JP2003339716A - 血管または体腔壁部の位置確認用装置および生体内組織補修装置 - Google Patents

血管または体腔壁部の位置確認用装置および生体内組織補修装置

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JP2003339716A JP2002155865A JP2002155865A JP2003339716A JP 2003339716 A JP2003339716 A JP 2003339716A JP 2002155865 A JP2002155865 A JP 2002155865A JP 2002155865 A JP2002155865 A JP 2002155865A JP 2003339716 A JP2003339716 A JP 2003339716A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 組織へダメージ等を与えることなく、容易、
安全かつ確実に、血管または体腔壁部の位置を確認する
ことができる位置確認装置を提供する。 【解決手段】 位置確認用装置1は、生体の経皮的に貫
通した血管または体腔壁部の穴を用いて血管または体腔
壁部の位置を確認するためのものである。位置確認用装
置1は、穴より血管または体腔内に挿入可能な本体部2
と、本体部2の血管または体腔内に挿入可能な部位に設
けられ、血管または体腔内に位置する場合に本体部2よ
り突出する突出状態となり、皮下かつ血管または体腔内
に到達するまでは非突出状態となる突出可能部10と、
位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、突出可能
部10の突出状態および非突出状態を識別するための表
示部11を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管または体腔壁
部の位置確認用装置および血管または体腔壁部の位置確
認機能を備えた生体内組織補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】心臓カテーテル法、心臓および血管造影
法、ヒス束心電図法などの手術を行う際には、カテーテ
ルを経皮的に血管内に挿入して処置を行う。処置を終え
た後には、その穿刺孔の止血をする必要があるが、通常
カテーテルの挿入は大腿動脈から行われるため、出血時
の血圧(出血圧力)が高く、止血作業は非常に困難であ
り、従来は医療従事者が1時間もの間、手で押さえ続け
る等の過酷な作業が行われていた。
【0003】近年、この止血作業を容易かつ確実に行う
ために、穿刺孔を塞ぐ止血材料を挿入(充填)する方法
や、カテーテル状の器具を用いて血管壁の穴を糸で縫合
する方法が普及しつつある。このような材料や器具等の
止血手段を用いて穿刺孔を止血する場合、止血手段を止
血すべき血管壁に正確に位置決めして配置することが重
要である。例えば、止血材料の場合、奥に挿入し過ぎる
と止血材料が血管内に侵入して血流を阻害してしまい、
逆に、止血材料の挿入位置が浅過ぎると十分な止血効果
が得られない。また、縫合器具の場合、縫合位置を誤る
と正確に縫合できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】止血材料を血管壁に位
置決めして挿入する器具として、特公平6−40877
号公報には、バルーンカテーテルを用いる器具、およ
び止血材を保持し先端が拡張可能な内筒と、外筒とか
らなる器具がそれぞれ開示されている。しかしながら、
前記の器具では、バルーンを膨張させるためのシリン
ジ等の器具を別途に容易しなければならない煩わしさが
あり、前記の器具では、内筒先端部における拡張状態
の維持に確実性がなく、血管壁で位置決めされずに穿刺
孔から抜けてしまうことがあるとともに、デリケートな
血管壁内膜に対する損傷が懸念される。
【0005】また、特許第2904733号公報には、
先端側に血液流入口を有し、血管に挿入されたことを血
液が器具の基端側に流入することにより示す位置判定装
置が開示されている。しかしながら、特許第29047
33号の装置は、貴重な患者の血液を位置決めのために
消費することとなるほか、出血を防ぐために血管の上流
側を手で押さえておきながら使用することができない。
本発明の目的は、組織へダメージ等を与えることなく、
容易、安全かつ確実に、血管または体腔壁部の位置を確
認することができる血管または体腔壁部の位置確認装置
および血管または体腔壁部の位置確認機能を備えた生体
内組織補修装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、以下のものである。 (1) 生体の経皮的に貫通した血管または体腔壁部の
穴を用いて血管または体腔壁部の位置を確認するための
位置確認用装置であって、該位置確認用装置は、前記穴
より前記血管または前記体腔内に挿入可能な本体部と、
該本体部の前記血管または前記体腔内に挿入可能な部位
に設けられ、前記血管または前記体腔内に位置する場合
に前記本体部より突出する突出状態となり、皮下かつ前
記血管または前記体腔内に到達するまでは非突出状態と
なる突出可能部と、該位置確認用装置の生体内非挿入部
に形成され、前記突出可能部の突出状態および非突出状
態を識別するための表示部を備えている血管または体腔
壁部の位置確認用装置。
【0007】(2) 前記突出可能部は、前記本体部に
収納されかつ軸支されるとともに該本体部の側面より回
動により突出する突出可能部材と、一端が該突出可能部
材に固定され他端が前記表示部に固定され、かつ前記本
体部内に移動可能に収納されたワイヤ部材とを備える上
記(1)に記載の血管または体腔壁部の位置確認用装
置。 (3) 前記突出可能部は、外部から力を加えない状態
で突出状態を保ち、外部より力を加えることにより非突
出状態となるものである上記(1)または(2)に記載
の血管または体腔壁部の位置確認用装置。
【0008】(4) 前記位置確認用装置は、前記突出
可能部を突出状態に保つための付勢手段を備えている上
記(3)に記載の血管または体腔壁部の位置確認用装
置。 (5) 前記位置確認用装置は、前記表示部もしくは前
記ワイヤ部材を前記突出可能部材側に付勢する付勢手段
を備えている上記(2)に記載の血管または体腔壁部の
位置確認用装置。 (6) 前記位置確認用装置は、前記突出可能部を非突
出状態に保持する非突出状態保持機能を備えている上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の血管または体腔
壁部の位置確認用装置。
【0009】(7) 生体内組織膜に形成された経皮的
に貫通した穴を縫合もしくは閉塞するための生体内組織
補修装置であって、該補修装置は、前記穴より前記血管
または前記体腔内に挿入可能な本体部と、該本体部の前
記血管または前記体腔内に挿入可能な部位に設けられ、
前記血管または前記体腔内に位置する場合に前記本体部
より突出する突出状態となり、皮下かつ前記血管または
前記体腔内に到達するまでは非突出状態となる突出可能
部と、該位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、
前記突出可能部の突出状態および非突出状態を識別する
ための表示部と、前記本体部に設けられた前記生体内組
織膜に形成された経皮的に貫通した穴を縫合もしくは閉
塞するための補修機能とを備える生体内組織補修装置。
【0010】(8) 前記突出可能部は、前記本体部に
収納されかつ軸支されるとともに該本体部の側面より回
動により突出可能な突出可能部材と、一端が該突出可能
部材に固定され他端が前記表示部に固定され、かつ前記
本体部内に移動可能に収納されたワイヤ部材とを備える
上記(7)に記載の生体内組織補修装置。 (9) 前記突出可能部は、外部から力を加えない状態
で突出状態を保ち、外部より力を加えることにより非突
出状態となるものである上記(7)または(8)に記載
の生体内組織補修装置。 (10) 前記生体内組織補修装置は、前記突出可能部
材を突出状態に保つための付勢手段を備えている上記
(9)に記載の生体内組織補修装置。
【0011】(11) 前記生体内組織補修装置具は、
前記突出可能部を非突出状態に保持する非突出状態保持
機能を備えている上記(7)ないし(10)のいずれか
に記載の生体内組織補修装置。 (12) 前記補修機能は、前記本体部の前記生体内組
織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端回動部
と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側となる部
位の内部に収納された少なくとも2本の針と、該針に接
合された糸と、該針を該本体部の側面より突出させて前
記先端回動部内に押し込むための押子を備え、前記先端
回動部は、前記生体内組織内に配置された状態にて、前
記押子により押し込まれた前記針を受け入れる針受入部
を備えている上記(7)ないし(11)のいずれかに記
載の生体内組織補修装置。
【0012】(13) 前記補修機能は、前記本体部の
前記生体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられ
た先端回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基
端側となる部位の内部に収納されたアンカー部材と、該
アンカー部材に接合された糸と、前記アンカー部材を先
端側内部に収納し、かつ前記本体部内に収納された針部
材と、該針部材を該本体部の前記先端回動部よりも基端
側の側面より前記先端回動部側に突出させるための針部
材押出用操作部と、前記アンカー部材を前記針部材の先
端より突出させて前記先端回動部内に押し込むためのア
ンカー用押子を備え、前記先端回動部は、前記生体内組
織内に配置された状態にて、前記アンカー用押子により
押し込まれた前記アンカー部材を受け入れるアンカー受
入部を備えている上記(7)ないし(11)のいずれか
に記載の生体内組織補修装置。 (14) 前記補修機能は、前記本体部の前記生体内組
織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端回動部
と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側となる部
位の内部に収納された2本の中空針部材と該中空針部材
を前記本体部の側面より前記先端回動部側に突出させる
ための針部材押出用操作部および前記本体部の後端部側
に設けられた各中空針部材内と連通する2つの開口とを
備え、前記先端回動部は、前記本体部より押し出された
針部材の先端部を受け入れる2つの針部材受入部と、該
2つの針部材受入部を連通する連結通路を備え、前記補
修装置は、それぞれの針部材受入部がそれぞれの中空針
部材を受け入れた状態において、前記一方の開口から一
方の中空針部材内、前記連結通路および他方の中空針部
材内を通り他方の開口に達する縫合糸用通路が形成され
るものである上記(7)ないし(11)のいずれかに記
載の生体内組織補修装置。
【0013】(15) 前記生体内組織補修装置は、前
記先端回動部を前記本体部のほぼ中心軸上にある状態か
ら90度以下の所定角度内での回動を許容する回動角度
規制機能を備えている上記(12)ないし(13)のい
ずれかに記載の生体内組織補修装置。 (16) 前記本体部は、前記先端回動部を軸支するた
めの軸支用ピンを備え、前記先端回動部は、該軸支用ピ
ンを受け入れるための側面開口を備え、かつ、該側面開
口は、前記軸支用ピンのスライドを可能とする軸方向に
延びる長口に形成されており、さらに、前記生体内組織
補修装置は、前記本体部内を延び一端が前記先端回動部
に固定された回動部牽引用部材を備えている上記(1
2)ないし(13)のいずれかに記載の生体内組織補修
装置。 (17) 前記補修機能は、前記本体部の前記生体内組
織内に挿入される部位に収納された第一の形態と、部分
的に前記本体部より突出する第二の形態とを取ることが
できるアーム部とを備え、前記本体部は、該アーム部よ
りも基端側内部に収納された少なくとも2つの針部材
と、該針部材に設けられた糸と、前記針部材を該本体部
の側面より前記アーム部に到達するように突出させる針
部材用押子を備え、前記アーム部は、前記第二の形態に
おいて、前記針部材用押子により押し出されアーム部に
到達した針部材を保持する針部材保持部を備えるもので
ある上記(7)ないし(11)のいずれかに記載の生体
内組織補修装置。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の血管または体腔壁部の位
置確認用装置を血管または体腔壁部の位置確認機能を備
えた生体内組織補修装置に応用した実施例を用いて説明
する。なお、本発明の血管または体腔壁部の位置確認用
装置は、生体内組織補修装置に限定されるものではな
く、位置確認機能を有する位置確認用装置として、さら
には、他の医療用器具にも利用できる。また、生体内組
織補修装置は、血管補修装置に限定されるものではな
く、他の生体内組織に形成された穴の補修にも利用でき
る。
【0015】本発明の血管または体腔壁部の位置を確認
するための位置確認用装置1は、生体の経皮的に貫通し
た血管または体腔壁部の穴を用いて血管または体腔壁部
の位置を確認するためのものである。位置確認用装置1
は、穴より血管または体腔内に挿入可能な本体部2と、
本体部2の血管または体腔内に挿入可能な部位に設けら
れ、血管または体腔内に位置する場合に本体部2より突
出する突出状態となり、皮下かつ血管または体腔内に到
達するまでは非突出状態となる突出可能部10と、位置
確認用装置の生体内非挿入部に形成され、突出可能部1
0の突出状態および非突出状態を識別するための表示部
11を備えている。
【0016】また、本発明の生体内組織補修装置1は、
生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を縫合も
しくは閉塞するためのものである。補修装置1は、穴よ
