JP2003340681A - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JP2003340681A
JP2003340681A JP2002146009A JP2002146009A JP2003340681A JP 2003340681 A JP2003340681 A JP 2003340681A JP 2002146009 A JP2002146009 A JP 2002146009A JP 2002146009 A JP2002146009 A JP 2002146009A JP 2003340681 A JP2003340681 A JP 2003340681A
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machine tool
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JP2002146009A
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Osamu Matsuno
修 松野
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転工具の回転伝達機構の発熱による工具支
持体の熱変位を補正し、加工精度を向上させることので
きる工作機械を提供する。また、温度センサを不要とす
る。 【解決手段】 ワーク支持体42と、回転工具2が装着
され、その回転伝達機構8を内蔵した工具支持体41
と、工具支持体41を移動させる支持体移動手段43と
を備える。この工作機械において、工具支持体41の温
度または温度に比例した値の情報である温度情報を取得
する温度情報取得手段65を設ける。温度情報取得手段
65で取得した温度情報に応じ、支持体移動手段43の
移動量を補正する機能を有する加工制御手段61を設け
る。温度情報取得手段65は、回転伝達機構8の使用の
度合いの情報を取得する使用度合い情報取得手段66
と、使用度合い情報から温度情報を演算する工具支持体
温度演算手段67とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転工具を搭載
したタレット旋盤等の工作機械に関し、特にその回転工
具の使用に伴う熱変位の補正に関する。
【0002】
【従来の技術】旋盤のタレットの周囲にある工具ステー
ションには、バイトだけでなく、ミリングヘッドやドリ
ルヘッド等の回転工具が取付けられる。この回転工具
は、タレットに内蔵されたギヤボックスのギヤを介し
て、工具駆動用のモータから回転が伝達される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】回転工具を回転させる
ために、ギヤボックスのギヤを回転させると、噛み合い
の摩擦抵抗等により、ギヤボックスの周辺の温度が上昇
する。この温度上昇により、タレットに熱変位が生じ、
タレット外径が大きくなる。このタレット径の変動は、
タレットに装着された各工具の刃先位置の変動となり、
加工誤差の一つの原因となる。回転工具を使用した後、
タレットの旋回により割出工具を変え、バイト等による
加工を行う場合においても、回転工具使用時の熱が残っ
ていてタレット外径が大きい状態となっているため、熱
変位の影響を受ける。また、回転工具の不使用時は、ギ
ヤも停止しているので、放熱による縮径側への熱変位を
引き起こす。従来、タレットの移動を行うボールねじ
や、ベッド等の熱変位補正、あるいは切削熱に対する熱
変位補正を行うものは種々提案されている。しかし、回
転工具の使用によるタレット等の工具支持体の熱変位に
ついては考慮されておらず、一般の熱変位補正では対処
できない加工誤差の要因となっていた。
【0004】この発明の目的は、回転工具の回転伝達機
構の発熱による工具支持体の熱変位を補正し、加工精度
を向上させることのできる工作機械を提供することであ
る。この発明の他の目的は、温度センサを設けることな
く、熱変位補正が行えるようにすることである。この発
明のさらに他の目的は、一旦、適切な関係を記憶させて
おけば、後の制御が確実に行えるようにすることであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の構成を実施形
