JP2003337341A - 表示素子およびその製造方法 - Google Patents

表示素子およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示不良が低減された表示素子の提供。 【解決手段】 シール材3を介して、一対の基板1,2
が貼り合わせられ、シール材3および一対の基板1,2
により規定される空間内に液晶組成物が充填された液晶
表示素子4である。シール材3の一部または全部は、少
なくとも光硬化性樹脂を含む硬化性組成物が硬化した硬
化物であり、光示差走査熱量測定による前記光硬化性樹
脂の硬化反応率が90%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子およびそ
の製造方法に関する。本発明の表示素子、例えば液晶表
示素子は、投射型液晶表示装置のライトバルブに用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、対向する電極間に液晶
層を挟み込み、外部信号を各画素に与えて各画素をオン
・オフさせて駆動される。液晶表示素子は、例えば特開
平3-17625 号公報などに記載された方法により製造する
ことができる。具体的には、注入口を有する紫外線硬化
型シール材を基板上に形成し、シール材を介して一対の
基板を貼り合わせる。液晶層を形成する液晶組成物を真
空注入法により注入口からパネル内に注入する。注入口
に紫外線硬化樹脂からなる封口材を塗布し、紫外線硬化
工程を経て封口する。また、真空注入法では、液晶注入
工程に要する時間が長いので、特開昭56-77821号公報、
特開平2-228626号公報等には、注入工程の生産性の向上
とプロセスの簡略化を目指して、液晶パネルに注入口を
設けない滴下注入法を用いた技術が開示されている。
【0003】しかしながら、シール材および封口材は、
液晶組成物と直接触れ合うので、シール材近傍および注
入口近傍において表示不良や焼き付けなどを起こすおそ
れがある。とりわけ、紫外線硬化樹脂を用いた封口工程
では、硬化処理前の未反応樹脂材料が液晶組成物と直接
接するので、樹脂による液晶組成物の汚染などの問題が
ある。その他にも、紫外線硬化樹脂を硬化させる際に照
射する紫外線によって、液晶組成物が光劣化して、注入
口近傍での表示不良が引き起こされる。
【0004】液晶組成物とシール材との接触による課題
を改善する技術が、例えば以下の公報に開示されてい
る。特開平5-265012号公報には、液晶が接するシール材
の部分に被膜を形成することが記載されている。具体的
には、液晶注入口を設けずに、紫外線硬化型シール材を
基板上に形成し、遮光マスクを介してシール材の内側の
みに選択的に紫外線を照射して、被膜を形成する。その
後、シール材の枠内に液晶を滴下し、一対の基板を貼り
合わせた後、紫外線を照射して、シール材を硬化させ
る。
【0005】特開2000-19540には、内側にポリイミド製
シール、外側に紫外線硬化型シールを適用した二重シー
ルを形成することが記載されている。これらの先行技術
では、シール塗布、パネル貼り合わせ工程が煩雑にな
る。また、これらの公報には、紫外線硬化型シールの硬
化条件や反応性についての具体的な記載はない。紫外線
硬化型シールの硬化条件を設定するための適当な指標が
知られていないので、作業者の感や経験に頼らざるを得
ず、パネル駆動時に樹脂材料が液晶層への溶出するのを
確実に抑制することは困難である。
【0006】特開平11-264989 号公報には、紫外線硬化
型シール剤の接着強度を改善する目的で、光照射工程終
了後所定時間を経過した後に、一対の基板間の加圧を解
除することが記載されている。この公報は、シール材料
に対しての本質的な課題である光硬化条件を最適化する
手法については開示していないので、液晶材料とシール
樹脂の混入などの課題は残されたままである。
【0007】液晶材料と封口材との接触による課題を改
善する技術が、例えば以下の公報に開示されている。封
口材を材料面で改良した技術が、特開平7-56178 号公報
や特開2001-290165 に開示されている。前者は、硬化前
の樹脂材料の比抵抗値を規定し、高抵抗値を実現するこ
とで、液晶材料への汚染を抑制することが開示されてい
る。後者は、未硬化の状態で液晶材料と混合した場合、
液晶材料のネマティック相〜等方性液体相間転移温度の
変化が小さい封止材を開示している。この封止材は、液
晶材料との相溶性が低いので、液晶材料が封止材により
汚染され難い。未硬化の封止樹脂材料は、液晶材料と直
接接するだけでなく、紫外線硬化過程を経て処理される
ので、材料的には高い比抵抗値を実現し、液晶材料との
相溶性を下げることが重要である。しかしながら、材料
面だけでは注入口付近の表示不良や経時不良を改善する
ことは困難であり、紫外線照射に伴う化学反応等を制御
したパネルの構造面やプロセス面などの対策がきわめて
重要になる。
【0008】パネル構造面での改善策が、特開平9-9038
8 号公報や特開2001−66613 に開示されている。前者
は、液晶注入口に壁部を形成することで、注入口封止時
における液晶のUV曝露を低減することか開示されてい
る。後者は、封止部材を紫外線が液晶注入口付近に集束
されない形状にすることで、注入口付近の表示不良を低
減することが開示されている。しかしながら、パネル構
造面の改善だけでは、紫外線露光時の制御が十分にでき
ず、硬化反応に局所的なムラが発生する。したがって、
紫外線硬化反応を伴う液晶封止材の特性を十分に引き出
す、あるいは液晶材料と接する未反応樹脂成分に起因し
た表示不良を解決することは困難である。
【0009】近年、液晶表示素子では、高速応答化、広
視野角化、高コントラスト化等の表示性能の高性能化が
要望されている。加えて信頼性向上のために、液晶材
料、配向膜材料および封止樹脂を含めた改善が重要とな
っている。さらに、透過型の液晶表示装置だけでなく、
投射型液晶表示装置などでも高輝度化が急速に進展して
いる。したがって、これまで以上に信頼面での問題を解
決することが重要となり、中でも表示不良の問題で主要
因となっている、シール材近傍および注入口近傍の液晶
配向ムラの対策が強く求められている。
【0010】一方、有機EL(エレクトロルミネッセン
ス)素子は、酸素や水分に弱いので、有機材料の変質、
膜剥がれ、ダークスポット(非発光部)の成長などの現
象が表れ、結果として寿命が短いという問題がある。こ
の問題を解決するために、例えば特開平11−2141
52号公報には、一対の基板の空隙に有機EL構造体を
配置し、光硬化型接着剤を用いて、有機EL構造体を密
閉することが開示されている。また、特開2001−1
26866は、一対の基板間に光硬化性樹脂層を介して
有機EL素子が封止された有機EL表示装置を開示して
いる。
【0011】しかしながら、光硬化型接着剤や光硬化性
樹脂の硬化が不十分な場合、外部から進入する酸素や水
分により、有機EL構造体が劣化するおそれがある。ま
た、未反応成分が接着剤や樹脂中に残存することによ
り、あるいは低分子量の樹脂成分や分解物のガス成分等
が発生することにより、有機EL構造体の特性劣化が懸
念される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表示不良が
低減された表示素子の提供を主な目的とする。また、本
発明の他の目的は、使用に伴う表示品位の劣化が防が
れ、信頼性に優れた表示素子の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の表示素子は、シ
ール材を介して、一対の基板が貼り合わせられ、前記シ
ール材および前記一対の基板により規定される空間内に
