JP2003344048A - 森林情報処理システム - Google Patents
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Abstract
撮影画像情報と樹高情報から当該森林地域の樹木材積を
自動計測する森林情報処理システムを提供する。 【解決手段】 飛行体搭載の撮影センサーと距離センサ
ーで、森林地域の上空から森林撮影画像と樹高情報を取
得する。森林撮影画像から樹冠形状を抽出し、該森林地
域内の立木本数を取得する樹冠形状抽出手段1、抽出し
た樹冠形状の範囲内の森林撮影画像に含まれる色情報に
より、色統計情報を参照して当該樹冠の樹種を取得する
樹種分類手段2、樹高情報と森林撮影画像を位置合せし
て重ね合せ、樹冠形状範囲内の樹高情報のうち最大値を
抽出して当該樹冠の樹高を取得する樹高計測手段3、取
得した立木本数と樹高とにより、当該樹種に応じて樹木
毎の材積を計算する材積計算手段4を有する。
Description
上空から取得した樹木情報に基づいて森林を評価する森
林情報処理システムに関し、特に、森林地域を航空機等
で上空から取得した森林画像情報と、上空から距離計測
手段により計測した該地域の樹高情報とにより、該地域
の森林を評価するための森林材積を求める森林情報処理
システムに関する。
地域の比較的狭い地域について予め調査区域として定め
て、森林地域に実際に赴き、異なる樹木の分布状態、樹
木の埴生の疎密状態、樹木の幹の直径及び樹高などを各
種計測器又は目視により測定し、この調査区域内での実
地調査結果に基づいて、当該調査区域の森林を評価して
いた。狭い森林地域を広大な森林地域を代表させ、この
ような部分的な調査結果に基づいた推測により森林地域
全体を評価している。
図、或いは、航空写真を参考にして森林地域内の一部分
を調査区域として定める。 (b)適当な交通手段を用いて調査区域の近くまで行っ
て、徒歩により調査区域に入る。 (C)GPS(Global Positioning System)が利用可能
であれば、GPSを用いて調査地点の位置を求める。G
PSが利用不可能であれば周辺の地形状況などから調査
地点の位置を特定する。 (d)調査結果を地図及び調査ノートなどに記入する。 というようなものであった。
球温暖化対策が検討されている。その温暖化防止策の例
として、世界各地における植林活動が、より経済的に炭
酸ガス削減目標を達成するものとして行われている。ど
のような対策が温暖化防止策として採られるにしても、
森林の炭素ストック変化を正確に計測することが必要で
ある。そこで、森林による炭素ストック変化を算定する
ためには、材積・樹高・樹冠疎密度・樹冠径区分などの
情報をモニタリングすることは重要である。
で採用されている従来の材積計測方法においては、森林
地域を上空から撮影した航空写真を目視で判読するとい
うやり方で行われ、樹種・樹高・立木密度情報を推定す
るものであった。さらに、それらの情報の精度を上げる
ために、上述した現地調査による森林地域評価手順に従
った調査員による現地調査情報を加えて推定していた。
の技術レベルに大きく依存するものであり、その判読結
果は、科学的な、或いは、客観的な情報とは言いがたい
場合もあった。また、現地調査する場合には、調査地が
危険な急傾斜であったり、崩落しやすい地形であったり
と、種々の危険性があり、森林地域を現地調査すること
は、厳しいものであった。
用できない山地となることが多いため、調査区域内での
移動は徒歩に頼らざるを得ず、現地調査には多大な費用
と労力がかかるという問題があった。更に、調査区域内
の樹種及び樹齢が、他の地域の樹種及び樹齢と同一と仮
定しても、樹木の立地条件の違いによって樹木の生育状
態が異なるため、限定された調査区域での調査結果に基
づいて森林地域全体を正確に評価することは極めて困難
であった。
Sの人工衛星からの位置情報データを受信できない場合
が多く、このため、調査地点の位置を正確に求めるのは
困難な場合が多かった。
する際に重要な要素となっている樹木材積を科学的かつ
客観的に計測するために、上空から撮影された森林画像
情報と、上空から取得した樹木高さ情報とから当該森林
地域の樹木材積を自動計測できる森林情報処理システム
