JP2003342328A - 成形体及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

成形体及び固体高分子電解質型燃料電池

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JP2003342328A JP2002156829A JP2002156829A JP2003342328A JP 2003342328 A JP2003342328 A JP 2003342328A JP 2002156829 A JP2002156829 A JP 2002156829A JP 2002156829 A JP2002156829 A JP 2002156829A JP 2003342328 A JP2003342328 A JP 2003342328A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋された含フッ素重合体からなり、電解質
膜に使用し得る成形体であって、架橋部位が耐加水分解
性や耐酸化性等の耐久性に優れているものを提供する。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキ
ル基を示す。Y2は、ハロゲン原子を示す。n1は、0
〜5の整数を示す。n2は、1〜10の整数を示す。n
2個のY2は、同一であってもよいし異なっていてもよ
い。Xは、ハロゲン原子、−OM1、−OM2 1/2又は
−NR123を示し、M1は、水素原子又はアルカリ金
属を示し、M2は、アルカリ土類金属を示し、R1、R2
及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル
基を示す。)で表されるパーフルオロビニルエーテルス
ルホン酸誘導体(A)、架橋性官能基含有フルオロモノ
マー(B)、及び、エチレン性モノマー(C)を重合す
る工程、並びに、架橋を行う工程を経て得られる含フッ
素重合体からなることを特徴とする成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】スルホン酸基、ハロスルホニル基等を有
するパーフルオロビニルエーテルスルホン酸誘導体は、
他のエチレン性モノマーと重合させ、含フッ素ポリマー
を得るために用いることができる。
【0002】得られた含フッ素ポリマーは、必要に応じ
てアルカリ及び酸処理を行うことにより、−SO3 -を有
することができるので、得られる成形体は、電解質膜又
はイオン交換膜として固体高分子電解質型燃料電池、リ
チウム電池、食塩電解、化学センサー、分離膜等に利用
することが検討されている。
【0003】この含フッ素ポリマーは、電解質等として
通常架橋することなく用いられてきたが、非架橋である
ので、耐熱性に劣り、耐クリープ性が不充分であり、ま
た、−SO3 -基数の含有率が高くなると、水により著し
く膨潤したり可溶化したりして形態不安定となるので、
成形体の設計自由度が制限される問題があった。
【0004】この問題を解決する方法として、含フッ素
ポリマーを架橋することが考えられる。含フッ素ポリマ
ーを架橋したものとして、例えば、特開昭60−133
031号公報、特開昭53−22580号公報、特開昭
54−43192号公報、特開昭54−107889号
公報等には、含フッ素ポリマーに含浸、化学修飾等の後
処理を行う方法が開示されている。しかしながら、これ
らの方法は、後処理を行う点で、工程が煩雑になり得る
問題がある。
【0005】含フッ素ポリマーを架橋したものとして、
架橋性官能基を有する単量体を共重合させ、この架橋性
官能基を利用して架橋させたものが提案されている。例
えば、特開昭54−52690号公報には、ヨウ素含有
ビニルエーテルを共重合させ、熱、放射線等により架橋
させたイオン交換膜が開示されている。
【0006】特開昭61−276828号公報及び特開
2001−176524号公報には、含フッ素ジビニル
化合物を共重合させ架橋したイオン交換樹脂が開示され
ている。しかしながら、含フッ素ポリマー中でビニル基
が近接しにくく、ビニル基同士を効率的に架橋すること
は容易でない。また、後者の公報の技術は、固体高分子
電解質型燃料電池における触媒被覆層についてのもので
あり、また、架橋系について詳細には触れられていな
い。
【0007】特開2000−188013号公報には、
架橋によりビススルホニルイミド等を形成した耐熱性高
分子電解質が開示されている。この技術は、電解質には
適すると思われるが、水存在下で強酸性を示し、スルホ
ニルイミド基の生成反応が起こりにくく、架橋反応が進
みにくいという問題がある。
【0008】含フッ素ポリマーを架橋してなる電解質膜
又はイオン交換膜としては、特に架橋部位の結合が強い
ものが望ましい。しかしながら、従来、架橋部位の耐加
水分解性や耐酸化性等の耐久性が不充分であり、長期使
用上問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
現状に鑑み、架橋された含フッ素重合体からなり、電解
質膜に使用し得る成形体であって、架橋部位が耐加水分
解性や耐酸化性等の耐久性に優れているものを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフ
ルオロアルキル基を示す。Y2は、ハロゲン原子を示
す。n1は、0〜5の整数を示す。n2は、1〜10の
整数を示す。n2個のY2は、同一であってもよいし異
なっていてもよい。Xは、ハロゲン原子、−OM1
−OM2 1/2又は−NR123を示し、M1は、水素原子
又はアルカリ金属を示し、M2は、アルカリ土類金属を
示し、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原
子又はアルキル基を示す。)で表されるパーフルオロビ
ニルエーテルスルホン酸誘導体(A)、架橋性官能基含
有フルオロモノマー(B)、及び、エチレン性モノマー
(C)を重合する工程、並びに、架橋を行う工程を経て
得られる含フッ素重合体からなることを特徴とする成形
体である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の成形体は、上記一般式(I)で表
されるパーフルオロビニルエーテルスルホン酸誘導体
(A)、架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)、及
び、エチレン性モノマー(C)を重合する工程(以下、
