JP2003341989A - ドック用可動作業ユニット - Google Patents

ドック用可動作業ユニット

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JP2003341989A
JP2003341989A JP2002145872A JP2002145872A JP2003341989A JP 2003341989 A JP2003341989 A JP 2003341989A JP 2002145872 A JP2002145872 A JP 2002145872A JP 2002145872 A JP2002145872 A JP 2002145872A JP 2003341989 A JP2003341989 A JP 2003341989A
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JP2002145872A
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Yoshitaka Ebisawa
義孝 海老沢
Masaharu Zaima
正晴 財間
Hiroki Ando
尋樹 安藤
Kazuaki Kobayashi
和明 小林
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドック内の障害物を回避して移動することが
可能な、簡易な構造でメンテナンス性の良いドック用可
動作業ユニットを提供する。 【解決手段】 ドック壁10に設けたガイドレール12
上を移動するドック用可動作業ユニット20であり、タ
ワー型支柱30に沿って昇降する作業ステージ部40に
側方移動機構42を設け、この先端に作業台50を設置
している。タワー型支柱30は、横行ポスト36の外部
に設けられた昇降ポスト34が、横行ポスト36に沿っ
て上下方向に摺動する。また側方移動機構42は、外部
に設けられたリンク機構80により、船舶の横手方向に
対して伸縮可能である。作業台50は、水平方向に旋回
する機構を有しており、湾曲した3次元曲面に対して平
行に移動することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造船所などのドッ
クにおいて船舶の建造や修理の際に用いられるドック用
可動作業ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】造船所のドック内において、大型船の製
造や修復などの作業を行う場合、予め船舶外壁の周囲に
作業台を設置しておくことが便利である。作業者が円滑
に作業に従事するためには、作業の進展の度合いに応じ
て作業位置を変化できるものが好ましく、そのために移
動可能な構造の作業台を用いている。従来では、ブーム
式高所作業車や、足場の電動チェーンブロック等を設置
するなどの設備により、船舶の製造や修理を行ってい
る。
【0003】ブーム式高所作業車は、ドック内において
船舶外壁の長手方向に設けたガイドレール上に、起伏お
よび旋回可能なブームを搭載した走行車両を設置する構
成である。このブームの先端に作業者が搭乗する作業台
を設け、ブームの起伏および旋回や、ガイドレール上の
位置を操作することによって、作業台がドック内を移動
できる構造である。
【0004】また、高所作業の足がかりとして、ドック
内の船舶外壁周りに足場を設ける方法もある。これは、
船舶外壁の周囲に単管で基礎となる骨組みを設け、これ
に木板を組み合わせて足場とし、そこに重量物のハンド
リング可能な電動チェーンブロックを設置して、製造や
修理などの作業を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ドック底に
は、様々な作業を行うための作業車輌が横行し、ドック
に収容された船舶の積載物などが積み重ねられているこ
とがある。また、ドック壁には、壁と船舶との衝突を避
けるための緩衝材などが配置されている。従ってブーム
式高所作業車などの作業ユニットは、これらの障害物を
回避しつつドック内を移動して、作業を行う必要があ
る。
【0006】しかし、ブーム式高所作業車は、ブームの
起伏あるいは旋回、伸縮等の動作を組み合わせることに
よって、船舶に対する上下方向あるいは長手方向の移動
を行っているため、作業台の一方向の位置のみ(たとえ
ば上下方向)を変化させたいような場合にも、起伏や旋
回などの円弧運動を組み合わせなければ移動することが
不可能であり、その操作は非常に厄介である。特に、ガ
イドレールに案内されてドック内を移動するブーム式高
所作業車の場合、ドック底に障害物が存在してガイドレ
ールに沿った移動を妨げられると、ブームの旋回や上下
