JP2003339386A - 葉緑体光定位運動に係わる遺伝子、それを用いた核酸プローブ、及び葉緑体光定位運動欠損植物 - Google Patents

葉緑体光定位運動に係わる遺伝子、それを用いた核酸プローブ、及び葉緑体光定位運動欠損植物

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JP2003339386A
JP2003339386A JP2002222186A JP2002222186A JP2003339386A JP 2003339386 A JP2003339386 A JP 2003339386A JP 2002222186 A JP2002222186 A JP 2002222186A JP 2002222186 A JP2002222186 A JP 2002222186A JP 2003339386 A JP2003339386 A JP 2003339386A
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light
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Application number
JP2002222186A
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Shozo Wada
正三 和田
Takatoshi Kagawa
貴俊 加川
Masahiro Kasahara
賢洋 笠原
Noriyuki Suetsugu
憲之 末次
Kazusato Oikawa
和聡 及川
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Tama TLO Co Ltd
Original Assignee
Tama TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 昨今の遺伝子組換技術の発展により作製され
た組換植物の自然界への拡散防止のための葉緑体光定位
運動遺伝子、それを用いた核酸プローブ、及び葉緑体光
定位運動欠損植物を提供する。とりわけ太陽光などの強
光で白化・枯死化する植物を提供する。 【解決手段】 以下の(a)又は(b)の蛋白質をコー
ドする遺伝子。(a)特定のアミノ酸配列を有する蛋白
質(b)特定のアミノ酸配列において1若しくは数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を有し、かつ葉緑体光定位運動活性を有する蛋白質

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昨今の遺伝子組換
技術の発展により作製された組換植物の自然界への拡散
を防ぐ技術に関し、より詳しく言えば、その自然界への
拡散防止のための葉緑体光定位運動遺伝子、それを用い
た核酸プローブ、及び葉緑体光定位運動欠損植物、とり
わけ太陽光などの強光で白化・枯死化する植物を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】生物にとり光は最も重要な環境因子の一
つである。特に植物は種子発芽から花芽形成に至る成長
過程の全段階が光の制御を受けている。光の波長、強
度、照射方向、照射時間、偏光の振動面の向きなどを受
容・認識し、その情報により生体内の諸機能を調整し
て、植物自体の置かれた環境に適応して生活している。
このような外界の光環境を受容する光受容体には、赤・
近赤外光を受容する色素タンパク質であるフィトクロ
ム、および青色光、UV−Aを受容するクリプトクロム
とフォトトロピンが知られている。
【0003】赤色光により制御を受ける生理反応とし
て、種子発芽、茎の伸長成長、子葉の展開、花芽形成な
どが知られている。近年ではフィトクロムからの情報の
伝達に関わる因子として、PIF3(Ni et al, 199
8)、NDPK2(Choi et al, 1999)が同定された。
【0004】一方、青色光により誘導される現象(Brig
gs and Huala, 1999)としては、シダ胞子の光発芽抑
制、胚軸伸長抑制、子葉の展開、光方向への屈曲、気孔
の開閉運動、葉緑体光定位運動などが知られている。し
かし青色光受容体の情報伝達に関わる因子はほとんど分
かっていなかった。
【0005】ところで、光合成の場としての葉緑体も外
界の光環境に反応してその位置を変える。弱光下では光
合成効率を上げるために細胞表面に分散し(弱光反
応)、強光下では光ダメージを避けるように細胞壁の脇
に定位する(強光反応)。この現象は、緑藻から高等植
物に至るまで広く知られている(Haupt et al, 1985、Z
urzycki, 1980)。
【0006】これまで、本発明者らは、その中のシダ植
Adiantum capillus-veneris Lの配偶世代を用い、細
胞レベルでの葉緑体光定位運動を詳細に調査した(Wada
andSugai, 1994)。弱光反応、強光反応共に赤色光、
青色光の両方が関与し(Yatsuhashi et al, 1985)、光
受容体はフィトクロームと青色光受容体であること(Ya
tsuhashi et al, 1985)を見出した。
【0007】また、本発明者らは、無核化した細胞でも
運動が起こるので遺伝子の転写を伴わない現象であるこ
と、カルシウムのキレート剤を添加すると運動が阻害さ
れることからカルシウム信号伝達系が関与しているこ
と、さらにアクチン重合阻害剤あるサイトカラシンBで
葉緑体の運動が阻害されること、ローダミンファロディ
ンによるアクチン繊維の染色から葉緑体が定位した後葉
緑体の周辺部に沿ってアクチン微小繊維のフィラメント
が形成され、このアクチンリングが葉緑体と細胞膜の間
に存在すること等を確かめた。
【0008】これらの事実からシダの葉緑体光定位運動
の情報伝達系では、フィトクロムと青色光受容体が光シ
グナルを受けた後、カルシウム信号伝達系を介してアク
トミオシン系が実際の運動に関与していることが予想さ
れている。
【0009】しかし、このような葉緑体光定位運動が、
どのような効果を有しているのか具体的には明らかでは
なかった。言い換えると、葉緑体の逃避運動の効果がど
のようなものであるか明らかではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、昨今の遺伝
子組換技術の発展により作製された組換植物の自然界へ
の拡散を防ぐ技術に関し、より詳しく言えば、その自然
界への拡散防止のための葉緑体光定位運動遺伝子、それ
を用いた核酸プローブ、及び葉緑体光定位運動欠損植物
を提供することを目的とする。とりわけ太陽光などの強
光で白化・枯死化する植物を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の実情に鑑み、本発
明者は、突然変異誘導された植物からスリット法を用い
てスクリーニングすることにより葉緑体光定位運動欠損
植物を取得し、該葉緑体光定位運動欠損植物が生長後、
強光下で白化・枯死化することを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、(1) 以下の
(a)又は(b)の蛋白質をコードする遺伝子、 (a)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を
有する蛋白質 (b)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列に
おいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列を有し、かつ葉緑体光定位運動
活性を有する蛋白質、(2)(1)に記載の遺伝子の一
部又は全部を用いることを特徴とする、葉緑体光定位運
動遺伝子をスクリーニングするための核酸プローブ、そ
して(3)以下の(a)又は(b)の蛋白質を欠損する
葉緑体光定位運動欠損植物、 (a)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を
有する蛋白質 (b)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列に
おいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列を有し、かつ葉緑体光定位運動
活性を有する蛋白質を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明を適用しうる植物材料はいかなる植
物でもよいが、特にダイコン、キャベツ、ハクサイ、ブ
ロッコリー、カリフラワー、シロイヌナズナなどのアブ
ラナ科植物であることが好ましいものとして挙げられ
る。本発明の葉緑体光定位運動欠損植物の枯死化に用い
る光は、太陽光、白色光であることが好ましい。上記枯
死化に用いる光は、10W/m以上の強光であること
が特に好ましく、10W/m以上の白色光であること
が最も好ましい。
【0014】本発明の葉緑体光定位運動欠損植物を製造
するに当り使用される、植物の突然変異誘導法はT−D
NA(トランスファーDNA)の挿入による方法、トラ
ンスポゾンによる方法、EMS(エチルメタンスルフォ
ネート)による方法、又は重イオンビーム、中性子、ガ
ンマー線若しくは紫外線照射による方法などの公知のい
かなる方法でもよいが、特に、T−DNAの挿入による
方法が好ましい。
【0015】葉緑体光定位運動欠損植物をスクリーニン
グするためにスリット法を用いることができる。該スリ
ット法は、本発明者が開発した方法であって、葉緑体の
強光反応が欠損した変異体を得るために用いることがで
きる。
【0016】葉全体に強光を照射すると葉全体が白化
し、該白化はもとの緑色に対してわずかな程度であるの
で全体に照射した場合は区別し難い。そこで、該スリッ
ト法は、スリットを用いることにより植物の強光反応に
よって生じる葉のわずかな白化を肉眼で確認できるよう
にした方法である。
【0017】具体的には、複数の植物個体について各々
の個体の葉1枚を切取り、切取った葉各々に幅数mmの
スリットを通してだけ光が照射されるように該切取った
葉を覆い、光照射後、覆いを外し、強光反応に由来する
スリット幅に相当する白色バンドを肉眼観察により確認
し、該白色バンドが生じない強光反応欠損体を選抜する
方法である。また、上記スリットの幅は、該白色バンド
の際立ちに影響する。スリットの幅は1〜3mmである
ことが好ましい。
【0018】次に、葉緑体光定位運動欠損植物から原因
遺伝子を獲得する方法について説明する。本発明におい
て、葉緑体光定位運動欠損植物から原因遺伝子を獲得す
るための好ましい1例として、以下の工程からなる方法
を示す:葉緑体光定位運動欠損植物からのDNA抽出す
る工程、変異体ゲノム内のT−DNAを含め10〜20
kbの断片を与えるような制限酵素を探し、葉緑体光定
位運動欠損植物ゲノム内のT−DNAの挿入数を確認す
