含まれる
【0051】 あるアミノ酸は、例えば、類似の物理化学的特徴を有する残基により置換され
得る。そのような保守的な置換の例には、Ile、Val、Leu又はAlaを
互いに置換するように、ある脂肪族残基を他の脂肪族残基に置換すること;Ly
sとArg、GluとAsp、又はGlnとAsnの間のように、ある極性基を
他の極性基に置換すること;あるいは、Phe、Trp又はTyrを互いに置換
するように、ある芳香族残基を他の芳香族残基に置換することが含まれる。他の
保守的な置換(例えば類似した疎水性の特徴を有する残基全体を置換すること)
もよく知られている。
【0052】 同様に、本発明のDNAには、1つ又はそれ以上の欠失、挿入又は置換のため
に天然のDNAとは異なるが、生物学的に活性なポリペプチドをコードする変異
体が含まれる。
【0053】 さらに本発明には、会合した天然パターンのグリコシル化を有するか又は有さ
ない本発明のポリペプチドが含まれる。酵母又は哺乳動物の発現系(例、COS
−1又はCOS−7細胞)において発現されるポリペプチドは、発現系の選択に
より、分子量及びグリコシル化パターンにおいて、天然のポリペプチドに類似し
ているか又はそれとは有意に異なることがあり得る。大腸菌(E. coli)のよう
な細菌発現系における本発明のポリペプチドの発現は非グリコシル化の分子を提
供する。さらに、ある調製物では、多数の異なるグリコシル化をしたタンパク質
の種が含まれる場合がある。グリコシル基は、慣用方法、特にグリコペプチダー
ゼを利用する方法により除去し得る。一般に、本発明のグリコシル化ポリペプチ
ドはモル過剰量のグリコペプチダーゼ(ベーリンガーマンハイム)とともにイン
キュベートされ得る。
【0054】 対応して、アミノ酸残基又は配列の様々な付加若しくは置換、又は、末端若し
くは内部の残基又は配列の欠失をコードする同様のDNA構築体も本発明に含ま
れる。例えば、ポリペプチドの細胞外ドメインにあるN−グリコシル化部位は、
グリコシル化を妨げ、哺乳動物及び酵母の発現系において炭水化物が減少した類
似体の発現を可能にするように、修飾され得る。真核生物のポリペプチドにおけ
るN−グリコシル化部位はAsn−X−Yなるアミノ酸の三つ組によって特徴づ
けられ、ここでXはPro以外の任意のアミノ酸であり、YはSer又はThr
である。この三つ組をコードするヌクレオチド配列に対する適切な置換、付加又
は欠失は、Asn側鎖における炭水化物残基の結合の防止をもたらす。例えば、
Asnを別のアミノ酸に置換するように選択した単一ヌクレオチドの変更は、N
−グリコシル化部位を不活性化するのに十分である。あるいは、Ser又はTh
rをAlaのような別のアミノ酸に置換し得る。タンパク質内のN−グリコシル
化部位を不活性化するための既知の方法には、参照により本明細書に援用される
、米国特許第5,071,972号及びEP276,846号に記載のものが含
まれる。
【0055】 変異体のもう1つの例では、生物学的活性に必須ではないCys残基をコード
するヌクレオチドを、Cys残基を欠失させるか又は他のアミノ酸で置換させる
ように変化させ、折りたたみ又は再生のときに不正確な分子内ジスルフィド架橋
の形成を防止することが可能である。
【0056】 他の変異体は、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母の系における発現を
高めるために、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修飾することによって製造され
る。EP212,914号は、タンパク質内のKEX2プロテアーゼプロセシン
グ部位を不活性化するための部位特異的突然変異誘発の使用を開示する。KEX
2プロテアーゼのプロセシング部位は、Arg−Arg、Arg−Lys、及び
Lys−Arg対を、これらの隣接塩基性残基の出現を消去するように変化させ
る残基の欠失、付加又は置換により不活性化される。Lys−Lys対はKEX
2開裂に対してほとんど影響されないので、Arg−Lys又はLys−Arg
のLys−Lysへの変換は、保守的で、KEX2部位を不活性化するのに好ま
しいアプローチを代表する。
【0057】 本発明に含まれるのは、IL−1エータポリペプチドを含有するオリゴマー又
は融合タンパク質である。そのようなオリゴマーは、二量体、三量体、又はより
高次のオリゴマーを含む、共有結合しているか又は非共有結合している多量体の
形態であり得る。上記のように、好ましいポリペプチドは可溶性であり、従って
、これらのオリゴマーは可溶性ポリペプチドを含む場合がある。本発明の1つの
側面では、オリゴマーはポリペプチド成分の結合能力を維持し、それに対し2価
、3価等の結合部位を提供する。
【0058】 本発明の1つの態様は、ポリペプチドに融合したペプチド成分間の共有又は非
共有の相互作用により連結した多数のポリペプチドを含んでなるオリゴマーに関
する。そのようなペプチドはペプチドリンカー(スペーサー)、又はオリゴマー
化を促進する特性を有するペプチドであり得る。以下により詳しく説明するよう
に、ポリペプチドに付いてそのオリゴマー化を促進し得るペプチドには、ロイシ
ンジッパーと、抗体から由来したある種のペプチドがある。
【0059】 1つの選択肢として、オリゴマーは、免疫グロブリンに由来するポリペプチド
を使用して製造される。抗体由来ポリペプチドの様々な部分(Fcドメインを含
む)に融合したある異種ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質の調製は、例
えば Ashkenazi et al. (PNAS USA 88: 10535, 1991);Byrn et al. (Nature 34
4: 677, 1990); 及び Hollenbaugh and Aruffo ("Construction of Immunoglobu
lin Fusion Proteins", in Current Protocols in Immunology, Suppl. 4, page
s 10. 19. 1-10. 19. 11, 1992) により説明される。
【0060】 本発明の1つの態様は、本発明のポリペプチドを抗体由来のFcポリペプチド
に融合することによって創出した2種の融合タンパク質を含んでなるダイマーに
関する。本発明のポリペプチド/Fc融合タンパク質をコードする遺伝子融合物
を好適な発現ベクターへ挿入する。組換え発現ベクターで形質転換された宿主細
胞において、ポリペプチド/Fc融合タンパク質が発現され、そして抗体分子の
ように会合し、このとき鎖間のジスルフィド結合がFc部分間で形成され、2価
の分子を産生する。
【0061】 「Fcポリペプチド」という用語には、本明細書で使用するように、Fc領域
のCHドメインのいずれか又は全部を含んでなる、抗体のFc領域を構成するポ
リペプチドの天然及びムテインの形態が含まれる。二量体化を促進するヒンジ領
域を含有するそのようなポリペプチドの短縮型(truncated form
)も含まれる。好ましいポリペプチドはヒトIgG1抗体から誘導されるFcポ
リペプチドを含む。
【0062】 参照により本明細書に援用される、PCT出願WO93/10151号に記載
の1つの好適なFcポリペプチドは、ヒトIgG1抗体のN末端ヒンジ部からF
c領域の天然のC末端までわたる単鎖ポリペプチドである。もう1つの有用なF
cポリペプチドは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,457,0
35号及び Baum et al., (EMBO J. 13: 3992-4001, 1994) に記載されたFcム
テインである。このムテインのアミノ酸配列は、アミノ酸19がLeuからAl
aへ変化し、アミノ酸20がLeuからGluへ変化し、アミノ酸22がGly
からAlaへ変化していることを除くと、WO93/10151号に示される天
然のFc配列のそれと同一である。ムテインはFc受容体に対して減少した親和
性を示す。
【0063】 Fc部分を含んでなる上記の融合タンパク質(及びそれから形成されるオリゴ
マー)は、プロテインA又はプロテインGのカラムでのアフィニティークロマト
グラフィーによる精製を容易にする利点を提供する。
【0064】 他の態様では、本発明のポリペプチドは、抗体重鎖又は軽鎖の可変部について
置換され得る。融合タンパク質が抗体の重鎖と軽鎖の両方でつくられる場合、4
つまでものポリペプチド細胞外領域と同数のオリゴマーを形成することが可能で
ある。
【0065】 あるいは、オリゴマーは、ペプチドリンカー(スペーサーペプチド)を有する
か又は有さない,多数のポリペプチドを含んでなる融合タンパク質である。好適
なペプチドリンカーには、参照により本明細書に援用される、米国特許第4,7
51,180号及び4,935,233号に記載のものがある。所望のペプチド
リンカーをコードするDNA配列が、好適な慣用法を使用して、本発明のDNA
配列の間に、同一の読み枠で挿入され得る。例えば、リンカーをコードする化学
合成されたオリゴヌクレオチドが、上記の配列の間に連結され得る。特定の態様
では、融合タンパク質は、ペプチドリンカーにより分離された、2〜4個の本発
明の可溶性ポリペプチドを含む。
【0066】 本発明のオリゴマーを製造するもう1つの方法は、ロイシンジッパーの使用に
関わる。ロイシンジッパードメインはそれが見出されるタンパク質のオリゴマー
化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、いくつかのDNA結合タン
パク質において最初に同定され(Landschulz et al., Science 240: 1759, 1988
)、以来、多種多様なタンパク質に見出されてきた。既知のロイシンジッパーの
なかには天然に存在するペプチドと、二量体化又は三量体化するその誘導体があ
る。
【0067】 ジッパードメイン(本明細書ではオリゴマー化、又はオリゴマー形成ドメイン
とも言われる)は、反復する7個のリピートを含み、それにはしばしば、他のア
ミノ酸に分断された4又は5個のロイシン残基がある。ジッパードメインの例は
酵母転写因子のGCN4とラット肝臓に見出される熱安定性のDNA結合タンパ
ク質に見出されるものである(C/EBP; Landschulz et al., Science 243: 1681,
1989)。2種の核内形質転換タンパク質である、fos及びjunも、マウス
の癌原遺伝子、c−mycの遺伝子産物と同じように、ジッパードメインを示す
(Landschulz et al., Science 240: 1759, 1988)。核内癌遺伝子、fos及び
junの産物は、ヘテロ二量体を選好的に形成するジッパードメインを含む(O'
Shea et al., Science 245: 646, 1989; Turner and Tjian, Science 243: 1689
, 1989)。ジッパードメインはこれらタンパク質の生物学的活性(DNAとの結
合)に必要である。
【0068】 パラミクソウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、及び多くのレトロウイ
ルスを含む、いくつかの異なるウイルスの融合原性(fusogenic)タンパク質も
ジッパードメインを保有する(Buckland and Wild, Nature 338: 547, 1989; Br
itton, Nature 353: 394, 1991; Delwart and Mosialos, AIDS Research and Hu
man Retroviruses 6: 703, 1990)。この融合原性ウイルスタンパク質のジッパ
ードメインはこのタンパク質の膜貫通領域の近くにあり、ジッパードメインが融
合原性タンパク質のオリゴマー構造に貢献し得ると示唆されている。融合原性ウ
イルスタンパク質のオリゴマー化は、融合孔の形成に関与する(Spruce et al,
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 88: 3523, 1991)。ジッパードメインはまた
、熱ショック転写因子のオリゴマー化にもある役割を担うと最近報告されている
(Rabindran et al., Science 259: 230, 1993)。
【0069】 ジッパードメインは、短く平行に巻いたコイルのように折りたたまれる(O'Sh
ea et al., Science 254: 539; 1991)。この平行巻きコイルの全体構成は十分
特徴づけられていて、Crick (Acta Crystallogr. 6: 689, 1953) により提唱さ
れるように、「ノブから穴へ」(knobs-into-holes)パッキングである。ジッパ
ードメインにより形成される二量体は、McLachlan and Stewart (J. Mol. Biol.