態に対応する図1と共に説明する。この工作機械は、ワ
ーク(W)を支持するワーク支持体(42)と、回転工
具(2)を装着可能で、この回転工具(2)にモータ
(17)から回転を伝達する回転伝達機構(8)を内部
に有する工具支持体(41)と、前記工具支持体(4
1)をワーク支持体(42)に対して相対的に近接離間
動作させる支持体移動手段(43)とを備えた工作機械
において、前記工具支持体(41)の温度または温度に
比例した値の情報である温度情報を取得する温度情報取
得手段(65)と、この温度情報取得手段(65)で取
得した温度情報に応じ前記支持体移動手段(43)の近
接離間動作の移動量を補正してこの工作機械の加工の制
御を行う加工制御手段(61)とを備えたものである。
この構成によると、温度情報取得手段(65)により工
具支持体(41)の温度または温度に比例した値の情報
である温度情報が取得され、この温度情報取得手段(6
5)で取得した温度情報に応じ、加工制御手段(61)
による工作機械の加工の制御時に、支持体移動手段(4
1)の近接離間動作の移動量が補正される。そのため、
回転工具(2)への回転伝達機構(8)の発熱による工
具支持体(41)の熱変位が補正され、加工精度が向上
する。なお、温度情報取得手段(65)は、温度を検出
する手段であっても、また次のように温度または温度に
比例した値の情報を演算によって取得する手段であって
も良い。温度に比例した値は、例えば工具支持体(4
1)の熱変位量であっても良く、また熱変位量を演算す
るための適宜のパラメータであっても良い。
【0006】前記温度情報取得手段(65)は、前記回
転伝達機構(8)の使用の度合いの情報を取得する使用
度合い情報取得手段(66)と、この使用度合い情報取
得手段(66)で取得された使用度合い情報から温度情
報を演算する工具支持体温度演算手段(67)とよりな
るものであっても良い。使用度合い情報は、例えば、使
用時間に関する情報と、使用時の負荷に関する情報とで
なる。この構成の場合、使用度合い情報取得手段(6
6)により回転伝達機構(8)の使用の度合いの情報が
取得され、その使用度合い情報から、工具支持体温度演
算手段(67)により温度情報が演算される。このよう
に使用の度合いから温度情報を演算するようにしたた
め、温度センサを設けることなく、回転工具(2)の使
用に対する熱変位補正を行うことができる。また、回転
工具(2)の回転伝達機構(8)の使用の度合いから温
度情報を得るため、例えば切削熱による熱変位など、回
転工具(2)の使用とは別の要因に対する熱変位補正と
併用することが容易である。
【0007】この発明において、前記温度情報と前記支
持体移動手段(41)の移動量を補正する補正量との関
係を記憶した温度・補正量関係記憶手段(68)を設
け、前記加工制御手段(61)は、前記温度情報取得手
段(65)で取得された温度情報に応じ、温度・補正量
関係記憶手段(68)の記憶内容を用いて前記近接離間
動作の移動量の補正を行うものとしても良い。この構成
の場合、加工制御手段(61)は、温度情報取得手段
(65)で取得された温度情報に応じ、温度・補正量関
係記憶手段(68)に記憶された温度情報と補正量との
関係を用いて近接離間動作の移動量の補正を行う。この
ため、一旦、適切な関係を記憶させておけば、後の制御
を確実に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図面と共
に説明する。この工作機械は、機械部分である工作機械
本体1と、この工作機械本体1を制御する加工制御手段
61とで構成される。まず、工作機械本体1について説
明し、後に加工制御手段61を説明する。工作機械本体
1は、ワークWを支持するワーク支持体42と、回転工
具2を装着可能で、この回転工具2にモータ17から回
転を伝達する回転伝達機構8を内部に有する工具支持体
41と、この工具支持体41をワーク支持体42に対し
て相対的に近接離間動作させる支持体移動手段43とを
備える。
【0009】工作機械本体1は旋盤であり、ワーク支持
体42は、主軸44およびこの主軸44に取付けられた
主軸チャック44aからなる。主軸44は、ベッド45
上に設置された主軸台46に回転自在に支持され、主軸
モータ(図示せず)により回転駆動される。工具支持体
41は刃物台であり、タレット型とされている。支持体
移動手段43は、工具支持体41を搭載した送り台3
