JP2003340213A - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP2003340213A JP2002148193A JP2002148193A JP2003340213A JP 2003340213 A JP2003340213 A JP 2003340213A JP 2002148193 A JP2002148193 A JP 2002148193A JP 2002148193 A JP2002148193 A JP 2002148193A JP 2003340213 A JP2003340213 A JP 2003340213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過装置の低コスト化、小型化が可能で、か
つ、濾過助剤層形成工程に必要とされる時間を短縮する
ことができる濾過装置を提供する 【解決手段】 内部に濾材を収納した上部集液式濾過容
器を有する濾過装置であって、 濾材として、不織布を
密に巻いてなる円筒濾材あるいはセラミックス製の円筒
濾材を用い、濾過容器の導入口は濾過容器内に液を送出
するポンプの出口側と接続され、濾過容器外に濾過助剤
タンクを有し、上記濾過容器の濾過液出口兼ガス導入口
から該濾過助剤タンクへ濾過液を導入する戻りラインと
該戻りラインを開閉するための戻りバルブ、該濾過助剤
タンクから上記ポンプの入り口側に液を導入する濾過助
剤ライン及び該濾過助剤ラインを開閉するための濾過助
剤バルブ、上記濾過容器の濾過液出口から上記ポンプの
入り口側に液を導入するプリコートラインと該プリコー
トラインを開閉するためのプリコートバルブとを有する
濾過装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濾過助剤を併用す
る濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】濾過は、めっき液の清澄化や電気機器材
料の洗浄等の化学・電子分野を始め、工業用水、食品、
製薬あるいは工業排水などの分野に広く使われる重要な
工程であり、将来も現状以上の重要視が予想される。
【0003】ここで、濾過は濾材を組み込んだ濾過容器
を有する濾過装置によるのが一般的であり、さらにより
細かい不溶物まで除去するため、濾過助剤として珪藻土
等を併用し、濾材表面にこれら濾過助剤からなる層を形
成する濾過が行われている。
【0004】ここで、従来の濾過装置について図7を用
いて説明する。この濾過装置は濾過助剤を濾過容器内に
供給するための濾過助剤供給機構を有する。図中、濾過
容器A’は耐圧性が求められるためFRP製あるいは鋼
板製であってその形状は円筒状である。この濾過容器
A’は上部A’a、中筒部A’bおよび下部A’cから
なり、それぞれフランジにより接続されている。
【0005】濾過容器A’内部にはセラミック製の下端
が封止された円筒濾材1’が複数配置されている。この
ような円筒濾材1’の上端は中間板2’に接着剤(また
はねじなど)により固定されつり下げられている。中間
板2’にはそれぞれ円筒濾材1’の中空部1’aに対応
している貫通孔2’aが設けられている。
【0006】中間板2’の上方空間2’bは容器A’内
の他の空間とは仕切られていて、この空間2’bは濾過
液出口A’1を介して濾過液出口バルブV2、プリコー
トバルブV3、及び、エア供給バルブV6に接続されて
いる。
【0007】濾過容器A’の下部A’cは漏斗形状であ
り、その下端部にドレン排出出口A’2が設けられ、側
面には被濾過処理液導入口A’3が設けられ、ポンプ5
pを介して入り口バルブV1、プリコートバルブV3及
び濾過助剤バルブV5に接続されている。
【0008】上記ドレン排出出口A’2は開閉可能なド
レンバルブV7を有するドレンラインL7を介してドレ
ンタンク(図示しない)に接続されている。
【0009】また、濾過容器A’の頂部、中間板2’の
上方空間外にはエア抜き口A’4が設けられ、圧力計5
b接続部、エア抜きバルブV4を介して濾過助剤タンク
4a内部に接続されている。
【0010】濾過助剤タンク4aには必要に応じて少量
の水に分散されてスラリー状になった珪藻土などの濾過
助剤がいれられている。後述するように濾過助剤は円筒
濾材1’の表面に供給されそこで滞留、蓄積していわゆ
る”貼り付けられた状態”となって、その濾過能力を向
上させ、円筒濾材1’の本来の能力よりさらに小さい不
溶分を除去可能にする働きを付与する。濾過助剤タンク
4a底部は濾過助剤バルブV5に接続されている
【0011】濾過助剤タンク4aには、珪藻土(水と混
合しスラリー状)が、被濾過処理液タンク6には濾過さ
れるべき液がそれぞれ入れられている。
【0012】この濾過装置の動作について、まず液はり
工程から説明する。ポンプ5pが停止し、バルブV1〜
V7が全部閉じられた状態から、入り口バルブV1およ
びエア抜きバルブV4が開放され、ポンプ5pが稼働さ
れる。
【0013】被濾過処理液タンク6の被濾過処理液が被
濾過処理液導入口A’3から濾過容器A’内に導入さ
れ、容器上端に達した後(液はり完了)、液はエア抜き
口A’4からエア抜きバルブV4を経て、濾過助剤タン
ク4aに排出されはじめる。
【0014】液はり完了後、濾過助剤層形成工程とな
る。すなわち、直ちにプリコートバルブV3及び濾過助
剤バルブV5が開放されると共に入り口バルブV1が閉
じられる。このとき、液が濾過助剤タンク4a底部から
ポンプ5pを経て、被濾過処理液導入口A’3から濾過
容器A’に導入され、一部は円筒濾材1’によって濾過
されて、その表面に珪藻土が残るが、大部分の液はエア