98: 293; 1975) の命名によれば、(abcdefg)nと表記される7個のリ
ピートにより安定化される。ここで、残基a及びdは一般に疎水性の残基(dは
ロイシンである)であり、これらはヘリックスの同一面に整列する。gとeの位
置には通常反対電荷の残基が現れる。このように、2つのらせんジッパードメイ
ンから形成される平行巻きコイルにおいては、第一ヘリックスの疎水性側鎖によ
り形成される「ノブ」が、第二ヘリックスの側鎖間に形成される「穴」へパック
される。
【0070】 位置d(しばしばロイシン)にある残基は大きな疎水性の安定化エネルギーに
貢献し、オリゴマー形成にとって重要である(Krystek et al., Int. J. Peptid
e Res. 38: 229, 1991)。Lovejoy et al. (Science 259: 1288, 1993) は、ら
せんが上下行する三本鎖αヘリックスの束構造の合成を最近報告した。彼らの研
究から、疎水性の安定化エネルギーがらせんモノマーからの巻きコイル形成の主
たる推進力を提供することが確かめられた。上記の研究は、巻きコイルの化学量
論と幾何学に静電的な相互作用が貢献することも示している。ロイシンジッパー
の構造に関するさらなる議論については Harbury et al. (Science 262: 1401,
26 November 1993) に見出される。
【0071】 可溶性オリゴマータンパク質に適したロイシンジッパードメインの例はPCT
出願WO94/10308号に記載され、肺界面活性タンパク質D(SPD)か
ら誘導されるロイシンジッパーについては、参照により本明細書に援用される H
oppe et al. (FEBS Letters 344: 191, 1994) に記載されている。異種タンパク
質の安定な三量体化を可能にする、それが融合する修飾されたロイシンジッパー
の使用が Fanslow et al. (Semin. Immunol. 6: 267-278, 1994) に説明されて
いる。ロイシンジッパーペプチドが融合した可溶性ポリペプチドを含んでなる組
換え融合タンパク質が好適な宿主細胞で発現され、形成される可溶性オリゴマー
が培養上澄液から回収される。
【0072】 ある種のロイシンジッパー部分は選好的に三量体を形成する。1つの例は、そ
のまま参照により本明細書に援用される、Hoppe et al. (FEBS Letters 344: 19
1, 1994) と米国特許第5,716,805号に記載のような肺界面活性タンパ
ク質D(PSD)から誘導されるロイシンジッパーである。この肺SPD誘導化
ロイシンジッパーペプチドは、アミノ酸配列、Pro Asp Val Ala
Ser Leu Arg Gln Gln Val Glu Ala Leu
Gln Gly Gln Val Gln His Leu Gln Ala
Ala Phe Ser Gln Tyrを含む。
【0073】 三量体化を促進するもう1つのロイシンジッパーの例は、米国特許第5,71
6,805号に記載のようなアミノ酸配列、Arg Met Lys Gln
Ile Glu Asp Lys Ile Glu Glu Ile Leu
Ser Lys Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu
Ile Ala Arg Ile Lys Lys Leu Ile Gly
Glu Argを含んでなるペプチドである。1つの別の態様では、N末端にA
sp残基が加えられ、もう1つの態様では、ペプチドはN末端のArg残基を欠
く。
【0074】 オリゴマー化を促進する特性を保持する、前記ジッパーペプチドのフラグメン
トも利用し得る。そのようなフラグメントの例には、限定しないが、上記のアミ
ノ酸配列に表されるN末端又はC末端の残基の1又は2個を欠くペプチドが含ま
れる。ロイシンジッパーは、天然に存在するロイシンジッパーペプチドから、例
えば天然のアミノ酸配列における保守的な置換により誘導され得るが、ここでオ
リゴマー化を促進するペプチドの活性は保持される。
【0075】 天然に存在する三量体タンパク質から誘導される他のペプチドも三量体オリゴ
マーの製造に利用され得る。あるいは、オリゴマー化を促進する合成ペプチドが
利用される場合がある。特定の態様では、ロイシンジッパー部分にあるロイシン
残基がイソロイシン残基に置換される。イソロイシンを含んでなるそのようなペ
プチドはイソロイシンジッパーと言われる場合があるが、本明細書で利用される
ように、「ロイシンジッパー」の用語に含まれる。
【0076】 ポリペプチドとそのフラグメントの産生 本発明のポリペプチドとそのフラグメントの発現、単離及び精製は、限定しな
いが以下を含む、好適な技術により達成され得る: 本発明はまた、DNAを含有する組換えクローニング及び発現ベクター、並び
にこの組換えベクターを含有する宿主細胞を提供する。DNAを含んでなる発現
ベクターは、このDNAによりコードされる本発明のポリペプチド及びフラグメ
ントを製造するために使用され得る。ポリペプチドを製造する方法は、ポリペプ
チドをコードする組換え発現ベクターで形質転換された細胞を、ポリペプチドの
発現を促進する条件下で培養し、次いで発現されたポリペプチドをこの培養物か
ら回収することを含む。当業者には、発現されたポリペプチドを精製する方法が
利用される宿主細胞の型のような要因により、及びこのポリペプチドが膜結合性
であるか、又は宿主細胞から分泌される可溶形態であるかにより変わり得ること
がわかるだろう。
【0077】 任意の好適な発現系を利用し得る。ベクターには、本発明のポリペプチド又は
フラグメントをコードするDNA、それと機能可能的に連結した(operab
ly linked)、哺乳動物、細菌、ウイルス又は昆虫の遺伝子に由来する
ような、好適な転写又は翻訳の調節ヌクレオチド配列が含まれる。調節配列の例
には、転写プロモーター、オペレーター、又はエンハンサー、mRNAリボソー
ム結合部位、及び転写及び翻訳の開始及び終了を制御する適切な配列が含まれる
。ヌクレオチド配列は、調節配列が機能的にこのDNA配列に関わるとき、機能
可能的に連結する。このように、プロモーターヌクレオチド配列は、プロモータ
ーヌクレオチド配列がDNA配列の転写を制御する場合、DNAに機能可能的に
DNAに連結する。一般に、所望の宿主細胞において複製する能力を与える複製
起点、及び形質転換体が同定される選択遺伝子が、発現ベクターへ取り込まれる
【0078】 さらに、適切な(天然又は異種の)シグナルペプチドをコードする配列が発現
ベクターへ取り込まれ得る。シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNA配列は
、このDNAがはじめに転写され、mRNAがシグナルペプチドを含んでなる融
合タンパク質へ翻訳されるように、本発明のポリヌクレオチド配列に対してイン
フレームで融合され得る。意図される宿主細胞において機能的であるシグナルペ
プチドは、ポリペプチドの細胞外分泌を促進する。シグナルペプチドは、その細
胞からのポリペプチドの分泌時に、ポリペプチドから開裂される。
【0079】 当業者は、シグナルペプチドの開裂される位置がコンピュータプログラムによ
り予測されるものとは異なる場合があり、組換えポリペプチドを発現することに
利用される宿主細胞の型のような要因により変化し得ることも理解されよう。タ
ンパク調製物には、1つより多くの部位でのシグナルペプチドの開裂から生じる
、異なるN末端アミノ酸を有するタンパク質分子の混合物が含まれ得る。
【0080】 ポリペプチドの発現に適した宿主細胞には、原核生物、酵母又は高等な真核細
胞が含まれる。宿主細胞としての使用に概して好ましいのは哺乳動物又は昆虫の
細胞である。細菌、真菌、酵母、及び哺乳動物細胞の宿主との使用に適したクロ
ーニング及び発現のベクターは、例えば、Pouwels et al. Cloning Vectors: A
Laboratory Manual, Elsevier, New York, (1985) に記載されている。無細胞翻
訳系も、本明細書に開示されるDNA構築体から誘導されるRNAを使用してポ
リペプチドを産生するために利用され得る。
【0081】 原核生物には、グラム陰性又はグラム陽性の生物が含まれる。形質転換に適し
た原核性の宿主には、例えば、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacillus subtilis
)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)及びシュードモナス(Pseudomo
nas)、ストレプトマイセス(Streptomyces)及びスタフィロコッカス(Staphyl
ococcus)属内の様々な他の種が含まれる。大腸菌 のような原核性の宿主細
胞では、原核宿主細胞における組換えポリペプチドの発現を促進するためにN末
端メチオニン残基をポリペプチドが含む場合がある。このN末端Metは、発現
される組換えポリペプチドから開裂され得る。
【0082】 原核宿主細胞において使用される発現ベクターは、概して1つ又はそれより多
くの表現型の選択マーカー遺伝子を含む。表現型の選択マーカー遺伝子は、例え
ば、抗生物質耐性を与えるか又は自己栄養要求性を供給するタンパク質をコード
する遺伝子である。原核宿主細胞に有用な発現ベクターの例には、クローニング
ベクターpBR322(ATCC 37017)のような市販のプラスミドから
誘導されるものが含まれる。pBR322はアンピシリン及びテトラサイクリン
耐性の遺伝子を含有し、従って、形質転換された細胞を同定するための簡便な手
段を提供する。好適なプロモーターとDNA配列がpBR322ベクターへ挿入
される。他の市販ベクターには、例えば、pKK223−3(ファルマシアファ
インケミカルズ、ウプサラ、スウェーデン)及びpGEM1(プロメガバイオテ
ク、マジソン、WI,USA)が含まれる。
【0083】 組換え原核宿主細胞の発現ベクターに通常使用されるプロモーター配列には、
β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang et a
l., Nature 275: 615, 1978;及び Goeddel et al., Nature 281: 544, 1979)
、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al., Nucl. Acids Re
s. 8: 4057, 1980;及びEP−A−36776)及びtacプロモーター(Mani
atis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laborat
ory, p. 412, 1982)が含まれる。特に有用な原核宿主細胞の発現系は、ファー
ジλPLプロモーターとcI857ts易熱性リプレッサー配列を利用する。λ
Lプロモーターの誘導体を取り込むアメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ションから入手可能なプラスミドベクターには、プラスミドpHUB2(大腸菌
株のJMB9,ATCC 37092に存在)及びpPLc28(大腸菌RR1
,ATCC 53082に存在)が含まれる。
【0084】 あるいは、ポリペプチドは、好ましくは Saccharomyces 属(例えば、S. cere
visiae)からの酵母宿主細胞において発現され得る。Pichia 又は Kluyveromyce
s のような他の酵母の属も利用され得る。酵母ベクターは、2μ酵母プラスミド
由来の複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニ
ル化の配列、転写終止の配列、及び選択マーカー遺伝子をしばしば含有する。酵
母ベクターに適したプロモーター配列には、とりわけ、メタロチオネイン、3−
ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255: 2073, 1
980)、あるいはエノラーゼ、グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナー
ゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ
、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピ
ルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラ
ーゼ、及びグルコキナーゼのような他の解糖系酵素(Hess et al., J. Adv. Enz
yme Reg. 7: 149, 1968;及び Holland et al., Biochem. 17: 4900, 1978)の
プロモーターが含まれる。酵母での発現の使用に適した他のベクター及びプロモ
ーターは、Hitzeman, EPA−73,657にさらに記載される。もう1つの選
択肢は、Russel et al. (J. Biol. Chem. 258: 2674, 1982) 及び Beier et al.
