JP2003333938A - 温室用駆動装置 - Google Patents

温室用駆動装置

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JP2003333938A JP2002316074A JP2002316074A JP2003333938A JP 2003333938 A JP2003333938 A JP 2003333938A JP 2002316074 A JP2002316074 A JP 2002316074A JP 2002316074 A JP2002316074 A JP 2002316074A JP 2003333938 A JP2003333938 A JP 2003333938A
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  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温室における動作対象部材を駆動させる際の
省力化を図ることができる駆動装置を提供する。 【解決手段】 温度に対応して体積が変化する駆動材料
が充填されるシリンダ11と、該シリンダ11内を摺動
するピストン12とを備えたアクチュエータ10を用い
る。ピストン12を動作対象部材に連結される熱駆動ア
ーム32に連結し、シリンダ11を支持フレーム20に
固定配置する。温度が上昇すると、駆動材料が膨張し、
ピストン12が押し出されて伸長し、熱駆動アーム32
を回動させる。熱駆動アーム32が回動することによ
り、作動アーム33、回転軸31を介して連結アーム4
0が回動し、動作対象部材が動作する。熱駆動アーム3
2と作動アーム33との係合状態を解除することによ
り、ピストン12の伸長状態に拘わらず、手動で作動ア
ーム33を動作させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温室内に設けられ
る各種の動作対象部材を動作させるために設置される温
室用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】温室には、天窓や側面換気窓などの換気
部材、遮光用あるいは保温用に設けられるカーテン部材
など、上下、左右、回転方向等に動作する種々の動作対
象部材が設けられている。温室に設けられるこれらの動
作対象部材は、栽培植物のより適正な成長を企図して、
室内外の温度変化に応じて開閉させたり、移動させたり
する。
【0003】例えば、天窓などの換気部材の場合、温室
内に配置した温度計により室内温度を確認し、所定温度
以上になると作業者が換気部材を開放したり、あるいは
温度により開放角度を調整したりすることが行われてい
る。しかしながら、このように作業者が手作業によって
開閉動作させていたのでは、手間がかかり、また、監視
のために常に人が居なければならず、効率のよい農作業
ができない。このため、近年は、駆動源となるモータを
温度に対応させて自動的に駆動させる自動制御機構が組
み込まれた駆動装置を換気部材などに付設することも多
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動制御機構が組み込
まれた駆動装置を設けることにより作業者の労力は軽減
されるが、駆動源としてはモータが用いられているた
め、電気使用に伴うランニングコストがかかると共に、
制御盤等を設ける必要があるため、設置コストも高い。
また、モータを駆動させるための電源との接続の関係か
ら、取り付け位置に制限を受けることもある。また、落
雷による装置の停止や故障の問題も伴う。
【0005】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、電源がなくても、温度変化に対応して温室に設け
られる各種動作対象部材を自動的に動作させることがで
き、ランニングコストや設置コストを低減できると共
に、取り付け位置の制約が少なく、しかも、落雷に伴う
装置の停止や故障を低減できる温室用駆動装置を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1記載の本発明では、温室を構成する換気
部材、遮光部材、保温部材などの各種の動作対象部材を
動作させるための温室用駆動装置であって、温度に対応
して体積変化する駆動材料と、該駆動材料の体積変化に
よって動作する作動部とを備え、前記動作対象部材に、
直接又は間接に連結されて配設されるアクチュエータを
有することを特徴とする温室用駆動装置を提供する。請
求項2記載の本発明では、前記アクチュエータは、前記
駆動材料が充填されるシリンダと、該シリンダ内を摺動
し、前記作動部を構成するピストンとを備えてなり、前
記シリンダ及びピストンのいずれか一方が前記動作対象
部材に、他方が任意の固定部材にそれぞれ直接又は間接
に連結されて配設され、前記駆動材料が温度上昇に追随
して膨張することにより、前記ピストンとシリンダの相
対位置が変化し、前記動作対象部材を動作させる構造で
あることを特徴とする請求項1記載の温室用駆動装置を
提供する。請求項3記載の本発明では、前記駆動材料が
温度の低下により収縮した際に、前記ピストンをシリン
ダ内に収容する方向に付勢する復帰用弾性部材が設けら
れていることを特徴とする請求項2記載の温室用駆動装
置を提供する。請求項4記載の本発明では、前記アクチ
ュエータの駆動力を前記動作対象部材に伝達する駆動伝
達部材が、動力伝達モードと、動力分離モードとに切換
可能な動作切換手段を備えていることを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1に記載の温室用駆動装置を提供す
る。請求項5記載の本発明では、前記駆動伝達部材が、
前記アクチュエータを構成するピストンとシリンダのう
ちの動作側に連結され、アクチュエータの駆動に伴って
動作する熱駆動部材と、前記動作対象部材に連結され、
動作対象部材を動作させる作動部材とを有すると共に、
前記動作切換手段が、前記熱駆動部材と作動部材とを、
前記ピストン又はシリンダの動作位置に拘わらず、連結
又は非連結状態に切り替え可能に設けられ、熱駆動部材
と作動部材とが連結状態の場合に前記動力伝達モードと
なり、非連結状態の場合に前記動力分離モードとなる構
造であることを特徴とする請求項4記載の温室用駆動装
置を提供する。請求項6記載の本発明では、前記熱駆動
部材及び作動部材がいずれも回転可能に支持されると共
に、熱駆動部材に前記アクチュエータを構成するピスト
ンとシリンダのうちの動作側が連結され、動力伝達モー
ドにおいては、前記アクチュエータを構成するピストン
又はシリンダの伸縮動作により、前記作動部材が回転方
向に動作して動作対象部材を動作させ、動作分離モード
においては、前記作動部材のみが回転方向に動作して動
作対象部材を動作させる構造であることを特徴とする請
求項5記載の温室用駆動装置を提供する。請求項7記載
の本発明では、前記熱駆動部材と作動部材とが共に同じ
回転軸に支持されていると共に、熱駆動部材は該回転軸
に対して回転自由に連結され、作動部材は該回転軸に固
定されて該回転軸と共に回転可能に連結されており、前
記動作切換手段が、作動部材に沿って移動可能に設けら
れた動作切換スライド部材からなり、作動部材上の所定
の位置で熱駆動部材に係合でき、係合することにより前
記アクチュエータによって熱駆動部材と作動部材とが共
に回転軸に対して回転動作する動力伝達モードとなり、
作動部材上の他の位置へ移動させると熱駆動部材との係
合が解除され、作動部材のみが回転軸と共に回転動作す
る動力分離モードとなる構造であることを特徴とする請
求項6記載の温室用駆動装置を提供する。請求項8記載
の本発明では、前記熱駆動部材及び作動部材がいずれも
ガイドレールに沿って移動可能に設けられると共に、前
記熱駆動部材は、前記アクチュエータを構成するピスト
ン又はシリンダの伸縮動作に伴ってガイドレールに沿っ
てピストン又はシリンダの伸縮方向と同方向に移動可能
に設けられ、動力伝達モードにおいては、前記アクチュ
エータを構成するピストン又はシリンダの伸縮動作によ
り、前記作動部材がガイドレールに沿って動作して動作
対象部材を動作させ、動作分離モードにおいては、前記
作動部材のみがガイドレールに沿って動作して動作対象
部材を動作させる構造であることを特徴とする請求項5
記載の温室用駆動装置を提供する。請求項9記載の本発
明では、前記作動部材がガイドレールに沿って移動した
際に、熱駆動部材の外側を通過するフレームを備え、前
記動作切換手段が、前記フレームに支持され、該フレー
ム内に突出可能な動作切換プレート部材を有してなり、
該動作切換プレート部材をフレーム内に突出させること
により、前記熱駆動部材が該動作切換プレートを押圧し
