JP2003341694A - 開閉自在袋 - Google Patents

開閉自在袋

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JP2003341694A
JP2003341694A JP2002148368A JP2002148368A JP2003341694A JP 2003341694 A JP2003341694 A JP 2003341694A JP 2002148368 A JP2002148368 A JP 2002148368A JP 2002148368 A JP2002148368 A JP 2002148368A JP 2003341694 A JP2003341694 A JP 2003341694A
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Yukio Takase
幸雄 高瀬
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Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意図して開封するまでは開封したことが黙示
でき、内容物が粘着封袋部のズレ発生によりズリ落ちる
心配がなく、開封後はワンタッチで容易に繰り返し開閉
出来る開閉自在袋を提供する。 【解決手段】 袋本体1又はフラップ2の袋開口部近傍
に、接着力の異なる強弱2本の粘着層31,32を設
け、初回開封時までは強粘着層帯32の粘着力で密封性
を維持し、初回開封時に両粘着層帯間に入れたミシン目
5により強粘着層帯32を切り離し、弱粘着層帯31の
粘着力のみで封袋させる開閉自在袋を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商品等の内容物を
挿入・充填しワンタッチで封袋・密閉でき、且つ内容物
の出し入れが容易・自在に繰り返して行える開閉自在袋
に関するものであり、特に開閉自在袋が吊り下げヘッダ
ー付きのもので長期間店頭に吊り下げられ展示された場
合に、商品等の内容物の紛失や改ざんの恐れがない開閉
自在袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン・ポリプロピレン等オレフ
ィン系樹脂及びその共重合体やPET等の熱融着性の製
袋機能を有するポリマーのフィルムからなる商品封入用
袋が知られている。例えば、図5に示すように、袋本体
部1又はフラップ部2の袋開口部近傍に粘着層帯3を設
け、商品封入袋Cに商品Pを封入後、フラップ2を袋本
体1に重ね、袋Cに設けた粘着層帯3の粘着性により、
ワンタッチで商品封入袋Cを封袋・密閉する。図5に示
すものは最も一般的なパッケージであり、吊り下げを必
要としない場合に用いる。また、図6に示すものは、吊
り下げ可能なパッケージであり、商品内容物が充填さ
れ、封袋後に店頭に長時間吊り下げ展示されるのに使用
する。この商品封入袋は、袋本体1にフラップ部2と反
対側に吊り下げ用ヘッダー4が連接されている。更に、
図7に示すものも吊り下げ可能なパッケージであり、商
品内容物が充填され、封袋後に店頭に長時間吊り下げ展
示されるのに使用する。この商品封入袋は、袋本体1の
フラップ部2側に吊り下げ用ヘッダー4が連接されてい
る。いずれの商品封入袋Cも防水性、印刷装飾性を有
し、ワンタッチで商品の封入ができる作業性のよさ、ま
た開封後も手間をかけず内容物を必要に応じで繰り返し
出し入れ開閉できる便利性を有するために重宝され広く
用いられ、該商品は大きな市場を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
開閉自在袋は下記のような致命的欠陥も有するのであ
る。即ち、開閉自在袋の封袋機構は粘着材の粘着力によ
り付与されるものであるため、 (1)袋の開閉はワンタッチで容易に行えるが、この機
能は、反面商品を店頭で展示して販売する際に、該商品
