JP2003333688A - スピーカー - Google Patents

スピーカー

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JP2003333688A JP2002142330A JP2002142330A JP2003333688A JP 2003333688 A JP2003333688 A JP 2003333688A JP 2002142330 A JP2002142330 A JP 2002142330A JP 2002142330 A JP2002142330 A JP 2002142330A JP 2003333688 A JP2003333688 A JP 2003333688A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に高い高域再生限界周波数fhを有し、
超高域周波数領域において優れた音圧レベルを有する安
価なスピーカーを提供すること。 【解決手段】 本発明のスピーカーは、振動板と、振動
板を駆動するボイスコイルと、ボイスコイルと交差する
磁界を形成する磁気回路とを有する。磁気回路は、ポー
ルピース、マグネットおよびプレートを含む。振動板と
ポールピースとの間には剛体の質量体が配設されてい
る。好ましくは、この質量体は、金属、樹脂およびゴム
からなる群から選択される材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカーに関す
る。より詳細には、本発明は、非常に高い高域再生限界
周波数fhを有し、超高域周波数領域において優れた音
圧レベルを有する安価なスピーカーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ関連業界においては音
楽ソースのデジタル化が急速に進んでいる。このような
状況においては、スピーカーに対しても再生周波数帯域
の拡大が求められている。例えば、高域再生スピーカー
において再生周波数帯域を拡大するには、高域再生限界
周波数fhをさらに高周波数側にシフトさせることが必
要である。fhを高周波数側にシフトさせる手段として
は、代表的には、振動系の重量を軽量化すること、振動
板の剛性を高めること、振動板とボイスコイルとの接合
部における振動板の半頂角を小さくすることなどが挙げ
られる。
【0003】ここで、高域再生スピーカーにおいては、
振動板材料として、ベリリウム、アルミニウム、チタン
のような金属箔、セラミック、グラファイト、ダイヤモ
ンドのような非金属系高弾性素材などが用いられる。し
かし、このような材料によれば、振動板の剛性を高める
ことはできるが、振動系の重量は重くなるので、結局f
hを高周波数側に十分にシフトさせることはできない。
また、高剛性素材は振動による内部損失が小さいので、
周波数特性において大きなピークディップが発生しやす
いという問題がある。さらに、このような高剛性素材は
非常に高価であり、実用的ではない。さらに、振動板の
半頂角を小さくすると振動板の全高が高くなるので、振
動板のネック部分から外周部分までの前方空間の前室効
果により、周波数特性において緩やかで大きなピークデ
ィップが発生しやすいという問題がある。
【0004】一方、fh以上の超高域再生においては、
振動板とボイスコイルとの接合部に駆動の乱れが生じや
すく、その結果、ボイスコイルからの駆動伝達効率が悪
くなり、音圧が急激に低下することがある。このような
問題を回避するためには、振動板とボイスコイルとの接
合部の強度を大きくする必要がある。しかし、従来のス
ピーカーにおいては、当該接合部の強度が不十分であ
る。高域再生スピーカーに通常用いられる材料(例えば
フィルムのような薄物材料)では、当該接合部分の強度
を十分に大きくすることができないからである。
【0005】振動板以外の部分でfhをシフトさせる手
段として、実開平6-5294号公報に記載の技術が知られて
いる。この技術によれば、図4に示すように、ドーム状
のダストキャップの代わりにディフューザーがポールピ
ースの前面に固定されている。しかし、このようなディ
フューザーは、固定されているので振動には寄与しな
い。すなわち、このようなディフューザーは、高周波数
においてコーンの部分から放射された位相の乱れを是正
して周波数特性の波形をスムーズにする役割を有するも
のであり、音圧レベルを改善するものではない。
【0006】さらに、振動板とポールピースとの間に吸
音材(例えば、発泡ウレタン、グラスウール)を配置す
る技術も知られている。しかし、この技術もまた、振動
板裏側の空間の空気共鳴を抑制して周波数特性の波形を
スムーズにする役割を有するものであり、音圧レベルを
改善するものではない。
【0007】以上のように、超高周波数領域において優
れた特性を有する安価なスピーカーが強く望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の課
題を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、非常に高い高域再生限界周波数fhを有
し、超高域周波数領域において優れた音圧レベルを有す