るためのサザンハイブリダイゼ−ションを行う工程、変
異体の原因遺伝子をタグを用いてスクリーニングするた
めにプラスミドレスキュー法を用いる工程、塩基配列決
定する工程、上記プラスミドレスキュー法で得られた遺
伝子断片の全長cDNA(コンプレメンタリーDNA)
を獲得するためのcDNAライブラリースクリーニング
を行う工程、RNAを抽出する工程、スクリーニングし
たcDNAの5’側の未知領域をクローニングするため
の5’−RACE法を用いる工程、及びcDNA配列に
対応するゲノムDNAの配列決定する工程。
【0019】上記葉緑体光定位運動欠損植物からのDN
A抽出は、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド)−CsCl法などの周知の方法によって行うこ
とができる。
【0020】上述の植物の突然変異誘導にT−DNA等
の外来遺伝子を用いた場合、該外来遺伝子をタグとして
用い原因遺伝子をスクリーニングする方法は、プラスミ
ドレスキュー法、PCR(ポリメラーゼ チェイン リ
アクション)を用いる方法、ゲノムライブラリーを作製
して単離する方法等特に制限はないが、プラスミドレス
キュー法により行うことが好ましい。
【0021】上記プラスミドレスキュー法を行うにあた
り、該葉緑体光定位運動欠損植物ゲノム内の該外来遺伝
子の挿入数の確認、挿入外来遺伝子の再編成の有無の推
定、又は該ゲノム内の該外来遺伝子を含め10〜20k
bの断片を与えるような制限酵素の探索のための方法
は、サザンハイブリダイゼ−ション等周知のいかなる方
法を用いてもよい。
【0022】上記サザンハイブリダイゼ−ションにおけ
るプローブは、該外来遺伝子上の配列であるのが好まし
い。
【0023】上記サザンハイブリダイゼ−ション又は上
記プラスミドレスキュー法において用いられる制限酵素
は、上記外来遺伝子上に認識配列がないことが好まし
く、通常の制限酵素を用いてよく、好ましくは、6塩基
認識の制限酵素、さらに好ましくは、XhoI、Sal
I、EcoRI、PstI、MluI、NsiI、Sp
eI、もっとも好ましくは、XhoI、SalI、Ec
oRI、PstIである。
【0024】変異体の原因遺伝子をスクリーニングする
ための上記プラスミドレスキュー法(モデル植物の実験
プロトコール(秀潤社)参照)について説明する。上記
プラスミドレスキュー法の手順の好ましい1例を以下に
示す。
【0025】T−DNAの内部の抗生物質耐性遺伝子部
位と目的とするT−DNAに隣接する植物ゲノムDNA
を含むように制限酵素を選択する。例えば、XhoI、
SalI、SphI(レフトボーダー側)、XhoI、
EcoRI、PstI(ライトボーダー側)を選択す
る。2μgのDNAを60μl中20ユニットの制限酵
素を用いて1時間、37℃で処理する。DNAの切断を
確認した後、146μlのTE(トリスEDTA)を加
える。フェノール/クロロホルム処理をしてエタノール
沈澱を行い、100μlのSDW(滅菌脱イオン水)に
融解した後、0.8ml中10ユニットのT4DNAリ
ガーゼ(宝酒造社製)を加え、16℃、1晩インキュベ
ートしてDNA断片を自己ライゲーション化する。
【0026】これをエタノール沈澱をし、70%エタノ
ールで沈澱を2回洗浄した後1/2TEに溶解する。溶
解液5μlをDH10B(登録商標)コンピテント細胞
を用いて42℃で形質転換した後2分間氷上に置き、S
OC培地、0.9mlを加え37℃で1時間培養したL
B培地+アンピシリン+テトラサイクリン(XhoI処
理)、LB培地+アンピシリン(その他の酵素処理)培
地にひろげ37℃、1晩培養する。数コロニーを液体培
養してプラスミド精製機でプラスミドDNAを抽出す
る。また、大量数のレスキューされた産物を分類するた
めに認識塩基数の少ない制限酵素AatIIを用い切断
パターンを確認してもよい。
【0027】本発明において塩基配列決定法は周知のい
かなる方法を用いて行ってもよい。以下に好ましい手順
の1例を示す。ABI Prism ビッグ ダイ タ
ーミネーター サイクル シークエンシング レディー
リアクション キットのプロトコールに従い反応を行
う。反応産物をジェネテック解析機ABI PRISM
310(株式会社パーキンエルマ−ジャパン製)で検出
する。結果は、GENETIC−MAC ver.8
(ソフトウエアー開発株式会社製)ソフトウエアを用い
て解析し、塩基配列を決定する。
【0028】上記プラスミドレスキュー法等の原因遺伝
子をスクリーニングする方法で得られた遺伝子部分断片
の全長cDNAを獲得するためには、cDNAライブラ
リースクリーニング法、RNA抽出法、スクリーニング
したcDNAの5’側の未知領域のクローニング法等を
組合わせて用いてもよい。
【0029】上記RNAの抽出方法としては、フェノー
ル/SDS法(CURRENT PROTOCOLS
IN MOLECULAR BIOLOGY、Wike
y)等周知のいかなる方法を用いてもよい。
【0030】上記スクリーニングしたcDNAの5’側
の未知領域をクローニングする方法は特に制限はない
が、5’−RACE(5’rapid amplifi
cation of cDNA ends)法、Lig
ation−anchoredPCR法、Oligo−
cap replacement PCR法等公知のい
かなる方法を用いてもよいが、5’−RACE法が好ま
しい。
【0031】上記5’−RACE法について説明する
(モデル植物の実験プロトコール(秀潤社)参照)。上
記5’−RACE法の手順の好ましい1例として、以下
の(1)〜(4)の工程を示す。
【0032】(1)1stストランドcDNAの合成
(逆転写反応) 氷上で植物の全RNA(500ng)に逆転写用合成プ
ライマー(A)(2.5pmol)を加えて、DEPC
(ジエチルポリカーボネート)処理水で15.5μlに
調整し、70℃、10分間インキュベートする。氷上で
1分間冷却した後10×PCRバッファー(2.5μ
l)/25mM MgCl(2.5μl)/10mM
dNTP(デオキシヌクレオチド5’−トリリン酸混合
液)(1μl)/0.1M DTT(2.5μl)を加
えて24μlとし、42℃、1分間インキュベートす
る。1μlのSuperScript(登録商標)II
逆転写酵素を反応液に加え42℃、50分間インキュベ
ートをし、続けて70℃、15分間インキュベートして
反応を停止する。37℃、20秒間軽く遠心分離をかけ
て1μlのRNアーゼ混合液を加えて37℃、30分間
インキュベートして氷上に静置する。
【0033】(2)1stストランドcDNAの精製 室温にした120μlのバインディングソリューション
(6MNaI)を1stストランドDNAの反応液に加
え、それをグラス マックス スピン カートリッジに
移し、1,500rpm、24℃、20秒間遠心分離を
かけカートリッジを新たな1.5mlチューブに差し込
む。0.4mlの1×洗浄バッファー(4℃)を加え、
1,500rpm、24℃、20秒間遠心分離をかけ流
出液を取り除く。同様な操作を3回繰り返した後カート
リッジを400μl(4℃)の70%エタノールで2回
洗浄した。1,500rpm、24℃、1分間遠心分離
後カートリッジを新たな1.5mlチューブに移した。
50μlのSDWを加えて1,500rpm、24℃、
20秒間遠心分離をかけcDNAを溶出する。
【0034】(3)cDNAのターミナル デオキシヌ
クレオチジル トランスフェラーゼによるテイリング 1stストランドcDNA精製サンプル(10μl)に
DEPC処理水(6.5μl)/5×テイリングバッフ
ァー(5.0μl)/2mMdCTP(2.5μl)を
加えて24μlとする。94℃、3分間インキュベート
して氷上で1分間冷却する。
【0035】1μlのターミナル デオキシヌクレオチ
ジル トランスフェラーゼを加えて37℃、10分間イ
ンキュベートし、続けて65℃、10分間インキュベー
トして反応を停止させ氷上で冷却する。
【0036】(4)PCR dCでテイルしたcDNA(5μl)/10×PCRバ
ッファー(5μl)/25mM MgCl(3μl)
/10mMdNTP混合液(1μl)/10μM 逆転
写用合成プライマー(B)(2μl)/10μMアダプ
ター付きオリゴdGプライマー(2μl)にSDWを加
えて49.5μlとした。0.5μlのEX Taq
DNAポリメラーゼを加えて94℃としたサーマルサイ
クラーにセットして94℃、1分間/55℃、1分間/
72℃、2分間を35サイクル、最後に72℃、5分間
でPCRを行う。アガロース電気泳動でDNAの増幅を
確認した後、TACloning Kit(インビトロ
ジェン社製)を用いてサブクローニングを行う。シーク
エンス反応をして塩基配列を決定する。
【0037】cDNA配列に対応するゲノムDNAの配
列決定は、周知のいかなる方法を用いて行ってもよい。
以下に好ましい手順の1例を示す。
【0038】配列の決定されたcDNAのタンパク質コ
ード領域配列に対応するゲノムDNAの配列を決定する
ためコード領域両端20bp外側の位置に5'、3'各々
のPCRプライマーを作成する。正合性の高いpfu
DNA ポリメラーゼ(ストラタジーン社製)等を使い
PCRを行い、泳動後バンドを確認してZero Bl
unt TOPO クローニング キット(インビトロ
ジェン社製)等を使いサブクローニングを行う。プレー
ト上からコロニーを選択して液体培養を行う。プラスミ
ドDNAを抽出して精製後、シークエンス反応を行ない
配列を決定する。以上のようにして配列番号1又は2で
表される葉緑体光定位運動に係わる遺伝子を明らかにす
ることができる。
【0039】葉緑体光定位運動欠損植物の強光下での枯
死化は、葉の緑度の強光下における経時変化を、同時期
に発芽した野生型と比較評価すること等により証明する
ことができる。また、弱光下では、葉緑体光定位運動欠
損植物も野生型と区別がつかない程同様に生長、開花す
ることを観察することができる。また、葉緑体光定位運
動の欠損は、強光照射による葉の光透過性の変化の評価
や葉切断面の顕微鏡による葉緑体分布の観察から明らか
にすることができる。さらに葉緑体光定位運動欠損植物
の強光下での枯死化に直接的な要因となる光合成系の障
害を、クロロフィル蛍光パラメータ(Fv/Fm)につ
いて上記欠損植物と野生型とを比較することにより明ら
かにすることができる。上記Fv/Fm値は、光化学系
IIの量子収率に相関があり、光合成系の強光阻害を示す
指標であることが知られている。
【0040】本発明の葉緑体光定位運動遺伝子の変異体
の組換えにより、植物の強光下での白化・枯死化が可能
となる。さらに、本発明の核酸プローブは遺伝子組換え
技術ないしは遺伝子ノックアウト技術を用いることによ
り、自然環境保全の観点から極めて有用な葉緑体光定位
運動欠損植物の生産の効率化に寄与する。さらに、本発
明の葉緑体光定位運動欠損植物は強光下で白化・枯死化
現象を起こすので、この技術を遺伝子組換植物に適用す
ることによって、その植物の自然界への拡散を避けるこ
とができる。昨今の遺伝子組換技術の発展に伴う組換植