がメーカーから出荷後何者にも開封されることなく密閉
を維持して消費者(購入者)に渡るという保証が不可能
で、このため商品品質数量保証への信頼性を欠くことに
なる。 (2)開閉自在袋が吊り下げ用ヘッダーを有する構造
で、商品内容物が充填され、封袋後に店頭に長時間吊り
下げ展示される場合、封袋機構が接着材の粘着性に依存
するものであるため、粘着封袋部が接着力の低下、クリ
ープによりズレを発生させ、場合によっては封袋部が外
れ内容物が落下するにいたることがある。 (3)図7に示す開閉自在袋は、吊り下げ用ヘッダーを
有する構造でも商品内容物が充填され、封袋後に店頭に
長時間吊り下げ展示されても、内容物の落下の可能性が
少ないが、袋の構造が複雑であり製作に手間がかかると
いう欠陥がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため研究
の結果、かかる粘着封袋機構に基づく袋開口部に折り曲
げフラップを備えた粘着機構による開閉自在袋の課題解
消手段としてとして、 1.袋の開袋口部にフラップを備えフラップを折り曲げ
袋本体に折り曲げフラップを備えた袋開口部を設け、前
記袋本体又はフラップに粘着層を設けた開閉自在袋にお
いて、前記粘着層は接着力が大小二種類の2本からな
り、接着力が大なる粘着層は前記フラップの先端側に設
け、前記2本の粘着層の間のフラップ側にミシン目を設
けた開閉自在袋。 2.前記接着力が大なる粘着層の接着力は永久接着性能
を有し、前記接着力が小さい粘着層の接着力は再剥離可
能な接着力である請求項1に記載の開閉自在袋。 3.前記ミシン目は少なくとも1本以上設けられ、前記
ミシン目と粘着層との間でフラップ側両端部に切り込み
が設けられた開閉自在袋。を構成させることにより目的
を達成することに成功したのである。
【0005】前記切り込みは、前記ミシン目の延長上で
フラップ側両端部に設けられた開閉自在袋が好適であ
る。
【0006】また、開閉自在袋の開口部と反対位置に、
吊り下げヘッダーが設けられた構造も本発明の範囲であ
る。
【0007】即ち、本発明の目的とする本発明の開封前
には密閉性が高く、内容物を取り出すために開封する以
外は開封することができないということが保証でき、内
容物封入後の保管時又は展示時に封入内容物の自重によ
って粘着機構による封袋部がクリープによりズレ又は開
口し内容物が落下することなどが生じなく[機能1]、
且つ開封後には作業性良くワンタッチで繰り返し開閉と
確実な封袋が可能な[機能2]開閉自在袋を構成せしめ
るための構成と性能付与機構につき、更に詳しく解説す
ると、(1)ワンタッチで開閉可能な[機能1]と[機
能2]を合わせ持つ開閉自在袋を構成させるためには、
袋の開口部に設けたフラップを折り曲げ袋本体上に積重
粘着させる開閉自在袋の開口部に、粘着性能の異なる強
弱2種類の粘着層帯を若干の間隔をあけて配置・設置
し、更にこの両粘着層帯間に封袋後最初の開封に際し
て、接着力が大きい強粘着層帯部と接着力が小さい低粘
着層帯部の間でフラップを切り離し、低粘着層帯のみに
よる封袋状態となし開封作業を容易にするために、両粘
着層帯間に並行に切断補助用のミシン目を入れた構造と
する。
【0008】(2)[機能1]を有する粘着層帯とし
て、従来の粘着機構によるワンタッチでの封袋機能の特
徴を有しながら、粘着封袋後は、袋本体を変形又は破壊
しなければ粘着部の引き剥がしが不可能か、又はそれに
近いレベルの高粘着力を有し、且つクリープ特性に優れ
た強力な永久接着性能の接着剤を、(1)に規定した構
造の開閉自在袋の封袋時にフラップ先端位置に来るよう
に袋本体又はフラップに塗布して接着力が大きい強粘着
層帯を設け、該強粘着部を切り離さない限り開封不能に
し、事前開封ができないことを保証し、且つ、該開閉自
在袋に商品等の内容物が充填され吊り下げヘッダーによ
り長時間店頭に吊り下げられても、粘着層帯のクリープ
により封袋部がずれたり、内容物が落下する等のトラブ
ルが発生しない機能を付与する。
【0009】(3)[機能2]を有する粘着層帯とし