抜き口A’4からエア抜きバルブV4を経て再び濾過助
剤タンク4aに戻る循環が形成される。このとき濾過助
剤タンク4aから供給される濾過助剤の分散濃度が高い
ので、濾過液出口A’1からプリコートバルブV3を経
由するラインからポンプ5pに供給された円筒濾材1’
により濾過された濾液によって適切な分散濃度に調整さ
れる。
【0015】このような循環により、濾過助剤タンク4
a内の濾過助剤は順次濾過容器A’内に供給され、円筒
濾材1’の外周表面に蓄積され、その表面に徐々に濾過
助剤が堆積し、円筒濾材1’単体では濾別できないよう
な微少な不溶分をも除去できる濾過層が形成される。
【0016】このように濾過助剤による濾過層が円筒濾
材1’の外周上に形成された後、濾過工程が開始され
る。エア抜きバルブV4及び濾過助剤バルブV5が閉じ
られ、入り口バルブV1および濾過液出口バルブV2が
開放され、プリコートバルブV3が閉じられると濾過液
出口バルブV2に接続された配管から清澄となった濾液
を得ることができる。このとき円筒濾材1’(及びその
周囲に配された濾過助剤による濾過層)による圧力損失
は圧力計5bから読みとることができる。所定量濾過が
終了した後、あるいは、圧力損失が所定値に達した後、
排出を行う。
【0017】排出工程に際してポンプ5pが停止された
後、入り口バルブV1、濾過液出口バルブV2が閉じら
れ、エア供給バルブV6が開放され、圧搾空気により濾
過容器A’内の液を介して濾材1’内部から圧力が加わ
る。濾材1’内外の圧力差が充分小さくなった後、ドレ
ンバルブV7が開放され、エア供給ライン5dから供給
された適圧に調整された圧搾空気が濾過容器A’内に濾
過液出口A’1から導入され、上方空間2’bから中間
板2’の貫通孔2’a、円筒濾材1’を通過し、濾過容
器A’内の液をドレンバルブV7へ押し下げ、排出す
る。
【0018】濾過容器A’上方空間2’bに存在した清
澄な濾液が逆流し、この流れにより円筒濾材1’の表面
に張り付いていた濾過助剤からなる層も洗い流されて
(逆洗)、極めて夾雑物の多いドレンとして、漏斗形状
の下部A’cによって、ドレン排出出口A’2から外部
のドレンタンク(図示しない)に排出される。
【0019】以上、これら液はり工程、濾過助剤層形成
工程、濾過工程及び排出工程が繰り返される。
【0020】このような従来技術に係る濾過装置で、濾
過助剤層形成工程に要する時間は25分以上と長く、操
作性の点で時間短縮が求められ、また、装置のコストダ
ウン、小型化も常に求められていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を改善する、すなわち、濾過装置の低コスト
化、小型化が可能で、かつ、濾過助剤層形成工程に必要
とされる時間を短縮することができる濾過装置を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術に係る濾過装置について種々検討を行ったところ、
この装置は濾布あるいはポーラス樹脂製の濾材を用いた
場合には適しているが、セラミックス製の円筒濾材ある
いは不織布を積層してなる様々な円筒濾材などの濾材に
ついてはその優れた性能を充分に発揮できないことを見
出し、その性能を生かすように様々な対策を行ったこと
により上記課題を解決することができ、本発明に至っ
た。
【0023】すなわち、本発明の濾過装置は上記課題を
解決するため、請求項1に記載の通り、内部に濾材を収
納した上部集液式濾過容器を有する濾過装置であって、
濾材として、不織布を密に巻いてなる円筒濾材あるいは
セラミックス製の円筒濾材を用い、該濾過容器に、円筒
濾材に対して被濾過処理液の流れ方向上流側になる位置
に被濾過処理液導入口、濾過容器底部であってかつ上記
円筒濾材に対して上流側になる位置にドレン排出出口、
上記円筒濾材と同じかそれより高くかつ上記円筒濾材に
対して被濾過処理液の流れ方向上流側となる位置にエア
抜き口、及び、上記円筒濾材よりも高くかつ上記円筒濾
材に対して被濾過処理液の流れ方向下流側となる位置
に、濾過液出口兼ガス導入口を、あるいは、濾過液出口
及びガス導入口の両方を、備え、濾過容器の被濾過処理
液導入口は濾過容器内に液を送出するポンプの出口側と
接続され、濾過容器外に濾過助剤タンクを有し、上記濾
過容器の濾過液出口兼ガス導入口あるいは濾過液出口か
ら該濾過助剤タンクへ濾過液を導入する戻りラインと該
戻りラインを開閉するための戻りバルブ、該濾過助剤タ
ンクから上記ポンプの入り口側に液を導入する濾過助剤
ライン及び該濾過助剤ラインを開閉するための濾過助剤
バルブ、上記濾過容器の濾過液出口から上記ポンプの入
り口側に液を導入するプリコートラインと該プリコート
ラインを開閉するためのプリコートバルブとを有する濾
過装置である。
【0024】このような構成により、濾過助剤層形成工
程の時間を著しく短縮することができる。また、濾過助
剤タンクの容量を小さくすることが可能となり、装置の
小型化が可能となると共に装置コストを低廉とすること
が可能となる。
【0025】また、従来、濾過助剤層形成工程には濾過
助剤を含んだ液が濾過助剤タンクに戻っていたために、
これら戻り流路を構成する配管、バルブ及び濾過容器へ
の配管接続部の内径が太いことが求められていたが、本
発明では濾過助剤タンクに戻るのは濾過助剤を含まない
液であるために、その配管を細くすることが可能とな
り、装置コストがさらに低廉とすることができる。
【0026】なお、上記装置において、上記円筒濾材が
濾材として、円筒状であって、低目付の不織布を積層し
てなる外周層、高目付の不織布を有する中間層、及び、
低目付の不織布を積層してなる内周層をこの順に有し、