表示媒体層が形成された表示素子であって、前記シール
材の一部または全部は、少なくとも光硬化性樹脂を含む
硬化性組成物が硬化した硬化物であり、光示差走査熱量
測定による前記光硬化性樹脂の硬化反応率が90%以上
である。「表示媒体層」とは、互いに対向する電極間の
電位差により光透過率が変調される層、または互いに対
向する電極間を流れる電流により自発光する層である。
表示媒体層は、例えば液晶層、無機または有機EL層、
発光ガス層、電気泳動層、エレクトロクロミック層など
である。なお、本明細書では、硬化性組成物をシール樹
脂とも呼ぶ。
【0014】前記光硬化性樹脂を所定の照度で処理した
ときの前記硬化反応率が90%および100%を与える
時間を各々Tr90およびTr100 と規定し、前記光硬化
性樹脂の光硬化処理時間Tとした場合、前記光硬化性樹
脂は、Tr90≦T≦1. 3×Tr100 の条件で光硬化処
理されていることが好ましい。
【0015】前記硬化性組成物は、熱硬化性樹脂をさら
に含んでいても良い。言い換えれば、硬化性組成物は、
完全紫外線硬化型のシール樹脂だけでなく、紫外線/熱
硬化併用型のシール樹脂であっても良い。紫外線/熱硬
化併用型のシール樹脂を用いる場合には、紫外線硬化の
条件に関して、本発明で規定した好適な設定を適応する
ことが効果的である。
【0016】前記シール材は、開口部を有するシールパ
ターンで形成されたメインシール材と、前記開口部を封
止するエンドシール材とから構成され、前記メインシー
ル材および/または前記エンドシール材は前記硬化物で
あっても良い。以下、特に断わりのない限り、シール材
は、メインシール材とエンドシール材(封止材)とを包
含する。
【0017】本発明の表示素子の製造方法は、シール材
を介して、一対の基板が貼り合わせられ、前記シール材
および前記一対の基板により規定される空間内に表示媒
体層が形成され、前記シール材の一部または全部は、少
なくとも光硬化性樹脂を含む硬化性組成物が硬化した硬
化物である表示素子を製造する方法であって、前記一対
の基板のうちいずれか一方の基板上に、所定のシールパ
ターンを有する前記シール材を形成する工程と、前記シ
ール材を硬化させる工程とを含み、前記シール材を硬化
させる工程は、光示差走査熱量測定による前記光硬化性
樹脂の硬化反応率が90%以上となるように、前記光硬
化性樹脂を光硬化処理する工程を有する。
【0018】前記光硬化性樹脂を所定の照度で処理した
ときの前記硬化反応率が90%および100%を与える
時間を各々Tr90およびTr100 と規定し、前記光硬化
性樹脂の光硬化処理時間Tとした場合、Tr90≦T≦
1. 3×Tr100 の条件で、前記光硬化性樹脂を光硬化
処理することが好ましい。
【0019】前記シール材を硬化させる工程は、熱硬化
性樹脂をさらに含む前記硬化性組成物を光硬化処理する
工程と、光硬化処理の後に熱硬化処理する工程を有して
いても良い。
【0020】前記シール材は、開口部を有するシールパ
ターンで形成されたメインシール材と、前記開口部を封
止するエンドシール材とから構成され、前記メインシー
ル材および/または前記エンドシール材は、前記硬化性
組成物である、表示素子を製造する方法であって、前記
一方の基板上に、前記メインシール材を形成する工程
と、前記メインシール材を介して、前記一対の基板を貼
り合わせた後、前記メインシール材を硬化させる工程
と、硬化した前記メインシール材の前記開口部から表示
媒体を注入する工程と、前記開口部に前記エンドシール
材を形成する工程と、前記エンドシール材を硬化させる
工程とを含み、前記メインシール材を硬化させる工程お
よび/または前記エンドシール材を硬化させる工程は、
前記光硬化処理工程を有していても良い。
【0021】あるいは、前記一方の基板上に、閉じたシ
ールパターンを有する前記シール材を形成する工程と、
前記閉じたシールパターン枠内に、前記表示媒体組成物
を滴下する工程と、前記シール材を介して、前記一対の
基板を貼り合わせた後、前記シール材を硬化させる工程
とを含んでいても良い。
【0022】本発明の投射型液晶表示装置は、光源と、
前記光源からの光束を互いに異なる色の複数の色光束に
分離する色分離光学系と、前記色分離光学系によって分
離された複数の色光束のそれぞれに対応して配置された
複数の液晶表示素子と、前記複数の液晶表示素子のそれ
ぞれによって変調された前記複数の色光束を合成する色
合成光学系と、前記色合成光学系によって合成された前
記複数の色光束を投影する投影光学系とを備える投射型
液晶表示装置であって、前記複数の液晶表示素子のうち
少なくとも1つの液晶表示素子は、本発明の表示素子で
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、液晶表示素子を例にして、
本発明の表示素子を説明する。本発明では、光硬化性樹
脂の硬化反応での処理条件を熱解析から数値化して求
め、最適条件で光硬化処理することで、硬化性組成物中
の反応性成分を所望の状態で硬化させると共に、硬化物
の設計通りの強度と性能を達成させている。具体的に
は、光照射時の熱解析を通じて反応率を算定すること
で、光硬化性樹脂材料の硬化反応に適した条件を規定し
ている。これにより、信頼性に優れ、かつ駆動時の表示
不良を引き起こさない液晶表示素子が実現される。
【0024】一般的に、シール材や封止材が液晶組成物
に直接接することによって、表示不良や信頼性不良が、
シール材近傍や封止材近傍に発生する。例えば、液晶
パネル内気泡の発生、液晶配向の乱れ、映像のにじ
みやコントラスト低下、シール強度不足や剥離などで
ある。これらの不良を解消して、信頼性に優れた硬化物
を得るためには、樹脂材料の観点からは、未反応の樹
脂成分と液晶組成物との相溶性が低いこと、単体での
比抵抗値が高いこと、イオン性の不純物濃度が低いこ
とが望まれる。光硬化反応の観点では、硬化反応が完結
する条件を定量解析することで、最適な硬化条件を規定
することが求められる。しかしながら、硬化反応が完結
する条件を定量解析するための手法が知られていないの
で、従来は最適な硬化条件を規定することができなかっ
た。
【0025】本発明では、光硬化性樹脂の硬化反応が完
結する条件を定量解析するための手法として、光示差走
査熱量〔以下、光DSC(Differential Scanning Calo
rimeter )ともいう。〕解析を適用する。例えば、紫外
線硬化樹脂は、反応性の二重結合を持つオリゴマー成分
やモノマー成分と、紫外線反応開始剤、安定剤などから
構成されている。紫外線露光時には、図6に示すよう
に、紫外線反応開始剤が紫外線のエネルギーを吸収して
反応活性なラジカルとなり(開始反応)、オリゴマーや
モノマーなどの反応活性点(反応性二重結合部位)に作
用する。二重結合の開裂と重合鎖が進行し、架橋構造化
する(重合・成長反応)。最終的にはラジカルが失活
し、反応が完結して重合硬化物が形成される(停止反
応) 。反応性の二重結合が開裂して重合が進行する際に
熱が発生する。光DSC(光反応熱)解析では、この発
熱量を熱分析することにより、紫外線反応挙動を逐次定
量的に解析できる。光DSC解析は、赤外分光(IR)
法など他の解析手法に比べて光反応過程の追跡が容易で
あり、しかも高精度の分析が可能である。
【0026】液晶表示素子では、シール材が反応性の硬
化物から構成され、液晶組成物や配向膜と接している。
硬化処理工程がある程度完結していない場合には、系中
(樹脂中)に反応活性な樹脂成分が残存する。硬化不足
の状態でシール形成した液晶表示素子では、長期駆動に
より、大部分のパネルにおいてシール周辺の表示ムラが
確認される。また、封止樹脂は、液晶組成物の注入後に
直接、未反応の液体状態で接するだけでなく、封止樹脂