て、封袋機能はあるが、繰り返し開閉が容易に実施でき
る粘着力の弱い再剥離可能な粘着性能の接着剤を選択し
て、(1)に規定した構造の開閉自在袋の封袋時に、フ
ラップ先端位置に来るように配設された強粘着層帯より
袋開口部側に、強粘着層帯と若干の間隔をあけて接着力
が小さい弱粘着力の粘着層帯を配置・設置する。上記の
ように開閉自在袋を構成すれば、開閉自在袋の開封に際
しては、両粘着層帯間に設けた切り離し補助用ミシン目
に沿ってフラップを切り離せば、極めて容易に開閉自在
袋の繰り返し開閉が実施可能となり、目的とする機能の
開閉自在袋が達成できるのである。
【0010】本発明において、永久接着性能を有する強
粘着層帯と再剥離可能な弱粘着層帯の粘着特性は目的達
成に特に重要な機能であり、定量的に規定した強粘着層
帯と弱粘着層帯の粘着性能に対する規定値の意義を開示
すると、強粘着層帯においてはJIS−Z−0237粘
着テープ・粘着シート試験法にて測定される180度剥
離強度が常温で10(N/10mm)以下では、事前開
封の防止が不完全であり(この規定値以上の粘着力があ
れば開封により袋本体フィルムの破損、又は粘着部の変
形・変質を伴わずに開封不能となるので事前開封は防止
できる)、規定値以上の粘着力が望ましく、また、同試
験法保持力で代行規定されるクリープ特性も、商品充填
・封入後ヘッダーにて吊り下げ店頭展示された場合、内
容物自重により粘着部にズレが生じたり、粘着部がズレ
により開封し内容物が落下する恐れあり、規定値以上の
保持力が望ましい。ここで、永久接着性能しは、包装材
の種類による強度との関連もあるが、粘着層で剥離が行
われる際に、袋が破壊したり明らかな変形が発生したり
する程度の接着力を有する性能を示している。
【0011】また、再剥離可能な弱粘着層帯における粘
着力は、同測定法による180度剥離強度で0.1〜1
0.0(N/10mm)の範囲の粘着力が必要であり、
規定値以上の粘着力があると該開閉自在袋の開閉作業性
が悪くなり、更に粘着力が特に大き過ぎた場合、開封時
に該開閉自在袋本体の変形・変異が生じることがある。
また、粘着力が規定値以下であると、封袋性が不完全と
なり封袋性能が不足し不都合が生じる恐れがある。な
お、弱粘着層帯のみでの封袋時にはヘッダーで吊り下げ
る場合は、前述のプリンター用紙等のように重量の小さ
い内容物であり、あるいは内容物の重量が大きい場合
は、吊り下げないで展示するため、粘着層帯においては
クリープ特性の規定は特に必要でない。
【0012】本発明で用いる接着材は、何ら特別のもの
である必要はなく、粘着性能を有するものであれば何れ
の汎用の粘着材を使用してもよい。但し、粘着層帯の粘
着力は、粘着層帯の幅によっても影響を受けるため、各
粘着層塗布・設置においては、所定の粘着特性を満足す
るような粘着材の性能と、塗布する粘着層帯の幅を考え
商品設計する必要がある。
【0013】また、開閉自在袋の別の製造方法として、
強粘着層帯に要求されるクリープ特性を満足する接着材
であれば、同一の接着材を使用し粘着層帯の塗布幅を変
え、(強粘着層体は塗布幅を広く、弱粘着層体は塗布幅
を狭くする)、規定された粘着性能を達成する手段も用
いることができる。なお、強粘着層帯の接着材として
は、光又は湿度感応硬化性接着材の適用も効果的であ
る。また、弱粘着層帯には、かかるタイプの接着材は用
いてはならない。
【0014】本発明の開閉自在袋本体の構成素材は特に
限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン及びそれ等の共重合体及びブレンド
物よりなるフィルム、更には、ポリエステルフィルムな
どが、開閉自在袋の製袋時における印刷性能、熱融着
(ヒートシール)性能などの生産適用性能と、製品の防
湿・防水性能・装飾性能・美観性など商品特性面の優位
性より推奨される。
【0015】本発明の開閉自在袋における粘着層帯の塗
布配置は、袋本体又はフラップの開口部近接位置に複数
本、好ましくは2本平行に塗布して粘着層帯を設ければ
