JP2003334750A - 光ファイバ研磨治具および光ファイバ研磨方法 - Google Patents

光ファイバ研磨治具および光ファイバ研磨方法

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JP2003334750A JP2002142855A JP2002142855A JP2003334750A JP 2003334750 A JP2003334750 A JP 2003334750A JP 2002142855 A JP2002142855 A JP 2002142855A JP 2002142855 A JP2002142855 A JP 2002142855A JP 2003334750 A JP2003334750 A JP 2003334750A
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optical fiber
groove
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base body
polishing
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Yoshinobu Takano
芳伸 高野
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック製の光ファイバの端面を同時に手
早く研磨する方法および治具の提供。 【解決手段】第1の基体と第2の基体とによりプラスチ
ック製の光ファイバを挟持し、該光ファイバの端面を研
磨するための光ファイバ研磨治具において、第1の基体
と第2の基体との少なくとも一方に前記光ファイバを載
置する溝が設けられ、該溝は長手方向に直線状に伸び、
該溝の断面は略V字型であり、第1の基体と第2の基体
とは同一面をなしかつ前記溝の長手方向と直交する平面
をそれぞれ有し、さらに、第1の基体と第2の基体とを
たがいに押し付けあう方向に付勢する手段とを有するこ
とを特徴とする光ファイバ研磨治具、および、この研磨
治具を用いた研磨方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製光
ファイバの端面の研磨方法に関する。また前記方法にお
いて使用する研磨治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバの素材としては石英が
利用されてきた。石英製光ファイバでは、光ファイバ同
士または光ファイバと受発光素子とを接続する際に、光
ファイバの端面を平滑にし、光学的な平面とする必要が
ある。このような平滑な光ファイバの端面を得るには、
光ファイバを切断後、端面を研磨する必要があった。一
般的な石英製光ファイバは直径が125μmと細く、か
つ折れやすいので、光ファイバの端面の研磨には種々の
工夫がなされてきた。具体的な研磨工程の一例は以下に
示すとおりである。まず石英製光ファイバを専用のフェ
ルールに接着、固定し、フェルールから突出した余剰の
光ファイバを正確に切除する。次に光ファイバにクラッ
クを入れないように慎重に研磨シートを用いて研磨す
る。この際、研磨シートは粗いものから細かいものに3
種類以上使う必要がある。このように石英製光ファイバ
の端面の研磨は手間がかかるものであった。
【0003】一方、近年普及してきたプラスチック製光
ファイバは、直径が500μm〜1mmと石英製のもの
と比較して太く、かつしなやかである。したがってプラ
スチック製光ファイバの端面の研磨は石英製のものと比
較して、比較的容易である。また、特開平8−5848
号公報に開示された含フッ素樹脂製の光ファイバは、伝
送損失が低く通信容量が大きいことから近距離通信用の
幹線用として注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のプラス
チック製光ファイバについても、平滑な端面を得るため
に端面の研磨の必要があり、そのための簡易な研磨方法
の提供が望まれていた。本発明は上述の問題を解決し、
簡易なプラスチック製光ファイバの研磨方法およびその
ための研磨治具を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の基体と
第2の基体とによりプラスチック製の光ファイバを挟持