物の自然界への拡散に対する懸念を解消することができ
る。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例等により詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。
【0042】実施例1では、シロイヌナズナ(Arabidop
sis thaliana)(染色体数:2n=10、ゲノムサイ
ズ:1.0Mb)を実験材料に用いて、葉緑体光定位運
動欠損体をスクリーニングし、その変異の原因遺伝子
(変異を受けた、配列番号1で表される遺伝子)を単離
した。実施例1の方法は、配列番号2で表される遺伝子
の単離にも適用することができる。実施例2では、強光
下での枯死化を明らかにした。また、実施例3では、葉
緑体光定位運動欠損を葉の光透過性から評価し、実施例
4ではその欠損により光合成系に支障をきたすことを示
した。
【0043】 以後の略語は上記の略語表の意とする。
【0044】実施例 1 <植物材料>実験材料はシロイヌナズナ(Arabidopsis
thaliana L, Heynn)を用いた。野生型種子(Col‐0, g
e-1, Wassilewskija)はレーレ シーズ社から、DNA
タグ株はアラビドプシス バイオロジカル リソース
センターから取り寄せたものを用いた。
【0045】<培養> 培地、滅菌液、培養土 寒天栄養培地として、下記に示すシロイヌナズナ用の改
良型GM(Germination Media)培地
を用い、高温高圧滅菌後、角形シャーレ1枚当たり50
mlの培地を分注し、植物体を生育させた。
【0046】培地 改良型GM−3L用 4.314g ムラシゲアンドスクーグ塩混合液(ラ
イフテクノロジーズ社製) 30g サッカロース(和光純薬工業社製) 3ml ムラシゲアンドスクーグビタミン液−X10
00(シグマ社製) 1.5g 2−モルフォリノエタンスルフォン酸(M
ES、同仁堂社製) 1N KOHを用いてpH5.7とした。 24g 植物培地用寒天粉末−0.8%(和光純薬工
業社製)
【0047】滅菌液として0.6%食塩水(和光純薬工
業社製)、0.1%トリトンX−100を用いた。土壌
は、高温高圧滅菌した培養土に栄養液を添加して鉢に入
れた。培養土としてジフィミックス(株式会社サカタノ
タネ製)を、栄養液はハイポネックス−0.001%
(株式会社ハイポネックスジャパン製)、鉢は園芸用ポ
ット−直径6センチ(ノバティックPP-日本ポリケム
株式会社製)を用いた。
【0048】<植物の培養>1mlマイクロチューブに
適当数の種子と滅菌液を加え、ミキサー(サーモミキサ
ー モデル−108、サーモニクス株式会社製)により
20秒間撹拌し、滅菌液中で数分あたり1〜2回チュー
ブを上下させながら10分間種子の滅菌を行った。その
後、小型遠心器(IWAKI CENTRIFUGE
Micro6CENM−100、岩城ガラス株式会社
製)での遠心操作により種子を沈澱させて高温滅菌した
パスツールピペット(1.0ml)を用いて滅菌水で完
全に種子を洗浄した。滅菌した種子を滅菌済みの楊子を
用いてシャーレに1枚あたり50個まいた。シャーレ
は、通気性のあるサージカルテープ(Micropor
e(登録商標))でシールした。発芽を同調させるため
に播種を行ったシャーレを4℃で2日間低温処理し、イ
ンキュベータ(NK−system、日本医科機器製作
所製)内で25℃、長日条件(16時間明、8時間暗)
で、2〜3週間培養し、葉が4〜6枚展開した植物体を
突然変異体のスクリ−ニングに用いた。目的の個体又は
掛け合わせに用いる個体は、寒天培地から土壌培地へ植
え替え、更に培養した。シャーレ内の寒天培地から植物
体を丁寧に抜き取り、寒天を取り去るために根を水道水
で洗浄して、鉢に植えた。バッチに水を張りその中に上
記の様に準備した鉢を置いた。また、植え替え直後は、
バッチ全体をラップで覆った。その後ラップを時間を追
って少しずつとり乾燥状態に順化させた。これを22
℃、長日条件下(16時間明、8時間暗)の培養室で生
育させた。
【0049】<DNA抽出用材料>大量のゲノムDNA
を抽出する為に、液体振盪培養した植物(主として根)を
育てた。20〜50粒ほどの種子を1.5mlチューブ
に入れ、1mlの70%エタノールで2分間で表面殺菌
し、続いて、通常の種子の滅菌を行った。400μlの
滅菌水に種子を懸濁し、50mlの液体栄養培地(Ga
mborg’s B5 培地、pH5.0、GIBCO
社製)の入った300ml三角フラスコ(パイレックス
(登録商標)、岩城ガラス株式会社製)に播いた。この
三角フラスコ中の種子を2日間4℃で低温処理した後、
震盪器(TRIPLE SHKERNR−80、TAI
TEC社製)を用いて24℃、24時間明の条件下で3
週間震盪培養を行った。大量培養した植物体は、総重量
を測定した後、アルミホイルでくるみ液体窒素で冷凍し
た後−80℃で保存した。
【0050】<方法> 工程1 突然変異体のスクリーニング 葉緑体の強光反応が欠損した変異体を得るために本発明
者らが開発したスリット法を用いてスクリーニングを行
った。角形シャーレ中に50ml、1%寒天を分注しス
クリーニング用のマットを作る。この寒天上にシロイヌ
ナズナの第1葉〜4葉のうち1枚の葉を切り取り、直線
状に150枚ほど並べた。この上から幅2mmのスリッ
トを形成した遮光板を被せ、スリットを通して150W
/mの白色光(オーバーヘッドプロジェクター HP
A305 株式会社エルモ社製)を1時間30分照射し
た。この間小型送風器(ORIXAC FAN)で風を
送り、サンプルの温度上昇を避けた。光照射後、スリッ
トを外し、各個体の葉を肉眼観察を行った。野生株同様
に強光反応が起きていれば葉にスリット幅に相当する白
いバンドが現れるのでそのバンドが現れない植物体をス
クリーニングした。
【0051】工程2(1) DNA抽出(根カルチャー
からDNA単離) 変異体の遺伝子を解析するために全DNAの抽出を行っ
た。
【0052】試薬 抽出バッファー 100mM トリス−塩酸(pH8.0) 50mM EDTA(pH8.0) 500mM NaCl 1.25% SDS(w/v) 8.3mN NaOH 0.38%(w/v)重亜硫酸ナトリウム塩 5M 酢酸カリウム 7.4M 酢酸アンモニウム T5E 50mM トリス−塩酸(pH8.0) 10mM EDTA(pH8.0) TE 1mM トリス−塩酸(pH8.0) 1mM EDTA(pH8.0)
【0053】冷凍(−80℃)された根培養サンプル
4.3gを液体窒素下で乳鉢と乳棒を用いて充分に破砕
し細粒とした。抽出バッファーを添加して50mlチュ
ーブ(ファルコン社製)に分抽し、65℃で10分間温
めた後、氷上で20分間静置した。3,500rpm、
4℃、10分間で遠心分離(Himac CF−7D
2、日立製作所社製)した後、上清をミラークロス(カ
ルビオケム社製)に通して残留物を除いた。ここへ0.
7倍量のイソプロピルアルコールを加えて4,000r
pm、4℃で30分間遠心分離を行い上清を捨てた。沈
澱物に0.54mlのT5Eを加えて10秒間撹拌し、
65℃、5分間インキュベートした後、1.5mlチュ
ーブに移した。0.5mlのTE飽和フェノール(pH
8.0)を加え、撹拌して1,500rpm、24℃、
5分間遠心分離後、上清を新しい1.5mlチューブに
移した。0.5mlのクロロホルムを加えて同様な条件
で遠心分離を行ない上清を丁寧に別の1.5mlチュー
ブに取った。50μlの5M酢酸ナトリウムと1mlの
99.5%エタノールを加えて撹拌し、−80℃に30
分間保存した後1,500rpm、4℃、20分間遠心
分離を行ない上清を除去した。0.7mlの70%エタ
ノールを加え1,500rpm、4℃で5分間遠心分離
を行ない上清を除去した。遠心式濃縮機(VC36N、
TAITEC社製)にかけてアルコールを完全に除去し
た。0.2mlのTEを加え4℃で保存した。
【0054】(2) DNA簡易抽出法 シロイヌナズナのDNA迅速単離法(モデル植物の実験
プロトコール、秀潤社)を行った。 試薬 2×抽出バッファーストック液 0.6M NaCl 0.1M トリス−塩酸(pH7.5) 40mM EDTA(pH8.0) 1% SDS 1×抽出バッファー 2×ストック液 1vol 5M 尿素 10mM メルカプトエタノール 5%(v/v) TE飽和フェノール ---------------------------------------------------------- SDW 2vol PCI:フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)
【0055】冷凍(−80℃)した葉組織3〜4枚を
1.5mlチューブに入れ、そこに0.1mlの抽出バ
ッファーを加えた。コンパクトドリルをセットしたペレ
ットミキサーにより、300rpm、2分間で組織を完
全につぶした。0.4mlの抽出バッファーと同量のP
CIを加えた。20秒間、水平に振り、1,500rp
m、5分間遠心分離をして、上清を別の1.5mlチュ
ーブに移した。エタノール精製を行ないペレットを乾燥
させた。35μlの1/2TEに溶解させた。
【0056】 工程3 サザンハイブリダイゼ−ション 試薬と器具 PCI:フェノール:クロロフォルム:イソアミルアルコール=25:24:1 加水分解液:0.25M 塩酸 変性溶液 :1.5M NaOH、0.5M NaCl アルカリトランスファーバッファー:0.4M NaOH ブロッティングメンブレン:ナイロンメンブレン(ハイボンドN) 3mm濾紙 ペーパータオル ブロッティング台1式 ハイブリダイゼーションバッファー 1M チャーチリン酸バッファー 50ml 500mM EDTA 200μl SDS 7g SDW トータルボリューム 100ml
【0057】変異体ゲノム内のT−DNAを含め10〜
20kbの断片を与えるような制限酵素を探し、変異体
ゲノム内のT−DNAの挿入数を確認するためにサザン
ハイブリダイゼ−ションを行った(バイオ実験イラスト
レイテッド、細胞工学別冊、秀潤社)。ゲノムDNAを
切断するために、ゲノムDNA200ngに対して制限
酵素XhoI(100ユニット)、SalI(100ユ
ニット)、10×制限酵素バッファーH(宝酒造社製)
を添加して、37℃、24時間インキュベートして制限
酵素処理をした。精製するために50μlのPCIを加
えて撹拌し、遠心分離(15,000rpm、5分)を
して、上清をマイクロチューブ(1.5ml)に移し
た。同様の操作を繰り返した後、3M酢酸ナトリウム5
μl、99.5%エタノール150μlを添加して室温
で10分間静置した。遠心分離(15,000rpm、
4℃、15分)後、上清を除去して、70%エタノール
500μlで沈澱を洗浄して15μlのTEに融解させ
た。この切断DNA5μlを0.8%アガロースゲル
(SEAKEM GTG AGAROSE、FMC B
ioProducts社製)で泳動した。DNAの変性
とアルカリ変性のために、泳動後のゲルを10分間0.
