JP2003347527A - Simox基板およびその製造方法 - Google Patents

Simox基板およびその製造方法

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JP2003347527A JP2002158181A JP2002158181A JP2003347527A JP 2003347527 A JP2003347527 A JP 2003347527A JP 2002158181 A JP2002158181 A JP 2002158181A JP 2002158181 A JP2002158181 A JP 2002158181A JP 2003347527 A JP2003347527 A JP 2003347527A
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Koji Sueoka
浩治 末岡
Shinsuke Sadamitsu
信介 定光
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Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン注入、高温アニールおよびデバイス形
成の各熱処理時に、金属不純物を十分にゲッタリングす
るSIMOX基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸素イオン注入前に金属不純物のゲッタ
リングが可能なサイズと密度とを有する酸素析出物aを
シリコン単結晶基板10の内部に形成するので、酸素イ
オン注入時に金属不純物を十分にゲッタリングできる。
しかも、イオン注入後の高温アニール時に、酸素析出物
aに起因する多数のパンチアウト転位Pを発生させるの
で、パンチアウト転位Pをゲッタリングサイトとして、
高温アニール時およびデバイス時に、金属不純物をそれ
ぞれ十分にゲッタリングできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はSIMOX基板お
よびその製造方法、詳しくは所定の密度でバルク層の内
部に形成したパンチアウト転位により、埋め込みシリコ
ン酸化膜を形成するための熱処理時だけでなく、デバイ
ス工程での熱処理時にも、不純物を十分にゲッタリング
可能なSIMOX基板の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコン基板上に構成されるLS
Iの高集積化、多機能化の要請がきびしくなるにつれ、
各素子間の分離が重要な課題となっている。その解決方
法の一つとして、SOI(Silicon On In
sulator)基板が開発されている。それまでのL
SIは、厚さ500〜800μmを有するシリコンウェ
ーハの表層(十数μmの厚さ)に、電気回路素子が集積
されていた。これに対してSOI基板は、デバイスを形
成するSOI層と、これを裏面側から支持する支持基板
用ウェーハとの間に、厚さ数μmの埋め込み酸化膜(シ
リコン酸化膜)を介在させたものである。SOI基板で
は、埋め込み酸化膜によって各デバイス間が完全に分離
されている。そのため、3次元構造による多機能化を含
むデバイスの高集積化が図れ、またソフトエラーも低減
して信頼性が高まる。さらには、消費電力も低減する。
【0003】このようなSOI基板の一種として、SI
MOX(Separation by Implant
ed Oxygen)基板が開発されている。SIMO
X基板は、表面シリコン層、埋め込みシリコン酸化膜お
よびバルク層という3つの層により構成されている。S
IMOX基板の製造方法にあっては、例えば酸素イオン
を30〜200keVに加速し、これを表面側からシリ
コン単結晶基板の内部に1018atms/cm3の密度
でイオン注入する。この注入された酸素イオンは、所定
の深さまで侵入してエネルギーを失い酸素原子となる。
そのとき、酸素原子とシリコン原子とが反応し、SiO
2を含むシリコン酸化物が生成される。次に、1100
℃以上の熱処理(以下、高温アニール)により酸素とシ
リコンとを十分に反応させ、SiO、Si23などの結
合状態が弱い低級酸化物の結合力を強化し、絶縁体層で
ある埋め込み酸化膜を形成する。この埋め込み酸化膜の
厚さは、酸素イオンの注入量によって決定される。ここ
でいう結合とは、共有結合、イオン結合、金属結合とい
った分子や結晶を形成する原子またはイオン間の結合で
ある。SIMOX法によれば、1枚のシリコン単結晶基
板によりSOI基板が得られ、シリコン酸化膜の表層の
均一な深さ位置に埋め込みシリコン酸化膜を形成するこ
とができる。さらには、十分に表面研磨したシリコン単
結晶基板を用いれば、のちに再研磨する必要がないとい