り血管または体腔内に挿入可能な本体部2と、本体部2
の血管または体腔内に挿入可能な部位に設けられ、血管
または体腔内に位置する場合に本体部2より突出する突
出状態となり、皮下かつ血管または体腔内に到達するま
では非突出状態となる突出可能部10と、位置確認用装
置の生体内非挿入部に形成され、突出可能部10の突出
状態および非突出状態を識別するための表示部11と、
本体部2に設けられた生体内組織膜に形成された経皮的
に貫通した穴を縫合もしくは閉塞するための補修機能と
を備えている。
【0017】図1は、本発明の生体内組織補修装置の一
実施例の外観図である。図2は、図1に示した生体内組
織補修装置の本体部の先端部分の拡大平面図である。図
3は、図1に示した生体内組織補修装置の先端部分の拡
大断面図である。図4は、図1に示した生体内組織補修
装置の本体部の部分拡大断面図である。図5は、図1に
示した生体内組織補修装置の突出可能部付近の拡大断面
図である。図6は、図1に示した生体内組織補修装置の
基端部の拡大断面図である。図7は、図6と90度異な
る角度にて切断した生体内組織補修装置の基端部分の拡
大断面図である。図8は、図1に示した生体内組織補修
装置の基端部の拡大平面図である。
【0018】この実施例の生体内組織補修装置1は、血
管または体腔壁部の位置を確認するための位置確認機能
と、生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を縫
合もしくは閉塞するための補修機能とを備えている。こ
の実施例の生体内組織補修装置1は、図1に示すよう
に、生体内組織内に挿入可能な所定長を有する長尺状の
本体部2を備える。本体部2は、図2および図3に示す
ように、生体内組織内に挿入可能であり、かつ本体部2
に回動可能に軸支され、生体内組織内にて回動可能な先
端回動部3を備える。本体部2の後端部には、図1に示
すように、操作部9が設けられている。先端回動部3の
先端には、チューブ7が設けられている。
【0019】具体的には、本体部2は、図1に示すよう
に、シャフト21と、シャフト21の基端に設けられた
本体部ハブ(シャフトハブ)26を備える。シャフト2
1は、図1、図4および図5に示すように、シャフト本
体部21aと、このシャフト本体部21aの先端より先
端側に延び、回動部3を軸支するためのシャフト先端部
21bを備えている。本体部2のシャフト本体部21a
の先端部には、突出可能部10が設けられている。ま
た、図5に示すように、シャフト本体部21aは、シャ
フト本体部21aの先端部に設けられた突出可能部収納
部と、この収納部と連通し、基端側に延びるルーメン1
3を備えている。突出可能部10は、ピン10bによ
り、シャフト本体部21aに回動可能に軸支された突出
可能部材10aを備えている。
【0020】突出可能部材10aとしては、軸方向の長
さが、1.5〜6.0mm程度のものが好適である。ま
た、軸方向の幅は、0.5〜5.0mm程度のものが好
ましい。また、突出可能部材の形成材料としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ンおよびオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチ
レンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポ
リエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラスト
マー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例え
ば、ポリアミドエラストマー)、ポリテトラフルオロエ
チレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の高分
子材料、及びステンレス鋼、Ni−Ti合金、Cu−Z
n合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン
合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等
の各種金属、あるいは、これらを適宜組み合わせたもの
が使用できる。
【0021】そして、突出可能部10は、本体部2に収
納されかつ軸支されるとともに本体部2の側面より回動
により突出する突出可能部材10aと、一端が突出可能
部材10aに固定され他端が表示部11に固定され、か
つ本体部2内に移動可能に収納されたワイヤ12とを備
えている。具体的には、図4、図5および図7に示すよ
うに、ワイヤ12の先端部は、突出可能部材10aの先
端部に固定されており、ワイヤ12の基端部は、表示部
11に固定されている。ワイヤ12は、シャフト本体部
21a内に形成されたルーメン13内を移動可能に通過
し、図7に示すように、ハブ26内に到達し、ハブ26
内に形成された通路26cを通過し表示部11に固定さ
れている。
【0022】また、表示部11は、ハブ26に設けられ
たスライド口26b内をスライド可能となっている。さ
らに、表示部11は、付勢部材14により先端側に付勢
されており、この付勢力は、ワイヤ12を介して、突出
可能部材10aに伝達され、突出可能部材は突出する方
向に付勢されている。つまり、突出可能部10は、外部
から力を加えない状態で突出状態を保ち、外部より力を
加えることにより非突出状態となるものとなっている。
言い換えれば、この実施例における位置確認用装置は、
突出可能部10を突出状態に保つための付勢手段を備え
ている。
【0023】ワイヤ12の形成材料としては、ステンレ
ス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピ
アノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメ
ッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni
−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タング
ステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバ
ルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材
や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の
高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせたもの
が挙げられる。
【0024】また、牽引ワイヤの側面に滑性を増加させ
る低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂として
は、フッ素系樹脂、ナイロン66、ポリエーテルエーテ
ルケトン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。この中
でも、フッ素系樹脂がより好ましい。フッ素系樹脂とし
ては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、パー
フロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。またシリコンや
各種親水性樹脂によるコーティングであってもよい。付
勢部材14としては弾性部材が好ましく、例えば、この
実施例で用いているコイルバネ、ゴムなどが好適であ
る。また、付勢部材は、表示部を押圧するものではな
く、ワイヤを先端側に押圧するものであってもよい。
【0025】そして、突出可能部10は、皮下かつ血管
または体腔内に到達するまでは、皮下組織に押圧され非
突出状態となり、血管または体腔内に位置する(到達す
る)場合に、皮下組織による押圧がなくなり本体部より
突出する。つまり、突出可能部材10aは、皮下かつ血
管または体腔内に到達するまでは、図5に示す実線の非
突出状態(収納状態)である。そして、血管または体腔
内に到達すると、皮下組織による押圧がなくなるため、
図5に示す破線の突出状態に移行する。
【0026】そして、非突出状態から突出状態に移行す
ることにより、ワイヤ12は、先端側に移動し、表示部
11も先端側に移動する。よって、表示部11を確認す
ることにより、突出可能部材10a部分が、血管または
体腔内に位置しているかどうかを容易に視認することが
できる。特に、この実施例の装置1では、付勢部材によ
り、表示部および突出可能部材10aは突出する方向に
付勢されているので、突出可能部材10a部分が、血管
または体腔内に位置する状態となったときに自動的に表
示部が移動するのでその確認が容易である。
【0027】さらに、この実施例の装置1では、突出可
能部を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を備え
ている。具体的には、図8に示すように、シャフトハブ
26のスライド口26bの側面に設けられた非突出状態
保持機能を構成する突起15a,15bを備えており、
この突起15a,15bにより表示部12は離脱可能に
係止されている。突起15a,15b間の距離は若干表
示部の幅より小さいものとなっており、表示部の側面を
把持し移動不能に保持する。なお、非突出状態保持機能
はこのような向かい合う突起に限定されるものではな
く、表示部を離脱可能に係止できるものであればどのよ
うなものでもよい。
【0028】例えば、1つの突起により形成してもよ
く、さらには、スライド口の幅を部分的に狭くすること
により構成してもよい。このような非突出状態保持機能
を備える場合には、図8に示すように、表示部を非突出
状態保持機能により非突出状態に保持した状態にて生体
にこの装置を挿入する。そして、血管または体腔内に到
達したと思われた時もしくは到達間近と思われる時期に
て非突出状態保持機能による保持を開示し表示部を作動
させる。このような、非突出状態保持機能を設けること
により、装置の生体内への挿入が容易となる。
【0029】また、突出可能部としては、上述した実施
例に限定されるものではない。例えば、図9に示すよう
なものであってもよい。この実施例の装置では、シャフ
ト本体部21aの先端部に設けられた突出可能部収納部
と、この収納部と連通し、基端側に延びるルーメン13
を備えている。突出可能部は、弾性材料により湾曲形状
に変形可能な突出可能部材80aを備えている。そし
て、突出可能部材80aの基端部はシャフト本体部21
aに固定されており、突出可能部材の先端部は、先端側
に移動可能に形成されている。
【0030】突出可能部材80aとしては、軸方向の長
さが、4.0〜20.0mm程度のものが好適である。
また、軸方向の幅は、0.5〜5.0mm程度のものが
好ましい。また、突出可能部材の形成材料としては、例
えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、Cu−Zn合
金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合
金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の
各種金属、あるいは、これらを適宜組み合わせたものが
使用できる。ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリ
オレフィンおよびオレフィン系エラストマー(例えば、
ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマ
ー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン
系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマ
ー(例えば、ポリアミドエラストマー)、ポリテトラフ
ルオロエチレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイ
ミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム
等の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせた
ものが使用できる。
【0031】具体的には、図9に示すように、ワイヤ1
2の先端部は、突出可能部材80aの先端部に固定され
ており、ワイヤ12の基端部は、表示部11に固定され
ている。ワイヤ12は、シャフト本体部21a内に形成
されたルーメン13内を移動可能に通過し、図7に示す
ものと同様に、ハブ26内に到達し、ハブ26内に形成
された通路26cを通過し表示部11に固定されてい
る。また、表示部11は、ハブ26に設けられたスライ
ド口26b内をスライド可能となっている。さらに、表
示部11は、付勢部材14により後端側に付勢されてお
り、この付勢力は、ワイヤ12を介して、突出可能部材
80aに伝達され、突出可能部材は突出方向に付勢され
ている。
【0032】つまり、突出可能部80は、外部から力を
加えない状態で、後方に牽引されるため、常時湾曲状
態、言い換えれば、突出状態を保ち、外部より力を加え
ることにより非突出状態となるものとなっている。ま
た、付勢部材としては弾性部材が好ましく、例えば、こ
の実施例で用いているコイルバネ、ゴムなどが好適であ
る。また、付勢部材は、表示部を押圧するものではな
く、ワイヤを先端側に押圧するものであってもよい。な
お、この実施例の場合には、突出可能部材とワイヤを一
体のものとしてもよい。そして、この実施例の装置で
は、シャフト本体部は、突出可能部材を露出させるため
の側口82a,82bと、側口82a,82b間に形成
された凹部となっている突出可能部材収納部83を備え
ている。
【0033】そして、突出可能部80は、皮下かつ血管
または体腔内に到達するまでは、皮下組織に押圧され、
湾曲が小さくなるように矯正されるため、突出可能部材
80の先端は先端側に移行し、表示部も先端側に位置す