よいのであるが、袋開封後使用者が袋に収納する内容物
の出し入れ頻度が高い場合は(即ち開閉頻度の高い場
合)、粘着層帯の塗布を袋本体側にしておく方が作業性
がよく推奨できるが、特に限定するものではなく何れで
もよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明の実施
形態を具体的に説明し、その内容を詳細に開示する。図
1、図2(a)に示すように、オレフィン系樹脂及びそ
の共重合体の熱融着性を有するポリマーのフィルムから
なる商品封入用開閉自在袋Cの袋本体部1の開口部11
に連接してフラップ2を設ける。フラップ部2の開口部
近傍に接着力が大なる粘着層帯31とフラップ2の先端
側に接着力が小さい粘着層帯32を設ける。接着力が大
なる粘着層帯31と接着力が小さい粘着層帯32との間
にミシン目5を設ける。図2(b)に示すように、接着
力が大なる粘着層帯31と接着力が小さい粘着層帯32
は袋本体1に設けてもよい。
【0017】図3(a)に示すように、接着力が大なる
粘着層帯31と接着力が小さい粘着層帯32との間にミ
シン目5を2本設けてもよい。また、図3(a)に示す
ように、ミシン目5と粘着層帯31,32との間でフラ
ップ2の両端部に切り込み6が設けられている。図3
(b)に示すように、切り込み6は、ミシン目5の延長
上でフラップ2の両端部に設けてもよい。
【0018】また、図4に示すように、フラップ2を袋
本体1に重ねたとき、フラップ2に設けたミシン目5が
強粘着層帯31の上に重ねられる位置にミシン目5を設
けてもよい。このようにすることにより、フラップ2を
無理に剥離しようとすると、強粘着層帯31の粘着性に
より袋本体1が変形又は破壊し、フラップ2はミシン目
5から切断される。図4に示す実施例において、フラッ
プ2に粘着層を塗布し、袋本体1にミシン目5を設け
て、フラップ2を袋本体1に重ねたとき、ミシン目5を
強粘着層帯31の上に重ねられるように設けてもよい。
なお、図4に示す実施例において、弱粘着層帯32を省
略することもできる。
【0019】商品封入袋Cに商品を封入後、フラップ2
を袋本体1に重ね、袋Cに設けた粘着層帯31,32の
粘着性により、ワンタッチで商品封入袋Cを封袋・密閉
する。 勿論、開閉自在袋は、吊り下げ可能であり、商
品内容物が充填され封袋後に店頭に長時間吊り下げ展示
されるのに使用してもよい。この場合、商品封入袋は袋
本体1にフラップ部2と反対側に吊り下げ用ヘッダーが
連接されている。更に、吊り下げ用ヘッダー4が袋本体
1のフラップ部2側に連接されてもよい。
【0020】[実施例]A4板のディジタル画像写真用
フォト光沢紙50枚を収納し、店頭に吊り下げ展示可能
の開閉自在袋を作成するために、(幅)740mm×(長
さ)500m×(厚み)20μのポリプロピレンフィルム
に、該開閉自在の収納袋に該当する内容商品表示・説明
用装飾画像を印刷し、フラップ形成部2を形成するため
に該フィルムを幅方向に60mm幅だけずらせて長手方
向に平行に折り曲げ積重し、折り曲げた側縁部を吊り下
げ用ヘッダー幅に該当する30mm幅にわたり長手方向
に連続して圧蜜熱融着し、袋本体形成体の両端に65m
m幅のフラップ2と30mm幅の吊り下げ用ヘッダー部
3が設けられた開閉自在袋用帯状前駆体(以後帯状前駆
体と称する)を作成する。該帯状前駆体のフラップ形成
部の側端より20mmと25mmの位置に、該側端に平
行に長手方向に2列連続の、該開閉自在袋開封時に強粘
着層帯部の切り離しを容易にするのためのミシン目5を
入れ、更に該ミシン目に菱形の山の先端を合わせた一辺
5mm程度の菱形打抜き(穿孔)を、作製するA4版収
納開閉自在袋の幅に対応させて印刷した商品内容表示・
説明図柄繰り返しピッチに対応する220mm間隔の位
置に切り込み6を入れる。
【0021】次いで、該帯状前駆帯を長手方向に移送し
ながら強粘着層帯形成用粘着剤(ヒロダイン株式会社製
ホットメルト型粘着剤ヒロダインNo.5132)を、