25M 塩酸処理し、蒸留水による洗浄、30分間のア
ルカリ変性溶液(1.5M NaOH、0.5M Na
Cl)処理を行った。アルカリトランスファーバッファ
ー(0.4M NaOH)でブロティングメンブレン
(ハイボンドN)に16時間かけてDNAを転写して
固定化した。サザンハイブリダイゼ−ション用のプロー
ブは、LBF−1(CTTCCTAATGTCTGAT
ATACAGGAT(配列番号3))とLBR−1(T
TTAAGACGCTATTCCTCAACTTCC
(配列番号4))のプライマーを用い、T−DNAのレ
フトボーダー側のDNAをPCR(PCR サーマル
サイクラー パーソナル、宝酒造社製)法により作成し
た。プローブのラベルは、Primer−ItII ラ
ンダム プライマー ラベリング キット(クイックリ
ファレンスプロトコール、ストラタジーン社製)に従い
行った。50ngPCR産物にSDWを添加して24μ
lとし、ランダムオリゴヌクレオチドプライマー10μ
lを加え95℃、5分で反応させ氷上に静置した。10
μlの5×バッファー、5μlのラベルしたヌクレオチ
ド、1μlのエキソ(−)クレノウを添加して37℃で
7分間インキュベートした。精製カラム(SUPREC
(登録商標)、宝酒造社製)で遠心分離(3,000r
pm、2分)をして精製した。DNAを熱変性(95
℃、5分)させた直後に氷上に置きこれをプローブとし
て用いた。メンブレンを1×SSC、0.1%SDSに
よる1次洗浄(65℃、5分)後、0.1×SSC、
0.1%SDSによる2次洗浄(65℃、15分)を行
った。このメンブレンをラップでくるみXフィルムを入
れ、−80℃でオートラジオグラフィを行った。
【0058】プローブの調製 プローブ調整はPCR サーマル サイクラー パーソ
ナルを使いPCR法により目的DNAの増幅を行った。
反応組成、PCRサイクルは下記の通りである。泳動後
ゲルから切り出しSUPREC−01(宝酒造社製)で
精製してプローブを得た。 反応組成 SDW 36.58 μl 10× PCR バッファー 5.0 μl dNTP 混合液(2.5mM) 4.0 μl DNA(OK001) 0.5 μl LBF−1(50pm) 1.77 μl LBR−1(50pm) 1.65 μl EX Taq(2.5u/l) --------------------------------------------------------- 計 50 μl プローブの作成に用いた配列プライマー(SP)の配
列: LBF−1:CTTCCTAATGTCTGATATA
CAGGAT(配列番号2) LBR−1:TTTAAGACGCTATTCCTCA
ACTTCC(配列番号3) PCRサイクルは、以下のように設定した。 ×1 95℃ 0.5分 ×25 95℃ 1.0分 55℃ 2.0分 72℃ 3.0分 ×1 72℃ 10.0分 ---------------------------------------------------------- 保存 4℃
【0059】工程4 プラスミドレスキュー法 変異体の原因遺伝子を同定するためにプラスミドレスキ
ュー法を行った。 試薬 抗生物質:アンピシリン(50μg/ml)、(50μ
g/ml) 制限酵素:XhoI、SalI、SphI(レフトボー
ダー側)、XhoI、EcoRI、PstI(ライトボ
ーダー側)を選択した。 プラスミド精製機:プラスミド自動分離装置RI−10
0(クラボウ社製)
【0060】T−DNAの内部の抗生物質耐性遺伝子部
位と目的とするT−DNAに隣接する植物ゲノムDNA
を含むように制限酵素を選択した。2μgのDNAを6
0μl中20ユニットの制限酵素を用いて1時間、37
℃で処理した。DNAの切断を確認した後、146μl
のTEを加えた。フェノール/クロロホルム処理をして
エタノール沈澱を行い、100μlのSDWに融解した
後、0.8ml中10ユニットのT4DNAリガーゼ
(宝酒造社製)を加え、16℃、1晩インキュベートし
てDNA断片を自己ライゲーション化した。これをエタ
ノール沈澱をし、70%エタノールで沈澱を2回洗浄し
た後1/2TEに溶解した。5μlをDH10B(登録
商標)コンピテント細胞を用いて42℃で形質転換した
後2分間氷上に置き、SOC培地、0.9mlを加え3
7℃で1時間培養したLB培地+アンピシリン+テトラ
サイクリン(XhoI処理)、LB培地+アンピシリン
(その他の酵素処理)培地にひろげ37℃、1晩培養し
た。数コロニーを液体培養してプラスミド精製機でプラ
スミドDNAを抽出した。また、大量数のレスキューさ
れた産物を分類するために認識塩基数の少ない制限酵素
AatIIを用い切断パターンを確認した。
【0061】工程5 塩基配列決定 ABI Prism ビッグ ダイ ターミネーター
サイクル シークエンシング レディー リアクション
キットのプロトコールに従い反応を行った。反応産物
をジェネテック解析機ABI PRISM310(株式
会社パーキンエルマ−ジャパン製)で検出した。結果
は、GENETIC−MAC ver.8(ソフトウエ
アー開発株式会社製)ソフトウエアを用いて解析し、塩
基配列を決定した。
【0062】工程6 cDNAライブラリースクリーニ
ング プラスミドレスキュー法で得られた遺伝子断片の全長c
DNAをとるためにcDNAライブラリーをスクリーニ
ング(Predigested LambdaZapI
I/EcoRI/CLAP−Treated Vect
or Kit、ストラタジーン社製)した。
【0063】工程6−1 ライブラリーのタイター測定
【0064】試薬 SM培地 50mM トリス−塩酸(pH7.5) 100mM 食塩水 10mM 硫酸マグネシウム 0.01% ゼラチン
【0065】SM培地で1000倍希釈したファージ液
を各々1μl、10μl、100μlとり大腸菌(XL
−1Blue)の培養液(OD=0.5)を100μl
ずつ加えた。撹拌して37℃で15分間培養した。この
培養液を55℃で保温された2.5mlの0.7%ソフ
トアガー(LBブロス)に加えた後直径6cmプレート
培地に広げて15分間静置させた。ソフトアガーが固ま
ったら、42℃で8時間培養した。プレート上のプラー
ク数からタイターを算出した。
【0066】工程6−2 プラークリフティング 試薬 変成溶液 0.5N NaOHを1L×2バット用意した。
【0067】中和溶液 1.5Mトリス−塩酸(pH7.5)を1L×2バット
用意した。 宿主菌:10mM硫酸マグネシウム溶液に懸濁した大腸
菌(OD600=0.5、XL−1MRF) トランスファーメンブレン(コロニー/プラークスクリ
ーン、ニュー リサーチ プロダクツ社製)
【0068】5×10pfu/ml SM培地のファ
ージ液6.4μlに宿主菌700μlを加えて37℃、
15分間培養した。あらかじめ55℃に保温した9ml
の0.6%ソフトアガロース(アガロースタイプII、
シグマ社製)に加えて撹拌しプレート培地にまいた。乾
燥後37℃、8時間培養して4℃に保存した。プレート
上に1枚目のメンブレンは2分、2枚目のメンブレンは
5分間静置しファージDNAを転写した。メンブレンを
変成溶液(2分間2回)、中和溶液(3分間1回、5分間
1回)に順次処理し、ろ紙の上で乾燥させた。さらに真
空オーブンに入れて、80℃で2時間程加熱した後、4
℃に保存した。
【0069】工程6−3 一次スクリーニング プライマー #2−9/PR1 (GTTAGCTGGCTAGAT
GAAGAGCTCTCCTTC(配列番号5)) #2−9/PF2 (ACGAAAGTACGAGAG
ACGTAGTTTGGGAAG(配列番号6)) PCR組成 (μL) 10×PCR Taq バッファー 5 dNTP 25mM 4 #2−9/PR1(20μL) 1.1 #2−9/PF2(20μL) 1.35 Taq ポリメラーゼ(2ユニット) 0.5 DNA 0.5 --------------------------------------------------- SDWを加えて 50(μl)
【0070】PCR法によりライブラリースクリーニン
グのプローブDNAを増幅した。PCRプライマー(#
2−9/PR1、#2−9/PF2)を用いてPCR組
成を調整した。電気泳動後、ゲルから目的のバンドを切
り出し、精製(SUPREC−01)を行なった。エタ
ノール精製を行った後200μlのTEに溶解した。エ
タノール精製を行った後200μlのTEに溶解した。
Primer−ItII ランダム プライマー ラベ
リング キットに従い、プローブに放射能ラベルをし
た。
【0071】試薬 ハイブリダイゼーションバッファー(チャーチバッファ
ー) 1M リン酸ナトリウム(pH7.2) 20% SDS 500mM EDTA 洗浄液(1) 1×SSC(3M食塩水、333mM クエン酸三ナト
リウム塩・2水和物) 0.1%SDS 洗浄液(2) 0.1×SSC 0.1%SDS
【0072】密閉容器にフィルターが充分に浸かるほど
のチャーチバッファーを入れて、プラークリフティング
フィルターを1枚づつ浸した。ハイブリオーブンで65
℃、2時間振盪しながらプレハイブリダイゼーションを
行った。最終濃度が5×10 cpm/mlになるよう
にプローブを加えた。42℃で16時間振盪しながらハ
イブリダイゼ−ションを行った。洗浄液(1)を入れ軽
くリンスした後、充分な洗浄液(1)で24℃、15分
間振盪した。充分な量の洗浄液(2)を注ぎ、65℃で
15分間振盪した。この操作2回を繰り返した後フィル
ターを濾紙の上で乾燥させた。増感紙と共にX線フィル
ムを−80℃で15時間露光した。マイクロピペッタ−
チップを用いて、陽性シグナルに対応するプラークを回
収し、500μlのSMに懸濁した。クロロホルムを1
滴たらしてボルテックスで混合後、軽く遠心分離をし、
4℃に保存した。これを二次スクリーニングに用いた。
【0073】工程6−4 二次スクリーニング 1プレート当たり1000pfuとなるように調整し、
一次スクリーニング同様にクローンを選択した。
【0074】工程6−5 λファージDNAのプラスミ
ド化(in vivo切り出し) XL1−BlueMRF’株とSOLR株を10mM硫
酸マグネシウムにOD600が1.0となるように再懸
濁した。15mlポリプロピレンチューブ(ファルコン
社製)に200μlのXL1−BlueMRF’、25
0μlの選択した二次スクリーニングファージ液と1μ
l EX アシストヘルパーファージを加え37℃で1
5分間培養した。3mlのLB液体培地を加えて37℃
で3時間振盪培養した。65℃で20分間温めた後2,
500rpmで15分間遠心分離して上清を新しい15
mlポリプロピレンチューブに移したこのうち100μ
L、10μLを別々に200μLのSOLR細胞を入れ
た1.5mlマイクロチューブに分けて37℃で15分
間培養した。各々のチューブから200μLをLB+ア
ンピシリン(50μg/ml)にまき37℃で一晩培養
した。
【0075】工程6−6 cDNA解析 プレート上からコロニーを5つほど選択し液体培養を行
った。プラスミドDNAを抽出して制限酵素KpnI
(10ユニット)、SacI(10ユニット)処理し、
挿入されたcDNA断片のサイズを確認した。13%
(W/V)ポリエチレングリコール/1.6M食塩水、
70%エタノールで精製してシークエンス反応を行なっ
た。
【0076】工程7 RNAの抽出 全RNAの抽出は、フェノール/SDS法(CURRE
NT PROTOCOLS IN MOLECULAR
BIOLOGY、Wikey)で行った。 試薬 グリンディングバッファー:0.18M トリス 塩酸
/0.09M 塩化リチウム/4.5M EDTA/1
%SDS、pH8.2とした。 TLE液:0.2Mトリス(RNA用)/0.1M 塩
化リチウム/5M EDTA、pH8.2とした。
【0077】 フェノール(TLE液で平衡化されたもの) クロロホルム(RNA用) 8Mと2M 塩化リチウム(DEPC−処理) 3M酢酸ナトリウム(pH5.2、DEPC−処理) SDW(DEPC−処理、DEPCは、0.2%で使用
した。)
【0078】長日条件下で培養したシロイヌナズナ(C
olumbia)の全組織8.0gに液体窒素を加え、
乳鉢と乳棒を用いて充分に破砕し細粒とした。それを5
0mlポリプレンチューブ(ファルコン社製)に移し、
すぐに150mlのグリンディングバッファーと50m
lのフェノールを加え、2分間撹拌した。50mlのク
ロロホルムを加え、50℃、20分間温めて4,500
rpm、4℃で20分間遠心分離した。水層を別の新し
いチューブに移して50mlのフェノールを加えて撹拌
し、さらに50mlのクロロホルムを加えて、4,50
0rpm、4℃で20分間遠心分離した。水層を15m
lチューブに移し、0.47ボリュームの8M塩化リチ
ウムを加えて4℃で一晩沈澱させた後、4,500rp
m、4℃で20分間遠心分離し、沈澱を3mlの2M塩
化リチウムで洗浄したのち5mlのDEPC−処理水を
加えた。再び50mlのフェノールと、50mlのクロ
ロホルムを加えて撹拌し、4,500rpm、4℃で2
0分間遠心分離した。水層を移して200μlの3M酢
酸ナトリウムと5.5mlの100%エタノールを加え
て−20℃で一晩沈澱させた。4,500rpm、4℃
で15分間遠心分離して回収したRNA沈澱を1mlの
SDWに懸濁して−80℃に保存した。
【0079】工程8 5’−RACE法 スクリーニングしたcDNAの5’側の未知領域をクロ
ーニングするために5’−RACE法を行った(5’−
RACE System for RapidAmpl
ification of cDNA Ends,ve
rsion2、ライフテクノロジーズ社製)。 試薬 SuperScript(登録商標)II逆転写酵素
(200ユニット/μl、BRL社製) RNアーゼ混合液(2ユニット/μl、BRL社製) 5×テイリングバッファー(50mMトリス−塩酸、p