る安価なスピーカーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカーは、
振動板と;該振動板を駆動するボイスコイルと;ポール
ピース、マグネットおよびプレートを含み、該ボイスコ
イルと交差する磁界を形成する磁気回路とを有し、該振
動板と該ポールピースとの間に剛体の質量体が配設され
ている。
【0010】好ましい実施形態においては、上記剛体の
質量体は、金属、樹脂およびゴムからなる群から選択さ
れる材料からなる。
【0011】好ましい実施形態においては、上記振動板
はコーン−ドーム一体型である。
【0012】好ましい実施形態においては、上記振動板
はドーム形状である。
【0013】好ましい実施形態においては、上記ポール
ピースの周縁部における上記振動板と上記質量体との鉛
直方向の離間距離と、該ポールピースの中心部における
該離間距離との比は、1以上である。
【0014】好ましい実施形態においては、上記周縁部
の離間距離と上記中心部の離間距離との比は、1.9〜
4.8の範囲である。
【0015】以下、本発明の作用について説明する。本
発明によれば、振動板と磁気回路のポールピースとの間
に剛体の質量体を配設することにより、非常に高い高域
再生限界周波数fhを有し、超高域周波数領域において
優れた音圧レベルを有するスピーカーが得られる。より
詳細には、剛体の質量体を配設することにより振動板と
ポールピースとの間の空間容積が小さくなるので、空気
のコンプライアンスが増大し、f0が高域側にシフトす
る。さらに、振動板の背面振動が質量体で反射されて振
動板前面の振動が増幅されるので、所望の周波数帯域に
おける音圧レベルが向上する。
【0016】好ましい実施形態においては、ポールピー
ス周縁部における振動板と質量体との鉛直方向の離間距
離と、当該ポールピース中心部における当該離間距離と
の比は1以上である。さらに好ましい実施形態において
は、当該離間距離の比は1.9〜4.8の範囲である。
このようにして振動板と質量体との間に空間を形成する
ことにより、ボイスコイルからの駆動が振動板に伝達さ
れる際に、離間距離の小さい周縁部で質量体の反射が起
こりやすくなり、その反射波が中心部のより大きな空間
に移動する。その結果、振動板中心部分(頂点部分)の
振動がさらに増幅されるので、所望の周波数帯域におけ
る音圧レベルがさらに向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの
実施形態には限定されない。
【0018】図1(a)は、本発明の好ましい実施形態
によるスピーカーを説明するための概略断面図であり、
図1(b)は、振動板と質量体との関係を説明する拡大
断面図である。このスピーカー10は、振動板1と、振
動板1を駆動するボイスコイル2と、ボイスコイル2と
交差する磁界を形成する磁気回路3とを有する。磁気回
路3は、ポールピース4、マグネット5およびプレート
6を含む。振動板1の形状としては、目的に応じて任意
の適切な形状が採用され得るが、代表的には、ドーム形
状、コーン−ドーム一体型形状が挙げられる。
【0019】本発明においては、振動板1とポールピー
ス4との間に質量体7が配設されている。質量体7は剛
体からなる。本明細書において、「剛体」とは、表面硬
度が大きく音波を実質的に全部反射するような材質のこ
とである。このような特性を有する限り任意の適切な材
質が質量体に採用され得るが、代表的には、金属(例え
ば、アルミニウム、鉄)、樹脂(例えば、ポリカーボネ
ート樹脂、ABS樹脂)、ゴム(例えば、ブチルゴム、
NBRのような硬質ゴム)が挙げられる。好ましくは、
アルミニウム、鉄である。ロスが小さく、反射率が大き
いからである。質量体7は、任意の適切な手段(例え
ば、接着剤、ネジ止め、インサート成形)でポールピー
ス4に固定される。
【0020】質量体7の形状は特に限定されず任意の適
切な形状が採用され得るが、好ましくは、振動板1と質
量体7との間に特定の空間を形成するような形状(例え
ば、先の尖った砲弾型)である。以下、具体的に説明す
る。すなわち、質量体が好ましい形状を有する場合に
は、ポールピース4の周縁部における振動板1と質量体
7との鉛直方向の離間距離と、当該ポールピース4の中
心部における当該離間距離との比は、1以上である。図
1(a)および(b)に例示した形態においては、ポー
ルピース周縁部の離間距離は、質量体7の端部Aと当該
端部Aから鉛直方向に延びた振動板1の部分A’との距
離aに対応し、ポールピース中心部の離間距離は、質量
体7の頂部Bと振動板1の頂部B’との距離bに対応す
る。従って、図示例においては、離間距離の比(b/
a)>1である。当該離間距離の比が1より小さい場合
には、ポールピース周縁部における振動板と質量体との
間の空間が大きくなりすぎるので、振動板の背面振動を
質量体が効果的に反射することができず、音圧レベルが
十分に向上しない場合が多いからである。
【0021】好ましくは、当該離間距離は、ポールピー
ス4の周縁部から中心部に向かうに従って単調増加す
る。さらに好ましくは、ポールピース周縁部の離間距離
とポールピース中心部の離間距離との比は1.9〜4.