の成分が化学反応を導く反応性成分で構成されているこ
とから、硬化処理工程がある程度完結していない場合に
は、系中に反応活性な樹脂成分が残存することになる。
紫外線硬化不足の状態で封口した液晶表示素子では、シ
ール材の場合と同様に、長期駆動試験や加速信頼性評価
をした場合に、大部分のパネルにおいて注入口近傍に表
示ムラが確認される。表示不良が認められる液晶パネル
の液晶組成物の成分分析を行ったところ、樹脂成分に起
因する不純物が検出された(図9(a)および(b)参
照)。このことから、樹脂材料の残存と液晶層への溶出
が表示不良の要因であることが確認された。
【0027】一方、硬化反応を完結させる目的で、過剰
量の紫外線露光処理を施した場合には、シール材周辺や
注入口近傍における液晶層や配向膜にもUV光が輻射さ
れて、液晶組成物や配向膜の変質や劣化による特性変化
が懸念される。紫外線による材料の劣化に関しても、液
晶パネルから表示不良部の液晶材料を採取し、GC/M
S(ガスクロ/Mass)解析を行うことで、劣化物の
検出および同定が可能である。これにより、過剰量のU
V光照射がシール材周辺や注入口近傍における表示不良
の要因となることも確かめられた。
【0028】以上のことから、硬化処理工程と同等の条
件での硬化反応率を規定することは、信頼性の改善を達
成する観点からは極めて有効であることが理解される。
本発明に従うと、液晶表示素子のシール材や封止材の硬
化に適した条件を規定できる。したがって、これまで経
験的にしか設定されていなかった硬化工程の管理が可能
となるばかりでなく、液晶表示素子の駆動時における未
反応樹脂材料等の溶出などを防ぎ、信頼性の大幅な改善
が可能となる。
【0029】本発明によれば、シール材の加工での露光
処理にかかわる条件を最適化することが可能となり、最
適な露光条件を設定して処理することで、シール材周辺
部を中心にして発生する配向不良を効果的に抑制するこ
とができる。
【0030】最適な硬化条件にて処理・形成した硬化物
を有する液晶表示素子では、パネル駆動時に硬化物から
未反応物が液晶層へ溶出することがない。また、シール
材の接着強度が十分であるので、シール材が剥がれて、
液晶セル内に気泡が発生するおそれもない。さらに、露
光時の過剰なUV光などによる液晶組成物や配向膜への
劣化を防ぐことができる。したがって、大幅な信頼性の
改善を達成した液晶表示素子および投射型液晶表示装置
を実現させることが期待できる。
【0031】さらに、本発明の液晶表示素子の製造方法
に従えば、従来はパネルのシール硬化工程で経験的に行
われていた硬化処理条件を最適な条件に規定できる。こ
れにより、信頼性と効率の改善を図ることが可能とな
る。
【0032】以下、図面を参照しながら本発明による実
施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、薄膜ト
ランジスタ(TFT)を用いた液晶表示素子を例にして
説明するが、本発明の表示素子は、TFT以外にもMI
M(Metal Insulator Metal)、BTB(バックツーバッ
クダイオード)、ダイオードリング、バリスタまたはプ
ラズマスイッチング等を用いたアクティブマトリクス型
やパッシブマトリクス型の液晶表示素子に適用すること
もできる。また、以下では、透過型液晶表示素子を例に
本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限られ
ず、反射型液晶表示素子や、透過反射両用型液晶表示素
子にも適用することができる。
【0033】〔実施形態1〕図1は、実施形態1の液晶
表示素子を模式的に示す平面図である。図1を参照しな
がら本実施形態の液晶表示素子を説明する。
【0034】本実施形態の液晶表示素子は、マトリクス
状に配列された複数のTFT素子および絵素電極が形成
された素子基板1と、素子基板1の絵素電極に対向する
対向電極が設けられた対向基板2とを有する。具体的に
は、素子基板1は、素子基板1の一方面上に形成された
導電性のタンタルからなるゲート配線と、ゲート配線上
に形成された窒化シリコン膜と、窒化シリコン膜上に形
成され、ゲート配線と交差するソース配線と、交差部に
形成されたTFT(薄膜トランジスタ)からなるスイッ
チング素子と、スイッチング素子を介して電気的に接続
され、透明導電性膜であるITO(Indium Tin Oxide、
酸化インジウムおよび酸化スズの混合物)からなる絵素
電極と(いずれも図示せず)を有する。さらに、これら
の上に、ラビング法によって配向処理が施された、ポリ
イミドからなる配向膜を設けることによって、素子基板
1が形成される。
【0035】対向基板2は、基板上に形成されたITO
からなる対向電極を有する。素子基板1および対向基板
2は、いずれもプラスチック基板またはガラス基板であ
る。
【0036】素子基板1と対向基板2とは、それぞれの
電極(絵素電極と対向電極)面が向かい合い、かつ対向
基板2の二辺が素子基板1の二辺と面一となるように、
所定のシールパターンを有するメインシール材3によっ
て、貼り合わされている。メインシール材3は、対向基
板2の端部近傍の内側を、対向基板2の各辺に沿って形
成されている。両基板1,2間のメインシール材3で囲
まれた液晶注入領域には、プラスチックビーズからなる
スペーサが散布されている。以下、貼り合わされた状態
の素子基板1および対向基板2を「貼り合わせ基板4」
ともいう。
【0037】貼り合わせ基板4の面一な一辺の中央付近
には、略矩形状の注入口(開口部)5が形成されてい
る。注入口5は、メインシール材3の一部が屈曲し、貼
り合わせ基板4の一辺端部まで外方向に延びて形成され
ている。両基板1,2間に設けられた注入口5から液晶
組成物が注入されて、両基板1,2間に液晶層6が形成
され、液晶表示素子の表示領域が形成される。また、貼
り合わせ基板4の端面には、注入口5を覆うエンドシー
ル材(封止材)7が形成されている。
【0038】(シール材料)メインシール材3およびエ
ンドシール材(封止材)7の材料について説明する。シ
ール材3,7は、少なくとも光硬化性樹脂を含む硬化性
組成物が硬化した硬化物である。光硬化性樹脂として
は、基板1,2との密着性に優れ、光化学反応にて効率
よく重合硬化反応が進行し、かつ硬化速度が比較的速
く、液晶組成物に溶解しない材料系が好ましい。例え
ば、紫外線硬化型アクリル系樹脂、ウレタン変性アクリ
ル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ系樹脂な
どが適用できる。硬化性組成物は、アクリル、メタクリ
ル系などの単量体モノマーやオリゴマー(多官能および
単官能樹脂)を主剤として含み、他に重合開始剤、促進
剤、安定剤などが好適な割合で混合されている。また、
シール強度を高めて、耐環境信頼性を改善する目的で、
熱硬化性樹脂をさらに含む光硬化/加熱併用型シール樹
脂を用いることもできる。一般に、エポキシ系樹脂を主
体とした従来の熱硬化型シール材に比べて、光硬化型お
よび光/熱硬化併用型シール材では、短時間硬化が可能
で、加熱時の熱ストレスによる基板への影響が少ない。
したがって、高精細パネルへの展開が容易である。さら
に液晶表示素子のシール樹脂としては、高抵抗値(1×
1010Ω・cm以上)を有するシール樹脂が好ましく、樹
脂内の残留不純物イオン濃度もできるだけ低く、数pp
m以下に設計することが望ましい。また、樹脂や硬化物
から液晶組成物への溶出や混合の悪影響を防止するため
には、樹脂材料の吸水性や透湿度を低く設計することが
好ましい。
【0039】なお、メインシール材3およびエンドシー
ル材7のうちいずれか一方に、エポキシ系樹脂などの熱
硬化型シール材を用いても良い。また、光硬化性樹脂