中間層の高目付の不織布の目付が外周層を構成する不織
布の目付及び内周層を構成する不織布の目付よりも高
く、かつ、中間層の厚さ方向の中心が、濾材の積層方向
厚さに対して、外周面から1/10以上1/3以下の位
置になるよう配され、少なくとも外周層の不織布が、熱
融着性繊維を有するとともにその熱融着性繊維により該
熱融着性繊維を有する層が一体化されてなる非対称構造
の円筒濾材であると、従来のセラミックス製濾材と比べ
て著しく低廉なものとすることができ、取り扱いも容易
で破損のおそれが少なく、また、形成される濾過助剤層
の厚み斑を著しく小さくすることができる。さらに、逆
洗時の圧力が例えば50〜150kPaと低くても充分
な逆洗効果が得られ、かつ、このとき、洗浄に要する液
量も従来の1/4程度で充分となる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の濾過装置において、濾材
として、円筒状の剛性の高いものを用いる必要がある。
このようなものとして、セラミックス円筒濾材、不織布
を密に巻いてなる不織布製の円筒濾材が挙げられる。
【0028】ここで、不織布を密に巻いてなる不織布製
の円筒濾材のうち、円筒状であって、低目付の不織布を
積層してなる外周層、高目付の不織布を有する中間層、
及び、低目付の不織布を積層してなる内周層をこの順に
有し、中間層の高目付の不織布の目付が外周層を構成す
る不織布の目付及び内周層を構成する不織布の目付より
も高く、かつ、中間層の厚さ方向の中心が、濾材の積層
方向厚さに対して、外周面から1/10以上1/3以下
の位置になる2よう配され、少なくとも外周層の不織布
が、熱融着性繊維を有するとともにその熱融着性繊維に
より該熱融着性繊維を有する層が一体化されてなる非対
称構造の円筒濾材を用いることが好ましい。
【0029】このような非対称構造の円筒濾材として
は、低目付の不織布を積層してなる外周層、高目付の不
織布を有する中間層、及び、低目付の不織布を積層して
なる内周層からなる、3層構造で、かつ、中間層の高目
付の不織布の目付が外周層を構成する不織布の目付及び
内周層を構成する不織布の目付よりも高いことが必要で
ある。
【0030】すなわち、中間層がないと、あるいは、中
間層の高目付の不織布の目付が外周層を構成する不織布
の目付及び内周層を構成する不織布の目付の両者に比べ
て高くないと充分な濾過性能が得られなかったり、ある
いは、濾材を大きくする必要が生じる。このとき外周層
を構成する低目付の不織布と内周層を構成する低目付の
不織布とが同じ目付であってもよく、この場合には濾材
を作製する際に準備する必要のある不織布の種類を少な
くすることができる。また、中間層の高目付の不織布の
目付が、外周層を構成する低目付の不織布の目付及び内
周層を構成する低目付の不織布の目付のいずれか高い方
の2倍以上であることがより高い効果が得られるため望
ましい。
【0031】例えばめっき液などの表面処理工程浴液の
濾過を用途とした場合、外周層及び内周層を構成する不
織布の目付としては10g/m2以上30g/m2以下で
あることが望ましく、中間層中の高目付の不織布の目付
はその2倍以上6倍以下であることが好ましく、より好
ましくは20g/m2以上60g/m2以下である。
【0032】中間層の厚さは非対称構造の円筒濾材の積
層方向厚さの1/15以上1/3以下であることが望ま
しい。中間層の厚さが厚すぎるときには圧力損失が高く
なりすぎる場合があり、薄すぎると充分な濾過性能が得
られない場合がある。
【0033】濾過層全体の厚さとしては、被濾過処理液
の種類、通液量等によって、適宜調整するが、非対称構
造の円筒濾材として求められる剛性を勘案すると3mm
以上であることが好ましく8mm以上であるとさらに好
ましい。
【0034】厚さの上限としては圧力損失を勘案すると
20mm以下であることが好ましく、さらに好ましい範
囲は10mm以下である。なお、非対称構造の円筒濾材
の長さは収納する濾過容器にあわせ適宜決定する。
【0035】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材の、
高目付の不織布を有する中間層は必ずしも高目付の不織
布のみからなる必要はなく、高目付の不織布を1層以上
有すればよく、例えば低目付の不織布と高密度の不織布
とを交互に、あるいは任意のサイクルで積層して構成し
てもよく、この場合も本発明に含まれる。
【0036】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材にお
いて、低目付の不織布を積層してなる外周層あるいは低
目付の不織布を積層してなる内周層のいずれかがない
と、濾過の過程で濾過流量が少ない段階で圧力損失が極
めて高くなって頻繁に逆洗を行う必要が生じる場合があ
り、あるいは、逆洗時間が長くなったり、充分な逆洗効
果が得られなくなる。
【0037】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材の中
間層において、中間層の厚さ方向の中心が、濾材の積層
方向厚さに対して、外周面から1/10以上1/3以下
の位置になるよう配されていることが必要である。この
ように中間層が被濾過処理液の流れの上流側に片寄って
配されているために、逆洗に要する水などの液体の量が
少なくて済み、かつ、逆洗に要する時間を短くすること
が可能となる。
【0038】中間層の厚さ方向の中心が、濾材の積層方
向厚さに対して、外周面の面から1/3超の位置になる
よう配されている場合には上記の効果が得られない場合
がある。好ましい範囲としては中間層の厚さ方向の中心
が濾材の積層方向厚さに対して外周面から1/8以上1