粘着剤塗布コーターの塗布ローラーを用い、該帯状前駆
帯のフラップ部先端から120mmの位置に20mm幅
で該フラップ側端に平行に長手方向に連続的に塗布し、
強粘着層帯31を形成させる。更に、同時に該粘着剤コ
ーターのもう一つの塗布ローラーを用い、弱粘着層帯形
成用粘着剤(株式会社松村石油研究所製ホットメルト型
粘着剤モレスコメルトLT−200)を、該帯状前駆帯
のフラップ部先端から90mmの位置に20mm幅で該
フラップ側端に平行に長手方向に連続的に塗布し、弱粘
着層帯32を形成させる。
【0022】次いで、該帯状前駆体に形成された2種類
の粘着力の異なる粘着層帯上に収納袋として封袋する前
の貯蔵保管・輸送・作業性を確保するために、離型テー
プを貼り付け粘着性を封印する。次に、かくして得た帯
状前駆体を220mmの間隔をあけ該帯状前駆体の長手
方向に直交する方向にヒートシーラーを用い溶断しなが
らサイドシールし、同時に該帯状前駆体粘着層帯上に貼
り付けた離型テープも同一個所で切断して、A4版ディ
ジタル画像写真用フォト光沢紙50枚を収納できるフラ
ップとヘッダーを有する開閉自在袋を形成させる。作製
した開閉自在袋にA4版ディジタル画像写真用フォト光
沢紙50枚(1kg)を挿入し、各粘着層の離型紙を剥
がしフラップ部を袋本体方向に折り曲げ(フラップ先端
より65mmの位置)袋本体粘着層帯上に圧着積重さ
せ、粘着層帯の粘着力により封袋密封する。
【0023】封袋密閉した開閉自在袋の密閉・粘着能を
評価するために、下記の感応テストを実施した。即ち、 (1)強粘着層帯の粘着能と未開封保証機能の確認 未開封の強粘着層帯切り離し前の開閉自在袋を強粘着層
帯による粘着状態を維持したまま、粘着力に逆らい引き
剥がし開封したが、永久接着性能を有する強粘着層帯の
粘着力高く粘着層部の剥離による開封は実施不能で、フ
ラップ又は袋本体形成フィルムに著しい変形歪が入るか
破損が発生し、該強粘着層帯の切り離しなしに開封する
ことが不能であることが判明した。即ち、商品購入者が
開封の意志を持ち、強粘着層帯切り離しを行い開封しな
い限り、事前にこっそり開封することは不可能であり、
未開封保証機能を有することが証明できた。
【0024】(2)強粘着層帯切り離し性(開封時の作
業性) 強粘着層帯と弱粘着層帯間に2列に入れたミシン目を、
袋側端部において該ミシン目に対しV字頂点を合わせて
入れた切れ込みにより生じる掴み代を持ち引き上げ、2
本のミシン目に挟まれた切取り・排除されるべきフィル
ム部を除去した。この作業は極めて容易であり、かくし
て極めて容易に強粘着層帯の切り離しが行えた。 (3)弱粘着層の粘着力開閉自在袋の開閉性能 弱粘着層帯の粘着力は、密閉性を損なわず且つ開閉に支
障ない程度に調整された粘着力を有する再剥離可能な粘
着性能の粘着剤が選定され、繰り返し開閉実施に最適の
粘着力が付与されているため、開閉自在袋の繰り返し開
閉作業性能は充分満足すべきものであった。
【0025】定量的に該開閉自在袋の粘着性能を評価す
るために、実施例で作成評価した開閉自在袋と同一の袋
構成フィルムを用い、粘着剤及び粘着剤塗布状態も実施
例で作製した開閉自在袋の各粘着層帯と同一とし、JI
S-Z-0237粘着テープ・粘着シート試験法に従い、
各粘着剤層の180度引き剥がし粘着力(23℃、40
℃)、ボールタックNo.,クリープ特性代行評価表示
性能としての保持力(40℃,荷重1Kg/10mmに
おける単位時間後のズレ距離、ズレ落下までの時間)を
測定評価した。測定結果は表1に示す通りであり、各粘
着層帯の粘着性能が本発明の規定値以内にあり、試作品
の感応試験で評価されたとおりの目的を達成する機能を
持つことが追認・実証された。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】接着力の大きい強粘着層を、封袋時にフ
ラップの先端側に来るように配置したので、粘着力が強
く袋構成素材の著しい変形か破損なしでは開封できない
ようにし、一方開封後には封袋機能は充分有するが剥離