「重合工程」という)、並びに、架橋を行う工程(以
下、「架橋工程」という)を経て得られる含フッ素重合
体からなることを特徴とする成形体である。
【0014】上記パーフルオロビニルエーテルスルホン
酸誘導体(A)は、上記一般式(I)におけるn1が0
〜5の整数を示す。好ましくは、0又は1であり、より
好ましくは、0である。上記一般式(I)におけるn2
は1〜10の整数を示す。好ましくは、2である。
【0015】上記一般式(I)におけるYはハロゲン
原子又はパーフルオロアルキル基を示し、Y2はハロゲ
ン原子を示し、n2個のY2は同一であってもよいし、
異なっていてもよい。上記ハロゲン原子としては特に限
定されず、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素
原子の何れであってもよいが、好ましくは、フッ素原子
である。上記パーフルオロアルキル基としては、特に限
定されず、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフル
オロエチル基等が挙げられる。好ましくは、Yはトリ
フルオロメチル基であり、Yはフッ素原子である。
【0016】上記一般式(I)におけるXはハロゲン
原子、−OM、−OM 1/2又は−NR123
示し、M1は水素原子又はアルカリ金属を示し、M2はア
ルカリ土類金属を示し、R1、R2及びR3は同一又は異
なって、水素原子若しくはアルキル基を示す。上記ハロ
ゲン原子は上記Y及びY2で例示したものと同じであ
る。上記アルカリ金属としては特に限定されず、例え
ば、Na、K、Li、Cs等が挙げられる。上記アルカ
リ土類金属としては特に限定されず、例えば、Ca、M
g等が挙げられる。上記アルキル基としては特に限定さ
れず、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。好
ましくは、上記Xはフッ素原子である。
【0017】上記パーフルオロビニルエーテルスルホン
酸誘導体(A)は、例えば、公知の方法等を用いて得ら
れた含フッ素2−ハロスルホニルアルコキシプロピオン
酸フッ化物誘導体を中和し、次いで熱分解して含フッ素
ビニルエーテルを得た後、得られた含フッ素ビニルエー
テルに対して塩素化を行い、次いでフッ素化を施すこと
により、又は、得られた含フッ素ビニルエーテルに対し
てフッ素化を施すことにより、得ることができる。
【0018】上記架橋性官能基含有フルオロモノマー
(B)は、架橋性官能基を有するフルオロモノマーであ
る。本明細書において、上記「架橋性官能基」とは、架
橋に寄与し得る基を意味する。上記「架橋」は、橋かけ
結合を形成することであり、本明細書においては、この
点で、後述の重合工程における重合とは区別される概念
である。
【0019】上記「架橋に寄与し得る基」は、後述の架
橋剤を介して又は介さずに、橋かけ結合を形成する反応
に直接関与し得るものであってもよいし、また、例え
ば、後述の−I又は−Brがラジカルを発生し、そのラ
ジカルが橋かけ結合の形成に直接関与する場合における
−I、−Br等のように、橋かけ結合を形成する反応に
いわば間接的に関与し得るものであってもよい。上記架
橋性官能基は、従って、「官能基」なる用語を用いてい
るが、上記意味において架橋に寄与し得るものであれ
ば、例えば、炭素−炭素二重結合等のように結合と称さ
れることがあるものであってもよい。
【0020】本明細書において、上述のように、パーフ
ルオロビニルエーテルスルホン酸誘導体(A)は、一般
式(I)におけるXがハロゲン原子である場合、末端
のハロスルホニル基は、後述のように架橋性官能基にも
なり得るものである。しかしながら、上記パーフルオロ
ビニルエーテルスルホン酸誘導体(A)が有するハロス
ルホニル基は、特に別の記載をしない限り、架橋に寄与
させないものである点で、架橋性官能基とは異なるもの
である。従って、上記架橋性官能基含有フルオロモノマ
ー(B)は、パーフルオロビニルエーテルスルホン酸誘
導体(A)とは異なるものである。
【0021】上記パーフルオロビニルエーテルスルホン
酸誘導体(A)が有するハロスルホニル基は、例えば、
後述のように一般式(I)におけるXとしてのハロゲ
ン原子を−OM1又は−OM2 1/2に変換させ、電解質膜
又はイオン交換膜における電離部分として用いる場合、
架橋に寄与させないこととなる。本明細書において、上
記「フルオロモノマー」とは、炭素原子に結合している
フッ素原子を有しているエチレン性不飽和化合物を意味
する。
【0022】上記架橋性官能基含有フルオロモノマー
(B)としては特に限定されず、例えば、架橋性官能基
がカルボキシル基であるもの、−I若しくは−Brであ
るもの、シアノ基であるもの、シアナト基であるもの、
水酸基であるもの、−CF=CF であるもの又はハロ
スルホニル基、ハロカルボニル基、若しくは、エステル
を形成しているカルボキシル基であるもの等が挙げられ
る。
【0023】上記架橋性官能基がカルボキシル基である
架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、例
えば、塩又はエステルを形成していてもよいカルボンキ
シル基を有するポリフルオロアルキレン又はポリフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)が挙げられ、アルキル鎖
はエーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい。エス
テルを形成しているカルボキシル基としては、例えば、
アルコキシカルボニル基等が挙げられる。このような架
橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、例え
ば、下記式で表される化合物等が挙げられる。なお、下
記式において、M は炭素数1〜5のアルキル基、水素
原子、リチウム原子、カリウム原子、ナトリウム原子又
はNHであり、n3及びn4はそれぞれ独立して1〜
5の整数である。 CF=CFCOOM CF=CFO(CFn3COOM CF=CF[OCFCF(CF)]n3O(CF
n4COOM また、上記架橋性官能基がカルボキシル基である架橋性
官能基含有フルオロモノマー(B)としては、下記式
【0024】
【化4】
【0025】(YはCOOH又はCOORであり、
は炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよい
アルキル基である。)で表される化合物が挙げられる。