を提供することを目的とし、この森林情報処理システム
によって、広い地域の森林について樹木材積の調査が必
要である場合、各地の森林特性や判読者の技量といった
計測誤差の要因を回避でき、現地調査を省略できるよう
にすることを目的とする。
解決するために、本発明では、飛行体搭載の画像センサ
ーと距離センサーとで取得される情報に基づいた森林情
報処理システムにおいて、森林地域を上空から取得した
森林画像情報に基づいて樹冠形状情報を抽出する樹冠形
状抽出手段と、前記森林地域の上空から取得した樹高情
報と前記森林画像情報を重ね合せ、前記樹冠形状の範囲
内に含まれる前記樹高情報のうち最大値を抽出して当該
樹冠の樹高とする樹高計測手段とを備えた。
林画像情報にウォーターシェド・アルゴリズムを適用し
て前記樹冠形状情報を抽出するものであり、前記森林画
像情報内で生成された前記樹冠形状情報に基づいて前記
森林地域内の立木本数を取得することとした。
記森林画像情報に含まれる色情報を前記樹冠形状に基づ
いて抽出し、色統計情報を参照して当該樹冠の樹種を取
得する樹種分類手段が備えられる。
いて、前記樹種に応じて樹木の材積を計算する計算手段
が備えられ、該計算手段は、前記樹木毎の材積を、材積
推定式 V=(B1・HB2+B3・HB4/N)-1 〔但し、Vは材積(m3/ha)、Hは樹高(m)、N
は1haあたりの立木本数であり、B1乃至B4は、樹
種や森林地域に従って決定される係数である〕に従って
計算することとした。
置情報と共に取得され、前記樹高情報は、当該計測位置
情報と共に計測され、前記森林画像情報と前記樹高情報
との重ね合せは、該取得位置情報と該計測位置情報とに
基づいて行われ、或いは、前記森林情報処理システムに
使用される前記森林画像情報と前記樹高情報は、同一飛
行体に搭載された画像取得手段と距離計測手段により取
得されることとした。
林地域を上空から撮影した森林画像情報に基づいて樹冠
形状情報を抽出する樹冠形状抽出手段と、前記森林地域
の画像内で生成された前記樹冠形状情報に基づいて、前
記森林地域内の立木本数を取得する立木本数計測手段と
を備え、前記立木本数計測手段は、前記森林地域内に形
成された前記樹冠形状の重心点を計数し、該計数値を立
木本数とすることを特徴とした。
システムの実施形態について、図を参照しながら説明す
る。
ようとしている森林の一部について、その概略を鳥瞰図
で示した。同図には、種類の異なる或いは大きさの異な
る樹木T1乃至T6が地表面に生えている様子を示してい
る。図中では、代表例を示したものであり、実際には、
地表面全域を樹木が埋め尽くしている場合もあれば、単
独樹が分散している場合もある。ここで、「樹冠」と
は、森林を構成する各樹木の上部において枝と葉で構成
された丸みを持った部分を指し、「樹冠形状」とは、森
林の各樹木を真上(或いは、略真上)から見た樹冠の形
状である。
林地域の上方から、航空機或いは人工衛星等に搭載され
たカメラによって撮影された画像を図1(b)に示し
た。図1においては、X軸とY軸とで、水平面を表現し
ており、Z軸が樹木の高さ方向を表している。そこで、
上方から見た樹木T1乃至T6の樹冠形状を太線で示して
いる。
ステムにおける樹木の材積を計測するための原理を説明
する。この材積を算出する手法として、人工林の生育に
伴う森林密度管理の設計や検討に用いられている地域の
材積推定方法に着目した。次式に示す材積推定式は、収
量密度効果線の逆算式である。
(m)を、Nは、1haあたりの立木本数をそれぞれ表
している。また、式中のB1乃至B4は、係数を示して
おり、樹種や地域によって異なった値に変化する。これ
らの係数は、現地調査結果などを踏まえて、樹種毎、地
域毎に決定されている。
するには、樹高Hと、立木本数N、更には、樹種が取得
できれば良いことが分かる。
での人工衛星よりも小規模な面積の森林情報を計測する
ことが可能であり、樹種などの情報を調査することがで
きる。この様な高解像度衛星で取得できる画像の他に、
航空機搭載型センサーにより観測される高解像度画像に
よっても、より詳細な森林情報を計測できる。
像度衛星又は航空機によって取得された森林画像情報か
ら立木本数を計測するために、ウォーターシェド(Wate
rshed)アルゴリズムという領域分割手法により樹冠形