H8.4/125mMKCl/7.5mM塩化マグネシ
ウム) ターミナル デオキシヌクレオチジル トランスフェラ
ーゼ(15ユニット/μl、BRL社製) TaqDNAポリメラーゼ(5ユニット/μl、宝酒造
社製)
【0080】ss−cDNAの合成用の逆転写プライマ
ーとして、以下の合成オリゴヌクレオチドを用いた。 GSP1:5’−GGATTTGCCTCTGCAAC
TCCT−3’(配列番号7) GSP2:5’−ATGCTGCTTAAGCAACA
GTA−3’(配列番号8) アダプター付きオリゴdGプライマー(BRL社製): 5’−GGCCACGCGTCGACTAGTACGG
GGGGGGGG−3’(配列番号9) グラス マックス スピン カートリッジ(BRL社
製)
【0081】工程8−1 1stストランドcDNAの
合成 (逆転写反応) 氷上でシロイヌナズナ(Columbia)の全RNA
(500ng)にGSP1(2.5pmol)を加え
て、DEPC処理水で15.5μlに調整し、70℃、
10分間インキュベートした。氷上で1分間冷却した後
10×PCRバッファー(2.5μl)/25mM M
gCl(2.5μl)/10mMdNTP混合液(1
μl)/0.1M DTT(2.5μl)を加えて24
μlとし、42℃、1分間インキュベートした。1μl
のSuperScript(登録商標)II逆転写酵素
を反応液に加え42℃、50分間インキュベートをし、
続けて70℃、15分間インキュベートして反応を停止
させた。37℃、20秒間軽く遠心分離をかけて1μl
のRNアーゼ混合液を加えて37℃、30分間インキュ
ベートして氷上に静置した。
【0082】工程8−2 1st ストランドcDNA
の精製 室温にした120μlのバインディングソリューション
(6MNaI)を1stストランドDNAの反応液に加
え、それをグラス マックス スピン カートリッジに
移し、1,500rpm、24℃、20秒間遠心分離を
かけカートリッジを新たな1.5mlチューブに差し込
んだ。0.4mlの1×洗浄バッファー(4℃)を加
え、1,500rpm、24℃、20秒間遠心分離をか
け流出液を取り除いた。同様な操作を3回繰り返した後
カートリッジを400μl(4℃)の70%エタノール
で2回洗浄した。1,500rpm、24℃、1分間遠
心分離後カートリッジを新たな1.5mlチューブに移
した。50μlのSDWを加えて1,500rpm、2
4℃、20秒間遠心分離をかけcDNAを溶出した。
【0083】工程8−3 cDNAのターミナル デオ
キシヌクレオチジル トランスフェラーゼによるテイリ
ング 1stストランドcDNA精製サンプル(10μl)に
DEPC処理水(6.5μl)/5×テイリングバッフ
ァー(5.0μl)/2mMdCTP(2.5μl)を
加えて24μlとした。94℃、3分間インキュベート
して氷上で1分間冷却した。
【0084】1μlのターミナル デオキシヌクレオチ
ジル トランスフェラーゼを加えて37℃、10分間イ
ンキュベートし、続けて65℃、10分間インキュベー
トして反応を停止させ氷上で冷却した。
【0085】工程8−4 PCR dCでテイルしたcDNA(5μl)/10×PCRバ
ッファー(5μl)/25mM MgCl(3μl)
/10mMdNTP混合液(1μl)/10μM GP
S2(2μl)/10μMアダプター付きオリゴdGプ
ライマー(2μl)にSDWを加えて49.5μlとし
た。0.5μlのEX Taq DNAポリメラーゼを
加えて94℃としたサーマルサイクラーにセットして9
4℃、1分間/55℃、1分間/72℃、2分間を35
サイクル、最後に72℃、5分間でPCRを行なった。
アガロース電気泳動でDNAの増幅を確認した後、TA
Cloning Kit(インビトロジェン社製)を用
いてサブクローニングを行なった。シークエンス反応を
して塩基配列を決定した。
【0086】工程9 cDNA配列に対応するゲノムD
NAの配列決定 配列の決定されたcDNAのタンパク質コード領域配列
に対応するゲノムDNAの配列を決定するためコード領
域両端20bp外側の位置に5'、3'各々の下記PCR
プライマーを作成した。 5R−18F1:GTCAGTACCTGGAAGTT
TCTC(配列番号10) C2F1:TGATGGACTCTAAACGCGAA
A(配列番号11) 正合性の高いpfu DNA ポリメラーゼ(ストラタ
ジーン社製)を使いPCR(下表)を行い、泳動後バン
ドを確認してZero Blunt TOPOクローニ
ング キット(インビトロジェン社製)を使いサブクロ
ーニングを行った。プレート上から5つほどコロニーを
選択して液体培養を行なった。プラスミドDNAを抽出
して精製後、シークエンス反応を行ない配列を決定し
た。 PCR反応 組成 (μl) SDW 75 10×pfuターボDNAポリメラーゼバッファー 10 dNTP混合液(2.5pM) 8 DNA(100ng/μl) 1 プライマー−1(100ng/μl) 2.5 プライマー−2(100ng/μl) 2.5 pfuターボDNAポリメラーゼ(2.5ユニット/μl) 1.0 ------------------------------------------------------------------- トータルボリューム 100
【0087】<結果> 1.突然変異体のスクリーニング スリット法を用いて4,900株のT−DNA挿入変異
体から、工程1の選抜を行った。スリット幅に合わせて
各々Wassilewskija系統で野生株(WT)とT−DNA
挿入変異体(OK001)、Columbia系統で野生株とE
MS処理変異体(SN001、SN072及びHFR
3)を等間隔に並べ、その上にスリットのあいた板を被
せた。このスリットを通して強光を照射した。この方法
を用いると野生型の葉では、スリット上に白色のバンド
が形成された。そこで、この白色のバンドが見られない
変異体を選抜したところ、変異体形質を示す個体が4つ
得られた。これと同時に、EMS処理種子に由来する変
異体として3種類(SN001、SN072及びHFR
3)を選抜された。マイクロビームを用いて細胞レベル
での葉緑体光定位運動を調べた結果、これらもT−DN
A株から選抜された変異体と同様の形質(強光下及び弱
光下でも葉緑体光定位運動が起きないという形質)を示
した。そこでアレリズムテストを行った。即ち、SN0
01(雌)×T−DNA変異体(雄)、SN072(雌)
×T−DNA変異体(雄)、及びHFR3(雌×T−D
NA変異体(雄)の交配を行い得られた植物の形質を調
べた結果、総ての組み合わせに於いて相補せず(白色の
バンドが形成されず)同一の遺伝子に変異が起きている
ことを確認した。
【0088】2.ゲノム内におけるT−DNAの挿入数
の確認 −サザンハイブリダイゼ−ション− T−DNA突然変異体ではT−DNAの挿入により遺伝
子が破壊され、葉緑体光定位運動に変異が生じた。そこ
で、まずはじめに変異体ゲノムDNA内のT−DNAコ
ピー数を確認するためにT−DNAのレフトボーダー側
1.5kbpをプローブとして工程3のサザンハイブリ
ダイゼ−ションを行った。その結果を図1に示す。
【0089】図1から分かるように、T−DNA変異体
ではXhoI、XhoI+SalIの制限酵素でT−D
NA変異体のゲノムDNAを切断した場合、XhoI処
理では4本のバンド(11kb、7kb、4kb、2.
5kb)が、XhoI+SalI処理では4本のバンド
(8kb、5kb、3kb、2.5kb)が確認され
た。従って、この植物ゲノムには、少なくとも4コピー
のT−DNAが挿入されていることがわかった。
【0090】3.目的遺伝子の単離 −プラスミドレスキュー− 図2に示したようなT−DNAの挿入部位に隣接するゲ
ノムDNAを工程4のプラスミドレスキュー法によりク
ローニングした。図2において、プラスミドレスキュー
に用いたT−DNAのレフトボーダー(LB)、ライト
ボーダー(RB)側内部の制限酵素部位と薬剤耐性遺伝
子を示し、矢印は、コードされている向きを示してい
る。
【0091】XhoI、SalI、SphI、EcoR
I、PstIの制限酵素を用いたが、SalIで制限酵
素処理をしたT−DNAのLB側を含むゲノム断片のみ
がレスキューされた。図3に、レスキューされたLB側
に続くゲノムDNAを示した。線で囲まれた領域がT−
DNAのLB内部配列を表し、外は、植物側ゲノム配列
を示している。
【0092】他のクローンは、T−DNAの内部配列又
はアグロバクテリウムのベクター配列を含み、植物ゲノ
ムを含んでいなかった。SalI酵素によるレスキュー
で得られたクローンを100個無作為に選びそれらを、
AatIIによる制限酵素パターンから分類したとこ
ろ、すべて同じ制限酵素パターンを示し、同一のクロー
ンであった。
【0093】−cDNAライブラリースクリーニング− 図4を参照して、プラスミドレスキュー法により得られ
た植物ゲノム断片(800bp)をプローブに用い、工
程6のcDNAライブラリースクリーニングを行ったこ
とを示す。(a)は、T−DNA(特にLB)、ゲノム
DNA、及びレスキューされたゲノムDNA上の800
bpのプローブとしたDNA断片の関係を示す。3×1
プラークをスクリーニングした結果、(b)に示す
ように、始めに500bpのcDNAをスクリーニング
した。つづいて2.1kbpのcDNAクローンが得ら
れた。それらの塩基配列を決定した結果、両クローンと
も(b)の網かけで示したように共通配列をもち、ポリ
A配列が3’末端側に認められた。しかし5’側末端に
インフレームのストップコドンは認められなかったの
で、このクローンは全長をカバーしていないことが分か
った。そこでcDNA全長の塩基配列を決定するために
5’RACEを行った。
【0094】−全長cDNA配列(5’RACE)− 以下、図5を参照して説明する。図5(a)に示したよ
うに2.1kbpクローンの5’側に2つのGene−
specific primer(GPS1、GPS
2)を設計して工程8の5’RACEを行った。その結
果、反応後の5’側延長DNA増幅断片の泳動図を示す
図5(b)のように、500bp、800bp、1kb
の5’RACE産物が得られた。図5(b)において、
各レーンはMr:マーカー、1:800bp、2:50
0bp、3:1kbpの得られたcDNAをそれぞれ表
し、3.9bpのバンドはベクターの大きさを示してい
る。
【0095】塩基配列を決定した結果、これらは同一の
配列を持つことが分かった。cDNAクローンと5’R
ACEの結果から目的遺伝子の全長cDNAの塩基配列
を決定した。これを図6に示す。このcDNAの最も長
いORF(オープン リーディング フレーム)は、1
026個のアミノ酸からなるタンパク質をコードしてい
た。図6において、矢印は、5’RACE法に特有な
5’末端のポリG(G)nに続く各断片の5’側を示し
ている。
【0096】4.目的遺伝子の同定 −ゲノムDNA配列− 次にcDNAに対応するゲノムDNA(Columbi
a)の塩基配列を工程9に従い決定した。結果を図7及
び図8に示す。図7及び図8において、エクソン領域は
大文字でイントロン領域は小文字で表した。その下のア
ルファベットは翻訳領域のアミノ酸配列を示す。開始コ
ドンを丸で囲み、終止コドンをStopで表した。その
結果、図9に示すようにこの遺伝子は9つのエクソン領
域[exon1(311bp)/exon2(56b
p)/exon3(761bp)/exon4(140
0bp)/exon5(133bp)/exon6(1
83bp)/exon7(102bp)/exon8
(145bp)/exon9(202bp)]と8つの
イントロン領域[intron1(91bp)/int
ron2(68bp)/intron3(77bp)/
intron4(74bp)/intron5(133
bp)/intron6(183bp)/intron
7(102bp)/intron8(145bp)]か
ら成り立つことが明らかとなった。
【0097】図9において、cDNAに示された矢印は
対応するゲノムDNA遺伝子断片を増幅するためのPC
Rプライマーを示し、目的遺伝子内のエクソンは、白抜
きの四角い囲みで表されている。9つのエクソンとその
間の8つのイントロンからなることが分かる。各々の囲
み付近の数値は、各エクソンの塩基数を示す。開始コド
ンは第一エクソンの5’側205bpに、終止コドンは
第9エクソンの5’側135bpの位置に存在し、T−
DNAは、第5エクソンの5’側100bpの位置に挿
入されていた。2重斜線は、T−DNAの塩基配列が未
解読であることを示す。
【0098】−EMS突然変異体(SN001、SN0
72及びHFR3)における上記得られた遺伝子の解析
− 図10、図11及び図12を用いて、上記得られた遺伝
子(OK001とする)が原因遺伝子か否かを確かめる
ために行ったことを以下に説明する。EMS処理により
点変異が誘導された同一遺伝子座を持つ3種類の突然変
異体(SN001、SN072及びHFR3)のOK0
01遺伝子の塩基配列を決定した。野生型(Colum
bia)遺伝子と配列を比較した結果、図10(a)、
図11(a)及び図12(a)に示したように3種類
(SN001、SN072、HFR3)とも遺伝子内の
エクソン領域内に点変異が認められた。SN001は第
3エクソン530番目のCがTに変化してグルタミン酸
がストップコドンに、SN072は第3エクソン51番
目のCがTに変化してグルタミン酸がストップコドン
に、HFR3は第4エクソン428番目のGがAに変化
してトリプトファンがストップコドンに変化していた。
つまりすべての変異体でこの遺伝子に変異が生じてお
り、変異体でこの遺伝子が機能していないことが、葉緑
体光定位運動欠損の原因であることが分かった。
【0099】これらの変異は、それぞれの変異をCAP
Sマーカーとすることによっても、即ち、図10
(b)、図11(b)及び図12(b)に示したように