動作を組み合わせた操作を行わなければ作業台の移動を
なすことができない。これは、ブームの起伏あるいは旋
回の円弧軌跡を組み合わせて操作する必要があることか
ら、作業台の移動動作は複雑となり技術を要する。
【0007】また、船舶外壁に沿った横移動のための足
場を組む場合には、足場を張り巡らせる必要が生じ、ド
ック内において積荷を運載する走行車両などの障害とな
る。更に、その組立作業に多くの労力と時間とを要する
ことになり、作業者の負担が増大する。
【0008】また、種々の船舶に対応できるように、大
きなブーム式高所作業車を用いると、ブームにトラブル
があった場合や定期的な点検などのメンテナンス作業を
行う際に、非常に大掛かりな作業となり、作業者の負担
になっている。このように大きな作業ユニットを用いる
ことは、メンテナンスの困難さもさることながら、コス
トの増大を招いている。
【0009】本発明は上記問題に着目し、ドック内の障
害物を回避して移動することが可能な、簡易な構造でメ
ンテナンス性の良いドック用可動作業ユニットを提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明のドック用可動作業ユニットは、造船所のド
ック壁に沿って横行可能なタワー型支柱に作業ステージ
部を設けたドック用可動作業ユニットであって、前記タ
ワー型支柱をドック壁に沿って横移動可能な横行ポスト
と、当該横行ポストに沿って上下移動可能な昇降ポスト
とから構成し、前記昇降ポストに前記作業ステージ部を
昇降ポストに対して昇降可能に装着したことを特徴とし
ている。
【0011】また、本発明に係るドック用可動作業ユニ
ットは、前記作業ステージ部における先端作業台をドッ
クに収容された船体側に向けて移動可能に構成するとと
もに、この作業ステージ部の外部に伸縮アクチュエータ
を装備した側方移動機構を備えて前記作業台を水平方向
に移動可能とした構成としてもよい。この場合、前記側
方移動機構の前記伸縮アクチュエータを単シリンダによ
り構成し、当該単シリンダを含む揺動リンク機構により
構成して前記作業ステージを水平方向に伸縮可能とすれ
ばよい。
【0012】
【作用】上記構成により、本発明のドック用可動作業ユ
ニットは、タワー型支柱を横行ポストと当該横行ポスト
に沿って上下移動する昇降ポストと、この昇降ポストに
対して昇降可能な作業ステージとからなる多段階構成と
したことから、上下方向に対する作業ステージの移動自
由度が高いものとなった。前記タワー型支柱における昇
降ポストを横行ポストに沿って上下方向に移動させれ
ば、作業ステージ部の実質的な昇降ストローク量を増大
させつつ、横行移動時に障害物がドック床面やドック壁
上部に張り出していても、これを簡単に回避することが
できる。すなわち、作業ステージ部を上下に移動させた
い場合、昇降ポストに沿って作業ステージ部を移動させ
るか、昇降ポストを横行ポストに沿って摺動させるか、
あるいはその両方を同時に行うことによって作業ステー
ジ部は上下方向の移動をなして、簡易・迅速に障害物回
避動作に移行することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る作業ユニッ
トの具体的実施の形態を、図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、本実施形態に係るドック用可動作業ユニッ
ト全体の斜視図、図2は同ユニットの平面図および側面
図である。また、図3は同ユニットの配置されるドック
の説明図である。
【0014】本実施形態に係るドック用可動作業ユニッ
ト20は、図3に示すように、造船所のドックに収容さ
れた船舶16の外壁の塗装作業などを行う際に、作業者
の足掛かりとして用いられる。ドック用可動作業ユニッ
ト20は、ドック壁10に沿って横行移動できる構造と
され、このため、本実施形態ではドック壁10にガイド
レール12を敷設し、このガイドレール12に案内され
てドック内を走行できる構成とされている。
【0015】前記ガイドレール12は、本実施形態では
H型鋼を用いて、これをドック壁の長手方向に配置して
いる。ドック用可動作業ユニット20には、このような
ガイドレール12に係合する車輪の取り付けられた移動
手段22が設けられている。前記移動手段22は、図示
しない減速機を介して電動機から動力を得ており、これ
により前記車輪を回転させてガイドレール12上を横行
可能としている。また、移動手段22には停止用のブレ
ーキが装着され、横行移動中に任意の位置で停止するこ
とができる。なお、移動手段22は電動機を設けた自走
式に限らず、ワイヤで牽引するなどの手動式のものとす
ることも可能である。
【0016】このような移動手段22は、縦長の支柱で
あるタワー型支柱30に取り付けられている。タワー型