状を抽出する。
一般には、樹木の高い部分ほど、輝度が明るくなり、樹
木の周囲部分になるほど、暗くなる傾向がある。そこ
で、この傾向を利用して、この樹冠における輝度の変化
を計測すれば、樹冠形状を抽出できるということであ
る。この計測に、ウォーターシェド・アルゴリズムが利
用される。先ず、一つの樹冠形状の中において、画像上
で輝度の変化率が極小の点にマーカとよばれる領域の核
を設定する。そして、輝度の変化方向に領域を近接画素
へと拡大していき、隣の樹冠の領域と接するか、輝度の
変化率があるしきい値以下になったら領域の拡大を終了
し、領域を閉じる。
らに、抽出した樹冠形状から樹冠ポリゴンを作成し、そ
の重心点を求め、この点を樹木の幹の位置と仮定する。
そうすると、その重心点が当該森林画像の地域範囲内に
生えている各樹木に該当することになるので、これらを
カウントすることにより、その値が立木本数Nとして計
測される。
よる樹冠形状に基づいて生成された樹冠形状ポリゴンを
示した。この樹冠形状ポリゴンの生成手順を説明する。
したカラーのデジタル画像を多値の白黒デジタル画像
(モノクロデジタル画像)に変換し、ガウスフィルタ等
により画像の平滑化を行ない後続の画像処理に備える。
この平滑化処理の目的は、画像中に細かい画素値の変動
が存在すると、樹冠の形状を求める際、単一の樹冠形状
が複数個の分割されるという問題を除去することにあ
る。
えば、ハイパスフィルタ処理を行って、隣接する樹冠の
境界線を強調し、樹冠形状T1乃至T6を求める。これら
の樹冠形状生成原理は、上空から樹冠を撮影すると、樹
冠の盛り上がりに応じて輝度が高くなることに基づいて
いる。つまり、樹冠の頂点部分では、輝度が最も高く、
且つこの頂点部では、輝度変化が最も小さくなってい
る。樹冠の周辺部に向かうにしたがって輝度が低下し、
隣接する樹冠の境界部分で最も輝度が低くなる。本実施
形態では、このような樹冠の丸みに伴う輝度の変化を利
用し、ウォーターシェッド・アルゴリズムにより樹冠形
状を求めている。
て、画像中で輝度の変化が最も小さい部分を有する領域
の核にマーカM1乃至M6を設定する。即ち、各マーカ
は、夫々の樹冠の頂点或いは頂点付近に対応して設定さ
れることになる。図1(b)では、そのマーカについて
「×」印で示した。
と拡大していき、隣の樹冠の領域と接するか、或いは、
輝度の変化率がある閾値以下になったとき、ここで領域
の拡大を終了し、領域を閉じる。この領域の外殻を樹冠
の境界線とすることにより、樹冠形状T1乃至T6を抽出
している。抽出された樹冠形状T1乃至T6をポリゴン化
して、図3(a)に示されるように、樹冠形状ポリゴン
P1乃至P6が生成される。
毎の樹種データを取得するには、個々の樹木に対応して
生成された樹冠形状ポリゴン内の波長スペクトルを分析
すればよいので、先ず、取得された森林画像に、生成さ
れた各樹冠形状ポリゴンを重ね合わせ、そして、各樹冠
形状ポリゴン内においてスペクトル分析を行う。
木等が混在し、取得したカラー画像中の各樹木に関する
スペクトルは、例えば、季節によっても異なる。しか
し、このような森林地域のカラー画像に現れる「季節に
よる変動データ」に関しては、適切な期間にわたって蓄
積して検証することにより、樹冠形状と、樹冠形状を求
めたカラー画像のスペクトル分析とに基づいて、正確な
樹木特定が可能である。更に、画像取得時の太陽光線の
相違によってもデータ変動が生じるが、これについても
撮影データを蓄積して検証することにより解決される。
トル分布図の一例を、図2に示した。同図では、横軸が
光波長を、縦軸が輝度を表し、樹種に対応したスペクト
ル分布が見られる。例えば、スギ(杉)、ヒノキ
(櫓)、コナラ(小楢)、カシ(樫)等では、スギの樹
冠部分の輝度は、他の樹種に比較して青から近赤外線に
いたるスペクトル全体にわたって総じて低く、ヒノキの
樹冠部分は、青、緑、赤の可視光線ではスギと同様に輝
度が低いが、近赤外線領域では輝度が高くなっている。
一方、コナラはスギ及びヒノキに比べて全体的に輝度が
高く、カシは、コナラと同様に全体的に輝度が高いが、
コナラに比較して緑及び赤のスペクトルが低くなってい
る。
が異なっているので、これらの特性を参照して、作成さ
れた樹冠形状ポリゴン内のスペクトル分布を分析するこ