と、この送り台3を進退させる送り台進退機構48とで
構成される。送り台3は、ベッド45の案内47上に、
主軸44の軸方向(Z軸方向)に対して直交する方向
(X軸方向)に進退自在に設置されている。送り台進退
機構48は、送りねじ機構49と、この送りねじ機構4
9を回転駆動するモータ50とで構成される。
【0010】図2に示すように、送り台3は、下部送り
台3A上に上部送り台3Bを搭載したものであり、下部
送り台部3Aが上記案内47上に進退自在に設置されて
いる。上部送り台3Bは、下部送り台部3A上に、主軸
44の軸方向(Z軸方向)に進退自在に搭載され、モー
タおよび送りねじ機構からなるZ軸送り台進退機構(図
示せず)によって進退駆動される。タレット型の工具支
持体41は、タレット軸4を介して上部送り台3B上
に、タレット軸心回りに回転可能に設置されており、上
部送り台3Bに、工具支持体41の割出回転機構(図示
せず)が搭載されている。
【0011】図4に示すように、タレット型の工具支持
体41は、正面形状が多角形のドラム状のものであり、
各平面状の周面部分からなる工具ステーションSにバイ
ト等の各種の工具が装着される。このうち、幾つかの工
具ステーションに、ミリングヘッドまたはドリルヘッド
等からなる上記回転工具2が装着される。回転工具2
は、工具支持体41に取付けられる工具ホルダ2a内に
工具内伝達機構27を設け、その回転入力部28をタレ
ット2の駆動伝達孔33からタレット2内に突出させる
と共に、工具内伝達機構27の出力端に設けたチャック
30にドリルぎり等の工具ビット31を取付けたもので
ある。図示の例では、工具内伝達機構27は、1本の回
転軸32からなり、その内端が前記回転入力部28とな
る。工具内伝達機構27は、工具ビット31をタレット
軸心と平行に設ける場合は、傘歯車等を内蔵して回転伝
達方向を変えるようにする。
【0012】図3に示すように、工具支持体41は中空
のタレット軸4の先端に固定され、タレット軸4を介し
て送り台3におけるタレット支持部3aに回転自在に支
持される。タレット軸4内には中空の固定軸5が挿通さ
れ、その内部に工具駆動機構6の工具駆動軸7が回転自
在に挿通されている。固定軸5は、後端でボルト34に
より送り台3に固定され、先端に工具支持体41内の非
回転部材であるギヤボックス25が固定してある。工具
駆動機構6は、工具支持体41内の所定角度位置に半径
方向に設けられた伝達軸からなる回転出力部10に、工
具駆動軸7から回転伝達機構8を介して回転伝達する機
構であり、回転出力部10はギヤボックス25に軸受2
6で回転自在に支持されている。回転伝達機構8はギヤ
列であって、工具駆動軸7および伝達軸からなる回転出
力部10にそれぞれ設けられて互いに噛み合う傘歯車8
a,8bからなる。回転出力部10の先端面には、直線
溝状の凹部10aが形成され、この凹部10aに噛み合
う直線状の凸部28aが、回転工具2の回転入力部28
に形成されている。これら凹部10aと凸部28aと
で、接続手段12が構成される。回転出力部10および
回転入力部28は、各々工具支持体41の半径方向に対
して位置固定であるが、これら回転出力部10および回
転入力部28は、その直線状の形状により、工具支持体
41の回転方向に係脱自在となっている。
【0013】工具支持体41内の位置固定のギヤボック
ス25には、回転工具2の凸部2aを挟む2枚の円板状
の案内板14が、タレット軸心を中心に配置されて、タ
レット軸心と垂直に固定されている。これら案内板14
は、ギヤボックス25が内部に入る開口14b(図4)
を中央に有し、かつ工具駆動機構6の回転出力部10を
挿通させる切欠14aが周方向の1箇所に形成してあ
る。
【0014】図3に示すように、工具駆動軸7の後端に
はプーリ15,16が設けられ、その一方のプーリ15
とモータ17の出力軸17aのプーリ18との間に、ベ
ルト19が掛装されている。これによりモータ17を駆
動源としてその回転出力が工具駆動軸7から回転伝達機
構8および回転出力部10を経て回転工具2に伝達され
る。また、工具回転軸7の後端の他の一つのプーリ16
は、回転角度検出器であるエンコーダ(図示せず)に、
プーリとタイミングベルト23を介して連結されてい
る。このエンコーダの出力は、NC装置または専用の電
気回路等で構成される停止角度規制手段(図示せず)に