SN001ではAlwNIの制限酵素サイトの消失、S
N072ではTspEI制限酵素サイトがHFR3では
MnlI制限酵素サイトが、新しく生じたことによって
も確認された。即ち、図11(c)において、レーン2
に300、220bp付近に泳動断片が現れたこと、図
12(c)において、レーン3、4に370、320b
p付近に各々泳動断片が現れたことにより確認された。
図10、11及び12における、矢印は、それぞれの点
変異を挟むように設計したPCRプライマーを示し、5
00bpほどの配列をPCR法により増幅して図10、
11及び12各々の(b)及び(c)の実験に用いた。
【0100】実施例 2 図16を用いて、突然変異体の強光下での枯死化を野生
型と比較することにより明らかにしたことを示す。具体
的には、同時期に発芽したシロイヌナズナの配列番号1
の遺伝子の変異体(SN001)、配列番号2の遺伝子
の変異体及び野生型(Columbia)のそれぞれの
葉の0時間(hr)における緑度を100%としたとき
の同条件下(3.6kWの白色キセノンランプ(UXL
−3601HK−0、ウシオ社製)を使用し、該光源と
該植物の距離を90cmとし、その間に光を均一照射に
するための散光フィルターを設置した)における経時変
化をカラーで撮影し、該カラー映像をフォトショップ
(アドビ社製)により赤緑青のチャンネルに分割し、緑
の強度をNIH image(National In
stitutes of Health製)により数値
化することにより測定した。図16において、野生型は
●で、配列番号1の遺伝子の変異体は〇で、配列番号2
の遺伝子の変異体は▲でプロットした。
【0101】図16から明らかなように、突然変異体は
強光下で時間経過(生長)とともに白化が進む一方、野
生型は時間経過(生長)とともに緑化が進行していた
(野生型の緑化の上昇は、葉緑素及びアントシアンの含
有率の上昇による)。20時間後には突然変異体の葉は
完全に枯死化した。このことから、本発明の葉緑体光定
位運動欠損植物は強光下で枯死化することが分かった。
また、配列番号1及び2の遺伝子の変異体それぞれを弱
光下にて育成させたところ、どちらも野生型と区別でき
ない程生長し、開花した。
【0102】実施例 3 図17を用いて、突然変異体の強光下での葉の透過性を
野生型と比較することにより葉緑体光定位運動欠損を明
らかにしたことを示す。具体的には、同時期に発芽した
シロイヌナズナの配列番号1の遺伝子の変異体(SN0
72)、配列番号2の遺伝子の変異体及び野生型のそれ
ぞれを同条件下(グロースチャンバー内22℃、湿度5
0%)、実施例2と同様な3.6kWの白色キセノンラ
ンプを使用し、様々な白色光強度で1時間照射した。そ
して、様々な光強度に対し、光照射による葉の光透過変
化をプロットした。この際、光強度は、光量子センサー
(LI−190SB、LI−COR社製)により測定し
た。また、光透過は、発光ダイオード(GL5UR3
K、シャープ社製)、フォトダイオード(S1227−
66BR、浜松ホトニクス社製)、電圧計及び電源から
なる発明者らが作成した装置を用い、葉1枚あたり少な
くとも4回測定した。図17において、縦軸の光透過の
変化1単位は、光照射前の5%の葉の光透過が照射後で
は6%になったことを示し、野生型は●で、配列番号1
の遺伝子の変異体は×で、配列番号2の遺伝子の変異体
は▲でプロットした。
【0103】図17から明らかなように、野生型は、約
500μmol/m/sで最大に達する光透過変化が
あった。一方、どちらの突然変異体の葉もいかなる強度
の光を1時間照射しても光透過に変化が見られなかっ
た。また、白色光強度500μmol/m/sで1時
間照射後、突然変異体及び野生型の葉を顕微鏡観察した
ところ、照射前と比較し、野生型では葉緑体が垂層の細
胞壁側に移動するが、どちらの突然変異体でもそれがみ
られなかった。以上の結果から、野生型シロイヌナズナ
に対し本発明の変異シロイヌナズナは、光透過性が著し
く劣っており、葉緑体光定位運動の欠損によって、太陽
光等の強光下で容易に枯死化することが分かる。
【0104】実施例 4 図18を用いて、突然変異体の強光下での枯死化に直接
的な要因となる光合成系の障害を、クロロフィル蛍光パ
ラメータ(Fv/Fm)について突然変異体と野生型と
を比較することにより明らかにしたことを示す。すなわ
ち光化学系IIの量子収率に相関があり、光合成系の強光
阻害を示す指標であるFv/Fm値を測定した。具体的
には、暗黒下に15分置いた植物(配列番号1の遺伝子
の変異体、配列番号2の遺伝子の変異体及び野生型)
を、クロロフィル蛍光測定装置(PAM−2000、H
einz Walz社製)を用いて、光照射開始(0h
r)を含めた様々な照射時間におけるFv/Fm値を測
定した。この際、照射光は、強度1400μmol/m
/sの白色光とした。光強度は、実施例3と同様な光
量子センサーにより測定した。また、1つの個体につき
5〜6枚の葉について測定し、3回測定して得た値の平
均値を採用した。なお、光照射開始(0hr)、すなわ
ち照射前のFv/Fm値は、二つの突然変異体及び野生
型とも0.81〜0.83であった。図18において、
縦軸は上記照射前のFv/Fm値を100%とした相対
Fv/Fm値で示し、野生型は●で、配列番号1の遺伝
子の変異体は×で、配列番号2の遺伝子の変異体は▲で
プロットした。
【0105】図18から明らかなように、二つの突然変
異体は強光下で時間経過とともに野生型より強光阻害が
進行した。具体的には、野生型は、照射0時間における
Fv/Fm値に対し1時間後には約80%、5時間後に
は約70%への低下であったが、配列番号1の遺伝子の
変異体では1時間後には約75%、5時間後には約55
%への低下で、さらに配列番号2の遺伝子の変異体では
1時間後には約70%、5時間後には約52%への低下
で、どちらの変異体でも急激な減少を示した。以上のよ
うに、本発明の変異シロイヌナズナは野生型に比べ著し
い強光阻害を惹起し、太陽光に曝される強光下での生長
・拡散が極めて効果的に防止できることが分かる。
【0106】参考例 1 遺伝子の同定 1.ホモロジー検索 シロイヌナズナはゲノムプロジェクトにより現在までに
全ゲノムの80%以上の塩基配列が報告されているが、
実施例1で得られた遺伝子のホモロジー検索(BLAS
TIN search)を行ったところ、上記遺伝子は
これまでに登録されていない新規の遺伝子であることが
明らかとなった。 2.アミノ酸構造 また、図13及び図14に示すように、モチーフ検索の
結果、上記遺伝子産物(1030アミノ酸残基)の1次
構造には幾つか特徴的な領域が存在していることが判明
した。酸性領域、アクチン結合領域、プロリンリッチ領
域、2つのロイシンジッパー領域及び塩基性領域であ
る。図13において、四角囲みはエクソン領域を示し、
9つのエクソンが存在していた。開始コドン葉第1エク
ソンの5’側205bpの位置に、終止コドンは第9エ
クソンの135bpの位置に存在した。符号1:酸性部
位、2:ロイシンジッパー(1)、3:アクチニンモチ
ーフ(EELVYLRWVNA)、4:塩基性部位、
5:プロリンリッチ領域及び6:ロイシンジッパー
(2)を示した。酸性部位は第3エクソンの6−32、
ロイシンジッパー(1)は第3エクソンの643−70
8、アクチニンモチーフは第4エクソンの111−14
3、塩基性部位は第4エクソンの765−808プロリ
ンリッチ領域は第4エクソンの989−1190、ロイ
シンジッパー(2)は第5エクソンの88−133から
第6エクソン1−45に渡り存在していた。*1はSN
072の点変異が第3エクソンの51bpの位置に、*
2はSN001の点変異が第3エクソンの530bpの
位置に、*3はHFR3の点変異が第4エクソンの42
8bpの位置に、*4はT−DNAの挿入が第5エクソ
ンの100bpの位置に各々存在したことを示した。ま
た、図14においては、アミノ酸配列内での特異的な機
能部位を示した。符号とモチーフとの関係は、図13に
対応している。図15に示すように、アミノ酸配列を用
いたホモロジーサーチ(BLASTP、FASTA)の
結果、本発明の蛋白質は動物のWASP(Wiskott-Aldr
ich Syndrome Protein)ファミリーの蛋白質とホモロジ
ーを有することが分かった。とりわけプロリンリッチ領
域と高い相当性を示した。WASPファミリーはいずれ
も約500アミノ酸残基からなる5種類の蛋白質から構
成され、N末端側の構造によって2つのサブファミリー
(WASP、N−WASP、及びWAVE1、2、3)
に分けられている。2つのサブファミリー共通のドメイ
ンとして、N末端から、分子自身の機能制御をもつ制御
領域、プロリンを多く含む(プロリンリッチ)領域、ア
クチン結合領域であるVPH(verprolin-homology)領
域、アクチンフィラメントの脱重合に関与しているcofi
lin-homology領域、酸性領域とが順に並んで存在してい
る(Miki et al, 1996、 1998、 Bear et al, 1998)。こ
のC末端側の、VPH領域・cofilin-homology領域・酸
性領域は、あわせてVCA領域と呼ばれている。またW
ASP、N−WASPのサブファミリーは、PH(plec
kstrin homology)領域とGBF(GTPase binding doma
in)/VRIB(cdc42/Rac interactive binding regi
on)モチーフを持っている。一方、WAVEはロイシン
ジッパー領域を含むSCAR部位をもっている。これら
WASPファミリーの蛋白質は、VCA領域でArp2
/3蛋白質(Actin-related protein)と結合し、アク
チンフィラメントの脱重合に直接関与していると考えら
れている(Rohatgi et al, 1999、Machsky and Insal,
1998)。また、プロリンリッチ領域では、プロフィリン
と結合し、このプロフィリンはG−アクチンがF−アク
チンに重合するときにATP−ADPの交換反応を促進
して、重合可能なATP結合型アクチン生成を促す。W
ASPやN−WASPは、Rhoファミリーの低分子量
G蛋白質cdc42により直接的に、WAVE1、2、
3はRac蛋白質に間接的に、その機能が制御されてい
る(Miki et al., 1998)。なお、N−WASPはWA
SPに対して46%のホモロジーを示し、WAVE2、
WAVE3はWAVE1に対して各48%のホモロジー
を示した。図15において、PH:p1eckstri
n homo1ogy、B:塩基性(basic)ドメ
イン、GBD/CRIB:GTPase bindin
g domain/Cdc42/Rac intera
ctive region、V:verprolin−
homologyドメイン、C:cofilin−ho
mologyドメイン、A:酸性(acidic)ドメ
イン、SHD:SCAR homologyドメイン、
Pro−rich:プロリンリッチ領域、L(1)、L
(2):Lucine Zipperドメイン1,2、
A−L:actinin−like actin bi
ndingモチーフを表わしている。一方、図13、図
14及び図15から分かるように本発明の遺伝子産物は
N末端側から、酸性領域、ロイシンジッパー構造1、ア
クチン結合領域、塩基性領域、プロリンリッチ領域、ロ
イシンジッパー構造2と並んでいる。
【0107】
【発明の効果】本発明の葉緑体光定位運動遺伝子の変異
体の組換えにより、植物の強光下での白化・枯死化が可
能となった。さらに、本発明の核酸プローブは遺伝子組
換え技術ないしは遺伝子ノックアウト技術を用いること
により、自然環境保全の観点から極めて有用な葉緑体光
定位運動欠損植物の生産の効率化に寄与する。さらに、
本発明の葉緑体光定位運動欠損植物は強光下で白化・枯
死化現象を起こすので、この技術を遺伝子組換植物に適
用することによって、その植物の自然界への拡散を避け
ることができる。昨今の遺伝子組換技術の発展に伴う組
換植物の自然界への拡散に対する懸念を解消することが
できる。