(Nature 300: 724, 1982) により記載された、グルコースで抑制されるADH
2プロモーターである。酵母と大腸菌の両方で複製し得るシャトルベクターは、
大腸菌における選択及び複製のためのpBR322由来DNA配列(Ampr
伝子及び複製起点)を上記の酵母ベクターへ挿入することによって構築され得る
【0085】 酵母α因子のリーダー配列はポリペプチドの分泌を指令するために利用し得る
。α因子リーダー配列は、しばしばプロモーター配列と構造遺伝子配列の間に挿
入される。例えば、Kurjan et al., Cell 30: 933, 1982 及び Bitter et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 5330, 1984 を参照のこと。酵母宿主からの組
換えポリペプチドの分泌を促進するのに適した他のリーダー配列は当業者に知ら
れている。リーダー配列は、1つ又はそれより多くの制限部位を含有するように
その3’末端の近くで修飾され得る。このことにより、リーダー配列の構造遺伝
子への融合が促進される。
【0086】 酵母の形質転換プロトコールは当業者に知られている。そのようなプロトコー
ルの1つは Hinnen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75: 1929, 1978 に記
載されている。Hinnen et al. のプロトコールは選択培地においてTrp+形質
転換体について選択するが、ここで選択培地は0.67%酵母窒素塩基、0.5
%カサミノ酸、2%グルコース、アデニン10mg/ml及びウラシル20mg
/mlを含む。
【0087】 ADH2プロモーター配列を含有するベクターにより形質転換された酵母宿主
細胞は、「リッチ」培地において発現を誘導するために増殖され得る。リッチ培
地の例は、1%酵母抽出物、2%ペプトン及び、アデニン80mg/ml及びウ
ラシル80mg/mlで補充した1%グルコースを含むものである。グルコース
が培地から消費され尽くすと、ADH2プロモーターの脱抑制が起こる。
【0088】 哺乳動物又は昆虫の宿主細胞培養系も組換えポリペプチドを発現するために利
用され得る。昆虫細胞における異種タンパクの産生用のバキュロウイルス系につ
いては Luckow and Summers, Bio/Technology 6:47 (1988) により概説されてい
る。確立された哺乳動物起源の細胞系も利用し得る。好適な哺乳動物宿主細胞系
の例には、COS−7サル腎臓細胞系(ATCC CRL 1651)(Gluzma
n et al., Cell 23: 175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATC
C CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa
細胞、及びBHK(ATCC CRL 10)細胞系、さらに McMahan et al.
(EMBO J. 10: 28121, 1991) により記載されたアフリカミドリザル腎臓細胞系C
V1(ATCC CCL 70)から誘導されるCV1/EBNAが含まれる。
【0089】 DNAを哺乳動物細胞へ導入するための確立された方法は Kaufman, R. J., L
arge Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp. 15-69 に記載されている。リ
ポフェクタミン(Lipofectamine)脂質試薬(ギブコ/BRL)又はリポフェク
タミン−プラス(Lipofectamine-Plus)脂質試薬のような市販の試薬を使用する
さらなるプロトコールを使用して、細胞をトランスフェクトすることができる(
Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-7417, 1987)。さらに
、Sambrook et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd. ed. Vol.
1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989) に記載のような慣用法を
使用して哺乳動物細胞をトランスフェクトするためにエレクトロポレーションを
使用し得る。安定な形質転換体の選択は、例えば、細胞毒性薬に対する耐性のよ
うな当技術分野で知られている方法を使用して実施し得る。Kaufman et al., Me
th. in Enzymology 185: 487-511, 1990 は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DH
FR)耐性のような、いくつかの選択スキームを説明する。DHFR選択に適し
た宿主株はCHO株のDX−B11であり得るが、これはDHFRを欠いている
(Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216-4220, 1980)。
DHFRのcDNAを発現するプラスミドをDX−B11株へ導入することが可
能であり、このプラスミドを含有する細胞だけが適切な選択培地において増殖し
得る。発現ベクターへ取り込み得る他の選択マーカーの例には、G418やハイ
グロマイシンBのような抗生物質への耐性を与えるcDNAが含まれる。このベ
クターを宿す細胞がこれらの化合物に対する耐性に基づいて選択され得る。
【0090】 哺乳動物宿主細胞の発現ベクターについての転写及び翻訳の制御配列はウイル
スゲノムから切り出し得る。通常使用されるプロモーター配列及びエンハンサー
配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV
40)、及びヒトサイトメガロウイルスから誘導される。SV40ウイルスゲノ
ムから誘導されるDNA配列、例えば、SV40起点、初期及び後期プロモータ
ー、エンハンサー、スプライス、及びポリアデニル化の部位が、哺乳動物宿主細
胞における構造遺伝子配列の発現についての他の遺伝子要素を提供するために利
用され得る。ウイルスの初期及び後期プロモーターが特に有用であるのは、ウイ
ルス複製起点を含有するフラグメントとして、いずれもウイルスゲノムから容易
に得られるからである(Fiers et al., Nature 273: 113, 1978; Kaufman, Meth
. in Enzymology, 1990)。より小さいか又はより大きいSV40フラグメント
も、SV40ウイルス複製起点部位中に位置づけられるHindIII部位から
BglI部位へ広がる約250bpの配列が含まれる限り、使用され得る。
【0091】 哺乳動物発現ベクター由来の異種遺伝子の発現を向上することが示されている
さらなる制御配列には、CHO細胞に由来する発現増強配列要素(EASE)(
Morris et al., Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-534 及びPCT出願
WO97/25420号)、及び3裂リーダー(TPL)、及びアデノウイルス
2由来のVA遺伝子RNA(Gingeras et al., J. Biol. Chem. 257: 13475-134
91, 1982)のような配列が含まれる。ウイルス起源の内部リボソームエントリー
部位(IRES)配列は、ジシストロン性(dicistronic)mRNAが効率的に
翻訳されることを可能にする(Oh and Sarnow, Current Opinion in Genetics a
nd Development 3: 295-300, 1993; Ramesh et al., Polynucleotides Research
24: 2697-2700, 1996)。選択マーカーの遺伝子(例、DHFR)が後続するジ
シストロンmRNAの一部としての異種cDNAの発現は、宿主のトランスフェ
クション効率と異種cDNAの発現を向上させることが示されている(Kaufman,
Meth. in Enzymology, 1990)。ジシストロンmRNAを利用する代表的な発現
ベクターは、Mosser et al., Biotechniques 22: 150-161, 1997 に記載のpT
R−DC/GFPと Morris et al., Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-
534 に記載のp2A5Iである。
【0092】 有用な高発現ベクターである、pCAVNOTが、Mosley et al., Cell 59:
335-348, 1989 に記載されている。哺乳動物宿主細胞における使用についての他
の発現ベクターは、Okayama and Berg(Mol. Cell. Biol. 3: 280, 1983)によ
り開示されるように構築され得る。C127マウス乳房上皮細胞における哺乳動
物cDNAの安定な高レベル発現に有用な系は、実質的に Cosman et al. (Mol.
Immunol. 23: 935, 1986) に記載のように構築され得る。Cosman et al., Natu
re 312: 768, 1984 に記載の有用な高発現ベクターである、PMLSV N1/
N4は、ATCC 39890として保管されている。さらなる有用な哺乳動物
発現ベクターが、参照により本明細書に援用される、EP−A−0367566
及びWO91/18982号に記載されている。さらにもう1つの選択肢では、
ベクターはレトロウイルスから誘導され得る。
【0093】 もう1つの有用な発現ベクターである、pFLAG(登録商標)も使用し得る
。pFLAG(登録商標)技術は低分子量(1kD)で、親水性のpFLAG(
登録商標)マーカーペプチドを、pFLAG(登録商標)発現ベクターにより発
現される組換えウイルスのN末端に融合させることに集中している。
【0094】 利用され得るシグナルペプチドに関して述べると、天然のシグナルペプチドは
、所望されるならば、異種のシグナルペプチド又はリーダー配列により置換され
得る。シグナルペプチド又はリーダーの選択は、組換えポリペプチドが産生され
る宿主細胞の型のような要因に依存する場合がある。例示すると、哺乳動物宿主
細胞において機能的である異種シグナルペプチドの例には、米国特許第4,96
5,195号に記載のインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列;Cosm
an et al., Nature 312: 768, 1984 に記載のインターロイキン−2受容体のシ
グナルペプチド;EP367,566に記載のインターロイキン−4受容体シグ
ナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載のI型インターロイキン
−1受容体シグナルペプチド;及びEP460,846に記載のII型インター
ロイキン−1受容体シグナルペプチドが含まれる。
【0095】 本発明には、ポリペプチドとそのフラグメントを単離して精製する方法が含ま
れる。 本発明に含まれる「単離された」ポリペプチド又はそのフラグメントは、それ
(ら)が天然において見出され得る環境と同一な環境には存在しないペプチド又
はフラグメントである。本発明に含まれる「精製された」ポリペプチド又はフラ
グメントは、例えば、上記のもののような組換え発現系の精製産物又は天然に存
在する細胞及び/又は組織のような非組換え源からの精製産物のように、他のタ
ンパク質又はポリペプチドと本質的に会合していない。
【0096】 1つの好ましい態様では、組換えポリペプチド又はフラグメントの精製は、本
発明のポリペプチド又はフラグメントの精製に役立つ、他のポリペプチドへの本
発明のポリペプチド又はフラグメントの融合を使用して達成し得る。そのような
融合パートナーにはポリ−His又は上記の他の抗原同定ペプチド、並びにすで
に記載したFc部分が含まれ得る。
【0097】 宿主細胞の型に関しては、当業者に知られているように、組換えポリペプチド
又はフラグメントを精製する方法は、利用される宿主細胞の型や、組換えポリペ
プチド又はフラグメントが培地へ分泌されるか否かといった要因により変化し得
る。