支柱30は入れ子構造をなし、上下方向に対してストロ
ークを持って移動できるものである。すなわち、内部に
配置される箱形の横行ポスト36と、この横行ポスト3
6に沿って昇降するフレーム構造の昇降ポスト34とか
ら構成される2重構造となっている。本実施形態では、
昇降ポスト34の高さをドック壁10とほぼ同じとし、
また横行ポスト36を昇降ポスト34の約2/3程度の
高さに形成している。この横行ポスト36には、前記移
動手段22が取り付けられ、ガイドレール12に沿って
ドック壁10を横行可能とされる。なお、横行ポスト3
6がドック壁10に対して平行に配置されるように、横
行ポスト36の下部に張り出し26を設けることによ
り、上下方向の均衡を取っている。この張り出し26の
先端部には補助輪24を取り付け、移動手段22を可動
させて横行ポスト36を横移動させた際に、従属運動す
るものとする。本実施形態では、補助輪24と係合する
ようにドック壁10にガイドレール13を設けている
が、補助輪24を直接ドック壁10の表面に走行させる
ことも可能である。
【0017】このような横行ポスト36には、その外周
に沿って昇降する昇降ポスト34が装着されている。昇
降ポスト34は、後述する作業ステージ部40を組み込
んだ時の支柱となるため、強度があり軽量なトラス構造
に形成する。ただし、ドック壁10に近接する面は、梁
を設けない構造とする。これは、横行ポスト36に対し
て、昇降ポスト34が上下方向に昇降する構成としてい
るため、横行ポスト36と昇降ポスト34のトラス構造
の梁とが接触しないように対処したものである。
【0018】昇降ポスト34は、内部に横行ポスト36
を挿入できるように、横行ポスト36の外周より大きな
内周を有する矩形に形成される。横行ポスト36には昇
降ポスト34の内周に接触するように接触輪37を配置
する。接触輪37は、昇降ポスト34の横振れを抑止
し、昇降の際の摩擦抵抗を低減させる。接触輪37は、
少なくとも横行ポスト36の上下2箇所に配設し、1箇
所の水平面に合計4個ずつ配置される。
【0019】前記横行ポスト36には、駆動機構である
スクリュージャッキ38が装備されている。このスクリ
ュージャッキ38は、図4に示すように、鉛直に配置さ
れた長尺のネジ軸70と、このネジ軸70と内周のネジ
部によって噛み合う円筒形状のウォームホイル72と、
ウォームホイル72の外周のネジ部と噛み合い水平に配
置されたネジ状のウォーム74とから構成されている。
このウォーム74は、図1に示すようにモータ76に連
接されている。モータ76を稼動させてウォーム74を
回転させると、水平軸回りのウォーム74の回転は、鉛
直軸回りの回転としてウォームホイル72に伝達され
る。そして、ウォームホイル72の回転とともに、ウォ
ームホイル72内周のネジ部とネジ軸70とがネジ運動
し、ネジ軸70を上下方向へ移動させる。
【0020】ネジ軸70の頭部に前記昇降ポスト34の
天井部が固定され、昇降ポスト34はネジ軸70の動作
に伴って、ネジ軸70の全長と等しい距離だけ上下方向
に移動することが可能となる。すなわち、昇降ポスト3
4の最下点は、ネジ軸70の頭部がウォームホイル72
に接近した位置であり、また最上点はネジ軸70の下端
部がウォームホイル72に接近した位置である。前記ス
クリュージャッキ38は、作業ステージ部40の先端に
設けられた作業台50の前面の操作盤54により操作さ
れる。すなわち、作業者は作業台50で作業しながら昇
降ポスト34の昇降操作を行い、作業台50を上下に移
動させることができる。
【0021】上述のタワー型支柱30は、移動手段22
によりドック壁10に設置されたガイドレール12上を
案内されることで、ドック内に収納された船舶16の横
行方向への移動が可能となる。横行方向に平行なドック
壁10に水平に張り出した梁14を設け、この梁14上
にドック壁10に沿ってガイドレール12を設置してい
る。この際、前記スクリュージャッキ38により、昇降
ポスト34を最下点に移動させた時、その下端部がドッ
ク底に接触しない位置に梁14を設置する。このような
構成により、ドック底の障害物によってドック用可動作
業ユニット20の移動が妨害されることなく、またドッ
ク底を移動する運搬車輌などの走行妨害となることを回
避することができる。また、収納スペースに関しても、
いわば折り畳み形式の構造であるため、場所を取らずに
収納することが可能である。
【0022】上述の昇降ポスト34には、作業ステージ
部40と、これを昇降させるための昇降手段32が設け
られる。作業ステージ部40は側方移動機構42を有し
ており、この側方移動機構42の根本部分であるスライ
ドステージ44が、昇降ポスト34に沿って垂直に移動
するように昇降ポスト34に取り付けられている。前記