とにより、当該樹冠形状ポリゴンに係る樹木の樹種を特
定することができる。また、森林画像情報が、マルチ/
ハイパースペクトルセンサーによって取得されたもので
あれば、赤外領域のスペクトルも含め詳細なスペクトル
分布を取得でき、より正確な樹種の特定が可能となる。
更には、同種類の樹木である場合には、当該樹木の樹冠
の大小を参照すると、幹の直径、樹高、樹齢を推定する
ことも可能であり、高木に限定されることなく、低木の
分布評価にも適用可能である。
衛星画像あるいは航空機による森林画像を用いて立木本
数を推定し、樹木毎の樹種を決定し、森林簿や現地調査
で計測した樹高情報を組み合わせることにより、材積を
精度良く推定できる。しかし、画像センサーだけでな
く、対象地域の樹高を計測することのできる、航空機搭
載型のLiDARや合成開口レーダ(SAR)等の距離
センサーと組み合わせ、マルチセンシングプラットフォ
ームとすることで、森林情報を総合的に取得することが
できる。
毎の樹高Hを取得する処理手順について説明する。
ングでは、GPSと慣性計測装置(IMU)を併用した
高精度位置姿勢計測技術(GPS/IMU)が用いられ
る。GPS/IMUによれば、センサーのイベントタグ
(データ取得タイミング)と同期してセンサーのX、
Y、Z軸情報と同時にセンサーの3軸姿勢情報が取得で
きるので、センシングデータの幾何学的な歪補正が簡単
に行える。GPS/IMUを備えたマルチセンサー対応
のセンシングプラットフォームとすることにより、森林
画像だけでなく、様々な情報を一度に計測することがで
きる。
飛行体に搭載された各センサーで同時に取得されなくと
も、GPS/IMUを用いることによって、取得点とセ
ンサーの傾きとが分かり、それらの情報から、取得対象
である樹木の地上位置座標を特定できるので、森林画像
情報と樹高情報とが別々に取得されても、各位置情報を
知ることができ、森林画像情報と樹高情報とを重ね合せ
るときの各々の位置合せが、簡単に実施できる。
としてレーザー距離計を用いた場合では、例えば、同一
地点からのレーザー反射を5パルス観測することができ
るものを使用する。5パルス計測で取得された5種類の
高さ情報に従って、樹高を計測することができる。
は、樹冠頂部の高さを示している。そして、最後にリタ
ーンしてきた5番目のパルスは、地表面からのものであ
るとして、プラットフォームの地表面からの高さを示し
ている。従って、最初と最後のパルスで計測された高さ
情報による差が、樹高Hを表わしていることになる。
た森林画像に映し出されている樹木に係る樹高点群を表
しているので、この樹高点群から各樹木の樹高データを
抽出する必要がある。そこで、前述した、森林画像から
抽出された樹冠形状を樹高データに重ねあわせることに
より、当該樹冠形状に対応して樹木毎の樹高データを求
めることができる。
参照しながら、飛行体搭載のセンサーから撮影された森
林画像と、同飛行体搭載の距離計で取得された樹高点群
又は樹高画像による樹高情報とから、樹木毎の樹高デー
タを生成する本実施形態における具体的処理について説
明する。
同時に、該森林画像と同じ位置に関する樹高点群又は樹
高画像の樹高情報が取得されている。図3(b)には、
前述のレーザー距離計で測定された樹高点群の例を示し
た。同図では、X−Z平面で、つまり、図3(a)にお
けるX軸方向で1ラインをスキャンしたときの高さ情報
をドットで表している。Hsは、最初のパルスで測定さ
れた高さを示しており、樹冠の高さを表している。そし
て、Hgは、最後のパルスで計測された高さを示してお
り、地表の高さを表し、地表面が計測されている。ここ
から、各ドットに係る樹高をHtとすれば、Ht=Hs−
Hgの関係があり、各ドットの樹高Htが求められる。
められた各ドットに係る樹高Htを図3(a)の樹冠形
状ポリゴンP1乃至P6とXY座標に合せて重ねる。そこ
で、樹高Htの樹高データ群から、樹冠形状ポリゴンP1
乃至P6の内側に含まれる樹高データhxyの群を抽出す
る。その様子が、模式的に図3(d)に示される。同図
では、樹冠形状ポリゴンP4の場合を示した。なお、当
該樹冠形状に係る樹高Htについて、図3(c)の段階
で求めた場合を説明したが、図4(d)に示されるよう