った利点がある。
【0004】ところで、SIMOX基板の表面シリコン
層に半導体デバイスを形成するデバイス工程では、表面
シリコン層に対する金属不純物(鉄、銅、ニッケルな
ど)の汚染度合いが重要視される。それだけではなく、
SIMOX基板の特有の課題として、イオン注入工程お
よび続く高温アニール工程で重金属汚染が発生し、これ
が問題となる。これらの工程での重金属汚染によって製
品出荷後も表面シリコン層に金属不純物が残留すると、
表面シリコン層の表面近傍に欠陥や電気的な準位が形成
され、デバイスの特性が劣化する。これにより、デバイ
ス工程での歩留りが低下する。そのため、SIMOX基
板においては、イオン注入からデバイス工程までの継続
したゲッタリング効果が求められることになる。従来、
このような重金属汚染の対策として、シリコン単結晶基
板の内部に、前記金属不純物のゲッタリングサイトとな
る酸素析出物などを形成するIG(Intrinsic
Gettering)処理、および、基板裏面に金属
不純物をゲッタリングする多結晶シリコン膜などを堆積
するEG(ExtrinsicGettering)処
理などが知られている。酸素析出物とは、熱処理過程で
シリコン中に存在する酸素が、無定形なクリストバライ
トなどの化合物として析出したものである。その大きさ
は10〜500nm程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IGに
よる金属不純物のゲッタリングによれば、ほとんどの酸
素析出物は高温アニール時の熱によって溶体化する。そ
の結果、デバイス工程で必要なゲッタリングサイト(I
G)が確保されにくかった。また、EGによれば、高温
アニール時の熱により多結晶シリコンが単結晶化してし
まい、金属不純物のゲッタリングができなくなるおそれ
があった。しかも、高温アニールは酸素雰囲気中で行わ
れる。そのため、多結晶シリコンの大部分は酸素と結合
し、酸化シリコンとなっていた。その結果、デバイス工
程で必要とされるゲッタリングサイト(EG)を、十分
に確保することができなかった。
【0006】そこで、発明者は、鋭意研究の結果、酸素
析出物よりもゲッタリング効果が大きいパンチアウト転
位(50nm〜1μm程度)に着目した。パンチアウト
転位とは、酸素析出物が周囲に形成する歪みがある臨界
値を超えた際に生じる転位ループ(POD:Punch
ed−out dislocation loop)で
ある。すなわち、酸素イオン注入前に酸素析出物をシリ
コン単結晶基板の内部に形成しておき、その後の高温ア
ニール時に、この酸素析出物に起因したパンチアウト転
位を発生させれば、このパンチアウト転位によって、ゲ
ッタリングサイトを確保することができることを知見
し、この発明を完成させた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、デバイス工程での熱処理時
に、金属不純物を十分にゲッタリングすることができる
SIMOX基板を提供することを、その目的としてい
る。また、この発明は、イオン注入工程、高温アニール
工程およびデバイス工程の各熱処理時に、金属不純物を
十分にゲッタリングすることができるSIMOX基板の
製造方法を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、表面シリコン層とバルク層との間に、イオン注入お
よび熱処理により埋め込みシリコン酸化膜が形成された
SIMOX基板において、前記バルク層が、パンチアウ
ト転位を103個/cm2以上の密度で含有しているSI
MOX基板である。表面シリコン層の厚さは、例えば
0.01〜0.3μmである。また、埋め込みシリコン
酸化膜の厚さは、例えば0.1〜0.5μmである。好
ましいパンチアウト転位の密度は、103〜106個/c
2である。103個/cm2未満では、不純物のゲッタ
リング効果が不十分であるという不都合が生じる。
【0009】請求項2に記載の発明は、シリコン単結晶
基板の内部に、対角線長をL(nm)とし、密度をD
(個/cm3)とした場合、L×D>107(nm・個/
cm3)の関係を有した酸素析出物を形成する酸素析出
物形成工程と、この酸素析出物形成工程後、前記シリコ
ン単結晶基板の表面から酸素イオンを注入し、所定の深
さでこの酸素をシリコンと結合させるイオン注入工程
と、このイオン注入工程後、前記シリコン単結晶基板を
900〜1050℃で4時間以上熱処理し、前記酸素と
シリコンとの結合部分に埋め込みシリコン酸化膜を形成
するとともに、前記シリコン単結晶基板の表面側に表面
シリコン層を形成する熱処理工程とを備えたSIMOX
基板の製造方法である。
【0010】酸素析出物の対角線長および密度は、例え