スライドステージ44は、長方形の箱形で内部が中空に
形成される。この長手方の一端をコの字形に切除し、昇
降ポスト34を抱え込むように取り付ける。この時、タ
ワー型支柱30とスライドステージ44との間の摩擦を
防ぐため、スライドステージ44は昇降ポスト34との
接触面に自由回転の可能な車輪46を設けている。
【0023】昇降ポスト34によるスライドステージ4
4の昇降は、昇降ポスト34の上端に設置された巻揚げ
機48によって行われる。この巻揚げ機48に水平に設
けられた円筒状の巻胴にワイヤを巻き付け、このワイヤ
の一端にスライドステージ44を懸吊し、電動機で巻胴
を回転させてワイヤの巻掛け、あるいは巻き戻しを行
う。これによって、作業ステージ部40を昇降させる。
スライドステージ44は、タワー型支柱30によるガイ
ドレール12上の走行と昇降ポスト34の昇降および昇
降ポスト34に対するスライドステージ自身の昇降移動
とにより、船舶16の横行方向および上下方向に移動す
る。作業ステージ部40には、タワー型支柱30から船
舶16へ向かう方向(船舶幅方向)に伸縮する側方移動
機構42が装着されて、その先端部に作業台50が設け
られ、前記作業台50を船舶16の船舶幅方向に対して
自由に伸縮できる構造とする。
【0024】側方移動機構42は、テレスコピック構造
を用いて構成している。すなわち、大きなものから順次
に嵌入された複数のステージ52が、水平方向(この場
合は船舶幅方向)に抜き差しできるように構成される。
また、作業ステージ部40が最も短縮している状態の時
に、前記テレスコピック機構が最小範囲に収納できるよ
うにする。このため、ステージ52をそれぞれ大きさの
異なる中空の箱形に複数形成しておく。これらのステー
ジ52は相似形に形成しておき、サイズの大きなステー
ジ52に小さなステージ52が内挿される構成とし、最
終的にはスライドステージ44の内部にすべて収納され
るものとする。本実施形態では、サイズの異なった3個
のステージ52B、52C、52Dを使用し、前記スラ
イドステージ44にステージ52Bが内挿され、ステー
ジ52Bよりも小さく形成したステージ52Cが前記ス
テージ52Bに内挿されるといったように順次ステージ
52を内挿し、スライドステージ44を含めて4段階の
構成とする。
【0025】また、最小のステージ52Dには作業台5
0が連結されている。作業台50は、矩形状の作業床を
有し、下段部分をステージ52Dの先端に対し水平方向
に旋回可能に連結する。上段部分の作業床には、上に手
摺を設けた構成とし、作業者の転落を防止している。ま
た作業台50の前面(船舶16の近傍側)には操作盤5
4が設置されており、作業者は作業台50の長手・左右
・上下の位置制御の操作を操作盤54にて行う。
【0026】ステージ52B、52C、52Dの伸縮
は、外部に設けられたリンク機構80によって行われ
る。図5に示すように、リンク機構80はアーム82
A、82Bと伸縮運動する油圧シリンダ56とを有する
限定連鎖である。前記作業台50の船舶16側の下部に
は、ドック壁10と平行な軸線を持つステー84が取り
付けられる。このステー84は、作業台50とアーム8
2Aとの距離が変化した場合に対応できるよう、2段テ
レスコピックなどの伸縮可能な構造で構成しておくこと
が好ましい。
【0027】ステー84の端部には、リンク機構80の
エレメントであるアーム82Aの一端を自在継手で結合
させる。油圧シリンダ56は、先端部をアーム82Aの
他端に、シリンダ側端部をスライドステージ44のドッ
ク壁側上部にピン結合する。また、スライドステージ4
4のドック壁側下部には、アーム82Bの一端をピン結
合し、アーム82Bの他端は前記アーム82Aの中間よ
りやや油圧シリンダ56結合側に寄せてピン結合する。
このようなリンク機構80を作業ステージ部40の両側
面にそれぞれ設け、図示しない油圧ポンプによって油圧
シリンダ56を作動させることでステージ52B、52
C、52Dがそれぞれ出入りして伸縮運動を行う。すな
わち、油圧シリンダ56を短縮させた場合には、図5
(1)に示すようにアーム82Aが水平方向に傾いてい
る状態となり、作業ステージ部40は水平方向に伸張さ
れている。また、油圧シリンダ56が伸張すると、図5
(2)に示すように、アーム82Aは垂直方向に立ち上
がるため、作業台50とスライドステージ44との距離
が詰められ作業ステージ部40は短縮する。
【0028】このようなリンク機構80は、作業ステー
ジ部40の外側に設けられている。そのため、定期的な
点検や故障した場合などにおけるメンテナンス作業を簡
易に行うことが可能である。また、このリンク機構80
は、一本の油圧シリンダ56とアーム82を用いただけ
の簡易な構造としたため、コストの低減が実現できる。