/3以下の位置である。
【0039】本発明の濾過装置において、用いる不織布
は、用途に応じた性能を有する材料を選択する。このと
き、コスト、耐薬品性等を勘案するとポリプロピレン、
ポリエチレンあるいは、プロピレンあるいはエチレンに
コポリマーを各種配合してなるポリオレフィン系の繊維
からなることが望ましい。
【0040】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材にお
いて、少なくとも外周層の不織布が、熱融着性繊維を有
するとともにその熱融着性繊維により該熱融着性繊維を
有する層が一体化されていることが必要である。
【0041】熱融着性繊維とは、芯部と表層部とが異な
る2種類の熱可塑性樹脂からなる繊維であって、表層部
を構成する樹脂の融点が芯部を構成する樹脂の融点より
低い繊維であり、芯部が溶融しない温度で、かつ、表層
部が溶融する温度に加熱すると、熱融着性繊維同士が融
着するが、この際、繊維の形状及び繊維同士が形成する
空間は保たれるため、圧力損失が高くなったり、濾過性
能の低下は生じず、不織布を積層してなる層を一体とす
ることができ、容易に層間に剥離が生じない濾材とする
ことができるとともに、剛性の高いものとすることがで
きる。
【0042】なお、接着剤等により不織布間を接着した
場合には、濾液の接着剤成分の汚染のおそれが懸念され
ると共に、接着剤による不織布繊維同士の間隙の閉塞が
生じるため、濾過精度が悪くなったり、濾過性能自体が
悪くなる場合がある。このような熱融着性繊維として、
中心部がポリプロピレンからなり、外層部がポリエチレ
ンからなる融着性繊維が一般に入手可能である。
【0043】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材にお
いて、不織布を構成する繊維は太すぎると、充分な濾過
性能が得られない場合があり、細すぎると圧力損失が高
くなり、必要な濾過流量が得られない場合がある。用い
る繊維の望ましい範囲は0.5d以上10d以下であ
る。また、用いる繊維の長さは3mm以上40mm以下
であることが望ましく、3mm未満であると円筒濾材と
して必要な強度が低くなり、40mm超であると加工性
が悪くなるおそれがある。
【0044】ここで図を用いて本発明で用いる非対称構
造の円筒濾材について図1のモデル部分断面図を用いて
説明する。
【0045】この濾材は、円筒状であって、低目付の不
織布を積層してなる外周層、高目付の不織布を有する中
間層、及び、低目付の不織布を積層してなる内周層をこ
の順に有し、中間層の高目付の不織布の目付が外周層を
構成する不織布の目付及び内周層を構成する不織布の目
付よりも高く、かつ、中間層の厚さ方向の中心が、濾材
の積層方向厚さDに対して、外周面からlの位置になる
よう配され、少なくとも外周層の不織布が、熱融着性繊
維を有するとともにその熱融着性繊維により該熱融着性
繊維を有する層が一体化されてなる非対称構造の円筒濾
材であって、lはD/10以上D/3以下である。中間
層の厚さdはD/15以上D/3以下の外周層が存在す
る範囲となっている。なお、外周層(その厚さはl−d
/2で表される。)の厚さは濾材全体の積層方向の厚さ
Dの1/10以上確保されることが望ましく、より望ま
しくは1/8以上である。
【0046】濾過時の被濾過処理液の流れは外周層から
内周層へ、逆洗時の流体の流れは逆である。なお、非対
称構造の円筒濾材において上述したように逆洗効果は非
常に高い。これは、中間層が一種のノズルとして働くた
めによるものと考えられる。
【0047】この中間層のノズル効果について、図2の
モデル図を用いて説明する。中間層の高目付の不織布の
「目」は外周層あるいは内周層における低目付の不織布
の「目」よりも小さいため流体に対して図2に示すよう
に一種の隘路を形成する。濾過工程においては図中中間
層(濃い色のハッチング部)より上の層に不要物が蓄積
される。逆洗の際にはこの隘路に対して流体が達する
と、図中矢印に示すようにこの隘路に流体が集中するた
めにその部分で流速が早くなり、図中の中間層の上の側
に蓄積した不溶物を勢いよく流し去るため、洗浄効率が
高くなるものと考えられる。
【0048】ここで、非対称構造の円筒濾材について図
3(a)及び(b)にそのモデル断面を示した。
【0049】図3(a)は中間層が外周近くに配されて
いる例、図3(b)は内周近くに配されている例を示
す。本発明では図3(a)の中間層が外周近くに配され
ている非対称構造の円筒濾材を用いる。
【0050】なお、少なくとも外周層の不織布が、熱融
着性繊維を有するとともにその熱融着性繊維により該熱
融着性繊維を有する層が一体化されているために、逆洗
時にも中間層が変形することが妨げられるため、濾材内
外の圧力を一旦同じにすることなく効率よく洗浄を行う
ことができる。
【0051】このような円筒状の濾材は例えば次のよう
にして作製することができる。芯部と表層部とが異なる
2種類の熱可塑性樹脂からなる繊維であって、表層部を
構成する樹脂の融点が芯部を構成する樹脂の融点より低
い繊維である熱融着性繊維からなる不織布(低目付の不
織布)を、図4(a)に示すように芯材に巻き付ける。
このとき熱風により、また、赤外線や遠赤外線により、
あるいは不織布に加熱された熱ローラなどを接触するこ
とにより、加熱しながら芯材を軸として回転させながら
密に積層する。
【0052】このときには高温となり過ぎて、熱融着性
繊維全体が融けないように、かつ、充分に不織布同士が
互いにくっつくように温度を調整する必要がある。例え
ば、芯部がポリプロピレン、表層部がポリエチレンの熱
融着性繊維からなる不織布を用いて熱風で加熱する場