るものとなる。そして、血管または体腔内に位置する
(到達する)場合に、皮下組織による押圧がなくなり、
湾曲状態に復元するため、突出可能部材の先端部は後端
側に移動し、これにより、表示部も後端側に移動する。
よって、表示部11を確認することにより、突出可能部
材80a部分が、血管または体腔内に位置しているかど
うかを容易に視認することができる。
【0034】特に、この実施例の装置では、付勢部材に
より、表示部および突出可能部材80aは突出する方向
に付勢されているので、突出可能部材80a部分が、血
管または体腔内に位置する状態となったときに自動的に
表示部が移動するのでその確認が容易である。さらに、
この実施例の装置においても、突出可能部を非突出状態
に保持する非突出状態保持機能を備えていることが好ま
しい。非突出状態保持機能としては、上述した実施例に
おいて説明したものを用いることができる。
【0035】また、突出可能部としては、上述した実施
例のように、血管もしくは体腔内において突出した状態
から、装置が皮下組織側に引かれた時、皮下組織による
押圧により自動的に非突出状態に移行するものであるこ
とが好ましい。上述した突出可能部10では、図5の破
線に示す状態より、装置が後方に引かれると、皮下組織
により突出可能部材10aに前方を倒す力が働き、ピン
10bを軸に突出可能部材10aは回動し、先端側に倒
れ、シャフト本体部に収納される。よって、装置を皮下
組織側に引く時に、突出部に起因する抵抗は少ない。同
様に、上述した突出可能部80では、図9に示す状態よ
り、装置が後方に引かれると、皮下組織により突出可能
部材80aを前方に押す力が働き、突出可能部材80a
は基端側がシャフトに固定され、先端側が固定されてい
ないため、突出可能部材80aの先端部は先端側に移動
するとともに、突出可能部材80aの湾曲部は先端側に
延びるようその湾曲を小さくするように変形し、シャフ
ト本体部に収納される。よって、装置を皮下組織側に引
く時に、突出部に起因する抵抗は少ない。
【0036】そして、この実施例の装置1は、生体内組
織補修装置であり、本体部に設けられた生体内組織膜に
形成された経皮的に貫通した穴を縫合もしくは閉塞する
ための補修機能を備えている。以下、補修機能について
説明する。この実施例の生体内組織補修装置1は、補修
機能として、穴より生体内組織内に挿入可能であり、か
つ回動可能な先端回動部3を備える所定長を有する本体
部2を備え、本体部2は、本体部2の先端回動部3より
も基端側となる部位の内部に収納された少なくとも1本
の針4と、針4に接合された糸5と、針4を本体部2の
突出可能部10よりも基端側の側面より突出させて先端
回動部3内に押し込むための押子6を備える。先端回動
部3は、生体内組織内に配置された状態にて、押子6に
より押し込まれた針4を受け入れる針受入部3aを備え
ている。
【0037】この実施例の生体内組織補修装置1は、2
本の針4a,4bと、2本の針を押し出すための2本の
押子6a、6bと、これらを収納する2本の収納部22
a,22bを備えている。なお、生体内組織補修装置と
しては、このように複数本の針を備えることが好まし
い。本体部2は、2本の針4a,4bと、各針4a,4
bに接合された糸5a,5bと、各針4a,4bを本体
部2の側面より突出させて先端回動部3内に押し込むた
めの2本の押子6a、6bを備えている。そして、回動
部3は、生体内組織内に配置された状態にて、押子6
a,6bにより押し込まれた2本の針4a,4bを受け
入れる針受入部3aを備えている。針受入部3aは受け
入れた針を保持できることが好ましい。
【0038】具体的には、本体部2は、図3および図4
に示すように、側面に形成された2本の軸方向に延びる
収納部22a,22bを有するシャフト21と、シャフ
ト21の基端に設けられた本体部ハブ(シャフトハブ)
26を備える。シャフト21は、収納部22a,22b
が形成されたシャフト本体部21aと、このシャフト本
体部21aの先端より先端側に延び、回動部3を軸支す
るためのシャフト先端部21bを備えている。収納部2
2a,22bとしては、図3および図4に示すような、
溝であることが好ましい。なお、収納部22a、22b
は、溝ではなく、シャフト21の先端側側面にて開口す
るルーメンであってもよい。シャフト21としては、長
さが30〜500mmであることが好ましい。また、外
径が1.0〜10.0mmであることが好ましい。ま
た、シャフトの形成材料としては、比較的硬質の樹脂や
金属などが使用できる。
【0039】シャフト21には、収納部22a,22b
内に収納された針4a,4bおよびこの針4a,4bを
押し出すための押子6a,6bを備えている。針4a,
4bには、糸5a,5bの先端が固定されており、糸5
a,5bは、収納部内を延び、シャフト21の基端部側
にて収納部より露出しシャフトの外周に巻き付けられて
いるか、一部がシャフトの内部に収納されている(図示
せず)。
【0040】収納部22a,22bは、シャフト21の
側面に形成され、押子および針を収納するために軸方向
に延びている。収納部22a,22bは、先端部に針4
a,4bおよび押子6a,6bを本体部2の側面より斜
め前方に突出させるための誘導部23a,23bを備え
ている。誘導部23a,23bは、収納部22a,22
bの先端内面をシャフト21の側面に向かう傾斜面とす
ることにより形成されている。誘導部23a,23bの
先端とシャフト本体部21aの先端間の距離は3.0〜
60.0mmであることが好ましい。そして、誘導部2
3a,23bは、突出可能部10よりも基端側に設けら
れている。
【0041】さらに、図4に示すように、第2の収納部
22bの誘導部23bは、第1の収納部22aの誘導部
23aより、針4bおよび押子6bを若干本体部2の基
端側に突出させるように若干基端側に位置している。つ
まり、第2の誘導部23bの先端は、第1の誘導部23
aの先端より、本体部2の基端側に位置しており、通常
斜め(例えば30°〜60°)に形成される経皮的に貫
通した穴を介して血管を縫合するのに適している。ま
た、収納部22a,22bの誘導部23a、23bは、
図2に示すように、収納部の他の部分の開口幅よりも広
く形成されている。
【0042】針4a,4bは、図4に示すように、先端
に生体内膜穿刺用の刃面41と、後端に押子6a,6b
の先端部を受け入れる凹部42を備える。針4a、4b
は、さらに、糸固定部43と針の変形を補助する変形補
助部44を備えている。この実施例では、変形補助部4
4は、他の部分に比べ細径とすることにより形成されて
いる。また、糸固定部43は、針4a,4bの後端側中
空部内に挿入された糸の先端部を収納した部位をかしめ
ることにより形成されている。
【0043】針4a,4bとしては、中実針、中空針の
いずれでもよい。針4a,4bの外径としては、0.1
〜1.0mm程度が好適である。また、針4a,4bの
長さとしては、5.0〜50.0mm程度が好適であ
る。また、針4a,4bの形成材料としては、金属や比
較的高剛性の高分子材料など、一般的なものが使用でき
る。また、針4a,4bの側面もしくは外面に滑性を増
加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂
としては、上述したものが使用できる。
【0044】糸5a,5bは、上述したように先端が針
4a,4bに固定されており、図4に示すように、押子
6a,6bの側面に沿って収納部22a、22b内を後
方に延び、図6に示すようにシャフト21の後端部分に
おいて収納部より外方に出てシャフト21の外周に巻き
付けられている。また、糸は、一部がシャフト内部に収
納してもよい。糸としては、公知の縫合糸を用いること
ができる。縫合糸としては、生体吸収性のものでも生体
非吸収性のものどちらを用いてもよい。糸としては、太
さ0.01〜1.0mmのものが好適であり、糸の長さ
としては、100〜1500mmのものが好適である。
【0045】本体部2は、図1、図6、図7および図8
に示すように、その基端に設けられた本体部ハブ26を
備え、ハブ26は、押子6a,6bの基端部を収納する
通路を備えている。ハブ26は、操作用のフランジ部2
6aを備えている。押子6a,6bは、図4および図6
に示すように、シャフト21の収納部内を後端側に延
び、シャフト21の後端より突出し、ハブ26の通路内
を延びており、さらに、押子6a,6bの後端は、1つ
の押子操作部61に固定されている。押子操作部61
は、本体部ハブ26の通路内を移動可能なものとなって
いる。このため、押子操作部61を前方に押すことによ
り、押子は先端側に移動し、針を本体部より押し出すこ
とが可能となっている。
【0046】なお、押子操作部は、上記のように1つの
ものではなく、押子6a,6bの個々に設けてもよい。
また、押子は、付勢部材により針の非突出方向に付勢さ
れていることが好ましい。具体的には、図6および図7
に示すように、本体部ハブ26の通路内に収納された弾
性部材27により、押子操作部61は、後方に付勢され
ている。弾性部材27としては、図示するようなコイル
バネ部材が好ましい。弾性部材は、押子操作部61のフ
ランジ部61aと本体部ハブ26間に設けられていても
よい。
【0047】また、押子6a,6bの先端は、図4に示
すように、針4a,4bを先端側に押圧するための先端
部を備えている。具体的には、押子6a,6bの先端部
は、テーパー部となっており、針4a,4bの後端部内
に侵入可能となっている。しかし、押子は針を押圧する
のみであり、両者は係合するものではない。このため、
押子を後方に移動させれば、押子は針より離脱する。押
子6a、6bとしては、太さ0.1〜2.0mmのもの
が好適であり、長さとしては、30〜600mmのもの
が好適である。また、押子6a,6bとしては、中実の
もの中空のものいずれでもよい。また、押子6a,6b
の側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよ
い。低摩擦性樹脂としては、上述したものが使用でき
る。
【0048】針収納部3aを備える先端回動部3は、図
2および図3に示すように、シャフト21のシャフト先
端部21bに回動可能に軸支されている。そして、生体
内組織補修装置1は、回動部3を本体部2のほぼ中心軸
上にある状態(図2および図3に示す状態)から90度
以下の所定角度内での回動を許容する回動角度規制機能
を備えている。回動角度規制機能は、60度以下の所定
角度内での回動を許容することが好ましい。このような
回動角度規制機能を備えることにより、針4a、4bの
受入が確実に行われる。この実施例では、先端回動部3
は、図2および図3に示すように、上方の全てあるいは
一部分、および前方が開口した所定長を有する篭状のも
のである。
【0049】回動部3は、平坦に形成された側面を有
し、後端側がシャフト先端部21b,21b間に配置さ
れている。回動部3は、シャフト先端部21bに固定さ
れた軸28により軸支されている。回動部3は、側面に
設けられ、シャフト先端部21bに形成されたルーズ孔
24a内を移動可能なピン24を備えている。ルーズ孔
24aは、軸28を中心とする所定長を有する円弧状の
孔である。このため、回動部3は、軸28に対するルー
ズ孔24aの形成角度内での回動が可能となっている。
また、回動部の後端部の内部底面は、針を誘導するため
の傾斜面となっている。回動部3の内部は、軸方向に延
びる空洞状になっており、針を収納するための収納部3
aを形成している。なお、ルーズ孔24aは回動部側に
設けられていてもよく、その場合ピン24はシャフト先
端部21bに備えられる。
【0050】先端回動部3は、幅が0.5〜9.0mm
のものが好適であり、高さが0.8〜10.0mmのも
のが好適であり、長さが、2.0〜60.0mmのもの
が好適である。そして、この実施例の生体内組織補修装
置1では、回動部3の先端にチューブ7が設けられてい
る。チューブ7は、先端開口7aと側面開口7bを備え
る。このチューブ7は、ガイドワイヤを挿通させるため
のものである。チューブ7としては、長さが10〜60
0mmであることが好ましい。また、チューブ7の外径
としては、1.0〜10.0mmであることが好まし
い。
【0051】次に、本発明の生体内組織補修装置1の作
用を図10ないし図15を用いて説明する。最初に、図
1および図8に示すように、表示部11を突起15a,
15bと係合させて、突出可能部10を非突出状態に保
持する。次に、生体内に挿入されている治療もしくは診
断で使用し、先端が生体内組織膜に形成された穴を介し
て生体内組織内に到達しているイントロデューサシース
(図示せず)にガイドワイヤ(図示せず)を挿入し、イ
ントロデューサシースを抜去する。
【0052】そして、生体内組織補修装置1の先端にあ
るチューブ7の先端開口7aよりチューブ7内にガイド
ワイヤを通し、さらにガイドワイヤを側口7bより延出
させる。生体内にチューブ7を側口7bまで挿入した
後、ガイドワイヤを引き抜き、図7に示すように、生体
内組織補修装置1をパンクチャーサイト(穴を有する生
体内組織)に挿入する。この状態が、図10に示す状態
である。そして、少なくとも突出可能部材10a部分が
生体内に挿入された後、表示部11を前方に押し、突起
15a,15bと係合を解除する。
【0053】そして、装置の挿入を進行させることによ
り、突出可能部材10aが血管内に到達すると、突出可
能部材10aは突出し、表示部11は先端側に移動す
る。これにより、突出可能部材10a部分が血管内に到
達したことを外部より確認できる。この状態が、図11
に示す状態である。破線8は生体内組織膜である血管壁
を示している。この状態では、回動部3および本体部2
のシャフト先端部21bおよびシャフト本体部21aの
先端が、血管内に位置する。そして、回動部3は、図1
1に示すように回動し、回動部3の中心軸に対して、本
体部2のシャフト21は所定角度斜めになっている。そ
して、本体部2と回動部3がルーズ孔24aにより規制
される最大角度を保つように、本体部側を起こす。
【0054】次に、図12に示すように、表示部11が