【0098】 一般に、組換えポリペプチド又はフラグメントは、分泌されなければ宿主細胞
から、又は可溶性で分泌されれば培地又は上清から単離され得て、1回又はそれ
より多くの濃縮、塩析、イオン交換、疎水相互作用、アフィニティー精製、又は
サイズ排除クロマトグラフィーの工程が続く。上記の工程を達成する特定の方法
に関しては、市販のタンパク濃縮膜、例えば、アミコン又はミリポアペリコンの
超濾過ユニットを使用して、最初に培地を濃縮してもよい。濃縮工程に続き、濃
縮物がゲル濾過媒体のような精製マトリックスへ適用され得る。あるいは、アニ
オン交換樹脂、例えば、ペンダントなジエチルアミノエチル(DEAE)基を有
するマトリックス又は基質を利用し得る。マトリックスは、アクリルアミド、ア
ガロース、デキストラン、セルロース、又はタンパク精製に通常利用される他の
タイプのものであり得る。あるいは、カチオン交換工程を利用し得る。好適なカ
チオン交換物には、スルホプロピル又はカルボキシメチル基を含有する様々な不
溶性マトリックスが含まれる。さらに、クロマト濃縮工程を利用し得る。あるい
は、疎水性相互作用のクロマトグラフィー工程を利用し得る。好適なマトリック
スは樹脂に結合したフェニル又はオクチル部分である。さらに、組換えタンパク
質と選択的に結合するマトリックスを用いたアフィニティークロマトグラフィー
を利用し得る。そのように利用される樹脂の例は、レクチンカラム、色素カラム
、及び金属キレートカラムである。最後に、疎水性RP−HPLC媒体(例えば
、ペンダントなメチル、オクチル、オクチルデシル又はその他の脂肪族の基を有
するシリカゲル又はポリマー樹脂)を利用する1回又はそれより多くの逆相高速
液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)工程を利用して、さらにポリペプチ
ドを精製することが可能である。様々に組み合わされる、上記精製工程の一部又
は全部はよく知られていて、単離されて精製される組換えタンパク質を提供する
ために利用され得る。
【0099】 また、本発明のポリペプチドに対して産生されるモノクローナル抗体のような
、本発明のポリペプチド結合タンパク質を含んでなるアフィニティーカラムを利
用して、発現されるポリペプチドをアフィニティー精製することも可能である。
これらのポリペプチドは、慣用技術、例えば、高い塩濃度の緩衝液で溶出した後
に使用のために低塩濃度の緩衝液へ透析すること、又はpHや利用されるアフィ
ニティーマトリックスに応じて他の成分を変えることを使用してアフィニティー
カラムから取り出し得るか、又は本発明から導かれるポリペプチドのような、天
然に存在するアフィニティー部分の基質を使用して競合的に取り出し得る。
【0100】 本発明のこの側面では、本発明のポリペプチドと相互作用し得る本発明の抗ポ
リペプチド抗体、又は他のタンパク質のようなポリペプチド結合タンパク質は、
カラムクロマトグラフィーマトリックス、又は本発明のポリペプチドをその表面
上に発現する細胞を同定、単離、又は精製するのに適した類似の基質のような固
相支持体へ結合し得る。本発明のポリペプチド結合タンパク質の固相接触表面へ
の吸着は、任意の手段により達成し得る。例えば、磁気マイクロスフェアをこの
ポリペプチド結合タンパク質でコートして、インキュベーション容器において磁
場を介して固定し得る。細胞混合物の懸濁液を、そのようなポリペプチド結合タ
ンパク質をその上に有する固相と接触させる。本発明のポリペプチドをその表面
に有する細胞は固定されたポリペプチド結合タンパク質に結合し、結合しない細
胞は洗浄除去される。このアフィニティー結合法は、そのようなポリペプチド発
現細胞を溶液から精製、スクリーニング、又は分離するのに有用である。ポジテ
ィブ選択された細胞を固相から遊離させる方法は当技術分野で知られていて、例
えば、酵素の使用が含まれる。そのような酵素は、好ましくは、細胞に対して無
毒で非障害性であり、好ましくは細胞表面結合パートナーを開裂することに向け
られる。
【0101】 あるいは、本発明のポリペプチド発現細胞を含有すると思われる細胞の混合物
を、先ず本発明のビオチニル化ポリペプチド結合タンパク質とともにインキュベ
ートしてもよい。インキュベーション時間は、典型的には、本発明のポリペプチ
ドへの十分な結合を確保するために少なくとも1時間の間である。次いで、生成
した混合物を、アビジン被覆ビーズで詰めたカラムへ通し、それによりアビジン
に対するビオチンの高親和性によりポリペプチド結合細胞のビーズに対する結合
が提供される。アビジン被覆ビーズの使用が当技術分野で知られている。Berens
on et al. J. Cell Biochem., 10D: 239 (1986) を参照のこと。結合しない物質
の洗浄と結合した細胞の遊離は、慣用法を使用して実施される。
【0102】 所望される純度の程度は、タンパク質の意図される使用に依存する。ポリペプ
チドが例えば in vivo 投与される場合は、比較的高い程度の純度が所望される
。そのような場合、ポリペプチドは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(
SDS−PAGE)による分析時に他のタンパク質に対応するタンパク質のバン
ドが検出されないように精製される。関連分野の当業者により認識されるように
、グリコシル化の違い、翻訳後プロセシングの違い、等により、そのポリペプチ
ドに対応する多数のバンドがSDS−PAGEで視覚化される場合がある。最も
好ましくは、本発明のポリペプチドは、SDS−PAGEによる分析で単一タン
パク質のバンドにより示されるように、実質的な均一性にまで精製される。タン
パク質のバンドは、銀染色、クマッシーブルー染色、又は(タンパク質が放射標
識されれば)オートラジオグラフィーにより視覚化され得る。
【0103】 本発明の精製されたポリペプチド(タンパク質、ポリペプチド、フラグメント
、変異体、オリゴマー、及び他の形態を含む)は、従来の結合アッセイのような
適切なアッセイにおいて、結合パートナーへ結合する能力について試験され得る
。例示すると、ポリペプチドは検出試薬(例、放射核種、発色素、発色又は蛍光
反応を触媒する酵素、等)で標識され得る。標識されたポリペプチドを、結合パ
ートナーを発現する細胞に接触させる。次いで、細胞を洗浄して非結合性の標識
ポリペプチドを除去し、細胞に結合した標識の存在を、標識の性質により選択さ
れた、好適な技術により決定する。
【0104】 結合アッセイ法の1例は以下のようなものである。結合パートナーのcDNA
を含有する組換え発現ベクターが、当技術分野でよく知られた方法を使用して構
築される。この組換え発現ベクターでCV1−EBNA−1細胞/10cm2
ィッシュをトランスフェクトする。CV−1/EBNA−1細胞(ATCC C
RL 10478)は、CMVの極初期エンハンサー/プロモーターから推進さ
れて、EBV核抗原−1を構成的に発現する。CV1−EBNA−1は McMahan
et al. (EMBO J. 10: 2821, 1991) に記載のように、アフリカミドリザル腎臓
細胞系CV−1(ATCC CCL 70)から誘導された。
【0105】 トランスフェクトされた細胞を24時間培養し、次いで各ディッシュの細胞を
24穴プレートへ分割する。さらに48時間培養した後で、トランスフェクトし
た細胞(約4x104細胞/ウェル)をBM−NFDMで洗浄する。これは、脱
脂乾燥乳50mg/mlが加えられた結合培地(25mg/mlのウシ血清アル
ブミン、2mg/mlのアジ化ナトリウム、20mM Hepes,pH7.2
を含有するRPMI 1640)である。次いで、例えば上記のようにつくった
様々な濃度の可溶性ポリペプチド/Fc融合タンパク質とともに、細胞を37℃
で1時間インキュベートする。次いで細胞を洗浄し、一定飽和濃度の125I−マ
ウス抗ヒトIgGとともに、37℃で1時間ゆっくり振盪させながら、結合培地
においてインキュベートする。しっかり洗浄した後で、トリプシン処理により細
胞を遊離させる。
【0106】 上記に利用されるマウス抗ヒトIgGはヒトIgGのFc領域に抗して向けら
れ、ジャクソン・イムノリサーチ・ラボラトリーズ社、ウェストグローブ、PA
から入手可能である。標準的なクロラミンT法を使用して抗体を放射ヨード化す
る。この抗体は、細胞に結合したポリペプチド/Fcタンパク質のFc部分へ結
合する。すべてのアッセイにおいて、非特異的な125I−抗体の結合をFc融合
タンパク質/Fcの不在下、並びにFc融合タンパク質と200倍モル過剰の非
標識マウス抗−ヒトIgG抗体の存在下でアッセイする。
【0107】 細胞に結合した125I−抗体をパッカード・オートガンマカウンターにて定量
する。アフィニティー計算結果(Scatchard, Ann. N. Y. Acad. Sci. 51: 660,
1949)を、Microvaxコンピュータで実行されるRS/1(BBNソフト
ウェア、ボストン、MA)で算出する。
【0108】 もう1つの好適な結合アッセイの形式は競合結合アッセイである。例示すると
、変異体の生物学的活性は、結合パートナーへ結合することについて天然のタン
パク質と競合する変異体の能力についてアッセイすることによって決定され得る
【0109】 競合結合アッセイは慣用された方法によって実施され得る。競合結合アッセイ
に利用され得る試薬には本発明の放射標識ポリペプチドと結合パートナー(内因
性又は組換え)を発現する無傷の細胞が含まれる。例えば、細胞表面IL−1エ
ータ受容体への結合について、可溶性のIL−1エータ変異体と競合させるため
に、放射標識した可溶性IL−1エータフラグメントを使用し得る。無傷の細胞
の代わりに、(固相表面での)プロテインA又はプロテインGの相互作用を介し
て固相に結合した可溶性の結合パートナー/Fc融合タンパク質をFc部分に置
換することが可能である。プロテインA又はプロテインGを含有するクロマトグ
ラフィーカラムにはファルマシア・バイオテク社、ピスカタウェイ、NJから入
手可能なものが含まれる。
【0110】 もう1つの競合結合アッセイの形式は、可溶性IL−1エータ受容体/Fc融
合タンパク質のような放射標識可溶性結合パートナーと、結合パートナーを発現
する無傷の細胞を利用する。競合的オートラジオグラフィープレート結合アッセ
イにより定性的な結果を得ることが可能であるのに対し、スキャッチャードプロ
ット(Scatchard, Ann. N. Y. Acad. Sci. 51: 660, 1949)は、定量的な結果を
産生するのに利用され得る。
【0111】 本発明のIL−1エータポリペプチドはまた、本発明のIL−1エータポリペ
プチドの活性化を阻害する化合物及び小分子(アンタゴニスト)についてのスク
リーニングアッセイとしても利用され得る.このように、本発明のポリペプチド
は、例えば、細胞、無細胞調製物、化学ライブラリー、及び天然産物の混合物か
らアンタゴニストを同定するために使用され得る。アンタゴニストは、天然であ
るか又は修飾されたIL−1エータポリペプチドの基質、リガンド、酵素、受容
体、等であり得るか、又はIL−1エータポリペプチドの構造又は機能上の模擬
体であり得る。アンタゴニストは、さらに、小分子、ペプチド、抗体、及びアン
チセンスオリゴヌクレオチドであり得る。
【0112】 IL−1エータポリペプチドに拮抗する(antagonic)化合物を同定
する方法の1つの態様は、IL−1エータポリペプチドに反応する細胞に候補化
合物を接触させ、結合、又は機能性の反応の促進又は阻害を観察することである
。次いで、候補化合物と接触した細胞の活性を接触しなかった同一の細胞とIL
−1エータポリペプチド活性について比較し得て、IL−1エータポリペプチド
のアゴニスト及びアンタゴニストが同定され得る。本発明のなおさらなる態様は
、IL−1エータポリペプチドを発現する細胞と候補化合物を接触させ、IL−
1エータ産生を測定することによって、IL−1エータの合成又は分泌を阻害す
る化合物を同定する方法を提供する。IL−1エータ産生の測定は、存在するタ
ンパク質(例、ELISA)又はタンパク質の活性の量を測定することのような
数多くのよく知られた方法により達成され得る。
【0113】 IL−1エータポリペプチド又はオリゴヌクレオチドの使用 本発明のポリヌクレオチドの使用には、ポリヌクレオチドフラグメント又はオ