合、通常120℃以上150℃以下の温度の熱風を用い
るが、巻き上げ時の速度により適宜調整する。
【0053】所定量(所定厚さまで)積層したら、次い
で同様に、ただし、上記で作製した内層の上に、高目付
の熱融着性繊維からなる不織布を用いて所定量、密に積
層して中間層を形成する(図4(b)参照)。
【0054】次いで同様に、ただし、中間層の上に低目
付の熱融着性繊維からなる不織布を所定量、密に巻いて
外周層を形成し(図4(c)及び図4(d)参照)、最
後に芯材を抜く。
【0055】このように、芯部と表層部とが異なる2種
類の熱可塑性樹脂からなる繊維であって、表層部を構成
する樹脂の融点が芯部を構成する樹脂の融点より低い繊
維からなる不織布を、加熱しながら芯材に巻き付けて積
層することにより、優れた本発明に係る円筒状の濾材を
容易にかつ効率よく生産することができ、その際不織布
間が剥離がなく、かつ、ホルダや補強材がなくても、円
筒状濾材として充分な強度と剛性とを併せ持ち、濾過時
や逆洗時にふくらんだり、つぶれたりすることがないも
のとすることができる。
【0056】次いで、本発明に係る濾過装置の例を図5
に示す。この例では濾材として円筒状であって、低目付
の不織布を積層してなる外周層、高目付の不織布を有す
る中間層、及び、低目付の不織布を積層してなる内周層
をこの順に有し、中間層の高目付の不織布の目付が外周
層を構成する不織布の目付及び内周層を構成する不織布
の目付よりも高く、かつ、中間層の厚さ方向の中心が、
濾材の積層方向厚さに対して、外周面から1/10以上
1/3以下の位置になるよう配され、少なくとも外周層
の不織布が、熱融着性繊維を有するとともにその熱融着
性繊維により該熱融着性繊維を有する層が一体化されて
なる非対称構造の円筒濾材を用いているが、その他の不
織布を密に巻いてなる円筒濾材あるいはセラミックス製
の円筒濾材を用いても良い。
【0057】図中、濾過容器Aはポリプロピレン製(後
述するように高い耐圧性が求められないためポリプロピ
レン製とすることができた。ただしガラス繊維により強
化されたポリプロピレン製であっても良い。)であって
その形状は円筒状である。この濾過容器Aは上の配管接
続部Aa、中筒部Abおよび下の配管接続部Acからな
り、それぞれフランジにより接続されている。上下の有
底筒状の配管接続部AaとAcとは同形部材(共通部
材)であり、同じ金型により成形されているために生産
性及び金型製作費の点で有利である。
【0058】図6に下の有底筒状の配管接続部Acの例
を下側に孔を有する漏斗状のスラリー集泥器3aを外し
た分解モデル図として示す。
【0059】この有底筒状の配管接続部Acはそれぞれ
配管が接続可能な配管接続口、すなわちドレン排出出口
A2と被濾過処理液導入口A3を有し、ドレン排出出口
A2は配管接続部の内部に設けられ、配管接続部の底部
と底部を共にする有底筒状の仕切部3に接続され、被濾
過処理液導入口A3は配管接続部内部でかつ該仕切部の
外に接続されている。有底筒状の仕切部3の上には漏斗
状のスラリー集泥器3aが接着により固定されている
(接着ではなくボルトなどで固定しても良い)。
【0060】漏斗状のスラリー集泥器3aは非対称構造
の円筒濾材1(以下「円筒濾材1」とも云う)の下方に
位置するように配置されるが、上側に開いた、下側に孔
を有する漏斗状の形状であり、この漏斗状のスラリー集
泥器3の底部の孔3a1の面積は下の配管接続部の有底
仕切部3の筒の断面積よりかなり小さく、本例では1/
3である。
【0061】底部の孔3a1が上記のように小さく、さ
らに、有底筒状の仕切部3側から見ると漏斗状のスラリ
ー集泥器3aの下面が「かえし」となっており、このよ
うな筌(うえ)状構造を形成しているため、有底筒状の
仕切部3内に不溶物が残留した場合であってもは濾過容
器Aの濾材側空間へ戻りにくくなっている。
【0062】濾過容器A内部に複数の非対称構造の円筒
濾材1は長さ方向が垂直になるように配置され、その下
端はポリプロピレンにより封止されている。
【0063】非対称構造の円筒濾材1は図3(a)にそ
の断面をモデル的に示したものであり、図4に示す方法
で作製されている。用いられた低密度の不織布は目付が
20g/m2で、芯部がポリプロピレン、表層部がポリ
エチレンの熱融着繊維(2デニール)からなる不織布で
あり、高密度の不織布は目付が40g/m2で、ポリプ
ロピレン繊維(2デニール)からなる不織布で、160
℃の熱風を併用して巻き上げて積層されている。
【0064】非対称構造の円筒濾材1の内径は10m
m、外径は20mm、中間層の厚さは0.5mm、中間
層の中心は外周から1.5mmの位置にある。なお中間
層中の高密度の不織布の巻き数は2周(重なるようにし
た部分が若干あるため、実際には2周強)である。ま
た、非対称構造の円筒濾材の長さは60cmである。
【0065】このような非対称構造の円筒濾材1の上端
は中間板2に接着剤により固定されつり下げられている
(ボルトにより固定しても良い)。中間板2にはそれぞ
れ非対称構造の円筒濾材1の中空部1aに対応している
貫通孔2aが設けられている。
【0066】中間板2の上側は有底筒状の配管接続部A
aの内部に設けられ、配管接続部Aaの底部と底部を共
にする有底筒状の仕切部2bに接続されている。有底筒
状の仕切部2bは濾過容器壁の非対称構造の円筒濾材1
よりも高い位置に設けられた濾過液出口兼ガス導入口A
1に接続されている(後述の説明により明らかにされる
が濾過液出口兼ガス導入口A1は円筒濾材1に対して被
濾過処理液の流れ方向下流側に設けられている)。この
例では濾過液出口兼ガス導入口を設けているが、濾過液
出口とガス導入口とを別々に設けても良い。なお、上記