基端側(後方)に移動するまで、つまり突出可能部材1
0aが非突出状態になるまで、装置全体を引き抜く。次
に、押子操作部61を先端側(矢印方向)に押し、針4
a、4bを本体部2のシャフト本体部21aの先端側側
面より斜めに突出させて、血管壁8を貫通させる。これ
により、針4a,4bに連結されていた糸5a,5bも
血管壁8を貫通する。そして、押子操作部61をさらに
押し込むと、図13に示すように、押子6a,6bも血
管壁8を貫通し、針4a,4bは、回動部3の収納部3
a内に到達する。押子操作部61をさらに押し込む(具
体的には、最大限押し込み可能なところまで)と、針4
a,4bは、回動部3の収納部3a内に収納される。
【0055】そして、押子操作部61の押し込みを終了
すると、図14に示すように、押子操作部61は、付勢
部材27により後方に付勢されているため、非押し込み
状態位置まで復帰し、押子6a,6bは本体部内に収納
される。この生体内組織補修装置では、血管壁8の若干
外側に位置する針4a,4bを、血管壁8の若干内側に
位置する回動部3の収納部3a内に収納されるように押
子6a,6bを先端側に押し込むというストロークの短
い操作により、針4a、4bによる血管壁の穿刺および
その穿刺部への糸の挿通という作業が行えるので、縫合
作業が全体として容易なものとなる。
【0056】そして、図15に示すように、生体内組織
補修装置1を約180度回転させて、補修装置1の全体
が直線状態となるようにし、この状態としたまま装置1
をパンクチャーサイトから引き抜き、回動部3が皮膚の
上に現れ、2本の糸5a,5bが目視で確認されたとこ
ろで止める。続いて、回動部3の収納部3a内に収納さ
れている2本の糸5a,5bをカットし、1本目の糸へ
2本目の糸を結び、結び目を作る。そして、2本の糸を
引っ張りつつ、補修装置1を完全に生体より抜去する。
【0057】さらに、2本の糸を十分引っ張った後、1
本目の糸に沿わして、2本目の糸で作った結び目を押込
用器具(図示せず)で血管穿刺孔まで進める。押込用器
具を取り去り、2本の糸を皮膚のできるだけ近いところ
で切断し、縫合を終了する。埋込用器具は、硬質のプラ
スチックにより形成され、先端開口と側面開口を備え、
糸が通過可能なように先端開口と側面開口は連通してい
る。埋込用器具の先端部の外径は、1.0〜5.0mm
のものが好ましく、先端部の長さは、10.0〜10
0.0mmのものが好ましい。
【0058】さらに、本発明の生体内組織補修装置にお
ける補修機能は下記に示すようなものであってもよい。
図16は、本発明の他の実施例の生体内組織補修装置の
一実施例の外観図である。図17は、図16に示した生
体内組織補修装置の先端部分の部分破断拡大平面図であ
る。図18は、図17のA−A線断面図である。図19
は縫合用部材の構造図である。図20は、図16に示し
た生体内組織補修装置の本体部の中空針部材の先端部付
近の拡大断面図である。図21は、図16に示した生体
内組織補修装置の基端部分の拡大断面図である。図22
は、図21と90度異なる角度にて切断した生体内組織
補修装置の基端部分の拡大断面図である。
【0059】この実施例の生体内組織補修装置50にお
ける補修機能として、本体部62の生体内組織内に挿入
可能部位に回動可能に設けられた先端回動部73と、本
体部62の先端回動部73よりも基端側となる部位の内
部に収納された2本の中空針部材74,75と中空針部
材を本体部62の突出可能部10よりも基端側の側面よ
り先端回動部側に突出させるための針部材押出用操作部
76および本体部62の後端部側に設けられた各中空針
部材内と連通する2つの開口77,78とを備え、先端
回動部73は、本体部62より押し出された針部材7
4,75の先端部を受け入れる2つの針部材受入部9
1,92と、2つの針部材受入部を連通する連結通路9
3を備える。そして、補修装置は、それぞれの針部材受
入部91,92がそれぞれの中空針部材74,75を受
け入れた状態において、一方の開口77から一方の中空
針部材74内、連結通路93および他方の中空針部材7
5内を通り他方の開口78に達する縫合糸用通路が形成
されるものである。
【0060】なお、この生体内組織補修装置50も、図
18および図20に示すように、上述した生体内組織補
修装置1と同様に、血管または体腔内に位置する場合に
本体部より突出する突出状態となり、皮下かつ血管また
は体腔内に到達するまでは非突出状態となる突出可能部
と、位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、突出
可能部の突出状態および非突出状態を識別するための表
示部を備えている。具体的には、突出可能部10、表示
部11およびその他突出可能部のための部材を備えてい
る。その内容については、上述した装置1と同じであ
り、上述の記載を参照するものとし説明を省略する。な
お、突出可能部の構成としては、上述し、図9に示すよ
うな突出可能部80であってもよい。さらに、この実施
例の装置においても上述した装置1と同様に突出可能部
を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を備えてい
ることが好ましい。
【0061】そして、この生体内組織補修装置は、使用
時に上記の縫合糸用通路に挿入される縫合用部材を備え
る。縫合用部材は、縫合糸用通路内に挿入可能である誘
導部66と、誘導部66より外径が小さい縫合糸部67
とからなる。本体部62は、図16、図20に示すよう
に、側面に形成された2本の軸方向に延びる収納部7
1,72を有するシャフト21と、シャフト21の基端
に設けられた本体部ハブ(シャフトハブ)26を備え
る。
【0062】シャフト21は、図20に示すように、収
納部71,72が形成されたシャフト本体部21aと、
このシャフト本体部21aの先端より先端側に延び、回
動部73を軸支するためのシャフト先端部21bを備え
ている。収納部71,72としては、図20に示すよう
に、先端部に側面開口71a,72aを備えるルーメン
であることが好ましい。なお、収納部71,72は、ル
ーメンではなく、側面全体が開口した溝であってもよ
い。さらに、シャフト21は、図22に示すように、内
部に形成された軸方向に延びる牽引ワイヤ用ルーメン2
9を備えている。
【0063】中空針部材74,75は、図20に示すよ
うに、先端に形成された生体内膜穿刺用の刃面74a,
75aと、内部通路74b,75bを備えている。中空
針部材74,75の外径としては、0.1〜1.0mm
程度が好適である。中空針部材74,75の内径として
は、0.05〜0.95mm程度が好適である。また、
中空針部材の長さとしては、30〜800mm程度が好
適である。また、中空針部材74,75の形成材料とし
ては、針部材57a,57bの形成材料において説明し
たものが使用できる。また、中空針部材74,75の側
面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよい。
なお、中空針部材としては、上述のように、後端まで中
空状となっているものに限定されるものではない。例え
ば、本体部62の後端部側に設けられた各中空針部材7
4,75内と連通する2つの開口77,78までが中空
状となっているものであってもよい。
【0064】収納部71,72は、シャフト21の内部
であり中心軸と平行にかつ側面側に寄った位置に形成さ
れ、中空針部材を収納するために軸方向に延びている。
収納部71,72は、先端部に中空針部材74,75を
本体部62の側面より斜め前方に突出させるための誘導
部72b、73bを備えている。誘導部72b,73b
は、収納部71,72の先端内面をシャフト21の側面
に向かう傾斜面とすることにより形成されている。誘導
部71b,72bの先端とシャフト本体部21aの先端
間の距離は3.0〜60.0mmであることが好まし
い。誘導部71b,72bは、突出可能部10よりも本
体部62の基端側に位置している。
【0065】さらに、図20に示すように、第2の収納
部71の誘導部71bは、第1の収納部72の誘導部7
2bより、中空針部材75を中空針部材74より若干本
体部の基端側に突出させるように若干基端側に位置して
おり、通常斜め(例えば30°〜60°)に形成される
経皮的に貫通した穴を介して血管を縫合するのに適して
いる。本体部62は、図16、図21および図22に示
すように、その基端に設けられた本体部ハブ26を備
え、ハブ26は、中空針部材74,75の基端部を収納
する通路を備えている。ハブ26は、操作用のフランジ
部26aを備えている。
【0066】中空針部材74,75は、図20および図
21に示すように、シャフト21の収納部内を後端側に
延び、シャフト21の後端より突出し、ハブ26の通路
内を延びており、さらに、中空針部材74,75の後端
は、1つの針部材押出用操作部76に固定されている。
針部材押出用操作部76は、本体部ハブ26の通路内を
移動可能なものとなっている。このため、針部材押出用
操作部76を前方に押すことにより、中空針部材74,
75は先端側に移動し、中空針部材74,75の先端部
を本体部62より押し出すことが可能となっている。な
お、針部材押出用操作部は、上記のように1つのもので
はなく、中空針部材74,75の個々に設けてもよい。
【0067】また、中空針部材74,75は、付勢部材
により針部材の非突出方向に付勢されていることが好ま
しい。具体的には、本体部ハブ26の通路内に収納され
た弾性部材27により、針部材押出用操作部76は、後
方に付勢されている。弾性部材27としては、図示する
ようなコイルバネ部材が好ましい。弾性部材は、針部材
押出用操作部76のフランジ部76aと本体部ハブ26
間に設けられていてもよい。ハブ26は、操作用のフラ
ンジ部26aを備えている。また、ハブ26には、上述
した装置1と同様に、図22に示すように、突出可能部
のための表示部11さらに表示部を前方に押圧する弾性
部材14を備えている。また、表示部11は、先端が突
出可能部材10aに固定されたワイヤ12と固定されて
いる。さらに、この実施例の装置においても上述した装
置1と同様に突出可能部を非突出状態に保持する非突出
状態保持機能を備えていることが好ましい。
【0068】生体内組織補修装置50は、本体部62の
後端部側に設けられた各中空針部材74,75内と連通
する2つの開口77,78を備えている。この実施例の
補修装置50では、各中空針部材74,75が針部材押
出用操作部76内部において終端し、針部材押出用操作
部76の通路の後端開口が2つの開口77,78を形成
するものとなっている。さらに、開口77,78は、後
端側に向かって拡径するテーパー状の開口となってい
る。
【0069】なお、このようなものに限定されるもので
はなく、各中空針部材74,75は、針部材押出用操作
部76の後端に到達しており、各中空針部材74,75
の後端開口が2つの開口を形成するものであってもよ
い。さらに、中空針部材74,75の側面に側口を形成
し、シャフト21の後端部側面であって、針部材押出用
操作部76を操作した状態において上記中空針部材の側
口と対応する位置に側口を形成し、これにより、各中空
針部材内と連通する2つの開口を形成してもよい。
【0070】中空針部材74,75の先端部を受け入れ
る2つの針部材受入部91,92と、2つの針部材受入
部91,92を連通する連結通路93を備える回動部7
3は、図17,図18に示すように、シャフト21のシ
ャフト先端部21bに回動可能に軸支されている。この
実施例の生体内組織補修装置50では、本体部62は、
回動部73を軸支するための軸支用ピン24を備え、回
動部73は、軸支用ピン24を受け入れるとともに軸支
用ピン24のスライドを可能とする軸方向に延びる長口
に形成された側面開口(言い換えれば、スライド用スリ
ット)94を備えている。
【0071】さらに、生体内組織補修装置50は、本体
部62内を延び一端が回動部73に固定された回動部牽
引用ワイヤ95を備えている。回動部牽引用ワイヤ95
の他端部には、図22に示すように、ワイヤ操作部36
が設けられている。牽引用ワイヤ95は、シャフト本体
部21a内に形成されたルーメン29を貫通し、一端が
回動部73の中央付近の上面から内方に向かう凹部内に
侵入し固定されている。牽引用ワイヤ95の他端部は、
図22に示すように、シャフト本体部21aの後端部の
側面より突出し、本体部ハブ26内に設けられた通路2
8内を通り、ワイヤ操作部36に固定されている。ワイ
ヤ操作部36は、本体部ハブ26の側面に長口に形成さ
れたスライド用側口内をスライド可能なものとなってい
る。そして、この牽引用ワイヤ95を後端側に引くこ
と、言い換えれば、ワイヤ操作部36を基端側に移動さ
せることにより、回動部73は後方に移動する。
【0072】回動部73は、図17および図17のA−
A線断面図、言い換えれば、回動部73を軸方向に平行
に牽引ワイヤ取付部の中心にて切断した状態の断面図で
ある図18に示すように、上端にて開口した針部材受入
部91,92を備えている。針部材受入部91,92の
上端開口部は、中空針部材74,75の先端を誘導する
誘導部を形成している。そして、針部材受入部91と針
部材受入部92は連結通路93により連通している。連
結通路93は、図18に示すように、針部材受入部91
と一端が連通し、屈曲して回動部73の基端方向に向か
い、さらに屈曲して他端が針部材受入部92と連通して
いる。
【0073】回動部73は、針部材受入部91,92お
よび連結通路93と連通する糸抜用スリット98を、連
絡通路93を取り囲むように備えている(図18に示す
ハッチングのないエリア98)。すなわち、回動部73
は、中央部分(図18に示すハッチングのエリア)での
み接続して、左右に分割された形態となっている。ここ
で、糸抜用スリット98は連結通路93よりも幅細に形
成されており、縫合糸部67は通過可能であるが、誘導
部66は抜けることができない。
【0074】回動部73は、幅が0.5〜9.0mmの
ものが好適であり、高さが0.8〜10.0mmのもの
が好適であり、長さが、2.0〜60.0mmのものが
好適である。針部材受入部91,92の図17に示され