入力され、この停止角度規制手段は、工具駆動機構6の
回転出力部10の停止時の回転位相が所定角度となるよ
うにモータ17を制御する。この所定角度は、直線状の
凹部10aがタレット軸心に対する垂直な面と平行にな
る角度とする。この停止角度規制手段(図示せず)と、
工具支持体41内の前記案内板14とで、前記凹部10
aと凸部28aとの方向を合致させる方向合致手段が構
成される。なお、前記ベルト19にタイミングベルトを
用い、上記エンコーダを省略して直接にモータ回転角度
を検出するようにしてもよい。
【0015】回転工具2へのモータ17からの駆動伝達
は、次のように行われる。タレット型の工具支持体41
に取付けられた各回転工具2は、工具駆動機構6の回転
出力部10と対応する加工位置Qに割り出されたとき
に、その回転入力部28が回転出力部10と凹部10a
および凸部28aで噛み合い、モータ17による回転駆
動が可能とされる。
【0016】図1と共に、加工制御手段61について説
明する。加工制御手段61は、工作機械本体1の全体を
制御する手段であり、コンピュータ式の数値制御装置お
よびプログラマブルコントローラで構成されている。加
工制御手段61は、加工プログラム62を解読する解読
手段63を有しており、解読結果により、加工プログラ
ム62の各軸(X軸,Z軸)の移動指令は、各軸の移動
制御手段64,64Zに送られて実行される。X軸の移
動制御手段64は、工具支持体41をワーク支持体42
に対して近接離間動作させる支持体移動手段43のモー
タ50を、上記X軸の移動指令に応じて制御する手段で
ある。Z軸の移動制御手段64Zは、送り台3における
上部送り台3B(図2)をZ軸方向に移動させる制御を
行う手段である。解読手段63で解読された加工プログ
ラム62におけるシーケンス指令は、加工制御手段61
に設けられたシーケンス制御手段(図示せず)に転送さ
れ、このシーケンス制御手段を介して工作機械本体1の
制御が行われる。
【0017】加工制御手段61は、上記基本構成の制御
装置において、温度情報取得手段65と、回転工具対応
・移動量補正手段69とを設けたものである。温度情報
取得手段65は、工具支持体41の温度または温度に比
例した値の情報である温度情報を取得する手段である。
回転工具対応・移動量補正手段69は、温度情報取得手
段65で取得した温度情報に応じ、支持体移動手段43
の近接離間動作の移動量を補正する手段であり、X軸の
移動制御手段64に設けられている。
【0018】温度情報取得手段65は、回転伝達機構8
の使用の度合いの情報を取得する使用度合い情報取得手
段66と、この使用度合い情報取得手段66で取得され
た使用度合い情報から温度情報を演算する工具支持体温
度演算手段67とよりなる。使用度合い情報取得手段6
6は、使用の度合いを演算するための所定の事項を登録
する影響情報登録手段70と、工作機械本体1の起動時
間等を積算する時間積算手段71とを備える。時間積算
手段71は、工作機械本体1の起動時間を積算する起動
時間積算部(図示せず)と、工作機械本体1の停止時間
を積算する停止時間積算部(図示せず)とを有してい
る。時間積算手段71は、所定の信号によって積算値を
リセットするものとしてある。これら影響情報登録手段
70に登録する内容、および時間積算手段71で積算す
る内容は、例えば、後に表1と共に説明する事項であ
る。なお、使用度合い情報は、使用時間に関する各情報
と、使用時の負荷に関する各情報とでなる。
【0019】加工制御手段61は、温度・補正量関係記
憶手段68を有しており、加工制御手段61の回転工具
対応・移動量補正手段69は、温度情報取得手段65で
取得された温度情報に応じ、温度・補正量関係記憶手段
69の記憶内容を用いて前記近接離間動作の移動量の補
正を行うものとしてある。温度・補正量関係記憶手段6
8は、前記温度情報と支持体移動手段43の移動量を補
正する補正量との関係を、関係式またはテーブル等によ
って記憶した手段である。
【0020】なお、X軸の移動制御手段64は、移動量
の補正手段として、回転工具2の使用に対する熱変位補
正を行う温度・補正量関係記憶手段68だけを有するも
のであっても良いが、この他に、送りねじ機構49の熱
変位補正や、他の各種の補正手段を有するものであって
良い。移動制御手段64は、複数の補正手段を有する場
合、それら各補正手段の補正量を合わせた量だけ補正を