て作動部材をガイドレールに沿って移動させる動力伝達
モードとなり、前記熱駆動部材が動作切換プレート部材
から離間することにより、該動作切換プレート部材が常
態位置に復帰し、前記作動部材のフレームが熱駆動部材
の外側を通過可能な動力分離モードとなる構造であるこ
とを特徴とする請求項8記載の温室用駆動装置を提供す
る。請求項10記載の本発明では、前記動作切換手段
が、前記フレームに設けた支持軸と、該支持軸に支持さ
れる動作切換プレート部材と、前記動作切換プレート部
材に離接可能に設けられ、動作切換プレート部材に接触
するように動くことにより、動作切換プレート部材を押
圧して前記支持軸を中心にフレーム内に突出するように
回転させる切換部材と、該切換部材を常態位置に復帰さ
せる復帰部材とを備えて構成されることを特徴とする請
求項9記載の温室用駆動装置を提供する。請求項11記
載の本発明では、前記動作切換プレート部材が、熱駆動
部材受け板部と、該熱駆動部材受け板部から後方に突出
する係合板部とを備えてなると共に、前記切換部材が動
作切換プレート部材の係合板部の上方に位置し、前記復
帰部材がフレーム内に位置するように設けられ、かつ、
該切換部材と復帰部材とが中途で連結されて一体化され
て構成されており、切換部材が下降することにより、前
記動作切換プレート部材の係合板部を押圧して、フレー
ム内に突出させ、熱駆動部材に押圧されることにより、
該熱駆動部材受け板部が復帰部材を押し上げて、切換部
材を常態位置に復帰させる構成であることを特徴とする
請求項10記載の温室用駆動装置を提供する。請求項1
2記載の本発明では、前記動作切換手段が、前記フレー
ムに設けた支持軸と、該支持軸に支持される動作切換プ
レート部材と、長尺で可撓性のある筒状の外側部材と、
該外側部材内に配置された長尺で可撓性のある内側部材
とを備えており、外側部材は、一端側が前記作動部材の
フレームに固定され、他端側が任意の不動部に固定され
て設けられ、内側部材は、一端側が前記外側部材の一端
から突出して前記動作切換プレート部材に連結され、他
端側が前記外側部材の他端から突出して設けられている
引っ張り部材とを具備し、前記引っ張り部材を形成する
内側部材の他端側を引っ張ることにより、前記動作切換
プレート部材をフレーム内に突出可能であることを特徴
とする請求項9記載の温室用駆動装置を提供する。請求
項13記載の本発明では、前記駆動伝達部材が、動力分
離モードの際に、前記動作対象部材を手動又は他の任意
の駆動力により動作させる他の動作機構を備えているこ
とを特徴とする請求項4〜12のいずれか1に記載の温
室用駆動装置を提供する。請求項14記載の本発明で
は、前記駆動伝達部材が、動力分離モードの際に、前記
動作対象部材の動作位置を任意の位置で固定可能な動作
位置固定機構を備えていることを特徴とする請求項4〜
13のいずれか1に記載の温室用駆動装置を提供する。
請求項15記載の本発明では、前記動作対象部材が換気
部材であり、温度上昇に伴う前記駆動材料の膨張によ
り、該換気部材が開放方向に動作し、温度の低下に伴っ
て前記駆動材料が収縮して復帰用弾性部材によってピス
トンがシリンダ内に収容される方向に移動することによ
り、該換気部材が閉鎖方向に動作する構造であることを
特徴とする請求項2〜14のいずれか1に記載の温室用
駆動装置を提供する。請求項16記載の本発明では、前
記アクチュエータを構成するシリンダの外面が黒色であ
ることを特徴とする請求項2〜15のいずれか1に記載
の温室用駆動装置を提供する。請求項17記載の本発明
では、前記アクチュエータが直列に複数連結されて用い
られることを特徴とする請求項2〜16のいずれか1に
記載の温室用駆動装置を提供する。
【0007】(作用)請求項1記載の本発明の温室用駆
動装置によれば、温室内の温度が上昇することにより、
駆動材料が膨張し、作動部が動作するため、アクチュエ
ータに連結された動作対象部材は、温度変化に伴って自
動的に動作する。請求項2記載の本発明の温室用駆動装
置によれば、温室内の温度が上昇することにより、駆動
材料が膨張し、シリンダとピストンの相対位置が変化す
る。例えば、シリンダの位置が固定されている場合に
は、ピストンに直接又は間接に連結された動作対象部材
が任意の位置から異なる位置へと動作する。請求項3記
載の本発明の温室用駆動装置によれば、温度が低下して
駆動材料が収縮すると、復帰用弾性部材の弾性力によっ
て、シリンダとピストンの相対位置が、常態位置へと復
帰する。請求項4又は5記載の本発明の温室用駆動装置
によれば、通常使用時においては、動作切換手段により
動力伝達モードに設定しておくことにより、アクチュエ
ータの駆動力を動作対象部材に伝達することができる。
緊急時等においては、動作切換手段により動力分離モー
ドに設定することにより、アクチュエータからの動力の
伝達を遮断でき、温度に拘わらず動作対象部材を動作さ
せることが可能となる。請求項6記載の本発明の温室用
駆動装置によれば、動力伝達モードにおいて、アクチュ
エータを構成するピストン又はシリンダの伸縮動作によ
り、作動部材を回転方向に動作させて動作対象部材を動
作させることができる。請求項7記載の本発明の温室用
駆動装置によれば、動作切換スライド部材をスライドさ
せるだけで、熱駆動部材と作動部材とを係合させたり、
両者の係合を解除させたりすることを容易に行うことが
できる。請求項8記載の本発明の温室用駆動装置によれ
ば、熱駆動部材及び作動部材がガイドレールに沿って直
線方向に移動可能に設けられており、熱駆動部材及び作
動部材をアクチュエータの伸縮方向と同じ方向に移動さ
せることで動作対象部材を動作させることができる。請
求項9〜12記載の本発明の温室用駆動装置によれば、
動作切換プレートをフレーム内に突出するように制御す
るか否かにより、簡易に動力伝達モードと動力分離モー
ドとに切り換えることができる。請求項13記載の本発
明の温室用駆動装置によれば、動作分離モードの際に、
他の動作機構により、動作対象部材を所望の位置に動作
させることができる。請求項14記載の本発明の温室用
駆動装置によれば、動作分離モードの際に、動作位置固
定機構により、動作対象部材を所望の動作状態で保持す
ることができる。請求項15記載の本発明の温室用駆動
装置によれば、天窓などの換気部材が、電動力を用いる
ことなく、自動的に制御され、開閉動作する。請求項1
6記載の本発明の温室用駆動装置によれば、シリンダ外
面が黒色であるため、太陽熱を吸収しやすい一方、曇天
時などにおいては放熱作用も早く、駆動材料の応答速度
を向上させることができる。請求項17記載の本発明の
温室用駆動装置によれば、動作対象部材の動作量(範
囲)を大きくとることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
形態に基づき説明する。図1〜図4は、本発明の一の実
施形態にかかる温室用駆動装置1を示す図である。この
図に示したように、本実施形態の温室用駆動装置1は、
アクチュエータ10と、支持フレーム20と、駆動伝達
部材30とを有して構成される。
【0009】アクチュエータ10は、シリンダ11と、
該シリンダ11内を摺動可能に配設され、作動部を構成
するピストン12とを備え、シリンダ11内には温度に
対応して体積変化する駆動材料(図示せず)がOリング
などのシール部材を介して密封されて充填されている。
駆動材料としては、例えば、アルコール、グリセリンな
どの液体や空気などの気体等を用いることができ、温度
上昇により該駆動材料の体積が膨張すると、ピストン1
2は、シリンダ11内で押圧されて伸長する。シリンダ
11の外面は黒色に着色されていることが好ましい。太
陽熱の吸収性が向上すると共に、曇天時などにおける放
熱作用も早いため、温度変化に対する応答性を高めるこ
とができる。アクチュエータ10は、図1〜図4に示し
たように、1本だけ用いてもよいが、例えば、シリンダ
11の後端部に雌ねじ部を形成し、他のアクチュエータ
のピストン先端部に雄ねじ部を設けるなどして、複数の
アクチュエータを直列に連結して用いることもできる。
これにより、動作対象部材の動作量をより大きく確保す
ることができ、動作対象部材の種類等によって、適宜の
連結本数で用いることができる。
【0010】また、アクチュエータ10は、上記したよ
うに、温度が上昇することにより、シリンダ11内に充
填された駆動材料が膨張し、ピストン12の位置が変化
するものの、温度が低下して冷えることによって駆動材
料が収縮しても、ピストン12は速やかには復帰しな
い。従って、駆動材料収縮時にピストン12を速やかに
復帰させるための復帰用弾性部材13を設けることが好
ましい。復帰用弾性部材13は、ピストン12に対し
て、シリンダ11内に収容される方向に押圧できればよ
く、その取り付け位置や構造は限定されるものではな