る断面積は、中空針部材74,75の先端部の断面積よ
り、十分大きいものである。また、糸抜用スリット98
の幅は、使用する縫合糸と等しいか、縫合糸より、大き
いものが好適である。また、糸抜用スリット98の幅
は、使用する縫合用部材の誘導部の外径より小さいもの
が好適である。また、筒状シース110は、カテーテル
手術に利用したイントロデューサシースを流用すること
ができる。
【0075】また、本発明の補修装置50に使用される
縫合用部材は、先端側の誘導部66と後端側の縫合糸部
67とからなる。誘導部66の外径としては、0.1〜
1.0mm程度が好適である。また、誘導部66の長さ
としては、補修装置50内に形成される縫合糸用通路の
全長よりも長いことが好ましい。具体的には、誘導部6
6の長さとしては、補修装置50内に形成される縫合糸
用通路の長さよりも20〜100mm程度長いことが好
ましい。また、誘導部66の長さとしては、60〜16
00mm程度が好適である。
【0076】また、誘導部66は、縫合糸部67より外
径が太く、それにより糸抜用スリット98から縫合糸部
67のみが抜けることを可能としている。このような縫
合用部材の構成としては、誘導部66と縫合糸部67と
をテーパー状に移行させた同一の糸材料で構成するもの
や、誘導部66の部分のみ弾性材料で被覆した2層構造
となったもの、誘導部66と縫合糸部67を外径の違う
別部材を用い、接合により形成したものなどが適用でき
る。縫合糸部67に用いられる糸材料としては、公知の
縫合糸材料を用いることができる。
【0077】次に、本発明の生体内組織補修装置50の
作用を図23、図24および図25を用いて説明する。
最初に、上述した実施例の生体内組織補修装置1と同様
に、表示部11を突起15a,15bと係合させて、突
出可能部10を非突出状態に保持する。次に、生体内に
挿入されている治療もしくは診断で使用し、先端が生体
内組織膜に形成された穴を介して生体内組織内に到達し
ているイントロデューサシース110に生体内組織補修
装置50を挿入し、少なくとも突出可能部材10a部分
がシース110内に挿入された後、表示部11を前方に
押し、突起15a,15bと係合を解除する。
【0078】さらに、イントロデューサシース110の
中へ体内組織補修装置50を挿入していくと、血管内に
補修装置50が挿入される。次にシース110を装置5
0の後端側に移動させる。これにより、突出可能部材1
0aは血管内に露出するとともにシースによる押圧が解
除されるため、血管内に突出し、表示部11は前方に移
動し、突出可能部材部分が血管内に位置していることを
確認できる。
【0079】この状態で体内組織補修装置50をゆっく
りと手元側に引き戻すと、突出可能部材10aの位置が
血管の外の皮下組織内に入り込むと、突出可能部材10
aは本体部62内に引込み、表示部11によりその事実
を確認できる。確認後、体内組織補修装置50をわずか
に先端側に押し込むことにより、位置決めが完了する。
この時、血管内に、回動部73および本体部62のシャ
フト先端部21bおよびシャフト本体部21aの先端が
血管内に位置するものとなっている。そして、回動部7
3は、回動部73の中心軸に対して、本体部62のシャ
フト21に対しては所定角度斜めになる。その後、牽引
用ワイヤ操作部を後方に引き、回動部73を移動させ
る。この状態が図23に示す状態である。
【0080】続いて、針部材押出用操作部76を先端側
に押し、中空針部材74,75を本体部62のシャフト
本体部21aの先端側側面より斜めに突出させて、血管
壁を貫通させる。これにより、図24に示すように、中
空針部材74,75の先端部は、回動部73の針部材受
入部91,92内に到達する。そして、補修装置50内
には、一方の開口77から一方の中空針部材74内、回
動部73の一方の針部材受入部91、連結通路93、他
方の針部材受入部92、他方の中空針部材75内を通り
他方の開口78に達する縫合糸用通路が形成される。
【0081】そして、一方の開口77より、縫合用部材
を誘導部66側から挿入する。補修装置50内に挿入さ
れた誘導部66は、図24に示すように、中空針部材7
4、回動部73の針部材受入部91、連結通路93、針
部材受入部92、中空針部材75内に侵入する。さら
に、縫合用部材の挿入を進行させると、誘導部66の先
端部が他方の開口78より突出する。そして、突出して
きた誘導部66先端部を引っ張ることにより、図24に
示すように、縫合糸部67が、回動部73内に到達し、
最終的には、縫合糸部67が、回動部73を貫通し、他
方の中空針75の内部に侵入した状態となる。好ましく
は、縫合用部材の進行は、誘導部66が、補修装置50
より排出され、縫合糸部67のみが、補修装置50内に
形成された縫合糸用通路内に位置するものとすることが
好ましい。
【0082】そして、針部材押出用操作部76の先端側
への押圧を停止することにより操作部76は後端側に移
動し、中空針部材74,75は、本体部62内に収納さ
れる。そして、ワイヤ操作部36を先端側に押し、回動
部73のワイヤ95による牽引を終了し、回動部73を
初期位置に復帰させる。次いで、補修装置50をパンク
チャーサイトからシース110とともに縫合糸部67の
両端部を引っ張った状態にて引き抜く。この時縫合糸部
67は回動部73の糸抜用スリット98より離脱し、回
動部73より分離され、補修装置50より露出する。続
いて、縫合糸67を結び、上述した押込用器具で血管穿
刺孔まで進める。押込用器具を取り去り、糸を結び目に
できる限り近いところで切断し、縫合を終了する。
【0083】なお、上述した生体内組織補修装置50の
ようなタイプの補修装置においても、回動部は、上述し
た生体内組織補修装置1のように、回動するもののスラ
イドしないものであってもよい。そして、この場合に
は、上述した生体内組織補修装置1において述べたよう
に、回動部は、本体部の中心軸のほぼ延長線上にある状
態から90度以下の所定角度内での回動を許容する回動
角度規制機能を備えている。回動角度規制機能は、60
度以下の所定角度内での回動を許容することが好まし
い。
【0084】上述した実施例の生体内組織補修装置50
のような装置の先端部が、先端回動部により構成される
タイプの装置において、生体内組織補修装置は、導入用
ワイヤ挿通用ルーメンを備えていてもよい。導入用ワイ
ヤ挿通用ルーメンは、先端回動部の内部に形成され、一
端が先端回動部の先端にて開口し、他端が先端回動部の
中央部付近の側面にて開口する。さらに、このようなル
ーメンを設ける場合には、操作部にも挿入用ワイヤ貫通
用ルーメンを設けることが好ましい。
【0085】さらに、上述した実施例の生体内組織補修
装置50のような装置の先端部が、先端回動部により構
成されるタイプの装置において、生体内組織補修装置
は、導入用ワイヤを備えていてもよい。導入用ワイヤ
は、先端回動部の内部に形成されたルーメン内を延び、
先端部が先端回動部より突出している。また、導入用ワ
イヤは、先端回動部に固定されることなく、本体部にそ
の基端側が固定されている。ワイヤは、先端回動部とは
固定されておらず、先端回動部の回動やスライドを阻害
しない。
【0086】また、上述した生体内組織補修装置50の
ような装置の先端部が、先端回動部により構成されるタ
イプの装置において、先端回動部の先端側に連結ワイヤ
により本体部と接続されたチューブを設けてもよい。連
結ワイヤは、先端回動部の内部に形成されたルーメン内
を延び、先端部が先端回動部より突出したものとする。
連結ワイヤは、先端回動部に固定されることなく、本体
部にその基端側が固定される。ワイヤは、先端回動部と
は固定されておらず、先端回動部の回動やスライドを阻
害しない。チューブは、その基端内部に先端回動部の先
端部を移動可能に収納している。
【0087】先端回動部は、チューブに固定されていな
い。連結ワイヤの先端部は、チューブ内に侵入し、固定
されている。この実施例の生体内組織補修装置において
もチューブは、上述した補修装置1に記載のチューブ7
と同様に、ガイドワイヤルーメンとしての機能を果たす
ものである。この補修装置は、ガイドワイヤを介した補
修装置の挿入が可能であると同時に、先端回動部とチュ
ーブが接合されていないため、回動部牽引用ワイヤを引
くと、回動部のみが後端方向に移動し、チューブは移動
しない。このため、回動部のスライドがよりスムーズに
行えるものである。
【0088】また、逆に生体内組織補修装置1のよう
な、糸の両端を血管内に落とし込むタイプの補修装置に
おいて、補修装置50のように、先端回動部をワイヤを
引くことにより移動するタイプとしたり、針を中空針と
して先端回動部内に短い誘導部のついた糸の両端を落と
し込むタイプとすることも可能である。
【0089】さらに、本発明の生体内組織補修装置にお
ける補修機能は下記に示すようなものであってもよい。
図26は、本発明の生体内組織補修装置の一実施例の外
観図である。図27は、図26に示した生体内組織補修
装置の先端部分の拡大断面図である。図28は、図26
に示した生体内組織補修装置の針部材付近の本体部の拡
大断面図である。図29は、図26に示した生体内組織
補修装置のアーム部付近の拡大平面である。図30は、
図26に示した生体内組織補修装置の本体部の基端部分
の拡大断面図である。図31は、図30と90度異なる
角度にて切断した生体内組織補修装置の基端部分の拡大
断面図である。
【0090】この実施例の生体内組織補修装置100
は、補修装置機能として、穴より生体内組織内に挿入可
能な所定長を有する本体部102と、本体部102の生
体内組織内に挿入される部位に収納され、第一の形態と
部分的に本体部より突出する第二の形態とを取ることが
できるアーム部103とを備え、本体部102は、アー
ム部よりも基端側内部に収納された少なくとも1つの針
部材104と、針部材104に設けられた糸105と、
針部材104を本体部102の突出可能部10よりも基
端側の側面よりアーム部103に到達するように突出さ
せる針部材用押子106を備える。アーム部103は、
第二の形態において、針部材用押子106により押し出
されアーム部103に到達した針部材104を保持する
針部材保持部103aを備えている。
【0091】なお、この生体内組織補修装置100も、
図27および図28に示すように、上述した生体内組織
補修装置1と同様に、血管または体腔内に位置する場合
に本体部より突出する突出状態となり、皮下かつ血管ま
たは体腔内に到達するまでは非突出状態となる突出可能
部と、位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、突
出可能部の突出状態および非突出状態を識別するための
表示部を備えている。具体的には、突出可能部10、表
示部11およびその他突出可能部のための部材を備えて
いる。その内容については、上述した装置1と同じであ
り、上述の記載を参照するものとし説明を省略する。な
お、突出可能部の構成としては、上述し、図9に示すよ
うな突出可能部80であってもよい。さらに、この実施
例の装置においても上述した装置1と同様に突出可能部
を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を備えてい
ることが好ましい。
【0092】この実施例の生体内組織補修装置100
は、図26に示すように、アーム部103を収納した本
体部102と、本体部102の後端部に設けられた操作
部9と、アーム部3の先端に設けられたチューブ7を備
えている。この実施例の生体内組織補修装置100は、
本体部102に2つの針部材104a,104bと、各
針部材104a,104bに設けられた糸105a,1
05bと、各針部材104a,104bを本体部102
の先端側の側面より突出させてアーム部103内に押し
込むための2本の針部材用押子106a、106bを備
えている。なお、生体内組織補修装置としては、このよ
うに複数本の針を備えることが好ましい。
【0093】本体部102は、2つの針部材104a,
104bと、各針部材104a,104bに設けられた
糸105a,105bと、各針部材104a,104b
を本体部102の側面より突出させてアーム部103内
に押し込むための2本の針部材用押子106a、106
bを備えている。
【0094】具体的には、本体部102は、図28およ
び図30に示すように、側面に形成された2本の軸方向
に延びる収納部122a,122bを有するシャフト2
1と、シャフト21の基端に設けられた本体部ハブ(シ
ャフトハブ)26を備える。収納部122a,122b
としては、図28に示すような、ルーメンであることが
好ましい。なお、収納部122a、122bは、ルーメ
ンではなく、溝であってもよい。さらに、シャフト21
は、軸方向に延びる他のルーメンを備えている。
【0095】シャフト21としては、長さが30〜50
0mmであることが好ましい。また、外径が1.0〜
8.0mmであることが好ましい。また、シャフト21
の先端側は、シャフト21の基端側の中心軸に対して所
定角度斜めとなるように設けられている。この角度とし
ては、5〜60度程度が好適である。
【0096】本体部102のシャフト21の生体内に挿
入される部位の基端側内部に、アーム部103を収納す
るアーム収納部が形成されており、図27に示すよう
に、収納部にアーム部が収納されている。これがアーム
部103の第一の形態である。また、シャフトの形成材
料としては、上述したシャフト21において説明したも
のが使用できる。
【0097】収納部122a,122bは、図28に示
すように、シャフト21の側面側に形成され、押子10
6a,106bおよび針部材104a,104bを収納
するために軸方向に延びている。収納部122a,12
2bは、先端部に針部材104a,104bおよび押子
106a,106bを本体部102の側面より斜め前方
に突出させるための誘導部123a,123bを備えて
いる。誘導部123a,123bは、収納部122a,
122bの先端内面をシャフト21の側面に向かう傾斜
面とすることにより形成されている。誘導部123a,
123bの先端と本体部102の屈曲部間の距離は3.