リゴヌクレオチドのプローブ又はプライマーとしての使用がある。そのようなフ
ラグメントは、少なくとも約17個の連続したDNA配列のヌクレオチドを含む
。他の態様では、DNAフラグメントは、少なくとも30個、又は少なくとも6
0個の連続したDNA配列のヌクレオチドを含む。
【0114】 他の哺乳動物種由来のSEQ ID NO:1の相同体が本明細書で考慮され
るので、SEQ ID NO.1のヒトDNA配列に基づいたプローブは、慣用
された種間ハイブリダイゼーション技術を使用して、他の哺乳動物種から誘導さ
れるcDNAライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。
【0115】 上記に示したアミノ酸配列と組み合わせた遺伝暗号に関する知識を使用して、
縮重したオリゴヌクレオチドのセットが製造され得る。そのようなオリゴヌクレ
オチドは、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてプライマー使用され
、それによりDNAフラグメントが単離されて増幅される。
【0116】 オリゴヌクレオチドを含む、SEQ ID NO:1のIL−1エータのポリ
ヌクレオチドの全部又は一部が、ヒト第2染色体、並びにIL−1リガンドファ
ミリーメンバーのDNAを含有する、その特定の座を同定するために周知の技術
を使用して、当業者により使用され得る。有用な技術には、限定しないが、放射
線ハイブリッドマッピング(高解像能)、染色体スプレッドへの in situ ハイ
ブリダイゼーション(中解像能)、及び個々の染色体を含有するハイブリッド細
胞系へのサザンブロットハイブリダイゼーション(低解像能)のような様々な周
知の技術におけるプローブとして、オリゴヌクレオチドを含む配列又は部分を使
用することが含まれる。
【0117】 例えば、染色体は放射線ハイブリダイゼーションによりマップされ得るが、こ
れにはPCRと、ホワイトヘッド研究所/ゲノム研究MITセンターのGene
bridge4パネルの93放射線ハイブリッド(http://www-genome.wi.mit.e
du/ftp/distribution/human#STS#releases/july97/rhmap/genebridge4.html)を
使用することが含まれる。PCRプライマーは所期の遺伝子のなかに存在し、ヒ
トゲノムDNA由来の産物を増幅するが、ハムスターのゲノムDNAは増幅しな
い。PCRの結果は、インターネット(http://www-seq.wi.mit.edu)上のホワ
イトヘッド/MIT放射線マッピング部位へ提示されるデータベクターへ変換さ
れる。このデータが記録され、放射線ハイブリッドマップ上の既知の配列タグ部
位(STS)マーカーに対して染色体の帰属及び配置が提供される。以下のウェ
ブサイトは放射線ハイブリッドマッピングについての追加情報を提供する:http
://www-genome.wi.mit.edu/ftp/distribution/human#STS#releases/july97/07-9
7.INTRO.html。
【0118】 DNAのSEQ ID NO:1は、ヒト第2染色体の2q11−12領域に
対する放射線ハイブリダイゼーションによりマップされた。ヒト第2染色体は、
限定しないが、緑内障、外胚葉性異形成、インスリン依存型糖尿病、皺肌皮膚症
候群、T細胞白血病/リンパ腫、及び脛骨筋ジストロフィーを含む特定の疾患に
関連している。このように、SEQ ID NO:1のポリヌクレオチド又はそ
のフラグメントは、第2染色体への遺伝子マッピングに関連した異常を分析する
既知の技術を使用して、当業者により使用され得る。このことにより、このマー
カーが再配置されるか又は欠失している病態を区別することを可能にする。さら
に、SEQ ID NO:1のヌクレオチド又はそのフラグメントは、位置不明
の他の遺伝子をマップするために位置マーカーとして使用され得る。
【0119】 このDNAは、本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子の欠陥、又は不十
分な量により(直接又は間接的に)仲介される障害への治療を開発することにお
いて使用され得る。天然の(native)ヌクレオチド配列の本明細書におけ
る開示は、欠陥遺伝子の検出、及び正常遺伝子でのその置換を可能にする。欠陥
遺伝子は、in vitro 診断アッセイにおいて、及び本明細書に開示される天然ヌ
クレオチドを、この遺伝子における欠陥を収容することが疑われる個人から導か
れる遺伝子のそれと比較することにより検出され得る。
【0120】 他の有用なポリヌクレオチドのフラグメントには、ターゲットmRNA(セン
ス)又はDNA(アンチセンス)配列に結合し得る一本鎖ポリヌクレオチド配列
(RNA又はDNAのいずれか)を含んでなる、アンチセンス又はセンスのオリ
ゴヌクレオチドが含まれる。本発明によるアンチセンス又はセンスのオリゴヌク
レオチドは、DNA(SEQ ID NO:1)のフラグメントを含む。そのよ
うなフラグメントは、概して少なくとも約14個のヌクレオチド、好ましくは約
14〜約30個のヌクレオチドを含む。あるタンパク質をコードするcDNA配
列に基づいて、アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドを誘導する能力は
、例えば、Stein and Cohen (Cancer Res. 48: 2659, 1988) 及び van der Krol
et al. (BioTechniques 6: 958, 1988) に記載されている。
【0121】 アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドがターゲットのポリヌクレオチ
ド配列へ結合すると、様々な手段の1つによりタンパク質の発現を阻止するか又
は阻害する二重鎖の形成をもたらすが、その手段には、RNアーゼHによるmR
NAの分解増強、スプライシングの阻害、転写又は翻訳の早期終止、又は他の手
段が含まれる。このように、アンチセンスオリゴヌクレオチドはタンパク質の発
現を阻止するために使用され得る。アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチ
ドは、修飾された糖−ホスホジエステル骨格(又は、WO91/06629号に
記載されるような他の糖連結)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、ここ
でそのような糖連結は内因性ヌクレアーゼに対して耐性である。そのような耐性
のある糖連結を有するオリゴヌクレオチドは in vivo で安定である(即ち、酵
素分解に抵抗し得る)が、ターゲットのヌクレオチド配列に結合し得る配列特異
性を保持する。
【0122】 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例には、WO90/104
48号に記載されるような有機成分、及びポリ−(L−リジン)のような、ター
ゲットポリヌクレオチド配列に対するオリゴヌクレオチドの親和性を高める他の
成分に共有的に連結するオリゴヌクレオチドが含まれる。なおさらに、エリプチ
シンのようなインターカレート剤、及びアルキル化剤又は金属複合体もセンス又
はアンチセンスのオリゴヌクレオチドに付着し得て、ターゲットヌクレオチド配
列に対するアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を変化させ
る。
【0123】 アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドは、例えば、リポフェクション
、CaPO4仲介性DNAトランスフェクション、エレクトロポレーション、又
はエプシュタイン−バーウイルスのような遺伝子導入ベクターを使用することを
含む任意の遺伝子導入法により、ターゲットポリヌクレオチド配列を含有する細
胞へ導入し得る。
【0124】 センス又はアンチセンスのオリゴヌクレオチドはまた、ターゲットヌクレオチ
ド配列を含有する細胞へ、WO91/04753号に記載のようなリガンド結合
分子とのコンジュゲートの形成によっても導入され得る。好適なリガンド結合分
子には、限定しないが、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、又は細
胞表面受容体に結合する他のリガンドが含まれる。好ましくは、リガンド結合分
子のコンジュゲーションは、その対応する分子又は受容体へ結合するか、又はセ
ンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はそのコンジュゲートしたバージョ
ンの細胞へのエントリーを阻止する、リガンド結合分子の能力に実質的には干渉
しない。
【0125】 あるいは、センス又はアンチセンスのオリゴヌクレオチドは、WO90/10
448号に記載のように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成によりターゲ
ットポリヌクレオチド配列を含有する細胞へ導入され得る。このセンス又はアン
チセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは、内因性リパーゼによ
り細胞内部で解離される。
【0126】 IL−1エータポリヌクレオチド及び断片化ポリペプチドの使用 本発明のポリペプチドのそれぞれは、タンパク精製試薬としての使用を見出す
。このポリペプチドは固形支持材料へ結合され、アフィニティークロマトグラフ
ィーにより結合パートナータンパク質を精製するために使用され得る。特定の態
様では、(結合パートナータンパク質に結合し得る、本明細書に記載の任意の形
態における)ポリペプチドは、慣用法により固形支持体へ結合される。1例とし
て、タンパク質のアミノ酸側鎖上で官能基と反応する、官能基を含有するクロマ
トグラフィーカラムを利用し得る(ファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ
、NJ)。1つの選択肢では、(上記のような)ポリペプチド/Fcタンパク質
が、プロテインA−又はプロテインG−含有クロマトグラフィーカラムへFc部
分との相互作用を介して結合される。
【0127】 本発明のポリペプチドはまた、細胞表面で結合パートナーを発現する細胞を精
製するか又は同定することにおいて使用を見出す。ポリペプチドは、カラムクロ
マトグラフィーマトリックス又は同様の好適な基質のような固相へ結合される。
例えば、磁気マイクロスフェアをこのポリペプチドでコートして、インキュベー
ション容器において磁場を介して固定し得る。結合パートナー発現細胞を含有す
る細胞混合物の懸濁液を、ポリペプチドをその上に有する固相と接触させる。結
合パートナーをその細胞表面で発現する細胞は固定されたポリペプチドに結合し
、結合しない細胞は洗浄除去される。
【0128】 あるいは、ポリペプチドは検出可能な成分にコンジュゲートされ、次いで細胞
とインキュベートして、結合パートナーの発現について試験され得る。インキュ
ベーションの後で、非結合の標識物質を除去し、検出可能な成分の細胞上での存
在又は不在を決定する。
【0129】 さらなる選択肢では、結合パートナーを発現する細胞を含有することが疑われ
る細胞の混合物をビオチニル化ポリペプチドとともにインキュベートする。イン
キュベーション時間は、典型的には、十分な結合を確保するために少なくとも1
時間の間である。次いで、得られた混合物を、アビジン被覆ビーズで詰めたカラ
ムへ通し、それによりアビジンに対するビオチンの高親和性により所望の細胞の
ビーズへの結合が提供される。アビジン被覆ビーズを使用する方法が知られてい
る(Berenson et al. J. Cell. Biochem., 10D: 239, 1986 を参照のこと)。結
合しない材料を除去するための洗浄と、結合した細胞の遊離は、慣用法を使用し
て実施される。
【0130】 ポリペプチドはまた、結合パートナータンパク質の結合活性をその結合親和性
に関して測定することにおいて使用を見出す。このように、ポリペプチドは、例
えば、様々な条件下でタンパク質の貯蔵寿命及び安定性をモニターするために、
「品質保証」試験を実施する人々により利用され得る。例えば、ポリペプチドは