配管接続部Aaは図6の配管接続部Acと同じものであ
るが、上下を逆にして用いられている。
【0067】有底筒状の仕切部3の外側でかつ配管接続
部Ac底部(円筒濾材1に対して被濾過処理液の流れ方
向上流側になる位置)には被濾過処理液導入口A3が設
けられている。
【0068】被濾過処理液導入口A3の位置は、そこか
ら濾過容器A内に供給される液が後述する漏斗状のスラ
リー集泥器3aの上面にあたらないことが、その漏斗状
のスラリー集泥器3aの効果を発揮する点で好ましく、
通常、底部か底部に近い側面に設ける。本例では底部に
近い側面に設けられている。
【0069】上記において、漏斗状のスラリー集泥器3
aの縁(最大径部)と容器A内壁との隙間の面積はこの
容器に導入される被濾過処理液導入口A3に接続された
配管の断面積に比して1倍以上あればよく、好ましくは
1.5倍以上である。この比率が1倍未満であると、そ
の隙間を流れる液の流速が早くなり、その結果、下の配
管接続部の有底筒状の仕切部3内部の残留不溶物を舞い
上げて非対称構造の円筒濾材の表面に再付着して濾過時
の負荷が増加したり、あるいはその流れが複数の非対称
構造の円筒濾材1にあたって思わぬ障害を引き起こした
りする。
【0070】一方、上記比率が大きすぎる(5倍以上)
と、排出工程での複数の非対称構造の円筒濾材1からの
濾過助剤及びそれによって濾過された不溶物のスラリー
がこの隙間から被濾過処理液導入口A3側に侵入してし
まい、そのときの不要物が後述する液はり工程の際に、
濾過助剤による濾過層が形成されていない複数の非対称
構造の円筒濾材1に供給され、その下流にリークした
り、あるいは、非対称構造の円筒濾材1の負荷を高める
こととなる。
【0071】本例では容器Aの内径は30cm、漏斗状
のスラリー集泥器3aの最大径は28.8cmであっ
て、被濾過処理液導入口A3に接続された配管の太さは
5cmである。上記ドレン排出出口A2は濾過容器底部
であってかつ上記円筒濾材に対して上流側になる位置に
設けられ、ドレンバルブV7を介してドレンタンク(図
示しない)に接続されている。
【0072】また、濾過容器Aの頂部、濾過容器Aの壁
の有底筒状の仕切部2b外に、円筒濾材1の濾過面頂部
より高い位置(かつ、円筒濾材1に対して被濾過処理液
の流れ方向上流側となる位置)にはエア抜き口A4が設
けられている。
【0073】濾過助剤タンク4には必要に応じて少量の
水に分散されてスラリー状になった珪藻土などの濾過助
剤が所定量(1回の濾過助剤層形成工程に必要な量:す
なわち、濾過助剤タンク4の濾過助剤がなくなった時点
で濾過助剤層形成工程終了を知ることができる)いれら
れている。後述するように濾過助剤は非対称構造の円筒
濾材1の表面に供給されそこで滞留、蓄積していわゆ
る”貼り付けられた状態”となって、その濾過能力を向
上させ、非対称構造の円筒濾材1の本来の能力よりさら
に小さい不溶分を除去可能にする働きを有する。
【0074】濾過容器の被濾過処理液導入口A3は濾過
容器内に液を送出するポンプの出口側と接続されてい
る。濾過容器A外に濾過助剤タンク4があり、濾過助剤
タンク4の底部には濾過助剤タンクから上記ポンプ5p
の入り口側に液を導入する濾過助剤ラインL5が設けら
れ、濾過助剤ラインL5は濾過助剤ラインL5を開閉す
るための濾過助剤バルブV5を有している。
【0075】また被濾過処理液がはいっている被濾過処
理液タンク6は被濾過処理液供給ラインL1によってポ
ンプ入り口側に接続されているが、この被濾過処理液供
給ラインL1にはその開閉のための入り口バルブV1が
設けられている。
【0076】濾過容器Aのエア抜き口A4は円筒濾材1
の濾過面頂部より高い位置に設けられ、エア抜きライン
L4により濾過助剤タンク4に接続されている。このエ
ア抜きラインL4は圧力計5bとエア抜きラインL4の
開閉のためのエア抜きバルブV4とを有している。
【0077】濾過容器Aの濾過液出口(本例では濾過液
出口兼ガス導入口A1)は濾過助剤タンク4に戻りライ
ンL8により接続されていて、戻りラインL8に接続さ
れた戻りバルブV8の開閉により、必要に応じて非対称
構造の円筒濾材1により濾過された濾液が濾過助剤タン
ク4にその上方から供給される。この際、液の流れの勢
いで濾過助剤タンク4内の濾過助剤(珪藻土等。水と混
合しスラリー状となっている)が攪拌され、液に均一に
分散されるようになっている。
【0078】また、濾過容器Aの濾過液出口(本例では
濾過液出口兼ガス導入口A1)は開閉可能な濾過液出口
バルブV2を備えた濾過液出口ラインL2、及び、開閉
可能なプリコートバルブV3を備えたプリコートライン
L3に接続されている。プリコートラインL3はさらに
ポンプ5pの入り口側に接続されている。
【0079】さらに、濾過容器Aのガス導入口(本例で
は濾過液出口兼ガス導入口A1)は、開閉可能なエア供
給バルブV6を有するエア供給ラインL6(レギュレー
ター(図示しない)により適圧に調整された圧搾空気が
供給される)に接続されている。
【0080】このように、図5に示された濾過装置は、
内部に濾材を収納した上部集液式濾過容器Aを有する濾
過装置であって、濾材として、不織布を密に巻いてなる
上記非対称構造の円筒濾材1を用い、該濾過容器Aに、
円筒濾材1に対して被濾過処理液の流れ方向上流側にな
る位置に被濾過処理液導入口A3、濾過容器底部であっ
てかつ上記円筒濾材に対して上流側になる位置にドレン
排出出口A2、上記円筒濾材1と同じかそれより高くか
つ上記円筒濾材1に対して被濾過処理液の流れ方向上流
側となる位置にエア抜き口A4、及び、上記円筒濾材1
よりも高くかつ上記円筒濾材1に対して被濾過処理液の