【0029】また、作業ステージ部40の両側面にそれ
ぞれ設けられたリンク機構80の油圧シリンダ56の伸
縮量を相違させることにより、作業台50を伸縮する方
向(船舶幅方向)に対して水平方向に旋回可能な構造を
設けている。すなわち、図6(1)に示すように、油圧
シリンダ56の変位量が同量の場合には、作業台50は
ステージ52の伸展方向に対して正面を向いているが、
たとえば同図(2)に示すように、油圧シリンダ56の
伸縮量を違えて、右側のリンク機構80Rをより長く伸
展させた場合に、作業台50は左側に旋回することにな
る。この時、ステー84とアーム82Aとを自在継手と
することにより、ステー84とアーム82Aとのなす角
度が変化しても対応することが可能となる。また、ステ
ー84を伸縮可能な構成としているため、作業台50が
左右のどちらかに旋回した場合にも、対応することがで
きる。
【0030】また、船舶16の外壁と作業台50との距
離を検出する手段として、位置センサ62L、62Rを
作業台50の先端部左右の両端2箇所に設けている。こ
れらの位置センサ62による検出結果は、図示しない制
御装置に送られて作業台50上の操作盤54に表示され
る。従って、船舶16と作業台50との距離が2箇所で
検出され、作業台50の船舶16に対する距離Lを明確
に視認することができる。このため、船舶16に対して
作業台50が角度を持っていた場合に、各種作業に障害
が生じないように、作業台50と船舶16との平行度を
常に確認することができる。
【0031】船舶16の外壁は、湾曲した3次元曲面を
有している。作業台50の伸縮方向に対して船舶16の
外壁が角度を持っている場合がある。この時、位置セン
サ62Lでの検出結果がL1、センサ62Rでの選出結
果がL2であったとすると、L 1とL2との差異だけ、作
業台50は船舶16の外壁に対して傾いていることにな
る。そこで、操作盤54にて側方移動機構42の油圧シ
リンダ56を作動させ、リンク機構80Lを伸展させる
か、またはリンク機構80Rを短縮させるかの操作を行
うことで、作業台50を船舶16の外壁と平行に配置す
ることが容易に行える。また、これらの位置センサ62
L、62Rと側方移動機構42の油圧ユニットとを制御
装置で管理し、船舶16と常に一定の距離を保持させつ
つ、作業台50を船舶16の横行方向や上下方向に移動
させることも可能である。さらに、作業台50が船舶1
6との距離を詰めすぎた場合に緊急停止する機構を設置
すれば、船舶16に接触して破損させる可能性を排除す
ることができる。
【0032】以下に、上記構成を用いたドック用可動作
業ユニット20の作用を説明する。まず、ドック用可動
作業ユニット20は、ドック壁10に沿って設けられた
ガイドレール12に沿って移動する。このガイドレール
12は、船舶16の横行方向に沿って設置されているた
め、作業者は船舶16の前後方向に移動できるものであ
る。
【0033】上下方向の移動は、スクリュージャッキ3
8を作動させて昇降ポスト34を昇降させる方法と、昇
降手段32により作業ステージ部40を昇降ポスト34
に沿って昇降させる方法との2通りの方法がある。たと
えば船舶16の外壁の塗装作業などで上下方向の移動を
する場合には、後者の昇降手段32による方法を用いる
と効率が良い。ドック底やドック壁に張り出した障害物
を回避する場合には、スクリュージャッキ38を作動さ
せて昇降ポスト34を上下のどちらかに移動させる。ス
クリュージャッキ38と昇降手段32との両方を同時に
作動させ、昇降ポスト34を昇降させて障害物を回避さ
せつつ、昇降手段32により作業ステージ部40を昇降
させると、作業ステージ部40の水平位置を保ったまま
障害物の回避を行うこともできる。
【0034】船舶16の船舶幅方向に関しては、作業ス
テージ部40が伸縮することで遠近の操作を行うことが
できる。このとき、2箇所に設けられた油圧シリンダ5
6の伸縮量をそれぞれ変えることで、作業台50を旋回
させることが可能である。
【0035】また、これらの操作は操作盤54にて行わ
れ、横行方向、上下方向、船舶幅方向のそれぞれの移動
は、同時に操作することも可能である。すなわち、斜め
上に作業台50を移動させたい場合には、横行方向なら
びに上下方向に作業台50を動かし、またこの時同時に
位置センサ62L、62Rで船舶16に対する距離を保
持するように設定すれば、3次元曲面を有した船舶16
の側壁に対して作業台50を平行に保ちながら移動させ
ることができる。
【0036】また、船舶16の船舶幅方向に側方移動機
構42を設けただけでなく、船舶16の外壁との位置を
検出する位置センサ62を設置したことにより、船舶1
6と一定距離を保持しながら行う作業に、非常に有効な
構成である。
【0037】また、作業台50の移動軌跡を記憶させる