、様々な温度で保管されたか又は様々な細胞型で産生された結合パートナータン
パク質の生物学的活性を測定する結合親和性試験において利用され得る。このタ
ンパク質はまた、結合パートナータンパク質の修飾(例、化学修飾、短縮(tr
uncation)、突然変異、等)の後で生物学的活性が保持されているかど
うかを判定するためにも使用され得る。修飾された結合パートナータンパク質の
結合親和性を非修飾結合パートナータンパク質のそれと比較して、結合パートナ
ーの生物学的活性に対するこの修飾の有害な影響を検出する。このように、結合
パートナータンパク質の生物学的活性は、例えばそれが研究試験において使用さ
れる前に確かめることができる。
【0131】 ポリペプチドは、結合パートナーを担う細胞へそれに結合した剤を運搬するた
めの担体としても使用を見出す。このように、ポリペプチドは、診断用又は治療
用の剤をin vitro 又は in vivo の方法においてそのような細胞(又は結合パー
トナーを細胞表面に発現することが判明している他の細胞型)へ運搬するために
使用され得る。
【0132】 ポリペプチドへ結合しうる検出可能な(診断用)及び治療用の剤には、限定し
ないが、毒素、他の細胞毒性剤、薬物、放射性核種、発色素、発色又は蛍光反応
を触媒する酵素、等が含まれ、特定の剤が意図される適用に応じて選択される。
毒素には、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、緑膿菌の外毒素A、リボソーム
不活性化タンパク質、トリコテセンのようなマイコトキシン、及びそれらの誘導
体及びフラグメント(例、一本鎖)がある。診断使用に適した放射性核種には、
限定しないが、123I、131I、99mTc、111In、及び76Brが含まれる。治療
使用に適した放射性核種の例は、131I、211At、77Br、186Re、212Pb、 212 Bi、109Pd、64Cu、及び67Cuである。
【0133】 そのような剤は、好適な任意の慣用法によりポリペプチドへ付けることができ
る。ポリペプチドは、所望の剤上の官能基と反応して例えば共有結合を形成し得
る官能基をアミノ酸側鎖上に含む。あるいは、このタンパク質又は剤は、所望さ
れる反応性の官能基を産生するか又は結合させるように誘導化し得る。誘導化は
、様々な分子をタンパク質へ結合させることに利用される二機能性カップリング
試薬(ピアスケミカル社、ロックフォード、イリノイ)のうちの1つの結合を含
みうる。タンパク質を放射標識するための数多くの技術が知られている。例えば
、好適な二機能性キレート剤を使用することによって、放射性核種金属をポリペ
プチドへ付け得る。
【0134】 以上のように、ポリペプチドと好適な診断又は治療薬を含んでなる(好ましく
は共有結合した)コンジュゲートが調製される。コンジュゲートは、特定の応用
に適した量において投与されるか、又は他のやり方で利用される。
【0135】 本発明のポリペプチドは、このポリペプチドの欠損、又は不十分な量により(
直接的又は間接的に)仲介される障害についての治療薬を開発することに使用さ
れ得る。さらに、本発明のポリペプチドは、このポリペプチドの過剰から(直接
的又は間接的に)生じる障害についての治療を開発することに使用され得る。本
発明のポリペプチドはそのような障害に罹患した哺乳動物へ投与され得る。
【0136】 本発明のポリペプチドはまた、in vitro 又は in vivo の方法において、結合
パートナーの生物学的活性を阻害することにおいても利用され得る。例えば、内
因性IL−1エータのその細胞表面受容体への結合を阻害するために、精製され
たIL−1エータポリペプチドが使用され得る。
【0137】 本発明のポリペプチドは結合パートナー仲介性の障害を治療するために哺乳動
物へ投与され得る。そのような結合パートナー仲介性の障害には、結合パートナ
ーにより(直接的又は観察的に)引き起こされるか又は増悪される病態が含まれ
る。
【0138】 本発明の組成物は、天然タンパク質、変異体、誘導体、オリゴマー、及び生物
学的に活性なフラグメントのような、本明細書に記載の任意の形態でポリペプチ
ドを含有し得る。特定の態様では、組成物は本発明の可溶性ポリペプチド、又は
可溶性ポリペプチドを含んでなるオリゴマーを含む。
【0139】 本発明のポリペプチドの有効量を、生理学的に許容される希釈剤、担体、又は
賦形剤のような他の成分と組み合わせて含んでなる組成物が本明細書に提供され
る。ポリペプチドは、薬剤的に有用な組成物を製造するために使用される既知の
方法により製剤化され得る。それらは、単一の有効成分としてか、又はある適応
症に適した他の既知の有効成分とともにのいずれかで、薬剤的に許容される希釈
剤(例、生理食塩水、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩緩衝化溶液)、保存
剤(例、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、乳化剤、可溶化剤、
アジュバント及び/又は担体との混合物において結合され得る。薬剤組成物に適
した製剤には、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed. 1980, Mack P
ublishing Company, Easton, PA に記載のものが含まれる。
【0140】 さらに、そのような組成物はポリエチレングリコール(PEG)、金属イオン
と複合し得るか、又はポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストラン
等のポリマー化合物へ取り込まれ得るか、又はリポソーム、ミクロエマルジョン
、ミセル、単層又は多層の小胞、赤血球ゴースト、又はスフェロプラストへ取込
まれ得る。そのような組成物は、物理状態、溶解性、安定性、in vivo 放出速度
、及び in vivo クリアランスに影響を及ぼすので、意図される応用により選択
される。
【0141】 本発明の組成物は、適切なやり方、例えば、局所的、非経口的、又は吸入によ
り投与され得る。「非経口」という用語には、注射(例えば、皮下、静脈内、又
は筋肉内経路による)、さらに局在化した投与(例、疾患又は損傷の部位で)が
含まれる。インプラントからの持続放出も考慮される。当業者は、適切な投与量
が、治療される障害の性質、患者の体重、年齢及び一般状態、さらに投与経路の
ような要因に依存して変化することを認識されよう。初回投与は動物試験により
決定され得て、ヒトへ投与する投与量のスケーリングは当技術分野で受け入れら
れた方法によりなされる。
【0142】 生理学的に許容される製剤においてポリヌクレオチドを含んでなる組成物も考
慮される。例えば、DNAは注射用に製剤化され得る。 本発明のポリペプチドのもう1つの使用は、IL−1エータのその結合パート
ナーとの相互作用からか、又はこれらの相互作用を阻害することから生じる、様
々な細胞型に対する生物学的影響を研究するための研究ツールとしての使用であ
る。ポリペプチドはまた、IL−1エータ、結合パートナー、又はそれらの相互
作用を検出するための in vitro アッセイにおいても利用され得る。
【0143】 本発明のもう1つの態様は、細胞シグナル伝達を研究するために本発明のポリ
ペプチドを使用することに関する。IL−1ファミリーリガンドは、細胞のシグ
ナル伝達、血管内皮細胞及びリンパ球の活性化、炎症性サイトカイン、急性期タ
ンパク質、造血、発熱、骨再吸収、プロスタグランジン、メタロプロテイナーゼ
、及び吸着分子の誘導を包含する、感染防御と免疫炎症反応において中心的な役
割を担う。既知のIL−1ファミリーメンバーの数が増加するにつれて、好適な
分類法は、ポリペプチドの構造並びに機能(活性化と調節の特性)を比較するこ
とに基づいたものになる。このように、IL−1エータは、他のIL−1ファミ
リーリガンド(IL−1α、IL−1β、及びIL−18)と同じように、上記
の機能の多くに関わり、炎症反応を促進し、従って、おそらくは、慢性関節リウ
マチ、炎症性腸疾患、及び乾癬のような免疫及び/又は自己免疫性の疾患の発症
及び維持に関わる可能性がある。そうであれば、本発明のポリペプチドの発現及
び/又は活性化における変化は、限定しないが、細胞特異的な反応及び増殖の活
性化又は阻害を含む、多数の細胞プロセスに甚大な影響を及ぼす可能性がある。
クローン化したIL−1エータ、又はその機能的に不活性な突然変異体の発現は
、特定のシグナル伝達反応を仲介することにおいて特定のタンパク質が果たして
いる役割を同定するために使用され得る。
【0144】 IL−1仲介性の細胞シグナル伝達には、しばしば分子の活性化カスケードが
関わり、その間は、標的基質をリン酸化する細胞内キナーゼを特異的に活性化す
ることによって、受容体がリガンド−受容体仲介性シグナルを伝達する。これら
の基質はそれ自身がリン酸化の後に活性化されるキナーゼであり得る。あるいは
、それらは、リン酸化に続くタンパク質−タンパク質相互作用により下流のシグ
ナル伝達を促進するアダプター分子であり得る。基質分子の性質にかかわらず、
発現される機能的に活性なIL−1エータのバージョンとその結合パートナーは
、どんな基質が本発明のポリペプチドにより認識されて活性化され得るのかを同
定するために使用され得る。そうであれば、これらの新規ポリペプチドは、シグ
ナル伝達経路に関わる新規な分子を同定するための試薬として使用され得る。
【0145】 抗体 本発明のポリペプチドと免疫応答する抗体も本明細書に提供される。そのよう
な抗体は、(非特異的な結合とは反対に)抗体の抗原結合部位を介してポリペプ
チドと特異的に結合する。このように、上記に示したようなポリペプチド、フラ
グメント、変異体、融合タンパク質等は、それらと免疫応答する抗体を産生する
ことにおける「免疫原」として利用され得る。より具体的には、このポリペプチ
ド、フラグメント、変異体、融合タンパク質等は、抗体の形成を誘発する抗原決
定基又はエピトープを含有する。
【0146】 これらの抗原決定基又はエピトープは、直線状か配座性(断続性)のいずれか
でもよい。直線状のエピトープがポリペプチドのアミノ酸の単一部分からなるの
に対し、配座又は断続性のエピトープはポリペプチド鎖の異なる領域からのアミ
ノ酸部分からなり、これがタンパク質のフォールディング時にごく近傍に集めら
れる(C. A. Janeway, Jr. and P. Travers, Immuno Biology 3: 9 (Garland Pu
blishing Inc., 2nd ed. 1996))。折り畳まれたタンパク質は複雑な表面を有す
るので、利用されるエピトープの数はきわめて多いものの、タンパク質のコンホ
メーションと立体障害により、エピトープへ実際に結合する抗体の数は利用可能
なエピトープの数よりも少ない(C. A. Janeway, Jr. and P. Travers, Immuno
Biology 2: 14 (Garland Publishing Inc., 2nd ed. 1996))。エピトープは、
当技術分野で知られている方法のいずれでも同定され得る。
【0147】 このように、本発明の1つの側面は、本発明の抗原エピトープに関する。その
ようなエピトープは、以下により詳しく説明されるように、抗体、特にモノクロ
ーナル抗体を産生するのに有用である。さらに、本発明のポリペプチドに由来す
るエピトープは、アッセイにおける研究試薬として、及び培養ハイブリドーマ由
来のポリクローナル血清又は上澄液のような物質から特異結合抗体を精製するた
めに使用され得る。そのようなエピトープ又はその変異体は、固相合成、ポリペ
プチドの化学的又は酵素的開裂のような当技術分野で周知の技術を使用して、又
は組換えDNA技術を使用して、産生され得る。
【0148】 本発明のポリペプチドのエピトープにより誘発され得る抗体に関して言えば、
エピトープが単離されているか、又はポリペプチドの一部のままであるにせよ、
ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方が慣用技術により製造され得る
。例えば、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biologic