い。例えば、シリンダ11の外周にコイルスプリングを
配置し、一端をピストン12に、他端をシリンダ11に
それぞれ連結するように設けることもできる。また、本
実施形態のように、コイルスプリングからなる復帰用弾
性部材13を、その一端をシリンダ11に連結すると共
に、他端を、後述する熱駆動アーム32の適宜部位に連
結する構成とすることもできる(図2及び図3参照)。
【0011】支持フレーム20は、温室の適宜の不動
部、例えば、プラスチックフィルムやガラス板を支持し
ている骨組み材に固定されて設けられ、アクチュエータ
10のシリンダ11又はピストン12を保持できるもの
であればどのような構造であってもよい。本実施形態で
は、骨組み材などの温室の不動部に固定される固定プレ
ート21と、該固定プレート21を固定した際に、温室
内方に突出する方向に設けられた取り付けアーム22
と、該取り付けアーム22の先端付近に設けられた略コ
字状の支持枠部材23とを有して構成される。そして、
図1〜図3に示したように、この支持枠部材23に対
し、固定ボルト24により、シリンダ11の先端部11
aを固定している。本実施形態においては、シリンダ1
1を支持フレーム20に固定しているが、ピストン12
を固定し、シリンダ11を伸長させる構成としてもよい
ことはもちろんである。
【0012】固定プレート21は、図3及び図4に示し
たように、所定間隔離間して2枚設けられており、この
2枚の固定プレート21間に、駆動伝達部材30を構成
する回転軸31が架け渡され、支持されている。回転軸
31の端部には、連結アーム40などが固定されてお
り、該連結アーム40が回転軸31と共に回転すること
により、連結アーム40を介して連結される動作対象部
材が所定方向に動作せしめられる。
【0013】駆動伝達部材30は、上記した回転軸31
のほか、熱駆動部材としての熱駆動アーム32、作動部
材としての作動アーム33、動作切換手段を構成する動
作切換スライド部材35等を有して構成される。熱駆動
アーム32は、一端が上記した回転軸31に対して回転
自由に連結され、上記支持フレーム20を構成する取り
付けアーム22と同様に、温室内方に突出するように設
けられている。熱駆動アーム32の他端側には、図4に
示したように、L字型プレート32aが固着されてお
り、このL字型プレート32aを介してコ字型プレート
32bが固着されている。コ字型プレート32bの対向
する板状部間に架け渡される連結用ピン部材32cが、
ピストン12の先端部12aを貫通して設けられること
により、連結用ピン部材32cに対し、ピストン12の
先端部12aが回転自由に連結されて支持される。これ
により、熱駆動アーム32は、ピストン12が伸縮する
と、他端側が図1において上下方向に動作する。すなわ
ち、回転軸31に対して回転自由に連結された一端を中
心として回動する。
【0014】熱駆動アーム32は、回転軸31に対して
回転自由に連結されており、アクチュエータ10のピス
トン12が伸縮動作しても、その駆動力を回転軸31に
伝達することはできず、さらには、回転軸31に固定さ
れた連結アーム40に伝達することはできない。このた
め、本実施形態では、熱駆動アーム32の外面(上記コ
字型プレート32bが設けられる側と反対側に位置する
面)に、略Z字状の動力伝達プレート32dを固着し
(図4参照)、動力伝達プレート32dを介して、作動
アーム33と連動し得る構成としてる。
【0015】すなわち、作動アーム33は、その一端が
上記した回転軸31に固定され、回転軸31と共に回転
動作するように設けられており、動力伝達プレート32
dを介して熱駆動アーム32が動力伝達モードとなって
いることにより、アクチュエータ10のピストン12の
伸縮による駆動力が熱駆動アーム32に伝達されて作動
アーム33が回転動作し、さらに、回転軸31を回転さ
せ、連結アーム40を動作させる。
【0016】動作切換手段を構成する動作切換スライド
部材35は、略平行な二側面35a,35bを有する断
面略コ字状に形成され、作動アーム33を外面(動力伝
達プレート32dと向かい合っている面と反対側の面)
から抱持し、各側面35a,35bが動力伝達プレート
32dの少なくとも一部を各側面35a,35b間に収
容し得る構造を備えている(図3及び図4参照)。動作
切換スライド部材35には、一端部が外面に突出してい
るガイド軸35cが厚み方向に貫通配設されており、こ
のガイド軸35cが作動アーム33の長手方向に沿って
形成された長孔33aに案内されることにより、作動ア
ーム33に沿ってスライドし得るようになっている。ガ
イド軸35cが長孔33aに案内されて他端側(図4に
おいて右側)へ移動し、動力伝達プレート32dの一部
を側面35a,35b間に収容している状態では、熱駆
動アーム32が動作すると、動力伝達プレート32dが
いずれかの側面35a,35bに当接し、同方向に作動
アーム33を動作させる動力伝達モードになる。これに
対し、動作切換スライド部材35が一端側(回転軸31
側(図4において左側))へ移動した場合には、側面3
5a,35bで動力伝達プレート32dの一部を被覆し
て係合可能となっていた状態から、動力伝達プレート3
2dを被覆せず係合し得ない位置へと変わるため、熱駆
動アーム32の動作は作動アーム33へ伝達されない動
力分離モードになる。
【0017】図2及び図4に示すように、動作切換スラ
イド部材35に貫通配設されたガイド軸35cの一端部
と回転軸31との間にはバネ部材35dが配設されてい
る。これにより、動作切換スライド部材35は、常態に
おいて回転軸31に接近する方向に付勢されている。ま
た、ガイド軸35cには、位置調整用ワイヤ35eの一
端が連結されている。この位置調整用ワイヤ35eは、
作動アーム33の他端に回転自由に連結されたパイプ部
材からなり、強制動作機構を構成する手動操作バー36
内を通過して配設されている。具体的には、図5に示す
ように、手動操作バー36の下端付近に形成した長穴3
6aから該位置調整用ワイヤ35eの他端を外部に取り
出すように配置しており(図5(b)参照)、該他端に
連結した操作リング37の長穴36aにおける位置を上
下に調整することによって、動作切換スライド部材35
の位置を調整できるようになっている。
【0018】例えば、操作リング37の位置が図5
(c)に示したA位置の場合には、図5(f)のように
動作切換スライド部材35の側面35a,35bが動力
伝達プレート32dと係合可能な位置となり、熱駆動ア
ーム32の動作が作動アーム33に伝達される動力伝達
モードとなる。操作リング37の位置が図5(c)に示
したB位置の場合には、図5(e)のように動作切換ス
ライド部材35がバネ部材35dによって回転軸31に
接近する方向にスライドするため、動作切換スライド部
材35の側面35a,35bと動力伝達プレート32d
とが係合しない位置となる。従って、この場合には、動
力分離モードとなり、熱駆動アーム32の動作が作動ア
ーム33に伝達されず、強制動作機構を構成する手動操
作バー36を把持して作業者が上下動させることによ
り、熱駆動アーム32の動作とは全く独立して作動アー
ム33を回転させることができる。
【0019】熱駆動アーム32は、温度変化に対応して
体積変化する駆動材料が充填されたアクチュエータ10
によって動作せしめられる。従って、熱駆動アーム32
が直接回転軸31を回転させる構造であったり、あるい
は、熱駆動アーム32と作動アーム33とが常に連結さ
れた状態で設けられている場合には、温度が上昇すれ
ば、必ず、回転軸31が回転し、連結アーム40を介し
て動作対象部材が所定方向に動作してしまう。逆に、温
度変化が小さい場合には、動作対象部材を動作させたい
場合でも、アクチュエータ10のピストン12があまり
伸縮しないため、実質的に動作させることができない。
本発明のように温室に適用する場合には、例えば、温度
が低くても室内の湿気を抜きたい場合には換気部材を開
放動作させる必要があり、台風時には温度が高くても換
気部材を閉鎖させる必要があり、また、アクチュエータ
10の故障時の対応も考慮する必要がある。このため、
本実施形態のように、熱駆動アーム32と作動アーム3
3とが、連動して動作する動力伝達モードと、作動アー
ム33を手動操作バー36などの強制動作機構により、
熱駆動アーム32に対して独立して動作させることがで
きる動力分離モードとを設けておくことが好ましい。
【0020】また、換気部材などの動作対象部材によっ
ては、アクチュエータ10におけるピストン12の動作
量に拘わらず、強制的に、全開状態で保持したい場合、
小雨時のように多少の開放角度(少開状態)で保持した
い場合、あるいは全閉状態で保持したい場合がある。こ
のため、動作対象部材の動作状態を任意に固定できる動
作位置固定機構を設けることが好ましい。動作位置固定