に、樹冠形状ポリゴンP4で絞られたドットのHs及びH
gに対する樹高データからHtを求めても良い。
れる樹高データhxyの群が抽出できたならば、各樹冠形
状ポリゴンP1乃至P6内において、含まれる樹高データ
hxyのうちで最大値のものを選択する。この最大値を有
するドットが樹冠の頂点に対応していると評価でき、こ
れを樹高とする。その最大値が選択された状態を、図4
(e)に示した。図中では、その最大値を有するドット
の位置に「・」印を付して、樹高点を示した。樹冠形状
ポリゴンP4の場合には、樹高データh44が示されてい
る。
よる森林画像から生成した樹冠形状ポリゴンと、飛行体
搭載の距離計から取得された樹高情報から、樹木毎の樹
高データを取得できた。
ーから取得された森林画像情報と、距離計によって取得
された樹高情報とから、当該森林地域における立木本
数、該森林地域内にある樹木毎の樹高データを計測し、
そして、該樹木の樹種を特定して該当係数を選定するこ
とができた。従って、立木本数N、樹高データH及び樹
種に係る係数Bによって、上述の材積推定式から材積を
求めることができる。
る全体的な処理手順を説明するフローチャートを、図5
に示した。図5のフローチャートは、大きく分けて、森
林観測システムと地上解析システムとの処理を含んでい
る。
シングプラットフォーム内で実行される。本実施形態の
森林情報処理システムでは、この森林観測システムに
は、飛行体に搭載されたセンサー、例えば、マルチ/ハ
イパースペクトルセンサーによって、所定高度から、該
当森林地域についての森林画像情報が取得されるステッ
プS1と、飛行体に搭載されたレーザー距離計又は合成
開口レーダによって、該森林地域に関する樹高点群又は
樹高画像の形式による樹高情報が取得されるステップS
2とが含まれている。
で取得された森林画像情報と樹高情報に基づいて、森林
材積の計算が行われる。この森林材積を計算する処理の
ために、地上解析システムは、樹冠形状抽出手段1、樹
種分類手段2、樹高計測手段3、そして、材積計算手段
4から構成されている。
S1において取得された森林画像情報に、ウォーターシ
ェド・アルゴリズムを適用して、該画像に映し出されて
いる樹冠に係る領域を抽出し、該領域の外殻線を求める
ことにより、図1(b)に示されるように、樹冠境界線
の強調処理を行う(ステップS3)。
いて樹冠形状ポリゴンP1乃至P6を抽出する(ステップ
S4)。そして、これらの樹冠形状ポリゴンの各重心点
を求め、当該森林画像中において、各重心点をカウント
することにより、該森林地域に含まれる立木本数Nを取
得する(ステップS5)。
において取得された森林画像に、ステップS4において
抽出された樹冠形状ポリゴンP1乃至P6を重ね合わせる
(ステップS6)。
ン内に含まれる森林画像の色情報について分析処理が行
われる(ステップS7)。そして、分析された樹冠形状
ポリゴン毎の色情報に基づいて、樹種に関する色統計情
報を参照し、当該樹冠形状ポリゴンに対応する樹木の樹
種が特定され、樹木毎の樹種データが取得される(ステ
ップS8)。
において取得された樹高点群又は樹高画像の樹木高情報
と、ステップS4において取得された樹冠形状ポリゴン
P1乃至P6とを重ね合せ(ステップS9)、各樹冠形状
ポリゴン内に含まれる樹木高情報の樹木反射点データを
抽出する(ステップS10)。ここで、上述した5パル
スによるレーザー測定の例であれば、樹木反射点は、最
初のパルスによるデータであってもよい。
の反射点データのうちで、最高値を示す樹木反射点デー
タを抽出し(ステップS11)、この抽出された樹木最
高値の樹木反射点データが、樹冠部頂点を示すものとし
て取得される。次に、樹木高情報Hsと地表面高情報Hg
とから樹木毎の樹高Hが求められる(ステップS1
2)。
立木本数N、ステップS8において樹木毎の樹種デー
タ、そして、ステップS12において樹木毎の樹高Hが
それぞれ取得されたので、材積計算手段4では、上述し
た材積推定式を利用して、各樹種における樹木毎の材積
Vを計算する(ステップS13)。このとき、同式にお
ける係数B1乃至B4については、現地調査結果を踏ま
え、各森林地域に対応して決定されているので、材積計
算時に樹種毎に選定して使用される。
器を用いて、森林地域の上空から撮影された森林画像情