al Analyses, Kennet et al. (eds.), Plenum Press, New York (1980);及び A
ntibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Land (eds.), Cold Spring Harb
or Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, (1988) を参照のこと。
【0149】 本発明のポリペプチドについて特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマ細胞系も本明細書で企図される。そのようなハイブリドーマは慣用技術
により産生され、同定され得る。そのようなハイブリドーマ細胞系を産生する1
つの方法は、動物をポリペプチドで免疫し;免疫化した動物から脾臓細胞を採取
し;前記脾臓細胞を骨髄腫細胞系へ融合させ、それによりハイブリドーマ細胞を
産生し;そしてこのポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマ細胞系を同定することを含む。モノクローナル抗体は慣用技術により
回収され得る。
【0150】 本発明のモノクローナル抗体にはキメラ抗体、例えば、マウスモノクローナル
抗体のヒト化バージョンが含まれる。そのようなヒト化抗体は既知の技術により
調製され、抗体がヒトへ投与されるときに低下した免疫原性の利点を提供し得る
。1つの態様では、ヒト化モノクローナル抗体は、マウス抗体の可変部(又はそ
の抗原結合部位そのもの)と、ヒト抗体由来の定常部を含む。あるいは、ヒト化
抗体フラグメントは、マウスモノクローナル抗体の抗原結合部位とヒト抗体由来
の(抗原結合部位を欠く)可変部フラグメントを含み得る。キメラ抗体とさらに
工学処理されたモノクローナル抗体の産生方法には、Riechmann et al. (Nature
332: 323, 1988); Liu et al. (PNAS 84: 3439, 1987); Larrick et al. (Bio/
Technology 7: 934, 1989) 及び Winter and Harris (TIPS 14: 139, May, 1993
) に記載のものが含まれる。トランスジェニックに抗体を作成する方法は、GB
2,272,440号、米国特許第5,569,825号及び5,545,80
6号とそれらからの優先権を主張する関連特許に見出し得るが、これらはいずれ
も参照により本明細書に援用される。
【0151】 慣用技術により製造され得る、抗体の抗原結合フラグメントも本発明に含まれ
る。そのようなフラグメントの例には、限定しないが、Fab及びF(ab’) 2 フラグメントが含まれる。遺伝子工学技術により産生される抗体のフラグメン
ト及び誘導体も提供される。
【0152】 1つの態様では、抗体は本発明のポリペプチドに特異的であり、他のタンパク
質と交叉反応しない。そのような抗体を同定しうるスクリーニング法はよく知ら
れていて、例えば、免疫アフィニティークロマトグラフィーを含み得る。
【0153】 本発明の抗体は、in vitro 又は in vivo のいずれかで、本発明のポリペプチ
ド又はフラグメントの存在を検出するアッセイにおいて使用され得る。この抗体
はまた、免疫アフィニティークロマトグラフィーにより本発明のポリペプチド又
はフラグメントを精製することにおいても利用され得る。
【0154】 本発明のポリペプチドの結合パートナーへの結合をさらに阻止し得る抗体は、
そのような結合から生じる生物学的活性を阻害するために使用され得る。そのよ
うな阻止抗体は、IL−1エータ受容体を発現するある細胞へのIL−1エータ
の結合を阻害する能力について抗体を試験するような、適切なアッセイ法を使用
して同定され得る。あるいは、阻止抗体は、本発明のポリペプチドがその結合パ
ートナー、ターゲット細胞へ結合することから生じる生物学的効果を阻害する能
力についてのアッセイにおいて同定され得る。抗体は、例えば、IL−1エータ
仲介性、又は結合パートナー仲介性の細胞溶解を阻害する能力についてアッセイ
され得る。
【0155】 そのような抗体は、抗体を産生する物質(entity)により仲介される生物学的
活性を阻害するために in vitro の方法で利用され得るか、又は in vivo で投
与され得る。本発明のポリペプチドの結合パートナーとの相互作用により(直接
的又は間接的に)引き起こされるか又は増悪される障害が、このようにして治療
され得る。治療法は、結合パートナー仲介性の生物学的活性を阻害することにお
いて有効な量の阻止抗体を哺乳動物へ in vivo 投与することを含む。そのよう
な治療法における使用にはモノクローナル抗体が概して好ましい。1つの態様で
は、抗原結合性の抗体フラグメントが利用される。
【0156】 抗体は、作動性の(agonistic)(即ち、リガンド模倣性の)機能に
ついてスクリーニングされ得る。そのような抗体は、細胞表面受容体に結合する
と、IL−1が細胞表面IL−1受容体に結合するときに誘発される生物学的効
果に類似した生物学的効果(例えば、生物学的シグナルの伝達)を誘発する。作
動性の抗体は、血管内皮細胞及びリンパ球を活性化し、局所の組織破壊及び発熱
を誘発し(Janeway et al., 1996)、マクロファージ及び血管内皮細胞を刺激し
てIL−6を産生させ、及び血管内皮細胞の表面上の分子をアップレギュレート
するために使用され得る。
【0157】 本発明のポリペプチドに対して向けられる抗体、及び生理学的に許容される希
釈剤、賦形剤、又は担体を含んでなる組成物が本明細書に提供される。そのよう
な組成物の好適な成分は本発明のポリペプチドを含有する組成物について上記に
説明した通りである。
【0158】 さらに本明細書に提供されるのは、抗体に結合した検出可能な(例えば、診断
用)又は治療用の剤を含んでなるコンジュゲートである。そのような剤の例は上
記に示されている。このコンジュゲートは in vitro 又は in vivo の方法にお
いて使用を見出す。
【0159】 以下の実施例は説明のために提供されるものであり、制限するためのものでは
ない。当業者は、これらの実施例において具体化される本発明のバリエーション
が、特に本明細書に引用される様々な参考文献(その開示内容はそのまま参照に
より本明細書に援用される)の教示に照らしてなされ得ることを認識されよう。
【0160】 実施例1:IL−1エータ(η)ポリヌクレオチドの単離 EP 0879889A2に開示されるcDNAの上流部分を含有するヒトゲ
ノムDNAをクローン化し、3’方向に伸長した。このゲノムDNAの配列を決
定し、IL−1ファミリーメンバーのC末端部分に対する潜在的な相同性につい
て検査した。IL−1ファミリーメンバーのC末端部分と相同にコードする可能
性のある領域を位置づけ、SEQ ID NO:1のポリヌクレオチド375〜
585として開示する。3’又は逆プライマーに終止コドンを、及び5’又はセ
ンスプライマーにIL−1エータ cDNA(EP 0879889A2のSE
Q ID NO:1)の開始ATGを含有する、PCRプライマーを合成した。
これらのプライマーを使用して、ヒト扁桃mRNAからつくった第一鎖cDNA
からIL−1エータ cDNAを増幅した。標準プロトコールを使用してPCR
を実施した。
【0161】 実施例2:精製したIL−1エータポリペプチドの使用 IL−1エータ含有サンプル(50mM NaHCO3,NaOHでpH9へ
)の希釈系列液で、Linbro/Titertek96穴平底E.I.A.マ
イクロ滴定プレート(ICN バイオメディカル社、オローラ、OH)上を10
0:1/ウェルでコートする。4℃、16時間のインキュベーションの後に、0
.05% Tween−20含有200:1PBS(PBS−Tween)でウ
ェルを6回洗浄する。次いで、このウェルを、5%ウシ胎仔血清(FCS)含有
PBS−Tween 1ml中のFLAG(登録商標)−結合パートナー1mg
とともに90分インキュベーション(各ウェルにつき100:1)した後に、上
記のように洗浄する。次いで、各ウェルを、5%FCS含有PBS−Tween
1ml中の抗FLAG(登録商標)−モノクローナル抗体M2 1mgととも
に90分インキュベーション(各ウェルにつき100:1)した後に、上記のよ
うに洗浄する。続いて、ウェルをポリクローナルヤギ抗mIgG1特異的西洋ワ
サビペルオキシダーゼ共役抗体(5%FCS含有PBS−Tween中の市販ス
トックの5000倍希釈液)とともに90分インキュベーション(各ウェルにつ
き100:1)する。このHRPコンジュゲート抗体はサザン・バイオテクノロ
ジー・アソシエーツ社、バーミンガム、アラバマから得られる。次いで、ウェル
を上記のように6回洗浄する。
【0162】 ELISAの顕色のために、基質混合物[TMBペルオキシダーゼ基質とペル
オキシダーゼ溶液B(Kirkegaard Perry Laboratories, ゲイサースブルグ、メ
リーランド)の1:1前混合物、100:1/ウェル]をウェルへ加える。十分
な発色反応の後で、2N H2SO4(50:1/ウェル)を加えてこの酵素反応
を止める。発色強度(リガンドと受容体の結合を示す)を、V Maxプレート
リーダー(モレキュラーデバイス、サニーヴェイル、CA)で450nmにおけ
る吸光度を測定することによって決定する。
【0163】 実施例3:アミノ酸配列 IL−1エータのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:1の全ヌクレオチド
配列の翻訳により決定した。
【0164】 実施例4:DNA及びアミノ酸の配列 単離されたIL−1エータのヌクレオチド配列とそれによりコードされるアミ
ノ酸の配列を、SEQ ID NO:1及び2に示す。PCRにより単離された
IL−1エータDNAフラグメントの配列はSEQ ID NO:1のヌクレオ
チド1〜585に対応するが、これはSEQ ID NO:2のアミノ酸1〜1
57をコードする。
【0165】 SEQ ID NO:2のアミノ酸配列は、他の既知のIL−1リガンドファ
ミリーメンバーに対して有意な相同性を有する。
【0166】 実施例5:本発明のポリペプチドに結合するモノクローナル抗体 本実施例は、IL−1エータに結合するモノクローナル抗体を調製する方法を
説明する。そのような抗体を作成するのに利用され得る好適な免疫原には、限定
しないが、精製されたIL−1エータポリペプチド、又は細胞外ドメインのよう
なその免疫原性フラグメント、又はIL−1エータを含有する融合タンパク質(
例えば、可溶性のIL−1エータ/Fc融合タンパク質)が含まれる。
【0167】 精製されたIL−1エータは、米国特許第4,411,993号に記載のよう
な慣用技術を使用して、それと免疫応答性のモノクローナル抗体を作成するため
に使用され得る。簡潔に言うと、完全フロイントアジュバントに乳化したIL−
1エータ免疫原でマウスを免疫し、10〜100gの範囲の量を皮下又は腹腔内
に注射する。10〜12日後、免疫した動物を、不完全フロイントアジュバント
に乳化したさらなるIL−1エータで追加免疫する。その後、1週〜2週間の免
疫スケジュールに基づいて、マウスを周期的に追加免疫する。後眼窩出血又は尾
先端切除により血清サンプルを周期的に採取し、ドットブロットアッセイ、EL
ISA(酵素結合免疫吸着検定)又はIL−1エータ受容体結合阻害により、I
L−1エータ抗体について検査する。
【0168】 適切な抗体力価の検出に続き、陽性の動物に対し、IL−1エータの生理食塩
水溶液を最後に1回静脈内注射する。3〜4日後、動物を屠殺し、脾臓細胞を採
取し、脾臓細胞をマウス骨髄細胞系、例えばNSIか、好ましくはP3x63A
g8.653(ATCC CRL 1580)に融合させる。融合によりハイブ
リドーマ細胞が作成されるが、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞
ハイブリッドの増殖を阻害するために、これをHAT(ヒポキサンチン、アミノ
プテリン及びチミジン)選択培地において多数のマイクロタイタープレートにお
いて培養する。
【0169】 このハイブリドーマ細胞を、Engvall et al., (Immunochem. 8: 871, 1971)