し、該光ファイバの端面を研磨するための光ファイバ研
磨治具において、第1の基体と第2の基体との少なくと
も一方に前記光ファイバを載置する溝が設けられ、該溝
は長手方向に直線状に伸び、該溝の断面は略V字型であ
り、第1の基体と第2の基体とは同一面をなしかつ前記
溝の長手方向と直交する平面をそれぞれ有し、さらに、
第1の基体と第2の基体とをたがいに押し付けあう方向
に付勢する手段を有する、ことを特徴とする光ファイバ
研磨治具を提供する。この光ファイバ研磨治具は構造が
簡素であり、光ファイバの端面の研磨において操作性に
優れる。
【0006】また本発明の光ファイバ研磨治具は、前記
溝の開き角度が50〜110°であり、かつ、前記溝の
幅がnD〜1.5nD(ただし、nは1条の溝に載置さ
れる光ファイバの本数であり、Dは該光ファイバの直径
である。)であることが好ましい。この態様によれば、
光ファイバの端面の研磨において、光ファイバが拘束し
やすくなる。
【0007】また本発明の光ファイバ研磨治具は、前記
第1の基体と第2の基体とをたがいに押し付けあう方向
に付勢する手段が、第2の基体に設けられた貫通孔に挿
通され、この貫通孔と対向して第1の基体に設けられた
めねじに螺合するねじと、このねじが挿通しこのねじの
頭部の座面と第2の基体との間に設置されたコイルバネ
とを備えることが好ましい。この態様によれば、光ファ
イバを挟持し拘束する力が調節可能となり、光ファイバ
の端面の研磨において操作性に優れる。
【0008】また本発明は、第1の基体と第2の基体と
によりプラスチック製の光ファイバを挟持し、該光ファ
イバの端面を研磨する光ファイバ研磨方法において、第
1の基体と第2の基体との少なくとも一方に前記光ファ
イバを載置する溝が設けられ、該溝は長手方向に直線状
に伸び、該溝の断面は略V字型であり、第1の基体と第
2の基体とは同一面をなしかつ前記溝の長手方向と直交
する平面をそれぞれ有し、さらに、第1の基体と第2の
基体とをたがいに押し付けあう方向に付勢する手段を有
する光ファイバ研磨治具を用い、前記第1の基体と第2
の基体とにより前記溝に載置された前記光ファイバを挟
持し、研磨する前記光ファイバの端面を前記研磨治具の
基体の有する前記溝の長手方向と直交する平面より突出
させた状態で、前記光ファイバの端面を研磨する、こと
を特徴とする光ファイバ研磨方法を提供する。この光フ
ァイバ研磨方法によれば、簡易な操作で光ファイバの端
面が研磨できる。
【0009】また本発明の光ファイバ研磨方法は、2本
以上の光ファイバを互いに平行かつ隣接した状態で、前
記2本以上の光ファイバの端面を同時に研磨することが
好ましい。この態様によれば、2本以上の光ファイバの
端面を同時に研磨でき、研磨作業の時間を短縮できる。
【0010】また本発明の光ファイバ研磨方法は、前記
溝の開き角度が50〜110°であり、かつ、前記溝の
幅がnD〜1.5nD(ただし、nは1条の溝に載置さ
れる光ファイバの本数であり、Dは該光ファイバの直径
である。)である光ファイバ研磨治具を用いることが好
ましい。この態様によれば、光ファイバの端面の研磨に
おいて、光ファイバが拘束しやすくなる。特に2本以上
の光ファイバの端面を同時に研磨する場合には、安定に
光ファイバを拘束でき、研磨の作業性に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
するが、ここで「光ファイバ」とは「プラスチック製の
光ファイバ」を意味する。具体的には、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、透明含フッ素樹脂等の透明樹脂
からなる光ファイバを意味する。
【0012】以下に本発明の研磨冶具について、図を用
いて説明する。図1は本発明の研磨冶具の一例の溝と直
交する面での断面図である。研磨冶具10は第1の基体
11と第2の基体13とを有している。第1の基体11
は、溝12を有している。溝12は長手方向に直線状に
伸び、その断面は略V字型である。また図1には図示さ
れていないが、第1の基体11と第2の基体13とは同
一面をなしかつ溝12の長手方向と直交する平面をそれ
ぞれ有する。また同様に図示されていないが、研磨治具
10は第1の基体11と第2の基体13とをたがいに押
し付けあう方向に付勢する手段を有する。光ファイバ1
4は溝12に載置され、第1の基体11と第2の基体1
3とにより挟持される。