0〜60.0mmであることが好ましい。誘導部123
a,123bは、突出可能部10よりも本体部102の
基端側に位置している。
【0098】さらに、図27および図28に示すよう
に、第2の収納部122bの誘導部123bは、第1の
収納部122aの誘導部123aより、針部材104b
および押子106bを若干本体部102の基端側に突出
させるように若干基端側に位置している。つまり、第2
の誘導部123bの先端は、第1の誘導部123aの先
端より、本体部102の基端側に位置している。このよ
うな構成は、通常斜め(例えば30°〜60°)に形成
される経皮的に貫通した穴を介して血管を縫合するのに
適している。
【0099】針部材104a,104bは、図28に示
すように、先端に生体内膜穿刺用の穿刺部141と、後
端に押子106a,106bの先端部を受け入れる凹部
142を備える。針部材104a、104bは、糸10
5a,105bを貫通するための貫通孔を備えている。
なお、このような貫通孔を設けることなく、糸を針部材
の外面に固定してもよい。この実施例では、針部材は、
後述するアーム部103の針部材保持部に把持された後
の離脱を防止するために上述の穿刺部141の後端に形
成された小径の段差部144を備えている。
【0100】針部材104a,104bとしては、中実
針、中空針のいずれでもよい。針部材104a,104
bの外径としては、0.1〜1.0mm程度が好適であ
る。また、針部材104a,104bの長さとしては、
1.0〜5.0mm程度が好適である。また、針部材1
04a,104bの形成材料としては、上述した針部材
において説明したものが使用できる。また、針部材10
4a,104bの側面もしくは外面に滑性を増加させる
低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂として
は、上述したものが使用できる。
【0101】糸105a,105bは、上述したように
先端が針部材104a,104bの貫通孔を貫通してお
り、押子106a,106bの側面に沿って収納部12
2a、122b内を後方に延び、シャフト21の後端部
分において収納部より外方に出てシャフト21の外周に
巻き付けられているか、一部がシャフトの内部に収納さ
れている(図示せず)。糸105a,105bとして
は、公知の縫合糸を用いることができる。縫合糸として
は、生体吸収性のものでも生体非吸収性のものどちらを
用いてもよい。糸としては、太さ0.01〜1.0mm
のものが好適であり、糸の長さとしては、100〜15
00mmのものが好適である。
【0102】本体部102は、図30に示すように、そ
の基端に設けられた本体部ハブ26を備え、ハブ26
は、押子106a,106bの基端部を収納する通路を
備えている。ハブ26は、操作用のフランジ部26aを
備えている。押子106a,106bは、図30および
図31に示すように、シャフト21の収納部内を後端側
に延び、シャフト21の後端より突出し、ハブ26の通
路内を延びており、さらに、押子106a,106bの
後端は、1つの押子操作部61に固定されている。押子
操作部61は、本体部ハブ26の通路内を移動可能なも
のとなっている。このため、押子操作部61を前方に押
すことにより、押子106a,106bは先端側に移動
し、針部材を本体部102より押し出すことが可能とな
っている。
【0103】なお、押子操作部61は、上記のように一
体化された1つのものではなく、押子106a,106
bの個々に設けてもよい。また、押子106a,106
bは、付勢部材により針部材の非突出方向に付勢されて
いることが好ましい。具体的には、本体部ハブ26の通
路内に収納された弾性部材27により、押子操作部61
は、後方に付勢されている。弾性部材27としては、図
示するようなコイルバネ部材が好ましい。弾性部材は、
押子操作部61のフランジ部61aと本体部ハブ26間
に設けられていてもよい。また、ハブ26には、図2
7、図28および図31に示すように、上述した装置1
と同様に、突出可能部のための表示部11さらに表示部
を前方に押圧する弾性部材14を備えている。また、表
示部11は、先端が突出可能部材10aに固定されたワ
イヤ12と固定されている。さらに、この実施例の装置
においても上述した装置1と同様に突出可能部を非突出
状態に保持する非突出状態保持機能を備えていることが
好ましい。
【0104】押子106a,106bの先端は、図28
に示すように、針部材104a,104bを先端側に押
圧するための先端部を備えている。具体的には、押子1
06a,106bの先端部は、小径部となっており、針
部材104a,104bの後端部内に侵入可能となって
いる。しかし、押子は針部材を押圧するのみであり、両
者は強固に係合するものではない。このため、押子を後
方に移動させれば、押子は針部材より離脱する。押子1
06a、106bとしては、太さ0.1〜2.0mmの
ものが好適であり、長さとしては、30〜600mmの
ものが好適である。また、押子106a,106bとし
ては、中実のもの中空のものいずれでもよい。また、押
子106a,106bの形成材料としては、上述した押
子6a,6bにおいて説明したものが使用できる。ま
た、押子の側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆
してもよい。低摩擦性樹脂としては、上述したものが使
用できる。
【0105】針部材収納部103aを備えるアーム部1
03は、図27に示す第一の形態から図34に示す第二
の形態に変化することが可能となっている。アーム部1
03は、図27に示すように、両端部に針部材保持部1
03a、103bを備え、屈曲した形状となっている。
屈曲角度は、シャフト21の中心軸に対する先端部の屈
曲角度とほぼ同じとなるように形成されている。また、
アーム部103は、図29に示すように平板状に形成さ
れている。針部材保持部103a、103bは、図34
に示すように、第二の形態となった状態において本体部
の後端側を向くように形成されている。このため、針部
材用押子により押し出されアーム部に到達した針部材を
受け入れ保持することができる。
【0106】針部材保持部103a、103bとして
は、この実施例では、針部材により穿刺可能な弾性材料
により形成されている。そして、針部材の上述した小径
の段差部144により穿刺後の離脱が防止されている。
弾性材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブ
タジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天
然ゴム、オレフィン系エラストマー(ポリエチレンエラ
ストマー、ポリプロピレンエラストマー)、アミド系エ
ラストマー(ポリアミドエラストマー)、スチレン系エ
ラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン
コポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマ
ー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマ
ー)、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー(例え
ば、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリ
エステルポリウレタン)などが使用できる。
【0107】針部材保持部103a、103bとして
は、上述のものに限定されるものではない。例えば、針
部材保持部は、穿刺された針部材を密着保持する粘性を
備えているものにより形成してもよい。なお、この場合
には、針部材保持部の表面に血液付着を防止するための
フィルム(図示せず)を設けることが好ましい。密着保
持する粘性材料としては、ゲル状もしくは高粘度液状の
ポリウレタン、シリコーンなどが使用できる。また、フ
ィルムとしては、薄膜状のものが形成できるものであれ
ばよく、上述したシャフト21の形成材料として説明し
たもの、また、低摩擦性樹脂として上述したものなどが
使用できる。フィルムとしては、硬質もしくは半硬質の
ものが好ましい。
【0108】また、上述した針部材保持部103a、1
03bとして弾性材料を用いる実施例においても、上記
のように表面にフィルムを設けてもよい。この場合にお
いてもフィルムとしては、硬質もしくは半硬質のものが
好ましい。さらに、針部材保持部は、針部材と係合する
係合部を備えているものであってもよい。具体的には、
針部材保持部は、針部材を受入可能な空隙を有し、さら
に、針部材および針部材保持部は、針部材保持部に針部
材が挿入されると係合し抜去を制限する係合機能を備え
ていることが好ましい。
【0109】さらに、生体内組織補修装置100は、図
27および図31に示すように、本体部102内を延び
一端がアーム部103に固定されたアーム部牽引用ワイ
ヤ135を備えている。アーム部牽引用ワイヤ135の
他端部には、ワイヤ操作部136を備えている。牽引用
ワイヤ135は、図31に示すように、シャフト21に
形成されたルーメン129を貫通し、図27に示すよう
に、一端がアーム部103の中央部に形成された斜めに
延びる貫通孔よりアーム部103の底面に到達し、アー
ム部103の底面に固定されている。牽引用ワイヤ13
5の他端は、図31に示すように、シャフト21の後端
部の側面より突出し、ハブ26内に設けられた通路12
8内を通り、操作部136に固定されている。
【0110】そして、この牽引用ワイヤ135を後端側
に引くこと、言い換えれば、ワイヤ操作部136を基端
側に移動させることにより、アーム部103は、図27
に示す状態から、図34に示すように、針部材保持部部
分が本体部102の側面より突出する第二の形態に移行
する。また、ワイヤ操作部136を先端側に戻すことに
より、アーム部103は、図34に示す状態から、図2
7に示す状態に戻ることが可能となっている。このため
には、牽引ワイヤ135にある程度の押し込み力の伝達
性を備えるものが用いられる。
【0111】アーム部103は、長さが2.0〜8.0
mmのものが好適であり、厚さが0.8〜8.0mmの
ものが好適であり、幅が0.5〜7.0mmのものが好
適である。アーム部の形成材料としては、ステンレス
鋼、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合
金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン
合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属や、ポリア
ミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、
あるいは、これらを適宜組み合わせたものが挙げられ
る。
【0112】牽引ワイヤ135の形成材料としては、上
述したワイヤ12において説明したものが使用できる。
牽引ワイヤの側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被
覆してもよい。低摩擦性樹脂としては、上述したものが
使用できる。そして、この実施例の生体内組織補修装置
100では、本体部102の先端にチューブ7が設けら
れている。チューブ7は、先端開口7aと側口7bを備
える。このチューブ7は、ガイドワイヤを挿通させるた
めのものである。チューブ7としては、長さが50〜6
00mmであることが好ましい。また、チューブ7の外
径としては、1.0〜8.0mmであることが好まし
い。また、チューブの形成材料としては、上述したシャ
フト21にて説明したような柔軟な樹脂材料が使用でき
る。
【0113】次に、本発明の生体内組織補修装置100
の作用を図32ないし図35を用いて説明する。最初
に、上述した実施例の生体内組織補修装置1と同様に、
表示部11を突起15a,15bと係合させて、突出可
能部10を非突出状態に保持する。次に、生体内に挿入
されている治療もしくは診断で使用し、先端が生体内組
織膜に形成された穴を介して生体内組織内に到達してい
るイントロデューサシース(図示せず)にガイドワイヤ
(図示せず)を挿入し、イントロデューサシースを抜去
する。そして、生体内組織補修装置100の先端にある
チューブ7の先端開口7aよりチューブ7内にガイドワ
イヤを通し、さらにガイドワイヤを側口7bより延出さ
せる。生体内にチューブ7を側口7bまで挿入した後、
ガイドワイヤを引き抜き、生体内組織補修装置100を
パンクチャーサイト(穴を有する生体内組織)に、突出
可能部材10a部分が皮下組織内に侵入するまで挿入し
た後、表示部11の突起15a,15bとの係合を解除
する。
【0114】そして、装置の挿入を進行させることによ
り、突出可能部材10aが血管内に到達すると、突出可
能部材10aは突出し、表示部11は先端側に移動す
る。これにより、突出可能部材10a部分が血管内に到
達したことを外部より確認できる。この状態が、図32
に示す状態である。破線8は生体内組織膜である血管壁
を示している。この状態では、アーム部103部分は血
管内に位置する。
【0115】続いて、アーム操作部136を後方に引
き、アーム部103を図33に示すように突出させる。
続いて、表示部11が基端側(後方)に移動するまで、
つまり突出可能部材10aが非突出状態になるまで、装
置全体を引き抜き、アーム部103が血管壁の内面に接
するように位置決めを行う。次に、図33に示すよう
に、押子操作部61を先端側(矢印方向)に押し、針部
材104a、104bを本体部102のシャフト21の
先端側側面より斜めに突出させて、血管壁8を貫通させ
る。これにより、針部材104a,104bに設けられ
ていた糸105a,105bも血管壁8を貫通する。
【0116】そして、押子操作部61をさらに押し込む
と、図34に示すように、押子106a,106bも血
管壁8を貫通し、針部材104a,104bは、アーム
部103の収納部103a,103b内に到達する。押
子操作部61をさらに押し込む(具体的には、最大限押
し込み可能なところまで)と、針部材104a,104
bは、アーム部103の収納部103a,103b内に
収納される。そして、押子操作部61の押し込みを終了
すると、押子操作部61は、付勢部材27により後方に
付勢されているため、非押し込み状態位置まで復帰し、
押子106a,106bは本体部102内に収納され
る。