ば光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡(TEM)などによる
観察で測定することができる。または、熱処理条件を入
力してフォッカープランク方程式を用いた計算機を用い
たシュミレーションから求めることができる。このシミ
ュレ−ションは、Schremsらにより開発されたも
のである(M.Schrems et al.,Sem
iconductor Silicon 1990,p
144)。以下、その概略を述べる。シリコン単結晶中
における酸素析出挙動を、酸素析出物半径rと熱処理時
間tを関数とするサイズ分布関数f(r、t)を用いて
表し、f(r、t)の時間変化を下記のフォッカープラ
ンク方程式を解くことで求める。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】ここで数2式中のA(r、t)とB(r、
t)とは次の関係を満たす。
【0014】
【数3】
【0015】数3式において、kはボルツマン定数を、
Tは絶対温度を、また、△G=△G(r、t)は半径r
の酸素析出物形成に伴うGibbsの自由エネルギー変
化量をそれぞれ表している。そして、任意の熱処理後の
f(r、t)から、酸素析出物の密度D、及び板状酸素
析出物の対角線長Lを次式により計算する。
【0016】
【数4】
【0017】
【数5】
【0018】ここで、βは板状酸素析出物のアスペクト
比(板状酸素析出物の厚さ/対角線長)であり、0.0
1程度の値をとる。このL×D>107は、次の知見を
意味している。すなわち、この酸素析出物が光学顕微鏡
で観察できないほど微細であっても、酸素析出物の密度
が大きければ十分なIG能力を有する場合がある。すな
わち、この微小な酸素析出物の集合物により、高温アニ
ール時にパンチアウト転位を発生させることができる場
合がある。
【0019】好ましいL×Dの関係は、5×107以上
である。L×Dが107未満では、バルク層の内部にパ
ンチアウト転位を103個/cm2以上の密度で形成する
酸素析出物を確保することができない。シリコン単結晶
基板の好ましい熱処理温度は、950〜1030℃であ
る。900℃未満では、パンチアウト転位の発生に実用
的でない熱処理時間(数十時間)が必要になるという不
都合が生じる。1050℃を超えると、酸素析出物周囲
の歪みが緩和されパンチアウト転位が発生しにくいとい
う不都合が生じる。また、シリコン単結晶基板の好まし
い熱処理時間は4〜8時間である。4時間未満では、酸
素析出物周囲の歪みが余り大きくなく、パンチアウト転
位が発生しにくいという不都合が生じる。
【0020】請求項3に記載の発明は、前記酸素析出物
形成工程では、CZ法により引き上げてウェーハ加工さ
れ、初期酸素濃度が1×1018atms/cm3以上の
シリコン単結晶基板に対して、1000℃以下で1時間
以上の熱処理を施す請求項2に記載のSIMOX基板の
製造方法である。初期酸素濃度とは、シリコン単結晶基
板の基になるCZ法により引き上げられ、熱処理が施さ
れる前のAs−grown状態の単結晶シリコンインゴ
ットの中に含まれている酸素の濃度である。好ましい初
期酸素濃度は、1.2×1018〜1.6×1018atm
s/cm3である。1×1018atms/cm3未満で
は、請求項2の条件を満たす酸素析出物の形成が困難に
なるという不都合が生じる。
【0021】
【作用】請求項1に記載のSIMOX基板によれば、バ
ルク層の内部にパンチアウト転位が103個/cm2以上
の密度で存在しているので、デバイス工程の熱処理時
に、このSIMOX基板の内部の金属不純物が十分にゲ
ッタリングされ、デバイス工程の熱処理時における重金
属汚染を解消することができる。
【0022】また、請求項2に記載のSIMOX基板の
製造方法によれば、酸素イオン注入前に、金属不純物の
ゲッタリングが可能なサイズと密度とを有する酸素析出
物を、シリコン単結晶基板の内部に形成しておく。これ
により、イオン注入時、シリコン単結晶基板内の金属不
純物が酸素析出物に十分にゲッタリングされ、イオン注
入時の重金属汚染を解消することができる。続く、高温
アニール時では、注入された酸素とシリコンとの結合部
分に埋め込みシリコン酸化膜が形成される。しかも、バ
ルク層の内部では酸素析出物に起因したパンチアウト転
位が発生する。このパンチアウト転位の一部により、高
温アニール時のシリコン単結晶基板の内部の金属不純物
が十分にゲッタリングされる。しかも、高温アニール
後、バルク層には103個/cm2以上のパンチアウト転
位が残存する。この残ったパンチアウト転位が、デバイ
ス工程の熱処理時における金属不純物のゲッタリングサ
イトとなる。以上のことから、イオン注入時、高温アニ
ール時、および、デバイス工程における各熱処理時にお