【0013】前記溝12は長手方向に直線状に伸びる。
直線状であると、光ファイバ14を載置しやすく、ま
た、光ファイバ14に曲げ負荷がかからないので好まし
い。また溝12の断面は略V字型である。この形状であ
ると、第1の基体11と第2の基体とが光ファイバ14
を安定に挟持しやすい。また溝12の大きさは、同時に
載置される光ファイバの本数により選定される。溝12
の開き角度(図1中、θで示される角度)は適宜決めら
れるが、50〜110°が好ましく、70〜100°が
より好ましい。また溝12の幅(図1中、Lで示される
長さ)は、載置される光ファイバの本数をnとし、直径
をDとした場合に、nD〜1.5nDが好ましい。例え
ば2本の光ファイバが載置される溝の場合には、その幅
は2D〜3Dが好ましい。具体的には、光ファイバの直
径を0.5mmとした場合に、この光ファイバが2本載
置される溝の幅は1〜1.5mmが好ましい。このよう
な溝形状とすることで、同時に載置される光ファイバが
1本であっても2本以上であっても、第1の基体と第2
の基体は光ファイバを安定に挟持できる。
【0014】またこの研磨治具10には溝12が1条設
けられているが、複数条設けられていてもよい。研磨治
具に設けられる溝の数は特に制限されないが、操作性の
観点からは、1〜4条が好ましい。ただし複数条の溝が
設けられた場合には、それらの溝は互いに平行に設けら
れる。
【0015】また第1の基体11と第2の基体13と
は、同一面をなしかつ前記溝の長手方向と直交する平面
をそれぞれ有する。すなわち第1の基体は第1の平面を
有し、第2の基体は第2の平面を有し、第1の基体およ
び第2の基体は、第1の平面と第2の平面とが同一平面
をなすように、組み合わせて使用される。光ファイバ1
4の端面の研磨の際には、光ファイバの端面を前記平面
から突出させた状態として、研磨紙等を用いて端面の研
磨を行う。前記平面は研磨の作業の際には研磨紙等の研
磨面とほぼ平行となり、したがって光ファイバの端面と
平行となる。
【0016】また研磨治具10は、第1の基体11と第
2の基体13とをたがいに押し付けあう方向に付勢する
手段を有する。この付勢手段はどのようなものでもよい
が、例えば第1の基体11と第2の基体13とを輪ゴム
で括る、第1の基体11と第2の基体13とをクリップ
で挟む等の手段が例示できる。
【0017】また前記溝は第1の基体と第2の基体との
少なくとも一方に設けられる。図1では第1の基体にの
み設けられていたが、第1の基体と第2の基体の両方に
設けられていてもよい。
【0018】図3は第1の基体と第2の基体とに溝を設
けた一例の断面図であり、図4は第1の基体と第2の基
体とに溝を設けた他の一例の断面図である。図3におい
て、研磨治具30の第1の基体31には上述したものと
同様な溝32aが設けられている。また第2の基体33
にも溝32aと対向する位置に溝32bが設けられてい
る。溝32aおよび溝32bで形成される空間には、例
えば図に示されるように3本の光ファイバ34が載置さ
れる。この態様とすることで、図示したように3本の光
ファイバが安定に挟持される。
【0019】また図4においては、図3と同様に、研磨
治具40の第1の基体41には溝42aが設けられてい
る。また第2の基体43にも溝42aと対向する位置か
らずらした位置に溝42bが設けられている。溝42a
および溝42bで形成される空間には、例えば図に示さ
れるように4本の光ファイバ44が載置される。溝42
aと42bとをずらす距離は溝42aと42bの幅が等
しい場合にこの幅をLとしたときに、0.1〜0.4L
が好ましい。この態様とすることで、図示したように4
本の光ファイバが安定に載置される。
【0020】次に本発明の研磨冶具の第2の態様につい
て、図2を用いて説明する。図2は本発明の研磨冶具の
他の一例の組立図である。研磨冶具20は、第1の基体
21と第2の基体23とを有する。第1の基体21は、
2本の溝22aおよび22bを有している。ここで溝2
2aおよび22bは互いに平行に設けられている。溝2
2aおよび22bの形状は、長手方向に直線状に伸び、
その断面は略V字型である。この溝22aおよび22b
に図示されていない光ファイバが載置され、第1の基体
21と第2の基体23とにより該光ファイバが挟持され
る。また溝22aは溝拡大部22cを、溝22bは溝拡
大部22dをそれぞれ有している。また第1の基体21