【0026】上記架橋性官能基が−I又は−Brである
架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、ヨ
ウ素原子又は臭素原子を有するパーフルオロアルキレン
又はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が挙げら
れ、アルキル鎖はエーテル結合性の酸素原子を含んでい
てもよい。このような架橋性官能基含有フルオロモノマ
ー(B)としては、例えば、下記式で表される化合物等
が挙げられる。なお、下記式において、n7及びn8は
それぞれ独立して1〜5の整数である。 CF=CFI CF=CFO(CFn7I CF=CF[OCFCF(CF)]n7O(CF
n8I CF=CFBr CF=CFO(CFn7Br CF=CF[OCFCF(CF)]n7O(CF
n8Br
【0027】また、下記式 CX =CX−R CHRI CX =CX−R CHRBr (式中、XはH、F又はCHを示し、R は1個
以上のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい直
鎖状又は分岐鎖状のフルオロアルキレン基若しくはパー
フルオロアルキレン基、フルオロオキシアルキレン基若
しくはパーフルオロオキシアルキレン基、フルオロポリ
オキシアルキレン基若しくはパーフルオロポリオキシア
ルキレン基を示し、RはH又はCHを示す。)で
表される化合物が挙げられる。
【0028】上記架橋性官能基が−I又は−Brである
架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、パ
ーフルオロビニルエーテル化合物がその共重合性から好
ましく、例えば、パーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6
−ヨード−3−オキサ−1−へキセン)、パーフルオロ
(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)、パーフル
オロ(6,6−ジヒドロ−6−ブロモ−3−オキサ−1
−へキセン)、パーフルオロ(5,3−オキサ−1−ペ
ンテン)等が挙げられる。
【0029】上記架橋性官能基がシアノ基である架橋性
官能基含有フルオロモノマー(B)としては、シアノ基
を有するパーフルオロエチレン又はパーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)が挙げられ、アルキル鎖はエーテ
ル結合性の酸素原子を含んでいてもよい。このような架
橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、例え
ば、下記式で表される化合物等が挙げられる。なお、下
記式において、n9及びn10はそれぞれ独立して1〜
5の整数である。 CF=CFCN CF=CFO(CFn9CN CF=CF[OCFCF(CF)]n9O(CF
n10CN CF=CF[OCFCF(CF)]n9CN CF=CFO(CFn9OCF(CF)CN また、上記架橋性官能基がシアノ基である架橋性官能基
含有フルオロモノマー(B)としては、下記式
【0030】
【化5】
【0031】(式中、YはCNである)で表される化
合物が挙げられる。
【0032】上記架橋性官能基がシアナト基である架橋
性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、シアナ
ト基を有するポリフルオロアルキレン又はポリフルオロ
(アルキルビニルエーテル)が挙げられ、アルキル鎖は
エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい。このよ
うな架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)として
は、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
但し、式中Zは水素原子又はトリフルオロメチル基で
ある。なお、下記式において、n11及びn12はそれ
ぞれ独立して1〜5の整数である。 CF=CFO(CFn11CZ OCN CF2=CF[OCF2CF(CF3)]n11O(CF2
n12CZ1 2OCN
【0033】上記架橋性官能基が水酸基である架橋性官
能基含有フルオロモノマー(B)としては、水酸基を有
するポリフルオロアルキレン又はポリフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)が挙げられ、アルキル鎖はエーテル
結合性の酸素原子を含んでいてもよい。このような架橋
性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、例え
ば、下記式で表される化合物等が挙げられる。なお、下
記式において、n13及びn14はそれぞれ独立して1
〜5の整数である。 CF=CFCHOH CF=CFO(CFn13CHOH CF=CF[OCFCF(CF)]n13O(C
n14CHOH
【0034】上記架橋性官能基が−CF=CFである
架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)としては、−
CF=CFを2個有するパーフルオロ不飽和化合物が
挙げられ、このような架橋性官能基含有フルオロモノマ
ー(B)としては、例えば、下記式で表される化合物等
が挙げられる。なお、下記式において、n15は2〜8
の整数であり、n16とn17はそれぞれ独立して1〜
5の整数であり、n18は0〜6の整数であり、n19
は0〜5の整数である。 CF=CFOCF=CF CF=CFO(CFn15OCF=CF CF2=CF[OCF2CF(CF3)]n16O(CF2)2[OCF(CF3)CF2]n17OCF=C
F2 CF=CF(CFn18CF=CF
【0035】なかでも、下記式の化合物は、反応性の異
なる二重結合を有しており、パーフルオロビニロキシ基
の側が重合しても、もう一方の二重結合の重合反応性は
それよりも小さいため重合時には反応せずに架橋部位と
して容易に含フッ素ポリマー中に導入することができ
る。なお、下記式において、n19は1〜8の整数であ
り、n20は2〜5の整数である。 CF=CFOCFCF(CF)O(CF
n19CF=CF CF=CF[OCFCF(CF)]n20O(C
CF=CF
【0036】上記架橋性官能基含有フルオロモノマー
(B)としては、上記架橋性官能基がカルボキシル基又