行うものとする。また、この工作機械は、工作機械本体
1のワーク支持体42に対してワークWの供給および排
出を行うローディング装置(図示せず)が設けられてい
る。
【0021】上記構成の動作を説明する。ワーク支持体
42に対して、順次新たなワークWの供給、および加工
完了後の排出を繰り返し、ワーク支持体42で支持され
た各ワークWにつき、同じ加工を行うものとする。この
加工は、加工制御手段61の制御に従って行われる。加
工プログラム62は、例えば1個のワークWについて記
述されたものであり、個々のワーク毎に加工プログラム
62が繰り返し実行されることになる。個々のワークW
の加工は、回転工具2を用いる加工が含まれるものとす
るが、回転工具2を用いる加工とバイト等の固定工具を
用いる加工とが含まれていても良い。回転工具2を用い
る加工は、工具支持体41に設置された1つの回転工具
2のみを用いる加工であっても、また複数の回転工具2
を用いる加工であって良い。個々のワークWにおける回
転工具2を用いる加工は、連続する加工であっても、ま
た断続する加工、例えば回転工具2の加工と固定工具2
の加工とが混在する加工であっても良い。
【0022】このような加工を行った場合、回転工具2
の回転による回転伝達機構8の発熱により、ギヤボック
ス25の周辺温度が上昇し、工具支持体41の温度も上
昇する。この工具支持体41の温度推移の例を図5に示
す。同図は、8時間連続して起動した後に停止し、その
停止状態を5.53時間維持した場合の温度推移を示
す。この温度推移は、回転工具2の駆動による温度変化
分だけを示し、切削熱等による温度上昇を含まない。上
記の連続した起動は、複数のワークWを順次連続して加
工する起動状態を言う。なお、固定工具を用いた加工の
時は、回転工具伝達機構8および回転工具2は、いずれ
も停止状態である。同図から分かるように、起動時間が
長くなるに従って温度が上昇するが、発熱温度は運転開
始後8時間程度で略一定となる。運転停止後は放熱に向
かう。
【0023】この実施形態における温度情報取得手段6
5および回転工具対応・移動量補正手段69は、このよ
うな回転工具2の使用による温度変化を、回転工具2の
回転数、負荷、サイクルタイム、起動時間、停止時間等
から推測し、支持体移動手段43の移動量の熱変位補正
を行うものである。すなわち、温度情報取得手段65
は、使用度合い情報取得手段66の影響情報登録手段7
0に登録された情報と、時間積算手段71で積載された
時間とにより、工具支持体温度演算手段67によって、
回転工具2の使用による変化温度を演算する。回転工具
対応・移動量補正手段69は、工具支持体温度演算手段
67により演算された温度変化と、温度・補正量関係記
憶手段68に記憶された関係式等の関係情報から、補正
量を演算し、移動制御手段64により出力する移動量
を、その演算した補正量によって補正する。
【0024】発熱,放熱量計算および補正量計算の具体
例を説明する。必要なデータは、表1に示すように、発
熱係数κ1、放熱係数κ2、サイクルタイムt1、回転
時間t2、起動時間T、停止時間T0、指示回転数R、
負荷値F、負荷値平均Fave、1サイクル回転数ΣP、
放熱量A、熱容量Q、最大発熱時起動時間tmax 、面間
寸法M(工具支持体41の中心から外周面までの距離)
である。
【0025】
【表1】
【0026】表1における内容欄における各行の最初の
数値、例えば第2行目の「0.002」は、具体的数値
例を示す。「M…」とあるのは、加工プログラムにおけ
る補助機能ワードによる所定の指令の例である。この指
令の内容については、説明を省略する。
【0027】表1に記載の各データのうち、設定値とし
て登録するデータは、影響情報登録手段70に登録さ
れ、実際の運転によって得られるデータは、時間積算手
段71により運転に従って得る。設定値として登録する
データには、工具支持体41の持つ特性に関するデータ
(発熱係数κ1、放熱係数κ2、放熱量A、熱容量Q、
面間M)と、使用度合い情報となるデータ(サイクルタ
イムt1、回転時間t2、指示回転数R、負荷値F、負
荷値平均Fave 、1サイクル回転数ΣP、最大発熱時起
動時間tmax )とがある。実際の運転によって得られる
データは、使用度合い情報となるデータであり、起動時
間Tおよび停止時間T0である。
【0028】上記の各データのうち、サイクルタイムt
1は、1個のワークWの加工に要する時間であり、加工