8の範囲である。このような範囲の比率で離間距離(す
なわち、振動板1と質量体7との間の空間)を設けるこ
とにより、振動板の背面振動が質量体によって効果的に
反射されるので、振動板前面の振動量が増幅され、その
結果、所望の周波数帯域における音圧レベルが顕著に改
善されるからである。
【0022】
【実施例】(実施例1)口径27mmのコーン−ドーム
一体型スピーカーを作製した。このスピーカーのポール
ピースと振動板との間に砲弾型のアルミ製質量体を配設
した。得られたスピーカーの周波数特性を後述の比較例
1〜2の結果と併せて図2に示す。
【0023】(比較例1)質量体を配設しなかったこと
以外は実施例1と同様にしてスピーカーを作製した。得
られたスピーカーの周波数特性を図2に示す。
【0024】(比較例2)アルミ製質量体の代わりに吸
音材(グラスウール)を配置したこと以外は実施例1と
同様にしてスピーカーを作製した。得られたスピーカー
の周波数特性を図2に示す。
【0025】(実施例2)口径27mmのコーン−ドー
ム一体型スピーカーを作製した。このスピーカーのポー
ルピースと振動板との間に砲弾型のアルミ製質量体を配
設した。ポールピース周縁部における質量体と振動板と
の鉛直方向の離間距離を0.4mm、ポールピース中心
部における離間距離を0.7mmとした。すなわち、離
間距離の比を1.93とした。得られたスピーカーの周
波数特性を比較例1および後述の実施例3の結果と併せ
て図3に示す。
【0026】(実施例3)ポールピース周縁部の離間距
離を0.4mmおよびポールピース中心部の離間距離を
1.91mmとしたこと(すなわち、離間距離の比を
4.78としたこと)以外は実施例2と同様にしてスピ
ーカーを作製した。得られたスピーカーの周波数特性を
図3に示す。
【0027】図2および図3から明らかなように、実施
例1のスピーカーは、比較例のスピーカーに比べて、そ
の周波数特性における50〜100kHzの音圧レベル
が6〜10dB向上しており、超高域における特性が顕
著に改善されていることがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、振動板
と磁気回路のポールピースとの間に剛体の質量体を配設
することにより、非常に高い高域再生限界周波数fhを
有し、超高域周波数領域において優れた音圧レベルを有
する安価なスピーカーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の好ましい実施形態によるス
ピーカーを説明するための概略断面図であり、(b)
は、振動板と質量体との関係を説明するための拡大断面
図である。
【図2】本発明のスピーカーの周波数特性と比較例のス
ピーカーの周波数特性とを比較するグラフである。
【図3】本発明のスピーカーの周波数特性と比較例のス
ピーカーの周波数特性とを比較するグラフである。
【図4】従来のスピーカーを説明するための概略断面図
である。
【符号の説明】
1 振動板 2 ボイスコイル 3 磁気回路 4 ポールピース 5 マグネット 6 プレート 7 質量体 10 スピーカー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 創 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D012 BB04 BD00 EA01 FA02 5D016 AA08 AA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と;該振動板を駆動するボイスコ
    イルと;ポールピース、マグネットおよびプレートを含
    み、該ボイスコイルと交差する磁界を形成する磁気回路
    とを有し、 該振動板と該ポールピースとの間に剛体の質量体が配設
    されているスピーカー。
  2. 【請求項2】 前記剛体の質量体が、金属、樹脂および
    ゴムからなる群から選択される材料からなる、請求項1
    に記載のスピーカー。
  3. 【請求項3】 前記振動板がコーン−ドーム一体型であ
    る、請求項1または2のスピーカー。
  4. 【請求項4】 前記振動板がドーム形状である、請求項
    1または2に記載のスピーカー。
  5. 【請求項5】 前記ポールピースの周縁部における前記
    振動板と前記質量体との鉛直方向の離間距離と、該ポー
    ルピースの中心部における該離間距離との比が、1以上
    である、請求項3または4に記載のスピーカー。
  6. 【請求項6】 前記周縁部の離間距離と前記中心部の離
    間距離との比が、1.9〜4.8の範囲である、請求項
    5に記載のスピーカー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006333064A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Pioneer Electronic Corp リング型スピーカ装置
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