は−I若しくは−Brであるものが好ましい。
【0037】上記エチレン性モノマー(C)としては、
例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ジフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサ
フルオロイソブテン、エチレン、1−ブテン、2−ブテ
ン、パーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)、パ
ーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフ
ルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2−
メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パー
フルオロ(3,5−ジオキサ−1,6−ヘプタジエ
ン)、パーフルオロ(4−メトキシ−1,3−ジオキソ
ール)等が挙げられる。
【0038】更に、プロピレン、ヘキサフルオロプロピ
レン等のパーフルオロ−α−オレフィン類;(パーフル
オロブチル)エチレン等の(パーフルオロアルキル)エ
チレン類;3−パーフルオロオクチル−1−プロペン等
の(パーフルオロアルキル)プロペン類;上記パーフル
オロビニルエーテルスルホン酸誘導体(A)とは異なる
のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類等が挙げ
られる。アルキル基は直鎖構造でも分岐構造でもよく、
またエーテル結合性の酸素原子を含有していてもよい。
【0039】上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)類としては、下記式 CF=CF−(OCFCFYn21−O−R
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基で
あり、n21は0〜3の整数であり、R は炭素数1
〜12の、直鎖又は分岐鎖のパーフルオロアルキル基で
ある。)で表されるパーフルオロビニルエーテルが好ま
しい。
【0040】上記式CF=CF−(OCFCF
n21−O−R で表されるパーフルオロビニ
ルエーテルの好ましい例としては、下記式で表される化
合物が挙げられる。なお、下記式において、n22は1
〜8の整数であり、n23は1〜8の整数であり、n2
4は2又は3である。 CF=CFO(CFn22CF CF=CFOCFCF(CF3)O(CF
n23CF CF=CF〔OCFCF(CF3)〕n24O(C
CF
【0041】本明細書において、上記エチレン性モノマ
ー(C)は、上述のパーフルオロビニルエーテルスルホ
ン酸誘導体(A)とは異なるものであり、上述の架橋性
官能基含有フルオロモノマー(B)とも異なるものであ
る。上記エチレン性モノマー(C)は、テトラフルオロ
エチレンであることが好ましい。
【0042】重合工程は、上述のパーフルオロビニルエ
ーテルスルホン酸誘導体(A)、架橋性官能基含有フル
オロモノマー(B)及びエチレン性モノマー(C)を重
合することよりなるものである。これらのモノマーを重
合する方法としては、通常、含フッ素オレフィン重合体
の製造に用いられる乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊
状重合のいずれも好ましく採用することができる。重合
はラジカルが生起する条件で行われ、紫外線、γ線、電
子線等の放射線を照射する方法、通常のラジカル重合で
用いられるラジカル開始剤を添加する方法が一般的であ
る。重合温度は、通常、−20℃〜150℃程度であ
る。本明細書において、上記重合工程により得られた共
重合体を、含フッ素ポリマーということがある。
【0043】本発明の成形体は、含フッ素重合体からな
るものであるが、この含フッ素重合体は、上記重合工
程、及び、架橋工程を経て得られるものである。上記架
橋工程は、用いる架橋系にもよるが、上記重合工程と同
時又はほぼ同時に行い、重合反応を行わせながら架橋反
応をも行うものであってもよいが、通常、上記重合工程
を行った後、得られる含フッ素ポリマーに対して行う。
【0044】上記架橋工程は、用いる架橋系によるが、
高分子材料の架橋に通常用いられる方法である、加熱、
放射線照射、電子線照射、光照射等が採用されるが、加
熱架橋法が装置の入手しやすさや取扱いの容易さ等の点
で好ましい。架橋反応を促進させるうえで、過酸化物、
トリアリルイソシアヌレート、ビスフェノール、ビスフ
ェノールAF等の架橋剤や架橋助剤を添加して加熱する
方法を採用することもできる。必要に応じて、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の
助剤を添加してもよい。
【0045】架橋性官能基としてシアノ基又はシアナト
基を有する上記架橋性官能基含有フルオロモノマー
(B)を用いて共重合された含フッ素ポリマーを用いる
場合、別途に触媒を添加する必要はないが、必要に応じ
て、硬化触媒として、ルイス酸類、プロトン酸類、テト
ラフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、(C
15COO)Zn等のカルボン酸の遷移金属塩類、カ
ルボン酸のアンモニウム塩類、過酸化物、アミン類、ア
ミジン類、イミドイルアミジン構造を有する化合物類等
から選ばれる1種以上を用いてもよい。
【0046】上記架橋工程において、上記架橋性官能基
含有フルオロモノマー(B)の架橋性官能基がカルボキ
シル基又はシアノ基であるを用いる場合、上記架橋剤と
しては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又は
シアノ基と反応可能なもの、特にオキサゾール架橋系、
イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用されるも
のが挙げられる。オキサゾール架橋系、イミダゾール架
橋系、チアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、例
えば、下記式(III)
【0047】
【化6】
【0048】(式中、Rは、上記と同じである。R
11及びR12は、一方が−NHを示し、他方が−N
、−NH−Ph、−OH又は−SHを示す。Ph
は、フェニル基を示す。)で表されるビスジアミノフェ
ニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスア
ミノチオフェノール系架橋剤、下記式(IV):
【0049】
【化7】
【0050】(式中、Rは上記と同じ、R13
【0051】
【化8】
【0052】又は
【0053】
【化9】
【0054】)で表されるビスアミドラゾン系架橋剤、
下記式(V)又は下記式(VI):
【0055】
【化10】
【0056】(式中、R は炭素数1〜10のパーフ
ルオロアルキレン基)
【0057】
【化11】
【0058】(式中、n25は1〜10の整数を示
す。)で表されるビスアミドキシム系架橋剤等が挙げら
れる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスア
ミノチオフェノール系架橋剤又はビスジアミノフェニル
系架橋剤等は従来ニトリル基を架橋点とする架橋系に使
用していたものであるが、含フッ素重合体が有するカル
ボキシル基及びアルコキシカルボニル基とも反応し、オ
キサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成
し、架橋物を与える。また、複数個の3−アミノ−4−
ヒドロキシフェニル基、3−アミノ−4−メルカプトフ
ェニル基又は下記式(II):
【0059】
【化12】
【0060】(式中、R、R及びRは上記と同じ
である。)で表される3,4−ジアミノフェニル基を有
する化合物であり、例えば、2,2−ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2−
ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス3,4−
ジアミノフェニルメタン、ビス3,4−ジアミノフェニ
ルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0061】また、上記架橋剤としては、ポリアミン化
合物、ポリイソシアナート、ポリエポキシ化合物等が挙
げられる。上記ポリアミン化合物としては、ヘミサメチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレン
ジアミン等のポリアミン;ポリアミン塩とグアジニン誘
導体の併用等が挙げられる。上記ポリイソシアナート化
合物としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニル
メタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート等が挙げられる。上記ポリイソシアナート化合物
は、プレポリマーや硬化温度を選択することができるブ
ロック型であってもよい。上記架橋剤としては、また、
エポキシ化合物と、第4級アンモニウム塩、第4級ホス
ホニウム塩又は塩基性化合物との併用等が挙げられる。
【0062】上述の架橋性官能基含有フルオロモノマー
(B)の架橋性官能基がカルボキシル基である場合、架
橋は、上記一般式(II)で表される架橋剤を用いるも
のであることが好ましく、上記一般式(II)における
4及びR5が、いずれも−NH であるか、又は、一方
が−NHであり、他方が−NH−Phであるものを用
いることがより好ましい。
【0063】上記架橋剤の配合量は、好ましくは含フッ
素ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部で
ある。上記含フッ素ポリマーにおいて、必要に応じて、
上述したものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1
種又は2種以上配合してもよい。
【0064】上記架橋は、通常の架橋方法で行うことが
できる。例えば、含フッ素ポリマーの粉末と架橋剤を混
合した後金型に入れ、200〜400℃に加熱し、成形
と架橋を一度に行うことができる。また、含フッ素ポリ
マーのみを通常の方法で溶融成形させた後に、架橋剤を
含浸させ、含フッ素ポリマーの融点以下の温度に加熱し
て架橋させることもできる。
【0065】上記架橋工程において、上述の架橋性官能
基含有フルオロモノマー(B)の架橋性官能基が−I又
は−Brである場合、架橋は、そのまま加熱することに
より行うことができるが、パーオキサイド化合物及び多
官能不飽和化合物を用いるものであってもよい。
【0066】上記パーオキサイド化合物としては、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン等のジ−t−ブチルパーオキシアルカンが挙げら
れる。上記パーオキサイド化合物の配合量は、含フッ素
ポリマー100重量部に対し、0.001〜5重量部が
好ましい。0.001重量部未満であると、架橋反応が
不充分となる場合がある。5重量部を超えると、パーオ
キサイドの残渣が多くなり強度が低下する場合がある。
上記パーオキサイド化合物の配合量は、含フッ素ポリマ
ー100重量部に対し、より好ましい下限が0.01重
量部であり、より好ましい上限が1重量部である。
【0067】上記多官能不飽和化合物としては、加熱や
パーオキサイド化合物の分解によって発生するヨウ素原
子及び/又は臭素原子に起因する重合体ラジカルに対し
て反応活性を有するものであればよく、特に種類は限定
されない。好ましい多官能不飽和化合物としては、例え
ば、各種のジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート〔TMTPA〕、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート
〔TAIC〕、トリアリルシアヌレート、トリアリルト
リメリテート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、N,N′−m−
フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレ
ート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタール
アミド、トリアリルホスフェート等が挙げられる。なか
でも、1分子あたりの架橋性官能基の保有数が3個以上
のものが、含フッ素ポリマーの架橋しやすさの点で好ま
しく、上記多官能不飽和化合物としては、トリアリルイ
ソシアヌレートがより好ましい。多官能不飽和化合物の
使用量は、上記含フッ素ポリマー100重量部に対して
0.05〜10重量部程度であり、好ましい下限は0.