【0117】そして、装置全体を表示部11が先端側
(前方)に移動するまで、つまり突出可能部材10aが
突出状態になるまで前進させた後、アーム部牽引ワイヤ
操作部136を前方に移動させて、アーム部103を本
体部102内に収納した後、装置100をパンクチャー
サイトから引き抜き、アーム部103が皮膚の上に現
れ、2本の糸105a,105bが目視で確認されたと
ころで止める。続いて、アーム部103の収納部103
a内に収納されている2本の糸105a,105bをカ
ットし、1つ目の糸へ2つ目の糸を結び、結び目を作
る。そして、2本の糸を引っ張りつつ、補修装置100
を完全に生体より抜去する。さらに、2本の糸を十分引
っ張った後、1つ目の糸に沿わして、2つ目の糸で作っ
た結び目を上述した押込用器具で血管穿刺孔まで進め
る。押込用器具を取り去り、2つの糸を皮膚のできるだ
け近いところで切断し、縫合を終了する。
【0118】なお、生体内組織補修装置における補修機
能は、上述した実施例のような縫合によるものに限定さ
れるものではない。例えば、上述した止血材を用いるタ
イプであってもよい。さらに、本発明の血管または体腔
壁部の位置確認用装置は、上述した実施例のような補修
機能を備えないものであってもよい。このような位置確
認用装置は、生体内組織補修装置の生体内への挿入、カ
テーテルの血管内への挿入、体腔鏡の体腔内への挿入用
に用いられる。
【0119】また、位置確認装置としては、例えば、図
36および図37に示すものが考えられる。図36は、
本発明の血管または体腔壁部の位置確認用装置の一実施
例の外観図である。図37は、図36に示した位置確認
用装置の部分省略拡大断面図である。この実施例の位置
確認装置200は、生体の経皮的に貫通した血管または
体腔壁部の穴を用いて血管または体腔壁部の位置を確認
するためのものである。位置確認用装置200は、穴よ
り血管または体腔内に挿入可能な本体部202と、本体
部202の血管または体腔内に挿入可能な部位に設けら
れ、血管または体腔内に位置する場合に本体部202よ
り突出する突出状態となり、皮下かつ血管または体腔内
に到達するまでは非突出状態となる突出可能部10と、
位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、突出可能
部10の突出状態および非突出状態を識別するための表
示部11を備えている。
【0120】この実施例の位置確認装置200は、図3
6に示すように、生体内組織内に挿入可能な所定長を有
する筒状の本体部202を備える。本体部202は、図
36および図37に示すように、先端から基端まで貫通
するルーメンを有するチューブ状のものである。本体部
202の後端部には、図36および図37に示すよう
に、ハブ226が設けられている。また、本体部202
の後端部内面には、挿入される医療用器具とのシールの
ためのリング状部材227が設けられている。
【0121】そして、本体部202の先端部には、突出
可能部10が設けられている。図37に示すように、本
体部202は、先端部に設けられた突出可能部収納部
と、この収納部と連通し、基端側に延びるルーメン13
を備えている。突出可能部10は、ピン10bにより、
本体部202に回動可能に軸支された突出可能部材10
aを備えている。突出可能部材10aとしては、軸方向
の長さが、1.5〜6.0mm程度のものが好適であ
る。また、軸方向の幅は、0.5〜5.0mm程度のも
のが好ましい。また、突出可能部の形成材料としては、
上述したものが使用される。
【0122】そして、突出可能部10は、本体部202
に収納されかつ軸支されるとともに本体部202の側面
より回動により突出する突出可能部材10aと、一端が
突出可能部材10aに固定され他端が表示部11に固定
され、かつ本体部2内に移動可能に収納されたワイヤ1
2とを備えている。具体的には、図37に示すように、
ワイヤ12の先端部は、突出可能部材10aの先端部に
固定されており、ワイヤ12の基端部は、表示部11に
固定されている。ワイヤ12は、本体部202内に形成
されたルーメン13内を移動可能に通過し、図37に示
すように、ハブ226内に到達し、ハブ226内に形成
された通路226cを通過し表示部11に固定されてい
る。
【0123】また、表示部11は、ハブ226に設けら
れたスライド口226b内をスライド可能となってい
る。表示部11は、付勢部材14により先端側に付勢さ
れており、この付勢力は、ワイヤ12を介して、突出可
能部材10aに伝達され、突出可能部材は突出方向に付
勢されている。つまり、突出可能部10は、外部から力
を加えない状態で突出状態を保ち、外部より力を加える
ことにより非突出状態となるものとなっている。言い換
えれば、この実施例における位置確認用装置は、突出可
能部10を突出状態に保つための付勢手段を備えてい
る。付勢部材としては弾性部材が好ましく、例えば、こ
の実施例で用いているコイルバネ、ゴムなどが好適であ
る。また、付勢部材は、表示部を押圧するものではな
く、ワイヤを先端側に押圧するものであってもよい。
【0124】そして、突出可能部10は、皮下かつ血管
または体腔内に到達するまでは、皮下組織に押圧され非
突出状態となり、血管または体腔内に位置する(到達す
る)場合に、皮下組織による押圧がなくなり本体部より
突出する。つまり、突出可能部材10aは、皮下かつ血
管または体腔内に到達するまでは、図37に示す実線の
非突出状態(収納状態)である。そして、血管または体
腔内に到達すると、皮下組織による押圧がなくなるた
め、図37に示す破線の突出状態に移行する。
【0125】そして、非突出状態から突出状態に移行す
ることにより、ワイヤ12は、先端側に移動し、表示部
11も先端側に移動する。よって、表示部11を確認す
ることにより、突出可能部材10a部分が、血管または
体腔内に位置しているかどうかを容易に視認することが
できる。特に、この実施例の装置200では、付勢部材
により、表示部および突出可能部材10aは突出する方
向に付勢されているので、突出可能部材10a部分が、
血管または体腔内に位置する状態となったときに自動的
に表示部が移動するのでその確認が容易である。
【0126】さらに、この実施例の装置200では、突
出可能部を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を
備えている。具体的には、図36に示すように、ハブ2
26のスライド口226bの側面に設けられた非突出状
態保持機能を構成する突起15a,15bを備えてい
る。この突起15a,15bにより表示部12は離脱可
能に係止されている。突起15a,15b間の距離は若
干表示部の幅より小さいものとなっており、表示部の側
面を把持し移動不能に保持する。なお、非突出状態保持
機能はこのような向かい合う突起に限定されるものでは
なく、表示部を離脱可能に係止できるものであればどの
ようなものでもよい。
【0127】例えば、1つの突起により形成してもよ
く、さらには、スライド口の幅を部分的に狭くすること
により構成してもよい。このような非突出状態保持機能
を備える場合には、表示部を非突出状態保持機能により
非突出状態に保持した状態にて生体にこの装置を挿入す
る。そして、血管または体腔内に到達したと思われた時
もしくは到達間近と思われる時期にて非突出状態保持機
能による保持を開示し表示部を作動させる。このよう
な、非突出状態保持機能を設けることにより、装置の生
体内への挿入が容易となる。
【0128】また、突出可能部としては、上述した実施
例に限定されるものではない。例えば、図9に示し上述
した突出可能部80と同じものであってもよい。突出可
能部材10a、80a、ワイヤ12などについては、上
述したものが使用される。また、突出可能部としては、
上述した実施例のように、血管もしくは体腔内において
突出した状態から、装置が皮下組織側に引かれた時、皮
下組織による押圧により自動的に非突出状態に移行する
ものであることが好ましい。上述した突出可能部10で
は、図37の破線に示す状態より、装置が後方に引かれ
ると、皮下組織により突出可能部材10aに前方を倒す
力が働き、ピン10bを軸に突出可能部材10aは回動
し、先端側に倒れ、シャフト本体部に収納される。よっ
て、装置を皮下組織側に引く時に、突出部に起因する抵
抗は少ない。
【0129】
【発明の効果】本発明の血管または体腔壁部の位置確認
用装置は、生体の経皮的に貫通した血管または体腔壁部
の穴を用いて血管または体腔壁部の位置を確認するため
の位置確認用装置であって、該位置確認用装置は、前記
穴より前記血管または前記体腔内に挿入可能な本体部
と、該本体部の前記血管または前記体腔内に挿入可能な
部位に設けられ、前記血管または前記体腔内に位置する
場合に前記本体部より突出する突出状態となり、皮下か
つ前記血管または前記体腔内に到達するまでは非突出状
態となる突出可能部と、該位置確認用装置の生体内非挿
入部に形成され、前記突出可能部の突出状態および非突
出状態を識別するための表示部を備えている。このた
め、組織へダメージ等を与えることなく、また不要な血
液流出を生じることなく、容易、安全かつ確実に、血管
または体腔壁部の位置確認を行うことができる。
【0130】また、前記突出可能部が前記本体部に収納
されかつ軸支されるとともに該本体部の側面より回動に
より突出する突出可能部材と、一端が該突出可能部材に
固定され他端が前記表示部に固定され、かつ前記本体部
内に移動可能に収納されたワイヤ部材とを備えるもので
あれば、血管または体腔壁部の位置確認をより容易かつ
確実に行うことができる。また、前記突出可能部が外部
から力を加えない状態で突出状態を保ち、外部より力を
加えることにより非突出状態となるものであれば、血管
または体腔壁部の位置確認をより容易かつ確実に行うこ
とができる。また、前記位置確認用装置が前記突出可能
部を突出状態に保つための付勢手段を備えているもので
あれば、血管または体腔壁部の位置確認をより容易かつ
確実に行うことができる。
【0131】また、前記位置確認用装置が前記突出可能
部を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を備えて
いるものであれば、突出可能部部分の生体への挿入作業
が容易なものとなる。また、本発明の生体内組織補修装
置は、生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を
縫合もしくは閉塞するための生体内組織補修装置であっ
て、該補修装置は、前記穴より前記血管または前記体腔
内に挿入可能な本体部と、該本体部の前記血管または前
記体腔内に挿入可能な部位に設けられ、前記血管または
前記体腔内に位置する場合に前記本体部より突出する突
出状態となり、皮下かつ前記血管または前記体腔内に到
達するまでは非突出状態となる突出可能部と、該位置確
認用装置の生体内非挿入部に形成され、前記突出可能部
の突出状態および非突出状態を識別するための表示部
と、前記本体部に設けられた前記生体内組織膜に形成さ
れた経皮的に貫通した穴を縫合もしくは閉塞するための
補修機能とを備えている。このため、組織へダメージ等
を与えることなく、また不要な血液流出を生じることな
く、容易、安全かつ確実に、血管または体腔壁部の位置
確認を行うことができ、生体内組織補修作業を容易に行
うことができる。
【0132】そして、前記補修機能は、前記本体部の前
記生体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた
先端回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端
側となる部位の内部に収納された少なくとも1本の針
と、該針に接合された糸と、該針を該本体部の側面より
突出させて前記先端回動部内に押し込むための押子を備
え、前記先端回動部は、前記生体内組織内に配置された
状態にて、前記押子により押し込まれた前記針を受け入
れる針受入部を備えているものであれば、生体内組織膜
(例えば血管壁)の若干外側に位置する針を、生体内組
織膜(例えば血管壁)の若干内側に位置する先端回動部
の収納部内に収納されるように押子を先端側に押し込む
というストロークの短い操作により、針による生体内組
織膜の穿刺およびその穿刺部への糸の挿通という作業が
行えるので、生体内組織の縫合作業が容易であり、かつ
確実に生体内組織に形成された穴を縫合することができ
る。
【0133】また、前記補修機能が前記本体部の前記生
体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端
回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側と
なる部位の内部に収納された2本の中空針部材と該中空
針部材を前記本体部の側面より前記先端回動部側に突出
させるための針部材押出用操作部および前記本体部の後
端部側に設けられた各中空針部材内と連通する2つの開
口とを備え、前記先端回動部は、前記本体部より押し出
された針部材の先端部を受け入れる2つの針部材受入部
と、該2つの針部材受入部を連通する連結通路を備え、
前記補修装置は、それぞれの針部材受入部がそれぞれの
中空針部材を受け入れた状態において、前記一方の開口
から一方の中空針部材内、前記連結通路および他方の中
空針部材内を通り他方の開口に達する縫合糸用通路が形
成されるものであれば、生体内組織膜(例えば血管壁)
の若干外側に位置する針を、生体内組織膜(例えば血管
壁)の若干内側に位置する回動部の収納部内に収納され
るように針部材押出用操作部を先端側に押し込むという
ストロークの短い操作により、針による生体内組織膜の
穿刺作業が行える。さらに、縫合糸用通路内への縫合糸
を挿通することにより、縫合糸の貫通を確認することが
でき、生体内組織に形成された穴の縫合とその間接的な
確認を可能とする。
【0134】また、前記補修機能が前記本体部の前記生
体内組織内に挿入される部位に収納された第一の形態
と、部分的に前記本体部より突出する第二の形態とを取
ることができるアーム部とを備え、前記本体部は、該ア
ーム部よりも基端側内部に収納された少なくとも1つの
針部材と、該針部材に設けられた糸と、前記針部材を該
本体部の側面より前記アーム部に到達するように突出さ
せる針部材用押子を備え、前記アーム部は、前記第二の
形態において、前記針部材用押子により押し出されアー
ム部に到達した針部材を保持する針部材保持部を備えた
ものであれば、アーム部を生体内にて露出させた後、生