流れ方向下流側となる位置に、濾過液出口兼ガス導入口
A1を備え、濾過容器の被濾過処理液導入口A3は濾過
容器A内に液を送出するポンプ5pの出口側と接続さ
れ、濾過容器1外に濾過助剤タンク4を有し、上記濾過
容器Aの濾過液出口兼ガス導入口A1から該濾過助剤タ
ンク4へ濾過液を導入する戻りラインL8と該戻りライ
ンL8を開閉するための戻りバルブV8、該濾過助剤タ
ンク4から上記ポンプ5pの入り口側に液を導入する濾
過助剤ラインL5及び該濾過助剤ラインL5を開閉する
ための濾過助剤バルブV5、上記濾過容器Aの濾過液出
口V2から上記ポンプ5pの入り口側に液を導入するプ
リコートラインV3と該プリコートラインを開閉するた
めのプリコートバルブV8とを有する濾過装置である。
【0081】この濾過装置の動作について、まず液はり
工程から説明する。ポンプ5pが停止し、バルブV1〜
V8が全部閉じられた状態から、入り口バルブV1、エ
ア抜きバルブV4及び戻りバルブV8が開放された後、
ポンプ5pが稼働される
【0082】ポンプ5pにより被濾過処理液タンク6の
被濾過処理液が被濾過処理液供給ラインL1を通って、
被濾過処理液導入口A3から濾過容器A内に導入され、
容器上端に達した後(液はり完了)、液はエア抜き口A
4からエア抜きラインL4を経て、濾過助剤タンク4に
排出されはじめる。また、非対称構造の円筒濾材1を通
過した濾液は濾過液出口兼ガス導入口A1を介して戻り
ラインL8を通って、濾過助剤タンク4に排出される。
【0083】液はり工程完了後、濾過助剤層形成工程と
なる。すなわち、直ちにプリコートバルブV3及び濾過
助剤バルブV5が開放されると共に入り口バルブV1及
びエア抜きバルブV4が閉じられる。このとき、濾過助
剤が分散した液が濾過助剤タンク4底部から濾過助剤ラ
インL5及びポンプ5pを経て、被濾過処理液導入口A
3から濾過容器A内に導入され、非対称構造の円筒濾材
1によって濾過されて、その表面に珪藻土が残り、濾過
された濾液は濾過液出口兼ガス導入口A1から戻りライ
ンL8を経て、再び濾過助剤タンク4に戻る循環が形成
される。このとき濾過助剤タンク4から供給される濾過
助剤の分散濃度が高いので、プリコートラインL3を経
由してポンプ5p入り側に供給される、濾過液出口兼ガ
ス導入口A1からの濾液により適切な分散濃度に調整さ
れる。
【0084】このような循環により、濾過助剤タンク4
内の濾過助剤は順次濾過容器A内に供給され、非対称構
造の円筒濾材1の外周表面に蓄積され、その表面に徐々
に濾過助剤が堆積し、非対称構造の円筒濾材1単体では
濾別できないような微少な不溶分をも除去できる濾過層
が形成される。
【0085】このように濾過助剤による濾過助剤層が非
対称構造の円筒濾材1の外周上に形成された後、濾過工
程が開始される。
【0086】濾過助剤バルブV5及び戻りバルブV8が
閉じられ、入り口バルブV1及び濾過液出口バルブV2
が開放され、プリコートバルブV3が閉じられると濾過
液出口ラインL2から清澄となった濾液を得ることがで
きる。このとき非対称構造の円筒濾材1(及びその周囲
に配された濾過助剤による濾過層)による圧力損失は圧
力計5bから読みとることができる。所定量の濾過が終
了した後、あるいは、圧力損失が所定値に達した後、ポ
ンプ5pを停止し排出を行う。
【0087】排出工程に際して入り口バルブV1、濾過
液出口バルブV2が閉じられ、エア供給バルブV6とド
レンバルブV7とが同時に開放され、エア供給ラインL
6から供給された、適圧に調整された圧搾空気が濾過容
器A内に濾過液出口兼ガス導入口A1から導入され、有
底筒状の仕切部2bから中間板2の貫通孔2a、非対称
構造の円筒濾材1を通過し、容器A内の液をドレンバル
ブV7へ押し下げ、排出する。このように圧搾空気の容
器内の供給と同時に排出口であるドレン排出出口A2と
が開放されるため、濾過容器Aを耐圧容器にする必要が
なく、例えば本例のように安価で加工性が容易なポリプ
ロピレン製とすることができる。
【0088】ラインの一部及び有底筒状の仕切部2bに
存在した清澄な濾液が逆流し、この流れにより非対称構
造の円筒濾材1の表面に張り付いていた濾過助剤層も洗
い流されて(逆洗)、極めて夾雑物の多いドレンとし
て、漏斗状のスラリー集泥器3aにより集められながら
仕切部3に導かれ、ドレン排出出口A2からドレンライ
ンL7を経て外部のドレンタンク(図示しない)に排出
される。
【0089】以上、これら液はり工程、濾過助剤層形成
工程、濾過工程及び排出工程が繰り返される。
【0090】上記本発明にかかる濾過装置では、濾過容
器Aの被濾過処理液導入口A3は濾過容器内に液を送出
するポンプ5pの出口側と接続され、濾過容器A外に濾
過助剤タンク4を有し、上記濾過容器Aの濾過液出口兼
ガス導入口A1から該濾過助剤タンク4へ濾過液を導入
する戻りラインL8とこの戻りラインL8を開閉するた
めの戻りバルブV8、濾過助剤タンク4から上記ポンプ
5pの入り口側に液を導入する濾過助剤ラインL5及び
濾過助剤ラインL5を開閉するための濾過助剤バルブV
8、上記濾過容器Aの濾過液出口兼ガス導入口A1から
上記ポンプ5pの入り口側に液を導入するプリコートラ
インL3とプリコートラインを開閉するためのプリコー
トバルブV3とを有するため、濾過助剤層形成工程にお
いて筒状濾材1を通過した濾液が濾過助剤タンク4に戻
り、その濾液に濾過助剤が分散して濾過容器A内に供給
され、再度筒状濾材1により濾過されるが、このとき供
給された液中の濾過助剤が全て円筒濾材表面に堆積する
ために、従来の濾過装置では必要であった25分程度の
濾過助剤層形成時間を、5分程度と大幅に短縮すること
ができ、このとき、濾材として、不織布を密に巻いてな