5重量部であり、好ましい上限は5重量部である。
【0068】上記含フッ素ポリマー、上記パーオキサイ
ド化合物及び多官能不飽和化合物を調製して架橋させる
方法としては特に限定されず、例えば、既知の一般的な
方法で混合し、加熱すれば良い。
【0069】上記架橋工程において、上述の架橋性官能
基含有フルオロモノマー(B)の架橋性官能基がシアノ
基である場合、架橋は、そのまま加熱することにより行
うことができるが、架橋剤を用いるものであってもよ
い。含フッ素ポリマーをそのまま加熱すると、含フッ素
ポリマー同士がトリアジン環を生成することにより、架
橋させることができる。この場合、触媒として有機錫化
合物を使用することもできる。また、アンモニアを用い
ることにより含フッ素ポリマーにアシジンやイミドイル
アシジン結合をつくり、更に加熱することによりトリア
ジン環を生成させることもできる。また、架橋剤を用い
て架橋することもでき、架橋性官能基がカルボン酸の場
合と同様の架橋剤を用いることができる。
【0070】上記架橋工程において、上述の架橋性官能
基含有フルオロモノマー(B)の架橋性官能基が−CF
=CFである場合、架橋は、そのまま加熱する、放射
線を用いる又はパーオキサイドを用いる方法であっても
よく、また、架橋剤としては、例えば、下記式: I−(CFn26−I (式中、n26は1〜5の整数を示す。)等で表される
ジハロゲン化合物も用いてもよい。
【0071】上記架橋工程において、上述の架橋性官能
基含有フルオロモノマー(B)の架橋性官能基がハロス
ルホニル基、ハロカルボニル基、又は、エステルを形成
しているカルボキシル基である場合、架橋は、水の存在
下に強酸性を呈し得る官能基となり得る官能基(以下、
「強酸性官能基」という)を少なくとも1つ、好ましく
は2つ以上有する化合物を架橋剤として用いることがで
きる。この強酸性官能基としては、スルホンアミド基
(NH−SO−)、アミド基(NH−CO−)、
アルカリ金属又はアルカリ土類金属と塩を形成していて
もよいスルホニル(N−トリメチルシリル)イミドナト
リウム塩((CHSi−N(Na)−SO−)
等及びこれらの誘導体等が挙げられる。
【0072】このような強酸性官能基を有する架橋剤と
しては、例えば、下記化合物 FSO−(CFn27−SOF NHSO−(CFn27−SONH NaNHSO−(CFn27−SONHNa Me3Si−N(Na)SO2−(CF2n27−SO2
(Na)−SiMe3 (式中、n27は1〜5の整数)等が挙げられる。
【0073】架橋により形成される上記強酸性官能基
は、N−H結合に寄与する電子が、電気陰性度の大きな
Fに引っ張られて炭素骨格側に移動し、架橋点に結合し
ているHがプロトンとして放出されやすくなるので、得
られる本発明の成形体を電解質膜又はイオン交換膜とし
て用いる場合、好適である。
【0074】なお、架橋性官能基としてのハロカルボニ
ル基は、架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)とし
て、例えば、パーフルオロ(4−オキサ−5ヘキセノイ
ルクロライド)等を用いることにより導入することがで
きる。
【0075】上記架橋工程において、架橋密度は、大き
いほど、耐熱性に優れた成形体を得ることができるが、
過大になると、例えば、電解質膜又はイオン交換膜とし
て用いる場合、含水及び水分子の移動を妨げ、かえって
プロトン導電性を低下させる傾向があるので、要求され
る耐熱性、導電性等に応じて、最適な値を選択すればよ
い。
【0076】上述の重合工程及び架橋工程を経ることに
より、含フッ素重合体を得ることができる。上記含フッ
素重合体は、上述の重合工程及び架橋工程に加えて、例
えば、上述の一般式(I)におけるXがハロゲン原子
である場合、用途に応じ、この末端の−SO2X(Xは
ハロゲン原子である。)を−OM1又は−OM2 1/2(M1
及びM2は上述のとおりである。)に変換させる工程
(以下、「酸型化工程」という)を経たものであっても
よい。スルホン酸基又はスルホン酸基の塩を有する含フ
ッ素重合体は、水の存在下で電離し得るので、電解質膜
又はイオン交換膜として好適に用いることができる。
【0077】スルホン酸基又はスルホン酸基の塩を有す
る含フッ素重合体は、通常、−SOFを有する単量体
を用いて合成する。例えば、NaOHやKOH等のアル
カリ金属の水酸化物等を水、又はメタノール、エタノー
ル等のアルコール類やジメチルスルホキシド等の極性溶