報と、上空から取得した樹木高情報とから、当該森林地
域の樹木材積を自動計測できる森林情報処理システムを
構築できる。
ステムによれば、該当森林地域の上空から取得された森
林画像情報と、同じく上空から計測された樹高情報とに
基づいて、立木本数、樹種、そして、樹木毎の樹高を把
握し、樹木毎の材積を計算できるようにしたので、森林
地域の材積計測を自動化でき、しかも、科学的、客観的
に判定することが可能となった。
広い範囲について樹木材積の調査を行わなければならな
いが、本発明の森林情報処理システムは、この広い範囲
に対しても、調査対象とすることができる。そして、各
地域の森林特性や、判読者の技術レベルの差といった計
測誤差の要因を回避することが可能となった。
め、森林計測コストの削減を図ることができ、現地調査
者の安全性を担保できる効果もある。
明する図である。
表した図である。
図である。
処理手順を示すフロー図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 森林地域を上空から取得した森林画像情
報に基づいて樹冠形状情報を抽出する樹冠形状抽出手段
と、 前記森林地域の上空から計測した樹高情報と前記森林画
像情報を重ね合せ、前記樹冠形状の範囲内に含まれる前
記樹高情報のうち最大値を抽出して当該樹冠の樹高とす
る樹高計測手段とを有する森林情報処理システム。 - 【請求項2】 前記樹冠形状抽出手段は、前記森林画像
情報にウォーターシェド・アルゴリズムを適用して前記
樹冠形状情報を抽出することを特徴とする請求項1に記
載の森林情報処理システム。 - 【請求項3】 前記樹冠形状抽出手段は、前記森林画像
情報内で生成された前記樹冠形状情報に基づいて前記森
林地域内の立木本数を取得することを特徴とする請求項
1又は2に記載の森林情報処理システム。 - 【請求項4】 前記森林画像情報に含まれる色情報を前
記樹冠形状に基づいて抽出し、色統計情報を参照して当
該樹冠の樹種を取得する樹種分類手段を有することを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の森林情
報処理システム。 - 【請求項5】 前記樹高と前記立木本数とに基づいて、
前記樹種に応じて樹木の材積を計算する計算手段を有す
ることを特徴とする請求項4に記載の森林情報処理シス
テム。 - 【請求項6】 前記計算手段は、前記樹木毎の材積を、
材積推定式 V=(B1・HB2+B3・HB4/N)-1 〔但し、Vは材積(m3/ha)、Hは樹高(m)、N
は1haあたりの立木本数であり、B1乃至B4は樹種
及び森林地域に従って決定される係数である〕に従って
計算することを特徴とする請求項5に記載の森林情報処
理システム。 - 【請求項7】 前記森林画像情報は、当該取得位置情報
と共に取得され、前記樹高情報は、当該計測位置情報と
共に計測され、前記森林画像情報と前記樹高情報との重
ね合せは、該取得位置情報と該計測位置情報とに基づい
て行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
一項に記載の森林情報処理システム。 - 【請求項8】 前記森林画像情報と前記樹高情報は、同
一飛行体に搭載された画像取得手段と距離計測手段によ
りそれぞれ取得されることを特徴とする請求項1乃至7
のいずれか一項に記載の森林情報処理システム。 - 【請求項9】 森林地域を上空から取得した森林画像情
報に基づいて樹冠形状情報を抽出する樹冠形状抽出手段
と、 前記森林画像内で生成された前記樹冠形状情報に基づい
て、前記森林地域内の立木本数を取得する立木本数計測
手段とを有する森林情報処理システム。 - 【請求項10】 前記立木本数計測手段は、前記森林地
域内に形成された前記樹冠形状の重心点を計数し、該計
数値を立木本数とすることを特徴とする請求項9に記載
の森林情報処理システム。 - 【請求項11】 前記樹冠形状抽出手段は、前記森林画
像情報にウォーターシェド・アルゴリズムを適用して前
記樹冠形状情報を抽出することを特徴とする請求項9又
は10に記載の森林情報処理システム。
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