機構の構造は限定されるものではないが、本実施形態で
は、支持フレーム20を構成する固定プレート21に、
円周方向に任意の角度をおいて係合溝21aを設けてい
る。この係合溝21aは、上記した動作切換スライド部
材35がバネ部材35dによって回転軸31側に接近し
た際に、ガイド軸35cの一端部が係合し得る位置に設
けられ、円周方向に任意の角度をおいて設けられてい
る。このため、動作対象部材が所望の位置に至ったなら
ば、ガイド軸35cに連結された位置調整用ワイヤ35
eの操作リング37の長穴36aにおける位置を上方向
に、すなわち図5(c)のC位置にすることにより、図
5(d)に示したように、バネ部材35dの付勢力によ
って、ガイド軸35cの一端部が上記係合溝21aに係
合する。従って、本実施形態では、係合溝21aとこれ
に係合するガイド軸35cが動作位置固定機構を構成す
る。これにより、アクチュエータ10におけるピストン
12の動作とは切り離して、動作対象部材を所定の開放
角度ないしは所定の状態で維持することができる。
【0021】本実施形態の温室用駆動装置1は、例え
ば、動作対象部材が温室の側面換気窓100である場合
には、図6に示したように、支持フレーム20を構成す
る固定プレート21に、ベースフレーム101を連結
し、このベースフレーム101を温室の骨組み材102
に固定すると共に、連結アーム40に対し、バネ部材
(図示せず)及び支軸41aを介して回動可能な延長ア
ーム41を連結して、該延長アーム41の先端を側面換
気窓100に連結して配設する。
【0022】温室の室内温度が所定以下の場合(例え
ば、夜間)には、アクチュエータ10のシリンダ11内
に充填された駆動材料が膨張していないため、側面換気
窓100は図6の実線で示した位置で閉鎖状態となって
いる。この際の温室用駆動装置1の状態を反対側の側面
から見ると、図7(a)に示した状態となっている。こ
のとき、位置調整用ワイヤ35eの操作リング37は、
手動操作バー36に形成された長穴36aにおいて最も
下側のA位置(図5(c)参照)に係合されており、動
作切換スライド部材35の各側面35a,35bが動力
伝達プレート35dの一部と係合し得る位置に設定され
ている。
【0023】かかる状態で、太陽が照り始め、温室内温
度が上昇すると、シリンダ11内の駆動材料が膨張し、
図7(b)に示したように、ピストン12をシリンダ1
1外へ押し出す方向に動作させて伸長させ、熱駆動アー
ム32が例えば略水平状態まで回動する。このとき、動
力伝達プレート35dが熱駆動アーム32と共に回動す
る際に、動作切換スライド部材35の一方の側面35a
に当接するため、作動アーム33を熱駆動アーム32の
動作に同期して回動させる。作動アーム33が回動する
と回転軸31が回転すると共に、連結アーム40も同方
向に回動するため、延長アーム41を介して連結された
側面換気窓100が所定角度開放され、図6の破線で示
した位置に至る。さらに、温度が上昇し、シリンダ11
内の駆動材料が膨張すると、図7(c)に示したよう
に、ピストン12がさらに伸長し、熱駆動アーム32が
回動し、動力伝達プレート35dを介して作動アーム3
3により、回転軸31及び連結アーム40を回動させ
る。これにより、延長アーム41を介して連結された側
面換気窓100は、さらに開放角度が増し、図6の一点
鎖線で示した状態(全開状態)になる。
【0024】一方、温度が低下し、シリンダ11内の駆
動材料が収縮すると、復帰用弾性部材13の弾性力によ
り、ピストン12がシリンダ11内に収容される方向に
移動して縮む。これにより、熱駆動アーム32の回転角
度が徐々に小さくなるため、動力伝達プレート35dが
動作切換スライド部材35の他方の側面35bに当接
し、作動アーム33、回転軸31及び連結アーム40を
上記と逆方向に回転させ、延長アーム41を介して連結
された側面換気窓100を徐々に閉鎖していく。
【0025】従って、本実施形態によれば、側面換気窓
100を開閉動作させるに当たって、電気を必要とせ
ず、また、電動とした場合のような制御盤等も不要であ
るため、ランニングコスト、設置コスト共に低減させる
ことができる。また、本実施形態の温室用駆動装置1
は、電源確保のために設置場所を制限されることもな
く、設置場所の自由度が高い。
【0026】一方、例えば、側面換気窓100が全開状
態において急な降雨となった場合、あるいは台風時など
において、シリンダ11内の駆動材料が温度低下によっ
て収縮するまで待っていたのでは、温室内の作物にとっ
て好ましくない場合もある。従って、この場合には、位
置調整用ワイヤ35eの操作リング37を、図5(c)
のB位置に移し、動作切換スライド部材35の各側面3
5a,35bと動力伝達プレート35dの一部との係合
状態を解除する(図5(e)参照)。これにより、熱駆
動アーム32及びこれに連結されたアクチュエータ10
の動力伝達経路が切り離されるため、作業者は手動操作
バー36により作動アーム33を図6及び図7において
下方向に回動させ、回転軸31、連結アーム40及び延
長アーム41を介して側面換気窓100を強制的に閉鎖
する。そして、さらに閉鎖状態を維持したい場合には、
位置調整用ワイヤ35eの操作リング37を、図5
(c)のC位置に移す。これにより、動作切換スライド
部材35は、バネ部材35dに付勢されて、ガイド軸3
5cの一端部が、図8(a)に示したように、固定プレ
ート21の最も下側に形成された係合溝21aに係合
し、閉鎖状態が維持される。なお、側面換気窓100
を、例えば、夏季の昼間の高温時に、全開状態で保持し
たい場合には、図8(b)に示したように、固定プレー
ト21の最も上側に形成された係合溝21aに、ガイド
軸35cの一端部を係合させるように操作リング37を
操作すればよい。
【0027】本発明の温室用駆動装置は上記した実施形
態に限定されるものではない。例えば、上記した実施形
態では、動作対象部材として側面換気窓を例に挙げてい
るが、これに限定されるものではなく、天窓等の他の換
気部材、あるいは作物の上方に配置される遮光用あるい
は保温用カーテン部材などの駆動装置としても適用可能
であることはもちろんである。また、上記実施形態で
は、アクチュエータ10のピストン12の伸縮による駆
動力を、熱駆動アーム32、作動アーム33及び回転軸
31等を介して回転力に変換しているが、動作対象部材
の種類や取り付け位置等によっては、後述の実施形態の
ように、アクチュエータ10の駆動力をそのまま直線的
な駆動方向の力として利用することもできる。
【0028】また、アクチュエータ10のピストン12
又はシリンダ11を動作対象部材に直接連結して用いる
ことも可能である。但し、温室に用いる場合には、温室
内外の環境条件との関係に配慮する必要があることか
ら、上記実施形態のように、アクチュエータ10の駆動
力を必要に応じて分離して伝達されない構造とすること
が好ましい。また、アクチュエータ10の駆動力の伝達
を分離する構造とする場合、上記実施形態では、手動操
作により動作対象部材を動作させる構成としているが、
このような緊急時等のみ、電動力等の他の駆動力を用い
て強制動作させる構成とすることもできる。この場合で
も、通常の使用状態では電動力を用いる必要がないた
め、従来の電動式の駆動装置と比較すれば、ランニング
コストを低減できる。また、必要に応じて、電動力によ
る動作に加えて、さらに手動による動作も補助的に組み
合わせて用いる構成とすることもできる。
【0029】また、アクチュエータとしては、シリンダ
と、シリンダ内を摺動するピストンとからなるもののよ
うに直線的な動作をするものではなく、任意のケーシン
グ内に温度に対応して体積変化する駆動材料が充填さ
れ、その体積変化によって作動部が動作するものであれ
ばよい。従って、例えば、作動部が回転方向に動作する
構造とすることもできる。
【0030】次に、図9〜図20に基づき、本発明の他
の実施形態を説明する。上記実施形は、熱駆動部材であ
る熱駆動アーム32を回転方向に動作させることによ
り、同じく回転方向に動作する作動部材としての作動ア
ーム33を介してアクチュエータ10の動力を動作対象
部材に伝達するものであるが、本実施形態においては、
熱駆動部材を、アクチュエータを構成するピストン又は
シリンダの伸縮方向と同方向に直線的に移動可能とする
と共に、作動部材も熱駆動部材と同様に直線的に移動可
能に配設し、動作対象部材に動力を伝達する駆動伝達部
材を用いている。
【0031】具体的には、本実施形態の駆動伝達部材3
00は、動作対象部材である換気部材、例えば、上縁を
基端として下縁が離接するように、温室の妻面に設けら
れる換気部材(妻窓)410の窓枠400に固定される
ガイドレール310を備え、このガイドレール310に
沿って熱駆動部材320及び作動部材330を移動可能