体内組織膜(例えば血管壁)の若干外側に位置する針部
材を、生体内組織膜(例えば血管壁)の若干内側に位置
するアーム部の収納部内に収納されるように押子を先端
側に押し込むというストロークの短い操作により、針部
材による生体内組織膜の穿刺およびその穿刺部への糸の
挿通という作業が行えるので、生体内組織の縫合作業が
容易であり、かつ確実に生体内組織に形成された穴を縫
合することができる。また、糸は生体内組織膜であり血
管壁の外側から血管壁を貫通するように血管内に到達す
るため、血液が付着した糸が血管壁を貫通することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生体内組織補修装置の一実施
例の外観図である。
【図2】図2は、図1に示した生体内組織補修装置の本
体部の先端部分の拡大平面図である。
【図3】図3は、図1に示した生体内組織補修装置の先
端部分の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1に示した生体内組織補修装置の本
体部の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、図1に示した生体内組織補修装置の突
出可能部付近の拡大断面図である。
【図6】図6は、図1に示した生体内組織補修装置の基
端部の拡大断面図である。
【図7】図7は、図6と90度異なる角度にて切断した
生体内組織補修装置の基端部分の拡大断面図である。
【図8】図8は、図1に示した生体内組織補修装置の基
端部の拡大平面図である。
【図9】図9は、本発明の生体内組織補修装置の他の実
施例を説明するための説明図である。
【図10】図10は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図13】図13は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図14】図14は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図15】図15は、本発明の生体内組織補修装置の作
用を説明するための説明図である。
【図16】図16は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の一実施例の外観図である。
【図17】図17は、図16に示した生体内組織補修装
置の先端部分の部分破断拡大平面図である。
【図18】図18は、図17のA−A線断面図である。
【図19】図19は、図17のB−B線断面図である。
【図20】図20は、図16に示した生体内組織補修装
置の本体部の中空針部材の先端部付近の拡大断面図であ
る。
【図21】図21は、図16に示した生体内組織補修装
置の基端部分の拡大断面図である。
【図22】図22は、図21と90度異なる角度にて切
断した生体内組織補修装置の基端部分の拡大断面図であ
る。
【図23】図23は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図24】図24は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図25】図25は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図26】図26は、本発明の生体内組織補修装置の一
実施例の外観図である。
【図27】図27は、図26に示した生体内組織補修装
置の先端部分の拡大断面図である。
【図28】図28は、図26に示した生体内組織補修装
置の針部材付近の本体部の拡大断面図である。
【図29】図29は、図26に示した生体内組織補修装
置のアーム部付近の拡大平面である。
【図30】図30は、図26に示した生体内組織補修装
置の本体部の基端部分の拡大断面図である。
【図31】図31は、図30と90度異なる角度にて切
断した生体内組織補修装置の基端部分の拡大断面図であ
る。
【図32】図32は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図33】図33は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図34】図34は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図35】図35は、本発明の他の実施例の生体内組織
補修装置の作用を説明するための説明図である。
【図36】図36は、本発明の血管または体腔壁部の位
置確認用装置の一実施例の外観図である。
【図37】図37は、図36に示した位置確認用装置の
部分省略拡大断面図である。
【符号の説明】
1 血管または体腔壁部の位置確認用装置(生体内組織
補修装置) 2 本体部 3 先端回動部 4(4a,4b) 針部材 5(5a,5b) 糸 6(6a,6b) 押子 7 チューブ 8 生体内組織膜(血管壁) 10 突出可能部 11 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C060 BB05 BB18 CC03 CC32 DD03 DD09 DD48 MM25 4C167 AA05 AA32 BB02 BB05 BB07 BB08 BB09 BB12 BB26 BB31 BB33 BB40 CC07 CC08 CC09 DD01 HH06 HH08 HH11 HH20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体の経皮的に貫通した血管または体腔
    壁部の穴を用いて血管または体腔壁部の位置を確認する
    ための位置確認用装置であって、該位置確認用装置は、
    前記穴より前記血管または前記体腔内に挿入可能な本体
    部と、該本体部の前記血管または前記体腔内に挿入可能
    な部位に設けられ、前記血管または前記体腔内に位置す
    る場合に前記本体部より突出する突出状態となり、皮下
    かつ前記血管または前記体腔内に到達するまでは非突出
    状態となる突出可能部と、該位置確認用装置の生体内非
    挿入部に形成され、前記突出可能部の突出状態および非
    突出状態を識別するための表示部を備えていることを特
    徴とする血管または体腔壁部の位置確認用装置。
  2. 【請求項2】 前記突出可能部は、前記本体部に収納さ
    れかつ軸支されるとともに該本体部の側面より回動によ
    り突出する突出可能部材と、一端が該突出可能部材に固
    定され他端が前記表示部に固定され、かつ前記本体部内
    に移動可能に収納されたワイヤ部材とを備える請求項1
    に記載の血管または体腔壁部の位置確認用装置。
  3. 【請求項3】 前記突出可能部は、外部から力を加えな
    い状態で突出状態を保ち、外部より力を加えることによ
    り非突出状態となるものである請求項1または2に記載
    の血管または体腔壁部の位置確認用装置。
  4. 【請求項4】 前記位置確認用装置は、前記突出可能部
    を突出状態に保つための付勢手段を備えている請求項3
    に記載の血管または体腔壁部の位置確認用装置。
  5. 【請求項5】 前記位置確認用装置は、前記表示部もし
    くは前記ワイヤ部材を前記突出可能部材側に付勢する付
    勢手段を備えている請求項2に記載の血管または体腔壁
    部の位置確認用装置。
  6. 【請求項6】 前記位置確認用装置は、前記突出可能部
    を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を備えてい
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の血管または体腔
    壁部の位置確認用装置。
  7. 【請求項7】 生体内組織膜に形成された経皮的に貫通
    した穴を縫合もしくは閉塞するための生体内組織補修装
    置であって、該補修装置は、前記穴より前記血管または
    前記体腔内に挿入可能な本体部と、該本体部の前記血管
    または前記体腔内に挿入可能な部位に設けられ、前記血
    管または前記体腔内に位置する場合に前記本体部より突
    出する突出状態となり、皮下かつ前記血管または前記体
    腔内に到達するまでは非突出状態となる突出可能部と、
    該位置確認用装置の生体内非挿入部に形成され、前記突
    出可能部の突出状態および非突出状態を識別するための
    表示部と、前記本体部に設けられた前記生体内組織膜に
    形成された経皮的に貫通した穴を縫合もしくは閉塞する
    ための補修機能とを備えることを特徴とする生体内組織
    補修装置。
  8. 【請求項8】 前記突出可能部は、前記本体部に収納さ
    れかつ軸支されるとともに該本体部の側面より回動によ
    り突出可能な突出可能部材と、一端が該突出可能部材に
    固定され他端が前記表示部に固定され、かつ前記本体部
    内に移動可能に収納されたワイヤ部材とを備える請求項
    7に記載の生体内組織補修装置。
  9. 【請求項9】 前記突出可能部は、外部から力を加えな
    い状態で突出状態を保ち、外部より力を加えることによ
    り非突出状態となるものである請求項7または8に記載
    の生体内組織補修装置。
  10. 【請求項10】 前記生体内組織補修装置は、前記突出
    可能部材を突出状態に保つための付勢手段を備えている
    請求項9に記載の生体内組織補修装置。
  11. 【請求項11】 前記生体内組織補修装置具は、前記突
    出可能部を非突出状態に保持する非突出状態保持機能を
    備えている請求項7ないし10のいずれかに記載の生体
    内組織補修装置。
  12. 【請求項12】 前記補修機能は、前記本体部の前記生
    体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端
    回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側と
    なる部位の内部に収納された少なくとも2本の針と、該
    針に接合された糸と、該針を該本体部の側面より突出さ
    せて前記先端回動部内に押し込むための押子を備え、前
    記先端回動部は、前記生体内組織内に配置された状態に
    て、前記押子により押し込まれた前記針を受け入れる針
    受入部を備えている請求項7ないし11のいずれかに記
    載の生体内組織補修装置。
  13. 【請求項13】 前記補修機能は、前記本体部の前記生
    体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端
    回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側と
    なる部位の内部に収納されたアンカー部材と、該アンカ
    ー部材に接合された糸と、前記アンカー部材を先端側内
    部に収納し、かつ前記本体部内に収納された針部材と、
    該針部材を該本体部の前記先端回動部よりも基端側の側
    面より前記先端回動部側に突出させるための針部材押出
    用操作部と、前記アンカー部材を前記針部材の先端より
    突出させて前記先端回動部内に押し込むためのアンカー
    用押子を備え、前記先端回動部は、前記生体内組織内に
    配置された状態にて、前記アンカー用押子により押し込
    まれた前記アンカー部材を受け入れるアンカー受入部を
    備えている請求項7ないし11のいずれかに記載の生体
    内組織補修装置。
  14. 【請求項14】 前記補修機能は、前記本体部の前記生
    体内組織内に挿入可能部位に回動可能に設けられた先端
    回動部と、前記本体部の前記先端回動部よりも基端側と
    なる部位の内部に収納された2本の中空針部材と該中空
    針部材を前記本体部の側面より前記先端回動部側に突出
    させるための針部材押出用操作部および前記本体部の後
    端部側に設けられた各中空針部材内と連通する2つの開
    口とを備え、前記先端回動部は、前記本体部より押し出
    された針部材の先端部を受け入れる2つの針部材受入部
    と、該2つの針部材受入部を連通する連結通路を備え、
    前記補修装置は、それぞれの針部材受入部がそれぞれの
    中空針部材を受け入れた状態において、前記一方の開口
    から一方の中空針部材内、前記連結通路および他方の中
    空針部材内を通り他方の開口に達する縫合糸用通路が形
    成されるものである請求項7ないし11のいずれかに記
    載の生体内組織補修装置。
  15. 【請求項15】 前記生体内組織補修装置は、前記先端
    回動部を前記本体部のほぼ中心軸上にある状態から90
    度以下の所定角度内での回動を許容する回動角度規制機
    能を備えている請求項12ないし13のいずれかに記載
    の生体内組織補修装置。
  16. 【請求項16】 前記本体部は、前記先端回動部を軸支
    するための軸支用ピンを備え、前記先端回動部は、該軸
    支用ピンを受け入れるための側面開口を備え、かつ、該
    側面開口は、前記軸支用ピンのスライドを可能とする軸
    方向に延びる長口に形成されており、さらに、前記生体
    内組織補修装置は、前記本体部内を延び一端が前記先端
    回動部に固定された回動部牽引用部材を備えている請求
    項12ないし13のいずれかに記載の生体内組織補修装
    置。
  17. 【請求項17】 前記補修機能は、前記本体部の前記生
    体内組織内に挿入される部位に収納された第一の形態
    と、部分的に前記本体部より突出する第二の形態とを取
    ることができるアーム部とを備え、前記本体部は、該ア
    ーム部よりも基端側内部に収納された少なくとも2つの
    針部材と、該針部材に設けられた糸と、前記針部材を該
    本体部の側面より前記アーム部に到達するように突出さ
    せる針部材用押子を備え、前記アーム部は、前記第二の
    形態において、前記針部材用押子により押し出されアー
    ム部に到達した針部材を保持する針部材保持部を備える
    ものである請求項7ないし11のいずれかに記載の生体
    内組織補修装置。
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