は、紫外線硬化型に限らず、可視光硬化型の樹脂であっ
ても良い。
【0040】(硬化反応率の解析)光硬化性樹脂の光硬
化反応率定量や光反応過程の解析には、光DSCを用い
た解析が非常に有効である。光DSCによれば、光重合
反応過程を連続的に、言い換えれば、紫外線反応挙動を
逐次定量的に解析することができる。シール材について
も、硬化工程での光照射条件に設定することで、硬化反
応の最適な条件を精度良く算定できる。
【0041】本発明では、メインシール材3やエンドシ
ール材7の光硬化反応率を定量するために、または最適
な光硬化条件を設定するために、光DSCによる光反応
過程の解析を行う。さらに、光硬化に過不足が起こった
状態の硬化物の同定や解析は、複合的に行うことができ
る。例えば、液晶組成物に混入した樹脂成分のGC/M
S(ガスクロ/Mass)解析による同定、光硬化した
樹脂を熱分析もしくは定量分析することによるTg(ガ
ラス転移温度)または重合度の測定などにより、複合的
に同定や解析が可能である。
【0042】光DSC解析での代表的な解析例について
説明する。光DSCの解析条件は、使用する樹脂材料の
材料設計や液晶パネルの製造工程で用いる装置の条件
(ランプの種類、波長や強度)に合わせて設定すること
が好ましい。例えば、エンドシール材7では、封止樹脂
の硬化工程で用いられるランプと同様の高圧水銀ランプ
を用い、室温(25℃)にてi線(365nm)での強
度を35mW/cm 2に設定して、光DSC解析を行う
ことができる。メインシール材3では、シール樹脂の硬
化工程で用いられるランプと同様の高圧水銀ランプを用
い、室温(25℃)にてi線(365nm)での強度を
100mW/cm 2に設定して、光DSC解析を行うこ
とができる。メインシール材3は、基板越しに紫外線が
照射されるので、光DSC解析においても基板越しに解
析を行う。
【0043】本発明では、光DSC法によりシール樹脂
材料の光反応率を求め、樹脂材料の光重合・硬化反応の
進行をほぼ完結させることにより、最適な条件を規定し
ている。具体的には、光DSC解析による光硬化性樹脂
の硬化反応率が90%以上となる条件にて、光硬化性樹
脂を光硬化処理する。これにより、シール樹脂の光重合
をほぼ完結させて、効率よく硬化物を加工・作製するこ
とができ、メインシール材3やエンドシール材7の近傍
に発生する表示不良を解決することができる。
【0044】硬化反応率は、上記の光DSC解析に基づ
き、光硬化反応の解析図からシール樹脂の硬化反応率と
して求めることができる。特に、シール材の光硬化処理
は、各種電極等が積層された基板越しで行われるので、
パネルの設計や工程の条件に合わせた解析が重要にな
る。図7に、紫外線硬化型封止樹脂の紫外線硬化反応時
における熱挙動解析チャートの一例を示す。さらに、紫
外線反応時の熱挙動解析を基にしてUV硬化反応率を算
出した解析チャートを図8に示す。
【0045】硬化反応率が90%よりも低い場合には、
光重合反応が十分に完結していない状態であり、反応系
中に未反応の状態で光重合開始剤や反応活性な樹脂成分
が残存している。したがって、液晶表示素子の駆動時
に、未反応樹脂成分が液晶層へ溶出して、シール周辺の
表示ムラが顕著になる。また、シール材の接着強度が不
足し、シール材が剥がれて、液晶セル内に気泡が発生す
るおそれもある。
【0046】理想的な硬化反応率は100%である。但
し、透明な光硬化型樹脂を用いた場合に、90%以上の
反応率に到達すると、樹脂表層および内部のほぼ全域で
架橋・硬化反応が進行することになり、樹脂表面の未硬
化成分によるベトつき、吸湿、透湿、ひび割れなどがな
いことが確認された。したがって、本発明では、硬化反
応率を90%以上に設定する。
【0047】また、光硬化性樹脂を所定の照度で処理し
たときの硬化反応率が90%および100%を与える時
間を各々Tr90およびTr100 と規定し、光硬化性樹脂
の光硬化処理時間Tとした場合、光硬化性樹脂は、Tr
90≦T≦1. 3×Tr100 の条件で光硬化処理されてい
ることが望ましい。言い換えれば、シール樹脂の硬化反
応率が90%以上となる時間を処理時間の下限にすると
共に、硬化反応率100%を与える時間の1.3倍の時
間を光硬化反応処理時間の上限に規定することが望まし
い。光硬化処理時間が上限値を超えて、過剰な紫外線が
液晶パネルに照射された場合には、シール樹脂の劣化や
変質が誘起され、シール周辺の表示不良の要因となる。
【0048】本発明では、シール材に対して最適な光硬
化処理条件を規定することにより、液晶表示素子のシー
ル材周辺部に発生する表示不良を解決することができ
る。最近の液晶表示素子では、高精細化・高開口率や狭
額縁化に伴うシール部の設計マージンの低下が認められ
る。一方、投射型液晶表示装置では超高輝度化への開発
が急務である。これらの実情により、液晶パネルの信頼
性や耐光性の大幅な改善が要求され、本発明によるシー
ル周辺部の表示不良の防止は極めて有効な手段となる。
【0049】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造方
法について説明する。まず、一対の基板のうち一方の基
板に、フォトリソ法により、TFT素子、絵素電極、ゲ
ート配線およびソース配線を形成する。同様にして、他
方の基板に、ITOからなる対向電極を形成する。両基
板のそれぞれに、ラビング法によって配向処理が施され
た、ポリイミドからなる配向膜を設けることによって、
素子基板1および対向基板2が形成される。なお、素子
基板1または対向基板2のうちいずれか一方の基板に、
カラーフィルタを形成しても良い。
【0050】素子基板1または対向基板2のうちいずれ
か一方の基板上に、開口部5を有するシールパターンの
メインシール材3を塗布する。メインシール材3の塗布
は、ディスペンサ法や転写印刷法などにより行うことが
できる。メインシール材3を塗布した後、メインシール
材3を介して、両基板1,2を貼り合わせる。高圧水銀
ランプを用いて、基板越しに紫外線を照射する。Tr90
≦T≦1. 3×Tr100 の照射条件にて紫外線を照射す
ることにより、メインシール材3が90%以上の反応率
(光DSC解析)で硬化する。これにより、両基板1,
2が接着されて、貼り合わせ基板4が形成される。
【0051】開口部5から貼り合わせ基板4(空セル)
内に液晶組成物を注入して、液晶層6をセル内に形成す
る。液晶組成物の注入は、ディップ式(汲み上げ式)や
ディスペンサ式(滴下式)などにより行うことができ
る。液晶組成物を注入した後、開口部5にエンドシール
材7を塗布する。エンドシール材7の塗布は、ディスペ
ンサ法により行うことができる。エンドシール材7を塗
布した後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射す
る。Tr90≦T≦1. 3×Tr100 の照射条件にて紫外
線を照射することにより、メインシール材3が90%以
上の反応率(光DSC解析)で硬化する。以上の工程を
経て、本実施形態の液晶表示素子が製造される。
【0052】本実施形態によれば、液晶表示素子のシー
ル材3,7に対する紫外線露光処理の条件を最適化する
ことができる。最適な紫外線露光条件を設定して処理す
ることで、シール材3の周辺および注入口5付近を中心
にして発生する配向不良を効果的に抑制できる。シール
樹脂を最適な硬化条件にて処理・形成した硬化物を有す
る液晶表示素子では、パネル駆動時にシール樹脂から未
反応物が液晶層へ溶出することが抑制される。
【0053】また、紫外線露光時の過剰なUV光による
液晶組成物や配向膜への劣化を防ぐことができる。した
がって、信頼性の大幅な改善を達成した液晶表示素子の