【0108】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TAMA-TLO <120> A gene relating to the mechanism of light-induced chloroplast move ment, a probe of the nucleic acid using the same and a plant lacking lig ht-induced chloroplast movement <130> PT2002020 <140> JP <141> 2002-7-30 <150> JP-2002-75275 <151> 2002-3-18 <160> 11 <170> <210> 1 <211> 1004 <212> PRT <213> Arabidopsis thaliana <400> 1 Met Phe Val Arg Ile Gly Phe Val Val Ala Ala Ser Ile Ala Ala Val 1 5 10 15 Thr Val Lys Arg Leu Asn Val Lys Pro Ser Lys Pro Ser Lys Pro Ser 20 25 30 Asp Asn Gly Glu Gly Gly Asp Lys Glu Gln Ser Val Asp Pro Asp Tyr 35 40 45 Asn Leu Asn Asp Lys Asn Leu Gln Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu 50 55 60 Glu Val Lys Leu Ile Asn Ser Val Ile Asn Gln Thr Arg Gly Ser Phe 65 70 75 80 Ser Asp Tyr Leu Asp Asp Asp Ile Leu Pro Glu Phe Glu Asp Leu Leu 85 90 95 Ser Gly Glu Ile Glu Tyr Pro Leu Pro Asp Asp Asp Asn Asn Leu Glu 100 105 110 Lys Ala Glu Lys Glu Arg Lys Tyr Glu Val Glu Met Ala Tyr Asn Asp 115 120 125 Gly Glu Leu Glu Arg Leu Lys Gln Leu Val Lys Glu Leu Glu Glu Arg 130 135 140 Glu Val Lys Leu Glu Gly Glu Leu Leu Glu Tyr Tyr Gly Leu Lys Glu 145 150 155 160 Gln Glu Ser Asp Ile Val Glu Leu Gln Arg Gln Leu Lys Ile Lys Thr 165 170 175 Val Glu Ile Asp Met Leu Asn Ile Thr Ile Asn Ser Leu Gln Ala Glu 180 185 190 Arg Lys Lys Leu Gln Glu Glu Leu Ser Gln Asn Gly Ile Val Arg Lys 195 200 205 Glu Leu Glu Val Ala Arg Asn Lys Ile Lys Glu Leu Gln Arg Gln Ile 210 215 220 Gln Leu Asp Ala Asn Gln Thr Lys Gly Gln Leu Leu Leu Leu Lys Gln 225 230 235 240 His Val Ser Ser Leu Gln Met Lys Glu Glu Glu Ala Met Asn Lys Asp 245 250 255 Thr Glu Val Glu Arg Lys Leu Lys Ala Val Gln Asp Leu Glu Val Gln 260 265 270 Val Met Glu Leu Lys Arg Lys Asn Arg Glu Leu Gln His Glu Lys Arg 275 280 285 Glu Leu Ser Ile Lys Leu Asp Ser Ala Glu Ala Arg Ile Ala Thr Leu 290 295 300 Ser Asn Met Thr Glu Ser Asp Lys Val Ala Lys Val Arg Glu Glu Val 305 310 315 320 Asn Asn Leu Lys His Asn Asn Glu Asp Leu Leu Lys Gln Val Glu Gly 325 330 335 Leu Gln Met Asn Arg Phe Ser Glu Val Glu Glu Leu Val Tyr Leu Arg 340 345 350 Trp Val Asn Ala Cys Leu Arg Tyr Glu Leu Arg Asn Tyr Gln Thr Pro 355 360 365 Ala Gly Lys Ile Ser Ala Arg Asp Leu Ser Lys Asn Leu Ser Pro Lys 370 375 380 Ser Gln Ala Lys Ala Lys Arg Leu Met Leu Glu Tyr Ala Gly Ser Glu 385 390 395 400 Arg Gly Gln Gly Asp Thr Asp Leu Glu Ser Asn Tyr Ser Gln Pro Ser 405 410 415 Ser Pro Gly Ser Asp Asp Phe Asp Asn Ala Ser Met Asp Ser Ser Thr 420 425 430 Ser Arg Phe Ser Ser Phe Ser Lys Lys Pro Gly Leu Ile Gln Lys Leu 435 440 445 Lys Lys Trp Gly Lys Ser Lys Asp Asp Ser Ser Val Gln Ser Ser Pro 450 455 460 Ser Arg Ser Phe Tyr Gly Gly Ser Pro Gly Arg Leu Ser Ser Ser Met 465 470 475 480 Asn Lys Gln Arg Gly Pro Leu Glu Ser Leu Met Ile Arg Asn Ala Gly 485 490 495 Glu Ser Val Ala Ile Thr Thr Phe Gly Gln Val Asp Gln Glu Ser Pro 500 505 510 Gly Thr Pro Glu Thr Pro Asn Leu Pro Arg Ile Arg Thr Gln Gln Gln 515 520 525 Ala Ser Ser Pro Gly Glu Gly Leu Asn Ser Val Ala Ala Ser Phe His 530 535 540 Val Met Ser Lys Ser Val Asp Asn Val Leu Asp Glu Lys Tyr Pro Ala 545 550 555 560 Tyr Lys Asp Arg His Lys Leu Ala Val Glu Arg Glu Lys His Ile Lys 565 570 575 His Lys Ala Asp Gln Ala Arg Ala Glu Arg Phe Gly Gly Asn Val Ala 580 585 590 Leu Pro Pro Lys Leu Ala Gln Leu Lys Glu Lys Arg Val Val Val Pro 595 600 605 Ser Val Ile Thr Ala Thr Gly Asp Gln Ser Asn Glu Ser Asn Glu Ser 610 615 620 Asn Glu Gly Lys Ala Ser Glu Asn Ala Ala Thr Val Thr Lys Met Lys 625 630 635 640 Leu Val Asp Ile Glu Lys Arg Pro Pro Arg Val Pro Arg Pro Pro Pro 645 650 655 Arg Ser Ala Gly Gly Gly Lys Ser Thr Asn Leu Pro Ser Ala Arg Pro 660 665 670 Pro Leu Pro Gly Gly Gly Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Gly Gly 675 680 685 Gly Pro Pro Pro Pro Pro Gly Gly Gly Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro 690 695 700 Pro Gly Ala Leu Gly Arg Gly Ala Gly Gly Gly Asn Lys Val His Arg 705 710 715 720 Ala Pro Glu Leu Val Glu Phe Tyr Gln Ser Leu Met Lys Arg Glu Ser 725 730 735 Lys Lys Glu Gly Ala Pro Ser Leu Ile Ser Ser Gly Thr Gly Asn Ser 740 745 750 Ser Ala Ala Arg Asn Asn Met Ile Gly Glu Ile Glu Asn Arg Ser Thr 755 760 765 Phe Leu Leu Ala Val Lys Ala Asp Val Glu Thr Gln Gly Asp Phe Val 770 775 780 Gln Ser Leu Ala Thr Glu Val Arg Ala Ser Ser Phe Thr Asp Ile Glu 785 790 795 800 Asp Leu Leu Ala Phe Val Ser Trp Leu Asp Glu Glu Leu Ser Phe Leu 805 810 815 Val Asp Glu Arg Ala Val Leu Lys His Phe Asp Trp Pro Glu Gly Lys 820 825 830 Ala Asp Ala Leu Arg Glu Ala Ala Phe Glu Tyr Gln Asp Leu Met Lys 835 840 845 Leu Glu Lys Gln Val Thr Ser Phe Val Asp Asp Pro Asn Leu Ser Cys 850 855 860 Glu Pro Ala Leu Lys Lys Met Tyr Lys Leu Leu Glu Lys Val Glu Gln 865 870 875 880 Ser Val Tyr Ala Leu Leu Arg Thr Arg Asp Met Ala Ile Ser Arg Tyr 885 890 895 Lys Glu Phe Gly Ile Pro Val Asp Trp Leu Ser Asp Thr Gly Val Val 900 905 910 Gly Lys Ile Lys Leu Ser Ser Val Gln Leu Ala Lys Lys Tyr Met Lys 915 920 925 Arg Val Ala Tyr Glu Leu Asp Ser Val Ser Gly Ser Asp Lys Asp Pro 930 935 940 Asn Arg Glu Phe Leu Leu Leu Gln Gly Val Arg Phe Ala Phe Arg Val 945 950 955 960 His Gln Phe Ala Gly Gly Phe Asp Ala Glu Ser Met Lys Ala Phe Glu 965 970 975 Glu Leu Arg Ser Arg Ala Lys Thr Glu Ser Gly Asp Asn Asn Asn Asn 980 985 990 Asn Asn Asn Asn Ser Asn Glu Glu Glu Ser Val Asn 995 1000 <210> 2 <211> 915 <212> PRT <213> Arabidopsis thaliana <400> 2 Met Glu Arg Pro Arg Ala Pro Pro Ser Pro Leu Asn Asp Ala Glu Ser 1 5 10 15 Leu Ser Glu Arg Arg Ser Leu Glu Ile Phe Asn Pro Ser Ser Gly Lys 20 25 30 Glu Thr His Gly Ser Thr Ser Ser Ser Ser Lys Pro Pro Leu Asp Gly 35 40 45 Asn Asn Lys Gly Ser Ser Ser Lys Trp Met Glu Phe Gln Asp Ser Ala 50 55 60 Lys Ile Thr Glu Arg Thr Ala Glu Trp Gly Leu Ser Ala Val Lys Pro 65 70 75 80 Asp Ser Gly Asp Asp Gly Ile Ser Phe Lys Leu Ser Ser Glu Val Glu 85 90 95 Arg Ser Lys Asn Met Ser Arg Arg Ser Ser Glu Glu Ser Thr Ser Ser 100 105 110 Glu Ser Gly Ala Phe Pro Arg Val Ser Gln Glu Leu Lys Thr Ala Leu 115 120 125 Ser Thr Leu Gln Gln Thr Phe Val Val Ser Asp Ala Thr Gln Pro His 130 135 140 Cys Pro Ile Val Tyr Ala Ser Ser Gly Phe Phe Thr Met Thr Gly Tyr 145 150 155 160 Ser Ser Lys Glu Ile Val Gly Arg Asn Cys Arg Phe Leu Gln Gly Pro 165 170 175 Asp Thr Asp Lys Asn Glu Val Ala Lys Ile Arg Asp Cys Val Lys Asn 180 185 190 Gly Lys Ser Tyr Cys Gly Arg Leu Leu Asn Tyr Lys Lys Asp Gly Thr 195 200 205 Pro Phe Trp Asn Leu Leu Thr Val Thr Pro Ile Lys Asp Asp Gln Gly 210 215 220 Asn Thr Ile Lys Phe Ile Gly Met Gln Val Glu Val Ser Lys Tyr Thr 225 230 235 240 Glu Gly Val Asn Asp Lys Ala Leu Arg Pro Asn Gly Leu Ser Lys Ser 245 250 255 Leu Ile Arg Tyr Asp Ala Arg Gln Lys Glu Lys Ala Leu Asp Ser Ile 260 265 270 Thr Glu Val Val Gln Thr Ile Arg His Arg Lys Ser Gln Val Gln Glu 275 280 285 Ser Val Ser Asn Asp Thr Met Val Lys Pro Asp Ser Ser Thr Thr Pro 290 295 300 Thr Pro Gly Arg Gln Thr Arg Gln Ser Asp Glu Ala Ser Lys Ser Phe 305 310 315 320 Arg Thr Pro Gly Arg Val Ser Thr Pro Thr Gly Ser Lys