JP2003344458A - 光電圧・電界センサ - Google Patents

光電圧・電界センサ

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JP2003344458A
JP2003344458A JP2002157569A JP2002157569A JP2003344458A JP 2003344458 A JP2003344458 A JP 2003344458A JP 2002157569 A JP2002157569 A JP 2002157569A JP 2002157569 A JP2002157569 A JP 2002157569A JP 2003344458 A JP2003344458 A JP 2003344458A
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Keita Ito
啓太 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度特性を損なわずにセンサ感度を上げた光
電圧・電界センサを提供する。 【解決手段】 光路に沿って偏光子2、電気光学結晶3
a,3b、波長板4、検光子5が順に配置されてなる光
電圧・電界センサにおいて、電気光学結晶としてBi
12GeO20からなる電気光学結晶3a,3bを複数
個設け、各電気光学結晶にそれぞれ同一の電圧又は電界
を印加7する。また、光源の波長に応じ、複数個の電気
光学結晶3a,3bの光路長の合計をBi12GeO
20の旋光能による直線偏光の回転角度が45°となる
長さLに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はBi12GeO20
単結晶(以下、BGOと略す)の電気光学効果(Pockels効
果)を応用した光電圧・電界センサに関し、特にそのセ
ンサ感度(変調度)の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力系統の電圧測定には、電圧変成器が
広く用いられている。しかしながら、この電圧変成器は
測定すべき系統電圧が高くなるほど大型化してしまい、
コストおよび設置スペースが嵩むという問題がある。特
にGISと称される不活性ガスを用いたガス絶縁開閉装
置では、小型化および省スペース化が強く要求され、こ
のような電圧変成器を搭載することが困難になってい
る。このため、電気光学効果を有する単結晶を用いた光
電圧・電界センサが用いられるようになってきている。
【0003】図4は特公平7−60164号公報に示さ
れた従来の光電圧・電界センサの概略構成図である。図
4において、1は信号処理部の発光ダイオード(図示せ
ず)から光ファイバー(図示せず)を介して光電圧・電界
センサに送られてきた光、2は偏光子、3は電気光学結
晶、4は波長板、5は検光子、6は電気光学結晶3の光
の通過面に蒸着した透明電極、7は交流電圧、8は偏光
子2の偏光方向を示す矢印、9は検光子5の偏光方向を
示す矢印、10は電気光学効果による複屈折軸方向を示
す矢印、11は波長板4の軸方向を示す矢印、12は光
検出器である。
【0004】次に動作について説明する。図4におい
て、信号処理部の発光ダイオードから出射された光1は
光ファイバーを介して偏光子2に入射され、偏光子の偏
光方向8の直線偏光だけが透過する。電気光学結晶3の
透明電極6に交流電圧7を印加すると、波長板4を通過
した光1の偏光状態が電圧の極性に応じて変化して、検
光子5を通過する光1の量が変化し、その変化量を光検
出器12で検知することができる。
【0005】電気光学結晶3にBGOを用いた場合、光
検出器12に入る光量Iは次式で与えられる。
【0006】 I=(1/2)I(1−cosΔcosφ+sinΔsinφ Γ/φ) (1) 但し、 Γ=2π/λ n γ41V (2) φ={Γ+(2θl)1/2 (3) であり、 I:偏光子出射光量 Γ:BGOの電気光学効果による直線複屈折 φ:BGOの旋光能 l:BGOの光路長 λ:光の波長 n:BGOの屈折率 γ41:BGOの電気光学係数 V:印加交流電圧 Δ:波長板の位相差
【0007】である。偏光子出射光量Iの変化による
誤差、及び光量Iの光検出器12までの伝送損失による
誤差を取り除くため、光量Iの直流成分IDCと交流成
分I ACを検出して割り算を行うことで印加交流電圧を
検出すると、
【0008】 IDC=(1/2)I(1−cosΔcosφ) (4) IAC=(1/2)I sinΔsinφ Γ/φ (5)
【0009】となり、割算後のセンサ感度ηは、 η=IAC/IDC=sinΔ sinφ/(1−cosΔcosφ)Γ/φ (6)
【0010】となる。微小交流電圧(Γ<<2θl)にお
いては、φはほぼ一定であり、センサ感度はΓを介して
電圧Vに比例する。また、このような光学部品の配置に
より形成された光電圧・電界センサではBGOの旋光能
による直線偏光の回転角度が45°になるように設定す
れば、BGOの屈折率や電気光学係数等の物性定数の温
度変化がセンサ感度に及ぼす影響を実質的に零にするこ
とができ、環境温度の影響を受けない安定した感度を有
するセンサを得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の光
電圧・電界センサにおいては、光電圧・電界センサのダ