実現が期待できる。さらに、従来は経験的に行われてい
た、紫外線樹脂の硬化処理に最適な条件を規定できるの
で、信頼性と効率の改善を図ることが可能となる。
【0054】〔実施形態2〕図2は、本実施形態の液晶
表示素子を模式的に示す平面図である。図2を参照しな
がら本実施形態の液晶表示素子を説明する。なお、図2
においては、実施形態1の液晶表示素子と実質的に同じ
機能を有する構成要素を共通の参照符号で示し、その説
明を省略する。
【0055】本実施形態の液晶表示素子は、開口部がな
いシールパターン、言い換えれば閉じたシールパターン
を有するシール材13が形成されている点で、開口部5
を有するシールパターンのシール材3が形成された実施
形態1の液晶表示素子と異なる。
【0056】本実施形態の液晶表示素子の製造方法につ
いて説明する。なお、素子基板1および対向基板2は、
実施形態1と同様にして製造することができるので、そ
の説明を省略する。素子基板1または対向基板2のうち
いずれか一方の基板上に、閉じたシールパターンを有す
るシール材13を塗布する。シール材13の塗布は、デ
ィスペンサ法や転写印刷法などにより行うことができ
る。閉じたシールパターン枠内に、液晶組成物を滴下す
る。液晶組成物を滴下した後、一対の基板1,2を貼り
合わせる。
【0057】高圧水銀ランプを用いて、基板越しに紫外
線を照射する。Tr90≦T≦1. 3×Tr100 の照射条
件にて紫外線を照射することにより、シール材13が9
0%以上の反応率(光DSC解析)で硬化する。これに
より、両基板1,2が接着されて、貼り合わせ基板4が
形成されるとともに、液晶層6が形成される。
【0058】本発明の製造方法は、滴下注入法などの近
年開発された液晶パネルの製造プロセスにも有効に適用
できることが確かめられた。これまで信頼面で抱えてい
た課題を解決でき、工程の短縮と生産性の向上に寄与で
きることが期待される。
【0059】〔実施形態3〕本発明の表示素子は、実施
形態1および2で示した液晶表示素子に限らず、有機E
L表示素子にも適用できる。図3は、実施形態3の有機
EL表示素子を模式的に示す断面図である。本実施形態
の有機EL素子は、基板11と、基板11上に設けられ
た有機EL構造体12と、有機EL構造体12上に所定
の空隙を有するように配置された封止板14と、有機E
L構造体12を囲み、基板11および封止板13ととも
に有機EL構造体12を密閉するためのシール材13と
を有する。なお、シール材13中には、粒状またはファ
イバー状のスペーサが分散されている。スペーサによっ
て、基板11と封止板14との間の距離や有機EL構造
体12と封止板14との間の距離が所定の距離に維持さ
れる。
【0060】有機EL構造体12は、ホール注入電極1
5と、1種または2種以上の有機層16と、電子注入電
極17とが順次積層された構造を有する。有機層16
は、少なくとも1層のホール輸送層および発光層を有す
る。なお、ホール輸送層はなくても良い。また、電子注
入電極17上に保護電極を設け、さらに保護電極上に保
護膜を設けても良い。
【0061】本実施形態の有機EL素子の製造方法につ
いて説明する。ガラスやプラスチックからなる基板11
上に、有機EL構造体12を形成する。有機EL構造体
12を構成する各材料や製造方法は、特に限定されず、
既知の技術を採用することができる。例えば特開平11
−214152号公報を参照することができる。
【0062】基板1上に、閉じたシールパターンを有す
るシール材13を塗布する。シール材13の塗布は、デ
ィスペンサ法や転写印刷法などにより行うことができ
る。シール材13を塗布した後、一対の基板を貼り合わ
せる。高圧水銀ランプを用いて、基板越しに紫外線を照
射する。Tr90≦T≦1. 3×Tr100 の照射条件にて
紫外線を照射することにより、シール材13が90%以
上の反応率(光DSC解析)で硬化する。これにより、
両基板11,14がシール材13を介して接着される。
【0063】本実施形態の有機EL素子によれば、シー
ル材13に対する紫外線露光処理の条件を最適化するこ
とができる。最適な紫外線露光条件を設定して処理する
ことで、シール材13を介して、外部から酸素や水分が
進入するのを十分に阻止することができる。また、未反
応成分がシール材13中に殆ど残存せず、低分子量の樹
脂成分や分解物のガス成分等が発生するのを低減するこ
とができる。したがって、有機層16の変質、膜剥が
れ、ダークスポットの成長などを防ぎ、有機EL構造体
12の特性が長期間維持される。
【0064】本実施形態では、シール材13は閉じたシ
ールパターンを有するが、実施形態1で説明した、開口
部を有するメインシール材であっても良い。例えば、封
止板14と有機EL構造体12との空間内に、シリコン
オイルなどの不活性液体を充填する場合には、開口部か
らシリコンオイルを注入することができるので、開口部
を有するメインシール材を形成することは、製造上有益
である。なお、メインシール材の開口部は、実施形態1
と同様に、エンドシール材(封止材)にて封止する。
【0065】〔実施形態4〕図4は、他の実施形態の有
機EL表示素子を模式的に示す断面図である。なお、図
4においては、実施形態3の有機EL表示素子と実質的
に同じ機能を有する構成要素を共通の参照符号で示し、
その説明を省略する。
【0066】本実施形態の有機EL素子は、基板11
と、基板11上に設けられた有機EL構造体12と、有
機EL構造体12を囲み、かつ有機EL構造体12を覆
うシール材13と、シール材13を介して有機EL構造
体12上に配置された封止板14とを有する。すなわ
ち、本実施形態の有機EL素子は、有機EL構造体12
を囲むシール材23が、有機EL構造体12を覆ってい
る点で、有機EL構造体12がシール材13で覆われて
いない実施形態3の有機EL表示素子と異なる。
【0067】本実施形態で用いられる光硬化性樹脂は、
溶剤などの揮発成分が少ないものが好ましい。例えば、
アクリル系やエポキシ系の光硬化性樹脂である。さら
に、吸水性の小さなエポキシ系の光硬化性樹脂が好まし
い。
【0068】本実施形態の有機EL素子の製造方法を簡
潔に説明する。まず、実施形態3と同様にして、基板1
1上に有機EL構造体12を形成する。有機EL構造体
12をシール材23で被覆する。シール材23による被
覆は、印刷法、スピンコート法、スプレー法、滴下法な
どにより行うことができる。気泡が内部に入らないよう
にシール材23を介して封止板14を貼り合わせる。
【0069】封止板14を貼り合わせた後、高圧水銀ラ
ンプを用いて、基板越しに紫外線を照射する。Tr90≦
T≦1. 3×Tr100 の照射条件にて紫外線を照射する
ことにより、シール材23が90%以上の反応率(光D
SC解析)で硬化する。これにより、両基板11,14
がシール材23を介して接着されるとともに、シール材
23により有機EL構造体12が保護される。
【0070】本実施形態の有機EL素子によれば、有機
EL構造体12がシール材23で覆われているので、外
部環境に曝されない。また、未反応成分がシール材23
中に殆ど残存せず、低分子量の樹脂成分や分解物のガス
成分等が発生するのを低減することができる。したがっ
て、有機EL構造体12の特性が長期間維持される。さ
らに、実施形態3の場合と異なり、両基板11,14間
の空間に不活性ガスや不活性液体を充填する必要がない
ので、製造工程が簡略化される。
【0071】〔実施形態5〕図5に、本発明による液晶
表示素子を備えた投射型液晶表示装置(プロジェクタ)
を模式的に示す。投射型液晶表示素子1000は、ラン
プ光源120を含む照明光学系100と、ランプ光源1
20からの光束(白色光束)を赤,緑,青の3原色の色
光束に分離する色分離光学系200と、反射ミラー20