時間とワーク給排に要する時間を含めた時間とする。回
転時間t2は、1個のワークWの加工時に、回転工具2
が回転する時間の和である。例えば、サイクルタイムt
1が3分であって、そのうち、回転工具2が回転する時
間の和が1分であれば、t1,t2は単位が秒であるか
ら、t1=3×60=180であり、t2=60であ
る。起動時間T1は、起動してから現在までの時間であ
り、サイクルタイムt1の積算値となる。停止時間T0
は、回転工具2の停止時間の積算値であるが、起動中の
停止、つまり各サイクル中の回転工具2を使用しない時
間については除いた値となる。起動時間T1は停止によ
ってリセットされ、停止時間T0は起動によってリセッ
トされる。発熱温度、補正量等の演算は、次の各式(1)
〜(5) に従って行われる。次式において、発熱温度の計
算は、加工の1サイクルの間の発熱温度を積算するもの
としてある。また、1サイクル中において、発熱と放熱
は共に生じるため、上記の1サイクルの間の発熱温度
は、1サイクル中の発熱温度から放熱温度を差し引いた
実際の発熱温度としている。
【0029】
【数1】
【0030】図1の工具支持体温度演算手段67は、表
1の上記各データにより、温度変化の演算を行うもので
あり、上記の式(1) ,(2) ,(3) によって、発熱温度最
大値Wmax 、発熱温度W1、および放熱温度W2を演算
する。温度・補正量関係記憶手段68は、発熱温度また
は放熱温度と変位量Yとの関係を、次の式(4) として記
憶し、かつ変位量Yと補正量Xとの関係を次の式(5)と
して記憶している。変位量Yは、工具支持体41の半径
M(工具支持体41の中心から外周面までの距離)であ
る。補正量Xは、この例では変位量をそのままの値で用
いている。回転工具対応・移動量補正手段69は、工具
支持体温度演算手段67により上記のように演算された
発熱温度W1,放熱温度W2の値から、温度・補正量関
係記憶手段68に記憶された式(4) ,(5) によって補正
量Xを演算し、移動制御手段64により出力する移動量
を、補正量Xによって補正する。
【0031】この工作機械は、このようにして回転工具
2の回転伝達機構8の発熱による工具支持体41の熱変
位を補正し、加工精度を向上させることができる。ま
た、温度情報取得手段65として、回転伝達機構8の使
用の度合いの情報を取得する使用度合い情報取得手段6
6と、その取得された使用度合い情報から温度情報を演
算する工具支持体温度演算手段67とを設けたため、温
度センサを設けることなく、熱変位補正を行うことがで
きる。タレット型の工具支持体41のように、回転する
工具支持体41には温度センサを設置することが難しい
が、このような箇所の温度の検出が演算により行える。
また、回転工具2の使用の度合いから温度情報を得るた
め、例えば固定工具であるバイトを用いる場合の切削熱
による熱変位など、回転工具2の使用とは別の要因に対
する熱変位補正と併用することが容易である。また、温
度・補正量関係記憶手段68に、温度情報と補正量との
関係を演算式等で記憶するようにしたため、一旦、適切
な関係を記憶させておけば、後の制御を確実に行うこと
ができる。さらに、使用度合い情報取得手段65におい
て、温度情報の演算に必要な各種の係数やデータを適宜
設定して温度情報を演算するようにしたため、一旦、適
切な係数や他の必要データを見いだして設定しておけ
ば、以後の温度情報の演算を確実に行え、後の制御を確
実に行うことができる。
【0032】なお、上記実施形態は、工具支持体41が
タレット型のものである場合につき説明したが、この発
明は、工具支持体41が例えば櫛歯型のものなど、各種
の形式の場合に適用することができる。また、支持体移
動手段43は、ワーク支持体42を工具支持体41に対
して近接離間動作させるものであっても良い。さらにこ
の発明は、旋盤に限らず、工作機械一般に適用すること
ができる。
【0033】
【発明の効果】この発明の工作機械は、ワークを支持す
るワーク支持体と、回転工具を装着可能で、この回転工
具にモータから回転を伝達する回転伝達機構を内部に有
する工具支持体と、前記工具支持体をワーク支持体に対
して相対的に近接離間動作させる支持体移動手段とを備
えた工作機械において、前記工具支持体の温度または温
度に比例した値の情報である温度情報を取得する温度情
報取得手段と、この温度情報取得手段で取得した温度情