いて、金属不純物を十分にゲッタリングすることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例に係るS
IMOX基板およびその製造方法を説明する。図1は、
この発明の一実施例に係るSIMOX基板の製造方法を
示すフローシートである。この一実施例によれば、初期
酸素濃度が1×1018atms/cm3以上の単結晶シ
リコンインゴットをCZ法により引き上げる。引き上げ
条件は、引き上げ速度1.0mm/min、結晶回転速
度15rpm、るつぼ回転速度10rpmである。その
後、この得られた単結晶シリコンインゴットに、ブロッ
ク切断、スライス、面取り、鏡面研磨などを施す。これ
により、厚さ725μm、直径200mmの鏡面仕上げ
されたシリコン単結晶基板10を用意する(図1
(a))。次に、シリコン単結晶基板10を加熱炉に挿
入し、アルゴンガスを含む70%の酸素ガス雰囲気下の
炉内で800℃、8時間の熱処理を施す(図1
(b))。これにより、シリコン単結晶基板10の内部
に、析出物サイズLが50nm、密度Dが1010個/c
3の酸素析出物aが形成される。この析出物サイズと
密度は、ニッケルをゲッタリング可能な程度である。
【0024】次にまた、中電流イオン注入装置を使用し
て、100keVの加速電圧により、シリコン単結晶基
板10の内部に、その表面側から酸素イオンを1018
tms/cm3で注入する(図1(c))。次いで、シ
リコン単結晶基板10をあらかじめ700℃に保持した
熱処理炉に投入し、1000℃で4時間、高温アニール
を施す(図1(d))。これにより、バルク層13内に
50nm〜1μmのパンチアウト転位Pが、105〜1
6個/cm2の密度で形成される。すなわち、酸素析出
物(SiO2)が成長する際、シリコンと酸素が反応し
てSiO2となる。このとき、SiO21分子の体積はS
i1原子の体積の約2倍なので、周囲のシリコンを圧縮
する格子歪みを緩和するため、周囲のシリコン中に格子
間型のパンチアウト転位ループが発生する。
【0025】その後、炉内温度を1320℃まで昇温
し、その温度を10時間保持する。これにより、イオン
注入された酸素bとシリコンとの結合部分に、厚さ0.
4μmの埋め込みシリコン酸化膜12が形成される。こ
うして、シリコン単結晶基板10の表面側に厚さ0.1
μmの表面シリコン層11、シリコン単結晶基板の裏面
側に厚さ724.5μmのバルク層13が分離・形成さ
れる(図1(e))。しかも、この高温アニール時に、
一部のパンチアウト転位Pにより、シリコン単結晶基板
10の内部に存在する金属不純物が十分にゲッタリング
される。この高温アニール後も、バルク層13の内部に
は、103個/cm2以上の密度のパンチアウト転位Pが
残存する。その後、炉内温度が700℃になるまで冷却
し、得られたSIMOX基板20を炉内より取り出す。
【0026】このように、SIMOX基板20にあって
は、バルク層13の内部にパンチアウト転位Pが103
個/cm2以上存在するので、デバイス工程における熱
処理時に、SIMOX基板20の内部に含まれる銅、ニ
ッケルといった金属不純物を十分にゲッタリングするこ
とができる。その結果、デバイス工程の熱処理時におけ
る重金属汚染を解消することができる。また、酸素イオ
ン注入前、金属不純物のゲッタリングが可能なL×D>
107というサイズと密度との関係を有する酸素析出物
aをシリコン単結晶基板10の内部に形成するので、イ
オン注入時、シリコン単結晶基板10内の金属不純物が
酸素析出物aに十分にゲッタリングされる。これによ
り、イオン注入時の重金属汚染を解消することができ
る。続く、高温アニール時では、注入された酸素bとシ
リコンとの結合部分に埋め込みシリコン酸化膜12が形
成される。しかも、バルク層13の内部では酸素析出物
aに起因したパンチアウト転位Pが発生し、この発生し
たパンチアウト転位Pの一部により、高温アニール時の
SIMOX基板20の内部の金属不純物を十分にゲッタ
リングすることができる。
【0027】ここで、表1に基づき、この発明のSIM
OX基板(試験例1,2)と、従来のSIMOX基板
(比較例1〜6)とについて、イオン注入、高温熱処理
およびデバイス形成の各工程での銅汚染についての試験
結果を報告する。汚染度合いは、原子吸光法による測定
で求めた。
【0028】
【表1】
【0029】表1のグラフから明らかなように、試験例
1,2のSIMOX基板では、イオン注入後、高温熱処
理後およびデバイス形成後のいずれの場合でも、銅濃度
は検出限界の5×109/cm2未満であった。これは、
試験例1,2のSIMOX基板が十分な銅のIG能力を
有していたことを意味する。これに対して、比較例1〜
6のSIMOX基板の場合では、所定の工程で銅汚染が