媒と水との混合溶媒に溶解した溶液中で、−SOFは
加水分解された後、塩酸や硫酸等の水溶液により酸型化
される。例えば、KOH水溶液により加水分解される場
合は−SOFが−SOKに変換され、その後カリウ
ムイオンがプロトンに置換されることで−SOHとな
り目的のイオン交換樹脂が得られる。
【0078】上記酸型化工程は、含フッ素ポリマーを架
橋する前に行っても架橋した後に行ってもよい。上記酸
型化工程は通常0℃〜120℃の範囲の温度で行われ
る。上記酸型化工程において樹脂が液に濡れにくい場合
は、あらかじめ樹脂をメタノールやエタノール、ジメチ
ルスルホキシド等の極性溶媒で濡らしておくとよい。
【0079】上記含フッ素重合体は、上述の重合工程及
び架橋工程をこの順序で経ることにより得られるものが
好ましく、所望により上述の酸型化工程を行う場合、上
記架橋工程の後に行うことが好ましい。
【0080】本発明の成形体は、上記含フッ素重合体か
らなるものである。上記成形体は、所望により、更に、
成形品に通常配合される添加剤類、例えば、加工助剤、
着色剤等を配合してなるものであってもよい。これらの
添加剤類は、例えば、着色剤等、その種類により、重合
工程により得られた含フッ素ポリマーに配合して含フッ
素重合体を得てもよいし、重合工程及び架橋工程を経た
含フッ素重合体に配合してもよい。
【0081】本発明の成形体は、上記含フッ素重合体を
用いて所望の形状にし、上記架橋工程により非可塑化し
て、得ることができる。上記所望の形状にする方法とし
ては、例えば、従来公知の方法等を用いることができ
る。
【0082】本発明の成形体は、上記含フッ素重合体が
架橋工程を経たものであるので、通常、三次元網目構造
を有する高分子量体であり、架橋していない含フッ素ポ
リマーに比べ、機械的強度に優れ、水の存在下に使用す
る場合であっても、水により膨潤して形態不安定や破損
を招く問題と、耐クリープ性に劣る問題を低減すること
ができる。
【0083】本発明の成形体は、また、従来のアミド結
合、エステル結合等の加水分解しやすい結合を形成する
ことによる一般的架橋系による場合とは異なり、上述の
架橋系によるものであることから、架橋部位の耐加水分
解性や耐酸化性等の耐久性に優れるので、例えば、水の
存在下又は酸化雰囲気下であっても、長期使用耐性に優
れたものである。
【0084】上記耐加水分解性や耐酸化性等の耐久性に
より優れた架橋部位を有することができる点から、本発
明における架橋工程としては、上述の架橋性官能基がカ
ルボキシル基又はシアノ基であり、上記一般式(II)
で表される架橋剤を用いる架橋系、架橋性官能基が−I
又は−Brであり、パーオキサイド化合物及び多官能不
飽和化合物を用いる架橋系が好ましく、前者の架橋系が
より好ましい。
【0085】本発明の成形体としては、パーフルオロビ
ニルエーテルスルホン酸誘導体(A)として一般式
(I)におけるY1がトリフルオロメチル基、Y2がフッ
素原子、n1が0又は1、n2が2であるものを用い、
架橋性官能基含有フルオロモノマー(B)として架橋性
官能基がカルボキシル基又はシアノ基であるものを用
い、エチレン性モノマー(C)としてテトラフルオロエ
チレンを用い、架橋工程において一般式(II)で表さ
れる架橋剤を用いたものが好ましく、用途に応じて更に
上述の酸型化工程を経たものであってもよい。
【0086】本発明の成形体の用途としては特に限定さ
れず、例えば、電解質膜、イオン交換膜等が挙げられ、
上述のように耐加水分解性や耐酸化性等の耐久性に優れ
ている点から、例えば、電解質膜、イオン交換膜等とし
て好適に使用することができる。本発明の成形体は、電
解質膜又はイオン交換膜として、例えば、電解質用膜、
リチウム電池用膜、食塩電解用膜、水電解用膜、ハロゲ
ン化水素酸電解用膜、酸素濃縮器用膜、湿度センサー用
膜、ガスセンサー用膜等に用いることができ、使用条件
が通常過酷な固体高分子電解質型燃料電池においても長
期間好適に用いることができる。
【0087】上記成形体を有することを特徴とする固体
高分子電解質型燃料電池もまた、本発明の一つである。
【0088】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 内容積500mlのステンレス製オートクレーブに、溶
媒としてH(CFClを25.5g、CF=C
FOCFCFSOFを174g、CF=CFO
CFCFCF−O−CFCFCOOHを17.