6を含むリレー光学系220と、赤,緑,青の3原色の
光路に対応して配置された3つの液晶ライトバルブ30
0R,300G,300Bと、クロスダイクロイックプ
リズム522を含む色合成光学系520と、投影レンズ
542を含む投影光学系540とを備えている。
【0072】照明光学系100から出射された光(白色
光束)は、ダイクロイックミラー232を含む色分離光
学系200によって、赤(R),緑(G),青(B)の
3原色の色光束に分離される。色分離光学系200によ
って分離された色光束のそれぞれは、色光束のそれぞれ
に対応して液晶ライトバルブ300R,300G,30
0Bに入射する。液晶ライトバルブ300R,300
G,300Bは、実施形態1または実施形態2に示した
本発明による液晶表示素子である。各色光束は、液晶ラ
イトバルブ300R,300G,300Bによって、画
像情報に応じて変調される。変調された各色光束は、色
合成光学系520のクロスダイクロイックプリズム52
2によって合成される。その後、投影レンズ542を含
む投影光学系540によってスクリーン500上に投影
されて、カラー画像が投影表示される。
【0073】本発明による液晶表示素子は、シール材の
周辺および/または注入口付近を中心にして発生する配
向不良が効果的に抑制され、長期駆動による信頼性が大
幅に改善され、特に高い耐光性を要求される液晶ライト
バルブに好適である。本実施形態の投射型液晶表示装置
は、液晶ライトバルブに本発明による液晶表示素子が用
いられているので、長期駆動による信頼性の大幅な改善
が期待できる。
【0074】なお、本実施形態では、3つの液晶ライト
バルブ300R,300G,300Bがいずれも、実施
形態1または実施形態に示した液晶表示素子であるが、
3つの液晶ライトバルブのうち少なくとも1つの液晶ラ
イトバルブが本発明の液晶表示素子であれば良い。例え
ば、青(B)に対応する液晶ライトバルブ300Bは、
高い照射エネルギーを受けて、シール近傍で微小気泡が
発生し易いので、青の液晶ライトバルブ300Bにの
み、本発明の液晶表示素子を適用しても良い。
【0075】本実施形態では、色分離光学系200が、
白色光束を赤,緑,青の色光束に分離する場合について
説明したが、白色光束をシアン,マゼンタ,イエローの
色光束に分離する色分離光学系を用いても良い。また、
照明光学系100から出射された光を互いに異なる4色
以上の色光束に分離する色分離光学系を用いても良い。
【0076】本実施形態では、クロスダイクロイックプ
リズム522とダイクロイックミラー232とを用いる
3板式(3つの液晶ライトバルブを用いる方式)につい
て説明した。しかし、クロスダイクロイックプリズムを
用いずに、ダイクロイックミラーによって各色光束を合
成する3板式に適用することもできる。また、本発明の
投射型液晶表示装置は、複数の液晶表示素子を用いる
が、本発明の液晶表示素子を単板式の投射型液晶表示装
置に適用することもできる。例えば、赤(R),緑
(G),青(B)の3原色のマイクロカラーフィルタを
重ね合わせた1つのカラー液晶素子を用いる方式、1つ
の白黒型液晶素子と3原色のダイクロイックミラーとマ
イクロレンズアレイとを用いる方式などが挙げられる。
【0077】本実施形態の投射型液晶表示装置は、スク
リーンの手前から投写するフロント投写方式であるが、
反射ミラーを用いてスクリーンの背面から投写するリア
投写方式に適用することができる。
【0078】本実施形態に用いられた液晶表示素子は、
アクティブマトリクス型電気書き込み方式により情報の
書き込みが行われる。しかし、本発明の液晶表示素子
は、単純マトリクス型電気書き込み方式、光書き込み方
式、熱(レーザ)書き込み方式の液晶表示素子であって
も良い。
【0079】上記の実施形態1および2では、TFT基
板を用いた液晶表示素子について、実施形態3および4
では、有機EL素子について、それぞれ説明した。本発
明の表示素子は、液晶表示素子や有機EL素子に限ら
す、無機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル
(PDP)、真空蛍光表示(VFD)素子、電子ペーパ
ーなどの各種表示素子にも適用できる。
【0080】〔試験例1〕次に、本発明の具体的な試験
例を示す。試験例1の液晶表示素子は、TNモードの単
純マトリクス型の液晶表示素子である。まず、厚さ約5
0nmのITO(酸化インジウムと酸化スズの混合物)
層からなる透明電極がそれぞれ形成された一対のガラス
基板を用意した。一方の基板に形成された透明電極は、
ストライプ状の列電極(信号電極)であり、他方の基板
に形成された透明電極は、ストライプ状の行電極(走査
電極)である。両方の基板に同一の条件で、配向膜形成
工程、ラビング処理工程、基板貼り合わせ(TN配置)
工程を施した。
【0081】シール材としては、表1に記載のシール材
を用いた。例1,2,4および5では、完全紫外線硬化
型樹脂スリーボンド3025((株)スリーボンド製)を用
い、例3および6では、紫外線/熱硬化併用型樹脂WR-8
60(協立化学産業(株) 製)を用いた。印刷法により開
口部を有するシールパターンに形成し、アライメント後
に、表1に記載の条件(i線照度;100 mW/cm2
にて所定の加圧下で光反応硬化処理を行って、両基板を
貼り合わせた。熱硬化併用型については120 ℃で60分の
本焼成を行い、液晶パネルを作製した。次いで、液晶材
料MLC-6012(メルク社製)を減圧・脱泡処理を施して真
空注入した。シール材の開口部に紫外線硬化型封止樹脂
を塗布し、所定の条件で光反応硬化処理を行って、TN
液晶表示素子を作製した。
【0082】作製した各液晶パネルについて、パネル形
成後の外観観察と、駆動電圧5V、70℃、500 時間の
高温通電試験による表示観察を行った。評価結果は表1
に併記した。使用するガラス基板越しで紫外線照射(i
線照度で100 mW/cm2 )し、光DSC解析して光反
応率を求めた。スリーボンド3025、WR-860ではTr100
(100 %光反応率時間)が各々0.65分、0.5分で
あった。
【0083】
【表1】
【0084】例5および例6で示されるように樹脂材料
の種類に拘わらず、光反応率が90%以上に到達しない
場合には、後工程の本焼成の有無に関係なく、シール強
度不足を認め、高温通電試験によっても表示不良がエー
ジングと共に拡大し、気泡発生も認められた。また、例
4のようにUV露光を過剰量加えた場合には、シール強
度が良好でも、高温通電試験の初期からシール周辺で液
晶配向ムラや通電評価時の残像が認められた。GC/M
S分析からも、シール周辺の表示不良パネルでは樹脂成
分のピークが確認され、液晶層への溶出が認められた。
【0085】〔試験例2〕試験例1の液晶表示素子と同
様にして、TNモードの単純マトリクス型液晶表示素子
を作製した。但し、試験例2の例7,8,10および1
1では、紫外線硬化型液晶封止樹脂スリーボンド302
6((株)スリーボンド製)を用い、例9および12で
は、紫外線硬化型液晶封止樹脂ロックタイト352(日
本ロックタイト(株)製)を用いて、シール材の開口部
に滴下した。さらに表2に記載の条件(i線照度;35
mW/cm2 )にて光反応硬化処理を行って、液晶パネ
ルを封口し、TN液晶表示素子を作製した。
【0086】作製したパネルについて、封止工程後の硬
化物について状態の外観観察を行った。また、駆動電圧
5V、70℃、500 時間の高温通電試験による表示観察
を行った。評価結果は表2に併記した。
【0087】液晶封止樹脂ロックタイト352につい
て、紫外線照射条件をi線照度で35mW/cm2 に設
定して処理した場合の光DSC解析による熱分析解析図