は溝22aおよび22bの長手方向と直交する第1の平
面25を有している。
【0021】また第2の基体23は第1の基体21と対
向して設けられている。第2の基体23は、前記第1の
平面25と同一平面をなす第2の平面26を有してい
る。また研磨治具20は、第1の基体21と第2の基体
23とをたがいに押し付けあう方向に付勢する手段とし
て、次の付勢手段を有している。すなわちこの付勢手段
として、第2の基体23に設けられた貫通孔29aに挿
通され、この貫通孔29aと対向して第1の基体21に
設けられためねじ29bに螺合するねじ27と、このね
じ27が挿通しこのねじ27の頭部の座面と第2の基体
23との間に設置されたコイルバネ28とを備える。
【0022】上記の溝22aおよび22bと、第1の基
体21の第1の平面25との交差部、すなわち、第1の
平面25における溝22aおよび22bの開口部には面
取りを施さないことが好ましい。面取りを施すと、光フ
ァイバの端面が研磨の作業中にわずかにずれる原因とな
り、その結果として光ファイバの端面の平滑性が得にく
くなるからである。一方、溝22aおよび22bの前記
と逆の開口部には、面取りを施し溝が拡大する部分(溝
拡大部22cおよび22d)を設けることが好ましい。
溝が拡大する部分を設けることにより光ファイバの挿入
が容易になり操作性が向上する。
【0023】前記第1の平面25と前記第2の平面26
とは、同一平面をなす。すなわち第1の基体21および
第2の基体23は、第1の平面25と第2の平面26と
が同一平面をなすように、組み合わせて使用される。組
み合わせる方法は特に制限されないが、研磨治具20で
は第1の基体21と第2の基体23とをたがいに押し付
けあう方向に付勢する手段により、第1の平面25と第
2の平面26とが同一平面をなす手段としている。
【0024】なお、前記第1の基体と第2の基体とをた
がいに押し付けあう方向に付勢する手段は、図2に示す
例に制限されず、バネ、ゴム等の弾性体による付勢とね
じ等のガイドとの組み合わせであってもよい。また図2
において、貫通孔29aにはコイルバネ28が収納され
る拡径部が設けられていてもよい。ただし貫通孔29a
とねじ27の間隙は、上記コイルバネ28が収納される
拡径部以外は、小さい方が研磨作業時に光ファイバが安
定に拘束しやすく好ましい。この図2に示された付勢手
段によれば、第1の平面25と第2の平面26とを同一
平面をなすことが容易であり、光ファイバを溝22aお
よび22bに挟持することも容易である。またこの付勢
手段によれば、ねじ27を回してコイルバネ28の伸縮
度を調節でき、これにより第1の基体21と第2の基体
23とが光ファイバを挟持する力が調節可能となり操作
性が向上する。
【0025】上記した研磨治具の材質は光ファイバを保
持できる硬さを有していればよいが、特に透明な材料で
あると保持した光ファイバの様子が外部より目視できて
好ましい。具体的な材料としては、アクリル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等の透明樹脂が挙げられる。これらの
透明樹脂は、取扱いおよび加工が容易である点、研磨時
に研磨治具が削れた場合でも、その削りかすが光ファイ
バ端面に不要な傷をつける可能性が低い点でも好まし
い。
【0026】次に本発明の研磨方法について、図1を用
いて説明する。すなわち、本発明の研磨方法の一例とし
て、前述の研磨治具10を用いた方法を説明する。まず
第1の基体11と第2の基体13とにより溝12に載置
された光ファイバ14を挟持する。次に、研磨する光フ
ァイバ14の端面を、第1の基体11の溝12の長手方
向と直交する平面より突出させた状態とする。この突出
した端面を研磨紙等を用いて研磨し、平滑で光学的な平
面とする。
【0027】ここで光ファイバの端面を前記平面より突
出させた状態とし、その長さを決める方法としては、光
ファイバを切断して端面を得て光ファイバを研磨治具に
より拘束した後、(A)光ファイバと研磨治具の相対位
置を調節し、突出する長さを決める方法、(B)光ファ
イバの端面が研磨治具の平面から過剰に突出する状態に
調節して突出する長さに対応する位置で切断する方法が
挙げられる。ここで研磨すべき端面を得るための切断
は、光ファイバの長手方向と垂直に行う。
【0028】また突出する長さは光ファイバの直径と同
等程度、具体的には光ファイバの直径をDとしたとき