7g仕込んだ。窒素で充分に置換した後、テトラフルオ
ロエチレンを30℃で0.392MPaになるまで仕込
み、開始剤として(H(CFCOO)を0.2
8g導入し、重合を開始した。重合開始にともない圧力
が低下するため、30℃で圧力が0.392MPaにな
るようにテトラフルオロエチレンを追加で仕込みながら
重合を行った。1.2時間重合を行った後、容器を開放
し、内容物をクロロホルム中に入れ、析出したポリマー
を回収した。
【0089】得られたポリマーについて、19F−NM
R及びIRを用いて組成を求めたところ、TFE:CF
=CFOCFCFSOF:CF=CFOCF
CFCF−O−CFCFCOOH=86:1
3:1であった。
【0090】得られたポリマー10gと、架橋剤として
下記式
【0091】
【化13】
【0092】で表される2,2−ビス(3,4−ジアミ
ノフェニル)ヘキサフルオロプロパンを0.2g混合
し、あらかじめ270℃に加熱しておいた金型に混合し
た粉体のうち1gを入れ、270℃で30分間加熱した
後、冷却して取りだし、架橋された膜を得た。
【0093】得られた膜を25質量%水酸化ナトリウム
水溶液に入れ、90℃で12時間処理した。水洗いした
後、1N塩酸水溶液に2時間浸した後、水洗し、架橋さ
れた含スルホン酸膜を得た。得られた膜を100℃の熱
水中168時間処理し、処理する前と処理した後で弾性
率を測定したところ、ほとんど差はなかった。
【発明の効果】本発明の成形体は、上述の構成よりなる
ので、含フッ素重合体の架橋部位が耐加水分解性や耐酸
化性等の耐久性に優れ、電解質膜に使用し得るものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/02 H01M 8/02 P 8/10 8/10 // C08L 27:18 C08L 27:18 Fターム(参考) 4F071 AA27X AA30X AA78 AC08 AC19 AE02 AH15 4J027 AA08 AC02 AC07 AC09 BA04 BA17 CA25 CA31 CC02 CC03 4J100 AA02P AA03P AA04P AA05P AC22P AC23P AC24P AC25P AC26P AC27P AC31P AC37R AC42P AE38P AE38Q AE38R AE39P AE63P AE72P AE78R BA03R BA08Q BA08R BA16R BA20R BA40R BA42R BA58Q BB12Q BB12R BB18P BC43R CA04 CA05 CA31 HA51 HA53 HC05 HC36 HC39 HC43 HC46 HC63 HC70 JA43 5G301 CA30 CD01 5H026 AA06 BB00 BB10 CX05 EE19 HH05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキ
    ル基を示す。Y2は、ハロゲン原子を示す。n1は、0
    〜5の整数を示す。n2は、1〜10の整数を示す。n
    2個のY2は、同一であってもよいし異なっていてもよ
    い。Xは、ハロゲン原子、−OM1、−OM2 1/2又は
    −NR123を示し、M1は、水素原子又はアルカリ金
    属を示し、M2は、アルカリ土類金属を示し、R1、R2
    及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル
    基を示す。)で表されるパーフルオロビニルエーテルス
    ルホン酸誘導体(A)、架橋性官能基含有フルオロモノ
    マー(B)、及び、エチレン性モノマー(C)を重合す
    る工程、並びに、架橋を行う工程を経て得られる含フッ
    素重合体からなることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】 架橋性官能基含有フルオロモノマー
    (B)は、架橋性官能基がカルボキシル基又はシアノ基
    であり、架橋は、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R4及びR5は、一方が−NHを示し、他方が
    −NH、−NH−Ph、−OH又は−SHを示す。P
    hは、フェニル基を示す。R6は、−SO−、−O
    −、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1
    〜10のパーフルオロアルキレン基又は単結合手を示
    す。)で表される架橋剤を用いるものである請求項1記
    載の成形体。
  3. 【請求項3】 R4及びR5は、いずれも−NHである
    か、又は、一方が−NH であり、他方が−NH−Ph
    である請求項2記載の成形体。
  4. 【請求項4】 架橋性官能基含有フルオロモノマー
    (B)は、架橋性官能基が−I又は−Brであり、架橋
    は、パーオキサイド化合物及び多官能不飽和化合物を用
    いるものである請求項1記載の成形体。
  5. 【請求項5】 多官能不飽和化合物は、トリアリルイソ
    シアヌレートである請求項4記載の成形体。
  6. 【請求項6】 エチレン性モノマー(C)は、テトラフ
    ルオロエチレンである請求項1、2、3、4又は5記載
    の成形体。
  7. 【請求項7】 Y1は、トリフルオロメチル基であり、
    2は、フッ素原子であり、n1は、0又は1であり、
    n2は、2である請求項1、2、3、4、5又は6記載
    の成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の成形体を有することを特徴とする固体高分子電解質
    型燃料電池。
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