プログラムを搭載した制御部を設けることも可能であ
る。たとえば、船体に対して同じ距離を保ちつつ移動し
て作業を行いたい場合などに、予め作業台50が船体に
倣い移動する軌跡を制御部に記憶させておき、このプロ
グラムに沿って作業台50を移動させながら作業を行う
ことができる。これは、船体に沿って上下移動しなが
ら、少しずつ横行して作業範囲を移動させる場合など
に、非常に有効である。なお、ガイドレール12は、水
平に設ける必要はなく、場合によっては斜め方向に垂下
するように設置したり、船舶16の側壁から船首あるい
は船尾方向に向かってカーブさせたり等、様々な形態に
対応させて設けることが可能である。
【0038】
【発明の効果】上記構成により、本発明による作業ユニ
ットは、作業ステージ部の昇降を、作業ステージ部の取
り付けられた昇降ポストを横行ポストに沿って移動させ
る方法と、作業ステージ部自体を昇降ポストに沿って昇
降させる方法とにより行うことができる。これにより、
ドック底やドック壁などに存在する障害物を、前者の方
法によって回避することが可能になる。また、ドック底
を移動走行中の運搬車輌などを回避する場合において、
両者の方法を同時に採用することにより、作業者のいる
作業台の水平位置を変えずに、障害物を回避することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る作業ユニット全体の斜視図
である。
【図2】 同ユニットの平面図および側面図である。
【図3】 同ユニットの配置されるドックの説明図であ
る。
【図4】 スクリュージャッキの斜視図である。
【図5】 本実施形態に係る側方移動機構のリンク機構
の説明図である。
【図6】 本実施形態に係る作業台の旋回の説明図であ
り、(1)は通常状態の説明図、(2)は旋回状態の説
明図である。
【符号の説明】
10………ドック壁、12、13………ガイドレール、
14………梁、16………船舶、20………可動作業ユ
ニット、22………移動手段、24………補助輪、26
………張り出し、30………タワー型支柱、32………
昇降手段、34………昇降ポスト、36………横行ポス
ト、37………接触輪、38………スクリュージャッ
キ、40………作業ステージ部、42………側方移動機
構、44………スライドステージ、46………車輪、4
8………巻揚げ機、50………作業台、52………ステ
ージ、54………操作盤、56………油圧シリンダ、6
2………位置センサ、70………ネジ軸、72………ウ
ォームホイル、74………ウォーム、76………モー
タ、80………リンク機構、82………アーム、84…
……ステー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 尋樹 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 小林 和明 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 Fターム(参考) 3F333 AA08 AB07 AB15 AC01 BA03 BA13 BB26 BD04 BD05 BE02 BF01 BF03 BG01 BG02 BG03 BG05 CA01 FA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造船所のドック壁に沿って横行可能なタ
    ワー型支柱に作業ステージ部を設けたドック用可動作業
    ユニットであって、前記タワー型支柱をドック壁に沿っ
    て横移動可能な横行ポストと、当該横行ポストに沿って
    上下移動可能な昇降ポストとから構成し、前記昇降ポス
    トに前記作業ステージ部を昇降ポストに対して昇降可能
    に装着したことを特徴とするドック用可動作業ユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記作業ステージ部における先端作業台
    をドックに収容された船体側に向けて移動可能に構成す
    るとともに、この作業ステージ部の外部に伸縮アクチュ
    エータを装備した側方移動機構を備えて前記作業台を水
    平方向に移動可能としてなることを特徴とする請求項1
    に記載のドック用可動作業ユニット。
  3. 【請求項3】 前記側方移動機構の前記伸縮アクチュエ
    ータを単シリンダにより構成し、当該単シリンダを含む
    揺動リンク機構により構成して前記作業ステージ部を水
    平方向に伸縮可能としたことを特徴とする請求項2に記
    載のドック用可動作業ユニット。
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