イナミックレンジを広く取る要求があるが、印加交流電
圧が低い領域ではS/Nが悪く、信頼性が得られない問
題があった。そこで、S/Nを向上させるために、セン
サ感度を上げることが要求されている。また、光電圧・
電界センサの使用温度範囲におけるセンサ感度の誤差
(温度特性)がなるべく小さいことが望ましい。
【0012】ダイナミックレンジが広く取れ、且つ印加
交流電圧が低い領域でのS/Nを向上させるために、セ
ンサ感度を上げるとともに、使用温度範囲におけるセン
サ感度の誤差(温度特性)がなるべく小さい光電圧・電界
センサを得ることが最優先課題である。また、光電圧・
電界センサの開発並びに製造コスト低減のため、波長板
をはじめとする光学素子の仕様変更は行わないことも課
題の一つである。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、温度特性を損なわずにセンサ感度を上
げた光電圧・電界センサを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、本発
明は、光路に沿って偏光子、電気光学結晶、波長板、検
光子が順に配置されてなる光電圧・電界センサにおい
て、前記電気光学結晶としてBi12GeO20からな
る電気光学結晶を複数個設け、前記各電気光学結晶にそ
れぞれ同一の電圧又は電界を印加することを特徴とする
光電圧・電界センサにある。
【0015】また、光源の波長に応じ、前記複数個の電
気光学結晶の光路長の合計をBi GeO20の旋光
能による直線偏光の回転角度が45°となる長さLに設
定することを特徴とする。
【0016】また、前記電気光学結晶の光路長をBi
12GeO20の旋光能による直線偏光の回転角度が4
5°となる長さLの1/n(nは整数)にし、その電気光
学結晶を光路に沿って順にn個配置したことを特徴とす
る。
【0017】光電圧・電界センサの感度はBGOの光路
長に依存しており、光路が短いほど感度が大きくなる。
しかしながら、温度特性を実質的に零にするためにはB
GOの光路長をBGOの旋光能による直線偏光の回転角
度が45°になるように設定しなければならない。複数
のBGOを用いて、これら複数のBGOの旋光能による
直線偏光の回転角度が45°になるように設定すれば、
温度特性を実質的に零としたままで、BGOの個数に応
じてセンサ感度を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下本発明を実施
の形態に従って説明する。図1は本発明の実施の形態1
による光電圧・電界センサの概略構成図である。本説明
では光源波長として850nmの光を用い、BGOの光
路長はBGOの旋光能による直線偏光の回転角度が45
°となる長さL(以下、Lと略す)の1/2とし、このB
GOを2個直列に配置した場合について述べる。
【0019】図1において、1は信号処理部の発光ダイ
オード(図示せず)から光ファイバー(図示せず)を介して
光電圧・電界センサに送られてきた光、2は偏光子、3
aは光路長がL/2の第1の電気光学結晶、3bは光路
長がL/2の第2の電気光学結晶、4は波長板、5は検
光子、6は電気光学結晶3a及び電気光学結晶3bの光
の通過面に蒸着した透明電極、7は第1,第2の電気光
学結晶3a,3bの透明電極6に印加する交流電圧、8
は偏光子2の偏光方向を示す矢印、9は検光子5の偏光
方向を示す矢印、10は電気光学効果による複屈折軸方
向を示す矢印、11は波長板4の軸方向を示す矢印、1
2は光検出器である。
【0020】図1において、信号処理部の発光ダイオー
ドから出射された光1は光ファイバーを介して偏光子2
に入射され、偏光子2の偏光方向8の直線偏光だけが透
過する。電気光学結晶3aと電気光学結晶3bの透明電
極6に交流電圧7を並列に印加すると、波長板4を通過
した光1の偏光状態が電圧の極性に応じて変化して、検
光子5を通過する光1の量が変化し、その変化量を光検
出器12で検知することができる。
【0021】電気光学結晶にBGOを用いた場合、従来
の光電圧・電界センサのセンサ感度ηは、BGOの光路
長をLにしており、この場合BGOの旋光能φは90°
(π/2)であるので、波長板の位相差Δは90°(sinΔ
=1、cosΔ=0)を考慮すると、(6)式から、
【0022】η=2Γ/π (7)
【0023】となる。一方、本実施の形態1の場合、光
路長がL/2のBGOを2個直列に配置しているので、
光検出器12に入る光量Iは次式で与えられる。
【0024】 I=(1/2)I(1−cosΔcos2φ+sinΔsin2φ Γ/φ) (8)
【0025】このセンサ感度ηは、BGOの光路長がL
/2なので、BGOの旋光能φは45°(π/4)である
ので、波長板の位相差Δは90°(sinΔ=1、cosΔ=
0)を考慮すると、(8)式から、
【0026】
【0027】となり、本発明の光電圧・電界センサで得
られるセンサ感度は従来の光電圧・電界センサの2倍と
なり、センサ感度が向上する。一方、温度特性はBGO
の光路長で決まるが、本発明の光電圧・電界センサの場
合、BGOの光路長の合計はLであり、従来技術で述べ
た内容と同じ原理によりセンサの温度特性を実質的に零
にできる。
【0028】本発明によれば、光路長がL/2のBGO
を2個直列に配置することで、温度特性を実質的に零と
したまま、光路長がLのBGOを1個用いる場合と比較