は図7のようになり、この結果より求めた光反応率の解
析図を図8に示す。紫外線硬化型液晶封止樹脂スリーボ
ンド3026、ロックタイト352では、Tr100 (10
0 %光反応率時間)が各々1.19分、1.91分であ
った。
【0088】
【表2】
【0089】例11および12で示されるように樹脂材
料の種類に拘わらず、光反応率が90%以上に到達しな
い場合には、UV露光処理後の表面硬化性が不十分であ
り、かつ、高温通電試験によっても表示不良がエージン
グと共に拡大することが判った。また、例10のように
UV露光を過剰量加えた場合には、UV露光処理後の表
面硬化性が十分でも、高温通電試験の初期から注入口部
に液晶配向ムラが認められた。GC/MS解析図でも液
晶の分解物ピークが認められた。
【0090】図9(a)および(b)に、例9および例
12における500 時間、70℃高温通電後の液晶材料のG
C/MS解析図をそれぞれ示す。例9の液晶表示パネル
では、不純物ピークは認めなかったが、例12の表示不
良パネルでは変性アクリル樹脂材料に起因した不純物ピ
ークが確認され(分子量412 )、未硬化樹脂が注入口部
の不良の要因として挙げられることが判った。
【0091】〔試験例3〕試験例1の液晶表示素子と同
様にして、それぞれ透明電極が形成された一対の基板を
用意した。両方の基板に同一の条件で、配向膜形成工
程、ラビング処理工程を施した。ラビング処理を施した
後、一方のガラス基板上に、開口部のない閉じたシール
パターンを有する枠シール材を形成した。シール樹脂と
して、紫外線硬化型樹脂スリーボンド3025G
((株)スリーボンド製)を用い、ディスペンサで滴下
形成した。その後、液晶材料MLC-6012(メルク社製)を
所定の条件で滴下して、対向基板とアライメントして、
両基板を貼り合わせた。次いで、表3に記載の条件(i
線照度;100 mW/cm2 )にて光反応硬化処理を行っ
て、TN液晶表示素子を作製した。
【0092】作製した液晶パネルについて、パネル形成
後のシール材の外観観察を行った。また、駆動電圧5
V、70℃、500 時間の高温通電試験による表示観察を
行った。評価結果は表3に併記した。
【0093】使用するガラス基板越しで紫外線照射(i
線照度で100 mW/cm2 )し、光DSC解析して光反
応率を求めた。紫外線硬化型樹脂スリーボンド3025
G では、Tr100 (100 %光反応率時間)が0.6分で
あった。
【0094】
【表3】
【0095】例16で示されるように、光反応率が90
%以上に到達しない場合には、十分なシール強度が実現
できないだけでなく、高温通電試験においても表示ムラ
や気泡発生が認められた。また、例15のように、UV
露光を過剰量加えた場合にはパネル形成後にシール部に
異常が認められなくても、高温通電試験の初期からシー
ル材周辺に液晶配向ムラが認められた。
【0096】以上の結果から、滴下注入法により形成し
た液晶表示素子おいても、紫外線硬化型樹脂の光硬化条
件を最適化することが有効であると確かめられた。
【0097】〔試験例4〕試験例4の液晶表示素子は、
実施形態1で説明した、TNモードのアクティブマトリ
クス型の液晶表示素子である。まず、公知の技術によ
り、マトリクス状に配列された複数のTFT素子および
絵素電極が形成された素子基板と、素子基板に対向する
対向基板とを用意した。素子基板と対向基板のそれぞれ
に、配向膜形成工程、ラビング処理工程、基板貼り合わ
せ(TN配置)工程を施した。
【0098】シール材として、完全紫外線硬化型樹脂WR
-SD01Z(協立化学産業(株)製)を用いた。印刷法によ
り開口部を有するシールパターンに形成し、アライメン
ト後に、所定の加圧下で表4に記載の光反応硬化処理
(基板越しでi線照度;100 mW/cm2 ) を行って、
両基板を貼り合わせた。シール材の開口部から液晶組成
物の注入を行ない、紫外線硬化型封止樹脂を用い、開口
部の封口を行って、アクティブマトリックス型液晶表示
素子を得た。
【0099】使用するガラス基板越しで紫外線照射(i
線照度で100 mW/cm2 )し、光DSC解析して光反
応率を求めた。シール樹脂WR-SD01ZのTr100 (100
%光反応率時間)は0.55分であった。
【0100】
【表4】
【0101】例17の液晶パネルでは、シール周辺に特
に問題は認められなかったが、例18では、シール強度
が完全ではなく枠補強を行った。これらのパネルを実施
形態5で説明した投射型液晶表示装置(プロジェクタ)
のライトバルブとして適用し、投影評価を行うと共に、
1000時間の耐光性評価を行った。
【0102】例18の液晶ライトバルブは、500 時間経
過後から表示不良が拡大し、コントラスト比が低下した
領域がシール周辺付近からパネル中央部まで広がってい
くことが確認され、さらにシール近傍で微小気泡が認め
られた。また、1000時間経過後には、特に照射エネルギ
ーの高い青(B)光路の液晶ライトバルブにおいて気泡
が発生していることが確認された。
【0103】一方、例17の液晶ライトバルブでは、上
記のような表示不良は特に確認されなかった。これらの
ことから、シール樹脂硬化処理工程の最適な硬化条件解
析は、耐光性や信頼性が特に求められる投射型液晶表示
装置において極めて重要であることが判った。
【0104】〔試験例5〕試験例4の液晶表示素子と同
様にして、TNモードのアクティブマトリクス型の液晶
表示素子を作製した。但し、試験例5では、紫外線硬化
型封止樹脂フォトレック(積水化学工業(株)製)を用
いて、シール材の開口部に滴下した。さらに表5に記載
の条件(i線照度;35mW/cm2 )にて光反応硬化
処理を行って、液晶パネルを封口し、アクティブマトリ
ックス型液晶表示素子を得た。
【0105】i線照度35mW/cm2 で紫外線を照射
し、光DSC解析して光反応率を求めた。封止樹脂フォ
トレックのTr100 (100 %光反応率時間)は2.18
分であった。
【0106】
【表5】
【0107】例19の液晶パネルでは、封止処理後で特
に問題は認めなかったが、例20では、表面硬化性が完
全ではなかった。これらのパネルを実施形態5で説明し
た投射型液晶表示装置(プロジェクタ)のライトバルブ
として適用し、投影評価を行うと共に、1000時間の耐光
性評価を行った。
【0108】例20の液晶ライトバルブは、100 時間経
過後から表示不良が拡大し、コントラスト比が低下した
領域が注入口周辺付近からパネル中央部まで広がってい
くことが確認された。また、1000時間経過後には、特に
照射エネルギーの高い青(B)光路の液晶ライトバルブ
において気泡が発生していることが確認された。
【0109】一方、例19の液晶ライトバルブでは、上
記のような表示不良は特に確認されなかった。これらの
ことから、注入口封止工程の最適な硬化条件解析は、耐
光性や信頼性が特に求められる投射型液晶表示装置にお
いて極めて重要であることが判った。
【0110】
【発明の効果】本発明の表示素子によれば、シール材の
露光処理が最適化されるので、シール材に起因する表示
不良や表示品位の劣化が低減される。
【0111】本発明の表示素子の製造方法によれば、従
来は経験的に行われていた、パネルのシール硬化工程を
最適な条件で行うことができるので、信頼性と効率の改
善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の液晶表示素子を模式的に示す平面
図である。
【図2】実施形態2の液晶表示素子を模式的に示す平面
図である。
【図3】実施形態3の有機EL表示素子を模式的に示す
図である。
【図4】実施形態4の有機EL表示素子を模式的に示す
図である。
【図5】実施形態5の投射型液晶表示装置を模式的に示
す図である。