容易で開封作業容易な接着力の小さい粘着機能を発揮す
る弱粘着層を、フラップの強粘着層より袋本体側にくる
ように配置してあり、意図して開封する以前は両粘着層
で粘着され状態で取扱われ、最初の開封に際しては両粘
着層帯間に切断・分離を容易とするためのミシン目を配
備させたので、強粘着層帯を切り離さない限り開封でき
ない構造となっているため、従来の開閉自在袋のよう
に、商品購入者が開封以前に開封される恐れがなくな
り、完全な未開封保証機能を付与することができる。
【0028】本発明の開閉自在袋は装填内容商品がヘッ
ダーを用いて長期間店頭に吊り下げられ展示された場合
においても、強粘着層帯を切り離さない限り、従来の開
閉自在袋に多発した開閉自在袋を封袋・密閉している粘
着剤層のクリープにより、内容物自重により封袋・密閉
部が開封し内容物が落下するというトラブルが完全に解
消できる。
【0029】意図を持った開封実施に際しては、強・弱
粘着層間を強粘着層切り離しのためにミシン目を入れた
分離帯の切除によって、容易に強粘着層帯を分離でき
る。
【0030】意図を持って開封した後は、強粘着層帯が
切り離され、封袋機能は充分であるが開封性に優れた弱
粘着層帯のみで封袋されるので、開閉操作が極めて容易
で繰り返し開閉しても開閉機能を有する自在袋を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の封袋後の開閉自在袋の一部斜視図であ
る。
【図2】(a)は袋本体に粘着層を塗布したタイプの封
袋前の開閉自在袋の正面図、(b)はフラップに粘着層
を塗布したタイプの封袋前の開閉自在袋の正面図であ
る。
【図3】(a)はミシン目を2列設けた開閉自在袋の一
部斜視図、(b)はミシン目の延長上に切り込みを設け
た開閉自在袋の一部斜視図である。
【図4】(a)は袋本体に粘着層を塗布し、フラップを
袋本体に重ねたとき、フラップに設けたミシン目が強粘
着層帯の上に重ねられる位置にミシン目を設けたタイプ
の封袋前の開閉自在袋の正面図、(b)同封袋後の開閉
自在袋の正面図である。
【図5】従来の封袋後の開閉自在袋の斜視図である。
【図6】従来の吊り下げ可能な商品封入袋で袋本体にフ
ラップ部と反対側に吊り下げ用ヘッダーが連接されてい
るものの正面図である。
【図7】従来の吊り下げ可能な商品封入袋で袋本体のフ
ラップ部側に吊り下げ用ヘッダーが連接されているもの
の正面図である。
【符号の説明】
1 袋本体 2 フラップ部 3 粘着層帯 4 ヘッダー部 5 ミシン目 6 切り込み 31 弱粘着層帯 32 強粘着層帯

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋の開袋口部にフラップを備えフラップ
    を折り曲げ袋本体に折り曲げフラップを備えた袋開口部
    を設け、前記袋本体又はフラップに粘着層を設けた開閉
    自在袋において、前記粘着層は接着力が大小二種類の2
    本からなり、接着力が大なる粘着層は前記フラップの先
    端側に設け、前記2本の粘着層の間のフラップ側にミシ
    ン目を設けた開閉自在袋。
  2. 【請求項2】 前記接着力が大なる粘着層の接着力は永
    久接着性能を有し、前記接着力が小さい粘着層の接着力
    は再剥離可能な接着力である請求項1に記載の開閉自在
    袋。
  3. 【請求項3】 前記ミシン目は少なくとも1本以上設け
    られ、前記ミシン目と粘着層との間でフラップ側両端部
    に切り込みが設けられた請求項1又は請求項2に記載の
    開閉自在袋。
  4. 【請求項4】 前記切り込みは、前記ミシン目の延長上
    でフラップ側両端部に設けられた請求項3に記載の開閉
    自在袋。
  5. 【請求項5】 前記開閉自在袋の開口部と反対位置に、
    吊り下げヘッダーが設けられた請求項1乃至請求項4の
    いずれかに記載の開閉自在袋。
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