報に応じ前記支持体移動手段の前記近接離間動作の移動
量を補正してこの工作機械の加工の制御を行う加工制御
手段とを備えたものであるため、回転工具の回転伝達機
構の発熱による工具支持体の熱変位を補正し、加工精度
を向上させることができる。前記温度情報取得手段が、
前記回転伝達機構の使用の度合いの情報を取得する使用
度合い情報取得手段と、この使用度合い情報取得手段で
取得された使用度合い情報から温度情報を演算する工具
支持体温度演算手段とよりなる場合は、温度センサを設
けることなく、熱変位補正が行える。前記温度情報と前
記支持体移動手段の移動量を補正する補正量との関係を
記憶した温度・補正量関係記憶手段を設け、前記加工制
御手段は、前記温度情報取得手段で取得された温度情報
に応じ、温度・補正量関係記憶手段の記憶内容を用いて
前記近接離間動作の移動量の補正を行うものとした場合
は、一旦、適切な関係を記憶させておけば、後の制御を
確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる工作機械の概念
構成を示すブロック図である。
【図2】同工作機械における工作機械本体の正面図であ
る。
【図3】同工作機械本体の工具支持体の破断側面図であ
る。
【図4】同工具支持体の破断正面図である。
【図5】同工具支持体の発熱,放熱の推移のグラフであ
る。
【符号の説明】
1…工作機械本体 2…回転工具 3…送り台 4…タレット軸 8…回転伝達機構 17…モータ 25…ギヤボックス 31…工具ビット 41…工具支持体 42…ワーク支持体 43…支持体移動手段 44…主軸 48…送り台進退機構 49…送りねじ機構 61…加工制御手段 62…加工プログラム 64…X軸の移動制御手段 65…温度情報取得手段 66…使用度合い情報取得手段 67…工具支持体温度演算手段 68…温度・補正量関係記憶手段 69…回転工具対応・移動量補正手段 70…影響情報登録手段 71…時間積算手段 W…ワーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを支持するワーク支持体と、回転
    工具を装着可能で、この回転工具にモータから回転を伝
    達する回転伝達機構を内部に有する工具支持体と、前記
    工具支持体をワーク支持体に対して相対的に近接離間動
    作させる支持体移動手段とを備えた工作機械において、
    前記工具支持体の温度または温度に比例した値の情報で
    ある温度情報を取得する温度情報取得手段と、この温度
    情報取得手段で取得した温度情報に応じ前記支持体移動
    手段の近接離間動作の移動量を補正してこの工作機械の
    加工の制御を行う加工制御手段とを備えた工作機械。
  2. 【請求項2】 前記温度情報取得手段は、前記回転伝達
    機構の使用の度合いの情報を取得する使用度合い情報取
    得手段と、この使用度合い情報取得手段で取得された使
    用度合い情報から温度情報を演算する工具支持体温度演
    算手段とよりなる請求項1記載の工作機械。
  3. 【請求項3】 前記温度情報と前記支持体移動手段の移
    動量を補正する補正量との関係を記憶した温度・補正量
    関係記憶手段を設け、前記加工制御手段は、前記温度情
    報取得手段で取得された温度情報に応じ、温度・補正量
    関係記憶手段の記憶内容を用いて前記近接離間動作の動
    作量の補正を行うものとした請求項1または請求項2記
    載の工作機械。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006062021A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Nakamura Tome Precision Ind Co Ltd 回転工具タレットを備えたタレット旋盤
JP2017209755A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 中村留精密工業株式会社 刃物台の熱変位補正方法
CN109613886A (zh) * 2017-10-04 2019-04-12 发那科株式会社 热位移校正系统

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