に、0.1D〜3Dが好ましく、0.2D〜Dがより好
ましい。これより短いと光ファイバの端面の研磨が不充
分となりやすい。また長いと光ファイバの端面が平滑に
研磨しにくい、光ファイバの端面近傍で光ファイバが挫
屈しやすい等の問題がおきやすく好ましくない。
【0029】また端面の研磨は研磨紙等を用いて行うこ
とが好ましく、水で濡らして研磨しても、乾燥状態で研
磨してもよい。研磨紙としては、呼び粒径が1〜10μ
mのものが好適である。その例としては、まず呼び粒径
が9μmの研磨紙を用いて研磨を行い、次に呼び粒径が
1μmの研磨紙を用いて研磨を行う。この2段階の研磨
により、光ファイバの端面を研磨でき、平滑で光学的な
平面が得られる。
【0030】また本発明の研磨方法においては、2本以
上の光ファイバを互いに平行かつ隣接した状態で、前記
2本以上の光ファイバの端面を同時に研磨することが好
ましい。この態様について図5を用いて説明する。
【0031】図5は光ファイバを挟持した状態での研磨
治具の断面図である。研磨冶具50は第1の基体51
と、第2の基体53を有している。第1の基体51は溝
52を有している。光ファイバ54aおよび54bは溝
52に載置され、第1の基体51および第2の基体53
により挟持されている。1条の溝52に2本の光ファイ
バ54aおよび54bが載置されており、この2本の光
ファイバの端面を同時に研磨できる。すなわち多数の光
ファイバの端面を短時間で研磨する必要がある場合に好
適な手法である。
【0032】特に近年はプラスチック製の光ファイバに
おいても性能の向上にともない、多心ケーブルで配線さ
れることも多くなってきた。そのため、配線施工のため
に多数の光ファイバの端面を短時間に研磨することが要
求されるようになってきている。
【0033】また本発明の研磨方法、特に2本以上の光
ファイバを互いに平行かつ隣接した状態で1条の溝に同
時に載置する態様によれば、1本ずつの光ファイバの直
径が公差の範囲で誤差を有していても、すなわち太めの
光ファイバと細めの光ファイバとを同時に研磨する場合
にも、有効である。具体的には、図5で示したように、
光ファイバ54aと54bの直径が異なる(光ファイバ
54aが光ファイバ54bよりも太い)場合である。こ
の場合にも本発明の研磨方法によれば、全ての光ファイ
バを安定に挟持できる。ここで、1条の溝に収納される
光ファイバの本数nは、特に制限されないが、操作性の
点から1、2、3または4が好ましく、2、3または4
が特に好ましい。
【0034】次に本発明の研磨方法の他の一例につい
て、図2を用いて説明する。すなわち、研磨治具20を
用いてプラスチック光ファイバの端面を研磨する方法の
一例である。溝22aおよび22bに2本ずつ合計で4
本のプラスチック製の光ファイバを挿入する。挿入は溝
拡大部22cおよび22dから行う。ここでねじ27と
コイルバネ28は予め調整し、第2の基体23が光ファ
イバを挟持する力を調節しておく。
【0035】また第1の基体21と第2の基体23は光
ファイバの挿入前は接触しているが、光ファイバの挿入
により分離する。光ファイバを2本ずつ同時に1条の溝
に挿入し、合計で4本の光ファイバを溝22aおよび2
2bに挿入することで、第1の基体21および第2の基
体23がコイルバネ28等により付勢されているため、
2本ずつ合計4本の光ファイバは第1の基体21と第2
の基体23により安定に挟持される。このとき光ファイ
バの端面を第1の平面25よりわずかに突出させる。突
出させる長さは光ファイバの直径と同程度が好ましい。
突出させた4本の光ファイバのそれぞれの端面をそろ
え、同時に研磨する。研磨については前述と同様であ
る。
【0036】上記の研磨方法において、たがいに押し付
けあう方向に付勢されている第1の基体と第2の基体と
の間の1条の溝に2本以上の光ファイバを同時に挿入す
る方法は光ファイバの端面をそろえやすい点、2本以上
の光ファイバが散逸しにくい点等の操作性の面で好まし
い。
【0037】
【発明の効果】本発明の研磨治具および研磨方法によ
り、プラスチック製の光ファイバの端面を同時に手早く
研磨できる。またこの研磨方法により平滑で光学的な光
ファイバの端面が容易に得られる。また研磨治具の構造
は簡素であり、操作性が良好であり経済性にも優れる。
特に、2本以上の光ファイバの端面を同時に研磨する場
合に、本発明の研磨治具および研磨方法は好適である。