に設けている。
【0032】ガイドレール310は、窓枠400に、そ
の上端と下端が固定されて上下方向に沿って配設され、
左右に互いに平行に設けられたT字状の2つのレール部
311,312を有する(図9、図13参照)。
【0033】熱駆動部材320は、2つのレール部31
1,312間の隙間に配置し得る幅で略箱形に形成さ
れ、ガイドレール310の各レール部311,312に
沿って走行可能な車輪321,321を備えている(図
13参照)。ガイドレール310の下端付近であって、
各レール部311,312間の隙間には、アクチュエー
タ500がガイドレール310の長手方向に沿って配設
される。アクチュエータ500は、上記した実施形態と
同様に、シリンダ510内に、温度変化に対応して体積
が変化する駆動材料が充填されており、温度が上昇する
と駆動材料が膨張し、ピストン520を押圧する。アク
チュエータ500は、シリンダ510又はピストン52
0のいずれかを固定して用いられるが、本実施形態で
は、シリンダ510を、取り付け部材515を介してガ
イドレール310に固定している(図9及び図11参
照)。従って、上記した熱駆動部材320は、ピストン
520の先端に取り付けられる。
【0034】また、アクチュエータ500には、上記実
施形態と同様に、温度低下により駆動材料が収縮した際
のピストン520の復帰動作を速やかに行わせるため、
復帰用弾性部材530が設けられる。ピストン520を
シリンダ510内へ収容する方向に付勢するものであれ
ば、その取り付け位置等は限定されるものではなく、本
実施形態では、ピストン520の先端に連結される熱駆
動部材320と、シリンダ510の側部であって、ガイ
ドレール310の各レール部311,312間に内方に
向けて突設したピン315との間に、コイルスプリング
からなる復帰用弾性部材530を2本配設している。
【0035】作動部材330は、図12及び図13に示
したように、背面板331aと、互いに対向する一対の
側板331b,331bとを有し、上面及び下面が開放
された断面略コ字状のフレーム331を備え、開口側を
ガイドレール310に対面させて配設される。より詳し
くは、フレーム331の開口側には、各側板331b,
331bから略直角に内側に折り曲げられた後、さらに
略直角に折り曲げられて形成された屈曲部331c,3
31cが設けられており、この屈曲部331c,331
cに車輪332,332が支持され、該車輪332,3
32が2つのレール部311,312の各外面に沿って
移動し得るように設けられている。また、フレーム33
1は、側板331b,331b間の間隔が、上記熱駆動
部材320の幅よりも広く、かつ該側板331b,33
1bの奥行きが熱駆動部材320の奥行き(厚み)より
も長く形成され、フレーム331を構成する背面板33
1aと側板331b,331bにより形成される内部空
間内を上記熱駆動部材320が通過し得るようになって
いる。
【0036】作動部材330には、動作切換手段340
を備えている。この動作切換手段340は、フレーム3
31の背面板331aの外面側に略水平に回転可能に軸
支した支持軸341と、該支持軸341に支持される動
作切換プレート部材342と、前記動作切換プレート部
材342に離接可能に設けられ、動作切換プレート部材
342に接触するように動くことにより、動作切換プレ
ート部材342を押圧してフレーム341内に突出させ
る切換部材343と、該切換部材343を常態位置に復
帰させる復帰部材344とを備えて構成される。
【0037】動作切換プレート部材342は、図14に
示したように、動熱駆動部材320の幅よりも幅広に形
成された熱駆動部材受け板部342aと、熱駆動部材受
け板部342aの幅方向略中央部に上方に向かって突出
し、熱駆動部材受け板部342aよりも幅の狭い延長板
部342bと、延長板部342bの両側部にそれぞれ後
方に向かって突設された係合板部342cと、熱駆動部
材受け板部342aの両側部にそれぞれ後方に向かって
突設された押圧板部342dとを有し、これらが一体に
形成されている。そして、図12及び図13に示したよ
うに、フレーム331の背面板331aの略中央部に形
成した開口部331dを介して、係合板部342cを該
背面板331aの外面側に臨ませ、背面板331aの外
面側に軸支されている支持軸341に係合させて配設さ
れる。また、常態においては、延長板部342b、熱駆
動部材受け板部342aは、自重により背面板331a
の内面に近接し、押圧板部342dが、背面板331a
に形成した縦長の貫通孔から、該背面板331aの外面
側に突出するように設けられる。
【0038】切換部材343と復帰部材344は、図1
2及び図13に示したように、ケーシング345により
保持され、背面板331の一方の側部寄りに取り付けら
れる。切換部材343は、図15及び図16に示したよ
うに、長辺部343aと短辺部343bを備えた略L字
状の板状部材からなり、ケーシング345から上下端が
突出可能な長さを有すると共に、復帰部材344は細長
の板状部材からなり、少なくとも下端がケーシング34
5から下方に突出する長さを有している。また、両者
は、略中央部で互いに連結されて一体化されている。こ
のため、いずれかが押圧されることにより、ケーシング
345内で一緒に動く構成となっている。そして、図1
3に示したように、切換部材343は、背面板331a
を挟んで外面側であって、動作切換プレート部材342
の押圧板部342dの上方に短辺部343bが位置し、
復帰部材344は背面板331aの内面側に位置するよ
うに配設される。
【0039】また、切換部材343の長辺部343aに
は、図15及び図16に示したように、ボールプランジ
ャなどの位置決め部材346が係合する位置決め用の係
合溝343c,343dが上下に間隔をおいて2つ設け
られており、常態において下側の係合溝343dに係合
し、上端がケーシング345から上方に突出している。
そして、下方に押圧されることにより、位置決め部材3
46が、上側の係合溝343cに係合し、該切換部材3
43の短辺部343bが動作切換プレート部材342の
押圧板部342dに接触して、動作切換プレート部材3
42の熱駆動部材受け板部342aを背面板331aの
内面から離間させ、フレーム331の内方に突出させる
(図18(b)、図19(b)参照)。この際、復帰部
材344も切換部材343と共に下方に移動し、ケーシ
ング345から突出するが、後述のように、動作切換プ
レート部材342がさらに内方に回動することにより、
熱駆動部材受け板部342aが復帰部材344の下端を
上方に押圧し、該復帰部材344と共に切換部材343
を常態位置に復帰させる(図20(b)、図17(b)
参照)。
【0040】切換部材343の上端を下方に押圧する手
段は任意であり、ガイドレール310に沿って移動する
際に、必要な場合に押圧できるものであればよい。本実
施形態では、図9に示したように、ガイドレール310
の上部付近に、L字型の板状部材からなる当接板350
を固定配設し、作動部材330を上昇させると、該当接
板350が切換部材343に接触して下方に押圧する構
成としている(図18(b)参照)。
【0041】作動部材330のフレーム331の各側面
には、図9〜図13に示したように、アーム部材360
の一端360aが軸支されている。このアーム部材36
0の他端360bは、動作対象部材としての換気部材4
10の上部付近に軸支されている。従って、作動部材3
30がガイドレール310に沿って上方向に移動する
と、アーム部材360は、他端360bが外側に向かっ
て押し出されていき、換気部材410を開口させる。
【0042】また、作動部材330のフレーム331に
は、背面板331aの後方に突出するように支持される
略コ字状のワイヤ取り付け枠370が設けられている。
このワイヤ取り付け枠370の略中央部に、図11に示
したように、ワイヤ371の一端が係合される。このワ
イヤ371は、ガイドレール310の上端に設けた滑車
372に巻き掛けられ、他端は、換気部材410とガイ
ドレール310との間の隙間を通過して、下方に垂れ下
げられる。従って、作業者は、このワイヤ371の他端
を押し下げるように引っ張ることにより、ワイヤ取り付
け枠370を介して作動部材330を手動で上昇させる
ことができる。
【0043】ここで、符号380は、ガイドレール31
0の上部付近において、後方に向かって突設した取り付
け部材385に略水平に支持させた軸部材386に一端
が係合されると共に、換気部材410の上部付近に架け
渡した桟部材420に他端が係合され、該換気部材41
0を常時閉じる方向に付勢しているコイルスプリングで
ある。窓枠410は、自重により閉じられるが、閉じた
際の窓枠400との密閉度を高めるために設けられるも
のである。