Leu Lys Ser 325 330 335 Ser Asn Asn Arg His Glu Asp Leu Leu Arg Met Glu Pro Glu Glu Leu 340 345 350 Met Leu Ser Thr Glu Val Ile Gly Gln Arg Asp Ser Trp Asp Leu Ser 355 360 365 Asp Arg Glu Arg Asp Ile Arg Gln Gly Ile Asp Leu Ala Thr Thr Leu 370 375 380 Glu Arg Ile Glu Lys Asn Phe Val Ile Ser Asp Pro Arg Leu Pro Asp 385 390 395 400 Asn Pro Ile Ile Phe Ala Ser Asp Ser Phe Leu Glu Leu Thr Glu Tyr 405 410 415 Ser Arg Glu Glu Ile Leu Gly Arg Asn Cys Arg Phe Leu Gln Gly Pro 420 425 430 Glu Thr Asp Gln Ala Thr Val Gln Lys Ile Arg Asp Ala Ile Arg Asp 435 440 445 Gln Arg Glu Ile Thr Val Gln Leu Ile Asn Tyr Thr Lys Ser Gly Lys 450 455 460 Lys Phe Trp Asn Leu Phe His Leu Gln Pro Met Arg Asp Gln Lys Gly 465 470 475 480 Glu Leu Gln Tyr Phe Ile Gly Val Gln Leu Asp Gly Ser Asp His Val 485 490 495 Glu Pro Leu Gln Asn Arg Leu Ser Glu Arg Thr Glu Met Gln Ser Ser 500 505 510 Lys Leu Val Lys Ala Thr Ala Thr Asn Val Asp Glu Ala Val Arg Glu 515 520 525 Leu Pro Asp Ala Asn Thr Arg Pro Glu Asp Leu Trp Ala Ala His Ser 530 535 540 Lys Pro Val Tyr Pro Leu Pro His Asn Lys Glu Ser Thr Ser Trp Lys 545 550 555 560 Ala Ile Lys Lys Ile Gln Ala Ser Gly Glu Thr Val Gly Leu His His 565 570 575 Phe Lys Pro Ile Lys Pro Leu Gly Ser Gly Asp Thr Gly Ser Val His 580 585 590 Leu Val Glu Leu Lys Gly Thr Gly Glu Leu Tyr Ala Met Lys Ala Met 595 600 605 Glu Lys Thr Met Met Leu Asn Arg Asn Lys Ala His Arg Ala Cys Ile 610 615 620 Glu Arg Glu Ile Ile Ser Leu Leu Asp His Pro Phe Leu Pro Thr Leu 625 630 635 640 Tyr Ala Ser Phe Gln Thr Ser Thr His Val Cys Leu Ile Thr Asp Phe 645 650 655 Cys Pro Gly Gly Glu Leu Phe Ala Leu Leu Asp Arg Gln Pro Met Lys 660 665 670 Ile Leu Thr Glu Asp Ser Ala Arg Phe Tyr Ala Ala Glu Val Val Ile 675 680 685 Gly Leu Glu Tyr Leu His Cys Leu Gly Ile Val Tyr Arg Asp Leu Lys 690 695 700 Pro Glu Asn Ile Leu Leu Lys Lys Asp Gly His Ile Val Leu Ala Asp 705 710 715 720 Phe Asp Leu Ser Phe Met Thr Thr Cys Thr Pro Gln Leu Ile Ile Pro 725 730 735 Ala Ala Pro Ser Lys Arg Arg Arg Ser Lys Ser Gln Pro Leu Pro Thr 740 745 750 Phe Val Ala Glu Pro Ser Thr Gln Ser Asn Ser Phe Val Gly Thr Glu 755 760 765 Glu Tyr Ile Ala Pro Glu Ile Ile Thr Gly Ala Gly His Thr Ser Ala 770 775 780 Ile Asp Trp Trp Ala Leu Gly Ile Leu Leu Tyr Glu Met Leu Tyr Gly 785 790 795 800 Arg Thr Pro Phe Arg Gly Lys Asn Arg Gln Lys Thr Phe Ala Asn Ile 805 810 815 Leu His Lys Asp Leu Thr Phe Pro Ser Ser Ile Pro Val Ser Leu Val 820 825 830 Gly Arg Gln Leu Ile Asn Thr Leu Leu Asn Arg Asp Pro Ser Ser Arg 835 840 845 Leu Gly Ser Lys Gly Gly Ala Asn Glu Ile Lys Gln His Ala Phe Phe 850 855 860 Arg Gly Ile Asn Trp Pro Leu Ile Arg Gly Met Ser Pro Pro Pro Leu 865 870 875 880 Asp Ala Pro Leu Ser Ile Ile Glu Lys Asp Pro Asn Ala Lys Asp Ile 885 890 895 Lys Trp Glu Asp Asp Gly Val Leu Val Asn Ser Thr Asp Leu Asp Ile 900 905 910 Asp Leu Phe 915 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 cttcctaatg tctgatatac aggat 25 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 tttaagacgc tattcctcaa cttcc 25 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 gttagctggc tagatgaaga gctctccttc 30 <210> 6 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 acgaaagtac gagagacgta gtttgggaag 30 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 ggatttgcct ctgcaactcc t 21 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 atgctgctta agcaacagta 20 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 9 ggccacgcgt cgactagtac gggggggggg 30 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 10 gtcagtacct ggaagtttct c 21 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 11 tgatggactc taaacgcgaa a 21
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、サザンブロット解析を示す電気泳動図
である。
【図2】図2は、T−DNA(レフトボーダー、ライト
ボーダー)の概略を示す図である。
【図3】図3は、プラスミドレスキューで単離されたゲ
ノムDNA断片の概略を示す図である。
【図4】図4は、cDNAライブラリースクリーニング
解析の概略を示す図である。
【図5】図5は、5’RACEによる5’未解読配列の
決定を示す図である。
【図6】(c)は、得られた各cDNA断片の配列と各
断片の関係を示す図である。
【図7】図7は目的遺伝子の塩基配列を示す図である。
【図8】図8は図7の配列の続きを示す図である。
【図9】図9は目的遺伝子の概略を示す図である。
【図10】図10はSN001とColumbia(W
1)との点変異の位置の比較を表わす図である。(a)
野生株と配列を比較して一塩基の違い(大文字で示し
た)が起きていた箇所を示す図である。(b)点変異が
起きたことにより野生株に存在した制限酵素部位(AI
WNI)が変異体では消失したことを示す図である。
(c)確認されたOK001遺伝子におけるSN001
の点変異の位置を示す図である。
【図11】図11は、SN072とCol(W1)との
点変異の位置の比較を表わす図である。(a)野生株と
配列を比較して一塩基の違い(大文字で示した)が起き
ていた箇所を示す図である。(b)点変異が起きたこと
により野生株に制限酵素部位(Tsp509I、TSP
EI)が新たに生成したことを示す図である。(c)実
際に制限酵素処理を行い点変異が起きていることを確認
した電気泳動図である。(d)確認されたOK001遺
伝子におけるSN072の点変異の位置を示す図であ
る。
【図12】図12は、HFR3とCol(W1)との点
変異の位置の比較を表わす図である。(a)野生株と配
列を比較して一塩基の違い(大文字で示した)が起きて
いた箇所を示す図である。(b)点変異が起きたことに
より野生株に制限酵素部位(MnlI)が新たに生成し
たことを示す図である。(c)実際に制限酵素処理を行
って点変異が起きていることを確認した電気泳動図であ
る。(d)確認されたOK001遺伝子におけるHFR
3の点変異の位置を示す図である。
【図13】図13は、OK001遺伝子の持つ機能部位
の位置と変異の位置との関係を示す図である。
【図14】図14は、アミノ酸配列における特異的機能
部位を示す図である。
【図15】図15は、WASPファミリー蛋白質とOK
001蛋白質とのドメイン構造を示す図である。(a)
OK001蛋白質のドメイン構造を示す図である。
(b)WASP、N−WASP蛋白質のドメイン構造を
示す図である。(c)WAVE1、2、3蛋白質のドメ
イン構造を示す図である。
【図16】図16は、野生型と二つの突然変異体それぞ
れの葉の緑度の経時変化を示す図である。
【図17】図17は、野生型と二つの突然変異体それぞ
れの葉の様々な白色光強度における光透過変化を示す図
である。
【図18】図18は、野生型と二つの突然変異体それぞ
れの葉のFv/Fm値の白色光照射時間による変化を示
す図である。
【符号の説明】
1 酸性部位 2 ロイシンジッパー(1) 3 アクチニンモチーフ 4 塩基性部位 5 プロリンリッチ領域 6 ロイシンジッパー(2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 賢洋 愛知県岡崎市六名東町9−1 光マンショ ン402 (72)発明者 末次 憲之 愛知県岡崎市明大寺町中道34 賛栄マンシ ョン304 (72)発明者 及川 和聡 千葉県茂原市下永吉599−8 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD20 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 CD10 CD21 4B024 AA08 BA80 CA04 CA05 CA09 DA01 DA06 EA03 EA04 GA11 GA17 GA21 HA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の蛋白質をコー
    ドする遺伝子。 (a)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を
    有する蛋白質 (b)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列に
    おいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
    付加されたアミノ酸配列を有し、かつ葉緑体光定位運動
    活性を有する蛋白質
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遺伝子の一部又は全部
    を用いることを特徴とする、葉緑体光定位運動遺伝子を
    スクリーニングするための核酸プローブ。
  3. 【請求項3】 以下の(a)又は(b)の蛋白質を欠損
    する葉緑体光定位運動欠損植物。 (a)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を
    有する蛋白質 (b)配列表の配列番号1又は2に示すアミノ酸配列に
    おいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
    付加されたアミノ酸配列を有し、かつ葉緑体光定位運動
    活性を有する蛋白質
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