また光ファイバの直径にばらつきがある場合においても
全ての光ファイバの端面に対して所定の研磨が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨冶具の一例の溝と直交する面での
断面図である。
【図2】本発明の研磨冶具の他の一例の組立図である。
【図3】第1の基体と第2の基体とに溝を設けた一例の
断面図である。
【図4】第1の基体と第2の基体とに溝を設けた他の一
例の断面図である。
【図5】光ファイバを挟持した状態での研磨治具の断面
図である。
【符号の説明】
10:研磨治具、 11:第1の基体、 12:溝、 13:第2の基体、 14:光ファイバ、 20:研磨治具、 21:第1の基体、 22a、22b:溝、 23:第2の基体、 25:第1の平面、 26:第2の平面、 27:ねじ、 28:コイルバネ、 29a:貫通孔、 29b:めねじ、 30:研磨治具、 31:第1の基体、 32a、32b:溝、 33:第2の基体、 34:光ファイバ、 40:研磨治具、 41:第1の基体、 42a、42b:溝、 43:第2の基体、 44:光ファイバ、 50:研磨治具、 51:第1の基体、52:溝、 53:第2の基体、 54a、54b:光ファイバ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基体と第2の基体とによりプラスチ
    ック製の光ファイバを挟持し、該光ファイバの端面を研
    磨するための光ファイバ研磨治具において、 第1の基体と第2の基体との少なくとも一方に前記光フ
    ァイバを載置する溝が設けられ、該溝は長手方向に直線
    状に伸び、該溝の断面は略V字型であり、第1の基体と
    第2の基体とは同一面をなしかつ前記溝の長手方向と直
    交する平面をそれぞれ有し、さらに、第1の基体と第2
    の基体とをたがいに押し付けあう方向に付勢する手段を
    有する、ことを特徴とする光ファイバ研磨治具。
  2. 【請求項2】前記溝の開き角度が50〜110°であ
    り、かつ、前記溝の幅がnD〜1.5nD(ただし、n
    は1条の溝に載置される光ファイバの本数であり、Dは
    該光ファイバの直径である。)である請求項1に記載の
    光ファイバ研磨治具。
  3. 【請求項3】前記第1の基体と第2の基体とをたがいに
    押し付けあう方向に付勢する手段が、第2の基体に設け
    られた貫通孔に挿通され、この貫通孔と対向して第1の
    基体に設けられためねじに螺合するねじと、このねじが
    挿通しこのねじの頭部の座面と第2の基体との間に設置
    されたコイルバネとを備える、請求項1または2に記載
    の光ファイバ研磨治具。
  4. 【請求項4】第1の基体と第2の基体とによりプラスチ
    ック製の光ファイバを挟持し、該光ファイバの端面を研
    磨する光ファイバ研磨方法において、 第1の基体と第2の基体との少なくとも一方に前記光フ
    ァイバを載置する溝が設けられ、該溝は長手方向に直線
    状に伸び、該溝の断面は略V字型であり、第1の基体と
    第2の基体とは同一面をなしかつ前記溝の長手方向と直
    交する平面をそれぞれ有し、さらに、第1の基体と第2
    の基体とをたがいに押し付けあう方向に付勢する手段を
    有する光ファイバ研磨治具を用い、 前記第1の基体と第2の基体とにより前記溝に載置され
    た前記光ファイバを挟持し、研磨する前記光ファイバの
    端面を前記研磨治具の基体の有する前記溝の長手方向と
    直交する平面より突出させた状態で、前記光ファイバの
    端面を研磨する、ことを特徴とする光ファイバ研磨方
    法。
  5. 【請求項5】2本以上の光ファイバを互いに平行かつ隣
    接した状態で、前記2本以上の光ファイバの端面を同時
    に研磨する、請求項4に記載の光ファイバ研磨方法。
  6. 【請求項6】前記溝の開き角度が50〜110°であ
    り、かつ、前記溝の幅がnD〜1.5nD(ただし、n
    は1条の溝に載置される光ファイバの本数であり、Dは
    該光ファイバの直径である。)である光ファイバ研磨治
    具を用いる、請求項4または5に記載の光ファイバ研磨
    方法。
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