【0044】次に、図17〜図20に基づき、本実施形
態の作用を説明する。まず、図17(a),(b)に基
づいて動力分離モードにおける動作について説明する。
換気部材410が窓枠400に密接して、閉じられた状
態から、例えば、手動により開放する場合には、ワイヤ
371の他端を下方に引く。これにより、滑車372を
介してワイヤ取り付け枠370が上方に引っ張られるた
め、作動部材330はガイドレール310に沿って上昇
し、アーム部材360の他端360bが外側に向かって
押し出されていき、換気部材410を開口させる。な
お、例えば、窓枠400などに、動作位置固定機構を構
成するワイヤ371用の引っ掛け部等を設けておくこと
により、ワイヤ371の他端を適宜長さ下方に引っ張っ
た状態で該引っ掛け部に係合させれば、換気部材410
を任意の開放角度で固定できる。逆に、開放状態から閉
じる際には、ワイヤ371を上記の引っ掛け部から外す
と、換気部材410の自重及びコイルスプリング380
の復元力により、窓枠400に密接するように閉じてい
く。
【0045】これに対し、動力伝達モードに切り換える
際には、まず、図18(a)に示したように、ワイヤ3
71を操作して作動部材330をガイドレール310に
沿って上昇させ、当接板350に切換部材343の上端
を当接することにより、切換部材343を下方に押圧す
る。これにより、図18(b)に示したように、切換部
材343の短辺部343bが動作切換プレート部材34
2の押圧板部342dに接触して、動作切換プレート部
材342の熱駆動部材受け板部342aを背面板331
aの内面から離間させ、フレーム331の内方に任意の
角度傾斜した状態で突出させる。この際、位置決め部材
346は、切換部材343の上側の係合溝343cに係
合するため、動作切換プレート部材342はフレーム3
31の内方に任意の角度で傾斜して突出した状態を維持
する。
【0046】次に、図19(a)に示したように、ワイ
ヤ371を操作して、作動部材330をガイドレール3
10に沿って下降させ、アクチュエータ500のピスト
ン520の先端に設けられた熱駆動部材320に接近さ
せ、さらに、フレーム331内に、熱駆動部材320が
収容されるまで下降させる。このとき、作動部材330
は、図19(b)に示したように、動作切換プレート部
材342がフレーム331内に突出した状態を維持して
いる。フレーム331内に熱駆動部材320が収容され
ると、図20(a),(b)に示したように、熱駆動部
材320の上面が、動作切換プレート部材342の熱駆
動部材受け板部342aに当接し、該熱駆動部材受け板
部342aがさらにフレーム331の内方に回動するよ
うに、該熱駆動部材受け板部342aの裏面が復帰部材
344を下方から押し上げていく。復帰部材344が下
方から押圧されると、切換部材343を、位置決め部材
346が該切換部材343の下側の係合溝343dに係
合するまで復帰させる。
【0047】かかる状態で、温度が上昇すると、アクチ
ュエータ500内の駆動材料が膨張し、シリンダ510
に対してピストン520が伸長し、熱駆動部材320に
よって作動部材330をガイドレール310に沿って押
し上げ、アーム部材360の他端360bが外側に向か
って押し出されていき、換気部材410を開口させる。
温度が低下して駆動材料が収縮すると復帰用弾性部材5
30により、ピストン520がシリンダ510内に収容
されていくため、熱駆動部材320はガイドレール31
0に沿って下降し、これに伴い、作動部材330も、換
気部材410の自重及びコイルスプリング380の復元
力により、熱駆動部材320に追随してガイドレール3
10に沿って下降して、換気部材410が自動的に閉鎖
される。
【0048】一方、動力伝達モードにおいて、例えば、
ピストン520が伸長して換気部材410が開口してい
る際に、急な降雨等により、換気部材410を閉じよう
とする場合には、駆動材料の収縮を待っていることはで
きないので、動力分離モードに切り換えるが、この場合
の操作としては、ワイヤ371の他端をやや下方に引く
操作のみでよい。ワイヤ371の他端を下方に引くこと
により、作動部材330のみが上昇し、熱駆動部材32
0から離間する。動力伝達モードで動作している際に
は、熱駆動部材320の上面によって熱駆動部材受け板
部342aの裏面が復帰部材344を押圧し、切換部材
343は既に上方に移動している。このため、熱駆動部
材受け板部342aを復帰部材344に押圧する力が解
除された途端、動作切換プレート342は、支持軸34
1を中心として、フレーム331の背面板331aに近
接した常態位置に即座に復帰する状態となっている。従
って、ワイヤ371の操作により、作動部材330のみ
を上昇させて熱駆動部材320の上面から離間させた場
合には、離間すると同時に、動作切換プレート342
が、図17(b)に示したように常態位置に復帰する。
【0049】この結果、かかる状態で、ワイヤ371を
緩め、作動部材330をガイドレール310に沿って下
降させた場合には、フレーム331が熱駆動部材320
の外側を通過するため、ピストン520が伸長状態であ
るにも拘わらず、作動部材330はさらにガイドレール
310に沿って下降し、換気部材410を閉鎖すること
ができる。
【0050】なお、本実施形態においては、上記した動
作切換手段340に代えて、図21及び図22に示した
動作切換手段600を用いることもできる。この動作切
換手段600は、上記と同様に作動部材330のフレー
ム331の背面板331aに対して略水平に設けた支持
軸610を備え、この支持軸610に対して、動作切換
プレート部材620を回転自由に支持させている。但
し、この態様で用いた動作切換プレート部材620は、
図22(a),(b)に示したように、熱駆動部材受け
板部621と、この熱駆動部材受け板部621の両側部
において後方に突出する係合板部622と、熱駆動部材
受け板部621の上縁から後方に突出する突出板部62
3とを備えてなる。そして、背面板331aに形成した
開口部331dを介して、係合板部622と突出板部6
23とを背面板331aの後方に突出させ、係合板部6
22を支持軸610に軸支し、常態において、熱駆動部
材受け板部621が背面板331aの内側面に近接する
ように配置している。
【0051】この動作切換手段600においては、動作
切換プレート部材620をフレーム331の内方に突出
する手段として、長尺で可撓性のある筒状の外側部材6
31と、該外側部材631内に配置された長尺で可撓性
のある内側部材632とを備えた引っ張り部材630を
用いている。外側部材631の一端631a側は、フレ
ーム331の任意位置に、本態様では、背面板331a
の下縁から後方に屈曲した取り付け板部331eに固定
され、他端631b側は、任意の不動部、本態様では、
窓枠400の下縁400a付近に取り付け金具400b
を介して固定される。外側部材631は、作動部材33
0がガイドレール310に沿って上下動する範囲に追随
できるだけの長さを有する。従って、図21に示したよ
うに作動部材330が下降した位置に存在する場合に
は、外側部材631は弛んだ状態となり、作動部材33
0が上昇するに従って弛みが解消されるように伸長す
る。
【0052】内側部材632は、外側部材631内に収
容されるワイヤ、ケーブル、紐等からなり、一端632
a側は、外側部材631の一端631aから突出して、
動作切換プレート部材620における回転動作の基端側
に位置する突出板部623に連結され、他端632b側
は、外側部材631の他端631bから突出して下方に
垂れ下げられている。従って、内側部材632の長さ
は、外側部材631より長くなっている。
【0053】本態様によれば、図22(a)に示したよ
うに、動作切換プレート部材620の熱駆動部材受け板
部621がフレーム331の背面板331aに近接して
いる状態では、動力分離モードとなり、上記と同様に、
ワイヤ371の他端を下方に引くことで、手動で換気部
材410を開放することができる。この際、引っ張り部
材630を形成する外側部材631が、作動部材330
が下降した状態で弛みを有する長さを備えているため、
作動部材330の動作位置が変化して外側部材631が
伸びたり弛んだりしても、内側部材632はこれに追随
して伸びたり弛んだりするのみで、動作切換プレート部
材620の突出板部623を下方に押し下げる力が働か
ない。
【0054】これに対し、動力伝達モードに切り換える
際には、図22(b)に示したように、引っ張り部材6
30を構成する内側部材632の他端632b側を引っ
張る。これにより、各端部631a、631bが固定さ
れている外側部材631の屈曲状態に拘わらず、すなわ
ち、作動部材330のガイドレール310上の位置に拘
わらず、内側部材632は外側部材631内を独立して