【図6】紫外線硬化樹脂の紫外線反応過程の概説図であ
る。
【図7】液晶封止樹脂ロックタイト352の紫外線硬化
反応時における熱挙動解析チャートである。
【図8】図7の熱挙動解析を基にしてUV硬化反応率を
算出した解析チャートである。
【図9】図9(a)および(b)は、それぞれ試験例2
の例9および例12における500 時間、70℃高温通電後
の液晶材料のGC/MS解析図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 対向基板 3 メインシール材 4 貼り合わせ基板 5 注入口(開口部) 6 液晶層 7 エンドシール材(封止材) 11 基板 12 有機EL構造体 13 閉じたシールパターンを有するシール材 14 封止板 15 ホール注入電極 16 有機層 17 電子注入電極 23 有機EL構造体12を被覆するシール材 1000 投射型液晶表示装置(プロジェクタ) 100 照明光学系 120 ランプ光源 200 色分離光学系 206 反射ミラー 220 リレー光学系 232 ダイクロイックミラー 300R,300G,300B 液晶ライトバルブ(液
晶表示素子) 500 スクリーン 520 色合成光学系 522 クロスダイクロイックプリズム 540 投影光学系 542 投影レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 FA03 FA04 FA11 FA18 MA01 MA20 2H089 JA07 KA01 LA41 LA49 MA03Y NA37 NA43 NA44 NA45 NA55 PA15 PA16 QA01 QA02 QA07 QA16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール材を介して、一対の基板が貼り合
    わせられ、前記シール材および前記一対の基板により規
    定される空間内に表示媒体層が形成された表示素子であ
    って、 前記シール材の一部または全部は、少なくとも光硬化性
    樹脂を含む硬化性組成物が硬化した硬化物であり、光示
    差走査熱量測定による前記光硬化性樹脂の硬化反応率が
    90%以上である、表示素子。
  2. 【請求項2】 前記光硬化性樹脂を所定の照度で処理し
    たときの前記硬化反応率が90%および100%を与え
    る時間を各々Tr90およびTr100 と規定し、前記光硬
    化性樹脂の光硬化処理時間Tとした場合、前記光硬化性
    樹脂は、Tr90≦T≦1. 3×Tr100 の条件で光硬化
    処理された、請求項1に記載の表示素子。
  3. 【請求項3】 前記硬化性組成物は、熱硬化性樹脂をさ
    らに含む、請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 【請求項4】 前記シール材は、開口部を有するシール
    パターンで形成されたメインシール材と、前記開口部を
    封止するエンドシール材とから構成され、前記メインシ
    ール材および/または前記エンドシール材は前記硬化物
    である、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示素
    子。
  5. 【請求項5】 前記表示媒体層が液晶層である、請求項
    1から4のいずれか1項に記載の表示素子。
  6. 【請求項6】 シール材を介して、一対の基板が貼り合
    わせられ、前記シール材および前記一対の基板により規
    定される空間内に表示媒体層が形成され、前記シール材
    の一部または全部は、少なくとも光硬化性樹脂を含む硬
    化性組成物が硬化した硬化物である表示素子を製造する
    方法であって、 前記一対の基板のうちいずれか一方の基板上に、所定の
    シールパターンを有する前記シール材を形成する工程
    と、 前記シール材を硬化させる工程とを含み、 前記シール材を硬化させる工程は、光示差走査熱量測定
    による前記光硬化性樹脂の硬化反応率が90%以上とな
    るように、前記光硬化性樹脂を光硬化処理する工程を有
    する、表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光硬化性樹脂を所定の照度で処理し
    たときの前記硬化反応率が90%および100%を与え
    る時間を各々Tr90およびTr100 と規定し、前記光硬
    化性樹脂の光硬化処理時間Tとした場合、Tr90≦T≦
    1. 3×Tr100 の条件で、前記光硬化性樹脂を光硬化
    処理する、請求項6に記載の表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シール材を硬化させる工程は、熱硬
    化性樹脂をさらに含む前記硬化性組成物を光硬化処理す
    る工程と、 光硬化処理の後に熱硬化処理する工程を有する、請求項
    6または7に記載の表示素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シール材は、開口部を有するシール
    パターンで形成されたメインシール材と、前記開口部を
    封止するエンドシール材とから構成され、前記メインシ
    ール材および/または前記エンドシール材は、前記硬化
    性組成物である、表示素子を製造する方法であって、 前記一方の基板上に、前記メインシール材を形成する工
    程と、 前記メインシール材を介して、前記一対の基板を貼り合
    わせた後、前記メインシール材を硬化させる工程と、 硬化した前記メインシール材の前記開口部から表示媒体
    組成物を注入する工程と、 前記開口部に前記エンドシール材を形成する工程と、 前記エンドシール材を硬化させる工程とを含み、 前記メインシール材を硬化させる工程および/または前
    記エンドシール材を硬化させる工程は、前記光硬化処理
    工程を有する、請求項6から8のいずれか1項に記載の
    表示素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記一方の基板上に、閉じたシールパ
    ターンを有する前記シール材を形成する工程と、 前記閉じたシールパターン枠内に、前記表示媒体組成物
    を滴下する工程と、前記シール材を介して、前記一対の
    基板を貼り合わせた後、前記シール材を硬化させる工程
    とを含む、請求項6から8のいずれか1項に記載の表示
    素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記表示媒体組成物が液晶組成物であ
    る、請求項6から10のいずれか1項に記載の表示素子
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 光源と、 前記光源からの光束を互いに異なる色の複数の色光束に
    分離する色分離光学系と、 前記色分離光学系によって分離された複数の色光束のそ
    れぞれに対応して配置された複数の液晶表示素子と、 前記複数の液晶表示素子のそれぞれによって変調された
    前記複数の色光束を合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって合成された前記複数の色光束
    を投影する投影光学系とを備える投射型液晶表示装置で
    あって、 前記複数の液晶表示素子のうち少なくとも1つの液晶表
    示素子は、請求項5に記載の表示素子である、投射型液
    晶表示装置。
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