る円筒濾材あるいはセラミックス製の円筒濾材を用いて
いるために、一般的な濾布やポーラス樹脂製の濾材を上
記装置に応用したであれば生じていた、濾過不良の原因
となる濾過助剤層の大きな厚さ斑を防止することがで
き、ほぼ均一な厚さの濾過助剤層を形成することができ
る。
【0091】さらに、本発明に係る装置は上記構成によ
り濾過助剤タンクに供給される液が濾過助剤を有しない
清澄なものであるため、濾過助剤タンクが小さくするこ
とが可能で、また、戻りラインL8は内部に濾過助剤が
滞留するおそれがないために細くてもよく、その戻りバ
ルブV8も低廉な小型のもので充分となる。またエア抜
きラインL4及びエア抜きバルブV4も多量の液の通過
が求められていないので同様に小口径で安価なものを用
いることができる。これらによりその戻りバルブV8及
びエア抜きバルブV4の操作性も向上する。
【0092】
【発明の効果】本発明の濾過装置は、その構成により、
不良の原因となる濾過助剤層の厚さ斑の発生が極めて小
さいのにもかかわらず、迅速な濾過助剤層形成が可能で
あり、また、装置の小型化、低廉化が可能となる優れた
濾過装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる非対称構造の円筒濾材のモデル
部分断面図である。
【図2】非対称構造の円筒濾材の中間層のノズル効果を
説明するモデル図である。
【図3】2種類の非対称構造の円筒濾材を示すためのモ
デル断面図である。 (a)中間層が外周近くに配されている例を示す図であ
る。 (b)中間層が内周近くに配されている例を示す図であ
る。
【図4】非対称構造の円筒濾材の一例の作製方法を示す
モデル図である。
【図5】本発明に係る濾過装置を示す図である。
【図6】下側に孔を有する漏斗状のスラリー集泥器3a
を外した下の有底筒状の配管接続部の例を示す分解モデ
ル図である。
【図7】従来技術に係る濾過装置を示す図である。
【符号の説明】
A 濾過容器 Aa 上の有底筒状の配管接続部 Ab 中筒部 Ac 下の有底筒状の配管接続部 A1 濾過液出口兼ガス導入口 A2 ドレン排出出口 A3 被濾過処理液導入口 A4 エア抜き口 1 非対称構造の円筒濾材 1a 円筒濾材1の中空部 2 中間板 2a 貫通孔 2b 仕切部 3 仕切部 3a スラリー集泥器 4 濾過助剤タンク 5b 圧力計 5p ポンプ 6 被濾過処理液タンク L1 被濾過処理液供給ライン L2 濾過液出口ライン L3 プリコートライン L4 エア抜きライン L5 濾過助剤ライン L6 エア供給ライン L7 ドレンライン L8 戻りライン V1 入り口バルブ V2 濾過液出口バルブ V3 プリコートバルブ V4 エア抜きバルブ V5 濾過助剤バルブ V6 エア供給バルブ V7 ドレンバルブ V8 戻りバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/16 B01D 29/10 510G 530A Fターム(参考) 4D019 AA03 BA13 BB03 BB10 BB20 CA03 4D066 BA01 BB02 BB31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に濾材を収納した上部集液式濾過容
    器を有する濾過装置であって、 濾材として、不織布を密に巻いてなる円筒濾材あるいは
    セラミックス製の円筒濾材を用い、 該濾過容器に、円筒濾材に対して被濾過処理液の流れ方
    向上流側になる位置に被濾過処理液導入口、濾過容器底
    部であってかつ上記円筒濾材に対して上流側になる位置
    にドレン排出出口、上記円筒濾材と同じかそれより高く
    かつ上記円筒濾材に対して被濾過処理液の流れ方向上流
    側となる位置にエア抜き口、及び、上記円筒濾材よりも
    高くかつ上記円筒濾材に対して被濾過処理液の流れ方向
    下流側となる位置に、濾過液出口兼ガス導入口を、ある
    いは、濾過液出口及びガス導入口の両方を、備え、 濾過容器の被濾過処理液導入口は濾過容器内に液を送出
    するポンプの出口側と接続され、 濾過容器外に濾過助剤タンクを有し、上記濾過容器の濾
    過液出口兼ガス導入口あるいは濾過液出口から該濾過助
    剤タンクへ濾過液を導入する戻りラインと該戻りライン
    を開閉するための戻りバルブ、該濾過助剤タンクから上
    記ポンプの入り口側に液を導入する濾過助剤ライン及び
    該濾過助剤ラインを開閉するための濾過助剤バルブ、上
    記濾過容器の濾過液出口から上記ポンプの入り口側に液
    を導入するプリコートラインと該プリコートラインを開
    閉するためのプリコートバルブとを有することを特徴と
    する濾過装置。
  2. 【請求項2】 上記濾材が、円筒状であって、低目付の
    不織布を積層してなる外周層、高目付の不織布を有する
    中間層、及び、低目付の不織布を積層してなる内周層を
    この順に有し、中間層の高目付の不織布の目付が外周層
    を構成する不織布の目付及び内周層を構成する不織布の
    目付よりも高く、かつ、中間層の厚さ方向の中心が、濾
    材の積層方向厚さに対して、外周面から1/10以上1
    /3以下の位置になるよう配され、少なくとも外周層の
    不織布が、熱融着性繊維を有するとともにその熱融着性
    繊維により該熱融着性繊維を有する層が一体化されてな
    る非対称構造の円筒濾材であることを特徴とする請求項
    1に記載の濾過装置。
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