摺動し、動作切換プレート部材620の突出板部623
を下方に押し下げる。突出板部623は、背面板331
aの後方に突出しているため、これが押し下げられた場
合には、支持軸610を中心として、熱駆動部材受け板
部621がフレーム331内で前方に突出するように回
転する。かかる状態で、ワイヤ371を緩め、作動部材
330をガイドレール310に沿って下降させると、ピ
ストン520の先端に設けられた熱駆動部材320が熱
駆動部材受け板部621に当接する。これにより、動力
伝達モードとなり、上記と同様に、熱駆動部材320を
介してピストン520が伸縮すると、換気部材410が
これに追随して自動的に開放したり閉じたりする。
【0055】動力伝達モードから動力分離モードにする
場合には、ワイヤ371の他端を引っ張り、作動部材3
30を僅かに上昇させる。これにより、動作切換プレー
ト部材620の熱駆動部材受け板部621から熱駆動部
材320が離間するため、動作切換プレート部材620
は、背面板331aに近接する方向に回転し、常態位置
に復帰する。この態様によれば、動力伝達モードと動力
分離モードとの切換を、ワイヤ371の引き込み操作
と、引っ張り部材630を形成する内側部材632の引
き込み操作とを行うのみで、容易に切り換えることがで
きる。
【0056】
【発明の効果】本発明の温室用駆動装置は、温度変化に
追随して体積が変化する駆動材料を用いたアクチュエー
タを利用している。このため、温室に設けられる各種の
動作対象部材を動作させるに当たって、人手を用いるこ
となく自動的に、温室環境、特に温度条件に見合った制
御を行うことができる。しかも、電動力を用いる必要が
ないため、従来の電動式の駆動装置と比較してランニン
グコスト、設置コストを低減できると共に、設置場所の
制約も少ない。また、落雷による装置の停止や故障の発
生度合いも少なくすることができる。また、アクチュエ
ータの駆動力を伝達する動力伝達モードと、アクチュエ
ータの駆動力の伝達を解除する動力分離モードとに切り
換える動作切換手段を設けた構成とした場合には、動作
切換手段により動力伝達モードで使用することで、アク
チュエータの駆動力を動作対象部材に伝達し、動作対象
部材を自動的に制御できる一方、緊急時等においては、
動作切換手段により動力分離モードに設定することで、
アクチュエータからの動力の伝達を任意に遮断でき、温
度に拘わらず動作対象部材を動作させることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態にかかる温室用駆動装置
の右側面図である。
【図2】上記実施形態にかかる温室用駆動装置の左側面
図である。
【図3】上記実施形態にかかる温室用駆動装置の正面図
である。
【図4】上記実施形態にかかる温室用駆動装置の平面図
である。
【図5】上記実施形態にかかる温室用駆動装置の動作を
説明するための図であり、(a)は全閉状態を、(b)
は手動操作バーの構成を、(c)は手動操作バーにおけ
る操作リングの位置を、(d)は動作位置を固定した状
態を、(e)は動力分離モードの状態を、(f)は動力
伝達モードの状態をそれぞれ示す図である。
【図6】上記実施形態にかかる温室用駆動装置を側面換
気窓の開閉用に用いた場合の設置例を示す図である。
【図7】側面換気窓の開閉用に用いた上記実施形態にか
かる温室用駆動装置の動力伝達モードにおける作用を説
明するための図であり、(a)は全閉状態を、(b)は
少開状態を、(c)は全開状態をそれぞれ示す図であ
る。
【図8】上記実施形態にかかる温室用駆動装置の動作位
置を固定した状態を示す図であり、(a)は少開状態で
固定した状態を、(b)は全開状態で固定した状態をそ
れぞれ示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態にかかる温室用駆動装置
を換気部材の窓枠に取り付けた状態を示す正面図であ
る。
【図10】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置を
換気部材の窓枠に取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置を
換気部材の窓枠に取り付けた状態を示す側面図である。
【図12】上記他の実施形態で用いた作動部材及び動作
切換手段を説明するための正面図である。
【図13】上記他の実施形態で用いた作動部材及び動作
切換手段を説明するための平面図である。
【図14】上記他の実施形態で用いた動作切換手段を構
成する動作切換プレート部材を示す斜視図である。
【図15】上記他の実施形態で用いた動作切換手段を構
成する切換部材及び復帰部材を説明するための側面図で
ある。
【図16】上記他の実施形態で用いた動作切換手段を構
成する切換部材及び復帰部材を説明するための正面図で
ある。
【図17】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置の
動力分離モードにおける作用を説明するための図であ
る。
【図18】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置を
動力分離モードから動力伝達モードに切り換える際の作
用を説明するための図である。
【図19】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置を
動力分離モードから動力伝達モードに切り換える際の作
用を説明するための図である。
【図20】上記他の実施形態にかかる温室用駆動装置の
動力伝達モードにおける作用を説明するための図であ
る。
【図21】他の態様にかかる動作切換手段を用いた温室
用駆動装置を換気部材の窓枠に取り付けた状態を示す正
面図である。
【図22】他の態様にかかる動作切換手段を示す図であ
り、(a)は動力分離モードを、(b)は動力伝達モー
ドを示す図である。
【符号の説明】
1 温室用駆動装置 10,500 アクチュエータ 11,510 シリンダ 12,520 ピストン 13,530 復帰用弾性部材 20 支持フレーム 21 固定フレーム 21a 係合溝 30 駆動伝達部材 31 回転軸 32 熱駆動アーム 32d 動力伝達プレート 33 作動アーム 35 動作切換スライド部材 35c ガイド軸 35e 位置調整用ワイヤ 36 手動操作バー 40 連結アーム 300 駆動伝達部材 310 ガイドレール 320 熱駆動部材 330 作動部材 331 フレーム 331a 背面板 340,600 動作切換手段 341,610 支持軸 342,620 動作切換プレート部材 343 切換部材 344 復帰部材 371 ワイヤ 400 窓枠 410 換気部材 630 引っ張り部材 631 外側部材 632 内側部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B029 NA07 NA10 NB06 2E052 AA06 BA05 CA01 DA01 DA06 DB01 DB06 EA00 EB01 FA01 GA05 GC01 GC05 KA06 KA14 KA15 3H081 AA03 BB05 BB14 CC29 HH10 3H082 AA25 CC20 EE20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温室を構成する換気部材、遮光部材、保
    温部材などの各種の動作対象部材を動作させるための温
    室用駆動装置であって、 温度に対応して体積変化する駆動材料と、該駆動材料の
    体積変化によって動作する作動部とを備え、前記動作対
    象部材に、直接又は間接に連結されて配設されるアクチ
    ュエータを有することを特徴とする温室用駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータは、前記駆動材料が
    充填されるシリンダと、該シリンダ内を摺動し、前記作
    動部を構成するピストンとを備えてなり、 前記シリンダ及びピストンのいずれか一方が前記動作対
    象部材に、他方が任意の固定部材にそれぞれ直接又は間
    接に連結されて配設され、 前記駆動材料が温度上昇に追随して膨張することによ
    り、前記ピストンとシリンダの相対位置が変化し、前記
    動作対象部材を動作させる構造であることを特徴とする
    請求項1記載の温室用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動材料が温度の低下により収縮し
    た際に、前記ピストンをシリンダ内に収容する方向に付
    勢する復帰用弾性部材が設けられていることを特徴とす
    る請求項2記載の温室用駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータの駆動力を前記動作