及び米国特許第4,703,004号に開示された技術の適用により、精製した
IL−1エータに対する反応性につきELISAでスクリーニングする。好まし
いスクリーニング技術は、Beckmann et al., (J. Immunol. 144: 4212, 1900)
に記載の抗体捕捉技術である。陽性のハイブリドーマ細胞を、同系のBALB/
cマウスへ腹腔内注射して、高濃度の抗IL−1エータモノクローナル抗体を含
有する腹水を産生させることができる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、フラ
スコ又はローラーボトルにおいて様々な技術により in vitro で増殖させ得る。
マウス腹水において産生されたモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈澱に
次いで、ゲル排除クロマトグラフィーにより精製され得る。あるいは、IL−1
エータへの結合に基づいたアフィニティー・クロマトグラフィーが使用され得る
ように、プロテインA又はプロテインGに対する抗体の結合に基づいたアフィニ
ティー・クロマトグラフィーも使用し得る。
【0170】 実施例6:ノーザンブロット分析 IL−1エータの組織分布を、以下のように、ノーザンブロット分析により研
究する。放射標識リボプローブのアリコートを、2種の異なるヒト多組織ノーザ
ンブロット(クローンテク、パロアルト、CA;バイオチェイン、パロアルト、
CA)へ加える。このブロットを、10XDenhardts、50mM Tr
is(pH7.5),900mM NaCl,0.1% ピロリン酸Na,1%
SDS,サケ精子DNA200μg/mLにおいてハイブリダイズさせる。ハ
イブリダイゼーションは、さきに記載された(March et al., Nature 315: 641-
647, 1985)のように、50%ホルムアミドにおいて63℃で一晩実施する。次
いで、このブロットを68℃で30分、2X SSC,0.1% SDSととも
に洗浄する。β−アクチン特異的プローブとの対照プロービングに比較して、最
高レベルのIL−1エータ・mRNAを有する細胞及び組織を決定する。
【0171】 実施例7:結合アッセイ 完全長のIL−1エータを発現させ、IL−1エータ受容体に結合する能力に
つき試験することができる。この結合アッセイは以下のように実施し得る。
【0172】 可溶性IL−1エータポリペプチドのN末端に融合したロイシンジッパーペプ
チドを含んでなる融合タンパク質がこのアッセイに利用される。FLAG(登録
商標)ペプチドをコードするDNAを、三量体化を可能にする修飾されたロイシ
ンジッパー部分をコードする配列に置き換えたこと以外は、FLAG(登録商標
)(IL−1エータ)発現構築体の製造についての Wiley et al. (Immunity, 3
: 673-682, 1995; 参照により本明細書に援用される)の記載と本質的に同じよ
うにして、発現構築体を調製する。この構築体は、発現ベクターのpDC409
において、ヒトサイトメガロウイルス由来のリーダー配列と、それに後続する可
溶性エタポリペプチドのN末端に融合したロイシンジッパー部分をコードする。
LZ−IL−1エータはCHO細胞で発現され、培養上清から精製される。
【0173】 pDC409と称される発現ベクターは、McMahan et al. (EMBO J. 10: 2821
-2832, 1991; 参照により本明細書に援用される)に記載のpDC406ベクタ
ーから誘導される哺乳動物の発現ベクターである。(pDC406に比較して)
pDC409へ加えられる特徴には、多重クローニング部位(mcs)における
追加の独特な制限部位;mcsの下流に位置づけられる3つの終止コドン(各リ
ーディングフレームに1つ);及びmcsの下流にある、mcsへ挿入されるD
NAの配列決定を促進するT7ポリメラーゼプロモーターが含まれる。
【0174】 完全長のヒトIL−1エータタンパク質の発現については、コーディング領域
全体(即ち、SEQ ID NO:1に表されるDNA配列)をポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)により増幅する。PCRに利用される鋳型は、実施例1に記載
のような、扁桃から単離したcDNAクローンからの第一鎖cDNAである。単
離されて増幅されたDNAを発現ベクターのpDC409へ挿入し、pDC40
9−IL−1エータと称される構築体を産生する。
【0175】 IL−1エータポリペプチドを利用して、上記のように、組換え又は内因性の
IL−1エータ受容体を発現する宿主細胞に結合する能力について試験する。I
L−1エータ受容体を発現する細胞を、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、スト
レプトマイシン及びグルタミンで補充したDMEMにおいて培養する。LZ−I
L−1エータ(5mg/ml)とともに細胞を約1時間インキュベートする。イ
ンキュベーションの後で、細胞を洗浄して非結合のLZ−IL−1エータを除去
し、ビオチニル化抗LZ−モノクローナル抗体(5mg/ml)、及びフィコエ
リスリンコンジュゲートストレプタビジン(1:400)とともにインキュベー
ションした後で、蛍光活性化細胞スキャニング(FACS)により分析する。こ
のサイトメトリー分析は、FACスキャン(ベクトン・ディキンソン、サンホセ
、CA)に基づいて実施した。
【0176】 IL−1エータ受容体を発現する細胞は、IL−1エータ受容体を発現しない
対照細胞に比較して、LZ−IL−1エータの有意に増強された結合を示した。
【0177】 実施例8:発現分析 クローンテク(パロアルト、CA)ヒト多組織cDNAパネルI(カタログ番
号:K1420−1)及びII(カタログ番号:K1421−1)とヒト免疫パ
ネル(カタログ番号:K1426−1)に存在する第一鎖cDNAを、センス及
びアンチセンスプライマーを使用するPCR増幅によりスクリーニングした。ゲ
ノムDNA及びcDNAから生じる産物が識別され得るように、イントロンを含
むようにプライマーを設計した。ある事例では、ネステッドプライマーを第二の
PCR反応において使用した。遺伝子/組織の各組み合わせについての増幅産物
の存在を、臭化エチジウムで染色したアガロースゲルの分析により判定した。
【0178】 あるいは、ヒト末梢血由来の個々の細胞型を単離し、様々な刺激を実施した(
Kubin et al., Blood 83 (7): 1847-55 (1994); Kubin et al., J Exp Med 180
(1): 211-22 (1994))。NK細胞は、2時間又は4時間の間、IL−12(R&
Dバイオシステムズ;1ng/ml)とともにインキュベートした。T細胞は、
30分又は4時間の間、抗CD3(OKT−3抗体、5ng/mlでプラスチッ
ク上に固定化)、又は抗CD3及び抗CD28(抗CD28抗体は、腹水液の5
00倍希釈液として可溶形態で使用されたCD248であった)の組み合わせで
、刺激するか又は刺激しなかった。単球は、2又は3時間の間、LPS(シグマ
;1μg/ml)で刺激するか又は刺激しなかった。B細胞は、3.5又は4時
間、0.05% SAC及びCD40L三量体(Immunex)500ng/
ml及びIL−4(Immunex)5ng/mlの組み合わせで刺激しないか
、又は刺激した。樹状細胞は、単球と同じように、2又は4時間の間、LPSで
刺激した。RNAの単離と第一鎖cDNAの合成の後で、PCR増幅とゲル分析
を実施した。
【0179】 表1は、クローンテクからの第一鎖cDNAのパネルのPCR分析により導か
れた、IL−1エータ発現のデータを要約する。この表において、「−」は、m
RNAを捜したが見出せなかったことを示す。ポジティブな発現結果は「A」に
より示される。
【0180】
【表1】 表1ヒト組織源 IL−1エータの発現 脾臓 − リンパ節 − 胸腺 − 扁桃 A 骨髄 A 胎児肝臓 − 白血球 − 心臓 A 脳 − 胎盤 A 肺 A 肝臓 − 骨格筋 − 腎臓 − 膵臓 − 前立腺 − 精巣 A 卵巣 − 小腸 − 結腸 A
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 レンショー,ブレア・アール アメリカ合衆国ワシントン州98058,レン トン,サウスイースト・ワンハンドレッド アンドシックスティシックス・コート 16210 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA26 CA03 CA04 CA07 CA09 CA12 CA20 DA01 DA02 DA05 DA12 EA04 GA11 HA13 HA14 4B064 AG04 CA10 CA19 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA58X AA72X AA90X AA93Y AC14 BA02 CA44 CA46 4C085 AA14 AA16 CC03 CC04 CC23 DD33 DD63 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA03 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)SEQ ID NO:1のヌクレオチド112〜58
    5を含んでなるDNA;及び (b)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列をコードするDNA; (c)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列に少なくとも80%同一であるア
    ミノ酸配列をコードするDNA; (d)SEQ ID NO:2のポリペプチドのフラグメントをコードするDN
    A; (e)(a)〜(d)のDNAに中程度にストリンジェントな条件下でハイブリ
    ダイズするDNAの相補体であるDNA;及び (f)(a)〜(e)のDNAに縮重であるDNA からなる群から選択されるDNA。
  2. 【請求項2】 SEQ ID NO:1のヌクレオチド112〜585を含
    んでなるDNA。
  3. 【請求項3】 SEQ ID NO:2のポリペプチドをコードするDNA
  4. 【請求項4】 (a)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含んでなる
    ポリペプチド; (b)SEQ ID NO.2に表されるアミノ酸配列に少なくとも80%同一
    であるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;及び (c)(a)又は(b)のポリペプチドのフラグメントであって、IL−1及び
    IL−1受容体ファミリーメンバーに結合し得る前記フラグメント からなる群から選択されるポリペプチド。
  5. 【請求項5】 SEQ ID NO:2のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNAによりコードさ
    れるポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNAを含んでなる発
    現ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
  9. 【請求項9】 ポリペプチドを産生する方法であって、請求項8に記載の宿
    主細胞をポリペプチドの発現を引き起こす条件下で培養することを含んでなる前
    記方法。
  10. 【請求項10】 請求項4〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドと免疫
    反応する抗体。
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JP2004535185A (ja) アトラクチン/マホガニー様ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、およびそれらを使用する方法

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