して、センサ感度を2倍(=(9)式/(7)式)にできる。
【0029】図2に示す通り、センサ感度は光路長がL
のBGOを1個用いた場合がηに対して、光路長がL
/2のBGOを2個直列に用いた場合が2.0ηとな
り、2倍の値が得られた。また、図3に示す通り、光電
圧・電界センサの使用温度範囲(−20℃から+60℃)
におけるセンサ感度の誤差(温度特性)は従来品の代表値
とほぼ同じ傾向を示し、温度特性を満足することが検証
された。
【0030】本実施の形態1では光路長がL/2となる
BGOを2個直列に用いたが、L/3となるBGOを3
個直列に用いれば、光検出器12に入る光量Iは次式で
与えられる。
【0031】 I=(1/2)I(1−cosΔcos3φ+sinΔsin3φ Γ/φ) (10)
【0032】このセンサ感度ηは、BGOの光路長がL
/3なので、BGOの旋光能φは30°(π/6)である
ので、波長板の位相差Δは90°(sinΔ=1、cosΔ=
0)を考慮すると、(10)式から、
【0033】
【0034】となる。光路長がLのBGOを1個用いる
場合と比較して、センサ感度を3倍(=(11)式/(7)
式)にできる。従って、1個のBGOの光路長をL/n
(nは整数)にした場合、そのBGOをn個直列に配置す
ることで、電気光学素子以外の光学素子の仕様と温度特
性は変化させず、センサ感度をn倍にできる。
【0035】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、光路に
沿って偏光子、電気光学結晶、波長板、検光子が順に配
置されてなる光電圧・電界センサにおいて、前記電気光
学結晶としてBi12GeO20からなる電気光学結晶
を複数個設け、前記各電気光学結晶にそれぞれ同一の電
圧又は電界を印加することを特徴とする光電圧・電界セ
ンサとしたので、Bi12GeO20からなる電気光学
結晶の個数に応じてセンサ感度を向上させることができ
る。また波長板をはじめとする光学素子の仕様変更は行
わないので製造コストが上がることがない。
【0036】また、光源の波長に応じ、前記複数個の電
気光学結晶の光路長の合計をBi GeO20の旋光
能による直線偏光の回転角度が45°となる長さLに設
定することを特徴としたので、温度特性を実質的に零と
したままで、Bi12GeO 20からなる電気光学結晶
の個数に応じてセンサ感度を向上させることができる。
【0037】また、前記電気光学結晶の光路長をBi
12GeO20の旋光能による直線偏光の回転角度が4
5°となる長さLの1/n(nは整数)にし、その電気光
学結晶を光路に沿って順にn個配置したことを特徴とし
たので、電気光学結晶以外の光学素子の仕様と温度特性
は変化させず、センサ感度をn倍にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による光電圧・電界セ
ンサの概略構成図である。
【図2】 本発明による光電圧・電界センサのセンサ感
度測定結果の説明図である。
【図3】 本発明による光電圧・電界センサの温度特性
試験結果の説明図である。
【図4】 従来の光電圧・電界センサの概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 光、2 偏光子、3a 第1の電気光学結晶、3b
第2の電気光学結晶、4 波長板、5 検光子、6
透明電極、7 交流電圧、8 偏光子の偏光方向を示す
矢印、9 検光子の偏光方向を示す矢印、10 電気光
学効果による複屈折軸方向を示す矢印、11 波長板の
軸方向を示す矢印、12 光検出器。
フロントページの続き (72)発明者 伊東 啓太 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 越智 直輝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G025 AA12 AB11 AC06 AC07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光路に沿って偏光子、電気光学結晶、波
    長板、検光子が順に配置されてなる光電圧・電界センサ
    において、前記電気光学結晶としてBi12GeO20
    からなる電気光学結晶を複数個設け、前記各電気光学結
    晶にそれぞれ同一の電圧又は電界を印加することを特徴
    とする光電圧・電界センサ。
  2. 【請求項2】 光源の波長に応じ、前記複数個の電気光
    学結晶の光路長の合計をBi12GeO20の旋光能に
    よる直線偏光の回転角度が45°となる長さLに設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光電圧・電界セン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記電気光学結晶の光路長をBi12
    eO20の旋光能による直線偏光の回転角度が45°と
    なる長さLの1/n(nは整数)にし、その電気光学結晶
    を光路に沿って順にn個配置したことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の光電圧・電界センサ。
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