    対象部材に伝達する駆動伝達部材が、動力伝達モード
    と、動力分離モードとに切換可能な動作切換手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記
    載の温室用駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動伝達部材が、前記アクチュエー
    タを構成するピストンとシリンダのうちの動作側に連結
    され、アクチュエータの駆動に伴って動作する熱駆動部
    材と、前記動作対象部材に連結され、動作対象部材を動
    作させる作動部材とを有すると共に、前記動作切換手段
    が、前記熱駆動部材と作動部材とを、前記ピストン又は
    シリンダの動作位置に拘わらず、連結又は非連結状態に
    切り替え可能に設けられ、熱駆動部材と作動部材とが連
    結状態の場合に前記動力伝達モードとなり、非連結状態
    の場合に前記動力分離モードとなる構造であることを特
    徴とする請求項4記載の温室用駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記熱駆動部材及び作動部材がいずれも
    回転可能に支持されると共に、熱駆動部材に前記アクチ
    ュエータを構成するピストンとシリンダのうちの動作側
    が連結され、 動力伝達モードにおいては、前記アクチュエータを構成
    するピストン又はシリンダの伸縮動作により、前記作動
    部材が回転方向に動作して動作対象部材を動作させ、動
    作分離モードにおいては、前記作動部材のみが回転方向
    に動作して動作対象部材を動作させる構造であることを
    特徴とする請求項5記載の温室用駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記熱駆動部材と作動部材とが共に同じ
    回転軸に支持されていると共に、熱駆動部材は該回転軸
    に対して回転自由に連結され、作動部材は該回転軸に固
    定されて該回転軸と共に回転可能に連結されており、 前記動作切換手段が、作動部材に沿って移動可能に設け
    られた動作切換スライド部材からなり、作動部材上の所
    定の位置で熱駆動部材に係合でき、係合することにより
    前記アクチュエータによって熱駆動部材と作動部材とが
    共に回転軸に対して回転動作する動力伝達モードとな
    り、作動部材上の他の位置へ移動させると熱駆動部材と
    の係合が解除され、作動部材のみが回転軸と共に回転動
    作する動力分離モードとなる構造であることを特徴とす
    る請求項6記載の温室用駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記熱駆動部材及び作動部材がいずれも
    ガイドレールに沿って移動可能に設けられると共に、前
    記熱駆動部材は、前記アクチュエータを構成するピスト
    ン又はシリンダの伸縮動作に伴ってガイドレールに沿っ
    てピストン又はシリンダの伸縮方向と同方向に移動可能
    に設けられ、 動力伝達モードにおいては、前記アクチュエータを構成
    するピストン又はシリンダの伸縮動作により、前記作動
    部材がガイドレールに沿って動作して動作対象部材を動
    作させ、動作分離モードにおいては、前記作動部材のみ
    がガイドレールに沿って動作して動作対象部材を動作さ
    せる構造であることを特徴とする請求項5記載の温室用
    駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記作動部材がガイドレールに沿って移
    動した際に、熱駆動部材の外側を通過するフレームを備
    え、 前記動作切換手段が、前記フレームに支持され、該フレ
    ーム内に突出可能な動作切換プレート部材を有してな
    り、該動作切換プレート部材をフレーム内に突出させる
    ことにより、前記熱駆動部材が該動作切換プレートを押
    圧して作動部材をガイドレールに沿って移動させる動力
    伝達モードとなり、前記熱駆動部材が動作切換プレート
    部材から離間することにより、該動作切換プレート部材
    が常態位置に復帰し、前記作動部材のフレームが熱駆動
    部材の外側を通過可能な動力分離モードとなる構造であ
    ることを特徴とする請求項8記載の温室用駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記動作切換手段が、前記フレームに
    設けた支持軸と、該支持軸に支持される動作切換プレー
    ト部材と、前記動作切換プレート部材に離接可能に設け
    られ、動作切換プレート部材に接触するように動くこと
    により、動作切換プレート部材を押圧して前記支持軸を
    中心にフレーム内に突出するように回転させる切換部材
    と、該切換部材を常態位置に復帰させる復帰部材とを備
    えて構成されることを特徴とする請求項9記載の温室用
    駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記動作切換プレート部材が、熱駆動
    部材受け板部と、該熱駆動部材受け板部から後方に突出
    する係合板部とを備えてなると共に、 前記切換部材が動作切換プレート部材の係合板部の上方
    に位置し、前記復帰部材がフレーム内に位置するように
    設けられ、かつ、該切換部材と復帰部材とが中途で連結
    されて一体化されて構成されており、 切換部材が下降することにより、前記動作切換プレート
    部材の係合板部を押圧して、フレーム内に突出させ、熱
    駆動部材に押圧されることにより、該熱駆動部材受け板
    部が復帰部材を押し上げて、切換部材を常態位置に復帰
    させる構成であることを特徴とする請求項10記載の温
    室用駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記動作切換手段が、 前記フレームに設けた支持軸と、 該支持軸に支持される動作切換プレート部材と、 長尺で可撓性のある筒状の外側部材と、該外側部材内に
    配置された長尺で可撓性のある内側部材とを備えてお
    り、外側部材は、一端側が前記作動部材のフレームに固
    定され、他端側が任意の不動部に固定されて設けられ、
    内側部材は、一端側が前記外側部材の一端から突出して
    前記動作切換プレート部材に連結され、他端側が前記外
    側部材の他端から突出して設けられている引っ張り部材
    とを具備し、 前記引っ張り部材を形成する内側部材の他端側を引っ張
    ることにより、前記動作切換プレート部材をフレーム内
    に突出可能であることを特徴とする請求項9記載の温室
    用駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動伝達部材が、動力分離モード
    の際に、前記動作対象部材を手動又は他の任意の駆動力
    により動作させる他の動作機構を備えていることを特徴
    とする請求項4〜12のいずれか1に記載の温室用駆動
    装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動伝達部材が、動力分離モード
    の際に、前記動作対象部材の動作位置を任意の位置で固
    定可能な動作位置固定機構を備えていることを特徴とす
    る請求項4〜13のいずれか1に記載の温室用駆動装
    置。
  15. 【請求項15】 前記動作対象部材が換気部材であり、
    温度上昇に伴う前記駆動材料の膨張により、該換気部材
    が開放方向に動作し、温度の低下に伴って前記駆動材料
    が収縮して復帰用弾性部材によってピストンがシリンダ
    内に収容される方向に移動することにより、該換気部材
    が閉鎖方向に動作する構造であることを特徴とする請求
    項2〜14のいずれか1に記載の温室用駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記アクチュエータを構成するシリン
    ダの外面が黒色であることを特徴とする請求項2〜15
    のいずれか1に記載の温室用駆動装置。
  17. 【請求項17】 前記アクチュエータが直列に複数連結
    されて用いられることを特徴とする請求項2〜16のい
    ずれか1に記載の温室用駆動装置。
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