検出された。すなわち、試験例1,2のSIMOX基板
の方が、イオン注入工程、高温熱処理工程、デバイス形
成工程でのIG効果が優れていた。デバイス工程での銅
のIG効果の判断については、まず各SIMOX基板の
表面を、1×1012/cm2の濃度の銅でそれぞれ汚染
する。次いで、950℃、10分の熱処理を施し、それ
ぞれの汚染源である銅を基板内部に拡散させ、それから
室温で10日間保持し、各基板表面の銅濃度を測定し
た。
【0030】透過型電子顕微鏡による観察の結果、試験
例1,2のSIMOX基板には、高温アニール後、バル
ク層内にパンチアウト転位が105/cm2程度の密度で
検出された。これに対して、比較例1〜6のSIMOX
基板のバルク層にはパンチアウト転位は観察されなかっ
た。参考として、SIMOX基板の裏面に多結晶シリコ
ンを約1μm堆積させたEG基板についても銅汚染の試
験結果を報告する。評価には、同じく原子吸光法を採用
した。基板裏面に堆積した多結晶シリコンは、高温アニ
ール後、約0.6μmが酸化シリコンに変化し、残りも
単結晶化していた。これにより、デバイス形成後、銅が
汚染量相当の約1×1012/cm2の濃度で検出され
た。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載のSIMOX基板によれ
ば、SIMOX基板のバルク層が、パンチアウト転位を
103個/cm2以上の密度で含有しているので、デバイ
ス工程の熱処理時に、金属不純物を十分にゲッタリング
することができる。
【0032】また、請求項2に記載のSIMOX基板の
製造方法によれば、酸素イオン注入前に酸素析出物をシ
リコン単結晶基板の内部に形成するので、酸素イオン注
入時に金属不純物を十分にゲッタリングすることができ
る。イオン注入後の高温アニール時に、酸素析出物に起
因する多数のパンチアウト転位を発生させるので、この
パンチアウト転位をゲッタリングサイトとして、高温ア
ニール工程およびデバイス工程で、金属不純物をそれぞ
れ十分にゲッタリングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るSIMOX基板の製
造方法を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 シリコン単結晶基板、 11 表面シリコン層、 12 埋め込みシリコン酸化膜、 13 バルク層、 20 SIMOX基板、 P パンチアウト転位、 a 酸素析出物、 b 酸素。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面シリコン層とバルク層との間に、イ
    オン注入および熱処理により埋め込みシリコン酸化膜が
    形成されたSIMOX基板において、 前記バルク層が、パンチアウト転位を103個/cm2
    上の密度で含有しているSIMOX基板。
  2. 【請求項2】 シリコン単結晶基板の内部に、対角線長
    をL(nm)とし、密度をD(個/cm3)とした場
    合、L×D>107(nm・個/cm3)の関係を有した
    酸素析出物を形成する酸素析出物形成工程と、 この酸素析出物形成工程後、前記シリコン単結晶基板の
    表面から酸素イオンを注入し、所定の深さでこの酸素を
    シリコンと結合させるイオン注入工程と、 このイオン注入工程後、前記シリコン単結晶基板を90
    0〜1050℃で4時間以上熱処理し、前記酸素とシリ
    コンとの結合部分に埋め込みシリコン酸化膜を形成する
    とともに、前記シリコン単結晶基板の表面側に表面シリ
    コン層を形成する熱処理工程とを備えたSIMOX基板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸素析出物形成工程では、 CZ法により引き上げられてウェーハ加工され、初期酸
    素濃度が1×1018atms/cm3以上のシリコン単
    結晶基板に対して、1000℃以下で1時間以上の熱処
    理を施す請求項2に記載のSIMOX基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005302947A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Sumco Corp Soi基板の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302947A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Sumco Corp Soi基板の製造方法
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